(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120485
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】管理サーバ及び管理方法
(51)【国際特許分類】
F24F 11/54 20180101AFI20240829BHJP
F24F 11/80 20180101ALI20240829BHJP
F24F 11/72 20180101ALI20240829BHJP
【FI】
F24F11/54
F24F11/80
F24F11/72
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027309
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】風巻 貴
(72)【発明者】
【氏名】小泉 圭輝
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260BA01
3L260BA06
3L260BA64
3L260BA74
3L260CB63
3L260EA07
3L260FA03
3L260FA06
3L260JA24
(57)【要約】
【課題】空間の空気質を容易に調整できる管理サーバ及び管理方法を提供する。
【解決手段】管理サーバ50は、第1決定部522と、第2決定部523と、出力部524とを備える。第1決定部522は、空間Sの空気質の調整を指示する第1指示M1を受け付けると、複数の機器Eから第1指示M1を実行する1つ又は2つ以上の機器Eを運転機器Fとして決定する。第2決定部523は、第1決定部522が決定した運転機器Fが第1指示M1を実行するための運転内容を決定する。出力部524は、運転機器Fに対して運転内容を出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間の空気質の調整を指示する第1指示を受け付けると、複数の機器から前記第1指示を実行する1つ又は2つ以上の機器を運転機器として決定する第1決定部と、
前記第1決定部が決定した前記運転機器が前記第1指示を実行するための運転内容を決定する第2決定部と、
前記運転機器に対して前記運転内容を出力する出力部と
を備える、管理サーバ。
【請求項2】
前記第1決定部が決定する運転機器の少なくとも1つは、前記空気質を調整する運転を実行可能な機器である、請求項1に記載の管理サーバ。
【請求項3】
前記第1指示は、前記空間の空気質の調整を実行しつつ、前記空間の空気質以外の状態を調整する第2指示を更に含み、
前記第1決定部は、前記複数の機器から前記第2指示を実行可能な機器を前記運転機器に決定する、請求項2に記載の管理サーバ。
【請求項4】
前記第1決定部は、2つ以上の機器を前記運転機器として決定する、請求項3に記載の管理サーバ。
【請求項5】
前記第1決定部は、前記空間の空気質の値と目標となる空気質の値との差が第1の閾値よりも大きいときに2つ以上の機器を前記運転機器として決定する、請求項4に記載の管理サーバ。
【請求項6】
前記第1指示は、前記空間の温度を低下させる指示であって、
前記第1決定部は、前記空間の温度と前記目標温度との差が第2の閾値よりも小さい場合、送風機器を運転機器に決定する、請求項1から請求項5の何れか1項に記載の管理サーバ。
【請求項7】
前記第1指示は、前記空間の温度を上昇させる指示であって、
前記第1決定部は、前記第1指示を受け付けると、前記空間の温度を上昇させる暖房機器とともに加湿機器を運転機器に決定する、請求項1から請求項5の何れか1項に記載の管理サーバ。
【請求項8】
運転機器の運転内容を管理する管理方法であって、
空間の空気質の調整を指示する第1指示を受け付けると、複数の機器から前記第1指示を実行する運転機器を決定する第1のステップと、
前記第1のステップで決定した前記運転機器が前記第1指示を実行するための運転内容を決定する第2のステップと、
前記運転機器に対して前記運転内容を出力する第3のステップと
を有する、管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、管理サーバ及び管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された空気調和機は、空間に配置された複数の電気機器である室内機と、空調指示を出力するリモコン装置とを備える。リモコン装置は、電気機器の温度センサ及び湿度センサからの情報を表示する表示部を有する。ユーザが選択した複数の電気機器に対して、一括した操作が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された空気調和機は、空間に配置された複数の機器のうちユーザが選択した機器が操作される。つまり、ユーザは、操作を行う機器を選択する工程が必要である。従って、空間の空気質を調整することは、容易ではない。
