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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012061
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】基板処理装置及び基板処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20240118BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20240118BHJP
   C23F 1/12 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H05H1/46 M
C23F1/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040469
(22)【出願日】2023-03-15
(31)【優先権主張番号】10-2022-0087395
(32)【優先日】2022-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】598123150
【氏名又は名称】セメス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】77,4sandan 5-gil,Jiksan-eup,Seobuk-gu,Cheonan-si,Chungcheongnam-do,331-814 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】アン,ソン ピョ
(72)【発明者】
【氏名】ジュ,ヨン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】リム,ヒュン ミン
(72)【発明者】
【氏名】ハン,ミン スン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジェ ホ
【テーマコード(参考)】
2G084
4K057
5F004
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA03
2G084AA13
2G084BB12
2G084BB14
2G084CC12
2G084CC33
2G084DD02
2G084DD15
2G084FF14
2G084FF15
4K057DE06
4K057DE10
5F004AA02
5F004BA03
5F004BA05
5F004BB13
5F004BB28
5F004BD01
5F004DA00
5F004DA24
(57)【要約】      (修正有)
【課題】基板処理のためのエッチャントの生成効率を向上させる基板処理装置及び基板処理方法を提供する。
【解決手段】基板処理装置は、プラズマ生成領域、ガスミキシング領域120及び基板工程領域130を含む工程チャンバー100と、プラズマ生成領域に第1工程ガスを供給する第1ガス供給ライン200と、ガスミキシング領域に第2工程ガスを供給する第2ガス供給ライン300と、プラズマ生成領域とガスミキシング領域との間に配置されたイオンブロッカー400と、ガスミキシング領域と基板工程領域との間に配置されたシャワーヘッド500と、を含む。イオンブロッカーは、第2工程ガスがプラズマ生成領域に供給されるように、第2ガス供給ラインと連結され、プラズマ生成領域に開放される第1ブロッカーチャンネル411及び第1ブロッカーホール412を含む第1ブロッカー流路部を形成する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ生成領域、ガスミキシング領域、及び基板工程領域を含む工程チャンバーと、
前記プラズマ生成領域に第1工程ガスを供給する第1ガス供給ラインと、
前記ガスミキシング領域に第2工程ガスを供給する第2ガス供給ラインと、
前記プラズマ生成領域と前記ガスミキシング領域との間に配置されたイオンブロッカーと、
前記ガスミキシング領域と前記基板工程領域との間に配置されたシャワーヘッドと、を含み、
前記イオンブロッカーは、前記第2工程ガスが前記プラズマ生成領域に供給されるように、前記第2ガス供給ラインと連結され、前記プラズマ生成領域に開放された第1ブロッカー流路部が形成された、基板処理装置。
【請求項2】
前記第1ブロッカー流路部は、
前記第2ガス供給ラインと連結され、前記イオンブロッカーの内部に形成された第1ブロッカーチャンネルと、
