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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012050
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】空調機
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/0007 20190101AFI20240118BHJP
【FI】
F24F1/0007 331
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023012193
(22)【出願日】2023-01-30
(31)【優先権主張番号】P 2022114148
(32)【優先日】2022-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】落合 優介
(72)【発明者】
【氏名】坂野 雄治
(72)【発明者】
【氏名】吉田 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】松本 大樹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 僚祐
【テーマコード(参考)】
3L050
【Fターム(参考)】
3L050BB03
3L050BB05
3L050BB13
3L050BB16
(57)【要約】
【課題】顕熱交換器の交換を効率的に行うことができる空調機を提供する。
【解決手段】空調機は、筐体と、前記筐体の内部に配置され、給気経路と排気経路とを含む熱交換器と、前記熱交換器を収容した状態で前記筐体に着脱される熱交ケースと、を備え、前記熱交換器は、前記給気経路の入口が形成される給気入口面と、前記給気経路の出口が形成される給気出口面と、を有し、前記熱交ケースは、前記給気経路及び前記排気経路と平行な第1壁と、前記給気入口面に対向して配置され前記第1壁が連結される給気入口側フレームと、を含む第1部分と、前記第1壁と対向し前記給気入口側フレームに連結される第2壁と、前記給気出口面に対向して配置され、前記第1壁及び前記第2壁に連結される給気出口側フレームと、を含む第2部分と、を有し、前記第1部分は、前記第2部分と異なる形状を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の内部に配置され、給気経路と排気経路とを含む熱交換器と、
前記熱交換器を収容した状態で前記筐体に着脱される熱交ケースと、を備え、
前記熱交換器は、前記給気経路の入口が形成される給気入口面と、前記給気経路の出口が形成される給気出口面と、を有し、
前記熱交ケースは、
前記給気経路及び前記排気経路と平行な第1壁と、前記給気入口面に対向して配置され前記第1壁が連結される給気入口側フレームと、を含む第1部分と、
前記第1壁と対向し前記給気入口側フレームに連結される第2壁と、前記給気出口面に対向して配置され、前記第1壁及び前記第2壁に連結される給気出口側フレームと、を含む第2部分と、を有し、
前記第1部分は、前記第2部分と異なる形状を有する
ことを特徴とする空調機。
【請求項2】
前記給気入口側フレームは、前記給気出口側フレームと異なる形状を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の空調機。
【請求項3】
前記第1壁は、前記第2壁と異なる形状を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の空調機。
【請求項4】
前記給気出口側フレームと前記給気出口面とに密着するシール部材を備える
ことを特徴とする請求項2に記載の空調機。
【請求項5】
前記シール部材は、前記給気出口側フレームに固定されている
ことを特徴とする請求項4に記載の空調機。
【請求項6】
前記筐体の内部には、前記熱交換器の前記給気経路によって一部が構成される給気流路が配置されており、
前記給気流路は、前記給気入口面から前記給気出口面に向かう第1方向において前記給気出口面よりも下流に位置する第1中間給気流路を含み、
前記給気出口側フレームは、前記第1方向の下流に向けて突出する第1鍔部を有し、
前記給気出口側フレームの前記第1鍔部は、前記第1方向において前記第1中間給気流路と重なる
ことを特徴とする請求項2に記載の空調機。
【請求項7】
前記給気入口側フレームは、前記熱交ケースに対し着脱可能に取り付けられている
ことを特徴とする請求項2に記載の空調機。
【請求項8】
前記第1壁及び前記第2壁には、逆差し防止形状が形成されており、
前記逆差し防止形状により、前記第1壁と前記第2壁とは、異なる形状を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の空調機。
【請求項9】
前記逆差し防止形状は、前記第1壁及び前記第2壁それぞれにおける前記給気入口側フレームの側に位置する端縁により構成され、
前記端縁には、前記給気入口側フレームの外縁に形成された突起が係合する凹部が形成されている
ことを特徴とする請求項8に記載の空調機。
【請求項10】
前記筐体の内部に配置される気化フィルタと、前記気化フィルタを収容した状態で前記筐体に着脱される気化フィルタケースと、前記気化フィルタの上方に配置され前記気化フィルタに給水するフィルタ用給水部とを備え、
前記気化フィルタケースは、上面から前記フィルタ用給水部に向かって延びる柱状リブを有し、
前記フィルタ用給水部から給水された水は、前記柱状リブで囲まれる空間を通過して前記気化フィルタに供給される
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の空調機。
【請求項11】
前記筐体は、開閉可能な扉を有し、
前記フィルタ用給水部は、固定部材により前記扉に固定され、
前記固定部材には、第2シール部材が配置されており、
前記第2シール部材は、前記扉が閉状態の際、前記柱状リブと接触する
ことを特徴とする請求項10に記載の空調機。
【請求項12】
前記筐体の内部には、前記給気経路によって一部が構成される給気流路が配置されており、
前記給気流路は、前記給気入口面から前記給気出口面に向かう第1方向において前記給気出口面よりも下流に位置する第1中間給気流路を含み、
前記気化フィルタケースは、前記第1方向の上流に向けて突出する第2鍔部を有し、
前記気化フィルタケースの前記第2鍔部は、前記第1方向において前記第1中間給気流路と重なる
ことを特徴とする請求項11に記載の空調機。
【請求項13】
前記気化フィルタケースは、回動可能な取手部を有する
ことを特徴とする請求項10に記載の空調機。
【請求項14】
前記気化フィルタケースは、回動可能な取手部を有し、
前記気化フィルタケースの取手部は、前記扉が閉状態の際、前記柱状リブを構成する壁の外側に位置する
ことを特徴とする請求項11に記載の空調機。
【請求項15】
前記筐体は、開閉可能な扉を有し、
前記熱交ケースは、取手部を有し、
前記熱交ケースの取手部は、前記扉に形成され前記熱交換器の前記排気経路に連通する排気流路の外側に位置する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の空調機。
【請求項16】
前記第1壁は、上端から底壁の方向に向けて傾斜する傾斜面を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の空調機。
【請求項17】
前記熱交ケースの底壁は、前記第1壁、前記第2壁、前記給気入口側フレーム、及び前記給気出口側フレームの内の何れかとの連結箇所において穴を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の空調機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調機に関する。
【背景技術】
【0002】
室内の空気を吸い込み、水の気化熱を利用し雰囲気温度を低下させて冷却した空気を室内に吹き出す気化冷却式の空調機が知られており、例えば特許文献1にて示される。特許文献1の空調機において、第2流路を流れる空気は顕熱交換器が有する複数のチューブ内を通過し、第1流路を流れる空気は複数のチューブの周りを通過する。この結果、第2流路を流れる空気と、第1流路を流れる空気と、が熱交換される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-092338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の空調機においては、顕熱交換器の交換等のメンテナンス作業の効率化に関する考慮がされていない。
【0005】
発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、顕熱交換器の交換を効率的に行うことができる空調機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る空調機は、筐体と、前記筐体の内部に配置され、給気経路と排気経路とを含む熱交換器と、前記熱交換器を収容した状態で前記筐体に着脱される熱交ケースと、を備え、前記熱交換器は、前記給気経路の入口が形成される給気入口面と、前記給気経路の出口が形成される給気出口面と、を有し、前記熱交ケースは、前記給気経路及び前記排気経路と平行な第1壁と、前記給気入口面に対向して配置され前記第1壁が連結される給気入口側フレームと、を含む第1部分と、前記第1壁と対向し前記給気入口側フレームに連結される第2壁と、前記給気出口面に対向して配置され、前記第1壁及び前記第2壁に連結される給気出口側フレームと、を含む第2部分と、を有し、前記第1部分は、前記第2部分と異なる形状を有する。
【発明の効果】
【0007】
顕熱交換器の交換を効率的に行える空調機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る空調機の一構成例を示す模式的側断面図である。
図2】空調機の外観の前面を示す斜視図である。
図3】空調機の外観の後面を示す斜視図である。
図4】空調機の外観の下面を示す斜視図である。
図5】水タンクを外した状態での空調機の外観の前面を示す斜視図である。
図6】水タンクの外観を示す斜視図である。
図7】水タンクの側断面図である。
図8】水タンクを取り付けた状態での空調機の側断面図である。
図9】扉を開けることにより冷却ユニットの上面が露出された状態を示す説明図である。
図10】冷却ユニットが取り外された状態を示す説明図である。
図11】扉を閉じられた状態での給水部を示す説明図である。
図12】連結給水路と扉との長さ関係を示す説明図である。
図13】給水部と供給水路との連結構造を示す説明図である。
図14】扉を開閉した際の連結給水路の変位を示す説明図である。
図15】熱交ケースの外観を示す斜視図である。
図16】熱交ケースの分解斜視図である。
図17】熱交ケースが筐体に挿入された状態を示す説明図である。
図18】気化フィルタケースの外観において取手部の立上り状態を示す斜視図である。
図19】気化フィルタケースの外観において取手部の立下り状態を示す斜視図である。
図20】気化フィルタケースの分解斜視図である。
図21】熱交ケースと気化フィルタケースとの間に介在する第1中間給気流路を示す説明図である。
図22】第1中間給気流路の一部を拡大した説明図である。
図23】筐体内に位置するドレンパンの模式的側断面図である。
図24】ドレンパンの底孔と給水孔との位置関係を示す説明図である。
図25】センサ固定部材による水位センサの取付状態における左側を示す説明図である。
図26】センサ固定部材による水位センサの取付状態における右側を示す説明図である。
図27】ドレンパンフィルタの取付状態を示す説明図である。
図28】ドレンパンフィルタの脱着を示す説明図である。
図29】空調機における各機能部を示すブロック図である。
図30】実施形態2に係る扉を開けることにより冷却ユニットの上面が露出された状態を示す説明図である。
図31】冷却ユニットが取り外された状態を示す説明図である。
図32】筐体内に位置する熱交ケースの模式的側断面図である。
図33】熱交ケースの一部を拡大した説明図である。
図34】顕熱交換器を収納した状態での熱交ケースの平面図である。
図35】顕熱交換器を取り外した状態での熱交ケースの平面図である。
図36】筐体内に位置する気化フィルタケースの模式的側断面図である。
図37】返し部を示す模式的側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態に係る空調機1等を、図面を参照しつつ説明する。なお、本開示は以下の例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び特許請求の範囲内での全ての変更が含まれる。
【0010】
(実施形態1)
以下、実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1は、実施形態に係る空調機1の一構成例を示す模式的側断面図である。図2は、空調機1の外観の前面を示す斜視図である。図3は、空調機1の外観の後面を示す斜視図である。図4は、空調機1の外観の下面を示す斜視図である。図1は、空調機1の前面からの断面を模式的に示したものである。図1においては、空調機1の載置状態を空調機1の通常の使用態様とし、上下左右を示す。図2図3図4においては、空調機1の載置状態を空調機1の通常の使用態様として、上下及び前後左右を示す。本実施形態において、鉛直方向は、上下方向を示す。第1水平方向は、左右方向を示す。第2水平方向は、前後方向を示す。
【0011】
空調機1は、例えば、フォークリフト、トラック等の商用車、牽引車、高所作業車、ミニショベル、ゴルフカート等の車両に搭載される。空調機1が、例えばフォークリフト等の移動体に載置される場合、空調機1の本体の電源のオン・オフは、フォークリフトのエンジンのキースイッチのオン・オフに連動して行われるものであってもよい。すなわち、フォークリフトのエンジンをオンにすることにより空調機1の電源はオンにされ、フォークリフトのエンジンをオフにすることにより空調機1の電源はオフにされるものであってもよい。
【0012】
筐体10は、樹脂製又は金属製から成る矩形状の箱体を成し、本体11と、本体11に対して開閉自在な扉12を有する。箱体を成す筐体10は、上面、下面、及び側壁を有する。側壁は、第1側壁111、第2側壁112、第3側壁113、及び第4側壁114を含む。本実施形態において、第1側壁111は後側壁に相当する。第2側壁112は前側壁に相当する。第3側壁113は右側壁に相当する。第4側壁114は左側壁に相当する。従って、第1側壁111と第2側壁112とは対向している。第3側壁113と第4側壁114とは対向している。第3側壁113は、第1側壁111と第2側壁112とを連結している。第4側壁114は、第1側壁111と第2側壁112とを連結している。第1側壁111は、本体側第1側壁1111と、扉側第1側壁1112とで、第1側壁111が構成される。
【0013】
扉12は、本体11の上方に配置されており、本体11に対して開閉可能に構成されている。具体的には、扉側第1側壁1112は、2つの支持部115により、本体側第1側壁1111に連結されている。なお、支持部115は、例えばヒンジを用いることができる。
【0014】
筐体10の第3側壁113及び第4側壁114のそれぞれ下方から下面に亘って、窪み状から成る手掛け部118が、形成されている。当該手掛け部118は、使用者が空調機1を持ち運ぶ際、把持される部分となる。
【0015】
