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  • 特開-角度ゲージ及びそれを備えたバルブ 図1
  • 特開-角度ゲージ及びそれを備えたバルブ 図2
  • 特開-角度ゲージ及びそれを備えたバルブ 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120430
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】角度ゲージ及びそれを備えたバルブ
(51)【国際特許分類】
   G01B 5/24 20060101AFI20240829BHJP
   F16K 27/00 20060101ALI20240829BHJP
   G01B 3/56 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
G01B5/24
F16K27/00 B
G01B3/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027228
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】390033857
【氏名又は名称】株式会社フジキン
(72)【発明者】
【氏名】秋庭 和幸
(72)【発明者】
【氏名】清水 勇樹
(72)【発明者】
【氏名】一宮 真博
(72)【発明者】
【氏名】星山 秀永
【テーマコード(参考)】
2F061
2F062
3H051
【Fターム(参考)】
2F061AA46
2F061GG01
2F061JJ02
2F061UU19
2F062AA81
2F062AA85
2F062BB04
2F062BB14
2F062BC80
2F062CC22
2F062EE07
2F062GG31
2F062LL02
3H051BB02
3H051CC11
(57)【要約】
【課題】バルブの傾きを判定する。
【解決手段】バルブ取付部材6と傾斜部材11と判定部材16とからなり、傾斜部材11をバルブ1の取付面19と平行にすることで、バルブ1の傾きθと同じとし、傾斜部材11の端部にある揺動部17には判定部材16が常時鉛直下向きになるよう揺動可能に設置されており、傾斜部材11が傾きθとなっている時、判定部材16の端部がバルブ取付部材6に設けられた目盛を指し示すかどうかで、バルブ1の傾きがθとなっているかを判定する。
【選択図】 図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータとバルブ本体とが取付面で固定されたバルブの傾きが所定の傾きかを判定するのに用いる角度ゲージにおいて、
上面が水平となるように前記バルブ本体に取り付けられるバルブ取付部材と、
一方に前記バルブ取付部材が固定され、他方に先端が指示部、後端が揺動部からなる判定部材の揺動部が取り付けられた傾斜部材と、
該傾斜部材の側面は前記取付面と平行になるよう設置され、
前記バルブ取付部材には、当該バルブ取付部材の上面と前記傾斜部材の側面とが形成する角度が所望するバルブの傾きとなった時に前記判定部材の指示部が指し示す目盛りが設けられた、角度ゲージ。
【請求項2】
前記目盛は、前記バルブ取付部材の前記上面または前記上面と連続する側面に設けられていることを特徴とする、請求項1の角度ゲージ。
【請求項3】
前記判定部材の指示部は、鋭角な先端を有する、請求項1の角度ゲージ。
【請求項4】
前記バルブ取付部材には、前記バルブの傾きが所望の傾きとなる時、前記傾斜部材の側面と面一となる傾斜部を有する、請求項1の角度ゲージ。
【請求項5】
アクチュエータとバルブ本体とが取付面で固定されたバルブの傾きを測定するのに用いる角度ゲージにおいて、
上面に円弧状の凸部と前記円弧状の凸部と連続して形成される平面部を有する角度表示部材と、
前記角度表示部材が、一方に揺動可能に固定される傾斜部材と、
傾斜部材の他方に揺動部が揺揺動自在に取り付けられる判定部材とからなり、
前記傾斜部材は側面が前記取付面と平行になるよう前記バルブ本体に設置され、
前記角度表示部材は平面部が水平状態になるよう前記傾斜部材に設置され、
前記判定部材の反揺動部側となる指示部が常時鉛直下向きになるように前記傾斜部材へ設置され、
前記円弧状の凸部には目盛が表示されており、
前記判定部材の指示部は、前記平面部と前記傾斜部材の側面とが形成する角度を表す目盛を指し示すよう前記傾斜部材に設置されており、
前記判定部材の指示部が指し示す円弧状の凸部の目盛を確認する事で、バルブの傾きを把握することが出来る、角度ゲージ。
【請求項6】
