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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120671
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】無人飛行機
(51)【国際特許分類】
   B64U 30/16 20230101AFI20240829BHJP
   B64U 10/25 20230101ALI20240829BHJP
【FI】
B64U30/16
B64U10/25
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027643
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】521431099
【氏名又は名称】カワサキモータース株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古橋 賢一
(57)【要約】
【課題】収容状態を小型化するとともに、構造を簡単化しやすい無人飛行機を提供する。
【解決手段】無人飛行機であって、前後方向に延びた胴体と、胴体に接続されて、右翼部分と左翼部分とを有する固定翼と、固定翼が飛行状態と収容状態との間で角変位するように、前記胴体に対して前記固定翼を支持する回転支持部材とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人飛行機であって、
前記無人飛行機の前後方向に延びた胴体と、
前記胴体に接続されて、右翼部分と左翼部分とを有する固定翼と、
前記固定翼が飛行状態と収容状態との間で角変位するように、前記胴体に対して前記固定翼を支持する回転支持部材とを備える、無人飛行機。
【請求項2】
前記固定翼は、主翼及び尾翼を含み、
前記主翼及び尾翼は、前記胴体よりも右側に位置する右翼部分と、前記胴体よりも左側に位置する左翼部分とをそれぞれ含み、
前記回転支持部材は、前記胴体に対して前記主翼を角変位可能に接続する主翼回転支持部材と、前記胴体に対して前記尾翼を角変位可能に接続する尾翼回転支持部材と、を含む、請求項1に記載の無人飛行機。
【請求項3】
前記回転支持部材とは離れて、前記固定翼を前記胴体に固定する固定部材を更に備える、請求項1または2に記載の無人飛行機。
【請求項4】
前記飛行状態において、前記回転支持部材は、前記固定部材よりも、前記胴体の前後方向中心の近くに位置する、請求項3に記載の無人飛行機。
【請求項5】
前記固定翼は、前記固定翼の長手方向に延びる翼桁を有し、
前記固定部材は、前記翼桁と上下方向に重なる、請求項4に記載の無人飛行機。
【請求項6】
前記固定翼は、主翼を含み、
前記回転支持部材は、前記胴体に対して前記主翼を角変位可能に接続する主翼回転支持部材を有し、
前記回転支持部材とは別の位置で、前記主翼を前記胴体に固定する主翼固定部材を更に備え、
前記主翼回転支持部材は、前記主翼固定部材に比べて支持剛性が低い、請求項1または2に記載の無人飛行機。
【請求項7】
前記固定翼は、主翼を含み、
前記回転支持部材は、前記胴体に対して前記主翼を角変位可能に接続する主翼回転支持部材を有し、
前記飛行状態の前記主翼の前後方向中心は、前記胴体の前後方向中心から前記前後方向一方に離れており、
前記主翼回転支持部材は、前記飛行状態の前記主翼の前後方向中心よりも前記胴体の前後方向中心の近くに位置する、請求項1又は2に記載の無人飛行機。
【請求項8】
前記固定翼は、尾翼を含み、
前記尾翼は、前記胴体よりも右側に位置する右側尾翼部分と、前記胴体よりも左側に位置する左側尾翼部分とを含み、
前記回転支持部材は、前記胴体に対して前記各尾翼部分を角変位可能に接続する1つの尾翼回転支持部材を有する、請求項1に記載の無人飛行機。
【請求項9】
前記尾翼回転支持部材は、前記胴体に対して前記尾翼を左右方向軸線周りに回転支持する、請求項8に記載の無人飛行機。
【請求項10】
前記尾翼は、右側尾翼部分及び左側尾翼部分を含み、
前記尾翼回転支持部材は、前記胴体を前記左右方向に貫通し、前記右側尾翼部分及び前記左側尾翼部分を互いに連結している、請求項9に記載の無人飛行機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無人飛行機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、収容状態と飛行状態とで形状が変化可能な飛行機が開示される。この飛行機は、収容状態では、飛行状態に比べて、胴体に対し翼が回転変位する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6056237号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された飛行機は、左翼を回転支持する回転支持部分と、右翼を回転支持する回転支持部分とをそれぞれ有する。翼ごとに回転支持部分が設けられるために、回転支持部分の部品点数が増える。このため、構造が複雑化しやすい。
