(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120402
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】広告送信システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0251 20230101AFI20240829BHJP
【FI】
G06Q30/0251
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027170
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】520457155
【氏名又は名称】株式会社センターモバイル
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】中越 達也
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】広告の送信精度を向上させることができる広告送信システムの提供。
【解決手段】通信機能を有する通信機器9の動作ログD1を取得する動作ログ取得部2と、前記動作ログ取得部2が取得した前記動作ログD1に基づいて広告を探索する広告探索部5と、前記通信機器9、及び前記通信機器9の使用者について関連性のある関連通信機器を関連付ける機器関連付情報D2に基づいて、前記広告探索部5によって探索した前記広告を前記関連通信機器に送信する広告送信部6と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信機能を有する通信機器の動作ログを取得する動作ログ取得部と、
前記動作ログ取得部が取得した前記動作ログに基づいて広告を探索する広告探索部と、
前記通信機器、及び前記通信機器の使用者について関連性のある関連通信機器を関連付ける機器関連付情報に基づいて、前記広告探索部によって探索した前記広告を前記関連通信機器に送信する広告送信部と、を備える、
広告送信システム。
【請求項2】
前記広告送信部は、前記広告探索部が前記動作ログに基づいて探索した広告を前記通信機器に送信可能に構成される、
請求項1に記載の広告送信システム。
【請求項3】
前記広告探索部は、
前記関連通信機器に送信するための第1広告を探索する処理と、前記通信機器に送信するための第2広告を探索する処理を実行する、
請求項2に記載の広告送信システム。
【請求項4】
前記広告送信部は、前記広告の送信に使用する通信経路の使用量が少ない時間帯を示す少通信時間情報を設定し、前記少通信時間情報が示す時間帯に広告を送信する、
請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の広告送信システム。
【請求項5】
前記広告送信部は、
前記広告の送信対象とする前記通信機器について、通信量が少ない時間帯を示す少通信時間情報を設定し、前記少通信時間情報が示す時間帯に前記広告を送信する、
請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の広告送信システム。
【請求項6】
前記動作ログ取得部は、前記関連通信機器の前記動作ログを取得するように構成され、
前記広告探索部は、前記通信機器の前記動作ログと前記関連通信機器の前記動作ログとに基づいて広告を探索する、
請求項1又は請求項2に記載の広告送信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告送信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
上記広告送信システムとして、例えば特許文献1に開示されているような、テレビと、ユーザーの操作によりブラウザなどのアプリケーションを実行するデバイスと、テレビ及びデバイスが接続されるルータと、テレビに対してテレビと同じIPアドレスのデバイスを関連付け、関連付けられているテレビとデバイスにユーザの属性を関連付けるマッチングサーバと、テレビやデバイスに広告を送信する広告送信サーバとを備えるID連携システムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のID連携システムは、IPアドレスに基づいてテレビにデバイスを関連付けるように構成されているため、テレビやデバイスの使用者に対して適切な広告を配信する精度が低下することがある。
【0005】
そこで、本発明は、かかる実情に鑑み、広告の送信精度を向上させることができる広告送信システムの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の広告送信システムは、