請求項1乃至5に記載の角度ゲージが取り付け自在に構成された、バルブ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブの傾きを判定するための角度ゲージと、角度ゲージでの結果を用いて傾きが調整されるバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バルブは特許文献1のようにアクチュエータとバルブ本体とから構成され、アクチュエータとバルブ本体とは垂直方向に重なるように固定された構造となっている。
【0003】
バルブを使用する際は、アクチュエータとバルブ本体とが垂直方向に重なった状態で使用することが多いが、バルブの使用環境やバルブの種類、バルブ本体の内部構造によっては、垂直方向のまま使用した場合、アクチュエータが他の構成部材に干渉したり、内部に液だまりが形成されてしまう事もあり、それによって不具合が発生したり、制御する流体の品質を下げてしまう場合がある。
そのような問題を避けるため、状況によってはバルブを垂直状態よりも傾けた位置にバルブを固定して使用する場合も多くある。
傾ける角度は、周辺環境やバルブ本体内部の形状等によってバルブごとに異なるが、決められた角度まで正確に傾斜させる必要がある。
【0004】
この傾きの精度が悪いと、施工時に他の構成部材と接触した状態で固定もしくは固定自体ができない場合もあり、また、傾きが足りないとバルブ本体内に液だまりが残ったままで流体の滞留が維持されるため、流体に鮮度が要求されるような場合、滞留した流体の鮮度を保証することができず、制御流体の品質を下げる事にもなる。また、流体が腐食性のある流体だと、滞留した流体がバルブ内部表面を腐食させる可能性もある。
【0005】
特許文献2は、バルブがどの程度傾斜しているかを測定することが出来る。これは、バルブ本体の上に固定されたベースプレートに、角度調整装置が形成されており、角度調整装置は、角度がマーキングされた部材と、水準器を備えたポインター要素からなり、水準器により水平状態を保持した時にポインター要素が指し示した角度を読み取ることで、バルブの傾きを測定するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4232939号
【特許文献2】DE202005013987U1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献2では、バルブの傾きを測定及び調整する時、アクチュエータをバルブ本体から一旦外し、アクチュエータの代わりに角度調整装置を設置する必要がある。この場合、バルブの傾きを測定及び調整するたびにアクチュエータをバルブ本体から取り外す必要がある。この時、内部に流体が存在していると、流体を外部に漏洩することになるため、角度を測定する際には一旦内部にある流体を排除して、アクチュエータを取り外しても内部の流体が漏洩することが無いようにしてから角度調整装置を設置するという手順が必要となる。また、角度を測定しバルブの傾きを調整してバルブ本体を固定した後、角度調整装置を取り外してアクチュエータを再び設置するため、アクチュエータを取り付けた状態ではバルブの傾きを測定することが出来ない。
そのため、アクチュエータの取付け作業中に誤ってバルブの傾きをずらしてしまった場合でも、傾きの変化を把握することが出来ない。また再度調整をやり直す場合や微調整が必要な場合、毎回アクチュエータを取り外して角度調整装置を設置する差氷河必要となり、調整等に時間がかかるという問題があった。
【0008】
本発明は、これらの問題を解決するものであり、バルブの傾きを測定及び調整する際に、アクチュエータを取り外すことなく、容易に傾きを測定及び調整が可能な角度ゲージを角度ゲージが取り付けられたバルブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の位置態様にかかる角度ゲージは、アクチュエータとバルブ本体とが取付面で固定されたバルブの傾きが所定の傾きかを判定するのに用いる角度ゲージにおいて、上面が水平となるように前記バルブ本体に取り付けられるバルブ取付部材と、一方に前記バルブ取付部材が固定され、他方に先端が指示部、後端が揺動部からなる判定部材の揺動部が取り付けられた傾斜部材と、該傾斜部材の側面は前記取付面と平行になるよう設置され、前記バルブ取付部材には、当該バルブ取付部材の上面と前記傾斜部材の側面とが形成する角度が所望するバルブの傾きとなった時に前記判定部材の指示部が指し示す目盛りが設けられた、角度ゲージを特徴とする。
【0010】
ある実施形態において、前記目盛は、前記バルブ取付部材の前記上面または前記上面と連続する側面に設けられていても良い。
