(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012042
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】充電システム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203253
(22)【出願日】2022-12-20
(31)【優先権主張番号】P 2022113716
(32)【優先日】2022-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(74)【代理人】
【識別番号】100143454
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 克彦
(72)【発明者】
【氏名】藤原 信幸
(72)【発明者】
【氏名】寺内 嘉一
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB02
5G503BB03
5G503FA03
(57)【要約】
【課題】ユーザの指等が携帯端末の受電端子及び充電装置の給電端子に触れ難い構成を提供する。
【解決手段】携帯端末10の受電端子21は、筐体11に設けられる端末側凹部22内に配置される。充電装置40の筐体41には、載置時に端末側凹部22内に入り込む装置側凸部52が設けられ、この装置側凸部52には、対向面52aに配置される給電端子51を周囲から保護して当該給電端子51よりも対向面52aからの高さが高い保護部53が設けられる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末と、
前記携帯端末の受電端子に給電端子が接続されるように載置された前記携帯端末を充電する充電装置と、
を備える充電システムであって、
前記受電端子は、前記携帯端末の外郭を形成する端末側筐体に設けられる端末側凹部内に配置され、
前記充電装置の外郭を形成する装置側筐体には、前記載置時に前記端末側凹部内に入り込む装置側凸部が設けられ、
前記給電端子は、前記載置時に前記受電端子に対向する前記装置側凸部の対向面に配置され、
前記装置側凸部には、前記給電端子を周囲から保護して当該給電端子よりも前記対向面からの高さが高い保護部が設けられることを特徴とする充電システム。
【請求項2】
前記端末側筐体は、端末側基板が収容される端末側基部と前記端末側凹部が設けられる端末側端子部とを備えて、前記端末側基部と前記端末側端子部とが着脱可能に構成されることを特徴とする請求項1に記載の充電システム。
【請求項3】
前記端末側基板に設けられる所定の電極が前記端末側端子部に設けられる中継端子に接続されることで、前記端末側基板が前記受電端子を介して受電可能になり、
前記端末側端子部は、前記端末側基部への組み付け時に、前記中継端子が前記所定の電極に接触するように形成されることを特徴とする請求項2に記載の充電システム。
【請求項4】
前記装置側筐体は、装置側基板が収容される装置側基部と前記装置側凸部が設けられる装置側端子部とを備えて、前記装置側基部と前記装置側端子部とが着脱可能に構成されることを特徴とする請求項1に記載の充電システム。
【請求項5】
前記装置側基板に設けられる所定の電極が前記装置側端子部に設けられる中継端子に接続されることで、前記装置側基板が前記給電端子を介して給電可能になり、
前記装置側端子部は、前記装置側基部への組み付け時に、前記中継端子が前記所定の電極に接触するように形成されることを特徴とする請求項4に記載の充電システム。
【請求項6】
前記受電端子及び前記給電端子の少なくともいずれか一方は、接続時に弾性変形可能な端子として形成されることを特徴とする請求項1に記載の充電システム。
【請求項7】
前記端末側凹部及び前記装置側凸部には、前記装置側凸部を前記端末側凹部内に挿入して前記受電端子と前記給電端子とを接続した際に互いに当接する当接部がそれぞれ設けられることを特徴とする請求項6に記載の充電システム。
【請求項8】
前記端末側凹部の内側面は、奥側ほど狭くなるように傾斜して形成され、
前記装置側凸部の外側面は、前記載置時に前記端末側凹部の内側面によって案内されるように傾斜して形成されることを特徴とする請求項1に記載の充電システム。
【請求項9】
前記端末側凹部は、前記端末側筐体のうち把持される部位と異なる部位に設けられることを特徴とする請求項1に記載の充電システム。
【請求項10】
前記給電端子は、前記装置側凸部の前記対向面に対して着脱可能に形成されることを特徴とする請求項1に記載の充電システム。
【請求項11】
前記受電端子及び前記給電端子は、それぞれ一対設けられ、
前記充電装置は、前記一対の給電端子の間に前記載置時での前記携帯端末の重心が垂直投影されるように前記携帯端末を保持する保持部を備えることを特徴とする請求項1に記載の充電システム。
【請求項12】
携帯端末と、
前記携帯端末の受電端子に給電端子が接続されるように載置された前記携帯端末を充電する充電装置と、
を備える充電システムであって、
前記給電端子は、前記充電装置の外郭を形成する装置側筐体に設けられる装置側凹部内に配置され、
前記携帯端末の外郭を形成する端末側筐体には、前記載置時に前記装置側凹部内に入り込む端末側凸部が設けられ、
前記受電端子は、前記載置時に前記給電端子に対向する前記端末側凸部の対向面に配置され、
前記端末側凸部には、前記受電端子を周囲から保護して当該受電端子よりも前記対向面からの高さが高い保護部が設けられることを特徴とする充電システム。
【請求項13】
前記携帯端末は、
蓄電デバイスとして機能する端末側キャパシタを備え、
前記充電装置は、
蓄電デバイスとして機能する装置側キャパシタと、
一対の前記給電端子と一対の前記受電端子とを介した前記装置側キャパシタと前記端末側キャパシタとの接続を開閉するスイッチング素子と、
前記スイッチング素子を開状態に制御することで前記装置側キャパシタからの電力を利用して前記端末側キャパシタを充電する充電処理を行う制御回路と、
を備え、
前記制御回路は、前記一対の給電端子間に接触する物体の抵抗値が前記受電端子との接続が想定される所定の閾値以下となる場合に前記スイッチング素子を開状態に制御し、前記一対の給電端子間に接触する物体の抵抗値が前記所定の閾値を超える場合に前記スイッチング素子を閉状態に制御することを特徴とする請求項1又は12に記載の充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電装置に載置した携帯端末を充電する充電システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯端末の受電端子を充電装置の給電端子に接続するように載置することで、載置された携帯端末を充電装置によって充電する充電方法が採用されている。例えば、下記特許文献1にて開示されるクレードルシステムでは、載置した携帯情報端末装置の受電用接点(受電端子)に接続されるクレードルの給電用接点(給電端子)がクレードルの載置部の内側へ弾性的に突出するように構成されている。これにより、ユーザの指等の接触防止のために受電用接点を携帯情報端末装置の筐体に設けられる凹部内に配置する構成でも、載置部の内側へ突出する給電用接点が載置時に携帯情報端末装置の上記凹部内に入り込んで受電用接点に接触することで、受電用接点と給電用接点とを接続するための接圧が確保されて充電が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、充電装置からの充電電力で駆動する携帯端末には、小型・軽量に加えて、急速充電が要望されており、このような要望に応じて、例えば、携帯端末の蓄電デバイスとして急速充電可能なキャパシタが採用されることが予想される。このような構成では、携帯端末のキャパシタへ瞬時に大電流を供給可能な充電装置が採用されることで急速な充電に対応することができる。
