(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120516
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】地域クーポン管理方法および地域クーポン管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20240101AFI20240829BHJP
G06Q 30/0207 20230101ALI20240829BHJP
【FI】
G06Q50/26
G06Q30/0207 350
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027355
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104190
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 昭徳
(72)【発明者】
【氏名】金子 弘介
(72)【発明者】
【氏名】大石 和弘
(72)【発明者】
【氏名】松本 泰明
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L030BB07
5L049BB07
5L049CC35
5L050CC35
(57)【要約】
【課題】自治体への納税に応じて発行される電子クーポンを利用する納税者の利便性の向上を図ること。
【解決手段】全国クーポン管理サーバ201は、ふるさと納税管理サーバ202から申請情報を受信すると、申請情報から特定される納税先自治体と納税者の情報を、全国クーポン管理テーブル220に記憶する。全国クーポン管理サーバ201は、納税先自治体業務システム800に申請情報を送信した結果、納税先自治体クーポン管理サーバ204から、電子クーポン利用権IDを含むクーポン情報を受信する。全国クーポン管理サーバ201は、受信したクーポン情報に含まれる電子クーポン利用権IDをユーザ端末203に通知することにより、納税者に対して電子クーポン利用権を発行する。全国クーポン管理サーバ201は、電子クーポン利用権を行使した電子クーポンの利用を検出すると、納税先自治体クーポン管理サーバ204に利用実績情報を送信する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の自治体への納税に応じて発行される電子クーポンの利用申請を受け付けた場合、前記第1の自治体と前記納税の納税者とを対応付けて記憶部に記憶し、
前記第1の自治体とは異なる他の自治体で利用可能な前記電子クーポンであって、前記他の自治体に応じて設定された変換ルールにより、前記納税に応じて前記第1の自治体により発行される前記第1の自治体で利用可能な前記電子クーポンの額から変換した変換後の額の前記電子クーポンの利用権を前記納税者に対して発行し、
発行した前記利用権を行使した前記電子クーポンの利用を検出したことに応じて、前記記憶部を参照して、前記納税者による前記電子クーポンの利用実績情報を前記第1の自治体に通知する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする地域クーポン管理方法。
【請求項2】
前記発行する処理は、
前記第1の自治体とは異なる複数の自治体の各自治体で利用可能な前記電子クーポンであって、前記各自治体に応じて設定された変換ルールにより、前記納税に応じて前記第1の自治体により発行される前記第1の自治体で利用可能な前記電子クーポンの額から変換した変換後の額の前記電子クーポンの利用権を前記納税者に対して発行する、ことを特徴とする請求項1に記載の地域クーポン管理方法。
【請求項3】
前記発行する処理は、
前記他の自治体の各店舗で利用可能な前記電子クーポンであって、前記各店舗に応じて設定された変換ルールにより、前記納税に応じて前記第1の自治体により発行される前記第1の自治体で利用可能な前記電子クーポンの額から変換した変換後の額の前記電子クーポンの利用権を前記納税者に対して発行する、ことを特徴とする請求項1に記載の地域クーポン管理方法。
【請求項4】
前記発行する処理は、
前記利用申請に応じて、前記第1の自治体における前記利用権の発行手続きが完了した場合に、前記納税者に対して前記利用権を発行する、ことを特徴とする請求項1に記載の地域クーポン管理方法。
【請求項5】
前記利用実績情報は、前記納税者と、前記電子クーポンが利用された利用先自治体の店舗および商品とを表す情報を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の地域クーポン管理方法。
【請求項6】
発行した前記利用権を行使した前記電子クーポンの利用を検出したことに応じて、当該電子クーポンの利用先に対する精算処理を前記コンピュータが実行し、
前記通知する処理は、
前記精算処理が完了した場合に、前記利用実績情報を前記第1の自治体に通知する、
ことを特徴とする請求項1に記載の地域クーポン管理方法。
【請求項7】
前記納税は、ふるさと納税である、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一つに記載の地域クーポン管理方法。
【請求項8】
第1の自治体への納税に応じて発行される電子クーポンの利用申請を受け付けた場合、前記第1の自治体と前記納税の納税者とを対応付けて記憶部に記憶し、
前記第1の自治体とは異なる他の自治体で利用可能な前記電子クーポンであって、前記他の自治体に応じて設定された変換ルールにより、前記納税に応じて前記第1の自治体により発行される前記第1の自治体で利用可能な前記電子クーポンの額から変換した変換後の額の前記電子クーポンの利用権を前記納税者に対して発行し、
発行した前記利用権を行使した前記電子クーポンの利用を検出したことに応じて、前記記憶部を参照して、前記納税者による前記電子クーポンの利用実績情報を前記第1の自治体に通知する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする地域クーポン管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地域クーポン管理方法および地域クーポン管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ふるさと納税は、納税者が自分で選んだ自治体に寄付した場合に、寄付額のうち所定の自己負担額を除く全額が所得税および住民税から控除される制度である。納税者は、納税先自治体からの返礼品として、納税先自治体の取り扱い店舗で利用可能な電子クーポンを受け取ることができる場合がある。
【0003】
先行技術としては、例えば、ふるさと納税を行うシステムにおいて、利用者が店舗において寄付に対応する返礼品を受け取る際、店舗側端末装置から自治体側端末装置に、利用者識別情報と、返礼品を受け取ったことを示す情報を有する受け取り完了情報とを送信するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、ふるさと納税などの返礼品として、納税者が受け取れる電子クーポンの使い勝手が悪いという問題がある。
【0006】
一つの側面では、本発明は、自治体への納税に応じて発行される電子クーポンを利用する納税者の利便性の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの実施態様では、第1の自治体への納税に応じて発行される電子クーポンの利用申請を受け付けた場合、前記第1の自治体と前記納税の納税者とを対応付けて記憶部に記憶し、前記第1の自治体とは異なる他の自治体で利用可能な前記電子クーポンであって、前記他の自治体に応じて設定された変換ルールにより、前記納税に応じて前記第1の自治体により発行される前記第1の自治体で利用可能な前記電子クーポンの額から変換した変換後の額の前記電子クーポンの利用権を前記納税者に対して発行し、発行した前記利用権を行使した前記電子クーポンの利用を検出したことに応じて、前記記憶部を参照して、前記納税者による前記電子クーポンの利用実績情報を前記第1の自治体に通知する、地域クーポン管理方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一側面によれば、自治体への納税に応じて発行される電子クーポンを利用する納税者の利便性の向上を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態にかかる地域クーポン管理方法の一実施例を示す説明図である。
【
図2】
図2は、情報処理システム200のシステム構成例を示す説明図である。
【
図3】
図3は、全国クーポン管理サーバ201のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、全国クーポン管理テーブル220の記憶内容の一例を示す説明図である。
【
図5】
図5は、納税先自治体クーポン管理テーブル240の記憶内容の一例を示す説明図である。
【
図6】
図6は、クーポンレートテーブル230の記憶内容の一例を示す説明図である。
【
図7】
図7は、全国クーポン管理サーバ201の機能的構成例を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、情報処理システム200の動作例を示す説明図(その1)である。
【
図9】
図9は、情報処理システム200の動作例を示す説明図(その2)である。
【
図10】
図10は、情報処理システム200の動作例を示す説明図(その3)である。
【
図11A】
図11Aは、全国クーポン管理テーブル220の更新例を示す説明図(その1)である。
【
図11B】
図11Bは、全国クーポン管理テーブル220の更新例を示す説明図(その2)である。
【
図12】
図12は、納税先自治体クーポン管理テーブル240の更新例を示す説明図である。
【
図14】
図14は、店舗選択画面の画面例を示す説明図である。
【
図15】
図15は、店舗利用画面の画面例を示す説明図である。
【
図16】
図16は、二次元バーコードの表示例を示す説明図である。
【
図17】
図17は、情報処理システム200の電子クーポン利用権発行処理手順の一例を示すシーケンス図(その1)である。
【
図18】
図18は、情報処理システム200の電子クーポン利用権発行処理手順の一例を示すシーケンス図(その2)である。
【
図19】
図19は、情報処理システム200の店舗クーポン発行処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【
図20】
図20は、情報処理システム200のクーポン利用処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を参照して、本発明にかかる地域クーポン管理方法および地域クーポン管理プログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(実施の形態)
図1は、実施の形態にかかる地域クーポン管理方法の一実施例を示す説明図である。
図1において、情報処理装置101は、自治体への納税に応じて発行される電子クーポンを管理するコンピュータである。自治体は、例えば、納税先の都道府県や市区町村などである。電子クーポンは、オンラインで入手可能な、店舗での商品やサービスの支払いに利用可能なクーポンである。電子クーポンは、例えば、決められた自治体で利用可能なクーポン(地域クーポン)である。納税は、例えば、ふるさと納税である。
【0012】
従来、ふるさと納税において、納税先自治体からの返礼品として受け取れる電子クーポンは、納税先自治体の取扱店舗のみで利用可能な場合が多い。この場合、納税者の地元の店舗などでは利用できないため、電子クーポンを利用するには、納税者が納税先自治体に出向くことになる。しかし、現地への旅行などを納税者が予定しているとは限らず、ふるさと納税の返礼品として受け取れる電子クーポンの使い勝手が悪いという問題がある。
