(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120681
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】紙幣処理装置
(51)【国際特許分類】
B65H 29/58 20060101AFI20240829BHJP
G07D 11/16 20190101ALI20240829BHJP
B65H 5/02 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
B65H29/58 Z
G07D11/16
B65H5/02 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027662
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000116987
【氏名又は名称】旭精工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】安部 寛
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 元晴
【テーマコード(参考)】
3E141
3F049
3F053
【Fターム(参考)】
3E141AA01
3E141FG03
3F049AA01
3F049AA03
3F049DA03
3F049DB02
3F049DB11
3F049DB13
3F049LA08
3F049LB04
3F053EA06
3F053EB01
3F053EB07
3F053EC01
3F053EC12
3F053EC14
3F053LA08
3F053LB04
(57)【要約】
【課題】奥行き方向のサイズの小型化を可能とすると共に好適な紙幣の搬送が可能な紙幣処理装置を提供する。
【解決手段】紙幣処理装置1は、紙幣を周回搬送可能な周回搬送路を備える。周回搬送路は、直線状の第1搬送路23と、第1搬送路23に対向する直線状の第2搬送路24が、上部において第1湾曲搬送路25によって、下部において第2湾曲搬送路26によって接続されている。周回搬送路を側面視で角丸長方形状にすることで、紙幣処理装置1の奥行き方向のサイズを小さくする。また、好適に紙幣を搬送させるため、周回搬送路に対する紙幣の出入りの進入角度を一定に構成した各機能ユニットの紙幣の出入り口を、直線状の第1搬送路23と第2搬送路24に配置した。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙幣を受け入れる入金口と、受け入れた前記紙幣を一枚ずつに分離する分離部と、一枚ずつに分離された前記紙幣の金種を識別する識別センサーとを有する入金識別ユニットと、
前記紙幣を格納する複数の格納ユニットと、
前記紙幣を外部に排出する出金口を有する出金ユニットと、
前記紙幣を周回可能に搬送する周回搬送路と、を有し、
前記周回搬送路は、
直線状の第1搬送路と、
前記第1搬送路に対向して配置された直線状の第2搬送路と、
前記第1搬送路の一方側の端部と、前記第2搬送路の一方側の端部を接続すると共に湾曲部を備える第1湾曲搬送路と、
前記第1搬送路の他方側の端部と、前記第2搬送路の他方側の端部を接続すると共に湾曲部を備える第2湾曲搬送路と、
を有し、
前記入金識別ユニットにおける前記紙幣の搬送通路と前記格納ユニットにおける前記紙幣の搬送通路と前記出金ユニットにおける前記紙幣の搬送通路は、前記周回搬送路の直線状の部分である前記第1搬送路または前記第2搬送路の何れかに接続されることを特徴とする紙幣処理装置。
【請求項2】
前記入金識別ユニットと、前記格納ユニットとは、前記第1搬送路に接続され、前記格納ユニットの内の少なくとも一つは前記第2搬送路に接続されることを特徴とする請求項1に記載の紙幣処理装置。
【請求項3】
前記第1搬送路は、紙幣の一方の面に接触し、紙幣を支持する第1ベルトと、前記第1ベルトの方向に付勢される第1ピンチローラーを備え、前記紙幣は、前記第1ベルトと前記第1ピンチローラーに挟まれると共に搬送され、
前記第2搬送路は、紙幣の他方の面に接触し、紙幣を支持する第2ベルトと、前記第2ベルトの方向に付勢される第2ピンチローラーを備え、前記紙幣は、前記第2ベルトと前記第2ピンチローラーに挟まれると共に搬送されることを特徴とする請求項2に記載の紙幣処理装置。
【請求項4】
前記入金識別ユニットと前記出金ユニットとを含む前部ユニットと、前記第1湾曲搬送路と、前記第2湾曲搬送路と、前記紙幣の一方側の面を支持する前記第1ベルトと前記第2ベルトを含む周回搬送ユニットと、少なくとも一つの前記格納ユニットを含む後部ユニットと、が連結可能に分かれて配置されたベースフレームを有し、
前記前部ユニットには前記第1ピンチローラーが配置され、前記周回搬送ユニットには前記第1ベルトが配置され、前記前部ユニットと前記周回搬送ユニットを連結することで、前記第1ピンチローラーと前記第1ベルトが接触する前記第1搬送路を構成し、
前記後部ユニットには前記第2ピンチローラーが配置され、前記周回搬送ユニットには前記第2ベルトが配置され、前記後部ユニットと前記周回搬送ユニットを連結することで、前記第2ピンチローラーと前記第2ベルトが接触する前記第2搬送路を構成し、
前記前部ユニットは、前記周回搬送ユニットに対して接離可能に移動可能であり、
前記周回搬送ユニットは、前記後部ユニットに対して接離可能に移動可能であることを特徴とする請求項3に記載の紙幣処理装置。
【請求項5】
前記後部ユニットは、回動可能に軸支されると共に第1の凹部と第2の凹部を備えるレバーを有し、
前記前部ユニットは、前記第1の凹部に係合する前部係止突起を有し、
前記周回搬送ユニットは、前記第2の凹部に係合する中部係止突起を有し、
