(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120578
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】サーバとサーバのためのコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240829BHJP
【FI】
G06F3/12 335
G06F3/12 310
G06F3/12 373
G06F3/12 385
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027457
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宋 磊
(57)【要約】
【課題】対象装置のための消耗品の重複した購入を抑制し得る新規な技術を開示すること。
【解決手段】サーバは、対象装置を利用可能な複数個の端末装置の実績情報を記憶するメモリを備える。実績情報は、複数個の端末装置のそれぞれについて、当該端末装置を利用して対象装置のための消耗品が購入された回数である購入回数に関連する情報を含む。サーバは、さらに、対象装置のための消耗品の購入に関する特定の通知情報を送信すべき第1の状況において、メモリ内の実績情報を利用して、複数個の端末装置のうちの最多の購入回数に対応する第1の端末装置を特定の通知情報の送信先として決定する第1の決定部と、第1の状況において、特定の通知情報を第1の端末装置に送信する第1の送信部と、を備える。第1の状況において、特定の通知情報は、複数個の端末装置のうちの第1の端末装置以外の各端末装置に送信されない。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバであって、
対象装置を利用可能な複数個の端末装置の実績情報を記憶するメモリであって、前記実績情報は、前記複数個の端末装置のそれぞれについて、当該端末装置を利用して前記対象装置のための消耗品が購入された回数である購入回数に関連する情報を含む、前記メモリと、
前記対象装置のための前記消耗品の購入に関する特定の通知情報を送信すべき第1の状況において、前記メモリ内の前記実績情報を利用して、前記複数個の端末装置のうちの最多の購入回数に対応する第1の端末装置を前記特定の通知情報の送信先として決定する第1の決定部と、
前記第1の状況において、前記特定の通知情報を前記第1の端末装置に送信する第1の送信部であって、前記第1の状況において、前記特定の通知情報は、前記複数個の端末装置のうちの前記第1の端末装置以外の各端末装置に送信されない、前記第1の送信部と、
を備える、サーバ。
【請求項2】
前記サーバは、さらに、
前記特定の通知情報に関連するアクションが前記第1の端末装置のユーザによって実行されることなく、前記特定の通知情報が前記第1の端末装置に送信されてから所定期間が経過する第2の状況において、前記複数個の端末装置のうちの前記第1の端末装置とは異なる第2の端末装置を前記特定の通知情報の送信先として決定する第2の決定部と、
前記第2の状況において、前記特定の通知情報を前記第2の端末装置に送信する第2の送信部であって、前記第2の状況において、前記特定の通知情報は、前記第1の端末装置に送信されない、前記第2の送信部と、
を備え、
前記特定の通知情報が前記第1の端末装置に送信されてから前記所定期間が経過する前に、前記アクションが前記第1の端末装置の前記ユーザによって実行される場合に、前記特定の通知情報は、前記複数個の端末装置のいずれにも送信されない、請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記第2の決定部は、前記第2の状況において、前記メモリ内の前記実績情報を利用して、前記最多の購入回数の次に多い購入回数に対応する前記第2の端末装置を前記特定の通知情報の送信先として決定する、請求項2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記アクションは、前記特定の通知情報を開封することを含む、請求項2に記載のサーバ。
【請求項5】
前記アクションは、前記消耗品を購入することを含む、請求項2に記載のサーバ。
【請求項6】
前記実績情報は、前記複数個の端末装置のそれぞれについて、当該端末装置を利用して前記対象装置に処理を実行させた回数である処理回数に関連する情報を含み、
前記第1の決定部は、前記第1の状況において、前記複数個の端末装置の中に最多の購入回数に対応する2個以上の端末装置が存在する場合に、前記2個以上の端末装置のうちの最多の処理回数に対応する前記第1の端末装置を前記特定の通知情報の送信先として決定する、請求項1に記載のサーバ。
【請求項7】
前記実績情報は、さらに、前記複数個の端末装置のそれぞれについて、当該端末装置を利用して通知情報が開封された回数である開封回数に関連する情報を含み、
前記第1の決定部は、前記第1の状況において、前記複数個の端末装置の中に前記最多の購入回数に対応する2個以上の端末装置が存在する場合に、前記2個以上の端末装置のうちの最多の開封回数に対応する前記第1の端末装置を前記特定の通知情報の送信先として決定する、請求項1に記載のサーバ。
【請求項8】
前記実績情報は、さらに、前記複数個の端末装置のそれぞれについて、当該端末装置を利用して前記対象装置に処理を実行させた回数である処理回数に関連する情報と、当該端末装置を利用して通知情報が開封された回数である開封回数に関連する情報と、を含み、
前記第1の決定部は、前記第1の状況において、前記複数個の端末装置の中に前記最多の購入回数に対応する2個以上の端末装置が存在する場合に、前記2個以上の端末装置のうちの最も大きい利用回数及び開封回数の和に対応する前記第1の端末装置を前記特定の通知情報の送信先として決定する、請求項1に記載のサーバ。
【請求項9】
前記実績情報は、さらに、前記複数個の端末装置のそれぞれについて、当該端末装置において前記対象装置のためのアプリケーションが起動された回数である起動回数に関連する情報を含み、
前記第1の決定部は、前記第1の状況において、前記複数個の端末装置の中に前記最多の購入回数に対応する2個以上の端末装置が存在する場合に、前記2個以上の端末装置のうちの最多の起動回数に対応する前記第1の端末装置を前記特定の通知情報の送信先として決定する、請求項1に記載のサーバ。
【請求項10】
サーバのためのコンピュータプログラムであって、
前記サーバは、対象装置を利用可能な複数個の端末装置の実績情報を記憶するメモリであって、前記実績情報は、前記複数個の端末装置のそれぞれについて、当該端末装置を利用して前記対象装置のための消耗品が購入された回数である購入回数に関連する情報を含む、前記メモリを備え、
