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特開2024-120655要員配置システム、要員配置プログラム、及び要員配置方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120655
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】要員配置システム、要員配置プログラム、及び要員配置方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0631 20230101AFI20240829BHJP
【FI】
G06Q10/0631
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027607
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】潤井 慎一
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA09
5L049AA09
(57)【要約】
【課題】処理対象の難易度を考慮しない場合に比較して、より効率的な要員の配置を行うことができる要員配置システム、要員配置プログラム、及び要員配置方法を得る。
【解決手段】システム管理サーバ10は、複数の処理対象における予め定められた処理単位毎の難易度、予め定められた複数の要員の単位作業量、及び上記複数の処理対象の件数を取得する取得部11Aと、取得部11Aによって取得された処理単位毎の難易度、複数の要員の単位作業量、及び上記件数を用いて、複数の要員の配置を行う配置部11Bと、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の処理対象における予め定められた処理単位毎の難易度、予め定められた複数の要員の単位作業量、及び前記複数の処理対象の件数を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記処理単位毎の難易度、前記複数の要員の単位作業量、及び前記件数を用いて、前記複数の要員の配置を行う配置部と、
を含む要員配置システム。
【請求項2】
前記配置部は、前記処理対象を前記難易度の各々毎に区分し、区分した前記処理対象の各々に対して、当該難易度に対応して予め定められた優先順位に応じて前記要員を配置することで、前記複数の要員の配置を行う、
請求項1に記載の要員配置システム。
【請求項3】
前記優先順位は、前記要員の前記処理対象に対する処理能力に応じて予め定められた順位である、
請求項2に記載の要員配置システム。
【請求項4】
前記取得部は、前記件数として、過去の実績値を用いて得られた推定値を取得する、
請求項1に記載の要員配置システム。
【請求項5】
前記取得部は、前記単位作業量として、過去の実績値を用いて得られた推定値を取得する、
請求項1に記載の要員配置システム。
【請求項6】
前記予め定められた処理単位は、前記処理対象の種類毎との単位、及び前記処理対象の処理数毎との単位である、
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の要員配置システム。
【請求項7】
複数の処理対象における予め定められた処理単位毎の難易度、予め定められた複数の要員の単位作業量、及び前記複数の処理対象の件数を取得し、
取得した前記処理単位毎の難易度、前記複数の要員の単位作業量、及び前記件数を用いて、前記複数の要員の配置を行う、
処理をコンピュータに実行させる要員配置プログラム。
【請求項8】
プロセッサが、
複数の処理対象における予め定められた処理単位毎の難易度、予め定められた複数の要員の単位作業量、及び前記複数の処理対象の件数を取得し、
取得した前記処理単位毎の難易度、前記複数の要員の単位作業量、及び前記件数を用いて、前記複数の要員の配置を行う、
処理を実行する要員配置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、要員配置システム、要員配置プログラム、及び要員配置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
銀行、証券会社、保険会社等の金融機関におけるエントリ業務等では、帳票等の大量の処理対象を複数の要員によって処理しており、いかに効率よく処理を行うかが課題となっている。
【0003】
このために適用することができる技術として、特許文献1には、オペレータの習熟度をより正確に算出することができるようにすることを目的としたサーバが開示されている。
【0004】
このサーバは、オペレータによる帳票のエントリ処理時間を取得する処理時間取得部と、帳票の未処理件数を取得する未処理件数取得部と、前記処理時間取得部により取得された前記エントリ処理時間、前記未処理件数取得部により取得された前記未処理件数、および前記オペレータの識別情報を対応付けて記憶する記憶部と、前記オペレータの習熟度を、前記識別情報と対応付けられて前記記憶部に記憶された前記エントリ処理時間および前記未処理件数に基づいて算出する算出部と、を備えている。
【0005】
この技術を適用して、各要員の習熟度を考慮して、処理対象に対して各要員を配置すれば、より効率のよい要員の配置を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014-235686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、業務の内容によっては、同一の処理対象であっても、処理の難易度が異なるものが混在する場合がある。例えば、銀行におけるエントリ業務においては、定型の振込帳票に対する為替業務は帳票の種類も少なく、比較的難易度は低い。これに対して、諸々の申請を行う諸届業務や、相続・差押業務等では、帳票の種類も多岐にわたり、それぞれ特殊なノウハウも必要であり、その難易度は高い。
