IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 丸一株式会社の特許一覧 ▶ 因幡電機産業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-空調機器用排水トラップ 図1
  • 特開-空調機器用排水トラップ 図2
  • 特開-空調機器用排水トラップ 図3
  • 特開-空調機器用排水トラップ 図4
  • 特開-空調機器用排水トラップ 図5
  • 特開-空調機器用排水トラップ 図6
  • 特開-空調機器用排水トラップ 図7
  • 特開-空調機器用排水トラップ 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120544
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】空調機器用排水トラップ
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/22 20060101AFI20240829BHJP
   E03F 5/20 20060101ALI20240829BHJP
   E03C 1/28 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
F24F1/0007 361B
F24F13/22 227
F24F1/02 371B
E03F5/20
E03C1/28 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027403
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000157212
【氏名又は名称】丸一株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000119830
【氏名又は名称】因幡電機産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】笹川 知久
(72)【発明者】
【氏名】池辺 竜司
(72)【発明者】
【氏名】末道 洸希
【テーマコード(参考)】
2D061
2D063
3L050
【Fターム(参考)】
2D061DA10
2D061DD03
2D061DD13
2D061DD14
2D063DC01
3L050BD05
3L050BE03
3L050BE04
3L050BF04
(57)【要約】
【課題】本体部の外側面とカバー部との間に空気層が形成されるように、カバー部を本体部に容易に押し当てることができる空調機器用排水トラップを提供する。
【解決手段】空調機器用排水トラップ2は、本体部14と、本体部14の外側面との間に空気層86が形成されるように、本体部14の外側面を側方から覆う第1のカバー部22と、本体部14の外側面に形成された第1の封止部58及び第2の封止部60と、本体部14の外側面における下端部及び上端部にそれぞれ形成された下側保持部50及び上側保持部56とを備える。第1の封止部58及び第2の封止部60はそれぞれ、第1のカバー部22の両端部と係合されることにより、第1のカバー部22の内側面における下端部が下側保持部50に押し当てられ、且つ、第1のカバー部22の内側面における上端部が上側保持部56に押し当てられるように、第1のカバー部22を弾性的に変形させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調機器から排出されたドレン水が流入する流入口と、前記流入口から流入したドレン水が貯留される貯留空間と、前記貯留空間に貯留されたドレン水が外部に流出する流出口と、を有する本体部と、
前記本体部の外側面との間に空気層が形成されるように、前記本体部の前記外側面を側方から覆うカバー部と、
前記本体部の前記外側面に形成され、各々が上下方向に延在する第1の封止部及び第2の封止部と、
前記本体部の前記外側面における下端部に形成され、横方向に延在する下側保持部と、
前記本体部の前記外側面における上端部に形成され、横方向に延在する上側保持部と、を備え、
前記カバー部の両端部は、互いに対向して配置され、且つ、互いに離隔する方向及び互いに近付く方向に弾性的に変形可能であり、
前記第1の封止部及び前記第2の封止部はそれぞれ、前記カバー部の前記両端部と係合されることにより、前記カバー部の内側面における下端部を前記下側保持部に押し当て、且つ、前記カバー部の前記内側面における上端部を前記上側保持部に押し当てるように、前記カバー部を弾性的に変形させる
空調機器用排水トラップ。
【請求項2】
前記第1の封止部は、前記カバー部の前記両端部のうち一方の端部と係合される第1の溝部を有し、
前記第2の封止部は、前記カバー部の前記両端部のうち他方の端部と係合される第2の溝部を有する
請求項1に記載の空調機器用排水トラップ。
【請求項3】
前記下側保持部は、前記本体部の前記外側面における前記下端部から側方に突出し、
前記上側保持部は、前記本体部の前記外側面における前記上端部から側方に突出している
請求項1又は2に記載の空調機器用排水トラップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調機器で発生したドレン水を排出するためのドレン配管に設置される空調機器用排水トラップに関する。
【背景技術】
【0002】
