(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120462
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】情報処理システム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
H04N 21/231 20110101AFI20240829BHJP
H04N 5/765 20060101ALI20240829BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
H04N21/231
H04N5/765
H04N7/18 D
H04N7/18 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027275
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西田 伸夫
【テーマコード(参考)】
5C054
5C164
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054DA09
5C054EA03
5C054EA07
5C054GB02
5C054GB05
5C054HA19
5C164FA07
5C164FA14
5C164SA25S
5C164SB36P
5C164SD11S
(57)【要約】
【課題】データ転送量を抑えつつ装置間における映像データの転送を行う。
【解決手段】映像データを記録する映像記録装置と、広域通信網を介して映像記録装置から映像データを取得して再生及び保存する再生装置と、映像記録装置から広域通信網を介して映像データを取得しかつ再生装置から構内通信網を介して映像データを取得する収集装置と、から構成される情報処理システムであって、映像記録装置は、映像データを再生装置又は収集装置に広域通信網を介して送信する送信部を有し、再生装置は、映像データの再生時に再生映像データを保存する保存部を有し、収集装置は、再生映像データを再生装置から構内通信網を介して受信しかつ映像データを映像記録装置から広域通信網を介して受信する受信部を有し、収集装置は、再生装置から再生映像データを受信し、収集装置から再生映像データを除く映像データを受信する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラによって撮像された映像データを記録する映像記録装置と、広域通信網を介して前記映像記録装置から前記映像データを取得して再生及び保存する再生装置と、前記映像記録装置から前記広域通信網を介して前記映像データを取得しかつ前記再生装置から構内通信網を介して前記映像データを取得する収集装置と、から構成される情報処理システムであって、
前記映像記録装置は、前記映像データを前記再生装置又は前記収集装置に前記広域通信網を介して送信する送信部を有し、
前記再生装置は、前記映像データの再生時に当該再生される映像データである再生映像データを保存する保存部を有し、
前記収集装置は、前記再生映像データを前記再生装置から前記構内通信網を介して受信しかつ前記映像データを前記映像記録装置から前記広域通信網を介して受信する受信部を有し、
前記収集装置は、前記再生装置から前記再生映像データを受信し、前記収集装置から前記再生映像データを除く前記映像データを受信する事を特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記映像記録装置は、第1の時間帯に前記広域通信網を介して前記再生装置に前記映像データを送信し、第2の時間帯に前記広域通信網を介して前記収集装置に前記映像データを送信することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記第1の時間帯は日中であり、
前記第2の時間帯は夜間であることを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記収集装置は、前記再生装置の前記保存部に前記再生映像データとして保存されている映像データの情報を示す保存状況情報を取得し、前記保存状況情報に基づいて、前記再生映像データを除く前記映像データの転送を要求する転送要求を前記映像記録装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記映像記録装置は第1の拠点に設置され、
前記再生装置及び前記収集装置は、前記第1の拠点とは異なる第2の拠点に設置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
カメラによって撮像された映像データを記録する映像記録装置と、広域通信網を介して前記映像記録装置から前記映像データを取得して再生及び保存する再生装置と、前記映像記録装置から前記広域通信網を介して前記映像データを取得しかつ前記再生装置から構内通信網を介して前記映像データを取得する収集装置と、が実行する情報処理方法であって、