前記第1ブロッカーチャンネルに連結され、前記プラズマ生成領域に開放されて形成された第1ブロッカーホールと、を含む、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記第1ブロッカーホールは、前記第1ブロッカーチャンネルに沿って複数個が互いに離隔して配置された、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記イオンブロッカーは、前記第2工程ガスが前記ガスミキシング領域に供給されるように、前記第2ガス供給ラインと連結され、前記ガスミキシング領域に開放された第2ブロッカー流路部が形成された、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記第2ブロッカー流路部は、
前記第2ガス供給ラインと連結され、前記イオンブロッカーの内部に形成された第2ブロッカーチャンネルと、
前記第2ブロッカーチャンネルに連結され、前記ガスミキシング領域に開放されて形成された第2ブロッカーホールと、を含む、請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記イオンブロッカーは、センタ部に形成された第1領域と、前記第1領域の周囲に配置された第2領域に区画された、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記第1ブロッカー流路部は、前記第1領域に形成された、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記イオンブロッカーは、前記第2工程ガスが前記ガスミキシング領域に供給されるように、前記第2ガス供給ラインと連結され、前記ガスミキシング領域に開放された第2ブロッカー流路部が形成され、
前記第2ブロッカー流路部は、前記第2領域に形成された、請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記イオンブロッカーは前記プラズマ生成領域と前記ガスミキシング領域を連結するブロッカー貫通孔が形成され、
前記シャワーヘッドは、前記ガスミキシング領域と前記基板工程領域を連結するヘッド貫通孔が形成された、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記シャワーヘッドは、前記第2工程ガスが前記ガスミキシング領域に供給されるように、前記第2ガス供給ラインと連結され、前記ガスミキシング領域に開放されたヘッド流路部が形成された、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記ヘッド流路部は、
前記第2ガス供給ラインと連結され、前記シャワーヘッドの内部に形成されたヘッドチャンネルと、
前記ヘッドチャンネルに連結され、前記ガスミキシング領域に開放されて形成されたヘッドホールと、を含む、請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項12】
プラズマ生成領域、ガスミキシング領域、及び基板工程領域を含む工程チャンバーと、
前記プラズマ生成領域と前記ガスミキシング領域との間に配置されたイオンブロッカーと、
前記ガスミキシング領域と前記基板工程領域との間に配置されたシャワーヘッドと、
前記工程チャンバーに連結され、前記プラズマ生成領域に第1工程ガスを供給する第1ガス供給ラインと、
前記イオンブロッカーに連結され、前記ガスミキシング領域に第2工程ガスを供給する第2ガス供給ラインと、
前記工程チャンバーに高周波電圧を印加する高周波電源と、を含み、
前記イオンブロッカーは、前記第2工程ガスが前記プラズマ生成領域に供給されるように、前記第2ガス供給ラインと連結され、前記プラズマ生成領域に開放された第1ブロッカー流路部が形成された、基板処理装置。
【請求項13】
前記第1ブロッカー流路部は、
前記第2ガス供給ラインと連結され、前記イオンブロッカーの内部に形成された第1ブロッカーチャンネルと、
前記第1ブロッカーチャンネルに連結され、前記プラズマ生成領域に開放されて形成された第1ブロッカーホールと、を含む、請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記第1ブロッカーホールは、前記第1ブロッカーチャンネルに沿って複数個が互いに離隔して配置された、請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記イオンブロッカーは、前記第2工程ガスが前記ガスミキシング領域に供給されるように、前記第2ガス供給ラインと連結され、前記ガスミキシング領域に開放された第2ブロッカー流路部が形成された、請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記第2ブロッカー流路部は、
前記第2ガス供給ラインと連結され、前記イオンブロッカーの内部に形成された第2ブロッカーチャンネルと、
前記第2ブロッカーチャンネルに連結され、前記ガスミキシング領域に開放されて形成された第2ブロッカーホールと、を含む、請求項15に記載の基板処理装置。
