(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120597
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】通信装置、通話録音制御プログラム、通話録音制御方法
(51)【国際特許分類】
H04Q 3/58 20060101AFI20240829BHJP
【FI】
H04Q3/58 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027491
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180275
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 倫太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161861
【弁理士】
【氏名又は名称】若林 裕介
(72)【発明者】
【氏名】武井 克明
【テーマコード(参考)】
5K049
【Fターム(参考)】
5K049AA09
5K049BB05
5K049BB12
5K049CC11
5K049FF51
(57)【要約】
【課題】 録音情報を保存する主要デバイスが故障した場合に、故障期間中の通話録音情報を一時的に保存できる装置を提供する。
【解決手段】 本発明は、通話録音データを格納する第1記憶媒体と、第2記憶媒体とを備える通信装置であって、電話端末の呼制御を行う呼制御手段と、第1記憶媒体又は第2記憶媒体に通話録音データを記憶する制御を行う第1制御手段と、呼制御手段から通話録音通知を受けると、通話録音データの格納先に関する情報を保持する管理データに基づき、第1制御手段に通話録音データのファイルを生成するよう指示を行う第2制御手段とを有し、第2制御手段は、第1制御手段を介して第1記憶媒体から否定的な応答を受けると第1記憶媒体の障害を検知し、管理データの格納先を第1記憶媒体から第2記憶媒体に変更して、第1制御手段に再度通話録音データのファイルを生成する指示を行う。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通話録音データを格納する第1の記憶媒体と、該第1の記憶媒体の代替えである第2の記憶媒体とを備える通信装置であって、
電話端末の呼制御を行う呼制御手段と、
前記第1の記憶媒体又は前記第2の記憶媒体に前記通話録音データを記憶する制御を行うファイル制御手段と、
前記呼制御手段から通話録音に関する通知を受けると、前記通話録音データの格納先に関する情報を保持する管理データに基づき、前記ファイル制御手段に前記通話録音データのファイルを生成するよう指示を行う通話録音制御手段とを有し、
前記通話録音制御手段は、前記ファイル制御手段を介して前記第1の記憶媒体から無応答を含む否定的な応答を受けると前記第1の記憶媒体の障害を検知し、前記管理データの格納先を前記第1の記憶媒体から前記第2の記憶媒体に変更して、変更した格納先の情報に基づき前記ファイル制御手段に再度前記通話録音データのファイルを生成する指示を行う
ことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記第1の記憶媒体は所定のインタフェースにより接続される記憶媒体であり、前記第2の記憶媒体は、当該通信装置内部の主要な記憶媒体であることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
通話録音データを格納する第1の記憶媒体と、該第1の記憶媒体の代替えである第2の記憶媒体とを備える通信装置搭載されるコンピュータを、
電話端末の呼制御を行う呼制御手段と、
前記第1の記憶媒体又は前記第2の記憶媒体に前記通話録音データを記憶する制御を行うファイル制御手段と、
前記呼制御手段から通話録音に関する通知を受けると、前記通話録音データの格納先に関する情報を保持する管理データに基づき、前記ファイル制御手段に前記通話録音データのファイルを生成するよう指示を行う通話録音制御手段として機能させ、
前記通話録音制御手段は、前記ファイル制御手段を介して前記第1の記憶媒体から無応答を含む否定的な応答を受けると前記第1の記憶媒体の障害を検知し、前記管理データの格納先を前記第1の記憶媒体から前記第2の記憶媒体に変更して、変更した格納先の情報に基づき前記ファイル制御手段に再度前記通話録音データのファイルを生成する指示を行う
ことを特徴とする通話録音制御プログラム。
【請求項4】