前記再生装置が、前記広域通信網を介して前記映像記録装置から前記映像データを取得して再生し、当該再生される映像データである再生映像データを保存するステップと、
前記収集装置が、前記構内通信網を介して前記再生装置から前記再生映像データを取得するステップと、
前記収集装置が、前記再生映像データを除く前記映像データを、前記広域通信網を介して前記映像記録装置から取得するステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムに関し、特に装置間で映像データの送受信を行う情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、銀行や小売店等における被害を軽減するため、店舗に監視カメラを設置し、撮影された映像データを解析することにより犯罪の防止を図る防犯システムが広く用いられている。監視カメラで撮影された映像をハードディスクドライブに効率よく保存するため、監視映像のうち重要な監視映像を選別することにより、重要な映像の蓄積管理を行う動画圧縮装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の支店を有する銀行や複数の小売店を有する企業において、各支店や各小売店で撮影された監視カメラの映像をセンターで収集及び保管する映像監視システムが採用されている。このような映像監視システムでは、運用への影響が小さい夜間帯に、支店からセンターへの映像データの転送処理を行う。しかし、データの転送量が大きいため、大きな帯域が必要であり、また全支店分のデータの転送には時間がかかるという問題があった。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、時間あたりのデータ転送量を抑えつつ装置間における映像データの転送を行うことが可能な情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報処理システムは、カメラによって撮像された映像データを記録する映像記録装置と、広域通信網を介して前記映像記録装置から前記映像データを取得して再生及び保存する再生装置と、前記映像記録装置から前記広域通信網を介して前記映像データを取得しかつ前記再生装置から構内通信網を介して前記映像データを取得する収集装置と、から構成される情報処理システムであって、前記映像記録装置は、前記映像データを前記再生装置又は前記収集装置に前記広域通信網を介して送信する送信部を有し、前記再生装置は、前記映像データの再生時に当該再生される映像データである再生映像データを保存する保存部を有し、前記収集装置は、前記再生映像データを前記再生装置から前記構内通信網を介して受信しかつ前記映像データを前記映像記録装置から前記広域通信網を介して受信する受信部を有し、前記収集装置は、前記再生装置から前記再生映像データを受信し、前記収集装置から前記再生映像データを除く前記映像データを受信する事を特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る情報処理方法は、カメラによって撮像された映像データを記録する映像記録装置と、広域通信網を介して前記映像記録装置から前記映像データを取得して再生及び保存する再生装置と、前記映像記録装置から前記広域通信網を介して前記映像データを取得しかつ前記再生装置から構内通信網を介して前記映像データを取得する収集装置と、が実行する情報処理方法であって、前記再生装置が、前記広域通信網を介して前記映像記録装置から前記映像データを取得して再生し、当該再生される映像データである再生映像データを保存するステップと、前記収集装置が、前記構内通信網を介して前記再生装置から前記再生映像データを取得するステップと、前記収集装置が、前記再生映像データを除く前記映像データを、前記広域通信網を介して前記映像記録装置から取得するステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、装置間における映像データの転送を行う情報処理システムにおいて、時間あたりのデータ転送量を抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】カメラ、ビデオレコーダ、収集サーバ及びセンターPCの構成を示すブロック図である。
【
図3】映像データ保存状況記憶部に記憶される情報を示すテーブルの一例を示す図である。
【
図4】映像データのビデオレコーダからセンターPCへの転送、再生及び保存処理の処理ルーチンを示すシーケンス図である。
【
図5】映像データのセンターPCから収集サーバへの転送及び保存処理の処理ルーチンを示すシーケンス図である。
【
図6】映像データのビデオレコーダから収集サーバへの転送及び保存処理の処理ルーチンを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施例における説明及び添付図面においては、実質的に同一又は等価な部分には同一の参照符号を付している。
【0011】
図1は、本発明の実施例にかかる情報処理システム100の構成を示すブロック図である。情報処理システム100は、カメラ11、ビデオレコーダ12、収集サーバ13及びセンターPC14から構成されている。
