(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120532
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】ペン付きカッター
(51)【国際特許分類】
B26B 11/00 20060101AFI20240829BHJP
B43K 29/18 20060101ALI20240829BHJP
B43K 24/04 20060101ALI20240829BHJP
B26B 1/08 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
B26B11/00 Z
B43K29/18
B43K24/04
B26B1/08 Z
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027380
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】504300125
【氏名又は名称】株式会社東洋システムサービス
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】前田 大志
【テーマコード(参考)】
2C353
3C061
【Fターム(参考)】
2C353HC10
3C061AA10
3C061AA48
3C061BB05
3C061BB12
3C061CC19
3C061CC24
(57)【要約】
【課題】 ペン芯とカッター刃とが同時に突出する状態になるのを回避できるようにする。
【解決手段】 細長い手持ち可能なホルダ3と、このホルダ3の一側内に収納されていてペン先4aが一側端から突出可能なペン芯4と、ホルダ3の他側内に収納されていて刃先5aが他側端から突出可能なカッター刃5と、ホルダ3内に長手方向摺動可能に収納されていてペン芯4とカッター刃5とを択一的に突出させる操作体6とを有している。前記ホルダ3と操作体6との間に、操作体6を、ペン芯4及びカッター刃5を共に没入させる中立位置Nと、ペン芯4のみが突出する筆記位置Pと、カッター刃5のみが突出する切断位置Bとに位置決めする操作位置設定手段7を設けている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い手持ち可能なホルダ(3)と、
このホルダ(3)の一側内に収納されていてペン先(4a)が一側端から突出可能なペン芯(4)と、
ホルダ(3)の他側内に収納されていて刃先(5a)が他側端から突出可能なカッター刃(5)と、
ホルダ(3)内に長手方向摺動可能に収納されていてペン芯(4)とカッター刃(5)とを択一的に突出させる操作体(6)とを有しており、
前記ホルダ(3)と操作体(6)との間に、操作体(6)を、ペン芯(4)及びカッター刃(5)を共に没入させる中立位置(N)と、ペン芯(4)のみが突出する筆記位置(P)と、カッター刃(5)のみが突出する切断位置(B)とに位置決めする操作位置設定手段(7)を設けていることを特徴とするペン付きカッター。
【請求項2】
前記操作体(6)は、ホルダ(3)内に長手方向に形成された摺動路(11)を移動可能な基台部(6A)と、この基台部(6A)の一側でペン芯(4)を押動可能なペン押動部(6B)と、基台部(6A)の他側でカッター刃(5)を連結する刃連結部(6C)と、基台部(6A)から突出していてホルダ(3)表面に摺動路(11)と平行に形成されたガイド溝(12)内を移動可能な操作部(6D)とを有することを特徴する請求項1に記載のペン付きカッター。
【請求項3】
前記操作位置設定手段(7)は、ホルダ(3)表面のガイド溝(12)の溝壁に形成されていて、操作体(6)の中立位置(N)に対応する中立係止部(9n)と、操作体(6)の筆記位置(P)に対応する筆記係止部(9p)と、操作体(6)の切断位置(B)に対応する切断係止部(9b)と、操作部(6D)に設けられていて前記中立係止部(9n)と筆記係止部(9p)と切断係止部(9b)とに択一的に係脱自在に係合する係合部(K)とを有することを特徴する請求項2に記載のペン付きカッター。
【請求項4】
前記中立係止部(9n)と筆記係止部(9p)と切断係止部(9b)のそれぞれはガイド溝(12)の溝壁に凹みとして形成されており、
