(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012057
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】加熱式喫煙物品
(51)【国際特許分類】
A24D 1/20 20200101AFI20240118BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20240118BHJP
【FI】
A24D1/20
A24F40/20
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027998
(22)【出願日】2023-02-27
(31)【優先権主張番号】10-2022-0086903
(32)【優先日】2022-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】513195466
【氏名又は名称】イーエム-テック・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】EM-TECH.Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ファンオク
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ジヘ
【テーマコード(参考)】
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B045AA41
4B045AB01
4B162AA03
4B162AB12
4B162AB22
4B162AB28
(57)【要約】
【課題】固体形態のエアロゾル形成基材層内に液状のエアロゾル形成基材を収容するカプセルが混合されている加熱式喫煙物品を提供する。
【解決手段】実施例に係る加熱式喫煙物品は、フィルター層と、フィルター層の下端に積層される中空チューブ層と、中空チューブ層の下側に積層され、固体吸湿体及び液状のエアロゾル形成基材カプセルが混合されたエアロゾル形成基材層と、フィルター層、中空チューブ層及びエアロゾル形成基材層を取り囲んで積層構造を維持させるラッピング部とを含み、液状のエアロゾル形成基材カプセルは、中心に液状のエアロゾル形成基材と、液状のエアロゾル形成基材を完全に取り囲む第1の乳化剤層と、第1の乳化剤層の表面を被覆する第1の被覆物質層とを含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルター層と、
フィルター層の下端に積層される中空チューブ層と、
中空チューブ層の下側に積層され、固体吸湿体及び液状のエアロゾル形成基材カプセルが混合されたエアロゾル形成基材層と、
フィルター層、中空チューブ層及びエアロゾル形成基材層を取り囲んで積層構造を維持させるラッピング部とを含み、
液状のエアロゾル形成基材カプセルは、中心に液状のエアロゾル形成基材と、液状のエアロゾル形成基材を完全に取り囲む第1の乳化剤層と、第1の乳化剤層の表面を被覆する第1の被覆物質層とを含むことを特徴とする、加熱式喫煙物品。
【請求項2】
液状のエアロゾル形成基材は親水性物質であり、第1の乳化剤層は疏水性物質であり、第1の被覆物質層は疏水性物質であることを特徴とする、請求項1に記載の加熱式喫煙物品。
【請求項3】
第1の乳化剤層は、ソルビタンモノパルミテート、グリセロールモノステアレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、グリセロールモノラウレート、プロピレングリコールモノエステル、グリセロールモノオレエート、ポリグリセロールポリリシノレート、大豆レシチンを含む群から選択される一つ以上の物質を含む第1の乳化剤からなることを特徴とする、請求項2に記載の加熱式喫煙物品。
【請求項4】
第1の被覆物質層は、パームオイル、蜜蝋、キャンデリラワックス、ココナッツオイル、シナモンバークオイル、疏水性ポリマー又はアルコールを含む群から選択される一つ以上の物質からなることを特徴とする、請求項2に記載の加熱式喫煙物品。
【請求項5】
液状のエアロゾル形成基材カプセルは、第1の被覆物質層の全体を取り囲む親水性の第2の乳化剤層をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の加熱式喫煙物品。
【請求項6】