【0012】
カメラ11及びビデオレコーダ12は、第1の拠点である支店BRに配置されている。収集サーバ13及びセンターPC14は、第2の拠点である監視センターMCに配置されている。情報処理システム100は、支店BRを含む複数の支店と監視センターMCとの間で映像データの転送を行う映像データ転送システムである。
【0013】
なお、支店BRは複数存在する支店のうちの1つであり、複数の支店の各々には、カメラ11及びビデオレコーダ12と同様のカメラ及びビデオレコーダが少なくとも1台ずつ設置されている。また、センターPC14は、監視センターMCに複数設置されたセンターPCのうちの1つである。
【0014】
ビデオレコーダ12は、収集サーバ13及びセンターPC14とネットワークNWを介して接続されている。ネットワークNWは、センター支店間を接続するセンター支店間通信路であり、WAN(Wide Area Network)から構成されている。収集サーバ13及びセンターPC14は、監視センターMC内に設けられたセンター内通信路であるLAN(Local Area Network)によって接続されている。
【0015】
図2は、カメラ11、ビデオレコーダ12、収集サーバ13及びセンターPC14の構成を示すブロック図である。
【0016】
カメラ11は、支店BRに配置され、店舗内外を撮影して映像(本実施例では、動画像)を得るカメラである。カメラ11は、例えば防犯のために設けられた監視カメラであり、カメラ11によって撮影された映像は監視センターMCに転送されて再生及び解析が行われる。
【0017】
カメラ11は、映像データ送信部16を有する。映像データ送信部16は、例えばデータの送受信を行うNIC(Network Interface Card)等のネットワークアダプタから構成されている。映像データ送信部16は、カメラ11によって撮影された映像を映像データVDとしてビデオレコーダ12に送信する。本実施例では、撮影が行われた時間帯ごと(例えば、早朝の時間帯、午後の早い時間帯、夕方の時間帯等)に複数の映像データVDが生成され、ビデオレコーダ12に送信される。
【0018】
ビデオレコーダ12は、支店BRに配置され、カメラ11で撮影された映像データVDを記録する録画機能を有する機器である。ビデオレコーダ12は、映像データ受信部21、映像データ保存部22、映像データ転送要求受信部23、処理制御部24及び映像データ送信部25を有する。
【0019】
映像データ受信部21、映像データ転送要求受信部23及び映像データ送信部25は、例えばデータの送受信を行うNIC(Network Interface Card)等のネットワークアダプタから構成されている。
【0020】
映像データ受信部21は、カメラ11の映像データ送信部16が送信した映像データVDを受信する。また、映像データ受信部21は、受信した映像データVDを映像データ保存部22に供給する。
【0021】
映像データ保存部22は、HDD(Hard Disc Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶装置から構成されている。映像データ保存部22は、映像データ受信部21が受信した映像データVDを保存する。
【0022】
なお、カメラ11からのビデオレコーダ12への映像データVDの送信、映像データ受信部21による映像データVDの受信、及び映像データ保存部22への映像データVDの保存は、当該映像データVDに係る映像がカメラ11によって撮影されたタイミングに応じて順次(すなわち、リアルタイムに)行われる。
【0023】
映像データ転送要求受信部23は、収集サーバ13又はセンターPC14から送信された映像データ転送要求TRを受信する。
【0024】
処理制御部24は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、ビデオレコーダ12の各部の動作に必要な制御を行う。例えば、処理制御部24は、映像データ転送要求受信部23が受信した映像データ転送要求TRに基づいて、映像データ保存部22から映像データVDを読み出し、映像データ送信部25に供給する。
【0025】
映像データ送信部25は、映像データ保存部22から読み出された映像データVDを収集サーバ13又はセンターPC14に送信する。なお、本実施例では、日中と夜間とで映像データVDの送信先が異なる。具体的には、日中の時間帯にはセンターPC14から映像データ転送要求TRが送信されるため、これに応じて映像データ送信部25は映像データVDをセンターPC14に送信する。一方、夜間の時間帯には収集サーバ13から映像データ転送要求TRが送信されるため、これに応じて映像データ送信部25は映像データVDを収集サーバ13に送信する。
【0026】