前記操作体(6)の操作部(6D)は、基台部(6A)から表側に弾発されていて先端側の側部がガイド溝(12)の溝壁の凹み間の凸部(t)に裏面から当接する弾性板部(21)と、この弾性板部(21)の先端側の側部でガイド溝(12)の溝壁の凹みに係合する突起形状の前記係合部(K)と、弾性板部(21)の先端側表面でガイド溝(12)から突出していて弾性板部(21)の先端側を押し下げ可能な押動部(W)とを有することを特徴する請求項3に記載のペン付きカッター。
【請求項5】
前記ホルダ(3)は、ペン芯(4)の大半を収納するペンホルダ部(L)と、このペンホルダ部(L)と着脱自在に連結されていてペン芯(4)の基端及びカッター刃(5)を収納するカッターホルダ部(H)とを有しており、
前記カッターホルダ部(H)は、操作体(6)の基台部(6A)を案内する摺動路(11)を形成した裏ケース(H1)と、この裏ケース(H1)に着脱可能に合体されていて操作体(6)の操作部(6D)を案内するガイド溝(12)を形成した表ケース(H2)とを有することを特徴する請求項2に記載のペン付きカッター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筆記具のペンと切断用カッターとを一体化したペン付きカッターに関する。
【背景技術】
【0002】
ペンとカッターとを一体化した技術として特許文献1、2に開示されたものがある。
【0003】
特許文献1のカッター付筆記具は、シャープペンシル、ボールペン等の筆記体を軸部の一端に装備すると共に軸部の他端にカッターを装備して成る(実用新案登録請求の範囲)。
【0004】
このカッター付筆記具は、繰出装置を回動することにより、カッターをパイプ体からその刃先を突出又は没入自在にしている。そして、ボールペンはその筆先を突出状態に固定してキャップを冠着しており、ボールペンを繰出式に構成することは可能であると記載されている。
【0005】
特許文献2の万能平板カッターペンは、ノック式のボールペンの軸筒の後端部に繰り出し折り刃方式のカッターナイフを備え付けており、操作部をノックすることにより、ボールペンのペン先を軸筒の一端から出退自在に突出させ、スライダーを進退することにより、カッターナイフを進退するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】公開実用新案昭60-154182号公報
【特許文献2】実用新案登録第3161824号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記特許文献1の技術は、ボールペンを繰出式に構成することが可能であるが、カッターを出没させる繰出装置でボールペンを繰出動作させることは困難であり、カッター出没用の繰出装置を設けなくてはならない。
【0008】
前記特許文献2の技術は、ボールペン出退用のノック式操作部と、カッターナイフ進退用のスライダーとを必要とするとともに、ボールペンの突出状態をカッターナイフの進出状態とを同時に実現する可能性があり、択一的使用を行うことが保証し難いものとなっている。
【0009】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにした ペン付きカッターを提供することを目的とする。
【0010】
本発明は、ひとつの操作体でペン芯の突出とカッター刃の突出とを択一的に選択できるようにしたペン付きカッターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明における課題解決のための具体的手段は、細長い手持ち可能なホルダ3と、このホルダ3の一側内に収納されていてペン先4aが一側端から突出可能なペン芯4と、ホルダ3の他側内に収納されていて刃先5aが他側端から突出可能なカッター刃5と、ホルダ3内に長手方向摺動可能に収納されていてペン芯4とカッター刃5とを択一的に突出させる操作体6とを有しており、前記ホルダ3と操作体6との間に、操作体6を、ペン芯4及びカッター刃5を共に没入させる中立位置Nと、ペン芯4のみが突出する筆記位置Pと、カッター刃5のみが突出する切断位置Bとに位置決めする操作位置設定手段7を設けている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ひとつの操作体6でペン芯4とカッター刃5とを択一的に突出させるので、ペン芯4とカッター刃5とが同時に突出する状態になるのを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図3】ペン付きカッターのカッター側の斜視図である。