【0005】
本開示は、空間の空気質を容易に調整できる管理サーバ及び管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の第1局面によれば、管理サーバは、第1決定部と、第2決定部と、出力部とを備える。前記第1決定部は、空間の空気質の調整を指示する第1指示を受け付けると、複数の機器から前記第1指示を実行する1つ又は2つ以上の機器を運転機器として決定する。前記第2決定部は、前記第1決定部が決定した前記運転機器が前記第1指示を実行するための運転内容を決定する。前記出力部は、前記運転機器に対して前記運転内容を出力する。
【0007】
本願の第2局面によれば、管理方法は、運転機器の運転内容を管理する管理方法であって、空間の空気質の調整を指示する第1指示を受け付けると、複数の機器から前記第1指示を実行する1つ又は2つ以上の機器を運転機器として決定する第1のステップと、前記第1のステップで決定した前記運転機器が前記第1指示を実行するための前記運転内容を決定する第2のステップと、前記運転機器に対して前記運転内容を出力する第3のステップとを有する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、空間の空気質を容易に調整できる管理サーバ及び管理方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の一実施形態に係る管理サーバを含む管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】管理サーバの構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】管理端末の構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】本実施形態に係る管理サーバの第2指示を伴う空調処理におけるフローチャートである。
【
図9】本実施形態に係る管理サーバの冷房処理におけるフローチャートである。
【
図10】本実施形態に係る管理サーバの暖房処理におけるフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を参酌する。なお、以下の説明は、管理方法の説明を含むものである。
【0011】
図1を参照して、本開示の一実施形態に係る管理システム100の構成について説明する。
図1は、本開示の一実施形態に係る管理サーバ50を含む管理システム100の構成の一例を示すブロック図である。
【0012】
管理システム100は、複数の空間を管理している。管理の対象である空間は、例えば、区画された部屋で構成される。
図1に示しているように、説明の便宜上、以下、部屋1、部屋2、及び部屋3を空間の例として説明する。なお、部屋の数は、3室に限られず、2室以下でもよく、4室以上であってもよい。
【0013】
図1に示しているように、部屋1、部屋2、及び部屋3には、複数の電気機器(以下、機器と記載する。)がそれぞれ配置される。機器は、各々の機器が保有する空気質の検出機能により各部屋の現在の空気質の状態を検出する。機器は、検出した空気質の検出値に基づき所定の動作を実行して機器の機能を発揮する。複数の機器は、例えば、部屋の空気質を調節する空調装置(以下、エアコンと記載する。)、空気清浄機、扇風機、加湿器、換気扇、及び開閉制御可能な窓を含む。
【0014】
部屋1には、例えば、第1エアコン11と、扇風機12とが配置される。第1エアコン11は、X社製エアコンである。部屋2には、例えば、第1エアコン21と、第2エアコン22と、扇風機23と、加湿機器24と、空気清浄機25と、窓26とが配置される。第1エアコン21は、第1エアコン11と同じ種類のエアコンである。第2エアコン22は、第1エアコン11よりも機能的に低いX社製エアコンである。部屋3には、例えば、第2エアコン31と、第3エアコン32と、換気扇33とが配置される。第2エアコン31は、第2エアコン22と同じ種類のエアコンである。第3エアコン32は、Y社製エアコンである。以下、各部屋に対応する空間を総称する場合、空間Sと記載する。また、空間Sに配置された複数の機器を総称する場合、機器Eと記載する。
【0015】
図2を参照して、管理サーバ50について説明する。
図2は、管理サーバ50の構成の一例を示すブロック図である。
図2に示しているように、管理サーバ50は、制御部52と、記憶部53とを有する。
【0016】
制御部52は、CPU(Central Processing Unit)及びMPU(Micro Processing Unit)のようなプロセッサを含む。制御部52のプロセッサは、記憶部53の記憶装置に記憶されたコンピュータプログラムを実行して、管理サーバ50の各構成を制御する。
