IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セメス カンパニー,リミテッドの特許一覧

特開2024-12066電源供給パネル、電源供給構造物及び基板移送設備
<>
  • 特開-電源供給パネル、電源供給構造物及び基板移送設備 図1
  • 特開-電源供給パネル、電源供給構造物及び基板移送設備 図2
  • 特開-電源供給パネル、電源供給構造物及び基板移送設備 図3
  • 特開-電源供給パネル、電源供給構造物及び基板移送設備 図4
  • 特開-電源供給パネル、電源供給構造物及び基板移送設備 図5
  • 特開-電源供給パネル、電源供給構造物及び基板移送設備 図6
  • 特開-電源供給パネル、電源供給構造物及び基板移送設備 図7
  • 特開-電源供給パネル、電源供給構造物及び基板移送設備 図8
  • 特開-電源供給パネル、電源供給構造物及び基板移送設備 図9
  • 特開-電源供給パネル、電源供給構造物及び基板移送設備 図10
  • 特開-電源供給パネル、電源供給構造物及び基板移送設備 図11
  • 特開-電源供給パネル、電源供給構造物及び基板移送設備 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012066
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】電源供給パネル、電源供給構造物及び基板移送設備
(51)【国際特許分類】
   H02B 1/56 20060101AFI20240118BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20240118BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240118BHJP
   H02B 3/00 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
H02B1/56 A
H01L21/68 A
H05K7/20 G
H02B3/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060065
(22)【出願日】2023-04-03
(31)【優先権主張番号】10-2022-0087397
(32)【優先日】2022-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】518162784
【氏名又は名称】セメス カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジェ ボン
(72)【発明者】
【氏名】ユン,キ ソブ
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジョン ソク
【テーマコード(参考)】
5E322
5F131
5G016
【Fターム(参考)】
5E322BA01
5E322BB03
5F131AA02
5F131CA38
5F131DA22
5F131DC06
5F131GA14
5G016AA04
5G016CG03
5G016CG08
5G016CG17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】空間効率性を向上させ、電気ケーブルの維持補修を容易にする電源供給パネル、電源供給構造物、および基板位相設備を提供する。
【解決手段】本発明による電源供給パネルは、ファブ10の壁体10aに形成された溝または孔構造の埋め込み空間部Bに前面部が開放された側に配置されるように埋め込まれ、電源を供給する電源供給本体131と、上記電源供給本体の前面部に形成された放熱部132と、を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源を供給する電源供給本体と、
前記電源供給本体に内蔵された放熱ファンによって空気が前記電源供給本体内に吸入される吸入部と、前記電源供給本体の外側に排出される排出部を含み、前記吸入部及び前記排出部が前記電源供給本体の前面部に形成された放熱部と、を含む、電源供給パネル。
【請求項2】
前記電源供給本体は、ファブの壁体に形成された溝または孔構造の埋め込み空間部に前記前面部が開放された側に配置されるように埋め込まれ、
前記吸入部は、前記電源供給本体の前面部の下部に形成され、前記排出部は、前記前面部の上部に形成された、請求項1に記載の電源供給パネル。
【請求項3】
前記電源供給本体に形成され、前記電源が印加される電気ケーブルが連結されるケーブル連結部をさらに含み、
前記ケーブル連結部は、前記電源供給本体の上面部及び下面部のそれぞれに独立して形成された、請求項1に記載の電源供給パネル。
【請求項4】
前記埋め込み空間部における前記電源供給本体の下側の底に、前記電源供給本体を固定させるメインアンカーと、をさらに含み、
