(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120536
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】サーマルプリンタ
(51)【国際特許分類】
B41J 25/304 20060101AFI20240829BHJP
B41J 2/32 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
B41J25/304 H
B41J2/32 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027387
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】501398606
【氏名又は名称】FCLコンポーネント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】石井 優也
(72)【発明者】
【氏名】高畠 秀斎
(72)【発明者】
【氏名】土屋 雅広
【テーマコード(参考)】
2C064
2C065
【Fターム(参考)】
2C064CC02
2C064CC06
2C064CC13
2C065AA01
2C065AB01
2C065CC10
2C065CC15
(57)【要約】
【課題】印刷媒体の厚さによらず印刷品質を安定化できるサーマルプリンタを提供する。
【解決手段】サーマルプリンタ1は、印刷媒体P1、P2を搬送するプラテンローラ20と、プラテンローラ20と対向配置され、プラテンローラ20との間に挟まれて搬送される印刷媒体P1、P2に印刷するサーマルヘッド10と、プラテンローラ20に対するサーマルヘッド10の対向角度、及び印刷媒体P1、P2との接触位置を変更する姿勢調整部34と、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体を搬送するプラテンローラと、
前記プラテンローラと対向配置され、前記プラテンローラとの間に挟まれて搬送される前記印刷媒体に印刷するサーマルヘッドと、
前記プラテンローラに対する前記サーマルヘッドの対向角度、及び前記印刷媒体との接触位置を変更する姿勢調整部と、
を備えるサーマルプリンタ。
【請求項2】
前記サーマルヘッドを前記プラテンローラ側に付勢するヘッドバネと、
前記ヘッドバネにより前記サーマルヘッドに付加される付勢力を変更する付勢力調整部と、を備える、
請求項1に記載のサーマルプリンタ。
【請求項3】
前記姿勢調整部と前記付勢力調整部とを操作する操作部を備える、
請求項2に記載のサーマルプリンタ。
【請求項4】
前記サーマルヘッドが貼付されるヒートシンクを備え、
前記ヒートシンクは、前記プラテンローラに対する前記ヒートシンクの位置を所定の第一位置と第二位置の間で遷移させる位置遷移部を有し、
前記操作部は、前記位置遷移部による前記ヒートシンクの遷移に伴い、前記姿勢調整部と前記付勢力調整部とを操作する、
請求項3に記載のサーマルプリンタ。
【請求項5】
前記サーマルヘッドを支持するフレームを備え、
前記姿勢調整部は前記フレームから前記サーマルヘッド側に突出する複数の突起を有する、
請求項1に記載のサーマルプリンタ。
【請求項6】
前記サーマルヘッドが貼付されるヒートシンクを備え、
前記付勢力調整部は前記ヒートシンクから突出する突起を有する、
請求項2に記載のサーマルプリンタ。
【請求項7】
前記サーマルヘッドを支持するフレームと、
前記サーマルヘッドが貼付されるヒートシンクと、を備え、
前記操作部は前記フレームを貫通して設置され、前記ヒートシンクの端面と接触する、
請求項3に記載のサーマルプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーマルプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
サーマルプリンタでは、プラテンローラとサーマルヘッドとの間に挟持される印刷媒体に印刷が行われる。
【0003】
印刷媒体の厚さによって印刷条件が変化するため、例えばサーマルヘッドからプラテンローラに付加されるヘッド圧を調整する手法(特許文献1)や、サーマルヘッドとプラテンとの相対位置を調整する手法(特許文献2、3)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-193401号公報
【特許文献2】特開2003-251837号公報
【特許文献3】特開平10-250182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
印刷媒体の厚さに応じたサーマルプリンタの調整手法には改善の余地がある。
【0006】