図2に示しているように、制御部52は、取得部521と、第1決定部522と、第2決定部523と、出力部524とを有する。制御部52のプロセッサは、記憶部53に格納されたコンピュータプログラムを実行して、取得部521と、第1決定部522と、第2決定部523と、出力部524として機能する。
【0017】
取得部521は、空間Sの空気質の情報と、空間Sに対する第1指示M1とを取得する。第1指示M1は、空間Sの空気質を調整させる制御指令である。空気質の情報は、空間Sに配置された複数の機器Eから入力される。第1指示M1は、ユーザの操作により入力される。また、第1指示M1は、管理サーバ50自身の判定によっても入力される。具体的には、第1指示M1は、自動運転における、「部屋1の室温を下げなさい」、或いは、「部屋2の室温を上げなさい」等の指示であり、空間Sの空気質を対象にする指示である。第1指示M1には、目標とする空気質の値、例えば、目標温度の情報が含まれても良い。また、第1指示M1には、空気質の調整を主対象にしつつ、付加的な作用を実行させる第2指示M2が含まれる。以下、部屋の管理者と、部屋の居住者と区別しない場合、管理者と居住者とを総称してユーザと記載することがある。
【0018】
第1決定部522は、第1指示M1を受け付けると、複数の機器Eから運転機器Fを決定する。第1指示M1は、空間Sの空気質の調整を指示する。運転機器Fは、第1指示M1を実行する機器である。運転機器Fは、空間の空気質を調整する機器を含む。また、運転機器Fは、空間Sの空気質を調整可能な機器、例えば、窓等を含む。
【0019】
第2決定部523は、第1決定部522が決定した運転機器Fが第1指示M1を実行するための運転内容を決定する。第2決定部523は、例えば、空間Sの空気質の値と目標となる空気質の値との差に基づき、運転機器Fの制御量及び制御時間を決定する。
【0020】
出力部524は、運転機器Fに対して運転内容を出力する。出力部524は、第1決定部522が決定した運転機器Fに対して決定された運転内容に関する指令を出力する。
【0021】
以上に説明したように、第1指示M1に基づき、空間S内に配置された複数の機器Eから第1指示M1を実行可能な運転機器Fが決定される。つまり、ユーザは、運転機器Fを選択することなく、運転機器Fが決定される。また、決定された運転機器Fの運転内容が決定される。つまり、ユーザは、運転機器Fの運転内容を運転機器Fに対して指示することなく、運転機器Fの運転内容が決定される。よって、ユーザは、運転機器Fの選択及び運転内容の決定を行うことなく、空間Sの空気質が調整される。その結果、空間Sの空気質を容易に調整できる。
【0022】
図1及び
図2を参照して、管理サーバ50について詳細に説明する。
図1に示しているように、管理サーバ50は、管理端末60と共に管理装置101を構成する。管理端末60は、空間Sに配置される機器Eに対して動作に関する指令を出力する。また、管理端末60は、空間Sの状態を表示する。
【0023】
図2に示しているように、管理サーバ50は、通信部51を更に有する。
【0024】
図1に示しているように、通信部51は、ネットワーク41を介して、各部屋の複数の機器Eと通信する。ネットワーク41は、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、又は、WAN(Wide Area Network)である。ネットワーク41には、各種通信機器が接続されている。また、通信部51は、管理端末60と通信する。空間Sに配置された複数の機器Eは、ネットワーク41を介して管理サーバ50に接続される。従って、管理サーバ50は、ネットワーク41を介して、機器Eの機器情報及び空間Sの空気質の情報を取得する。
【0025】
図2に示しているように、記憶部53は、記憶装置を含み、ソフトウェアのようなコンピュータプログラム及び種々のデータを記憶する。具体的には、記憶部53は、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)のような主記憶装置(例えば、半導体メモリ)と、ソリッドステートドライブ、及び/又は、ハードディスクドライブのような補助記憶装置とを含む。記憶部53は、リムーバブルメディアを含んでいてもよい。記憶部53は、記憶媒体(例えば、非一時的コンピュータ読取可能記憶媒体)の一例である。
【0026】
図3から
図5を参照して、記憶部53について詳細に説明する。
図3は、第1管理テーブルT1の一例を示す図である。
図4は、第2管理テーブルT2の一例を示す図である。
図5は、第3管理テーブルT3の一例を示す図である。記憶部53は、第1管理テーブルT1と、第2管理テーブルT2と、第3管理テーブルT3とを有する。
【0027】