前記メインアンカーは、
前記電源供給本体の下面の側部に設けられて下方延長した連結部と、
前記電源供給本体の側方向に突出しないように、前記連結部から前記電源供給本体の下面の中央部に向かって延長し、前記電源供給本体の下側の底に支持されて固定される固定部と、を含む、請求項2に記載の電源供給パネル。
【請求項5】
前記埋め込み空間部における前記電源供給本体の後側の壁面に、前記電源供給本体の上部を固定させる上部アンカーと、をさらに含み、
前記上部アンカーは、前記電源供給本体の上面の後部に設けられて上方延長し、前記電源供給本体の後側の壁面に支持されて固定される、請求項4に記載の電源供給パネル。
【請求項6】
前記埋め込み空間部における前記電源供給本体の後側の底に、前記電源供給本体の後部を固定させる後部アンカーと、をさらに含み、
前記後部アンカーは、前記電源供給本体の後面の下部に設けられて下方延長し、前記電源供給本体の後側の底に支持されて固定される、請求項4に記載の電源供給パネル。
【請求項7】
ファブ(FAB)に形成された溝または孔構造の埋め込み空間部と、
前記埋め込み空間部の開放された側に前面部が配置されるように前記埋め込み空間部に埋め込まれ、電源を供給する電源供給本体と、
前記電源供給本体の前面部に形成された放熱部と、を含む、電源供給構造物。
【請求項8】
前記放熱部は、前記電源供給本体に内蔵された放熱ファンによって空気が前記電源供給本体内に吸入される吸入部と、前記電源供給本体の外側に排出される排出部を含み、
前記吸入部は、前記前面部の下部に形成され、前記排出部は、前記前面部の上部に形成された、請求項7に記載の電源供給構造物。
【請求項9】
前記電源供給本体に形成され、前記電源が印加される電気ケーブルが連結されるケーブル連結部をさらに含み、
前記ケーブル連結部は、前記電源供給本体の上面部及び下面部のそれぞれに独立して形成された、請求項7に記載の電源供給構造物。
【請求項10】
前記埋め込み空間部は、前記ファブの半導体製造空間側に開放された構造で前記ファブの壁体に形成される、請求項7に記載の電源供給構造物。
【請求項11】
前記ファブは、壁体の外部にエアダクトが配置されたダクト室が形成され、
前記埋め込み空間部は、前記ダクト室側に開放された構造または前記ファブの半導体製造空間と前記ダクト室の両側に開放された構造からなる、請求項7に記載の電源供給構造物。
【請求項12】
前記ファブは、メインファブ及び前記メインファブの下階であるサブファブを含み、
前記埋め込み空間部は、前記メインファブの壁体に形成された、請求項7に記載の電源供給構造物。
【請求項13】
前記ファブは、メインファブと前記メインファブの下階であるサブファブを含み、
前記埋め込み空間部は、前記メインファブの天井部または前記メインファブとサブファブとの間のスラブに形成された、請求項7に記載の電源供給構造物。
【請求項14】
ファブ(FAB)内の天井に設けられたレールに沿って移動するOHT台車と、
前記レールに設けられた電気ケーブルと、
前記ファブの壁体に形成された溝または孔構造の埋め込み空間部に前面部が開放された側に配置されるように埋め込まれ、前記電気ケーブルが連結されて前記電気ケーブルを介して前記OHT台車に電源を供給する電源供給本体と、
前記埋め込み空間部側ではない方向に開放されるように、前記電源供給本体の前面部に形成された放熱部と、を含む、基板移送設備。
【請求項15】
前記放熱部は、前記電源供給本体に内蔵された放熱ファンによって空気が前記電源供給本体内に吸入される吸入部と、前記電源供給本体の外側に排出される排出部を含み、
前記吸入部は、前記前面部の下部に形成され、前記排出部は、前記前面部の上部に形成された、請求項14に記載の基板移送設備。
【請求項16】
前記電源供給本体に形成され、前記電気ケーブルが連結されるケーブル連結部をさらに含み、
前記ケーブル連結部は、前記電源供給本体の上面部及び下面部のそれぞれに独立して形成された、請求項14に記載の基板移送設備。
【請求項17】
前記埋め込み空間部は、前記ファブ内の半導体製造空間側に開放された構造からなり、前記放熱部が形成された前記電源供給本体の前面部は、前記半導体製造空間に向かうように配置された、請求項14に記載の基板移送設備。
【請求項18】
前記ファブは、前記壁体の外部にエアダクトが配置されたダクト室が形成され、前記埋め込み空間部は、前記ダクト室側に開放された構造または前記ファブ内の半導体製造空間と前記ダクト室の両側に開放された構造からなり、
前記放熱部が形成された前記電源供給本体の前面部は、前記ダクト室に向かうように配置され、前記電気ケーブルは、前記電源供給本体から前記ダクト室を介して前記半導体製造空間側に配置された、請求項14に記載の基板移送設備。
【請求項19】
前記ファブは、メインファブ及び前記メインファブの下階であるサブファブを含み、