空調機器で発生したドレン水を排出するためのドレン配管に設置される空調機器用排水トラップが知られている(例えば、特許文献1参照)。この空調機器用排水トラップは、流入口、流出口及び貯留空間を有する中空状の本体部と、本体部の内部に配置されたトラップ装置とを備えている。空調機器から排出されたドレン水は、流入口を通して本体部の内部のトラップ装置に流入する。このドレン水は、トラップ装置の内部に貯留されるとともに、トラップ装置を通して本体部の内部の貯留空間に流出される。この時、トラップ装置の内部に貯留されたドレン水が封水として機能することにより、臭気及び虫等が本体部の流入口を通して空調機器側に侵入するのが抑制される。本体部の内部の貯留空間に貯留されたドレン水が一定量を超えると、一定量を超えた分のドレン水が流出口を通して本体部の外部に流出する。
【0003】
上述した空調機器用排水トラップを例えば高温多湿の環境下で使用する場合には、外気と本体部の内部のドレン水との間の温度差が大きくなることによって、本体部の外側面に結露が生じ、本体部の周辺が水浸しになってしまう。このような結露の発生を抑制するために、本体部の外側面を密閉ケースで覆うことにより、本体部の外側面と密閉ケースとの間に空気層を形成する空調機器用排水トラップが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
密閉ケースは、一対の分割体と、底部側連結部材と、蓋部側連結部材とを組み合わせることにより構成されている。密閉ケースを本体部に取り付ける際には、まず、(i)一対の分割体を、本体部の外側面を両側方から覆うように配置し、次いで、(ii)一対の分割体の各下端部を底部側連結部材で連結し、最後に、(iii)一対の分割体の各上端部を蓋部側連結部材で連結する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-336956号公報
【特許文献2】特許第6590360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献2に開示された空調機器用排水トラップでは、本体部の外側面と密閉ケースとの間に空気層が形成されるように、密閉ケースを本体部に容易に押し当てることができないという課題が生じる。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決しようとするものであり、その目的は、本体部の外側面とカバー部との間に空気層が形成されるように、カバー部を本体部に容易に押し当てることができる空調機器用排水トラップを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る空調機器用排水トラップは、空調機器から排出されたドレン水が流入する流入口と、前記流入口から流入したドレン水が貯留される貯留空間と、前記貯留空間に貯留されたドレン水が外部に流出する流出口と、を有する本体部と、前記本体部の外側面との間に空気層が形成されるように、前記本体部の前記外側面を側方から覆うカバー部と、前記本体部の前記外側面に形成され、各々が上下方向に延在する第1の封止部及び第2の封止部と、前記本体部の前記外側面における下端部に形成され、横方向に延在する下側保持部と、前記本体部の前記外側面における上端部に形成され、横方向に延在する上側保持部と、を備え、前記カバー部の両端部は、互いに対向して配置され、且つ、互いに離隔する方向及び互いに近付く方向に弾性的に変形可能であり、前記第1の封止部及び前記第2の封止部はそれぞれ、前記カバー部の前記両端部と係合されることにより、前記カバー部の内側面における下端部を前記下側保持部に押し当て、且つ、前記カバー部の前記内側面における上端部を前記上側保持部に押し当てるように、前記カバー部を弾性的に変形させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様に係る空調機器用排水トラップによれば、本体部の外側面とカバー部との間に空気層が形成されるように、カバー部を本体部に容易に押し当てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態に係る空調機器用排水トラップの設置例を示す図である。
図2】実施の形態に係る空調機器用排水トラップを示す斜視図である。
図3】実施の形態に係る空調機器用排水トラップを示す分解斜視図である。
図4図3とは異なる角度から見た状態での、実施の形態に係る空調機器用排水トラップを示す分解斜視図である。
図5図2のV-V線による、実施の形態に係る空調機器用排水トラップの断面図である。
図6図5のVI-VI線による、実施の形態に係る空調機器用排水トラップの断面斜視図である。
図7図5のVI-VI線による、実施の形態に係る空調機器用排水トラップの断面図である。
図8図2のVIII-VIII線による、実施の形態に係る空調機器用排水トラップの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の第1の態様に係る空調機器用排水トラップは、空調機器から排出されたドレン水が流入する流入口と、前記流入口から流入したドレン水が貯留される貯留空間と、前記貯留空間に貯留されたドレン水が外部に流出する流出口と、を有する本体部と、前記本体部の外側面との間に空気層が形成されるように、前記本体部の前記外側面を側方から覆うカバー部と、前記本体部の前記外側面に形成され、各々が上下方向に延在する第1の封止部及び第2の封止部と、前記本体部の前記外側面における下端部に形成され、横方向に延在する下側保持部と、前記本体部の前記外側面における上端部に形成され、横方向に延在する上側保持部と、を備え、前記カバー部の両端部は、互いに対向して配置され、且つ、互いに離隔する方向及び互いに近付く方向に弾性的に変形可能であり、前記第1の封止部及び前記第2の封止部はそれぞれ、前記カバー部の前記両端部と係合されることにより、前記カバー部の内側面における下端部を前記下側保持部に押し当て、且つ、前記カバー部の前記内側面における上端部を前記上側保持部に押し当てるように、前記カバー部を弾性的に変形させる。