図3に示しているように、第1管理テーブルT1は、部屋と機器Eとを機器IDを介して関連付けるペアリングテーブルである。第1管理テーブルT1は、部屋が登録される列A1と、部屋に登録される機器E(以下、登録機器と記載する。)の機器IDが登録される列A2と、登録機器の種別が登録される列A3とが規定されている。部屋1に対応する列A3の領域には、例えば、第1エアコン11が登録された欄11aと、扇風機12が登録された欄12aとが配置される。部屋1に対応する列A2の領域には、欄11aに対応して第1エアコン11の登録機器IDであるID0000と、欄12aに対応して扇風機12の登録機器IDであるID0001が登録される。同様に、部屋2に対応する列A3の領域には、第1エアコン21が登録された欄21aと、第2エアコン22が登録された欄22aと、扇風機23が登録された欄23aと、加湿機器24が登録された欄24aと、空気清浄機25が登録された欄25aと、窓26とが登録された欄26aとが配置される。部屋3に対応する列A3の領域には、第2エアコン31が登録された欄31aと、第3エアコン32が登録された欄32aと、換気扇33が登録された欄33aとが配置される。
【0028】
図4に示しているように、第2管理テーブルT2は、登録機器に対して指示できる機能を定めた機能テーブルである。機能テーブルには、部屋の空気質を調整する機能と、空気質の調整を前提として、部屋の空気質以外の状態を調整する機能とが規定される。以下、空間Sの空気質以外の状態を調整する機能に相当する指示を第2指示M2とし、空間Sの空気質を調整する機能に相当する指示を第3指示M3とする。第1指示M1は、空間Sの空気質の調整を実行しつつ、空間Sの空気質以外の状態を調整する第2指示M2を含む。つまり、第1指示M1は、第3指示M3のみで構成される場合と、第2指示M2と第3指示M3とで構成される場合がある。第1指示M1は、第2指示M2のみで構成される場合はない。
【0029】
第2管理テーブルT2は、登録機器の種別が登録される列B1と、指示可能な空調機能を登録する列B2と、指示可能な付加機能を登録する列B3とを規定する。列B1には、例えば、第1エアコン11が登録された欄11bと、第2エアコン22が登録された欄22bと、第3エアコン32が登録された欄32bと、空気清浄機25が登録された欄25bと、加湿機器24が登録された欄24bと、除湿機器(不図示)が登録された欄34bと、ファンヒータ35が登録された欄35bと、扇風機12が登録された欄12bと、換気扇33が登録された欄33bと、窓26が登録された欄26bとが配置される。列B2には、冷房、暖房、送風、除湿、加湿、空気清浄、換気の可否が夫々登録されている。例えば、第3エアコン32の場合、冷房と暖房は実行可能であり、冷房と暖房以外は実行不可能である。列B2にて、実行可能と分類される機器は、第3指示M3を実行可能である。列B3には、静音、イオン放出、省エネ運転の可否が夫々登録されている。静音の列は、運転時、所定の判定値よりも騒音レベルが低い場合、可(〇)が登録される。イオン放出の列は、登録機器がイオン放出機能を有する場合、可が登録される。省エネの列は、運転時、所定の判定値よりもエネルギ効率が高い場合、可が登録される。例えば、第2エアコン22の場合、静音とイオン放出は実行可能であり、省エネは実行不可能である。列B3にて、実行可能と分類される機器は、第2指示M2を実行可能である。
【0030】
図5に示しているように、第3管理テーブルT3は、空気質の制御毎の優先順位テーブルである。第3管理テーブルT3は、空気質の制御上、参照すべき優先順位を規定する。例えば、冷房に関する優先順位テーブルT31は、登録機器の種別が登録される列C1と、運転内容が登録される列C2と、優先順位が登録される列C3とが規定されている。列C1には、例えば、第1エアコン11が登録された欄11cと、第2エアコン22が登録された欄22cと、第3エアコン32が登録された欄32cとが配置される。冷房に関する優先順位テーブルT31の場合、例えば、第1エアコン11が優先順位1位、第2エアコン22が優先順位2位、第3エアコン32が優先順位3位である。
【0031】
例えば、送風に関する優先順位テーブルT32は、登録機器の種別が登録される列D1と、運転内容が登録される列D2と、優先順位が登録される列D3とが規定されている。列D1には、例えば、第1エアコン11が登録された欄11dと、第2エアコン22が登録された欄22dと、空気清浄機25が登録された欄25dと、扇風機12が登録された欄12dとが配置される。送風に関する優先順位テーブルT32の場合、例えば、第1エアコン11が優先順位1位、第2エアコン22が優先順位2位、空気清浄機25が優先順位3位、扇風機12が優先順位4位である。
【0032】
例えば、加湿に関する優先順位テーブルT33は、登録機器の種別が登録される列E1と、センサ内容が登録される列E2と、優先順位が登録される列E3とが規定されている。列E1には、例えば、空気清浄機25が登録された欄25eと、加湿機器24が登録された欄24eとが配置される。加湿に関する優先順位テーブルT33の場合、例えば、空気清浄機25が優先順位1位、加湿機器24が優先順位2位である。なお、第3管理テーブルT3は、冷房、送風、加湿に限らない。冷房、送風、加湿に加え、暖房、除湿、換気に関する第3管理テーブルT3を追加しても良い。