前記電源供給本体は、前記メインファブの壁体に埋め込まれて配置された、請求項14に記載の基板移送設備。
【請求項20】
前記ファブは、メインファブ及び前記メインファブの下階であるサブファブを含み、
前記埋め込み空間部は、前記メインファブの天井部または前記メインファブとサブファブとの間のスラブに形成された、請求項14に記載の基板移送設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源供給パネル、電源供給構造物及び基板移送設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体(またはディスプレイ)製造工程は、基板(例:ウエハ)上に半導体素子を製造するための工程であり、例えば露光、蒸着、エッチング、イオン注入、洗浄、パッケージングなどを含む。半導体素子を製造するための製造工場として、ファブは複数の階からなり、半導体製造工程を行うための設備が各フロアに配置される。
【0003】
半導体製造工程の効率を最大化するために、各半導体製造工程を改善する方法だけでなく、各製造設備間に物品(例:基板)を迅速かつ効率的に搬送するための技法が導入されている。代表的には、ファブ内部の半導体製造空間の天井に設けられた経路に沿って物品を搬送するOHT(overhead hoist transport)システムが適用されている。一般的に、OHTシステムは、天井に設けられたレールと、このようなレールに設けられた天井搬送台車を含む。天井搬送台車は、レールに沿って走行しながらFOUP(Front Opening Unified Pod)に収められた基板を生産工程別の製造設備に搬送する。また、半導体製造設備間の搬送中に物品の保管が必要な場合、当該物品を保管するための保管システムが設けられることができる。
【0004】
一方、天井搬送台車は電気エネルギーを動力源として用いることができる。このために、天井搬送台車に電気エネルギーを供給するために電気ケーブルがレールに沿って配置されることができる。電気ケーブルは、非接触電力供給方式によって天井搬送台車に電気エネルギーを伝達することができ、このような非接触電源供給システムは、HID(high-efficiency inductive power distribution)またはCPS(contactless power supply)と呼ばれることができる。
【0005】
このような非接触電源供給システムで電源を供給する電源供給パネルがファブのサブファブに埋め込まれない構造で単純配置されることにより、空間効率性が低下し、電気ケーブルが複雑に配置されるという限界点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国登録特許公報第10-0919499号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記のような限界点を解決するために創案されたものであり、空間効率性を向上させ、電気ケーブルの維持補修を容易にする電源供給パネル、電源供給構造物、及び基板移送設備を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明による電源供給パネルは、電源を供給する電源供給本体と、上記電源供給本体に内蔵された放熱ファンによって空気が上記電源供給本体内に吸入される吸入部と、上記電源供給本体の外側に排出される排出部を含み、上記吸入部と上記排出部が上記電源供給本体の前面部に形成された放熱部と、を含む。
【0009】
上記電源供給本体は、ファブの壁体に形成された溝または孔構造の埋め込み空間部に上記前面部が開放された側に配置されるように埋め込まれ、上記吸入部は、上記電源供給本体の前面部の下部に形成され、上記排出部は、上記前面部の上部に形成されることができる。
【0010】
本発明は、上記電源供給本体に形成され、上記電源が印加される電気ケーブルが連結されるケーブル連結部をさらに含み、上記ケーブル連結部は、上記電源供給本体の上面部及び下面部のそれぞれに独立して形成されることができる。
【0011】
本発明は、上記埋め込み空間部における上記電源供給本体の下側の底に、上記電源供給本体を固定させるメインアンカーと、をさらに含み、上記メインアンカーは、上記電源供給本体の下面の側部に設けられて下方延長する連結部と、上記電源供給本体の側方向に突出しないように、上記連結部から上記電源供給本体の下面の中央部に向かって延長し、上記電源供給本体の下側の底に支持されて固定される固定部と、を含むことができる。
【0012】
本発明は、上記埋め込み空間部における上記電源供給本体の後側の壁面に、上記電源供給本体の上部を固定させる上部アンカーをさらに含み、上記上部アンカーは、上記電源供給本体の上面の後部に設けられて上方延長し、上記電源供給本体の後側の壁面に支持されながら固定されることができる。
【0013】