前記コンピュータプログラムは、前記サーバのコンピュータを、以下の各部、即ち、
前記対象装置のための前記消耗品の購入に関する特定の通知情報を送信すべき第1の状況において、前記メモリ内の前記実績情報を利用して、前記複数個の端末装置のうちの最多の購入回数に対応する第1の端末装置を前記特定の通知情報の送信先として決定する第1の決定部と、
前記第1の状況において、前記特定の通知情報を前記第1の端末装置に送信する第1の送信部であって、前記第1の状況において、前記特定の通知情報は、前記複数個の端末装置のうちの前記第1の端末装置以外の各端末装置に送信されない、前記第1の送信部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、消耗品の購入に関する通知情報を端末装置に送信可能なサーバに関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プリンタと、当該プリンタを共用する複数個のクライアントと、受注サーバと、を備える発注システムが開示されている。プリンタは、消耗品の発注が許可状態であるのか禁止状態であるのかを記憶し、許可状態を記憶している場合に、複数個のクライアントのうちの1つのクライアントに消耗品の発注の指示を許可する。これにより、消耗品の重複発注を抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2007-52570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書では、対象装置のための消耗品の重複した購入を抑制し得る新規な技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示されるサーバは、対象装置を利用可能な複数個の端末装置の実績情報を記憶するメモリであって、前記実績情報は、前記複数個の端末装置のそれぞれについて、当該端末装置を利用して前記対象装置のための消耗品が購入された回数である購入回数に関連する情報を含む、前記メモリと、前記対象装置のための前記消耗品の購入に関する特定の通知情報を送信すべき第1の状況において、前記メモリ内の前記実績情報を利用して、前記複数個の端末装置のうちの最多の購入回数に対応する第1の端末装置を前記特定の通知情報の送信先として決定する第1の決定部と、前記第1の状況において、前記特定の通知情報を前記第1の端末装置に送信する第1の送信部であって、前記第1の状況において、前記特定の通知情報は、前記複数個の端末装置のうちの前記第1の端末装置以外の各端末装置に送信されない、前記第1の送信部と、を備えてもよい。
【0006】
上記の構成によると、サーバは、対象装置のための消耗品の購入に関する特定の通知情報を最多の購入回数に対応する第1の端末装置に送信し、第1の端末装置以外の各端末装置に送信しない。従って、サーバは、対象装置のための消耗品の重複した購入を抑制し得る。
【0007】
上記のサーバを実現するためのコンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読記録媒体も新規で有用である。上記のサーバによって実行される方法も新規で有用である。また、上記のサーバと他の装置(例えば対象装置、複数個の端末装置等)とを備えるシステムも新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施例)
(通信システム2の構成:
図1)
図1に示されるように、通信システム2は、複数個の端末装置10,50,60とプリンタ100と通知サーバ200とECサーバ300とを備える。ECは、Electronic Commerceの略である。各端末装置10,50,60とプリンタ100とは、LAN4を介して相互に通信可能である。通知サーバ200及びECサーバ300は、インターネット6上に設置されている。本実施例では、通知サーバ200がプリンタ100のための消耗品である色材カートリッジの購入に関する通知情報を端末装置(例えば10)に送信するシステムが実現される。特に、各端末装置10,50,60によって同じプリンタ100が共用される状況において、通知サーバ200は、通知情報を適切な端末装置に送信する。
【0010】
(各端末装置10,50,60の構成)
端末装置10には、端末ID「T1」が割り当てられている。端末IDは、端末装置を識別するユニークな情報である。端末装置50、端末装置60には、それぞれ、端末ID「T2」、「T3」が割り当てられている。各端末装置10,50,60は、同様の構成を備える。以下では、端末装置10の構成を説明する。
【0011】
端末装置10は、スマートフォン、タブレットPC、ノートPC等の可搬型の端末装置である。変形例では、端末装置10は、デスクトップPC等の据置型の端末装置であってもよい。端末装置10は、操作部12と、表示部14と、通信インターフェース20と、制御部30と、を備える。各部12~30は、バス線に接続されている。
【0012】
操作部12は、様々な情報を端末装置10に入力するためのインターフェースであり、マウス、キーボード等を備える。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。通信インターフェース20は、LAN4に接続されている。LAN4は、有線LANであってもよいし無線LANであってもよい。
【0013】
制御部30は、CPU32とメモリ34とを備える。CPU32は、メモリ34に格納されているプログラム36,40に従って、様々な処理を実行する。メモリ34は、Read Only Memory(ROM)、Random Access Memory(RAM)等によって構成される。メモリ34は、OSプログラム36とプリンタアプリケーション40とを記憶する。
【0014】
OSプログラム36は、端末装置10の基本的な動作を制御するためのプログラムである。プリンタアプリケーション40は、プリンタ100に印刷させたり、プリンタ100に関する通知を表示したりするためのプログラムである。以下では、OSプログラム36のことを「OS36」と記載し、プリンタアプリケーション40のことを「アプリ40」と記載する。
【0015】
(プリンタ100の構成)
プリンタ100には、プリンタID「P1」が割り当てられている。プリンタIDは、プリンタを識別するユニークな情報である。プリンタ100は、印刷機能を実行可能な周辺装置(例えば端末装置10等の周辺装置)である。プリンタ100は、操作部112と、表示部114と、印刷実行部116と、通信インターフェース120と、制御部130と、を備える。各部112~130は、バス線に接続されている。
【0016】