収集サーバ13は、監視センターMCに設置され、支店BRを含む各支店のビデオレコーダ12に保存されている映像データVDを取得して保存するサーバ装置である。収集サーバ13は、直接ビデオレコーダ12からWANを介して映像データVDを取得する他、センターPC14経由でLANを介して映像データVDを取得する。なお、センターPC14経由で取得する映像データVDは、センターPC14で再生された(再生される)映像データであり、以下の説明では当該映像データを再生映像データVDXと称する。
【0027】
収集サーバ13は、映像データ受信部31、映像データ保存部32、映像データ転送要求送信部33、映像データ保存状況受信部34、映像データ保存状況記憶部35及び処理制御部36を有する。
【0028】
映像データ受信部31、映像データ転送要求送信部33及び映像データ保存状況受信部34は、NIC等のネットワークアダプタから構成されている。
【0029】
映像データ受信部31は、ビデオレコーダ12から送信された映像データVDを受信する。また、映像データ受信部31は、センターPC14から送信された再生映像データVDXを受信する。
【0030】
映像データ保存部32は、HHDやSSD等の記憶装置から構成され、映像データ受信部31が受信した映像データVD及び再生映像データVDXを保存する。
【0031】
映像データ転送要求送信部33は、映像データ転送要求TRをビデオレコーダ12又はセンターPC14に送信する。映像データ転送要求送信部33は、処理制御部36の制御に応じて映像データ転送要求TRの送信先を切り替える。なお、本実施例では、映像データ転送要求送信部33は、ビデオレコーダ12への映像データ転送要求TRの送信を夜間の時間帯に行う。一方、同じ監視センターMC内に設置されたセンターPC14に対しては、映像データ転送要求送信部33は、日中及び夜間のいずれの時間帯であるかにかかわらず、定期的に映像データ転送要求TRの送信を行う。
【0032】
映像データ保存状況受信部34は、センターPC14から保存状況情報SSを受信する。保存状況情報SSは、センターPC14に再生映像データVDXとして保存されている映像データVDの属性(どこの支店のどのカメラでどの時刻に撮影された映像か)を示す情報に加えて、当該映像データVDが収集サーバ13に転送済であるか否かを示す付随情報を含む。
【0033】
映像データ保存状況記憶部35は、HHDやSSD等の記憶装置から構成され、映像データ保存状況受信部34が受信した保存状況情報SSを記憶する。
【0034】
図3は、映像データ保存状況記憶部35に記憶される保存状況情報SSの一例を示すテーブルTBを示している。テーブルTBには、映像データVDが保存されているセンターPCのPC名、撮影時刻、撮影された支店、及び収集サーバ13への転送状況が対応付けて格納されている。
【0035】
例えば、テーブルTBには、PC名が「PC1」であるセンターPCに「A支店」で「2023/1/14 13:00~15:00」に撮影された映像データVDが保存されており、当該映像データVDは収集サーバ13に対して「転送済」の状態であることを示す情報が格納されている。
【0036】
再び
図2を参照すると、処理制御部36は、CPU等から構成され、収集サーバ13の各部の動作に必要な制御を行う。例えば、処理制御部36は、映像データ保存状況記憶部35に記憶されている保存状況情報SSに基づいて、映像データ転送要求送信部33を制御し、映像データVDの転送を要求する映像データ転送要求TRを送信させる。
【0037】
具体的には、処理制御部36は、センターPC14に保存されている映像データVDであって且つ収集サーバ13への転送状況が「未転送」の映像データVDについて、その転送を要求する映像データ転送要求TRをセンターPC14に向けて送信させる。また、映像データ保存状況記憶部35に保存状況情報SSに記憶されていない映像データVD、センターPC14を含むいずれのセンターPCにも保存されていない映像データVDについて、その転送を要求する映像データ転送要求TRをビデオレコーダ12に向けて送信させる。
【0038】
センターPC14は、監視センターMCに設置され、支店BRを含む各支店のビデオレコーダ12に保存されている映像データVDの供給を受け、当該映像データVDの再生及び保存を行う機器である。センターPC14は、映像データ転送要求送信部41、映像データ受信部42、映像データ保存部43、映像データ送信部44、映像データ転送要求受信部45、処理制御部46、映像データ保存状況送信部47、映像データ削除処理部48及び再生処理部49を有する。
【0039】
映像データ転送要求送信部41、映像データ受信部42、映像データ送信部44、映像データ転送要求受信部45及び映像データ保存状況送信部47は、NIC等のネットワークアダプタから構成されている。
【0040】
映像データ転送要求送信部41は、センターPC14への映像データVDの転送を要求する映像データ転送要求TRをビデオレコーダ12に送信する。なお、映像データ転送要求送信部41は、キーボードやタッチパネル等の入力手段(
図2では図示を省略)を用いた、映像の再生を求めるユーザ(換言すると、センターPC14の運用者)の入力操作に応じて、映像データ転送要求TRをビデオレコーダ12に送信する。本実施例では、ユーザによる入力操作は日中の時間帯に行われるため、映像データ転送要求送信部41は、日中の時間帯に映像データ転送要求TRを送信する。