本発明は、上記埋め込み空間部における上記電源供給本体の後側の底に、上記電源供給本体の後部を固定させる後部アンカーをさらに含み、上記後部アンカーは、上記電源供給本体の後面の下部に設けられて下方延長し、上記電源供給本体の後側の底に支持されて固定されることができる。
【0014】
本発明の他の側面によると、ファブ(FAB)に形成された溝または孔構造の埋め込み空間部と、上記埋め込み空間部の開放された側に前面部が配置されるように上記埋め込み空間部に埋め込まれ、電源を供給する電源供給本体と、上記電源供給本体の前面部に形成された放熱部と、を含む電源供給構造物が提供されることができる。
【0015】
上記埋め込み空間部は、上記ファブの半導体製造空間側に開放された構造で上記ファブの壁体に形成される。
【0016】
上記ファブは、壁体の外部にエアダクトが配置されたダクト室が形成され、上記埋め込み空間部は、上記ダクト室側に開放された構造または上記ファブの半導体製造空間と上記ダクト室の両側に開放された構造からなることができる。
【0017】
上記ファブは、メインファブと上記メインファブの下階であるサブファブを含み、一例として、上記埋め込み空間部は、上記メインファブの壁体に形成されることができる。他の一例として、上記埋め込み空間部は、上記メインファブの天井部に形成されることができる。また他の一例として、上記メインファブとサブファブとの間のスラブに形成されることができる。
【0018】
本発明のまた他の側面によると、ファブ(FAB)内の天井に設けられたレールに沿って移動するOHT台車と、上記レールに設けられた電気ケーブルと、上記ファブの壁体に形成された溝または孔構造の埋め込み空間部に前面部が開放された側に配置されるように埋め込まれ、上記電気ケーブルが連結されて上記電気ケーブルを介して上記OHT台車に電源を供給する電源供給本体と、上記埋め込み空間部側ではない方向に開放されるように、上記電源供給本体の前面部に形成された放熱部と、を含む基板移送設備が提供されることができる。
【0019】
上記埋め込み空間部は、上記ファブ内の半導体製造空間側に開放された構造からなり、上記放熱部が形成された上記電源供給本体の前面部は、上記半導体製造空間に向かうように配置されることができる。
【0020】
上記ファブは、上記壁体の外部にエアダクトが配置されたダクト室が形成され、上記埋め込み空間部は、上記ダクト室側に開放された構造または上記ファブ内の半導体製造空間と上記ダクト室の両側に開放された構造からなることができる。
【0021】
上記放熱部が形成された上記電源供給本体の前面部は、上記ダクト室に向かうように配置され、上記電気ケーブルは、上記電源供給本体から上記ダクト室を介して上記半導体製造空間側に配置されることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、電源供給本体がファブで埋め込み空間部に埋め込まれた構造をとることによって空間効率性を向上させることができる。
【0023】
また、本発明は、埋め込み空間部がメインファブの壁体に形成されることにより、メインファブのレールまで続く電気ケーブルの長さが短くなり、電気ケーブルの配置構造も単純になるため、電気ケーブルの維持補修が簡単かつ容易であることができる。
【0024】
また、本発明は、放熱部が電源供給本体において埋め込み空間部の開放された側に配置された前面部に形成されることで、電源供給本体が埋め込み型配置構造を成しても放熱が円滑に行われることができる。
【0025】
そして、本発明は、電源供給本体の上面部と下面部のそれぞれに独立してケーブル連結部を構成されることにより、埋め込み空間部及び周辺設備のレイアウト(Layout)構成に応じて、電源供給本体の上面部及び下面部のうち一つのケーブル連結部を選択して活用することができる。これにより、本発明は、電気ケーブルを電源供給本体からOHT台車まで簡単かつ効果的に連結することができる。
【0026】
さらに、本発明は、電源供給本体の側方向に突出しないメインアンカーが構成されることで、埋め込み型構造でも電源供給本体を堅固かつ安定的に固定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】従来技術による電源供給パネルがサブファブに配置されたことを示した図面である。
図2図1の電源供給パネルにおける放熱部を介して空気が吸入及び排出されることを示した図面である。
図3】本発明による電源供給パネルがメインファブの壁体に形成された第1実施例の埋め込み空間部に埋め込まれたことを示した図面である。
図4】本発明による電源供給パネルがサブファブの壁体に形成された第2実施例の埋め込み空間部に埋め込まれたことを示した図面である。
図5図3の電源供給パネルを示した図面である。
図6図3の電源供給パネルにおける放熱部を介して空気が吸入及び排出されることを示した図面である。
図7】(a)は、図3の電源供給パネルの上面部を示し、(b)は、図3の電源供給パネルの下面部を示した図面である。
