IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 積水化学工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-樋 図1
  • 特開-樋 図2
  • 特開-樋 図3
  • 特開-樋 図4
  • 特開-樋 図5
  • 特開-樋 図6
  • 特開-樋 図7
  • 特開-樋 図8
  • 特開-樋 図9
  • 特開-樋 図10
  • 特開-樋 図11
  • 特開-樋 図12
  • 特開-樋 図13
  • 特開-樋 図14
  • 特開-樋 図15
  • 特開-樋 図16
  • 特開-樋 図17
  • 特開-樋 図18
  • 特開-樋 図19
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120435
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】樋
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/064 20060101AFI20240829BHJP
【FI】
E04D13/064 501Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027234
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】川嶋 正哉
(57)【要約】
【課題】ドレン用の穴を簡単に開けられるようにした樋を提供する。
【解決手段】底板9と、前記底板9の幅方向の両端部から、前記底板9の厚さ方向の第1側に向かってそれぞれ立ち上がる一対の側板12と、を備える樋1であって、前記底板9の幅方向の中心に沿って、前記樋1の長手方向に線状に第1標識13が設けられている、樋1。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底板と、
前記底板の幅方向の両端部から、前記底板の厚さ方向の第1側に向かってそれぞれ立ち上がる一対の側板と、を備える樋であって、
前記底板の幅方向の中心に沿って、前記樋の長手方向に線状に第1標識が設けられている、樋。
【請求項2】
前記第1標識として、前記底板の中心に沿って、前記樋の長手方向に線状に凹部が設けられている、請求項1に記載の樋。
【請求項3】
前記凹部が、前記樋の長手方向に一定間隔で設けられている、請求項2に記載の樋。
【請求項4】
前記第1標識として、前記底板の中心に沿って、前記樋の長手方向に凸部が形成されている、請求項1に記載の樋。
【請求項5】
前記第1標識として、前記底板の中心に沿って、前記樋の長手方向に前記底板と異なる色で標線が記されている、請求項1に記載の樋。
【請求項6】
前記底板の外面において、凹凸状の表面処理がなされている、請求項1に記載の樋。
【請求項7】
前記底板の幅方向における両端に設けられた突出部を更に備え、
前記底板の外面において、前記樋の長手方向に沿って前記突出部の前記底板側に第2標識が記されている請求項1に記載の樋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建築物の屋根に降った雨水を受けるのに、軒樋(樋、雨樋)が用いられている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、軒樋は、底板と、一対の側板と、を備える。一対の側板は、底板の幅方向の両端から、底板の厚さ方向の第1側に向かってそれぞれ立ち上がる。軒樋には、その内側にドレン部材を備えている。ドレン部材は排水機能を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6959465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
軒樋の建築分野において、職人不足や職人の高齢化が課題となっており、建築部材には技能が無くても施工が出来る「易施工」が求められている。雨樋を施工する工程において、ドレン用の穴をあける時、中心位置の決定やケガキ線の記入等で時間がかかり、作業技術が必要である。例えば、ドレン取付け位置を決める際に、中心位置が不明なため、測定およびケガキが必要であった。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、ドレン用の穴を簡単に開けられるようにした樋を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の樋は、底板と、前記底板の幅方向の両端部から、前記底板の厚さ方向の第1側に向かってそれぞれ立ち上がる一対の側板と、を備える樋であって、前記底板の幅方向の中心に沿って、前記樋の長手方向に線状に第1標識が設けられている。
