IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 沖電気工業株式会社の特許一覧

特開2024-120466情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
<>
  • 特開-情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図1
  • 特開-情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図2
  • 特開-情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図3
  • 特開-情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図4
  • 特開-情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120466
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/235 20110101AFI20240829BHJP
   H04N 21/24 20110101ALI20240829BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20240829BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20240829BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
H04N21/235
H04N21/24
H04N7/18 U
H04N7/18 D
H04M11/00 302
G08B25/00 510B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027281
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西田 伸夫
【テーマコード(参考)】
5C054
5C087
5C164
5K201
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054DA09
5C054EA05
5C054EA07
5C054GB02
5C054GB05
5C054GD01
5C054HA19
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA25
5C087BB75
5C087DD03
5C087DD20
5C087EE07
5C087FF02
5C087FF04
5C087GG07
5C164FA07
5C164GA03
5C164SA21S
5C164SB08P
5C164SB36S
5C164SB41P
5C164YA24
5K201AA01
5K201CA04
5K201DA02
5K201DC02
5K201ED07
5K201ED08
5K201EF04
5K201FA05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】通信帯域の逼迫を抑制しつつ通信ネットワークを介した映像データの送受信を行う情報処理システムを提供する。
【解決手段】カメラが撮像した映像データを記録するビデオレコーダと、通信網を介してビデオレコーダから映像データを取得して再生する複数の映像確認用PCと、からなる情報処理システムであって、ビデオレコーダは、映像データを保存する映像データ保存部と、映像データ再生装置からの再生要求及び再生が早急に必要であるかどうかを示す緊急度情報を受信する受信部23と、映像データを映像確認用PCに送信する送信部25と、映像データの送信における単位時間当たりの通信量が所定の基準値に達した場合に、再生要求に応じた映像確認用PCへの映像データの送信状況及び再生要求に対応する緊急度情報を含む通信状況情報を、映像確認用PCのうち映像データの送信を受けている映像確認用PCに通知する回線逼迫通知受信部と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラによって撮像された映像データを記録する映像記録装置と、通信網を介して前記映像記録装置から前記映像データを取得して再生する複数の映像データ再生装置と、から構成される情報処理システムであって、
前記映像記録装置は、
前記映像データを保存する映像データ保存部と、
前記複数の映像データ再生装置から前記映像データの再生を要求する再生要求及び当該映像データの再生が早急に必要であるかどうかを示す緊急度情報を受信する受信部と、