図8】本発明による電源供給パネルの電源供給本体にメインアンカー及び上部アンカーが設けられたことを示した図面である。
図9】本発明による電源供給パネルがメインファブの壁体に形成された第3実施例の埋め込み空間部に埋め込まれたことを示した図面である。
図10図9の電源供給パネルにおける放熱部を介して空気が吸入及び排出されることを示した図面である。
図11】本発明による電源供給パネルの電源供給本体にメインアンカー及び後部アンカーが設けられたことを示した図面である。
図12】本発明による電源供給パネルがメインファブの天井部に形成された第4実施例の埋め込み空間部に埋め込まれたことを示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付の図面を参照して、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が本発明を容易に実施することができるように好ましい実施例を詳細に説明する。但し、本発明の好ましい実施例を詳細に説明するに当たり、関連する公知の機能または構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にする可能性があると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。なお、類似した機能及び作用をする部分については、図面全体にわたって同一符号を付与する。なお、本明細書において、「上」、「上部」、「上面」、「下」、「下部」、「下面」、「側面」などの用語は図面などを基準としたものであり、実際には構成要素が配置される方向によって変わることができる。
【0029】
なお、明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結」されているとするとき、これは「直接的に連結」されている場合だけでなく、その間に他の構成要素を挟んで「間接的に連結」されている場合も含まれる。さらに、ある構成要素を「含む」とは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0030】
図1は、従来技術による電源供給パネルがサブファブに配置されたことを示した図面であり、図2は、図1の電源供給パネルにおける放熱部を介して空気が吸入及び排出されることを示した図面である。
【0031】
半導体ファブ、ディスプレイファブ、医薬品や食品製造工場などのように清浄または超清浄(super clean)状態を要するところには、クリーンルームが提供されている。例えば、半導体を製造するファブ(FAB)は、メインファブとその下側のサブファブに分けられ、メインファブとサブファブとの間には、コンクリートスラブが形成される。メインファブは、クリーンルームを成し、内部に各半導体製造工程に用いられる半導体製造装置が設置される。サブファブの上側領域には、メインファブの半導体生産装備に電源を供給するための電気配線が施工され、下側領域には、電源を供給する電源供給パネルが設けられる。
【0032】
図面を参照すると、ファブ10で上側に配置されたメインファブ11には、天井に基板が収められたフープ(FOU)を搬送するOHT台車(Overhead Hoist Transport台車、天井搬送台車)1が配置される。OHT台車1は、電気ケーブル2を介して電源供給パネル3から電源が供給されて移動する。このとき、HID(high-efficiency inductive power distribution)は、非接触電源供給システムを称する。
【0033】
一方、電源供給パネル3は、ファブ10内部の多くの半導体製造設備に電源を供給するために数百個が必要である。ところで、半導体製造設備で満たされたメインファブ11には、数百個の電源供給パネル3を配置するには、空間が非常に不足するため、メインファブ11ではなくサブファブ12に配置される。
【0034】
ところで、電源供給パネル3は、サブファブ12内で埋め込まれていない配置構造として、設備配置区域で単に壁体と隣接して配置される。このような配置構造を有する数百個の電源供給パネル3は、サブファブ12内の設備配置区域の空間効率性を低下させるという限界点がある。
【0035】
また、電源供給パネル3は、ファブ10でメインファブ11ではなく、メインファブ11の下側に配置されたサブファブ12に配置される。これにより、電気ケーブル2がサブファブ12からメインファブ11まで長く設けられる必要がある。数百個の電源供給パネル3から続く非常に多い電気ケーブル2は、2階にわたって長くかつ複雑に設けられることで、今後問題発生時の維持補修の側面において困難が多いという限界点がある。
【0036】
上述された限界点を克服するために、本発明は、電源供給パネルがファブから埋め込み型に配置され、さらにサブファブではなくメインファブに設けられることができる。これに対する具体的な説明は、以下のとおりである。