【請求項17】
前記イオンブロッカーは、センタ部の第1領域と、前記第1領域の周囲に配置された第2領域に区画された、請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項18】
前記第1ブロッカー流路部は、前記第1領域に形成された、請求項17に記載の基板処理装置。
【請求項19】
前記イオンブロッカーは、前記第2工程ガスが前記ガスミキシング領域に供給されるように、前記第2ガス供給ラインと連結され、前記ガスミキシング領域に開放された第2ブロッカー流路部が形成され、
前記第2ブロッカー流路部は、前記第2領域に形成された、請求項18に記載の基板処理装置。
【請求項20】
工程チャンバー内のプラズマ生成領域に第1工程ガスを供給する第1ガス供給段階と、
前記工程チャンバー内の前記プラズマ生成領域と、前記プラズマ生成領域の後のガスミキシング領域に第2工程ガスを供給する第2ガス供給段階と、
前記プラズマ生成領域で前記第1工程ガスをプラズマ状態に変換させるプラズマ生成段階と、
前記プラズマ生成領域で前記第2工程ガスが前記プラズマのラジカルと反応してエッチャントを生成する第1反応段階と、
前記ガスミキシング領域で前記第2工程ガスが前記プラズマ生成領域から供給された前記プラズマのラジカルと反応してエッチャントを生成する第2反応段階と、
前記工程チャンバー内の前記ガスミキシング領域の後の基板工程領域で前記ガスミキシング領域から供給された前記エッチャントで基板を処理する基板処理段階と、を含む、基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を処理する基板処理装置及び基板処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基板の処理工程には、プラズマが用いられることができる。例えば、乾式洗浄、アッシング、またはエッチング工程にプラズマが用いられることができる。プラズマは、非常に高い温度や、強い電界または高周波電磁界(RF Electromagnetic Fields)によって生成される。プラズマは、イオンや電子、ラジカルなどからなるイオン化されたガスの状態をいう。プラズマを用いた乾式洗浄、アッシング、またはエッチング工程は、プラズマに含まれたイオンまたはラジカル粒子が基板と衝突することで行われる。
【0003】
一方、プラズマエッチング工程において、基板をエッチングするエッチャント(Etchant、反応ガスまたはエッチングガス)は、工程チャンバーのガスミキシング領域で工程ガスとラジカルの混合によって生成される。しかし、工程ガスがガスミキシング領域でのみラジカルと反応することによって、エッチャントの生成効率に限界がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国公開特許公報第10-2021-0024241号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような問題点を解決するために創案されたものであり、基板処理のためのエッチャントの生成効率を向上させる基板処理装置及び基板処理方法を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の一実施例による基板処理装置は、プラズマ生成領域、ガスミキシング領域、及び基板工程領域を含む工程チャンバーと、上記プラズマ生成領域に第1工程ガスを供給する第1ガス供給ラインと、上記ガスミキシング領域に第2工程ガスを供給する第2ガス供給ラインと、上記プラズマ生成領域と上記ガスミキシング領域との間に配置されたイオンブロッカーと、上記ガスミキシング領域と上記基板工程領域との間に配置されたシャワーヘッドと、を含み、上記イオンブロッカーは、上記第2工程ガスが上記プラズマ生成領域に供給されるように、上記第2ガス供給ラインと連結され、上記プラズマ生成領域に開放された第1ブロッカー流路部が形成される。
【0007】
上記第1ブロッカー流路部は、上記第2ガス供給ラインと連結され、上記イオンブロッカーの内部に形成された第1ブロッカーチャンネルと、上記第1ブロッカーチャンネルに連結され、上記プラズマ生成領域に開放されて形成された第1ブロッカーホールと、を含む。
【0008】
上記第1ブロッカーホールは、上記第1ブロッカーチャンネルに沿って複数個が互いに離隔して配置されることができる。
【0009】
上記イオンブロッカーは、上記第2工程ガスが上記ガスミキシング領域に供給されるように、上記第2ガス供給ラインと連結され、上記ガスミキシング領域に開放された第2ブロッカー流路部が形成されることができる。
【0010】
上記第2ブロッカー流路部は、上記第2ガス供給ラインと連結され、上記イオンブロッカーの内部に形成された第2ブロッカーチャンネルと、上記第2ブロッカーチャンネルに連結され、上記ガスミキシング領域に開放されて形成された第2ブロッカーホールと、を含むことができる。