【0012】
本態様によれば、第1の封止部及び第2の封止部はそれぞれ、カバー部の両端部と係合されることにより、カバー部の内側面における下端部を下側保持部に押し当て、且つ、カバー部の内側面における上端部を上側保持部に押し当てるように、カバー部を弾性的に変形させる。これにより、本体部の外側面とカバー部との間に空気層が形成されるように、カバー部を本体部に容易に押し当てることができる。
【0013】
また、本発明の第2の態様に係る空調機器用排水トラップでは、第1の態様において、前記第1の封止部は、前記カバー部の前記両端部のうち一方の端部と係合される第1の溝部を有し、前記第2の封止部は、前記カバー部の前記両端部のうち他方の端部と係合される第2の溝部を有するように構成してもよい。
【0014】
本態様によれば、第1の封止部及び第2の封止部をそれぞれ、カバー部の両端部と容易に係合させることができる。
【0015】
また、本発明の第3の態様に係る空調機器用排水トラップでは、第1の態様又は第2の態様において、前記下側保持部は、前記本体部の前記外側面における前記下端部から側方に突出し、前記上側保持部は、前記本体部の前記外側面における前記上端部から側方に突出しているように構成してもよい。
【0016】
本態様によれば、カバー部の内側面における下端部が下側保持部に押し当てられ、且つ、カバー部の内側面における上端部が上側保持部に押し当てられることにより、本体部の外側面とカバー部との間に容易に空気層を形成することができる。
【0017】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0018】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0019】
(実施の形態)
[1.空調機器用排水トラップの概要]
まず、図1を参照しながら、実施の形態に係る空調機器用排水トラップ2の概要について説明する。図1は、実施の形態に係る空調機器用排水トラップ2の設置例を示す図である。
【0020】
図1に示すように、空調機器用排水トラップ2は、空調機器4で発生したドレン水を排出するためのドレン配管6に設置される。空調機器用排水トラップ2は、例えば空調機器4の背面側に配置され、室内の床面8に複数のネジ10で固定される。
【0021】
空調機器4は、室内を冷暖房するための大型の空調機器であり、室内の床面8に設置される。空調機器4の内部には、当該空調機器4で発生したドレン水を受けるためのドレンパン12が配置されている。なお、本実施の形態では、空調機器4は、運転時に当該空調機器4の内部が負圧となる、いわゆる吸込型の空調機器である。
【0022】
ドレン配管6は、空調機器4の背面側に配置されている。ドレン配管6は、上流側配管6aと、下流側配管6bとを有している。上流側配管6aは、空調機器4の内部に配置されたドレンパン12と、空調機器用排水トラップ2の上流側との間に接続されている。下流側配管6bは、空調機器用排水トラップ2の下流側と、室外の排水桝(図示せず)等との間に接続されている。なお、空調機器用排水トラップ2の上流側及び下流側はそれぞれ、空調機器用排水トラップ2においてドレン水が流れる方向の上流側及び下流側を意味する。
【0023】
空調機器4で発生したドレン水は、ドレンパン12に受けられた後に、ドレンパン12から上流側配管6aに排出される。次いで、ドレン水は、上流側配管6aを流れた後に、空調機器用排水トラップ2の上流側に流入する。
【0024】
次いで、ドレン水は、空調機器用排水トラップ2の内部のトラップ装置(後述する)に貯留されるとともに、トラップ装置を通して空調機器用排水トラップ2の内部の貯留空間(後述する)に流出される。この時、トラップ装置の内部に貯留されたドレン水は、封水として機能する。これにより、空調機器4の内部が負圧になった場合であっても、臭気及び虫等が上流側配管6aを通して空調機器4側に侵入するのが抑制される。
【0025】
空調機器用排水トラップ2の内部の貯留空間に貯留されたドレン水が一定量を超えた場合には、一定量を超えた分のドレン水が空調機器用排水トラップ2の下流側から流出され、下流側配管6bを流れて排水桝等に排出される。
【0026】
[2.空調機器用排水トラップの構成]
次に、図2図8を参照しながら、実施の形態に係る空調機器用排水トラップ2の構成について具体的に説明する。
【0027】
図2は、実施の形態に係る空調機器用排水トラップ2を示す斜視図である。図3は、実施の形態に係る空調機器用排水トラップ2を示す分解斜視図である。図4は、図3とは異なる角度から見た状態での、実施の形態に係る空調機器用排水トラップ2を示す分解斜視図である。図5は、図2のV-V線による、実施の形態に係る空調機器用排水トラップ2の断面図である。図6は、図5のVI-VI線による、実施の形態に係る空調機器用排水トラップ2の断面斜視図である。図7は、図5のVI-VI線による、実施の形態に係る空調機器用排水トラップ2の断面図である。図8は、図2のVIII-VIII線による、実施の形態に係る空調機器用排水トラップ2の断面図である。
【0028】
なお、図2図8において、空調機器用排水トラップ2の前後方向をX軸、空調機器用排水トラップ2の左右方向をY軸、空調機器用排水トラップ2の上下方向をZ軸とする。また、X軸のマイナス側を「上流側」、X軸のプラス側を「下流側」、Z軸のプラス側を「上」、Z軸のマイナス側を「下」とする。
