(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120683
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】空気調和機の室外機
(51)【国際特許分類】
F24F 1/22 20110101AFI20240829BHJP
F24F 1/20 20110101ALI20240829BHJP
【FI】
F24F1/22
F24F1/20
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027664
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 武礼
(57)【要約】 (修正有)
【課題】制御基板を取り外す際の作業性の向上を図る。
【解決手段】空気調和機の室外機は、少なくとも2枚の第1制御基板及び第2制御基板と、外部から導入される一次側配線55と第1制御基板及び第2制御基板とにそれぞれ接続される二次側配線56、57が接続されるターミナル26と、第1制御基板、第2制御基板及びターミナルを収容する筐体と、を備え、ターミナル26は、各二次側配線56、57の一端に設けた挿込端子92をそれぞれ接続可能な二次側端子82A、82Bが手前側から奥側に並べて配置された二次側配線接続部82を備え、最も手前側以外の二次側端子82Bに接続される二次側配線57は、他端が第2制御基板に着脱可能なコネクタを介して接続される。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの制御基板と、外部から導入される一次側配線、及び少なくとも2つの前記制御基板にそれぞれ接続される二次側配線が接続される端子台と、前記制御基板及び前記端子台を収容する筐体と、を備え、
前記端子台は、各二次側配線の一端をそれぞれ接続可能な二次側端子が手前側から奥側に並べて配置された二次側配線接続部を備え、
最も手前側以外の前記二次側端子に接続される前記二次側配線は、他端が前記制御基板に着脱可能な着脱部を介して接続されることを特徴とする空気調和機の室外機。
【請求項2】
最も手前側の前記二次側端子に接続される前記二次側配線は、他端が前記制御基板と半田付けにより接続される請求項1に記載の空気調和機の室外機。
【請求項3】
前記半田付けされる前記二次側配線は、一方の前記制御基板に接続され、前記着脱部を介する前記二次側配線は、一方の前記制御基板よりも消費される電力が小さい他方の前記制御基板に接続される請求項2に記載の空気調和機の室外機。
【請求項4】
前記筐体には空気を外部に送風するファンが収容され、
前記筐体における空気の吹出口が形成された面を前面とした場合、
前記着脱部を介して接続される他方の前記制御基板は、前記前面に沿って配置され、
前記半田付けにより接続される一方の前記制御基板は、前記筐体の天面に沿って配置される請求項2に記載の空気調和機の室外機。
【請求項5】
前記筐体には、冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒回路を流れる冷媒量を制御する膨張弁と、前記冷媒回路を冷房回路または暖房回路に切り替える四方弁と、水回路に水を循環させるポンプとが収容され、
前記着脱部を介して接続される他方の前記制御基板には、少なくとも前記ポンプを制御する電子部品が実装され、
前記半田付けにより接続される一方の前記制御基板には、少なくとも前記圧縮機と前記膨張弁と前記四方弁とを制御する電子部品が実装される請求項2に記載の空気調和機の室外機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体内に制御基板と端子台とを備えた空気調和機の室外機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、空気調和装置の室外機は、筐体内に圧縮機や室外熱交換機、室外ファンなどの冷媒回路構成機器と、これら冷媒回路構成機器をそれぞれ制御する制御基板と、この制御基板と室内機との電気的通信及び該制御基板に電源供給等を行うため、下側には外部からの一次側配線が接続され、上側には制御基板からの二次側配線が接続される端子台と、を有している。例えば、特許文献1の
図8には、制御基板へ接続される二次側配線の配線端子を、指や工具等でつまんで抜き差しできる二次側端子が左右方向に複数並んで構成された端子台を有する室外機が開示されている。この種の室外機では、例えば制御基板を筐体から取り外してメンテナンスを行う際、二次側配線の配線端子を指か工具でつまむことにより簡単に端子台から着脱することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、空気調和機の室外機には、2枚以上の制御基板を備えるものもある。この種の室外機の場合、端子台の設置スペースの関係上、端子台の二次側端子を前後に複数並べて、各制御基板の二次側配線の配線端子をそれぞれ手前側と奥側の二次側端子に接続する構成が想定される。この場合、例えば、制御基板のメンテナンス時に、奥側の二次側配線だけを端子台から取り外そうとしても、手前側の二次側配線の配線端子が邪魔となる。このため、制御基板を取り外すために奥側の二次側配線だけを取り外したい場合であっても、手前側の二次側配線を一部取り外したり、端子台そのものを室外機から取り外したりしてから奥側の二次側配線を取り外す必要があり、作業性の点で改善の余地があった。