【0041】
映像データ受信部42は、ビデオレコーダ12から送信された映像データVDを受信する。受信した映像データVDは、再生処理部49により再生されるとともに、再生映像データVDXとして映像データ保存部43に保存される。
【0042】
映像データ保存部43は、HHDやSSD等の記憶装置から構成されている。映像データ保存部43は、映像データ受信部42によって受信され、再生処理部49による再生対象となった映像データVDを、再生映像データVDXとして保存する。なお、再生映像データVDXの保存は、再生処理部49による映像データVDの再生の後に行われても良いし、再生の最中あるいは再生前に行われても良い。
【0043】
映像データ送信部44は、処理制御部46によって映像データ保存部43から読み出された再生映像データVDXを収集サーバ13に送信する。映像データ送信部44による再生映像データVDXの送信は、映像データ転送要求受信部45による映像データ転送要求TRの受信に応じて行われる。収集サーバ13からの映像データ転送要求TRの送信は、日中及び夜間のいずれにおいても行われるため、映像データ送信部44は、日中であるか夜間であるかを問わず、収集サーバ13への再生映像データVDXの送信を行う。
【0044】
映像データ転送要求受信部45は、収集サーバ13から送信された映像データ転送要求TRを受信する。
【0045】
処理制御部46は、CPU等から構成され、センターPC14の各部の動作に必要な制御を行う。例えば、処理制御部46は、キーボードやタッチパネル等の入力手段(
図2では図示を省略)を用いて行われる映像の再生を求めるユーザの入力操作に応じて、ビデオレコーダ12に保存されている映像データVDをセンターPC14で再生するための各部の制御を行う。
【0046】
具体的には、処理制御部46は、映像データ転送要求送信部41を制御し、センターPC14への映像データVDの転送を要求する映像データ転送要求TRをビデオレコーダ12に向けて送信させる。映像データ転送要求TRに応じてビデオレコーダ12から転送された映像データVDを映像データ受信部42が受信すると、処理制御部46は、再生処理部49を制御して当該受信した映像データVDの再生処理を実行させ、ディスプレイ等からなる表示部(
図2では図示を省略)に映像を表示させる。また、処理制御部46は、再生した映像データVDを再生映像データVDXとして、映像データ保存部43に保存させる。
【0047】
また、処理制御部46は、映像データ転送要求受信部45が収集サーバ13から受信した映像データ転送要求TRに基づいて、映像データ保存部43から再生映像データVDXを読み出し、映像データ送信部44に供給する。
【0048】
また、処理制御部46は、映像データ保存部43に再生映像データVDXとして保存されている映像データVDの情報を保存状況情報SSとして取得し、映像データ保存状況送信部47に供給する。保存状況情報SSは、映像データVDの属性(どこの支店のどのカメラでどの時刻に撮影された映像か)を示す情報に加えて、当該映像データVDが収集サーバ13に転送済であるか否かを示す付随情報を含む。
【0049】
映像データ保存状況送信部47は、処理制御部46から供給された保存状況情報SSを収集サーバ13に送信する。
【0050】
映像データ削除処理部48は、映像データ保存部43に再生映像データVDXとして保存されている映像データVDのうち、収集サーバ13への転送が済んでいる映像データVDを削除する処理を行う。
【0051】
再生処理部49は、処理制御部46の制御に応じて、映像データ受信部42が受信した映像データVDの再生を行う。再生された映像データVDは、ディスプレイ等からなる表示部に表示され、表示された映像に基づいてユーザ(センターPCの運用者)による映像の解析が行われる。
【0052】
次に、本実施例の情報処理システム100において、カメラ11、ビデオレコーダ12、収集サーバ13及びセンターPC14が行う映像データVDの転送処理の処理動作について、
図4~
図6を参照して説明する。
【0053】
図4は、ビデオレコーダ12における映像データVDの保存処理、ビデオレコーダ12からセンターPC14への映像データVDの転送処理、センターPCにおける映像データVDの再生及び保存処理の処理動ルーチンを示すシーケンス図である。
【0054】
カメラ11は、支店BRの店舗内外を撮影して映像データVDを生成する。映像データ送信部25は、映像データVDをビデオレコーダ12に転送(送信)する(ステップS101)。
【0055】
ビデオレコーダ12の映像データ受信部21は、カメラ11から送信された映像データVDを受信する。映像データ保存部22は、映像データ受信部21が受信した映像データVDを保存する(ステップS102)。
【0056】
以上の処理ルーチンにより、ビデオレコーダ12における映像データVDの保存処理が行われる。上記の通り、これらの処理は、映像がカメラ11によって撮影されたタイミングに応じて順次、リアルタイムに行われる。
【0057】