【0013】
また、ふるさと納税において、納税先自治体から受け取れる返礼品として、肉、米、魚介類などの食材がある。しかし、単身世帯や少人数世帯の場合、返礼品として食材を受け取っても消費しきれないといった理由で選ばれないことがある。このため、納税者にとって使い勝手のよい電子クーポンを利用可能な基盤の実現が望まれる。
【0014】
そこで、本実施の形態では、自治体への納税に応じて発行される電子クーポンを、納税先とは異なる他の自治体で利用可能にする連携基盤を実現することで、納税者の利便性を向上させる地域クーポン管理方法について説明する。ここで、情報処理装置101の処理例について説明する。
【0015】
(1)情報処理装置101は、第1の自治体102への納税に応じて発行される電子クーポンの利用申請120を受け付けた場合、第1の自治体102と納税者104とを対応付けて記憶部110に記憶する。ここで、第1の自治体102は、納税先の自治体である。納税者104は、第1の自治体102への納税を行った者である。
【0016】
電子クーポンの利用申請120は、第1の自治体102への納税に応じて受け取ることができる電子クーポンの利用を申請するものである。電子クーポンの利用申請120は、例えば、ふるさと納税のポータルサイト105を介して受け付けてもよく、また、納税者104から直接受け付けてもよい。ポータルサイト105は、ふるさと納税を簡単に行うためのインターネットサービスを提供するサイトである。
【0017】
(2)情報処理装置101は、第1の自治体102とは異なる他の自治体103で利用可能な電子クーポンの利用権130を納税者104に対して発行する。ここで、他の自治体103は、例えば、納税者104が居住する自治体(居住自治体)であってもよい。
【0018】
他の自治体103で利用可能な電子クーポンは、他の自治体103に応じて設定された変換ルールにより、第1の自治体102への納税(の納税額)に応じて第1の自治体102により発行される第1の自治体102で利用可能な電子クーポンの額から変換した変換後の額の電子クーポンである。
【0019】
変換ルールは、任意に設定可能であり、例えば、他の自治体103の物価や人口などを勘案して設定される。また、変換ルールは、第1の自治体102と他の自治体103との間で比較した物価や人口などの違いを勘案して設定されてもよい。
【0020】
より詳細に説明すると、例えば、変換ルールは、第1の自治体102で利用可能な電子クーポンの額に、他の自治体103に応じて設定される1より大きい値(クーポンレート)を乗算するというルールである。また、変換ルールは、第1の自治体102で利用可能な電子クーポンの額に、他の自治体103に応じて設定される所定額を加算するというルールであってもよい。
【0021】
これにより、情報処理装置101は、第1の自治体102で利用可能な電子クーポンの額に、他の自治体103に応じた上乗せ分を追加した額の電子クーポンの利用権130を納税者104に対して発行することができる。電子クーポンの上乗せ分は、例えば、第1の自治体102が負担することにしてもよく、また、他の自治体103や他の自治体103の利用先の店舗などが負担することにしてもよい。クーポンレートは、例えば、第1の自治体102が設定してもよいし、また、他の自治体103や他の自治体103の利用先の店舗などが設定してもよい。
【0022】
また、電子クーポンの利用権130は、電子クーポンを利用する権利である。例えば、他の自治体103に電子クーポンを利用可能な店舗が複数存在するとする。この場合、電子クーポンの利用権130は、複数の店舗の中から電子クーポンを利用する店舗を選択する権利であってもよい。電子クーポンの利用権130は、電子クーポンそのものであってもよい。
【0023】
(3)情報処理装置101は、発行した利用権130を行使した電子クーポンの利用を検出したことに応じて、記憶部110を参照して、第1の自治体102に納税者104による電子クーポンの利用実績情報140を通知する。電子クーポンの利用実績情報140は、例えば、納税者104と、電子クーポンが利用された店舗および商品とを表す情報を含む。
【0024】
情報処理装置101において、利用権130を行使した電子クーポンの利用は、例えば、他の自治体103や他の自治体103の利用先の店舗などから、利用権130を行使して電子クーポンが利用されたことの通知を受け付けたことに応じて検出される。
【0025】
このように、情報処理装置101によれば、納税者104が納税を行った際に、納税先の第1の自治体102とは異なる他の自治体103で電子クーポンを利用可能にする連携基盤を実現することができる。この際、情報処理装置101によれば、他の自治体103の物価や人口などを勘案して、第1の自治体102への納税(の納税額)に応じて発行される電子クーポンの額に、上乗せ分を追加した額の電子クーポンを利用可能にすることができる。
【0026】
これにより、情報処理装置101は、納税に応じて発行される電子クーポンを利用する納税者(例えば、納税者104)の利便性を向上させることができる。
【0027】
例えば、他の自治体103において、第1の自治体102に関するキャンペーンを実施するとする。この場合、納税者104は、第1の自治体102に実際に行かなくても、利用権130を行使した電子クーポンの利用により、他の自治体103の料理店などにおいて、第1の自治体102で生産される一次産品を使用した料理を楽しむことができる。
【0028】
また、第1の自治体102は、地元で生産される一次産品が他の自治体103で消費されるため、電子クーポンが地元で消費されなくても、経済効果を得ることができる。また、第1の自治体102は、他の自治体103でのキャンペーンにより、第1の自治体102に対する興味や魅力を感じてもらって、新たな価値を見出してもらえる機会を得ることができる。
【0029】
また、他の自治体103は、ふるさと納税などで税収が第1の自治体102に流出するものの、電子クーポンを地元で消費してもらうことで、新たな経済効果を得ることができる。例えば、他の自治体103では、地元の事業者の売り上げが上がり、税収効果の増加が期待することができる。
【0030】
(情報処理システム200のシステム構成例)
つぎに、
図1に示した情報処理装置101を含む情報処理システム200のシステム構成例について説明する。以下の説明では、
図1に示した情報処理装置101を、情報処理システム200内の全国クーポン管理サーバ201に適用した場合を例に挙げて説明する。また、自治体への納税として「ふるさと納税」を例に挙げて説明する。
【0031】
図2は、情報処理システム200のシステム構成例を示す説明図である。
図2において、情報処理システム200は、全国クーポン管理サーバ201と、ふるさと納税管理サーバ202と、ユーザ端末203と、納税先自治体クーポン管理サーバ204と、利用先自治体クーポン管理サーバ205と、を含む。情報処理システム200において、全国クーポン管理サーバ201、ふるさと納税管理サーバ202、ユーザ端末203、納税先自治体クーポン管理サーバ204および利用先自治体クーポン管理サーバ205は、有線または無線のネットワーク210を介して接続される。ネットワーク210は、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などである。
【0032】
ここで、全国クーポン管理サーバ201は、全国クーポン管理テーブル220およびクーポンレートテーブル230を有し、ふるさと納税(自治体への納税)に応じて発行される電子クーポンを管理するコンピュータである。なお、全国クーポン管理テーブル220およびクーポンレートテーブル230の記憶内容については、
図4および
図6を用いて後述する。
【0033】
ふるさと納税管理サーバ202は、ふるさと納税ポータルサイトを提供するコンピュータである。ふるさと納税ポータルサイトは、ふるさと納税を行うためのサイトである。納税者は、例えば、ふるさと納税ポータルサイトにアクセスすることで、全国の自治体の返礼品の一覧などを参照しながら、納税先自治体を選択することができる。
【0034】
ユーザ端末203は、ユーザが使用するコンピュータである。ユーザは、例えば、ふるさと納税を行う納税者である。ユーザ端末203は、二次元バーコードなどのコード情報を読み取る機能を有する。ユーザ端末203は、例えば、スマートフォン、PC(Personal Computer)、タブレット端末などである。
【0035】
納税先自治体クーポン管理サーバ204は、納税先自治体クーポン管理テーブル240を有し、納税先自治体で発行される電子クーポンを管理するコンピュータである。納税先自治体は、ふるさと納税により税金(寄付)を納めた自治体である。なお、納税先自治体クーポン管理テーブル240の記憶内容については、
図5を用いて後述する。
【0036】
利用先自治体クーポン管理サーバ205は、利用先自治体で発行される電子クーポンを管理するコンピュータである。利用先自治体は、ふるさと納税に応じて発行された電子クーポンが利用される自治体である。
【0037】
なお、ここでは全国クーポン管理サーバ201とふるさと納税管理サーバ202とを別体に設ける場合を例に挙げて説明するが、これに限らない。例えば、全国クーポン管理サーバ201は、ふるさと納税管理サーバ202により実現されてもよい。
【0038】
また、
図2では、ふるさと納税管理サーバ202、ユーザ端末203、納税先自治体クーポン管理サーバ204および利用先自治体クーポン管理サーバ205を1台ずつ表示したが、これに限らない。例えば、ふるさと納税管理サーバ202は、ふるさと納税ポータルサイトごとに設けられる。また、ユーザ端末203は、ユーザごとに設けられる。また、納税先自治体クーポン管理サーバ204および利用先自治体クーポン管理サーバ205は、自治体ごとに設けられる。
【0039】
(全国クーポン管理サーバ201のハードウェア構成例)
つぎに、全国クーポン管理サーバ201のハードウェア構成例について説明する。
【0040】
図3は、全国クーポン管理サーバ201のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図3において、全国クーポン管理サーバ201は、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ302と、ディスクドライブ303と、ディスク304と、通信I/F(Interface)305と、可搬型記録媒体I/F306と、可搬型記録媒体307と、を有する。また、各構成部は、バス300によってそれぞれ接続される。
【0041】
ここで、CPU301は、全国クーポン管理サーバ201の全体の制御を司る。CPU301は、複数のコアを有していてもよい。メモリ302は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMがOSのプログラムを記憶し、ROMがアプリケーションプログラムを記憶し、RAMがCPU301のワークエリアとして使用される。メモリ302に記憶されるプログラムは、CPU301にロードされることで、コーディングされている処理をCPU301に実行させる。
【0042】
ディスクドライブ303は、CPU301の制御に従ってディスク304に対するデータのリード/ライトを制御する。ディスク304は、ディスクドライブ303の制御で書き込まれたデータを記憶する。ディスク304は、例えば、磁気ディスク、光ディスクなどである。
【0043】
通信I/F305は、通信回線を通じてネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して外部のコンピュータ(例えば、