【0005】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、制御基板を取り外す際の作業性の向上を図ることができる空気調和機の室外機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の開示する空気調和機の室外機の一態様は、少なくとも2つの制御基板と、外部から導入される一次側配線、及び少なくとも2つの制御基板にそれぞれ接続される二次側配線が接続される端子台と、制御基板及び端子台を収容する筐体と、を備え、端子台は、各二次側配線の一端をそれぞれ接続可能な二次側端子が手前側から奥側に並べて配置された二次側配線接続部を備え、最も手前側以外の二次側端子に接続される二次側配線は、他端が制御基板に着脱可能な着脱部を介して接続されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本願の開示する空気調和機の室外機の一態様によれば、例えば、メンテナンス時に制御基板を取り外す際の作業性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施例に係る空気調和機の冷媒回路と水回路の一例を示す回路構成図である。
【
図2】
図2は、室外機を前面側から見た外観斜視図である。
【
図3】
図3は、室外機を背面側から見た外観斜視図である。
【
図4】
図4は、室外機の内部構造を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、室外機の右前面側から見た電装ユニットの部分拡大斜視図である。
【
図6】
図6は、電装ユニットのターミナルの部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいて、本願の開示する空気調和機の室外機の実施例を詳細に説明する。なお、本実施例により、開示技術が限定されるものではない。また、以下に示す実施例は、矛盾を起こさない範囲で適宜変形しても良い。
【実施例0010】
<空気調和機の構成>
図1は、本実施例に係る空気調和機の冷媒回路と水回路の一例を示す回路構成図である。空気調和機1は室外機2と室内機3とを備え、これら室外機2と室内機3とは水配管により接続されて水回路4を形成する。空気調和機1は、室外機2及び室内機3の水回路4に冷水または温水を循環させることにより、室内機3が配置された部屋(空間)の冷房または暖房を行う。なお、
図1では、空気調和機1は1台の室内機3を備えたものを例示したが、室外機2に並列接続された複数台の室内機3を備えたものであってもよい。
【0011】
図1に示すように、室外機2は、圧縮機11と、四方弁12と、室外熱交換器13と、室外膨張弁14と、水冷媒熱交換器15と、アキュムレータ16と、室外ファン(ファン)17とを有する。これら圧縮機11、四方弁12、室外熱交換器13、室外膨張弁14、水冷媒熱交換器15及びアキュムレータ16は、それぞれ冷媒配管18により接続されて冷媒回路10を形成する。この冷媒回路10は、室外機2の内部で完結して冷凍サイクルを構成する。本実施例では、冷媒回路10には室外熱交換器13と室外膨張弁14との間に冷媒冷却装置24が設けられている。この冷媒冷却装置24は、制御基板と熱的に連結される冷媒配管18の一部を含み、冷媒配管18を流れる冷媒の冷熱によって、制御基板に実装された発熱部品を冷却する。また、水冷媒熱交換器15には、冷媒配管18とは別に水配管19が接続されている。この水配管19は、室外機2の外部に延びて室内機3の室内ユニット23(後述する)に接続されて水回路4を形成する。
【0012】
圧縮機11は、例えば、運転容量を変更できる高圧容器型の能力可変型圧縮機であり、吸入した低圧のガス冷媒を圧縮して高圧のガス冷媒を吐出する。圧縮機11の冷媒吐出側には四方弁12が接続され、冷媒吸入側にはアキュムレータ16が接続されている。
【0013】
四方弁12は、冷媒回路10における冷媒の流れる方向を切替えるための弁であり、第1のポート12A~第4のポート12Dを備えている。第1のポート12Aは、圧縮機11の冷媒吐出側と接続されている。第2のポート12Bは、室外熱交換器13の一方の冷媒出入口13Aと接続されている。第3のポート12Cは、アキュムレータ16の冷媒流入側と接続されている。そして、第4のポート12Dは、水冷媒熱交換器15の一方の冷媒出入口15Aと接続されている。
【0014】
室外熱交換器13は、例えば、フィンチューブ熱交換器が用いられる。室外熱交換器13は、冷媒と室外ファン17の回転により室外機2の内部に取り込まれた外気とを熱交換させる。室外熱交換器13の他方の冷媒出入口13Bは、室外膨張弁14を介して、水冷媒熱交換器15の他方の冷媒出入口15Bと接続されている。室外熱交換器13は、空気調和機1が冷房運転を行う場合に凝縮器として機能して、ガス冷媒を凝縮(液化)させる。また、室外熱交換器13は、空気調和機1が暖房運転を行う場合に蒸発器として機能して、液冷媒を蒸発(気化)させる。
