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特開2024-120572損益管理装置、損益管理方法、および、損益管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120572
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】損益管理装置、損益管理方法、および、損益管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20240829BHJP
【FI】
G06Q30/0601
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027448
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浦地 勇希
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB56
5L049BB56
(57)【要約】
【課題】ストアブランドを跨ぐ店舗間の商品移動が発生した際に、仕入のストアブランドを付け替えることで店舗に紐づくブランド軸での損益を捉えることができる損益管理装置、損益管理方法、および、損益管理プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】仕入先ストアブランドの仕入先商品、仕入数量、および、仕入単価を紐付けて設定した仕入データを取得し、移動先ストアブランドの移動先店舗への仕入先商品の移動数量を紐付けて設定した店舗移動データを取得し、移動先店舗における仕入先商品の移動先売上数量、および、移動先売上金額を紐付けて設定した移動先売上データを取得し、店舗マスタ、店舗移動データ、および、移動先売上データに基づいて、移動先ストアブランド軸での仕入先商品の移動先損益データを取得する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた損益管理装置であって、
前記記憶部は、
店舗、および、ストアブランドを紐付けて設定した店舗マスタ、
を備え、
前記制御部は、
仕入先ストアブランドの仕入先商品、仕入数量、および、仕入単価を紐付けて設定した仕入データを取得する仕入取得手段と、
移動先ストアブランドの移動先店舗への前記仕入先商品の移動数量を設定した店舗移動データを取得する店舗移動取得手段と、
前記移動先店舗における前記仕入先商品の移動先売上数量、および、移動先売上金額を紐付けて設定した移動先売上データを取得する売上取得手段と、
前記店舗マスタ、前記店舗移動データ、および、前記移動先売上データに基づいて、前記移動先ストアブランド軸での前記仕入先商品の移動先損益データを取得する損益取得手段と、
を備えたことを特徴とする損益管理装置。
【請求項2】
前記損益取得手段は、
前記店舗マスタ、前記店舗移動データ、および、前記移動先売上データに基づいて、前記移動先売上金額から、前記仕入単価と前記移動先売上数量との積である移動先売上原価を差し引いた移動先売上総利益を算出し、前記移動先ストアブランド軸での前記仕入先商品の前記移動先売上金額、前記移動先売上原価および前記移動先売上総利益を設定した前記移動先損益データを取得することを特徴とする請求項1に記載の損益管理装置。
【請求項3】
前記売上取得手段は、
更に、前記仕入先ストアブランドの前記店舗における前記仕入先商品の仕入先売上数量、および、仕入先売上金額を紐付けて設定した仕入先売上データを取得し、
前記損益取得手段は、
更に、前記仕入先売上データに基づいて、前記仕入先売上金額から、前記仕入単価と前記仕入先売上数量との積である仕入先売上原価を差し引いた仕入先売上総利益を算出し、前記仕入先ストアブランド軸での前記仕入先商品の前記仕入先売上金額、前記仕入先売上原価および前記仕入先売上総利益を設定した仕入先損益データを取得することを特徴とする請求項1または2に記載の損益管理装置。
【請求項4】
前記仕入取得手段は、
更に、前記仕入データに基づいて、前記仕入先ストアブランドの前記店舗である移動元店舗への前記仕入先商品の納品数量を設定した納品データを取得し、
前記店舗移動取得手段は、
前記納品データに基づいて、前記移動先ストアブランドの前記移動先店舗への前記仕入先商品の前記移動数量、および、前記移動元店舗を紐付けて設定した前記店舗移動データを取得することを特徴とする請求項1または2に記載の損益管理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記店舗移動データに基づいて、前記ストアブランド間移動に係る移動仕訳データを作成する仕訳作成手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の損益管理装置。
【請求項6】
前記移動仕訳データは、
借方の勘定科目が仕入、且つ、貸方の勘定科目が仕入であることを特徴とする請求項5に記載の損益管理装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記仕入先売上データおよび前記移動先売上データに基づいて、前記ストアブランド毎の売上仕訳データを作成する仕訳作成手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項3に記載の損益管理装置。
【請求項8】
記憶部と制御部とを備えた損益管理装置に実行させるための損益管理方法であって、
前記記憶部は、
店舗、および、ストアブランドを紐付けて設定した店舗マスタ、
を備え、
前記制御部において実行される、
仕入先ストアブランドの仕入先商品、仕入数量、および、仕入単価を紐付けて設定した仕入データを取得する仕入取得ステップと、
移動先ストアブランドの移動先店舗への前記仕入先商品の移動数量を設定した店舗移動データを取得する店舗移動取得ステップと、
前記移動先店舗における前記仕入先商品の移動先売上数量、および、移動先売上金額を紐付けて設定した移動先売上データを取得する売上取得ステップと、