図2に示したふるさと納税管理サーバ202、ユーザ端末203、納税先自治体クーポン管理サーバ204、利用先自治体クーポン管理サーバ205)に接続される。そして、通信I/F305は、ネットワーク210と装置内部とのインターフェースを司り、外部のコンピュータからのデータの入出力を制御する。通信I/F305は、例えば、モデムやLANアダプタなどである。
【0044】
可搬型記録媒体I/F306は、CPU301の制御に従って可搬型記録媒体307に対するデータのリード/ライトを制御する。可搬型記録媒体307は、可搬型記録媒体I/F306の制御で書き込まれたデータを記憶する。可搬型記録媒体307は、例えば、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリなどである。
【0045】
なお、全国クーポン管理サーバ201は、上述した構成部のほかに、例えば、入力装置、ディスプレイなどを有してもよい。また、全国クーポン管理サーバ201は、上述した構成部のうち、例えば、可搬型記録媒体I/F306、可搬型記録媒体307を有さなくてもよい。また、
図2に示したふるさと納税管理サーバ202、ユーザ端末203、納税先自治体クーポン管理サーバ204および利用先自治体クーポン管理サーバ205についても、全国クーポン管理サーバ201と同様のハードウェア構成により実現することができる。ただし、ユーザ端末203は、上述した構成部のほかに、例えば、入力装置、ディスプレイ、カメラなどを有する。
【0046】
(全国クーポン管理テーブル220の記憶内容)
つぎに、
図4を用いて、全国クーポン管理サーバ201が有する全国クーポン管理テーブル220の記憶内容について説明する。全国クーポン管理テーブル220は、例えば、メモリ302、ディスク304などの記憶装置により実現される。
【0047】
図4は、全国クーポン管理テーブル220の記憶内容の一例を示す説明図である。
図4において、全国クーポン管理テーブル220は、納税先自治体、返礼品ID、納税者自治体、納税者、ログインID、店舗クーポンID、値(円)、電子クーポン利用権ID、元値(円)、利用先自治体、利用先店舗および口座番号のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、全国クーポン管理情報(例えば、全国クーポン管理情報400-1)がレコードとして記憶される。
【0048】
ここで、納税先自治体は、ふるさと納税の納税先の自治体を示す。返礼品IDは、ふるさと納税の申請情報を一意に識別する識別子を示す。納税者自治体は、納税者が居住する自治体を示す。納税者は、ふるさと納税を行った者を示す。ログインIDは、情報処理システム200のユーザ(納税者)を一意に識別する識別子である。ログインIDとして、例えば、ふるさと納税ポータルサイトにログインするためのIDが用いられてもよく、また、ふるさと納税ポータルサイトにログインするためのIDとは異なる他のIDが用いられてもよい。
【0049】
店舗クーポンIDは、利用先自治体の店舗で利用可能な電子クーポンを一意に識別する識別子を示す。値(円)は、店舗クーポンIDにより識別される電子クーポンの額を示す。電子クーポン利用権IDは、ふるさと納税の納税額に応じて納税先自治体により発行される電子クーポンの利用権を一意に識別する識別子を示す。元値(円)は、電子クーポン利用権IDにより識別される利用権の電子クーポンの額を示す。利用先自治体は、電子クーポンの利用先の自治体を示す。利用先店舗は、電子クーポンの利用先の店舗を示す。口座番号は、電子クーポンの利用先の店舗の口座番号を示す。
【0050】
(納税先自治体クーポン管理テーブル240の記憶内容)
つぎに、
図5を用いて、納税先自治体クーポン管理サーバ204が有する納税先自治体クーポン管理テーブル240の記憶内容について説明する。
【0051】
図5は、納税先自治体クーポン管理テーブル240の記憶内容の一例を示す説明図である。
図5において、納税先自治体クーポン管理テーブル240は、納税者自治体、納税者、ログインID、納税先自治体、返礼品種別、返礼品ID、電子クーポン利用権ID、利用先自治体、および店舗のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、納税先自治体クーポン管理情報(例えば、納税先自治体クーポン管理情報500-1)がレコードとして記憶される。
【0052】
ここで、納税者自治体は、納税者が居住する自治体を示す。納税者は、ふるさと納税を行った者を示す。ログインIDは、情報処理システム200のユーザ(納税者)を一意に識別する識別子である。納税先自治体は、ふるさと納税の納税先の自治体を示す。返礼品種別は、ふるさと納税の返礼品の種別を示す。
【0053】
返礼品IDは、ふるさと納税の申請情報を一意に識別する識別子を示す。電子クーポン利用権IDは、ふるさと納税の納税額に応じて納税先自治体により発行される電子クーポンの利用権を一意に識別する識別子を示す。利用先自治体は、電子クーポンの利用先の自治体を示す。店舗は、電子クーポンの利用先の店舗を示す。
【0054】
(クーポンレートテーブル230の記憶内容)
つぎに、
図6を用いて、全国クーポン管理サーバ201が有するクーポンレートテーブル230の記憶内容について説明する。クーポンレートテーブル230は、例えば、メモリ302、ディスク304などの記憶装置により実現される。
【0055】
図6は、クーポンレートテーブル230の記憶内容の一例を示す説明図である。
図6において、クーポンレートテーブル230は、納税先自治体、利用先自治体、利用先店舗およびクーポンレートのフィールドを有し、各フィールドに情報を設定することで、クーポンレート情報(例えば、クーポンレート情報600-1,600-2)をレコードとして記憶する。
【0056】
ここで、納税先自治体は、ふるさと納税の納税先の自治体を示す。利用先自治体は、電子クーポンの利用先の自治体を示す。利用先店舗は、電子クーポンの利用先の店舗を示す。クーポンレートは、納税先自治体に対する利用先自治体の利用先店舗に応じたクーポンレート(変換レート)を示す。
【0057】
クーポンレートは、例えば、納税先自治体に対する利用先自治体の物価や人口の違い、利用先店舗が提供する付加価値などを勘案して設定される。クーポンレートは、例えば、利用先店舗によって設定される。利用先店舗は、例えば、営業努力の一つとして、できるだけ高いクーポンレートを設定することができる。また、クーポンレートは、例えば、納税先自治体や利用先自治体によって設定されてもよい。また、クーポンレートは、例えば、納税先自治体、利用先自治体および利用先店舗の話し合いによって設定されてもよい。ただし、過剰な競争を抑止するために、例えば、全国クーポン管理サーバ201や納税先自治体が、クーポンレートの上限を設定してもよい。
【0058】
(全国クーポン管理サーバ201の機能的構成例)
つぎに、全国クーポン管理サーバ201の機能的構成例について説明する。
【0059】
図7は、全国クーポン管理サーバ201の機能的構成例を示すブロック図である。
図7において、全国クーポン管理サーバ201は、受付部701と、登録部702と、発行部703と、精算部704と、通知部705と、記憶部710と、を含む。受付部701~通知部705は制御部700となる機能であり、具体的には、例えば、
図3に示したメモリ302、ディスク304、可搬型記録媒体307などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、または、通信I/F305により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、メモリ302、ディスク304などの記憶装置に記憶される。また、記憶部710は、例えば、メモリ302、ディスク304などの記憶装置により実現される。具体的には、例えば、記憶部710は、
図4に示した全国クーポン管理テーブル220や、
図6に示したクーポンレートテーブル230などを記憶する。
【0060】
受付部701は、納税先自治体(第1の自治体)へのふるさと納税に応じて発行される電子クーポンの利用申請を受け付ける。ここで、電子クーポンの利用申請は、ふるさと納税の返礼品として、電子クーポンを受け取る旨の申請に相当する。具体的には、例えば、受付部701は、
図2に示したふるさと納税管理サーバ202から、ふるさと納税の申請情報を受け付ける。
【0061】
ふるさと納税の申請情報は、ふるさと納税に応じて発行される電子クーポンの利用申請に相当する。より詳細に説明すると、例えば、納税者が、ふるさと納税ポータルサイトを利用して、ふるさと納税を申し込んだ際に、返礼品として電子クーポンを選択すると、ふるさと納税管理サーバ202から全国クーポン管理サーバ201にふるさと納税の申請情報が送信される。ふるさと納税の申請情報は、例えば、納税者自治体、納税者、ログインID、納税先自治体、返礼品ID、返礼品種別などの情報を含む。
【0062】
登録部702は、電子クーポンの利用申請を受け付けた場合、納税先自治体とふるさと納税の納税者とを対応付けて記憶部710に記憶する。具体的には、例えば、登録部702は、ふるさと納税の申請情報を受け付けた場合、当該申請情報から特定される納税先自治体と納税者の情報を、
図4に示した全国クーポン管理テーブル220に記憶する。
【0063】
なお、全国クーポン管理テーブル220の更新例については、
図11Aおよび
図11Bを用いて後述する。
【0064】
発行部703は、電子クーポンの利用申請を受け付けた場合、納税先自治体とは異なる他の自治体で利用可能な電子クーポンの利用権を納税者に対して発行する。他の自治体で利用可能な電子クーポンは、他の自治体に応じて設定された変換ルールにより、納税先自治体への納税に応じて納税先自治体により発行される納税先自治体で利用可能な電子クーポンの額から変換した変換後の額の電子クーポンである。他の自治体は、例えば、納税者の居住自治体である。
【0065】
以下の説明では、納税先自治体への納税に応じて納税先自治体により発行される納税先自治体で利用可能な電子クーポンの額を「電子クーポンの基準額」と表記する場合がある。電子クーポンの基準額は、例えば、納税先自治体への納税の納税額に応じて決まる。例えば、納税額が「10,000円」の場合、電子クーポンの基準額は「3,000円」となる。
【0066】
変換ルールは、例えば、電子クーポンの基準額に、他の自治体に応じて設定されたクーポンレートを乗算するというルールである。クーポンレートは、1より大きい値の変換レートである。他の自治体に応じたクーポンレートは、例えば、他の自治体の物価や人口を勘案して設定される。
【0067】
また、他の自治体に応じたクーポンレートは、例えば、納税先自治体に対する他の自治体の物価や人口の違いを勘案して設定されてもよい。例えば、納税先自治体に対して他の自治体の物価が高く、人口が多いほど、他の自治体に応じたクーポンレートが高い値に設定される。
【0068】
具体的には、例えば、発行部703は、ふるさと納税の申請情報(電子クーポンの利用申請)に応じて、納税先自治体における電子クーポンの利用権の発行手続きが完了した場合に、納税者に対して電子クーポンの利用権を発行する。電子クーポンの利用権の発行手続きとは、納税先自治体への納税(寄付)を確認した上で、納税額に応じた電子クーポンの利用権を発行する処理である。
【0069】
なお、ふるさと納税の申請情報は、例えば、後述の
図8に示す納税先自治体業務システム800を介して、全国クーポン管理サーバ201(発行部703)から、
図2に示した納税先自治体クーポン管理サーバ204に送信される。この結果、納税先自治体クーポン管理サーバ204において、電子クーポンの利用権の発行手続きが実行される。
【0070】