【0015】
室外膨張弁14は、室外熱交換器13の他方の冷媒出入口13Bと水冷媒熱交換器15の他方の冷媒出入口15Bとの間に設けられている。室外膨張弁14は、例えば電子膨張弁であり、弁開度を調整することで、室外膨張弁14を通過する液冷媒を減圧(膨張)する。
【0016】
水冷媒熱交換器15は、例えばプレート熱交換器が用いられる。水冷媒熱交換器15は、冷媒回路10を循環する冷媒と水回路4を循環する水とを熱交換する。水冷媒熱交換器15は、空気調和機1が冷房運転や除霜運転を行う場合に蒸発器として機能して、液冷媒を蒸発(気化)させる。また、水冷媒熱交換器15は、空気調和機1が暖房運転を行う場合に凝縮器として機能して、ガス冷媒を凝縮(液化)させる。水冷媒熱交換器15は、水入口15Cと水出口15Dとを有し、これら水入口15Cと水出口15Dにそれぞれ水配管19が接続されて水回路4の一部を構成する。また、例えば、水入口15C側には、水回路4に水を循環させる循環ポンプ21が設けられ、水出口15D側には、水回路4内に進入した空気を抜くための空気抜き弁22が設けられる。
【0017】
アキュムレータ16の冷媒流入側は、四方弁12の第3のポート12Cと接続され、冷媒流出側は圧縮機11の冷媒流入側と接続される。アキュムレータ16は、中空の圧力容器として形成され、内部に流入した冷媒をガス冷媒と液冷媒とに分離して、ガス冷媒のみを圧縮機11に吸入させる。
【0018】
室外ファン17は、室外熱交換器13の近傍に配置され、該室外熱交換器13に向けて空気を送る。具体的には、室外ファン17は、室外機2の後述する吸込口44及び吸込開口46から該室外機2の内部へ外気を取り込み、室外熱交換器13において冷媒と熱交換した外気を後述する吹出口41から室外機2の外部へ放出する。
【0019】
一方、室内機3は、室内ユニット23を有する。室内ユニット23は、例えば、床暖房装置やラジエタが用いられる。室内ユニット23の一方の冷媒出入口23Aは、水冷媒熱交換器15の水出口15Dと接続されている。また、室内ユニット23の他方の冷媒出入口23Bは、循環ポンプ21を介して、水冷媒熱交換器15の水入口15Cと接続されている。これにより、室内ユニット23は、水配管19により水冷媒熱交換器15と接続されて水回路4を構成し、この水回路4を循環する水と室内ユニット23において放熱あるいは吸熱を行うことで、室内機3が設置された空調空間の暖房あるいは冷房が行われる。
【0020】
<運転時の動作>
次に、空気調和機1の運転時の冷媒の流れと水の流れについて説明する。尚、
図1における破線矢印は暖房運転時の冷媒の流れを示し、実線矢印は冷房運転時の冷媒の流れを示している。
【0021】
空気調和機1が暖房運転を行う場合、四方弁12は、第1のポート12Aと第4のポート12Dとが連通し、第2のポート12Bと第3のポート12Cとが連通するように切替えている。これにより、冷媒回路10は、水冷媒熱交換器15が凝縮器として機能し、室外熱交換器13が蒸発器として機能する暖房サイクルとなる。
【0022】
冷媒回路10が上記の状態で圧縮機11が駆動すると、圧縮機11から吐出された冷媒は、四方弁12に流入し、四方弁12から水冷媒熱交換器15に流入する。水冷媒熱交換器15に流入した高温のガス冷媒は、循環ポンプ21の動作により水冷媒熱交換器15の水回路4を循環する水との間で熱交換することで凝縮する。一方、水回路4を循環する水は、水冷媒熱交換器15で冷媒によって加熱されて温水となる。この温水は、水回路4の水配管19を通じて、室内機3の室内ユニット23に流入する。そして、室内ユニット23で温水が放熱することで、室内機3が設置された室内の暖房が行われる。
【0023】
水冷媒熱交換器15で水と熱交換して凝縮した液冷媒は、室外膨張弁14を通過して減圧された後、冷媒冷却装置24を介して室外熱交換器13に流入する。室外熱交換器13に流入した冷媒は、室外ファン17の回転によって室外機2内に流入した外気と熱交換を行って蒸発する。室外熱交換器13で蒸発したガス冷媒は、四方弁12、アキュムレータ16の順に通過し、圧縮機11に吸入されて再び圧縮される。
【0024】
また、空気調和機1が冷房運転あるいは除霜運転を行う場合、四方弁12は、第1のポート12Aと第2のポート12Bとが連通し、第3のポート12Cと第4のポート12Dとが連通するように切替えられる。これにより、冷媒回路10は、水冷媒熱交換器15が蒸発器として機能し、室外熱交換器13が凝縮器として機能する冷房サイクルとなる。
【0025】
冷媒回路10が上記の状態で圧縮機11が駆動すると、圧縮機11から吐出された冷媒は、四方弁12に流入し、四方弁12から室外熱交換器13に流入する。室外熱交換器13に流入した高温のガス冷媒は、室外ファン17の回転により室外機2内に取り込まれた室外空気との間で熱交換することで凝縮する。なお、除霜運転を行っている場合は、室外熱交換器13で発生した霜が、室外熱交換器13に流入する冷媒の熱によって融解される。
【0026】
