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特開2024-120465映像記録装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120465
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】映像記録装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20240829BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20240829BHJP
   H04N 5/77 20060101ALI20240829BHJP
   H04N 5/915 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
H04N7/18 D
H04N7/18 U
H04N23/60 300
H04N5/77
H04N5/915
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027280
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西田 伸夫
【テーマコード(参考)】
5C053
5C054
5C122
【Fターム(参考)】
5C053FA12
5C053LA01
5C053LA11
5C053LA14
5C054CA04
5C054CC02
5C054EA03
5C054EA07
5C054GB02
5C054HA18
5C054HA19
5C122EA42
5C122FA18
5C122FH08
5C122GA21
5C122GA24
5C122GA31
5C122GC52
5C122HA10
5C122HA71
5C122HA86
5C122HB01
(57)【要約】
【課題】データ転送用の映像データを効率よく記録することが可能な映像記録装置を提供する。
【解決手段】1又は複数のカメラの各々によって撮像された映像データを記録する映像記録装置であって、1又は複数のカメラの各々から映像データを取得するデータ取得部と、1又は複数のカメラから取得された映像データを第1の時間帯に亘って第1の画質で記録し、且つ映像データを第1の時間帯中の一部の時間帯であり且つ1又は複数のカメラ毎に定まる第2の時間帯において第1の画質よりも高い第2の画質で記録する記録部と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数のカメラの各々によって撮像された映像データを記録する映像記録装置であって、
前記1又は複数のカメラの各々から前記映像データを取得するデータ取得部と、
前記1又は複数のカメラから取得された前記映像データを第1の時間帯に亘って第1の画質で記録し、且つ前記映像データを前記第1の時間帯中の一部の時間帯であり且つ前記1又は複数のカメラ毎に定まる第2の時間帯において前記第1の画質よりも高い第2の画質で記録する記録部と、
を有することを特徴とする映像記録装置。
【請求項2】
前記1または複数のカメラの各々の前記第2の時間帯は互いに重ならないことを特徴とする請求項1に記載の映像記録装置。
【請求項3】
通信網を介して外部装置と接続され、前記第2の画質で記録した前記映像データを、当該映像データが撮像された時間に応じた順序で前記外部装置に順次送信する送信部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の映像記録装置。
【請求項4】
1又は複数のカメラの各々によって撮像された映像データを記録する映像記録装置と、通信網を介して前記映像記録装置から前記映像データを取得する映像データ取得装置と、から構成される情報処理システムであって、
前記映像記録装置は、
前記1又は複数のカメラの各々から前記映像データを取得するデータ取得部と、
前記1又は複数のカメラから取得された前記映像データを第1の時間帯に亘って第1の画質で記録し、且つ前記映像データを前記第1の時間帯中の一部の時間帯であり且つ前記1又は複数のカメラ毎に定まる第2の時間帯において前記第1の画質よりも高い第2の画質で記録する記録部と、
前記第2の画質で記録した前記映像データを、当該映像データが撮像された時間に応じた順序で前記映像データ取得装置に順次送信する送信部と、
を有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項5】
1又は複数のカメラの各々によって撮像された映像データを記録する映像記録装置と、通信網を介して前記映像記録装置から前記映像データを取得する映像データ取得装置と、が実行する情報処理方法であって、
前記映像記録装置が、