本開示は、印刷媒体の厚さによらず印刷品質を安定化できるサーマルプリンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の実施形態の一観点に係るサーマルプリンタは、印刷媒体を搬送するプラテンローラと、前記プラテンローラと対向配置され、前記プラテンローラとの間に挟まれて搬送される前記印刷媒体に印刷するサーマルヘッドと、前記プラテンローラに対する前記サーマルヘッドの対向角度、及び前記印刷媒体との接触位置を変更する姿勢調整部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、印刷媒体の厚さによらず印刷品質を安定化できるサーマルプリンタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】実施形態に係るヒートシンクの構造と作用を示す模式図
【
図6】ヒートシンクの移動による姿勢変化を示す模式図
【
図7】ヘッドバネと付勢力調整部の構成の具体例を示す図
【
図9】ヒートシンクの移動によるヘッドバネの変位を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0011】
なお、以下の説明において、x方向、y方向、z方向は互いに垂直な方向である。x方向は、サーマルヘッド10とプラテンローラ20との対向方向である。y方向は、プラテンローラ20の回転軸方向である。
【0012】
図1は、実施形態に係るサーマルプリンタ1をz正方向側から視た上面図である。
図2は、
図1に示すサーマルプリンタ1をx正方向側から視た正面図である。なお、
図2では、図面手前側に配置されるプラテンローラ20は点線で図示されている。
【0013】
図1、
図2に示すように、サーマルプリンタ1は、サーマルヘッド10と、プラテンローラ20と、フレーム30と、ヘッドバネ40と、を備える。プラテンローラ20はフレーム30に取り付けられている。サーマルヘッド10は、印刷面がプラテンローラ20側となるように、プラテンローラ20と対向配置され、ヘッドバネ40によりプラテンローラ20側に付勢されている。記録媒体としての感熱紙などの記録紙P1、P2(
図6参照)は、サーマルヘッド10とプラテンローラ20との間に挟まれた状態でプラテンローラ20により搬送される。このとき、サーマルヘッド10と記録紙P1、P2とは直接接触しており、サーマルヘッド10の印刷部分に対応した発熱体が発熱して、記録紙P1、P2の加熱された部分が変色して印刷される。
【0014】
本実施形態では、フレーム30は、z方向の平面視において略コの字状に形成され、背面フレーム31と、一対の側面フレーム32、33とを有する。背面フレーム31は、主面がx方向を向くように配置される。背面フレーム31は、例えばy方向が長手方向、x方向が短手方向となるよう形成される。一対の側面フレーム32、33は、それぞれ背面フレーム31のy方向両端部に接続され、主面がy方向を向くように配置される。すなわち、一対の側面フレーム32、33はy方向に対向配置され、背面フレーム31と、一対の側面フレーム32、33とは略直角に接続されている。
【0015】
プラテンローラ20は、回転軸の両端部がそれぞれ側面フレーム32、33に軸支されており、一対の側面フレーム32、33の間に配置されている。
【0016】
サーマルヘッド10は、板状のヒートシンク50に貼付されている。
図2に示すように、サーマルヘッド10とヒートシンク50は、x方向視において共にy方向を長手方向とする略矩形状に形成される。また、ヒートシンク50の長手方向及び短手方向の寸法は共にサーマルヘッド10のものより大きく、ヒートシンク50の主面の内部にサーマルヘッド10が配置されている。
【0017】
ヒートシンク50は、サーマルヘッド10の発熱体の放熱を目的とする部品であり、発熱体と接触して設置される。ヒートシンク50は、例えばアルミニウム、鉄、ステンレス、銅など伝熱性能の高い材料で形成される。
【0018】
また、
図1に示すように、サーマルヘッド10がプラテンローラ20と対向するように、ヒートシンク50はサーマルヘッド10に対してプラテンローラ20と反対側(x負方向側)に配置されている。サーマルヘッド10及びヒートシンク50も、プラテンローラ20と同様に、一対の側面フレーム32、33の間に配置されている。
【0019】
図2に示すように、ヒートシンク50は、y方向の両端部に一対の突起51、52が設けられる。一方の突起51は、ヒートシンク50のy負方向側の端部に設けられ、y負方向に突出して形成されている。他方の突起52は、ヒートシンク50のy正方向側の端部に設けられ、y正方向に突出して形成されている。ヒートシンク50は、一対の突起51、52がそれぞれ側面フレーム32、33に挿入されている。これにより、サーマルヘッド10は、ヒートシンク50を介してフレーム30に支持されている。
【0020】
ヘッドバネ40は、