【0005】
しかしながら、上述のように大電流を供給可能な充電構成では、携帯端末の受電端子や充電装置の給電端子にユーザの指等が触れないようにする必要があり、上記特許文献1にて開示されるように載置部の内側へ突出するように形成される給電端子では、ユーザの指等が触れてしまうおそれがある。また、キャパシタほど大電流を必要としない蓄電デバイスが携帯端末に採用される場合でも、携帯端末の受電端子だけでなく充電装置の給電端子にもユーザの指等が触れないようにすることが望ましい。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ユーザの指等が携帯端末の受電端子及び充電装置の給電端子に触れ難い構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、
携帯端末(10)と、
前記携帯端末の受電端子(21)に給電端子(51)が接続されるように載置された前記携帯端末を充電する充電装置(40)と、
を備える充電システム(1)であって、
前記受電端子は、前記携帯端末の外郭を形成する端末側筐体(11)に設けられる端末側凹部(22)内に配置され、
前記充電装置の外郭を形成する装置側筐体(41)には、前記載置時に前記端末側凹部内に入り込む装置側凸部(52)が設けられ、
前記給電端子は、前記載置時に前記受電端子に対向する前記装置側凸部の対向面(52a)に配置され、
前記装置側凸部には、前記給電端子を周囲から保護して当該給電端子よりも前記対向面からの高さが高い保護部(53)が設けられることを特徴とする。
【0008】
請求項12に記載の発明は、
携帯端末(10a)と、
前記携帯端末の受電端子(21)に給電端子(51)が接続されるように載置された前記携帯端末を充電する充電装置(40a)と、
を備える充電システム(1a)であって、
前記給電端子は、前記充電装置の外郭を形成する装置側筐体に設けられる装置側凹部(55)内に配置され、
前記携帯端末の外郭を形成する端末側筐体には、前記載置時に前記装置側凹部内に入り込む端末側凸部(25)が設けられ、
前記受電端子は、前記載置時に前記給電端子に対向する前記端末側凸部の対向面に配置され、
前記端末側凸部には、前記受電端子を周囲から保護して当該受電端子よりも前記対向面からの高さが高い保護部(26)が設けられることを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明では、携帯端末の受電端子は、携帯端末の端末側筐体に設けられる端末側凹部内に配置される。また、充電装置の装置側筐体には、載置時に端末側凹部内に入り込む装置側凸部が設けられ、給電端子は、載置時に受電端子に対向する装置側凸部の対向面に配置される。そして、装置側凸部には、給電端子を周囲から保護して当該給電端子よりも対向面からの高さが高い保護部が設けられる。
【0010】
これにより、携帯端末の受電端子は、端末側凹部内に配置され、充電装置の給電端子は、装置側凸部に設けられる保護部によって周囲から保護されるので、ユーザの指等が携帯端末の受電端子や充電装置の給電端子に触れ難くなり、感電等に関して安全性を確保することができる。
【0011】
請求項2の発明では、端末側筐体は、端末側基板が収容される端末側基部と端末側凹部が設けられる端末側端子部とを備えて、端末側基部と端末側端子部とが着脱可能に構成される。
【0012】
キャパシタのように瞬時に大電流を流して充電することで充電速度を重視する蓄電デバイスを採用する場合、携帯端末の充電容量をあまり大きくせずに1度使用するごとに充電する運用がなされる場合がある。このような運用では、高頻度で充電を繰り返すことになるため、受電端子と給電端子との接触回数が増加することで、それぞれの端子で摩耗が進んでしまい、その摩耗状況によっては接触不良となるおそれがある。
【0013】
このため、端末側基板が収容される端末側基部と端末側凹部が設けられる端末側端子部とを着脱可能に構成することで、受電端子にて摩耗が進んだ場合でも、受電端子を端末側端子部ごと交換できるので、安全性を確保しつつメンテナンス性を高めることができる。
【0014】
請求項3の発明では、端末側基板に設けられる所定の電極が端末側端子部に設けられる中継端子に接続されることで、端末側基板が受電端子を介して受電可能になり、端末側端子部は、端末側基部への装着時に、中継端子が所定の電極に接触するように形成される。これにより、端末側端子部を端末側基部に装着するだけで端末側基板が受電端子に接続されるので、端末側基板と受電端子との接続にコネクタ等を採用する必要もないので、交換作業性を高めることができる。
【0015】
請求項4の発明では、装置側筐体は、装置側基板が収容される装置側基部と装置側凸部が設けられる装置側端子部とを備えて、装置側基部と装置側端子部とが着脱可能に構成される。
【0016】
このようにしても、請求項2の発明と同様に、給電端子にて摩耗が進んだ場合でも、給電端子を装置側端子部ごと交換できるので、安全性を確保しつつメンテナンス性を高めることができる。
【0017】
請求項5の発明では、装置側基板に設けられる所定の電極が装置側端子部に設けられる中継端子に接続されることで、装置側基板が給電端子を介して給電可能になり、装置側端子部は、装置側基部への装着時に、中継端子が所定の電極に接触するように形成される。これにより、装置側端子部を装置側基部に装着するだけで装置側基板が給電端子に接続されるので、装置側基板と給電端子との接続にコネクタ等を採用する必要もないので、交換作業性を高めることができる。
【0018】
請求項6の発明では、受電端子及び給電端子の少なくともいずれか一方は、接続時に弾性変形可能な端子として形成される。これにより、携帯端末における受電端子の配置や充電装置における給電端子の配置等に関してばらつきが生じている場合でも、弾性変形した一方の端子が他方の端子に対して追従するようして押圧しやすくなる。このため、受電端子と給電端子とを接続するための接圧を容易に確保でき、載置時に受電端子と給電端子とを確実に接続することができる。
【0019】
請求項7の発明では、端末側凹部及び装置側凸部には、装置側凸部を端末側凹部内に挿入して受電端子と給電端子とを接続した際に互いに当接する当接部がそれぞれ設けられる。これにより、弾性変形した一方の端子が他方の端子に対して押圧する際の押圧力を、当接位置に応じて制御できるので、過剰な接圧(押圧)が作用するために端子が損傷等することを防止することができる。
【0020】
請求項8の発明では、端末側凹部の内側面は、奥側ほど狭くなるように傾斜して形成され、装置側凸部の外側面は、載置時に端末側凹部の内側面によって案内されるように傾斜して形成される。これにより、充電時には、装置側凸部を端末側凹部に挿入するだけで、装置側凸部が端末側凹部に案内されて受電端子と給電端子とが接続するため、受電端子と給電端子とを位置合わせするように載置する必要もないので、充電作業性を向上させることができる。特に、充電を高頻度で繰り返すような作業を行う場合には、充電作業性向上の効果が顕著になる。
【0021】
請求項9の発明では、端末側凹部は、端末側筐体のうち把持される部位と異なる部位に設けられる。これにより、携帯端末を把持したユーザの指が端末側凹部内に入り難くなるだけでなく、手の汗や手に着いた汚れ等が端末側凹部内に入り込んで受電端子等に付着してしまう状態を抑制することができる。
【0022】
請求項10の発明では、給電端子は、装置側凸部の対向面に対して着脱可能に形成される。これにより、摩耗が進んだ給電端子を交換することができるので、端子摩耗に起因する接触不良を抑制することができる。
【0023】