前記店舗マスタ、前記店舗移動データ、および、前記移動先売上データに基づいて、前記移動先ストアブランド軸での前記仕入先商品の移動先損益データを取得する損益取得ステップと、
を含むことを特徴とする損益管理方法。
【請求項9】
記憶部と制御部とを備えた損益管理装置に実行させるための損益管理プログラムであって、
前記記憶部は、
店舗、および、ストアブランドを紐付けて設定した店舗マスタ、
を備え、
前記制御部において、
仕入先ストアブランドの仕入先商品、仕入数量、および、仕入単価を紐付けて設定した仕入データを取得する仕入取得ステップと、
移動先ストアブランドの移動先店舗への前記仕入先商品の移動数量を設定した店舗移動データを取得する店舗移動取得ステップと、
前記移動先店舗における前記仕入先商品の移動先売上数量、および、移動先売上金額を紐付けて設定した移動先売上データを取得する売上取得ステップと、
前記店舗マスタ、前記店舗移動データ、および、前記移動先売上データに基づいて、前記移動先ストアブランド軸での前記仕入先商品の移動先損益データを取得する損益取得ステップと、
を実行させるための損益管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、損益管理装置、損益管理方法、および、損益管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、流通過程の途中における商品販売者が、ハウスブランドを含む商品識別情報により識別される商品毎に、流通過程の途中における商品購入者の各店舗における在庫および売上を管理することで、商品購入者への発注提案を行う構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-295257号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、ハウスブランド(ストアブランド)を跨ぐ店舗間の商品移動が発生した際に、正しいブランド別損益を捉えることができないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、ストアブランドを跨ぐ店舗間の商品移動が発生した際に、仕入のストアブランドを付け替えることで店舗に紐づくブランド軸での損益を捉えることができる損益管理装置、損益管理方法、および、損益管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る損益管理装置は、記憶部と制御部とを備えた損益管理装置であって、前記記憶部は、店舗、および、ストアブランドを紐付けて設定した店舗マスタ、を備え、前記制御部は、仕入先ストアブランドの仕入先商品、仕入数量、および、仕入単価を紐付けて設定した仕入データを取得する仕入取得手段と、移動先ストアブランドの移動先店舗への前記仕入先商品の移動数量を設定した店舗移動データを取得する店舗移動取得手段と、前記移動先店舗における前記仕入先商品の移動先売上数量、および、移動先売上金額を紐付けて設定した移動先売上データを取得する売上取得手段と、前記店舗マスタ、前記店舗移動データ、および、前記移動先売上データに基づいて、前記移動先ストアブランド軸での前記仕入先商品の移動先損益データを取得する損益取得手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る損益管理装置において、前記損益取得手段は、前記店舗マスタ、前記店舗移動データ、および、前記移動先売上データに基づいて、前記移動先売上金額から、前記仕入単価と前記移動先売上数量との積である移動先売上原価を差し引いた移動先売上総利益を算出し、前記移動先ストアブランド軸での前記仕入先商品の前記移動先売上金額、前記移動先売上原価および前記移動先売上総利益を設定した前記移動先損益データを取得することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る損益管理装置において、前記売上取得手段は、更に、前記仕入先ストアブランドの前記店舗における前記仕入先商品の仕入先売上数量、および、仕入先売上金額を紐付けて設定した仕入先売上データを取得し、前記損益取得手段は、更に、前記仕入先売上データに基づいて、前記仕入先売上金額から、前記仕入単価と前記仕入先売上数量との積である仕入先売上原価を差し引いた仕入先売上総利益を算出し、前記仕入先ストアブランド軸での前記仕入先商品の前記仕入先売上金額、前記仕入先売上原価および前記仕入先売上総利益を設定した仕入先損益データを取得することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る損益管理装置において、前記仕入取得手段は、更に、前記仕入データに基づいて、前記仕入先ストアブランドの前記店舗である移動元店舗への前記仕入先商品の納品数量を設定した納品データを取得し、前記店舗移動取得手段は、前記納品データに基づいて、前記移動先ストアブランドの前記移動先店舗への前記仕入先商品の前記移動数量、および、前記移動元店舗を紐付けて設定した前記店舗移動データを取得することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る損益管理装置において、前記制御部は、前記店舗移動データに基づいて、前記ストアブランド間移動に係る移動仕訳データを作成する仕訳作成手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る損益管理装置において、前記移動仕訳データは、借方の勘定科目が仕入、且つ、貸方の勘定科目が仕入であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る損益管理装置において、前記制御部は、前記仕入先売上データおよび前記移動先売上データに基づいて、前記ストアブランド毎の売上仕訳データを作成する仕訳作成手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る損益管理方法は、記憶部と制御部とを備えた損益管理装置に実行させるための損益管理方法であって、前記記憶部は、店舗、および、ストアブランドを紐付けて設定した店舗マスタ、を備え、前記制御部において実行される、仕入先ストアブランドの仕入先商品、仕入数量、および、仕入単価を紐付けて設定した仕入データを取得する仕入取得ステップと、移動先ストアブランドの移動先店舗への前記仕入先商品の移動数量を設定した店舗移動データを取得する店舗移動取得ステップと、前記移動先店舗における前記仕入先商品の移動先売上数量、および、移動先売上金額を紐付けて設定した移動先売上データを取得する売上取得ステップと、前記店舗マスタ、前記店舗移動データ、および、前記移動先売上データに基づいて、前記移動先ストアブランド軸での前記仕入先商品の移動先損益データを取得する損益取得ステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る損益管理プログラムは、記憶部と制御部とを備えた損益管理装置に実行させるための損益管理プログラムであって、前記記憶部は、店舗、および、ストアブランドを紐付けて設定した店舗マスタ、を備え、前記制御部において、仕入先ストアブランドの仕入先商品、仕入数量、および、仕入単価を紐付けて設定した仕入データを取得する仕入取得ステップと、移動先ストアブランドの移動先店舗への前記仕入先商品の移動数量を設定した店舗移動データを取得する店舗移動取得ステップと、前記移動先店舗における前記仕入先商品の移動先売上数量、および、移動先売上金額を紐付けて設定した移動先売上データを取得する売上取得ステップと、前記店舗マスタ、前記店舗移動データ、および、前記移動先売上データに基づいて、前記移動先ストアブランド軸での前記仕入先商品の移動先損益データを取得する損益取得ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、店舗紐付きのブランド軸でのブランド別損益が捉えられるようになるため、精度の高い戦略がとることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、仕入のブランドを付け替えることで、正しいブランド別損益がとれるようになり、次の判断につなげることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、店舗に紐付くブランド別損益を可視化するためのブランド間振替を実行することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本実施形態における損益管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、本実施形態における商品マスタの一例を示す図である。
図3図3は、本実施形態における店舗マスタの一例を示す図である。
図4図4は、本実施形態における仕訳定義マスタの一例を示す図である。
図5図5は、本実施形態における損益管理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、本実施形態における損益管理処理の一例を示す図である。
図7図7は、本実施形態における損益管理処理の一例を示す図である。
図8図8は、本実施形態における損益管理処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0018】
[1.概要]
まず、本発明の概要を説明する。
【0019】
従来、ストアブランドAで仕入れた商品をストアブランドBの店舗で販売した場合、売上については、ストアブランドBに計上されるが、仕入については、仕入れたストアブランドAに紐付いて計上されたままになるため、正しいストアブランド別損益の把握ができなかった。
【0020】
そこで、本実施形態においては、ストアブランドを商品に紐付けてだけではなく、店舗にもストアブランドを紐付けて設定し、あるストアブランドに紐付く商品を、同一ストアブランドに紐付く店舗から別ストアブランドに紐付く店舗に商品を移動した際、ストアブランドの付け替えを行う仕訳を発生させる仕組みを提供している。その結果として、本実施形態においては、商品に紐付くストアブランドでの損益だけでなく、店舗に紐付くストアブランドの損益も捉えることができる。
【0021】
[2.構成]
本実施形態に係る損益管理装置100の構成の一例について、図1から図4を参照して説明する。図1は、本実施形態における損益管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0022】
図1に示すように、損益管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、損益管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0023】
損益管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。損益管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0024】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、損益管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、損益管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0025】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0026】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、商品マスタ106aと店舗マスタ106bと仕訳定義マスタ106cと取引データベース106dとを備えている。
【0027】
商品マスタ106aは、商品、および、ストアブランドを紐付けて設定したマスタである。
【0028】