第2の乳化剤層は、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリグリセロールモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、スクロースステアレートを含む群から選択される一つ以上の物質を含む第2の乳化剤からなることを特徴とする、請求項5に記載の加熱式喫煙物品。
【請求項7】
液状のエアロゾル形成基材カプセルは、第2の乳化剤層の全体を取り囲む親水性の第2の被覆物質層を含むことを特徴とする、請求項5に記載の加熱式喫煙物品。
【請求項8】
第2の被覆物質層は、植物性、海藻類性又は細菌性などの多糖類、親水性蛋白質、親水性ポリマー又はアルコールを含む群から選択される一つ以上の物質からなることを特徴とする、請求項7に記載の加熱式喫煙物品。
【請求項9】
液状のエアロゾル形成基材は、グリセリン、プロピレングリコール、ニコチン、香味剤、カフェイン、水、ヒノキ水、滋養強壮剤、カンナビノイドを含む群から選択される一つ以上の物質を含むことを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の加熱式喫煙物品。
【請求項10】
固体吸湿体は、固体のエアロゾル形成基材であることを特徴とする、請求項1に記載の加熱式喫煙物品。
【請求項11】
中空チューブ層の下側に積層され、固体のエアロゾル形成基材を含む第2のエアロゾル形成基材層をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の加熱式喫煙物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙物品に関し、特に、固体形態の吸湿体内に液状のエアロゾル形成基材を収容するカプセルが混合されている加熱式喫煙物品に関する。
【背景技術】
【0002】
巻タバコ(cigarette)のような可燃性喫煙物品は、一般に、タバコロッド(rod)を形成する巻紙(paper wrapper)によりラッピングされる(通常、刻葉(cut filler)形態の)刻みタバコ(shredded tobacco)のタバコ基材を有する。巻タバコは、喫煙者が巻タバコの一側の末端に火を点けてタバコロッドを燃焼させて使用する。その後、喫煙者は、一般にフィルターを含む巻タバコの他側の末端又はマウス末端から吸引して、自分の口内へ主流煙を受け入れる。従来の巻タバコは、タバコを燃焼し、揮発性化合物を主流煙内に放出する温度を生成する。主流煙の香味を変形するために、メントールのような香味剤を含む単一及び多重のセグメントマウスピースフィルターが具備された巻タバコを提供することが公知されている。
【0003】
タバコ基材のように、エアロゾル発生基材(aerosol generating substrate)が、燃焼ではなく、加熱される多数の喫煙物品も当該技術分野で公知されている。このような物品はエアロゾル発生物品と称することもできる。エアロゾル発生物品を使用するシステムの例としては、タバコ含有基材を200℃以上に加熱して、ニコチン含有エアロゾルを発生させるシステムを含む。通常、このような加熱式喫煙物品において、吸入可能なエアロゾルは、熱源から熱源の内部、その周囲又はその下流に位置し得るエアロゾル形成基材への熱伝達により発生する。エアロゾル発生物品を消費する際に、揮発性化合物が熱源からの熱伝達によってエアロゾル形成基材から放出され、該物品により吸引された空気に引っ立てられる。放出された化合物の冷却及び凝縮により、消費者に吸入されるエアロゾルを形成する。
【0004】
このような喫煙物品を製造する際に、通常、タバコ基材が加熱又は乾燥されて、例えば水を除去する。このような加熱又は乾燥ステップの間に、揮発性化合物、例えば香味剤がタバコ基材から除去され、最終の喫煙物品の味を変更させる。現在の香味剤は乾燥されたタバコ基材上に直接的に噴霧しているが、このような香味剤も、時間の流れによる乾燥及び変質の恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、固体形態の吸湿体内に液状のエアロゾル形成基材を収容するカプセルが混合されている加熱式喫煙物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施例に係る加熱式喫煙物品は、フィルター層と、フィルター層の下端に積層される中空チューブ層と、中空チューブ層の下側に積層され、固体吸湿体及び液状のエアロゾル形成基材カプセルが混合されたエアロゾル形成基材層と、フィルター層、中空チューブ層及びエアロゾル形成基材層を取り囲んで積層構造を維持させるラッピング部とを含み、液状のエアロゾル形成基材カプセルは、中心に液状のエアロゾル形成基材と、液状のエアロゾル形成基材を完全に取り囲む第1の乳化剤層と、第1の乳化剤層の表面を被覆する第1の被覆物質層とを含む。