【0037】
図3は、本発明による電源供給パネルがメインファブの壁体に形成された第1実施例の埋め込み空間部に埋め込まれたことを示した図面であり、図4は、本発明による電源供給パネルがサブファブの壁体に形成された第2実施例の埋め込み空間部に埋め込まれたことを示した図面である。
【0038】
図面を参照すると、本発明による基板移送設備100は、OHT台車110、電気ケーブル120、電源供給パネル130を含む。
【0039】
上記OHT台車(Overhead Hoist Transport台車、天井搬送台車)110は、ファブ(FAB)10内の天井に設けられたレールRに沿って移動する。具体的には、OHT台車110は、ファブ10でメインファブ11の天井に設けられたレールRに設けられ、レールRに沿って移動する構造をとる。電気ケーブル120は、このようなOHT台車110に連結され、電源供給パネル130から印加された電源を非接触式にOHT台車110に供給する。
【0040】
上記電源供給パネル130は、電源供給本体131及び放熱部132を含む。
【0041】
まず、電源供給本体131は、電気ケーブル120を介してOHT台車110に電源を非接触式に供給するように構成される。電源供給本体131は、電源を供給するために電気的に必要な構成要素を含むことができる。このような電源供給本体131は、ファブ10に形成された溝または孔構造の埋め込み空間部Bに埋め込まれる。このとき、埋め込み空間部Bは、電源供給パネル130と共に本発明の電源供給構造物の構成要素であることができる。埋め込み空間部Bは、具体的な一例として、ファブ10において図3に示したように、メインファブ11の壁体10aに溝構造で形成されることができ、他の一例として図4に示したように、サブファブ12の壁体10aに溝構造で形成されることができる。一方、埋め込み空間部Bは、また他の一例として、図12に示したように、ファブ10の天井部10bに溝構造で形成されることもできる。さらに、埋め込み空間部Bは図面には示されていないが、メインファブ11とサブファブ12との間のスラブ(図12の10c)に形成されることもできる。このように本発明は、電源供給本体131がファブ10において埋め込み空間部Bに埋め込まれた構造をとることで空間効率性を向上させることができる。
【0042】
ファブ10は、メインファブ11及びメインファブ11の下階であるサブファブ12を含むことができるが、このとき、埋め込み空間部Bはメインファブ11の壁体10aに形成されることができる。このように、本発明は電源供給本体131がサブファブ12ではなく、メインファブ11の壁体10aに形成された埋め込み空間部Bに埋め込まれることができる。したがって、メインファブ11のレールRまで続く電気ケーブル120の長さが短くなり、電気ケーブル120の配置構造も単純になるため、電気ケーブル120の維持補修が簡単かつ容易であることができる。
【0043】
一方、電源供給本体131は埋め込み空間部Bに引き込まれて埋め込み配置する際に、前面部131aが埋め込み空間部Bの開放された側に配置される。これにより、前面部131aに設けられた制御部が作業者によって円滑に操作されることができ、前面部131aに設けられたディスプレイ部によって作業者が視覚的に円滑に確認することができる。
【0044】
また、本発明の放熱部132は、電源供給本体131の前面部131aに形成される。すなわち、放熱部132は、電源供給本体131において埋め込み空間部Bの開放された側に形成される。これにより、放熱部132は、埋め込み空間部Bで閉鎖された側ではなく開放された側に向かって配置される。すなわち、埋め込み空間部Bは、ファブ10の半導体製造空間10d側に開放された構造からなり、このとき、放熱部132が形成された電源供給本体131の前面部131aは半導体製造空間10dに向かうように配置されることができる。電源供給本体131は、空間効率性を高めるために埋め込み空間部Bに埋め込まれるが、この場合、空間効率性の側面で電源供給本体131は、埋め込み空間部Bの内面(後面、上下面、両側面)と密着した構造をとる。このような埋め込み構造において電源供給本体131の放熱を円滑にするために、放熱部132は、電源供給本体131において埋め込み空間部Bの開放された側に配置された前面部131aに形成される。従来には、図2に示したように、電源供給パネル3が埋め込み型配置構造ではないため、後面と下面を介して吸気が行われ、側面を介して排気が行われるように構成される。これに対し、本発明は、図5に示したように、放熱部132が電源供給本体131において埋め込み空間部Bの開放された側に配置された前面部131aに形成されることで、電源供給本体131が埋め込み型配置構造を成しても、放熱を円滑に行うことができる。
【0045】
図5は、図3の電源供給パネルを示した図面であり、図6は、図3の電源供給パネルにおける放熱部を介して空気が吸入及び排出されることを示した図面である。