【0011】
ある実施形態において、前記判定部材の指示部は、鋭角な先端を有しても良い。
【0012】
ある実施形態において、前記バルブ取付部材には、前記バルブの傾きが所望の傾きとなる時、前記傾斜部材の側面と面一となる傾斜部を有しても良い。
【0013】
アクチュエータとバルブ本体とが取付面で固定されたバルブの傾きを測定するのに用いる角度ゲージにおいて、上面に円弧状の凸部と前記円弧状の凸部と連続して形成される平面部を有する角度表示部材と、前記角度表示部材が、一方に揺動可能に固定される傾斜部材と、傾斜部材の他方に揺動部が揺揺動自在に取り付けられる判定部材とからなり、前記傾斜部材は側面が前記取付面と平行になるよう前記バルブ本体に設置され、前記角度表示部材は平面部が水平状態になるよう前記傾斜部材に設置され、前記判定部材の反揺動部側となる指示部が常時鉛直下向きになるように前記傾斜部材へ設置され、前記円弧状の凸部には目盛が表示されており、前記判定部材の指示部は、前記平面部と前記傾斜部材の側面とが形成する角度を表す目盛を指し示すよう前記傾斜部材に設置されており、前記判定部材の指示部が指し示す円弧状の凸部の目盛を確認する事で、バルブの傾きを把握することが出来る、角度ゲージを特徴とする。
【0014】
また、前記角度ゲージが取り付け自在に構成された、バルブを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、アクチュエータをバルブ本体に設置されたままの状態でバルブの傾きが所望の傾きとなっているかを判定し、その結果をもとに調整する事が出来るため、測定を行うまでにかかる手間が大幅に削減できる。また、アクチュエータは設置された状態のまま調整を行うので、調整が完了した時点で作業が終了となるので、傾きを変更させてしまう余計な作業が発生しない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態1に係る角度ゲージの取付状態を表す図である。
図2】本発明の実施形態1に係る角度ゲージを構成する各パーツの斜視図である。
図3】本発明の実施形態2に係る取付状態を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る角度ゲージの実施形態について、以下に図1図2を参照して説明する。この実施例に記載されている構成部品の形状、その相対的位置等は特に特定的な記載が無い限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。また、便宜的に図面上での方向によって部材等の方向を上下左右前後と称する事があるが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0018】
図1を参照して、アクチュエータ2とバルブ本体3とからなるバルブ1が形成されている。バルブ1の側面部分に角度ゲージ4を設置する。通常において角度ゲージ4は、バルブ1のバルブ本体3から前後に突き出ている配管部5の上に設置することになる。角度ゲージ4のバルブ取付部材6は、厚みのある板状の部材8の下部に半円部7が形成されており、半円部7は配管部5にはめ込むことが出来るようになっている。この時、バルブ取付部材6は、上面9が常に水平となるようバルブ取付部材6を調整しながら設置することになる。
【0019】
バルブ取付部材6の一方の側面には一傾斜部10が形成されており、傾斜部材11はその傾斜部10と傾斜部材11の長軸方向の側面15bが面一で重なるように固定部12で固定される。傾斜部材11の長軸方向の側面15aは、アクチュエータ2とバルブ本体3との取付面19と平行になるように設置され、固定部12でバルブ取付部材6に固定される。なお、側面15aと15bは平行になるように形成する事で、側面15aと側面15bとは同じ傾きとなる。それによって、傾斜部材11の側面15aの水平面からの傾きθは、バルブ1の取付面19の傾きθと同じと言うことになる。そして、傾斜部10と側面15bとが面一で重なるようになれば、傾斜部10の傾斜角度も傾きθと同じという事になる。すなわち、バルブ1の取付面19が所望の傾きθとなっているかどうかは、傾斜面10の傾斜角度を予め所望する傾きと同じθの目盛を指し示した時に、傾斜部10と側面15bとが面一になるかどうかを確認する事で、判定することが出来る。もし、傾斜面10と側面15bとが面一になっていない場合は、取付面19の角度が所望の傾きθになっていないことを表しており、バルブ1の傾きを調整して、傾斜面10と側面15bとが面一になるよう調整を行うことになる。
【0020】