【0007】
また、液状のエアロゾル形成基材は親水性物質であり、第1の乳化剤層は疏水性物質であり、第1の被覆物質層は疏水性物質であることが望ましい。
【0008】
また、第1の乳化剤層は、ソルビタンモノパルミテート(Sorbitan monopalmitate)、グリセロールモノステアレート(Glycerol monostearate)、ソルビタンモノステアレート(Sorbitan monostearate)、ソルビタンモノオレエート(Sorbitan monooleate)、グリセロールモノラウレート(Glycerol monolaurate)、プロピレングリコールモノエステル(Propyleneglycol monoester)、グリセロールモノオレエート(Glycerol monooleate)、ポリグリセロールポリリシノレート(Polyglycerol polyricinoleate)、大豆レシチン(Soy lecithin)を含む群から選択される一つ以上の物質を含む第1の乳化剤からなることが望ましい。
【0009】
また、第1の被覆物質層は、パームオイル(Palm oil)、蜜蝋(Beeswax)、キャンデリラワックス(Candelilla wax)、ココナッツオイル(Coconut oil)、シナモンバークオイル(Cinnamon bark oil、Soybean oil)、疏水性ポリマー又はアルコールを含む群から選択される一つ以上の物質からなることが望ましい。
【0010】
また、液状のエアロゾル形成基材カプセルは、第1の被覆物質層の全体を取り囲む親水性の第2の乳化剤層をさらに含むことが望ましい。
【0011】
また、第2の乳化剤層は、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(Polyoxyethylene sorbitan monostearate)、ポリグリセロールモノオレエート(Polyglycerol monooleate)、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(Polyoxyethylene sorbitan monolaurate)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(Polyoxyethylene sorbitan monooleate)、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート(Polyoxyethylene sorbitan monopalmitate)、スクロースステアレート(Sucrose stearate)を含む群から選択される一つ以上の物質を含む第2の乳化剤からなることが望ましい。
【0012】
また、液状のエアロゾル形成基材カプセルは、第2の乳化剤層の全体を取り囲む親水性の第2の被覆物質層を含むことが望ましい。
【0013】
また、第2の被覆物質層は、植物性、海藻類性又は細菌性などの多糖類、親水性蛋白質、親水性ポリマー又はアルコールを含む群から選択される一つ以上の物質からなることが望ましい。
【0014】
また、液状のエアロゾル形成基材は、グリセリン、プロピレングリコール、ニコチン、香味剤、カフェイン、水、ヒノキ水、滋養強壮剤、カンナビノイドを含む群から選択される一つ以上の物質を含むことが望ましい。
【0015】
また、固体吸湿体は、固体のエアロゾル形成基材であることが望ましい。
【0016】
また、加熱式喫煙物品は、中空チューブ層の下側に積層され、固体のエアロゾル形成基材を含む第2のエアロゾル形成基材層をさらに含むことが望ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、固体形態の吸湿体内に液状のエアロゾル形成基材を収容するカプセルが混合されているため、カプセルの加熱前まで液状のエアロゾル形成基材がカプセル内で保護を受けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】一実施例に係る加熱式喫煙物品の概略断面図である。