筐体10の上面には、給気を吹き出すダクト431が配置されている。筐体10の第2側壁112の横には、水タンク8が配置される。筐体10の第2側壁112の下方には、水タンク8を配置するためのタンク台部116が位置している。水タンク8は、タンク台部116の上に配置されることにより、第2側壁112を覆うものとなる。タンク台部116の下方には、後述するドレンパン6から水を排水するための排水路781が設置されている。水タンク8は、筐体10に対し着脱可能に篏合されている。水タンク8は、把持部を有し、筐体10から取り外すことができる。水タンク8への水の補充を行う際、水タンク8のみを水道の蛇口に持っていくことが可能となり、空調機1の利用者による水の補充作業負荷が軽減される。水タンク8の側面には縦長の水位確認窓82が配置されている。使用者は、水位確認窓82を介して、水タンク8における残水量を視認できる。
【0016】
筐体10には、被空調空間の空気を吸い込む給気吸込口42及び排気吸込口52が形成されている。更に、筐体10には、給気吹出口43及び排気吹出口53が形成されている。給気吸込口42は、筐体10の第3側壁113に形成されている。排気吸込口52は、筐体10の一部を成す扉12に形成されている。給気吹出口43は、筐体10の上面に形成され、ダクト431と連通している。ダクト431は、給気吹出口43の周方向に回転可能に構成され、ダクト431からの吹き出す給気の風向きを調整する風向調整板432を有するものであってもよい。排気吹出口53は、筐体10の第4側壁114に形成されている。
【0017】
空調機1は、水を貯水する水タンク8と、水タンク8から給水される気化フィルタ2及び顕熱交換器3を含む冷却ユニット20とを備える。気化フィルタ2は、気化フィルタケース22に収納されている。顕熱交換器3は、熱交ケース34に収納されている。気化フィルタケース22及び熱交ケース34の詳細は、後述する。気化フィルタ2は、水タンク8から供給された水の気化熱を用いて雰囲気温度を低下させ、被空調空間を冷却する。顕熱交換器3は、水タンク8から供給された水の顕熱及び潜熱を用いて雰囲気温度を低下させ、被空調空間を冷却する。顕熱交換器3は、熱交換器の一例である。気化フィルタ2は、給気の流れ方向において、顕熱交換器3よりも下流側に配置されている。すなわち、気化フィルタ2は、顕熱交換器3と、給気吹出口43との間に配置されている。
【0018】
顕熱交換器3及び気化フィルタ2を通過し、顕熱交換器3及び気化フィルタ2によって二段階によって冷却された空気が、給気吹出口43から被空調空間に給気として吹き出される。また、顕熱交換器3を通過する際、顕熱交換器3に給水された水により冷却された後、顕熱交換器3にて給気と顕熱交換された空気が、排気吹出口53から空調機1の外部に排気として吹き出される。
【0019】
給気吸込口42と給気吹出口43とは連通しており、給気吸込口42を給気の入口、給気吹出口43を給気の出口として、給気となる空気が流れる給気流路4が、形成される。すなわち、給気は、給気吸込口42から給気流路4に流入し、給気吹出口43から流出する。給気吸込口42には、給気吸込口42から吸い込んだ給気の塵埃を捕集する給気用集塵フィルタが配置されているものであってもよい。
【0020】
排気吸込口52と排気吹出口53とは連通しており、排気吸込口52を排気の入口、排気吹出口53を排気の出口として、排気となる空気が流れる排気流路5が、形成される。すなわち、排気は、排気吸込口52から排気流路5に流入し、排気吹出口53から流出する。排気吸込口52には、排気吸込口52から吸い込んだ排気の塵埃を捕集する排気用集塵フィルタが配置されているものであってもよい。
【0021】
空調機1は、給気及び排気を搬送するためのファンを備える。ファンは、給気を搬送する給気ファン41と、排気を搬送する排気ファン51とを含む。給気ファン41及び排気ファン51は、例えばプロペラファン等の軸流ファン、又はシロッコファンであってもよい。給気ファン41は、給気吹出口43の近傍に配置されており、給気流路4における給気の流れ方向において、冷却ユニット20よりも下流側に位置し、吸い込みファンとして機能する。
【0022】
排気ファン51は、排気吹出口53の近傍に配置されており、排気流路5における排気の流れ方向において、顕熱交換器3よりも下流側に位置し、吸い込みファンとして機能する。給気ファン41及び排気ファン51は、これら態様に限定されず、いずれも押し出しファン又は吸い込みファンであってもよい。給気ファン41及び排気ファン51を押し出しファンとする場合、給気ファン41は、給気吸込口42の近傍に配置され、排気ファン51は、排気吸込口52の近傍に配置される。
【0023】
排気ファン51によって搬送される排気は、排気吸込口52から吸い込まれ、顕熱交換器3の排気経路32に流入する。排気吸込口52は、扉12に形成されているため、排気吸込口52から吸い込まれた排気は、扉12を通過した後、顕熱交換器3の排気経路32に流入する。
【0024】
顕熱交換器3には、給気が流れる給気経路31と排気が流れる排気経路32とが配置されている。すなわち、顕熱交換器3は、給気経路31及び排気経路32を含む。上述のとおり、空調機1には、空気の流通経路として、給気が流れる給気流路4と排気が流れる排気流路5とが配置されている。顕熱交換器3の給気経路31は給気流路4の一部を構成し、顕熱交換器3の排気経路32は排気流路5の一部を構成する。
【0025】
顕熱交換器3における給気経路31と排気経路32とは、例えばプラスチックダンボールのような中空構造を有する複数の樹脂プレートにより形成され、これらプレート夫々を並列に配置することにより積層して、顕熱交換器3が構成される。顕熱交換器3は、樹脂プレートの板厚が薄くされることにより、伝熱性が向上すると共に顕熱交換器3の重量が低減される。中空構造は、金属プレートにより構成されるものであってもよい。
【0026】
給気経路31と排気経路32とは、互いに垂直に複数の樹脂プレートが積層されて配置されており、これら樹脂プレートを介して、給気及び排気との間の顕熱交換が行われる。これら積層される複数の樹脂プレートの積層方向は、給気経路31及び排気経路32のそれぞれの経路方向に対し、垂直となる。すなわち本実施形態において、給気経路31の経路方向は右から左となり、排気経路32は上から下となり、これに対し、積層方向は、これら左右及び上下の双方の方向に対し垂直となる前後方向となる。このように給気経路31と排気経路32とが互いに直交することにより、給気経路31を流れる給気と排気経路32を流れる排気とによって、直交流が形成される。
【0027】
顕熱交換器3における対向する2つの側面それぞれには、給気経路31の入口及び出口が形成されている。本実施形態における図示において、給気経路31の入口は顕熱交換器3の右面に位置し、給気経路31の出口は顕熱交換器3の左面に位置している。
【0028】
給気経路31は、給気経路31の入口から給気経路31の出口に向けて連通された複数の空間が積層されて、形成されている。顕熱交換器3における上面には排気経路32の入口が形成され、下面には排気経路32の出口が形成されている。排気経路32は、排気経路32の入口から排気経路32の出口に向けて連通された複数の空間が積層されて、形成されている。
【0029】
冷却ユニット20、すなわち気化フィルタ2及び顕熱交換器3の下方には、上部に開口部を有する箱状のドレンパン6が配置されている。ドレンパン6は、後述する熱交用給水部33から供給された水であって、顕熱交換器3を通過した水を受ける。更に、ドレンパン6は、後述するフィルタ用給水部21から供給された水であって、気化フィルタ2を通過した水を受ける。ドレンパン6は、開口部を気化フィルタ2及び顕熱交換器3の下面に向け、排気の流れ方向において顕熱交換器3よりも下流側に配置されている。すなわち、ドレンパン6の内部空間である貯水空間は、排気流路5の一部を形成する。
【0030】
排気ファン51によって排気吸込口52から吸い込まれ、顕熱交換器3の排気経路32を通過した排気は、上面が開口された箱状を成すドレンパン6の貯水空間を通過して、排気吹出口53から吹き出される。排気は、顕熱交換器3の排気経路32を通過する際、当該排気経路32に対し熱交用給水部33から給水する水と混在する。すなわち、顕熱交換器3の排気経路32において、排気の流れ方向と、水の流れ方向とが同じ方向となり、排気と水とは並行流を形成する。
【0031】
本実施形態における図1上の例示において、給気が流れる給気経路31は、顕熱交換器3の右面から左面に向かって、直線状に配置されている。給気の流れ方向において、給気経路31の出口の下流側には、気化フィルタ2が配置されている。気化フィルタ2は、顕熱交換器3と給気吹出口43との間の給気流路4上に配置されている。顕熱交換器3と気化フィルタ2との間には、第1中間給気流路44が位置するものとなり、当該第1中間給気流路44は、給気流路4の一部を構成する。
【0032】
気化フィルタ2は、矩形状の一面を、給気経路31の出口が形成された顕熱交換器3の左面に対向させて、配置されている。このように気化フィルタ2は、冷却エレメントとして機能する。気化フィルタ2は、例えばレーヨン・ポリエステル、又は不織布等によって成形されている。気化フィルタ2の上部には、ノズル211を有するフィルタ用給水部21が配置されている。フィルタ用給水部21の詳細は、後述する。気化フィルタ2は吸水性を有し、フィルタ用給水部21から給水された水が気化フィルタ2の全面に浸透することにより、水の気化を促進する。気化フィルタ2から給気吹出口43までの給気流路4は、気化フィルタ2から上方に向かって延設されている。
【0033】
顕熱交換器3の給気経路31から流出した給気は、気化フィルタ2を通過し、給気吹出口43から被空調空間に吹き出される。給気経路31の出口から流出した給気は、顕熱交換器3を介して排気により一次冷却されており、気化フィルタ2よって二次冷却されることにより、二段階にて冷却されるものとなる。従って、例えば、気化フィルタ2のみを用いる直接気化方式と比較して、給気の温度が更に低下する。
【0034】
顕熱交換器3の残留水及び気化フィルタ2ユニットの残留水は、顕熱交換器3及び気化フィルタ2の下方に位置するドレンパン6によって受けられ、当該残留水は、ドレンパン6の貯水空間にて貯水されることにより、回収される。ドレンパン6に回収された水は、供給水路7を介して気化フィルタ2ユニット及び顕熱交換器3に供給される。
【0035】
図1に示すように、供給水路7には、ドレンパンフィルタ75、流量センサ77、及び給水ポンプ76が配置されている。給水ポンプ76を駆動することによりドレンパン6に貯水された水は、気化フィルタ2の上方に配置されるフィルタ用給水部21、及び顕熱交換器3の上方に配置される熱交用給水部33のそれぞれに給水ポンプ76により供給される。フィルタ用給水部21のノズル211から滴下された水が、気化フィルタ2に供給される。熱交用給水部33のノズル331から滴下された水が、顕熱交換器3の排気経路32に供給される。このように供給水路7、熱交用給水部33、フィルタ用給水部21、及びドレンパン6によって、冷却ユニット20を構成する気化フィルタ2及び顕熱交換器3と、ドレンパン6との間にて水を循環させる循環水路が形成される。
【0036】
供給水路7は、ドレンパン6の底面61に形成された底孔611に連通している。供給水路7は、筐体10の第1側壁111に沿って、下方から上方に延びて配置される第1給水路71と、熱交用給水部33に接続される第2給水路72、第1給水路71と第2給水路72とを連結する連結給水路73、及び、熱交用給水部33とフィルタ用給水部21とを連結する給水部連結路74を含む。熱交用給水部33、フィルタ用給水部21、給水部連結路74、及び第2給水路72は、扉12に固定されている。第1給水路71、第2給水路72、及び、給水部連結路74は、例えば樹脂製又は金属製のパイプにて構成される。扉12に固定される熱交用給水部33及びフィルタ用給水部21と連結給水路73についての詳細は、後述する。
【0037】
供給水路7は、排水路781に分岐する分岐部78を有する。排水路781は、分岐部78を基端として、先端には、開閉弁又はコックを有する排水口が取り付けられている。排水路781は、例えば樹脂製のパイプにて構成される。排水路781の端部となる先端に配置される排水口は、空調機1が運転される等の通常使用時において、開閉弁が全閉状態とされている。空調機1のメンテナンス等の保守作業時において、開閉弁を開くことにより、ドレンパン6内にて貯水されている水を、排水口から空調機1の外に排出することができる。
【0038】
ドレンパン6と、水タンク8とは、補充水路9によって連通されている。補充水路9は、例えば樹脂製又は金属製のパイプにて構成される。補充水路9には、タンク用ポンプ91及びタンク用流量センサ92が配置されている。補充水路9の一端は水タンク8の下部に接続され、補充水路9の他端は、ドレンパン6の壁面62に形成された給水孔621に接続されている。給水孔621は、供給水路7が接続される底孔611よりも、上方に位置して形成されている。ドレンパン6の底面61の上には、水位センサ63が、センサ固定部材64によって固定されている。水位センサ63は、給水孔621の断面に対する垂線に対し、ずれた位置に固定されている。言い換えると、水位センサ63は、上下方向及び左右方向において、給水孔621から離れた位置に配置されている。
【0039】
図5は、水タンク8を外した状態での空調機1の外観の前面を示す斜視図である。筐体10の第2側壁112の側には、水タンク8を配置するためのタンク台部116が形成されている。タンク台部116は、第2側壁112から前方に突出して位置することにより、タンク台部116と第2側壁112によって段差が形成される。タンク台部116の上面には、円柱状のボス部117が形成されている。本実施形態において、2つのボス部117が、タンク台部116の上面に配置されている。これら2つのボス部117の間には、補充水路9に連通する連通孔が形成されている。上述のとおり、タンク台部116の上面に水タンク8を配置する際、ボス部117は、水タンク8の下面に形成された凹状のボス受け部81に篏合する。これにより、水タンク8を筐体10に取り付ける際の位置決めを効率的に行うことができる。
【0040】
筐体10の第2側壁112には、扉12を閉めた状態に維持するためのロック機構14が、配置されている。ロック機構14は、ロック爪142、ロック爪142が係る係合穴143、ロック爪142を一定方向に付勢するバネ、及びロック爪142をバネの付勢力に抗する方向に動かすための操作部141によって、構成されている。より具体的には、ロック機構14のロック爪142、バネ、及び操作部141は、第2側壁112の一部を構成する扉12の前壁に設けられ、ロック爪142が係る係合穴143は、第2側壁112の一部を構成する本体11の前壁に設けられている。ロック機構14の外面は、第2側壁112と同一面状となるように構成されており、すなわちロック機構14の外面は、第2側壁112の一部を成す。操作部141は、ロック機構14の外面に形成された窪み部の内部に配置されており、扉12を開閉する際に用いられるレバー等により構成される。
【0041】
水タンク8を筐体10に取り付けるにあたり、水タンク8はタンク台部116の上面に配置され、この際、水タンク8の背面と、筐体10の第2側壁112とは、対向する。これにより、第2側壁112に位置するロック機構14は、水タンク8の背面により覆われた状態となる。従って、水タンク8が筐体10に取り付けられた状態において、空調機1の操作者が、操作部141を操作し、扉12を開けることを防止することができる。
【0042】