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示されている技術を用いる技術等の従来の技術では、このような処理対象の難易度の高さには考慮されていないため、必ずしも効率よく要員を配置することができるとは限らない、という問題点があった。
【0009】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、処理対象の難易度を考慮しない場合に比較して、より効率的な要員の配置を行うことができる要員配置システム、要員配置プログラム、及び要員配置方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の要員配置システムは、複数の処理対象における予め定められた処理単位毎の難易度、予め定められた複数の要員の単位作業量、及び前記複数の処理対象の件数を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記処理単位毎の難易度、前記複数の要員の単位作業量、及び前記件数を用いて、前記複数の要員の配置を行う配置部と、を含むことを特徴としている。
【0011】
本発明の要員配置プログラムは、複数の処理対象における予め定められた処理単位毎の難易度、予め定められた複数の要員の単位作業量、及び前記複数の処理対象の件数を取得し、取得した前記処理単位毎の難易度、前記複数の要員の単位作業量、及び前記件数を用いて、前記複数の要員の配置を行う、処理をコンピュータに実行させる。
【0012】
本発明の要員配置方法は、プロセッサが、複数の処理対象における予め定められた処理単位毎の難易度、予め定められた複数の要員の単位作業量、及び前記複数の処理対象の件数を取得し、取得した前記処理単位毎の難易度、前記複数の要員の単位作業量、及び前記件数を用いて、前記複数の要員の配置を行う、処理を実行する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、処理対象の難易度を考慮しない場合に比較して、より効率的な要員の配置を行うことができる要員配置システム、要員配置プログラム、及び要員配置方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態に係る要員配置システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2】実施形態に係るシステム管理サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】実施形態に係るシステム管理サーバの機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図4】第1実施形態に係る日別予測件数データベースの構成の一例を示す模式図である。
図5】実施形態に係る要員スキルデータベースの構成の一例を示す模式図である。
図6】第1実施形態に係る難易度割合データベースの構成の一例を示す模式図である。
図7】第1実施形態に係る難易度別内訳データベースの構成の一例を示す模式図である。
図8】第1実施形態に係る優先順位データベースの構成の一例を示す模式図である。
図9】第1実施形態に係る処理量データベースの構成の一例を示す模式図である。
図10】第1実施形態に係る要員配置データベースの構成の一例を示す模式図である。
図11】第1実施形態に係る要員配置処理の一例を示すフローチャートである。
図12】第2実施形態に係る日別予測件数データベースの構成の一例を示す模式図である。
図13】第2実施形態に係る難易度割合データベースの構成の一例を示す模式図である。
図14】第2実施形態に係る難易度別内訳データベースの構成の一例を示す模式図である。
図15】第2実施形態に係る優先順位データベースの構成の一例を示す模式図である。
図16】第2実施形態に係る処理量データベースの構成の一例を示す模式図である。
図17】第2実施形態に係る要員配置データベースの構成の一例を示す模式図である。
図18】第2実施形態に係る要員配置処理の一例を示すフローチャートである。
図19】従来技術の問題点の説明に供する図であり、難易度を考慮しない場合の要員配置データベースの構成の一例を示す模式図である。
図20】従来技術の問題点の説明に供する図であり、難易度を考慮する場合の要員配置データベースの構成の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態例を詳細に説明する。なお、本実施形態では、本発明を、銀行(以下、「対象銀行」ともいう。)において紙の帳票を用いたエントリ業務を行うシステムに適用した場合について説明する。
【0016】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係る要員配置システム90の構成の一例を示すブロック図である。
【0017】
本実施形態に係る要員配置システム90は、システム管理サーバ10と、為替システムサーバ20A、口振システムサーバ20B、諸届システムサーバ20C、及び相続・差押システムサーバ20Dを含む各種システムサーバと、を含む。システム管理サーバ10及び各種システムサーバは、対象銀行におけるサーバ室30に設けられている。
【0018】