通信機能を有する通信機器の動作ログを取得する動作ログ取得部と、
前記動作ログ取得部が取得した前記動作ログに基づいて広告を探索する広告探索部と、
前記通信機器、及び前記通信機器の使用者について関連性のある関連通信機器を関連付ける機器関連付情報に基づいて、前記広告探索部によって探索した前記広告を前記関連通信機器に送信する広告送信部と、を備える。
【0007】
上記構成の広告送信システムは、広告を探索するために動作ログが用いられた通信機器と、かかる通信機器とは別の通信機器(関連通信機器)が使用者の関連性に基づいて互いに関連付けられるため、動作ログに基づいて探索した広告が関連通信機器の使用者に適する確率が高まり、これにより、広告の送信精度が向上する。
【0008】
本発明の広告送信システムにおいて、
前記広告送信部は、前記広告探索部が前記動作ログに基づいて探索した広告を前記通信機器に送信可能に構成されていてもよい。
【0009】
このようにすれば、広告を探索するために動作ログが用いられた通信機器にも広告を送信することによって、広告の送信効率が向上する。
【0010】
また、本発明の広告送信システムにおいて、
前記広告探索部は、前記関連通信機器に送信する第1広告を探索する処理と、前記通信機器に送信する第2広告を探索する処理を実行するようにしてもよい。
【0011】
このようにすれば、関連通信機器と通信機器のそれぞれに合わせて広告を探索して送信できるため、広告の送信精度が向上する。
【0012】
また、本発明の広告送信システムにおいて、
前記広告送信部は、前記広告の送信に使用する通信経路の使用量が少ない時間帯を示す少通信時間情報を設定し、前記少通信時間情報が示す時間帯に広告を送信するようにしてもよい。
【0013】
このようにすれば、広告送信部が広告を送信する処理を円滑に行うことができるようになり、これにより、広告を送信する効率が向上する。
【0014】
また、本発明の広告送信システムにおいて、
前記広告送信部は、
前記広告の送信対象とする前記通信機器について、通信量が少ない時間帯を示す少通信時間情報を設定し、少通信時間情報が示す時間帯に前記広告を送信するようにしてもよい。
【0015】
このようにしても、広告送信部が広告を送信する処理を円滑に行うことができるようになり、これにより、広告を送信する効率が向上する。
【0016】
また、本発明の広告送信システムにおいて、
前記動作ログ取得部は、前記関連通信機器の前記動作ログを取得するように構成され、
前記広告探索部は、前記通信機器の前記動作ログと前記関連通信機器の前記動作ログとに基づいて広告を探索するように構成されていてもよい。
【0017】
このようにすれば、広告を探索する際に用いる情報を増やすことによって、広告の送信精度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明の広告送信システムは、広告の送信精度を向上させることができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る広告送信システムの構成の概要を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、同実施形態に係る広告送信システムの説明図であって、記憶部に動作ログを記憶している状態の説明図である。
【
図3】
図3は、同実施形態に係る広告送信システムの説明図であって、機器関連付情報を作成している状態の説明図である。
【
図4】
図4は、同実施形態に係る広告送信システムの説明図であって、分析済情報を作成する際に機器関連付情報を取得した状態の説明図である。
【
図5】
図5は、同実施形態に係る広告送信システムの説明図であって、分析済情報を作成する際に機器識別情報に動作ログを関連付けた状態の説明図である。
【
図6】
図6は、同実施形態に係る広告送信システムの説明図であって、分析済情報を作成する際に機器関連付情報に探索条件情報を関連付けた状態の説明図である。
【
図7】
図7は、同実施形態に係る広告送信システムのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態にかかる広告システムについて、添付図面を参照しつつ説明する。
【0021】
広告送信システム1は、
図1に示すように、通信設備8によって構築されるデータ通信回線(図示しない)を介して複数の通信機器9と通信可能に接続されている。複数の通信機器は、データ通信回線を利用することによって、広告送信システム1との通信だけでなく、インターネット接続等も行うことができる。
【0022】