室外熱交換器13で凝縮した液冷媒は、冷媒冷却装置24を通過して室外膨張弁14で減圧され後、水冷媒熱交換器15に流入する。水冷媒熱交換器15に流入した液冷媒は、循環ポンプ21の運転により水冷媒熱交換器15の水回路4を循環する水との間で熱交換することで蒸発する。一方、水回路4を循環する水は、水冷媒熱交換器15で冷媒によって冷却されて冷水となる。この冷水は、水回路4の水配管19を通じて、室内機3の室内ユニット23に流入する。そして、室内ユニット23で冷水によって室内の空気が吸熱されることで、室内機3が設置された室内の冷房が行われる。なお、除霜運転を行っている場合は、室内温度の低下を抑制するために循環ポンプ21を停止させて水回路4における水の循環を止める。
【0027】
水冷媒熱交換器15で蒸発したガス冷媒は、四方弁12、アキュムレータ16の順に通過し、圧縮機11に吸入されて再び圧縮される。
【0028】
<室外機の構造>
次に、室外機2の外観及び内部構造について説明する。
図2は、室外機を前面側から見た外観斜視図であり、
図3は、室外機を背面側から見た外観斜視図である。
図4は、室外機の内部構造を示す斜視図である。なお、以下に述べる前後、上下及び左右といった方向は、室外機2を設置した状態で、後述する吹出口41から空気が吹き出される方向を前方とし、前面側から室外機2を見た場合の方向を示している。
【0029】
図2及び
図3に示すように、室外機2は、左右方向(幅方向)の寸法の方が前後方向(奥行方向)の寸法よりも大きい直方体箱形状の筐体30を備える。この筐体30は、設置面に対向するように配置される底板31と、底板31よりも高さ方向の上方に配置される天面パネル32と、底板31と天面パネル32とを接続し、筐体30の内部と外部とを区画する側面パネル部33とを備えている。
【0030】
筐体30の内部は、
図4に示すように、底板31に立設された仕切り板34によって、熱交換室RAと機械室RBとに区画分けされている。熱交換室RAには、該熱交換室RAの背面側に室外熱交換器13が収容され、前面側に室外ファン17が収容される。室外熱交換器13は、上面(天面パネル32側)から見たときにL字形状に屈曲されて形成され、熱交換室RAの背面側から左側面側に沿わせて底板31に支持されている。
【0031】
室外ファン17は、底板31に立設された一対の支持部材35,35に取り付けられている。室外ファン17は、いわゆる軸流ファンであり、図示しないファンモータによる室外ファン17の回転駆動により、室外機2の外側、すなわち室外熱交換器13の背面側に形成される吸込口44(後述する)及び左側面側に形成される吸込開口46(後述する)から外気を熱交換室RA内に吸い込む。そして、室外熱交換器13で熱交換後の空気を熱交換室RAの前面側に形成された吹出口41(後述する)から前方に吹き出す。このように、室外機2は、前面側から熱交換後の空気を吹き出す前面吹き出しタイプの室外機である。
【0032】
機械室RBの下部空間には、冷媒回路10を構成する機器(冷媒回路構成機器)の一部である圧縮機11、アキュムレータ16、四方弁12(
図1)、室外膨張弁14(
図1)などが配置される。圧縮機11及びアキュムレータ16は、底板31に固定されている。また、機械室RBの下部空間には、水回路4の構成する機器(水回路構成機器)の一部である水冷媒熱交換器15、空気抜き弁22、循環ポンプ(ポンプ)21などが配置されるこの実施例では、水冷媒熱交換器15は、機械室RB(筐体30)の下部空間における背面側と右側面側との角部の近くに配置される。また、機械室RBの上部空間には、室外機2及び室内機3の動作を制御するための電装部品を有する電装ユニット25が配置されている。この電装ユニット25は、少なくとも第1制御基板27(一方の制御基板)と第2制御基板(他方の制御基板)28とターミナル(端子台)26とを備え、仕切り板34に取り付けられている。
【0033】
次に、側面パネル部33について説明する。側面パネル部33は、複数のパネル部材を組み合わせて形成されている。本実施例では、
図2及び
図3に示すように、側面パネル部33は、前面パネル36と、背面パネル37と、右側面パネル38と、左側面パネル39と、サービスパネル40とを備える。これら前面パネル36、背面パネル37、右側面パネル38及び左側面パネル39は、筐体30を上面から見たときに、筐体30の隣接する2つの面と、これら2つの面に挟まれる角部とを含んだL字形状にそれぞれ形成されている。
【0034】
具体的には、前面パネル36は、筐体30の前面の一部を形成する第1前面部36Aと、筐体30の左側面の一部を形成する第1左側面部36Bとを一体に備える。背面パネル37は、筐体30の背面の一部を形成する第1背面部37Aと、筐体30の右側面の一部を形成する第1右側面部37Bとを一体に備える。右側面パネル38は、筐体30の右側面の一部を形成する第2右側面部38Aと、筐体30の前面の一部を形成する第2前面部38Bとを一体に備える。左側面パネル39は、筐体30の左側面の一部を形成する第2左側面部39Aと、筐体30の背面の一部を形成する第2背面部39Bとを一体に備える。
【0035】