【0005】
そこで、本開示は、収容状態を小型化するとともに、構造を簡単化しやすい無人飛行機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の無人飛行機は、無人飛行機であって、前記無人飛行機の前後方向に延びた胴体と、前記胴体に接続されて、右翼部分と左翼部分とを有する固定翼と、前記固定翼が飛行状態と収容状態との間で角変位するように、前記胴体に対して前記固定翼を支持する回転支持部材と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、固定翼を胴体に対して角変位することによって無人飛行機全体として収容に必要な空間容積を低減することができる。また右翼部分と左翼部分を含む固定翼に対して共通の回転支持部分を有することで、右翼部分と左翼部分とで別々に回転支持部分を有する場合に比べて、回転支持部分を減らすことができ、全体として飛行機の部品点数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る無人飛行機の飛行状態の平面図である。
図2】無人飛行機の飛行状態の正面図である。
図3】主翼の接続構造を示す斜視図である。
図4】尾翼の接続構造を示す斜視図である。
図5】飛行状態から収容状態への変形過程を示す平面図である。
図6】無人飛行機の収容状態の側面図である。
図7】無人飛行機の収容状態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態に係る無人飛行機について、添付図面を参照して説明する。本明細書においては、飛行状態において、胴体に対して主翼が延びる方向を左右方向とする。また上方向は、主翼に揚力が生じる方向とする。前方向は、推進力を得て進行する方向とする。また本明細書においては、無人飛行機が飛行可能な形状の状態を「飛行状態」という。以下明細書において、無人飛行機を単に飛行機と称する場合がある。
【0010】
図1は、実施形態に係る飛行状態の無人飛行機1の平面図である。また図2は、飛行状態の無人飛行機の正面図である。本実施形態の無人飛行機1は、胴体2、主翼3、尾翼4及び推進装置を備えている。推進装置は、飛行中に無人飛行機1を前方に推進させる動力を発生する。本実施形態では、プロペラ6とプロペラ6を回転駆動するエンジンEgとを含む。
【0011】
主翼3及び尾翼4は、飛行中において胴体2に対して相対固定された状態に維持される。従って主翼3及び尾翼4は、固定翼5としてそれぞれ機能する。固定翼5は、推進装置とは別に設けられる。固定翼5は、胴体2に対して固定された状態で、無人飛行機1が推進したときに、揚力を発生させる翼形状に形成される。固定翼5のうちの主翼3は、機体を浮揚させるための揚力を発生させる。固定翼5のうちの尾翼4は、機体の安定や操縦に関わる揚力を発生させる。このように本実施形態では固定翼5は、主翼3及び尾翼4を含んでいる。
【0012】
胴体2は、主翼3と尾翼4とを接続する接続部分として機能する。本実施形態では、胴体2は、内部に収容空間が形成されて、推進装置の少なくとも一部が収容される。本実施形態では、胴体2は、前後方向に長く延びている。すなわち胴体2は、前後方向寸法が幅方向寸法よりも大きく形成される。胴体2は、前後方向に延びる筒状の形状を有している。胴体2は、前端部にプロペラ6が設けられている。プロペラ6の回転軸は、胴体2の左右方向中心を前後方向に延びる左右方向中心軸線L1を通り前後方向に延びている。胴体2は、主翼3の前後方向中心C1に対して前方寄りで推進源としてのエンジンEgを収容する。たとえばエンジンEgは、飛行状態の主翼前端よりも前方に配置されていてもよい。
【0013】
主翼3は、胴体2に接続されている。主翼3の長手方向は、飛行状態において、上下軸及び前後軸にそれぞれ直交する方向となる左右方向に延びている。主翼3は、飛行状態において、胴体2よりも右側に突出する右翼部分3aと、胴体2よりも左側に突出する左翼部分3bと、連結部分3cとを含む。連結部分3cは、右翼部分3aと左翼部分3bとを繋ぐとともに、胴体2に接続される部分である。本実施形態では、右翼部分3a、左翼部分3b及び連結部分3cは、それぞれの領域を示したもので、一体の構成物によって実現される。本実施形態では、連結部分3cは、胴体2の直上に位置する。また本実施形態では、飛行状態において、主翼3は、左右方向寸法が前後方向寸法よりも大きい。このようにして右翼部分3aと右翼部分3bとを含む左右一体型の主翼3が、胴体2の上部に接続されている。
【0014】
飛行状態において、主翼3の前後方向中心C1は、胴体2の前後方向中心C2に対して前後方向にずれた位置に配置される。具体的には、主翼3の前後方向中心C1は、胴体2の前後方向中心C2よりも前方に配置される。主翼3は、胴体2の左右方向中心線に対して左右対称に配置される。すなわち主翼3は、胴体2に対して、右方の突出量と左方の突出量とが等しい。
【0015】