前記通信網を介して前記映像データを前記複数の映像データ再生装置に送信する映像データ送信部と、
前記通信網を介した前記映像データの送信における単位時間当たりの通信量が所定の基準値に達した場合に、前記再生要求に応じた前記複数の映像データ再生装置への前記映像データの送信状況及び前記再生要求に対応する前記緊急度情報を含む通信状況情報を、前記複数の映像データ再生装置のうち前記映像データの送信を受けている映像データ再生装置に通知する通信状況通知部と、
を有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記映像記録装置は、前記所定の基準値を含む前記通信網の単位時間当たりの通信量の制限に関する設定情報を記憶する記憶部を有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記複数の映像データ再生装置の各々は、前記通信状況情報の通知に応じて、前記映像データの再生を継続するか停止するかを選択するための選択操作を受け付ける受付画面を表示させることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記通信状況通知部は、前記映像データの送信を受けている複数の映像データ再生装置のうち、少なくとも前記緊急度情報に示される緊急度が比較的低い映像データ再生装置に前記通信状況情報を通知することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
通信網を介して映像データの送信を行う情報処理装置であって、
前記映像データを保存する映像データ保存部と、
前記通信網を介して接続された複数の外部装置から、前記通信網を介した前記映像データの取得及び再生を要求する再生要求と、当該映像データの取得及び再生が早急に必要であるかどうかを示す緊急度情報と、を受信する受信部と、
前記通信網を介して前記映像データを前記複数の外部装置に送信する映像データ送信部と、
前記通信網を介した前記映像データの送信における単位時間当たりの通信量が所定の基準値に達した場合に、前記再生要求に応じた前記複数の外部装置への前記映像データの送信状況及び前記再生要求に対応する前記緊急度情報を含む通信状況情報を、前記複数の外部装置のうち前記映像データの送信を受けている外部装置に通知する通信状況通知部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
通信網を介して複数の外部装置に映像データを送信する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記複数の外部装置から、前記通信網を介した前記映像データの取得及び再生を要求する再生要求と、当該映像データの取得及び再生が早急に必要であるかどうかを示す緊急度情報と、を受信するステップと、
前記通信網を介して前記映像データを前記複数の外部装置に送信するステップと、
前記通信網を介した前記映像データの送信における単位時間当たりの通信量が所定の基準値に達した場合に、前記再生要求に応じた前記複数の外部装置への前記映像データの送信状況及び前記再生要求に対応する前記緊急度情報を含む通信状況情報を、前記複数の外部装置のうち前記映像データの送信を受けている外部装置に通知するステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
通信網を介して接続された複数の外部装置から、前記通信網を介した映像データの取得及び再生を要求する再生要求と、当該映像データの取得及び再生が早急に必要であるかどうかを示す緊急度情報と、を受信するステップと、
前記通信網を介して前記映像データを前記複数の外部装置に送信するステップと、
前記通信網を介した前記映像データの送信における単位時間当たりの通信量が所定の基準値に達した場合に、前記再生要求に応じた前記複数の外部装置への前記映像データの送信状況及び前記再生要求に対応する前記緊急度情報を含む通信状況情報を、前記複数の外部装置のうち前記映像データの送信を受けている外部装置に通知するステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムに関し、特に装置間で映像データの送受信を行う情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、銀行や小売店等における被害を軽減するため、店舗に監視カメラを設置し、撮影された映像データを解析することにより犯罪の防止を図る防犯システムが広く用いられている。複数の支店を有する銀行や複数の小売店を有する企業における防犯システムとして、本店の監視センター等に設置された映像確認用の装置が、各支店や各小売店で撮影された監視カメラの映像を、通信ネットワークを介して取得することが行われている。このような通信ネットワークを介した通信において帯域を有効に活用するため、複数のサービスをクラス分けし、クラス毎にそれぞれ異なる優先度または帯域幅を割り当てる技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-39284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