【
図4】ペン付きカッターのカッター側の平面図である。
【
図5】ペン付きカッターのカッター側の表ケースを外した平面図である。
【
図6】ペン付きカッターのカッター側の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1~10において、筆記具のペンと切断用カッターとを一体化したペン付きカッター1は、細長い手持ち可能なホルダ3と、このホルダ3の一側(ペン機能側)内に収納されているペン芯4と、ホルダ3の他側(カッター機能側)内に収納されているカッター刃5と、ホルダ3内に長手方向摺動可能に収納されている操作体6とを有している。
【0016】
前記ホルダ3は、ペン芯4の大半を収納するペンホルダ部Lと、このペンホルダ部Lと着脱自在に連結されていてペン芯4の基端及びカッター刃5を収納するカッターホルダ部Hとを有している。
【0017】
ペン芯4には一般的に市販されているボールペン、サインペンの芯材が適用でき、ペンホルダ部Lもそれらに適用されている合成樹脂製の円筒形状、角筒形状のものであり、ペン芯4の戻しスプリング15を内蔵している。ペンホルダ部Lは一側端にペン先突出孔が形成されていて、ペン芯4のペン先4aがそのペン先突出孔から突出可能になっており、他側端には雌ネジLaが形成されている。
【0018】
図1~7において、前記カッターホルダ部Hは、細い長方形箱体を2つ割りにした形状であり、内面側に摺動路11を形成した裏ケースH1と、この裏ケースH1に着脱可能に合体されていてガイド溝12を形成して表面側に開口した表ケースH2とを有する。
【0019】
前記裏ケースH1と表ケースH2との一側には、合体した状態で円筒となる雄ネジHaが形成されており、この雄ネジHaをペンホルダ部Lの雌ネジLaに螺合することにより、ペンホルダ部Lとカッターホルダ部Hとが着脱自在に連結されることになり、また裏ケースH1と表ケースH2とが着脱自在に合体されることになる。
【0020】
前記裏ケースH1の合体する面には合わせ壁H1aが立設されており、表ケースH2の合体する面には裏ケースH1の合わせ壁H1aに嵌合する合わせ壁H2aが立設されており、裏ケースH1と表ケースH2とは合体時に両合わせ壁H1a、H2aが着脱可能に嵌合することにより、位置決め及び合体補強がなされる。
【0021】
カッターホルダ部Hの他側端における前記両合わせ壁H1a、H2aにおいては、
図5,6に示すように、一方に三角谷形状の係合凹部fが形成され、他方に係合凹部fと係合する三角山形状の係合突起gが形成されており、この係合凹部fと係合突起gとが係合することにより、両合わせ壁H1a、H2aの嵌合が確保される。前記係合凹部fと係合突起gとは、カッターホルダ部Hの長手方向中途部における両合わせ壁H1a、H2aにも複数箇所に設けることも可能である。
【0022】
表ケースH2には、カッターホルダ部Hの他側端において、カッター刃5の刃先5aが突出するスリットsが形成されている。表ケースH2には、摺動路11とオーバーラップするようにガイド溝12が形成されており、カッターホルダ部H内に収納されている操作体6を案内移動可能にしている。前記ガイド溝12の片側の溝壁には複数の凹みが形成されていて、操作体6の係合部Kとともに操作位置設定手段7を構成する係止部9n、9p、9bをなっている。
【0023】
図1~10において、前記操作体6は、摺動路11を移動可能な基台部6Aと、この基台部6Aの一側でペン芯4を押動可能なペン押動部6Bと、基台部6Aの他側でカッター刃5を連結する刃連結部6Cと、基台部6Aから表側へ突出していてガイド溝12内を移動可能な操作部6Dとを有する。
【0024】
基台部6Aは移動方向前後に左右片方ずつガイド凸部mが左右突出されている。裏ケー
