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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012063
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】ゲームシステムおよびゲーム制御方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/30 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
A63F9/30 502C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052805
(22)【出願日】2023-03-29
(62)【分割の表示】P 2022114300の分割
【原出願日】2022-07-15
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年3月25日~令和4年5月10日ラウンドワン町田店にて公開。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年3月30日~令和4年5月12日にGIGO新宿西口店にて公開。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年4月8日~令和4年5月19日にTHE 3RD PLANET フレスポ八潮店にて公開。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年4月13日~令和4年5月22日にシルクハット川崎ダイスにて公開。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年4月15日~令和4年5月24日にソユーゲームフィールド アリオ川口にて公開。
(71)【出願人】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】110002273
【氏名又は名称】弁理士法人インターブレイン
(72)【発明者】
【氏名】田向 太郎
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 格広
(72)【発明者】
【氏名】高野 信幸
(72)【発明者】
【氏名】深澤 光晴
(72)【発明者】
【氏名】御所園 空也
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 孝佳
(72)【発明者】
【氏名】織間 裕介
(72)【発明者】
【氏名】中野 政哉
(72)【発明者】
【氏名】中山 周平
(57)【要約】
【課題】 物品取得ゲーム装置に対するプレイヤの挑戦意欲を維持する。
【解決手段】 ゲームシステムは、複数のクレーンゲーム装置と、サーバを備える。クレーンゲーム装置は、獲得対象となる物品が載置される第1領域と物品の移動先となる第2領域とを有するゲームフィールドと、物品を保持する物品保持部と、プレイヤからの操作を受け付ける操作部と、物品保持部を操作にしたがって駆動する移動制御部と、物品の第2領域への移動の成否を判定する移動判定部を備える。サーバは、クレーンゲーム装置を識別するゲーム機IDと、プレイヤを識別するプレイヤIDと、クレーンゲームのプレイ結果と、を含むプレイ情報を取得するプレイ情報取得部と、プレイヤごとに収集されたプレイ情報により特典条件が満たされたとき、プレイヤに特典を付与する特典付与部を備える。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品取得ゲーム装置と、サーバを備え、
前記物品取得ゲーム装置は、
プレイ空間に設けられ、獲得対象となる物品が載置される第1領域と前記物品の移動先となる第2領域とを有するゲームフィールドと、
前記物品を保持する物品保持部と、
プレイヤからの操作を受け付ける操作部と、
前記操作にしたがって、前記物品保持部を駆動する移動制御部と、
前記物品の前記第2領域への移動の成否を判定する移動判定部と、を備え、
前記サーバは、
前記物品取得ゲーム装置を識別するゲーム機IDと、プレイヤを識別するプレイヤIDと、物品取得ゲームのプレイ結果と、を含むプレイ情報を取得するプレイ情報取得部と、
プレイヤごとに収集されたプレイ情報により特典条件が満たされたとき、プレイヤに特典を付与する特典付与部と、を備えるゲームシステム。
【請求項2】
前記特典付与部は、前記特典条件が達成されたとき第1の特典を付与し、前記第1の特典と第2の特典の交換が指示されたときには、前記第1の特典と前記第2の特典を交換する、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記物品取得ゲーム装置は、
前記物品取得ゲーム装置のゲーム機IDを符号化することにより2次元コードを生成するコード生成部、を更に含み、
前記サーバは、
プレイヤが通信端末において前記2次元コードを撮像したとき、前記通信端末からプレイヤIDおよびゲーム機IDを受信する受信部と、
前記プレイヤIDおよび前記ゲーム機IDを対応づけてペアリング登録するプレイヤ管理部、を更に備える、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項4】
複数の物品取得ゲーム装置のうち、あらかじめ特典の対象となる対象機種を設定しておき、
前記特典付与部は、対象機種として設定される第1の物品取得ゲーム装置における第1のプレイヤのプレイ情報と、対象機種として設定される別の第2の物品取得ゲーム装置における前記第1のプレイヤによるプレイ情報を合成し、前記合成後のプレイ情報が前記特典条件を満たすとき、プレイヤに特典を付与する、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項5】
コンピュータが、物品取得ゲーム装置を識別するゲーム機IDと、プレイヤを識別するプレイヤIDと、物品取得ゲームのプレイ結果と、を含むプレイ情報を取得するステップと、
コンピュータが、前記物品取得ゲーム装置の前記プレイヤによるプレイ結果を累計するステップと、
コンピュータが、前記プレイヤのプレイ結果の累計に応じて、プレイヤが所持するポイントを増加させるステップと、
プレイヤから物品とポイントの交換が指示されたとき、物品付与にともなって、コンピュータが、プレイヤが所持するポイントを減少させるステップと、を実行するゲーム制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、景品等の物品を獲得する物品取得ゲームに関する。
【背景技術】
【0002】
多くのゲームセンターには、クレーンゲーム装置(物品取得ゲーム装置)が設置されている。クレーンゲーム装置の筐体内にはステージ(ゲームフィールド)が設けられ、ぬいぐるみやお菓子などの景品(物品)が載置される。プレイヤは、横方向ボタンおよび縦方向ボタン等を駆使してクレーン等の物品保持部を操作する。クレーンで景品を掴み、落下口に景品を移動できれば、プレイヤは景品を獲得できる。
【0003】