前面パネル36の第1前面部36Aは、熱交換室RAの前面側に配置され、右側面パネル38の第2前面部38Bは、機械室RBの前面側に配置される。これら第1前面部36A及び第2前面部38Bは、左右に並べて配置され、筐体30の前面(第1の面)を形成する。第1前面部36Aには、熱交換室RA内部で熱交換された空気が吹き出す吹出口41が形成される。この吹出口41は、例えば円形のベルマウス41Aを有し、このベルマウス41A内に室外ファン17の一部が配置される。前面パネル36の前方には、吹出口41を覆う網状のファンガード42が設けられている。このファンガード42は、該ファンガード42を上方から見たときに、L字形状に形成され、前面パネル36の第1前面部36Aから第1左側面部36Bに沿って配置されている。このファンガード42は、該ファンガード42の上端部(上方側の端部)42Aと天面パネル32との間に所定の間隔をあけて、前面パネル36に固定されている。また、第1前面部36Aにおける吹出口41の上方には、左右(幅)方向に延在する遮水板43が設けられている。
【0036】
背面パネル37の第1背面部37Aと左側面パネル39の第2背面部39Bとは、間隔をあけて左右に並べて配置され、筐体30の背面を形成する。これら第1背面部37Aと第2背面部39Bとの間には、室外熱交換器13が露出して配置され、この露出した領域が吸込口44となる。この吸込口44の後方には、網状のフィンガード45が設けられている。また、第1背面部37Aは、機械室RBの背面側に配置されており、水冷媒熱交換器15と隙間をあけて対向している。第1背面部37Aの下部には、機械室RBの内部に空気(外気)を取り入れる外気取込口48が形成され、第1背面部37Aの外側には、外気取込口48を覆う雨避けカバー49が設けられている。この雨避けカバー49は、下側が開放された開口部49Aを有し、この開口部49Aは外気取込口48に連通している。
【0037】
右側面パネル38の第2右側面部38Aと背面パネル37の第1右側面部37Bとは、間隔をあけて前後に並べて配置され、筐体30の前面と背面とを繋ぐ右側面を形成する。これら第2右側面部38Aと第1右側面部37Bとの間には、上記したサービスパネル40が着脱自在に配置されている。このサービスパネル40を取り外すことにより、機械室RB内にアクセスすることができ、電装ユニット25や各種回路構成機器のメンテナンスを容易に実行できる。
【0038】
左側面パネル39の第2左側面部39Aと前面パネル36の第1左側面部36Bとは、前後に並べて配置され、筐体30の前面と背面とを繋ぐ左側面を形成する。第2左側面部39Aは、室外熱交換器13の一部と対向し、この第2左側面部39Aには、複数の吸込開口46が形成されている。
【0039】
また、筐体30の側面パネル部33には、室外機2を運搬するための複数の取手部51,52,53が設けられている。これらの取手部51~53は、それぞれ筐体30の角部近傍に配置されている。
【0040】
次に、電装ユニット25について説明する。
図5は、室外機の右前面側から見た電装ユニットの部分拡大斜視図である。
図5に示すように、電装ユニット25は、第1制御基板27と第2制御基板28とターミナル26とを備え、主に機械室RBの上部空間に配置されている。ターミナル26は、外部から筐体30内に導入される電源線としての一次側配線55と、第1制御基板27に電力を供給する二次側配線56及び第2制御基板28に電力を供給する二次側配線57とが接続される機器である。
【0041】
また、本実施例では、第1制御基板27は、室外ファン17及び冷媒回路構成機器の動作を制御するメイン制御基板であり、第2制御基板28は、水回路構成機器の動作を制御する水回路制御基板である。第1制御基板27には、制御回路の一部を構成し、マイコン等の電子部品、設定回路を構成するスイッチなどの操作のための電子部品、表示回路を構成するLEDなどの弱電系の電子部品(弱電部品ともいう)と、制御回路の残りを構成し、電力変換を行うための強電系の複数の電子部品(強電部品ともいう)とが実装される。これら強電部品は、例えば圧縮機11を駆動するためのインバータ回路のICなどの電子部品を含み、上記した弱電部品よりも発熱量が大きい。また、第2制御基板28には、第1制御基板27と異なり、強電部品がほとんど実装されていない。このため、第2制御基板28には、強電部品よりも発熱量の小さい弱電部品が主に実装される。これにより、第2制御基板28は、第1制御基板27よりも消費される電力が小さい基板となる。
【0042】
本実施例では、第2制御基板28は、機械室RBを構成する筐体30の前面、すなわち右側面パネル38の第2前面部38B(
図2参照)に沿って配置される。第2制御基板28は、矩形板状に形成され、該第2制御基板28よりもサイズが大きい第2制御基板保持部61に保持される。第2制御基板保持部61は板状部材であり、第2制御基板保持部61の一端61Aは、仕切り板34の前側の上部に固定されている。この仕切り板34は、筐体30の前面から背面に向けて前後方向に延在して設けられている。第2制御基板保持部61は、機械室RB内を左右方向、言い換えれば、仕切り板34に対して垂直となるように延在する。
【0043】