【0029】
図2図7に示すように、空調機器用排水トラップ2は、本体部14と、蓋部16と、トラップ装置18と、弁装置20と、第1のカバー部22(カバー部の一例)と、第2のカバー部24(カバー部の一例)と、第1の継手部材26と、第2の継手部材28とを備えている。
【0030】
本体部14は、中空状の箱形状に形成されており、例えばABS(Acrylonitrile-Butadiene-Styrene)又はASA(Acylate-Styrene-Acrylonitrile)等の樹脂で形成されている。本体部14の内部には、ドレン水を貯留するための貯留空間30が形成されている。また、本体部14の上面には、貯留空間30と連通する略矩形状の上面開口部32が形成されている。
【0031】
本体部14の前後方向(X軸方向)における第1の端部14aには、流入口34が形成されている。流入口34は、空調機器用排水トラップ2の上流側に配置され、第1の継手部材26を介して上流側配管6a(図1参照)に接続される。これにより、流入口34には、上流側配管6aからのドレン水が流入する。流入口34は、流入側開口部36と、流入側接続部38とを含んでいる。流入側開口部36は、本体部14の第1の端部14aを円形状に貫通するように形成されている。流入側接続部38は、流入側開口部36の周縁部から本体部14の外部に向けて円筒状に突出している。
【0032】
本体部14の前後方向における第2の端部14b(すなわち、第1の端部14aと反対側の端部)には、流出口40が形成されている。流出口40は、空調機器用排水トラップ2の下流側に配置され、第2の継手部材28を介して下流側配管6b(図1参照)に接続される。流出口40は、流出側開口部42と、流出側接続部44とを含んでいる。流出側開口部42は、本体部14の第2の端部14bを円形状に貫通するように形成されている。流出側接続部44は、流出側開口部42の周縁部から本体部14の外部に向けて円筒状に突出している。
【0033】
図5に示すように、流入口34及び流出口40の各々は、本体部14における略同一の高さ位置(すなわち、床面8からの略同一の高さ位置)に配置されている。また、流入口34及び流出口40の各々は、略同一の外径(直径)を有している。これにより、流入口34の管軸方向と流出口40の管軸方向とは、同一直線上に配置されている。なお、本明細書において、「略同一」とは、完全に一致している場合だけでなく、例えば±10%の範囲内の誤差がある場合も含むものとする。また、「管軸方向」とは、流入口34又は流出口40の軸方向に沿った方向(X軸方向)をいう。なお、流入口34及び流出口40の各々は、本体部14の床面8からの高さの半分の位置より上側に配置されているのが好ましい。これにより、流入口34及び流出口40の勾配を容易に取ることができる。
【0034】
本体部14の下端部には、基台部46が形成されている。基台部46は、XY平面視で略矩形状の外形を有し、本体部14の下端部における外側面から側方にフランジ状に突出している。基台部46の四隅の各近傍には、ネジ10(図1参照)を挿通するための切り欠き部48が形成されている。基台部46が床面8に載置された状態で、複数のネジ10がそれぞれ複数の切り欠き部48を通して床面8に捻じ込まれることにより、本体部14が床面8に固定される。また、図3図5及び図8に示すように、基台部46の上面、すなわち本体部14の外側面における下端部には、下側保持部50が形成されている。下側保持部50は、本体部14の外側面における下端部から側方に突出している。具体的には、下側保持部50は、本体部14の外側面の周方向に沿って横方向に延在し、且つ、段差状に形成されている。なお、本明細書において、横方向とは、水平方向だけでなく、水平方向に対して例えば数度~十数度程度傾斜した方向をも含むものとする。
【0035】
本体部14の上端部には、取付部52が形成されている。取付部52は、XY平面視で略矩形状の外形を有し、本体部14の上端部における外側面から側方にフランジ状に突出している。取付部52の上面における外周部には、上方に向けて突出する位置決め突部54が形成されている。また、図4図5及び図8に示すように、取付部52の下面、すなわち本体部14の外側面における上端部には、上側保持部56が形成されている。上側保持部56は、本体部14の外側面における上端部から側方に突出している。具体的には、上側保持部56は、本体部14の外側面の周方向に沿って横方向に延在し、且つ、段差状に形成されている。
【0036】
また、図3図4図6及び図7に示すように、本体部14の外側面には、第1の封止部58及び第2の封止部60がそれぞれ両側方(Y軸のプラス側及びマイナス側)に突出するように形成されている。
【0037】
第1の封止部58は、本体部14の左右方向(Y軸方向)における第1の側端部14cにおいて、本体部14の前後方向における中央部に配置されている。すなわち、第1の封止部58は、本体部14の外側面の第1の領域(後述する)と第2の領域(後述する)との境界部に配置されている。第1の封止部58は、基台部46の上面から取付部52の下面に亘って、本体部14の上下方向(Z軸方向)に沿って直線状に延在している。図7に示すように、第1の封止部58の両側部にはそれぞれ、第1の封止部58の長手方向に沿って延在する一対の溝部62,64(第1の溝部の一例)が形成されている。なお、本明細書において、上下方向とは、鉛直方向だけでなく、鉛直方向に対して例えば数度~十数度程度傾斜した方向をも含むものとする。
【0038】