操作部112は、様々な情報をプリンタ100に入力するためのインターフェースであり、ボタン、タッチスクリーン等を備える。表示部114は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。印刷実行部116は、インクジェット方式、レーザー方式等の印刷機構を備える。通信インターフェース120は、LAN4に接続されている。
【0017】
制御部130は、CPU132とメモリ134とを備える。CPU132は、メモリ134に格納されているプログラム136に従って、様々な処理を実行する。メモリ134は、ROM、RAM等によって構成される。
【0018】
(通知サーバ200の構成)
通知サーバ200は、プリンタ100のベンダによってインターネット6上に設置される。通知サーバ200は、プリンタ100を含む複数個のプリンタに関する情報を管理する。通知サーバ200は、さらに、プリンタに関する通知情報を端末装置に送信して、プリンタに関する通知を端末装置に表示させる。
【0019】
通知サーバ200は、物理的なサーバであってもよいし、クラウド上の仮想サーバ、仮想マシン等であってもよい。通知サーバ200は、単一のサーバであってもよいし、複数個のサーバの集合であってもよい。例えば、通知サーバ200は、後述の或るテーブルを記憶する第1のサーバと、他のテーブルを記憶する第2のサーバと、の組み合わせであってもよい。
【0020】
通知サーバ200は、通信インターフェース212と制御部230とを備える。各部212,230は、バス線に接続されている。通信インターフェース212は、インターネット6に接続されている。制御部230は、CPU232とメモリ234とを備える。CPU232は、メモリ234に格納されているプログラム236に従って、様々な処理を実行する。メモリ234は、ROM、RAM等によって構成される。メモリ234は、複数のテーブル250~280を記憶する。
【0021】
(ECサーバ300の構成)
ECサーバ300は、電子商取引を管理するサーバである。本実施例では、ECサーバ300は、プリンタ100のための色材カートリッジを販売する。
【0022】
(各テーブル250~280の内容:
図2)
続いて、
図2を参照して、通知サーバ200に記憶される各テーブル250~280の内容を説明する。アカウントテーブル250は、アカウントIDとプリンタIDと端末IDとを対応付けて記憶する。アカウントIDは、ユーザを識別するユニークな情報である。ユーザは、通知サーバ200にアクセスして、例えばアカウントID「AC1」をアカウントテーブル250に登録する。その後、ユーザは、例えば以下の手法を利用して、プリンタIDと端末IDとをアカウントテーブル250に登録する。
【0023】
例えば、端末装置10のアプリ40は、ユーザからの指示に応じて、端末装置10と同じLAN4に所属しているプリンタ100を検索する。アプリ40は、検索によって見つかったプリンタ100のプリンタID「P1」を通知サーバ200に送信する。次いで、アプリ40は、アカウントID「AC1」を利用して、通知サーバ200にログインする。これにより、アカウントID「AC1」に対応付けて、プリンタID「P1」がアカウントテーブル250に記憶される。アプリ40は、さらに、端末装置10の端末ID「T1」を含む端末情報を通知サーバ200に送信する。これにより、アカウントID「AC1」に対応付けて、端末ID「T1」がアカウントテーブル250に記憶される。なお、端末情報は、さらに、通知情報をアプリ40(即ち端末装置10)に送信するための通知トークンを含んでいてもよく、通知トークンもアカウントテーブル250に記憶されてもよい。
【0024】
上記の登録の手法は一例であり、他の手法が利用されてもよい。例えば、アプリ40は、プリンタ100を検索することなく、ユーザによって入力されたプリンタID「P1」を通知サーバ200に送信してもよい。また、例えば、アプリ40は、ユーザによって入力された端末ID「T1」を通知サーバ200に送信してもよい。他にも様々な手法が利用され得る。他の端末装置50,60についても同様に、各情報が記憶される。これにより、1個のアカウントID「AC1」に対応付けて、1個のプリンタID「P1」と複数個の端末ID「T1」~「T3」とがアカウントテーブル250に記憶される。
【0025】
印刷履歴テーブル260は、プリンタIDと端末IDと日時情報とを対応付けて記憶する。当該日時情報は、プリンタにおいて印刷が実行された日時を示す情報である。例えば、プリンタ100は、端末装置10から、端末装置10の端末ID「T1」を含む印刷指示を受信して印刷を実行する場合に、プリンタID「P1」と、端末ID「T1」と、現在日時を示す日時情報と、を通知サーバ200に送信する。これにより、プリンタID「P1」と端末ID「T1」と日時情報とが印刷履歴テーブル260が記憶される。プリンタ100は、他の端末装置(例えば50、60)から印刷指示を受信する場合にも同様の処理を実行する。
【0026】
通知履歴テーブル270は、プリンタIDと端末IDとクーポンIDと開封フラグとを対応付けて記憶する。クーポンIDは、色材カートリッジの購入のためのクーポン(即ち割引情報)を識別するユニークな情報である。開封フラグは、通知情報が端末装置に送信された後に、当該通知情報がユーザによって開封されたのか否かを示す情報である。開封フラグは、開封されたことを示す「YES」と、開封されていないことを示す「NO」と、のどちらかの値である。
【0027】
通知サーバ200は、色材カートリッジの購入のためのクーポンを通知するための通知情報を或る端末装置に送信する際に、当該端末装置によって利用されるプリンタのプリンタIDと、当該端末装置の端末IDと、上記の通知情報によって通知されるクーポンを識別するクーポンIDと、開封フラグ「NO」と、を対応付けて、通知履歴テーブル270に記憶させる。
【0028】
また、通知サーバ200は、端末装置において通知情報がユーザによって開封される場合に、当該端末装置から、当該端末装置の端末IDとクーポンIDとを含む開封情報を受信する。この場合、通知サーバ200は、通知履歴テーブル270において、受信済みの端末IDと受信済みのクーポンIDとに対応付けられている開封フラグを「NO」から「YES」に変更する。
【0029】
購入履歴テーブル280は、プリンタIDと端末IDとクーポンIDと種類情報と日時情報とを対応付けて記憶する。種類情報は、ECサーバ300を介して購入された色材カートリッジの種類を示す情報である。当該日時情報は、色材カートリッジが購入された日時を示す情報である。
【0030】