【0011】
上記イオンブロッカーは、センタ部に形成された第1領域と、上記第1領域の周囲に配置された第2領域に区画されることができる。
【0012】
上記第1ブロッカー流路部は、上記第1領域に形成されることができる。
【0013】
上記第2ブロッカー流路部は、上記第2領域に形成されることができる。
【0014】
上記イオンブロッカーは、上記プラズマ生成領域と上記ガスミキシング領域を連結するブロッカー貫通孔が形成され、上記シャワーヘッドは、上記ガスミキシング領域と上記基板工程領域を連結するヘッド貫通孔が形成されることができる。
【0015】
上記シャワーヘッドは、上記第2工程ガスが上記ガスミキシング領域に供給されるように、上記第2ガス供給ラインと連結され、上記ガスミキシング領域に開放されたヘッド流路部が形成されることができる。
【0016】
上記ヘッド流路部は、上記第2ガス供給ラインと連結され、上記シャワーヘッドの内部に形成されたヘッドチャンネルと、上記ヘッドチャンネルに連結され、上記ガスミキシング領域に開放されて形成されたヘッドホールと、を含むことができる。
【0017】
一方、本発明の他の側面によると、プラズマ生成領域、ガスミキシング領域及び基板工程領域を含む工程チャンバーと、上記プラズマ生成領域と上記ガスミキシング領域との間に配置されたイオンブロッカーと、上記ガスミキシング領域と上記基板工程領域との間に配置されたシャワーヘッドと、上記工程チャンバーに連結され、上記プラズマ生成領域に第1工程ガスを供給する第1ガス供給ラインと、上記イオンブロッカーに連結され、上記ガスミキシング領域に第2工程ガスを供給する第2ガス供給ラインと、上記工程チャンバーに高周波電圧を印加する高周波電源と、を含み、上記イオンブロッカーは、上記第2工程ガスが上記プラズマ生成領域に供給されるように、上記第2ガス供給ラインと連結され、上記プラズマ生成領域に開放された第1ブロッカー流路部が形成された基板処理装置が提供されることができる。
【0018】
そして、本発明のまた他の側面によると、工程チャンバー内のプラズマ生成領域に第1工程ガスを供給する第1ガス供給段階と、上記工程チャンバー内の上記プラズマ生成領域と、上記プラズマ生成領域の後のガスミキシング領域に第2工程ガスを供給する第2ガス供給段階と、上記プラズマ生成領域で上記第1工程ガスをプラズマ状態に変換させるプラズマ生成段階と、上記プラズマ生成領域において、上記第2工程ガスが上記プラズマのラジカルと反応してエッチャントを生成する第1反応段階と、上記ガスミキシング領域において上記第2工程ガスが上記プラズマ生成領域から供給された上記プラズマのラジカルと反応してエッチャントを生成する第2反応段階と、上記工程チャンバー内の上記ガスミキシング領域の後の基板工程領域において、上記ガスミキシング領域から供給された上記エッチャントで基板を処理する基板処理段階と、を含む基板処理方法が提供されることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、第2工程ガスをガスミキシング領域だけでなく、プラズマ生成領域にも供給するように構成されることで、エッチャントの生成効率を向上させて選択比を高めることができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】従来技術による基板処理装置を示した図面である。
図2図1の基板処理装置におけるガスの流れを示した図面である。
図3】本発明の第1実施例による基板処理装置を示した図面である。
図4】(a)は、図3の基板処理装置におけるイオンブロッカーの上面の一部分を示し、(b)は、図3の基板処理装置におけるイオンブロッカーの下面の一部分を示した図面である。
図5図4の基板処理装置におけるガスの流れを示した図面である。
図6】本発明の第2実施例による基板処理装置を示した図面である。
図7図6のイオンブロッカーを示した平面図である。
図8】本発明の第3実施例による基板処理装置を示した図面である。
図9】本発明の一実施例による基板処理方法を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
なお、明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結」されているとするとき、これは「直接的に連結」されている場合のみならず、その中間に他の構成要素を挟んで「間接的に連結」されている場合も含む。さらに、ある構成要素を「含む」ということは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。
【0022】
図1は、従来技術による基板処理装置を示した図面であり、図2は、図1の基板処理装置におけるガスの流れを示した図面である。