ここで、図2を参照して、本実施形態における商品マスタ106aの一例について説明する。図2は、本実施形態における商品マスタ106aの一例を示す図である。
【0029】
図2に示すように、本実施形態における商品マスタ106aにおいては、商品に紐付けてストアブランドが設定されている。ここで、本実施形態における商品マスタ106aにおいては、ストアブランド=メーカーであってもよく、ストアブランドが、商品および/または店舗に紐付く属性的な位置付けとなってもよい。
【0030】
図1に戻り、店舗マスタ106bは、店舗、および、ストアブランドを紐付けて設定したマスタである。
【0031】
ここで、図3を参照して、本実施形態における店舗マスタ106bの一例について説明する。図3は、本実施形態における店舗マスタ106bの一例を示す図である。
【0032】
図3に示すように、本実施形態における店舗マスタ106bにおいては、店舗に紐付けてストアブランドが設定されている。ここで、本実施形態においては、店舗に紐付くストアブランドがその店舗での主要取扱ブランド的な位置づけとなるが、例えば、Aブランドの店舗である銀座店でBブランドの商品を取り扱うこともあれば、Bブランドの店舗である渋谷店でAブランドの商品を取り扱うこともある。
【0033】
図1に戻り、仕訳定義マスタ106cは、勘定科目を含む仕訳定義を設定したマスタである。
【0034】
ここで、図4を参照して、本実施形態における仕訳定義マスタ106cの一例について説明する。図4は、本実施形態における仕訳定義マスタ106cの一例を示す図である。
【0035】
図4に示すように、本実施形態における仕訳定義マスタ106cにおいては、仕入および移動に関して、仕訳の定義が設定されている。
【0036】
図1に戻り、取引データベース106dは、取引データを記憶する。ここで、取引データは、仕入データ、店舗移動データ、売上データ、損益データ、納品データ、および、仕訳データを含んでいてもよい。
【0037】
制御部102は、損益管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、仕入取得部102aと店舗移動取得部102bと売上取得部102cと仕訳作成部102dと損益取得部102eとを備えている。
【0038】
仕入取得部102aは、商品の仕入データを取得する。ここで、仕入取得部102aは、仕入先ストアブランドの仕入先商品、仕入数量、および、仕入単価を紐付けて設定した仕入データを取得してもよい。また、仕入取得部102aは、仕入データに基づいて、仕入先ストアブランドの店舗である移動元店舗への仕入先商品の納品数量を設定した納品データを取得してもよい。
【0039】
店舗移動取得部102bは、商品の店舗移動データを取得する。ここで、店舗移動取得部102bは、移動先ストアブランドの移動先店舗への仕入先商品の移動数量を設定した店舗移動データを取得してもよい。また、店舗移動取得部102bは、納品データに基づいて、移動先ストアブランドの移動先店舗への仕入先商品の移動数量、および、移動元店舗を紐付けて設定した店舗移動データを取得してもよい。
【0040】
売上取得部102cは、商品の売上データを取得する。ここで、売上取得部102cは、移動先店舗における仕入先商品の移動先売上数量、および、移動先売上金額を紐付けて設定した移動先売上データを取得してもよい。また、売上取得部102cは、仕入先ストアブランドの店舗における仕入先商品の仕入先売上数量、および、仕入先売上金額を紐付けて設定した仕入先売上データを取得してもよい。
【0041】
仕訳作成部102dは、仕訳データを作成する。ここで、仕訳作成部102dは、店舗移動データに基づいて、ストアブランド間移動に係る移動仕訳データを作成してもよい。ここで、移動仕訳データは、借方の勘定科目が仕入、且つ、貸方の勘定科目が仕入であってもよい。また、仕訳作成部102dは、仕入先売上データおよび移動先売上データに基づいて、ストアブランド毎の売上仕訳データを作成してもよい。また、仕訳作成部102dは、仕入データに基づいて、仕入仕訳データを作成してもよい。
【0042】
損益取得部102eは、商品の損益データを取得する。ここで、損益取得部102eは、店舗マスタ106b、店舗移動データ、および、移動先売上データに基づいて、移動先ストアブランド軸での仕入先商品の移動先損益データを取得してもよい。また、損益取得部102eは、店舗マスタ106b、店舗移動データ、および、移動先売上データに基づいて、移動先売上金額から、仕入単価と移動先売上数量との積である移動先売上原価を差し引いた移動先売上総利益を算出し、移動先ストアブランド軸での仕入先商品の移動先売上金額、移動先売上原価および移動先売上総利益を設定した移動先損益データを取得してもよい。また、損益取得部102eは、仕入先売上データに基づいて、仕入先売上金額から、仕入単価と仕入先売上数量との積である仕入先売上原価を差し引いた仕入先売上総利益を算出し、仕入先ストアブランド軸での仕入先商品の仕入先売上金額、仕入先売上原価および仕入先売上総利益を設定した仕入先損益データを取得してもよい。
【0043】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、図5から図10を参照して説明する。
【0044】
[損益管理処理]
ここで、図5を参照して、本実施形態における損益管理処理の一例について説明する。図5は、本実施形態における損益管理装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0045】
図5に示すように、仕入取得部102aは、仕入先ストアブランドの仕入先商品、仕入数量、および、仕入単価を紐付けて設定した仕入データを取得し、仕入データに基づいて、仕入先ストアブランドの店舗である移動元店舗への仕入先商品の納品数量を設定した納品データを取得する(ステップSA-1)。
【0046】
そして、仕訳作成部102dは、仕訳定義マスタ106cおよび仕入データに基づいて、仕入仕訳データを作成する(ステップSA-2)。
【0047】