請求項11の発明では、受電端子及び給電端子は、それぞれ一対設けられ、充電装置は、一対の給電端子の間に載置時での携帯端末の重心が垂直投影されるように携帯端末を保持する保持部を備える。これにより、載置時に携帯端末の自重が受電端子に掛かりやすくなるため、受電端子と給電端子とを接続するための接圧を容易に確保することができる。
【0024】
請求項12の発明では、充電装置の給電端子は、充電装置の装置側筐体に設けられる装置側凹部内に配置される。また、携帯端末の端末側筐体には、載置時に装置側凹部内に入り込む端末側凸部が設けられ、受電端子は、載置時に給電端子に対向する端末側凸部の対向面に配置される。そして、端末側凸部には、受電端子を周囲から保護して当該受電端子よりも対向面からの高さが高い保護部が設けられる。
【0025】
これにより、充電装置の給電端子は、装置側凹部内に配置され、携帯端末の受電端子は、端末側凸部に設けられる保護部によって周囲から保護されるので、ユーザの指等が携帯端末の受電端子や充電装置の給電端子に触れ難くなり、感電等に関して安全性を確保することができる。
【0026】
請求項13の発明では、携帯端末は、蓄電デバイスとして機能する端末側キャパシタを備えている。また、充電装置は、蓄電デバイスとして機能する装置側キャパシタと、一対の給電端子と一対の受電端子とを介した装置側キャパシタと端末側キャパシタとの接続を開閉するスイッチング素子と、スイッチング素子を開状態に制御することで装置側キャパシタからの電力を利用して端末側キャパシタを充電する充電処理を行う制御回路と、を備えている。そして、制御回路は、一対の給電端子間に接触する物体の抵抗値が受電端子との接続が想定される所定の閾値以下となる場合にスイッチング素子を開状態に制御し、一対の給電端子間に接触する物体の抵抗値が上記所定の閾値を超える場合にスイッチング素子を閉状態に制御する。
【0027】
仮に、充電対象と異なる導電性の物体が充電装置の一対の給電端子間に接触してしまった場合には、充電装置の装置側キャパシタから給電端子を介した電力供給に応じて電流が流れる状態を防止する必要がある。大電流が流れた場合の供給停止として、ヒューズ等があるが端末側キャパシタに対しても瞬間的な電力供給ができなくなってしまう。また、ヒューズ等が作動しない範囲に電力供給を抑える必要がある。
【0028】
そのため、受電端子が接触する場合の給電端子間の抵抗値に対して導電性の異物等が接触する場合の給電端子間の抵抗値が高くなることを利用して、一対の給電端子間に接触する物体の抵抗値が受電端子との接続が想定される所定の閾値以下となる場合にスイッチング素子を開状態に制御することで、装置側キャパシタを利用した端末側キャパシタの急速充電による充電時間の短縮を図ることができる。その一方で、一対の給電端子間に接触する物体の抵抗値が上記所定の閾値を超える場合には、給電端子間に受電端子と異なる物体が接触しているとして、スイッチング素子を閉状態に制御することで、給電端子間に接触した導電性の異物等に電流が流れないように迅速に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】第1実施形態に係る充電システムを構成する携帯端末及び充電装置の概略構成を説明する説明図である。
【
図2】
図1の携帯端末を読取口側から見た図である。
【
図3】
図1の携帯端末を給電端子側から見た図である。
【
図4】
図1の充電装置を携帯端末の一部とともに拡大して示す説明図である。
【
図5】
図1の携帯端末の電気的構成を例示するブロック図である。
【
図6】
図1の充電装置の電気的構成を例示するブロック図である。
【
図7】第1実施形態の第1変形例に係る携帯端末の要部を示す説明図であり、
図7(A)は、凹部周辺を読取口側から見た状態を示し、
図7(B)は、
図7(A)を側面側から見た状態を示す。
【
図8】
図8(A)は、第1実施形態の第2変形例に係る携帯端末の要部を示す説明図であり、
図8(B)は、第1実施形態の第3変形例に係る携帯端末の要部を示す説明図である。
【
図9】第2実施形態における携帯端末の要部を示す説明図であり、
図9(A)は、装着前の状態を示し、
図9(B)は、装着時の状態を示す。
【
図10】第2実施形態における充電装置の要部を示す説明図である。
【
図11】第2実施形態の第1変形例における携帯端末の要部を示す説明図であり、
図11(A)は、装着前の状態を示し、
図11(B)は、装着時の状態を示す。
【
図12】第2実施形態の第1変形例における充電装置の要部を示す説明図である。
【
図13】第2実施形態の第2変形例における携帯端末の要部を示す説明図であり、
図13(A)は、装着前の状態を示し、
図13(B)は、装着時の状態を示す。
【
図14】第2実施形態の第3変形例における充電装置の要部を示す説明図である。
【
図15】第3実施形態における携帯端末の要部を示す説明図であり、
図15(A)は、装着前の状態を示し、
図15(B)は、装着時の状態を示す。
【
図16】第3実施形態における充電装置の要部を示す説明図である。
【
図17】第4実施形態に係る充電システムを構成する携帯端末及び充電装置の要部を説明する説明図であり、
図17(A)は、装着前の状態を示し、
図17(B)は、装着時の状態を示す。
【
図18】第5実施形態における充電装置の要部を示す説明図であり、
図18(A)は、受電端子側から見た保護部等の状態を示し、
図18(B)は、凸部の対向面に沿う方向から見た保護部等の状態を示す。
【
図19】第5実施形態の第1変形例における充電装置の要部を示す説明図であり、
図19(A)は、受電端子側から見た保護部等の状態を示し、
図19(B)は、凸部の対向面に沿う方向から見た保護部等の状態を示す。
【
図20】第5実施形態の第2変形例における充電装置の要部を示す説明図であり、
図20(A)は、受電端子側から見た保護部等の状態を示し、
図20(B)は、凸部の対向面に沿う方向から見た保護部等の状態を示す。
【
図21】第5実施形態の第3変形例における充電装置の要部を示す説明図であり、
図21(A)は、受電端子側から見た保護部等の状態を示し、
図21(B)は、凸部の対向面に沿う方向から見た保護部等の状態を示す。
【
図22】第6実施形態に係る充電システムを構成する携帯端末及び充電装置の要部を説明する説明図である。
【
図23】第6実施形態の変形例に係る携帯端末の要部を示す説明図である。
【
図24】第7実施形態における充電装置の要部を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
[第1実施形態]
以下、本発明の充電システムを具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示す本実施形態に係る充電システム1は、充電を要する携帯端末10と、携帯端末10を充電する充電装置40とを備え、携帯端末10の受電端子21に充電装置40の給電端子51が接続されるように充電装置40に載置された携帯端末10を充電するシステムとして構成されている。
【0031】
まず、携帯端末10の構成について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る携帯端末10は、バーコードやQRコード(登録商標)などの情報コードを光学的に読み取る携帯型の情報コードリーダとして構成されている。
図1~
図4に示すように、携帯端末10は、ABS樹脂等の合成樹脂からなる筐体11によって外郭が形成され、この筐体11の内部に、回路基板30などの各種電子部品を収容する収容空間が形成されている。筐体11は、情報コードからの反射光を内部に導入する読取口12aが形成された読取部12と、読取口12aを情報コードに向ける際に把持される把持部13と、一対の受電端子21が露出する下端部14とを備えるように形成されている。
【0032】
図2及び