前記前部ユニットと前記周回搬送ユニットを接触させると共に、前記周回搬送ユニットと前記後部ユニットを接触させた状態で、前記第1の凹部と前記前部係止突起を係合させ、前記第2の凹部と前記中部係止突起を係合させることで、前記前部ユニットと前記周回搬送ユニットと前記後部ユニットを連結することを特徴とする請求項4に記載の紙幣処理装置。
【請求項6】
前記入金識別ユニットから前記周回搬送路に前記紙幣が侵入する進入角度は、
前記格納ユニットから前記周回搬送路に前記紙幣が侵入する進入角度と等しいことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の紙幣処理装置。
【請求項7】
前記周回搬送路から前記出金ユニットに前記紙幣が侵入する進入角度は、
前記周回搬送路から前記格納ユニットに前記紙幣が侵入する進入角度と等しいことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の紙幣処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙幣を入出する紙幣処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紙幣処理装置は、例えば、紙幣を受け入れ、格納、枚数のカウント、排出する装置である。
【0003】
紙幣処理装置は、紙幣を内部に受け入れる入金口、紙幣を外部に排出する出金口、紙幣を搬送する搬送路、紙幣の金種を識別する識別部、紙幣を金種毎に振り分ける振分部、金種毎に紙幣を格納または格納した紙幣の繰り出しを行う紙幣格納装置を備える。この様な紙幣処理装置は、入金口から紙幣を入金し、搬送路の途中に配置された識別部によって紙幣の金種を識別する。金種が識別された紙幣は、搬送路に沿って配置された振分部によって金種毎に振り分けられ、金種毎に紙幣格納装置に格納される。紙幣を出金する場合、紙幣処理装置は、指示された金種および枚数の紙幣を紙幣格納装置から繰り出し、出金口に搬送し、出金する。紙幣処理装置は、両替機や釣銭機に使用される。
【0004】
例えば、特許第6357382号公報には、紙幣を周回させて搬送する搬送路を備え、その搬送路に紙幣受入口、紙幣取出口、紙幣格納部が接続された構成の紙幣処理装置が開示されている。また、この紙幣処理装置は、ケースに覆われ、ケースから内部の装置を引き出すことのできる機構が備わり、作業員が装置内部にアクセスし、メンテナンスなどの作業を可能としている。
【0005】
従来の紙幣処理装置では、紙幣受入口のユニットと紙幣取出口のユニットが、装置の手前側に配置されている。また、紙幣格納部のユニットが、装置の奥側に配置されている。円筒状の紙幣の周回搬送部を備えた搬送部が装置の中央に配置されている。紙幣は、周回搬送部において周回することが可能である。各ユニットは、紙幣の搬送部に接続され、搬送部から各ユニットに紙幣が出入りする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
紙幣処理装置は、机上などの狭い場所でも使用できるように、小型であり、メンテナンス作業が容易にできる装置が望まれている。
【0008】
紙幣の搬送部の内部に格納されている周回搬送部が円筒形であるため、装置の奥行き方向のサイズが大きくなる。また、搬送部には、周回搬送部と紙幣格納部などの機能ユニットとを接続する接続搬送部が含まれるため、装置の奥行き方向のサイズが大きくなる。また、機能ユニットに接続される接続搬送路は、曲がり具合がきつい搬送路と曲がり具合が緩い搬送路が混在している。曲がり具合がきつい搬送路は、曲がり具合が緩い搬送路に比べて、ジャムを起こす可能性が高くなる。また、周回搬送部が円筒形状であるため、接続搬送路を配置するための十分なスペースを得られず、曲がり具合がきつい接続搬送路になってしまったと考えられる。また、周回搬送部が搬送部の内部に格納されているので、搬送路は、メンテナンス性が悪いと考えられる。
【0009】
本発明は、紙幣を周回させる周回搬送路を小型化することで、紙幣処理装置の奥行き方向のサイズを小型化にするとと共に、好適に紙幣を搬送できる紙幣処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の紙幣処理装置は、紙幣を受け入れる入金口と、受け入れた前記紙幣を一枚ずつに分離する分離部と、一枚ずつに分離された前記紙幣の金種を識別する識別センサーとを有する入金識別ユニットと、前記紙幣を格納する複数の格納ユニットと、前記紙幣を外部に排出する出金口を有する出金ユニットと、前記紙幣を周回可能に搬送する周回搬送路と、を有し、前記周回搬送路は、直線状の第1搬送路と、前記第1搬送路に対向して配置された直線状の第2搬送路と、前記第1搬送路の一方側の端部と、前記第2搬送路の一方側の端部を接続すると共に湾曲部を備える第1湾曲搬送路と、前記第1搬送路の他方側の端部と、前記第2搬送路の他方側の端部を接続すると共に湾曲部を備える第2湾曲搬送路と、を有し、前記入金識別ユニットにおける前記紙幣の搬送通路と前記格納ユニットにおける前記紙幣の搬送通路と前記出金ユニットにおける前記紙幣の搬送通路は、前記周回搬送路の直線状の部分である前記第1搬送路または前記第2搬送路の何れかに接続されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、紙幣を周回させる周回搬送路を小型化にすることができ、それと共に、好適に紙幣を搬送できる紙幣処理装置を提供できる。また、紙幣の搬送路を構成する部品について、配置の自由度の高い搬送路を構成することができ、紙幣処理装置を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、紙幣処理装置の内部の構成を説明する図である。
【