【
図2】他の実施例に係る加熱式喫煙物品の概略断面図である。
【
図3】実施例に係る加熱式喫煙物品に含まれる液状のエアロゾル形成基材カプセルの実施例等の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、添付図面に基づき、本発明の好適な実施例を詳細に説明する。しかしながら、これは、本発明が特定の実施例に限定されず、本発明の実施例の多様な変更(modification)、均等物(equivalent)及び/又は代替物(alternative)を含むものと理解しなければならない。図面の説明と関連して、類似な構成要素に対しては類似な参照符号が用いられる。
【0020】
本文書において、「有する」、「有することができる」、「含む」又は「含むことができる」などの表現は、該当特徴(例:数値、機能、動作又は部品などの構成要素)の存在を称し、追加的な特徴の存在を排除しない。
【0021】
本文書において、「A又はB」、「A又は/及びBの少なくとも一つ」、或いは、「A又は/及びBの一つ又はそれ以上」などの表現は、共に羅列された項目等の全ての可能な組合を含むことができる。例えば、「A又はB」、「A及びBの少なくとも一つ」、或いは、「A又はBの少なくとも一つ」は、(1)少なくとも一つのAを含む、(2)少なくとも一つのBを含む、或いは、(3)少なくとも一つのA及び少なくとも一つのBの全部を含む、場合を全部称することができる。
【0022】
本文書で使用される「第1」、「第2」、「一番目」又は「二番目」などのような表現は、多様な構成要素を、順序及び/又は重要度と無関係に修飾でき、ある構成要素を他の構成要素と区分するために使用されるだけで、当該構成要素を限定するものではない。例えば、第1のユーザ機器及び第2のユーザ機器は、順序又は重要度と無関係に、互いに異なるユーザ機器を称することができる。例えば、本文書に記載された権利範囲を逸脱しない限り、第1の構成要素は第2の構成要素と称することができ、同様に第2の構成要素も第1の構成要素に変えて称することができる。
【0023】
ある構成要素(例:第1の構成要素)が他の構成要素(例:第2の構成要素)に「(機能的又は通信的に)連結されて(operatively or communicatively)coupled with/to」」、「接続されて(connected to)」いると言及された時には、ある構成要素が他の構成要素に直接的に連結されたり、他の構成要素(例:第3の構成要素)を介して連結されたりすると理解しなければならない。反面、ある構成要素(例:第1の構成要素)が他の構成要素(例:第2の構成要素)に「直接的に連結されて」、「直接的に接続されて」いると言及された時には、ある構成要素及び他の構成要素間にまた他の構成要素(例:第3の構成要素)が存在しないものと理解しなければならない。
【0024】
本文書で使用された表現の「~ように構成された(又は設定された)(configured to)」は、状況に応じて例えば、「~に適合した(suitable for)」、「~する能力を有する(having the capacity to)」、「~ように設計された(designed to)」、「~ように変更された(adapted to)」、「~ように作られた(made to)」、或いは、「~をすることができる(capable of)」に変えて使用できる。用語の「~ように構成(又は設定)された」は、ハードウェアー的に「特別に設計された(specifically designed to)」だけを必ずしも意味するものではない。代わりに、どのような状況では、「~ように構成された装置」という表現は、その装置が他の装置又は部品等と共に「~することができる」ことを意味できる。
【0025】
本文書で使用された用語等は、但し特定の実施例を説明するために使用されたもので、他の実施例の範囲を限定する意図はない。単数の表現は文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含むことができる。技術的或いは科学的な用語を含めてここで使用される用語等は、本文書に記載された技術分野における通常の知識を有した者により一般的に分かるものと同一の意味を有することができる。本書に使用された用語等のうち、一般の辞書に定義されている用語等は関連技術の文脈上有する意味と同一又は類似な意味として解析でき、本文書で明白に定義されない限り、理想的或いは過度に形式的な意味であると解析しない。場合によっては、本文書で定義された用語であっても、本文の実施例を排除するように解析してはいけない。