第2の封止部60は、本体部14の左右方向における第2の側端部14d(すなわち、第1の側端部14cと反対側の側端部)において、本体部14の前後方向における中央部に配置されている。すなわち、第2の封止部60は、本体部14の外側面の第1の領域と第2の領域との境界部に配置されている。第2の封止部60は、基台部46の上面から取付部52の下面に亘って、本体部14の上下方向に沿って直線状に延在している。図7に示すように、第2の封止部60の両側部にはそれぞれ、第2の封止部60の長手方向に沿って延在する一対の溝部66,68(第2の溝部の一例)が形成されている。
【0039】
図2図4に示すように、蓋部16は、XY平面視で矩形状の板状に形成され、例えば塩化ビニル等の透明樹脂で形成されている。蓋部16は、本体部14の上面開口部32を覆うように取付部52の上面に支持され、複数の固定具70で取付部52に固定される。この時、蓋部16の外周部が取付部52の位置決め突部54に接触することにより、蓋部16が本体部14に対して位置決めされる。複数の固定具70の各々は、断面略L字状に形成され、例えばABS又はASA等の樹脂で形成されている。なお、図示しないが、蓋部16の下面と本体部14の上面開口部32の周縁部との間は、パッキンによりシールされている。
【0040】
図5図7に示すように、トラップ装置18は、本体部14の内部に配置されている。トラップ装置18は、トラップ配管72と、排出部74と、常閉逆止弁76とを有している。
【0041】
トラップ配管72は、略U字状に形成されている。トラップ配管72の上流側端部は、本体部14の流入口34に対向するように配置され、流入口34に取り付けられた第1の継手部材26に接続されている。トラップ配管72の内部には、本体部14の流入口34から流入したドレン水の一部が封水として貯留されている。これにより、臭気及び虫等が、流入口34及び上流側配管6aを通して空調機器4側に侵入するのが抑制される。
【0042】
排出部74は、中空状に形成され、トラップ配管72の下流側端部に接続されている。排出部74には、複数の排出口78が形成されている。
【0043】
常閉逆止弁76は、球状に形成されたフロート弁形式の逆止弁であり、排出部74の内部に配置されている。常閉逆止弁76は、トラップ配管72の内部と排出部74の内部とを遮断する閉位置と、トラップ配管72の内部と排出部74の内部とを連通する開位置との間を昇降可能である。
【0044】
ドレン水が本体部14の流入口34からトラップ配管72の内部に流入していない状態では、空調機器4(図1参照)の内部が負圧になることにより、常閉逆止弁76は、閉位置に保持されている。一方、ドレン水が本体部14の流入口34からトラップ配管72の内部に流入した際には、常閉逆止弁76は、トラップ配管72の内部に流入したドレン水の圧力によって、閉位置から開位置まで浮き上がるようになる。これにより、トラップ配管72の内部のドレン水の一部は、排出部74の複数の排出口78から排出され、本体部14の貯留空間30に貯留される。
【0045】
図5図7に示すように、弁装置20は、本体部14の内部に配置されている。弁装置20は、弁配管80と、弁体82と、分岐配管84とを有している。
【0046】
弁配管80は、略円筒状に形成されている。分岐配管84は、弁配管80の側面から側方に延在し、弁配管80の内部と連通している。分岐配管84は、本体部14の流出口40に対向するように配置され、流出口40に取り付けられた第2の継手部材28に接続されている。
【0047】
弁体82は、本体部14の貯留空間30と弁配管80の内部とを遮断する閉位置と、本体部14の貯留空間30と弁配管80の内部とを連通する開位置との間を昇降可能である。
【0048】
本体部14の貯留空間30に貯留されたドレン水が一定量以下である状態では、弁体82は閉位置に保持されている。一方、本体部14の貯留空間30に貯留されたドレン水が一定量を超えた際には、弁体82は、一定量を超えた分のドレン水の圧力によって、閉位置から開位置まで浮き上がるようになる。これにより、一定量を超えた分のドレン水は、弁配管80及び分岐配管84を流れた後に、流出口40を通して本体部14の外部に流出される。
【0049】
図3及び図4に示すように、第1のカバー部22は、XY平面視で略コの字状に形成され、例えばABS又はASA等の樹脂で形成されている。図5図7に示すように、第1のカバー部22は、本体部14の外側面の第1の領域との間に空気層86が形成されるように、流入口34の管軸方向から(すなわち、側方から)本体部14の外側面の第1の領域を覆うように配置される。ここで、本体部14の外側面の第1の領域は、(a)本体部14の第1の端部14aの領域、(b)本体部14の第1の側端部14cのうち、第1の封止部58よりも第1の端部14a側の領域、及び、(c)本体部14の第2の側端部14dのうち、第2の封止部60よりも第1の端部14a側の領域を含む。
【0050】
第1のカバー部22は、第1の端板部88と、一対の第1の側板部90,92とを有している。第1の端板部88は、YZ側面視で略矩形状に形成されている。第1の端板部88の中央部には、円形状の第1の開口部94が形成されている。一対の第1の側板部90,92はそれぞれ、第1の端板部88の両端部から互いに対向するように延在している。なお、一対の第1の側板部90,92は、そのバネ性によって、互いに離隔する方向及び互いに近付く方向に弾性変形可能である。
【0051】