図3】
図3は、紙幣処理装置の構成を説明する第1の図である。
【
図4】
図4は、紙幣処理装置の構成を説明する第2の図である。
【
図5】
図5は、紙幣処理装置の機能ユニットの概要を説明する第1の図である。
【
図6】
図6は、紙幣処理装置の機能ユニットの概要を説明する第2の図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、
図1~
図6を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0014】
以下の説明では、紙幣を処理する紙幣処理装置を説明する。また紙幣処理装置に使用される紙幣の代わりに、紙幣に類似する紙葉類を処理することも可能であり、その様な紙葉類は、例えば、証券、小切手などの有価券や、所定のサイズのシート状の紙や樹脂シートなどである。
【0015】
先ず、紙幣処理装置1の外観について
図2を用いてい説明する。
図2は、紙幣処理装置の斜視図である。紙幣処理装置1は、紙幣を入金口2から入れ、出金口3から排出することができる。紙幣処理装置1は、紙幣を複数枚重ねた状態で入金口2に挿入することができる。入金口2に重ねられて挿入された紙幣は、分離部で一枚ずつに分離され、紙幣処理装置1の内部に搬送される。紙幣処理装置1は、容易に内部にアクセスできないように、リアケース4とフロントケース5によって覆われている。フロントケース5を含む機能ユニットを、リアケース4から引き出すことができる。ロック6は、フロントケース5をリアケース4に固定し、フロントケース5をリアケース4から引き出すことを制限する。紙幣処理装置1の内部へのアクセスは、ロック6によって制限される。ロック6に対応する鍵によってロック6は解錠される。第1表示灯7は、紙幣が入金口2に存在する場合に点灯し、第2表示灯8は紙幣が出金口3に存在する場合に点灯する。各表示灯は、入金口2または出金口3における紙幣の有無を表示する。
【0016】
次に、
図3と
図4を用いて、紙幣処理装置のケースに格納されている各機能ユニットについて説明する。
【0017】
図3は、紙幣処理装置の構成を説明する第1の図である。
図3は、各機能ユニットがケース内に格納された状態を示している。
図3は、紙幣処理装置1を側面視した場合の図である。
【0018】
紙幣処理装置1は、リアケース4とフロントケース5で囲まれた内部に、機能ユニットが格納されている。主な機能ユニットは、紙幣を入金し、金種を識別する入金識別ユニット84、紙幣を出金する出金ユニット85、第1の金種の紙幣を格納および繰り出す第1格納ユニット86、回収する紙幣を格納するリジェクトユニット87、紙幣を周回搬送するの周回搬送ユニット61、第2の金種の紙幣を格納および繰り出す第2格納ユニット82、第3の金種の紙幣を格納および繰り出す第3格納ユニット83である。例えば、第1の金種は日本円の1万円札であり、第2の金種は1千円札であり、第3の金種は5千円札であり、回収する紙幣は2千円札である。
【0019】
入金識別ユニット84、出金ユニット85、第1格納ユニット86、リジェクトユニット87、フロントケース5は、スライドフレーム78に固定されている。フロントケースに5には、入金口2、出金口3が配置されている。入金識別ユニット84は入金口2を含み、出金ユニット85は出金口3を含む。スライドフレーム78に固定されている入金識別ユニット84、出金ユニット85、第1格納ユニット86、リジェクトユニット87の各機能ユニットを総称して前部ユニット60と称する。第2レール77は、紙幣処理装置1の奥行き方向に沿って配置されている。スライドフレーム78は、第2レール77に沿って、紙幣処理装置1の奥行き方向、すなわち
図3の紙面においては左右方向にスライドする。
【0020】
周回搬送ユニット61は、中部ユニット支持部79に回転軸81を介して回動可能に取り付けられている。周回搬送ユニット61は、紙幣を直線状に搬送する第1搬送路23、第1搬送路23に対向して配置されている紙幣を直線状に搬送する第2搬送路24、第1搬送路23と第2搬送路24を接続する第1湾曲搬送路25と第2湾曲搬送路26を備える。第1搬送路23には、プーリーに掛け回された第1ベルト27が備わる。第2搬送路24には、プーリーに掛け回された第2ベルト28が備わる。第1ベルト27と第2ベルト28は、連動して回動する。紙幣は、後述するピンチローラーと第1ベルト27またはピンチローラーと第2ベルト28に挟まれて搬送される。紙幣を周回させて搬送する場合、紙幣は、第1搬送路23、第2湾曲搬送路26、第2搬送路24、第1湾曲搬送路25、第1搬送路23の順に搬送される。
【0021】
第2格納ユニット82、第3格納ユニット83は、後部ユニット支持部80に固定されている。後部ユニット支持部80に固定されている第2格納ユニット82、第3格納ユニット83を総称して後部ユニット62と称する。
【0022】
入金識別ユニット84、出金ユニット85、第1格納ユニット86、リジェクトユニット87の各ユニット内の紙幣の通路は、第1搬送路23に接続される。第2格納ユニット82、第3格納ユニット83の各ユニット内の紙幣の通路は、第2搬送路24に接続される。
【0023】
後部ユニット支持部80と、中部ユニット支持部79と、第2レール77は、ベースフレーム64に固定されている。ベースフレーム64は、第1レール63に移動自在に係合する不図示の係合部を備え、ベースフレーム64を第1レール63に沿って移動させることができる。第1レール63は、紙幣処理装置1の奥行き方向に沿って配置されており、また、第1レール63とリアケース4は固定されており、ベースフレーム64を移動させることで、ベースフレーム64に固定されている各機能ユニットをリアケース4内に納めることと、およびリアケース4外に出すことができる。
【0024】
