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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120496
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】光成端箱
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/46 20060101AFI20240829BHJP
【FI】
G02B6/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027320
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000231936
【氏名又は名称】日本通信電材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】市原 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】高山 喜寛
(72)【発明者】
【氏名】石原 竜也
【テーマコード(参考)】
2H038
【Fターム(参考)】
2H038CA38
(57)【要約】
【課題】 アダプタを固定するとともに、防水性も有する固定部材を備えた、光成端箱を提供する。
【解決手段】
光成端箱は、筐体と、外部からの光コネクタが装着されるとともに、前記筐体の端部から内部へ第一方向に延在するアダプタと、前記端部から前記内部へ前記第一方向に延在するとともに、前記アダプタを前記筐体に固定する固定部材と、を備える。前記固定部材は、前記第一方向に延在するとともに、前記端部において前記アダプタを露出させる開口部を有する、ベース部と、前記第一方向に垂直な第二方向に前記ベース部から延在する第一フランジと、前記第二方向に前記ベース部から延在するとともに、前記第一方向において前記第一フランジよりも前記内部に配置され、前記第一フランジと平行に設けられる第二フランジと、を有する。前記第一フランジにおける前記筐体の外側を向く面が、前記筐体に接するとともに、前記第二フランジにおける前記筐体の内側を向く面が、前記筐体に接する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
外部からの光コネクタが装着されるとともに、前記筐体の端部から前記筐体の内部へ、前記光コネクタが装着される方向である第一方向に延在するアダプタと、
前記端部から前記内部へ前記第一方向に延在するとともに、前記アダプタを前記筐体に固定する固定部材と、を備え、
前記固定部材は、
前記第一方向に延在するとともに、前記筐体の前記端部において前記アダプタを露出させる開口部を有する、ベース部と、
前記第一方向に垂直な第二方向に前記ベース部から延在する第一フランジと、
前記第二方向に前記ベース部から延在するとともに、前記第一方向において前記第一フランジよりも前記内部に配置され、前記第一フランジと平行に設けられる第二フランジと、を有し、
前記ベース部は、前記第一フランジよりも前記内部に近い部分において前記アダプタを保持し、
前記第一フランジにおける前記筐体の外側を向く面が、前記筐体に接するとともに、前記第二フランジにおける前記筐体の内側を向く面が、前記筐体に接する、光成端箱。
【請求項2】
前記ベース部は、前記第一フランジと前記第二フランジの間で前記アダプタを保持する、請求項1に記載の光成端箱。
【請求項3】
前記固定部材は、前記ベース部から前記筐体の前記内部へ、前記第一方向に突出するとともに、前記アダプタの基端部を覆うカバー部をさらに有する、請求項1に記載の光成端箱。
【請求項4】
前記光成端箱は、前記内部に、前記第一方向に延在するとともに、前記光成端箱内の内部アダプタを保持する保持板を、さらに備え、
前記第二方向から見たとき、前記カバー部は、前記ベース部と前記保持板の間において、前記アダプタの前記基端部を覆うように設けられている、請求項3に記載の光成端箱。
【請求項5】
前記固定部材は硬質樹脂で形成されている、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光成端箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光成端箱に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、外部からの光ファイバケーブルを、コネクタを介して他の光ファイバケーブルに接続するコード接続部を備える、光成端箱を開示している。コード接続部は、コネクタが装着されるアダプタを備える。
【0003】
特許文献2は、中継アダプタと係合するアダプタ係合部を備える、光成端箱を開示している。アダプタ係合部は、中継アダプタの装着位置を挟んだその両側位置に設けられ、中継アダプタの周辺両側に設けられた鍔がアダプタ係合部の対向隙間に入り込むことで、中間アダプタが係止される。