【0033】
図2に示しているように、第1決定部522は、第3指示M3を実行可能な機器Eを複数の機器Eから運転機器Fに決定する。第1決定部522は、第1管理テーブルT1と第2管理テーブルT2とに基づき、機器Eから運転機器Fの候補を選択する。第1決定部522は、第3管理テーブルT3に基づき、選択された運転機器Fの候補から運転機器Fを決定する。つまり、第1決定部522が決定する運転機器Fは、空気質を調整する運転を実行可能な機器Eを含む。従って、空気質を調整可能な機器Eが運転機器Fに決定される。よって、空間Sの空気質を確実に調整できる。その結果、ユーザの快適性を向上できる。
【0034】
また、第1決定部522は、複数の機器Eから第2指示M2を実行可能な機器Eを運転機器Fに決定する。従って、空間Sの空気質の調整に加えて空気質以外の状態を調整できる。その結果、ユーザの快適性を一層向上できる。
【0035】
第1決定部522は、複数の機器Eから運転機器Fを決定する。つまり、第1管理テーブルT1と第2管理テーブルT2と第3管理テーブルT3とに基づき、複数の機器Eから第1指示M1を実行する運転機器Fが決定される。従って、高性能な運転機器Fを選択でき、目標の空気質に早期に到達できる。その結果、ユーザの快適性を早期に向上できる。
【0036】
第1決定部522は、空間Sの空気質の値と目標となる空気質の値との差が第1の閾値K1よりも大きいときに複数の機器Eを運転機器Fに決定する。よって、空間Sの空気質の値と目標となる空気質の値との差が大きい場合、複数の運転機器Fにより空間Sの空気質を早期に調整できる。その結果、ユーザの快適性を一層向上できる。
【0037】
また、第1指示M1が空間Sの温度を低下させる指示であるとき、第1決定部522は、空間Sの温度と目標温度との差が第2の閾値K2よりも小さい場合、送風機器を運転機器Fに決定する。その結果、冷房を用いることなく空間Sの温度を緩やかに調整できる。なお、本実施形態において、第2の閾値K2は、第1の閾値K1よりも小さい閾値である。
【0038】
また、第1指示M1は、空間Sの温度を上昇させる指示であるとき、第1決定部522は、第1指示M1を受け付けると、第1指示を実行する運転機器Fとしての第1エアコン21に加えて、加湿機器24を運転機器Fに決定する。従って、空間Sの温度の上昇要求時、空間Sの湿度を調整できる。その結果、ユーザの快適性を更に向上できる。
【0039】
図1、
図6、及び
図7を参照して、管理端末60の構成について説明する。
図6は、管理端末60の構成の一例を示すブロック図である。
図7は、管理画面70の一例を示す図である。
【0040】
図1及び
図6に示されるように、管理端末60は、通信部61と、制御部62と、記憶部63と、表示部64とを有する。
【0041】
通信部61は、管理サーバ50と通信する。
【0042】
制御部62は、CPUのようなプロセッサを含む。制御部62のプロセッサは、記憶部63に記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって、管理端末60の各構成を制御する。管理サーバ50の制御部52は、管理端末60の制御部62を介して表示部64の動作を制御する。
【0043】
記憶部63は、記憶装置を含み、データ及びコンピュータプログラムを記憶する。記憶部63は、半導体メモリのような主記憶装置を含む。
【0044】
表示部64は、管理者による操作のための入力及び表示デバイスである。表示部64は、タッチパネルを含む。表示部64は、操作ボタンを更に含んでもよい。表示部64は、管理画面70を有する。
【0045】
図7に示されるように、管理画面70は、表示エリア71と、第1切替エリア72と、第2切替エリア73と、操作エリア74とを有する。
【0046】
第1切替エリア72は、部屋一覧アイコンと、機器一覧アイコンとを含む。部屋一覧アイコンは、表示エリア71に部屋アイコンを行列形式で一覧表示させるためのアイコンである。機器一覧アイコンは、表示エリア71に機器Eに対応する機器アイコンを行列形式で一覧表示させるためのアイコンである。図示の例では、部屋一覧アイコンがタッチ操作により選択されてハイライト表示されている。
【0047】
第2切替エリア73は、すべてアイコンと、1階アイコンと、2階アイコンと、3階アイコンとを含む。管理者は、第2切替エリア73に表示されたアイコンを用いて、所定のフロア又はエリアを指定することができる。制御部62は、管理対象の建物の中の指定されたフロア又は指定されたエリアに含まれる部屋の情報を表示部64が一覧表示するように制御する。図示の例では、1階アイコンがタッチ操作により選択されてハイライト表示されている。
【0048】