前記1又は複数のカメラの各々から前記映像データを取得するステップと、
前記1又は複数のカメラから取得された前記映像データを第1の時間帯に亘って第1の画質で記録するステップと、
前記映像データを前記第1の時間帯中の一部の時間帯であり且つ前記1又は複数のカメラ毎に定まる第2の時間帯において前記第1の画質よりも高い第2の画質で記録するステップと、
前記第2の画質で記録した前記映像データを、当該映像データが撮像された時間に応じた順序で前記映像データ取得装置に順次送信するステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータに、
1又は複数のカメラの各々によって撮像された映像データを取得するステップと、
前記1又は複数のカメラから取得された前記映像データを第1の時間帯に亘って第1の画質で記録するステップと、
前記映像データを前記第1の時間帯中の一部の時間帯であり且つ前記1又は複数のカメラ毎に定まる第2の時間帯において前記第1の画質よりも高い第2の画質で記録するステップと、
前記第2の画質で記録した前記映像データを、当該映像データが撮像された時間に応じた順序で通信網を介して順次送信するステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像記録装置に関し、特に複数のカメラの各々で撮影された映像データを記録する映像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、銀行や小売店等における被害を軽減するため、店舗に監視カメラを設置し、撮影された映像データを解析することにより犯罪の防止を図る防犯システムが広く用いられている。このような映像を効率よく保存するため、玄関先の映像を撮像するドアホン装置において、映像の変化が大きいとされる来訪者の映像は低い圧縮率で圧縮された高画質の圧縮イメージで保存し、映像の変化が小さいとされる玄関の映像は高い圧縮率で圧縮させた低画質の圧縮イメージで保存する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-260462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の支店を有する銀行や複数の小売店を有する企業において、各支店や各小売店で撮影された監視カメラの映像をセンターで収集及び保管する映像監視システムが採用されている。このような映像監視システムにおいて、各支店に設置されたカメラに何らかの異常(例えば、カメラの向きが本来のものとは変わってしまった、故障が発生した等)が発生する場合がある。このような異常発生をセンター側で検知する方法として、ビューアソフトの「自動巡回閲覧」機能等を用いて、各支店から転送された映像を目視し、異常発生の有無を人の目で確認する方法がある。その際、映像が高画質(鮮明、なめらか)であれば、異常発生の有無に気づきやすい。また、高画質であれば複数のカメラからの映像を1画面に分割表示して短時間で確認することも可能であり、異常確認の省力化にもつながる。
【0005】
しかし、映像を高画質にすると、映像データの容量が増加するため、監視カメラが設置された支店側の装置からセンター側の装置への映像データの転送において、必要通信帯域が増加し、転送量が増大するという問題があった。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、データ転送用の映像データを効率よく記録することが可能な映像記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る映像記録装置は、1又は複数のカメラの各々によって撮像された映像データを記録する映像記録装置であって、前記1又は複数のカメラの各々から前記映像データを取得するデータ取得部と、前記1又は複数のカメラから取得された前記映像データを第1の時間帯に亘って第1の画質で記録し、且つ前記映像データを前記第1の時間帯中の一部の時間帯であり且つ前記1又は複数のカメラ毎に定まる第2の時間帯において前記第1の画質よりも高い第2の画質で記録する記録部と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る情報処理システムは、1又は複数のカメラの各々によって撮像された映像データを記録する映像記録装置と、通信網を介して前記映像記録装置から前記映像データを取得する映像データ取得装置と、から構成される情報処理システムであって、前記映像記録装置は、前記1又は複数のカメラの各々から前記映像データを取得するデータ取得部と、前記1又は複数のカメラから取得された前記映像データを第1の時間帯に亘って第1の画質で記録し、且つ前記映像データを前記第1の時間帯中の一部の時間帯であり且つ前記1又は複数のカメラ毎に定まる第2の時間帯において前記第1の画質よりも高