支店等の拠点で撮影された映像データを当該支店から離れた位置にある複数の拠点から参照したい場合、映像データの送受信が複数同時に行われることにより、通信帯域が逼迫して通信ネットワークの輻輳が発生し、映像が見られない不具合や、他の通信を止めてしまう等の事態が生じてしまう場合があるという問題があった。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、装置間における映像データの送受信を通信帯域の逼迫を抑制しつつ行うことが可能な情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報処理システムは、カメラによって撮像された映像データを記録する映像記録装置と、通信網を介して前記映像記録装置から前記映像データを取得して再生する複数の映像データ再生装置と、から構成される情報処理システムであって、前記映像記録装置は、前記映像データを保存する映像データ保存部と、前記複数の映像データ再生装置から前記映像データの再生を要求する再生要求及び当該映像データの再生が早急に必要であるかどうかを示す緊急度情報を受信する受信部と、前記通信網を介して前記映像データを前記複数の映像データ再生装置に送信する映像データ送信部と、前記通信網を介した前記映像データの送信における単位時間当たりの通信量が所定の基準値に達した場合に、前記再生要求に応じた前記複数の映像データ再生装置への前記映像データの送信状況及び前記再生要求に対応する前記緊急度情報を含む通信状況情報を、前記複数の映像データ再生装置のうち前記映像データの送信を受けている映像データ再生装置に通知する通信状況通知部と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る情報処理装置は、通信網を介して映像データの送信を行う情報処理装置であって、前記映像データを保存する映像データ保存部と、前記通信網を介して接続された複数の外部装置から、前記通信網を介した前記映像データの取得及び再生を要求する再生要求と、当該映像データの取得及び再生が早急に必要であるかどうかを示す緊急度情報と、を受信する受信部と、前記通信網を介して前記映像データを前記複数の外部装置に送信する映像データ送信部と、前記通信網を介した前記映像データの送信における単位時間当たりの通信量が所定の基準値に達した場合に、前記再生要求に応じた前記複数の外部装置前記映像データの送信状況及び前記再生要求に対応する前記緊急度情報を含む通信状況情報を、前記複数の外部装置のうち前記映像データの送信を受けている外部装置に通知する通信状況通知部と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る情報処理方法は、通信網を介して複数の外部装置に映像データを送信する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、前記複数の外部装置から、前記通信網を介した前記映像データの取得及び再生を要求する再生要求と、当該映像データの取得及び再生が早急に必要であるかどうかを示す緊急度情報と、を受信するステップと、前記通信網を介して前記映像データを前記複数の外部装置に送信するステップと、前記通信網を介した前記映像データの送信における単位時間当たりの通信量が所定の基準値に達した場合に、前記再生要求に応じた前記複数の外部装置への前記映像データの送信状況及び前記再生要求に対応する前記緊急度情報を含む通信状況情報を、前記複数の外部装置のうち前記映像データの送信を受けている外部装置に通知するステップと、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るプログラムは、コンピュータに、通信網を介して接続された複数の外部装置から、前記通信網を介した映像データの取得及び再生を要求する再生要求と、当該映像データの取得及び再生が早急に必要であるかどうかを示す緊急度情報と、を受信するステップと、前記通信網を介して前記映像データを前記複数の外部装置に送信するステップと、前記通信網を介した前記映像データの送信における単位時間当たりの通信量が所定の基準値に達した場合に、前記再生要求に応じた前記複数の外部装置への前記映像データの送信状況及び前記再生要求に対応する前記緊急度情報含む通信状況情報を、を前記複数の外部装置のうち前記映像データの送信を受けている外部装置に通知するステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、通信ネットワークを介した映像データの送受信を通信帯域の逼迫を抑制しつつ行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図2】カメラ、ビデオレコーダ、収集サーバ及びセンターPCの構成を示すブロック図である。