通知サーバ200は、ECサーバ300において、或る端末装置がクーポンを利用して色材カートリッジを購入する場合に、ECサーバ300から、当該端末装置の端末IDと、当該クーポンのクーポンIDと、購入済みのカートリッジ種類と、を受信する。この場合、通知サーバ200は、アカウントテーブル250から、受信済みの端末IDに対応付けられているプリンタIDを特定する。そして、通知サーバ200は、特定済みのプリンタIDと、受信済みの端末IDと、受信済みのクーポンIDと、受信済みのカートリッジ種類と、現在日時を示す日時情報と、を対応付けて、購入履歴テーブル280に記憶させる。
【0031】
起動履歴テーブル290は本実施例では利用されないが、当該テーブル290の内容についてもここで説明しておく。起動履歴テーブル290は、端末IDと日時情報とを対応付けて記憶する。当該日時情報は、アプリ40が起動された日時を示す情報である。
【0032】
通知サーバ200は、或る端末装置においてアプリ40が起動される場合に、当該端末装置から、当該端末装置の端末IDを含む起動情報を受信する。この場合、通知サーバ200は、受信済みの端末IDと、現在日時を示す日時情報と、を対応付けて、起動履歴テーブル290に記憶させる。
【0033】
(通知処理:
図3)
図3を参照して、通知サーバ200のCPU232が通知情報を端末装置に送信するための通知処理を説明する。例えばプリンタ100のベンダによって新たなクーポンが通知サーバ200に登録される場合に、
図3の処理が開始される。
【0034】
S10では、CPU232は、上記の新たなクーポンの対象の各プリンタIDを特定する。具体的には、上記の新たなクーポンを適用可能なカートリッジ種類が予め決められているので、CPU232は、当該カートリッジ種類を装着可能なプリンタの各プリンタIDを特定する。そして、CPU232は、特定済みのプリンタID毎に、以下のS20~S54の処理を実行する。例えば、CPU232は、プリンタID「P1」,「P2」を特定する場合には、プリンタID「P1」に対応する処理スレッドを立ち上げて、以下のS20~S54の処理を実行し、プリンタID「P2」に対応する別の処理スレッドを立ち上げて、以下のS20~S54の処理を実行する。以下では、プリンタID「P1」についての処理を例として説明する。
【0035】
S20では、CPU232は、アカウントテーブル250から、プリンタID「P1」に対応付けられている各端末ID「T1」~「T3」を特定する。
【0036】
S22では、CPU232は、S20で複数個の端末IDが特定されたのか否かを判断する。プリンタID「P1」の場合には、3個の端末ID「T1」~「T3」が特定されるので、CPU232は、S22でYESと判断してS30に進む。一方、CPU232は、S20で1個の端末IDのみを特定する場合には、S22でNOと判断してS24に進む。
【0037】
S24では、CPU232は、上記の新たなクーポンを示す通知情報をS20で特定済みの端末IDによって識別される端末装置に送信する。通知情報は、クーポンID、クーポンを利用して色材カートリッジを購入することを促すメッセージ、ECサーバ300のURL等を含む。具体的には、CPU232は、まず、アカウントテーブル250から、端末装置のための通知トークン(図示省略)を特定する。次いで、CPU232は、通知情報と通知トークンとを送信する。ここでの送信先は、端末装置のOSのベンダによって管理されるサーバである。これにより、当該サーバは、通知トークンから端末装置を特定し、通知情報を当該端末装置に送信する。
【0038】
CPU232は、通知情報を端末装置に送信すると、通知履歴テーブル270を更新する。具体的には、CPU232は、本処理スレッドに対応するプリンタID「P1」と、通知情報の送信先に対応する端末IDと、クーポンIDと、開封フラグ「NO」と、を対応付けて、通知履歴テーブル270に記憶させる。S24が終了すると、
図3の処理が終了する。
【0039】
端末装置は、通知サーバ200から通知情報を受信すると、ユーザ設定に応じた表示を行なう。例えば、ユーザ設定がバナー画像のプッシュ通知を許容することを示す場合には、端末装置は、通知情報を受信すると、通知情報に対応するバナー画像を直ちに表示する。また例えば、ユーザ設定がバナー画像のプッシュ通知を禁止することを示す場合には、端末装置は、バナー画像を直ちに表示せず、アプリ40が起動されることに応じて、バナー画像を表示する。端末装置は、表示済みのバナー画像がユーザによって選択されると、通知情報を開封してより詳細な情報を表示する。
【0040】
S30では、CPU232は、S20で特定済みの複数個の端末ID「T1」~「T3」の中から、最多の購入回数に対応する各端末IDを特定する。具体的には、CPU232は、まず、複数個の端末ID「T1」~「T3」のうちの1個の端末ID(例えば「T1」)を特定する。次いで、CPU232は、購入履歴テーブル280に記憶されている当該端末IDの個数を特定する。ここで特定される個数は、当該端末IDによって識別される端末装置を利用して色材カートリッジが購入された回数に相当する。同様に、CPU232は、複数個の端末ID「T1」~「T3」のうちの他の各端末IDに対応する購入回数も特定する。そして、CPU232は、最多の購入回数に対応する各端末IDを特定する。
【0041】
S32では、CPU232は、S30で複数個の端末IDが特定されたのか否かを判断する。CPU232は、S30で複数個の端末IDを特定する場合、即ち、最多の購入回数に対応する複数個の端末装置が存在する場合には、S32でYESと判断してS40に進む。CPU232は、S30で1個の端末IDのみを特定する場合には、S32でNOと判断してS34に進む。
【0042】
S34では、CPU232は、上記の新たなクーポンを示す通知情報をS30で特定済みの端末IDによって識別される端末装置に送信する。S34は、S24と同様である。S34が終了すると、S50に進む。
【0043】
S40では、CPU232は、S30で特定済みの複数個の端末IDの中から1個の端末IDを特定する。本実施例では、CPU232は、最多の印刷回数に対応する1個の端末IDを特定する。具体的には、CPU232は、まず、S30で特定済みの複数個の端末IDのうちの1個の端末IDを特定する。次いで、CPU232は、印刷履歴テーブル260に記憶されている当該端末IDの個数を特定する。ここで特定される個数は、当該端末IDによって識別される端末装置からの印刷指示によってプリンタが印刷した回数に相当する。同様に、CPU232は、複数個の端末IDのうちの他の各端末IDに対応する印刷回数も特定する。そして、CPU232は、最多の印刷回数に対応する1個の端末IDを特定する。
【0044】
S42では、CPU232は、上記の新たなクーポンを示す通知情報をS40で特定済みの端末IDによって識別される端末装置に送信する。S42は、S24と同様である。S42が終了すると、S50に進む。