図4は、紙幣処理装置の構成を説明する第2の図である。
図4は、各機能ユニットがケース外に出されている状態を示している。
図4は、紙幣処理装置1を側面視した場合の図である。
【0025】
第1搬送路23の紙幣を搬送する通路は、紙幣の一方側の面に対向する第1搬送面89と、紙幣の他方側の面に対向する第2搬送面90に挟まれた通路である。第2搬送路24の紙幣を搬送する通路は、紙幣の一方側の面に対向する第3搬送面91と、紙幣の他方側の面に対向する第4搬送面92に挟まれた通路である。
【0026】
第1搬送面89は、前部ユニット60の各機能ユニットの紙幣の入出口が配置されている。第2搬送面90は、第1ベルト27が配置されている。第3搬送面91は、後部ユニット62の各機能ユニットの紙幣の入出口が配置されている。第4搬送面92は、第2ベルト28が配置されている。各機能ユニット内の紙幣の搬送方向に対して、第1搬送路23と第2搬送路24の紙幣の搬送方向は、大凡90度の角度で交差している。
【0027】
前部ユニット60と周回搬送ユニット61を接続し、連結した場合、第1搬送面89と第2搬送面90が対向し第1搬送路23を形成する。後部ユニット62と周回搬送ユニット61を接続し、連結した場合、第3搬送面91と第4搬送面92が対向し第2搬送路24を形成する。
【0028】
周回搬送ユニット61は、回転軸81を回動中心として回動させることができる。破線で示した周回搬送ユニット61の直立位置88は、周回搬送ユニット61と後部ユニット62が接続され、連結された状態を示している。実線で示した周回搬送ユニット61は、回転軸81を中心に、フロントケース5側に倒された状態であり、後部ユニット62と周回搬送ユニット61が離された状態を示している。この状態では、第3搬送面91と第4搬送面92は離れているので、第2搬送路24に詰まった紙幣を取り出すことができる。第2ベルト28とピンチローラーが離れるので、容易に紙幣を取り出すことができる。例では、周回搬送ユニット61を回動させる機構を説明したが、レールを用いてスライドさせる機構を用いてもよい。
【0029】
前部ユニット60を第2レール77に沿って移動させ、前部ユニット60と周回搬送ユニット61を離すことができる。この状態では、第1搬送面89と第2搬送面90が離れているので、第1搬送路23に詰まった紙幣を取り出すことができる。第1ベルト27とピンチローラーが離れるので、容易に紙幣を取り出すことができる。
【0030】
紙幣処理装置1は、機能ユニットを移動させるスライド機構、回動機構を備え、第1搬送路23と第2搬送路24を露出させることで、紙幣の搬送路のメンテナンスを容易にできるようにした。また、第1湾曲搬送路25と第2湾曲搬送路26には、紙幣を挟持して搬送する機構が配置されていないので、詰まった紙幣を取り出すことが容易にできる。
【0031】
前部ユニット60には第1メンテナンス扉65が、後部ユニット62には第2メンテナンス扉66、第3メンテナンス扉67が開閉可能に備わる。第1メンテナンス扉65を開くことで、前部ユニット60に配置されている第1格納ユニット86とリジェクトユニット87は、メンテナンス作業が可能となる。第2メンテナンス扉66を開くことで、後部ユニット62に配置されている第2格納ユニット82のメンテナンス作業が可能となる。第3メンテナンス扉67を開くことで、後部ユニット62に配置されている第3格納ユニット83のメンテナンス作業が可能となる。
【0032】
次に、紙幣処理装置1の主要な構成について図を用いて説明する。
図1は、紙幣処理装置の内部の構成を説明する図である。
図1は、紙幣処理装置1を側面視した場合の図である。
【0033】
紙幣処理装置1は、紙幣の識別、搬送、格納などを行う機能ユニットが、リアケース4とフロントケース5によって覆われている。フロントケース5には、紙幣が入金口2に存在することを示す第1表示灯7、紙幣が出金口3に存在することを示す第2表示灯8が配置されている。出金口3には、シャッター9が備わる。シャッター9が開いている場合は、出金口3から紙幣を取り出すことができる。シャッター9が閉じている場合は、出金口3から紙幣を取り出すことができない。
【0034】
入金識別ユニット84は、紙幣を受け入れ、受け入れた紙幣を一枚ずつに分離し、一枚ずつに分離された紙幣の金種を識別し、次工程に搬送するユニットである。紙幣の長手方向が図の左右方向であり、紙幣は、入金口2から入金識別ユニット84の奥方向、すなわち図の右方向に挿入され、搬送される。
【0035】
フロントケース5には、開口部が形成されており、そこに紙幣を挿入する入金口2が配置されている。
【0036】
第1案内板10は、紙幣を入金口2から奥に案内する板である。第2案内板11は、第1案内板10に対向して配置され、第1案内板10と共に、紙幣を入金口2から奥に案内する紙幣通路を形成する。紙幣は、第1案内板10に表面または裏面を対向させた状態で搬送される。
【0037】
押え板12は、バネ13によって第1案内板10の方向に付勢され、紙幣を第1案内板10に押し付ける。第1分離ローラー14は、第1案内板10に設けられた貫通孔から、一部が第1案内板10の表面から突出している。また第1分離ローラー14は、押え板12に対向して配置されている。第1分離ローラー14は、不図示のモーターによって駆動される。入金口2から挿入された紙幣は、押え板12と第1分離ローラー14によって挟まれ、第1分離ローラー14に接触した紙幣が搬送される。複数枚の紙幣が挿入された場合は、第1案内板10側の紙幣から順番に一枚ずつ奥に搬送される。入金センサー15は、紙幣の有無を検出するセンサーである。
【0038】