【0026】
図1は、一実施例に係る加熱式喫煙物品の概略断面図である。本実施例に係る加熱式喫煙物品は、上側にマウスフィルターであるフィルター層100と、フィルター層100の下端に積層される中空チューブ層200と、中空チューブ層200の下端に積層され、固体吸湿体300a及び液状のエアロゾル形成基材カプセル1が混合されたエアロゾル形成基材層300と、フィルター層100、中空チューブ層200及びエアロゾル形成基材層300を取り囲んで積層構造を維持させるラッピング部500とを含んで構成される。フィルター層100、中空チューブ層200及びエアロゾル形成基材層300が上下方向に順次積層される。
【0027】
フィルター層100は、マウスピースの役割を果たすフィルターであって、エアロゾルは通過し、液流入は防止する役割を果たす。フィルター層100は、パルプで製作でき、円筒形又はチューブ形態で製作できる。フィルター層は、酢酸セルロース、紙、PP、PLAなどの材質で製造できる。一方、フィルター層100は、香味剤を含み、ユーザの満足感を向上させることができる。香味剤は、例えば、甘草、蔗糖、果糖シロップ、イソスイート、ココア、ラベンダー、シナモン、カルダモン、セロリ、コロハ、カスカリラ、白檀、ベルガモット、ゼラニウム、ハニーエッセンス、ローズオイル、バニラ、レモンオイル、オレンジオイル、ミントオイル、キャラウェー、コニャック、ジャスミン、カモマイル、メントール、カッシア、イランイラン、セージ、スペアミント、ジンジャー、コリアンダー又はコーヒーなどを含むことができる。
【0028】
中空チューブ層200は、上下方向に延長される中空220が内部に形成されることにより、エアロゾルの移動通路を提供するが、PLAが挿入されてエアロゾルの温度を低下させて、ユーザがエアロゾルの吸入時に火傷を負うことを防止できる。 中空チューブ層200は酢酸セルロースで製作でき、冷却構造物として働く中空チューブ層200は、純粋なポリ乳酸で製作されたり、異なる分解性ポリマーとポリ乳酸とを組合せて製作されたりできる。
【0029】
エアロゾル形成基材層300は固体吸湿体300aを含む。固体吸湿体300aは、液状のエアロゾル形成基材カプセル1を含むと同時に、固定可能な固体物質であり得る。望ましくは、固体吸湿体300aは、液状のエアロゾル形成基材カプセル1から流出される液状のエアロゾル形成基材の少なくとも一部を吸収できる固体物質である。
【0030】
例えば、固体吸湿体300aは、パルプ又はパルプを含む生地を折り又は巻きによりシリンダ形状や柱状で作ったり、シリンダ形状や柱状で加工して作ったりしたものであり、綿の織造生地又は不織布生地を折り又は巻きによりシリンダ形状で作ったり、シリンダ形状で加工して作ったりしたものであり、竹繊維の織造生地又は不織布生地を折り又は巻きによりシリンダ形状で作ったり、シリンダ形状で加工して作ったりしたものである。
【0031】
実施例により、固体吸湿体300aは固体のエアロゾル形成基材であり得る。固体のエアロゾル形成基材は、タバコ葉の刻葉や葉タバコ基材などを含んで構成できる。固体のエアロゾル形成基材は、板状葉タバコ、刻葉及び再構成タバコなどのようなタバコ原料に基づいた固体物質を含むことができる。一実施例において、固体のエアロゾル形成基材は皺を有する板状葉シートであり得る。板状葉シートは、シリンダ軸に実質的に横方向に巻き、折り、圧縮又は収縮によって皺が形成される。皺を有する板状葉シートの谷の間隔などの調節により、多孔度を決定することができる。
【0032】
他の実施例において、固体のエアロゾル形成基材はタバコ刻葉であり得る。ここで、タバコ刻葉等は、タバコシート(或いは、スラリー板状葉シート)を小切ることにより生成できる。また、固体のエアロゾル形成基材は、複数のタバコストランドが互いに同一の方向(平行)に、或いは、ランダムに合わせて形成できる。具体的に、固体のエアロゾル形成基材は、複数のタバコストランドを合わせて形成し、エアロゾルが通過できる縦方向の複数のチャンネルを形成できる。このとき、タバコストランドの大きさ及び配列により、縦方向のチャンネルは均一又は不均一になり得る。
【0033】