【0045】
上記で説明したように、S34又はS42では、複数個の端末装置のうちの1個の端末装置のみに通知情報が送信され、他の端末装置には通知情報が送信されない。仮に、複数個の端末装置に通知情報が同時的に送信されると、各端末装置のユーザによって同じ色材カートリッジが購入されてしまう可能性がある。このような重複購入を抑制するために、本実施例では、複数個の端末装置のうちの1個の端末装置のみに通知情報が送信される。
【0046】
例えば、プリンタ100が設置されている会社では、色材カートリッジの購入担当のユーザ(例えばプリンタ100の管理者)が決められている可能性が高い。従って、最多の購入回数に対応する端末装置は、そのようなユーザによって所持されている可能性が高い。本実施例では、最多の購入回数に対応する端末装置に通知情報が最初に送信されるので、クーポンの存在を購入担当のユーザに最初に通知できる可能性が高い。このため、色材カートリッジの購入を適切なユーザに促すことができる。
【0047】
また、プリンタ100の利用頻度が高いユーザは、利用頻度が低いユーザと比べると、色材カートリッジを購入する可能性が高い。本実施例では、最多の購入回数に対応する複数個の端末装置が存在する場合には、最多の印刷回数に対応する端末装置に通知情報が最初に送信されるので、色材カートリッジの購入を適切なユーザに促すことができる。
【0048】
CPU232は、S50及びS52の監視処理を並行して実行する。S50では、CPU232は、S34又はS42で通知情報が送信されてから所定日数が経過することを監視する。所定日数は、予め決められている固定的な日数(例えば1週間)であってもよいし、以下のように決定されてもよい。即ち、CPU232は、クーポンの有効期間がN日(例えば30日)であり、かつ、S22で特定された端末IDの個数がM個(例えば3日)である場合に、N/M日(例えば30/3=10日)を所定日数として決定してもよい。CPU232は、所定日数が経過する場合に、S50でYESと判断してS54に進む。
【0049】
S52では、CPU232は、所定日数が経過する前に、S34又はS42で送信された通知情報に対するアクションが実行されることを監視する。本実施例では、当該アクションは、通知情報の開封である。CPU232は、通知履歴テーブル270を参照して、S34又はS42で送信された通知情報に含まれるクーポンIDに対応付けられてる開封フラグが「NO」から「YES」に変更される場合に、S52でYESと判断する。この場合、
図3の処理が終了する。このように、通知情報が或る端末装置のユーザによって開封されると、通知情報が他の端末装置に送信されなくなる。従って、色材カートリッジの重複購入が抑制される。
【0050】
S54では、CPU232は、S20で特定された複数個の端末IDのうち、通知情報がまだ送信されていない各端末装置を識別する各端末IDを特定する。そして、CPU232は、S22に戻り、S54で複数個の端末IDを特定する場合(S22でYES)には、S30において、当該複数個の端末IDの中から、最多の購入回数の次に多い購入回数に対応する各端末IDを特定し、S34又はS42において、通知情報を送信する。
【0051】
例えば、3個の端末ID「T1」~「T3」のそれぞれに対応する購入回数が、「10回」、「5回」、「1回」である状況を想定する。この場合、CPU232は、1回目のS34において、最多の購入回数に対応する端末ID「T1」によって識別される端末装置10に最初に通知情報を送信する。次いで、CPU232は、2回目のS34において、端末ID「T2」によって識別される端末装置50に通知情報を送信する。このように、購入回数が多い順に各端末装置10,50に通知情報が送信されるので、色材カートリッジの購入を各ユーザに適切に促すことができる。
【0052】
(具体的なケース:
図4)
続いて、
図4を参照して、
図3の処理によって実現される具体的なケースを説明する。
図4のケースでは、端末装置10の端末ID「T1」に対応する購入回数、印刷回数が、それぞれ、「8」、「150」である。端末装置50の端末ID「T2」に対応する購入回数、印刷回数が、それぞれ、「8」、「102」である。また、端末装置60の端末ID「T3」に対応する購入回数、印刷回数が、それぞれ、「2」、「35」である。
【0053】
通知サーバ200は、T10において、クーポンID「C10」によって識別される新しいクーポンを登録すると(
図3の処理のトリガ)、T12において、プリンタID「P1」を特定すると共に(S10)、プリンタID「P1」に対応する3個の端末ID「T1」,「T2」,「T3」を特定する(S20)。
【0054】
通知サーバ200は、T14において、3個の端末ID「T1」,「T2」,「T3」の中から、最多の購入回数「8」に対応する2個の端末ID「T1」,「T2」を特定する(S22でYES、S30)。通知サーバ200は、T16において、2個の端末ID「T1」,「T2」の中から、最多の印刷回数「150」に対応する端末ID「T1」を特定する(S32でYES、S40)。そして、通知サーバ200は、T20において、クーポンID「C10」を含む通知情報を端末ID「T1」によって識別される端末装置10に送信する(S42)。次いで、通知サーバ200は、T22において、T12で特定済みのプリンタID「P1」と、T16で特定済みの端末ID「T1」と、クーポンID「C10」と、開封フラグ「NO」と、を対応付けて、通知履歴テーブル270に記憶させる。
【0055】
端末装置10は、T20において、通知サーバ200から通知情報を受信すると、T24において、バナー画像を表示する。端末装置10のユーザは、バナー画像の内容に興味を示せば、バナー画像を選択して通知情報を開封する。ただし、本ケースでは、ここで通知情報は開封されない。
【0056】
通知サーバ200は、T30において、T20で通知情報が送信されてから、端末装置10のユーザによって通知情報が開封されることなく、所定日数が経過したと判断する(S50でYES)。この場合、通知サーバ200は、T32において、3個の端末ID「T1」,「T2」,「T3」の中から、未通知に対応する2個の端末ID「T2」,「T3」を特定する(S54)。
【0057】
通知サーバ200は、T34において、2個の端末ID「T2」,「T3」の中から、最多の購入回数「8」に対応する端末ID「T2」を特定する(S22でYES、S30)。そして、通知サーバ200は、T40において、クーポンID「C10」を含む通知情報を端末ID「T2」によって識別される端末装置50に送信する(S32でNO、S34)。次いで、通知サーバ200は、T42において、T12で特定済みのプリンタID「P1」と、T34で特定済みの端末ID「T2」と、クーポンID「C10」と、開封フラグ「NO」と、を対応付けて、通知履歴テーブル270に記憶させる。