図1には、主翼3の一部を破断線で示して内部構造を示す。主翼3内の長手方向には、主翼3の構造の背骨の役割をする主翼翼桁17があり、飛行機を浮揚する揚力や主翼3の自重を支えている。この主翼翼桁17を胴体側のフレーム12に強固に固定することで、飛行機全体の構造強度を保っている。たとえば、主翼3の翼桁17は、右翼部分3aと左翼部分3bとのそれぞれの外殻部分の内部空間を貫通する一本のパイプ部材で形成されてもよい。本実施形態では、主翼3の翼桁17は、飛行状態における主翼3の前後方向中心C1よりも前後方向にずれた位置に配置される。具体的には、主翼3の翼桁17は、主翼3の前後方向中心C1よりも前方にずれた位置に配置される。
【0016】
本実施形態では、尾翼4は、胴体2から右側に突出する右側尾翼部分4aと、胴体2の左側に突出する左側尾翼部分4bとを含んでいる。各尾翼部分4a,4bは、それぞれ、胴体2から上方に向かうにつれて左右方向の外側に向かって延びている。従って図2に示すように、飛行状態の無人飛行機1を正面視したときに、右側尾翼部分4aと左側尾翼部分4bとで、V字状に形成されて、各尾翼部分4a,4bが胴体2に接続される。
【0017】
各尾翼部分4a,4bは、胴体2の左右方向中心線に対して左右対称に設けられる。各尾翼部分4a,4bは、胴体2の左右方向側面に接続される。具体的には、右側尾翼部分4aは、胴体2の右側面に固定される。同様に、左側尾翼部分4bは、胴体2の左側面に固定される。また各尾翼部分4a,4bは、左右方向に延びる共通の接続軸7に対してそれぞれ固定される。
【0018】
図1には、尾翼4の一部を破断線で示して内部構造を示す。尾翼4は、内部構造として、左右方向に延びる翼桁20が形成される。たとえば、尾翼4の翼桁20は、右翼部分4aと左翼部分4bとのそれぞれの外殻部分の内部空間を貫通する一本のパイプ部材で形成されてもよい。尾翼4の翼桁20は、尾翼外殻部分を支えて、飛行時に尾翼4の変形を抑える。本実施形態では、各尾翼部分4a,4bの翼桁20は、胴体2に形成される尾翼回転支持部材34に接続される。
【0019】
本実施形態においては、無人飛行機1は、固定翼を胴体2に対して、固定状態と固定解除状態とに切替可能に固定する固定構造を備えている。また、無人飛行機1は、飛行状態から後述する収容状態に変形する過程で固定翼を胴体2に対し角変位可能に支持する回転支持構造を備えている。言い換えると、無人飛行機1は、胴体2に対して、固定翼を固定及び固定解除可能に相対固定する固定部材と、固定翼を角変位可能に支持する回転支持部材とを有する。
【0020】
図3に主翼3の接続構造を示す。無人飛行機1は、固定部材として、胴体2に対して主翼3の相対変位を阻止した状態で固定する主翼固定部材23を含む。主翼固定部材23は、主翼3の相対変位を阻止した状態と、主翼3の相対変位を許容する状態とで切り替え可能に構成される。主翼固定部材23は、主翼側に形成される接続部材22と接続されることで、主翼3を胴体2に対して相対固定する。本実施形態では、主翼固定部材23の上端部と、主翼側の接続部材22の下端部とがボルト38で締結される。このボルト38を着脱することで、主翼3と胴体2との固定状態と固定解除状態とを切り替え可能に形成される。たとえば、胴体側の主翼固定部材23と主翼側の接続部材22との互いの当接面が、残余の部分よりも拡大されたフランジ形状に形成されていてもよい。これによって主翼3からの荷重を胴体2に伝えやすい。
【0021】
本実施形態では、主翼固定部材23は、胴体2に形成される胴体側フレーム12に接続される。また主翼側に形成される接続部材22は、主翼3の翼桁17に直接的に接続される。このように胴体側に設けられる主翼固定部材23と、主翼側に設けられる接続部材22とで、主翼3を胴体2に対して固定解除可能に固定する主翼固定構造が実現される。
【0022】
主翼側の接続部材22及び胴体側の主翼固定部材23は、主翼3の翼桁17の鉛直方向直下に位置し、主翼3の翼桁17の鉛直方向に延びる軸状部材で構成される。これによって主翼3の翼桁17から伝達される荷重を胴体側のフレーム12に伝えることができる。また主翼固定部材23は、図1に示すように、胴体2の左右方向中心軸線L1に沿う位置に配置される。言い換えると、主翼固定部材23は、主翼3の左右方向中間位置に配置される。本実施形態では、一か所で主翼3と胴体2とを固定解除可能に固定することで、複数位置で固定と固定解除とを切替える場合に比べて、主翼3の変形作業にかかる時間を短縮することができる。
【0023】
飛行状態では、接続部材22と主翼固定部材23とが接続されて、主翼3と胴体2との相対移動が阻止される。このとき、主翼3が受ける荷重は、翼桁17,接続部材22、主翼固定構造23及び胴体側のフレーム12を介して胴体2に伝わる。従って主翼固定部材23は、飛行状態で、主翼2が受ける荷重を支えることが可能な支持剛性に設計される。
【0024】