図3に示すように、下端部14の突出部分には、一対の受電端子21をそれぞれ露出させる2つの端末側凹部22が、把持部13の長手方向に深く開口するように形成されている。両端末側凹部22は、下端部14の突出方向に開口することになるため、端末側凹部22の内部に触れ難くなっている。
図4に示すように、端末側凹部22は、その端末側凹部22内となる所定の深さ(把持部13の長手方向の長さ)h1の底面22aに受電端子21が配置され、内側面22bが奥側(底側)ほど狭くなるように傾斜して形成されている。端末側凹部22は、ユーザの指等が受電端子21に接触しないように設けたものであり、底面22aの深さh1は、例えば、5mm~10mm程度に設定されている。また、端末側凹部22の開口形状は、表面側にて長軸D1が5mm~15mm程度の略円形に設定されている。なお、筐体11は、「端末側筐体」の一例に相当し得る。
【0033】
図5に示すように、携帯端末10は、CPU等からなる制御部31、ROM,RAM、不揮発性メモリなどからなる記憶部32、受光センサ(例えば、C-MOSエリアセンサ、CCDエリアセンサ等)を備えたカメラとして構成される撮像部33、撮像部33の撮像視野に向けて照明光を照射する照明部34、報知部35、上位機器等との無線通信や充電装置40を介した通信等を行うための通信インタフェースとして構成される通信部36などを備えている。これらの各種電子部品の少なくとも一部は、回路基板30に実装された状態で筐体11内の収容空間に収容されている。例えば、撮像部33が読取口12aを介した前方を撮像範囲とし、照明部34が読取口12aを介して撮像視野に向けて照明光を照射するように、撮像部33及び照明部34が筐体11内に収容されている。
【0034】
制御部31は、通信部36を介した上位機器からの指示等に応じて、撮像部33によって撮像された情報コードC(
図5参照)の撮像画像を利用した読取処理を開始し、この読取処理にて情報コードCに記録されたデータを所定の解読方法で解読するように構成されている。このような読取処理にて取得された読取結果等は、所定のタイミングにて通信部36を介して上位機器等に送信される。
【0035】
報知部35は、LEDなどの発光部やブザー、バイブレータ等を備えており、制御部31による制御によって発光部の発光状態やブザーの鳴動状態、バイブレータの振動状態が制御されることで、ユーザに対して上記読取処理の読取結果等に応じた所定の報知を行うように構成されている。
【0036】
さらに、筐体11内には、電源制御部37及びキャパシタ38が設けられている。電源制御部37は、制御部31により制御されて、受電端子21を介して供給される電力を利用してキャパシタ38を充電する制御と、キャパシタ38から携帯端末10の各種電子部品へ電力を供給する制御等とを行うように構成されている。キャパシタ38は、例えば、電気二重層コンデンサ(スーパーキャパシタ)であって、リチウムイオン電池などの二次電池に対して急速充電に優れる蓄電デバイスである。
【0037】
次に、充電装置40の構成について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る充電装置40は、商用電源等の外部電源から供給される電力を利用して、載置された携帯端末10を充電可能な据え置き型の充電台である。
図1及び
図4に示すように、充電装置40は、ABS樹脂等の合成樹脂からなる筐体41によって外郭が形成され、この筐体41の内部に、回路基板60などの各種電子部品を収容する収容空間が形成されている。そして、筐体41には、上記載置時に携帯端末10を下端部14側から保持する保持部42が設けられている。
【0038】
筐体41には、一対の給電端子51がそれぞれ配置される2つの装置側凸部52が保持部42の底部から略上方に向けて突出するように形成されている。装置側凸部52は、載置された携帯端末10の端末側凹部22内に入り込むように形成されており、給電端子51は、上記載置時に受電端子21に対向する装置側凸部52の対向面52aに配置されている。装置側凸部52の外側面52bは、載置時に端末側凹部22の内側面22bによって案内されるようにその内側面22bの傾斜角度に合わせて傾斜して形成される。
【0039】
ここで、装置側凸部52の外側面52bを端末側凹部22の内側面22bの傾斜角度に合わせて傾斜して形成することによる効果について以下に説明する。
携帯端末を充電装置に載置する際、雑に載置すると受電端子と給電端子との位置が合わないことがあり、受電端子と給電端子との位置を確認しながら載置する必要がある。このため、充電作業を繰り返す場合には、両端子の位置を確認するために時間がかかり作業が煩雑になるという問題がある。その一方で、載置位置がばらつく場合でも受電端子と給電端子とが接触するように互いの接触面積を大きくすると、コストが増大するだけでなく、小型化の阻害要因となってしまう。
【0040】
このため、本実施形態では、上述のように装置側凸部52の外側面52bが内側面22bの傾斜角度に合わせて形成されることで、携帯端末10を充電装置40に対して雑に載置したとしても、装置側凸部52が内側面22bによって案内されることで、受電端子21と給電端子51とを確実に接触させることができる。
【0041】
そして、装置側凸部52には、給電端子51を周囲から保護して当該給電端子51よりも対向面52aからの高さが高い保護部53が設けられている。具体的には、保護部53は、略円環状であって装置側凸部52と一体に形成されて、内径D2が3mm~5mm程度であって、給電端子51の表面(受電端子21が接触する接触面)までの深さh2が、例えば、1mm~5mm程度に設定されている。なお、筐体41は、「装置側筐体」の一例に相当し得る。
【0042】
また、保持部42及び両装置側凸部52は、載置時に携帯端末10の自重が両受電端子21に掛かりやすくするように形成されている。具体的には、保持部42及び両装置側凸部52は、載置時に保持された携帯端末10を、その携帯端末10の重心が一対の給電端子51の間に垂直投影されるように形成されている。
【0043】
図6に示すように、充電装置40は、当該充電装置40全体を制御可能なCPUやメモリ等からなる制御部61、操作部62、載置検知部63、通信部64、電源制御部65及びキャパシタ66等を備えている。これらの各種電子部品の少なくとも一部は、回路基板60に実装された状態で筐体41内の収容空間に収容されている。操作部62は、操作ボタン等を有し、制御部61に対して操作ボタン等の操作に応じた操作信号を与える構成をなしており、制御部61は、この操作信号を受けて操作信号の内容に応じた動作を行う。載置検知部63は、保持部42による保持状態にて、携帯端末10が充電可能に載置された載置状態を検知する装置側検知部として機能するように構成されている。通信部64は、携帯端末10や上位機器等との間での無線又は有線にてデータ通信を行うためのインタフェースとして構成されており、制御部61と協働して通信処理を行う構成をなしている。
【0044】
電源制御部65は、制御部61により制御されて、外部電源から供給される電力を利用してキャパシタ66を充電する制御と、キャパシタ66からの電力を利用して給電端子51を介して携帯端末10を充電する制御等とを行うように構成されている。キャパシタ66は、装置側蓄電デバイスとして機能するもので、電源制御部65によって充電状態等が管理されるように筐体41内に収容されている。
【0045】
このように構成される充電システム1では、携帯端末10を充電装置40に載置した状態が載置検知部63により検知されることで、制御部61により制御された電源制御部65によってキャパシタ66からの電力を利用して給電端子51を介して携帯端末10を充電する充電処理が開始される。この充電処理では、携帯端末10のキャパシタ66から携帯端末10のキャパシタ38へ瞬時に大電流が流れることで、急速充電を可能にしている。