スH1の摺動路11にはケース側壁から張り出したガイドレール部eが形成されており、基台部6Aのガイド凸部mはガイドレール部eとオーバーラップしていて、操作体6の摺動路11からの離脱を防止している。
【0025】
ペン押動部6Bは基台部6Aから角状に突出していて、その角先端が椀形状になっており、ペン芯4の基端と接離可能に当接し、かつ軸心を合わせてペン芯4を押動する。ペン芯4の戻り動作は戻しスプリング15によって行われ、操作体6を中立位置Nにしたとき、ペン押動部6Bはペン芯4との当接が解消されている、若しくはペン先4aをペンホルダ部Lのペン先突出孔内に没入させている。
【0026】
刃連結部6Cは表側に突出したピン部6Caを有しており、このピン部6Caにカッター刃5の基部の穴が嵌合することにより、カッター刃5は刃連結部6Cに取り替え可能に連結されている。
【0027】
前記カッター刃5は一般的に市販されているものが適用可能であり、1本または複数本の折れ溝5bが刻まれていて、先端刃が摩耗、損傷したときに、その先端刃を折れ溝5bで折り取って、後続部分を新たな先端刃として使用できるようになっている。
【0028】
このようにカッター刃5は先端刃を折り取ることによりその全長は減縮変化するので、操作体6におけるカッター刃5を突出する切断位置Bは、後述するように複数段に設定されている。
【0029】
前記操作体6の操作部6Dは、基台部6Aから表側に弾発されていて先端側の側部がガイド溝12の溝壁の凹み間の凸部tに裏面から当接する弾性板部21と、この弾性板部21の先端側の側部でガイド溝12の溝壁の凹みに係合する突起形状の前記係合部Kと、弾性板部21の先端側表面でガイド溝12から指掛け可能に突出していて、弾性板部21の先端側を押し下げ及び押し移動可能な押動部Wとを有する。
【0030】
前記ホルダ3のガイド溝12の溝壁の凹み(係止部9n、9p、9b)と操作体6の係合部Kとは操作位置設定手段7を構成しており、操作体6を、ペン芯4及びカッター刃5を共に没入させる中立位置Nと、ペン芯4のみが突出する筆記位置Pと、カッター刃5のみが突出する切断位置Bとに位置決めすることができる。
【0031】
図1、3、4において、操作部6Dの係合部Kはガイド溝12の溝壁の凹みである係止部9n、9p、9bの中の中立係止部9nに係合しており、操作体6を中立位置Nに設定しており、操作体6はペン芯4もカッター刃5もホルダ3から突出しない、即ち両方をホルダ3に没入した筆記切断不能状態にしている。
【0032】
前記
図1、3、4の状態から、押動部Wを押し下げて、係合部Kを中立係止部9nから離脱させると、操作部6Dはガイド溝12内を移動可能になり、操作体6をペン側へ移動すると、ペン押動部6Bが戻しスプリング15に抗してペン芯4を押動し、ペン先4aをペンホルダ部Lのペン先突出孔から突出する。ペン先4aが突出したときに押動部Wの押し下げを解除すると、係合部Kが筆記係止部9pと係合し、操作体6を筆記位置Pに保持する。
【0033】
前記
図1、3、4の状態から、押動部Wを押し下げて、係合部Kを中立係止部9nから離脱させ、操作体6をカッター側へ移動すると、カッター刃5が同時に移動し、刃先5aがカッターホルダ部Hの先端のスリットsから突出する。刃先5aが突出したときに押動部Wの押し下げを解除すると、係合部Kが切断係止部9bのひとつと係合し、操作体6を切断位置Bに保持する。
【0034】
操作体6の切断位置Bに対応する切断係止部9bは、
図1、3、4では4カ所に形成されており、その間隔はカッター刃5の折れ溝5bの間隔に対応しており、カッター刃5が新品のときは、中立係止部9nに直近の切断係止部9bが切断位置Bとなり、先端刃を折れ溝5bで折り取っていくと、切断位置Bとなる中立係止部9nが段階的に隣りへ移行されることになる。
【0035】
先端刃を折れ溝5bで折り取ってカッター刃5が短くなったときは、操作体6を中立係止部9nに直近の切断係止部9bに戻すと、操作体6はペン芯4もカッター刃5もホルダ3から突出しない筆記切断不能位置に設定されるが、次に操作体6を筆記位置Pにするには、係合部Kは中立位置Nを通り越して筆記係止部9pに係合させることになる。
【0036】
ペンホルダ部Lとカッターホルダ部Hとを分離・分解すれば、カッター刃5及びペン芯4の交換ができる。
【0037】