通話録音データを格納する第1の記憶媒体と、該第1の記憶媒体の代替えである第2の記憶媒体とを備える通信装置に使用する通話録音制御方法であって、
当該通信装置は、呼制御手段、ファイル制御手段、及び通話録音制御手段を備え、
前記呼制御手段は、電話端末の呼制御を行い、
前記ファイル制御手段は、前記第1の記憶媒体又は前記第2の記憶媒体に前記通話録音データを記憶する制御を行い、
前記通話録音制御手段は、前記呼制御手段から通話録音に関する通知を受けると、前記通話録音データの格納先に関する情報を保持する管理データに基づき、前記ファイル制御手段に前記通話録音データのファイルを生成するよう指示を行い、
さらに、前記通話録音制御手段は、前記ファイル制御手段を介して前記第1の記憶媒体から無応答を含む否定的な応答を受けると前記第1の記憶媒体の障害を検知し、前記管理データの格納先を前記第1の記憶媒体から前記第2の記憶媒体に変更して、変更した格納先の情報に基づき前記ファイル制御手段に再度前記通話録音データのファイルを生成する指示を行う
ことを特徴とする通話録音制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、通話録音制御プログラム、通話録音制御方法に関し、例えば、PBX(Private Branch Exchange)機能(特に電話交換音声通話を録音する機能)を備えるビジネスホンに適用し得る。
【背景技術】
【0002】
一般に、従来の電話交換通話録音機能を提供する装置(ビジネスホン主装置等)は、その録音情報を保存するデバイスとして、その装置の制御基板の主記憶デバイス(ハードディスクやフラッシュメモリ等)や外部インタフェース(USBやSCSI)で接続された記憶用デバイス(USBメモリやSDカード)から成る構成であった(特許文献1等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来構成の装置ではその録音情報を保存するデバイスが故障した場合に、故障期間中の通話録音情報が保存できないという問題点があった。
【0005】
上記問題の対処としては、IPネットワークを介したサーバストレージやクラウドに保存する方法が考えられる。しかし、通話録音情報はリアルタイムに情報を収集(一例として10ミリ秒で80バイト)する必要があるためIPネットワークへの伝送時間や転送処理遅延時間を考慮した一次蓄積するバッファを電話交換装置内に大容量確保する必要がある。
【0006】
そのため、録音情報を保存する主要なデバイスが故障した場合に、故障期間中の通話録音情報を簡易な手段で一時的に保存できる通信装置、通話録音制御プログラム、通話録音制御方法が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の本発明は、(1)通話録音データを格納する第1の記憶媒体と、該第1の記憶媒体の代替えである第2の記憶媒体とを備える通信装置であって、(2)電話端末の呼制御を行う呼制御手段と、(3)前記第1の記憶媒体又は前記第2の記憶媒体に前記通話録音データを記憶する制御を行うファイル制御手段と、(4)前記呼制御手段から通話録音に関する通知を受けると、前記通話録音データの格納先に関する情報を保持する管理データに基づき、前記ファイル制御手段に前記通話録音データのファイルを生成するよう指示を行う通話録音制御手段とを有し、(5)前記通話録音制御手段は、前記ファイル制御手段を介して前記第1の記憶媒体から無応答を含む否定的な応答を受けると前記第1の記憶媒体の障害を検知し、前記管理データの格納先を前記第1の記憶媒体から前記第2の記憶媒体に変更して、変更した格納先の情報に基づき前記ファイル制御手段に再度前記通話録音データのファイルを生成する指示を行うことを特徴とする。
【0008】
第2の本発明の通話録音制御プログラムは、通話録音データを格納する第1の記憶媒体と、該第1の記憶媒体の代替えである第2の記憶媒体とを備える通信装置搭載されるコンピュータを、(1)電話端末の呼制御を行う呼制御手段と、(2)前記第1の記憶媒体又は前記第2の記憶媒体に前記通話録音データを記憶する制御を行うファイル制御手段と、(3)前記呼制御手段から通話録音に関する通知を受けると、前記通話録音データの格納先に関する情報を保持する管理データに基づき、前記ファイル制御手段に前記通話録音データのファイルを生成するよう指示を行う通話録音制御手段として機能させ、(4)前記通話録音制御手段は、前記ファイル制御手段を介して前記第1の記憶媒体から無応答を含む否定的な応答を受けると前記第1の記憶媒体の障害を検知し、前記管理データの格納先を前記第1の記憶媒体から前記第2の記憶媒体に変更して、変更した格納先の情報に基づき前記ファイル制御手段に再度前記通話録音データのファイルを生成する指示を行うことを特徴とする。