【0007】
この発明によれば、樋の長手方向に線状に標識が設けられているため、ドレン用の穴の位置決定が容易になる。
【0008】
また、前記第1標識として、前記底板の中心に沿って、前記樋の長手方向に線状に凹部が設けられていてもよい。
【0009】
また、上記の樋において、前記凹部が、前記樋の長手方向に一定間隔で設けられていてもよい。
【0010】
また、上記の樋において、前記第1標識として、前記底板の中心に沿って、前記樋の長手方向に凸部が形成されていてもよい。
【0011】
また、上記の樋において、前記第1標識として、前記底板の中心に沿って、前記樋の長手方向に前記底板と異なる色で標線が記されていてもよい。
この発明によれば、底板にドレン用の穴を開けるための標線が、底板と異なる色で記されているためケガキ線が書きやすい。
【0012】
また、上記の樋において、前記底板の外面において、凹凸状の表面処理がなされていてもよい。
この発明によれば、底板に凹凸状の表面処理がされているため、滑りが抑制され、底板にドリル等で穴を開ける時にドリルが暴れにくい。
【0013】
また、上記の樋において、前記底板の幅方向における両端に設けられた突出部を更に備え、前記底板の外面において、前記樋の長手方向に沿って前記突出部の前記底板側に第2標識が記されていてもよい。
この発明によれば、突出部への穴あけの防止ができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ドレン用の穴を簡単に開けられるようにした樋を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る樋の設置態様である。
図2図1に示すIII方向から見た底板の模式図である。
図3】本発明に係る樋の概略構成図である。
図4】底上げ部が側板に設けられている樋の概略構成図である。
図5】樋の一部を破断した斜視図である。
図6】2枚の板材で構成された鋼板の斜視図である。
図7】3枚の板材で構成された鋼板の斜視図である。
図8】本発明の第一実施形態に係る底板の一部斜視図である。
図9】本発明の第一実施形態に係る底板の一部断面図である。
図10】本発明の第二実施形態に係る底板の一部斜視図である。
図11】本発明の第二実施形態に係る底板の一部断面図である。
図12】本発明の第三実施形態に係る底板の一部斜視図である。
図13】本発明の第三実施形態に係る底板の一部断面図である。
図14】本発明に係る底板に一直線状の中心線を設けた底板の一部斜視図である。
図15】本発明に係る底板に中心点線を設けた底板の一部斜視図である。
図16】本発明に係る底板の中空部の底板側に標線を設けた図1に示すIII方向から見た底板の模式図である。
図17】ケガキ作業の第1図である。
図18】ケガキ作業の第2図である。
図19】軒樋に貫通孔を設ける作業の例である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図1図2を参照し、樋の構成について説明する。樋1は、建物に取り付けられた軒先に配置されるものであれば軒樋であってもよいし、谷樋など、軒樋とは異なる他の雨樋であってもよい。樋1の構成は、特に限定されない。例えば、樋1は、上方が開口するU字形に形成されている。樋1は、長手方向に延びている。樋1は、樋部材と、複数の補強層と、を備えていてもよい。樋部材は、底板9と、側板12と、を備えている。底板9、側板12は、それぞれ平板状に形成され、長手方向に延びている。樋1は、底板9と、底板9の幅方向の両端部から、底板9の厚さ方向の第1側に向かってそれぞれ立ち上がる一対の側板12と、を備える。また、樋1は、中空部11(突出部)を備える。中空部11は、図3のように底板9の表面に設けられていてもよい。また、中空部11は備えていなくてもよい。また樋1は、図4のように側板12に底板9側の両端に設けられた底上げ部11b(突出部)を備えてもよい。中空部11や底上げ部11bを底板9に設けることで、側板12が暴れにくくなり、樋1が補強される。また、底板9は芯材を内部に設けてもよいし、設けなくてもよい。