図3】回線逼迫時に映像確認用PCに表示される表示画面の例を示す図である。
図4】映像閲覧処理の処理ルーチンを示すシーケンス図である。
図5】回線逼迫時における映像閲覧処理の処理ルーチンを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施例における説明及び添付図面においては、実質的に同一又は等価な部分には同一の参照符号を付している。
【0013】
図1は、本発明の実施例にかかる情報処理システム100の構成を示すブロック図である。情報処理システム100は、カメラ11、ビデオレコーダ12、第1映像確認用PC13及び第2映像確認用PC14から構成されている。
【0014】
カメラ11及びビデオレコーダ12は、複数の拠点のうちの1つである支店BRに配置されている。第1映像確認用PC13は、支店BRとは別の場所に位置する第1の拠点B1に配置されている。第2映像確認用PC14は、支店BR及び第1の拠点B1とは別の場所に位置する第2の拠点B2に配置されている。
【0015】
支店BRは複数存在する支店のうちの1つであり、複数の支店の各々には、カメラ11及びビデオレコーダ12と同様のカメラ及びビデオレコーダが設置されている。なお、ここでは支店BRに1台のカメラ11及び1台のビデオレコーダ12が設置されている場合を示しているが、カメラ及びビデオレコーダはそれぞれ複数台ずつ各支店に設置されていてもよい。
【0016】
第1の拠点及び第2の拠点は、複数の支店で撮影された映像を、通信ネットワークを介して取得して再生及び確認するためのPCが少なくとも1台ずつ設置された拠点である。情報処理システム100は、支店BRを含む複数の支店と第1の拠点B1及び第2の拠点B2を含む映像確認用PCが配置された拠点との間で映像データの送受信を行う映像データ転送システムである。
【0017】
カメラ11及びビデオレコーダ12は、第1映像確認用PC13及び第2映像確認用PC14と通信ネットワークNWを介して接続されている。通信ネットワークNWは、支店BRと第1の拠点B1及び第2の拠点B2とを接続する通信路であり、広域通信網WAN(Wide Area Network)から構成されている。
【0018】
図2は、カメラ11、ビデオレコーダ12、第1映像確認用PC13及び第2映像確認用PC14の構成を示すブロック図である。
【0019】
カメラ11は、支店BRに配置され、店舗内外を撮影して映像(本実施例では、動画像)を得るカメラである。カメラ11は、例えば防犯のために設けられた監視カメラであり、カメラ11によって撮影された映像は、第1映像確認用PC13又は第2映像確認用PC14に転送されて再生及び解析が行われる。
【0020】
カメラ11は、映像データ送信部16を有する。映像データ送信部16は、例えばデータの送受信を行うNIC(Network Interface Card)等のネットワークアダプタから構成されている。映像データ送信部16は、カメラ11によって撮影された映像を映像データVDとしてビデオレコーダ12に送信する。
【0021】
ビデオレコーダ12は、支店BRに配置され、カメラ11で撮影された映像データVDを記録する録画機能を有する機器である。なお、ここではビデオレコーダ12が1台のカメラ11で撮影された映像データVDを記録する場合を例として示しているが、ビデオレコーダ12は、支店BRに配置された複数のカメラから映像データVDを取得し、これらを保存することが可能に構成されている。
【0022】
ビデオレコーダ12は、映像データ受信部21、映像データ保存部22、映像再生要求及び緊急度情報受信部23、処理制御部24、映像データ送信部25、通信量設定記憶部26及び回線逼迫通知送信部27を有する。
【0023】
映像データ受信部21、映像再生要求及び緊急度情報受信部23、映像データ送信部25及び回線逼迫通知送信部27は、例えばデータの送受信を行うNIC(Network Interface Card)等のネットワークアダプタから構成されている。
【0024】
映像データ受信部21は、カメラ11の映像データ送信部16が送信した映像データVDを受信する。映像データ受信部21は、受信した映像データVDを映像データ保存部22に供給する。