い第2の画質で記録する記録部と、前記第2の画質で記録した前記映像データを、当該映像データが撮像された時間に応じた順序で前記映像データ取得装置に順次送信する送信部と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る情報処理方法は、1又は複数のカメラの各々によって撮像された映像データを記録する映像記録装置と、通信網を介して前記映像記録装置から前記映像データを取得する映像データ取得装置と、が実行する情報処理方法であって、前記映像記録装置が、前記1又は複数のカメラの各々から前記映像データを取得するステップと、前記1又は複数のカメラから取得された前記映像データを第1の時間帯に亘って第1の画質で記録するステップと、前記映像データを前記第1の時間帯中の一部の時間帯であり且つ前記1又は複数のカメラ毎に定まる第2の時間帯において前記第1の画質よりも高い第2の画質で記録するステップと、前記第2の画質で記録した前記映像データを、当該映像データが撮像された時間に応じた順序で前記映像データ取得装置に順次送信するステップと、を含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るプログラムは、コンピュータに、1又は複数のカメラの各々によって撮像された映像データを取得するステップと、前記1又は複数のカメラから取得された前記映像データを第1の時間帯に亘って第1の画質で記録するステップと、前記映像データを前記第1の時間帯中の一部の時間帯であり且つ前記1又は複数のカメラ毎に定まる第2の時間帯において前記第1の画質よりも高い第2の画質で記録するステップと、前記第2の画質で記録した前記映像データを、当該映像データが撮像された時間に応じた順序で通信網を介して順次送信するステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、データ転送量を抑えつつ高画質な映像データを装置間で転送することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図2】カメラ、ビデオレコーダ及び異常確認用PCの構成を示すブロック図である。
図3】カメラ異常確認用映像データの保存例を示す図である。
図4】防犯用映像データの保存例を示す図である。
図5】映像データの保存処理及びビデオレコーダから異常確認用PCへの映像データの転送処理の処理ルーチンを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施例における説明及び添付図面においては、実質的に同一又は等価な部分には同一の参照符号を付している。
【0014】
図1は、本発明の実施例にかかる情報処理システム100の構成を示すブロック図である。情報処理システム100は、カメラ11A、11B、11C、ビデオレコーダ12及び異常確認用PC13から構成されている。
【0015】
カメラ11A~C及びビデオレコーダ12は、第1の拠点である支店Xに配置されている。異常確認用PC13は、第2の拠点である監視センターMCに配置されている。情報処理システム100は、支店Xを含む複数の支店と監視センターMCとの間で映像データの転送を行う映像データ転送システムである。
【0016】
なお、支店Xは複数存在する支店のうちの1つであり、複数の支店の各々には、カメラ11A~Cと同様のカメラ及びビデオレコーダ12と同様のビデオレコーダが少なくとも1台ずつ設置されている。
【0017】
カメラ11A~C及びビデオレコーダ12は、異常確認用PC13とネットワークNWを介して接続されている。ネットワークNWは、センター支店間を接続するセンター支店間通信路であり、WAN(Wide Area Network)から構成されている。
【0018】
図2は、カメラ11A、ビデオレコーダ12及び異常確認用PC13の構成を示すブロック図である。なお、カメラ11B及び11Cはカメラ11Aと同様の構成を有するため、ここでは図示を省略している。
【0019】
カメラ11Aは、支店Xに配置され、店舗内外を撮影して映像(本実施例では、動画像)を得るカメラである。本実施例では、カメラ11Aは、防犯のために設けられた監視カメラである。
【0020】
カメラ11Aは、映像データ送信部16を有する。映像データ送信部16は、例えばデータの送受信を行うNIC(Network Interface Card)等のネットワークアダプタから構成されている。映像データ送信部16は、カメラ11Aによって撮影された映像を映像データVDとしてビデオレコーダ12に送信する。
【0021】
ビデオレコーダ12は、支店Xに配置され、カメラ11A~Cで撮影された映像データVDを記録する録画機能を有する機器である。ビデオレコーダ12は、映像データ受信部21、映像データ保存部22、処理制御部23、映像データ送信部24及び削除処理部25を有する。