図1に示すように板バネであり、背面フレーム31に2個設置されている。2個のヘッドバネ40は、先端部がヒートシンク50のサーマルヘッド10の貼付面50Aとは反対側の背面50Bと接触するよう設置されており、ヒートシンク50を介してサーマルヘッド10にプラテンローラ20側に付勢力を付加している。なお、2個のヘッドバネ40は、例えば
図1に示すように、サーマルヘッド10のy方向の中心から略等距離の位置に配置されるのが好ましい。これにより、ヘッドバネ40は、y方向の全体に亘って略均等にサーマルヘッド10をプラテンローラ20側に付勢できる。
【0021】
サーマルプリンタ1の各要素は、x負方向側からx正方向側に、背面フレーム31、ヘッドバネ40、ヒートシンク50、サーマルヘッド10、プラテンローラ20の順で配置されている。また、ヘッドバネ40、ヒートシンク50、サーマルヘッド10、プラテンローラ20は、一対の側面フレーム32、33の間に収容されている。
【0022】
特に本実施形態では、側面フレーム32、33の間で、ヒートシンク50がy方向に移動可能に構成される。このヒートシンク50の移動を利用して、プラテンローラ20に対するサーマルヘッド10の対向角度と、印刷媒体P1、P2との接触位置とを変更することができる。また、ヒートシンク50の移動を利用して、ヘッドバネ40によりサーマルヘッド10に付加される付勢力を変更することができる。
図3~
図10を参照して、これらの構成について説明する。
【0023】
図3は、実施形態に係るヒートシンク50の構造と作用を示す模式図である。
図3(A)は、ヒートシンク50がy負方向側の側面フレーム32側の位置(以下「第一位置」とも表記する)にある状態を示し、
図3(B)は、ヒートシンク50がy正方向側の側面フレーム33側の位置(以下「第二位置」とも表記する)にある状態を示す。
【0024】
図2にも示したように、ヒートシンク50は、y方向の両端部に一対の突起51、52を有する。
図3に示すように、突起51、52は、y方向に延在し、かつ、中間部においてz方向に傾斜する形状をとる。側面フレーム32に挿入される突起51は、ヒートシンク50側の基部である第一部分51Aがy負方向に延在し、中間部分51Bがz正方向側に傾斜し、さらに先端部である第二部分51Cがy負方向側に延在する。第二部分51Cは、第一部分51Aに対してz正方向側、つまり搬送方向の下流側の位置となる。
【0025】
側面フレーム33に挿入される突起52は、ヒートシンク50側の基部である第二部分52Cがy正方向に延在し、中間部分52Bがz負方向側に傾斜し、さらに先端部である第一部分52Aがy正方向側に延在する。第二部分52Cは、第一部分52Aに対してz正方向側、つまり搬送方向の下流側の位置となる。つまり、一対の突起51、52は、
図3に示すようにx方向から視たときに同一方向に傾斜する形状となっている。
【0026】
側面フレーム32、33には、それぞれ突起51、52を挿入して支持する一対の孔35、36が設けられる。上述のように側面フレーム32、33の間で、ヒートシンク50がy方向に移動可能に構成されるので、一対の孔35、36は、一対の突起51、52を挿入した状態でヒートシンク50がy負方向側の側面フレーム32側の位置から、y正方向側の側面フレーム33側の位置までの所定範囲を移動可能に配置される。
【0027】
図3(A)に示すように、ヒートシンク50がy負方向側の側面フレーム32側の位置にあるときには、突起51の基部である第一部分51Aが孔35に支持され、突起52の先端部である第一部分52Aが孔36に支持される。また、
図3(B)に示すように、ヒートシンク50がy正方向側の側面フレーム33側の位置にあるときには、突起51の先端部である第二部分51Cが孔35に支持され、突起52の基部である第二部分52Cが孔36に支持される。各突起51、52と各孔35、36は、
図3(A)、(B)に示す位置関係の条件を満たすように形成、配置される。
【0028】
図4は、
図3中の点線円Cの部分の拡大図であり、ヒートシンク50の突起51、52の作用を説明する模式図である。なお、
図4では、一方の突起52及び孔36の位置関係を例示して説明するが、他方の突起51及び孔35も同様である。
図4では、孔36をyz平面に沿った断面で図示している。
図4(A)は、ヒートシンク50が第一位置にあるときの突起52と孔36との位置関係を示し、
図4(B)は、ヒートシンク50が第二位置にあるときの突起52と孔36との位置関係を示している。
【0029】
図4に示すように、孔36は中心軸がy方向となるように形成され、さらにz正方向側の内周面36Aでは、y負方向側の開口部にテーパが付けられており、y負方向側の開口部がz正方向側に広げられている。また、z負方向側の内周面では、y正方向側の開口部にテーパが付けられており、y正方向側の開口部がz負方向側に広げられている。