表示エリア71は、第1切替エリア72における選択に応じて、部屋アイコン又は機器アイコンを含む。図示の例における表示エリア71は、第1部屋アイコン701と、第2部屋アイコン702と、第3部屋アイコン703とを含む。第1部屋アイコン701から第3部屋アイコン703は各々、空気質の情報と、機器Eの運転情報とを示す。例えば、第2部屋アイコン702は、1階エリアに位置する部屋2の温度が22℃、湿度が60%、空気清浄度(空質)が4であり、エアコン及び空気清浄機が運転中であることを示す。
【0049】
一括操作エリア74は、エアコンアイコン741と、空気清浄機アイコン742とを含む。
【0050】
管理者がエアコンアイコン741又は空気清浄機アイコン742にタッチ操作すると、管理画面70に対して一括操作画面(不図示)がポップアップ表示される。一括操作画面において、管理者は、表示エリア71に表示された部屋アイコンに対応する部屋にそれぞれ設置された空調機を一括操作することができる。具体的には、管理者がエアコンアイコン741にタッチ操作すると、制御部52は、表示エリア71に表示された部屋アイコンに対応する部屋にそれぞれ設置されたエアコンに対する一括操作を受け付ける。管理者が空気清浄機アイコン742にタッチ操作すると、制御部52は、表示エリア71に表示された部屋アイコンに対応する部屋にそれぞれ設置された空気清浄機に対する一括操作を受け付ける。
【0051】
管理画面70は、設定アイコン75と、レポートアイコン76と、静音アイコン77と、イオン放出アイコン78と、省エネアイコン79とを更に備える。
【0052】
管理者が設定アイコン75にタッチ操作すると、管理画面70が設定画面(不図示)に切り替わる。設定画面において、管理者は、第1の閾値K1及び第2の閾値K2のような設定値を決定する。
【0053】
管理者がレポートアイコン76にタッチ操作すると、管理画面70がレポート画面(不図示)に切り替わる。レポート生成部(不図示)は、管理対象の建物の中の指定された部屋の空気質の変化履歴を示すレポートを生成する。制御部62は、レポート生成部が生成したレポートを部屋アイコンの色と対応する色で表示する。
【0054】
静音アイコン77は、第2指示M2の入力スイッチである。管理者が静音アイコン77にタッチ操作すると、第1指示M1の入力時において、第2管理テーブルT2の列B2に可が登録された機器Eであって、列B3に登録された機器Eのうち静音の列に可が登録された機器Eが抽出される。
【0055】
イオン放出アイコン78と省エネアイコン79も、静音アイコン77と同様に、第2指示M2の入力スイッチである。管理者がイオン放出アイコン78又は省エネアイコン79にタッチ操作すると、第2管理テーブルT2に基づき機器Eが抽出される。抽出された機器Eから運転機器Fが決定される。
【0056】
次に、
図8を参照して、管理サーバ50における空気質を調整する処理について説明する。
図8は、本実施形態に係る管理サーバ50の第2指示M2を伴う空調処理におけるフローチャートである。
図8に示すように、管理サーバ50の処理は、ステップS1からステップS8を含む。管理サーバ50のプロセッサがコンピュータプログラムを実行することによって、ステップS1からステップS8が実行される。
【0057】
図8に示しているように、ステップS1において、ユーザから部屋に対する第1指示M1が有るか否かについて制御部52が判定する。ユーザから部屋に対する第1指示M1が有ると制御部52が判定した場合(ステップS1のYes)、処理はステップS2に進む。ユーザから部屋に対する第1指示M1がないと制御部52が判定した場合(ステップS1のNo)、処理は終了する。なお、管理サーバ50自身の判断により、第1指示M1が入力された場合も同様に処理される。
【0058】
ステップS1でYesの場合、ステップS2において、第1決定部522は、第1管理テーブルT1を参照して、部屋の登録機器を確認する。処理はステップS3に進む。
【0059】
ステップS3において、ユーザから部屋に対する第2指示M2が有るか否かについて第1決定部522が判定する。ユーザから部屋に対する第2指示M2が有ると第1決定部522が判定した場合(ステップS3のYes)、処理はステップS8に進む。ユーザから部屋に対する第2指示M2がないと第1決定部522が判定した場合(ステップS3のNo)、指示は第3指示M3のみであるため、処理はステップS4に進む。
【0060】
ステップS4において、第1決定部522は、第2管理テーブルT2に基づき、部屋に配置された登録機器から第3指示M3に対応する登録機器を抽出する。つまり、第3指示M3を実行可能な登録機器が抽出される。処理はステップS5に進む。
【0061】
ステップS5において、第1決定部522は、抽出された登録機器から第3管理テーブルT3に基づき運転機器Fを選択する。運転機器Fは、第3管理テーブルT3の優先順位に従って抽出された登録機器から選択される。処理はステップS6に進む。
【0062】