【0022】
映像データ受信部21及び映像データ送信部24は、例えばデータの送受信を行うNIC(Network Interface Card)等のネットワークアダプタから構成されている。
【0023】
映像データ受信部21は、カメラ11A~Cの映像データ送信部16が送信した映像データVDを受信する。また、映像データ受信部21は、受信した映像データVDを映像データ保存部22に供給する。
【0024】
映像データ保存部22は、HDD(Hard Disc Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶装置から構成されている。映像データ保存部22は、映像データ受信部21が受信した映像データVDを保存する。なお、カメラ11A~Cからビデオレコーダ12への映像データVDの送信、映像データ受信部21による映像データVDの受信、及び映像データ保存部22への映像データVDの保存は、当該映像データVDに係る映像がカメラ11A~Cによって撮影されたタイミングに応じて順次(すなわち、リアルタイムに)行われる。
【0025】
本実施例の映像データ保存部22は、2通りの異なる画質で映像データVDを保存する。具体的には、映像データ保存部22は、映像データVDを第1の画質で防犯用映像データVD1として保存する。防犯用映像データVD1は、防犯用の監視映像として記録される映像データである。
【0026】
図3は、防犯用映像データVD1の保存例を示す図である。ここでは、支店Xのカメラ11A、11B及び11Cに加えて、支店Yに設けられたカメラ11D及び11E、支店Zに設けられたカメラ11Fの防犯用映像データVD1の保存例を同時に示している。映像データ保存部22は、8時00分00秒~20時00分00秒までの時間帯(第1の時間帯)に亘って、連続してカメラ11A、11B及び11Cの映像データVDを第1の画質で防犯用映像データVD1として保存する。支店Y及び支店Zに設けられたビデオレコーダの映像データ保存部(図示を省略)も、同様にカメラ11D、11E及び11Fについての防犯用映像データVD1の保存を行う。
【0027】
また、映像データ保存部22は、映像データVDを第2の画質でカメラ異常確認用映像データVD2として保存する。カメラ異常確認用映像データVD2は、WANを介して異常確認用PC13に転送され、映像解析によりカメラに何らかの異常が発生していないかどうかの確認(以下、カメラの異常確認と称する)を行うために用いられる映像データである。カメラの異常確認に用いる映像は、鮮明且つ滑らかな映像であることが望ましい。このため、カメラ異常確認用映像データVD2の画質である第2の画質は、防犯用映像データVD1の画質である第1の画質よりも高く設定されている。
【0028】
映像データ保存部22は、対象のカメラを切り替えつつ5秒ごとに異なるカメラの映像データVDをカメラ異常確認用映像データVD2として保存する。カメラ異常確認用映像データVD2を保存する時間帯(第2の時間帯)はカメラ毎に決められており、且つ各カメラについての時間帯が互いに重ならないように設定されている。
【0029】
図4は、カメラ異常確認用映像データVD2の保存例を示す図である。図3と同様に、支店Xのみではなく、支店Yに設けられたカメラ11D及び11E、支店Zに設けられたカメラ11Fのカメラ異常確認用映像データVD2の保存例を同時に示している。
【0030】
映像データ保存部22は、8時00分00秒~20時00分00秒までの間、保存対象のカメラを順次変更しつつ、カメラ異常確認用映像データVD2の保存を行う。このため、同時に複数のカメラ異常確認用映像データVD2が保存されることはなく、5秒にいずれか1つのカメラの映像データVDがカメラ異常確認用映像データVD2として保存される。そして、本実施例の情報処理システム100では、支店Xだけではなく支店Y及び支店Zのカメラについても、カメラ異常確認用映像データVD2を保存する時間帯が重ならないように設定されている。
【0031】
例えば、8時00分00秒~8時00分05秒の間には支店Xのカメラ11Aの映像がカメラ異常確認用映像データVD2として保存される。次の時間帯である8時00分05秒~8時00分10秒の間には支店Xのカメラ11Bの映像がカメラ異常確認用映像データVD2として保存される。以下同様に、8時00分10秒~8時00分15秒の間には支店Xのカメラ11Cの映像、8時00分15秒~8時00分20秒の間には支店Yのカメラ11Dの映像、8時00分20秒~8時00分25秒の間には支店Yのカメラ11Eの映像、8時00分25秒~8時00分30秒の間には支店Zのカメラ11Fの映像が、それぞれカメラ異常確認用映像データVD2として保存される。このように、6つのカメラの映像が5秒ごとに順次保存されるため、1つのカメラについてのカメラ異常確認用映像データVD2の保存は、30秒おきに行われることになる。