図6は、水タンク8の外観を示す斜視図である。図7は、水タンク8の側断面図である。水タンク8は、例えば、樹脂性又は金属製であり、矩形の箱状を成す。水タンク8の下面には、タンク台部116のボス部117に対応するボス受け部81が形成されている。本実施形態のようにボス部117が凸状に形成されている場合、ボス受け部81は凹状に形成されることにより、ボス部117とボス受け部81とが篏合する。
【0043】
水タンク8の下面において、2つのボス受け部81の間には、筒状に突出した流出用筒部83が、形成されている。流出用筒部83の内部空間は、水タンク8の内部の水が、流出する流出用孔として機能する。水タンク8内の水は、当該流出用筒部83から、補充水路9に流れ込む。流出用筒部83には、水タンク8が取り外された状態において、水タンク8からの水の流出を止める弁体が配置されているものであってもよい。
【0044】
水タンク8の上面には、水タンク8に水を入れる際に用いられる流入用孔が形成されている。
【0045】
図8は、水タンク8を取り付けた状態での空調機1の側断面図である。本側断面図は、筐体10を第3側壁113から見た状態におけるものである。水タンク8、及び水タンク8からの水をドレンパン6に供給する給水ポンプ76は、鉛直方向及び、顕熱交換器3における給気経路31の給気入口から給気出口に向かう方向と垂直な方向において、顕熱交換器3及びドレンパン6と異なる位置に配置される。すなわち、顕熱交換器3の給気経路31の経路方向と、鉛直方向とにより定義される面を基準とした側面視において、上下に並ぶ顕熱交換器3とドレンパン6に対し、水タンク8と水タンク8の下方に位置する給水ポンプ76は、異なる位置に配置される。このような機内配置とすることにより、水タンク8及び給水ポンプ76を、顕熱交換器3及びドレンパン6の横に配置でき、空調機1の筐体10における全高、すなわち製品高さを低くすることができる。
【0046】
図9は、扉12を開けることにより冷却ユニット20の上面が露出された状態を示す説明図である。図10は、冷却ユニット20が取り外された状態を示す説明図である。図11は、扉12を閉じられた状態での給水部を示す説明図である。筐体10は、開閉自在に構成される扉12を有する。すなわち、扉12は、筐体10の一部を構成するものとなり、扉12の上面は、筐体10の上面の一部を成す。扉12の前壁は、筐体10の第2側壁112の一部を成し、当該扉12を閉じた状態で本体11に固定するためのロック機構14の一部が配置されている。操作部141を操作することにより、ロック機構14のロックが解除され、扉12は、第1側壁111に配置される支持部115にて軸回転し、開いた状態となる。
【0047】
扉12は、箱状を成し、扉12の内部には、フィルタ用給水部21、及び熱交用給水部33が配置されている。これらフィルタ用給水部21及び熱交用給水部33は、箱状を成す扉12の内部に固定されている。従って、フィルタ用給水部21及び熱交用給水部33は、扉12の開閉に連動して、冷却ユニット20に対する位置状態又は姿勢が変化するものとなる。
【0048】
扉12が閉じている場合、フィルタ用給水部21及び熱交用給水部33は、冷却ユニット20を上方の一面、すなわち上面の垂線方向において、当該上面と対向する第1姿勢をとる。扉12が空いている場合、フィルタ用給水部21及び熱交用給水部33は、冷却ユニット20の上面の垂線方向と直交する平面方向において、当該上面から離れた位置に配置される第2姿勢をとる。このように扉12にフィルタ用給水部21及び熱交用給水部33を固定することにより、扉12の開閉に連動して、当該フィルタ用給水部21及び熱交用給水部33を、第1姿勢と第2姿勢との間を移動させることができる。
【0049】
本実施形態において、フィルタ用給水部21及び熱交用給水部33は扉12に固定されるとしたが、これに限定されない。フィルタ用給水部21及び熱交用給水部33は、扉12には固定されず、扉12と本体11との間に介在する中蓋として、配置されるものであってもよい。当該中蓋の部位として構成されるフィルタ用給水部21及び熱交用給水部33は、中蓋の開閉状態に応じて、第1姿勢及び第2姿勢をとることができる。
【0050】
扉12に固定されるフィルタ用給水部21及び熱交用給水部33は、給水部連結路74によって連結される。本実施形態において、熱交用給水部33は、2つ配置されており、供給水路7における水の流れ方向において、下流側に位置する熱交用給水部33と、フィルタ用給水部21とが、給水部連結路74によって接続される。これら2つの熱交用給水部33は、第2給水路72により接続され、当該第2給水路72は、L字状に曲折した後、連結給水路73の一端に接続されている。連結給水路73の他端は、筐体10の第1側壁111、より詳しくは、本体側第1側壁1111に沿って配置される第1給水路71に接続されている。詳細は後述するが、連結給水路73は可撓性を有し、扉12を開閉する際に発生する応力を緩和又は吸収する。
【0051】
図9に示すように、熱交用給水部33は、例えば樹脂製又は金属製の直方体形状の中空パイプで構成され、顕熱交換器3と対向する面である下面には、穴332が形成されたノズル331が、複数配置されている。第2給水路72は、熱交用給水部33の上方を通過しており、熱交用給水部33の上部に設けられた連通口に接続される。連結給水路73から第2給水路72に流れ込んだ水は、熱交用給水部33の上部に設けられた連通口を介して熱交用給水部33に供給される。そして、熱交用給水部33に供給された水は、下面に位置する複数のノズル331の穴332から顕熱交換器3の上面に滴下される。なお、顕熱交換器3の上面は、冷却ユニット20の上面の一部を成している。
【0052】
フィルタ用給水部21は、例えば樹脂製又は金属製の直方体形状の中空パイプで構成され、気化フィルタ2と対向する面である下面には、穴212が形成されたノズル211が、複数配置されている。また、フィルタ用給水部21の右面、すなわち熱交用給水部33側の側面にも穴が設けられている。フィルタ用給水部21は、上下方向において給水部連結路74と同じ高さに位置しており、フィルタ用給水部21の側面に設けられた連通口に接続される。第2給水路72から給水部連結路74に流れ込んだ水は、フィルタ用給水部21の側面に設けられた連通口を介してフィルタ用給水部21に供給される。そして、フィルタ用給水部21に供給された水は、下面に位置する複数のノズル211の穴212から気化フィルタ2の上面に滴下される。なお、気化フィルタ2の上面は、冷却ユニット20の上面の他部を成している。つまり、顕熱交換器3の上面と気化フィルタ2の上面とで冷却ユニット20の上面は構成されている。冷却ユニット20の上面は、冷却ユニットの一面の一例である。
【0053】
フィルタ用給水部21及び熱交用給水部33は給水部連結路74により直列接続されるものとなり、給水部連結路74には、後述するオリフィス741が形成されているものであってもよい。これにより、フィルタ用給水部21による体積流量を、熱交用給水部33による体積流量よりも少なくすることができる。フィルタ用給水部21と熱交用給水部33とにおける流量調整は、給水部連結路74のオリフィス741を用いる場合に限定されず、フィルタ用給水部21のノズル211の穴径を、熱交用給水部33のノズルの穴径よりも小さくすることにより、流量調整を行うものであってもよい。
【0054】
このような接続形態とすることにより、箱状を成す扉12の内部には、第2給水路72、熱交用給水部33、給水部連結路74、及びフィルタ用給水部21が、給水の流れ方向において、この順番で配置されるものとなる。箱状を成す扉12の内部空間において、フィルタ用給水部21が配置される領域と、熱交用給水部33が配置される領域とは、区分けされている。当該熱交用給水部33が配置される領域は、扉12の上面に形成された排気吸込口52と連通することにより、排気流路5の一部を構成する。すなわち、排気吸込口52から吸込まれた排気は、扉12の内部における熱交用給水部33が配置される領域を通過した後、顕熱交換器3の排気経路32に流入する。熱交用給水部33は、扉12に固定されるにあたり、例えば、矩形筒状の枠体により保持されるものであってもよい。この場合、熱交用給水部33を保持する枠体の内部が、排気流路5の一部を構成するものとなる。熱交用給水部33とフィルタ用給水部21と接続する給水部連結路74は、当該枠体に形成された貫通孔を通過して配置されている。
【0055】
フィルタ用給水部21が配置される領域は、扉12の内部に位置する排気流路5とは、区分けされて構成されているため、当該領域には、扉12に形成された排気吸込口52から吸込まれた排気は、流入しない。すなわち、筐体10を上方から平面視した際、扉12に形成された排気吸込口52は、フィルタ用給水部21からずれた位置となるように配置されており、その上で、熱交用給水部33と重なる位置に配置されている。
【0056】
フィルタ用給水部21は、固定部材122により扉12に固定され、固定部材122には、第2シール部材123が取り付けられている、扉12が閉じられた場合、第2シール部材123は、気化フィルタケース22の柱状リブ221の上端と接することにより、給気流路4におけるシール性を担保する。気化フィルタケース22等の詳細については、後述する。
【0057】
扉12には、後述する熱交ケース34の取手部37が収容される収容部121が、形成されている。収容部121は、扉12を閉めた状態において、熱交ケース34の取手部37の位置に対応して配置されており、扉12の内側にて凹状となるように形成されている。扉12を閉めた状態において、熱交ケース34の取手部37は、収容部121に篏合されるため、当該取手部37を、フィルタ用給水部21、熱交用給水部33、及び給水部連結路74と干渉しないように配置させることができる。このように熱交ケース34の給気入口側フレーム35及び給気出口側フレーム36それぞれに形成された取手部37それぞれは、扉12の内部の排気流路5を構成する壁体等の外側に位置するものとなり、当該排気流路5における通風抵抗を軽減することができる。取手部37と連結給水路73との位置関係に関しては、連結給水路73は、鉛直方向と直交し、第1側壁111から第2側壁112に向かう第2水平方向において、取手部37に対しずらして配置されている。これにより、連結給水路73は、給水部から冷却ユニット20に対し水が給水される際の流路から、外れた位置に配置することができる。
【0058】
このように開閉自在に構成された扉12には、フィルタ用給水部21及び熱交用給水部33が固定されており、扉12を閉めることにより、フィルタ用給水部21及び熱交用給水部33を、気化フィルタ2及び顕熱交換器3の上方に位置させ、水を滴下できる状態である第1姿勢とすることができる。更に、扉12を開けることにより、フィルタ用給水部21及び熱交用給水部33を、気化フィルタ2及び顕熱交換器3の上面を露出する状態である第2姿勢とすることができる。上述のとおり、気化フィルタ2は気化フィルタケース22に収納され、顕熱交換器3は熱交ケース34に収納された状態にて、筐体10の内部に配置されている。扉12を開けることにより、空調機1を上面から見た平面視において、空調機1の運転時において冷却ユニット20の上方に位置するフィルタ用給水部21及び熱交用給水部33は、空調機1を上面から見た平面視にて冷却ユニット20と異なる位置に移動される。これにより、気化フィルタケース22及び熱交ケース34を上方に向けて引き抜き、筐体10から取り外すことができ、気化フィルタ2及び顕熱交換器3に対する清掃又は交換等のメンテナンス作業を効率的に行うことができる。
【0059】
図12は、連結給水路73と扉12との長さ関係を示す説明図である。図13は、給水部と供給水路7との連結構造を示す説明図である。筐体10の第1側壁111に沿って配置される第1給水路71と、扉12に固定される熱交用給水部33に接続される第2給水路72とを、接続する連結給水路73は、可撓性を有し、例えば、軟性の高い樹脂管又はゴムホース等により構成される。
【0060】
熱交用給水部33とフィルタ用給水部21とは、オリフィス741が配置された給水部連結路74により接続される。熱交用給水部33の先端には、ノズルが配置され、ノズルの孔の断面の垂線は、排気経路32と平行である。これにより、熱交用給水部33のノズルによる水の出水方向は、熱交用給水部33における排気経路32に沿った方向となり、給気経路31に対しては垂直、すなわち直交となる。フィルタ用給水部21の先端には、ノズルが配置され、ノズルの孔の断面の垂線は、排気経路32と平行である。これにより、フィルタ用給水部21のノズル211による水の出水方向は、気化フィルタ2における給気の流れ方向に対し、垂直となる。なお、本実施形態では、排気経路32内での排気の流通方向は、各ノズルから流出する水の出水方向と並行となっている。
【0061】
連結給水路73の一端は第1給水路71に接続され、連結給水路73の他端は第2給水路72に接続される。第1給水路71と連結給水路73との連結部分である第1連結部731は、第4側壁114よりも第3側壁113に近い位置に配置される。第1連結部731は、例えばL字のエルボ等の連結部品により構成される。第2給水路72と連結給水路73との連結部分である第2連結部732は、第3側壁113よりも第4側壁114に近い位置に配置される。第2連結部732は、例えばL字のエルボ等の連結部品により構成される。連結給水路73を、第1側壁111の長手方向、すなわち第3側壁113から第4側壁114に向かう第1水平方向に沿うように配置することができ、連結給水路73の経路長を比較的に長くすることができる。更に、連結給水路73の経路長は、鉛直方向と直交し、第3側壁113から第4側壁114に向かう第1水平方向における扉12の長さよりも、長い。
【0062】
このように連結給水路73の経路長を長くすることにより、扉12の開閉により連結給水路73にねじれが生じるものであっても、単位長さにおける当該ねじれによる変形量を低減することができ、扉12の開閉回数に対する連結給水路73の耐用年数を向上させることができる。又、連結給水路73を直線形状とすることができ、例えば蛇腹状のパイプを用いる場合よりも部品サイズを小型化して省スペース化することができる。
【0063】
連結給水路73は、第1側壁111の内面に配置される保持部に保持されるものであってもよい。保持部は、例えば、L字状の樹脂部材から成り、連結給水路73を下方から支えることにより保持するものであってもよい。又は、保持部は、例えば、リンク状の樹脂部材から成り、連結給水路73をリンク内に挿通することにより、連結給水路73を保持するものであってもよい。保持部により、連結給水路73を、第1側壁111に近接させて保持することができる。当該保持部は、第1給水路71と連結給水路73との第1連結部731の側に偏倚させて、位置するものであってもよい。すなわち、保持部から第1給水路71と連結給水路73との第1連結部731までの長さは、保持部から第2給水路72と連結給水路73との第2連結部732までの長さよりも、短い。このように連結給水路73を保持する保持部を配置することにより、可撓性を有する連結給水路73が、撓むことを抑制することができる。
【0064】
図14は、扉12を開閉した際の連結給水路73の変位を示す説明図である。扉12を閉めた状態において、連結給水路73は、第1側壁111の内面に沿って、直線状に配置される。この際、連結給水路73は、扉12に形成された排気吸込口52から、顕熱交換器3の排気経路32の入口に至る排気流路5から、外れた位置に配置されるものとなる。従って、連結給水路73が、排気流路5における流路抵抗となることを防止することができる。
【0065】