第2分離ローラー16は、第1案内板10に形成された貫通孔から突出すると共に、第3分離ローラー17に接する。第2分離ローラー16は不図示のモーターによて駆動される。第3分離ローラー17は、紙幣の搬送方向には回転しない。複数枚の紙幣が堆積した状態で挿入された場合に、第3分離ローラー17の湾曲した表面に沿って、夫夫の紙幣の先端がずれて当接する。第1案内板10に近い位置の紙幣の先端ほど、紙幣搬送路の奥に位置する。
【0039】
第1案内板10に一番近い紙幣は、第2分離ローラー16と第3分離ローラー17によって一枚だけ挟まれ状態になり、この紙幣が一枚だけ搬送される。分離部は、入金口2から入金部搬送ベルト19までの間に配置された機構であり、重ねられた複数枚の紙幣を一枚ずつに分離し、入金部搬送ベルト19に受け渡す。
【0040】
入金部搬送ベルト19は、複数の入金部プーリー18に掛け回されている。少なくとも両端の入金部プーリー18に掛け回されていればよい。両端の入金部プーリー18のうちの一つが不図示のモーターによって駆動され、入金部搬送ベルト19が駆動される。入金部ピンチローラー20は、入金部搬送ベルト19の方向に付勢されている。1枚に分離された紙幣は、入金部ピンチローラー20と入金部搬送ベルト19によって挟まれ、搬送される。
【0041】
識別センサー21は、両端に配置された入金部ピンチローラー20の間の領域に、配置されている。識別センサー21は、入金された紙幣の金種を識別するためのセンサーである。入金部ピンチローラー20と入金部搬送ベルト19によって搬送される紙幣は、識別センサー21によって金種が識別される。この識別センサー21の配置されている部分を識別部と称する。識別センサー21によって識別された金種に応じて、紙幣が格納されたり、排出されたりする。
【0042】
入金部入出ガイド22は、紙幣を直線状の第1搬送路23に侵入させるための搬送路であり、湾曲した搬送路である。入金識別ユニットは、入金部入出ガイド22によって第1搬送路23に接続される。
【0043】
次に、紙幣を周回させて搬送する周回搬送路を構成する周回搬送ユニット61について説明する。
【0044】
第1搬送路23は、紙幣を搬送する直線状の搬送路である。第2搬送路24は、紙幣を搬送する直線状の搬送路である。第1搬送路23と第2搬送路24は対向している。第1湾曲搬送路25は、第1搬送路23の上方の端部と第2搬送路24の上方の端部とを接続する搬送路である。第2湾曲搬送路26は、第1搬送路23の下方の端部と第2搬送路24の下方の端部とを接続する搬送路である。紙幣を周回させる周回搬送路は、第1搬送路23、第2湾曲搬送路26、第2搬送路24、第1湾曲搬送路25によって形成されている。
【0045】
第1湾曲搬送路25と第2湾曲搬送路26には、紙幣に接し、紙幣を移動させるローラー等の駆動機構が配置されていない。第1湾曲搬送路25と第2湾曲搬送路26は、紙幣の表面を支持するガイドと裏面を支持するガイドによって挟まれた通路である。第1湾曲搬送路25と第2湾曲搬送路26は、駆動機構の配置や形状の制限が無い。第1湾曲搬送路25と第2湾曲搬送路26は、紙幣が通過可能な形状の通路であれば良く、搬送路の形状を自由に決めることができる。例えば、第1湾曲搬送路25または第2湾曲搬送路26を、角丸台形状の搬送路とすることで、周回搬送路の上下方向の長さを短くすることもできる。この場合、搬送機構を構成する部品やモーターからの動力を伝える伝達機構を第1湾曲搬送路25または第2湾曲搬送路26に設ける必要が無く、他の部品を配置する場所が確保でき、装置の省スペース化を可能としている。
【0046】
第1搬送路23には、紙幣の入金識別ユニット84の他に、紙幣を出金する出金ユニット85、第1の金種の紙幣を格納する第1格納ユニット86、回収される紙幣を格納するリジェクトユニット87が接続されている。第1搬送路23において紙幣の移動方向を変更することのできる第1分岐板37、第2分岐板38、第3分岐板39が、入金識別ユニット84、出金ユニット85、第1格納ユニット86、リジェクトユニット87の何れかに配置されている。第1分岐板37、第2分岐板38、第3分岐板39の夫夫は、不図示のアクチュエーターにより駆動される。第1分岐板37は、第1搬送路23を移動する紙幣を直進させるか、または出金ユニット85に案内する。第2分岐板38は、第1搬送路23を移動する紙幣を直進させるか、または第1格納ユニット86に案内する。また第2分岐板38は、紙幣を出金させるために第1格納ユニット86から第1搬送路23に案内する。第3分岐板39は、第1搬送路23を移動する紙幣を直進させるか、またはリジェクトユニット87に案内する。第1分岐板37、第2分岐板38、第3分岐板39は、不図示のアクチュエータによって駆動され、紙幣を所望の方向に移動させることができる。
【0047】
第2搬送路24には、第2の金種の紙幣を格納する第2格納ユニット82、第3の金種の紙幣を格納する第3格納ユニット83が接続されている。第2搬送路24において紙幣の移動方向を変更することのできる第4分岐板40、第5分岐板41が、第2格納ユニット82、第3格納ユニット83の何れかに配置されている。第4分岐板40、第5分岐板41の夫夫は、不図示のアクチュエーターにより駆動される。第4分岐板40は、第2搬送路24を移動する紙幣を直進させるか、または第2格納ユニット82に案内する。また第4分岐板40は、紙幣を出金させるために第2格納ユニット82から第2搬送路24に案内する。第5分岐板41は、第2搬送路24を移動する紙幣を直進させるか、または第3格納ユニット83に案内する。また第5分岐板41は、紙幣を出金させるために第3格納ユニット83から第2搬送路24に案内する。第4分岐板40、第5分岐板41は、不図示のアクチュエーターによって駆動され、紙幣を所望の方向に移動させることができる。
【0048】