ドレン10は、樋1と竪樋Tとの接続部に配置される。ドレン10は、樋1から竪樋Tに排水が流下する際に、排水の内部に空気が混ざりにくくする役割を有する。これにより、ドレン10は、竪樋Tの内部を排水で満たしやすくすることで、竪樋Tの内部でサイフォン現象を発生しやすくする。このように、ドレン10は、樋1からの排水の効率を向上する役割を有する。
【0017】
底板9と側板12の厚さtは特に限定されないが、0.5mm以上5mm以下が好ましく、1.0mm以上5mm以下がより好ましく、1.5mm以上3.0mm以下がさらに好ましい。
【0018】
ここで図4に示す樋1について説明する。以下、底板9の幅方向を幅方向Yといい、底板の厚さ方向Zを厚さ方向Zという。側板12は、底板9の底上げ部11bを構成する第2板片27Aの幅方向Yにおける第1側Y1の端部から、厚さ方向Zにおける第1側Z1に向かって立ち上がる。側板12は、第1側Z1に向かうに従い漸次、第1側Y1に向かうように傾斜している。ここで、側板12における樋1の内側の外面22aと底板9の外面26bのとのなす角度を、θと規定する。側板12の外面22aと底板9の外面26bとの交点を、点P1と規定する。側板12は、底板9の底上げ部11bを構成する第2板片27Bの幅方向Yにおける第2側Y2の端部から第1側Z1に向かって立ち上がる。側板12は、第1側Z1に向かうに従い漸次、第2側Y2に向かうように傾斜している。側板12の第1側Z1の端は、側板12の第1側Z1の端よりも、厚さ方向Zにおける第1側Z1とは反対側の第2側Z2(以下では、単に第2側Z2と言う)に位置する。側板12における樋1の内側の外面23aと底板9の外面26bのとのなす角度は、θである。側板12の外面23aと底板9の外面26bとの交点を、点P2と規定する。
【0019】
点P1、P2間の距離L1は、120mm以上であることが好ましい。距離L1は、300mm以上であることがより好ましい。距離L1は、500mm以下であることが好ましい。角度θは、90°よりも大きく、180°未満である。角度θは、91°よりも大きく、110°以下が好ましいに示すように、本実施形態では、図5に示すように、樋1の底板9及び一対の側板12は、被覆鋼板90を折り曲げて構成されている。被覆鋼板90は、鋼板(芯材)91の外面に被覆層92が設けられて構成されている。図5に示す形状に折り曲げられる前の鋼板91の形状は、平坦である。被覆層92は、鋼板91の両方の外面に設けられてもよいし、一方の外面に設けられてもよい。被覆層92の厚さは、限定されない。
【0020】
例えば、被覆層92は、塩化ビニル等の樹脂や、アスファルト等で形成されている。
被覆鋼板90は、例えば、溶融亜鉛めっき鋼板、塗装溶融亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛、アルミニウム合金めっき鋼板、塗装溶融亜鉛、アルミニウム合金めっき鋼板、溶融アルミニウムめっき鋼板、ポリ塩化ビニル被覆金属板、冷間圧延ステンレス鋼板、塗装ステンレス鋼板、チタン板又はチタン合金板、高耐候性圧延鋼板、アスファルト又は樹脂被覆鋼板、アルミニウム合金板等でもよい。樋1は、被覆鋼板90を折り曲げて構成されてもよいし、合成樹脂を押出成形すること等により形成されてもよい。また、樋1の表面にはシボ、ヘアライン、ローレット等を施してもよい。
【0021】
鋼板91の厚さは、特に限定されないが、0.4mm以上1.0mm以下であることが 好ましい。鋼板91は、1枚の板材で構成されてもよいし、2枚以上の板材で構成されて もよい。例えば、図6に示す鋼板91は、2枚の板材91a、91bの端部を厚さ方向に重ねた状態で、これらの端部を互いに接着材等で接合することで構成されている。なお、図6、及び後述する図7には、折り曲げられる前の鋼板91、93を示す。板材91a、91bは、板材91a、91bの主面に沿う延面方向に並べて配置されている。板材91aにおける延面方向の第1側の端部と、板材91bの延面方向における第1側とは反対側の第2側の端部とが、互いに重ねられて接合されている。例えば、板材91aの延面方向の長さL11は、1200mmである。板材91bの延面方向の長さL12が325mmの場合には、鋼板91の延面方向の長さ(働き幅)は、1500mmである。板材91a,91b同士の重ね代は、25mmである。板材91bの延面方向の長さL12が625mmの場合には、鋼板91の延面方向の長さは1800mmである。板材91a、91bは、図示しない被覆層により一体化されている。
【0022】