【0025】
映像データ保存部22は、HDD(Hard Disc Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶装置から構成されている。映像データ保存部22は、映像データ受信部21が受信した映像データVDを保存する。
【0026】
映像再生要求及び緊急度情報受信部23は、第1映像確認用PC13又は第2映像確認用PC14から送信された映像再生要求VPR及び緊急度情報ULIを受信する。
【0027】
処理制御部24は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、ビデオレコーダ12の各部の動作に必要な制御を行う。例えば、処理制御部24は、映像再生要求及び緊急度情報受信部23が受信した映像再生要求VPRに基づいて、映像データ保存部22から映像データVDを読み出し、映像データ送信部25に供給する。
【0028】
また、処理制御部24は、通信ネットワークNWを介した映像データVDの送信についての単位時間当たりの通信量の制限に関する設定情報を通信量設定記憶部26から読み出し、映像データVDの現在の送信状況に基づいて、通信ネットワークNWの回線が逼迫しているか否かを判定する。具体的には、上記設定情報には単位時間当たりの通信量についての所定の基準値が含まれており、処理制御部24は、単位時間当たりの通信量が当該基準値を超えているか否かを判定することにより、回線が逼迫しているか否かを判定する。処理制御部24は、判定結果を回線逼迫通知送信部27に供給する。
【0029】
映像データ送信部25は、映像データ保存部22から読み出された映像データVDを第1映像確認用PC13又は第2映像確認用PC14に送信する。
【0030】
通信量設定記憶部26は、通信ネットワークNWを介した映像データVDの送信についての単位時間当たりの通信量の制限に関する設定情報を記憶する。当該設定情報は、ビデオレコーダ12を操作する操作者(すなわち、ユーザ)の入力操作によって適宜更新される。なお、複数のビデオレコーダが設けられている場合、ビデオレコーダ毎に単位時間当たりの通信量の制限に関する設定が行われ、設定情報として各ビデオレコーダの記憶部に格納される。
【0031】
回線逼迫通知送信部27は、処理制御部24から供給された通信ネットワークNWの回線の逼迫度の判定結果に基づいて、回線が逼迫していることを示す回線逼迫通知LTNを第1映像確認用PC13及び第2映像確認用PC14に送信する。
【0032】
また、回線逼迫通知送信部27は、第1映像確認用PC13及び第2映像確認用PC14に映像データVDを送信していること(すなわち、第1映像確認用PC13及び第2映像確認用PC14で映像の閲覧が行われていること)を示す送信状況情報、及びその映像データVDの送信に先立って第1映像確認用PC13及び第2映像確認用PC14から受信した緊急度情報を含む通信状況情報を、回線逼迫通知LTNとともに第1映像確認用PC13及び第2映像確認用PC14に送信する。これにより、第1映像確認用PC13及び第2映像確認用PC14には、自身及び自身以外の映像確認用PCが映像の閲覧を行っていること、及び各映像確認用PCにおける映像の閲覧についての緊急度が通知される。
【0033】
第1映像確認用PC13は、第1の拠点B1に設置され、支店BRを含む各支店のビデオレコーダ12から映像データVDを取得して再生する映像再生装置である。上記の通り、カメラ11及びビデオレコーダ12は各支店に複数台ずつ設置される場合があり、第1映像確認用PC13は、複数のカメラ及びビデオレコーダの映像を同時に閲覧することが可能に構成されている。なお、ここでは第1映像確認用PC13が1台のカメラ11によって撮影された映像データVDを1台のビデオレコーダ12から取得して再生する場合を例として、その構成を説明する。
【0034】
第1映像確認用PC13は、映像再生要求及び緊急度送信部31、映像データ受信部32、回線逼迫通知受信部33、操作入力受付部34、処理制御部35及び表示部36を有する。
【0035】
映像再生要求及び緊急度送信部31、映像データ受信部32及び回線逼迫通知受信部33は、NIC等のネットワークアダプタから構成されている。
【0036】
映像再生要求及び緊急度送信部31は、映像再生要求VPR及び緊急度情報ULIをビデオレコーダ12に送信する。映像再生要求VPR及び緊急度情報ULIは、映像の再生を求めるユーザの操作入力受付部34を用いた入力操作に応じて生成される。
【0037】
映像データ受信部32は、ビデオレコーダ12から送信された映像データVDを受信する。受信した映像データVDは、処理制御部35により再生され、表示部36に映像として表示される。
【0038】