【0023】
図面を参照すると、従来技術による基板処理装置は、工程チャンバー10を含み、工程チャンバー10は基板Sを処理する内部空間を有する。工程チャンバー10の内部空間には、基板Sを支持する基板支持台Eが配置される。工程チャンバー10は、下部にガス排出ライン90が連結され、ガス排出ライン90にはポンプPが設けられる。
【0024】
具体的には、工程チャンバー10は、内部にプラズマ生成領域11、ガスミキシング領域12及び基板工程領域13が形成される。第1ガス供給ライン20はプラズマ生成領域11に第1工程ガスを供給し、第2ガス供給ライン30はガスミキシング領域12に第2工程ガスを供給する。イオンブロッカー40は、プラズマ生成領域11とガスミキシング領域12との間に配置され、このようなイオンブロッカー40にはプラズマ生成領域11とガスミキシング領域12を連結するブロッカー貫通孔40aが形成される。シャワーヘッド50は、ガスミキシング領域12と基板工程領域13との間に配置され、このようなシャワーヘッド50にはガスミキシング領域12と基板工程領域13を連結するヘッド貫通孔50aが形成される。
【0025】
基板処理装置は、第2工程ガスがガスミキシング領域12にのみ供給されるように構成される。具体的には、シャワーヘッド50は、第2ガス供給ライン30が連結されたヘッド流路部51を含む。ヘッド流路部51はガスミキシング領域12に開放されて形成されることで、第2工程ガスはガスミキシング領域12にのみ供給される。これによって、第2工程ガスは、ガスミキシング領域12でのみプラズマのラジカルと反応することでエッチャントの生成効率に限界がある。
【0026】
上述した従来技術の限界を克服するために、本発明は、第2工程ガスをガスミキシング領域のみならず、プラズマ生成領域にも供給するように構成される。これにより、第2工程ガスがガスミキシング領域とともにプラズマ生成領域でもプラズマのラジカルと反応することで、エッチャントの生成効率を向上させて選択比を高めることができる。
【0027】
図3は、本発明の第1実施例による基板処理装置を示した図面であり、図4の(a)は、図3の基板処理装置におけるイオンブロッカーの上面の一部分を示し、(b)は、図3の基板処理装置におけるイオンブロッカーの下面の一部分を示した図面であり、図5は、図4の基板処理装置におけるガスの流れを示した図面である。
【0028】
図面を参照すると、本発明による基板処理装置は、工程チャンバー100、第1ガス供給ライン200、第2ガス供給ライン300、イオンブロッカー(Ion Blocker)400及びシャワーヘッド(Shower Head)500を含む。ここで、第1ガス供給ライン200及び第2ガス供給ライン300は、工程チャンバー100に連結され、イオンブロッカー400及びシャワーヘッド500は、工程チャンバー100内に配置される。
【0029】
工程チャンバー100は、基板Sを処理する内部空間を有する。工程チャンバー100の内部空間には、基板Sを支持する基板支持台Eが配置される。工程チャンバー100は、下部にガス排出ライン900が連結され、ガス排出ライン900にはポンプPが設けられる。ガス排出ライン900を介して基板S処理後の副産物が排出され、ポンプPによって工程チャンバー100の内部の圧力が調節されることができる。工程チャンバー100は、内部にプラズマ生成領域110、ガスミキシング領域120、及び基板工程領域130が形成される。プラズマ生成領域110、ガスミキシング領域120及び基板工程領域130は、工程チャンバー100の内部で上側から下側に順次連結された構造をとる。
【0030】
プラズマ生成領域110は、内部に供給された第1工程ガスがプラズマ状態に変換される領域である。第1工程ガスは、工程チャンバー100の上部101に連結された第1ガス供給ライン200によって供給される。第1ガス供給ライン200から供給された第1工程ガスは、工程チャンバー100の上部101を介してプラズマ生成領域110に供給される。具体的には、プラズマ生成領域110は上側の工程チャンバー100の上部101と下側のイオンブロッカー400との間に配置される。工程チャンバー100の上部101は、高周波電源RFが連結されて高周波電圧が印加される上部電極として役割を果たす。イオンブロッカー400は、グランド電極と連結されて下部電極として役割を果たす。高周波電源RFによって工程チャンバー100の上部101(上部電極)に高周波電圧が印加され、イオンブロッカー400(下部電極)が電気的にグランド状態を維持することで、プラズマ生成領域110に高周波電磁界の形成(強い電界が印加)されるにつれて、第1工程ガスはプラズマ状態に変換される。第1工程ガスは、エッチングまたは洗浄工程などに主に用いられるHF、NFなどのフッ素(F)を含むガスであることができる。
【0031】