直線状の第1搬送路23または直線状の第2搬送路24に紙幣を侵入させる部分は複数箇所ある。紙幣が搬送路に侵入するときの角度が異なる場合、進入角度がきつい角度の場所では、搬送の異常が多く発生する。紙幣の進入角度を一定とすることで、問題が生じ易い場所を無くし、安定した搬送を実現できる。また、直線状の第1搬送路23または直線状の第2搬送路24から紙幣を退出させる部分は複数箇所ある。紙幣の搬送路からの退出角度が異なる場合、退出角度がきつい角度の場所では、搬送の異常が多く発生する。紙幣の搬送路からの退出角度を一定とすることで、問題が生じ易い場所を無くし、安定した搬送を実現できる。
【0049】
第1搬送路23は、第1従動プーリー29と第1駆動プーリー30に掛け回された第1ベルト27と、第1ベルト27の方向に付勢された複数の搬送部ピンチローラー35を備え、第1ベルト27と搬送部ピンチローラー35によって紙幣が挟まれ、搬送される。第1駆動プーリー30は不図示のモーターによって駆動され、第1ベルト27は、第1駆動プーリー30によって駆動される。搬送部ピンチローラー35に対応する位置には、第1ベルト27を挟み支持ローラー36が配置されている。この支持ローラー36は、搬送部ピンチローラー35によって押圧される第1ベルト27の撓みを防止する。第1従動プーリー29、第1駆動プーリー30に対応して、搬送部ピンチローラー35を配置することもできる。第1ベルト27に対向して配置されている搬送部ピンチローラー35は、入金識別ユニット84、出金ユニット85、第1格納ユニット86、リジェクトユニット87の何れかに回動自在に支持されている。
【0050】
第2搬送路24は、第2従動プーリー31と第2駆動プーリー32に掛け回された第2ベルト28と、第2ベルト28の方向に付勢された複数の搬送部ピンチローラー35を備え、第2ベルト28と搬送部ピンチローラー35によって紙幣が挟まれ、搬送される。第2駆動プーリー32は不図示のモーターによって駆動され、第2ベルト28は、第2駆動プーリー32によって駆動される。搬送部ピンチローラー35に対応する位置には、第2ベルト28を挟み支持ローラー36が配置されている。この支持ローラー36は、搬送部ピンチローラー35によって押圧される第2ベルト28の撓みを防止する。第2従動プーリー31、第2駆動プーリー32に対応して、搬送部ピンチローラー35を配置することもできる。第2ベルト28に対向して配置されている搬送部ピンチローラー35は、第2格納ユニット82、第3格納ユニット83の何れかに回動自在に支持されている。
【0051】
第1ベルト27と第2ベルト28は、第1駆動プーリー30の回転軸に固定された紙面奥行き方向に配置された不図示のプーリーと第2駆動プーリー32の回転軸に固定された紙面奥行き方向に配置された不図示のプーリーとに掛け回された伝達ベルト34によって駆動力が伝わり、連動する。テンションローラー33は、伝達ベルト34の撓みを防止し、適度な張力を伝達ベルト34に与える。
【0052】
紙幣の周回搬送路は、紙幣処理装置1の奥行きを短くするために、紙幣処理装置1の側面視で縦長の角丸長方形状に形成されている。図において左右方向が紙幣処理装置1の奥行き方向である。紙幣処理装置1の側面視で、紙幣の周回搬送路の第1搬送路23に対向して複数の機能ユニットが上下に重ねられて配置され、第2搬送路24に対向して複数の機能ユニットが上下に重ねられて配置されている。各機能ユニットの側面と周回搬送ユニット61の側面とで第1搬送路23と第2搬送路24が構成されている。これにより、周回搬送ユニット61の紙幣処理装置1の奥行き方向のサイズの小型化がでる。
【0053】
次に、出金ユニット85について説明する。
【0054】
出金ユニットトレー44は、出金される紙幣を重ねて格納する。出金ユニットトレー44に重ねて格納された紙幣は、出金口3から取り出すことができる。シャッター9が開いている場合は、出金口3から出金ユニットトレー44に格納されている紙幣を取出すことができ、閉じている場合は出金口3から紙幣を取り出すことができない。
【0055】
第1分岐板37を駆動し、紙幣を案内する方向を変え、第1搬送路23から出金口3の方向に紙幣を案内する。出金ユニットベルト42と出金ユニットローラー43を駆動することで、第1分岐板37によって導かれた紙幣を出金ユニットトレー44に搬送する。出金ユニットベルト42は不図示のピンチローラーが対向して配置されている。このピンチローラーは出金ユニットベルト42の方向に付勢されている。出金ユニットベルト42とピンチローラーによって紙幣を挟むと共に、出金ユニットベルト42が回動することによって紙幣を出金ユニットトレー44に搬送する。出金ユニットローラー43には、複数の可撓性の羽が備わり、出金ユニットベルト42とピンチローラーによって搬送された紙幣は、羽によって投げられ、出金ユニットトレー44の上に堆積する。指定された金額分の紙幣が出金ユニットトレー44に格納された場合、シャッター9が開き、出金口3から外部に取り出すことができる。
【0056】
次に、第1格納ユニット86について説明する。
【0057】
第1格納ユニット86は、第1の金種の紙幣を重ねた状態で格納することと、格納されている紙幣を一枚ずつ排出することができる。
【0058】
第2分岐板38は、紙幣を第1搬送路23から第1格納ユニット86に案内する位置と、紙幣を第1搬送路23に沿って搬送させる位置と、紙幣を第1格納ユニット86から第1搬送路23に案内する位置の何れかの位置に駆動され、その位置に応じて紙幣が搬送される。
【0059】
紙幣を第1格納ユニット86に格納する場合、第2分岐板38を駆動し、紙幣を案内する方向を変え、第1搬送路23から第1格納ユニットトレー47の方向に紙幣を案内する。第1格納ユニット駆動ローラー45は、不図示のモーターによって駆動され、回転方向変えることで、紙幣の格納と排出を行う。第1格納ユニットピンチローラー46は、第1格納ユニット駆動ローラー45の方向に付勢され、第1格納ユニット駆動ローラー45と共に紙幣を挟み、挟んだ紙幣を搬送する。第1格納ユニット駆動ローラー45の回動方向によって、紙幣は、第1格納ユニットトレー47に搬送されるか、その逆方向に搬送される。第1格納ユニットトレー47に搬送された紙幣は、第1格納ユニットトレー47の上に堆積した状態で格納される。