【0004】
特許文献3は、アダプタを複数並べて保持するアダプタパネルを備えた、光成端箱を開示している。この光成端箱では、光成端箱の端部に設けられた第一のアダプタパネル固定位置、または第一のアダプタパネル固定位置よりも内側に設けられた第二のアダプタパネル固定位置のいずれかに、アダプタパネルは固定される。アダプタパネルが第一のアダプタパネルに固定される場合、成端箱のカバーが装着された状態でもアダプタパネルは露出するため、使用者はコネクタの接続先を確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平7-016902号公報
【特許文献2】実用新案登録第3181286号公報
【特許文献3】特開2020-134742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、コネクタが接続されるアダプタは、接続作業を行いやすくするために、光成端箱の端部に設けられる場合がある。しかしながら、光成端箱の端部に、筐体とは別体であるアダプタが設けられると、筐体とアダプタの間から水が浸入してしまう場合がある。
【0007】
本開示は、アダプタを固定するとともに、防水性も有する固定部材を備えた、光成端箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の光成端箱は、
筐体と、
外部からの光コネクタが装着されるとともに、前記筐体の端部から前記筐体の内部へ、前記光コネクタが装着される方向である第一方向に延在するアダプタと、
前記端部から前記内部へ前記第一方向に延在するとともに、前記アダプタを前記筐体に固定する固定部材と、を備え、
前記固定部材は、
前記第一方向に延在するとともに、前記筐体の前記端部において前記アダプタを露出させる開口部を有する、ベース部と、
前記第一方向に垂直な第二方向に前記ベース部から延在する第一フランジと、
前記第二方向に前記ベース部から延在するとともに、前記第一方向において前記第一フランジよりも前記内部に配置され、前記第一フランジと平行に設けられる第二フランジと、を有し、
前記ベース部は、前記第一フランジよりも前記内部に近い部分において前記アダプタを保持し、
前記第一フランジにおける前記筐体の外側を向く面が、前記筐体に接するとともに、前記第二フランジにおける前記筐体の内側を向く面が、前記筐体に接する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、アダプタを固定するとともに、防水性も有する固定部材を備えた、光成端箱を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示の一実施形態に係る光成端箱の斜視図である。
図2図2は、図1の光成端箱のアダプタに外部からの光コネクタが装着された状態を示す、光成端箱の斜視図である。
図3図3は、図2のIII-III線の位置における光成端箱の内部を示す平面図である。
図4図4は、固定部材の斜視図である。
図5図5は、固定部材の底面図である。
図6図6は、図5のVI-VI線断面を斜めから見た、固定部材の斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本開示の一形態の説明)
まず本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の一態様に係る光成端箱は、
(1) 筐体と、
外部からの光コネクタが装着されるとともに、前記筐体の端部から前記筐体の内部へ、前記光コネクタが装着される方向である第一方向に延在するアダプタと、
前記端部から前記内部へ前記第一方向に延在するとともに、前記アダプタを前記筐体に固定する固定部材と、を備え、
前記固定部材は、
前記第一方向に延在するとともに、前記筐体の前記端部において前記アダプタを露出させる開口部を有する、ベース部と、
前記第一方向に垂直な第二方向に前記ベース部から延在する第一フランジと、
前記第二方向に前記ベース部から延在するとともに、前記第一方向において前記第一フランジよりも前記内部に配置され、前記第一フランジと平行に設けられる第二フランジと、を有し、
前記ベース部は、前記第一フランジよりも前記内部に近い部分において前記アダプタを保持し、
前記第一フランジにおける前記筐体の外側を向く面が、前記筐体に接するとともに、前記第二フランジにおける前記筐体の内側を向く面が、前記筐体に接する。
【0012】
本開示によれば、固定部材は第一フランジと第二フランジとを有し、第一フランジにおける筐体の外側を向く面が筐体に接するとともに、第二フランジにおける筐体の内側を向く面が筐体に接する。このため、固定部材がフランジを有さない場合あるいは一つのフランジしか有さない場合と比較して、固定部材が筐体に対してがたつきにくく、より安定してアダプタを筐体に固定することができる。さらに、固定部材がフランジを有さない場合あるいは一つのフランジしか有さない場合と比較して、筐体の内部への水の侵入をより防ぐことができる。