第1の端板部88は、本体部14の第1の端部14aを覆うように配置される。この時、本体部14の流入口34は、第1の端板部88の第1の開口部94を通して露出される。また、流入口34の流入側接続部38は、第1の開口部94に挿通される。図5に示すように、第1の端板部88の内側面における下端部は、基台部46の上面に形成された下側保持部50に接触し、第1の端板部88の内側面における上端部は、取付部52の下面に形成された上側保持部56に接触する。これにより、第1の端板部88と本体部14の第1の端部14aとの間には、下側保持部50及び上側保持部56の各短手方向における大きさに対応する空気層86が形成される。
【0052】
第1の側板部90は、本体部14の第1の側端部14cのうち、第1の封止部58よりも第1の端部14a側を覆うように配置される。第1の側板部90の先端部(すなわち、第1の端板部88と反対側の端部)は、第1の封止部58の溝部62に係合される。なお、この時、第1の側板部90は、その弾性復元力に抗して、第1の側板部92に近付く方向に力が加えられた状態に保持されている。これにより、第1の側板部90の内側面における下端部が基台部46の上面に形成された下側保持部50に押し当てられ、且つ、第1の側板部90の内側面における上端部が取付部52の下面に形成された上側保持部56に押し当てられるように、第1のカバー部22が弾性的に変形される。その結果、第1の側板部90と、本体部14の第1の側端部14cのうち第1の封止部58よりも第1の端部14a側との間には、下側保持部50及び上側保持部56の各短手方向における大きさに対応する空気層86が形成される。
【0053】
第1の側板部92は、本体部14の第2の側端部14dのうち、第2の封止部60よりも第1の端部14a側を覆うように配置される。第1の側板部92の先端部(すなわち、第1の端板部88と反対側の端部)は、第2の封止部60の溝部66に係合される。なお、この時、第1の側板部92は、その弾性復元力に抗して、第1の側板部90に近付く方向に力が加えられた状態に保持されている。これにより、第1の側板部92の内側面における下端部が基台部46の上面に形成された下側保持部50に押し当てられ、且つ、第1の側板部92の内側面における上端部が取付部52の下面に形成された上側保持部56に押し当てられるように、第1のカバー部22が弾性的に変形される。その結果、第1の側板部92と、本体部14の第2の側端部14dのうち第2の封止部60よりも第1の端部14a側との間には、下側保持部50及び上側保持部56の各短手方向における大きさに対応する空気層86が形成される。
【0054】
図3及び図4に示すように、第2のカバー部24は、XY平面視で略コの字状に形成され、例えばABS又はASA等の樹脂で形成されている。図5図7に示すように、第2のカバー部24は、本体部14の外側面の上記第1の領域とは異なる第2の領域との間に空気層96が形成されるように、流出口40の管軸方向から(すなわち、側方から)本体部14の外側面の第2の領域を覆うように配置される。ここで、本体部14の外側面の第2の領域は、(a)本体部14の第2の端部14bの領域、(b)本体部14の第1の側端部14cのうち、第1の封止部58よりも第2の端部14b側の領域、及び、(c)本体部14の第2の側端部14dのうち、第2の封止部60よりも第2の端部14b側の領域を含む。
【0055】
第2のカバー部24は、第2の端板部98と、一対の第2の側板部100,102とを有している。第2の端板部98は、YZ側面視で略矩形状に形成されている。第2の端板部98の中央部には、円形状の第2の開口部104が形成されている。一対の第2の側板部100,102はそれぞれ、第2の端板部98の両端部から互いに対向するように延在している。なお、一対の第2の側板部100,102は、そのバネ性によって、互いに離隔する方向及び互いに近付く方向に弾性変形可能である。
【0056】
第2の端板部98は、本体部14の第2の端部14bを覆うように配置される。この時、本体部14の流出口40は、第2の端板部98の第2の開口部104を通して露出される。また、流出口40の流出側接続部44は、第2の開口部104に挿通される。図5に示すように、第2の端板部98の内側面における下端部は、基台部46の上面に形成された下側保持部50に接触し、第2の端板部98の内側面における上端部は、取付部52の下面に形成された上側保持部56に接触する。これにより、第2の端板部98と本体部14の第2の端部14bとの間には、空気層96が形成される。
【0057】
第2の側板部100は、本体部14の第1の側端部14cのうち、第1の封止部58よりも第2の端部14b側を覆うように配置される。第2の側板部100の先端部(すなわち、第2の端板部98と反対側の端部)は、第1の封止部58の溝部64に係合される。なお、この時、第2の側板部100は、その弾性復元力に抗して、第2の側板部102に近付く方向に力が加えられた状態に保持されている。これにより、第2の側板部100の内側面における下端部が基台部46の上面に形成された下側保持部50に押し当てられ、且つ、第2の側板部100の内側面における上端部が取付部52の下面に形成された上側保持部56に押し当てられるように、第2のカバー部24が弾性的に変形される。その結果、第2の側板部100と、本体部14の第1の側端部14cのうち第1の封止部58よりも第2の端部14b側との間には、下側保持部50及び上側保持部56の各短手方向における大きさに対応する空気層96が形成される。
【0058】