また、本実施形態に係る要員配置システム90は、運営管理端末40と、予め定められた複数の要員によって共有して用いられる複数のクライアント端末を含んで構成された共有クライアント50と、各要員によって共有して用いられる大型スキャナ60と、を含む。運営管理端末40、共有クライアント50の各クライアント端末、及び大型スキャナ60は、対象銀行における事務集中センタ70に設けられている。
【0019】
システム管理サーバ10、上記各種システムサーバ、運営管理端末40、共有クライアント50の各クライアント端末、及び大型スキャナ60は、専用ネットワークN(例えば、LAN「ローカルエリアネットワーク」)に接続され、相互に情報の通信を実行可能としている。
【0020】
本実施形態に係るシステム管理サーバ10は、要員配置システム90において中心的な役割を担うものであり、各要員の配置計画(以下、「要員配置計画」ともいう。)の策定も行う。
【0021】
また、本実施形態に係る上記各種システムサーバは、要員配置システム90において対象としている業務の各々毎に個別に設けられたサーバである。例えば、為替システムサーバ20Aは、お金の振り込みを受け付ける業務のためのサーバであり、諸届システムサーバ20Cは、諸々の申請を受け付ける業務のためのサーバである。
【0022】
一方、本実施形態に係る運営管理端末40は、事務集中センタ70における管理者が用いる端末であり、システム管理サーバ10によって策定された要員配置計画の各要員への展開、当該要員配置計画の進捗状況の管理、要員の出退勤の管理等を行う。
【0023】
更に、本実施形態に係る共有クライアント50の各クライアント端末は、要員の各々が用いる端末であり、用いる要員が処理を行う業務の種類に対応した上記各種システムサーバと連携して当該業務を行う。
【0024】
システム管理サーバ10、上記各種システムサーバ、運営管理端末40、及び共有クライアント50の各クライアント端末の例としては、パーソナルコンピュータ及びサーバコンピュータ等の情報処理装置が挙げられる。
【0025】
次に、図2を参照して、本実施形態に係るシステム管理サーバ10の構成を説明する。図2は、本実施形態に係るシステム管理サーバ10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0026】
図2に示すように、本実施形態に係るシステム管理サーバ10は、プロセッサとしてのCPU(Central Processing Unit)11、一時記憶領域としてのメモリ12、不揮発性の記憶部13、キーボードとマウス等の入力部14、液晶ディスプレイ等の表示部15、媒体読み書き装置(R/W)16及び通信インタフェース(I/F)部18を備えている。CPU11、メモリ12、記憶部13、入力部14、表示部15、媒体読み書き装置16及び通信I/F部18はバスBを介して互いに接続されている。媒体読み書き装置16は、記録媒体17に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体17への情報の書き込みを行う。
【0027】
本実施形態に係る記憶部13はHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部13には、要員配置プログラム13Aが記憶されている。要員配置プログラム13Aは、要員配置プログラム13Aが書き込まれた記録媒体17が媒体読み書き装置16にセットされ、媒体読み書き装置16が記録媒体17からの要員配置プログラム13Aの読み出しを行うことで、記憶部13へ記憶(インストール)される。CPU11は、要員配置プログラム13Aを記憶部13から適宜読み出してメモリ12に展開し、当該要員配置プログラム13Aが有するプロセスを順次実行する。
【0028】
また、記憶部13には、日別予測件数データベース13B、要員スキルデータベース13C、難易度割合データベース13D、難易度別内訳データベース13E、優先順位データベース13F、処理量データベース13G、及び要員配置データベース13Hが記憶される。これらのデータベースについては、詳細を後述する。
【0029】
次に、図3を参照して、本実施形態に係るシステム管理サーバ10の機能的な構成について説明する。図3は、本実施形態に係るシステム管理サーバ10の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0030】
図3に示すように、本実施形態に係るシステム管理サーバ10は、取得部11A及び配置部11Bを含む。システム管理サーバ10のCPU11が要員配置プログラム13Aを実行することで、取得部11A及び配置部11Bとして機能する。
【0031】
本実施形態に係る取得部11Aは、複数の処理対象における予め定められた処理単位毎の難易度、予め定められた複数の要員の単位作業量、及び上記複数の処理対象の件数を取得する。そして、本実施形態に係る配置部11Bは、取得部11Aによって取得された処理単位毎の難易度、複数の要員の単位作業量、及び件数を用いて、当該複数の要員の配置を行う。
【0032】
なお、本実施形態では、取得部11Aによる各情報の取得を、予め記憶部13に構築された各種データベースから読み出すことによって行っているが、これに限るものではない。例えば、システム管理サーバ10のユーザや、運営管理端末40のユーザ等に対して上記各情報を入力させて取得することにより、当該各情報の取得を行う形態としてもよい。また、本実施形態では、上記処理対象として、対象銀行においてエントリ業務で用いられる各種帳票を適用しているが、これに限るものではない。例えば、証券会社や、保険会社等の銀行以外の金融機関の業務で用いられる各種帳票を、上記処理対象として適用する形態としてもよい。
【0033】