図3に示すように、無人飛行機1は、回転支持部材として、上下方向に延びる主翼回転軸線L3まわりに主翼3を回転可能に支持する主翼回転支持部材30を含む。たとえば主翼回転支持部材30は、パイプ状に形成されて、主翼回転軸線L3と同軸に配置される軸受け部分を有してもよい。この場合、回転支持部材30は、軸受けを介して、主翼3に設けられる回転軸27が挿入される。これによって主翼3は、主翼回転軸線L3を中心として回転する周方向D1まわりに回転可能に支持される。本実施形態では、主翼回転支持部材30は、胴体2に形成される胴体側フレームに接続される。また主翼側に形成される回転軸27は、主翼側フレームを介して翼桁17に接続される。このように胴体側に設けられる回転支持部材30と、主翼側に設けられる回転軸27とで、主翼3を胴体2に対して角変位可能とする主翼回転支持構造が実現される。
【0025】
回転支持部材30は、上述する主翼固定部材23に対して離れて配置される。具体的には回転支持部材30は、主翼固定部材23に対して後方に離れて位置する。このために主翼側の回転軸27は、主翼3の翼桁17から後方に離れて位置する。本実施形態では、主翼側の回転軸27は、前後方向に延びるフレーム28によって翼桁17に接続される。このようにフレーム28によって、翼桁17と回転軸27とを接続することで、主翼全体を主翼回転支持部材30で支持しやすくすることができる。また主翼回転支持部材30は、図1に示すように、胴体2の左右方向中心軸線L1に沿う位置に配置される。言い換えると、主翼回転支持部材30は、主翼3の左右方向中間位置に配置される。
【0026】
後述するように、飛行状態から収容状態に切り替わる場合には、上述した主翼側の接続部材22と主翼固定部材23との固定状態が解除された状態で、主翼3が胴体2に対して主翼回転軸線L3まわりに回転変形される。このときは、主翼回転支持部材30のみによる主翼3の支持状態ではあるものの、飛行時に生じるような飛行機を浮揚するための揚力は発生していない。したがって主翼回転支持部材30は、飛行時に比べて格段に小さい主翼3の重量を支えるだけである。このように回転変形時には、飛行時に比べて、主翼3から胴体2に伝わる荷重は小さい。したがって、主翼回転支持部材30は、主翼3の自重を支える程度の支持剛性に設計されてもよい。言い換えると飛行中に主翼3が受ける荷重を支えることが可能な支持剛性よりも小さく設計されてもよい。これによって支持剛性が抑えられることで、回転構造の複雑化を防いで、重量増加を低減できる。また主翼回転支持部材30は、主翼3の左右方向中間位置に配置されるので、主翼回転支持部材30のみによる支持状態でも、主翼3の左右でバランスさせやすく、主翼回転支持部材30に曲げ荷重が生じることを抑制しやすい。また飛行状態において、主翼固定部材23によって主翼3と胴体2とが固定されることで、主翼3は、主翼回転軸線L3まわりに回転することが阻止される。
【0027】
図1に示すように、本実施形態においては、主翼回転支持部材30は、主翼固定部材23よりも、胴体2の前後方向中心C2の近くに位置する。また前記主翼固定部材23は、主翼翼桁17の上下方向に重なる。また主翼回転支持部材30は、飛行状態において、前記翼桁から上下方向に垂直な方向に離れて位置する。主翼回転支持部材30は、飛行状態の主翼3の前後方向中心C1よりも前記胴体2の前後方向中心C2の近くに位置する。言い換えると、主翼回転支持部材30と胴体2の前後方向中心C2との距離が、飛行状態の主翼3の前後方向中心C1と胴体2の前後方向中心C2との距離よりも短い。
【0028】
主翼固定部材23は、飛行状態での主翼3が受ける荷重を支える。このために、主翼回転支持部材30は、主翼固定部材23に比べて剛性が低く形成されることが好ましい。具体的には、主翼回転支持部材30は、主翼固定部材23に比べて、軽量に形成されてもよい。具体的例としては、主翼回転支持部材30は、主翼固定部材23に比べて、肉厚、内径、外径、当接面の当接面積及び強度の少なくともいずれか1つが小さく形成されてもよい。また主翼回転支持部材30は、主翼固定部材23に比べて強度の低い材料で実現されてもよい。また主翼回転支持部材30は、主翼固定部材23に比べて、前後方向寸法、左右方向寸法のいずれかが小さく形成されてもよい。このように、主翼固定部材23と主翼回転支持部材30とを併用することで、飛行状態で主翼3が受ける荷重を主翼固定部材23で十分に支えるとともに、主翼回転支持部材30の軽量化や構造の単純化を図ることができる。
【0029】
図4に、尾翼4の接続構造を示す。無人飛行機1は、回転支持部材として、左右方向に延びる尾翼回転軸線L4まわりに尾翼4を回転可能に支持する尾翼回転支持部材34を含む。たとえば尾翼回転支持部材34は、パイプ状に形成されて、尾翼回転軸線L4と同軸に配置される軸受け部分を有してもよい。この場合、尾翼回転支持部材34は、軸受けを介して、尾翼4に設けられる回転軸7が挿入される。これによって尾翼4は、尾翼回転軸線L4を中心として周方向D2まわりに回転可能に支持される。本実施形態では、尾翼回転支持部材34は、胴体2に形成される胴体側フレーム12に接続される。本実施形態では、尾翼4に設けられる回転軸7は、尾翼4の翼桁20から左右方向内側に延長して延びる部分となる。このように胴体側に設けられる回転支持部材34と、尾翼側に設けられる回転軸7とで、尾翼4を胴体2に対して角変位可能とする尾翼回転支持構造が実現される。