【0030】
図4(A)に示すように、ヒートシンク50が第一位置にあるときには、突起52の先端部である第一部分52Aが孔36の内周面36Aと対向する位置にある。
【0031】
図4(B)に示すように、ヒートシンク50が第一位置から第二位置への移動を開始すると、突起52もy正方向側に移動する。第一部分52Aが孔36から突き出ると中間部分52Bが孔36のテーパ面36Bと接触し、これにより突起52が孔36に対してz負方向側に移動する。そして第二部分52Cが孔36の内周面36Aと対向する位置まで挿入されて、最終的に第二位置に遷移する。
図4(B)に矢印M3で示すように、第一位置から第二位置への遷移において、突起52は、途中で孔36に対してz負方向側へずれながらy正方向側へ移動する。
【0032】
同様に、第一位置から第二位置への遷移において、突起51は、途中で孔35に対してz負方向側へずれながらy正方向側へ移動する。この結果、
図3(B)に示すように、ヒートシンク50は、矢印M2で示すようにフレーム30に対して右斜め下方(y正方向かつz負方向)に移動する。
【0033】
このように、一対の突起51、51と、一対の孔35、36とが、本実施形態に係る「プラテンローラ20に対するヒートシンク50の位置を所定の第一位置と第二位置の間で遷移させる位置遷移部60」として機能する。位置遷移部60は、ヒートシンク50が一対の孔35、36の間でプラテンローラ20の軸方向に移動したときに、一対の孔35、36にある一対の突起51、52の部分が第一部分51A、52Aから第二部分51C、51Cに変わることによって、ヒートシンク50の位置を第一位置から第二位置に遷移させることができる。
【0034】
なお、
図3(B)には、ヒートシンク50が第二位置にある状態が図示されているが、ヒートシンクが第一位置にあるときのヒートシンクの上端のz方向位置も点線で図示されている。
図3(B)に示すように、ヒートシンク50の「第二位置」は、「第一位置」よりもz負方向側、すなわち印刷媒体P1、P2の搬送方向の上流側に配置される。
【0035】
図3に示すように、サーマルプリンタ1はスイッチ80を備える。スイッチ80は、y方向を長手方向とする部材であり、側面フレーム32を貫通して設置される。これにより、スイッチ80は、
図5に矢印M4で示すように、y方向に摺動することができる。スイッチのy正方向側の端部は、側面フレーム32を貫通してヒートシンク50のy負方向側の端面と接触する。また、スイッチ80は、y負方向側の端部がサーマルプリンタ1の筐体(図示せず)の外部に露出する位置まで延在するよう形成される。これにより、サーマルプリンタ1の利用者が筐体を開けずにスイッチ80を操作することができる。
【0036】
ヒートシンク50のうち、スイッチ80との接触位置と反対側(y正方向側)位置には、ヒートシンク50と側面フレーム33との間にバネ85が設けられる。バネ85は、ヒートシンク50が第一位置から第二位置に遷移したときに、ヒートシンク50にy負方向側に付勢するよう設置される。バネ85は、例えばy方向に伸縮可能に設置されるコイルバネであり、両端部がヒートシンク50と側面フレーム33と接触または連結される。
【0037】
図3(B)に示すように、例えば利用者による操作入力によって、スイッチ80が矢印M1で示すようにy正方向側に押し込まれると、ヒートシンク50がスイッチ80によりy正方向に押圧される。これにより、
図4を参照して説明した突起51、52と孔35、36の位置関係が変化して、ヒートシンク50が右斜め下方向に移動して第二位置に遷移する。このとき、バネ85はヒートシンク50により押圧されて縮小し、側面フレーム33の内部に収まりつつ、y負方向側にヒートシンク50を付勢する。
【0038】
スイッチ80は、
図3(A)、(B)にそれぞれ示す第一位置と第二位置において、y方向の位置を保持することができる。また、スイッチ80は、第二位置において、y方向の位置の保持状態を解除することもできる。第二位置にてスイッチ80の保持状態が解除されると、バネ85の付勢力によってヒートシンク50がy負方向側へ押圧される。これにより
図3(B)に示す矢印M2と逆方向にヒートシンク50が移動し、
図3(A)に示す第一位置に自動的に復帰できる。
【0039】
図5は、
図3中の点線円Dの部分の構成の具体例を示す図であり、スイッチ80の作用を説明する模式図である。
図5(A)は、ヒートシンク50が第一位置にあるときのスイッチ80と側面フレーム32との位置関係を示し、
図5(B)は、ヒートシンク50が第二位置にあるときのスイッチ80と側面フレーム32との位置関係を示している。
【0040】
図5に示すように、スイッチ80は、第1直線部81と、湾曲部82と、第2直線部83と、爪84と、を有する。第1直線部81は、y方向に延在する直線状の部分であり、y正方向側の先端部がヒートシンク50と当接し、y負方向側の基端部が湾曲部82と連結する。第2直線部83は、y方向に延在する直線状の部分であり、第1直線部81と平行に配置され、y負方向側の基端部が湾曲部82と連結する。