【0009】
第3の本発明は、通話録音データを格納する第1の記憶媒体と、該第1の記憶媒体の代替えである第2の記憶媒体とを備える通信装置に使用する通話録音制御方法であって、当該通信装置は、呼制御手段、ファイル制御手段、及び通話録音制御手段を備え、(1)前記呼制御手段は、電話端末の呼制御を行い、(2)前記ファイル制御手段は、前記第1の記憶媒体又は前記第2の記憶媒体に前記通話録音データを記憶する制御を行い、(3)前記通話録音制御手段は、前記呼制御手段から通話録音に関する通知を受けると、前記通話録音データの格納先に関する情報を保持する管理データに基づき、前記ファイル制御手段に前記通話録音データのファイルを生成するよう指示を行い、(4)さらに、前記通話録音制御手段は、前記ファイル制御手段を介して前記第1の記憶媒体から無応答を含む否定的な応答を受けると前記第1の記憶媒体の障害を検知し、前記管理データの格納先を前記第1の記憶媒体から前記第2の記憶媒体に変更して、変更した格納先の情報に基づき前記ファイル制御手段に再度前記通話録音データのファイルを生成する指示を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、録音情報を保存する主要なデバイスが故障した場合に、故障期間中の通話録音情報を簡易な手段で一時的に保存できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係るビジネスホンの全体的な構成を示すブロック図である。
【
図2】実施形態に係る主制御基板のハードウェア的な構成を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る電話交換制御プログラムの機能的な構成を示すブロック図である。
【
図4】実施形態に係る通話録音情報管理データの一例を示す説明図である。
【
図5】実施形態に係る電話交換制御プログラムの処理(正常時の通話録音制御)を示すシーケンス図である。
【
図6】実施形態に係る電話交換制御プログラムの処理(障害時の通話録音制御)を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(A)主たる実施形態
以下では、本発明に係る通信装置、通話録音制御プログラム、通話録音制御方法の一実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、本発明の通信装置をビジネスホンに適用した例を示すものとする。
【0013】
(A-1)実施形態の構成
(A-1-1)全体構成
図1は、実施形態に係るビジネスホンの全体的な構成を示すブロック図である。
【0014】
図1において、ビジネスホン1は、基本ブロック架2を備える。基本ブロック架2は、電話交換等の制御を行う主制御基板3と、内線端末としての電話機6を収容する回線収容基板4と、外部の公衆網Nとの間の回線を収容する回線収容基板5とを有する。
【0015】
なお、主制御基板3には、通話録音データを保存するストレージ(USBディスクD)が装着されている。この実施形態では、当該主制御基板3にUSBディスク11を装着することを前提として、ビジネスホン1は、通話録音機能を提供している。また、電話機6の種類は特に限定されるものでは無いが、例えば、一般的に使用される多機能電話機等である。
【0016】
(A-1-2)主制御基板3の内部構成
図2は、実施形態に係る主制御基板のハードウェア的な構成を示すブロック図である。
【0017】
図2において、主制御基板3は、CPU31、メモリ32、LANスイッチ33、記憶媒体34、USBポート35を備える。
【0018】
CPU31は、演算処理装置及び制御装置として機能し、各種プログラムに従ってビジネスホン1内の動作全般を制御する。例えば、CPU31が記憶媒体34からメモリ32にローディングされたビジネスホン1の電話交換制御プログラムPを実行することにより、ビジネスホン1の電話交換制御を行うことになる。また、CPU31が実行する電話交換制御プログラムPにより周辺装置であるLANスイッチ33やUSBポート35の制御を行う。
【0019】
メモリ32は、CPU31のワーク領域として使用され、LANスイッチ33、USBポート35(USBディスクD)等を介して送受信されるデータの一時保存領域としても使用される。
【0020】
LANスイッチ33は、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)を構成する中継機器で、ブリッジやルータ等である。