【0013】
(2)上記(1)において、前記ベース部は、前記第一フランジと前記第二フランジの間で前記アダプタを保持してもよい。
【0014】
本開示によれば、第一フランジと第二フランジの間で、アダプタが固定されるため、より安定してアダプタを筐体に固定することができる。
【0015】
(3)上記(1)または(2)において、前記固定部材は、前記ベース部から前記筐体の前記内部へ、前記第一方向に突出するとともに、前記アダプタの基端部を覆うカバー部をさらに有してもよい。
【0016】
本開示の固定部材は、ベース部から筐体の内部へ、第一方向に突出するとともに、アダプタの基端部を覆うカバー部を有する。カバー部によってアダプタの基端部が覆われるため、使用者が作業中にアダプタの基端部に誤って触れてしまうことを防ぐことができる。
【0017】
(4)上記(3)において、前記光成端箱は、前記内部に、前記第一方向に延在するとともに、前記光成端箱内の内部アダプタを保持する保持板を、さらに備え、
前記第二方向から見たとき、前記カバー部は、前記ベース部と前記保持板の間において、前記アダプタの前記基端部を覆うように設けられていてもよい。
【0018】
カバー部は、ベース部と保持板の間において、アダプタの基端部を覆うように設けられているため、使用者は作業中にアダプタの基端部に誤って触れてしまうことを防ぐことができる。
【0019】
(5)上記(1)から(4)のいずれかにおいて、前記固定部材は硬質樹脂で形成されていてもよい。
【0020】
固定部材は硬質樹脂で形成されているため、防水機能を備えつつ、比較的安価に製造することができる。
【0021】
(本開示の一形態の詳細)
本開示の一形態に係る光ケーブルの光成端箱1の具体例を、図面を参照しつつ説明する。本実施形態における、「上下方向」、「左右方向」、「前後方向」とは、図1に示す光成端箱1について、説明の便宜上、設定された相対的な方向である。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0022】
(光ケーブルの光成端箱の構成)
図1は、本開示の一実施形態に係る光成端箱1の斜視図である。図2は、図1の光成端箱1のアダプタ20に外部からの光コネクタOCが装着された状態を示す、光成端箱1の斜視図である。図3は、図2のIII-III線の位置における光成端箱1の内部を示す平面図である。
【0023】
本実施形態の上下方向は、光成端箱1の高さ方向である。各図において「U」は上方を示し、「D」は下方を示す。本実施形態の前後方向は、上下方向に垂直であって、外部からの光コネクタOCが装着される面を前方、前方の反対側を後方とする。各図において「F」は前方を示し、「B」は後方を示す。本実施形態の左右方向は、上下方向及び前後方向の両方に垂直な方向であって、光成端箱1の幅方向である。各図において「L」は左方を示し、「R」は右方を示す。前後方向は、光コネクタOCが装着される方向である、第一方向D1の一例である。上下方向は、第二方向D2の一例である。
【0024】
図1から図3に示すように、本実施形態の光成端箱1は直方体の形状を有している。光成端箱1は、外部からの光コネクタOCが装着されるように構成されている。光成端箱1は、筐体10と、アダプタ20と、固定部材30と、を備える。本実施形態の光成端箱1は、二つのアダプタ20と、二つの固定部材30とを備えているが、アダプタ20および固定部材30の数は二つに限らない。光成端箱1はさらに、図3に示すように、保持板40を備える。
【0025】
筐体10は直方体の形状を有している。筐体10は、第一部材10Aと、第二部材10Bと、を有している。第一部材10Aは、壁などに取り付けられるように構成されており、筐体10の前面11および底面19で構成されている。第二部材10Bは、第一部材10Aに対して取り外し可能であり、筐体10の後面、左側面、右側面および上面で構成されている。
【0026】
筐体10は、アダプタ20と、固定部材30と、保持板40と、を内部に収容している。筐体10は、外部からの光コネクタOCが装着される前面11を有している。筐体10はさらに、固定部材30と係合する係合部12を有する。本実施形態では筐体10は二つの係合部12を有する。各係合部12は、筐体10の前面11において、一つのアダプタ20と、当該アダプタ20を筐体10に固定する一つの固定部材30とが筐体10の外側を臨むように設けられている。前面11は、筐体10の端部の一例である。
【0027】