通信設備8が構築するデータ通信回線は、例えば、通信サービス(ユーザーにデータ通信回線の利用を提供するサービス)に用いられるものであり、不特定多数のユーザーによって利用される。
【0023】
通信機器9は、制御部90と、情報を記憶する記憶媒体91と、を有する。
【0024】
制御部90は、通信機器9の動作を制御する処理を実行するように構成されている。制御部90は、例えば、データ通信回線を介してデータ通信を行う処理や、アプリケーションを実行する処理等を実行するように構成されている。
【0025】
記憶媒体91には、記憶媒体91ごとに割り当てられる媒体識別情報が記憶されている。
【0026】
記憶媒体91は、例えば、SIMカードやeSIM等のことである。
【0027】
媒体識別情報は、記憶媒体91を識別するために利用可能な情報である。媒体識別情報は、例えば、発信番号や、FFCID、製造番号(記憶媒体91自身の製造番号)、SIMカード識別子、SIM識別子等のことである。
【0028】
記憶媒体91は、通信機器9に装着されるか、通信機器9に一体的に組み込まれた状態で通信機器9と共に使用される。
【0029】
本実施形態に係る広告システム1は、通信機器9の動作ログD1を受ける動作ログ受部2と、互いに関連性のある通信機器9(後述する管理用識別情報D30)同士を関連付ける機器情報関連付部3と、動作ログD1を分析するログ分析部4と、ログ分析部4による動作ログD1の分析結果に基づいて広告の探索と選択を行う広告探索部5と、広告探索部5によって探索した広告を通信機器9に送信する広告送信部6と、情報を記憶する記憶部7と、を備えている。
【0030】
動作ログ受部2は、
図2に示すように通信設備8から動作ログD1を受けるように構成されていてもよいし、通信設備8とは別の設備や機器から動作ログD1を受けるように構成されていてもよい。また、動作ログ受部2は、通信設備8によって構築されている通信回線に接続されている通信機器9の全てから動作ログを取得可能である。
【0031】
動作ログ受部2は、通信設備8から受けた動作ログD1を記憶部7に記憶する記憶処理を実行するように構成されている。
【0032】
動作ログ受部2によって記憶部7に記憶された動作ログD1は、ログD1を出力する契機となる動作をとった通信機器9を示す出力元識別情報D10と、出力元識別情報D10が示す通信機器9の動作に関する内容を示すログ内容情報D11とを有する。
【0033】
動作ログD1とは、例えば、使用者による通信機器9の操作に伴うアプリケーションやオペレーティングシステム等の動作の履歴や、アプリケーションやオペレーティングシステム等の自動的な動作の履歴であるログ(端末動作ログ)や、通信機器9がデータ通信を行う際に作成されるログ(通信動作ログ)のことである。
【0034】
そのため、ログ内容情報D11は、アプリケーションやオペレーティングシステム等の動作の履歴や、データ通信の履歴を示すものになっている。なお、通信回線を介して動作ログ受部2によって取得した端末動作ログや通信動作ログは、通信回線を構成する機器の動作履歴が付加された状態になっている。
【0035】
動作ログ受部2が記憶処理を実行し続けると、複数の動作ログD1が記憶部7に記憶される。以下の説明においては、記憶部7に記憶された(蓄積された)複数の動作ログD1をひとまとめにしたものをログリストLと称する。
【0036】
ログリストLが有する複数の動作ログD1には、出力元識別情報D10が互いに異なる複数の動作ログD1や、出力元識別情報D10は同一であるがログ内容情報D11が互いに異なる複数の動作ログD1等が含まれる。
【0037】
機器情報関連付部3は、
図3に示すように、互いに関連性のある通信機器9を示す機器関連付情報D2を作成するように構成される。
【0038】
本実施形態の機器情報関連付部3は、記憶媒体91ごとに作成されるマスター情報D3に基づいて、機器関連付情報D2を作成するように構成される。
【0039】
マスター情報D3は、記憶媒体91を識別するための管理用識別情報D30と、管理用識別情報D30と共に使用される通信機器9の使用者を示す使用者情報D31と、を有する。管理用識別情報D30は、記憶媒体91に設定されている管理用識別情報D30と同じ情報である。
【0040】
記憶媒体91がデータ通信サービスの加入者が使用するものである場合、使用者情報D31は、データ通信サービスの契約者(加入者)を特定可能な契約者情報によって構成される。契約者情報は、契約者の氏名や住所等のような契約者を特定可能な個人情報であればよい。また、データ通信サービスの契約者と通信機器の使用者が異なる場合は、契約者とは別の通信機器の使用者を特定可能な情報を使用者情報D31としてもよい。
【0041】