【0021】
記憶媒体34は、ビジネスホン1の電話交換制御プログラムPやビジネスホン1の障害ログ、動作ログ等を記憶する記憶媒体であり、例えば、NAND型フラッシュメモリである。また、この実施形態では、記憶媒体34は、通話録音データのメインストレージであるUSBディスクDに障害が発生した際のバックアップストレージでもある。
【0022】
USBポート35は、USBディスクDと接続するインターフェースである。この実施形態では、USBディスクDはUSBポート35に常時接続されるものとする。
【0023】
(A-1-3)CPU31が実行する電話交換制御プログラムPの機能的構成
図3は、実施形態に係る電話交換制御プログラムの機能的な構成を示すブロック図である。
【0024】
図3において、電話交換制御プログラムPは、主制御部41と、呼処理部42と、通話録音制御部43と、ファイルシステム44と、USBドライバ45と、内部記憶媒体ドライバ46とを有する。
【0025】
主制御部41は、電話交換制御プログラムPの各部を連携動作させる機能部である。
【0026】
呼処理部42は、各部を制御して呼処理を実行する。例えば、呼処理部42は、回線収容基板4に収容されている電話機6と、公衆網Nに接続する端末との通信接続処理を実行する。
【0027】
通話録音制御部43は、呼処理部42からの指示に基づき、ファイルシステム44を介して通話録音する音声データ(メモリ32に一時記憶されているデータ)を記憶部(USBディスクD)に記憶する制御を行う。なお、ファイルシステム44は、一般的なOS(オペレーティングシステム)が提供する機能と同様であるので説明を省略する。
【0028】
また、通話録音制御部43は、後述する通話録音情報管理データTを用いて通話録音する音声データの保存先(格納先)の制御も行う。
【0029】
USBドライバ45は、USBポートに接続されたUSBディスクDに対してUSBホストコントローラ47を介してアクセス(USBディスクDに音声データを保存するためのアクセス)するために必要なドライバである。
【0030】
内部記憶媒体ドライバ46は、記憶媒体34にアクセス(USBディスクDが故障時に記憶媒体34に音声データを一時保存するためのアクセス)ために必要なドライバである。
【0031】
また、通話録音制御部43は、USBディスクD(又は記憶媒体34)に記憶する複数の通話録音データを管理する通話録音情報管理データTを保持する。
【0032】
図4は、実施形態に係る通話録音情報管理データの一例を示す説明図である。
【0033】
通話録音情報管理データTは、各通話録音データを識別するための情報である「管理番号」と、各通話録音データの呼を識別するための情報である「通話録音呼識別情報」と、各通話録音データのストレージ(この実施形態では、USBディスクD又は記憶媒体34)を示す「格納先」を備える。なお、
図4の構成は一例であって、他の構成を採用しても良い(例えば、種々様々な情報を記載可能な「その他」の項目が別にあっても良い)。
【0034】
(A-2)実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する実施形態に係るビジネスホン1の動作を説明する。
【0035】
(A-2-1)正常時動作
図5は、実施形態に係る電話交換制御プログラムの処理(正常時の通話録音制御)を示すシーケンス図である。
【0036】
まず、呼処理部42は、呼処理において通話録音を動作させる際には、通話録音制御部43に「録音開始」を通知する(S101)。
【0037】
次に、通話録音制御部43は、録音開始の通知を受けると、通話録音情報管理データTに録音を行う呼の識別情報等を記憶する(S102)。同時に、通話録音制御部43は、ファイルシステム44に録音ファイルを生成するために「録音ファイル生成」を通知する(S103)。
【0038】
ファイルシステム44は、通話録音先のUSBディスクDに書き込みを行うために、USBドライバ45にファイル作成のための管理情報取得や必要情報の読み出しの各種手続きを行う(S104)。
【0039】
USBドライバ45は各種手続きのためにUSBホストコントローラ47に必要なコマンドを発行する(S105)。
【0040】
USBホストコントローラ47は、上述のステップS106のコマンドをUSBディスクに発行する(S106)。また、USBホストコントローラ47は、コマンド発行に成功すると、USBドライバ45にその旨(コマンドOK)を通知する。(S107)。
【0041】