第2制御基板保持部61の他端61Bには、第1支持部材71の一端71Aが固定されている。この第1支持部材71は板状部材であり、機械室RB内を前後方向、言い換えれば、第2制御基板保持部61に対して垂直となるように延在する。第1支持部材71は、仕切り板34との間に間隔をあけて、この仕切り板34と対向するように配置される。また、第1支持部材71は、上部を仕切り板34側に屈曲させた屈曲部71Bを有する。
【0044】
第1制御基板27は、筐体30の天面、すなわち天面パネル32(
図2参照)に沿って配置される。本実施例では、第1制御基板27は、各電子部品が実装された面を下方に向けて、熱交換室RAと機械室RBとに跨って、仕切り板34の上部に配置される。具体的には、仕切り板34の上部には、熱交換室RA側に延出する第2支持部材72が固定される。第1制御基板27は、該第1制御基板27を保持する第1制御基板保持部(不図示)を介して、第2支持部材72と上記した第1支持部材71の屈曲部71Bとに固定される。これにより、第1制御基板27は、第2制御基板28に対して垂直となるように配置される。
【0045】
上記のように、第2制御基板28は、第1制御基板27よりも消費される電力が小さい。すなわち、第1制御基板27は、第2制御基板28よりも消費される電力が大きく、第2制御基板28よりも発熱量が大きい。本実施例では、第1制御基板27を支持する第2支持部材72には、熱交換室RA内に露出するフィン形状のヒートシンク73が固定され、このヒートシンク73は、第1制御基板27と熱的に連結される。これにより、室外ファン17の運転により、ヒートシンク73を介して、第1制御基板27(特には強電部品)を冷却することができる。
【0046】
また、本実施例によれば、第1制御基板27は、筐体30の天面パネル32(天面)に沿って配置され、第2制御基板28は、筐体30の右側面パネル38の第2前面部38B(前面)に沿って配置される。このため、第1制御基板27及び第2制御基板28は、機械室RB内の冷媒回路構成部品と水回路構成部品の干渉を抑えて、機械室RB内に適切に配置される。さらに、第1制御基板27と第2制御基板28とを垂直に配置することで、室外機2の筐体サイズを大型化することなく、冷媒回路10を構成する配管等を設置するスペースを最大限確保することができる。
【0047】
ターミナル26は、ターミナル保持部62を介して、上記した第1支持部材71に固定される。ターミナル保持部62は、例えばトレー状に形成され、仕切り板34側に突出した突出部62Aと、この突出部62Aの下端に連なる保持部62Bとを備える。この保持部62Bは、突出部62Aからサービスパネル40側への下り傾斜面として形成され、ターミナル26が保持される。突出部62Aは、第1支持部材71に固定されるとともに、該突出部62Aに形成された開口部62A1を有する。この開口部62A1は、ターミナル保持部62上でターミナル26の上部に位置し、該ターミナル26に接続される上記した二次側配線56、57が通る開口部である。
【0048】
このように、本実施例では、ターミナル26は、機械室RBを構成する筐体30の側面、すなわち右側面パネル38の第2右側面部38A及びサービスパネル40に沿って配置される。このため、サービスパネル40を取り外すことにより、作業者はターミナル26に対する各種作業を実施することができる。
【0049】
次に、ターミナル26について説明する。
図6は、電装ユニットのターミナルの部分拡大図である。ターミナル26は、
図6に示すように、絶縁性の樹脂成型体からなるターミナル本体80と、一次側配線が接続される一次側配線接続部81と、二次側配線が接続される二次側配線接続部82、83と、一次側配線接続部81と二次側配線接続部82、83を電気的に繋ぐ導電板84とを備える。ここで、一次側配線接続部81とは、筐体30の外部から導入された一次側配線が接続されるものであり、二次側配線接続部82とは、筐体30内で各構成部品に延びる二次側配線が接続されるものである。
【0050】
一次側配線接続部81は、ターミナル本体80の下側に独立して横方向に複数(
図6の例では6つ)配置され、導電板84の一端に締結される端子ねじを備えている。
図6では、説明の便宜上配線が接続されている場合と接続されていない場合を並べて図示している。一次側配線55は、例えば一次側ライブ配線55Lと一次側ニュートラル配線55Nとを含む単相交流電源線である。一次側ライブ配線55Lと一次側ニュートラル配線55Nとの一端には、それぞれ端子90が圧着により取り付けられ、これら端子90は、それぞれ端子ねじの締結により、一次側配線接続部81に接続される。なお、
図6中の一次側配線58は、いわゆるアース線であり、一次側配線55と同様に、一端に設けた端子90を介して一次側配線接続部81に接続される。
【0051】
二次側配線接続部82、83は、ターミナル本体80の上側に独立して横方向に複数(
図6の例では6つ)配置され、一次側配線接続部81に1対1で対応するようになっている。縦に並んだ一次側配線接続部81と二次側配線接続部82は導電板84を介して電気的に接続される。
図6では、説明の便宜上配線が接続されている場合と接続されていない場合を並べて図示している。二次側配線接続部82は、それぞれ手前側から奥側に並べた複数(