記憶媒体91は、上述のように、通信機器9に装着されるか、通信機器9に一体的に組み込まれた状態で通信機器9と共に使用されるため、記憶媒体91を識別する管理用識別情報D30は、通信機器9を識別する機器識別情報D20として用いることができる。
【0042】
機器情報関連付部3は、複数のマスター情報D3のうち、使用者情報D31に関連性があるものを抽出し、抽出した複数のマスター情報D3のそれぞれの管理用識別情報D30を機器識別情報D20として関連付ける。これにより、機器情報関連付部3によって機器関連付情報D2が作成される。
【0043】
また、マスター情報D3が、管理用識別情報D30と使用者情報D31とに加えて、使用者情報D31が示す使用者の特性(例えば、趣味嗜好、ライフスタイル等)を示す特性情報D32を有する場合、機器情報関連付部3は、複数のマスター情報D3のうち、同一又は類似の特性情報D32が関連付けられているものを抽出し、抽出した複数のマスター情報D3のそれぞれの管理用識別情報D30を機器識別情報D20として互いに関連付け、これにより、機器関連付情報D2を作成することも可能である。
【0044】
特性情報D32は、通信機器9の使用者自身から取得してもよいし、通信機器9(管理用識別情報D30が示す記憶媒体91と共に使用される通信機器9)の動作ログD1(具体的には、通信機器9を使用しているアプリケーションや時間帯の傾向や、通信機器9で収集している情報の傾向等の通信機器9の使用傾向等)に基づいて作成されてもよい。
【0045】
以上のように、マスター情報D3の管理用識別情報D30に対して使用者に関する情報である使用者情報D31と特性情報D32とが関連付けられている場合、機器情報関連付部3は、使用者情報D31及び特性情報D32の少なくとも一方の関連性に基づいて管理用識別情報D30同士を関連付けるように構成される。また、機器情報関連付部3は、通信機器9同士(管理用識別情報D30同士)を関連付ける条件を示す関連付条件情報に基づいて通信機器9同士を関連付けるように構成される。
【0046】
図3に図示している一例では、使用者情報D31が同一である「SIM(a)」の管理用識別情報D30と「SIM(b)」の管理用識別情報D30が機器情報関連付部3によって関連付けられている。
【0047】
図3には図示していないが、
図3に示す「SIM(a)」の特性情報D32と「SIM(d)」の特性情報D32は同一であるため、「SIM(a)」の管理用識別情報D30と「SIM(d)」の管理用識別情報D30が機器情報関連付部3によって関連付けられてもよい。
【0048】
機器識別情報D20も出力元識別情報D10も通信機器9を示す情報(媒体識別情報と同じ内容を示す情報)であるため、機器識別情報D20に該当する出力元識別情報D10を有する動作ログD1をログリストLから抽出すれば、機器識別情報D20が示す通信機器9の動作ログD1を取得することが可能である。
【0049】
なお、
図3に図示している機器関連付情報D2は、2つの機器識別情報D20を有するが、機器関連付情報D2が有する機器識別情報D20の数は3つ以上であってもよい。
【0050】
ログ分析部4は、機器関連付情報D2を取得する関連付情報取得部40と(
図4参照)、関連付情報取得部40で取得した機器関連付情報D2が有する機器識別情報D20に該当する出力元識別情報D10が関連付けられている動作ログD1をログリストLから抽出する動作ログ抽出部41と(
図5参照)、動作ログ抽出部41によって抽出した動作ログD1に基づいて広告の探索条件を示す探索条件情報を作成する探索条件作成部42と(
図6参照)、を有する。
【0051】
関連付情報取得部40は、広告送信部6が通信機器9に広告を送信することが決定された時に機器関連付情報D2を取得するように構成される。なお、広告送信部6が通信機器9に広告を送信することは、例えば、広告送信システム1が通信機器9から広告の送信を要求されたときや、広告送信システム1が自発的に広告を通信機器9に送信するときに決定される。
【0052】
動作ログ抽出部41は、
図5に示すように、機器関連付情報D2(関連付情報取得部40が取得した機器関連付情報D2の機器識別情報D20に基づいて、該機器識別情報D20が示す通信機器9の動作ログD1をログリストLから抽出する抽出処理と、
抽出処理によって抽出した動作ログD1を機器関連付情報D2の機器識別情報D20に関連付ける抽出後処理とを実行するように構成される。
【0053】
機器関連付情報D2は複数の機器識別情報D20を有するため、動作ログ抽出部41は、複数の機器識別情報D20のそれぞれごとに抽出処理と抽出後処理を実行するように構成される。
【0054】
探索条件作成部42は、