或いは、固体吸湿体300aは、加熱によりエアロゾルを生成するエアロゾル媒質を吸湿した状態であり得る。固体吸湿体300aに吸湿されたエアロゾル媒質は、常温で液状又はゲル(gel)状であり得る。エアロゾル媒質は、少なくともエアロゾルの生成のためのグリセリンを含むことができる。また、ゲル状のエアロゾル媒質は、ゲル状を維持するための増粘剤をさらに含むことができる。
【0034】
また、エアロゾル形成基材層300は、液状のエアロゾル形成基材を内部に収容するカプセル形態である液状のエアロゾル形成基材カプセル1を含む。液状のエアロゾル形成基材は、グリセリン、プロピレングリコール、ニコチン、香味剤、カフェイン、水、ヒノキ水、滋養強壮剤、カンナビノイドを含む群から選択される一つ以上の物質を含む。また、液状のエアロゾル形成基材は、排出されるエアロゾルの味や香りの特徴を変形又は追加させる加香剤をさらに含むことができる。
【0035】
前述した実施例等によれば、実施例等に係る加熱式喫煙物品は、所定のエアロゾル発生装置に挿入して、エアロゾル形成基材層300を加熱でき、これにより、液状のエアロゾル形成基材カプセル1から流出される液状のエアロゾル形成基材からエアロゾルを発生させることができる。また、実施例によっては、これと同時に、固体のエアロゾル形成基材、又は、エアロゾル媒質を吸湿した固体吸湿体300aが加熱され、これからエアロゾルを発生させることができる。したがって、ユーザは、実施例等に係る加熱式喫煙物品を使用することで、単一又は多種のものから由来するエアロゾルを吸入できる。
【0036】
図2は、他の実施例に係る加熱式喫煙物品の概略断面図である。本実施例において、加熱式喫煙物品は、固体のエアロゾル形成基材300bを含む第2のエアロゾル形成基材層310をさらに含む。ここで、
図1と関連して前述した、液状のエアロゾル形成基材カプセル1を含むエアロゾル形成基材層300は、第1のエアロゾル形成基材層と称することができる。中空チューブ層200の下側に積層されるという制限事項内で、第1のエアロゾル形成基材層300及び第2のエアロゾル形成基材層310は、その積層順序が互いに変化し得る。ユーザは、本実施例の加熱式喫煙物品を使用することで、より多様なものから由来するエアロゾルを吸入できる。
【0037】
図3は、実施例に係る加熱式喫煙物品に含まれる液状のエアロゾル形成基材カプセル1の実施例1a、1b、1c、1dの模式図であって、垂直断面図を示す。
【0038】
図3の(a)に示すように、第1の実施例に係るカプセル1aは、中心に球形の液状のエアロゾル形成基材10と、液状のエアロゾル形成基材10の表面の全体を完全に取り囲む第1の乳化剤層12とを含んで構成される。
【0039】
液状のエアロゾル形成基材10は親水性物質であり、第1の乳化剤層12は疎水性物質からなることで、第1の乳化剤層12が液状のエアロゾル形成基材10と混合されないようにする。疏水性の性質を有する第1の乳化剤層12は、ソルビタンモノパルミテート(Sorbitan monopalmitate)、グリセロールモノステアレート(Glycerol monostearate)、ソルビタンモノステアレート(Sorbitan monostearate)、ソルビタンモノオレエート(Sorbitan monooleate)、グリセロールモノラウレート(Glycerol monolaurate)、プロピレングリコールモノエステル(Propyleneglycol monoester)、グリセロールモノオレエート(Glycerol monooleate)、ポリグリセロールポリリシノレート(Polyglycerol polyricinoleate)、大豆レシチン(Soy lecithin)を含む群から選択される一つ以上の物質を含む第1の乳化剤からなる。
【0040】
第1の実施例に係るカプセル1aは、W/Oエマルジョン(water-in-oil emulsion)方式により形成される。例えば、液状のエアロゾル形成基材10及び第1の乳化剤を混合させる第1のステップと、第1のステップにおいて、第1の乳化剤にオイルが溶解される第2のステップとからなる。第1のステップ及び第2のステップは、各々のステップ別に液状を撹拌してもよく、一つのステップに統合して撹拌してもよい。また、第1の乳化剤を添加するとき、超音波分散装置(sonicator)を用いて第1の乳化剤の粒子を分散させる方法を含むことができる。また、各ステップ別に撹拌及び超音波分散ステップを選択的に使用することもできる。このような過程により、