扉12を開けた状態において、第2給水路72と連結給水路73との第2連結部732は、扉12の回動と連動して、第1側壁111の前方、すなわち筐体10の外側に引っ張られるものとなる。これにより、連結給水路73は、第1側壁111の内面に配置された保持部により保持される部位を基点として、第1側壁111の前方に位置する第2給水路72との第2連結部732に向かって位置するものとなる。これにより、扉12を開けた際、筐体10を上方から見た平面視において、連結給水路73を、気化フィルタケース22及び熱交ケース34と重ならない位置に移動させることができる。従って、扉12を開けて、気化フィルタケース22及び熱交ケース34を上方に引き出して、筐体10から取り外す際、気化フィルタケース22及び熱交ケース34の引き出し方向にて連結給水路73が位置しなくなるため、気化フィルタケース22及び熱交ケース34が連結給水路73に引っかかることを防止することができる。
【0066】
図15は、熱交ケース34の外観を示す斜視図である。図16は、熱交ケース34の分解斜視図である。図17は、熱交ケース34が筐体10に挿入された状態を示す説明図である。熱交ケース34は、給気入口側フレーム35、給気出口側フレーム36、前壁341及び後壁342を有し、顕熱交換器3を収納する。
【0067】
給気入口側フレーム35は、顕熱交換器3の給気経路31の入口側に配置される。給気出口側フレーム36は、顕熱交換器3の給気経路31の出口側に配置される。顕熱交換器3の給気経路31の入口は、給気入口面311に形成されている。従って、給気入口側フレーム35は、給気入口面311と対向している。顕熱交換器3の給気経路31の出口は、給気出口面312に形成されている。従って、給気出口側フレーム36は、給気出口面312と対向している。給気入口側フレーム35と給気出口側フレーム36とは、対向しており、これら給気入口側フレーム35と給気出口側フレーム36との組み合わせにより、第1対向部を構成する。
【0068】
前壁341は、給気入口側フレーム35と給気出口側フレーム36とを連結する。後壁342は、給気入口側フレーム35と給気出口側フレーム36とを連結する。前壁341と後壁342とは、対向しており、これら前壁341と後壁342との組み合わせにより、第2対向部を構成する。
【0069】
給気入口側フレーム35及び給気出口側フレーム36のそれぞれの上面には、熱交ケース34を本体から引き出す際に把持される取手部37が、形成されている。給気入口側フレーム35及び給気出口側フレーム36のそれぞれの取手部37は、矩形状の枠体を成す。給気入口側フレーム35の取手部37は、後壁342の側に偏倚させて配置されている。給気出口側フレーム36の取手部37は、前壁341の側に偏倚させて配置されている。
【0070】
給気入口側フレーム35は、熱交ケース34の本体から脱着可能に構成されている。給気入口側フレーム35の外縁352には、爪状の突起353が、複数、形成されている。これら突起353は、給気入口側フレーム35の外縁において、後壁342の外縁と、前壁341の外縁とにのみ、形成されているものであってもよい。前壁341と後壁342とには、爪状の突起353が係合する凹部343が、複数、形成されている。複数の凹部343が形成されている前壁341及び後壁342の端縁は、熱交ケース34を筐体10に挿入して収納する際、逆差し防止形状351として機能する。又は、熱交ケース34の本体における縁部には、給気入口側フレーム35を上方から挿入する際の溝部が形成されているものであってもよい。当該溝部は、熱交ケース34を上面から見た平面視にてL字状を成すものであってもよい。給気入口側フレーム35は、当該溝部に対応する周縁部を有し、給気入口側フレーム35の周縁部を、熱交ケース34の本体の縁部に形成された溝部に合わせることにより、給気入口側フレーム35を熱交ケース34の本体に効率的に嵌合することができる。このように給気入口側フレーム35に形成された周縁部は、熱交ケース34を筐体10に挿入する際、逆差し防止形状351として機能するものであってもよい。
【0071】
すなわち、給気出口側フレーム36には、給気入口側フレーム35に形成された逆差し防止形状351と同様の部位は、形成されていないため、給気出口側フレーム36と給気入口側フレーム35との形状を異ならせることができる。筐体10には、給気入口側フレーム35に形成された逆差し防止形状351に対応する受け部が形成されており、例えば、熱交ケース34の向きを逆向きにした場合、熱交ケース34を筐体10に挿入ことができない。従って、熱交ケース34の交換又は清掃等のメンテナンス作業を行うにあたり、作業者による熱交ケース34の誤挿入を確実に防止することができる。
【0072】
本実施形態において、逆差し防止形状351は、対向する給気入口側フレーム35と給気出口側フレーム36とにおいて、給気入口側フレーム35に形成されるものとしたが、これに限定されない。逆差し防止形状は、対向する前壁341と後壁342とにおいて、いずれかの一方の壁に形成されるものであってもよい。前壁341又は後壁342のいずれか一方のみに、例えば、外側に向かって突出するリブが、上下方向に沿って形成されているものであってもよい。前壁341又は後壁342において、リブが形成されている壁に対向する筐体10の内面には、当該リブが篏合する溝が、上下方向に沿って形成されているものであってもよい。リブは、前壁341又は後壁342のいずれか一方のみに形成されているため、熱交ケース34を筐体10内に収容するにあたり、前壁341と後壁342とが逆になる状態にて、当該熱交ケース34が筐体10に挿入されることを防止できる。すなわち、前壁341又は後壁342のいずれか一方のみに形成されたリブを、逆差し防止形状として機能させることができる。
【0073】
給気出口側フレーム36の内面には、枠状のシール部材361が貼付されている。すなわち、シール部材361は、給気出口側フレーム36の内面と、顕熱交換器3の給気経路31の出口面との間に介在して配置されている。このようにシール部材361を配置することにより、給気入口側フレーム35を通過した給気が、顕熱交換器3の給気経路31に流入することなく、バイパスすることを抑制することができる。更に、同様のシール部材361が、顕熱交換器3の下側に位置するように、熱交ケース34の下部に配置されるものであってもよい。これにより、排気吸込口52からの排気が、顕熱交換器3の排気経路32に流入することなく、バイパスすることを抑制することができる。給気出口側フレーム36には、第1中間給気流路44におけるシール性を担保するための第1鍔部が形成されている。第1鍔部の詳細については、後述する。
【0074】
図18は、気化フィルタケース22の外観において取手部223の立上り状態を示す斜視図である。図19は、気化フィルタケース22の外観において取手部223の立下り状態を示す斜視図である。図20は、気化フィルタケース22の分解斜視図である。気化フィルタケース22は、矩形状の枠体から成り、例えば樹脂製又は金属製である。枠体から成る気化フィルタケース22の内部には、気化フィルタ2が収納される。気化フィルタ2は、給気の入口が形成されるフィルタ入口面201と、給気の出口が形成されるフィルタ出口面202とを有する。従って、フィルタ入口面201からフィルタ出口面202に向かう第1方向は、気化フィルタ2を通過する給気の流れ方向に相当する。
【0075】
気化フィルタケース22の上面には、上方に向かった突出する柱状リブ221が形成されている。柱状リブ221は、矩形筒状を成し、柱状リブ221により形成される内部区間は、扉12に固定されるフィルタ用給水部21から供給される水が、気化フィルタ2に滴下する際の流路として機能する。
【0076】
矩形筒状を成す柱状リブ221の外周を覆うように、気化フィルタケース22の上面における各縁部それぞれから突出した壁面62が配置されている。当該壁面62において、対向する2つの壁面62には、Uの字状の取手部223が、回動可能に取り付けられている。回動可能に構成された取手部223は、柱状リブ221と壁面62との間に位置する立下り状態と、気化フィルタケース22の上面から上方に向かった立上り状態とをとる。取手部223を柱状リブ221と壁面62との間に位置する立下り状態とすることにより、フィルタ用給水部21から給水される水の流路上、すなわち柱状リブ221の内部空間から、当該取手部223をずらした位置に配置させることができる。
【0077】
気化フィルタケース22の上面は、気化フィルタ2が収納された状態において、上面の先端部が気化フィルタ2よりも外側に位置するように配置されている。すなわち、気化フィルタケース22の上面は、気化フィルタ2を通過する給気の流れ方向と平行となるように延設されている。このように延設された上面は、第2鍔部222を形成するものとなる。第2鍔部222は、第1中間給気流路44におけるシール性を担保するための部位として機能する。
【0078】
気化フィルタ2が気化フィルタケース22に収納された状態において、気化フィルタ2の一面に対向させて、フィルタ用フレーム224が配置される。気化フィルタ2を通過する給気の流れ方向において、フィルタ用フレーム224は、気化フィルタ2の上流側に配置されている。フィルタ用フレーム224は、気化フィルタケース22の本体から脱着可能に構成されており、フィルタ用フレーム224を外した状態において、気化フィルタ2を気化フィルタケース22から取り外すことができる。フィルタ用フレーム224の外縁には、爪状の突起226が、複数、形成されている。気化フィルタケース22の本体において、フィルタ用フレーム224が篏合する周縁には、突起226が係合する凹部227が、複数、形成されている。フィルタ用フレーム224の突起226と、気化フィルタケース22の本体における周縁に形成された凹部227とが係合することにより、フィルタ用フレーム224は気化フィルタケース22の本体から脱着可能に構成される。又は、気化フィルタケース22の本体における縁部には、フィルタ用フレーム224を上方から挿入する際の溝部が形成されているものであってもよい。フィルタ用フレーム224は、当該溝部に対応する周縁部を有し、フィルタ用フレーム224の周縁部を、気化フィルタケース22の本体の縁部に形成された溝部に合わせることにより、フィルタ用フレーム224を気化フィルタケース22の本体に嵌合するものであってもよい。フィルタ用フレーム224の外面には、環状リブ225が、周方向に亘って形成されている。当該環状リブ225は、第1中間給気流路44におけるシール性を担保する部位として機能する。
【0079】
図21は、熱交ケース34と気化フィルタケース22との間に介在する第1中間給気流路44を示す説明図である。図22は、第1中間給気流路44の一部を拡大した説明図である。空調機1を第2側壁112の側から見た際の正面視において、顕熱交換器3を収納する熱交ケース34と、気化フィルタ2を収納する気化フィルタケース22とは、隣り合って配置される。熱交ケース34の給気出口側フレーム36と、気化フィルタケース22のフィルタ用フレーム224とは、対向して配置される。これら対向する熱交ケース34の給気出口側フレーム36と、気化フィルタケース22のフィルタ用フレーム224との間には、給気流路4の一部を構成する第1中間給気流路44が、位置するものとなる。第1中間給気流路44は、例えば、筒状の構造部材441から成り、顕熱交換器3の給気経路31の出口と、気化フィルタ2における給気の入口とを連通する。
【0080】
熱交ケース34の給気出口側フレーム36は、第1中間給気流路44の経路方向において、給気の流れと同じ向きに伸びる第1鍔部を有する。これにより、第1鍔部は、給気方向において、第1中間給気流路44と重なるように配置される。気化フィルタケース22のフィルタ用フレーム224は、第1中間給気流路44の経路方向において、給気の流れと逆向きに伸びる第2鍔部222を有する。これにより、第2鍔部222は、給気方向において、第1中間給気流路44と重なるように配置される。なお、給気方向とは、顕熱交換器3の給気経路31を流通する給気の流れ方向であり、言い換えると、給気方向は、顕熱交換器3の給気入口面311から給気出口面312に向かう第1方向である。本実施形態においては、給気方向は左右方向と平行な方向である。
【0081】
第1中間給気流路44を構成する構造部材441の上部は、断面視にてU字状を成し、上方に向かって2つの上端部が形成されている。当該2つの上端部において、熱交ケース34の側に位置する上端部の端面は、熱交ケース34の給気出口側フレーム36の第1鍔部362の下面と面接触している。2つの上端部において、気化フィルタケース22の側に位置する上端部の端面は、気化フィルタケース22のフィルタ用フレーム224の第2鍔部222の下面と面接触している。更に、気化フィルタケース22の側に位置する上端部における外面は、フィルタ用フレーム224に形成された環状リブ225と接触している。
【0082】
このように第1中間給気流路44に対し、熱交ケース34の給気出口側フレーム36の第1鍔部と、気化フィルタケース22のフィルタ用フレーム224の第2鍔部222及び環状リブ225とが、接触することにより、第1中間給気流路44におけるシール性を担保することができる。本実施形態において、熱交ケース34側の上端部の端面は、熱交ケース34の給気出口側フレーム36の第1鍔部の下面と面接触するとしたが、これに限定されず、当該熱交ケース34側の上端部の端面と第1鍔部の下面との間には、シール部材等が介在して配置されているものであってもよい。本実施形態において、気化フィルタケース22側の上端部の端面は、気化フィルタケース22のフィルタ用フレーム224の第2鍔部222の下面と面接触するとしたが、これに限定されず、気化フィルタケース22側の上端部の端面と第2鍔部222の下面との間には、シール部材等が介在して配置されているものであってもよい。本実施形態において、気化フィルタケース22側の上端部における外面は、フィルタ用フレーム224に形成された環状リブ225と接触するとしたが、これに限定されず、当該外面と環状リブ225との間には、シール部材等が介在して配置されているものであってもよい。
【0083】
本実施形態において、顕熱交換器3を収納する熱交ケース34と、気化フィルタ2を収納する気化フィルタケース22とは、別個のケースとして説明したが、これに限定されない。顕熱交換器3及び気化フィルタケース22は、単一のケースとなる共通ケースに収納されるものであってもよい。この場合、顕熱交換器3及び気化フィルタケース22を収納する共通ケースは、顕熱交換器3と気化フィルタケース22との間に位置する第1中間給気流路44を含むものとなる。
【0084】
図23は、筐体10内に位置するドレンパン6の模式的側断面図である。図24は、ドレンパン6の底孔611と給水孔621との位置関係を示す説明図である。図25は、センサ固定部材64による水位センサ63の取付状態における左側を示す説明図である。図26は、センサ固定部材64による水位センサ63の取付状態における右側を示す説明図である。ドレンパン6は、開口を有する箱状を成し、当該開口を顕熱交換器3及び気化フィルタ2に向け、これら顕熱交換器3及び気化フィルタ2の下方に配置される。顕熱交換器3及び気化フィルタ2から滴下した水は、ドレンパン6によって受けられ、ドレンパン6の内部空間である貯水空間にて、貯水される。
【0085】
ドレンパン6は、底面61及び、当該底面61の縁部から上方に向かって延びる複数の壁面62を有する。底面61には、底孔611が形成されており、底孔611には供給水路7が接続されている。
【0086】
複数の壁面62は、筐体の第1側壁111の側に位置する後面、第2側壁112の側に位置する前面、第3側壁113の側に位置する右面、第4側壁114の側に位置する左面を含む。複数の壁面62のうち、水タンク8によって覆われる第2側壁112の側に位置する壁面62である前面には、給水孔621が形成されている。給水孔621は、補充水路9を介して、水タンク8と連通している。このように水タンク8によって覆われる第2側壁112の側に位置する壁面62に、給水孔621を位置されることにより、水タンク8とドレンパン6とを接続する補充水路9の経路長を短くすることができる。