プレイヤは、プレイの前に、プレイ料金を支払うことでクレジットを取得する。クレジットはクレーンゲームへの挑戦権であり、3クレジットをもっているときには、プレイヤはクレーンゲームに3回挑戦できる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6859784号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
クレーンゲームで景品を獲得できるかどうかは、プレイヤの技量に大きく依存する。このため、プレイヤによっては、多数のクレジットを消費したにもかかわらず景品を獲得できないという結果になってしまうこともある。プレイヤにこのような喪失感・徒労感を味あわせてしまうと、技量に乏しいプレイヤはクレーンゲームへの再挑戦意欲を失ってしまう可能性がある。
【0006】
本発明は、上記課題認識に基づいて完成された発明であり、その主たる目的は、物品取得ゲーム装置に対するプレイヤの挑戦意欲を維持するための技術、を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様におけるゲームシステムは、複数の物品取得ゲーム装置と、サーバを備える。
物品取得ゲーム装置は、プレイ空間に設けられ、獲得対象となる物品が載置される第1領域と物品の移動先となる第2領域とを有するゲームフィールドと、物品を保持する物品保持部と、プレイヤからの操作を受け付ける操作部と、操作にしたがって、物品保持部を駆動する移動制御部と、物品の第2領域への移動の成否を判定する移動判定部と、を備える。
サーバは、物品取得ゲーム装置を識別するゲーム機IDと、プレイヤを識別するプレイヤIDと、物品取得ゲームのプレイ結果と、を含むプレイ情報を取得するプレイ情報取得部と、プレイヤごとに収集されたプレイ情報により特典条件が満たされたとき、プレイヤに特典を付与する特典付与部と、を備える。
【0008】
本発明のある態様におけるゲーム制御方法は、コンピュータが、物品取得ゲーム装置を識別するゲーム機IDと、プレイヤを識別するプレイヤIDと、物品取得ゲームのプレイ結果と、を含むプレイ情報を取得するステップと、コンピュータが、物品取得ゲーム装置のプレイヤによるプレイ結果を累計するステップと、コンピュータが、プレイヤのプレイ結果の累計に応じて、プレイヤが所持するポイントを増加させるステップと、プレイヤから物品とポイントの交換が指示されたとき、物品付与にともなって、コンピュータが、プレイヤが所持するポイントを減少させるステップと、を実行する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、物品取得ゲーム装置におけるプレイヤの挑戦意欲を維持させやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】ゲームシステムのハードウェア構成図である。
図2】クレーンゲーム装置の全体構成を概略的に示す図である。
図3】サーバの機能ブロック図である。
図4】クレーンゲーム装置の機能ブロック図である。
図5】初期画面の画面図である。
図6】ペアリング処理の過程を示すシーケンス図である。
図7】ペアリング情報のデータ構造図である。
図8】機種グループ情報のデータ構造図である。
図9】所持ポイント情報のデータ構造図である。
図10】景品対価情報のデータ構造図である。
図11】景品交換画面の画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下においては、まず、クレーンゲーム装置の構成および基本機能を説明する。次に、本実施形態におけるクレーンゲーム装置における「ペアリング機能」および「プレイポイント機能」の2機能について順番に説明する。なお、「物品保持部」はクレーンのように上から吊り下げられるタイプに限らず、横から景品等を引っかけたり押し込んだりするタイプのものでもよいが、以下の実施例ではクレーンを例として説明する。
【0012】
ペアリング機能は、クレーンゲーム装置とプレイヤを対応づける機能であり、ログインに似た考え方であるが詳細は後述する。プレイポイント機能は、クレーンゲームのプレイ履歴に応じて、プレイヤに特典を付与する機能である。
【0013】
図1は、ゲームシステム100のハードウェア構成図である。
ゲームシステム100においては、サーバ102に対して、複数のクレーンゲーム装置104a、104b・・・104n(以下、まとめて言うときや特に区別しないときには「クレーンゲーム装置104」と総称する)と、ユーザ端末110a・・・110m(以下、まとめて言うときや特に区別しないときには「ユーザ端末110」と総称する)がインターネット106を介して接続される。
【0014】
クレーンゲーム装置104は、中継装置108を介してサーバ102と接続される。中継装置108は、サーバ102とクレーンゲーム装置104とを中継して情報を送受信し、また、サーバとしての機能の一部を担う装置である。中継装置108は、店舗ごと、または、店舗のフロアごとに設置され、1以上のクレーンゲーム装置104と接続される。なお、中継装置108の機能はサーバ102に集約されてもよく、また、サーバ102の機能を中継装置108に分散させ、中継装置108をサーバ102として機能させてもよい。
【0015】
本実施形態におけるユーザ端末110(通信端末)は、スマートフォンを想定している。ユーザ端末110は、タブレット端末やラップトップPCであってもよい。ユーザ端末110とインターネット106は無線接続されるが、有線接続されてもよい。ユーザ端末110には、専用のアプリケーション(以下、「CS(Crane Service)ソフトウェア」とよぶ)がインストールされている。
【0016】
クレーンゲーム装置104は、遊園地やゲームセンターなどの遊戯施設に設置される。クレーンゲーム装置104を遠隔管理するため、遊戯施設を運営するオペレータにより使用されるタブレット端末がクレーンゲーム装置104と接続されてもよい。
【0017】
サーバ102は、上述したペアリング機能、プレイポイント機能など、クレーンゲームのための各種サービスを提供する。プレイヤは、CSソフトウェアをサーバ102からユーザ端末110にダウンロードする。このときプレイヤ登録が実行され、サーバ102はプレイヤにプレイヤIDを付与する。ユーザ端末110にもプレイヤIDが登録される。サーバ102には、クレーンゲーム装置104を識別するゲーム機IDと、クレーンゲーム装置104が設置される店舗を識別する店舗IDも登録される。
【0018】
図2は、クレーンゲーム装置104の全体構成を概略的に示す図である。
クレーンゲーム装置104は、直方体形状の基台112と、基台112上に設けられた箱型の景品収容部114を備える。景品収容部114の内方にプレイ空間Sが形成され、景品載置台116(ゲームフィールド)が設けられている。景品載置台116上には、ぬいぐるみや雑貨等の景品Pが配置される。景品載置台116の上方にはクレーン118が設けられる。クレーン118は、プレイ空間Sの前後左右および上下に移動でき、景品Pを把持/解放する。
【0019】