図3の(a)に示す第1の実施例に係るカプセル1aの構造が形成される。
【0041】
図3の(b)に示すように、第2の実施例に係るカプセル1bは、第1の実施例に係るカプセル1aと、第1の実施例に係るカプセル1aの表面の全体に被覆される第1の被覆物質層14とを含んで構成される。
【0042】
第1の被覆物質層14は、カプセル状態で維持するために、第1の乳化剤層12で使用された乳化剤の以外の疏水性の性質を有する第1の被覆物質からなる。
【0043】
第1の被覆物質は、疏水性の性質を有し、パームオイル(Palm oil)、蜜蝋(Beeswax)、キャンデリラワックス(Candelilla wax)、ココナッツオイル(Coconut oil)、シナモンバークオイル(Cinnamon bark oil、Soybean oil)、疏水性ポリマー又はアルコールを含む群から選択される一つ以上の物質を含む。
【0044】
図3の(c)に示すように、第3の実施例に係るカプセル1cは、第2の実施例に係るカプセル1bと、追加的に第2の実施例に係るカプセル1bの表面(すなわち、第1の被覆物質層14)の全体を取り囲む第2の乳化剤層16とを含んで構成される。
【0045】
第2の乳化剤層16は親水性物質からなり、第2の乳化剤層は、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(Polyoxyethylene sorbitan monostearate)、ポリグリセロールモノオレエート(Polyglycerol monooleate)、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(Polyoxyethylene sorbitan monolaurate)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(Polyoxyethylene sorbitan monooleate)、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート(Polyoxyethylene sorbitan monopalmitate)、スクロースステアレート(Sucrose stearate)を含む群から選択される一つ以上の物質を含む第2の乳化剤からなる。
【0046】
図3の(d)に示すように、第4の実施例に係るカプセル1dは、第3の実施例に係るカプセル1cと、追加的に第3の実施例に係るカプセル1cの表面(すなわち、第2の乳化剤層16)の全体を取り囲む第2の被覆物質層18とを含んで構成される。
【0047】
第2の被覆物質層18をなす第2の被覆物質は、親水性を有し、植物性、海藻類性又は細菌性などの多糖類、親水性蛋白質、親水性ポリマー又はアルコールを含む群から選択される一つ以上の物質からなる。
【0048】
図3の(b)、(c)及び(d)に示す各々のカプセル1b、1c、1dは、前述したカプセル1aの製造過程と同一又は類似に製造できる。
【0049】
実施例に係る液状のエアロゾル形成基材カプセルは、内部の液状のエアロゾル形成基材を保護し、乾燥されることも防止できる。
【0050】
実施例に係る加熱式喫煙物品は、加熱部を備えたエアロゾル発生装置に挿入され、加熱部により加熱される。このような加熱部が加熱される際に、固体のエアロゾル形成基材及び液状のエアロゾル形成基材カプセルが加熱され、液状のエアロゾル形成基材カプセルのカプセルが破壊しながら、液状のエアロゾル形成基材の加熱により気体状態のエアロゾルに変化して排出される。
【0051】
以上、説明した通り、前述した特定の実施例に限定されず、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨から逸脱しない範囲内において当該発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、誰でも多様な変形実施が可能であることは勿論であり、そのような変更は特許請求の範囲の記載の範囲内にあることになる。
【符号の説明】
【0052】
1 液状のエアロゾル形成基材カプセル
10 液状のエアロゾル形成基材
12 第1の乳化剤層
14 第1の被覆物質層
16 第2の乳化剤層
18 第2の被覆物質層
100 フィルター層
200 中空チューブ層
300 エアロゾル形成基材層
310 第2のエアロゾル形成基材層
500 ラッピング部