(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120476
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】構造体、および、ラティス構造体
(51)【国際特許分類】
F16F 1/02 20060101AFI20240829BHJP
【FI】
F16F1/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027297
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 淳也
(74)【代理人】
【識別番号】100195659
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 祐介
(72)【発明者】
【氏名】笹川 崇
【テーマコード(参考)】
3J059
【Fターム(参考)】
3J059AA01
3J059BA33
3J059BB04
3J059BD01
3J059EA20
(57)【要約】
【課題】荷重を緩和する緩和能を向上させた構造体を提供する。
【解決手段】構造体であって、構造体を内包する直方体状の空間において、少なくとも空間の頂点の各々から空間内の一点まで伸びた複数の支柱部を有し、空間を画定している面のうち荷重を受ける面である荷重受面の側から空間を見たとき、支柱部の中心軸の一部は、中心軸に含まれる頂点と一点とを接続する直線に重なっていない。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造体であって、
前記構造体を内包する直方体状の空間において、少なくとも前記空間の頂点の各々から前記空間内の一点まで伸びた複数の支柱部を有し、
前記空間を画定している面のうち荷重を受ける面である荷重受面の側から前記空間を見たとき、前記支柱部の中心軸の一部は、前記中心軸に含まれる前記頂点と前記一点とを接続する直線に重なっていない、構造体。
【請求項2】
請求項1に記載の構造体であって、
前記荷重受面の側から前記空間を見たとき、各々の前記中心軸の一部は、前記荷重受面に含まれる他の前記頂点と前記一点とを接続する直線に重なっている、構造体。
【請求項3】
ラティス構造体であって、
請求項1または請求項2に記載の構造体を少なくとも1つの方向に沿って連続的に配列した構造を有し、
前記構造のうち隣り合う前記構造体において、前記頂点を共有している前記支柱部同士は接続されている、ラティス構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造体、および、ラティス構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、荷重を緩和する種々の構造体が知られている。例えば、非特許文献1には、湾曲した支柱部を有する格子構造が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Long Bai, Yue Xu, Xiaohong Chen, Liming Xin, Junfang Zhang, Kun Li, Yuanxi Sun, Improved mechanical properties and energy absorption of Ti6Al4V laser powder bed fusion lattice structures using curving lattice struts, MATERIALS & DESIGN Volume 211,2021
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した格子構造において、支柱部の直径を短くすることで弾性率を小さくすることができる。しかし支柱部の直径の作成精度にも限界があることから、支柱部の直径を短くすることによって弾性率を小さくするのにも限界があった。そのため、荷重を緩和する技術には、なお改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、荷重を緩和する緩和能を向上させた構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
(1)本発明の一形態によれば、構造体が提供される。この構造体は、前記構造体を内包する直方体状の空間において、少なくとも前記空間の頂点の各々から前記空間内の一点まで伸びた複数の支柱部を有し、前記空間を画定している面のうち荷重を受ける面である荷重受面の側から前記空間を見たとき、前記支柱部の中心軸の一部は、前記中心軸に含まれる前記頂点と前記一点とを接続する直線に重なっていない。
【0008】