【0060】
第1格納ユニット86から第1搬送路23に紙幣を送出する場合、第2分岐板38を駆動して紙幣の案内方向を変え、紙幣を第1格納ユニット86から第1搬送路23に案内する。第1格納ユニット駆動ローラー45は、紙幣を排出する方向に回転させ、第1格納ユニットピンチローラー46と共に紙幣を挟み、挟んだ紙幣を第1搬送路23に搬送する。紙幣は、支持ローラー36と搬送部ピンチローラー35によって挟持され、第1搬送路23内を搬送される。
【0061】
第1格納ユニット昇降機構48は、第1格納ユニットトレー47を昇降させる。紙幣を排出をする場合に、第1格納ユニット昇降機構48は、堆積した複数の紙幣から、紙幣を1枚ずつ分離し、第1格納ユニット駆動ローラー45と第1格納ユニットピンチローラー46の間に送る不図示の分離機構の動作に合わせて、第1格納ユニットトレー47を昇降させる。
【0062】
次にリジェクトユニット87について説明する。
【0063】
リジェクトユニット87は、回収する金種の紙幣を重ねた状態で格納することができる。例えば、旧紙幣、流通量の少ない紙幣などを格納する。
【0064】
第3分岐板39は、紙幣を第1搬送路23からリジェクトユニット87に案内する位置と、紙幣を第1搬送路23に沿って搬送させる位置の何れかの位置に駆動され、その位置に応じて紙幣が搬送される。
【0065】
紙幣をリジェクトユニット87に格納する場合、第3分岐板39を駆動し、紙幣を案内する方向を変え、第1搬送路23からリジェクトユニットトレー51の方向に紙幣を案内する。リジェクトユニット駆動ローラー49は、不図示のモーターによって駆動され、紙幣の格納を行う。リジェクトユニットピンチローラー50は、リジェクトユニット駆動ローラー49の方向に付勢され、リジェクトユニット駆動ローラー49と共に紙幣を挟み、挟んだ紙幣をリジェクトユニットトレー51に搬送する。搬送された紙幣は、リジェクトユニットトレー51の上に重ねられて格納される。
【0066】
次に、第2格納ユニット82について説明する。
【0067】
第2格納ユニット82は、第2の金種の紙幣を重ねた状態で格納することと、格納されている紙幣を一枚ずつ排出することができる。
【0068】
第4分岐板40は、紙幣を第2搬送路24から第2格納ユニット82に案内する位置と、紙幣を第2搬送路24に沿って搬送させる位置と、紙幣を第2格納ユニット82から第2搬送路24に案内する位置の何れかの位置に駆動され、その位置に応じて紙幣が搬送される。
【0069】
紙幣を第2格納ユニット82に格納する場合、第4分岐板40を駆動し、紙幣を案内する方向を変え、第2搬送路24から第2格納ユニットトレー54の方向に紙幣を案内する。第2格納ユニット駆動ローラー52は、不図示のモーターによって駆動され、回転方向変えることで、紙幣の格納と排出を行う。第2格納ユニットピンチローラー53は、第2格納ユニット駆動ローラー52の方向に付勢され、第2格納ユニット駆動ローラー52と共に紙幣を挟み、挟んだ紙幣を第2格納ユニットトレー54に搬送する。搬送された紙幣は、第2格納ユニットトレー54の上に重ねられた状態で格納される。
【0070】
紙幣を第2格納ユニット82から第2搬送路24に送出する場合は、第4分岐板40を駆動し、紙幣の案内方向を変え、紙幣を第2搬送路24の紙幣の搬送方向に案内する。第2格納ユニット駆動ローラー52は、紙幣を排出する方向に回転させ、第2格納ユニットピンチローラー53と共に紙幣を挟み、挟んだ紙幣を第2搬送路24に搬送する。紙幣は、支持ローラー36と搬送部ピンチローラー35によって挟持され、第2搬送路24内を搬送される。
【0071】
第2格納ユニット昇降機構55は、第2格納ユニットトレー54を昇降させる。紙幣を排出をする場合に、第2格納ユニット昇降機構55は、堆積した複数の紙幣から、紙幣を1枚ずつ分離し、第2格納ユニット駆動ローラー52と第2格納ユニットピンチローラー53の間に送る不図示の分離機構の動作に合わせて、第2格納ユニットトレー54を昇降させる。
【0072】
次に、第3格納ユニット83について説明する。
【0073】
第3格納ユニット83は、第3の金種の紙幣を重ねた状態で格納することと、格納されている紙幣を一枚ずつ排出することができる。
【0074】
第5分岐板41は、紙幣を第2搬送路24から第3格納ユニット83に案内する位置と、紙幣を第2搬送路24に沿って搬送させる位置と、紙幣を第3格納ユニット83から第2搬送路24に案内する位置の何れかの位置に駆動され、その位置に応じて紙幣が搬送される。
【0075】
紙幣を第3格納ユニット83に格納する場合、第5分岐板41を駆動し、紙幣を案内する方向を変え、第2搬送路24から第3格納ユニットトレー58の方向に紙幣を案内する。第3格納ユニット駆動ローラー56は、不図示のモーターによって駆動され、回転方向変えることで、紙幣の格納と排出を行う。第3格納ユニットピンチローラー57は、第3格納ユニット駆動ローラー56の方向に付勢され、第3格納ユニット駆動ローラー56と共に紙幣を挟み、挟んだ紙幣を第3格納ユニットトレー58に搬送する。搬送された紙幣は、第3格納ユニットトレー58上に重ねられた状態で格納される。
【0076】
紙幣を第3格納ユニット83から第2搬送路24に送出する場合は、第5分岐板41を駆動し、紙幣を案内する方向を変え、紙幣を第2搬送路24の紙幣の搬送方向に案内する。第3格納ユニット駆動ローラー56は、紙幣を排出する方向に回転させ、第3格納ユニットピンチローラー57と共に紙幣を挟み、挟んだ紙幣を第2搬送路24に搬送する。紙幣は、支持ローラー36と搬送部ピンチローラー35によって挟持され、第2搬送路24内を搬送される。