【0041】
湾曲部82は、第1直線部81と第2直線部83のy負方向側の基端部どうしをy方向の同一位置で連結し、かつ、第1直線部81と第2直線部83との間にz方向に一定の距離をとるように両者を連結する。湾曲部82は、外力によりz方向に弾性変形可能であり、第1直線部81と第2直線部83との間の距離を変更できる。
【0042】
爪84は、第2直線部83の先端部に設けられ、z負方向側に突出して形成される。第2直線部83のy方向の長さは、第1直線部81より短く形成される。このため、
図5に示すように、爪84のy方向位置は、第1直線部81の先端部よりy負方向側となり、ヒートシンク50とは接触できない位置になる。また、爪84は、z負方向側に延在し、y負方向側を向く鉛直面84Aと、鉛直面84Aに対してy正方向側に設けられる傾斜面84Bとを有する。傾斜面84Bは、y正方向側かつz負方向側を向くよう形成される。つまり、
図5に示すように爪84のyz平面に沿った断面形状は、z正方向側の基部からz負方向側の先端部に向かってy方向の厚さが徐々にy負方向側に縮小する先細り形状となっている。
【0043】
図5(A)に示すように、側面フレーム32にはy方向に貫通する孔37が設けられる。スイッチ80はこの孔37に挿通されて矢印M4で示すようにy方向両側に摺動可能となっている。孔37の内周面にはスイッチ80の爪84が係合可能な形状で溝38が設けられている。つまり、溝38は、z負方向側に延在する鉛直面38Aと、y負方向側かつz正方向側に向く傾斜面38Bとを有し、爪84の係合時には、爪84の鉛直面84Aが溝38の鉛直面38Aと対向配置され、爪の傾斜面84Bが溝38の傾斜面38Bと対向配置される。スイッチ80は、
図5(A)に示すように、ヒートシンク50が第一位置にあるときに、爪84が溝38に係合するように形成されている。第一位置では、爪84と溝38との係合によって、スイッチ80のy方向への移動が規制されている。
【0044】
図5(B)に示すように、スイッチ80が操作され、矢印M1で示すようにy正方向側に押圧されると、溝38に係合されている爪84は、傾斜面84Bにより溝38の傾斜面38Bを押圧する。これにより、爪84は傾斜面84Bを介して溝38の傾斜面38Bからz正方向側に反力を受ける。この反力が第2直線部83を介して湾曲部82に伝達され、第2直線部83の先端部がz正方向側に傾斜するように湾曲部82が弾性変形する。これにより爪84と溝38との係合が外れるため、スイッチ80はy正方向側に移動可能となり、第1直線部81の先端部がヒートシンク50を矢印M6で示すようにy正方向側に押圧して移動させることが可能となる。
【0045】
スイッチ80の移動によって湾曲部82が弾性変形状態を維持しつつ、爪84も先端部を孔37の内周面に沿わせながらy正方向側へ移動する。やがて爪84が孔37からy正方向側に抜け出ると、湾曲部82が弾性復帰して、第2直線部83の先端部がz負方向に移動して再びy方向に平行な状態に戻る。これにより、爪84の鉛直面84Aが側面フレーム32のy正方向側の面と対向配置されて、爪84が側面フレーム32に係止される。つまり矢印M5で示すように、スイッチ80の爪84は、まず溝38との係合が外れるように右斜め上方に移動し、溝38との係合が外れた後は孔37の内周面に沿って右方向に移動し、孔37から抜け出した後には湾曲部82の弾性復帰によって右斜め下方に移動して、最終的に
図5(B)に示す位置に収まる。このとき、爪84によってスイッチ80のy方向への移動が規制されている。
【0046】
なお、
図5では図示の便宜上、スイッチ80のy方向の長さが短めに描かれ、湾曲部82の側面フレーム32に対する位置が近く描かれているが、実際にはスイッチ80はy負方向側の端部がプリンタの外部に露出する程度に、
図5に図示される形状より長く形成されている。これにより、スイッチ80の湾曲部82と、第1直線部81及び第2直線部83の基部側の一部は、プリンタ外部に露出して、利用者により操作可能に構成される。
【0047】
したがって、
図5(B)に示す第二位置において、例えば利用者が第2直線部83の基端部をz正方向側に押圧すれば、湾曲部82が弾性変形して爪84と側面フレーム32との係合が外すことができる。これにより、
図3(B)を参照して説明したように、バネ85の付勢力によってヒートシンクがy負方向側へ移動し、これに伴いスイッチ80の第1直線部81の先端部もヒートシンク50にy負方向側へ押される。これによりスイッチ80もy負方向側へ移動し、爪84が孔37の溝38と係合する位置で止まり、最終的に
図5(A)に示す第一位置に遷移することができる。
【0048】
図6は、ヒートシンク50の移動によるサーマルヘッド10の姿勢変化を示す模式図である。