図6の例では2つ)の二次側端子82A、82Bを備える。ここで、手前側とは、第1支持部材71に固定されたターミナル26を筐体30の右側面側から見た場合に、観察者(作業者)に近い側をいい、奥側とは観察者から遠い側をいう。縦に並んだ二次側端子82A、82Bは電気的に接続され、同じ大きさの電圧が与えられる。二次側端子82A、82Bは、それぞれ平板状に形成されて導電板84の他端に立設された、いわゆるオス端子である。
【0052】
二次側配線56は、二次側ライブ配線56Lと二次側ニュートラル配線56Nとを含む単相交流電源線である。同様に、二次側配線57は、二次側ライブ配線57Lと二次側ニュートラル配線57Nとを含む単相交流電源線である。二次側ライブ配線56L、57Lと二次側ニュートラル配線56N、57Nのそれぞれの一端には、挿込端子92が圧着により取り付けられている。この挿込端子92は、例えばファストン端子(登録商標)とも呼ばれる、いわゆるメス端子である。これら挿込端子92を二次側端子82A、82Bに挿し込むことにより、二次側配線56、57は、二次側配線接続部82に接続される。本実施例では、二次側配線56は、最も手前側の二次側端子82Aに接続され、二次側配線57は、奥側(最も手前側以外)の二次側端子82Bに接続される。
図6では奥側の二次側端子82Bは1つであるが、2つ以上の複数あってもよい。また、
図6中の二次側配線接続部83は、一次側配線接続部81と同様に導電板84の一端に締結される端子ねじを備える構成となっている。この二次側配線接続部83には、一端に端子90を設けた二次側配線59(いわゆるアース線)が接続される。
【0053】
さて、ターミナル26の二次側端子82A、82Bを手前側から奥側に並べ、これら二次側端子82A、82Bに、二次側配線56、57の挿込端子92を挿し込んで接続する構成では、例えば、制御基板のメンテナンス時に、一般的には二次側配線56、57をターミナル26から取り外すことによって制御基板とターミナル26との電気的な接続を解除する必要がある。この場合、例えば奥側の二次側配線57の挿込端子92だけをターミナル26の二次側端子82Bから取り外そうとしても、手前側の二次側配線56の挿込端子92が邪魔となる。このため、制御基板を取り外すために奥側の二次側配線57だけを取り外したい場合であっても、手前側の二次側配線56を一部取り外したり、ターミナル26そのものを室外機2から取り外したりしてから奥側の二次側配線57を取り外す必要があり、作業性の改善が要望される。
【0054】
このため、本実施例では、
図5に示すように、奥側の二次側端子82Bに接続される二次側配線57は、他端にコネクタ(着脱部)95を備え、このコネクタ95を第2制御基板28に形成されたコネクタ接続部281に着脱可能な構成となっており、コネクタ95を第2制御基板28に形成されたコネクタ接続部281から取り外すことで第2制御基板28とターミナル26との電気的な接続を解除することができる。このコネクタ接続部281は、第2制御基板28の四隅の1つ、すなわち、第2制御基板28が第2制御基板保持部61に固定された固定箇所61Aの近傍に設けられている。この固定箇所では、他の位置よりも第2制御基板28の剛性が高いため、固定箇所の近傍にコネクタ接続部281を設けることにより、コネクタ95の着脱時における第2制御基板28の撓みを抑制できる。また、本実施例では、二次側配線57は、ターミナル26の奥側の二次側端子82Bに接続されるため、二次側配線57をターミナル26に対して着脱することは容易でない。一方、二次側配線57は、他端にコネクタ95を備えることにより、このコネクタ95を着脱することで、二次側配線57を第2制御基板28に対して容易に接続したり外したりすることができる。このため、例えば、筐体30の右側面パネル38を取り外すことで、第2制御基板28とコネクタ95とが露出することにより、コネクタ95を第2制御基板28に対して容易に着脱することができる。
【0055】
また、本実施例では、最も手前側の二次側端子82Aに接続される二次側配線56は、他端が第1制御基板27と半田付けにより接続される。この半田付けは、ボードインワイヤとも呼ばれ、第1制御基板27に形成されたプリント回路上の孔部と二次側配線56の他端とを半田付けにより接続している。この半田付けによる接続では、コネクタ接続よりも、第1制御基板27に供給される電力、すなわち二次側配線56を流れる電流を大きくすることができる。さらに、半田付けによる接続では、第1制御基板27と二次側配線56との接続部のスペースを小さくすることができるため、その分、第1制御基板27の小型化を図ることもできる。但し、二次側配線56の他端がプリント回路上の孔部に半田付けで固定されているため、容易に取り外すことができない。
【0056】
一方、二次側配線56の一端は、挿込端子92を介して、最も手前側の二次側端子82Aに接続されている。挿込端子92は最も手前側の二次側端子82Aから容易に取り外すことができるため、第1制御基板27のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0057】