この構成によれば、荷重受面の側から空間を見たとき、支柱部の中心軸の一部は、この中心軸に含まれる頂点と空間内の一点とを接続する直線に重なっていない。このため、荷重受面の側から空間を見たときに支柱部の中心軸全体が当該直線に重なっている形態と比べて、空間内において支柱部を長く設けることができる。その結果、構造体の弾性率を小さくできることから、荷重を緩和する緩和能を向上させた構造体を提供することができる。また、この構成によれば、支柱部を長く設けることによって緩和能を向上していることから、緩和能を高めるために材質の異なる複数の材料を組み合わせる必要がなく、単一の材料から緩和能を向上させた構造体を作成することができる。その結果、構造体の製造コストを低減しつつ、構造体のリサイクル性も向上することができる。
【0009】
(2)上記形態の構造体において、前記荷重受面の側から前記空間を見たとき、各々の前記中心軸の一部は、前記荷重受面に含まれる他の前記頂点と前記一点とを接続する直線に重なっていてもよい。
この構成によれば、荷重受面の側から空間を見たとき、支柱部の中心軸の一部は荷重受面に含まれる他の頂点と空間内の一点とを接続する直線に重なっている。このため、空間内の一点に向かって伸びる支柱部の一部が当該直線に重なるよう伸びていることから、空間内において支柱部をより一層長く設けることができる。その結果、荷重を緩和する緩和能をより一層向上させた構造体を提供することができる。
【0010】
(3)また、本発明の別の一形態によれば、ラティス構造体が提供される。このラティス構造体は、上記形態に記載の構造体を少なくとも1つの方向に沿って連続的に配列した構造を有し、前記構造のうち隣り合う前記構造体において、前記頂点を共有している前記支柱部同士は接続されていてもよい。
この構成によれば、頂点を共有している支柱部を介して構造体の各々が接続されている。このため、構造体の配列方向に荷重受面の向いている方向が含まれている場合、単体の構造体と比べて、荷重を緩和する緩和能をより一層向上させたラティス構造体を提供することができる。また、構造体の配列方向に荷重受面の向いている方向と直交する方向が含まれている場合、単体の構造体と比べて、荷重受面の面積が拡大したラティス構造体を提供することができる。
【0011】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、上記形態の構造体や上記形態のラティス構造体を用いた靴、梱包材、シート材、上記形態の構造体や上記形態のラティス構造体を製造する製造方法、ならびに、その製造方法を実施する製造装置などの形態で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態としての構造体の構成を例示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1実施形態>
図1は、本発明の一実施形態としての構造体1の構成を例示した説明図である。
図1には、相互に直交するXYZ軸が図示されている。X軸は構造体1の幅方向に対応し、Y軸は構造体1の奥行方向に対応し、Z軸は構造体1の高さ方向に対応する。構造体1は、
図1の白抜き矢印で示されるように、Z軸方向に沿って加えられる荷重を緩和する構造体である。構造体1は、支柱部S1~S8を有する。
【0014】
空間SPは、構造体1を内包する直方体状(本実施形態では、立方体状)の空間である。すなわち、空間SPは、支柱部S1~S8を内包している。また、空間SPは、直方体の8つの頂点として、頂点V1~V8を有する。なお、図示の都合上、頂点V1~V8のうち頂点V5のみ
図1に図示していない(
図2~
図4には頂点V5を図示)。
【0015】
支柱部S1~S8は、少なくとも頂点V1~V8の各々から空間SPの中心Oまで伸びている。すなわち、支柱部S1~S8は、少なくとも中心Oおよびその近傍において互いに連結している。本実施形態では、支柱部S1~S8は、頂点V1~V8の各々から中心Oまで伸びている部分の他に、頂点V1~V8の各々から空間SPを画定している面に沿って隣の頂点に向かって伸びている部分が含まれている(例えば、支柱部S6では頂点V6から隣の頂点V7に向かって伸びている部分、支柱部S7では頂点V7から隣の頂点V8に向かって伸びている部分)。支柱部S1~S8の各々のうち空間SPを画定している面と接していない部分の横断面は、円形である。
【0016】
荷重受面LDは、空間SPを画定している面のうち荷重を受ける面である。荷重受面LDは、頂点V1~V4によって画定されている面である。なお、図示していないが、頂点V5~V8によって画定されている面も荷重受面にあたる。
【0017】
図2~
図4は、構造体1の設計過程を説明する説明図である。支柱部S1~S8(構造体1)は、3Dプリンタによって作成される。このとき3Dプリンタが参照するデータは、NURBS曲線を用いて支柱部S1~S8の中心軸X1~X8を設計したのち(
図2~
図4にて説明)、その中心軸X1~X8の直径の値を設定することによって作成される。
【0018】
図2(A)には、
図1と同じ視点から見た空間SPが示されている。
図2(B)には、荷重受面LDの側から見た空間SPが示されている。
図2(B)において、頂点V1~V4によって画定されている面(荷重受面LD)の内側に、頂点V5~V8によって画定されている面が見えている。中心軸X1は、支柱部S1のうち頂点V1から中心Oまで伸びている部分の中心軸にあたる。