景品収容部114は、その前面および左右側面が透明なガラス張りとされている。外部からの景品Pの視認性が考慮されたものである。景品収容部114の後面(奥側面)には、モニタ120が設置される。モニタ120は、各種の演出画像を表示させる。クレーンゲーム装置104の天井面にはカメラ122が設置される。カメラ122は、景品載置台116を上方から撮像する。モニタ120は、カメラ122による撮像画像を表示させることもできる。
【0020】
クレーンゲーム装置104の立柱150にはLED(Light Emitting Diode)が配され、プレイ中に演出の一部として点灯する。景品収容部114の前面には扉124が設けられ、オペレータは景品Pを景品収容部114内に設置できる。
【0021】
景品載置台116は、第1領域126と第2領域128に区画される。それぞれの区画エリアが取り外し可能なパネルにより構成される。いずれか一方のパネルを取り外すことにより、景品Pを落下させる落下口130を形成できる。第1領域126に景品Pが載置され、第2領域128に落下口130が形成される場合、プレイヤは景品Pを第1領域126から第2領域128(落下口130)に移動できれば、景品Pを取得できる。
【0022】
基台112の内部には、落下口130から落下した景品Pを収容する景品ストック空間132が形成される。基台112の前面には、景品ストック空間132に落下した景品Pを取り出すための景品取出口134が形成される。景品ストック空間132には、景品Pが落下したことを検出するセンサー(赤外線センサー、重量センサー等)と、景品Pに取り付けられたICタグ等を検出するリーダーの少なくともいずれか一方が設けられている。なお、カメラ122により落下口130あるいは景品ストック空間132を撮影し、景品Pが落下したことと、落下した景品の種類(景品ID)とを判別してもよい。この場合、カメラ122は、クレーン118の下部に設けてもよい。
【0023】
基台112の前面側には操作卓136が設けられている。操作卓136にはコイン投入口138、IC(Integrated Circuit)カードリーダ140、操作部142および設定表示部144が設けられる。ゲーム開始に際し、プレイヤは、コイン投入口138にコインを投入するか、ICカードリーダ140に電子マネーがチャージされたICカードをタッチする。後者の場合、電子マネーによる支払処理が実行されるが、公知の技術であるため、その詳細については説明を省略する。
【0024】
操作部142は、プレイヤがクレーン118を移動させるための操作ボタン142a,142bを有する。操作部142は、プレイヤの操作に基づく入力信号を受け付ける「クレーン操作部」として機能する。操作ボタン142aは、クレーン118を左右方向(X方向)に移動させるボタンであり、操作ボタン142bは、クレーン118を前後方向(Y方向)に移動させるボタンである。変形例として、ジョイスティックによりクレーン118を前後左右に移動させてもよい。
【0025】
設定表示部144にはタッチパネルが設置される。設定表示部144は、オペレータからのゲームの設定情報の入力を受け付けるとともに、操作部142の操作方法やゲーム結果など、ゲームに関する情報を表示させる。クレーンゲーム装置104は、そのほかにもスピーカ(不図示)や外部接続端子等を備える。
【0026】
クレーン118は、景品Pを把持および解放可能なアーム146を有する。クレーン118はアーム146を開閉駆動するモータを含む。アーム146を開閉させることによって、景品Pを把持および解放する。
【0027】
クレーン118は、景品収容部114の上部に設置された図示略のガイドレールに沿って移動可能であり、クレーン駆動部148により駆動される。クレーン駆動部148は、クレーン118を横方向(X方向)および縦方向(Y方向)に駆動する移動機構と、上下方向(Z方向)に駆動する昇降機構を含む。移動機構は、X方向モータおよびY方向モータを含む。昇降機構は、Z方向モータを含む。クレーン駆動部148により、クレーン118をプレイ空間Sの任意の位置に移動させることができる。なお、このような駆動機構については公知であるため、その詳細な説明は省略する。
【0028】
図3は、サーバ102の機能ブロック図である。
サーバ102の各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)および各種コプロセッサなどの演算器、メモリやストレージといった記憶装置、それらを連結する有線または無線の通信線を含むハードウェアと、記憶装置に格納され、演算器に処理命令を供給するソフトウェアによって実現される。コンピュータプログラムは、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、それらの上位層に位置する各種アプリケーションプログラム、また、これらのプログラムに共通機能を提供するライブラリによって構成されてもよい。以下に説明する各ブロックは、ハードウェア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。
次の図4に関連して説明するクレーンゲーム装置104の各構成要素についても同様である。
【0029】
サーバ102は、データ処理部162、データ格納部164および通信部160を含む。
通信部160は、ユーザ端末110および中継装置108との通信処理を担当する。データ格納部164は各種データを格納する。データ処理部162は、通信部160により受信されたデータおよびデータ格納部164に格納されているデータに基づいて各種処理を実行する。データ処理部162は、通信部160およびデータ格納部164のインタフェースとしても機能する。
【0030】
通信部160は、各種データを送信する送信部166と、データを受信する受信部168を含む。
受信部168は、クレーンゲーム装置104からプレイ情報を受信するプレイ情報取得部230を含む。クレーンゲーム装置104は、プレイヤによるクレーンゲームのプレイ結果を示す「プレイ情報」を送信する。プレイ情報には、プレイヤID、ゲーム機IDのほか、クレーンゲームの「プレイ結果を示す情報」が含まれる。本実施形態においては、クレジットの金額であるプレイ料金、プレイ時間および景品獲得の成否、景品獲得時においては獲得した景品を識別する景品IDが「プレイ結果を示す情報」として含まれる。プレイ結果を示す情報の内容は任意であるが、上述した各情報の少なくともいずれかを含むことが望ましい。
【0031】
データ処理部162は、プレイヤ管理部170、特典付与部232およびキー生成部234を含む。プレイヤ管理部170は、ペアリング等に関する管理を行う。特典付与部232は、プレイ履歴に基づいて、プレイヤに特典を付与する。キー生成部234は、ペアリングのためのキーコードを生成する。キーコードについては後述する。
【0032】
図4は、クレーンゲーム装置104の機能ブロック図である。
クレーンゲーム装置104は、ユーザインタフェース処理部180、機構部182、データ処理部186、通信部184およびデータ格納部188を含む。
ユーザインタフェース処理部180は、各種の入力デバイスを介してプレイヤからの操作を受け付けるほか、画像表示や音声出力など、ユーザインタフェースに関する処理を担当する。機構部182は、クレーン118や景品ストック空間132等の各種機構を駆動する。通信部184は、ユーザ端末110および中継装置108との通信処理を担当する。データ格納部188は各種データを格納する。データ処理部186は、ユーザインタフェース処理部180から入力されたデータ、通信部184により受信されたデータおよびデータ格納部188に格納されているデータに基づいて各種処理を実行する。データ処理部186は、機構部182、ユーザインタフェース処理部180、通信部184およびデータ格納部188のインタフェースとしても機能する。