なお、側面15aと取付面19と平行にするには、目視によって取付面19と側面15aとを見比べて調整するようにしても良いし、また、バルブ本体3を製造する際、取付面19と同一面でかつアクチュエータ2と重ならない面部分を配管部5に一部形成(図示せず)しておき、傾斜部材11の側面15aを予め形成しておいたその面部分に載置するようにしても良い。これによって、側面15aと取付面19とが同一面となり、平行な状態に保持していることになる。または、側面15aと平行である側面15bと取付面19とを目視等で平行になるように傾斜部材11を調整するようにしても良い。さらには、傾斜部10と側面15bは面一でなくても、平行となるよう設置するようにしても良い。
【0021】
傾斜部材11の中腹部13に段差面14を形成し、段差面14から固定部12が設けられている下方は、段差面14の上方よりも厚みが小さくなるようにする。この厚みが小さくなっている部分にバルブ取付部材6をはめ込むようにする。段差面14は、傾斜部材11の長軸方向に対して傾きθになるよう形成する。バルブ取付部材6に傾斜部材11を固定部12で固定した時、段差面14とバルブ取付部材6の上面9とが面接触、もしくは平行状態になるようバルブ取付部材6と傾斜部材11との固定を調整する事で、傾斜部材11が水平に対して傾きθで固定されることになる。このように、段差面14を用いて傾斜部材11とバルブ取付部材6との傾きθを調整する事が出来る場合は、傾斜面10と側面15bとを面一に合わせる必要がないので、傾斜面10を形成しない場合もある。
【0022】
傾斜部材11の上方には、判定部材16の一方の端部が揺動部17を介して設置されている。判定部材16の他方は端部が鋭角になった先端の指示部18が形成されている。判定部材16は、揺動部17に対して自由に揺動可能な状態で設置しておくことで、判定部材16の指示部18は、自重で常に揺動部17から鉛直下向きの方向を指し示すことになる。
【0023】
バルブ取付部材6の側面または上面9には、傾斜部材11がバルブ取付部材6の上面(すなわち水平面)とで傾きθを形成している時、揺動部17の鉛直下部分となる位置に目盛21が設けられている。もし、取付面19が傾きθとなっていれば、取付面19と平行となっている傾斜部材11も傾きθとなっており、揺動部17に取り付けられた判定部材16の指示部18は鉛直下向きの位置を指し示すため、目盛21を指し示すことになる。逆に、目盛21を指示部18が指し示してない場合は、傾斜部材11が傾きθとなってない事になり、傾斜部材11と平行な位置にあるバルブ取付面19が傾きθになってないことが確認できる。そして、バルブ取付面の傾きがθになるようバルブ1の傾きを調整して指示部18が目盛21を指し示すようにすることで、バルブ1が所望の傾きθとなったことを表すことになる。即ち、判定部材16が指し示す位置を確認する事で、バルブの傾きが所望の傾きθとなっているかどうかを判定することが出来る。
【0024】
なお、傾斜部材11に設けられた段差の高さをバルブ取付部材6の厚みと同じにすることによって、固定部12付近の傾斜部材11とバルブ取付部材6とを合わせた厚みと揺動部17付近の傾斜部材11との厚みが略同じ厚みとすることが出来る。この状態で揺動部17に判定部材16を設置すると、鉛直下方向で揺動部17からバルブ取付部材6の上面9までの長さよりも判定部材16が長くなっていたとしても、判定部材16はバルブ取付部材6とは接触せずに揺動が可能となる。
【0025】
バルブ1をどの程度傾ける必要があるかは、バルブの種類や設置場所等によって様々となる。そのため、角度ゲージが予め決められた傾きにのみ調整可能な構造の場合、それぞれの傾きに合わせた角度ゲージを複数準備する必要がある。また、バルブの大きさ等によって配管の径も異なるため、配管部5に半円部7を設置するようにした場合、調整する傾きθが同じでも、配管の径と半円部7とが合わない場合は配管部5にバルブ取付部材6を設置することが出来なくなる。そのため、その直径に合わせた角度ゲージ4をそれぞれ準備する必要がある。
図3は、様々な状態においても使用することが出来る、本発明の別の実施形態を表している。
【0026】