図2に示す制御点Cは、中心軸X1の形状を制御する点である。構造体1の設計者は、空間SP内において、制御点Cの移動に応じて変化する中心軸X1の形状を調整することによって、中心軸X1の形状を設計する。すなわち、中心軸X1は、湾曲形状であり、頂点V1から制御点Cを経由して中心Oまで伸びている。
【0019】
図2(B)に示すように、荷重受面LDの側から空間SPを見たとき、中心軸X1の一部は、中心Oと頂点V1(中心軸X1に含まれる頂点)とを接続する直線L1に重なっていない。詳細には、中心軸X1は、頂点V1および中心Oを除いて、直線L1に重なっていない。また、
図2(B)に示すように、荷重受面LDの側から空間SPを見たとき、中心軸X1の一部は、荷重受面LDに含まれる他の頂点V4と中心Oとを接続する直線L4に重なっている。詳細には、中心軸X1は、頂点V1から伸びて直線L4と重なったのち制御点Cを経由して中心Oに到っている。ここでいう他の頂点とは、対象となっている中心軸(
図2では中心軸X1)に含まれる頂点(
図2ではV1)と同じ荷重受面(
図2では荷重受面LD)を画定している頂点のうち隣に位置する頂点(
図2では頂点V2もしくは頂点V4)のことである。
【0020】
図3(A)(B)には、中心軸X1に加えて、中心軸X2~X4が示されている。中心軸X2~X4は、支柱部S2~S4のうち頂点V2~V4から中心Oまで伸びている部分の中心軸にあたる。中心軸X2~X4の各々は、中心軸X1と同じ曲がり具合で頂点V2~V4の各々から中心Oまで伸びている。すなわち、中心軸X2~X4の形状は、中心軸X1の形状と同じであることから、中心軸X1の形状に基づいて決定される。
【0021】
図4(A)(B)には、中心軸X1~X4に加えて、中心軸X5~X8が示されている。中心軸X5~X8は、支柱部S5~S8のうち頂点V5~V8から中心Oまで伸びている部分の中心軸にあたる。中心軸X5~X8の各々は、中心軸X1と同じ曲がり具合で頂点V5~V8の各々から中心Oまで伸びている。すなわち、中心軸X5~X8の形状は、中心軸X1の形状と同じであることから、中心軸X1の形状に基づいて決定される。このように、中心軸X1~X8の設計は、制御点Cの移動による中心軸X1の形状調整を経て中心軸X1の形状を決定(
図2参照)したのち、頂点V2~V8と中心Oとの間に中心軸X1と同じ曲がり具合で中心軸X2~X8を配置すること(
図3,4参照)によって行われる。そして、これら中心軸X1~X8の直径の値を設定することで、中心軸X1~X8は拡径されて支柱部S1~S8のうち頂点V1~V8から中心Oまで伸びている部分となる。詳細には、拡径された中心軸X1~X8のうち空間SPよりも内側に配置された部分が、支柱部S1~S8のうち頂点V1~V8から中心Oまで伸びている部分となる。なお、当該部分には、拡径された中心軸X1~X8のうち空間SPよりも外側に配置された部分は含まれていないが、当該部分における中心軸は、依然として直径の値を設定する基準となった中心軸X1~X8であることとする。この後、支柱部S1~S8のうち頂点V1~V8の各々から空間SPを画定している面に沿って隣の頂点に向かって伸びている部分(
図1参照)が設計される。こうして作成された支柱部S1~S8(構造体1)を示すデータを用いて、実際の構造体1が3Dプリンタによって作成される。
【0022】
以上説明した第1実施形態の構造体1によれば、
図2(B)に示すように、荷重受面LDの側から空間SPを見たとき、中心軸X1の一部は、中心Oと頂点V1とを接続する直線L1に重なっていない。また、中心軸X2~X8は、中心軸X1と同じ曲がり具合で頂点V2~V8の各々から中心Oまで伸びていることから、中心軸X1と同様に、中心軸X2~X8の各々の一部は、中心Oと頂点V2~V8とを接続する直線の各々に重なっていない。このため、荷重受面LDの側から空間SPを見たときに中心軸X1全体が直線L1に重なっている(且つ、中心軸X2~X8の全体が中心Oと頂点V2~V8とを接続する直線の各々に重なっている)形態と比べて、空間SP内において支柱部S1~S8を長く設けることができる。その結果、構造体1の弾性率を小さくできることから、荷重を緩和する緩和能を向上させた構造体1を提供することができる。また、第1実施形態の構造体1によれば、支柱部S1~S8を長く設けることによって緩和能を向上していることから、緩和能を高めるために材質の異なる複数の材料を組み合わせる必要がなく、単一の材料から緩和能を向上させた構造体1を作成することができる。その結果、構造体1の製造コストを低減しつつ、構造体1のリサイクル性も向上することができる。
【0023】
また、第1実施形態の構造体1では、