また、電子クーポンを利用可能な他の自治体が、複数存在していてもよい。例えば、発行部703は、納税先自治体とは異なる複数の自治体の各自治体で利用可能な電子クーポンの利用権を納税者に対して発行してもよい。各自治体で利用可能な電子クーポンは、各自治体に応じて設定された変換ルールにより、電子クーポンの基準額から変換した変換後の額の電子クーポンである。複数の自治体には、例えば、納税者の居住自治体や勤務先自治体などが含まれる。
【0071】
各自治体に応じたクーポンレートは、例えば、各自治体の物価や人口を勘案して設定される。また、各自治体に応じたクーポンレートは、例えば、納税先自治体に対する各自治体の物価や人口の違いを勘案して設定されてもよい。例えば、納税先自治体に対して各自治体の物価が高く、人口が多いほど、各自治体に応じたクーポンレートが高い値に設定される。
【0072】
また、電子クーポンを利用可能な店舗が、複数存在していてもよい。例えば、発行部703は、納税先自治体とは異なる他の自治体の各店舗で利用可能な電子クーポンの利用権を納税者に対して発行してもよい。各店舗で利用可能な電子クーポンは、他の自治体の各店舗に応じて設定された変換ルールにより、電子クーポンの基準額から変換した変換後の額の電子クーポンである。
【0073】
他の自治体の各店舗に応じたクーポンレートは、例えば、他の自治体の物価や人口、を勘案して設定される。また、各店舗に応じたクーポンレートは、例えば、納税先自治体に対する各自治体の物価や人口の違い、各店舗が提供する付加価値などを勘案して設定されてもよい。例えば、納税先自治体に対して各自治体の物価が高く、人口が多く、各店舗が提供する付加価値が高いほど、各店舗に応じたクーポンレートが高い値に設定される。クーポンレートは、例えば、他の自治体の各店舗(利用先店舗)によって設定される。クーポンレートは、例えば、
図6に示したクーポンレートテーブル230から特定される。
【0074】
納税者に対する電子クーポンの利用権の発行は、例えば、納税者が使用するユーザ端末203に電子クーポン利用権IDを通知することにより行われる。電子クーポン利用権IDは、納税先自治体により発行される電子クーポンの利用権を一意に識別する識別子を示す。電子クーポン利用権IDは、例えば、納税先自治体における電子クーポンの利用権の発行手続きが完了した場合に、納税先自治体クーポン管理サーバ204から全国クーポン管理サーバ201に送信される。
【0075】
以下の説明では、発行された電子クーポンの利用権を「電子クーポン利用権」と表記する場合がある。
【0076】
また、受付部701は、発行された電子クーポン利用権の行使要求を受け付けてもよい。具体的には、例えば、受付部701は、ユーザ端末203から、電子クーポン利用権の行使要求を受け付ける。電子クーポン利用権の行使要求には、例えば、電子クーポン利用権IDが含まれる。
【0077】
また、発行部703は、電子クーポン利用権の行使要求を受け付けた場合、複数の自治体の各自治体を、各自治体に応じて設定されたクーポンレートと対応付けて選択可能に出力してもよい。ただし、電子クーポン利用権が、納税先自治体とは異なる複数の自治体の各自治体で利用可能な電子クーポンの利用権であるとする。
【0078】
具体的には、例えば、発行部703は、ユーザ端末203に自治体選択画面(不図示)を表示してもよい。自治体選択画面は、複数の自治体の各自治体を、各自治体に応じて設定されたクーポンレートと対応付けて選択可能に表示する操作画面である。
【0079】
そして、発行部703は、複数の自治体のうち、選択された自治体で利用可能な電子クーポンであって、当該自治体に応じて設定されたクーポンレートで、電子クーポンの基準額を変換した変換後の額の電子クーポンを納税者に対して発行してもよい。自治体の選択は、例えば、ユーザ端末203に表示される自治体選択画面において行われる。
【0080】
自治体の選択結果は、例えば、ユーザ端末203から全国クーポン管理サーバ201に送信される。なお、発行部703は、例えば、自治体選択画面において、複数の自治体の各自治体を、電子クーポンの基準額に各自治体に応じて設定されたクーポンレートを乗算した額(変換後の額)と対応付けて選択可能に表示してもよい。
【0081】
これにより、発行部703は、特定の自治体(納税者が選択した自治体)のみで利用可能な電子クーポンを発行することができる。
【0082】
また、発行部703は、電子クーポン利用権の行使要求を受け付けた場合、他の自治体の各店舗を、各店舗に応じて設定されたクーポンレートと対応付けて選択可能に出力してもよい。ただし、電子クーポン利用権が、納税先自治体とは異なる他の自治体の各店舗で利用可能な電子クーポンの利用権であるとする。
【0083】
具体的には、例えば、発行部703は、ユーザ端末203に店舗選択画面を表示してもよい。店舗選択画面は、他の自治体の各店舗を、各店舗に応じて設定されたクーポンレートと対応付けて選択可能に表示する操作画面である。他の自治体は、複数存在していてもよい。この場合、店舗選択画面は、複数の自治体の各自治体の各店舗を、各店舗に応じて設定されたクーポンレートと対応付けて選択可能に表示するものとなる。
【0084】
店舗選択画面の画面例については、
図14を用いて後述する。
【0085】
そして、発行部703は、他の自治体の各店舗のうち、選択された店舗で利用可能な電子クーポンであって、当該店舗に応じて設定されたクーポンレートで、電子クーポンの基準額を変換した変換後の額の電子クーポンを納税者に対して発行してもよい。店舗の選択は、例えば、ユーザ端末203に表示される店舗選択画面において行われる。
【0086】
店舗の選択結果は、例えば、ユーザ端末203から全国クーポン管理サーバ201に送信される。なお、発行部703は、例えば、店舗選択画面において、他の自治体の各店舗を、電子クーポンの基準額に各店舗に応じて設定されたクーポンレートを乗算した額(変換後の額)と対応付けて選択可能に表示してもよい。
【0087】
これにより、発行部703は、他の自治体の特定の店舗(納税者が選択した店舗)のみで利用可能な電子クーポンを発行することができる。
【0088】
電子クーポンの発行は、例えば、発行部703から、選択された自治体の利用先自治体クーポン管理サーバ205(
図2参照)に発行指示することにより、利用先自治体クーポン管理サーバ205により行われる。例えば、利用先自治体クーポン管理サーバ205は、納税者が使用するユーザ端末203に、店舗クーポンIDを通知することにより、店舗クーポンを発行する。店舗クーポンは、選択された店舗で利用可能な電子クーポンである。店舗クーポンIDは、店舗クーポンを一意に識別する識別子である。
【0089】
また、受付部701は、電子クーポンの利用実績情報を受け付ける。ここで、利用実績情報は、発行された電子クーポン利用権を行使して電子クーポンが利用されたことを示す情報である。利用実績情報は、例えば、納税者と、電子クーポンが利用された利用先とを表す情報を含む。納税者を表す情報は、例えば、納税者の名称やログインIDであってもよい。利用先は、例えば、利用先自治体や利用先自治体の店舗などである。
【0090】
利用先を表す情報は、例えば、利用先自治体や店舗の名称や口座番号(対価の振込先)などが含まれる。また、利用実績情報には、例えば、電子クーポンが利用された商品やサービスを表す情報が含まれていてもよい。また、利用実績情報には、例えば、商品やサービスの提供に対して支払われた総額が含まれていてもよい。総額は、例えば、電子クーポンを利用して支払われた分の総額である。また、利用実績情報には、例えば、店舗クーポンIDが含まれていてもよい。具体的には、例えば、受付部701は、利用先自治体クーポン管理サーバ205から利用実績情報を受け付ける。
【0091】
精算部704は、発行された電子クーポン利用権を行使した電子クーポンの利用を検出したことに応じて、当該電子クーポンの利用先に対する精算処理を実行する。電子クーポンの利用先は、例えば、電子クーポンが利用された自治体であってもよい。また、電子クーポンの利用先は、電子クーポンが利用された自治体内の店舗であってもよい。利用先に対する精算処理とは、商品やサービスの提供に対して、電子クーポンを利用して支払われた額の対価を支払う処理である。利用先に対する精算処理では、例えば、電子クーポンの基準額からシステム手数料(全国クーポン管理サーバ201の利用手数料)を差し引いた額が、電子クーポンの利用先に支払われる。クーポンレートに応じた変換後の額のうち電子クーポンの基準額を超える分は、例えば、利用先の自治体や店舗が負担する。
【0092】
具体的には、例えば、精算部704は、利用先自治体クーポン管理サーバ205から利用実績情報を受け付けた場合に、電子クーポン利用権を行使した電子クーポンの利用を検出する。そして、精算部704は、電子クーポン利用権を行使して利用された電子クーポンに応じた対価を、利用先(例えば、店舗)の口座番号に振り込む。対価は、例えば、電子クーポンの基準額からシステム手数料を差し引いた額である。この場合、店舗クーポンの額のうち電子クーポンの基準額を超える分は、例えば、店舗側が負担する。
【0093】
通知部705は、発行された電子クーポン利用権を行使した電子クーポンの利用を検出したことに応じて、記憶部710を参照して、納税者による電子クーポンの利用実績情報を納税先自治体に通知する。利用実績情報は、電子クーポン利用権を行使して電子クーポンが利用されたことを示す情報であり、例えば、利用先自治体クーポン管理サーバ205から受け付ける利用実績情報と同様の情報である。
【0094】
具体的には、例えば、通知部705は、利用先に対する精算処理が完了した場合に、記憶部710(例えば、全国クーポン管理テーブル220)を参照して、納税者に対応する納税先自治体を特定する。そして、通知部705は、特定した納税先自治体の納税先自治体クーポン管理サーバ204に利用実績情報を通知する。
【0095】
また、発行部703は、電子クーポン利用権を発行する際に、他の自治体に応じて設定されたクーポンレート(または、電子クーポンの基準額にクーポンレートを乗算した額)を特定する情報を納税者に対して出力してもよい。これにより、納税者は、電子クーポン利用権を受け取った際に、他の自治体で利用可能な電子クーポンが、納税先自治体で利用可能な電子クーポンに比べて、どの程度お得なのかを判断することができる。
【0096】
また、電子クーポン利用権が、納税先自治体とは異なる複数の自治体の各自治体で利用可能な電子クーポンの利用権であるとする。この場合、発行部703は、電子クーポン利用権を発行する際に、複数の自治体の各自治体に応じて設定されたクーポンレートを特定する情報を納税者に対して出力してもよい。これにより、納税者は、例えば、クーポンレートの高い自治体を選んで、電子クーポンを利用することができる。
【0097】
また、電子クーポン利用権が、納税先自治体とは異なる他の自治体の各店舗で利用可能な電子クーポンの利用権であるとする。この場合、発行部703は、電子クーポン利用権を発行する際に、他の自治体の各店舗に応じて設定されたクーポンレートを特定する情報を納税者に対して出力してもよい。これにより、納税者は、例えば、クーポンレートの高い店舗を選んで、電子クーポンを利用することができる。
【0098】
(情報処理システム200の動作例)
つぎに、情報処理システム200の動作例について説明する。また、全国クーポン管理サーバ201が有する全国クーポン管理テーブル220、および、納税先自治体クーポン管理サーバ204が有する納税先自治体クーポン管理テーブル240の更新例について説明する。
【0099】
図8~
図10は、情報処理システム200の動作例を示す説明図である。
図11Aおよび
図11Bは、全国クーポン管理テーブル220の更新例を示す説明図である。
図12は、納税先自治体クーポン管理テーブル240の更新例を示す説明図である。
【0100】
図8において、まず、納税者は、ユーザ端末203から、ふるさと納税管理サーバ202により提供されるふるさと納税ポータルサイトにアクセスすることにより、ふるさと納税の申請を開始する。ふるさと納税ポータルサイトにアクセスすると、例えば、