【0087】
壁面62に形成された給水孔621は、底面61に形成された底孔611よりも、鉛直方向にて上方に位置する。このような位置構成とすることで、ドレンパン6から供給水路7を介して熱交用給水部33及びフィルタ用給水部21に直接給水すると共に、補充水路9を介して水タンク8からドレンパン6に直接給水して水を補充することができる。
【0088】
ドレンパン6の底面61には、例えばフロートスイッチ等にて構成される水位センサ63が配置されている。水位センサ63は、箱状のセンサ固定部材64によって、ドレンパン6の底面61に固定されている。このように固定された水位センサ63は、ドレンパン6の貯水空間の内部に位置するものとなり、ドレンパン6に貯水された水の水位に関する信号である水位信号を出力する。
【0089】
水位センサ63は、壁面62に形成された給水孔621に対し、当該給水孔621の径断面からの垂線方向からずれた位置に配置される。すなわち、給水孔621の経路方向にて定まる水の出水方向から外れるように水位センサ63は、センサ固定部材64により固定されて、ドレンパン6の貯水空間に配置されている。これにより、水タンク8から供給された水が、給水孔621からドレンパン6の貯水空間に流入する際、流入した水が水位センサ63にかかることを抑制することができ、水位センサ63の精度を担保することができる。
【0090】
箱状を成すセンサ固定部材64は、例えば平板状の壁部641を有し、水位センサ63は当該壁部641よって覆われた状態にて、固定される。水位センサ63を覆う壁部641は、水位センサ63と給水孔621との間に位置している。これにより、水タンク8から供給された水が、給水孔621からドレンパン6の貯水空間に流入する際、センサ固定部材64の壁部641によって、当該流入した水を遮蔽することができ、流入した水が水位センサ63にかかることを防止して水位センサ63の精度を担保することができる。
【0091】
上述のとおり、顕熱交換器3は熱交ケース34に収容され、気化フィルタ2は気化フィルタケース22に収容され、これら熱交ケース34と気化フィルタケース22との間には、給気流路4の一部を構成する第1中間給気流路44が位置する。このような位置関係において、顕熱交換器3の給気経路31、第1中間給気流路44、及び気化フィルタ2における給気の通過流路により、直線状となる給気流路4が形成されるものとなる。
【0092】
ドレンパン6は、顕熱交換器3、第1中間給気流路44及び気化フィルタ2の下方に位置するものとなり、これらにより形成される直線状の給気流路4の下方に配置されている。このような配置構成において、顕熱交換器3の給気入り口から給気出口に向かう方向において、水位センサ63は顕熱交換器3よりも下流に位置している。すなわち、空調機1を上方から見た平面視した際、水位センサ63は、顕熱交換器3とは異ならせて配置されており、顕熱交換器3の給気経路31の出口よりも、給気の流れ方向において下流側に配置されている。更に、気化フィルタ2の給気入り口から給気出口に向かう方向において、水位センサ63は気化フィルタ2と異なる位置に配置される。すなわち、空調機1を上方から見た平面視した際、水位センサ63は、気化フィルタ2とは異ならせて配置されており、気化フィルタ2給気入り口よりも、給気の流れ方向において上流側に配置されている。
【0093】
これにより、顕熱交換器3の給気入り口から給気出口に向かう方向において、水位センサ63は顕熱交換器3よりも下流、且つ、気化フィルタ2よりも上流に位置するものとなる。上述のとおり、顕熱交換器3と気化フィルタ2との間には、第1中間給気流路44が位置しており、水位センサ63は、当該第1中間給気流路44の直下となるように配置されている。従って、水位センサ63は、顕熱交換器3及び気化フィルタ2の直下となる位置から外れて配置されているため、顕熱交換器3及び気化フィルタ2から滴下した水が、水位センサ63に直接的にかかることを抑制することができ、これにより水位センサ63の検出精度を担保することができる。
【0094】
図27は、ドレンパンフィルタ75の取付状態を示す説明図である。図28は、ドレンパンフィルタ75の脱着を示す説明図である。ドレンパン6の底面61に形成された底孔611には、供給水路7が接続される。底孔611に接続される供給水路7の一端は、ドレンパン6の底面61の下方に位置しており、供給水路7における経路途中に接続されるドレンパンフィルタ75、給水ポンプ76、及び流量センサ77についても、ドレンパン6の底面61の下方に配置されるものであってもよい。
【0095】
ドレンパンフィルタ75は、円筒状を成し、内部には円筒状のフィルタ本体が収納されている。ドレンパンフィルタ75は、供給水路7に流れる水に含まれる塵埃又は不純物等の汚れを捕集することにより、当該汚れを除去することができる。これにより、フィルタ用給水部21及び熱交用給水部33の詰まりを防ぎ、又、顕熱交換器3及び気化フィルタ2の汚れを抑制することができる。
【0096】
円筒状を成すドレンパンフィルタ75は、フィルタ本体が収納される大径部と、給水の流れ方向において、大径部よりも下流に位置する小径部とを有する。小径部には、環状のパッキンが配置されており、当該パッキンにより、フィルタ本体が捕集した塵埃等が供給水路7に流れ出ることを抑制するものであってもよい。大径部の内径(d1)は、小径部の内径(d2)よりも大きく、すなわちd1>d2となり、更に大径部の経路長さ(l1)は、小径部の経路長さ(l2)よりも長く、すなわちl1>l2となる。このような構成とすることにより、ドレンパンフィルタ75が有するフィルタ本体のサイズ及び表面積を比較的に大きくでき、ドレンパンフィルタ75の交換頻度を低減することができる。
【0097】
ドレンパンフィルタ75は、第2側壁112と平行なタンク台部116の前壁から、着脱可能となるように構成されている。より詳しくは、タンク台部116の前壁には、ドレンパンフィルタ75用の孔が形成されており、ドレンパンフィルタ75は当該孔に挿入されることにより、供給水路7の経路途中に配置される。円筒状を成すドレンパンフィルタ75の端面には、例えば、+状の摘み部が形成されており、当該摘み部を覆うキャップが取り付けられているものであってもよい。このように構成されたドレンパンフィルタ75によって、ドレンパンフィルタ75の取付及び取外し作業を効率的に行うことができる。なお、タンク台部116の前壁の外面は、筐体10の一面を構成している。
【0098】
上述のとおり、第2側壁112の側には、ドレンパンフィルタ75のみならず、水タンク8及び排水路781が配置されている。従って、空調機1のメンテナンス作業等を行う作業員は、第2側壁112の側から、水タンク8の着脱、ドレンパンフィルタ75の着脱、及び排水路781の開閉弁又はコックの操作を行うことができるため、当該メンテナンス作業を効率的に行うことができる。更に、水タンク8を外すことにより、ロック機構14が、露出するものとなり、ロック機構14の操作部141についても、第2側壁112の側から操作することができる。従って、扉12の開閉、更に気化フィルタケース22及び熱交ケース34の取外し及び取付作業を含む一連のメンテナンス作業を全て、第2側壁112の側から行うことが可能となる。このようにメンテナンス作業の際に必要な部位が第2側壁112の側に集約されており、当該第2側壁112を、メンテナンス作業の際に作業者が対峙するサービス面として機能させることができる。
【0099】
図29は、空調機1における各機能部を示すブロック図である。空調機1は、制御部101を含む基板100を有する。基板100には、メモリ及びMPU等を含むマイコン等が実装され、マイコンは、給水ポンプ76及びタンク用ポンプ91等の駆動制御を行う制御部101として機能する。メモリには、制御部101が実行するプログラムが記憶されている。
【0100】
基板100は、例えば、排気流路5を形成する流路壁の外面に配置され、当該流路壁と熱的に接続されることにより、排気流路5を流れる排気によって冷却されるものであってもよい。空調機1が備える電装部品である給気ファン41、排気ファン51、水位センサ63、給水ポンプ76、流量センサ77、タンク用ポンプ91、及びタンク用流量センサ92は、基板100に設けられた制御部101と通信線により通信可能に接続されている。
【0101】
水位センサ63は、例えばフロートセンサ等であり、ドレンパン6に貯水された水の水位の検出結果に関する信号である水位信号を、制御部101に出力する。流量センサ77及びタンク用流量センサ92は例えば例えば羽根車式又はクランプオン式のセンサである。流量センサ77は、供給水路7に流れる水の流量の検出結果に関する信号である第1流量信号を、制御部101に出力する。タンク用流量センサ92は、補充水路9に流れる水の流量の検出結果に関する信号である第2流量信号を、制御部101に出力する。
【0102】
制御部101は、水位センサ63からの取得した信号である水位信号に基づき、ドレンパン6の水位が所定値以下であるか否かを判定し、所定値以下と判定した場合、タンク用ポンプ91を駆動することにより、水タンク8からドレンパン6に水を補充する。制御部101は、流量センサ77及びタンク用流量センサ92からの第1流量信号、第2流量信号に基づき、故障検知又は、水タンク8が空か否かを判定するものであってもよい。
【0103】
本実施形態において、熱交換器として顕熱交換器3を用いたが、熱交換器は全熱交換器であってもよい。また、扉12として、ヒンジ等による支持部115にて本体11に対して回動して開閉可能な扉12を用いたが、これに限定されない。扉12は、前後又は左右にスライド移動するものであってもよい。又は、扉12は、本体11に着脱可能な蓋により構成されるものであってもよい。この場合、蓋の両側には爪があり、本体11側の穴に差し込むように構成されている、爪を抜いたときに、蓋が浮いて顕熱交換器3等を交換できる状態となる。このように爪が外れた状態では、蓋は連結給水路73だけで本体と繋がっているものとなる。このように筐体10が、本体11と、本体11に連結される蓋とを有する場合、本体11の内部に配置される冷却ユニット20の一面である上面は、蓋に覆われる。蓋と冷却ユニット20の上面との間には、上面に水を給水する給水部と、本体11の内部に配置される供給水路7と、給水部と供給水路7とを連結する可撓性を有する連結給水路73とが、配置される。連結給水路73は可撓性を有するため、蓋を完全に取り外すことなく、冷却ユニット20の交換等のメンテナンス作業を行うことができる。
【0104】
本態様にあたっては、空調機1は、給気経路31と排気経路32とを含む冷却ユニット20と、冷却ユニット20の一面に水を給水する給水部とを備える。給水部は、一面の垂線方向において一面と対向する第1姿勢と、垂線方向と直交する平面方向において一面から離れた位置に配置される第2姿勢との間を移動する。給水部は、冷却ユニット20の一面に対向する第1姿勢と、一面から離れた位置に配置される第2姿勢との間を移動するように回動可能に構成されているため、空調機1の運転時は、給水部を第1姿勢にて給水を行うことができる。その上で、空調機1のメンテナンス作業を行う際は、給水部を第2姿勢とすることで、冷却ユニット20の一面は上方からの視野において露出されるため、冷却ユニット20の交換又は清掃等のメンテナンス作業を効率的に行うことができる。なお、給水部は冷却ユニットの一面の少なくとも一部に水を給水するものであればよい。また、冷却ユニットの一面は、冷却ユニットの側面であってもよい。
【0105】
本態様にあたっては、空調機1は、冷却ユニット20を収納する筐体10を備える。筐体10は、冷却ユニット20の上方に位置し開閉可能な扉12を有し、給水部は、当該扉12の固定されている。給水部は、扉12の開閉に連動して、第1姿勢と第2姿勢との間を移動するように構成されており、扉12が閉じた状態にて、第1姿勢をとり、扉12が開いた状態にて、第2姿勢をとるこのように扉12の開閉に連動させて、給水部の姿勢を変位させることにより、冷却ユニット20の交換又は清掃等のメンテナンス作業を効率的に行うことができる。
【0106】
本態様にあたっては、筐体10の第1側壁111には、例えばヒンジ等にて構成される支持部115が取り付けられており、扉12は支持部115により支持されるため、当該支持部115を枢軸として回動することにより、扉12の開閉を円滑に行うことができる。給水部に水を給水するための供給水路7は、第1側壁111に沿って配置される第1給水路71と、扉12に固定され給水部に連結される第2給水路72と、第1給水路71と第2給水路72を連結する連結給水路73とを含み、連結給水路73は可撓性を有する。連結給水路73は、扉12の開閉に伴い変形又は応力を受けるものとなるが、可撓性を有することによる弾性変形の範囲内にて、当該変形等に対応することができ、扉12の開閉回数に対する連結給水路73の耐性を向上させることができる。
【0107】
本態様にあたっては、筐体10は、第1側壁111と対向する第2側壁112と、第1側壁111と第2側壁112とを連結する第3側壁113と、第1側壁111と第2側壁112とを連結し第3側壁113と対向する第4側壁114とを有する。第1給水路71と連結給水路73とを連結する第1連結部731は、第4側壁114よりも第3側壁113に近い位置に配置され、第2給水路72と連結給水路73との連結する第2連結部732は、第3側壁113よりも第4側壁114に近い位置に配置される。このような配置構成とすることにより、連結給水路73の経路長さを比較的に長くとることができ、扉12の開閉に伴い発生する変形において、単位長さあたりの変形量を小さくすることができる。これにより、扉12の開閉回数に対する連結給水路73の耐性を向上させることができる。
【0108】
本態様にあたっては、鉛直方向と直交し、第3側壁113から第4側壁114に向かう第1水平方向における連結給水路73の長さは、第1水平方向における扉12の長さよりも長いものとしている。これにより、連結給水路73の経路長さを比較的に長くとることができ、扉12の開閉に伴い発生する変形において、単位長さあたりの変形量を小さくすることができる。これにより、扉12の開閉回数に対する連結給水路73の耐性を向上させることができる。
【0109】
本態様にあたっては、鉛直方向及び第1水平方向と直交する第2水平方向において、連結給水路73は、冷却ユニット20に対しずらして配置されている。これにより、連結給水路73は、給水部から冷却ユニット20に対し水が給水される際の流路から、外れた位置に配置することができる。
【0110】
本態様にあたっては、冷却ユニット20は、給気経路31と排気経路32とを含む顕熱交換器3と、給気経路31に連通する気化フィルタ2とを含む。給水部は、顕熱交換器3の排気経路32に給水する熱交用給水部33と、気化フィルタ2に給水するフィルタ用給水部21とを含む。従って、顕熱交換器3及び気化フィルタ2のそれぞれに対し、熱交用給水部33及びフィルタ用給水部21から個別に水を給水することができる。供給水路7は、熱交用給水部33とフィルタ用給水部21とを連結する給水部連結路74を含み、熱交用給水部33には第2給水路72が連結されるため、給水される水の流れ方向において、フィルタ用給水部21の上流側に熱交用給水部33を配置することができ、熱交用給水部33への給水を優先的に行うことができる。
【0111】