【0033】
ユーザインタフェース処理部180は、プレイヤからの入力を受け付ける操作部142と、プレイヤに対して画像や音声等の各種情報を出力する出力部190を含む。出力部190は、設定表示部144等への画像表示を行う表示部192を含む。プレイヤは操作部142を操作し、クレーンゲームをプレイする。
【0034】
通信部184は、サーバ102等に各種データを送信する送信部194と、データを受信する受信部196を含む。送信部194は、プレイ情報をサーバ102に送信する。
【0035】
機構部182は、クレーン駆動部148およびカメラ122(撮像部)を含む。上述したように、クレーンゲーム装置104の天井に設置されるカメラ122は、景品載置台116(ゲームフィールド)を撮像する。この撮像画像により、景品の配置や移動経過を把握できる。また、撮像画像をモニタ120に表示すれば、プレイヤはクレーン118と景品の位置関係をより正確に把握しやすくなる。クレーン駆動部148により、クレーン118の移動、把持・解放が実行されることは上述の通りである。
【0036】
データ処理部186は、ゲーム制御部198、クレジット管理部204、コード生成部206およびペアリング管理部208を含む。
ゲーム制御部198はクレーンゲームの進行を制御する。ゲーム制御部198は、クレーン制御部200(移動制御部)および移動判定部202を含む。クレーン制御部200は、操作部142による操作指示にしたがって、クレーン駆動部148に移動・把持・解放を指示する。移動判定部202は、景品の落下口130が落下したか、いいかえれば、クレーンゲームの成否を判定する。クレジット管理部204は、プレイヤがクレーンゲーム装置104に投入したプレイ料金をクレジットに変換する。コード生成部206は、後述の二次元コードを生成する。ペアリング管理部208は、ペアリング中であるか否か、および、ペアリング中のプレイヤのプレイヤIDを管理する。本実施形態においては、ペアリングはサーバ102のプレイヤ管理部170およびクレーンゲーム装置104のペアリング管理部208の双方において管理される。
【0037】
データ格納部188は、クレーンゲームのゲームプログラムのほか、設定およびゲームのプレイ結果などの使用状態に関する情報を格納する。
【0038】
[ペアリング機能]
図5は、初期画面210の画面図である。
表示部192は、初期画面210を設定表示部144に表示させる。設定表示部144は、単一プレイボタン212、複数プレイボタン214およびペアリング設定領域216を含む。ペアリング設定領域216には、ゲーム機IDと、キーコードを含む二次元コード218が表示される。本実施形態においては、二次元コード218はQRコード(登録商標)であるとして説明するが、二次元コード218はゲーム機IDおよびキーコードを抽出可能な画像であればよい。
【0039】
プレイヤは、プレイ前に、ユーザ端末110のカメラにより二次元コード218を撮像する。ユーザ端末110のCSソフトウェアは、二次元コード218からゲーム機IDとキーコードを抽出したあとサーバ102にアクセスし、サーバ102はペアリング処理を開始する(後述)。ペアリングの結果として、サーバ102は、プレイヤIDとゲーム機IDが対応づけて登録する。すなわち、ペアリングにより、クレーンゲーム装置104と、そのクレーンゲーム装置104においてクレーンゲームをプレイ中のプレイヤが対応づけられる。また、サーバ102は、ペアリングの成立したプレイヤIDをクレーンゲーム装置104に通知し、クレーンゲーム装置104のペアリング管理部208もプレイヤIDとゲーム機IDを対応づけて登録する。
【0040】
ペアリングの完了後、プレイヤは、プレイ料金を支払う。プレイ料金は、硬貨によって支払われてもよいし、電子マネーにより支払われてもよい。プレイヤは、クレーンゲームに1回挑戦したいときには、単一プレイボタン212をタッチする。単一プレイボタン212をタッチしたあと、プレイヤはクレジット単価を支払う。図5に示すクレーンゲーム装置104においては、クレジット単価は100円である。支払後、クレジット管理部204は1クレジットを生成する。
【0041】
プレイヤはクレーンゲームに6回挑戦したいときには、複数プレイボタン214をタッチする。複数プレイボタン214をタッチしたあと、プレイヤは指定された500円を支払う。複数プレイボタン214がタッチされたとき、クレジット管理部204は500円の支払いに対して6クレジットを生成する。5クレジット分のプレイ料金で6クレジットをもらうことができるので、6クレジットをまとめて購入する方がプレイヤにとって有利となる。クレーンゲームが実行されるごとに、クレジット管理部204は1クレジットを減算する。
【0042】
プレイヤは、CSソフトウェアをユーザ端末110にインストールしてプレイヤ登録しておき、ペアリング処理を行うことで特典を得ることができる。
本実施形態においては、後述のプレイポイント機能は、ペアリング処理を前提として実行されるものとして説明する。
【0043】
図6は、ペアリング処理の過程を示すシーケンス図である。
まず、サーバ102のキー生成部234は、定期的に、たとえば、1時間に1回程度の頻度にてキーコードを生成する。新たなキーコードが生成されたとき、サーバ102の送信部166は中継装置108を介してすべてのクレーンゲーム装置104にキーコードを送信する。クレーンゲーム装置104のコード生成部206は、ゲーム機IDおよび最新のキーコードを符号化した二次元コード218を初期画面210に表示させる(S10)。プレイヤは、ユーザ端末110により二次元コード218を撮像する(S12)。ユーザ端末110のCSソフトウェアは、二次元コード218からゲーム機IDおよびキーコードを抽出し(S14)、ペアリング要求をサーバ102に送信する(S16)。ペアリング要求には、ゲーム機IDとプレイヤID、キーコードが含まれる。
なお、キー生成部234は、サーバ102ではなく中継装置108が有してよい。この場合、中継装置108は、中継装置108のシリアル番号等の固有な識別情報に基づいてキーコードを生成すれば、他の中継装置108に接続されているクレーンゲーム装置104とキーコードが重複しないように処置できる。また、生成されたキーコードは、中継装置108からサーバ102に送信され、サーバ102に記憶させてもよい。
【0044】
サーバ102の受信部168は、ペアリング要求を受信する。プレイヤ管理部170は、ペアリング設定を行う(S18)。たとえば、ゲーム機ID=C01のクレーンゲーム装置104(以下、「クレーンゲーム装置104(C01)」のように表記する)に対してプレイヤID=P02のプレイヤ(以下、「プレイヤ(P02)」のように表記する)からペアリング要求が送信されたときには、プレイヤ管理部170はC01およびP02を「ペア」としてペアリング情報220(後述)に登録する。ペアリングにより、サーバ102は、クレーンゲーム装置104(C02)の現時点におけるプレイヤを把握できる。このほか、サーバ102が発行した最新のキーコード、または、前回発行したキーコードとペアリング要求に含まれているキーコードが一致することがペアリングの条件となっているが、キーコードの確認については後述する。