【0058】
端末装置50は、T40において、通知サーバ200から通知情報を受信すると、T44において、バナー画像を表示する。端末装置50は、T46において、ユーザから、バナー画像を選択する操作、即ち、通知情報を開封する操作を受け付けると、T50において、端末ID「T2」とクーポンID「C10」とを含む開封情報を通知サーバ200に送信する。
【0059】
通知サーバ200は、T50において、端末装置50から開封情報を受信すると、T52において、通知履歴テーブル270を更新する。具体的には、通知サーバ200は、開封情報に含まれる端末ID「T2」及びクーポンID「C10」に対応付けられている開封フラグを「NO」から「YES」に変更する。この場合、通知サーバ200は、端末装置50のユーザによってアクションが実行されたと判断し(S52でYES)、
図3の処理を終了する。
【0060】
端末装置50は、T46において、通知情報が開封された後に、ユーザからクーポンの利用を意図する操作を受け付けると、T60において、端末ID「T2」とクーポンID「C10」とを含むアクセス要求をECサーバ300に送信する。この場合、端末装置50は、T62において、ECサーバ300から、クーポンID「C10」に対応する種類の色材カートリッジの購入画面を表わす購入画面データを受信し、T64において、購入画面を表示する。当該購入画面は、クーポンが適用されているので定価よりも安い購入金額を示す。端末装置50は、T64において、ユーザから購入操作を受け付けると、T70において、購入要求をECサーバ300に送信する。
【0061】
ECサーバ300は、T70において、端末装置50から購入要求を受信すると、T72において、購入処理を実行する。購入処理は、クレジットカードの決済処理、色材カートリッジの発送処理等を含む。ECサーバ300は、T74において、T60で受信済みの端末ID「T2」と、T60で受信済みのクーポンID「C10」と、購入済みの色材カートリッジの種類情報「CT10」と、を含む購入情報を通知サーバ200に送信する。
【0062】
通知サーバ200は、T74において、ECサーバ300から購入情報を受信すると、T76において、購入履歴テーブル280を更新する。具体的には、通知サーバ200は、アカウントテーブル250から、受信済みの端末ID「T2」に対応付けられているプリンタID「P1」を特定する。そして、通知サーバ200は、特定済みのプリンタID「P1」と、受信済みの端末ID「T2」と、受信済みのクーポンID「C10」と、受信済みの種類情報「CT10」と、現在日時を示す日時情報と、を対応付けて、購入履歴テーブル280に記憶させる。
【0063】
(対応関係)
通知サーバ200、プリンタ100、端末装置10,50,60が、それぞれ、「サーバ」、「対象装置」、「複数個の端末装置」の一例である。端末装置10、端末装置50が、それぞれ、「第1の端末装置」、「第2の端末装置」の一例である。テーブル260~290が、「実績情報」の一例である。
図4のT10の状況、T30の状況が、それぞれ、「第1の状況」、「第2の状況」の一例である。
【0064】
図3のS30及びS40の処理が、「第1の決定部」によって実行される処理の一例である。S34及びS42の処理が、「第1の送信部」によって実行される処理の一例である。S54、2回目のS30、及び、2回目のS40の処理が、「第2の決定部」によって実行される処理の一例である。2回目のS34及び2回目のS42の処理が、「第2の送信部」によって実行される処理の一例である。
【0065】
(第2実施例)
続いて、第2実施例を説明する。本実施例では、
図3のS52のアクションが、通知情報の開封ではなく、通知情報の対象のクーポンを利用した色材カートリッジの購入である。CPU232は、S34又はS42で送信された通知情報内のクーポンIDを含む購入履歴が購入履歴テーブル280に記憶される場合に、S52でYESと判断する。この場合、
図3の処理が終了する。他の処理は、第1実施例と同様である。
【0066】
本実施例では、通知情報に応じて色材カートリッジが或る端末装置のユーザによって購入されると、通知情報が他の端末装置に送信されなくなる。従って、色材カートリッジの重複購入が抑制される。
【0067】
(第3実施例)
続いて、第3実施例を説明する。本実施例では、
図3のS40において、CPU232は、最多の印刷回数ではなく、最多の開封回数に対応する1個の端末IDを特定する。具体的には、CPU232は、まず、S30で特定済みの複数個の端末IDのうちの1個の端末IDを特定する。次いで、CPU232は、通知履歴テーブル270から、開封フラグ「YES」が対応付けられている当該端末IDの個数を特定する。ここで特定される個数は、当該端末IDによって識別される端末装置のユーザによって通知情報が開封された回数に相当する。同様に、CPU232は、複数個の端末IDのうちの他の各端末IDに対応する開封回数も特定する。そして、CPU232は、最多の開封回数に対応する1個の端末IDを特定する。他の処理は、第1実施例と同様である。
【0068】
通知情報の開封回数が多いユーザは、色材カートリッジの購入に意欲的である可能性が高い。本実施例では、最多の購入回数に対応する複数個の端末装置が存在する場合には、最多の開封回数に対応する端末装置に通知情報が最初に送信されるので、色材カートリッジの購入に意欲的なユーザに最初に通知できる可能性が高い。このため、色材カートリッジの購入を適切なユーザに促すことができる。
【0069】
(第4実施例)
続いて、第4実施例を説明する。本実施例では、
図3のS40において、CPU232は、印刷回数と開封回数との最多の和に対応する1個の端末IDを特定する。具体的には、CPU232は、まず、S30で特定済みの複数個の端末IDのうちの1個の端末IDを特定する。次いで、CPU232は、印刷履歴テーブル260から、当該端末IDの個数(即ち印刷回数)を特定すると共に、通知履歴テーブル270から、開封フラグ「YES」が対応付けられている当該端末IDの個数(即ち開封回数)を特定する。CPU232は、印刷回数と開封回数との和を算出する。同様に、CPU232は、複数個の端末IDのうちの他の各端末IDに対応する上記の和も特定する。そして、CPU232は、印刷回数と開封回数との最多の和に対応する1個の端末IDを特定する。他の処理は、第1実施例と同様である。
【0070】
本実施例では、最多の購入回数に対応する複数個の端末装置が存在する場合には、印刷回数と開封回数との最多の和に対応する端末装置に通知情報が最初に送信されるので、色材カートリッジの購入に意欲的なユーザに最初に通知できる可能性が高い。このため、色材カートリッジの購入を適切なユーザに促すことができる。