【0030】
尾翼回転支持部材34は、胴体2に対して尾翼4の相対角変位を許容した状態と、尾翼4の相対角変位を阻止する状態とで切り替え可能に構成される。たとえば、尾翼4の回転軸7と回転支持部材34との相対回転を阻止する係止片であるボルト35が用いられる。ボルト35が、回転軸7の径方向に挿入されることで、胴体2に対する尾翼4の角変位が阻止される。また係止片であるボルト35が取り外されることで、胴体2に対する尾翼4の角変位が許容される。ボルト35が挿入される挿入位置として、飛行状態と収容状態とでそれぞれ異なって設けられる。ボルト35を挿入する位置を選択することで、飛行状態と、収容状態とで、尾翼4の角変位を阻止する位置を異ならせることができる。
【0031】
より具体的には、右側尾翼部分4aと左側尾翼部分4bとは、回転軸7によって互いに接続されている。回転軸7は、右端に右側尾翼部分4aの翼桁20が接続される。また回転軸7は、左端に左側尾翼部分4bの翼桁20が接続される。回転軸7は、胴体2を左右方向に貫通するように、無人飛行機1の左右方向に延びている。このように各尾翼部分4a.4bを接続する回転軸7が、共通の尾翼回転支持部材34に挿通されることで、各尾翼部分4a,4bが、胴体2に対して相対的に角変位可能にそれぞれ接続される。
【0032】
上述した無人飛行機の構成によって、作業者は、状況に応じて、飛行状態と、収容に適した収容状態とに無人飛行機を選択的に変形させることができる。具体的には、主翼3と尾翼4とを胴体2に対して変形させて、収容状態に適したコンパクトな形状にできる。本実施形態では、作業者は、上述した各ボルト35,38の着脱作業によって、無人飛行機を変形させることができる。
【0033】
図5に、飛行状態から収容状態への変形過程を示す。作業者は、主翼3と尾翼4との角変位を許容する状態に切り替える。具体的には、主翼固定部材23のボルト固定を解除するとともに、尾翼回転支持部材34のボルト固定を解除する。作業者は、このようにして主翼3及び尾翼4のそれぞれの回転を許容した状態で、主翼3及び尾翼4のそれぞれを角変位させる。具体的には、作業者は、主翼回転軸線L3まわりに一方向D1に主翼3を角変位して、主翼3の長手方向が前後方向に沿うように変形させる。本実施形態において収容状態は、主翼3の長手方向が、前後方向に平行となる。具体的には、収容状態は、飛行状態に対して、主翼3を90°角変位させた状態となる(図6図7参照)。
【0034】
また作業者は、尾翼回転軸線L4まわりに一方向D2に尾翼4を角変位して、尾翼4を下方に下げるように変形させる。本実施形態において収容状態では、飛行状態で上端となる尾翼部分が、尾翼4のうちで下端となる位置となる(図6図7参照)。
【0035】
このように変形させることで、飛行状態に比べて、主翼3の胴体2に対する左右方向突出量を抑えて飛行機全体の左右方向寸法を小型化することができる。また飛行状態に比べて、尾翼4の胴体2に対する上方突出量を抑えて飛行機全体の上下方向寸法を小型化することができる。なお、作業者は、主翼3及び尾翼4を角変位させることで、飛行状態に比べて、収容状態としてコンパクトになればよく、角変位については上述した一例に限らない。すなわち収容状態では、主翼3の長手方向と胴体2の前後方向とは、必ずしも平行とならなくてもよい。同様に、収容状態では、飛行状態に比べて、尾翼4の上端が低くなればよい。
【0036】
このように、無人飛行機1が、飛行可能な飛行状態から、図6、7に示される収容に適した状態に遷移することにより、無人飛行機1の左右方向の長さ、上下方向の長さを短くすることができる。また主翼回転支持部材30を、主翼固定部材23よりも胴体2の前後方向中心C2に近づけることで、収容状態における、胴体2に対する主翼3の前後方向の突出量を抑えやすい。従って、例えば無人飛行機1を所定のスペースに収容する際に、収容に必要とされるスペースが小さく済む。たとえば、単位体積当たりに収容可能な無人飛行機1の収容数を増やすことができる。また限られた胴体2にそって長尺の収容スペースに無人飛行機1を収容しやすくすることができる。また収容状態と飛行状態との変形過程において、主翼3及び尾翼4の回転支持状態が維持される。これによって主翼3及び尾翼4を胴体2から分離して収容する場合に比べて、収容のために作業者の要する力を少なくして、作業性を向上することができる。
【0037】
本実施形態によれば、主翼3及び尾翼4を含む固定翼5を胴体2に対して角変位させることによって固定翼5が飛行状態から収容状態に変位したときに、飛行状態のときよりも無人飛行機1の全体として収容容積を低減させることができる。これによって収容状態での無人飛行機1の小型化を実現できる。また無人飛行機1は、右翼部分3aと、左翼部分3bとを共通の主翼回転支持部材30で回転支持する。また尾翼右側部分4aと尾翼左側部分4bを共通の尾翼支持部材34で回転支持する。このように右翼部分と、左翼部分とを1つの回転支持部材で回転支持する。従って、右側部分と、左側部分とを別々に回転支持する場合に比べて、回転支持部材の数を減らすことができ、無人飛行機1の構造を簡素化することができる。