図6に示すように、機器関連付情報D2が有する機器識別情報D20に関連付けられている動作ログD1に基づいて複数の探索条件情報D4を作成する条件作成処理と、条件作成処理によって作成した複数の探索条件情報D4を機器関連付情報D2の機器識別情報D20に関連付ける作成後処理を実行するように構成される。
【0055】
機器関連付情報D2は複数の機器識別情報D20を有するため、探索条件作成部42は、複数の機器識別情報D20のそれぞれごとに条件作成処理と作成後処理を実行するように構成される。
【0056】
複数の探索条件情報D4は、通信機器9の分類を示す機器分類情報D40と、探索対象とする広告が属する分類を示す広告分類情報D41とで構成される。
【0057】
複数の探索条件情報D4に含まれる機器分類情報D40の数は1つになるが、複数の探索条件情報D4に含まれる広告分類情報D41の数は特に問わない。
【0058】
機器分類情報D40には、例えば、放送(電波放送やインターネット放送)された情報(映像等の視覚情報)を受信して出力する機能を有する通信機器9(例えばテレビ等)が属する機器分類を示す情報か、使用者がソフトウェアやアプリケーションを導入して使用する通信機器9が属する機器分類(例えばスマートフォンやパソコン等)を示す情報の何れか一方が設定される。
【0059】
機器分類情報D40に通信機器9の分類を設定するには、例えば、管理用識別情報D30に対して通信機器9の分類を識別するための分類識別情報を関連付けておき、探索条件作成部42が条件作成処理において分類識別情報が示す通信機器9の分類を機器分類情報D40に設定するように構成されていればよい。
【0060】
広告が属する分類とは、広告の内容の種類ごとに定められた分類のことである。広告が属する分類は、例えば、スポーツやニュース等の主分類と、主分類に関連付けられている複数の副分類とを含む。主分類がスポーツである場合、複数の副分類にはテニスやサッカー等が設定され、主分類がニュースである場合、複数の副分類には政治や経済等が設定される。
【0061】
以下の説明において、探索条件情報D4が関連付けられている機器識別情報D20を有する機器関連付情報D2を分析済情報と称する。
【0062】
広告探索部5は、分析済情報が有する複数の機器識別情報D20から、広告を探索するための分析対象とする通信機器9(通信機器9を示す機器識別情報D20)を選択する分析対象選択部50と、分析済情報が有する複数の機器識別情報D20から、広告の送信先とする通信機器9(通信機器9を示す機器識別情報D20)を選択する送信先選択部51と、送信先選択部51によって選択された機器識別情報D20が示す通信機器9に送信する広告を分析対象選択部50によって選択された機器識別情報D20に関連付けられている探索条件情報D4に基づいて探索する探索実行部52と、を有する。
【0063】
以下、分析対象選択部50によって選択された機器識別情報D20が示す通信機器9を分析対象機器と称し、送信先選択部51によって選択された機器識別情報D20が示す通信機器9を送信先機器と称する。
【0064】
分析対象選択部50によって選択する機器識別情報D20の数は、1つであってもよいし、複数であってもよい。
【0065】
送信先選択部51によって選択する機器識別情報D20の数は、1つであってもよいし、複数であってもよい。また、送信先選択部51によって選択する機器識別情報D20は、分析対象選択部50によって選択されたものとは別のものであってもよいし、分析対象選択部50によって選択されたものであってもよい。
【0066】
探索実行部52は、送信先選択部51によって選択された機器識別情報D20に関連付けられている機器分類情報D40と、分析対象選択部50によって選択された機器識別情報D20に関連付けられている広告分類情報D41を取得する分類取得処理と、取得した機器分類情報D40と広告分類情報D41に適合する広告を探索して選択する探索処理、とを実行するように構成される。
【0067】
探索実行部52は、複数の広告を保管している広告保管サーバーSに対して通信可能に接続されており、探索処理を実行すると、広告保管装置に保管されている複数の広告から、機器分類情報D40と広告分類情報D41に適合する広告を探索して選択(取得)するように構成されている。
【0068】
広告保管サーバーSは、複数の広告を階層型の分類構造によって分けた状態で保管している。階層型の分類構造は、機器分類が上層の分類に設定され、広告分類が機器分類よりも下層の分類に設定されている。また、階層型の分類構造は、例えば、複数の機器分類が同じ層に設定され、この複数の機器分類のそれぞれの下層に複数の広告分類(主分類、及び副分類)が設定されていればよい。
【0069】