前述した実施形態においては、細長い手持ち可能なホルダ3と、このホルダ3の一側内に収納されていてペン先4aが一側端から突出可能なペン芯4と、ホルダ3の他側内に収納されていて刃先5aが他側端から突出可能なカッター刃5と、ホルダ3内に長手方向摺動可能に収納されていてペン芯4とカッター刃5とを択一的に突出させる操作体6とを有しており、前記ホルダ3と操作体6との間に、操作体6を、ペン芯4及びカッター刃5を共に没入させる中立位置Nと、ペン芯4のみが突出する筆記位置Pと、カッター刃5のみが突出する切断位置Bとに位置決めする操作位置設定手段7を設けている。
【0038】
この構成によって、ひとつの操作体6でペン芯4とカッター刃5とを択一的に突出させるので、ペン芯4とカッター刃5とが同時に突出する状態なるのを回避することができる。
【0039】
また、前記実施形態においては、前記操作体6は、ホルダ3内に長手方向に形成された摺動路11を移動可能な基台部6Aと、この基台部6Aの一側でペン芯4を押動可能なペン押動部6Bと、基台部6Aの他側でカッター刃5を連結する刃連結部6Cと、基台部6Aから突出していてホルダ3表面に摺動路11と平行に形成されたガイド溝12内を移動可能な操作部6Dとを有する。
【0040】
この構成によって、ひとつの操作体6にペン芯4を押動するペン押動部6Bとカッター刃5を連結する刃連結部6Cとを形成でき、ひとつの操作体6でペン芯4とカッター刃5とを択一的に突出させることが可能になる。
【0041】
さらに、前記実施形態においては、前記操作位置設定手段7は、ホルダ3表面のガイド溝12の溝壁に形成されていて、操作体6の中立位置Nに対応する中立係止部9nと、操作体6の筆記位置Pに対応する筆記係止部9pと、操作体6の切断位置Bに対応する切断係止部9bと、操作部6Dに設けられていて前記中立係止部9nと筆記係止部9pと切断係止部9bとに択一的に係脱自在に係合する係合部Kとを有する。
【0042】
この構成によって、ひとつの操作体6に設けた係合部Kを中立係止部9nと筆記係止部9pと切断係止部9bとに択一的に係脱させることにより、ひとつの操作体6を中立位置Nから筆記位置Pと切断位置Bとに択一的に位置設定することができる。
【0043】
さらに、前記実施形態においては、前記中立係止部9nと筆記係止部9pと切断係止部9bのそれぞれはガイド溝12の溝壁に凹みとして形成されており、前記操作体6の操作部6Dは、基台部6Aから表側に弾発されていて先端側の側部がガイド溝12の溝壁の凹み間の凸部tに裏面から当接する弾性板部21と、この弾性板部21の先端側の側部でガイド溝12の溝壁の凹みに係合する突起形状の前記係合部Kと、弾性板部21の先端側表面でガイド溝12から突出していて弾性板部21の先端側を押し下げ可能な押動部Wとを有する。
【0044】
この構成によって、操作体6は押動部Wを押し下げ・上げをすることにより、係合部Kを中立係止部9n、筆記係止部9p及び切断係止部9bとの係脱ができ、離脱した状態での移動もできるので、ひとつの操作体6の中立位置Nから筆記位置Pと切断位置Bへの択一的位置設定をより確実かつ容易に行うことができる。
【0045】
さらにまた、前記実施形態においては、前記ホルダ3は、ペン芯4の大半を収納するペンホルダ部Lと、このペンホルダ部Lと着脱自在に連結されていてペン芯4の基端及びカッター刃5を収納するカッターホルダ部Hとを有しており、前記カッターホルダ部Hは、操作体6の基台部6Aを案内する摺動路11を形成した裏ケースH1と、この裏ケースH1に着脱可能に合体されていて操作体6の操作部6Dを案内するガイド溝12を形成した表ケースH2とを有する。
【0046】
この構成によって、ホルダ3をペンホルダ部Lと裏ケースH1と表ケースH2との3パーツに分離形成するので、ペン芯4の交換、カッター刃5の交換が簡単にできる。
【0047】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、部材の形状、構成及び組み合わせ等を変更したりすることもできる。
【0048】
例えば、ペン芯4として先端角柱状のマジックペンを使用する場合は、ペンホルダ部L
の先端孔は角穴にする。
【0049】
折れ溝5bが刻設されていないカッター刃5を使用するときは、切断係止部9bは1カ所でもよい。
【0050】