本実施形態の係合部12は、第一壁部12Aと、第二壁部12Bと、を有する。第一壁部12Aおよび第二壁部12Bはともに板形状を有する。第一壁部12Aは、筐体10の前面11において、筐体10の底面19から第二方向D2に延在している。第一壁部12Aのうち、筐体10の外側を向く面は前面11である。第一壁部12Aは、アダプタ20を露出させる第一開口部12AOを有している。第二壁部12Bは、第一方向D1において第一壁部12Aよりも筐体10の内部に配置され、筐体10の底面から第二方向D2に延在している。第二壁部12Bは、第一壁部12Aに対して平行に設けられている。第二壁部12Bは、後述する固定部材30のカバー部34が貫通する第二開口部12BOを有している。
【0028】
固定部材30は、筐体10の前面11から内部へ第一方向D1に延在するとともに、アダプタ20を筐体10に固定するように構成されている。固定部材30の詳細は後述する。
【0029】
アダプタ20は、外部からの光コネクタOCが装着されるように構成されている。アダプタ20はさらに、筐体10の前面11から筐体10の内部へ第一方向D1に延在している。本体部21の前面は筐体10の前面11から外側へ露出している。図2は、二つのアダプタ20うち、一方のアダプタ20には外部からの光コネクタOCが装着されており、他方のアダプタ20には防塵キャップが取り付けられている様子を例示している。
【0030】
保持板40は、板形状を有しており、光成端箱1の内部において第一方向D1に延在している。保持板40はさらに、光成端箱1内の複数の内部アダプタIAを保持するように構成されている(図3)。本実施形態において保持板40は、八個の内部アダプタIAを保持しているが、保持する内部アダプタIAの数は八つに限らない。内部アダプタIAは、たとえばSCアダプタである。
【0031】
次に、アダプタ20および固定部材30の詳細を説明する。
図4は、固定部材30の斜視図である。図5は、アダプタ20を保持する固定部材30の底面図である。図6は、図5のVI-VI線断面を斜めから見た、固定部材の斜視断面図である。
【0032】
図5および図6に示すように、アダプタ20は、筐体10の前面11から内部へ第一方向D1に延在する本体部21と、本体部21から筐体10の内部へ突出する基端部22とを、有する。アダプタ20は、たとえば簡易型SCアダプタ(SC型簡易レセプタクル)である。
【0033】
図4から図6に示すように、固定部材30は、ベース部31と、第一フランジ32と、第二フランジ33と、カバー部34と、を有する。固定部材30は、例えば硬質樹脂で形成されている。硬質樹脂は、たとえばポリカーボネート(Polycarbonate)である。本実施形態では、ベース部31と、第一フランジ32と、第二フランジ33と、カバー部34は、全て硬質樹脂で、一体的に形成されている。
【0034】
ベース部31は、第一方向D1に延在するとともに、筐体10の前面11において、アダプタ20を露出させるベース開口部31Aを有している。さらにベース部31は、第一フランジ32よりも、筐体10の内部に近い部分において、アダプタ20を保持するように構成されている。本実施形態においては、ベース部31は、第一フランジ32と第二フランジ33の間で、アダプタ20を保持するように構成されている。より具体的には、ベース部31は、第一フランジ32と第二フランジ33の間で、アダプタ20を係止するように構成された一対の爪部31Bを有している。アダプタ20は、一対の爪部31Bの間に挟まれて保持される。ベース開口部31Aは、ベース部の開口部の一例である。
【0035】
第一フランジ32は、第一方向D1に垂直な第二方向D2に、ベース部31から延在している。第一フランジ32は、筐体10の外側を向く面32Aと、筐体10の内側を向く面32Bと、を有する。筐体10の外側を向く面32Aは、筐体10に接触している。より具体的には、筐体10の外側を向く面32Aは、筐体10の第一壁部12Aに接触している。
【0036】
第二フランジ33は、第二方向D2にベース部31から延在している。さらに第二フランジ33は、第一方向D1において第一フランジ32よりも、筐体10の内部に配置され、第一フランジ32と平行に設けられている。第二フランジ33は、筐体10の外側を向く面33Aと、筐体10の内側を向く面33Bと、を有する。筐体10の内側を向く面33Bは、筐体10に接触している。より具体的には、筐体10の内側を向く面33Bは、筐体10の第二壁部12Bに接触している。
【0037】
カバー部34は、ベース部31から筐体10の内部へ、第一方向D1に突出するとともに、アダプタ20の基端部22を覆うように構成されている(図5)。本実施形態のカバー部34は、アダプタ20の基端部22を全て覆っているが、少なくとも一部を覆っていればよい。カバー部34はさらに、第二方向D2から見たとき、ベース部31と保持板40の間において、アダプタ20の基端部22を覆うように設けられている(図3)。カバー部34と保持板40の間の空間は、人の指が入らないように、狭いことが好ましい。また本実施形態では、筐体10の底面からカバー部34の高さは、筐体10の底面から保持板40の高さとほぼ等しいが、筐体10の底面から保持板40の高さよりも低くてもよい。