回線逼迫通知受信部33は、ビデオレコーダ12から送信された回線逼迫通知LTN及び通信状況情報を受信する。
【0039】
操作入力受付部34は、文字や数字等の情報を入力するキーボード等の入力機器から構成されている。本実施例では、操作入力受付部34は、映像の再生を要求する入力操作を受け付ける。また、操作入力受付部34は、当該映像の再生が早急に必要であるかどうかを示す緊急度の設定入力を受け付ける。
【0040】
処理制御部35は、CPU等から構成され、第1映像確認用PC13の各部の動作に必要な制御を行う。例えば、処理制御部35は、操作入力受付部34を用いて行われた入力操作に応じて映像再生要求VPR及び緊急度情報ULIを生成し、これらを映像再生要求及び緊急度送信部31に供給してビデオレコーダ12に向けて送信させる。
【0041】
また、処理制御部35は、映像データ受信部32が受信した映像データVDの再生処理を行う。再生された映像データVDは、表示部36に表示される。また、処理制御部35は、回線逼迫通知受信部33が受信した回線逼迫通知LTN及び通信状況情報に基づいて、通信状況報知画面を表示部36に表示させる。
【0042】
表示部36は、液晶ディスプレイ等から構成され、処理制御部35の制御に応じて映像データVDに基づく映像を表示する。
【0043】
また、表示部36は、回線逼迫通知LTN及び通信状況情報に基づいて、通信状況報知画面を表示する。通信状況報知画面は、回線逼迫通知受信部33がビデオレコーダ12から回線逼迫通知LTNを受信した場合に、回線が逼迫していること及び各映像確認用PCからのビデオレコーダ12へのアクセス状況、すなわち映像の再生及び閲覧がなされていること及びその緊急度の情報を報知する画面である。また、通信状況報知画面には、映像の再生(閲覧)を続行するか否かを選択するための選択ボタンが表示される。表示部36は、例えば映像データVDに基づく再生映像の表示中に、所謂ポップアップ画面の形で通信状況報知画面を表示する。
【0044】
図3は、通信状況報知画面の一例を示す図である。通信状況報知画面の上段には、映像の再生及び閲覧を行っている端末の情報と、その閲覧の緊急度、及び各端末が閲覧している映像のカメラの台数を含むアクセス状況が表示されている。通信状況報知画面の下段には、回線が逼迫していることを示すメッセージ及び映像の閲覧を続行するか否かを選択するための選択ボタンが表示されている。ここでは、第1の拠点B1に設置されている端末Aこと第1映像確認用PC13が4台のカメラの映像を閲覧しており、且つその緊急度が相対的に低い場合(例えば、所定レベルよりも低い場合)を一例として示している。また、第2の拠点B2に設置されている端末Bこと第2映像確認用PC14が1台のカメラの映像を閲覧しており、且つその緊急度が相対的に高い場合(例えば、所定レベルよりも高い場合)を示している。
【0045】
再び図2を参照すると、第2映像確認用PC14は、第2の拠点B2に設置され、支店BRを含む各支店のビデオレコーダ12から映像データVDを取得して再生する映像再生装置である。なお、第2映像確認用PC14は、第1映像確認用PC13と同様の構成を有するため、ここでは説明を省略する。すなわち、第2映像確認用PC14は、映像再生要求及び緊急度送信部41、映像データ受信部42、回線逼迫通知受信部43、操作入力受付部44、処理制御部45及び表示部46を有しており、これらは第1映像確認用PC13の映像再生要求及び緊急度送信部31、映像データ受信部32、回線逼迫通知受信部33、操作入力受付部34、処理制御部35及び表示部36にそれぞれ対応している。
【0046】
次に、本実施例の情報処理システム100において、カメラ11、ビデオレコーダ12、第1映像確認用PC13及び第2映像確認用PC14が行う映像再生処理の処理動作について、図4及び図5を参照して説明する。
【0047】
図4は、ビデオレコーダ12における映像データVDの保存処理、及び回線の逼迫がない場合の映像データVDの再生処理の処理ルーチンを示すシーケンス図である。
【0048】
カメラ11は、支店BRの店舗内外を撮影して映像データVDを生成する。映像データ送信部25は、映像データVDをビデオレコーダ12に転送(送信)する(ステップS101)。
【0049】
ビデオレコーダ12の映像データ受信部21は、カメラ11から送信された映像データVDを受信する。映像データ保存部22は、映像データ受信部21が受信した映像データVDを保存する(ステップS102)。
【0050】
第1映像確認用PC13の操作入力受付部34は、ビデオレコーダ12に保存されている映像について、第1映像確認用PC13での再生及び表示を要求する入力操作、及びその再生の緊急度(早急に再生することを要するかどうか)を設定するための入力操作をユーザから受け付ける(ステップS103)。