弾性板部21を割愛し、押動部Wにガイド溝12の溝壁の凹みに弾力的に係合する突起付きバネ板を設けて、係合部Kを形成してもよい。
【符号の説明】
【0051】
1 ピン付きカッター
3 ホルダ
4 ペン芯
4a ペン先
5 カッター刃
5a 刃先
5b 折れ溝
6 操作体
6A 基台部
6B ペン押動部
6C 刃連結部
6Ca ピン部
6D 操作部
7 操作位置設定手段
9b 切断係止部
9n 中立係止部
9p 筆記係止部
11 摺動路
12 ガイド溝
15 戻しスプリング
21 弾性板部
B 切断位置
H カッターホルダ部
H1 裏ケース
H1a 合わせ壁
H2 表ケース
H2a 合わせ壁
Ha 雄ネジ
K 係合部
L ペンホルダ部
La 雌ネジ
N 中立位置
P 筆記位置
W 押動部
e ガイドレール部
f 係合凹部
g 係合突起
m ガイド凸部
s スリット
t 凸部
【手続補正書】
【提出日】2024-04-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い手持ち可能なホルダ(3)と、
このホルダ(3)の一側内に収納されていてペン先(4a)が一側端から突出可能なペン芯(4)と、
ホルダ(3)の他側内に収納されていて刃先(5a)が他側端から突出可能なカッター刃(5)と、
ホルダ(3)内に長手方向摺動可能に収納されていてペン芯(4)とカッター刃(5)とを択一的に突出させる操作体(6)とを有しており、
前記ホルダ(3)と操作体(6)との間に、操作体(6)を、ペン芯(4)及びカッター刃(5)を共に没入させる中立位置(N)と、ペン芯(4)のみが突出する筆記位置(P)と、カッター刃(5)のみが突出する切断位置(B)とに位置決めする操作位置設定手段(7)を設けており、
前記ホルダ(3)の長手方向中途部にはペン芯(4)の基部側を支持して移動を案内する貫通孔が形成されており、
前記操作体(6)には先端が椀形状になっていてペン芯(4)の基端と接離可能に当接して軸心を合わせてペン芯(4)を押動するペン押動部(6B)が設けられており、
前記切断位置(B)はカッター刃(5)の長さ変化に対応するべく複数段に設定されていることを特徴とするペン付きカッター。
【請求項2】
細長い手持ち可能なホルダ(3)と、このホルダ(3)の一側内に収納されていてペン先(4a)が一側端から突出可能なペン芯(4)と、ホルダ(3)の他側内に収納されていて刃先(5a)が他側端から突出可能なカッター刃(5)と、ホルダ(3)内に長手方向摺動可能に収納されていてペン芯(4)とカッター刃(5)とを択一的に突出させる操作体(6)とを有しており、前記ホルダ(3)と操作体(6)との間に、操作体(6)を、ペン芯(4)及びカッター刃(5)を共に没入させる中立位置(N)と、ペン芯(4)のみが突出する筆記位置(P)と、カッター刃(5)のみが突出する切断位置(B)とに位置決めする操作位置設定手段(7)を設けたペン付きカッターであって、
前記操作体(6)は、ホルダ(3)内に長手方向に形成された摺動路(11)を移動可能な基台部(6A)と、この基台部(6A)の一側でペン芯(4)を接離可能に当接して軸心を合わせて押動可能な椀形状のペン押動部(6B)と、基台部(6A)の他側でカッター刃(5)を連結する刃連結部(6C)と、基台部(6A)から突出していてホルダ(3)表面に摺動路(11)と平行に形成されたガイド溝(12)内を移動可能な操作部(6D)とを有しており、
前記ホルダ(3)は、ペン芯(4)の大半を収納するペンホルダ部(L)と、このペンホルダ部(L)と着脱自在に連結されていてペン芯(4)の基端及びカッター刃(5)を収納するカッターホルダ部(H)とを有しており、
前記カッターホルダ部(H)は、操作体(6)の基台部(6A)を案内する摺動路(11)を形成した裏ケース(H1)と、この裏ケース(H1)に着脱可能に合体されていて操作体(6)の操作部(6D)を案内するガイド溝(12)を形成した表ケース(H2)とを有しており、
前記裏ケース(H1)と表ケース(H2)とは合体した状態で円筒となる雄ネジ(Ha)を形成しかつ雄ネジ(Ha)の中心に貫通孔を形成しており、前記雄ネジ(Ha)に前記ペンホルダ部(L)の雌ネジ(La)が螺合しかつ前記貫通孔にペン芯(4)の基部側が挿通しており、