傾斜部材23は、側面25aが取付面19と同一面もしくは平行となるよう設置する。傾斜部材23には、角度表記部材20を固定する固定部24と、傾斜部材23の端部には判定部材27を自由に揺動可能となるよう設置するための揺動部26とを有する。判定部材27の一方は揺動部26に設置され、他方は端部が鋭角となっている先端の指示部28を有する。判定部材27の指示部28は、自由に揺動可能なように揺動部26に設置する事で、判定部材27の自重で常に指示部28が鉛直下向きを指すようになっている。揺動部26に設置する際、直接揺動部26に判定部材27を設置すると、判定部材27の長さが鉛直下向きに揺動部26から角度表示部材20の上面22までの長さよりも長くなった場合、角度表記部材20の上面22に指示部28が接触することになる。そのため、判定部材27を揺動部26に設置する時に、角度表示部材20の厚みと同等またはそれ以上のスペーサ(図示せず)を間に挟むことで、指示部28が角度表示部材20に接触せずに揺動可能にすることもできる。角度表示部材20の上面22は、円弧状の凸部22aと凸部22aと連続する平面部22bとが形成されおり、凸部22aの側面または上面には目盛21が表記されている。そして角度表記部材20は、平面部22bが常に水平状態になるよう傾斜部材23との固定が調整される。
【0027】
角度表示部材20の目盛21は、傾斜部材23と傾斜部材23に対して水平状態になるよう固定されている平面部22bとが傾きθで固定された時、判定部材27の先端の指示部28がθの値に相当する目盛りを指し示すように表記されている。それによって、傾斜部材23の側面25a、25bが取付面19と同じ傾きθで固定されると、判定部材27の指示部28は鉛直下向きを指し示すことになるため、傾きθの目盛の位置を指し示すことになり、バルブの傾きθが何度であるかを確認することが出来る。図3の(a)から(e)は、傾斜部材23のそれぞれの傾きθの状態を表しており、(a)はバルブの傾きが90度の状態を表しており、(b)が75度、(c)が60度、(d)が45度、(e)が30度になった状態を表している。それぞれの傾斜部材23の傾きθに合わせて、指示部28はそれぞれの目盛を指し示しており、それによって、バルブの傾きがどうなっているかを判定することが出来る。なお、ここでは傾きを15度刻みで記載しているが、微調整等が必要な場合は、より細かい目盛を表示するようにしても良い。
【0028】
角度ゲージ8は、バルブ1の傾きθを調整する際にバルブ1に設置するようにしているが、調整時にのみ設置するようにした場合、使用中のバルブ1の傾きの可否について確認することが出来ない。そのため、バルブ1を設備する時、予めバルブに角度ゲージ8を常設しておいても良い。そうする事によって、傾きθがずれた場合にはすぐに確認することが出来るようになり、また、例えば定期点検等において傾きを確認する際も、バルブ1の配管部5の直径や目的の傾きθに合わせた角度ゲージを事前に準備する必要が無くなる。
【0029】
本発明は、上記実施形態に限定解釈されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能である。たとえば、バルブ取付部材6や角度表示部材20は目視によって水平状態を確保しているが、上面9や平面部22bの上部に水準器等を載置したり、部材8の一部に水準器を埋設して水平を測定できるようにしたりしても良い。なお、平行や水平、鉛直下向き等については、微調整等を求められない限りは目測で確認できる範囲で良く、略平行および略水平、略鉛直下向き状態であれば良い。
【0030】
さらに、判定部材16及び27について、先端の指示部18及び28は鋭角形状としているが、これは先端部が指し示す目盛の場所を明確にするためであり、判定部材が鉛直下向きであり、所定の目盛の場所を指し示す構造であれば鋭角である必要は無く、例えば先端の指示部18及び28にも目盛を表記し、目盛同士を合わせるような構造であっても良い。さらに、バルブ取付部材6の半円部7は、配管部5に安定的に設置するために配管部5の直径に合わせた大きさを想定しているが、上部9が水平状態で安定的に配管部5上に設置できるのであれば、半円ほどの長さでなくてもよく、またそもそも半円形状である必要も無い。また、バルブ取付部材6に設けた目盛は特定の傾きθとなった時に指し示す目盛のみを表示するようにしたが、他の複数の傾きθとなった際に指し示す目盛が複数あっても良い。
【0031】
また、判定部材16、27は、長さがあってもバルブ取付部材6や角度表示部材20の上部に接触しないように、バルブ取付部材20を傾斜部材11の段差に嵌め込んだり、スペーサを挟んで固定するようにしているが、判定部材16、27の長さを短くすることで接触しないようにした場合は、段差やスペーサ等は無くても良い。
【符号の説明】
【0032】
1 バルブ
2 アクチュエータ
3 バルブ本体
4 角度ゲージ
5 配管部
6 バルブ取付部材
7 半円部
8 板状部材
9 上面
10 傾斜部
11、23 傾斜部材
12、24 固定部
13 中腹部
14 段差面
15a、15b、25a、25b 平行面(側面)
16、27 判定部材
17、26 揺動部
18、28 指示部
19 取付面
20 角度表示部材
21 目盛
22 上面
22a 凸部
22b 平面部
θ 傾き
図1
図2
図3