第2の側板部102は、本体部14の第2の側端部14dのうち、第2の封止部60よりも第2の端部14b側を覆うように配置される。第2の側板部102の先端部(すなわち、第2の端板部98と反対側の端部)は、第2の封止部60の溝部68に係合される。なお、この時、第2の側板部102は、その弾性復元力に抗して、第2の側板部100に近付く方向に力が加えられた状態に保持されている。これにより、図8に示すように、第2の側板部102の内側面における下端部が基台部46の上面に形成された下側保持部50に押し当てられ、且つ、第2の側板部102の内側面における上端部が取付部52の下面に形成された上側保持部56に押し当てられるように、第2のカバー部24が弾性的に変形される。その結果、第2の側板部102と、本体部14の第2の側端部14dのうち第2の封止部60よりも第2の端部14b側との間には、下側保持部50及び上側保持部56の各短手方向における大きさに対応する空気層96が形成される。
【0059】
上述したように、第1のカバー部22と本体部14の外側面の第1の領域との間には空気層86が形成され、且つ、第2のカバー部24と本体部14の外側面の第2の領域との間には空気層96が形成される。これにより、外気と本体部14の内部のドレン水との間の温度差が大きい場合であっても、結露が生じるのを抑制することができる。
【0060】
図5図7に示すように、第1の継手部材26は、本体部14の流入口34と上流側配管6aとを連結するための継手管であり、本体部14の流入口34に取り付けられる。第1の継手部材26は、第1の連結部106と、第1の挿通部108と、第1の固定部110とを有している。第1の継手部材26は、例えばABS、ASA又は塩化ビニル等の樹脂で形成されている。
【0061】
第1の連結部106は円筒状に形成され、第1の連結部106の外周面には雄ネジ部112が形成されている。第1の挿通部108は、円筒状に形成され、第1の連結部106の軸方向(X軸方向)における一端部から上記軸方向に沿って延在している。第1の挿通部108の外径は、第1の連結部106の外径よりも小さい。第1の固定部110は、円筒状に形成され、第1の連結部106の軸方向における一端部から、第1の挿通部108の外周面を覆うように上記軸方向に沿って延在している。第1の固定部110の軸方向における長さは、第1の挿通部108の軸方向における長さよりも短い。
【0062】
第1の継手部材26が本体部14の流入口34に取り付けられた状態では、第1の挿通部108は、第1のカバー部22の第1の開口部94を通して、本体部14の流入口34の流入側開口部36に挿通されている。第1の挿通部108の先端部は、トラップ装置18のトラップ配管72の上流側端部に接続されている。また、第1の固定部110の外周面は、例えば接着剤等により、本体部14の流入口34の流入側接続部38の内周面に接着されている。第1の連結部106は、第1のカバー部22の外部に配置されている。第1の連結部106の雄ネジ部112と、上流側配管6aの端部における内周面に形成された雌ネジ部(図示せず)とが螺合することにより、第1の連結部106が上流側配管6aと接続される。
【0063】
図5図7に示すように、第2の継手部材28は、本体部14の流出口40と下流側配管6bとを連結するための継手管であり、本体部14の流出口40に取り付けられる。第2の継手部材28は、第2の連結部114と、第2の挿通部116と、第2の固定部118とを有している。第2の継手部材28は、例えばABS、ASA又は塩化ビニル等の樹脂で形成されている。
【0064】
第2の連結部114は円筒状に形成され、第2の連結部114の外周面には雄ネジ部120が形成されている。第2の挿通部116は、円筒状に形成され、第2の連結部114の軸方向(X軸方向)における一端部から上記軸方向に沿って延在している。第2の挿通部116の外径は、第2の連結部114の外径よりも小さい。第2の固定部118は、円筒状に形成され、第2の連結部114の軸方向における一端部から、第2の挿通部116の外周面を覆うように上記軸方向に沿って延在している。第2の固定部118の軸方向における長さは、第2の挿通部116の軸方向における長さよりも短い。
【0065】
第2の継手部材28が本体部14の流出口40に取り付けられた状態では、第2の挿通部116は、第2のカバー部24の第2の開口部104を通して、本体部14の流出口40の流出側開口部42に挿通されている。第2の挿通部116の先端部は、弁装置20の分岐配管84に接続されている。また、第2の固定部118の外周面は、例えば接着剤等により、本体部14の流出口40の流出側接続部44の内周面に接着されている。第2の連結部114は、第2のカバー部24の外部に配置されている。第2の連結部114の雄ネジ部120と、下流側配管6bの端部における内周面に形成された雌ネジ部(図示せず)とが螺合することにより、第2の連結部114が下流側配管6bと接続される。
【0066】
[3.第1のカバー部及び第2のカバー部の取り付け手順]
次に、第1のカバー部22及び第2のカバー部24を本体部14に取り付ける手順の一例について説明する。
【0067】
まず、第1のカバー部22を、流入口34の管軸方向から、本体部14の外側面の第1の領域を覆うようにして配置する。この時、一対の第1の側板部90,92が互いに近付くように第1のカバー部22を弾性的に変形させた状態で、第1の側板部90の先端部を第1の封止部58の溝部62に係合させ、且つ、第1の側板部92の先端部を第2の封止部60の溝部66に係合させる。また、本体部14の流入口34を、第1のカバー部22の第1の開口部94を通して露出させる。
【0068】
次いで、第1の継手部材26を、第1のカバー部22の第1の開口部94を通して本体部14の流入口34に取り付ける。これにより、第1のカバー部22の本体部14への取り付けが完了する。
【0069】