【0046】
一方、携帯端末10を把持して情報コードCを読み取る作業を行う場合では、受電端子21が端末側凹部22内に配置されているため、ユーザの指等が受電端子21に触れ難くなり、感電等に関して安全性を確保することができる。
【0047】
また、充電装置40の筐体41には、載置時に端末側凹部22内に入り込む装置側凸部52が設けられ、この装置側凸部52には、対向面52aに配置される給電端子51を周囲から保護して当該給電端子51よりも対向面52aからの高さが高い保護部53が設けられる。このため、充電装置40についても携帯端末10と同様に、ユーザの指等が充電装置40の給電端子51に触れ難くなり、感電等に関して安全性を確保することができる。
【0048】
そして、本実施形態では、端末側凹部22の内側面22bは、奥側ほど狭くなるように傾斜して形成され、装置側凸部52の外側面52bは、載置時に端末側凹部22の内側面22bによって案内されるように傾斜して形成される。これにより、充電時には、装置側凸部52を端末側凹部22に挿入するだけで、装置側凸部52が端末側凹部22に案内されて受電端子21と給電端子51とが接続するため、受電端子21と給電端子51とを位置合わせするように載置する必要もないので、充電作業性を向上させることができる。特に、本実施形態のようにキャパシタ38を採用することで急速充電を高頻度で繰り返すような作業を行う場合には、充電作業性向上の効果が顕著になる。
【0049】
なお、端末側凹部22の開口形状として、略円形状が採用されることに限らず、例えば、真円形状や楕円形状、多角形状などが採用されてもよい。この場合でも、装置側凸部52の外側面52bは、載置時に端末側凹部22の内側面22bによって案内されるように傾斜して形成されることで、上記効果を奏する。
【0050】
また、本実施形態では、端末側凹部22は、筐体11のうち把持部13と異なる下端部14の突出部分に設けられる。これにより、携帯端末10の把持部13を把持したユーザの指が端末側凹部22内に入り難くなるだけでなく、手の汗や手に着いた汚れ等が端末側凹部22内に入り込んで受電端子21等に付着してしまう状態を抑制することができる。
【0051】
また、本実施形態では、受電端子21及び給電端子51は、それぞれ一対設けられ、充電装置40は、一対の給電端子51の間に載置時での携帯端末10の重心が垂直投影されるように携帯端末10を保持する保持部42を備える。これにより、載置時に携帯端末10の自重が受電端子21に掛かりやすくなるため、受電端子21と給電端子51とを接続するための接圧を容易に確保することができる。
【0052】
なお、両端末側凹部22は、上述したように把持部13の長手方向に沿って開口するように形成されることに限らず、例えば、本実施形態の第1変形例として
図7(A)(B)に例示するような方向に沿って開口するように形成されてもよい。この場合には、充電装置40の保持部42は、端末側凹部22の開口方向に沿って携帯端末10を下端部14側から保持するように形成されるとともに、両装置側凸部52は、載置された携帯端末10の端末側凹部22内に入り込むように形成される。このようにしても、上記効果を奏する。
【0053】
また、本実施形態の第2変形例として、
図8(A)に例示するように、携帯端末10の筐体がガングリップタイプとして形成される場合でも、その下端部14aの突出部分に両端末側凹部22を設けることで上記効果を奏する。また、
図8(B)に例示するように、通常把持されない部分では、下端部14aの突出していない部分に端末側凹部22を設けたとしても上記効果を奏する。
【0054】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る充電システムについて、図面を参照して説明する。
本第2実施形態では、端末側凹部22や装置側凸部52ごと受電端子21や給電端子51を交換可能に構成される点が、上記第1実施形態と主に異なる。したがって、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0055】
キャパシタのように瞬時に大電流を流して充電することで充電速度を重視する蓄電デバイスを採用する場合、携帯端末10の充電容量をあまり大きくせずに1度使用するごとに充電する運用がなされる場合がある。このような運用では、高頻度で充電を繰り返すことになるため、受電端子21と給電端子51との接触回数が増加することで、それぞれの端子で摩耗が進んでしまい、その摩耗状況によっては接触不良となるおそれがある。
【0056】
そこで、本実施形態では、
図9(A)(B)に示すように、携帯端末10の筐体11は、回路基板30が収容される端末側基部11aと端末側凹部22が設けられる端末側端子部11bとを備えて、端末側基部11aと端末側端子部11bとがねじSaを利用して着脱可能に構成される。端末側基部11aは、読取部12と把持部13の一部と下端部14の一部とによって構成され、端末側端子部11bは、把持部13の残部と下端部14の残部とによって構成される。なお、回路基板30は、「端末側基板」の一例に相当し得る。
【0057】
そして、回路基板30と受電端子21とは、回路基板30に対してワイヤ16aを介して接続されるコネクタ15aと受電端子21に対してワイヤ16bを介して接続されるコネクタ15bとを利用して、接続される。
【0058】
これにより、受電端子21にて摩耗が進んだ場合でも、受電端子21を端末側端子部11bごと交換できるので、安全性を確保しつつメンテナンス性を高めることができる。
【0059】
また、本実施形態では、
図10に示すように、充電装置40の筐体41は、回路基板60が収容される装置側基部41aと装置側凸部52が設けられる装置側端子部41bとを備えて、装置側基部41aと装置側端子部41bとがねじSbを利用して着脱可能に構成される。なお、回路基板60は、「装置側基板」の一例に相当し得る。
【0060】
そして、回路基板60と給電端子51とは、回路基板60に実装等されるコネクタ45aと給電端子51に対してワイヤ46を介して接続されるコネクタ45bとを利用して、接続される。
【0061】
これにより、給電端子51にて摩耗が進んだ場合でも、給電端子51を装置側端子部41bごと交換できるので、安全性を確保しつつメンテナンス性を高めることができる。
【0062】
本実施形態の第1変形例における携帯端末10として、端末側基部11aと端末側端子部11bとは、一方に設けられる係合部と他方に設けられる被係合部とを係合させることで着脱可能に構成されてもよい。例えば、
図11(A)(B)に示すように、端末側端子部11bに設けられる爪17bを端末側基部11aに設けられる凹部17aに係合することで、端末側基部11a及び端末側端子部11bを着脱可能に構成することができる。
【0063】
本実施形態の第1変形例における充電装置40として、装置側基部41aと装置側端子部41bとは、一方に設けられる係合部と他方に設けられる被係合部とを係合させることで着脱可能に構成されてもよい。例えば、
図12に示すように、装置側端子部41bに設けられる爪47bを装置側端子部41bに設けられる被係合部47aに係合することで、装置側基部41aと装置側端子部41bを着脱可能に構成することができる。
【0064】
また、本実施形態の携帯端末10に係る第2の変形例として、
図13(A)(B)に示すように、端末側基部11aと端末側端子部11bとは、両面テープ18を利用して着脱可能に構成されてもよい。同様に、本実施形態の充電装置40に係る第2の変形例として、
図14に示すように、装置側基部41aと装置側端子部41bとは、両面テープ48を利用して着脱可能に構成されてもよい。
【0065】