また、図7に示す鋼板93は、鋼板91の各構成に加えて、板材91cを備えている。すなわち、鋼板93は、3枚の板材91a、91b、91cを互いに接合することで構成されている。板材91aにおける延面方向の第2側の端部と、板材91cの延面方向における第1側の端部とが、接合されている。板材91bの延面方向の長さL12及び板材91cの延面方向の長さL13がそれぞれ325mmの場合には、鋼板93の延面方向の長さは1800mmである。板材91bの延面方向の長さL12及び板材91cの延面方向の長さL13がそれぞれ475mmの場合には、鋼板93の延面方向の長さは2100mmである。板材91bの延面方向の長さL12及び板材91cの延面方向の長さL13がそれぞれ625mmの場合には、鋼板93の延面方向の長さは2400mmである。板材91a、91b、91cは、図示しない被覆層により一体化されている。
【0023】
なお、被覆鋼板90には、リブ等が設けられてもよい。2枚の板材は、互いに突き合わされた状態で接合されてもよいし、互いに突き合わされた状態から突き合わせ方向(延面方向)に少し離れた状態で接合されてもよい。鋼板91における、被覆鋼板90全体の厚さ方向を含む面による断面形状が、波形でもよい。このように構成することにより、被覆鋼板90の剛性を高めることができる。
【0024】
ドレン10は、底板9の中心部に設ける。このとき、中心部とは底板9の幅方向に対して、その中点となる位置を指す。ドレン10を底板9の中心部に設置することで、排水の効率を向上させることができる。ドレン10を底板9の中心部に設けるためケガキ用ガイド30を設けてもよい。ケガキ用ガイド30は、ドレン10を設置する箇所にケガキ線Lを設ける際に用いられる。ケガキ用ガイド30は、底板9に設けられる。すなわち、ドレン10を配置する樋1に、ドレン10を配置する部位に標線を記すために用いられるケガキ用ガイド30となる。ケガキ用ガイド30は、板状であってもよいし、半円状であってもよい。この場合、ケガキ道具Kをケガキ用ガイド30の周囲に沿って移動させることで、ケガキ作業を行う。ケガキ用ガイド30を設けることで、作業性、ハンドリング性が向上する。
【0025】
以下、図8図9を参照しつつ本発明の第一実施形態に係るドレン用穴開けガイド付き樋について説明する。底板9の外面において、底板9の中心に沿って、樋1の長手方向に一線状に凹部13(第1標識)が設けられている。ケガキ用ガイド30を置くための中心決めとして、凹部13を設けてもよい。凹部13は、樋1を押出成型する際に一体に設けてもよい。凹部13は、底板9の底面幅を採寸し、中心位置を決めた後、底板9の端部から長手方向に向かって治具等を用いて連続で穴(溝)を空けることにより形成されてもよい。図9のように底板9を断面で見たとき、凹部13の幅Wはドリル等の刃と同等の大きさであればよく、例えば、0.5mm以上5.0mm以下であることが好ましい。また、凹部13の深さDについても、例えば、0.05mm以上10mm以下であることが好ましい。
【0026】
また、凹部13の断面形状は、穴あけ加工時に使用するドリルの刃が入れば、特に限定する必要はなく、V字状、U字状、またはコ字状であってもよい。断面形状はドリルの刃と同等もしくは鈍角であれば、穴あけ施工時にドリルの刃が暴れることがなく、確実に施工できる。
【0027】
また、以下図10図11を参照しつつ本発明の第二実施形態に係るドレン用穴開けガイド付き樋について説明する。底板9の外面において、底板9の中心に沿って、樋1の長手方向に一定間隔で凹部13が設けられている。凹部13は、底板9の底面幅を採寸し、中心位置を決めた後、底板9の端部から長手方向に向かって治具等で破線状に印をつける。凹部13の幅W、深さD、断面形状は第一実施形態と同様である。また、凹部13同士の間隔Pは、特に限定されない。
【0028】
また、以下図12図13を参照しつつ本発明の第三実施形態に係るドレン用穴開けガイド付き樋について説明する。底板9の外面において、底板9の中心に沿って、樋1の幅方向に並行して複数の凸部14(第1標識)が形成されている。凸部14は、1箇所設けられていてもよいし、2箇所以上設けられていてもよい。凸部14は、2箇所以上設けられていると、ケガキ作業を行う際に位置ずれしにくくなるため好ましい。凸部14は、樋1を押出成型する際に一体に設けてもよい。幅方向に並ぶ凸部14の間が凹部13である。凹部13の幅W、深さD、断面形状は第一実施形態と同様であってもよい。また、凹部13同士の間隔は、ケガキを容易に設ける点から0.5mm以上5.0mm以下であることが好ましい。また、凸部14の幅Wはドリル等の刃と同等の大きさであればよく、特に限定されないが、例えば、0.5mm以上5.0mm以下であることが好ましい。また、凸部14の深さD(凹部13の最下点~凸部14の最大点の高さ)についても0.05mm以上10mm以下であることが好ましい。また、凸部14同士の間隔Pについては、凹部13の幅に相当し、0.5mm以上5.0mm以下であることが好ましい。