【0032】
再び図2を参照すると、処理制御部23は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、ビデオレコーダ12の各部の動作に必要な制御を行う。例えば、処理制御部23は、映像データ保存部22からカメラ異常確認用映像データVD2を読み出し、映像データ送信部24に供給する。
【0033】
映像データ送信部24は、映像データ保存部22から読み出されたカメラ異常確認用映像データVD2を異常確認用PC13に送信する。映像データ送信部24は、当該カメラ異常確認用映像データVD2の送信を、夜間の予め決められた時間帯に定期的に行う。また、映像データ送信部24は、異常確認用PC13と同じセンター内に設けられた図示せぬ防犯確認用PCの運用者(ユーザ)からの求めに応じて、防犯用映像データVD1を当該防犯確認用PCに送信する。
【0034】
削除処理部25は、映像データ送信部24がカメラ異常確認用映像データVD2を送信した後、当該カメラ異常確認用映像データVD2を映像データ保存部22から削除する。なお、削除処理部25は、防犯用映像データVD1についてはすぐには削除を行わず、所定期間(例えば、半年間等)が経過した後に映像データ保存部22からの削除を行う。
【0035】
異常確認用PC13は、映像データ受信部31、映像データ保存部32、処理制御部33、再生処理部34及び削除処理部35を有する。
【0036】
映像データ受信部31は、ビデオレコーダ12から送信されたカメラ異常確認用映像データVD2を受信する。映像データ受信部31は、受信したカメラ異常確認用映像データVD2を映像データ保存部32に供給する。
【0037】
映像データ保存部32は、HHDやSSD等の記憶装置から構成され、映像データ受信部31が受信したカメラ異常確認用映像データVD2を順次保存する。
【0038】
処理制御部33は、CPU等から構成され、収集サーバ13の各部の動作に必要な制御を行う。例えば、処理制御部33は、キーボードやタッチパネル等の入力手段(図2では図示を省略)を用いて行われるカメラ異常確認用映像データVD2の再生するためのユーザの入力操作に応じて、映像データ保存部32に保存されているカメラ異常確認用映像データVD2の読み出しを行う。
【0039】
再生処理部34は、処理制御部33の制御に応じてカメラ異常確認用映像データVD2を再生し、ディスプレイ等からなる表示部(図2では図示を省略)に映像を表示させる。
【0040】
表示部に表示された映像に基づいて、カメラに異常が発生しているか否かの確認が行われる。図3を参照して説明したように、本実施例では、5秒ごとに異なるカメラのカメラ異常確認用映像データVD2がビデオレコーダ12に保存されている。各カメラのカメラ異常確認用映像データVD2は、撮影された時間に沿った順序で再生され、表示部に表示される。
【0041】
運用者(すなわち、異常確認用PC13のユーザ)は、一定の時間間隔(すなわち、本実施例では5秒間隔)で切り替わる映像を目視することにより、各カメラに異常が発生しているか否かを確認する。
【0042】
削除処理部35は、映像データ保存部32に保存されているカメラ異常確認用映像データVD2の削除を行う。削除処理部35は、例えばカメラ異常確認用映像データVD2の再生及び表示が行われ、運用者によるカメラ異常の発生有無の確認が済んだ後、翌日分のカメラ異常確認用映像データVD2が転送されるまでの間に、映像データ保存部32に保存されているカメラ異常確認用映像データVD2を削除する。
【0043】
次に、本実施例の情報処理システム100において、カメラ11A、ビデオレコーダ12及び異常確認用PC13が行うカメラ異常確認用映像データVD2の保存及び転送処理の処理動作について説明する。なお、カメラ11B及び11Cの動作についてはカメラ11Aと同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0044】
図5は、カメラ11Aからビデオレコーダ12へのカメラ異常確認用映像データVD2の転送及び保存処理、及びビデオレコーダ12から異常確認用PC13へのカメラ異常確認用映像データVD2の転送及び保存処理の処理ルーチンを示すシーケンス図である。
【0045】
カメラ11Aは、支店Xの店舗内外を撮影して映像データVDを生成する。カメラ11Aの映像データ送信部16は、映像データVDをビデオレコーダ12に転送(送信)する(ステップS101)。
【0046】
ビデオレコーダ12の映像データ受信部21は、カメラ11Aから送信された映像データVDを受信する。映像データ保存部22は、映像データ受信部21が受信した映像データVDを保存する。その際、映像データ保存部22は、映像データVDを防犯用映像データVD1及びカメラ異常確認用映像データVD2として、それぞれ異なる画質(第1の画質、第2の画質)で別々に保存する(ステップS102)。