特に、本実施形態に係る配置部11Bは、処理対象を難易度の各々毎に区分し、区分した処理対象の各々に対して、当該難易度に対応して予め定められた優先順位に応じて要員を配置することで、複数の要員の配置を行う。ここで、本実施形態では、上記優先順位として、要員の処理対象に対する処理能力に応じて予め定められた順位を適用しているが、これに限るものではない。例えば、各要員自身によって予め申告された優先順位を、上記優先順位として適用する形態としてもよい。
【0034】
また、本実施形態に係る取得部11Aは、上記件数として、過去の実績値(本実施形態では、1年前の実績値)を用いて得られた推定値を取得し、上記単位作業量として、過去の実績値(本実施形態では、1か月前の実績値)を用いて得られた推定値を取得しているが、これに限るものではない。例えば、上記件数及び上記単位作業量ともに、運営管理端末40のユーザである管理者等によって経験値を入力させる形態としてもよい。また、過去の実績値として1年前の実績値を例示したが、上記件数の推定方法はこれに限らない。例えば、上記件数の推定値は、処理対象日の属性(曜日、月末、月初め、祝日、銀行の営業日)のみから推定されるものであってもよい。また、過去の実績値を用いて上記件数を推定する方法としては、1年前の同一暦日の実績値を推定値としたり、過去の処理履歴のうち、処理対象日の属性が類似する日の実績値を推定値としたりしてもよい。例えば、平日の1月31日の上記件数の推定値を求める場合、1年前の1月末の平日の実績値を当該推定値として用いてもよい。
【0035】
そして、本実施形態では、上記予め定められた処理単位として、処理対象の処理数毎との単位を適用している。但し、この形態に限るものではなく、例えば、処理対象の種類毎との単位を、上記予め定められた処理単位として適用する形態としてもよい。なお、この形態の一例については、第2実施形態にて詳述する。
【0036】
次に、図4図10を参照して、本実施形態に係る各種データベースについて説明する。
【0037】
まず、図4を参照して、本実施形態に係る日別予測件数データベース13Bについて説明する。図4は、本実施形態に係る日別予測件数データベース13Bの構成の一例を示す模式図である。
【0038】
図4に示すように、本実施形態に係る日別予測件数データベース13Bは、月日、及び予測件数の各情報が記憶されている。
【0039】
上記月日は、システム管理サーバ10による要員配置計画の策定対象とする日の日付を示す情報であり、上記予測件数は、対応する日に処理するべき、上記処理対象(本実施形態では、帳票)の件数の予測値を示す情報である。なお、本実施形態では、当該予測件数として、過去の実績値を用いて得られた推定値を適用していることは、上述した通りである。
【0040】
図4に示す例では、例えば、2月1日に処理対象とする帳票の件数が1000件である場合が例示されている。
【0041】
次に、図5を参照して、本実施形態に係る要員スキルデータベース13Cについて説明する。図5は、本実施形態に係る要員スキルデータベース13Cの構成の一例を示す模式図である。
【0042】
図5に示すように、本実施形態に係る要員スキルデータベース13Cは、要員名、及び処理能力の各情報が記憶されている。
【0043】
上記要員名は、対応する要員を特定するための情報であり、本実施形態では、当該要員の名前を適用している。また、上記処理能力は、上述した単位作業量に相当する情報で、対応する要員の処理対象とする帳票に対する処理能力を示す情報であり、本実施形態では、1時間当たりの処理件数を示す情報を適用している。
【0044】
図5に示す例では、例えば、Aさん(以下、「要員A」という。)が1時間に処理可能な帳票の件数は100件である場合が例示されている。
【0045】
次に、図6を参照して、本実施形態に係る難易度割合データベース13Dについて説明する。図6は、本実施形態に係る難易度割合データベース13Dの構成の一例を示す模式図である。
【0046】
図6に示すように、本実施形態に係る難易度割合データベース13Dは、難易度、係数、及び割合の各情報が記憶されている。
【0047】
上記難易度は、処理対象とする帳票を処理する際の難易度の高さを示す情報であり、本実施形態では、難易度が高い順に「難易」、「平均」、及び「簡易」の3段階の情報を適用している。また、上記係数は、対応する難易度の帳票を処理する場合における、上述した処理能力の調整に用いる情報であり、上記割合は、対応する難易度の帳票の、上述した予測件数に占める割合を示す情報である。
【0048】
図6に示す例では、例えば、難易度が「簡易」の帳票は、各要員による処理能力が2倍となり、かつ、1日の予測件数に占める割合が20%である場合が例示されている。
【0049】
次に、図7を参照して、本実施形態に係る難易度別内訳データベース13Eについて説明する。図7は、本実施形態に係る難易度別内訳データベース13Eの構成の一例を示す模式図である。
【0050】
図7に示すように、本実施形態に係る難易度別内訳データベース13Eは、月日、予測件数、難易度、及び件数内訳の各情報が記憶されている。
【0051】
上記月日及び上記予測件数は、各々、日別予測件数データベース13Bの月日及び予測件数と同一の情報であり、上記難易度は、難易度割合データベース13Dの難易度と同一の情報である。また、上記件数内訳は、対応する月日において処理する、対応する難易度の帳票の件数を示す情報であり、対応する予測件数に対して、対応する難易度に対応する上記割合を乗じることにより算出される。
【0052】
図7に示す例では、例えば、2月1日に処理すべき帳票の予測件数が1000件であり、この場合の難易度が「簡易」である帳票の件数が200件(=1000×0.2)であることが例示されている。
【0053】
次に、図8を参照して、本実施形態に係る優先順位データベース13Fについて説明する。図8は、本実施形態に係る優先順位データベース13Fの構成の一例を示す模式図である。