【0038】
また、無人飛行機1台当たりの収納スペースが小さく済むので、例えば所定のスペースに複数の無人飛行機1を収納する場合に、収納可能な収容数を増加させることができる。これにより、複数の無人飛行機1の収納にかかるコストを低減させることができる。また、例えば無人飛行機1を1台ずつコンテナや収容箱に収納して、無人飛行機1をコンテナごと輸送する場合には、必要とされるコンテナや収容箱の大きさが小さくて済み、無人飛行機1の輸送にかかるコストを低減させることができる。
【0039】
特に、主翼3が胴体2に対し角変位することによって無人飛行機1の胴体2から主翼3が左右方向に突出する突出量が小さくなる。そのため、収容状態の無人飛行機1が小型化され、無人飛行機1の収容に必要とされる左右方向スペースを小さくできる。また尾翼4が胴体2に対し角変位することによって胴体2から尾翼4が上方に突出する突出量が小さくなる。そのため、収容状態の無人飛行機1が小型化され、無人飛行機1の収容に必要とされる上方向スペースを小さくすることができる。そのほか、プロペラ部分が取り外されることで、上方向スペースをさらに小さくしてもよい。さらに本実施形態によれば、主翼3と尾翼4との両方を胴体2に対し角変位可能に接続される。これによっていずれか一方だけを角変位させる場合に比べて、収容状態での小型化を高めやすい。具体的には、左右方向及び上方向の両方のスペースを小さくすることができる。なお、本実施形態では、主翼3と尾翼4との両方を角変位可能としたが、収容スペースによっては、他の実施形態として、主翼3及び尾翼4の一方が角変位しない構造としてもよい。
【0040】
また、本実施形態によれば、無人飛行機1は、飛行状態で、主翼回転支持部材30とは別に、主翼3を胴体2に固定する主翼固定部材23を備える。言い換えると、飛行状態では、主翼3は、2つの異なる位置に設けられるそれぞれの部材30,23によって、胴体2に接続される。このように飛行状態においては、主翼回転支持部材30と主翼固定部材23の両方または主に翼固定部材23を用いて、主翼3を胴体2に固定する。これによって無人飛行機1は、収容状態に比べて、主翼3を胴体2に強固に固定することができる。このようにして、飛行中に、主翼3で生じた揚力や抵抗力を胴体2に伝える接続機能を主翼固定部材23に担わせることで、主翼回転支持部材30の主翼との接続機能を抑えて、主翼回転支持部材を簡易化しやすくできる。
【0041】
また、本実施形態によれば、主翼回転支持部材30は、主翼固定部材23よりも、胴体2の前後方向中心C2の近くに位置する。これによって主翼固定部材23を中心に角変位させた場合に比べて、収容状態での主翼3の前後方向突出量を抑えることができる。また図3に示すように、主翼固定部材23は、主翼翼桁17の上下方向に重なる位置に配置されている。したがって主翼3に与えられた荷重は、主翼翼桁17に近い主翼固定部材23を介して胴体2に伝わりやすい。これによって回転支持部材30で支えることが必要な上下荷重を抑えることができ、回転支持部材30の構造の複雑化を防ぐことができる。
【0042】
また、本実施形態によれば、飛行状態の主翼3の前後方向中心C1は、胴体2の前後方向中心C2から前後方向一方に離れている。また主翼回転支持部材30は、飛行状態の主翼3の前後方向中心C1よりも胴体2の前後方向中心C2の近くに位置する。言い換えると無人飛行機1は、主翼回転支持部材30と胴体2の前後方向中心C2との距離が、飛行状態の主翼3の前後方向中心C1と胴体2の前後方向中心C2との距離よりも短くなる。これによって収容状態として、主翼3の長手方向を前後方向に沿って配置した場合に、主翼回転支持部材30が胴体2の前後方向中心C2から遠い場合に比べて、主翼3が胴体2から前後方向に突出する突出量を小さくすることができる。たとえば、胴体2の前後方向中心C2と主翼回転支持部材30とが前後方向に同じ位置に配置されることで、収容状態での主翼3の前後方向突出量を最小化することができる。
【0043】
また、本実施形態によれば、右側尾翼部分4aと左側尾翼部分4bとの尾翼回転支持部材34を1つに共通化することにより、左右それぞれで別々に回転支持部材を有する場合に比べて、回転支持部材の数を減らすことができ、構造を単純化しやすい。また尾翼回転支持部材34が、尾翼4を左右方向水平に延びる尾翼回転軸線L4周りに回転支持する。これによって上下方向成分を含む回転軸線で回転支持させる場合に比べて、回転支持部材で尾翼4の自重を支えやすくできる。
【0044】
また、本実施形態によれば、尾翼回転支持部材34が、胴体2を左右方向に貫通し、右側尾翼部分4a及び左側尾翼部分4bを互いに連結している。これによって作業者は、各尾翼部分4a,4bの角変位を1つの操作で行うことができる。これにより、各尾翼部分4a,4bを別々に角変位させる場合に比べ、操作が簡易で済むと共に、状態の切替えを素早く行うことができる。本実施形態では、上述のような主翼3及び尾翼4の構成が無人飛行機1の構造として用いられる。無人飛行機1では、機体の輸送や保管のために、上述した収容構造に変形可能な構造を求められることが多く、上述した主翼固定部材23と主翼回転支持部材30による主翼3の接続構造はそれに要する収納スペースを小型化できる。