図13に示すような申請画面がユーザ端末203に表示される。
【0101】
なお、ユーザ端末203におけるふるさと納税の申請や電子クーポンの利用にかかる各種操作は、ユーザ端末203においてお財布アプリなどのアプリケーションを起動することにより行われる。
【0102】
図13は、申請画面の画面例を示す説明図である。
図13において、申請画面1300は、ふるさと納税の申請を行うための操作画面である。申請画面1300には、寄付額(納税額)に応じて受け付ける返礼品を表す返礼品画像1301が表示されている。返礼品画像1301は、○○県の特産品の画像である。
【0103】
申請画面1300において、チェックボックス1302を選択すると、ふるさと納税の返礼品として、○○県の特産品ではなく、電子クーポンの利用申請を行うことができる。また、申請画面1300において、チェックボックス1303を選択すると、電子クーポンを利用可能な店舗の一覧を確認することができる。
【0104】
ここでは、申請画面1300において、チェックボックス1302が選択されて、電子クーポンの利用申請が行われた場合を想定する。
【0105】
図8の説明に戻り、ふるさと納税管理サーバ202は、電子クーポンの利用申請が行われると、全国クーポン管理サーバ201に申請情報810を送信する。申請情報810は、ふるさと納税に応じて発行される電子クーポンの利用申請に相当する。申請情報810は、例えば、納税者自治体、納税者、ログインID、納税先自治体、返礼品ID、返礼品種別などの情報を含む。
【0106】
全国クーポン管理サーバ201は、ふるさと納税管理サーバ202から申請情報810を受信すると、申請情報810から特定される納税先自治体と納税者の情報を、全国クーポン管理テーブル220に記憶する。ここでは、申請情報810に、納税者自治体「B」、納税者「太郎」、ログインID「AP123」、納税先自治体「A」、返礼品ID「C123」、返礼品種別「クーポン」が含まれるとする。
【0107】
納税先自治体「A」、返礼品ID「C123」および返礼品種別「クーポン」は、納税先自治体の情報の一例である。また、納税者自治体「B」、納税者「太郎」およびログインID「AP123」は、納税者の情報の一例である。
【0108】
図11Aの(11-1)に示すように、全国クーポン管理サーバ201は、申請情報810に含まれる各種情報を、全国クーポン管理テーブル220内の対応する各フィールドに設定する。この結果、全国クーポン管理情報400-1が新たなレコードとして全国クーポン管理テーブル220に記憶される。
【0109】
つぎに、全国クーポン管理サーバ201は、納税先自治体業務システム800に申請情報820を送信する。納税先自治体業務システム800は、納税先自治体「A」の業務システムである。申請情報820には、申請情報810と同一の情報が含まれる。納税先自治体業務システム800は、申請情報820を受信すると、納税先自治体「A」への納税者「太郎」の寄付(納税)を受領する処理を実行する。
【0110】
そして、納税先自治体業務システム800は、納税額に応じた電子クーポン利用権の払い出し指示とともに申請情報830を納税先自治体クーポン管理サーバ204に送信する。ここでは、納税額を「10,000円」とする。申請情報830には、申請情報820と同一の情報が含まれる。
【0111】
納税先自治体クーポン管理サーバ204は、電子クーポン利用権の払い出し指示とともに申請情報830を受信すると、電子クーポン利用権IDを発行する。電子クーポン利用権IDは、電子クーポン利用権を一意に識別する識別子である。ここでは、電子クーポン利用権は、納税額「10,000円」に応じた基準額(価格)「3,000円」の電子クーポンの利用権とする。
【0112】
納税先自治体クーポン管理サーバ204は、発行した電子クーポン利用権IDと申請情報830の情報を、納税先自治体クーポン管理テーブル240に記憶する。ここでは、電子クーポン利用権ID「XYZ123」が発行されたとする。
【0113】
図12の(12-1)に示すように、納税先自治体クーポン管理サーバ204は、電子クーポン利用権ID「XYZ123」および申請情報830に含まれる各種情報を、納税先自治体クーポン管理テーブル240内の対応する各フィールドに設定する。この結果、納税先自治体クーポン管理情報500-1が新たなレコードとして納税先自治体クーポン管理テーブル240に記憶される。なお、納税先自治体クーポン管理情報500-1には、電子クーポン利用権の基準額「3,000円」が記憶されてもよい。
【0114】
つぎに、納税先自治体クーポン管理サーバ204は、全国クーポン管理サーバ201にクーポン情報840を送信する。クーポン情報840は、納税先自治体「A」における電子クーポン利用権の発行手続きの完了を示す情報である。クーポン情報840は、例えば、電子クーポン利用権ID「XYZ123」、電子クーポン利用権の基準額「3,000円」、納税先自治体「A」、返礼品ID「C123」、納税者自治体「B」、納税者「太郎」、ログインID「AP123」を含む。
【0115】
全国クーポン管理サーバ201は、クーポン情報840を受信すると、クーポン情報840に含まれる返礼品ID「C123」などから、全国クーポン管理テーブル220内の全国クーポン管理情報400-1を特定する。そして、全国クーポン管理サーバ201は、特定した全国クーポン管理情報400-1を更新する。
【0116】
図11Aの(11-2)に示すように、全国クーポン管理サーバ201は、クーポン情報840に含まれる電子クーポン利用権ID「XYZ123」および電子クーポン利用権の基準額「3,000円」を、全国クーポン管理情報400-1に設定する。電子クーポン利用権ID「XYZ123」は、電子クーポン利用権IDフィールドに設定される。電子クーポン利用権の基準額「3,000円」は、元値(円)フィールドに設定される。
【0117】
つぎに、全国クーポン管理サーバ201は、納税者のユーザ端末203に電子クーポン利用権ID「XYZ123」を通知することにより、納税者に対して電子クーポン利用権850を発行する。電子クーポン利用権850は、納税先自治体「A」とは異なる複数の自治体の各自治体で利用可能な電子クーポンの利用権とする。
【0118】
これにより、全国クーポン管理サーバ201は、納税先自治体「A」への納税に応じて、納税先自治体「A」とは異なる複数の自治体の各自治体で利用可能な電子クーポンの利用権を納税者「太郎」に対して発行することができる。
【0119】
図9において、納税者は、電子クーポン利用権を行使するにあたり、ユーザ端末203から全国クーポン管理サーバ201に利用権行使要求910を送信する。利用権行使要求910は、電子クーポン利用権の行使を要求するものである。利用権行使要求910には、電子クーポン利用権ID「XYZ123」が含まれる。
【0120】
全国クーポン管理サーバ201は、ユーザ端末203から利用権行使要求910を受け付けた場合、利用権行使要求910に含まれる電子クーポン利用権ID「XYZ123」から、全国クーポン管理テーブル220内の全国クーポン管理情報400-1を特定する。つぎに、全国クーポン管理サーバ201は、特定した全国クーポン管理情報400-1を参照して、納税先自治体「A」および納税者自治体「B」を特定する。
【0121】
そして、全国クーポン管理サーバ201は、クーポンレートテーブル230を参照して、特定した納税先自治体「A」と納税者自治体「B」との組合せに対応する各店舗のクーポンレートを特定する。例えば、クーポンレート情報600-1の利用先店舗「ABC点」のクーポンレート「1.3」が特定される。つぎに、全国クーポン管理サーバ201は、特定した各店舗のクーポンレートに基づいて、ユーザ端末203に店舗選択画面を表示する。
【0122】
ここで、
図14を用いて、店舗選択画面の画面例について説明する。
【0123】
図14は、店舗選択画面の画面例を示す説明図である。
図14において、店舗選択画面1400は、納税先自治体「A」とは異なる複数の自治体の各自治体の各店舗を、各店舗に応じて設定されたクーポンレートと対応付けて選択可能に表示する操作画面である。店舗選択画面1400には、各店舗で提供される付加価値(特典)が表示されている。各自治体の各店舗は、電子クーポン利用権を行使することで、電子クーポンを利用可能な店舗である。
【0124】
店舗選択画面1400によれば、納税者は、各店舗のクーポンレートや付加価値(特典)を参照しながら、複数の自治体の店舗の中から、電子クーポンを利用する店舗を選択することができる。例えば、納税者は、各店舗のクーポンレートを参照することで、納税先自治体「A」で利用可能な電子クーポンの基準額に対する上乗せ分が大きい店舗を確認することができる。また、納税者は、各店舗の付加価値(特典)を参照することで、電子クーポン利用時に店舗で提供される特典を確認することができる。
【0125】
店舗選択画面1400において、ユーザ(納税者)の操作入力により、各店舗に対応するボタン(例えば、ボタン1401~1404)のいずれかのボタンを選択することにより、電子クーポンを利用する店舗を選択することができる。また、店舗選択画面1400において、決定ボタン1410を選択することにより、店舗選択結果を全国クーポン管理サーバ201に送信することができる。
【0126】
全国クーポン管理サーバ201は、ユーザ端末203から店舗選択結果を受け付けると、店舗クーポン発行申請情報920を、選択された店舗の自治体(利用先自治体)の利用先自治体クーポン管理サーバ205に送信する。店舗クーポン発行申請情報920は、選択された店舗で利用可能な店舗クーポンの発行指示に相当する。
【0127】
選択された店舗で利用可能な店舗クーポンは、当該店舗に応じて設定されたクーポンレートで、電子クーポンの基準額「3,000円」を変換した変換後の額の電子クーポンである。店舗クーポン発行申請情報920は、例えば、選択された店舗や店舗クーポンの価格(変換後の額)を表す情報を含む。また、店舗クーポン発行申請情報920には、例えば、電子クーポン利用権ID「XYZ123」が含まれる。
【0128】
ここでは、選択された店舗を「ABC店」とする。また、店舗「ABC店」のクーポンレートを「1.3」とし、店舗クーポンの価格(変換後の額)を「3,900円」とする。「3,900円」は、電子クーポンの基準額「3,000円」にクーポンレート「1.3」を乗算して得られる。
【0129】
利用先自治体クーポン管理サーバ205は、全国クーポン管理サーバ201から店舗クーポン発行申請情報920から受け付けると、店舗クーポンID930を発行する。店舗クーポンID930は、選択された店舗「ABC店」で利用可能な店舗クーポンを一意に識別する識別子である。
【0130】
利用先自治体クーポン管理サーバ205は、発行した店舗クーポンID930を全国クーポン管理サーバ201に送信する。この際、利用先自治体クーポン管理サーバ205は、例えば、店舗クーポン発行申請情報920に含まれる電子クーポン利用権ID「XYZ123」を店舗クーポンID930とともに全国クーポン管理サーバ201に送信する。
【0131】
全国クーポン管理サーバ201は、利用先自治体クーポン管理サーバ205から店舗クーポンID930を受け付けると、電子クーポン利用権ID「XYZ123」から、全国クーポン管理テーブル220内の全国クーポン管理情報400-1を特定する。そして、全国クーポン管理サーバ201は、特定した全国クーポン管理情報400-1を更新する。ここでは、店舗クーポンID930を「B:XYZ123」とする。
【0132】
図11Bの(11-3)に示すように、全国クーポン管理サーバ201は、店舗クーポンID「B:XYZ123」を全国クーポン管理情報400-1に設定する。また、全国クーポン管理サーバ201は、店舗クーポンの価格「3,900円」を全国クーポン管理情報400-1に設定する。店舗クーポンID「B:XYZ123」は、店舗クーポンフィールドに設定される。店舗クーポンの価格「3,900円」は、値(円)フィールドに設定される。