【0054】
図8に示すように、本実施形態に係る優先順位データベース13Fは、要員名、及び優先順位の各情報が記憶されている。
【0055】
上記要員名は、要員スキルデータベース13Cの要員名と同一の情報であり、上記優先順位は、対応する要員に対して優先される難易度の優先順位を示す情報である。
【0056】
図8に示す例では、例えば、要員Aは、各々帳票の処理に対する難易度が「平均」、「難易」、「簡易」の順に優先順位が定められている場合が例示されている。
【0057】
次に、図9を参照して、本実施形態に係る処理量データベース13Gについて説明する。図9は、本実施形態に係る処理量データベース13Gの構成の一例を示す模式図である。
【0058】
図9に示すように、本実施形態に係る処理量データベース13Gは、難易度、及び単位処理件数の各情報が記憶されている。
【0059】
上記難易度は、難易度割合データベース13Dの難易度と同一の情報であり、上記単位処理件数は、対応する難易度の帳票を、対応する要員が1コマ(本実施形態では、15分)当たりに処理する件数を示す情報である。この単位処理件数は、対応する要員が、対応する難易度の帳票を1時間当たりに処理する件数を、上記1コマ当たりの件数に換算することで算出することができる。
【0060】
図9に示す例では、例えば、要員Aは、難易度が「簡易」である帳票を1コマ当たり50件処理することができることが例示されている。
【0061】
次に、図10を参照して、本実施形態に係る要員配置データベース13Hについて説明する。図10は、本実施形態に係る要員配置データベース13Hの構成の一例を示す模式図である。本実施形態に係る要員配置データベース13Hは、システム管理サーバ10により、詳細を後述する要員配置処理(図11も参照。)が実行されることによって構築されるデータベースである。
【0062】
図10に示すように、本実施形態に係る要員配置データベース13Hは、月日毎、かつ、コマ毎、かつ、帳票の難易度毎の、各要員が処理を行う帳票の件数を示す情報が記憶される。なお、図10では、錯綜を回避するために、1日分のみの情報を例示しているが、実際には、要員配置計画の対象とする全ての日程について、同様の情報が登録される。
【0063】
図10に示す例では、要員Aについては、2月1日の1コマ目から4コマ目までに難易度が「平均」とされた帳票を25件ずつ処理し、5コマ目及び6コマ目に、難易度が「難易」とされた帳票を13件ずつ処理することが登録された場合が例示されている。
【0064】
ここで、図19図20を参照して、難易度を考慮しない場合における要員の配置の問題点について説明する。図20は、難易度を考慮しない場合の要員配置データベースの構成の一例を示す模式図であり、図21は、難易度を考慮した場合の要員配置データベースの構成の一例を示す模式図である。なお、ここでは、日別予測件数データベース13B及び要員スキルデータベース13Cが図4及び図5に示すものである場合について説明する。
【0065】
この場合、要員A、要員B、要員C、及び要員Dの各要員の1コマ当たりの処理能力は、各々、25件(=100/4)、50件(=200/4)、125件(=500/4)、50件(=200/4)となる。
【0066】
そして、この場合において2月1日における要員の配置を行った場合、要員配置データベース13Hは図19に示すものとなる。即ち、各要員が上述した1コマ当たりの処理能力を全て用いることで、1コマ目から4コマ目までに全ての帳票を処理することができる要員配置計画となる。
【0067】
しかしながら、実際には、処理対象とする帳票の難易度によって、各要員の処理能力が変わるため、必ずしも図19に示したように、4コマ目で処理が終了するとは限らない。
【0068】
例えば、難易度割合データベース13Dにおける係数が図6に示したものである場合、簡易な帳票に対しては2倍の処理件数となり、平均な帳票に対しては等倍の処理件数となり、難易な帳票に対しては0.5倍の処理件数となる。このため、この場合、要員Aが簡易な帳票を処理する場合の処理能力は50件/コマ(=25×2)となり、要員Bが難易な帳票を処理する場合の処理能力は25件/コマ(=50×0.5)となる。同様に、要員Cが難易な帳票を処理する場合の処理能力は63件/コマ(=125×0.5)となり、要員Dが平均な帳票を処理する場合の処理能力は50件/コマ(=50×1)となる。
【0069】
従って、これらの数値を用いて2月1日における要員の配置を行った場合、要員配置データベース13Hは図20に示すものとなる。即ち、各要員がフルに処理を行っても4コマ目までには処理は終了せず、その時点で250件もの未処理の帳票が生じることになる。
【0070】
そこで、本実施形態に係る要員配置処理では、上述したように、処理対象の難易度を考慮して要員の配置を行う。
【0071】
次に、図11を参照して、要員配置処理を実行する場合における、本実施形態に係るシステム管理サーバ10の作用(要員配置方法)を説明する。システム管理サーバ10のユーザによって要員配置プログラム13Aの実行を開始する指示入力が入力部14を介して行われた場合に、システム管理サーバ10のCPU11が当該プログラム13Aを実行することにより、図11に示す要員配置処理が実行される。なお、ここでは、錯綜を回避するために、日別予測件数データベース13B、要員スキルデータベース13C、難易度割合データベース13D、及び優先順位データベース13Fが構築済みである場合について説明する。また、ここでは、錯綜を回避するために、処理対象とする期間(要員の配置対象とする期間)が翌月の1か月間である場合について説明する。
【0072】