ガスミキシング領域120は、内部に供給された第2工程ガスがラジカルと反応してエッチャント(Etchant、反応ガスまたはエッチングガス)が生成される領域である。第2工程ガスは、シャワーヘッド500に連結された第2ガス供給ライン300によって供給される。第2ガス供給ライン300から供給された第2工程ガスは、シャワーヘッド500を介してガスミキシング領域120に供給される。プラズマ生成領域110で生成されたプラズマ成分のうち、ラジカルはイオンブロッカー400を通過してガスミキシング領域120に供給される。具体的には、ガスミキシング領域120は、イオンブロッカー400の下側に配置される。すなわち、イオンブロッカー400はプラズマ生成領域110とガスミキシング領域120との間に配置され、イオンブロッカー400はイオンの通過を阻止する(block)役割を果たす。具体的には、イオンブロッカー400はグランド電極に連結されて接地されることで、プラズマ成分中でイオンと電子が吸収される。イオンブロッカー400は、ブロッカー貫通孔401が形成されるが、プラズマ生成領域110のプラズマ成分のうち、ラジカルのみをブロッカー貫通孔401を介してガスミキシング領域120に通過させる。このようなラジカルはガスミキシング領域120で第2工程ガスと反応してエッチャント(Etchant、反応ガスまたはエッチングガス)を生成させる。ラジカルはフッ素ラジカル(F・)であることができ、第2工程ガスはNHまたはNHとHの混合ガスであることができる。また、エッチャントは、基板工程領域130で基板Sのポリシリコン膜とシリコン酸化物をエッチングするためのNHFまたはNHFとHFの混合ガスであることができる。
【0032】
基板工程領域130は、エッチャントによって基板Sの表面が処理される領域である。具体的には、基板工程領域130はシャワーヘッド500の下側に配置される。すなわち、シャワーヘッド500は、ガスミキシング領域120と基板工程領域130との間に配置される。シャワーヘッド500にはヘッド貫通孔501が形成されるが、ガスミキシング領域120で生成されたエッチャントは、ヘッド貫通孔501を通過して基板工程領域130側に供給される。
【0033】
一方、イオンブロッカー400は、第2工程ガスがプラズマ生成領域110に供給されるように第1ブロッカー流路部410が形成される。第2工程ガスは、イオンブロッカー400と連結された第2ガス供給ライン300を介して供給される。第1ブロッカー流路部410は、第2ガス供給ライン300と連結され、プラズマ生成領域110に開放された構造をとる。
【0034】
第1ブロッカー流路部410は、第1ブロッカーチャンネル411及び第1ブロッカーホール412を含む。第1ブロッカーチャンネル411は第2ガス供給ライン300と連結され、イオンブロッカー400の内部に形成される。第1ブロッカーチャンネル411は、イオンブロッカー400の内部で長くまたは大きな空間に形成された構造をとる。一例として、第1ブロッカーチャンネル411は、複数個の互いに連結された同心円状などの様々な構造をとることができる。
【0035】
第1ブロッカーホール412は、第1ブロッカーチャンネル411に連結され、プラズマ生成領域110に開放されて形成される。第1ブロッカーホール412は、第1ブロッカーチャンネル411に沿って複数個が互いに離隔して形成されることができる。さらに、複数個の第1ブロッカーホール412はブロッカー貫通孔401の周囲に配置されることができる。
【0036】
第2ガス供給ライン300を介して供給された第2工程ガスは、上述のように構成される第1ブロッカーチャンネル411と第1ブロッカーホール412を介して上側のプラズマ生成領域110に供給される。すなわち、第2ガス供給ライン300を介して供給された第2工程ガスは、第1ブロッカーチャンネル411に流入された後、第1ブロッカーホール412を介してプラズマ生成領域110に供給される。
【0037】
本発明は、第2工程ガスをイオンブロッカー400の第1ブロッカー流路部410を介してプラズマ生成領域110に供給することで、第2工程ガスがガスミキシング領域120に加えてプラズマ生成領域110でもプラズマのラジカルと反応することができる。これによって、本発明は第2工程ガスとラジカルのミキシング効率を高めてエッチャントの生成効率を向上させることで、エッチング工程における選択比を高めることができる。
【0038】
そして、シャワーヘッド500は、ガスミキシング領域120と基板工程領域130との間に配置される。このようなシャワーヘッド500は、第2工程ガスがガスミキシング領域120に供給されるようにヘッド流路部510が形成される。第2工程ガスは、シャワーヘッド500と連結された第2ガス供給ライン300を介して供給される。ヘッド流路部510は、第2ガス供給ライン300と連結され、プラズマ生成領域110に開放された構造をとる。
【0039】