【0051】
処理制御部35は、ユーザの入力操作に応じて、映像再生要求VPR及び緊急度情報ULIを生成する。映像再生要求及び緊急度送信部31は、映像再生要求VPR及び緊急度情報ULIをビデオレコーダ12に向けて送信する(ステップS104)。
【0052】
ビデオレコーダ12の映像再生要求及び緊急度情報受信部23は、第1映像確認用PC13から送信された映像再生要求VPR及び緊急度情報ULIを受信する。処理制御部24は、映像再生要求及び緊急度情報受信部23による映像再生要求VPRの受信に応じて映像データ保存部22から映像データVDを読み出し、映像データ送信部25に供給する。映像データ送信部25は、映像データVDを第1映像確認用PC13に送信する(ステップS105)。
【0053】
第1映像確認用PC13の映像データ受信部32は、ビデオレコーダ12から送信された映像データVDを受信する。処理制御部35は、受信した映像データVDの再生処理を行い、表示部36に表示させる(ステップS106)。
【0054】
第2映像確認用PC14の操作入力受付部44は、ビデオレコーダ12に保存されている映像について、第2映像確認用PC14での再生及び表示を要求する入力操作、及びその再生の緊急度(早急に再生することを要するかどうか)を設定するための入力操作をユーザから受け付ける(ステップS107)。
【0055】
処理制御部45は、ユーザの入力操作に応じて、映像再生要求VPR及び緊急度情報ULIを生成する。映像再生要求及び緊急度送信部41は、映像再生要求VPR及び緊急度情報ULIをビデオレコーダ12に向けて送信する(ステップS108)。
【0056】
ビデオレコーダ12の映像再生要求及び緊急度情報受信部23は、第2映像確認用PC14から送信された映像再生要求VPR及び緊急度情報ULIを受信する。処理制御部24は、映像再生要求及び緊急度情報受信部23による映像再生要求VPRの受信に応じて映像データ保存部22から映像データVDを読み出し、映像データ送信部25に供給する。映像データ送信部25は、映像データVDを第2映像確認用PC14に送信する(ステップS109)。
【0057】
第2映像確認用PC14の映像データ受信部42は、ビデオレコーダ12から送信された映像データVDを受信する。処理制御部45は、受信した映像データVDの再生処理を行い、表示部46に表示させる(ステップS110)。
【0058】
以上の処理ルーチンにより、ビデオレコーダ12における映像データVDの保存処理、及び回線の逼迫がない場合の映像データVDの再生処理が行われる。
【0059】
次に、通信ネットワークNWの回線の逼迫がある場合における映像データVDの再生処理の処理動作について説明する。
【0060】
ビデオレコーダ12の処理制御部24は、通信量設定記憶部26から通信量制限に関する所定の基準値を含む設定情報を読み出し、現在の映像データVDの送信状況に基づいて、単位時間当たりの通信量が所定の基準値を超えているか否かを判定することにより、通信ネットワークNWの回線の逼迫度を判定する。
【0061】
図5は、通信ネットワークNWの回線が逼迫している場合における映像データVDの再生処理の処理ルーチンを示すシーケンス図である。
【0062】
ビデオレコーダ12の回線逼迫通知送信部27は、回線が逼迫していることを示す回線逼迫通知LTN及び通信状況情報(すなわち、各映像確認用PCに対する映像データVDの送信状況及び緊急度の情報)を、第1映像確認用PC13及び第2映像確認用PC14に送信する(ステップS201)。
【0063】
第1映像確認用PC13の回線逼迫通知受信部33は、回線逼迫通知LTN及び通信状況情報を受信する。処理制御部35は、表示部36を制御し、回線が逼迫していること、複数の各映像確認用PCからのアクセス状況(映像の再生要求がなされていること及びその緊急度の情報)、及び映像閲覧の続行意思の確認(すなわち、再生の続行及び停止を選択するための選択ボタン)を含む通信条項報知画面を表示させる(ステップS202)。
【0064】
処理制御部35は、映像の閲覧を停止することを選択する選択ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS203)。
【0065】
閲覧を停止することを選択する選択ボタンが押下されたと判定すると(ステップS203:YES)、処理制御部35は、映像データVDの再生を停止する(ステップS204)。
【0066】
一方、閲覧を停止することを選択する選択ボタンが押下されなかった(換言すると、閲覧を続行することを選択する選択ボタンが押下された)と判定すると(ステップS203:NO)、処理制御部35は、映像データVDの再生を続行する(ステップS205)。
【0067】