図6(A)は、
図2のB-B断面図であり、ヒートシンク50が第一位置にあるときのサーマルヘッド10とプラテンローラ20との位置関係を示す。
図6(B)は、
図6(A)の状態におけるz負方向側から視た平面図であり、サーマルヘッドのジンバル部53と姿勢調整部34との位置関係を示す。
図6(C)、(D)は、ヒートシンク50が第二位置にあるときの(A)、(B)に対応する図である。
【0049】
図3、
図6に示すように、背面フレーム31のうちヒートシンク50と対向するx正方向側の面には、姿勢調整部34が設けられる。姿勢調整部34は、プラテンローラ20に対するサーマルヘッド10の対向角度、及び印刷媒体との接触位置を変更する。
【0050】
姿勢調整部34は、背面フレーム31からx正方向側に突出するよう形成される2つの突起34A、34Bを有する。
図6に示すように、突起34B(第二の突起)は、突起34A(第一の突起)よりもx方向の突出量が大きく形成されており、プラテンローラ20側への突出量が大きくなるよう形成されている。また、
図3、6に示すように、突起34Bは、突起34Aに対してy正方向側かつz負方向側の位置に配置されている。
【0051】
一方、
図3、
図6に示すように、ヒートシンク50のz負方向側の端面、すなわち印刷媒体P1、P2の搬送方向の上流側の端面には、z負方向側に突出する突起であるジンバル部53が設けられる。姿勢調整部34は、ヒートシンク50が第一位置にあるときにジンバル部53を突起34A上に配置でき、かつ、ヒートシンク50が第二位置にあるときにジンバル部53を突起34B上に配置できるように、各突起34A、34Bが配置されている。また、
図6(B)、(D)に示すように、姿勢調整部34は、ヒートシンク50が第一位置から第二位置に遷移する際に、ジンバル部53の突起53Aから突起53Bへの移動をスムーズにできるように、2つの突起34A、34Bの先端面の間を繋ぐ傾斜面34Cを設けてもよい。
【0052】
図6(A)、(B)に示すように、ヒートシンク50が第一位置にあるときには、ジンバル部53が姿勢調整部34の突起34A上に配置される。このとき、ジンバル部53の背面50B側と、突起34Aの先端とが当接する。これにより、突起34Aがヒートシンク50の支点となって、プラテンローラ20に対するサーマルヘッド10の対向角度やz方向位置が決まる。
【0053】
また、
図6(A)、(B)に示す状態のとき、ヒートシンク50に貼付されるサーマルヘッド10と、プラテンローラ20との間では、接触部T1で最も接触力が強くなるので、サーマルヘッド10による印刷媒体への印刷に適している。この接触部T1は、例えば印刷媒体として主に用いられる薄紙P1がサーマルヘッド10とプラテンローラ20との間を通過するときにサーマルヘッド10との接触面積が最も大きくなる部分に含まれる。
【0054】
ヒートシンク50が第一位置から第二位置に遷移する際には、
図3を参照して説明したように、ヒートシンク50は
図3(B)に示す矢印M2の方向(y正方向側かつz負方向側)に移動する。このようなヒートシンク50の移動に伴い、ヒートシンク50のジンバル部53は、
図6(C)に矢印M7で示すようにz負方向側に移動し、かつ、
図6(D)に矢印M8で示すようにy正方向側に移動する。
【0055】
この結果、
図6(C)、(D)に示すように、ヒートシンク50が第二位置にあるときには、ジンバル部53が姿勢調整部34の突起34B上に配置される。このとき、ジンバル部53の背面50B側と、突起34Bの先端とが当接する。これにより、突起34Bがヒートシンク50の支点となって、プラテンローラ20に対するサーマルヘッド10の対向角度やz方向位置が決まる。
【0056】
また、
図6(C)、(D)に示す状態のとき、突起34Bは突起34Aよりも突出量が大きいため、また、突起34Bと接触するジンバル部53がヒートシンク50のz負方向側の端部にあるため、第一位置と比較して、プラテンローラ20に対するヒートシンク50及びサーマルヘッド10の対向角度とz方向位置が変化する。これにより、ヒートシンク50に貼付されるサーマルヘッド10と、プラテンローラ20との間で最も接触力が強く印刷に適している接触部T2は、
図6(C)に矢印M9で示すように、接触部T1よりもZ負方向側の搬送方向上流側に遷移する。
【0057】
本実施形態のサーマルプリンタ1では、印刷媒体は、例えば
図6(A)、(C)に示すように、まずx正方向側からx負方向に進み、プラテンローラ20より搬送方向上流側にてガイド部材70などによって搬送方向がz正方向側へ誘導された後に、x方向に対向配置されるサーマルヘッド10とプラテンローラ20との間に進入され、矢印M11で示す搬送方向に搬送される。つまり、印刷媒体はサーマルヘッド10により印刷される前後ではプラテンローラ20の回転軸まわりに湾曲して搬送されている。