具体的には、ヘッド流路部510は、ヘッドチャンネル511及びヘッドホール512を含む。
【0040】
ヘッドチャンネル511は第2ガス供給ライン300と連結され、シャワーヘッド500の内部に形成される。ヘッドチャンネル511は、シャワーヘッド500の内部で長くまたは大きな空間に形成された構造をとる。一例として、ヘッドチャンネル511は、複数個の互いに連結された同心円状などの様々な構造をとることができる。
【0041】
ヘッドホール512はヘッドチャンネル511に連結され、ガスミキシング領域120に開放されて形成される。ヘッドホール512は、複数個が互いに離隔して形成されることができる。さらに、複数個のヘッドホール512はヘッド貫通孔501の周囲に配置されることができる。
【0042】
第2ガス供給ライン300を介して供給された第2工程ガスは、上述のように構成されるヘッドチャンネル511とヘッドホール512を介してガスミキシング領域120に供給される。すなわち、第2ガス供給ライン300を介して供給された第2工程ガスは、ヘッドチャンネル511に流入された後、ヘッドホール512を介してガスミキシング領域120に供給される。
【0043】
図6は、本発明の第2実施例による基板処理装置を示した図面であり、図7は、図6のイオンブロッカーを示した平面図である。
【0044】
図面を参照すると、イオンブロッカー400は、第1領域400Aと第2領域400Bに分けられる。第1領域400Aは、イオンブロッカー400のセンタ部に形成される。イオンブロッカー400が円板のような形状である場合、第1領域400A及び第2領域400Bのそれぞれは、円状領域であることができる。さらに、図面には示されていないが、イオンブロッカー400は2つ以上の領域に区画されることができる。
【0045】
エッチャントは基板S上で流動するようになる。具体的には、基板Sの上側から流れてくるエッチャントは、基板S上に到達した後、エッジ側に流動する。次いで、エッチャントは基板Sを通過して下側のガス排出ライン900側に流れ落ちる。したがって、基板Sに対するエッチング率は、基板Sのセンタ部よりも基板Sのエッジ部側の方が高くなり得る。
【0046】
基板Sに対するエッチング率を均一にするために、イオンブロッカー400のセンタ部に形成された第1領域400Aに第1ブロッカー流路部410が形成されることができる。第2工程ガスは、第1領域400Aに形成された第1ブロッカー流路部410を介してプラズマ生成領域110に供給されることができる。これにより、第1領域400Aと対応される基板Sのセンタ部側に多い量のエッチャントが供給されることで、基板Sに対するエッチング率を均一にすることができる。
【0047】
さらに、図6及び図7に示された第2実施例による基板処理装置の構成要素のうち、図3図5に示された第1実施例による基板処理装置の構成要素と同一の構成要素は、既に詳述したため、具体的な説明は省略する。
【0048】
図8は、本発明の第3実施例による基板処理装置を示した図面である。
【0049】
図面を参照すると、イオンブロッカー400は、第2工程ガスがガスミキシング領域120に供給されるように第2ブロッカー流路部が形成されることができる。第2工程ガスは、イオンブロッカー400と連結された第2ガス供給ライン300を介して供給される。第2ブロッカー流路部420は、第2ガス供給ライン300と連結され、ガスミキシング領域120に開放された構造をとる。
【0050】
このようなイオンブロッカー400は、第2工程ガスがガスミキシング領域120に供給されるように第2ブロッカー流路部420が形成されることができる。第2工程ガスは、イオンブロッカー400と連結された第2ガス供給ライン300を介して供給される。第2ブロッカー流路部420は、第2ガス供給ライン300と連結され、ガスミキシング領域120に開放された構造をとる。
【0051】
具体的には、第2ブロッカー流路部420は、第2ブロッカーチャンネル421及び第2ブロッカーホール422を含む。
【0052】
第2ブロッカーチャンネル421は、第2ガス供給ライン300と連結され、イオンブロッカー400の内部に形成される。第2ブロッカーチャンネル421は、イオンブロッカー400の内部で長くまたは大きな空間に形成された構造をとる。一例として、第2ブロッカーチャンネル421は、複数個の互いに連結された同心円状などの様々な構造をとることができる。
【0053】
第2ブロッカーホール422は、第2ブロッカーチャンネル421に連結され、下側のガスミキシング領域120に開放されて形成される。第2ブロッカーホール422は、複数個が互いに離隔して形成されることができる。さらに、複数個の第2ブロッカーホール422は、ブロッカー貫通孔401の周囲に配置されることができる。
【0054】