同様の処理が、第2映像確認用PC14についても行われる。すなわち、第2映像確認用PC14の回線逼迫通知受信部43は、回線逼迫通知LTN及び通信状況情報を受信する。処理制御部45は、表示部46を制御し、通信状況報知画面を表示させる(ステップS206)。
【0068】
処理制御部45は、映像の閲覧を停止することを選択する選択ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS207)。
【0069】
閲覧を停止することを選択する選択ボタンが押下されたと判定すると(ステップS207:YES)、処理制御部45は、映像データVDの再生を停止する(ステップS208)。
【0070】
一方、閲覧を停止することを選択する選択ボタンが押下されなかった(換言すると、閲覧を続行することを選択する選択ボタンが押下された)と判定すると(ステップS207:NO)、処理制御部45は、映像データVDの再生を続行する(ステップS209)。
【0071】
以上の処理ルーチンにより、通信ネットワークNWを介した映像データVDの再生及び閲覧処理が行われる。
【0072】
本実施例の情報処理システム100では、ビデオレコーダ12が第1映像確認用PC13及び第2映像確認用PC14から映像再生要求VPR及び緊急度情報ULIを取得し、通信回線の逼迫時には各映像確認用PCの緊急度情報を第1映像確認用PC13及び第2映像確認用PC14の表示画面に表示させる。これにより、各映像確認用PCのユーザは、他の映像確認用PCのアクセス状況(閲覧状況、緊急度)を知ることができ、自身の映像閲覧の緊急度及び他のユーザの映像閲覧の緊急度を勘案して、映像の閲覧を続行するか停止するかの判断をすることが可能となる。
【0073】
したがって、本実施例の情報処理システム100によれば、通信ネットワークを介した映像データの送受信を通信帯域の逼迫を抑制しつつ行うことが可能となる。
【0074】
なお、本発明の実施形態は、上記実施例に記載したものに限られない。例えば、上記実施例では、カメラ11が防犯のために設けられた監視カメラである場合を例として説明したが、カメラの用途はこれに限定されない。本実施例の情報処理システムは、装置間で広域通信網(WAN)を介して映像データの転送を行うシステム全般に適用が可能である。
【0075】
また、上記実施例では、第1映像確認用PC13及び第2映像確認用PC14が通信ネットワークNWを介してビデオレコーダ12に接続され、通信ネットワークNWを介して映像の再生及び閲覧を行う場合を例として説明した。しかし、映像確認用PCの数はこれに限られず、3以上の複数の映像確認用PCが通信ネットワークNWを介してビデオレコーダ12に保存されている映像データVDを再生可能に構成されていてもよい。
【0076】
また、上記実施例では、第1映像確認用PC13の表示部36が通信状況報知画面をポップアップ画面として表示する場合を例として説明した。しかし、映像データVDに基づく再生映像中にメッセージを入れ込む形で通信状況報知画面を表示させても良い。
【0077】
また、上記実施例では、映像データVDの送信を受けている第1映像確認用PC13及び第2映像確認用PC14の双方に通信状況報知画面を表示させ、映像の閲覧を続行するか停止するかの選択を促す場合を例として説明した。しかし、必ずしも映像データVDの送信を受けている全ての映像確認用PCに通信状況報知画面を表示させなくてもよい。例えば、複数の映像確認用PCが映像データVDの送信を受けていて、且つ各々の映像確認用PCにおける映像閲覧の緊急度(すなわち、ビデオレコーダ12に送信する緊急度情報ULIのレベル)が異なっている場合、緊急度が相対的に低い映像確認用PCにのみ通信状況報知画面を表示させるようにしてもよい。このように、少なくとも相対的に緊急度が低い映像確認用PCに通信状況報知画面を表示させ、映像の閲覧停止をユーザに促すことにより、緊急度が相対的に高い映像確認用PCへの映像データVDの送信を続行しつつ、通信ネットワークNWの帯域の逼迫を抑制することが可能となる。
【符号の説明】
【0078】
100 情報処理システム
11 カメラ
12 ビデオレコーダ
13 第1映像確認用PC
14 第2映像確認用PC
21 映像データ受信部
22 映像データ保存部
23 映像再生要求及び緊急度受信部
24 処理制御部
25 映像データ送信部
26 通信量設定記憶部
27 回線逼迫通知送信部
31 映像再生要求及び緊急度送信部
32 映像データ受信部
33 回線逼迫通知受信部
34 操作入力受付部
35 処理制御部
36 表示部
41 映像再生要求及び緊急度送信部
42 映像データ受信部
43 回線逼迫通知受信部
44 操作入力受付部
45 処理制御部
46 表示部
図1
図2
図3
図4
図5