本態様にあたっては、給水部連結路74には、例えばオリフィス741が配置されており、給水部連結路74における少なくとも一部の内径は、第2給水路72におけるいずれの部位の内径よりも小さくなるように構成されている。すなわち、給水部連結路74の流路抵抗は、第2給水路72の流路抵抗よりも大きい。これにより、給水の流れ方向において給水部連結路74の下流側に位置するフィルタ用給水部21への給水量を、熱交用給水部33への給水量よりも少なくすることができ、熱交用給水部33への給水を優先的に行うことができる。
【0112】
本態様にあたっては、空調機1は、第2側壁112の外面に沿って筐体10に着脱可能に配置される水タンク8を備える。筐体10には、扉12を閉じた状態で本体11に固定するロック機構14が配置されている。ロック機構14は、第2側壁112の外面と同一面上に位置し、水タンク8が筐体10に装着される際、水タンク8に覆われるため、水タンク8が取り外された状態の場合のみ操作部141へのアクセスが可能となるように物理的に制限することができる。これにより、水タンク8が空調機1に取り付けられた状態において、扉12が開けられることを防止することができる。
【0113】
本態様にあたっては、給水部を構成するフィルタ用給水部21、熱交用給水部33は下方に配置されるノズルを有し、ノズルの孔の断面の垂線は、顕熱交換器3における排気経路32と平行である。つまり、ノズルによる出水方向は、排気経路32に沿った方向となり、排気経路32に対し効率的に水を給水することができる。
【0114】
本態様にあたっては、顕熱交換器3は、取手部37が形成された熱交ケース34に収納された状態にて、筐体10の内部に配置される。筐体10の一部を構成する扉12の内面には、熱交ケース34の取手部37が挿入される収容部121が形成されているため、扉12を閉めた際、熱交ケース34の取手部37は収容部121に挿入されるものとなる。これにより、熱交ケース34の取手部37が、筐体10に固定される熱交用給水部33及びフィルタ用給水部21等に対し干渉することを防止することができる。
【0115】
本態様にあたっては、鉛直方向と直交し、筐体10の第1側壁111から第2側壁112に向かう第2水平方向において、連結給水路73は、取手部37に対しずらして配置されている。これにより、連結給水路73が熱交ケース34の取手部37と干渉することを回避することができ、熱交ケース34を筐体10から取り外す際、連結給水路73に引っかかり等して、連結給水路73が破損することを防止することができる。
【0116】
本態様にあたっては、空調機1は、本体11と、本体11に連結される扉12とを有する筐体10と、本体11の内部に配置され、扉12に覆われる一面を有する冷却ユニット20と、扉12と冷却ユニット20の一面との間に配置され、一面に水を給水する給水部と、本体11の内部に配置される供給水路7と、給水部と供給水路7とを連結する可撓性を有する連結給水路73とを備える。冷却ユニット20の交換作業等をする際、扉12を移動して冷却ユニット20の一面を露出させるものとなる。このように扉12を移動することにより連結給水路73が変形又は応力を受けるものとなるが、可撓性を有するため、弾性変形の範囲内にて当該変形等に対応することができ、扉12の開閉回数に対する連結給水路73の耐性を向上させることができる。
【0117】
本態様にあたっては、空調機1は、筐体10の内部に配置され、給気経路31と排気経路32とを含む顕熱交換器3と、顕熱交換器3を収容した状態で筐体10に着脱される熱交ケース34と、を備える。熱交ケース34は、給気経路31及び排気経路32と平行な第1壁341と、給気入口面311に対向して配置され第1壁341が連結される給気入口側フレーム35と、を含む第1部分と、第1壁341と対向し給気入口側フレーム35に連結される第2壁342と、給気出口面312に対向して配置され、第1壁341及び第2壁342に連結される給気出口側フレーム36と、を含む第2部分とを有する。第1部分は、第2部分と異なる形状を有しているので、第1部分と第2部分とは、左右非対称の形状となるように形成されている。従って、熱交ケース34を筐体10に挿入する際、熱交ケース34の向きが逆となった状態にて挿入されることを防止することができる。又は、熱交ケース34は、互いに対向する部位から成る対向部を備え、対向部を構成する一方の部位と他方の部位とは、異なる形状を有するものであってもよい。このように熱交ケース34の対向部は、一方の部位と他方の部位が異なる形状、すなわち左右非対称の形状となるように形成されているため、熱交ケース34を筐体10に挿入する際、熱交ケース34の向きが逆となった状態にて挿入されることを防止することができる。
【0118】
本態様にあたっては、熱交ケース34は、給気経路31の入口側に配置される給気入口側フレーム35と、給気経路31の出口側に配置され、給気入口側フレーム35に対向する給気出口側フレーム36とを有する。熱交ケース34の対向部は、給気入口側フレーム35と、給気出口側フレーム36とから成り、給気入口側フレーム35と給気出口側フレーム36とは、異なる形状を有する。このように熱交ケース34の対向部を成す給気入口側フレーム35と給気出口側フレーム36が異なる形状となるように形成されているため、熱交ケース34を筐体10に挿入する際、熱交ケース34の向きが逆となった状態にて挿入されることを防止することができる。
【0119】
本態様にあたっては、熱交ケース34は、給気経路31の入口側に配置される給気入口側フレーム35と、給気経路31の出口側に配置される給気出口側フレーム36と、給気入口側フレーム35と給気出口側フレーム36とを連結する第1壁341と、給気入口側フレーム35と給気出口側フレーム36とを連結し、第1壁341に対向する第2壁342とを有する。熱交ケース34の対向部は、第1壁341と、第2壁342とから成り、第1壁341と第2壁342とは、異なる形状を有する。このように熱交ケース34の対向部を成す第1壁341と第2壁342が異なる形状となるように形成されているため、熱交ケース34を筐体10に挿入する際、熱交ケース34の向きが逆となった状態にて挿入されることを防止することができる。
【0120】
本態様にあたっては、空調機1は、給気出口側フレーム36の給気出口側フレーム36の内面と、顕熱交換器3の給気経路31の出口面とに密着するシール部材361を備える。すなわち、シール部材361は、給気経路31の出口面と給気出口側フレーム36の内面との間に介在して配置されるものとなる。このようにシール部材361が配置されることにより、給気流路4におけるシール性を担保することができ、非冷却風、すなわち顕熱交換器3を通過していない空気の給気への混入を防止することができる。又、給気が、顕熱交換器3の給気経路31を通過することなくバイパスすることを抑制することができる。
【0121】
本態様にあたっては、給気出口側フレーム36の内面と給気経路31の出口面とに密着するシール部材361は、給気出口側フレーム36に固定されている。これにより、給気流路4におけるシール性を更に向上させることができ、又、シール部材361を顕熱交換器3と一体にするよりもシール性を向上させることができる。更に、給気出口側フレーム36は、熱交ケース34と一体成型化されているものであってもよい。このように熱交ケース34の本体に対し、給気出口側フレーム36及びシール部材361が一体化して固定されることにより、給気流路4において、顕熱交換器3の給気経路31の出口面の側におけるシール性を向上させることができる。
【0122】
本態様にあたっては、筐体10の内部には、顕熱交換器3の給気経路31によって一部が構成される給気流路4が配置されている。給気流路4は、給気入口面から給気出口面に向かう第1方向、すなわち給気方向において、顕熱交換器3の給気経路31の出口が形成される給気出口面312よりも、下流に位置する第1中間給気流路44を含む。給気出口側フレーム36は、第1方向の下流に向けて突出する第1鍔部362を有し、当該第1鍔部362は、第1方向において第1中間給気流路44と重なるように配置されるため、第1中間給気流路44におけるシール性を向上させることができる。これにより、顕熱交換器3の下流に位置する給気流路4への非冷却風、すなわち顕熱交換器3を通過していない空気の給気への混入を防止することができる。
【0123】
本態様にあたっては、給気入口側フレーム35は、熱交ケース34に対し着脱可能に取り付けられている。すなわち、給気出口側フレーム36は、熱交ケース34の本体と一体成型化されているのに対し、給気入口側フレーム35と、熱交ケース34の本体とは分離可能に構成されている。このように熱交ケース34の本体に対し給気入口側フレーム35を着脱可能に取り付けることにより、給気入口側フレーム35を外した状態にて、熱交ケース34に収納されている顕熱交換器3を、当該給気入口側フレーム35が装着される側から取外しことができる。従って、熱交ケース34に収納されている顕熱交換器3の交換を効率的に行うことができる。更に顕熱交換器3の熱交ケース34への着脱時に、シール部材361の破損を抑制することができる。
【0124】
本態様にあたっては、熱交ケース34の第1壁341及び第2壁342には、逆差し防止形状351が形成されている。これにより、第1壁341と第2壁342とは、異なる形状を有するものとなる。当該逆差し防止形状351は、第1壁341及び第2壁342それぞれにおける給気入口側フレーム35の側に位置する端縁により構成される。このように構成された逆差し防止形状351により、第1壁341と第2壁342とを異なる形状とすることができ、熱交ケース34を筐体10に挿入する際、熱交ケース34の向きが逆となった状態にて挿入されることを防止することができる。第1壁341及び第2壁342において、逆差し防止形状351が構成される端縁には、給気入口側フレーム35の外縁352に形成された突起353が係合する凹部343が形成されており、これにより当該逆差し防止形状351を給気入口側フレーム35の側に形成することができる。
【0125】
本態様にあたっては、空調機1は、気化フィルタ2と、気化フィルタ2を収容した状態で筐体10に着脱される気化フィルタケース22とを備えるため、当該気化フィルタケース22を筐体10から取り外すことにより、気化フィルタ2の交換等のメンテナンス作業を効率的に行うことができる。空調機1は、更に気化フィルタ2に給水するフィルタ用給水部21を備え、フィルタ用給水部21から給水された水は、気化フィルタケース22の上面からフィルタ用給水部21に向かって延びる柱状リブ221で囲まれる空間を通過して気化フィルタ2に供給される。このように柱状リブ221で囲まれる空間を、フィルタ用給水部21から給水された水の流路として用いることにより、当該水を気化フィルタケース22内に位置する気化フィルタ2に確実に案内でき、気化フィルタ2への給水を効率的に行うことができる。
【0126】
本態様にあたっては、空調機1の筐体10は、開閉可能な扉12を有し、フィルタ用給水部21は、固定部材122により扉12に固定されている。当該固定部材122には、第2シール部材123が配置されており、第2シール部材123は、扉12が閉状態の際、柱状リブ221の上端部と接触する。フィルタ用給水部21から気化フィルタ2への水の流路となる柱状リブ221の内部空間は、気化フィルタ2における給気の流路と連通するものとなるが、空調機1を運転するにあたり扉12が閉状態にした際、扉12の内面に位置する第2シール部材123に柱状リブ221の上端部が接触することにより、気化フィルタ2を通過する給気への非冷却風の混入を抑制することができる。又、柱状リブ221の上方から給気流路4の外部に給気が漏れることを抑制することができる。
【0127】
本態様にあたっては、気化フィルタケース22は、第1方向、すなわち給気方向の上流に向けて突出する突出する第2鍔部222を有する。より具体的には、気化フィルタケース22のフィルタ用フレーム224は、第1中間給気流路44の経路方向において、給気の流れと逆向きに伸びる第2鍔部222を有する。気化フィルタケース22の第2鍔部222は、第1方向において第1中間給気流路44と重なるように配置されるため、第1中間給気流路44におけるシール性を向上させることができ、気化フィルタ2の上流側に位置する給気流路4への非冷却風の混入を抑制することができる。
【0128】
本態様にあたっては、気化フィルタ2を収納する気化フィルタケース22は、回動可能な取手部223を有する。このように回動可能な取手部223を用いることにより、気化フィルタケース22を筐体10から取り外す際は、取手部223を把持できるように回転させ、回転した取手部223を把持することにより、気化フィルタケース22を筐体10から容易に取り外すことができる。すなわち、回動可能な取手部223によって、空調機1の筐体10のサイズを大型化することなく、気化フィルタケース22の取り出し性を向上させることができる。
【0129】
本態様にあたっては、気化フィルタケース22の取手部223は、回動可能に構成されており、扉12が閉状態の際、柱状リブ221を構成する壁の外側に位置する。これにより、気化フィルタケース22に形成される柱状リブ221の内部空間が、フィルタ用給水部21から気化フィルタ2への水の流路となるにあたり、取手部223を当該流路から外れた位置に配置することができる。
【0130】
本態様にあたっては、熱交ケース34は、取手部37を有する。より具体的には、熱交ケース34の給気入口側フレーム35及び給気出口側フレーム36のそれぞれは、取手部37を有する。これら給気入口側フレーム35及び給気出口側フレーム36のそれぞれ形成された取手部37を把持することにより、筐体10から熱交ケース34を容易に取外しことができる。筐体10の一部を成す扉12には、排気が吸い込まれる排気吸込口52及び排気流路5が形成されている。熱交ケース34の取手部37は、当該扉12に形成される排気流路5の外側に位置しているため、当該排気流路5における通風抵抗を軽減することができる。
【0131】
本態様にあたっては、気化フィルタ2、熱交用給水部33に水を給水する給水部であるフィルタ用給水部21、熱交用給水部33は、供給水路7を介して、ドレンパン6の底面61に形成された底孔611に接続される。ドレンパン6に水を補充する水タンク8は、補充水路9を介して、ドレンパン6の壁面62に形成された給水孔621に接続される。壁面62に形成された給水孔621は、底面61に形成された底孔611よりも、鉛直方向において上方に位置しているため、給水孔621を介して供給された水を、ドレンパン6にて一旦貯水し、貯水した水を、底孔611を介してフィルタ用給水部21、熱交用給水部33に直接供給することができ、ドレンパン6は好適化された構造とされる。これにより、例えば、ドレンパン6と給水部との間の供給水路7に別個の貯水タンク等を配置した場合と比較し、ドレンパン6からの漏水を抑制することができる。又、ドレンパン6と給水部との間の供給水路7に別個の貯水タンク等を配置することを不要とすることができ、製品サイズの小型化及び製品重量の軽減を図ることができる。
【0132】
本態様にあたっては、箱状を成すドレンパン6の貯水空間である内部空間には、水位センサ63が配置されており、当該水位センサ63により、ドレンパン6に貯水された水の水位に関する検出結果を取得することができる。水位センサ63は、ドレンパン6の側面に形成された給水孔621の断面に対する垂線からずらして配置されており、すなわち、給水孔621から給水される水の射出方向である出水方向に対し、ずれた位置に固定されている。従って、給水孔621から給水される水が、水位センサ63にかかることを回避でき、これにより水位センサ63が誤検知することを抑制し、水位の検出精度を担保することができる。
【0133】