USBディスクDは、上述のコマンドによる設定がされると、モード設定結果や必要読み出しデータを、USBホストコントローラ47を介して、USBドライバ45に返信する(S108、S109)。USBドライバ45は、当該モード設定結果や必要読み出しデータをファイルシステム44に返信する(S110)。モード設定結果の一例は、動作モード「アイソクロナス転送」である。また、読出データの一例(パラメータ)は、idProduct「0x0100」、StringProduct「USB Mass String」等である。
【0042】
続けて、通話録音データの書き込みが開始され、呼処理部42は、上記同様に通話録音制御部43に「録音データ書込」を通知する(S111)。これ以降のステップS112~120の処理は、上述のステップS103~S110と同様であるので省略する。ただし、通話録音情報管理データTの更新は、最終的に書込結果(S120)を受け取った後に必要に応じて行うことになる。
【0043】
(A-2-2)障害時動作(本実施形態の特徴動作)
図6は、実施形態に係る電話交換制御プログラムの処理(障害時の通話録音制御)を示すシーケンス図である。なお、
図6の処理の内、上述の
図5のシーケンス図と同一符号に係る処理は、基本的に同一又は類似する処理のため、詳しい説明を省略する。
【0044】
上述のステップS107の後、USBディスクDの故障や異常状態の場合には、NAK(NACK)信号でコマンド要求を受け付けらずに必要情報の応答がない場合やエラー応答(モード設定エラー)が返却されることになる。
【0045】
この実施形態では、USBディスクDは、モード設定エラーを、USBホストコントローラ47を介して、USBドライバ45に返信したとする(S201、S202)。USBドライバ45は、当該モード設定エラーをファイルシステム44に返信する(S203)。そして、ファイルシステム44は、通話録音制御部43にモード設定エラーを返信する(S204)。
【0046】
通話録音制御部43は、モード設定エラーを受け取ると、他に記憶媒体が存在するか否かを通話録音情報管理データTで検索し、代わりの記憶媒体が存在する場合には、通話録音情報管理データTの更新(格納先の変更)を行う(S205)。例えば、
図4の例では、変更先としてNANDフラッシュメモリ(記憶媒体34)が存在するので、データの格納先をUSBディスクDから記憶媒体34へ変更する。
【0047】
通話録音制御部43は、上記同様に録音ファイルを生成するために、ファイルシステム44、内部記憶媒体ドライバ46等を介してファイル作成のための管理情報取得や必要情報の読み出しの各種手続きを行う(S207)。以降の記憶媒体34に記憶する処理は、上述のUSBディスクDに正常に記憶される処理と同様であるので詳細を省略する。
【0048】
また、録音データ書込の場合も上記同様の動作を行うことになる。即ち、上述のステップS115の後、ステップS301~ステップS306において、上述のステップS201~S207と同様の処理を行うことになる。ただし、録音データ書込の場合の例(
図6)では、USBディスクDは無応答となっている。この場合、USBホストコントローラ47は、例えば、USBディスクDの応答タイマがタイムアウトしたら、USBドライバ45にデータ書込エラーを返信することになる。
【0049】
なお、USBディスクDが復旧した際には、通話録音制御部43は、通話録音情報管理データTを参照して、ストレージ本体であるUSBディスクD以外のデータが存在する場合には代替書き込みした記憶媒体34からUSBディスクDへのデータコピーをしてリカバリを行い、通話録音情報管理データTの格納先を変更することになる。
【0050】
(A-3)実施形態の効果
以上のように、この実施形態によれば、ビジネスホン1の通話録音機能を使用して通話録音を行う場合に、その録音情報を保存するデバイスが故障した場合に、故障期間中の通話録音情報が保存できないことを検出する方法を具備することで、代替の記憶媒体に一時的に保存できる。そのため、記憶媒体の障害時の通話録音記録の機会損失を回避することができる。
【符号の説明】
【0051】
1…ビジネスホン、2…基本ブロック架、3…主制御基板、4、5…回線収容基板、6…電話機、11…USBディスク、31…CPU、32…メモリ、33…LANスイッチ、34…記憶媒体、35…USBポート、41…主制御部、42…呼処理部、43…通話録音制御部、44…ファイルシステム、45…USBドライバ、46…内部記憶媒体ドライバ、47…USBホストコントローラ、D…USBディスク、N…公衆網、P…電話交換制御プログラム、T…通話録音情報管理データ。