第2ガス供給ライン300を介して供給された第2工程ガスは、上述のように構成される第2ブロッカーホール422を介してガスミキシング領域120に供給される。すなわち、第2ガス供給ライン300を介して供給された第2工程ガスは、第2ブロッカーチャンネル421に流入された後、第2ブロッカーホール422を介して下側のガスミキシング領域120に供給される。これによって、ガスミキシング領域120で第2工程ガス及びラジカルのミキシング効率を高めることができる。
【0055】
より具体的には、第2ブロッカー流路部420は、イオンブロッカー400の第2領域400Bに形成されることができる。第2領域400Bは、第1領域400Aの周囲に配置された領域である。このように第2領域400Bに形成された第2ブロッカー流路部420によって、イオンブロッカー400のエッジ部に対応されるガスミキシング領域120の部分で第2工程ガス及びラジカルのミキシング効率を高めることができる。
【0056】
さらに、図8に示した第3実施例による基板処理装置の構成要素のうち、図3図7に示された他の実施例による基板処理装置の構成要素と同一の構成要素は、既に詳述したため、具体的な説明は省略する。
【0057】
図9は、本発明の一実施例による基板処理方法を示したフローチャートである。
【0058】
図面を参照すると、本発明による基板処理方法は、第1ガス供給段階S100、第2ガス供給段階S200、プラズマ生成段階S300、第1反応段階S400、第2反応段階S500及び基板処理段階600を含む。
【0059】
まず、第1ガス供給段階S100は、工程チャンバー100内のプラズマ生成領域110に第1工程ガスを供給する段階である。
【0060】
そして、第2ガス供給段階S200は、工程チャンバー100内のプラズマ生成領域110とガスミキシング領域120に第2工程ガスを供給する段階である。すなわち、第2ガス供給段階S200では、第2工程ガスをガスミキシング領域120に供給し、これに加えてガスミキシング領域120の前領域であるプラズマ生成領域110にも供給する。
【0061】
次に、プラズマ生成段階S300は、プラズマ生成領域110で第1工程ガスをプラズマ状態に変換させる段階である。すなわち、プラズマ生成領域110に供給された第1工程ガスをプラズマ生成段階S300で高周波電圧によってラジカルを含むプラズマ状態に変換させる。
【0062】
この後、第1反応段階S400が進行される。第1反応段階S400は、プラズマ生成領域110で第2工程ガスがプラズマのラジカルと反応してエッチャントを生成する段階である。第2工程ガスは、第2ガス供給段階S200でガスミキシング領域120だけでなく、プラズマ生成領域110にも供給される。第1反応段階S400では、プラズマ生成領域110に供給された第2工程ガスがプラズマのラジカルと反応してエッチャントを生成する。
【0063】
次に、第2反応段階S500が進行される。第2反応段階S500は、ガスミキシング領域120で第2工程ガスがプラズマ生成領域110から供給されたプラズマのラジカルと反応してエッチャントを生成する段階である。
【0064】
最後に、基板処理段階600が進行される。基板処理段階600は、工程チャンバー100内のガスミキシング領域120の後の基板工程領域130において、ガスミキシング領域120から供給されたエッチャントで基板Sを処理する段階である。
【0065】
上述のように構成される本発明は、プラズマのラジカルに対する第2工程ガスの反応を、第2反応段階S500であるガスミキシング領域120で行われる前に、第1反応段階S400であるプラズマ生成領域110でも行われるようにする。したがって、本発明はエッチャントの生成効率を向上させて、エッチング工程における選択比を高めることができる。
【0066】
以上、添付された図面を参照して、本発明の実施例を説明したが、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更せず、他の具体的な形態で実施されることができるということが理解できる。それ故に、以上で記述した実施例はすべての面で例示的なものであり、限定的ではないものと理解すべきである。
【符号の説明】
【0067】
100 工程チャンバー101 工程チャンバーの上部
110 プラズマ生成領域120 ガスミキシング領域
130 基板工程領域200 第1ガス供給ライン
300 第2ガス供給ライン400 イオンブロッカー
400A 第1領域400B 第2領域
401 ブロッカー貫通孔410 第1ブロッカー流路部
411 第1ブロッカーチャンネル412 第1ブロッカーホール
420 第2ブロッカー流路部421 第2ブロッカーチャンネル
422 第2ブロッカーホール500 シャワーヘッド
501 ヘッド貫通孔510 ヘッド流路部
511 ヘッドチャンネル512 ヘッドホール
S 基板E 基板支持台
RF 高周波電源P ポンプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9