本態様にあたっては、水位センサ63は、センサ固定部材64によりドレンパン6の底板に固定されている。センサ固定部材64は、例えば、箱状を成し、壁部641を有する。箱状を成すセンサ固定部材64の壁部641は、水位センサ63と給水孔621の間に位置しているため、給水孔621から給水される水の一部が、仮に水位センサ63の方向に射出された場合であっても、センサ固定部材64の壁部641によって遮蔽される。従って、給水孔621から給水される水が、水位センサ63にかかることを回避でき、これにより水位センサ63が誤検知することを抑制し、水位の検出精度を担保することができる。又、このような壁部641と同等の機能を発揮させるため、例えばセンサ固定部材64とは別個に構成される邪魔板等を配置する場合と比較して部品点数を削減でき、製品コストの低減、製品重量の軽減、及び省スペース化による製品サイズの小型化を図ることができる。
【0134】
本態様にあたっては、水位センサ63はドレンパン6の底板に固定されており、ドレンパン6は顕熱交換器3の下方に位置している。従って、水位センサ63についても、顕熱交換器3の下方に位置するものとなる。その上で、顕熱交換器3における給気経路31の入口から出口に向かう方向において、水位センサ63は、顕熱交換器3よりも下流側に位置しており、すなわち、水位センサ63は顕熱交換器3の直下となる位置から外れて配置されている。顕熱交換器3の直下となる位置は、顕熱交換器3の排気経路32の出口の直下となる位置であり、当該排気経路32の出口からは、気化しなかった水が滴下する。水位センサ63は、給気経路31の入口から出口に向かう方向において顕熱交換器3よりも下流側に位置しているため、排気経路32の出口から滴下した水は、水位センサ63にかかることなく、ドレンパン6によって受けられるものとなる。このように水位センサ63を配置することにより、顕熱交換器3の排気経路32の出口から滴下した水が、水位センサ63にかかることを回避でき、水位センサ63が誤検知することを抑制し、水位の検出精度を担保することができる。
【0135】
本態様にあたっては、水位センサ63はドレンパン6の底板に固定されており、ドレンパン6は気化フィルタ2の下方に位置している。従って、水位センサ63についても、気化フィルタ2の下方に位置する。その上で、水位センサ63は、気化フィルタ2を通過する給気の流れ方向において、気化フィルタ2と異なる位置に配置されており、すなわち、水位センサ63は気化フィルタ2の直下となる位置から外れて配置されている。気化フィルタ2の直下となる位置は、当該気化フィルタ2にて気化しなかった水が滴下する位置に相当する。水位センサ63は、気化フィルタ2を通過する給気の流れ方向において、気化フィルタ2と異なる位置に配置されているため、気化フィルタ2の下方から滴下した水は、水位センサ63にかかることなく、ドレンパン6によって受けられるものとなる。このように水位センサ63を配置することにより、気化フィルタ2から滴下した水が、水位センサ63にかかることを回避でき、水位センサ63が誤検知することを抑制し、水位の検出精度を担保することができる。
【0136】
本態様にあたっては、水位センサ63はドレンパン6の底板に固定されており、ドレンパン6は気化フィルタ2及び顕熱交換器3の下方に位置している。従って、水位センサ63についても、気化フィルタ2及び顕熱交換器3の下方に位置する。その上で、水位センサ63は、給気の流れ方向に沿って配置される顕熱交換器3と気化フィルタ2との間に位置している。すなわち、水位センサ63は、顕熱交換器3及び気化フィルタ2の双方の直下となる位置から外れて、配置されている。従って、顕熱交換器3及び気化フィルタ2それぞれから滴下された水が、水位センサ63にかかることを回避でき、水位センサ63が誤検知することを抑制し、水位の検出精度を担保することができる。
【0137】
本態様にあたっては、ドレンパン6の給水孔621と、フィルタ用給水部21、熱交用給水部33とを接続する供給水路7には、給水ポンプ76が配置され、ドレンパン6に貯水された水は、給水ポンプ76によって汲み上げられる。給水ポンプ76とドレンパン6の底孔611との間に、すなわち給水ポンプ76とドレンパン6の底孔611とを接続する供給水路7には、ドレンパンフィルタ75が配置されている。従って、ドレンパン6に貯水された水は、給水ポンプ76を通過するよりも前にドレンパンフィルタ75を通過するものとなり、ドレンパン6に貯水された水が塵埃又は不純物等の汚れを含む場合であっても、ドレンパンフィルタ75によって当該塵埃を捕集することができる。すなわち、供給水路7及びドレンパン6を介して再循環する水、すなわち循環することにより再利用される水の汚れを除去することができる。これにより、給水ポンプ76、フィルタ用給水部21、及び熱交用給水部33にて詰まりが発生することを抑制し、更に顕熱交換器3及び気化フィルタ2にて汚れが発生することを抑制して顕熱交換器3及び気化フィルタ2の交換頻度を低減することができる。
【0138】
本態様にあたっては、ドレンパンフィルタ75と水タンク8とは、共に、筐体10における同じ一面、すなわち本実施形態においては第2側壁112の側に配置されており、筐体10の一面から着脱可能に取り付けられている。従って、空調機1の操作者又はメンテナンス作業等を行う作業者は、筐体10の第2側壁112等、同じ一面の側から、ドレンパンフィルタ75及び水タンク8の取外し作業等を行うことができ、当該作業を効率的に行うことができる。
【0139】
本態様にあたっては、ドレンパン6の給水孔621と水タンク8とを接続する補充水路9には、タンク用ポンプ91が配置される。水タンク8及びタンク用ポンプ91は、鉛直方向、及び顕熱交換器3を通過する給気の流れ方向と垂直な方向において、顕熱交換器3及びドレンパン6と異なる位置に配置される。これにより、水タンク8及び給水ポンプ76を上下に並べ、顕熱交換器3及びドレンパン6の横、すなわち本実施形態においては前方に配置でき、空調機1の筐体10における全高、すなわち製品高さを低くすることができる。
【0140】
本態様にあたっては、筐体10には、例えば円筒状のボス部117が形成されており、水タンク8の下面には、当該筐体10に形成されたボス部117に対応する孔形状のボス受け部81が形成されている。筐体10のボス部117に対し、水タンク8のボス受け部81が篏合することにより、水タンク8を筐体10に取り付ける際の位置決めを効率的に行うことができる。
【0141】
(実施形態2)
以下、実施形態2に係る空調機1について、図面に基づいて説明する。図30は、実施形態2に係る扉12を開けることにより冷却ユニット20の上面が露出された状態を示す説明図である。図31は、冷却ユニット20が取り外された状態を示す説明図である。実施形態2に係る空調機1の扉12の内部には、実施形態1と同様にフィルタ用給水部21、及び熱交用給水部33が配置されている。更に、扉12の内部には、給水部から垂れた水を受ける水受部が配置されており、当該水受部は、熱交用水受部131と、気化フィルタ用水受部132とを含む。
【0142】
熱交用水受部131は、スコップ状を成し、扉12の内面から垂直方向に突出して配置されている。熱交用水受部131は、熱交用給水部33と支持部115との間に配置されており、すなわち熱交用水受部131の基端部は、扉12の内面において、熱交用給水部33と支持部115との間に位置する。
【0143】
スコップ状を成す熱交用水受部131の先端部は、熱交用給水部33のノズル331よりも、扉12の内面から離れて位置している。熱交用水受部131の突出方向は、熱交用給水部33のノズル331の向きと平行となっており、扉12が閉じられた状態では、熱交用水受部131の突出方向及び熱交用給水部33のノズル331の向きは、下方を向いているものとなる。扉12が開けられた状態では、熱交用水受部131の突出方向及び熱交用給水部33のノズル331の向きは、前方を向いているものとなる。
【0144】
熱交用水受部131は、2つの熱交用給水部33の離間方向に延びる矩形状の平板部と、当該平板部の長手方向の両端に形成された側壁部とを有し、当該平板部と、長手方向の両端に位置する2つの側壁部とにより、スコップ状を成す。熱交用水受部131の平板部の長手方向と、矩形箱状を成す熱交用給水部33の長手方向とは、垂直に交差するように配置されている。
【0145】
扉12が開けられた状態においては、熱交用給水部33は、長手方向が上下方向となる姿勢となり、長手方向に並ぶ複数のノズル331において高低差が発生する。これにより、これら複数のノズル331内に付着又は残留した水が、下方に位置するノズル331から垂れることが想定される。このように扉12を開けることによりノズル331内の水が垂れてきた場合であっても、当該水を、スコップ状を成す熱交用水受部131によって受けることができる。又、熱交用給水部33のノズル331の表面にも、結露水又は滴下した水が付着することがあり、これらノズル331の表面に付着した水が、扉12を開けた際に振るい落とされることが想定される。このように扉12を開けることによりノズル331の表面に付着した水が振るい落とされた場合であっても、当該水を、スコップ状を成す熱交用水受部131によって受けることができる。
【0146】
図32は、筐体10内に位置する熱交ケース34の模式的側断面図である。図33は、熱交ケース34の一部を拡大した説明図である。図34は、顕熱交換器3を収納した状態での熱交ケース34の平面図である。図35は、顕熱交換器3を取り外した状態での熱交ケース34の平面図である。熱交ケース34の第1壁341には、第1壁341の上端から、熱交ケース34の底壁383の方向に向けて傾斜する傾斜面が形成されており、当該傾斜面により熱交用傾斜面部381が構成される。すなわち、熱交用傾斜面部381は、熱交ケース34を筐体10内に配置した際、支持部115が配置される筐体10の第1側壁111に対向する側面である、第1壁341に形成されている。
【0147】
熱交ケース34の第1壁341と、当該第1壁341に対向する顕熱交換器3の側面とにおいて、第1壁341の熱交用傾斜面部381と、顕熱交換器3の側面との面間距離は、上方から下方に向かうにつれ、小さくなるように熱交用傾斜面部381は傾斜している。従って、熱交用傾斜面部381の上端は幅広となり、熱交用傾斜面部381の上端と、顕熱交換器3の側面とにより、熱交用水受部131の先端部が挿入される挿入部が形成される。
【0148】
熱交用傾斜面部381における左右方向の長さは、熱交用水受部131における左右方向の長さよりも大きい。従って、扉12が閉じられた状態では、熱交用水受部131の先端部は、第1壁341の熱交用傾斜面部381と、顕熱交換器3の側面との間に位置するものとなり、すなわち、熱交用傾斜面部381及び当該熱交用傾斜面部381に対向する顕熱交換器3の側面とにより形成される挿入部の中に挿入される。これにより、扉12を閉じることにより、熱交用水受部131にて受けた水を、熱交用傾斜面部381から、熱交用傾斜面部381と顕熱交換器3の側面との間に流し込み、熱交ケース34の下方に位置する底壁383に導水することができる。このように熱交用傾斜面部381が形成される第1壁341の内面と、当該第1壁341に対向する顕熱交換器3の側面との間には、熱交用水受部131にて受けた水が流れるものとなり、第1壁341の内面と顕熱交換器3の側面とにより熱交用排水路382が形成される。すなわち、熱交用排水路382は、熱交用傾斜面部381と、熱交ケース34の底壁383に形成された底壁穴384とを含む。
【0149】
熱交ケース34は、給気入口側フレーム35、給気出口側フレーム36、第1壁341及び第2壁342と連結する枠状の底壁383を有する。底壁383には、例えば三角形状の穴が形成されており、当該三角形状の穴は、底壁穴384に相当する。底壁穴384は、第1壁341、第2壁、給気入口側フレーム35、及び給気出口側フレーム36の内の何れかとの連結箇所、すなわち矩形枠状を成す底壁383の四隅又は角部において1つ以上形成されている。底壁穴384は、例えば、給気入口側フレーム35との連結箇所における両端に位置する2つの角部それぞれに形成されている。熱交ケース34の底壁383において、給気入口側フレーム35との連結箇所の近傍に底壁穴384を形成することにより、底壁383に流れ落ちた水が、給気入口側フレーム35の近傍に位置する給気吸込口から流出することを防止することができる。
【0150】
熱交ケース34の下方にはドレンパン6が配置されており、熱交ケース34とドレンパン6との間には、熱交ケース34を筐体10内に配置する際、当該熱交ケース34が篏合される熱交用嵌合部材39が配置されている。熱交用嵌合部材39は、筐体10の内壁を構成する構造部材として機能するものであってもよい。熱交用嵌合部材39には、底壁穴384に対応した熱交用連通穴391が形成されており、当該熱交用連通穴391は、熱交用排水路382の一部を成す。熱交用排水路382の一部を成す熱交用連通穴391は、ドレンパン6に連通しているため、熱交用排水路382を流れ落ちた水は、最終的に熱交用連通穴391を介してドレンパン6に流入する。これにより、扉12を閉じることにより、熱交用水受部131にて受けた水を、熱交用排水路382を介してドレンパン6に回収することができ、扉12を開閉した際に熱交用給水部33のノズル331から垂れた水が筐体10の外部に流出することを防止することができる。
【0151】
熱交用連通穴391の内径は例えば、3mm(Φ3)であり、底壁穴384の穴面積も、熱交用連通穴391に対応して同様の値に設定されている。このように熱交用連通穴391及び底壁穴384の穴面積を比較的に小さい値とすることにより、熱交用排水路382における通風抵抗を大きくし、顕熱交換器3を通過することなくバイパスすることを十分に抑制することができる。
【0152】
図36は、筐体10内に位置する気化フィルタケース22の模式的側断面図である。気化フィルタ用水受部132は、スコップ状を成し、扉12の内面から垂直方向に突出して配置されている。気化フィルタ用水受部132は、フィルタ用給水部21と支持部115との間に配置されており、すなわち気化フィルタ用水受部132の基端部は、扉12の内面において、フィルタ用給水部21と支持部115との間に位置する。
【0153】
スコップ状を成す気化フィルタ用水受部132の先端部は、フィルタ用給水部21のノズル211よりも、扉12の内面から離れて位置している。気化フィルタ用水受部132の突出方向は、フィルタ用給水部21のノズル211の向きと平行となっており、扉12が閉じられた状態では、気化フィルタ用水受部132の突出方向及びフィルタ用給水部21のノズル211の向きは、下方を向いているものとなる。扉12が開けられた状態では、気化フィルタ用水受部132の突出方向及びフィルタ用給水部21のノズル211の向きは、前方を向いているものとなる。
【0154】
気化フィルタ用水受部132は、矩形状の平板部と、当該平板部の長手方向の両端に形成された側壁部とを有し、当該平板部と、長手方向の両端に位置する2つの側壁部とにより、スコップ状を成す。気化フィルタ用水受部132の平板部の長手方向と、矩形箱状を成すフィルタ用給水部21の長手方向とは、垂直に交差するように配置されている。
【0155】
扉12が開けられた状態においては、気化フィルタ用水受部132は、長手方向が上下方向となる姿勢となり、長手方向に並ぶ複数のノズル211において高低差が発生する。これにより、これら複数のノズル211内に付着又は残留した水が、下方に位置するノズル211から垂れることが想定される。このように扉12を開けることによりノズル211内の水が垂れてきた場合であっても、当該水を、スコップ状を成す気化フィルタ用水受部132によって受けることができる。又、気化フィルタ用水受部132のノズル211の表面にも、結露水又は滴下した水が付着することがあり、これらノズル211の表面に付着した水が、扉12を開けた際に振るい落とされることが想定される。このように扉12を開けることによりノズル211の表面に付着した水が振るい落とされた場合であっても、当該水を、スコップ状を成す気化フィルタ用水受部132によって受けることができる。