【0058】
印刷媒体として薄紙P1よりも厚い厚紙P2を用いる場合には、厚紙P2は薄紙P1より腰が強く、曲がりにくいため、サーマルヘッド10により印刷される前後において、印刷媒体はz軸まわりの湾曲度合いが小さくなる。この影響により、サーマルヘッド10とプラテンローラ20との間を通過するときにサーマルヘッド10との接触面積が最も大きくなる部分は薄紙P1の場合と異なり、例えば、接触部T1よりも搬送方向上流側になる。そこで、本実施形態では、
図6(C)に示すように、第二位置における接触部T2は、例えば印刷媒体として厚紙P2が用いられる場合に、厚紙P2がサーマルヘッド10とプラテンローラ20との間を通過するときにサーマルヘッド10との接触面積が最も大きくなる部分に含まれるように設定される。この設定は、第二位置におけるヒートシンク50の遷移位置や、姿勢調整部34の突起34Bの位置や突出量によって調整できる。
【0059】
つまり、本実施形態では、ヒートシンク50の第一位置とは、印刷媒体として薄紙P1を用いるときにサーマルヘッド10の印刷に適した位置となるよう設定される。一方、ヒートシンク50の第二位置とは、印刷媒体として厚紙P2を用いるときにサーマルヘッド10の印刷に適した位置となるよう設定される。
【0060】
本実施形態に係るサーマルプリンタ1は、プラテンローラ20に対するサーマルヘッド10の対向角度、及び印刷媒体との接触位置を変更する姿勢調整部34を備える構成により、薄紙P1に印刷する際に適した第一位置と、厚紙P2に印刷する際に適した第二位置における2種類のサーマルヘッド10の姿勢を姿勢調整部34の作用によって容易に切り替えることができる。この結果、本実施形態のサーマルプリンタ1は、印刷媒体の厚さによらず印刷品質を安定化できる。
【0061】
図7は、
図1中の点線四角形Aの部分の拡大図であり、実施形態に係るヘッドバネ40と付勢力調整部54の構成の具体例を示す図である。なお、
図7では、2つのヘッドバネ40のうちy負方向側の一方のみを図示しているが、y正方向側の他方のヘッドバネ40においても同様の付勢力調整部54が設けられる。付勢力調整部54は、サーマルヘッド10をプラテンローラ20側に付勢するヘッドバネ40の付勢力を変更する。
【0062】
図8を参照してヘッドバネ40の構造を説明する。
図8は、
図7中のE-E断面図であり、ヘッドバネ40の形状を示す断面図である。
図8では、ヘッドバネ40の部分を点線Fで囲んで図示している。
【0063】
図8に示すように、ヘッドバネ40は、基部41と、弾性変形部42と、接触部43とを有する。基部41は、例えば
図8に示すように背面フレーム31のx正方向側の面と接触して固定される。
【0064】
弾性変形部42は、基部41のz負方向側の端部からx正方向側かつz正方向側に延在しており、ヒートシンク50に対向する主面を有する。弾性変形部42は、例えばx方向に外力を受けることによって、下端の基部41との連結部を支点にしてx方向に弾性変形可能である。
【0065】
接触部43は、弾性変形部42の先端に設けられる。接触部43は、弾性変形部42のヒートシンク50側の主面に突出して設けられる突起である。接触部43は、ヒートシンク50のx負方向側の面と接触し、弾性変形部42の弾性変形により発生する付勢力をヒートシンク50に伝達する。ヘッドバネ40は、背面フレーム31とヒートシンク50との隙間に配置され、ヒートシンク50によって接触部43と弾性変形部42が背面フレーム31側に押圧されて設置されることによって、ヒートシンク50を介してサーマルヘッド10をx正方向側に付勢することができる。
【0066】
図7に示すように、付勢力調整部54は背面50Bに設けられる。付勢力調整部54は、ヒートシンク50の背面50Bからヘッドバネ40側に突出して形成される突起である。付勢力調整部54は、y正方向側に配置される傾斜面54Aと、y負方向側に配置される平坦面54Bとを有する(
図9参照)。
【0067】
図9は、ヒートシンク50の移動によるヘッドバネ40の変位を示す模式図である。
図9の右側部分に示すように、ヒートシンク50が第一位置にあるときは、ヘッドバネ40の接触部43は、背面50Bと直接接触した状態である。このときヘッドバネ40は背面50Bによるx負方向側への押圧量に応じて、x正方向に付勢力F1を発生できる。
【0068】
一方、
図9に矢印M6で示すように、ヒートシンク50が第一位置から第二位置に遷移すると、ヒートシンク50と共に付勢力調整部54も同方向に移動する。これにより、ヘッドバネ40の接触部43とヒートシンク50との間には、まず付勢力調整部54の傾斜面54Aが進入する。傾斜面54Aの進入に伴い、接触部43は傾斜面54Aと接触し続け、徐々にx負方向側に押し込まれながら、矢印M10に示すように傾斜面54Aに沿ってx負方向側に移動する。
【0069】
ヒートシンク50が第二位置まで移動すると、