図11のステップ100で、CPU11は、要員スキルデータベース13Cから全ての要員に対応する処理能力を示す情報(以下、「処理能力情報」という。)を読み出すことで取得し、難易度割合データベース13Dから各難易度に対応する係数及び割合を示す情報(以下、「係数割合情報」という。)を読み出すことで取得する。また、ステップ100で、CPU11は、優先順位データベース13Fから全ての要員に対応する優先順位を示す情報(以下、「優先順位情報」という。)を読み出すことで取得する。
【0073】
ステップ102で、CPU11は、日別予測件数データベース13Bから処理対象とする期間における1日目(以下、「処理対象日」という。)の予測件数(以下、「処理対象予測件数」という。)を読み出すことで取得する。
【0074】
ステップ104で、CPU11は、取得した係数割合情報における難易度別の割合を処理対象予測件数に乗じることで難易度別の件数内訳を導出し、処理対象日、取得した処理対象予測件数、及び導出した件数内訳を難易度別内訳データベース13Eに登録する。この処理により、難易度別内訳データベース13Eに対して処理対象日の情報が登録されることになる。
【0075】
ステップ106で、CPU11は、取得した要員別の処理能力情報に対して、取得した係数割合情報における難易度別の係数を乗じると共に、1コマ(本実施形態では、15分)当たりの値に換算することで、要員別、かつ、難易度別の単位処理件数を導出する。そして、CPU11は、導出した値を処理量データベース13Gに登録する。この処理により、一例として図9に示す処理量データベース13Gが構築されることになる。
【0076】
ステップ108で、CPU11は、以上の処理によって得られた値を用いて、要員配置処理を以下のように実行する。なお、以下では、図10に示す要員配置データベース13Hを参照しつつ、説明する。
【0077】
即ち、CPU11は、難易度別内訳データベース13Eに登録した難易度別の件数内訳の各々別に、1コマ目の処理対象とする帳票の各要員への割り振りを、取得した要員毎の優先順位に則って行い、要員配置データベース13Hに登録する。
【0078】
この結果、図10に示すように、要員Aについては、優先順位の1位が「平均」であり、かつ、「平均」の単位処理件数が25件/コマであるため、1コマ目の要員Aの処理対象として「平均」の帳票が選択され、かつ、25件の処理を行うことが登録される。
【0079】
同様に、要員Bについては、処理対象として「簡易」の帳票が選択され、100件の処理を行うことが登録され、要員Cについては、処理対象として「難易」の帳票が選択され、63件の処理を行うことが登録される。更に、要員Dについては、処理対象として「平均」の帳票が選択され、50件の処理を行うことが登録される。
【0080】
CPU11は、以上の1コマ目に対する処理を、以降のコマについても同様に実行する。これにより、一例として図10に示すように、6コマ目で全ての処理が終了する計画が要員配置計画として策定されることになる。
【0081】
ステップ110で、CPU11は、処理対象とする期間の全てについて以上の処理が終了したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ102に戻る一方、肯定判定となった場合は本要員配置処理を終了する。なお、ステップ102~ステップ110の処理を繰り返し実行する場合、CPU11は、直前の処理対象日の翌日を処理対象日とするようにする。
【0082】
以上説明したように、本実施形態によれば、複数の処理対象における予め定められた処理単位毎の難易度、予め定められた複数の要員の単位作業量、及び上記複数の処理対象の件数を取得し、取得した処理単位毎の難易度、複数の要員の単位作業量、及び件数を用いて、複数の要員の配置を行っている。従って、処理対象の難易度を考慮しない場合に比較して、より効率的な要員の配置を行うことができる。
【0083】
また、本実施形態によれば、処理対象を難易度の各々毎に区分し、区分した処理対象の各々に対して、当該難易度に対応して予め定められた優先順位に応じて要員を配置することで、複数の要員の配置を行っている。従って、要員毎の優先順位を考慮しない場合に比較して、より効率的な要員の配置を行うことができる。
【0084】
また、本実施形態によれば、優先順位として、要員の処理対象に対する処理能力に応じて予め定められた順位を適用している。従って、当該処理能力を考慮しない場合に比較して、より効率的な要員の配置を行うことができる。
【0085】
また、本実施形態によれば、上記件数として、過去の実績値を用いて得られた推定値を取得している。従って、過去の実績値を用いない場合に比較して、より簡易に上記件数を取得することができる。
【0086】
また、本実施形態によれば、上記単位作業量として、過去の実績値を用いて得られた推定値を取得している。従って、過去の実績値を用いない場合に比較して、より簡易に上記単位作業量を取得することができる。
【0087】
更に、本実施形態によれば、上記予め定められた処理単位として、処理対象の処理数毎との単位を適用している。従って、当該処理単位が処理対象の処理数毎との単位である態様において、本発明の効果を享受することができる。
【0088】
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、上記予め定められた処理単位として、処理対象の処理数毎との単位を適用した場合について説明した。本実施形態では、上記予め定められた処理単位として、処理対象の種類毎との単位を適用した場合について説明する。
【0089】
本実施形態に係る要員配置システム90の構成、及びシステム管理サーバ10のハードウェア構成及び機能構成は上記第1実施形態に係る要員配置システム90(図1参照。)、及びシステム管理サーバ10(図2図3参照)と略同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0090】