【0045】
サーバ102の送信部166は、ペアリングの完了をユーザ端末110に通知する(S20)。また、送信部166はクレーンゲーム装置104にもペアリングの完了を通知する(S22)。上述したように、送信部166はペアリングを行ったプレイヤIDをクレーンゲーム装置104に通知する。なお、すでにペアリング済みのプレイヤ(ユーザ端末110)からペアリング要求が送信されたとき、あるいは、すでにペアリング済みのクレーンゲーム装置104を対象として別のプレイヤからペアリング要求が送信されたときには、プレイヤ管理部170は新たなペアリングを拒否する(後述)。
【0046】
クレーンゲームの終了後、クレーンゲーム装置104はゲーム機IDおよびプレイヤIDを含む解除要求をサーバ102に送信する。このとき、プレイヤ管理部170はペアリングを解除する。たとえば、クレーンゲーム装置104(C01)から解除要求がサーバ102に送信されたときには、プレイヤ管理部170はクレーンゲーム装置104(C01)とプレイヤ(P02)のペアリングを解除する。
【0047】
別例として、S18においてはペアリングの「仮設定」を行い、サーバ102の送信部166はペアリング確認をクレーンゲーム装置104に送信してもよい。クレーンゲーム装置104の表示部192はペアリング確認画面(不図示)を表示させ、このときにプレイヤがクレジットを購入した場合、クレーンゲーム装置104の送信部194は「ペアリング成功」をサーバ102に通知してもよい。サーバ102のプレイヤ管理部170は、この通知を受け取ったことを条件としてペアリングを確定させるとしてもよい。サーバ102は、ペアリング確定後に完了通知(S20)をユーザ端末110に送信し、ユーザ端末110のCSソフトウェアは「ログインしました」と画面表示させてもよい。この例の場合、S22の処理は不要である。
【0048】
ペアリング処理の詳細について、更に、説明する。
サーバ102は、定期的にキーコードを生成し、キーコードをクレーンゲーム装置104に送信する。クレーンゲーム装置104は、サーバ102から受信した最新のキーコードを内蔵メモリに記録する。本実施形態においては、クレーンゲーム装置104のコード生成部206は、ゲーム機IDおよび最新のキーコードを含む二次元コード218を生成する。
【0049】
なお、クレーンゲーム装置104ではなく、サーバ102が二次元コード218を生成してもよい。たとえば、クレーンゲーム装置104は、最新のキーコードおよびゲーム機IDを含む二次元コード218(画像)をクレーンゲーム装置104に送信し、クレーンゲーム装置104の表示部192は、サーバ102から受信した二次元コード218をペアリング設定領域216に表示させてもよい。あるいは、中継装置108が、サーバ102から受信した最新のキーコードとゲーム機IDを含む二次元コード218を生成し、クレーンゲーム装置104に送信してもよい。クレーンゲーム装置104の表示部192は、中継装置108から受信した二次元コード218をペアリング設定領域216に表示させてもよい。
【0050】
サーバ102が時刻t1においてキーコードQ1を生成し、所定時間の経過後の時刻t2においてキーコードQ2を生成し、更に、所定時間の経過後の時刻t3においてキーコードQ3を生成したとする。時刻t3以降においては、クレーンゲーム装置104はキーコードQ3を含む二次元コード218をペアリング設定領域216に表示させる。
【0051】
プレイヤが、二次元コード218を撮像し、ペアリング要求をサーバ102に送信したとする。サーバ102のプレイヤ管理部170は、ペアリング要求に含まれるキーコードが最新のキーコードQ3であるか、または、前回発行のキーコードQ2であることを条件としてペアリングを成立させる。ペアリング要求に含まれているキーコードが古すぎるときには、プレイヤ管理部170はペアリングを許可しない。キーコードは、以下詳述するように、不適切なペアリングの成立を防止するための仕組みである。
【0052】
以上をふまえて、1台のクレーンゲーム装置104に対して2以上のプレイヤがペアリングされてしまう「ダブルペアリング」を防止する方法について説明する。
まず、クレーンゲーム装置104(C01)に対してプレイヤ(P02)およびプレイヤ(P03)がペアリング要求する場合を想定する。先に、プレイヤ(P02)についてペアリングが成立したとき(S22)、クレーンゲーム装置104はペアリング解除となるまで初期画面210において二次元コード218を表示させない。このため、プレイヤ(P02)とクレーンゲーム装置104(C01)についていったんペアリングが成立したあとは、プレイヤ(P03)はクレーンゲーム装置104(C01)において二次元コード218を撮像できなくなる。これを「第1のダブルペアリング防止方法」とよぶ。
【0053】
プレイヤ(P03)は、過去に撮像した二次元コード218を自分のユーザ端末110に保存する可能性がある。この場合、プレイヤ(P03)はクレーンゲーム装置104(C01)に表示される最新の二次元コード218ではなく、過去に撮像した二次元コード218に基づくペアリング要求をサーバ102に送信するかもしれない。このような場合には、上述したように、キーコードの「発行時期」に基づいてダブルペアリングを防止する。これを「第2のダブルペアリング防止方法」とよぶ。たとえば、プレイヤ(P03)が過去に手に入れた古いキーコードQ1を含むペアリング要求を時刻t3以降にサーバ102に送信しても、サーバ102はキーコードQ1が古いためプレイヤ(P03)のペアリングを許可しない。このような制御方法により、古いキーコードに基づくペアリング要求を抑止できる。
【0054】
次の例として、プレイヤ(P02)とプレイヤ(P03)が、初期画面210に表示される同一の二次元コード218をほぼ同時に撮像し、それぞれのユーザ端末110からサーバ102にペアリング要求が送信されたとする。このとき、サーバ102がプレイヤ(P02)のペアリング要求をプレイヤ(P03)のペアリング要求よりも早く受信した場合には、プレイヤ管理部170はプレイヤ(P02)とクレーンゲーム装置104(C01)のペアリングを成立させ、送信部166は遅い方のプレイヤ(P03)のユーザ端末110に対して接続失敗通知を送信する。ユーザ端末110(P03)は、接続失敗通知を受信したとき、接続失敗を示す画面を表示させる。これを「第3のダブルペアリング防止方法」とよぶ。
【0055】
次に、ペアリング解除の詳細について説明する。
クレーンゲームはワンプレイが終了すると、クレーン制御部200はクレーン118を所定位置(ホームポジション)に自動的に戻す。クレーンゲーム装置104のペアリング管理部208は、投入されたクレジットがゼロとなり、クレーン118がホームポジションに戻ってから所定時間が経過しても、新たなクレジットが購入されないときには、プレイヤがクレーンゲーム装置104から離れたとみなしてペアリングを解除する。これを「第1のペアリング解除」とよぶ。まず、ペアリング管理部208は、クレーンゲーム装置104におけるペアリングを解除する。第1のペアリング解除のとき、クレーンゲーム装置104は解除要求をサーバ102に送信する。解除要求には、ゲーム機IDおよびプレイヤIDが含まれる。クレーンゲーム装置104のプレイヤ管理部170は解除要求を受信したとき、ペアリングを解除する。こうして、サーバ102およびクレーンゲーム装置104の双方においてペアリング解除となる。