【0133】
また、利用先自治体クーポン管理サーバ205は、納税者のユーザ端末203に、店舗クーポンID「B:XYZ123」を通知することにより、店舗クーポン940を発行する。店舗クーポン940は、利用先自治体「B」の店舗「ABC店」で利用可能な電子クーポンである。
【0134】
これにより、全国クーポン管理サーバ201は、利用先自治体クーポン管理サーバ205を介して、納税先自治体「A」とは異なる利用先自治体「B」の店舗「ABC店」で利用可能な店舗クーポンを納税者「太郎」に対して発行することができる。
【0135】
つぎに、店舗クーポンを利用する場合について説明する。
【0136】
図10において、納税者は、利用先自治体「B」の店舗「ABC店」での支払い時に、ユーザ端末203に表示される店舗利用画面を店員に提示することにより、発行された店舗クーポンを利用することができる。
【0137】
ここで、
図15を用いて、店舗利用画面の画面例について説明する。
【0138】
図15は、店舗利用画面の画面例を示す説明図である。
図15において、店舗利用画面1500は、店舗クーポンID「B:XYZ123」の店舗クーポンを利用するための操作画面である。お支払い額は、例えば、店舗クーポンの価格「3,900円」となる。
【0139】
店舗利用画面1500によれば、納税者は、利用先自治体「B」の店舗「ABC店」での支払いに、最大3,900円分の店舗クーポンを利用することができる。
【0140】
納税者は、支払いが完了すると、ユーザ端末203を用いて店舗側端末に表示される二次元バーコードを読み込むことにより、利用情報を取得する。利用情報は、例えば、店舗の名称や口座番号、店舗クーポンが利用された商品やサービスなどを表す。利用情報には、例えば、商品やサービスの提供に対して支払われた総額が含まれていてもよい。総額は、例えば、店舗クーポンを利用して支払われた分の総額である。
【0141】
また、利用情報には、例えば、店舗クーポンが利用可能な対象商品以外であって、ユーザが注文した他の商品の情報が含まれていてもよい。これにより、例えば、システム管理者は、店舗クーポンの利用がきっかけで、どれだけ他の消費を誘発したのかといった分析を行うための情報を得ることができる。
【0142】
ここで、
図16を用いて、二次元バーコードの表示例について説明する。
【0143】
図16は、二次元バーコードの表示例を示す説明図である。
図16において、二次元バーコード1600は、店舗での支払い完了時に、店舗側端末(不図示)に表示される二次元バーコードの一例である。二次元バーコード1600には、例えば、店舗の名称や口座番号、店舗クーポンが利用された商品(料理)の情報が記録されている。ただし、二次元バーコード1600には、店舗クーポンが利用された商品(料理)の情報が記録されていなくてもよい。また、二次元バーコード1600には、店舗での商品の提供に対して支払われた総額が含まれていてもよい。総額は、例えば、店舗クーポンを利用して支払われた分の総額である。
【0144】
納税者は、ユーザ端末203を用いて二次元バーコード1600を読み込むことにより、利用情報1010を取得する。ここでは、利用情報1010には、店舗の名称、口座番号、店舗クーポンが利用された商品(料理)の情報(メニュー名、価格など)が含まれるとする。ただし、利用情報1010には、店舗クーポンが利用された商品(料理)の情報が含まれていなくてもよい。利用情報1010には、店舗クーポンが利用された商品の提供に対して支払われた総額が含まれていてもよい。また、利用情報1010には、店舗クーポンが利用可能な対象商品以外であって、ユーザが注文した他の商品の情報が含まれていてもよい。
【0145】
ユーザ端末203は、利用情報1010を取得すると、利用先自治体クーポン管理サーバ205に利用実績情報1020を送信する。利用実績情報1020は、電子クーポン利用権を行使して電子クーポンが利用されたことを示す情報であり、利用先自治体「B」および店舗クーポンID「B:XYZ123」を含む。
【0146】
利用実績情報1020には、納税者の情報(例えば、納税者の名称、ログインID)が含まれる。また、利用実績情報1020には、利用情報1010に含まれる店舗の名称、口座番号、店舗クーポンが利用された商品(料理)の情報が含まれる。ただし、利用実績情報1020には、店舗クーポンが利用された商品(料理)の情報が含まれていなくてもよい。利用実績情報1020には、店舗クーポンが利用された商品の提供に対して支払われた総額が含まれていてもよい。また、利用実績情報1020には、店舗クーポンが利用可能な対象商品以外であって、ユーザが注文した他の商品の情報が含まれていてもよい。ここでは、店舗の名称を「ABC店」、店舗の口座番号を「12345」とする。
【0147】
利用先自治体クーポン管理サーバ205は、ユーザ端末203から利用実績情報1020を受け付けると、全国クーポン管理サーバ201に利用実績情報1030を送信する。利用実績情報1030には、利用実績情報1020と同一の情報が含まれる。
【0148】
全国クーポン管理サーバ201は、利用先自治体クーポン管理サーバ205から利用実績情報1030を受け付けると、利用実績情報1030に含まれる店舗クーポンID「B:XYZ123」から、全国クーポン管理テーブル220内の全国クーポン管理情報400-1を特定する。そして、全国クーポン管理サーバ201は、特定した全国クーポン管理情報400-1を更新する。
【0149】
図11Bの(11-4)に示すように、全国クーポン管理サーバ201は、利用実績情報1030に含まれる利用先自治体「B」、店舗「ABC店」および口座番号「12345」を、全国クーポン管理情報400-1に設定する。利用先自治体「B」は、利用先自治体フィールドに設定される。店舗「ABC店」は、利用先店舗フィールドに設定される。口座番号「12345」は、口座番号フィールドに設定される。
【0150】
この後、全国クーポン管理サーバ201は、利用先店舗「ABC店」に対する精算処理を実行する。この精算処理は、店舗クーポンの行使にともなう対価を支払う処理である。具体的には、例えば、全国クーポン管理サーバ201は、精算システム1002に利用実績情報1030を送信する。
【0151】
精算システム1002は、利用実績情報1030を受け付けると、利用先店舗「ABC店」の口座番号「12345」の口座に対して対価を振り込む。この際、精算システム1002は、利用実績情報1030に含まれる店舗クーポンが利用された商品(料理)の情報から、対象の商品(例えば、キャンペーン中の商品)に店舗クーポンが使われたかどうかのチェックを行うことにしてもよい。
【0152】
対価は、店舗クーポンID「B:XYZ123」の店舗クーポンの行使にともなう対価である。利用先店舗「ABC店」への対価は、店舗クーポンの額(価格)に応じて決まる。ただし、利用先店舗「ABC店」への対価は、例えば、利用先店舗「ABC店」との契約内容によって変動する。
【0153】
全国クーポン管理サーバ201は、利用先店舗「ABC店」に対する精算処理が完了すると、納税先自治体クーポン管理サーバ204に利用実績情報1040を送信する。利用実績情報1040には、利用実績情報1030と同一の情報が含まれる。また、利用実績情報1040には、電子クーポン利用権ID「XYZ123」が含まれる。電子クーポン利用権ID「XYZ123」は、例えば、全国クーポン管理情報400-1から特定される。また、利用実績情報1040には、利用先店舗「ABC店」に対する精算処理が完了したことを示す情報が含まれていてもよい。
【0154】
納税先自治体クーポン管理サーバ204は、全国クーポン管理サーバ201から利用実績情報1040を受け付けると、利用実績情報1040に含まれる電子クーポン利用権ID「XYZ123」から、納税先自治体クーポン管理テーブル240内の納税先自治体クーポン管理情報500-1を特定する。そして、納税先自治体クーポン管理サーバ204は、特定した納税先自治体クーポン管理情報500-1を更新する。
【0155】
図12の(12-2)に示すように、納税先自治体クーポン管理サーバ204は、利用実績情報1040に含まれる利用先自治体「B」および店舗「ABC店」を、納税先自治体クーポン管理情報500-1に設定する。利用先自治体「B」は、利用先自治体フィールドに設定される。店舗「ABC店」は、店舗フィールドに設定される。
【0156】
つぎに、納税先自治体クーポン管理サーバ204は、全国クーポン管理サーバ201に対する精算処理を実行する。この精算処理は、電子クーポン利用権の行使にともなう対価を支払う処理である。具体的には、例えば、納税先自治体クーポン管理サーバ204は、納税先自治体精算システム1003に利用実績情報1040を送信する。
【0157】
納税先自治体精算システム1003は、利用実績情報1040を受け付けると、全国クーポン管理サーバ201の口座に対して対価を振り込む。この際、納税先自治体精算システム1003は、利用実績情報1040に含まれる利用先自治体や店舗クーポンが利用された商品(料理)の情報から、他の自治体の対象の商品(例えば、キャンペーン中の商品)に店舗クーポンが使われたかどうかのチェックを行うことにしてもよい。
【0158】
対価は、電子クーポン利用権ID「XYZ123」の電子クーポン利用権の行使にともなう対価である。全国クーポン管理サーバ201への対価は、電子クーポンの基準額に応じて決まる。ただし、全国クーポン管理サーバ201への対価は、例えば、全国クーポン管理サーバ201との契約内容によって変動する。
【0159】
これにより、情報処理システム200は、納税者による店舗クーポンの利用に応じて、店舗クーポンの行使にともなう利用先店舗への精算処理や、電子クーポン利用権の行使にともなう納税先自治体への精算処理を実行することができる。
【0160】
(情報処理システム200の各種処理手順)
つぎに、情報処理システム200の各種処理手順について説明する。まず、
図17および
図18を用いて、情報処理システム200の電子クーポン利用権発行処理手順について説明する。
【0161】
図17および
図18は、情報処理システム200の電子クーポン利用権発行処理手順の一例を示すシーケンス図である。
図17において、まず、ユーザ端末203は、ふるさと納税管理サーバ202の納税ポータルサイトにアクセスすることにより、ふるさと納税にともなう電子クーポンの利用申請を行う(ステップS1701)。
【0162】
ふるさと納税管理サーバ202は、電子クーポンの利用申請が行われると、全国クーポン管理サーバ201に申請情報を送信する(ステップS1702)。申請情報は、ふるさと納税に応じて発行される電子クーポンの利用申請に相当し、例えば、納税者自治体、納税者、ログインID、納税先自治体、返礼品ID、返礼品種別などの情報を含む。
【0163】
全国クーポン管理サーバ201は、ふるさと納税管理サーバ202から申請情報を受信すると、申請情報から特定される納税先自治体と納税者の情報を、全国クーポン管理テーブル220に記録する(ステップS1703)。そして、全国クーポン管理サーバ201は、納税先自治体業務システム800に申請情報を送信する(ステップS1704)。
【0164】
納税先自治体業務システム800は、申請情報を受信すると、ふるさと納税の納税額に応じた電子クーポン利用権の払い出し指示とともに申請情報を納税先自治体クーポン管理サーバ204に送信する(ステップS1705)。なお、ステップS1705の処理は、例えば、納税先自治体への納税者の寄付(納税)を受領する処理完了後に実行される。
【0165】