本実施形態に係る要員配置システム90では、各々難易度が異なる複数の種類の帳票が処理対象とされている。
【0091】
以下、図12図17を参照して、本実施形態に係る各種データベースについて説明する。なお、本実施形態に係る要員スキルデータベース13Cは上記第1実施形態で示した図5に示すものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0092】
まず、図12を参照して、本実施形態に係る日別予測件数データベース13Bについて説明する。図12は、本実施形態に係る日別予測件数データベース13Bの構成の一例を示す模式図である。
【0093】
図12に示すように、本実施形態に係る日別予測件数データベース13Bは、月日、帳票名、及び予測件数の各情報が記憶されている。
【0094】
上記月日及び上記予測件数は、第1実施形態に係る日別予測件数データベース13Bの月日及び予測件数と同様の情報であり、上記帳票名は、帳票の名称を示す情報である。即ち、本実施形態に係る日別予測件数データベース13Bでは、月日別で、かつ、帳票の種類別に、対応する日に処理するべき、帳票の件数の予測値を示す情報が登録されている。
【0095】
次に、図13を参照して、本実施形態に係る難易度割合データベース13Dについて説明する。図13は、本実施形態に係る難易度割合データベース13Dの構成の一例を示す模式図である。
【0096】
図13に示すように、本実施形態に係る難易度割合データベース13Dは、帳票名、難易度、及び係数の各情報が記憶されている。
【0097】
上記難易度及び上記係数は、第1実施形態に係る難易度割合データベース13Dの難易度及び係数と同様の情報であり、上記帳票名は、帳票の名称を示す情報である。即ち、本実施形態では、帳票の種類別に難易度が異なるものとされており、帳票の種類毎に係数が登録されている。
【0098】
次に、図14を参照して、本実施形態に係る難易度別内訳データベース13Eについて説明する。図14は、本実施形態に係る難易度別内訳データベース13Eの構成の一例を示す模式図である。
【0099】
図14に示すように、本実施形態に係る難易度別内訳データベース13Eは、月日、予測件数、帳票名、及び件数内訳の各情報が記憶されている。
【0100】
上記月日、上記予測件数、及び上記件数内訳は、各々、第1実施形態に係る難易度別内訳データベース13Eの月日、予測件数、及び件数内訳と同様の情報であり、上記帳票名は、帳票の名称を示す情報である。即ち、本実施形態に係る難易度別内訳データベース13Eでは、件数内訳として、日別予測件数データベース13Bに登録されている帳票別の予測件数そのものが適用されている。
【0101】
次に、図15を参照して、本実施形態に係る優先順位データベース13Fについて説明する。図15は、本実施形態に係る優先順位データベース13Fの構成の一例を示す模式図である。
【0102】
図15に示すように、本実施形態に係る優先順位データベース13Fは、要員名及び優先順位の各情報が記憶されている点は、第1実施形態に係るものと同様であるが、対象とする情報が難易度ではなく、帳票そのものである点が第1実施形態とは相違している。
【0103】
次に、図16を参照して、本実施形態に係る処理量データベース13Gについて説明する。図16は、本実施形態に係る処理量データベース13Gの構成の一例を示す模式図である。
【0104】
図16に示すように、本実施形態に係る処理量データベース13Gは、帳票名、及び単位処理件数の各情報が記憶されている。
【0105】
即ち、本実施形態に係る処理量データベース13Gでは、帳票の種類毎に、第1実施形態に係るものと同様の単位処理件数が登録されている。
【0106】
次に、図17を参照して、本実施形態に係る要員配置データベース13Hについて説明する。図17は、本実施形態に係る要員配置データベース13Hの構成の一例を示す模式図である。本実施形態に係る要員配置データベース13Hもまた、システム管理サーバ10により、詳細を後述する要員配置処理(図18も参照。)が実行されることによって構築されるデータベースである。
【0107】
図17に示すように、本実施形態に係る要員配置データベース13Hは、難易度に代えて帳票名が適用されている点が、第1実施形態に係る要員配置データベース13Hと異なっている。
【0108】
次に、図18を参照して、要員配置処理を実行する場合における、本実施形態に係るシステム管理サーバ10の作用(要員配置方法)を説明する。システム管理サーバ10のユーザによって要員配置プログラム13Aの実行を開始する指示入力が入力部14を介して行われた場合に、システム管理サーバ10のCPU11が当該プログラム13Aを実行することにより、図18に示す要員配置処理が実行される。なお、ここでは、錯綜を回避するために、日別予測件数データベース13B、要員スキルデータベース13C、難易度割合データベース13D、及び優先順位データベース13Fが構築済みである場合について説明する。また、ここでは、錯綜を回避するために、処理対象とする期間(要員の配置対象とする期間)が翌月の1か月間である場合について説明する。
【0109】
図18のステップ200で、CPU11は、要員スキルデータベース13Cから全ての要員に対応する処理能力を示す情報、即ち上記処理能力情報を読み出すことで取得し、難易度割合データベース13Dから各帳票(=各難易度)に対応する係数を示す情報(以下、「係数情報」という。)を読み出すことで取得する。また、ステップ200で、CPU11は、優先順位データベース13Fから全ての要員に対応する優先順位を示す情報、即ち優先順位情報を読み出すことで取得する。