ステップS6において、第2決定部523は、指示の内容に基づき運転機器Fの運転内容を決定する。処理はステップS7に進む。
【0063】
ステップS7において、出力部524は、決定された運転内容を運転機器Fに出力する。ステップS7の処理が完了すると、処理は終了する。
【0064】
ステップS3でYesの場合、ステップS8において、第1決定部522は、第2管理テーブルT2に基づき、部屋に配置された登録機器から第2指示M2と第3指示M3とに対応する登録機器を抽出する。処理はステップS5に進む。
【0065】
次に、
図9を参照して、管理サーバ50における空気質を冷却する処理について説明する。
図9は、本実施形態に係る管理サーバ50の冷房処理におけるフローチャートである。
図9に示すように、管理サーバ50の処理は、ステップS11からステップS23を含む。管理サーバ50のプロセッサがコンピュータプログラムを実行することによって、ステップS11からステップS23が実行される。
【0066】
図9に示しているように、ステップS11において、部屋を冷却する第1指示M1が有るか否かについて制御部52が判定する。部屋を冷却する第1指示M1がないと制御部52が判定した場合(ステップS11のNo)、処理は終了する。部屋を冷却する第1指示M1が有ると制御部52が判定した場合(ステップS11のYes)、処理はステップS12に進む。
【0067】
ステップS12において、第1決定部522は、第1管理テーブルT1を参照して、部屋の登録機器を確認する。処理はステップS13に進む。
【0068】
ステップS13において、空間Sの現在の温度である室温と目標となる空間Sの温度である目標温度との差が第2の閾値K2よりも小さいか否かについて制御部52が判定する。室温と目標温度との差が第2の閾値K2よりも小さいと制御部52が判定した場合(ステップS13のYes)、処理はステップS22に進む。室温と目標温度との差が第2の閾値K2以上と制御部52が判定した場合(ステップS13のNo)、処理はステップS14に進む。
【0069】
ステップS14において、部屋に対して第2指示M2が有るか否かについて第1決定部522が判定する。部屋に対する第2指示M2が有ると第1決定部522が判定した場合(ステップS14のYes)、処理はステップS21に進む。部屋に対する第2指示M2がないと第1決定部522が判定した場合(ステップS14のNo)、指示は第3指示M3のみであるため、処理はステップS15に進む。
【0070】
ステップS15において、第1決定部522は、第2管理テーブルT2を参照して、部屋に配置された登録機器から第3指示M3に対応する登録機器を抽出する。処理はステップS16に進む。
【0071】
ステップS16において、第1決定部522は、抽出された登録機器から第3管理テーブルT3に基づき第1の運転機器Fを選択する。処理はステップS17に進む。
【0072】
ステップS17において、室温と目標温度との差が第1の閾値K1よりも大きいか否かについて制御部52が判定する。なお、第1の閾値K1は、第2の閾値K2よりも大きな閾値である。室温と目標温度との差が第1の閾値K1よりも大きいと第1決定部522が判定した場合(ステップS17のYes)、処理はステップS20に進む。室温と目標温度との差が第1の閾値K1以下と第1決定部522が判定した場合(ステップS17のNo)、処理はステップS18に進む。
【0073】
ステップS18において、第2決定部523は、室温と目標温度との差に基づき運転機器Fの運転内容を決定する。処理はステップS19に進む。
【0074】
ステップS19において、出力部524は、決定された運転内容を運転機器Fに出力する。ステップS19の処理が完了すると、処理は終了する。
【0075】
ステップS17でYesの場合、ステップS20において、第1決定部522は、第1の運転機器F以外に抽出された登録機器と第3管理テーブルT3とに基づき第2の運転機器F2を選択する。処理はステップS18に進む。ステップS18では、第2決定部523が、第1の運転機器Fと第2の運転機器F2との運転内容を決定する。第2の運転機器F2の追加によって、部屋の冷却速度を上げることができる。
【0076】
ステップS14でYesの場合、ステップS21において、第1決定部522は、第2管理テーブルT2を参照して、部屋に配置された登録機器から冷房機能を有しつつ第2指示M2の条件を満たす登録機器を抽出する。処理はステップS16に進む。第2指示M2の条件を満たす登録機器が、運転機器Fとして抽出される。
【0077】
ステップS13でYesの場合、ステップS22において、第1決定部522は、第2管理テーブルT2から送風に対応する登録機器を抽出する。処理はステップS23に進む。
【0078】
ステップS23において、第1決定部522は、抽出された登録機器と第3管理テーブルT3とに基づき第1の運転機器Fを選択する。処理はステップS18に進む。送風に対応する登録機器により、緩やかな冷却が行われる。