図9の左側部分に示すように、ヘッドバネ40の接触部43の位置には付勢力調整部54の突起の先端の平坦面54Bが到達し、ヘッドバネ40の接触部43は、付勢力調整部54の平坦面54Bと直接接触した状態となる。ここで、平坦面54Bは、背面50Bよりx負方向側に配置されているので、ヘッドバネ40は、第一位置にあるときと比べて、よりx負方向側へ押圧されて弾性変形部42がより背面フレーム31側に変形している状態となる。このため、ヘッドバネ40は、第二位置にあるときには付勢力調整部54の平坦面54Bによるx負方向側への押圧量に応じて、第一位置にあるときの付勢力F1より大きい付勢力F2をx正方向に発生できる。
【0070】
図6を参照して説明したように、印刷媒体として厚紙P2が使用される場合はヒートシンク50が第二位置に移動されるため、薄紙P1のときと比べてより大きな力でサーマルヘッド10をプラテンローラ20側に付勢される。本実施形態では、付勢力調整部54によって、ヒートシンク50の移動に伴って自動的に付勢力を増やすことができるので、印刷媒体に適した付勢力となるように調整することができる。
【0071】
以上説明したように、ヒートシンク50が第一位置にあるときに、利用者の操作入力によってスイッチ80を矢印M1の方向へ移動すると、ヒートシンク50が位置遷移部60の作用によって矢印M2の方向へ移動して、第二位置に遷移させることができる。この遷移の結果、ヒートシンク50と係わる姿勢調整部34の作用によってヒートシンク50に貼付されているサーマルヘッド10のプラテンローラ20に対するサーマルヘッド10の対向角度と、印刷媒体P1、P2との接触位置T1、T2とを変更できる。さらに、ヒートシンク50の第二位置への遷移の結果、ヒートシンク50と係わる付勢力調整部54の作用によって、ヘッドバネ40によりサーマルヘッド10に付加される付勢力F1、F2を変更できる。
【0072】
このように、スイッチ80は、「姿勢調整部34と付勢力調整部54とを操作する操作部」として機能する。操作部としてのスイッチ80は、操作入力によって姿勢調整部34と付勢力調整部54の動作を纏めて行わせることができる。さらに、スイッチ80は、「位置遷移部60によるヒートシンク50の遷移に伴い、姿勢調整部34と付勢力調整部54とを操作する操作部」として機能する。操作部としてのスイッチ80は、操作入力により位置遷移部60を用いてヒートシンク50を第一位置と第二位置の間で遷移させることによって、姿勢調整部34と付勢力調整部54の動作を纏めて行わせることができる。本実施形態のサーマルプリンタ1は、操作部としてのスイッチ80を備える構成によって、サーマルヘッド10の姿勢調整と付勢力調整とを纏めて実施できるので、より容易に印刷媒体の厚さに応じた印刷品質の安定化を実現できる。
【0073】
図10は、スイッチの変形例を示す図である。スイッチ80は、上述の「操作部」として機能するものであれば、
図5に示す構造以外のスイッチや、スイッチ以外の他の要素を適用することもできる。具体的には、y方向に摺動可能であり、y負方向側からヒートシンク50をy正方向側に押圧して移動させることができ、かつ、第一位置、第二位置にある状態を保持できる要素であればよい。例えば
図10に示すように、
図5に示すスイッチ80の代わりに操作部としてボルト90を適用することもできる。
【0074】
図10に示すように、ボルト90は軸方向がy方向となるように配置される。ボルト90のネジ部91が側面フレーム32の孔39に貫通されて、先端部がヒートシンク50と接触している。また、孔39の内周面にはネジ溝が設けられ、ボルト90のネジ部91が螺合されている。側面フレーム32よりy負方向側にボルト90の頭部92が配置される。頭部92は、プリンタ外部に露出して設置され、利用者が頭部92を軸周りに回転させることによって、ネジ部91の先端部のy方向位置を調整してヒートシンク50をy方向に押圧できる。この構成により、
図10に示すボルト90も、
図5に示すスイッチ80と同様の操作部の機能を発揮することができる。
【0075】
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
【符号の説明】
【0076】
1 サーマルプリンタ、10 サーマルヘッド、20 プラテンローラ、
30 フレーム、34 姿勢調整部、34A 突起(第一の突起)、
34B 突起(第二の突起)、35、36、37、39 孔、40 ヘッドバネ、
43 接触部、50 ヒートシンク、50A 貼付面、50B 背面、
51、52 突起、51A、52A 第一部分、51B、52B 中間部分、
51C、52C 第二部分、53 ジンバル部、54 付勢力調整部、
54A 傾斜面、54B 平坦面、60 位置遷移部、
80 スイッチ(操作部)、90 ボルト(操作部)、P1 薄紙(印刷媒体)、
P2 厚紙(印刷媒体)