次いで、第2のカバー部24を、流出口40の管軸方向から、本体部14の外側面の第2の領域を覆うようにして配置する。この時、一対の第2の側板部100,102が互いに近付くように第2のカバー部24を弾性的に変形させた状態で、第2の側板部100の先端部を第1の封止部58の溝部64に係合させ、且つ、第2の側板部102の先端部を第2の封止部60の溝部68に係合させる。また、本体部14の流出口40を、第2のカバー部24の第2の開口部104を通して露出させる。
【0070】
最後に、第2の継手部材28を、第2のカバー部24の第2の開口部104を通して本体部14の流出口40に取り付ける。これにより、第2のカバー部24の本体部14への取り付けが完了する。
【0071】
以上のように、本実施の形態の空調機器用排水トラップ2では、第1のカバー部22の両端部(すなわち、一対の第1の側板部90,92の各先端部)がそれぞれ第1の封止部58及び第2の封止部60と係合されることにより、第1のカバー部22の内側面における下端部が下側保持部50に押し当てられ、且つ、第1のカバー部22の内側面における上端部が上側保持部56に押し当てられるように、第1のカバー部22が弾性的に変形される。これにより、第1のカバー部22と本体部14の外側面との間に空気層86が形成されるように、第1のカバー部22を本体部14の外側面に容易に押し当てることができる。
【0072】
また、第2のカバー部24の両端部(すなわち、一対の第2の側板部100,102の各先端部)がそれぞれ第1の封止部58及び第2の封止部60と係合されることにより、第2のカバー部24の内側面における下端部が下側保持部50に押し当てられ、且つ、第2のカバー部24の内側面における上端部が上側保持部56に押し当てられるように、第2のカバー部24が弾性的に変形される。これにより、第2のカバー部24と本体部14の外側面との間に空気層96が形成されるように、第2のカバー部24を本体部14の外側面に容易に押し当てることができる。
【0073】
さらに、第1のカバー部22及び第2のカバー部24はそれぞれ、第1の継手部材26及び第2の継手部材28により本体部14に固定される。これにより、本体部14の流入口34に取り付けられた第1の継手部材26を利用して、第1のカバー部22を本体部14に容易に取り付けることができる。また、本体部14の流出口40に取り付けられた第2の継手部材28を利用して、第2のカバー部24を本体部14に容易に取り付けることができる。
【0074】
なお、上述したように、流入口34及び流出口40の各々は、本体部14における略同一の高さ位置に配置され、且つ、略同一の外径を有している。これにより、第1のカバー部22及び第2のカバー部24を略同一の形状に形成することができ、空調機器用排水トラップ2の部品の一部を共通化することができる。
【0075】
(変形例等)
以上、一つ又は複数の態様に係る空調機器用排水トラップについて、上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思い付く各種変形を上記実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つ又は複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0076】
例えば、上記実施の形態では、空調機器4を吸込型の空調機器としたが、これに限定されず、空調機器4を例えば運転時に当該空調機器4の内部が正圧となる、いわゆる押込型の空調機器としてもよい。この場合、空調機器用排水トラップ2の本体部14の内部機構(トラップ装置18及び弁装置20)は、空調機器4のタイプ(押込型)に応じて適宜変更すればよい。
【0077】
また例えば、上記実施の形態では、第1のカバー部22及び第2のカバー部24を、前後方向(X軸方向)から本体部14の外側面を覆うように配置したが、これに限定されず、左右方向(Y軸方向)から本体部14の外側面を覆うように配置してもよい。
【0078】
また例えば、上記実施の形態では、空調機器用排水トラップ2は、2つのカバー部(第1のカバー部22及び第2のカバー部24)を備えるようにしたが、これに限定されず、1つのカバー部のみを備えるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明に係る空調機器用排水トラップは、例えば空調機器で発生したドレン水を排出するためのドレン配管等に設置可能である。
【符号の説明】
【0080】
2 空調機器用排水トラップ
4 空調機器
6 ドレン配管
6a 上流側配管
6b 下流側配管
8 床面
10 ネジ
12 ドレンパン
14 本体部
14a 第1の端部
14b 第2の端部
14c 第1の側端部
14d 第2の側端部
16 蓋部
18 トラップ装置
20 弁装置
22 第1のカバー部
24 第2のカバー部
26 第1の継手部材
28 第2の継手部材
30 貯留空間
32 上面開口部
34 流入口
36 流入側開口部
38 流入側接続部
40 流出口
42 流出側開口部
44 流出側接続部
46 基台部
48 切り欠き部
50 下側保持部
52 取付部
54 位置決め突部
56 上側保持部
58 第1の封止部
60 第2の封止部
62,64,66,68 溝部
70 固定具
72 トラップ配管
74 排出部
76 常閉逆止弁
78 排出口
80 弁配管
82 弁体
84 分岐配管
86,96 空気層
88 第1の端板部
90,92 第1の側板部
94 第1の開口部
98 第2の端板部
100,102 第2の側板部
104 第2の開口部
106 第1の連結部
108 第1の挿通部
110 第1の固定部
112,120 雄ネジ部
114 第2の連結部
116 第2の挿通部
118 第2の固定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8