この場合、探索実行部52は、探索処理を実行すると、階層型の分類構造から分類取得処理で取得した機器分類情報D40が示す分類と同じ機器分類を選択し、かかる機器分類の下層に設定されている複数の広告分類のうち、分類取得処理で取得した広告分類情報D41と同じ広告分類を選択し、かかる広告分類に属する広告を選択するように構成される。
【0070】
送信先選択部51によって複数の機器識別情報D20が選択されている場合、探索実行部52は、複数の機器識別情報D20のそれぞれごとに分類取得処理と探索処理を実行するように構成される。
【0071】
また、分析対象選択部50によって複数の機器識別情報D20が選択されている場合、探索実行部52は、分類取得処理において複数の機器識別情報D20のそれぞれから広告分類情報D41を取得し、探索処理においては、機器分類情報D40に対応する分類の下層の広告分類から、複数の広告分類情報D41のそれぞれについて対応する広告を選択するように構成される。
【0072】
広告送信部6は、探索実行部52で探索した広告を、送信先選択部51によって選択した機器識別情報D20が示す通信機器9に送信する。
【0073】
本実施形態の広告送信部6は、広告の送信に使用する通信経路の使用量が少ない時間帯を示す少通信時間情報を設定し、この少通信時間情報が示す時間帯に広告を送信するように構成されていてもよい。
【0074】
このようにする場合、広告送信部6は、通信経路の過去の使用量を示す情報を取得し、この情報に基づいて導出した通信経路の使用量が少ない時間帯を少通信時間情報とするように構成されていればよい。
【0075】
また、広告送信部6は、広告の送信対象とする通信機器9自体の通信量が少ない時間帯を少通信時間情報として設定し、この少通信時間情報が示す時間帯に広告を送信するように構成されていてもよい。
【0076】
このようにする場合、広告送信部6は、通信機器9の操作ログや通信ログ等を示す情報を取得し、この情報に基づいて導出した通信量の少ない時間帯を少通信時間情報とするように構成されていればよい。
【0077】
本実施形態に係る広告送信システム1の構成は、以上の通りである。続いて、広告送信システム1の動作を説明する。
【0078】
記憶部7には、動作ログ受部2が受けた動作ログD1が記憶されている。記憶部7に記憶されている動作ログD1は、出力元識別情報D10とログ内容情報D11を有する。
【0079】
機器情報関連付部3による通信機器9を関連付ける処理では、通信機器9を関連付ける条件を示す関連付条件情報に基づいて、マスター情報D3が有する複数の管理用識別情報D30のうち、関連付条件情報が示す条件に該当する管理用識別情報D30を複数選択し、選択した複数の管理用識別情報D30を機器識別情報D20として互いに関連付ける。これにより、機器関連付情報D2が作成される。
【0080】
記憶部7に動作ログD1と機器関連付情報D2が記憶されている状態でログ分析部4が動作し、
図7に示すように、関連付情報取得部40が機器関連付情報D2を取得すると(S1でYes)、動作ログ抽出部41が、関連付情報取得部40によって取得された機器関連付情報D2の機器識別情報D20に基づいて、この機器識別情報D20に該当する出力元識別情報D10が関連付けられている動作ログD1をログリストLから抽出し(S2)、探索条件作成部42が、動作ログ抽出部41によって抽出した動作ログD1に基づいて探索条件情報D4を作成する(S3)。
【0081】
続いて、広告探索部5による広告の探索(S4)と、広告送信部6による広告の送信とを行う(S5)。
【0082】
広告探索部5による広告の探索(具体的には広告探索部5の探索実行部52の動作)と、広告送信部6の動作は、分析対象選択部50による機器識別情報D20の選択の仕方と、送信先選択部51による機器識別情報D20の選択の仕方とに応じて変化する。
【0083】
分析対象選択部50によって選択された機器識別情報D20が1つであり、送信先選択部51によって選択された機器識別情報D20が1つであり、送信先選択部51によって選択された機器識別情報D20と分析対象選択部50によって選択された機器識別情報D20が異なっている場合、探索実行部52は、分析対象選択部50によって選択された1つの機器識別情報D20に関連付けられている探索条件情報D4に基づいて広告を探索し、広告送信部6は、探索実行部52によって選択された広告を、送信先機器に送信する。
【0084】
この場合、1つの分析対象機器の動作ログD1に基づいて探索(選択)された広告が、分析対象機器に関連性があり、且つ分析対象機器とは別の送信先機器(すなわち、関連通信機器)に送信される。
【0085】