【0046】
図面を参照すると、本発明による電源供給パネル130の放熱部132は、吸入部132a及び排出部132bを含む。吸入部132aは、電源供給本体131に内蔵された放熱ファンによって空気が電源供給本体131内に吸入される部分である。排出部132bは、電源供給本体131に内蔵された放熱ファンによって空気が電源供給本体131の外部に排出される部分である。このとき、吸入部132aは電源供給本体131の前面部131aの下部に形成され、排出部132bは前面部131aの上部に形成されることができる。このように、吸入部132aは、排出部132bより低い高さに配置されることで、より低い温度の空気を吸入することができるため、放熱効果を高めることができる。
【0047】
図7の(a)は、図3の電源供給パネルの上面部を示し、(b)は、図3の電源供給パネルの下面部を示した図面である。
【0048】
図3及び図7を参照すると、本発明による電源供給パネル130は、ケーブル連結部133をさらに含むことができる。ケーブル連結部133は電源供給本体131に形成され、電源が印加される電気ケーブル120が連結される。このようなケーブル連結部133は、電源供給本体131の上面部131b及び下面部131cのそれぞれに独立して形成されることができる。電源供給本体131が埋め込み空間部Bに埋め込まれる構成をとることによって、埋め込み空間部Bの形状構造及び周辺設備の配置構造によって電気ケーブル120の配置が影響を受けるようになる。これによって、埋め込み空間部Bの形状構造及び周辺設備の配置構造に応じて、電源供給本体131の上面部131bのケーブル連結部133が選択されるか、電源供給本体131の下面部131cのケーブル連結部133が選択されることができる。すなわち、埋め込み空間部B及び周辺設備のレイアウト(Layout)構成に応じて、電気ケーブル120を電源供給本体131からOHT台車110まで簡単かつ効果的に連結できるように、電源供給本体の上面部131bのケーブル連結部133と電源供給本体131の下面部131cのケーブル連結部133のうち一つが選択されて活用されることができる。
【0049】
図8は、本発明による電源供給パネルの電源供給本体にメインアンカーと上部アンカーが設けられたことを示した図面である。
【0050】
図3及び図8を参照すると、本発明による電源供給パネル130は、メインアンカー134をさらに含むことができる。メインアンカー134は、埋め込み空間部Bにおいて電源供給本体131の下側の底に電源供給本体131を固定させる。具体的には、メインアンカー134は、連結部134aと連結部134bを含むことができる。連結部134aは、電源供給本体131の下面の側部に設けられて下方延長した構造をとることができる。連結部134bは、電源供給本体131の下側の底に支持されて固定される構造をとることができる。このような連結部134bは、電源供給本体131の側方向に突出しないように、連結部134aから電源供給本体131の下面の中央部に向かって延長した構造をとる。電源供給本体131が埋め込み空間部Bに埋め込まれる構造をとるため、連結部134bは電源供給本体131の側方向に突出しない上述の構造をとる。すなわち、電源供給本体131が空間効率性の側面から埋め込み空間部Bの内面(後面、上下面、両側面)に密着した構造をとるため、連結部134bは、連結部134aから電源供給本体131の下面の中央部に向かって延長した構造をとる。
【0051】
また、本発明による電源供給パネル130は、上部アンカー135をさらに含むことができる。すなわち、図3または図4に示したように、埋め込み空間部Bにおいて電源供給本体131の後側に壁面がある場合、電源供給本体131をメインアンカー134とともに上部アンカー135で固定させることができる。上部アンカー135は、埋め込み空間部Bにおいて電源供給本体131の後側の壁面に電源供給本体131の上部を固定させる。具体的には、上部アンカー135は、電源供給本体131の上面の後部に設けられ、上方延長した形状を有し、電源供給本体131の後側の壁面に支持されながら固定される構造をとることができる。このような上部アンカー135もメインアンカー134のように電源供給本体131の側方向に突出しない構造をとる。上記上部アンカー135は、メインアンカー134と共に電源供給本体131を固定させる役割を果たすことにより、電源供給本体131を安定して配置させることができる。
【0052】
図9は、本発明による電源供給パネルがメインファブの壁体に形成された第3実施例の埋め込み空間部に埋め込まれたことを示した図面であり、図10は、図9の電源供給パネルにおける放熱部を介して空気が吸入及び排出されることを示した図面である。
【0053】