図18のシーケンス図において、まず、納税先自治体クーポン管理サーバ204は、電子クーポン利用権の払い出し指示とともに申請情報を受信すると、電子クーポン利用権IDを発行する(ステップS1801)。電子クーポン利用権IDは、ふるさと納税の納税額に応じた基準額(価格)の電子クーポン利用権のIDである。
【0166】
つぎに、納税先自治体クーポン管理サーバ204は、発行した電子クーポン利用権IDと申請情報の情報を、納税先自治体クーポン管理テーブル240に記録する(ステップS1802)。そして、納税先自治体クーポン管理サーバ204は、全国クーポン管理サーバ201にクーポン情報を送信する(ステップS1803)。
【0167】
クーポン情報は、納税先自治体における電子クーポン利用権の発行手続きの完了を示す情報であり、例えば、電子クーポン利用権ID、電子クーポン利用権の基準額、納税先自治体、返礼品ID、納税者自治体、納税者、ログインIDなどを含む。
【0168】
全国クーポン管理サーバ201は、クーポン情報を受信すると、全国クーポン管理テーブル220を更新する(ステップS1804)。具体的には、例えば、全国クーポン管理サーバ201は、クーポン情報に含まれる返礼品IDから、全国クーポン管理テーブル220内の全国クーポン管理情報を特定し、特定した全国クーポン管理情報を更新する。
【0169】
そして、全国クーポン管理サーバ201は、納税者のユーザ端末203に、クーポン情報に含まれる電子クーポン利用権IDを通知することにより、納税者に対して電子クーポン利用権を発行する(ステップS1805)。電子クーポン利用権は、例えば、納税先自治体とは異なる複数の自治体の各自治体で利用可能な電子クーポンの利用権である。
【0170】
これにより、全国クーポン管理サーバ201は、納税先自治体への納税に応じて、納税先自治体とは異なる複数の自治体の各自治体で利用可能な電子クーポンの利用権を納税者に対して発行することができる。
【0171】
つぎに、
図19を用いて、情報処理システム200の店舗クーポン発行処理手順について説明する。
【0172】
図19は、情報処理システム200の店舗クーポン発行処理手順の一例を示すシーケンス図である。
図19において、まず、ユーザ端末203は、電子クーポン利用権を行使するにあたり、全国クーポン管理サーバ201に利用権行使要求を送信する(ステップS1901)。
【0173】
全国クーポン管理サーバ201は、利用権行使要求を受信した場合、電子クーポン利用権を行使して電子クーポンを利用可能な各店舗のクーポンレートを特定する(ステップS1902)。具体的には、例えば、全国クーポン管理サーバ201は、全国クーポン管理テーブル220から、利用権行使要求に含まれる電子クーポン利用権IDに対応する全国クーポン管理情報を特定する。全国クーポン管理サーバ201は、特定した全国クーポン管理情報を参照して、納税先自治体および納税者自治体を特定する。全国クーポン管理サーバ201は、クーポンレートテーブル230を参照して、特定した納税先自治体と納税者自治体との組合せに対応する各店舗のクーポンレートを特定する。
【0174】
つぎに、全国クーポン管理サーバ201は、特定した各店舗のクーポンレートに基づいて、ユーザ端末203に店舗選択画面を表示する(ステップS1903)。店舗選択画面は、例えば、
図14に示した店舗選択画面1400である。ユーザ端末203は、店舗選択画面において、電子クーポンを利用する店舗が選択されると、店舗選択結果を全国クーポン管理サーバ201に送信する(ステップS1904)。
【0175】
全国クーポン管理サーバ201は、店舗選択結果を受信すると、店舗クーポン発行申請情報を生成する(ステップS1905)。店舗クーポン発行申請情報は、選択された店舗で利用可能な店舗クーポンの発行指示に相当し、例えば、選択された店舗や店舗クーポンの価格(変換後の額)を表す情報や、電子クーポン利用権IDが含まれる。
【0176】
そして、全国クーポン管理サーバ201は、生成した店舗クーポン発行申請情報を利用先自治体クーポン管理サーバ205に送信する(ステップS1906)。利用先自治体クーポン管理サーバ205は、選択された店舗の自治体(利用先自治体)のサーバである。
【0177】
利用先自治体クーポン管理サーバ205は、店舗クーポン発行申請情報を受信すると、店舗クーポンIDを発行する(ステップS1907)。店舗クーポンIDは、選択された店舗で利用可能な店舗クーポンを識別する。
【0178】
そして、利用先自治体クーポン管理サーバ205は、発行した店舗クーポンIDを全国クーポン管理サーバ201に送信する(ステップS1908)。この際、利用先自治体クーポン管理サーバ205は、例えば、店舗クーポン発行申請情報に含まれる電子クーポン利用権IDを店舗クーポンIDとともに全国クーポン管理サーバ201に送信する。
【0179】
全国クーポン管理サーバ201は、店舗クーポンIDを受信すると、全国クーポン管理テーブル220を更新する(ステップS1909)。具体的には、例えば、全国クーポン管理サーバ201は、全国クーポン管理テーブル220から、電子クーポン利用権IDに対応する全国クーポン管理情報を特定し、特定した全国クーポン管理情報を更新する。
【0180】
利用先自治体クーポン管理サーバ205は、発行した店舗クーポンIDをユーザ端末203に通知することにより、店舗クーポンを発行する(ステップS1910)。
【0181】
これにより、全国クーポン管理サーバ201は、利用先自治体クーポン管理サーバ205を介して、納税先自治体とは異なる利用先自治体の店舗(納税者が選択した店舗)で利用可能な店舗クーポンを納税者に対して発行することができる。
【0182】
つぎに、
図20を用いて、情報処理システム200のクーポン利用処理手順について説明する。
【0183】
図20は、情報処理システム200のクーポン利用処理手順の一例を示すシーケンス図である。
図20において、まず、ユーザ端末203は、店舗クーポンを利用した支払い完了時に、店舗側端末に表示される二次元バーコードを読み込むことにより、利用情報を取得する(ステップS2001)。利用情報は、例えば、店舗の名称や口座番号、店舗クーポンが利用された商品やサービスなどを表す。
【0184】
ユーザ端末203は、利用情報を取得すると、利用先自治体クーポン管理サーバ205に利用実績情報を送信する(ステップS2002)。利用実績情報は、電子クーポン利用権を行使して電子クーポンが利用されたことを示す情報であり、例えば、利用先自治体、店舗クーポンID、納税者、利用先店舗、利用先店舗の口座番号、店舗クーポンが利用された商品(料理)などの情報を含む。
【0185】
利用先自治体クーポン管理サーバ205は、利用実績情報を受信すると、全国クーポン管理サーバ201に利用実績情報を送信する(ステップS2003)。
【0186】
全国クーポン管理サーバ201は、利用実績情報を受信すると、全国クーポン管理テーブル220を更新する(ステップS2004)。具体的には、例えば、全国クーポン管理サーバ201は、全国クーポン管理テーブル220から、利用実績情報に含まれる店舗クーポンIDに対応する全国クーポン管理情報を特定し、特定した全国クーポン管理情報を更新する。
【0187】
つぎに、全国クーポン管理サーバ201は、利用先店舗に対する精算処理を実行する(ステップS2005)。この精算処理は、店舗クーポンの行使にともなう対価を支払う処理である。全国クーポン管理サーバ201は、利用先店舗に対する精算処理が完了すると、納税先自治体クーポン管理サーバ204に利用実績情報を送信する(ステップS2006)。
【0188】
納税先自治体クーポン管理サーバ204は、利用実績情報を受信すると、全国クーポン管理サーバ201に対する精算処理を実行する(ステップS2007)。この精算処理は、電子クーポン利用権の行使にともなう対価を支払う処理である。
【0189】
これにより、情報処理システム200は、納税者による店舗クーポンの利用に応じて、店舗クーポンの行使にともなう利用先店舗への精算処理や、電子クーポン利用権の行使にともなう納税先自治体への精算処理を実行することができる。
【0190】
なお、ステップS2007において、納税先自治体クーポン管理サーバ204は、利用実績情報を受信すると、納税先自治体クーポン管理テーブル240を更新する。具体的には、例えば、納税先自治体クーポン管理サーバ204は、納税先自治体クーポン管理テーブル240から、利用実績情報に含まれる電子クーポン利用権IDに対応する納税先自治体クーポン管理情報を特定し、特定した納税先自治体クーポン管理情報を更新する。
【0191】
以上説明したように、実施の形態にかかる全国クーポン管理サーバ201によれば、納税先自治体への納税に応じて発行される電子クーポンの利用申請を受け付けた場合、納税先自治体と納税者とを対応付けて記憶部710に記憶することができる。納税は、例えば、ふるさと納税である。また、全国クーポン管理サーバ201によれば、納税先自治体とは異なる他の自治体で利用可能な電子クーポンの利用権(電子クーポン利用権)を納税者に対して発行することができる。他の自治体で利用可能な電子クーポンは、他の自治体に応じて設定された変換ルールにより、納税先自治体への納税に応じて納税先自治体により発行される納税先自治体で利用可能な電子クーポンの基準額から変換した変換後の額の電子クーポンである。他の自治体は、例えば、納税者の居住自治体である。そして、全国クーポン管理サーバ201によれば、発行した電子クーポン利用権を行使した電子クーポンの利用を検出したことに応じて、記憶部710を参照して、納税者による電子クーポンの利用実績情報を納税先自治体に通知することができる。
【0192】
これにより、全国クーポン管理サーバ201は、納税者がふるさと納税を行った際に、納税先自治体とは異なる他の自治体で電子クーポンを利用可能にする連携基盤を実現することができる。また、全国クーポン管理サーバ201は、納税先自治体との物価や人口などの違いを勘案して、納税先自治体で納税額に応じて発行される電子クーポンの基準額に、他の自治体に応じた上乗せ分を追加した電子クーポンの電子クーポンを利用可能にすることができる。このため、全国クーポン管理サーバ201は、自治体への納税に応じて発行される電子クーポンを利用する納税者の利便性を向上させることができる。
【0193】
また、全国クーポン管理サーバ201によれば、納税先自治体とは異なる複数の自治体の各自治体で利用可能な電子クーポンであって、各自治体に応じて設定された変換ルールにより、電子クーポンの基準額から変換した変換後の額の電子クーポンの電子クーポン利用権を納税者に対して発行することができる。
【0194】
これにより、全国クーポン管理サーバ201は、納税者がふるさと納税を行った際に、納税先自治体とは異なる複数の自治体の各自治体で電子クーポンを利用可能にする連携基盤を実現することができる。
【0195】
また、全国クーポン管理サーバ201によれば、他の自治体の各店舗で利用可能な電子クーポンであって、各店舗に応じて設定された変換ルールにより、電子クーポンの基準額から変換した変換後の額の電子クーポンの電子クーポン利用権を納税者に対して発行することができる。
【0196】
これにより、全国クーポン管理サーバ201は、納税者がふるさと納税を行った際に、納税先自治体とは異なる他の自治体の各店舗で電子クーポンを利用可能にする連携基盤を実現することができる。
【0197】
また、全国クーポン管理サーバ201によれば、電子クーポンの利用申請に応じて、納税先自治体における電子クーポン利用権の発行手続きが完了した場合に、納税者に対して電子クーポン利用権を発行することができる。
【0198】
これにより、全国クーポン管理サーバ201は、納税先自治体において、納税(寄付)が受領され、納税額に応じた電子クーポン利用権が発行されたことを確認した上で、納税者に対して電子クーポン利用権を発行することができる。
【0199】