【0079】
次に、
図10を参照して、管理サーバ50における空気質を暖める処理について説明する。
図10は、本実施形態に係る管理サーバの暖房処理におけるフローチャートである。
図10に示すように、管理サーバ50の処理は、ステップS31からステップS40を含む。管理サーバ50のプロセッサがコンピュータプログラムを実行することによって、ステップS31からステップS40が実行される。
【0080】
図10に示しているように、ステップS31において、部屋を暖める第1指示M1が有るか否かについて制御部52が判定する。部屋を暖める第1指示M1がないと制御部52が判定した場合(ステップS31のNo)、処理は終了する。ユーザから部屋を暖める第1指示M1が有ると制御部52が判定した場合(ステップS31のYes)、処理はステップS32に進む。
【0081】
ステップS31でYesの場合、ステップS32において、第1決定部522は、第1管理テーブルT1に基づき、部屋の登録機器を確認する。処理はステップS33に進む。
【0082】
ステップS33において、部屋に対する第2指示M2が有るか否かについて第1決定部522が判定する。部屋に対する第2指示M2が有ると第1決定部522が判定した場合(ステップS33のYes)、処理はステップS40に進む。部屋に対する第2指示M2がないと第1決定部522が判定した場合(ステップS33のNo)、指示は第3指示M3のみであるため、処理はステップS34に進む。
【0083】
ステップS34において、第1決定部522は、第2管理テーブルT2に基づき、部屋に配置された登録機器から暖房に対応する登録機器を抽出する。処理はステップS35に進む。
【0084】
ステップS35において、第1決定部522は、抽出された登録機器から第3管理テーブルT3に基づき第1の運転機器Fを選択する。処理はステップS36に進む。
【0085】
ステップS36において、部屋の登録機器に加湿機能を有する登録機器が有るか否かについて第1決定部522が判定する。部屋の登録機器に加湿機能を有する登録機器が有ると第1決定部522が判定した場合(ステップS36のYes)、処理はステップS39に進む。部屋の登録機器に加湿機能を有する登録機器がないと第1決定部522が判定した場合(ステップS36のNo)、処理はステップS37に進む。
【0086】
ステップS37において、第2決定部523は、室温と目標温度との差に基づき第1の運転機器F、又は第1の運転機器F及び第2の運転機器F2の運転内容を決定する。処理はステップS38に進む。
【0087】
ステップS38において、出力部524は、決定された運転内容を運転機器F、又は第1の運転機器F及び第2の運転機器F2に出力する。ステップS38の処理が完了すると、処理は終了する。
【0088】
ステップS36でYesの場合、ステップS39において、第1決定部522は、加湿機能を有する登録機器と第3管理テーブルT3とにより第2の運転機器F2を選択する。処理はステップS37に進む。
【0089】
ステップS33でYesの場合、ステップS40において、第1決定部522は、第2管理テーブルT2から第2指示M2に対応した登録機器を抽出する。
【0090】
以上、図面を参照しながら本開示の一実施形態を説明した。但し、本開示は、上記の一実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の一実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本開示の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0091】
(1)本実施形態では、第1指示M1がユーザから入力される例を示した。しかし、これに限られない。管理サーバ50が独自に空気質を判定し、第1指示M1を入力しても良い。また、第1指示M1の入力に当たり、管理サーバ50が第2指示M2を入力しても良い。
【0092】
(2)本実施形態では、管理者が第1指示M1を入力する例を示した。しかし、これに限られない。部屋の居住者が管理サーバ50と通信可能な端末を介して第1指示M1を入力することも可能である。
【0093】
(3)本実施形態では、指示可能な付加価値として、静音、イオン発生装置、省エネの例を示した。しかし、これに限られない。指示可能な付加価値として、例えば、耐久性、作動時間を追加することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本開示は、管理サーバ及び管理方法の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0095】
50 :管理サーバ
522 :第1決定部
523 :第2決定部
524 :出力部
M1 :第1指示
M2 :第2指示
F :運転機器
K1 :第1の閾値
K2 :第2の閾値
E :機器
S :空間