図面を参照すると、ファブ10は、壁体10aの外部にエアダクトDが配置されたダクト室10eが形成されることができる。このとき、埋め込み空間部Bは、ダクト室10e側に開放された構造で行われることができる。さらに、埋め込み空間部Bは、図面に示されたように、ファブ10の半導体製造空間10d及びダクト室10eの両側に開放された構造で行われることができる。具体的には、埋め込み空間部Bにおける一側部分(半導体製造空間10dに向かう部分)には、分電盤が埋め込まれて配置されることができる。また、埋め込み空間部Bにおける他側部分(ダクト室10eに向かう部分)には、本発明による電源供給パネル130が埋め込まれて配置されることができる。このとき、吸入部132a及び排出部132bを含む放熱部132が形成された電源供給本体131の前面部131aは、ダクト室10eに向かうように配置される。そして、電気ケーブル120は、電源供給本体131からダクト室10eを介して半導体製造空間10d側に配置されることができる。もちろん、図面には示されていないが、電気ケーブル120は、ダクト室10eを介さずにメインファブ11の内側に配置されることもできる。
【0054】
さらに、ファブ10は、メインファブ11とサブファブ12に分けられるが、図面には示されていないが、ダクト室10eがサブファブ12の外部に配置されることができ、このとき、半導体製造空間10dは、サブファブ12の内側空間を称することができる。
【0055】
このように、埋め込み空間部Bはダクト室10e側に開放された構造を成し、電源供給パネル130と共に分電盤9が埋め込まれた場合、埋め込み空間部Bからダクト室10eに向かった部分に電源供給パネル130が埋め込まれて配置されることにより、空間効率性を向上させることができる。
【0056】
図11は、本発明による電源供給パネルの電源供給本体にメインアンカー及び後部アンカーが設けられたことを示した図面である。
【0057】
図面を参照すると、本発明による電源供給パネル130は、後部アンカー136をさらに含むことができる。すなわち、図9及び図10に示したように、埋め込み空間部Bにおいて電源供給本体131の後側に壁面がない場合、電源供給本体131をメインアンカー134と共に後部アンカー136で固定させることができる。後部アンカー136は、埋め込み空間部Bにおいて電源供給本体131の後側の底に電源供給本体131の後部を固定させる。具体的には、後部アンカー136は、電源供給本体131の後面の下部に設けられて下方延長した形状を有し、電源供給本体131の後側の底に支持されて固定される構造をとることができる。このような後部アンカー136も、メインアンカー134のように電源供給本体131の側方向に突出しない構造をとる。上記後部アンカー136は、メインアンカー134と共に電源供給本体131を固定させる役割を果たすことによって、電源供給本体131を安定して配置させることができる。
【0058】
図12は、本発明による電源供給パネルがメインファブの天井部に形成された第4実施例の埋め込み空間部に埋め込まれたことを示した図面である。
【0059】
図面を参照すると、ファブ10は、メインファブ11と、メインファブ11の下階であるサブファブ12を含む。このとき、埋め込み空間部Bは、メインファブ11の壁体10aではなく天井部10bに形成されることができる。これによって、本発明による電源供給パネル130は、メインファブ11の天井部10bに形成された埋め込み空間部Bに埋め込まれた構造をとることができる。このように、電源供給パネル130がメインファブ11の天井部10bに埋め込まれることで、電源供給本体131からレールRに連結された電気ケーブル120が短い長さでシンプルな配置構造をとることができるため、維持補修が簡単かつ容易であることができる。
【0060】
さらに、図面には示されていないが、埋め込み空間部Bは、メインファブ11とサブファブ12との間にスラブ10cに形成されることもできる。
【0061】
以上、添付された図面を参照して、本発明の実施例を説明したが、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更せず、他の具体的な形態で実施されることができるということが理解できる。それ故に、以上で記述した実施例はすべての面で例示的なものであり、限定的ではないものと理解すべきである。
【符号の説明】
【0062】
10 ファブ 10a 壁体
10b 天井部 10c スラブ
10d 半導体製造空間 10e ダクト室
11 メインファブ 12 サブファブ
100 基板移送設備 110 OHT台車
120 電気ケーブル 130 電源供給パネル
131 電源供給本体 131a 前面部
131b 上面部 131c 下面部
132 放熱部 132a 吸入部
132b 排出部 133 ケーブル連結部
134 メインアンカー 134a 連結部
134b 固定部 135 上部アンカー
136 後部アンカー R レール
B 埋め込み空間部 D エアダクト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12