【0110】
ステップ202で、CPU11は、日別予測件数データベース13Bから処理対象とする期間における1日目、即ち処理対象日の全ての帳票に対応する予測件数(以下、「帳票別処理対象予測件数」という。)を読み出すことで取得する。
【0111】
ステップ204で、CPU11は、取得した帳票別処理対象予測件数を合算することで予測件数を導出し、処理対象日、導出した予測件数、帳票名、及び取得した帳票別処理対象予測件数(件数内訳)を難易度別内訳データベース13Eに登録する。この処理により、難易度別内訳データベース13Eに対して処理対象日の情報が登録されることになる。
【0112】
ステップ206で、CPU11は、取得した要員別の処理能力情報に対して、取得した係数情報における帳票別の係数を乗じると共に、1コマ(本実施形態では、15分)当たりの値に換算することで、要員別、かつ、帳票別の単位処理件数を導出する。そして、CPU11は、導出した値を処理量データベース13Gに登録する。この処理により、一例として図16に示す処理量データベース13Gが構築されることになる。
【0113】
ステップ208で、CPU11は、以上の処理によって得られた値を用いて、要員配置処理を以下のように実行する。なお、以下では、図17に示す要員配置データベース13Hを参照しつつ、説明する。
【0114】
即ち、CPU11は、難易度別内訳データベース13Eに登録した帳票別の件数内訳の各々別に、1コマ目の処理対象とする帳票の各要員への割り振りを、取得した要員毎の優先順位に則って行い、要員配置データベース13Hに登録する。
【0115】
この結果、図17に示すように、要員Aについては、優先順位の1位が「帳票c」であり、かつ、「帳票c」の単位処理件数が25件/コマであるため、1コマ目の要員Aの処理対象として「帳票c」が選択され、かつ、25件の処理を行うことが登録される。
【0116】
同様に、要員Bについては、処理対象として「帳票a」が選択され、100件の処理を行うことが登録され、要員Cについては、処理対象として「帳票f」が選択され、63件の処理を行うことが登録される。更に、要員Dについては、処理対象として「帳票b」が選択され、100件の処理を行うことが登録される。
【0117】
CPU11は、以上の1コマ目に対する処理を、以降のコマについても同様に実行する。これにより、一例として図17に示すように、6コマ目で全ての処理が終了する計画が要員配置計画として策定されることになる。
【0118】
ステップ210で、CPU11は、処理対象とする期間の全てについて以上の処理が終了したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ202に戻る一方、肯定判定となった場合は本要員配置処理を終了する。なお、ステップ202~ステップ210の処理を繰り返し実行する場合、CPU11は、直前の処理対象日の翌日を処理対象日とするようにする。
【0119】
以上説明したように、本実施形態によれば、上記予め定められた処理単位として、処理対象の種類毎との単位を適用している。従って、当該処理単位が処理対象の種類毎との単位である態様において、本発明の効果を享受することができる。
【0120】
なお、上記各実施形態では、難易度別内訳データベース13E及び処理量データベース13Gを取得した情報から導出する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、これらの情報を、ユーザに対して直接入力させる形態としてもよい。
【0121】
また、上記各実施形態では、本発明を図1に示した要員配置システム90に適用した場合について説明したが、本発明の要員配置システムの構成は、図1に示すものに限定されるものでないことは言うまでもない。
【0122】
また、上記各実施形態で示した各データベースの構成は一例であり、一部の情報を削除したり、新たな情報を追加したりしてもよいことは言うまでもない。
【0123】
また、上記各実施形態で示した要員配置処理を示すフローチャートも一例であり、各ステップの処理順序を入れ替えたり、一部のステップを削除したり、新たなステップを追加したりしてもよいことは言うまでもない。
【0124】
また、上記各実施形態において、例えば、取得部11A及び配置部11Bの各処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0125】
処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0126】
処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0127】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。
【符号の説明】
【0128】
10 システム管理サーバ
11 CPU
11A 取得部
11B 配置部
12 メモリ
13 記憶部
13A 要員配置プログラム
13B 日別予測件数データベース
13C 要員スキルデータベース
13D 難易度割合データベース
13E 難易度別内訳データベース
13F 優先順位データベース
13G 処理量データベース
13H 要員配置データベース
14 入力部
15 表示部
16 媒体読み書き装置
17 記録媒体
18 通信I/F部
20A 為替システムサーバ
20B 口振システムサーバ
20C 諸届システムサーバ
20D 相続・差押システムサーバ
30 サーバ室
40 運営管理端末
50 共有クライアント
60 大型スキャナ
70 事務集中センタ
90 要員配置システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20