【0156】
気化フィルタケース22の上面には、実施形態1と同様に上方に向かった突出する柱状リブ221が形成されており、更に水垂れ用リブ231が、上方に向かって突出して、形成されている。水垂れ用リブ231は、柱状リブ221と同様に矩形状を成し、柱状リブ221よりも外縁側に形成されている。気化フィルタケース22を筐体10内に配置した際、水垂れ用リブ231は、柱状リブ221と、支持部115との間に位置している。気化フィルタケース22の上面において、水垂れ用リブ231の内側には穴が形成されており、当該穴は水垂れ用穴232に相当する。
【0157】
気化フィルタケース22の下方にはドレンパン6が配置されており、気化フィルタケース22とドレンパン6との間には、気化フィルタケース22を筐体10内に配置する際、当該気化フィルタケース22が篏合される気化フィルタ用嵌合部材24が配置されている。気化フィルタ用嵌合部材24は、筐体10の内壁を構成する構造部材として機能するものであってもよい。
【0158】
気化フィルタ用嵌合部材24には、上方から下方に向けて傾斜する傾斜面が形成されており、当該傾斜面により気化フィルタ用傾斜面部241が構成される。気化フィルタ用傾斜面部241は、熱交用傾斜面部381と同様に、支持部115が配置される筐体10の第1側壁111の側に形成されている。従って、気化フィルタ用傾斜面部241は、水垂れ用リブ231と、支持部115との間に配置されるものとなる。
【0159】
気化フィルタ用嵌合部材24の内面において、気化フィルタ用傾斜面部241と、気化フィルタ用傾斜面部241が形成された内面に対向する気化フィルタケース22の側面との面間距離は、上方から下方に向かうにつれ、小さくなるように気化フィルタ用傾斜面部241は傾斜している。従って、気化フィルタ用傾斜面部241の上端は幅広となり、気化フィルタ用傾斜面部241の上端と、気化フィルタケース22の側面とにより、気化フィルタ用水受部132の先端部が挿入される挿入部が形成される。
【0160】
気化フィルタ用傾斜面部241における左右方向の長さは、気化フィルタ用水受部132おける左右方向の長さよりも大きい。従って、扉12が閉じられた状態では、気化フィルタ用水受部132の先端部は、気化フィルタ用傾斜面部241と、気化フィルタケース22の側面との間に位置するものとなり、すなわち、気化フィルタ用傾斜面部241及び当該気化フィルタ用傾斜面部241に対向する気化フィルタケース22の側面とにより形成される挿入部の中に挿入される。これにより、扉12を閉じることにより、気化フィルタ用水受部132にて受けた水を、気化フィルタ用傾斜面部241から、気化フィルタ用傾斜面部241と気化フィルタケース22の側面との間に流し込み、気化フィルタ用嵌合部材24の下方に位置する底部に導水することができる。
【0161】
気化フィルタ用嵌合部材24の底部には、穴が形成されており、当該穴は気化フィルタ用連通穴243に相当する。気化フィルタ用連通穴243は、気化フィルタケース22の下方に位置するドレンパン6に連通している。このように気化フィルタ用傾斜面部241が形成される気化フィルタ用嵌合部材24の内面と、当該内面に対向する気化フィルタケース22の側面との間には、気化フィルタ用水受部132にて受けた水が流れるものとなり、気化フィルタ用嵌合部材24の内面と気化フィルタケース22の側面とにより外側排水路242が形成される。当該外側排水路242は、気化フィルタ用傾斜面部241と、気化フィルタ用連通穴243とを含む。
【0162】
気化フィルタケース22の上面において、水垂れ用リブ231の内側に形成された水垂れ用穴232は、気化フィルタケース22の内部と連通している。気化フィルタケース22の内部には、気化フィルタ2が収納されている。従って、水垂れ用穴232を介して気化フィルタケース22の内部に流入した水は、気化フィルタ2と、気化フィルタケース22との隙間により形成される内側排水路233を介して、ドレンパン6に流れ込む。又は、水垂れ用穴232を介して気化フィルタケース22の内部に流入した水は、気化フィルタ2に浸透する。
【0163】
扉12を開けた際、フィルタ用給水部21のノズル211から水が垂れた場合であっても、当該水を気化フィルタ用水受部132により受けることができる。その上で、扉12を閉じることにより、気化フィルタ用水受部132にて受けた水を、気化フィルタ用傾斜面部241及び気化フィルタ用連通穴243を含む外側排水路242を介して、ドレンパン6に回収することができる。更に、気化フィルタ用傾斜面部241に隣接して水垂れ用リブ231を配置することにより、気化フィルタ用傾斜面部241を飛び越えた水についても、水垂れ用リブ231の内側に収めることができ、当該水垂れ用リブ231の内側に形成された水垂れ用穴232を介して、内側排水路233、すなわち気化フィルタケース22の内部に流し込むことができる。これにより、扉12を開閉した際にフィルタ用給水部21のノズル211から垂れた水が筐体10の外部に流出することを防止することができる。
【0164】
気化フィルタ用連通穴243の内径は例えば、3mm(Φ3)であり、当該気化フィルタ用連通穴243の穴面積は、気化フィルタ2における給気が流れる経路断面積に対し、十分に小さい値に設定している。このように気化フィルタ用連通穴243の穴面積を比較的に小さい値とすることにより、外側排水路242における通風抵抗を大きくし、気化フィルタ2を通過することなくバイパスすることを十分に抑制することができる。
【0165】
本実施形態において、熱交用水受部131及び気化フィルタ用水受部132は、先端部を有するスコップ状を成すとしたが、これに限定されない。熱交用水受部131及び気化フィルタ用水受部132は、例えば、フィルム等の可撓性を有し、一端が扉12の内側に結合され、他端が筐体10の内側に結合されるものであってもよい。軟性のフィルム等に構成された熱交用水受部131及び気化フィルタ用水受部132は、可撓性を有するため、扉12が開閉される際の変形に対応することができる。
【0166】
図37は、返し部392を示す模式的側断面図である。熱交ケース34が篏合される熱交用嵌合部材39には、熱交用嵌合部材39の外側に水が流出することを抑制するための返し部392が形成されており、当該返し部392は水回収用構造として機能する。
【0167】
返し部392は、熱交ケース34の給気入口側フレーム35に対向する、熱交用嵌合部材39の側板に形成されており、当該側板から外側に向けて突出している。返し部392は、側板の下方にて、給気入口側フレーム35の下側の枠体の近傍に位置している。
【0168】
返し部392は、熱交用嵌合部材39において給気が通過する給気流路の一部を、下方から上方に向かって覆うように形成されている。これにより、熱交ケース34又は熱交用嵌合部材39に溜まった水が、熱交用嵌合部材39の外側に流出することを抑制することができる。従って、例えば、空調機1が車両等の移動体に載置され、車両の移動に伴い、空調機1が傾いた場合であっても、筐体10の外部に水が流出することを抑制することができる。
【0169】
本態様にあたっては、熱交ケース34の第1壁341、すなわち熱交ケース34を筐体10内に配置した場合、当該筐体10の第1側壁111に対向する側面となる第1壁341には、上端から底壁383の方向に向けて傾斜する傾斜面が形成されており、当該傾斜面により熱交用傾斜面部381が構成される。筐体10の第1側壁111には、扉12を回動可能に支持する支持部115が設けられており、第1壁341の熱交用傾斜面部381は、当該支持部115の下方に配置されるものとなる。扉12を開けた際、扉12の内部に配置される熱交用給水部33のノズル331から水が垂れることが懸念されるが、当該熱交用給水部33のノズル331から垂れた水は、熱交ケース34の第1壁341に形成された傾斜面、すなわち熱交用傾斜面部381を伝って、第1壁341の上方から、下方に位置する底壁383に流れ落ちるものとなる。熱交用給水部33のノズル331から水が垂れた場合であっても、筐体10の第1側壁111の熱交用傾斜面部381により、当該水を熱交ケース34の底壁383に効率的に案内することができ、水が空調機1の筐体10の外部に流れ出ることを抑制することができる。
【0170】
本態様にあたっては、熱交ケース34は、給気入口側フレーム35、給気出口側フレーム36、第1壁341及び第2壁342と連結する枠状の底壁383を有し、当該底壁383には、穴が形成されている。底壁383の穴は、第1壁341、第2壁、給気入口側フレーム35、及び給気出口側フレーム36の内の何れかとの連結箇所の近傍に形成されており、すなわち矩形枠状を成す熱交ケース34の底壁383の四隅又は角部において1つ以上形成されており、底壁穴384に相当する。当該底壁383の穴、すなわち底壁穴384は、例えば、底壁383の角部に合わせて三角形状に形成されるものであってもよく、例えば、給気入口側フレーム35との連結箇所における両端に位置する2つの角部それぞれに形成されているものであってもよい。底壁穴384は、底壁383そのものに形成された穴である場合に限定されず、例えば、底壁383の外縁に形成された円弧状等の切欠き部と、当該底壁383に連結された給気入口側フレーム35等との組み合わせにより、構成されるものであってもよい。扉12を開けた際、扉12の内部に配置される熱交用給水部33のノズル331から水が垂れることが懸念され、その際、当該熱交用給水部33のノズル331から垂れた水は、熱交ケース34の底壁383に溜まることが想定される。熱交用給水部33のノズル331から垂れた水が熱交ケース34の底壁383に溜まった場合であっても、底壁383に形成された底壁穴384を介して、当該水を熱交ケース34の外部に排出することができる。すなわち、熱交ケース34の下方にドレンパン6が配置されているため、底壁穴384を介して、熱交用給水部33のノズル331から垂れた水を、当該ドレンパン6に排出することができる。
【0171】
(付記)
筐体10と、
前記筐体10の内部に配置され、給気経路31と排気経路32とを含む熱交換器と、
前記熱交換器を収容した状態で前記筐体10に着脱される熱交ケース34と、を備え、
前記熱交換器は、前記給気経路31の入口が形成される給気入口面と、前記給気経路31の出口が形成される給気出口面と、を有し、
前記熱交ケース34は、前記給気経路31及び前記排気経路32と平行な第1壁341を有し、
前記第1壁341は、上端から底壁383の方向に向けて傾斜する傾斜面を有する
空調機1。
【0172】
熱交ケース34の第1壁341には、当該第1壁341から、熱交ケース34の底壁383の方向に向けて傾斜する傾斜面が形成されているため、当該傾斜面を介して、水を熱交ケース34の底壁383に導水することができる。
【0173】
筐体10と、
前記筐体10の内部に配置され、給気経路31と排気経路32とを含む熱交換器と、
前記熱交換器を収容した状態で前記筐体10に着脱される熱交ケース34と、を備え、
前記熱交換器は、前記給気経路31の入口が形成される給気入口面と、前記給気経路31の出口が形成される給気出口面と、を有し、
前記熱交ケース34は、
前記給気経路31及び前記排気経路32と平行な第1壁341と、前記給気入口面に対向して配置され前記第1壁341が連結される給気入口側フレーム35と、前記第1壁341と対向し前記給気入口側フレーム35に連結される第2壁と、前記給気出口面に対向して配置され、前記第1壁341及び前記第2壁に連結される給気出口側フレーム36と、を有し、
前記熱交ケース34の底壁383は、前記第1壁341、前記第2壁、前記給気入口側フレーム35、及び前記給気出口側フレーム36の内の何れかとの連結箇所において穴を有する
空調機1。
【0174】
熱交ケース34の底壁383には1つ以上の穴が形成されており、当該穴は、底壁383と、第1壁341、第2壁、給気入口側フレーム35、及び給気出口側フレーム36の内の何れかとの連結箇所の近傍に配置される。従って、熱交ケース34の底壁383に流れ落ちた水を、当該底壁383に形成された穴から、熱交ケース34の外部に流出させることができ、例えば、熱交ケース34の下方にドレンパン6が配置された場合、当該ドレンパン6にて回収することができる。
【0175】
特許請求の範囲に記載されている複数の請求項に関して、引用形式に関わらず、相互に組み合わせることが可能である。特許請求の範囲では、複数の請求項に従属する多項従属請求項を記載してもよい。多項従属請求項に従属する多項従属請求項を記載してもよい。多項従属請求項に従属する多項従属請求項が記載されていない場合であっても、これは、多項従属請求項に従属する多項従属請求項の記載を制限するものではない。
【0176】
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0177】
1 空調機
100 基板
101 制御部
10 筐体
11 本体
111 第1側壁
1111 本体側第1側壁
1112 扉側第1側壁
112 第2側壁
113 第3側壁
114 第4側壁
115 支持部
116 タンク台部
117 ボス部
118 手掛け部
12 扉
121 収容部
122 固定部材
123 第2シール部材
131 熱交用水受部(水受部)
132 気化フィルタ用水受部(水受部)
14 ロック機構
141 操作部
142 ロック爪
143 係合穴
20 冷却ユニット
2 気化フィルタ
201 フィルタ入口面
202 フィルタ出口面
21 フィルタ用給水部(給水部)
211 ノズル(フィルタ用給水部のノズル)
212 穴
22 気化フィルタケース
221 柱状リブ
222 第2鍔部
223 取手部(気化フィルタケースの取手部)
224 フィルタ用フレーム
225 環状リブ
226 突起
227 凹部
231 水垂れ用リブ
232 水垂れ用穴
233 内側排水路
24 気化フィルタ用嵌合部材
241 気化フィルタ用傾斜面部
242 外側排水路
243 気化フィルタ用連通穴
3 顕熱交換器
31 給気経路
311 給気入口面
312 給気出口面
32 排気経路
33 熱交用給水部(給水部)
331 ノズル(熱交用給水部のノズル)
332 穴
34 熱交ケース
341 前壁(第1壁、対向部、第2対向部)
342 後壁(第2壁、対向部、第2対向部)
343 凹部
35 給気入口側フレーム(対向部、第1対向部)
351 逆差し防止形状
352 外縁
353 突起
36 給気出口側フレーム(対向部、第1対向部)
361 シール部材
362 第1鍔部
37 取手部(熱交ケースの取手部)
381 熱交用傾斜面部
382 熱交用排水路
383 底壁
384 底壁穴
39 熱交用嵌合部材
391 熱交用連通穴
392 返し部(水回収用構造)
4 給気流路
41 給気ファン
42 給気吸込口
43 給気吹出口
431 ダクト
432 風向調整板
44 第1中間給気流路
441 構造部材
5 排気流路
51 排気ファン
52 排気吸込口
53 排気吹出口
6 ドレンパン
61 底面
611 底孔
62 壁面
621 給水孔
63 水位センサ
64 センサ固定部材
641 壁部
7 供給水路
71 第1給水路
72 第2給水路
73 連結給水路
731 第1連結部
732 第2連結部
74 給水部連結路
741 オリフィス
75 ドレンパンフィルタ
76 給水ポンプ
77 流量センサ
78 分岐部
781 排水路
8 水タンク
81 ボス受け部
82 水位確認窓
83 流出用筒部
9 補充水路
91 タンク用ポンプ
92 タンク用流量センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37