前記操作位置設定手段(7)は、ホルダ(3)表面のガイド溝(12)の溝壁に形成されていて、操作体(6)の中立位置(N)に対応する中立係止部(9n)と、操作体(6)の筆記位置(P)に対応する筆記係止部(9p)と、操作体(6)の切断位置(B)に対応する複数の切断係止部(9b)と、操作部(6D)に設けられていて前記中立係止部(9n)と筆記係止部(9p)と切断係止部(9b)とに択一的に係脱自在に係合する係合部(K)とを有していることを特徴とするペン付きカッター。
【請求項3】
前記ペン芯(4)には突出位置から戻す戻しスプリング(15)を有しており、
前記カッター刃(5)は1本または複数本の折れ溝(5b)が刻まれていて、先端刃を折れ溝(5b)で折り取り可能であることを特徴する請求項1又は2に記載のペン付きカッター。
【請求項4】
前記中立係止部(9n)と筆記係止部(9p)と複数の切断係止部(9b)のそれぞれはガイド溝(12)の溝壁に凹みとして形成されており、
前記操作体(6)の操作部(6D)は、基台部(6A)から表側に弾発されていて先端側の側部がガイド溝(12)の溝壁の凹み間の凸部(t)に裏面から当接する弾性板部(21)と、この弾性板部(21)の先端側の側部でガイド溝(12)の溝壁の凹みに係合する突起形状の前記係合部(K)と、弾性板部(21)の先端側表面でガイド溝(12)から突出していて弾性板部(21)の先端側を押し下げ可能な押動部(W)とを有することを特徴する請求項3に記載のペン付きカッター。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
本発明における課題解決のための具体的手段は、細長い手持ち可能なホルダ3と、このホルダ3の一側内に収納されていてペン先4aが一側端から突出可能なペン芯4と、ホルダ3の他側内に収納されていて刃先5aが他側端から突出可能なカッター刃5と、ホルダ3内に長手方向摺動可能に収納されていてペン芯4とカッター刃5とを択一的に突出させる操作体6とを有しており、前記ホルダ3と操作体6との間に、操作体6を、ペン芯4及びカッター刃5を共に没入させる中立位置Nと、ペン芯4のみが突出する筆記位置Pと、カッター刃5のみが突出する切断位置Bとに位置決めする操作位置設定手段7を設けており、
前記ホルダ3の長手方向中途部にはペン芯4の基部側を支持して移動を案内する貫通孔が形成されており、
前記操作体6には先端が椀形状になっていてペン芯4の基端と接離可能に当接して軸心を合わせてペン芯4を押動するペン押動部6Bが設けられており、
前記切断位置Bはカッター刃5の長さ変化に対応するべく複数段に設定されている。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い手持ち可能なホルダ(3)と、
このホルダ(3)の一側内に収納されていてペン先(4a)が一側端から突出可能なペン芯(4)と、
ホルダ(3)の他側内に収納されていて刃先(5a)が他側端から突出可能なカッター刃(5)と、
ホルダ(3)内に長手方向摺動可能に収納されていてペン芯(4)とカッター刃(5)とを択一的に突出させる操作体(6)とを有しており、
前記ホルダ(3)と操作体(6)との間に、操作体(6)を、ペン芯(4)及びカッター刃(5)を共に没入させる中立位置(N)と、ペン芯(4)のみが突出する筆記位置(P)と、カッター刃(5)のみが突出する切断位置(B)とに位置決めする操作位置設定手段(7)を設けたペン付きカッターであって、
前記操作体(6)は、ホルダ(3)内に長手方向に形成された摺動路(11)を移動可能な基台部(6A)と、この基台部(6A)の一側でペン芯(4)を接離可能に当接して軸心を合わせて押動可能な椀形状のペン押動部(6B)と、基台部(6A)の他側でカッター刃(5)を連結する刃連結部(6C)と、基台部(6A)から突出していてホルダ(3)表面に摺動路(11)と平行に形成されたガイド溝(12)内を移動可能な操作部(6D)とを有しており、
前記ホルダ(3)は、ペン芯(4)の大半を収納するペンホルダ部(L)と、このペンホルダ部(L)と着脱自在に連結されていてペン芯(4)の基端及びカッター刃(5)を収納するカッターホルダ部(H)とを有しており、