【0077】
第3格納ユニット昇降機構59は、第3格納ユニットトレー58を昇降させる。紙幣を排出をする場合に、第3格納ユニット昇降機構59は、堆積した複数の紙幣から、紙幣を1枚ずつ分離し、第3格納ユニット駆動ローラー56と第3格納ユニットピンチローラー57の間に送る不図示の分離機構の動作に合わせて、第3格納ユニットトレー58を昇降させる。
図5は、紙幣処理装置の機能ユニットの概要を説明する第1の図である。
図5は、紙幣処理装置1を側面視した場合の図である。
【0078】
前部ユニット60、周回搬送ユニット61、後部ユニット62は、連結できる。後部ユニット62には、機能ユニットを固定する後部フレーム68が備わる。後部フレーム68には、固定された軸69と、その軸69に回動可能に支持された固定レバー70が備わる。固定レバー70には、第1凹部73、第2凹部76が備わる。周回搬送ユニット61には、機能ユニットを固定する中部フレーム71が備わる。中部フレーム71には、第1凹部73に係合する中部係止突起72が備わる。前部ユニット60は、機能ユニットを固定する前部フレーム74が備わる。前部フレーム74には、第2凹部76に係合する前部係止突起75が備わる。前部ユニット60、周回搬送ユニット61、後部ユニット62を連結することで、不図示の歯車が連結し、駆動力を各ユニットに伝えることができると共に、連動して駆動することができる。
【0079】
前部ユニット60と周回搬送ユニット61を当接させ、周回搬送ユニット61と後部ユニット62を当接させた状態で固定レバー70を回動させ、第1凹部73と中部係止突起72を係合させ、第2凹部76と前部係止突起75を係合させる。前部ユニット60と周回搬送ユニット61と後部ユニット62が連結された状態で固定される。
【0080】
前部ユニット60には、前部フレーム74に開閉可能な第1メンテナンス扉65が備わる。後部ユニット62には、後部フレーム68に開閉可能な第2メンテナンス扉66と、第3メンテナンス扉67が備わる。各扉は、開閉可能である。扉を開くことで、内部に格納されている各機能ユニットに触れることを可能とし、装置のメンテナンスができる。
【0081】
ベースフレーム64の不図示の係合部が、第1レール63に摺動可能に取り付けられており、ベースフレーム64を、第1レール63に沿って移動させることができる。第1レール63は、紙幣処理装置1の奥行き方向に配置された直線状のレールである。ベースフレーム64を移動させることで、前部ユニット60、周回搬送ユニット61、後部ユニット62をリアケース4の外に出すことができる。この状態では、第1メンテナンス扉65、第2メンテナンス扉66、第3メンテナンス扉67を開閉させることと、固定レバー70を回動させることができる。
【0082】
図6は、紙幣処理装置の機能ユニットの概要を説明する第2の図である。
図6は、紙幣処理装置1を側面視した場合の図である。前部ユニット60とフロントケース5は、第2レール77に摺動可能に係合したスライドフレーム78に固定されている。第2レール77は、第1レール63と並行に配置されている。固定レバー70を解除することで、前部ユニット60を周回搬送ユニット61から引き離すように移動させることができる。
【符号の説明】
【0083】
1 紙幣処理装置
2 入金口
3 出金口
4 リアケース
5 フロントケース
6 ロック
7 第1表示灯
8 第2表示灯
9 シャッター
10 第1案内板
11 第2案内板
12 押え板
13 バネ
14 第1分離ローラー
15 入金センサー
16 第2分離ローラー
17 第3分離ローラー
18 入金部プーリー
19 入金部搬送ベルト
20 入金部ピンチローラー
21 識別センサー
22 入金部入出ガイド
23 第1搬送路
24 第2搬送路
25 第1湾曲搬送路
26 第2湾曲搬送路
27 第1ベルト
28 第2ベルト
29 第1従動プーリー
30 第1駆動プーリー
31 第2従動プーリー
32 第2駆動プーリー
33 テンションローラー
34 伝達ベルト
35 搬送部ピンチローラー
36 支持ローラー
37 第1分岐板
38 第2分岐板
39 第3分岐板
40 第4分岐板
41 第5分岐板
42 出金ユニットベルト
43 出金ユニットローラー
44 出金ユニットトレー
45 第1格納ユニット駆動ローラー
46 第1格納ユニットピンチローラー
47 第1格納ユニットトレー
48 第1格納ユニット昇降機構
49 リジェクトユニット駆動ローラー
50 リジェクトユニットピンチローラー
51 リジェクトユニットトレー
52 第2格納ユニット駆動ローラー
53 第2格納ユニットピンチローラー
54 第2格納ユニットトレー
55 第2格納ユニット昇降機構
56 第3格納ユニット駆動ローラー
57 第3格納ユニットピンチローラー
58 第3格納ユニットトレー
59 第3格納ユニット昇降機構
60 前部ユニット
61 周回搬送ユニット
62 後部ユニット
63 第1レール
64 ベースフレーム
65 第1メンテナンス扉
66 第2メンテナンス扉
67 第3メンテナンス扉
68 後部フレーム
69 軸
70 固定レバー
71 中部フレーム
72 中部係止突起
73 第1凹部
74 前部フレーム
75 前部係止突起
76 第2凹部
77 第2レール
78 スライドフレーム
79 中部ユニット支持部
80 後部ユニット支持部
81 回転軸
82 第2格納ユニット
83 第3格納ユニット
84 入金識別ユニット
85 出金ユニット
86 第1格納ユニット
87 リジェクトユニット
88 直立位置
89 第1搬送面
90 第2搬送面
91 第3搬送面
92 第4搬送面