次に、ビデオレコーダ12からセンターPC14への映像データVDの転送処理、及びセンターPC14における映像データVDの再生及び保存処理について説明する。なお、これらの処理は日中の時間帯に行われる。
【0058】
センターPC14の処理制御部46は、ビデオレコーダ12に保存されている映像について、センターPCでの再生及び表示を要求する入力操作である映像再生操作を、タッチパネルやキーボード等の入力手段を介してユーザから受け付ける(ステップS103)。
【0059】
処理制御部46は、映像再生操作の受付に応じて映像データ転送要求送信部41を制御し、映像データ転送要求TRをビデオレコーダ12に向けて送信させる(ステップS104)。
【0060】
ビデオレコーダ12の映像データ転送要求受信部23は、センターPC14から送信された映像データ転送要求TRを受信する。処理制御部24は、映像データ転送要求受信部23による映像データ転送要求TRの受信に応じて映像データ保存部22から映像データVDを読み出し、映像データ送信部25に供給する。映像データ送信部25は、映像データVDをセンターPC14に転送(送信)する(ステップS105)。
【0061】
センターPC14の映像データ受信部42は、ビデオレコーダ12から送信された映像データVDを受信する。再生処理部49は、当該受信した映像データVDを再生し、図示せぬ表示部に映像を表示させる。また、映像データ保存部43は、再生される映像データVDを再生映像データVDXとして保存する(ステップS106)。
【0062】
処理制御部46は、映像データ保存部43にアクセスし、再生映像データVDXとして保存されている映像データVDについての保存状況情報SSを取得する。映像データ保存状況送信部47は、取得された保存状況情報SSを映像データ保存状況送信部47に供給する。映像データ保存状況送信部47は、保存状況情報SSを収集サーバ13に送信する(ステップS107)。
【0063】
収集サーバ13の映像データ保存状況受信部34は、センターPC14から送信された保存状況情報SSを受信し、映像データ保存状況記憶部35に供給する。映像データ保存状況記憶部35は、保存状況情報SSを保存(記憶)する(ステップS108)。
【0064】
以上の処理ルーチンにより、センターPC14における映像データVDの再生及び保存処理と、保存状況情報SSの収集サーバ13への転送及び保存処理が行われる。
【0065】
図5は、映像データVDのセンターPC14から収集サーバ13への転送及び保存処理の処理ルーチンを示すシーケンス図である。なお、この処理は時間帯を問わず、定期的に実行される。
【0066】
収集サーバ13の処理制御部36は、映像データ保存状況記憶部35に記憶されている保存状況情報SSに基づいて、センターPC14に再生映像データVDXとして保存されている映像データVDであって且つ未だ収集サーバ13への転送が行われていない映像データVDについて収集サーバ13への転送を要求する映像データ転送要求TRを、映像データ転送要求送信部33を制御してセンターPC14に向けて送信させる(ステップS111)。
【0067】
収集サーバ13の処理制御部36は、例えば映像データ転送要求TRに対する確認応答(ACK)の有無等に基づいて、センターPC14が起動中で且つ収集サーバ13との通信が可能な状態にあるか否かを判定する(ステップS112)。
【0068】
センターPC14が通信可能な状態にないと判定すると(ステップS112:NO)、収集サーバ13の処理制御部36は、映像データ保存状況記憶部35に記憶されている保存状況情報SSに基づいて、センターPC14とは別のセンターPCに保存されている映像データVDであって且つ未だ収集サーバ13への転送が行われていない映像データVDについて収集サーバ13への転送を要求する映像データ転送要求TRを、映像データ転送要求送信部33を制御して当該別のセンターPCに向けて送信させる(ステップS113)。
【0069】
一方、センターPC14が通信可能な状態にある場合(ステップS112:YES)、 センターPC14の映像データ転送要求受信部45は、収集サーバ13からの映像データ転送要求TRを受信する。映像データ転送要求受信部45は、映像データ転送要求TRを受信したことを示す受信通知を処理制御部46に供給する。処理制御部46は、当該映像データ転送要求TRに対応する再生映像データVDXを映像データ保存部43から読み出し、映像データ送信部44に供給する。映像データ送信部44は、読み出された再生映像データVDXを収集サーバ13に転送(送信)する(ステップS114)。
【0070】
収集サーバ13の映像データ受信部31は、センターPC14から送信された再生映像データVDXを受信する。映像データ保存部32は、映像データ受信部31が受信した再生映像データVDXを保存する(ステップS115)。
【0071】
映像データ保存状況記憶部35は、映像データ保存部32に保存された映像データVD(再生映像データVDX)についての収集サーバ13への転送状況の情報を「転送済」に更新する(ステップS116)。
【0072】