前記カッターホルダ部(H)は、操作体(6)の基台部(6A)を案内する摺動路(11)を形成した裏ケース(H1)と、この裏ケース(H1)に着脱可能に合体されていて操作体(6)の操作部(6D)を案内するガイド溝(12)を形成した表ケース(H2)とを有しており、
前記裏ケース(H1)と表ケース(H2)とは合体した状態で円筒となる雄ネジ(Ha)を形成しかつ雄ネジ(Ha)の中心に貫通孔を形成しており、前記雄ネジ(Ha)に前記ペンホルダ部(L)の雌ネジ(La)が螺合しかつ前記貫通孔にペン芯(4)の基部側が挿通しており、
前記操作位置設定手段(7)は、ホルダ(3)表面のガイド溝(12)の溝壁に形成されていて、操作体(6)の中立位置(N)に対応する中立係止部(9n)と、操作体(6)の筆記位置(P)に対応する筆記係止部(9p)と、操作体(6)の切断位置(B)に対応する複数の切断係止部(9b)と、操作部(6D)に設けられていて前記中立係止部(9n)と筆記係止部(9p)と切断係止部(9b)とに択一的に係脱自在に係合する係合部(K)とを有していることを特徴とするペン付きカッター。
【請求項2】
前記ペン芯(4)には突出位置から戻す戻しスプリング(15)を有しており、
前記カッター刃(5)は1本または複数本の折れ溝(5b)が刻まれていて、先端刃を折れ溝(5b)で折り取り可能であることを特徴する請求項1に記載のペン付きカッター。
【請求項3】
前記中立係止部(9n)と筆記係止部(9p)と複数の切断係止部(9b)のそれぞれはガイド溝(12)の溝壁に凹みとして形成されており、
前記操作体(6)の操作部(6D)は、基台部(6A)から表側に弾発されていて先端側の側部がガイド溝(12)の溝壁の凹み間の凸部(t)に裏面から当接する弾性板部(21)と、この弾性板部(21)の先端側の側部でガイド溝(12)の溝壁の凹みに係合する突起形状の前記係合部(K)と、弾性板部(21)の先端側表面でガイド溝(12)から突出していて弾性板部(21)の先端側を押し下げ可能な押動部(W)とを有することを特徴する請求項2に記載のペン付きカッター。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
本発明における課題解決のための具体的手段は、細長い手持ち可能なホルダ3と、このホルダ3の一側内に収納されていてペン先4aが一側端から突出可能なペン芯4と、ホルダ3の他側内に収納されていて刃先5aが他側端から突出可能なカッター刃5と、ホルダ3内に長手方向摺動可能に収納されていてペン芯4とカッター刃5とを択一的に突出させる操作体6とを有しており、前記ホルダ3と操作体6との間に、操作体6を、ペン芯4及びカッター刃5を共に没入させる中立位置Nと、ペン芯4のみが突出する筆記位置Pと、カッター刃5のみが突出する切断位置Bとに位置決めする操作位置設定手段7を設けたペン付きカッターであって、
前記操作体6は、ホルダ3内に長手方向に形成された摺動路11を移動可能な基台部6Aと、この基台部6Aの一側でペン芯4を接離可能に当接して軸心を合わせて押動可能な椀形状のペン押動部6Bと、基台部6Aの他側でカッター刃5を連結する刃連結部6Cと、基台部6Aから突出していてホルダ3表面に摺動路11と平行に形成されたガイド溝12内を移動可能な操作部6Dとを有しており、
前記ホルダ3は、ペン芯4の大半を収納するペンホルダ部Lと、このペンホルダ部Lと着脱自在に連結されていてペン芯4の基端及びカッター刃5を収納するカッターホルダ部Hとを有しており、
前記カッターホルダ部Hは、操作体6の基台部6Aを案内する摺動路11を形成した裏ケースH1と、この裏ケースH1に着脱可能に合体されていて操作体6の操作部6Dを案内するガイド溝12を形成した表ケースH2とを有しており、
前記裏ケースH1と表ケースH2とは合体した状態で円筒となる雄ネジHaを形成しかつ雄ネジHaの中心に貫通孔を形成しており、前記雄ネジHaに前記ペンホルダ部Lの雌ネジLaが螺合しかつ前記貫通孔にペン芯4の基部側が挿通しており、
前記操作位置設定手段7は、ホルダ3表面のガイド溝12の溝壁に形成されていて、操作体6の中立位置Nに対応する中立係止部9nと、操作体6の筆記位置Pに対応する筆記係止部9pと、操作体6の切断位置Bに対応する複数の切断係止部9bと、操作部6Dに設けられていて前記中立係止部9nと筆記係止部9pと切断係止部9bとに択一的に係脱自在に係合する係合部Kとを有している。