分析対象選択部50によって選択された機器識別情報D20が複数であり、送信先選択部51によって選択された機器識別情報D20が1つであり、送信先選択部51によって選択された機器識別情報D20が分析対象選択部50によって選択された複数の機器識別情報D20のそれぞれとは異なっている場合、探索実行部52は、分析対象選択部50によって選択された複数の機器識別情報D20のそれぞれに関連付けられている探索条件情報D4に基づいて広告を探索し、広告送信部6は、探索実行部52によって選択された広告を、送信先機器に送信する。
【0086】
この場合、複数の分析対象機器の動作ログD1に基づいて探索(選択)された広告が、複数の分析対象機器に関連性があり、且つ複数の分析対象機器のそれぞれとは別の送信先機器(すなわち、関連通信機器)に送信される。
【0087】
分析対象選択部50によって選択された機器識別情報D20が1つであり、送信先選択部51によって選択された機器識別情報D20が複数であり、送信先選択部51によって選択された複数の機器識別情報D20が分析対象選択部50によって選択された1つの機器識別情報D20とは異なっている場合、探索実行部52は、分析対象選択部50によって選択された1つの機器識別情報D20に関連付けられている探索条件情報D4に基づいて広告を探索し、広告送信部6は、この探索実行部52によって選択された広告を、複数の送信先機器に送信する。
【0088】
この場合、1つの分析対象機器の動作ログD1に基づいて探索(選択)された広告が、1つの分析対象機器に関連性があり、且つ分析対象機器とは別の複数の送信先機器(関連通信機器)のそれぞれに送信される。
【0089】
分析対象選択部50によって選択された機器識別情報D20が1つであり、送信先選択部51によって選択された機器識別情報D20が複数であり、送信先選択部51によって選択された複数の機器識別情報D20に分析対象選択部50によって選択された1つの機器識別情報D20が含まれている場合、探索実行部52は、分析対象選択部50によって選択された1つの機器識別情報D20に関連付けられている探索条件情報D4に基づいて広告を探索し、広告送信部6は、探索実行部52によって選択された広告を、複数の送信先機器のそれぞれに送信する。
【0090】
この場合、1つの分析対象機器の動作ログD1に基づいて探索(選択)された広告が、1つの分析対象機器に関連性があり、且つ1つの分析対象機器とは別の複数の送信先機器(関連通信機器)のそれぞれと、分析対象機器とに送信される。
【0091】
分析対象選択部50によって選択された機器識別情報D20が複数であり、送信先選択部51によって選択された機器識別情報D20も複数であり、送信先選択部51によって選択された複数の機器識別情報D20に、分析対象選択部50によって選択された機器識別情報D20が含まれていない場合、探索実行部52は、分析対象選択部50によって選択された複数の機器識別情報D20に関連付けられている探索条件情報D4に基づいて広告を探索し、広告送信部6は、探索実行部52によって選択された広告を、複数の分析対象機器とは別の複数の送信先機器に送信する。
【0092】
この場合、複数の分析対象機器の動作ログD1に基づいて探索(選択)された広告が、
複数の分析対象機器のそれぞれに関連性があり、且つ複数の分析対象機器のそれぞれにとは別の複数の送信先機器(関連通信機器)のそれぞれに送信される。
【0093】
分析対象選択部50によって選択された機器識別情報D20が複数であり、送信先選択部51によって選択された機器識別情報D20も複数であり、送信先選択部51によって選択された複数の機器識別情報D20に、分析対象選択部50によって選択された機器識別情報D20が含まれている場合、探索実行部52は、分析対象選択部50によって選択された複数の機器識別情報D20のそれぞれに関連付けられている探索条件情報D4に基づいて広告を探索し、広告送信部6は、探索実行部52によって選択された広告を、複数の送信先機器のそれぞれに送信する。
【0094】
この場合、複数の分析対象機器の動作ログD1に基づいて探索(選択)された広告が、
複数の分析対象機器に関連性があり、且つ複数の分析対象機器のそれぞれとは別の複数の送信先機器(関連通信機器)と、分析対象機器(送信先選択部51によって選択された分析対象機器)とに送信される。
【0095】
このようにして、本実施形態の広告送信システム1は、通信機器9の動作ログD1に基づいて探索した広告を、様々な通信機器9に送信できるようになっている。
【0096】
以上のように、本実施形態に係る広告送信システム1によれば、動作ログが広告の探索に用いられた通信機器9と、かかる通信機器9とは別の通信機器9(関連通信機器)が使用者及び使用傾向の少なくとも何れか一方に関連性に基づいて互いに関連付けられるため、動作ログD1に基づいて探索した広告が関連通信機器の使用者に適する確率が高まり、これにより、広告の送信精度が向上するという優れた効果を奏し得る。