なお、端末側凹部22や装置側凸部52ごと受電端子21や給電端子51を交換可能とする本実施形態等の特徴的構成は、他の実施形態等にも適用することができる。
【0066】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る充電システムについて、図面を参照して説明する。
本第3実施形態では、端末側基部11aと端末側端子部11bとを装着するだけで回路基板30と受電端子21とが接続され、装置側基部41aと装置側端子部41bとを装着するだけで回路基板60と給電端子51とが接続される点が、上記第2実施形態と主に異なる。したがって、第2実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0067】
本実施形態に係る携帯端末10では、
図15(A)(B)に示すように、受電端子21に接続される中継端子19bが端末側端子部11bに設けられており、この中継端子19bは、端末側端子部11bの端末側基部11aへの組み付け時に回路基板30に設けられる所定の電極19aに接続するように配置されている。すなわち、回路基板30に設けられる所定の電極19aが端末側端子部11bに設けられる中継端子19bに接続されることで、回路基板30が受電端子21を介して受電可能になり、端末側端子部11bは、端末側基部11aへの装着時に、中継端子19bが所定の電極19aに接触するように形成される。
【0068】
これにより、端末側端子部11bを端末側基部11aに装着するだけで回路基板30が受電端子21に接続されるので、回路基板30と受電端子21との接続にコネクタ等を採用する必要もないので、交換作業性を高めることができる。なお、回路基板30等には、所定の電極19aと中継端子19bとの間に介在して両者を電気的に接続する弾性変形可能な端子が設けられてもよい。
【0069】
また、本実施形態に係る充電装置40では、
図16に示すように、給電端子51に接続される中継端子49bが装置側端子部41bに設けられており、この中継端子49bは、装置側端子部41bの装置側基部41aへの組み付け時に回路基板60に設けられる所定の電極49aに接続するように配置されている。すなわち、回路基板60に設けられる所定の電極49aが装置側端子部41bに設けられる中継端子49bに接続されることで、回路基板60が給電端子51を介して給電可能になり、装置側端子部41bは、装置側基部41aへの装着時に、中継端子49bが所定の電極49aに接触するように形成される。
【0070】
これにより、装置側端子部41bを装置側基部41aに装着するだけで回路基板60が給電端子51に接続されるので、回路基板60と給電端子51との接続にコネクタ等を採用する必要もないので、交換作業性を高めることができる。なお、回路基板60等には、所定の電極49aと中継端子49bとの間に介在して両者を電気的に接続する弾性変形可能な端子が設けられてもよい。
【0071】
なお、端末側基部11aと端末側端子部11bとを装着するだけで回路基板30と受電端子21とが接続され、装置側基部41aと装置側端子部41bとを装着するだけで回路基板60と給電端子51とが接続される本実施形態等の特徴的構成は、他の実施形態等にも適用することができる。
【0072】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る充電システムについて、図面を参照して説明する。
本第4実施形態では、受電端子21及び給電端子51の少なくともいずれか一方は、接続時に弾性変形可能な端子として形成される点が、上記第1実施形態と主に異なる。したがって、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0073】
本実施形態に係る携帯端末10では、受電端子21は、接続時に弾性変形可能な端子として形成されている。そして、
図17(A)(B)に示すように、携帯端末10の端末側凹部22及び充電装置40の装置側凸部52は、装置側凸部52を端末側凹部22内に挿入して受電端子21と給電端子51とを接続した際に、保護部53が底面22aに当接するように形成されている。なお、保護部53及び底面22aは、受電端子21と給電端子51とを接続した際に互いに当接する「当接部」の一例に相当し得る。
【0074】
これにより、携帯端末10における受電端子21の配置や充電装置40における給電端子51の配置等に関してばらつきが生じている場合でも、弾性変形した受電端子21が給電端子51に対して追従するようして押圧しやすくなる。このため、受電端子21と給電端子51とを接続するための接圧を容易に確保でき、載置時に受電端子21と給電端子51とを確実に接続することができる。
【0075】
特に、装置側凸部52を端末側凹部22内に挿入して受電端子21と給電端子51とを接続した際に保護部53と底面22aとが当接するため、弾性変形した受電端子21が給電端子51に対して押圧する際の押圧力を、当接位置に応じて制御できるので、過剰な接圧(押圧)が作用するために端子が損傷等することを防止することができる。
【0076】
なお、受電端子21のみが接続時に弾性変形可能に形成されることに限らず、給電端子51のみが接続時に弾性変形可能に形成されてもよいし、受電端子21及び給電端子51の双方が接続時に弾性変形可能に形成されてもよい。
【0077】
また、受電端子21及び給電端子51の少なくともいずれか一方は、接続時に弾性変形可能な端子として形成される本実施形態等の特徴的構成は、他の実施形態等にも適用することができる。
【0078】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態に係る充電システムについて、図面を参照して説明する。
本第5実施形態では、充電装置40の給電端子は、凸部の対向面に対して着脱可能に形成される点が、上記第1実施形態と主に異なる。したがって、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0079】
本実施形態に係る充電装置40では、給電端子51と装置側凸部52及び保護部53に代えて、
図18(A)(B)に示す給電端子71と凸部72及び保護部73とが採用されている。保護部73は、凸部72の対向面72aの上方に位置する本体部73aとこの本体部73aの一端側(
図18の右側)と凸部72とを一体に連結する連結部73bとを備え、連結部73bを起点に本体部73aがその他端側を上下方向に弾性的に変位可能に形成されている。
【0080】
連結部73bは、本体部73aの下面と対向面72aとの距離が給電端子71の厚みにほぼ一致するように形成されている。本体部73aには、上下方向に貫通する略円形状の開口73cと他端側のスリット73dとが連通するように形成されて、当該本体部73aの下面と対向面72aとの間に挿入された給電端子71を保持するための爪73eが他端側の下方に形成されている。本体部73aの厚さは、上述した保護部53の深さh2程度であって、開口73cの直径は、上述した保護部53の内径D2程度に設定されている。
【0081】
凸部72の対向面72aには、本体部73aの下面との間に挿入された給電端子71の下面に接触することで当該給電端子71と回路基板60とを接続するための中継端子72bが配置されている。
【0082】
このように構成される充電装置40では、保護部73に対して爪73eを押し上げるようにして本体部73aの下面と対向面72aとの間に給電端子71を挿入することで、給電端子71が凸部72の対向面72aに配置される。この配置状態では、給電端子71は、中継端子72bを介して回路基板60に接続され、開口73cを介して露出しつつ本体部73aによって保護される。また、爪73eがスナップフィットとして機能して給電端子71が対向面72aに対して保持される。これにより、上記第1実施形態と同様に、ユーザの指等が給電端子71に触れ難くなり、感電等に関して安全性を確保することができる。また、スリット73dによって、給電端子71上のゴミ等を掃き出しやすくすることができる。