また、全国クーポン管理サーバ201によれば、電子クーポン利用権を行使した電子クーポンの利用を検出したことに応じて、納税者と、電子クーポンが利用された利用先自治体の店舗および商品とを表す情報を含む利用実績情報を納税先自治体に通知することができる。
【0200】
これにより、全国クーポン管理サーバ201は、納税先自治体において、どの自治体のどの店舗でどの商品に対して電子クーポンが利用されたのかをチェック可能にすることができ、対象の商品やサービス以外に電子クーポンが利用されるのを防ぐことができる。例えば、納税先自治体は、電子クーポン利用権の行使にともなう精算処理を行うにあたり、納税先自治体に関連するキャンペーンが実施されている店舗で、納税先自治体の一次産品を使用した商品に電子クーポンが利用されたのかどうかを検証することができる。
【0201】
また、全国クーポン管理サーバ201によれば、発行した電子クーポン利用権を行使した電子クーポンの利用を検出したことに応じて、当該電子クーポンの利用先に対する精算処理を実行することができる。そして、全国クーポン管理サーバ201によれば、精算処理が完了した場合に、利用実績情報を納税先自治体に通知することができる。
【0202】
これにより、全国クーポン管理サーバ201は、利用先の自治体や店舗に対する、電子クーポンの行使にともなう対価の支払いを請け負うことができる。例えば、納税先自治体は、電子クーポン利用権の行使にともなう対価の支払いを全国クーポン管理サーバ201に対して行えばよく、利用先の自治体や店舗に対する個別の精算処理にかかるコストを削減することができる。
【0203】
また、全国クーポン管理サーバ201によれば、電子クーポン利用権の行使要求を受け付けた場合、複数の自治体の各自治体を、各自治体に応じて設定されたクーポンレートと対応付けて選択可能に出力することができる。そして、全国クーポン管理サーバ201によれば、複数の自治体のうち、選択された自治体で利用可能な電子クーポンであって、当該自治体に応じて設定されたクーポンレートで、電子クーポンの基準額を変換した変換後の額の電子クーポンを納税者に対して発行することができる。
【0204】
これにより、全国クーポン管理サーバ201は、納税先自治体とは異なる複数の自治体の中から電子クーポンを利用する自治体を納税者によって選択可能にすることができる。また、全国クーポン管理サーバ201は、各自治体に応じて設定されたクーポンレートを提示することで、よりお得に電子クーポンを利用できる自治体を判断可能にすることができる。
【0205】
また、全国クーポン管理サーバ201によれば、電子クーポン利用権の行使要求を受け付けた場合、他の自治体の各店舗を、各店舗に応じて設定されたクーポンレートと対応付けて選択可能に出力することができる。そして、全国クーポン管理サーバ201によれば、他の自治体の各店舗のうち、選択された店舗で利用可能な電子クーポンであって、当該店舗に応じて設定されたクーポンレートで、電子クーポンの基準額を変換した変換後の額の電子クーポンを納税者に対して発行することができる。
【0206】
これにより、全国クーポン管理サーバ201は、納税先自治体とは異なる他の自治体の店舗の中から電子クーポンを利用する店舗を納税者によって選択可能にすることができる。また、全国クーポン管理サーバ201は、各店舗に応じて設定されたクーポンレートを提示することで、よりお得に電子クーポンを利用できる店舗を判断可能にすることができる。
【0207】
これらのことから、情報処理システム200によれば、自治体への納税に応じて発行される電子クーポンを利用する納税者の利便性を向上させて、ふるさと納税の利用拡大を促進することができる。例えば、電子クーポンの利用先となる自治体において、納税先自治体に関連するキャンペーンを実施することで、納税者は、自身の居住地、勤務地、出張先などの料理店において、納税先自治体で生産される一次産品を使用したメニューを楽しむことができる。
【0208】
また、納税先自治体は、地元で生産される一次産品が他の自治体で消費されるため、電子クーポンが地元で消費されなくても、経済効果を得ることができる。また、納税先自治体は、他の自治体でのキャンペーンにより、納税先自治体に対する興味や魅了を感じてもらって、新たな価値を見出してもらえる機会を得ることができる。
【0209】
また、利用先自治体が納税者の居住自治体の場合、ふるさと納税で税収が納税先自治体に流出することになる。ところが、利用先自治体は、電子クーポンを地元で消費してもらうことで、新たな経済効果を得ることができ、地元の事業者の売り上げや税収の増加を期待することができる。例えば、都会(利用先自治体)を中心に流出した税収が一部還元されるとともに、納税先自治体と利用先自治体の両自治体に好循環となる経済効果をもたらすことができる。
【0210】
なお、本実施の形態で説明した地域クーポン管理方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本地域クーポン管理プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD-ROM、DVD、USBメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、本地域クーポン管理プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
【0211】
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0212】
(付記1)第1の自治体への納税に応じて発行される電子クーポンの利用申請を受け付けた場合、前記第1の自治体と前記納税の納税者とを対応付けて記憶部に記憶し、
前記第1の自治体とは異なる他の自治体で利用可能な前記電子クーポンであって、前記他の自治体に応じて設定された変換ルールにより、前記納税に応じて前記第1の自治体により発行される前記第1の自治体で利用可能な前記電子クーポンの額から変換した変換後の額の前記電子クーポンの利用権を前記納税者に対して発行し、
発行した前記利用権を行使した前記電子クーポンの利用を検出したことに応じて、前記記憶部を参照して、前記納税者による前記電子クーポンの利用実績情報を前記第1の自治体に通知する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする地域クーポン管理方法。
【0213】
(付記2)前記発行する処理は、
前記第1の自治体とは異なる複数の自治体の各自治体で利用可能な前記電子クーポンであって、前記各自治体に応じて設定された変換ルールにより、前記納税に応じて前記第1の自治体により発行される前記第1の自治体で利用可能な前記電子クーポンの額から変換した変換後の額の前記電子クーポンの利用権を前記納税者に対して発行する、ことを特徴とする付記1に記載の地域クーポン管理方法。
【0214】
(付記3)前記発行する処理は、
前記他の自治体の各店舗で利用可能な前記電子クーポンであって、前記各店舗に応じて設定された変換ルールにより、前記納税に応じて前記第1の自治体により発行される前記第1の自治体で利用可能な前記電子クーポンの額から変換した変換後の額の前記電子クーポンの利用権を前記納税者に対して発行する、ことを特徴とする付記1または2に記載の地域クーポン管理方法。
【0215】
(付記4)前記発行する処理は、
前記利用申請に応じて、前記第1の自治体における前記利用権の発行手続きが完了した場合に、前記納税者に対して前記利用権を発行する、ことを特徴とする付記1に記載の地域クーポン管理方法。
【0216】
(付記5)前記利用実績情報は、前記納税者と、前記電子クーポンが利用された利用先自治体の店舗および商品とを表す情報を含む、ことを特徴とする付記1に記載の地域クーポン管理方法。
【0217】
(付記6)発行した前記利用権を行使した前記電子クーポンの利用を検出したことに応じて、当該電子クーポンの利用先に対する精算処理を前記コンピュータが実行し、
前記通知する処理は、
前記精算処理が完了した場合に、前記利用実績情報を前記第1の自治体に通知する、
ことを特徴とする付記1~5のいずれか一つに記載の地域クーポン管理方法。
【0218】
(付記7)前記利用権の行使要求を受け付けた場合、前記複数の自治体の各自治体を、前記各自治体に応じて設定されたクーポンレートと対応付けて選択可能に出力し、
前記複数の自治体のうち、選択された自治体で利用可能な前記電子クーポンであって、当該自治体に応じて設定されたクーポンレートで、前記納税に応じて前記第1の自治体により発行される前記第1の自治体で利用可能な前記電子クーポンの額を変換した変換後の額の前記電子クーポンを前記納税者に対して発行する、
ことを特徴とする付記2に記載の地域クーポン管理方法。
【0219】
(付記8)前記利用権の行使要求を受け付けた場合、前記他の自治体の各店舗を、前記各店舗に応じて設定されたクーポンレートと対応付けて選択可能に出力し、
前記他の自治体の各店舗のうち、選択された店舗で利用可能な前記電子クーポンであって、当該店舗に応じて設定されたクーポンレートで、前記納税に応じて前記第1の自治体により発行される前記第1の自治体で利用可能な前記電子クーポンの額を変換した変換後の額の前記電子クーポンを前記納税者に対して発行する、
処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする付記3に記載の地域クーポン管理方法。
【0220】
(付記9)前記他の自治体は、前記納税者の居住自治体である、ことを特徴とする付記1に記載の地域クーポン管理方法。
【0221】
(付記10)前記納税は、ふるさと納税である、ことを特徴とする付記1~9のいずれか一つに記載の地域クーポン管理方法。
【0222】
(付記11)第1の自治体への納税に応じて発行される電子クーポンの利用申請を受け付けた場合、前記第1の自治体と前記納税の納税者とを対応付けて記憶部に記憶し、
前記第1の自治体とは異なる他の自治体で利用可能な前記電子クーポンであって、前記他の自治体に応じて設定された変換ルールにより、前記納税に応じて前記第1の自治体により発行される前記第1の自治体で利用可能な前記電子クーポンの額から変換した変換後の額の前記電子クーポンの利用権を前記納税者に対して発行し、
発行した前記利用権を行使した前記電子クーポンの利用を検出したことに応じて、前記記憶部を参照して、前記納税者による前記電子クーポンの利用実績情報を前記第1の自治体に通知する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする地域クーポン管理プログラム。
【符号の説明】
【0223】
101 情報処理装置
102 第1の自治体
103 他の自治体
104 納税者
105 ポータルサイト
110,710 記憶部
120 利用申請
130 利用権
140,1020,1030,1040 利用実績情報
200 情報処理システム
201 全国クーポン管理サーバ
202 ふるさと納税管理サーバ
203 ユーザ端末
204 納税先自治体クーポン管理サーバ
205 利用先自治体クーポン管理サーバ
210 ネットワーク
220 全国クーポン管理テーブル
230 クーポンレートテーブル
240 納税先自治体クーポン管理テーブル
300 バス
301 CPU
302 メモリ
303 ディスクドライブ
304 ディスク
305 通信I/F
306 可搬型記録媒体I/F
307 可搬型記録媒体
700 制御部
701 受付部
702 登録部
703 発行部
704 精算部
705 通知部
800 納税先自治体業務システム
810,820,830 申請情報
840 クーポン情報
850 電子クーポン利用権
910 利用権行使要求
920 店舗クーポン発行申請情報
930 店舗クーポンID
940 店舗クーポン
1002 精算システム
1003 納税先自治体精算システム
1010 利用情報
1300 申請画面
1400 店舗選択画面
1500 店舗利用画面
1600 二次元バーコード