なお、プレイが終了した際に、クレーンゲーム装置104に何らかの不具合が発生したときや、なかなか景品を取得できないとき、プレイヤが機器の管理者を呼んで状況を確認してもらうというアテンドを求めることがある。この場合、所定時間が経過してしまい、第1のペアリング解除が行われないよう、時間経過を一時停止もしくは停止させるための管理者のみが操作可能なスイッチ等の操作手段をクレーンゲーム装置104の内部(扉124を開けた内部等)に設けてもよい。
【0056】
プレイヤは、設定表示部144に表示される解除ボタン(不図示)をタッチすることでペアリングを解除することもできる。プレイヤが解除ボタンをタッチしたとき、ペアリング管理部208はペアリングを解除する。これを「第2のペアリング解除」とよぶ。このときも、まず、ペアリング管理部208がペアリングを解除する。第2のペアリング解除のときも、クレーンゲーム装置104は解除要求をサーバ102に送信する。クレーンゲーム装置104のプレイヤ管理部170は解除要求を受信したとき、ペアリングを解除する。
【0057】
第1および第2のペアリング解除のときには、最初にクレーンゲーム装置104においてペアリング解除がなされ、続いて、解除要求にしたがってサーバ102においてもペアリング解除がなされる。しかし、サーバ102とクレーンゲーム装置104の通信不調等の理由により、クレーンゲーム装置104から送信された解除要求がサーバ102に到達しない状況もあり得る。
【0058】
クレーンゲーム装置104は、ペアリングが成立しているときには、適宜、あるいは、定期的に、プレイヤIDを含む状態信号をサーバ102に送信する。したがって、第1または第2のペアリング解除が行われたあとは、クレーンゲーム装置104はプレイヤIDを含まない状態信号をサーバ102に送信する。
【0059】
たとえば、クレーンゲーム装置104(C01)とプレイヤ(P02)がペアリングしていたとする。その後、第1または第2のペアリング解除がなされたものの、クレーンゲーム装置104(C01)からサーバ102に解除要求が到達しなかったとする。この場合、クレーンゲーム装置104はペアリング解除をしているものの、サーバ102はペアリングを解除できていないという「ねじれ状態」が発生する。
【0060】
このようなねじれ状態を解消するため、プレイヤ管理部170は、クレーンゲーム装置104(C01)からプレイヤID=P02を含む状態信号を所定時間、たとえば、10分間以上受信しなかったときには、クレーンゲーム装置104(C01)からの解除要求がなくても、ペアリング解除を行う。以後、サーバ102は、新たなペアリング要求を受付可能となる。このようなサーバ102が自発的に行うペアリング解除を「第3のペアリング解除」とよぶ。
【0061】
なお、サーバ102は、ペアリング解除後は、より確実性を高めるため、クレーンゲーム装置104に対して解除要求を送信して、クレーンゲーム装置104においてもペアリング解除を実行させる。このように、クレーンゲーム装置104を起点としてペアリング解除したときにはクレーンゲーム装置104からサーバ102に解除要求を送信し、サーバ102を起点としてペアリング解除したときにはサーバ102からクレーンゲーム装置104に解除要求を送信することで、ペアリングに関する「ねじれ状態」が残らないようにエラー制御している。
【0062】
図7は、ペアリング情報220のデータ構造図である。
ペアリング情報220は、サーバ102のデータ格納部164に格納される。ゲーム機IDおよび店舗IDはあらかじめ対応づけられている。すなわち、サーバ102には、各クレーンゲーム装置104がいずれの店舗に設置されているかが登録されている。
【0063】
店舗ID=T01の店舗である店舗(T01)には、クレーンゲーム装置104(C01)~104(C04)が設置されている。また、クレーンゲーム装置104(C05)は店舗(T02)に設置されている。
【0064】
クレーンゲーム装置104(C01)はプレイヤ(P02)とペアリングされている。クレーンゲーム装置104(C02)はプレイヤ(P01)とペアリングされている。また、クレーンゲーム装置104(C04)はいずれのプレイヤともペアリングされていないので、現在は誰でもプレイ可能な状態にある。プレイヤ管理部170は、ペアリングが成立したときにはペアリング情報220にペアリングを登録し、解除要求を受信したときにはペアリング情報220からペアリングを削除する。
【0065】
[プレイポイント機能]
図8は、機種グループ情報240のデータ構造図である。
機種グループ情報240は、サーバ102のデータ格納部164に格納される。クレーンゲーム装置104の機種は種別IDにより識別される。図8に示す機種グループ情報240は、種別ID=K01に対応するクレーンゲーム装置104(以下、「クレーンゲーム装置104(K01)」「機種(K01)」のように表記する)のリストを示す。図8によれば、クレーンゲーム装置104(C01)、クレーンゲーム装置104(C02)、クレーンゲーム装置104(C05)等は、同一機種(K01)である。
【0066】
ゲームシステム100の運営者は、特定機種を対象として「キャンペーン」を設定する。本実施形態においては機種(K01)がキャンペーン対象機種として設定されたものとして説明する。キャンペーン対象となるのは、クレーンゲーム装置104(K01:C01)、クレーンゲーム装置104(K01:C02)、クレーンゲーム装置104(K01:C05)等である。プレイヤは、キャンペーン対象機種であるこれらのクレーンゲーム装置104のいずれかをプレイすることにより、ポイント(第1の特典)をもらうことができる。
【0067】
図9は、所持ポイント情報250のデータ構造図である。
所持ポイント情報250は、サーバ102のデータ格納部164に格納される。図9に示す所持ポイント情報250は、機種(K01)についてのプレイヤごとのプレイ料金の累計である投入金額とそれによって得られたポイントを示す。プレイヤ(P01)が、キャンペーン対象機種(K01)に該当するクレーンゲーム装置104(C01)をプレイしたとき、クレーンゲーム装置104(C01)はサーバ102にプレイ情報を送信する。上述したように、プレイ情報にはゲーム機ID、プレイヤID、クレジットの金額などが含まれる。クレジットの金額は、クレーンゲーム装置104(C01)のワンプレイあたりのプレイ料金である。また、プレイ前にペアリングが成立しているので、クレーンゲーム装置104(C01)はプレイ情報にプレイヤID=P01を含めて送信する。クレーンゲーム装置104(C01)は、ワンプレイごとにプレイ情報をサーバ102に送信する。
【0068】