以上の処理ルーチンにより、センターPC14から収集サーバ13への映像データVDの転送及び保存処理が行われる。
【0073】
図6は、映像データVDのビデオレコーダ12から収集サーバ13への転送及び保存処理の処理ルーチンを示すシーケンス図である。なお、この処理は夜間の時間帯に実行される。
【0074】
収集サーバ13の処理制御部36は、ビデオレコーダ12の映像データ保存部22に保存されている映像データVDであって且つビデオレコーダ12からセンターPC14への転送が行われていない映像データVDについての収集サーバ13への転送を要求する映像データ転送要求TRを、映像データ転送要求送信部33を制御してビデオレコーダ12に向けて送信させる(ステップS121)。
【0075】
収集サーバ13の処理制御部36は、例えばビデオレコーダ12からの確認応答(ACK)の有無等に基づいて、ビデオレコーダ12が起動中で且つ収集サーバ13との通信が可能な状態にあるか否かを判定する(ステップS122)。
【0076】
ビデオレコーダ12が通信可能な状態にないと判定すると(ステップS122:NO)、収集サーバ13の処理制御部36は、ビデオレコーダ12とは別のビデオレコーダに保存されている映像データVDであって且つセンターPCへの転送が行われていない映像データVDについて収集サーバ13への転送を要求する映像データ転送要求TRを、映像データ転送要求送信部33を制御して当該別のビデオレコーダに向けて送信させる(ステップS123)。
【0077】
一方、ビデオレコーダ12が通信可能な状態にある場合(ステップS122:YES)、 ビデオレコーダ12の映像データ転送要求受信部23は、収集サーバ13からの映像データ転送要求TRを受信する。映像データ転送要求受信部23は、映像データ転送要求TRを受信したことを示す受信通知を処理制御部24に供給する。処理制御部24は、当該映像データ転送要求TRに対応する映像データVDを映像データ保存部22から読み出し、映像データ送信部25に供給する。映像データ送信部25は、読み出された映像データVDを収集サーバ13に転送(送信)する(ステップS124)。
【0078】
収集サーバ13の映像データ受信部31は、ビデオレコーダ12から送信された映像データVDを受信する。映像データ保存部32は、映像データ受信部31が受信した映像データVDを保存する(ステップS125)。
【0079】
以上の処理ルーチンにより、ビデオレコーダ12から収集サーバ13への映像データVDの転送及び保存処理が行われる。
【0080】
本実施例の情報処理システム100では、ビデオレコーダ12に保存されている映像データVDのうち、センターPC14での再生及び解析のためにビデオレコーダ12からセンターPC14に転送された映像データVDについては、ビデオレコーダ12から直接収集サーバ13への転送を行うのではなく、センターPC14を経由して収集サーバ13への転送を行う。そして、それ以外の映像データVDについて、ビデオレコーダ12から直接収集サーバ13への転送を行う。
【0081】
かかる構成によれば、ビデオレコーダ12から収集サーバ13にWANを介して直接転送する映像データVDのデータ転送量を抑えることができる。
【0082】
また、WANを経由した映像データVDの転送のうち、ビデオレコーダ12からセンターPC14への映像データVDの転送は第1の時間帯である日中に行い、ビデオレコーダ12から収集サーバ13への映像データVDの転送は第2の時間帯である夜間に行う。一方、LANを経由した映像データVDの転送である、センターPC14から収集サーバ13への映像データVDの転送については、日中であるか夜間であるかを問わず実行する。
【0083】
このように、WANを経由したデータ転送を異なる時間帯に分けて行うことにより、時間当たりのデータ転送量を抑えることができる。
【0084】
以上のように、本実施例の情報処理システム100によれば、時間あたりのデータ転送量を抑えつつ装置間における映像データの転送を行うことが可能となる。
【0085】
なお、本発明の実施形態は、上記実施例に記載したものに限られない。例えば、上記実施例では、カメラ11が防犯のために設けられた監視カメラである場合を例として説明したが、カメラの用途はこれに限定されない。本実施例の情報処理システムは、装置間で広域通信網(WAN)を介して映像データの転送を行うシステム全般に適用が可能である。
【符号の説明】
【0086】
100 情報処理システム
11 カメラ
12 ビデオレコーダ
13 収集サーバ
14 センターPC
16 映像データ送信部
21 映像データ保存部
22 映像データ受信部
23 映像データ転送要求部
24 処理制御部
25 映像データ送信部
31 映像データ保存部
32 映像データ転送要求送信部
33 映像データ受信部
34 映像データ保存状況受信部
35 映像データ保存状況記憶部
36 処理制御部
41 映像データ転送要求送信部
42 映像データ受信部
43 映像データ保存部
44 映像データ送信部
45 映像データ転送要求受信部
46 処理制御部
47 映像データ保存状況送信部
48 映像データ削除処理部
49 再生処理部