図2(B)に示すように、荷重受面LDの側から空間SPを見たとき、中心軸X1の一部は荷重受面LDに含まれる他の頂点V4と中心Oとを接続する直線L4に重なっている。また、中心軸X2~X8は、中心軸X1と同じ曲がり具合で頂点V2~V8の各々から中心Oまで伸びていることから、中心軸X1と同様に、中心軸X2~X8の各々の一部は、荷重受面LDに含まれる他の頂点と中心Oとを接続する直線に重なっている(例えば、中心軸X2の一部は、他の頂点V1と中心Oとを接続する直線に重なっており、中心軸X3の一部は、他の頂点V2と中心Oとを接続する直線に重なっており、中心軸X6の一部は、他の頂点V5と中心Oとを接続する直線に重なっている。)。このため、空間SPの中心Oに向かって伸びる支柱部S1~S8の一部が他の頂点と中心Oとを接続する直線に重なるよう伸びていることから、空間SP内において支柱部S1~S8をより一層長く設けることができる。その結果、荷重を緩和する緩和能をより一層向上させた構造体1を提供することができる。
【0024】
<第2実施形態>
第2実施形態のラティス構造体は、第1実施形態の構造体1をXYZ軸の3方向に沿って連続的に配列した構造を有する。また、当該構造のうち隣り合う構造体1において、頂点を共有している支柱部同士は接続されている。例えば、
図1の構造体1と、その+Z軸方向側に隣接して配置された別の構造体1において(構造体1の荷重受面LDと別の構造体1における頂点V5~V8によって画定されている面とが面全体同士で重なるように配置された構造体1と別の構造体1において)、構造体1における支柱部S3の頂点V3と別の構造体1における支柱部S7の頂点V7とは重なることから、構造体1における支柱部S3と別の構造体1における支柱部S7とは、頂点を共有している支柱部同士にあたる。このように、第2実施形態のラティス構造体では、構造体1が有する支柱部S1~S8の各々は、空間SPを画定している面に沿った部分において、隣接する別の構造体1の支柱部S1~S8のうち頂点を共有している支柱部と接続している。
【0025】
以上のような第2実施形態のラティス構造体によれば、頂点を共有している支柱部を介して構造体1の各々が接続されている。このため、構造体1の配列方向に荷重受面LDの向いている方向(
図1ではZ軸方向)が含まれている場合、単体の構造体1と比べて、荷重を緩和する緩和能をより一層向上させたラティス構造体を提供することができる。また、構造体1の配列方向に荷重受面LDの向いている方向と直交する方向(
図1ではX軸方向もしくはY軸方向)が含まれている場合、単体の構造体1と比べて、荷重受面LDの面積が拡大したラティス構造体を提供することができる。
【0026】
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0027】
[変形例1]
上記実施形態では、空間SPは、構造体1を内包する立方体状の空間であったが、これに限られない。空間SPは、直方体状の空間である限り、X軸方向に沿った辺、Y軸方向に沿った辺およびZ軸方向に沿った辺の各々が同じ長さでなく、異なる長さであってもよい。
【0028】
[変形例2]
上記実施形態では、支柱部S1~S8の各々のうち空間SPを画定している面と接していない部分の横断面は円形であったが、これに限られない。支柱部S1~S8の各々のうち空間SPを画定している面と接していない部分の横断面は、正方形、長方形、台形、ひし形、三角形等であってもよい。
【0029】
[変形例3]
上記実施形態では、支柱部S1~S8は、頂点V1~V8の各々から中心Oまで伸びている部分の他に、頂点V1~V8の各々から空間SPを画定している面に沿って隣の頂点に向かって伸びている部分が含まれていたが、これに限られない。例えば、支柱部S1~S8は、頂点V1~V8の各々から中心Oまで伸びている部分のみであってもよい。
【0030】
[変形例4]
上記実施形態では、中心軸X1~X8の各々の一部は、中心Oと頂点V1~V8とを接続する直線の各々に重なっておらず、且つ、荷重受面LDに含まれる他の頂点と中心Oとを接続する直線に重なっていたが、これに限られない。例えば、中心軸X1~X8の各々の一部は、中心Oと頂点V1~V8とを接続する直線の各々に重なっておらず、且つ、荷重受面LDに含まれる他の頂点と中心Oとを接続する直線に重なっていなくてもよい。
【0031】
[変形例5]
上記実施形態では、支柱部S1~S8は、少なくとも頂点V1~V8の各々から空間SPの中心Oまで伸びていたが、これに限られない。例えば、支柱部S1~S8は、少なくとも頂点V1~V8の各々から空間SP内の一点まで伸びていればよく、その一点は中心Oとは異なる位置の点であってもよい。このような形態においても、荷重受面LDの側から空間SPを見たときに中心軸X1~X8の一部が当該一点と頂点V1~V8とを接続する直線の各々に重なっていない限り、空間SP内において支柱部S1~S8を長く設けることができる。また、荷重受面LDの側から空間SPを見たときに中心軸X1~X8の各々の一部が荷重受面LDに含まれる他の頂点と当該一点とを接続する直線に重なっている限り、空間SP内において支柱部S1~S8をより一層長く設けることができる。
【0032】
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
【符号の説明】
【0033】
1…構造体
LD…荷重受面
O…中心
S1~S8…支柱部
SP…空間
V1~V8…頂点
X1~X8…中心軸