【0038】
次に光成端箱1の使用について説明する。
本実施形態では、第一フランジ32における筐体10の外側を向く面32Aが、筐体10の第一壁部12Aに接触しており、第二フランジ33における筐体10の内側を向く筐体10の第二壁部12Bに接触している。このため固定部材30は筐体10に対してがたつくことなく係合されるとともに、アダプタ20は固定部材30を介して筐体10に固定される。また、光成端箱1の前面11において、アダプタ20は、第一壁部12Aの第一開口部12AOおよび固定部材30のベース開口部31Aにより露出している。このため、外部からの光コネクタOCは、アダプタ20の本体部21に容易に装着され得る。当該光コネクタOCは、アダプタ20の本体部21に装着されると、アダプタ20を介して筐体10の内部に収容されている光ファイバに接続される。内部に収容されている光ファイバは内部アダプタIAに接続されており、これら内部アダプタIAは他のコネクタ付き光ファイバと装着されうる。
【0039】
以上説明したように、本実施形態では、固定部材30は第一フランジ32と第二フランジ33とを有する。第一フランジ32における筐体10の外側を向く面32Aが筐体10の第一壁部12Aに接しているとともに、第二フランジ33における筐体10の内側を向く面33Bが筐体10の第二壁部12Bに接している。このため、固定部材がフランジを有さない場合あるいは一つのフランジしか有さない場合と比較して、固定部材30が筐体10に対してがたつきにくく、より安定してアダプタ20を筐体10に固定することができる。さらに、固定部材がフランジを有さない場合あるいは一つのフランジしか有さない場合と比較して、筐体10の内部への水の侵入をより防ぐことができる。
【0040】
アダプタ20は、第一フランジ32と第二フランジ33の間で固定されるため、固定部材30はより安定してアダプタ20を筐体10に固定することができる。
【0041】
固定部材30のカバー部34は、アダプタ20の基端部22を覆っている。特に本実施形態では、カバー部34は、ベース部31と保持板40の間において、アダプタ20の基端部22を覆うように設けられている。このため、使用者が作業中にアダプタ20の基端部22に誤って触れてしまうことを防ぐことができる。
【0042】
固定部材30は硬質樹脂で形成されているため、防水機能を備えつつ、比較的安価に製造することができる。
【0043】
以上、本開示を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本開示の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。また、上記説明した構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本開示を実施する上で好適な数、位置、形状等に変更することができる。
【0044】
上記実施形態では、ベース部31は、第一フランジ32と第二フランジ33の間でアダプタ20を保持していたが、アダプタを保持する場所は第一フランジ32と第二フランジ33の間に限らない。たとえばベース部31は、第二フランジ33よりも内部に近い部分においてアダプタ20を保持してもよい。たとえば、一対の爪部31Bがカバー部34に設けられており、カバー部34が一対の爪部31Bを介してアダプタ20を保持してもよい。
【0045】
上記実施形態では、アダプタ20および内部アダプタIAはSCアダプタであるが、これらはSCアダプタに限らない。アダプタ20または内部アダプタIAはLCアダプタでもよい。
【0046】
上記実施形態では、係合部12は第一壁部12Aおよび第二壁部12Bの二つの壁部を有していたが、係合部12はさらに他の壁部を有してもよい。たとえば係合部12は、第一壁部12Aと第二壁部12Bの間に、筐体10の底面から第二方向D2に延在する第三壁部を有してもよい。第三壁部は、第一フランジ32のうち、筐体10の内側を向く面32Bと接してもよいし、接していなくてもよい。第三壁部は、第一フランジ32のうち筐体10の内側を向く面32Bと接してもよいし、接していなくてもよい。第二フランジ33のうち、筐体10の外側を向く面33Aと接してもよいし、接していなくてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 光成端箱
10 筐体
11 前面
12 係合部
12A 第一壁部
12AO 第一開口部
12B 第二壁部
12BO 第二開口部
20 アダプタ
21 本体部
22 基端部
30 固定部材
31 ベース部
31A ベース開口部
31B 爪部
32 第一フランジ
32A,32B,33A,33B 面
33 第二フランジ
34 カバー部
40 保持板
D1 第一方向
D2 第二方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6