サーバ102のプレイ情報取得部230は、各クレーンゲーム装置104からプレイ情報を受信する。プレイヤ管理部170は、機種ごと、プレイヤごとに、投入金額を集計する。図9によれば、プレイヤ(P01)のクレーンゲーム装置104(K01)への投入金額(累計)は5,500(円)である。より具体的には、プレイヤ(P01)がクレーンゲーム装置104(K01:C01)をプレイし、クレーンゲーム装置104(K01:C01)のプレイ料金が100(円)であるときには、プレイヤ管理部170はプレイヤ(P01)、機種(K01)についての投入金額に100(円)を加算する。また、プレイヤ(P01)が、同一機種、別筐体であるクレーンゲーム装置104(K01:C05)をプレイし、クレーンゲーム装置104(K01:C05)のプレイ料金が200(円)であるときには、プレイヤ管理部170は機種(K01)についての投入金額に200(円)を加算する。
【0069】
特典付与部232は、たとえば、投入金額100(円)あたり、10ポイント(pt)をプレイヤに付与する。すなわち、投入金額が100円増えるごとに第1特典条件が成立し、10(pt)がプレイヤに付与されることになる。図9によれば、プレイヤ(P01)の投入金額は5,500円なので、特典付与部232はプレイヤ(P01)に対して550(pt)を付与している。特典付与部232は、更に、プレイヤが100(pt)を溜めるごとに、プレイヤにクーポンを1枚付与する。本実施形態においては、クーポンは100(円)に相当する一種の金券である。プレイ料金が100(円)のクレーンゲーム装置104の場合、1枚のクーポンにより1クレジットを購入できる。
【0070】
より具体的には、特典付与部232はプレイヤ(P01)が100(pt)を溜めるごとに、プレイヤ(P01)に対応づけられるクーポンの枚数を加算する。サーバ102は、プレイヤごとにクーポンの枚数を管理している。プレイヤ(P01)がクレーンゲーム装置104とペアリングしたとき、サーバ102の送信部166はプレイヤ(P01)が保有するクーポンの枚数をクレーンゲーム装置104に通知する。プレイヤ(P01)はクレーンゲーム装置104において、所持枚数の範囲内にて、クーポンとクレジットの交換を指示する。クレジット管理部204は、プレイ料金が200(円)であれば、クーポン2枚とクレジット1個を交換する。プレイヤがクーポンを使用するときには、サーバ102はクーポン枚数を減算する。
このように、プレイヤは104を多数回プレイすることでポイントを溜め、ポイントを溜めることでクーポンを手に入れることができる。
【0071】
クーポンは、ポイントを蓄積することで付与されるが、プレイヤは蓄積したポイントを消費することで景品を手に入れることもできる。なお、投入金額あたりに付与されるポイントは、固定金額ではなく、時間(時刻)に応じて変動してもよいし、プレイヤ(P01)の過去の投入金額や景品取得の状況等に応じて決定されてもよい。
【0072】
図10は、景品対価情報260のデータ構造図である。
景品対価情報260は、サーバ102のデータ格納部164に格納される。上述したように、プレイヤがキャンペーン対象機種でクレーンゲームをプレイすることにより、ポイントを取得できる。所定数のポイントが溜まるごとに、特典付与部232はクーポンをプレイヤに付与する。このほか、プレイヤは、ポイントと景品(第2の特典)を交換することもできる。景品対価情報260は、各種景品の対価となるポイント数を示す。
【0073】
プレイヤは、たとえば、500(pt)を消費することで、景品「ぬいぐるみA」を手に入れることができる。すなわち、プレイヤが500(pt)を溜めることができれば、第2の特典条件が成立し、景品「ぬいぐるみA」を取得する権利を得る。景品「クッションD」は1,500(pt)、景品「バッグE」は700(pt)と交換できる。このように、景品対価情報260は各種景品のポイントによる「対価」を示す。
【0074】
図11は、景品交換画面270の画面図である。
景品交換画面270は、会員登録したプレイヤのユーザ端末110に表示される。プレイヤがユーザ端末110からサーバ102にアクセスしてマイページの表示を指示したとき、サーバ102は景品交換画面270をユーザ端末110に画面表示させる。サーバ102のプレイヤ管理部170は、所持ポイント情報250および景品対価情報260を参照して景品交換画面270を生成する。図11は、プレイヤ(P04)のユーザ端末110に表示される景品交換画面270を示す。
【0075】
プレイヤ(P04)の所持するポイントは1,120(pt)である(図9参照)。景品「クッションD」の対価は1,500(pt)なので、プレイヤ(P04)は景品「クッションD」を取得できない。このため、クッションDとの交換指示のため交換ボタン272はグレーアウト表示され、選択不可となっている。
【0076】
一方、景品「バッグE」の対価は700(pt)なので、取得可能である。ユーザ端末110は、プレイヤ(P04)の所持ポイントが景品の対価以上であるときには、交換ボタン272を選択可能に表示させる。
【0077】
プレイヤ(P04)は、景品「バッグE」を欲しいときにはゲームセンターなどに設けられる交換所にユーザ端末110をもっていき、担当者に景品交換画面270を見せる。担当者は、プレイヤ(P04)に景品「バッグE」を渡すとともに、景品「バッグE」に対応する交換ボタン272をプレイヤ(P04)の代わりにタッチする。このとき、ユーザ端末110からサーバ102に、プレイヤID、交換ポイント数「700」、バッグEに対応する景品IDが送信される。サーバ102のプレイヤ管理部170は、所持ポイント情報250を更新し、プレイヤ(P04)の所持ポイントから700(pt)を減算する。以上の処理過程を経て、プレイヤ(P04)はポイント(第1の特典)と景品(第2の特典)を交換できる。
【0078】
担当者は、プレイヤのユーザ端末110ではなく、店舗端末から、プレイヤID、交換対象となる景品IDをサーバ102に送信し、サーバ102に所持ポイント情報250を更新させてもよい。
【0079】
[総括]
以上、実施形態に基づいてゲームシステム100を説明した。
プレイヤは、クレーンゲームをプレイする前にペアリング処理を行う。ユーザ端末110により二次元コード218を撮像するだけなので、プレイヤは手軽にペアリング処理を実行できる。ペアリングをしていれば、サーバ102は「誰がどのクレーンゲーム装置104でどのくらいプレイをしているか」を示すプレイ情報を収集できる。
【0080】
プレイヤは、ペアリングをしたあと、クレーンゲームをプレイすれば、サーバ102は自動的に所持ポイント情報250を更新する。累計の投入金額が多くなるほど、プレイヤは多くのポイントをもらうことができる。プレイヤはポイントを溜めることで、クーポンをもらうことができる。また、ポイントを溜めることでさまざまな景品を手に入れることができる。このため、技量に乏しいプレイヤであっても、プレイをし続けることで確実に特典(見返り)を得ることができる。クレーンゲームに失敗したとしても、クレーンゲームに投入した金額がまったくの無駄になってしまうことはない。
【0081】
プレイヤは、会員登録しなくてもクレーンゲームをプレイできるが、会員登録をすることによりプレイ履歴に応じた特典を得ることができる。プレイ履歴に基づいて特典を提供する仕組みにより、プレイヤの会員登録を促すことができる。また、ポイントあるいは景品などの特典はクレーンゲームのプレイ中に提供する必要はないので、クレーンゲーム装置104の顧客回転率を維持しやすい。