【0071】
(第5実施例)
続いて、第5実施例を説明する。本実施例では、
図3のS40において、CPU232は、アプリ40の最多の起動回数に対応する1個の端末IDを特定する。具体的には、CPU232は、まず、S30で特定済みの複数個の端末IDのうちの1個の端末IDを特定する。次いで、CPU232は、起動履歴テーブル290に記憶されている当該端末IDの個数を特定する。ここで特定される個数は、当該端末IDによって識別される端末装置においてアプリ40が起動された回数に相当する。同様に、CPU232は、複数個の端末IDのうちの他の各端末IDに対応する起動回数も特定する。そして、CPU232は、最多の起動回数に対応する1個の端末IDを特定する。他の処理は、第1実施例と同様である。
【0072】
アプリ40の起動回数が多いユーザは、プリンタ100に印刷を実行させる回数が多い可能性が高く、この結果、色材カートリッジを購入する可能性が高い。本実施例では、最多の購入回数に対応する複数個の端末装置が存在する場合には、最多の起動回数に対応する端末装置に通知情報が最初に送信されるので、色材カートリッジの購入を適切なユーザに促すことができる。
【0073】
以上、本明細書が開示する技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。以下に変形例を列挙する。
【0074】
(変形例1)通知サーバ200は、日時情報を含む購入履歴を購入履歴テーブル280に記憶しなくてもよく、端末ID毎に購入回数をカウントして購入回数そのものを記憶していてもよい。一般的に言うと、「購入回数に関連する情報」は、実施例のように、日時情報を含む購入履歴であってもよいし、購入回数そのものであってもよい。同様に、「処理回数(又は起動回数)に関連する情報」は、実施例のように、日時情報を含む印刷履歴(又は起動履歴)であってもよいし、印刷回数(又は起動回数)そのものであってもよい。「開封回数に関連する情報」は、実施例のように、クーポンID及び開封フラグを含む通知履歴であってもよいし、開封回数そのものであってもよい。
【0075】
(変形例2)通知サーバ200は、
図3のS50~S54を省略してもよく、S34又はS42が終了すると
図3の処理を終了してもよい。本変形例では、「第2の決定部」及び「第2の送信部」を省略可能である。
【0076】
(変形例3)通知サーバ200は、
図3のS50でYESと判断する場合に、最多の購入回数の次に多い購入回数に対応する端末装置を特定しなくてもよく、例えばランダムに端末装置を特定してもよいし、残りの全ての端末装置を特定してもよい。一般的に言うと、「第2の決定部」は、最多の購入回数の次に多い購入回数に対応する第2の端末装置を特定の通知情報の送信先として決定しなくてもよい。「第2の決定部」は、第1の端末装置とは異なる第2の端末装置を特定の通知情報の送信先として決定すればよい。
【0077】
(変形例4)「対象装置」は、プリンタに限られず、スキャナ、ファクシミリ、多機能機、PC、サーバ等の様々な装置を含む。「対象装置」がスキャナである場合には、一例として、消耗品購入に相当する修理履歴又は部品交換履歴が利用されてもよい。この場合、
図2の各テーブルでは、プリンタIDに代えてスキャナID、端末IDに代えて電話番号、カートリッジ種別に代えて交換部品シリアル番号、及び、日時情報が記憶されてもよい。また、「対象装置」がPCである場合にも、スキャナの場合と同様に、一例として、消耗品購入に相当する修理履歴又は部品交換履歴が利用されてもよい。この場合、
図2の各テーブルでは、プリンタIDに代えてPCID、端末IDに代えてユーザのメールアドレス、カートリッジ種別に代えて交換部品シリアル番号、及び、日時情報が記憶されてもよい。さらに、購入履歴テーブル280は、修理履歴、バッテリの交換履歴等が記憶されてもよいし、GPU変更、メモリ変更等に伴った構成変更の実行時の情報が記憶されてもよい。
【0078】
(変形例5)上記の各実施例では、
図3及び
図4の各処理がソフトウェア(例えばアプリ40)によって実行されるが、これらの各処理のうちの少なくとも1つが論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0079】
(変形例6)通知サーバ200は、
図3のS30において、最多の購入回数に対応する端末IDを特定する代わりに、最多の印刷回数に対応する端末IDを特定してもよい。この技術は、以下のように一般化して表現することができる。
サーバであって、
対象装置を利用可能な複数個の端末装置の実績情報を記憶するメモリであって、前記実績情報は、前記複数個の端末装置のそれぞれについて、当該端末装置が前記対象装置に処理を実行させた回数である処理回数に関連する情報を含む、前記メモリと、
前記対象装置のための前記消耗品の購入に関する特定の通知情報を送信すべき第1の状況において、前記メモリ内の前記実績情報を利用して、前記複数個の端末装置のうちの最多の処理回数に対応する第1の端末装置を前記特定の通知情報の送信先として決定する第1の決定部と、
前記第1の状況において、前記特定の通知情報を前記第1の端末装置に送信する第1の送信部であって、前記第1の状況において、前記特定の通知情報は、前記複数個の端末装置のうちの前記第1の端末装置以外の各端末装置に送信されない、前記第1の送信部と、
を備える、サーバ。
【0080】
(変形例7)通知サーバ200は、
図3のS30において、最多の購入回数に対応する端末IDを特定する代わりに、最多の開封回数に対応する端末IDを特定してもよい。この技術は、以下のように一般化して表現することができる。
サーバであって、
対象装置を利用可能な複数個の端末装置の実績情報を記憶するメモリであって、前記実績情報は、前記複数個の端末装置のそれぞれについて、当該端末装置を利用して通知情報が開封された回数である開封回数に関連する情報を含む、前記メモリと、
前記対象装置のための前記消耗品の購入に関する特定の通知情報を送信すべき第1の状況において、前記メモリ内の前記実績情報を利用して、前記複数個の端末装置のうちの最多の開封回数に対応する第1の端末装置を前記特定の通知情報の送信先として決定する第1の決定部と、
前記第1の状況において、前記特定の通知情報を前記第1の端末装置に送信する第1の送信部であって、前記第1の状況において、前記特定の通知情報は、前記複数個の端末装置のうちの前記第1の端末装置以外の各端末装置に送信されない、前記第1の送信部と、
を備える、サーバ。
【0081】
(変形例8)通知サーバ200は、
図3のS30において、最多の購入回数に対応する端末IDを特定する代わりに、最多の起動回数に対応する端末IDを特定してもよい。この技術は、以下のように一般化して表現することができる。