【0083】
そして、給電端子71の摩耗が進んだ場合には、爪73eを押し上げることで、本体部73aの下面と対向面72aとの間から給電端子71を取り出すことができる。このように、摩耗が進んだ給電端子71を容易に交換することができるので、端子摩耗に起因する接触不良を抑制することができる。
【0084】
なお、本実施形態の第1変形例として、上述した保護部73に代えて、
図19(A)(B)に例示するような保護部74を採用してもよい。保護部74は、給電端子71の一端側(
図19の右側)を引っ掛ける引掛部74aと給電端子71を介して対向するように配置される2つの壁部74bとを備えるように形成されている。両壁部74bは、対向面72aからの高さが給電端子71よりも上述した深さh2程度高くなるように形成されている。また、両壁部74bは、その対向距離が給電端子71の幅にほぼ一致し、一端側が引掛部74aに引っ掛けられた給電端子71を対向面72aに倒し込んだ際に、両壁部74bの間に挟まった給電端子71の下面が対向面72aの中継端子72bに接触するように形成されている。特に、本実施形態では、中継端子72bを避けるように対向面72aに貼り付けた両面テープ72c等によって給電端子71が対向面72aに固定される。このようにしても、摩耗が進んだ給電端子71を容易に交換することができるので、端子摩耗に起因する接触不良を抑制することができる。また、保護部74により保護される給電端子71であっても、給電端子71上のゴミ等をその他端側へ掃き出すことができる。
【0085】
また、本実施形態の第2変形例として、給電端子71に設けられる貫通穴を挿通したねじScを利用して給電端子71をねじ固定してもよい。具体的には、上述した保護部73に代えて、
図20(A)(B)に例示するような保護部75を採用することができる。保護部75は、凸部72の対向面72aの上方に位置する本体部75aとこの本体部75aの一端側(
図20の左側)と凸部72とを一体に連結する連結部75bとを備えるように形成されている。本体部75aは、他端側から中央に向けて開口するように略C字状に形成されている。連結部75bは、本体部75aの下面と対向面72aとの距離が給電端子71の厚みにほぼ一致するように形成されている。そして、本体部75aの下面と対向面72aとの間に給電端子71を挿入し、本体部75a側から給電端子71の貫通穴に挿通させたねじScを対向面72aに締結することで、給電端子71が中継端子72bに接触するようにして対向面72aに固定される。給電端子71の貫通穴には絶縁性のスペーサSdを組み付けられる。このようにしても、摩耗が進んだ給電端子71を容易に交換することができるので、端子摩耗に起因する接触不良を抑制することができる。また、保護部75により保護される給電端子71であっても、給電端子71上のゴミ等をその他端側へ掃き出すことができる。
【0086】
また、本実施形態の第3変形例として、上述した保護部73及び給電端子71に代えて、
図21(A)(B)に例示するような保護部76及び給電端子71aを採用してもよい。保護部76は、一対の壁部76aと両壁部76aの下方中央部を連結して給電端子71aが嵌め込まれる連結部76bとを備えるように形成されている。両壁部76aは、その上面と連結部76bに嵌め込まれた給電端子71aの上面との距離が上述した保護部53の深さh2程度となるように形成されている。連結部76bの下方には、嵌め込まれた給電端子71aの一対の凸部71bがそれぞれ対向するようにして係合する一対の凹部が形成されており、このように嵌め込まれた給電端子71aが中継端子72bに接触するようにして対向面72aに固定される。このようにしても、摩耗が進んだ給電端子71aを容易に交換することができるので、端子摩耗に起因する接触不良を抑制することができる。また、一対の壁部76aにより保護される給電端子71であっても、給電端子71上のゴミ等を両壁部76aの間から外方へ掃き出すことができる。
【0087】
なお、充電装置40の給電端子が凸部の対向面に対して着脱可能に形成される本実施形態等の特徴的構成は、他の実施形態等にも適用することができる。また、携帯端末10の受電端子21も端末側凹部22の底面22a等に対して着脱可能に形成されてもよい。
【0088】
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態に係る充電システムについて、図面を参照して説明する。
本第6実施形態では、給電端子が装置側凹部内に配置され、載置時に装置側凹部内に入り込む端末側凸部の対向面に受電端子が配置される点が、上記第1実施形態と主に異なる。したがって、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0089】
図22に示すように、本実施形態に係る充電システム1aは、携帯端末10a及び充電装置40aを備えている。携帯端末10aは、上記第1実施形態における携帯端末10に対して、端末側凹部22に代えて端末側凸部25が設けられるように構成されている。充電装置40aは、上記第1実施形態における充電装置40に対して、装置側凸部52に代えて装置側凹部55が設けられるように構成されている。給電端子51は、装置側凹部55内に配置されている。受電端子21は、載置時に給電端子51に対向する端末側凸部25の対向面25aに配置され、端末側凸部25には、受電端子21を周囲から保護して当該受電端子21よりも対向面からの高さが高い保護部26が設けられる。
【0090】
このように、充電装置40aの給電端子51は、装置側凹部55内に配置され、携帯端末10aの受電端子21は、端末側凸部25に設けられる保護部26によって周囲から保護されるので、上記第1実施形態等と同様に、ユーザの指等が携帯端末10aの受電端子21や充電装置40aの給電端子51に触れ難くなり、感電等に関して安全性を確保することができる。
【0091】
なお、給電端子51が装置側凹部55内に配置され、載置時に装置側凹部55内に入り込む端末側凸部25の対向面25aに受電端子21が配置される本実施形態の特徴的構成は、他の実施形態等にも適用することができる。例えば、
図23に例示するように、携帯端末10aの筐体がガングリップタイプとして形成される場合でも、その下端部14aに両端末側凸部25を設けることで上記効果を奏する。また、例えば、上記第2実施形態等のようにして、端末側凸部25や装置側凹部55ごと受電端子21や給電端子51を交換可能とすることができる。また、例えば、上記第3実施形態等のようにして、装着するだけで回路基板30と端末側凸部25の受電端子21とが接続されるとともに回路基板60と装置側凹部55内の給電端子51とが接続されるようにすることができる。また、例えば、上記第4実施形態等のように、端末側凸部25の受電端子21及び装置側凹部55内の給電端子51の少なくともいずれか一方を接続時に弾性変形可能な端子として形成することができる。また、例えば、上記第5実施形態等のようにして、受電端子21が端末側凸部25の対向面25aに対して着脱可能に形成することができる。同様に、給電端子51が装置側凹部55の底面等に対して着脱可能に形成することができる。
【0092】
[第7実施形態]
次に、本発明の第7実施形態に係る充電システムについて、図面を参照して説明する。
本第7実施形態では、給電端子51間の抵抗値に応じて充電状態と非充電状態とを切り替える点が、上記第1実施形態と主に異なる。したがって、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0093】