そして、店舗移動取得部102bは、納品データに基づいて、移動先ストアブランドの移動先店舗への仕入先商品の移動数量、および、移動元店舗を紐付けて設定した店舗移動データを取得する(ステップSA-3)。
【0048】
そして、仕訳作成部102dは、仕訳定義マスタ106cおよび店舗移動データに基づいて、ストアブランド間移動に係る移動仕訳データを作成する(ステップSA-4)。
【0049】
そして、売上取得部102cは、移動先店舗における仕入先商品の移動先売上数量および移動先売上金額を紐付けて設定した移動先売上データ、ならびに、仕入先ストアブランドの店舗における仕入先商品の仕入先売上数量および仕入先売上金額を紐付けて設定した仕入先売上データを取得する(ステップSA-5)。
【0050】
そして、仕訳作成部102dは、仕訳定義マスタ106c、仕入先売上データおよび移動先売上データに基づいて、ストアブランド毎の売上仕訳データを作成する(ステップSA-6)。
【0051】
そして、損益取得部102eは、店舗マスタ106b、店舗移動データ、および、移動先売上データに基づいて、移動先売上金額から、仕入単価と移動先売上数量との積である移動先売上原価を差し引いた移動先売上総利益を算出し、移動先ストアブランド軸での仕入先商品の移動先売上金額、移動先売上原価および移動先売上総利益を設定した移動先損益データを取得し、仕入先売上データに基づいて、仕入先売上金額から、仕入単価と仕入先売上数量との積である仕入先売上原価を差し引いた仕入先売上総利益を算出し、仕入先ストアブランド軸での仕入先商品の仕入先売上金額、仕入先売上原価および仕入先売上総利益を設定した仕入先損益データを取得し(ステップSA-7)、処理を終了する。
【0052】
ここで、図6から図8を参照して、本実施形態における損益管理処理の一例について説明する。図6から図8は、本実施形態における損益管理処理の一例を示す図である。
【0053】
図6に示すように、本実施形態における仕入入力処理においては、ユーザによりどのストアブランド分での仕入かが指定され、仕入が行われた場合、仕入データおよび仕入仕訳データが取得される。
【0054】
そして、図7に示すように、本実施形態における店舗移動入力処理においては、Aブランドに紐付く銀座店からBブランドに紐付く渋谷店へのAブランドの商品1点の移動により、店舗移動データおよび移動仕訳データが取得される。
【0055】
そして、図8に示すように、本実施形態における売上取込処理においては、銀座店で2点、渋谷店で1点、商品コード=1001のAブランドのTシャツが18,000円で販売された場合、売上データおよび売上仕訳データが取得され、損益計算書(P/L)に設定される「売上高=売上金額」、「売上原価=仕入金額」および「売上総利益=売上高-売上原価」に基づいて、損益データが取得される。このように、本実施形態においては、従来とは異なり正しい形でのストアブランド別の損益をとらえることができるようになる。
【0056】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0057】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0058】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0059】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0060】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0061】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0062】
また、損益管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0063】
例えば、損益管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて損益管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0064】
また、このコンピュータプログラムは、損益管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0065】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0066】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0067】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0068】
また、損益管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、損益管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0069】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、複数ブランドを展開する流通小売業界等の業界において有用である。
【符号の説明】
【0071】
100 損益管理装置
102 制御部
102a 仕入取得部
102b 店舗移動取得部
102c 売上取得部
102d 仕訳作成部
102e 損益取得部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 商品マスタ
106b 店舗マスタ
106c 仕訳定義マスタ
106d 取引データベース
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
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図3
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図6
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図8