サーバであって、
対象装置を利用可能な複数個の端末装置の実績情報を記憶するメモリであって、前記実績情報は、前記複数個の端末装置のそれぞれについて、当該端末装置において前記対象装置のためのアプリケーションが起動された回数である起動回数に関連する情報を含む、前記メモリと、
前記対象装置のための前記消耗品の購入に関する特定の通知情報を送信すべき第1の状況において、前記メモリ内の前記実績情報を利用して、前記複数個の端末装置のうちの最多の起動回数に対応する第1の端末装置を前記特定の通知情報の送信先として決定する第1の決定部と、
前記第1の状況において、前記特定の通知情報を前記第1の端末装置に送信する第1の送信部であって、前記第1の状況において、前記特定の通知情報は、前記複数個の端末装置のうちの前記第1の端末装置以外の各端末装置に送信されない、前記第1の送信部と、
を備える、サーバ。
【0082】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独で、あるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0083】
本特許出願時の特許請求の範囲において、各請求項が一部の請求項のみに従属している場合であっても、各請求項が当該一部の請求項のみに従属可能であることに限定されない。技術的に矛盾しない範囲において、各請求項は、出願時に従属していない他の請求項にも従属可能である。即ち、各請求項の技術は以下のように様々に組み合わせることができる。
(項目1)
サーバであって、
対象装置を利用可能な複数個の端末装置の実績情報を記憶するメモリであって、前記実績情報は、前記複数個の端末装置のそれぞれについて、当該端末装置を利用して前記対象装置のための消耗品が購入された回数である購入回数に関連する情報を含む、前記メモリと、
前記対象装置のための前記消耗品の購入に関する特定の通知情報を送信すべき第1の状況において、前記メモリ内の前記実績情報を利用して、前記複数個の端末装置のうちの最多の購入回数に対応する第1の端末装置を前記特定の通知情報の送信先として決定する第1の決定部と、
前記第1の状況において、前記特定の通知情報を前記第1の端末装置に送信する第1の送信部であって、前記第1の状況において、前記特定の通知情報は、前記複数個の端末装置のうちの前記第1の端末装置以外の各端末装置に送信されない、前記第1の送信部と、
を備える、サーバ。
(項目2)
前記サーバは、さらに、
前記特定の通知情報に関連するアクションが前記第1の端末装置のユーザによって実行されることなく、前記特定の通知情報が前記第1の端末装置に送信されてから所定期間が経過する第2の状況において、前記複数個の端末装置のうちの前記第1の端末装置とは異なる第2の端末装置を前記特定の通知情報の送信先として決定する第2の決定部と、
前記第2の状況において、前記特定の通知情報を前記第2の端末装置に送信する第2の送信部であって、前記第2の状況において、前記特定の通知情報は、前記第1の端末装置に送信されない、前記第2の送信部と、
を備え、
前記特定の通知情報が前記第1の端末装置に送信されてから前記所定期間が経過する前に、前記アクションが前記第1の端末装置の前記ユーザによって実行される場合に、前記特定の通知情報は、前記複数個の端末装置のいずれにも送信されない、項目1に記載のサーバ。
(項目3)
前記第2の決定部は、前記第2の状況において、前記メモリ内の前記実績情報を利用して、前記最多の購入回数の次に多い購入回数に対応する前記第2の端末装置を前記特定の通知情報の送信先として決定する、項目2に記載のサーバ。
(項目4)
前記アクションは、前記特定の通知情報を開封することを含む、項目2又は3に記載のサーバ。
(項目5)
前記アクションは、前記消耗品を購入することを含む、項目2から4のいずれか一項に記載のサーバ。
(項目6)
前記実績情報は、前記複数個の端末装置のそれぞれについて、当該端末装置を利用して前記対象装置に処理を実行させた回数である処理回数に関連する情報を含み、
前記第1の決定部は、前記第1の状況において、前記複数個の端末装置の中に最多の購入回数に対応する2個以上の端末装置が存在する場合に、前記2個以上の端末装置のうちの最多の処理回数に対応する前記第1の端末装置を前記特定の通知情報の送信先として決定する、項目1から5のいずれか一項に記載のサーバ。
(項目7)
前記実績情報は、さらに、前記複数個の端末装置のそれぞれについて、当該端末装置を利用して通知情報が開封された回数である開封回数に関連する情報を含み、
前記第1の決定部は、前記第1の状況において、前記複数個の端末装置の中に前記最多の購入回数に対応する2個以上の端末装置が存在する場合に、前記2個以上の端末装置のうちの最多の開封回数に対応する前記第1の端末装置を前記特定の通知情報の送信先として決定する、項目1から5のいずれか一項に記載のサーバ。
(項目8)
前記実績情報は、さらに、前記複数個の端末装置のそれぞれについて、当該端末装置を利用して前記対象装置に処理を実行させた回数である処理回数に関連する情報と、当該端末装置を利用して通知情報が開封された回数である開封回数に関連する情報と、を含み、
前記第1の決定部は、前記第1の状況において、前記複数個の端末装置の中に前記最多の購入回数に対応する2個以上の端末装置が存在する場合に、前記2個以上の端末装置のうちの最も大きい利用回数及び開封回数の和に対応する前記第1の端末装置を前記特定の通知情報の送信先として決定する、項目1から5のいずれか一項に記載のサーバ。
(項目9)
前記実績情報は、さらに、前記複数個の端末装置のそれぞれについて、当該端末装置において前記対象装置のためのアプリケーションが起動された回数である起動回数に関連する情報を含み、
前記第1の決定部は、前記第1の状況において、前記複数個の端末装置の中に前記最多の購入回数に対応する2個以上の端末装置が存在する場合に、前記2個以上の端末装置のうちの最多の起動回数に対応する前記第1の端末装置を前記特定の通知情報の送信先として決定する、項目1から5のいずれか一項に記載のサーバ。
【符号の説明】
【0084】
2:通信システム、4:LAN、6:インターネット、10:端末装置、12:操作部、14:表示部、20:通信インターフェース、30:制御部、32:CPU、34:メモリ、36:OSプログラム、40:プリンタアプリケーション、50,60:端末装置、100:プリンタ、112:操作部、114:表示部、116:印刷実行部、120:通信インターフェース、130:制御部、132:CPU、134:メモリ、136:プログラム、200:通知サーバ、220:通信インターフェース、230:制御部、232:CPU、234:メモリ、236:プログラム、250~280:テーブル、300:ECサーバ