【0082】
本発明は上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。上記実施形態や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成してもよい。また、上記実施形態や変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。
【0083】
[変形例]
本実施形態においては、プレイヤは、クレーンゲーム装置104とのペアリング処理を実行した上で、クレーンゲームをプレイするとして説明した。変形例として、ペアリング処理を実行しなくても、クレーンゲームをプレイ可能としてもよい。
【0084】
ユーザ端末110のCSソフトウェアは、プレイヤIDを符号化した二次元コードをユーザ端末110の画面に表示させてもよい。クレーンゲーム装置104が内蔵するカメラにより、この二次元コードを撮像させる。そして、ユーザ端末110ではなくクレーンゲーム装置104が、ゲーム機IDおよびプレイヤIDを含むペアリング要求をサーバ102に送信してもよい。
【0085】
プレイヤは、ユーザ端末110にクレーンゲーム装置104のゲーム機IDを手動で入力してもよい。あるいは、プレイヤは、クレーンゲーム装置104にプレイヤIDを手動入力してもよい。この場合にも、ユーザ端末110またはクレーンゲーム装置104は、ゲーム機IDおよびプレイヤIDを含むペアリング要求をサーバ102に送信できる。
【0086】
プレイヤはクレーンゲーム装置104の解除ボタン(不図示)をタッチすることで第2のペアリング解除がなされるとして説明した。変形例として、プレイヤがユーザ端末110のCSアプリケーションが表示させる解除ボタン(不図示)をタッチしたとき、第2のペアリング解除がなされるとしてもよい。具体的には、プレイヤがユーザ端末110の解除ボタンをタッチすると、ユーザ端末110はプレイヤIDを含む解除要求をサーバ102に送信する。サーバ102は、指定されたプレイヤIDを対象としてペアリングが成立しているクレーンゲーム装置104を特定し、ペアリングを解除する。また、サーバ102は、該当するクレーンゲーム装置104に対して解除要求を送信し、クレーンゲーム装置104においてもペアリング解除させる。
【0087】
プレイヤが、クレーンゲームにおいて景品獲得に失敗したとき、特典付与部232は成功時よりも多くのポイントをプレイヤに付与するとしてもよい。技量に乏しいプレイヤほどポイントによる還元を得やすくなるため、クレーンゲームへの挑戦意欲を喚起されやすくなる。クレーンゲームにおいて景品獲得に成功したときには、特典付与部232はプレイヤにポイントを付与しないとしてもよい。
【0088】
逆に、プレイヤが、クレーンゲームにおいて景品獲得に成功したときには、特典付与部232はより多くのポイントをプレイヤに付与するとしてもよい。このような制御方法によれば、景品獲得にともなう達成感をポイントの付与によっていっそう高めることができる。
【0089】
本実施形態においては、特典付与部232は、投入金額に応じてポイントを付与するとして説明した。特典付与部232は景品獲得成否に応じて付与すべきポイントを変化させてもよい。あるいは、特典付与部232はクレーンゲームの累計プレイ時間に応じてポイントを付与してもよい。
【0090】
本実施形態においては、ポイント付与の対象となる機種、いいかえれば、キャンペーン対象機種を設定するとして説明した。変形例として、キャンペーンの対象機種は同一機種でなくてもよい。たとえば、クレーンゲーム装置104(C01)と、クレーンゲーム装置104(C01)とは別機種のクレーンゲーム装置104(C03)を同じキャンペーンXの対象としてもよい。この場合、プレイヤはクレーンゲーム装置104(C01)およびクレーンゲーム装置104(C03)のいずれをプレイした場合でも、キャンペーンXについてのポイントを増加させることができる。
【0091】
ある店舗に設置される複数のクレーンゲーム装置104の全部または一部を対象として店舗運営者がキャンペーンを設定してもよい。あるいは、ある店舗に設定される1台のクレーンゲーム装置104をポイント付与の対象機種として設定してもよい。あるいは、全店舗における全クレーンゲーム装置104をポイント付与の対象としてもよい。
【0092】
ペアリングしたプレイヤに対しては、特典付与部232はポイントを付与する。ペアリングしていないプレイヤ、いいかえれば、会員登録していないプレイヤに対して、特典付与部232はポイントを付与しない。しかし、サーバ102は会員登録していないプレイヤについてのプレイ情報も収集してもよい。プレイヤを特定できなくても、各クレーンゲーム装置104におけるプレイ傾向を分析する上で、プレイ情報の収集は有用である。
【0093】
プレイヤは、ユーザ端末110からポイントと景品の交換をできてもよい。ユーザ端末110から景品交換を指示したとき、サーバ102はプレイヤがあらかじめ登録している住所に景品を配送するように物流会社に配送指示してもよい。
【0094】
本実施形態においては、クレーンゲーム装置104からサーバ102にプレイ情報が送信されるとして説明した。変形例として、クレーンゲーム装置104からユーザ端末110にBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信によりプレイ情報を送信し、ユーザ端末110からサーバ102にプレイ情報を送信するとしてもよい。
【符号の説明】
【0095】
100 ゲームシステム、102 サーバ、104 クレーンゲーム装置、106 インターネット、108 中継装置、110 ユーザ端末、112 基台、114 景品収容部、116 景品載置台、118 クレーン、120 モニタ、122 カメラ、124 扉、126 第1領域、128 第2領域、130 落下口、132 景品ストック空間、134 景品取出口、136 操作卓、138 コイン投入口、140 ICカードリーダ、142 操作部、142a 操作ボタン、142b 操作ボタン、144 設定表示部、146 アーム、148 クレーン駆動部、150 立柱、160 通信部、162 データ処理部、164 データ格納部、166 送信部、168 受信部、170 プレイヤ管理部、180 ユーザインタフェース処理部、182 機構部、184 通信部、186 データ処理部、188 データ格納部、190 出力部、192 表示部、194 送信部、196 受信部、198 ゲーム制御部、200 クレーン制御部、202 移動判定部、204 クレジット管理部、206 コード生成部、208 ペアリング管理部、210 初期画面、212 単一プレイボタン、214 複数プレイボタン、216 ペアリング設定領域、218 二次元コード、220 ペアリング情報、230 プレイ情報取得部、232 特典付与部、234 キー生成部、240 機種グループ情報、250 所持ポイント情報、260 景品対価情報、270 景品交換画面、272 交換ボタン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11