【0097】
また、広告送信システム1では、広告送信部6が広告探索部5が動作ログD1に基づいて探索した広告を分析対象機器(動作ログD1の分析対象とした通信機器9)にも送信可能であるため、分析対象機器(広告を探索するために動作ログD1が用いられた通信機器9)にも広告を送信することによって、広告の送信効率を向上させることができる。
【0098】
さらに、広告探索部5の探索実行部52は、送信先機器の属する分類(機器分類情報D40が示す分類)に適した広告のなかから、広告分類情報D41に適合する広告を探索して選択できるように構成されているため、分析対象機器と送信先機器とが異なる種類の機器となる場合であっても、広告送信部6が送信先機器に適した広告を送信できるようになっている。
【0099】
広告は、送信対象とする通信機器の種類によってデータ容量や表示サイズ等が異なるため、複数種の通信機器9に広告を送信可能な広告送信システム1では、上記の構成が有効である。
【0100】
例えば、分析対象機器がスマートフォンであり、送信先機器がテレビである場合は、テレビ用の広告のなかでスマートフォンの動作ログD1に基づいて作成された広告分類情報D41に該当する広告が探索され、分析対象機器がテレビであり、送信先機器がスマートフォンである場合は、スマートフォン用の広告のなかでテレビの動作ログD1に基づいて作成された広告分類情報D41に該当する広告が探索される。
【0101】
広告送信部6が送信先機器と分析対象機器とに広告を送信する場合においても、広告探索部5は、送信先機器用の広告(すなわち第1広告)と、分析対象機器用の広告(すなわち第2広告)とを別々に探索して選択できるため、送信先機器と分析対象機器(広告を探索するために動作ログD1が用いられた通信機器9)のそれぞれに適した広告を送信できる。そのため、本実施形態の広告送信システム1は、広告の送信効率と送信精度を向上させることもできる。
【0102】
さらに、本実施形態の広告送信システム1は、送信先機器の動作ログD1も広告の探索に用いることができるように構成されているため、広告を探索する際に用いる情報を増やすことによって、広告の送信精度を向上させることができる。
【0103】
また、本実施形態の広告送信システム1においては、広告送信部6が、広告の送信に使用する通信経路(通信回線や、通信回線を構成する機器)の負荷が少ない時間帯に広告を送信するように構成されているため、広告送信部6が広告を送信する処理を円滑に行うことができるようになり、これにより、広告を送信する効率が向上する。
【0104】
なお、本発明に係る広告送信システム1は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0105】
上記実施形態の広告送信システム1では、動作ログ受部2が受けた動作ログD1を取得するように構成されていたが、この構成に限定されない。例えば、動作ログ抽出部41が、動作ログD1を直接取得するように構成されていてもよい。
【0106】
上記実施形態の広告送信システム1の説明において特に言及しなかったが、機器情報関連付部3が機器関連付情報D2を作成するタイミングは、動作ログ受部2や、ログ分析部4、広告探索部5、広告送信部6の動作のタイミングに拘束されない。
【0107】
上記実施形態の広告送信システム1の説明では、機器分類情報D40に、放送された情報を受信して出力する機能を有する通信機器9が属する分類を示す情報か、使用者がソフトウェアやアプリケーションを導入して使用する通信機器9が属する分類を示す情報の何れか一方が設定されると説明したが、この構成に限定されない。
【0108】
広告送信システム1では、例えば、通信機器9が備えるモニターの仕様(画面のサイズ等)に合わせて定められた分類が機器分類情報D40に設定されるように構成されていてもよいし、通信機器9に対して許容されている通信量に合わせて定められた分類が設定されるように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0109】
1…広告送信システム、2…動作ログ受部、3…機器情報関連付部、4…ログ分析部、5…広告探索部、6…広告送信部、7…記憶部、8…通信設備、9…通信機器、40…関連付情報取得部、41…動作ログ抽出部、42…探索条件作成部、50…分析対象選択部、51…送信先選択部、52…探索実行部、90…制御部、91…記憶媒体、D1…動作ログ、D10…出力元識別情報、D11…ログ内容情報、D2…機器関連付情報、D20…機器識別情報、D3…マスター情報、D30…管理用識別情報、D31…使用者情報、D32…特性情報、D4…探索条件情報、D40…機器分類情報、D41…広告分類情報、L…ログリスト、S…広告保管サーバー