上述した各実施形態等の構成によってユーザの指等が充電装置40の一対の給電端子51に触れ難くなったとしても、比較的小さな導電性の異物等が充電装置40の一対の給電端子51間に接触してしまう可能性がある。このような場合、充電装置40のキャパシタ66から給電端子51を介した電力供給に応じて大電流が流れる状態を防止する必要がある。大電流が流れた場合の供給停止として、ヒューズ等があるが携帯端末10のキャパシタ38に対しても瞬間的な電力供給ができなくなってしまう。また、ヒューズ等が作動しない範囲に電力供給を抑える必要がある。
【0094】
このため、本実施形態に係る充電装置40bの電源制御部65は、
図24に示すように、一対の給電端子51と一対の受電端子21とを介したキャパシタ66とキャパシタ38との接続を開閉するためのスイッチング素子80と、スイッチング素子80を開状態に制御することでキャパシタ66からの電力を利用してキャパシタ38を充電する充電処理を行う制御回路90とを備えるように構成されている。なお、
図24では、便宜上、制御部61等の図示を省略している。
【0095】
キャパシタ66からの電力を利用した充電処理では、制御回路90によってスイッチング素子80が開状態に制御されることで、給電端子51を介して大電流が流れるため、キャパシタ38の充電に関して充電時間を短縮した急速充電が実現される。なお、キャパシタ38は、「端末側キャパシタ」の一例に相当し、キャパシタ66は、「装置側キャパシタ」の一例に相当し得る。
【0096】
その一方で、本実施形態では、充電対象と異なる導電性の物体(例えば、金属や人体、液体などの抵抗成分を有する異物等)が一対の給電端子51間に接触した場合に、制御回路90によってスイッチング素子80が閉状態に制御されることで、給電端子51を介して大電流が流れないように制御される。
【0097】
このため、制御回路90は、
図24に示すように、出力端子がスイッチング素子80に接続されるオペアンプ91、第1抵抗92、第2抵抗93、第3抵抗94等を備えるように構成されている。第1抵抗92及び第2抵抗93は、抵抗値が同じであって所定の電源BとGNDとの間で直列に接続されている。第3抵抗94は、第1抵抗92及び第2抵抗93よりも抵抗値が大きく、上記電源Bと一方の給電端子51との間に接続されている。なお、他方の給電端子51は、GNDに接続されている。
【0098】
オペアンプ91は、反転入力端子(-入力端子)が第1抵抗92と第2抵抗93との間に接続され、非反転入力端子(+入力端子)が一方の給電端子51に接続されている。
【0099】
このように構成されることで、一対の給電端子51間にて抵抗成分が検出されない場合には、オペアンプ91において非反転入力端子の電圧が反転入力端子の電圧よりも大きくなるために、オペアンプ91からの出力に応じて、スイッチング素子80が開状態に制御される。すなわち、制御回路90は、一対の給電端子51間に接触する物体の抵抗値がほぼ0となる所定の閾値以下となる場合に、スイッチング素子80を開状態に制御するように機能する。このため、携帯端末10を充電装置40bに載置して給電端子51に受電端子21が接続された場合には、キャパシタ66とキャパシタ38とが接続されることになるため、一対の給電端子51間にて抵抗成分が実質的に検出されることもなく、スイッチング素子80が開状態に制御されて充電状態となり、上記充電処理が開始される。
【0100】
一方、一対の給電端子51間にて所定の抵抗成分(各抵抗92~94に応じて定まる所定の抵抗値を超える抵抗成分)が検出される場合には、オペアンプ91において非反転入力端子の電圧が反転入力端子の電圧よりも小さくなるために、オペアンプ91から出力がなされず、スイッチング素子80が閉状態に制御される。すなわち、制御回路90は、一対の給電端子51間に接触する物体の抵抗値が上記所定の閾値を超える場合に、スイッチング素子80を閉状態に制御するように機能する。このため、導電性の異物等が一対の給電端子51間に接触した場合には、一対の給電端子51間にて抵抗成分(上記所定の抵抗値を超える抵抗成分)が検出されることで、スイッチング素子80が閉状態に制御されて非充電状態となり、給電端子51を介して大電流が流れないように制御される。なお、上記所定の閾値は、一対の給電端子51間に接触する物体の抵抗値が受電端子21との接続が想定される値になるように設定されるもので、本実施形態では、例えば、上述したようにほぼ0に設定されている。
【0101】
すなわち、制御回路90は、一対の給電端子51間に接触する物体の抵抗値に基づいて、給電端子51に対して受電端子21が接続されていると判定される場合にスイッチング素子80を開状態に制御して充電状態に切り替え、一対の給電端子51間に受電端子21と異なる物体が接触していると判定される場合にスイッチング素子80を閉状態に制御して非充電状態に切り替えるように機能する。
【0102】
このように、本実施形態では、受電端子21が接触する場合の一対の給電端子51間の抵抗値に対して導電性の異物等が接触する場合の一対の給電端子51間の抵抗値が高くなることを利用して、一対の給電端子51間に接触する物体の抵抗値が上記所定の閾値以下となる場合(抵抗成分が検出されない場合)にスイッチング素子80を開状態に制御することで、キャパシタ66を利用したキャパシタ38の急速充電による充電時間の短縮を図ることができる。
【0103】
その一方で、一対の給電端子51間に接触する物体の抵抗値が上記所定の閾値を超える場合(抵抗成分が検出される場合)には、一対の給電端子51間に受電端子21と異なる物体が接触しているとして、スイッチング素子80を閉状態に制御することで、一対の給電端子51間に接触した導電性の異物等に電流が流れないように迅速に制御することができる。
【0104】
なお、給電端子51間の抵抗値に応じて充電状態と非充電状態とを切り替える本実施形態の特徴的構成は、他の実施形態等にも適用することができる。
【0105】
なお、本発明は上記各実施形態等に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)なお、携帯端末10,10aの蓄電デバイスとして、キャパシタ38が採用されることに限らず、例えば、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等の二次電池が採用されてもよい。同様に、充電装置40,40aの蓄電デバイスとして、キャパシタ66が採用されることに限らず、上述した二次電池等が採用されてもよい。また、本発明では、充電装置40,40aとして、キャパシタ66や二次電池等の蓄電デバイスが採用されない急速充電用の充電装置が採用されてもよい。
【0106】
(2)一対の受電端子21は、それぞれ端末側凹部22内に配置されることに限らず、1つの端末側凹部内に配置されてもよい。この構成では、一対の給電端子51が対向面に並んで配置された1つの装置側凸部を上記端末側凹部内に案内されるように形成することで、上記効果を奏する。
【0107】
(3)上記第2実施形態等のように、端末側基部11aと端末側端子部11bとを組み付けて筐体11が形成される構成では、端末側端子部11bに代えた他の部品を端末側基部11aに組み付けることで、他のモデル、例えば、ケーブルを介して電力供給されるモデルに切り替えてもよい。すなわち、端末側基部11aを共通使用することができる。
【0108】
1,1a…充電システム
10,10a…携帯端末
11…筐体(端子側筐体)
21…受電端子
22…端末側凹部
25…端末側凸部
26…保護部
30…回路基板(端末側基板)
38…キャパシタ(端末側キャパシタ)
40,40a,40b…充電装置
41…筐体(装置側筐体)
42…保持部
51…給電端子
52…装置側凸部
52a…対向面
53…保護部
55…端末側凹部
60…回路基板(装置側基板)
66…キャパシタ(装置側キャパシタ)
80…スイッチング素子
90…制御回路