【0029】
また、第一実施形態~第三実施形態に係るドレン用穴開けガイド付き樋について、凹部13や凸部14を設けることに代えて、底板9の中心に沿って、樋1の長手方向に底板9と異なる色で標線15(第1標識)が記されていてもよい。標線15は、図14に示すように一直線状の中心線であってもよいし、図15に示すように点線状の中心線であってもよい。標線15はケガキ用ガイドである。標線15は底板9に対して色づけられるものであれば、レーザーマーカーやカラーマーカーや絵具などを用いてもよい。
【0030】
また、第一実施形態~第三実施形態に係るドレン用穴開けガイド付き樋について、底板9の外面において、凹凸状の表面処理がなされていてもよい。表面処理は、表面が粗加工されていればシボ、ヘアライン、ローレット等どのような方法で処理されていてもよい。表面処理を行うことで、ドリル等で穴をあける際に、ドリルが暴れにくく、より確実に穴をあけることができる。また、コンパスでケガキ作業を行う場合にも、コンパスが滑らせずに作業することができる。
【0031】
また、第一実施形態~第三実施形態に係るドレン用穴開けガイド付き樋について、図16に示すように、底板9の外面において、樋1の長手方向に沿って中空部11の底板9側に標線16(第2標識)が記されていてもよい。標線16は、中空部11の底板側の中空部11の位置に対して色づけられるものであれば、レーザーマーカーやカラーマーカーや絵具などを用いてもよい。第一実施形態~第三実施形態の中空部11の側をなぞるように標線16を設けることにより、例えば、ドリルで穴をあける際に中空部11への穴あけの防止ができる。
【0032】
上記樋1において穴をあける場合には、例えば、凹部13や標線15に中心位置を定め、ドリルなどを用いて施工してもよい。また、凹部13や標線15に中心位置を定め、例えば、ケガキ用のコンパスを用いて円を書き、その円に沿って穴を加工してもよい。また、凸部14が一か所の場合、凸部14の根本に中心位置を定め、印をつけてもよい。また、凸部14が2か所の場合、凹部13や標線15に中心位置を定め、印をつけてもよい。
標線16の位置は中空部11にドレン穴があけられないように、中空部11や底上げ部11bの位置を示すものであり、これらの場合においても、標線16の位置を加工しないように施工することで、中空部11が加工されることがない。
【0033】
また、ケガキ用ガイドを用いて、以下のようにケガキ作業を行ってもよい。
【0034】
図17に示すように、ケガキ道具Kをケガキ用ガイド30の周囲に沿って移動させることで、ケガキ作業を行う。本実施形態において、ケガキ道具Kは、例えば、ペンである。ケガキ道具Kは、針状の部材であってもよい。以下のようにケガキ作業を行う。また、ケガキ用ガイド30には、例えば、円弧の上において90°ごとに目印30mを設けてもよい。
【0035】
ケガキ用ガイド30を、凹部13や標線15の位置を参照しながら樋1におく。ケガキ道具Kを用いて、ケガキ用ガイド30に沿って円弧状にケガキ線Lを設ける。この時、ケガキ線Lの中心角は、例えば、180°以上であることが好ましい。次に、図18に示すように、ケガキ用ガイド30の位置を回転させるようにずらす。この時、目印30mの位置を合わせるようにして、ケガキ用ガイド30をずらすことが好ましい。そして、残りのケガキ線Lを設ける。つまり、最初に設けた円弧を補完して、円状のケガキ線Lを形成する。このようにして、ケガキ線Lを設ける。その後、図19に示すように、工具Sによってケガキ線Lに沿って貫通孔Nhを空ける。このようにして、ドレン10を設置可能とする。
【0036】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、施工方法は上記実施形態に示した方法に限られない。また、中空部がなくてもよい。
【0037】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0038】
1 樋
9 底板
10 ドレン
11 中空部
12 側板
13 凹部
14 凸部
15 標線
16 標線
30 ケガキ用ガイド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19