【0045】
本実施形態は、発明の一形態であって、各種の変更が可能である。たとえば、図では示していないが、無人飛行機1は、離着陸時に用いられる走行車輪が設けられてもよい。また走行車輪は、飛行状態または収容状態では、胴体内に収容されてもよい。また収容状態において、主翼3の角変位を阻止するための角変位阻止部材を備えてもよい。これによって収容状態での搬送中に、主翼3が揺れることを防ぐことができる。たとえば収容状態における主翼3の角変位阻止部材として、主翼固定部材23と主翼側の接続部材22との間を中継連結する連結部材が設けられてもよい。
【0046】
また主翼固定部材23は、主翼3に複数設けられていてもよい。たとえば、胴体2の左右方向中心に対して左右方向それぞれに間隔をあけた位置に複数の主翼固定部材23がそれぞれ設けられてもよい。また胴体2の前後方向に複数間隔をあけて配置されてもよい。それぞれの主翼固定部材23は、上述したとおり固定解除可能に構成される。これによってすべての主翼固定部材23の固定状態を解除することで、収容状態となるように主翼3を主翼回転軸線L3まわりに角変位させることができる。
【0047】
主翼回転支持部材30は、胴体2の左右方向中心軸線L1に沿って配置されるとしたが、これに限らない。たとえば胴体2の左右方向中心軸線L1に対して左右方向一方にずれた位置に配置されてもよい。また主翼回転支持部材30は、固定支持部材23から離れた位置に配置されればよく、収容スペースに応じて適宜配置されればよい。たとえば主翼回転支持部材30は、飛行状態の主翼3の後端よりも後方となる位置に配置されてもよいし、飛行状態の主翼3の前端よりも前方に配置されてもよい。またたとえば主翼回転支持部材30は、胴体2の前後方向中心C2となる位置に配置されてもよい。
【0048】
また、上記実施形態においては、主翼回転支持部材30と尾翼回転支持部材34とが、翼側に設けられる軸を回転支持する構造とした。しかしながら、上記実施形態に限定されず、既存の回線支持構造を用いることができる。たとえば、軸受けが主翼側に設けられてもよい。この場合、胴体側に形成される支持軸が主翼側の軸受けに挿入される。このほか、主翼3の回転支持構造として、軸支持部分において、軸方向に働くスラスト荷重を支えるスラスト軸受けが用いられてもよい。
【0049】
また同様に、軸受けが尾翼側に設けられてもよい。この場合、胴体側に形成される支持軸が尾翼側の軸受けに挿入される。このほか、右側尾翼部分4aと、左側尾翼部分4bとで、尾翼回転支持部材34に支持される回転軸7が別々に設けられてもよい。これによって各尾翼部分4a,4bを別々に角変位させることができ、角変位させるために必要な力を減らすことができる。
【0050】
また、上記実施形態においては、作業者が、無人飛行機1を飛行状態と収容状態との間で切り替えるときに、ボルト35,38の着脱動作によって実現される。ボルト以外の締結構造を用いて、飛行状態と収容状態との間での固定と固定解除構造としてもよい。たとえばカムやラッチなどのかみ合わせを用いた他の締結固定構造によって、着脱可能に主翼3と胴体2とを固定してもよい。
【0051】
また、上記実施形態においては、飛行状態において、主翼固定部材23と主翼翼桁17とが上下方向に重なる形態について説明したが、上記実施形態に限定されない。たとえば主翼固定部材23は、主翼翼桁17から前後方向にずれた位置に配置されてもよい。たとえば主翼固定部材23は、主翼翼桁17を中心に前後方向に間隔をあけて2つ設けられてもよい。この場合、主翼翼桁17から下方にV字状に分岐した接続部材によって、主翼翼桁17と前後に並ぶ各主翼固定部材23とが固定されてもよい。また、主翼翼桁17が前後方向に並んで複数設けられる場合には、複数の主翼翼桁17それぞれに主翼固定部材23が設けられてもよい。このような場合であっても、主翼回転支持材30は、主翼固定部材23よりも胴体2の前後方向中心C2の近くに位置することが好ましい。また、少なくとも1つの主翼固定部材23は、主翼回転支持部材30よりも主翼翼桁17の近くに位置する。
【0052】
なお、本実施形態の無人飛行機は、固定翼を角変位させる構造に特徴があり、大きさや重量については適宜選択が可能である。たとえば物資を搬送したり、空中からの観測や撮影したりするための無人飛行機であってもよい。また飛行機操作を趣味で楽しむための無人飛行機であってもよい。すなわち大きさについては、制限がなく、人が持てる程度の大きさであっても、トラックに搭載される程度の大きさであってもよい。推進装置の駆動源として、エンジンEgが用いられたがこれに限らなない。たとえば電動モータであってもよいし、他の駆動源であってもよい。また高所から滑空したり、補助手段によって空中に運ばれるたりしたりする場合には、推進装置が設けられなくてもよい。
【0053】