以上、本実施例に係る空気調和機1の室外機2は、少なくとも2枚の制御基板、つまり第1制御基板27及び第2制御基板28と、外部から導入される一次側配線55と第1制御基板27に接続される二次側配線56及び第2制御基板28に接続される二次側配線57が接続されるターミナル26と、第1制御基板27、第2制御基板28及びターミナル26を収容する筐体30と、を備え、ターミナル26は、二次側配線56の一端に設けた挿込端子92を接続可能な二次側端子82Aと二次側配線57の一端に設けた挿込端子92を接続可能な二次側端子82Bが手前側から奥側に並べて配置された二次側配線接続部82を備え、最も手前側以外の二次側端子82Bに接続される二次側配線57は、他端が第2制御基板28に着脱可能なコネクタ95を介して接続される。これによれば、奥側(最も手前側以外)の二次側配線57が接続された第2制御基板28を取り外したい場合に、この二次側配線57の他端に設けたコネクタ95を、二次側配線57を第2制御基板28に対して容易に着脱することができる。
【0058】
本実施例に係る空気調和機1の室外機2において、最も手前側の二次側端子82Aに接続される二次側配線56は、他端が第1制御基板27と半田付けにより接続される。これによれば、二次側配線56を第1制御基板27から容易に取り外すことはできないが、最も手前側の二次側配線56だけをターミナル26から容易に取り外すことができる。また、半田付けによる接続では、コネクタ接続よりも、第1制御基板27に供給される電力、すなわち二次側配線56を流れる電流を大きくすることができる。さらに、半田付けによる接続では、第1制御基板27と二次側配線56との接続部のスペースを小さくすることができるため、その分、第1制御基板27の小型化を図ることもできる。
【0059】
本実施例に係る空気調和機1の室外機2において、半田付けされる二次側配線56は、第1制御基板27に接続され、コネクタ95を介して接続される二次側配線57は、第1制御基板27よりも消費される電力が小さい第2制御基板28に接続される。これによれば、一般的にコネクタ接続は半田付けと比べて大きい電力を供給するのには適さないが、二次側配線57を通じて、第2制御基板28に十分な電力を供給できるとともに、二次側配線57を第2制御基板28に対して容易に着脱できる構成を実現できる。
【0060】
本実施例に係る空気調和機1の室外機2において、筐体30には空気を外部に送風する室外ファン17が収容され、筐体30における空気の吹出口41が形成された面を前面とした場合、コネクタ95を介して接続される第2制御基板28は、前面に沿って配置され、半田付けにより接続される第1制御基板27は、筐体30の天面に沿って配置される。この構成によれば、第2制御基板28は、筐体30の右側面パネル38を取り外すことで、第2制御基板28とコネクタ95とが露出することにより、コネクタ95を第2制御基板28に対して容易に着脱することができる。
【0061】
本実施例に係る空気調和機1の室外機2において、筐体30には、冷媒を圧縮する圧縮機11と、冷媒回路10を流れる冷媒量を制御する室外膨張弁14と、冷媒回路10を冷房回路または暖房回路に切り替える四方弁12と、水回路4に水を循環させる循環ポンプ21とが収容され、コネクタ95を介して接続される第2制御基板28には、少なくとも循環ポンプ21を制御する電子部品が実装され、半田付けにより接続される第1制御基板27には、少なくとも圧縮機11と室外膨張弁14と四方弁12とを制御する電子部品が実装される。この構成によれば、筐体30の機械室RBに収容される冷媒回路10及び水回路4を構成する機器をそれぞれ別の制御基板で制御することができる。このため、多機能化によって制御基板の大型化を抑制できるとともに、機械室内部に制御基板を適切に配置することができる。
【0062】
以上、本開示における空気調和機の室外機の一実施例について説明したが、これに限るものではない。例えば、本実施例では、第1制御基板27と第2制御基板28の2枚の制御基板を備えた構成としたが、3枚以上の制御基板を有する構成としてもよい。この場合、ターミナル26に設けられる二次側端子も手前側から奥側に3つ並べて構成され、最も手前側の二次側端子に接続される制御基板が一方の制御基板となり、最も手前側以外の二次側端子に接続される複数の制御基板がそれぞれ他方の制御基板となる。また、本実施例では、着脱部の一例としてコネクタを説明したが、制御基板に対して着脱可能であれば、挿込端子を備えた構成であってもよい。
少なくとも2つの制御基板と、外部から導入される一次側配線、及び少なくとも2つの前記制御基板にそれぞれ接続される二次側配線が接続される端子台と、前記制御基板及び前記端子台を収容する筐体と、を備え、
前記端子台は、各二次側配線の一端をそれぞれ接続可能な二次側端子が手前側から奥側に並べて配置された二次側配線接続部を備え、
最も手前側以外の前記二次側端子に接続される前記二次側配線は、他端が前記制御基板に着脱可能な着脱部を介して接続され、
最も手前側の前記二次側端子に接続される前記二次側配線は、他端が前記制御基板と半田付けにより接続され、
前記半田付けされる前記二次側配線は、一方の前記制御基板に接続され、前記着脱部を介する前記二次側配線は、一方の前記制御基板よりも消費される電力が小さい他方の前記制御基板に接続されることを特徴とする空気調和機の室外機。