【0047】
以上のステップS101及びS102の各処理は、カメラ11Aにより撮影が行われたタイミングで順次(すなわち、リアルタイムに)行われる。
【0048】
処理制御部23は、映像データ保存部22に保存されているカメラ異常確認用映像データVD2を読み出し、映像データ送信部24に供給する。映像データ送信部24は、カメラ異常確認用映像データVD2を異常確認用PC13に転送(送信)する(ステップS103)。処理制御部23は、夜間の所定の時刻(例えば、午前0時)に定期的にカメラ異常確認用映像データVD2の転送を実行する。
【0049】
削除処理部25は、異常確認用PC13に転送済みのカメラ異常確認用映像データVD2を映像データ保存部22から削除する(ステップS104)。
【0050】
異常確認用PC13の映像データ受信部31は、ビデオレコーダ12から送信されたカメラ異常確認用映像データVD2を受信し、映像データ保存部32に供給する。映像データ保存部32は、カメラ異常確認用映像データVD2を保存する(ステップS105)。
【0051】
再生処理部34は、映像データ保存部32に保存されているカメラ異常確認用映像データVD2を再生する(ステップS106)。
【0052】
運用者(異常確認用PC13のユーザ)は、ステップS106で再生され、表示部に表示された映像を目視して、カメラ11Aにおける異常発生の有無を確認する。
【0053】
削除処理部35は、再生済みのカメラ異常確認用映像データVD2を映像データ保存部32から削除する(ステップS107)。なお、削除処理部35は、ステップS106の再生後、次のカメラ異常確認用映像データVD2が転送されるまでの間に、カメラ異常確認用映像データVD2の削除を行う。
【0054】
以上の処理ルーチンにより、カメラ11Aからビデオレコーダ12へのカメラ異常確認用映像データVD2の転送及び保存処理、及びビデオレコーダ12から異常確認用PC13へのカメラ異常確認用映像データVD2の転送及び保存処理が行われる。
【0055】
本実施例の情報処理システム100では、カメラ11A~11Cによって撮像された映像データVDを記録する映像データ記録装置であるビデオレコーダ12が、2通りの異なる画質で映像データVDを保存する。具体的には、ビデオレコーダ12は、防犯用映像データVD1として映像データVDを保存する際には、第1の時間帯(例えば、8:00~20:00の12時間)に亘って第1の画質で保存を行う。一方、ビデオレコーダ12は、カメラ異常確認用映像データVD2として映像データVDを保存する際には、カメラ11A~Cの各々について設定された第2の時間帯(例えば、5秒間)ごとに対象となるカメラを切り替えつつ、第2の画質で保存を行う。
【0056】
このように短い時間帯ごとに対象となるカメラを切り替えつつカメラ異常確認用映像データVD2を保存することにより、カメラの異常確認に必要とされるような高画質の映像データを、データ容量を抑えつつ効率よく保存することが可能となる。
【0057】
また、このようにカメラ異常確認用映像データVD2の保存を行うことにより、データ転送量を抑えつつ高画質な映像データを装置間で転送することが可能となる。
【0058】
なお、本発明の実施形態は、上記実施例に記載したものに限られない。例えば、上記実施例では、支店Xにカメラ11A、11B及び11Cの3台のカメラが設けられている場合を例として説明した。しかし、カメラの台数はこれに限定されない。また、上記実施例では、支店X、Y及びZの3つの支店があり、3つの支店に設けられたカメラのカメラ異常確認用映像データVD2を異常確認用PC13が取得する場合を例として説明した。しかし、支店の数はこれに限定されない。情報処理システム100としては、異常確認用PC13が複数のカメラについてのカメラ異常確認用映像データVD2を取得するように構成されていればよく、例えば支店の数は1つで当該支店に複数台のカメラが設けられている場合や、支店の数は複数で各支店に1台ずつのカメラが設けられている場合等にも適用が可能である。
【0059】
また、上記実施例では、カメラ11A~Cが防犯のために設けられた監視カメラである場合を例として説明したが、カメラの用途はこれに限定されない。本実施例の情報処理システムは、装置間で広域通信網(WAN)を介して映像データの転送を行うシステム全般に適用が可能である。
【符号の説明】
【0060】
100 情報処理システム
11A~C カメラ
12 ビデオレコーダ
13 異常確認用PC
16 映像データ送信部
21 映像データ受信部
22 映像データ保存部
23 処理制御部
24 映像データ送信部
25 削除処理部
31 映像データ受信部
32 映像データ保存部
33 処理制御部
34 再生処理部
35 削除処理部
図1
図2
図3
図4
図5