なお、本実施形態においては、左右一体の主翼3が胴体2の上部に接続される形態について説明したが、上記実施形態に限定されない。たとえば、左右一体の主翼3が、胴体2の下部に接続されてもよい。また主翼3は、胴体2の前後方向中心C2よりも後方に配置されてもよい。また尾翼4が主翼前端も前方に配置されたり、主翼後端よりも後方に配置されたりしてもよい。主翼3が胴体2の後部に配置される場合は、主翼回転支持部材30は、主要状態の小型化の観点からは、主翼3よりも前方に配置されることも起こりえる。また本実施形態では、主翼3および尾翼4を角変位させる動力を作業者が与えるとして記載したがこれに限らない。たとえば電動モータなどのアクチュエータによって、少なくともいずれかの翼を角変位させる動力を与えてもよい。また固定翼について、翼桁を省略して、外殻部材で翼の変形を防ぐように構成されてもよい。
【0054】
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、前記実施形態を説明した。しかし、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用可能である。また、前記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。例えば、1つの実施形態中の一部の構成又は方法を他の実施形態に適用してもよく、実施形態中の一部の構成は、その実施形態中の他の構成から分離して任意に抽出可能である。また、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、前記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれる。
【0055】
以下の項目のそれぞれは、好ましい実施形態の開示である。
【0056】
[項目1]
無人飛行機であって、
前記無人飛行機の前後方向に延びた胴体と、
前記胴体に接続されて、右翼部分と左翼部分とを有する固定翼と、
前記固定翼が飛行状態と収容状態との間で角変位するように、前記胴体に対して前記固定翼を支持する回転支持部材とを備える、無人飛行機。
【0057】
[項目2]
前記固定翼は、主翼及び尾翼を含み、
前記主翼及び尾翼は、前記胴体よりも右側に位置する右翼部分と、前記胴体よりも左側に位置する左翼部分とをそれぞれ含み、
前記回転支持部材は、前記胴体に対して前記主翼を角変位可能に接続する主翼回転支持部材と、前記胴体に対して前記尾翼を角変位可能に接続する尾翼回転支持部材と、を含む
項目1に記載の無人飛行機。
【0058】
[項目3]
前記回転支持部材とは離れて、前記固定翼を前記胴体に固定する固定部材を更に備える、項目1または2に記載の無人飛行機。
【0059】
[項目4]
前記飛行状態において、前記回転支持部材は、前記固定部材よりも、前記胴体の前後方向中心の近くに位置する、項目3に記載の無人飛行機。
【0060】
[項目5]
前記固定翼は、前記固定翼の長手方向に延びる翼桁を有し、
前記固定部材は、前記翼桁と上下方向に重なる、項目4に記載の無人飛行機。
【0061】
[項目6]
前記固定翼は、主翼を含み、
前記回転支持部材は、前記胴体に対して前記主翼を角変位可能に接続する主翼回転支持部材を有し、
前記回転支持部材とは別の位置で、前記主翼を前記胴体に固定する主翼固定部材を更に備え、
前記主翼回転支持部材は、前記主翼固定部材に比べて支持剛性が低い、項目1から5のいずれかに記載の無人飛行機。
【0062】
[項目7]
前記固定翼は、主翼を含み、
前記回転支持部材は、前記胴体に対して前記主翼を角変位可能に接続する主翼回転支持部材を有し、
前記飛行状態の前記主翼の前後方向中心は、前記胴体の前後方向中心から前記前後方向一方に離れており、
前記主翼回転支持部材は、前記飛行状態の前記主翼の前後方向中心よりも前記胴体の前後方向中心の近くに位置する、項目1から6のいずれかに記載の無人飛行機。
【0063】
[項目8]
前記固定翼は、尾翼を含み、
前記尾翼は、前記胴体よりも右側に位置する右側尾翼部分と、前記胴体よりも左側に位置する左側尾翼部分とを含み、
前記回転支持部材は、前記胴体に対して前記各尾翼部分を角変位可能に接続する1つの尾翼回転支持部材を有する、項目1から7のいずれかに記載の無人飛行機。
【0064】
[項目9]
前記尾翼回転支持部材は、前記胴体に対して前記尾翼を左右方向軸線周りに回転支持する、項目8に記載の無人飛行機。
【0065】
[項目10]
前記尾翼は、右側尾翼部分及び左側尾翼部分を含み、
前記尾翼回転支持部材は、前記胴体を前記左右方向に貫通し、前記右側尾翼部分及び前記左側尾翼部分を互いに連結している、項目9に記載の無人飛行機。
【符号の説明】
【0066】
1 無人飛行機
2 胴体
3 主翼
3a 右翼部分
3b 左翼部分
4 尾翼
4a 右側尾翼部分
4b 左側尾翼部分
17 主翼翼桁
20 尾翼翼桁
23 主翼固定部材
30 主翼回転支持部材
34 尾翼回転支持部材
L3 主翼回転軸線
L4 尾翼回転軸線
C1 飛行状態の主翼の前後方向中心
C2 胴体の前後方向中心

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7