(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120699
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】ウェザーストリップ
(51)【国際特許分類】
B60J 10/25 20160101AFI20240829BHJP
B60J 1/10 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
B60J10/25
B60J1/10 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027687
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000219705
【氏名又は名称】東海興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136113
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寿浩
(72)【発明者】
【氏名】中道 公規
(72)【発明者】
【氏名】八塚 敏之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 大
【テーマコード(参考)】
3D201
【Fターム(参考)】
3D201AA09
3D201BA01
3D201CA23
3D201CB04
3D201DA36
3D201DA41
3D201DA43
(57)【要約】
【課題】雨水の流下経路の途中で突出リップ部が切れている場合でも、雨水の車内側への浸入を防止できる固定窓板用のウェザーストリップを提供する。
【解決手段】対向する車外側側壁部11及び車内側側壁部12と、両側壁部11,12同士を連結する頂壁部13と、車外側側壁部11から突出する車外側リップ部14と、頂壁部13から突出する突出リップ部16とを有する。外形は、縦辺部10vと、上辺部10uと、下辺部10dと、上辺部10uと下辺部10dとの間に存在する中辺部10sと、を有する環状である。突出リップ部16は、上辺部10uから中辺部10sの中途部まで形成され、雨水の流下経路の途中で切れている。突出リップ部16が切れた端末において、突出リップ部16から車外側側壁部11にかけて遮蔽片19が車外側に向けて形成されている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両ドアの窓開口部へ、昇降可能な昇降窓板と共に昇降不能に取り付けられる、固定窓板の外周を囲むように取り付けられるウェザーストリップであって、
前記昇降窓板側に配置される縦辺部と、前記縦辺部の上端部から車両前後方向に延びる上辺部と、前記縦辺部の下端部から車両前後方向に延びる下辺部と、前記昇降窓板と反対側で前記上辺部と前記下辺部との間に存在する中辺部と、を有する環状であり、
互いに対向する車外側側壁部及び車内側側壁部と、該両側壁部同士を連結する頂壁部と、前記車外側側壁部の先端縁から車外側に向かって突出する車外側リップ部と、前記頂壁部の外面から突出する突出リップ部と、を一体に有し、
前記突出リップ部は、前記上辺部から前記中辺部の中途部まで形成されており、
前記中辺部の中途部に存在する前記突出リップ部の端末部において、前記突出リップ部から前記車外側側壁部にかけて遮蔽片が車外側に向けて形成されている、ウェザーストリップ。
【請求項2】
前記車両ドアへ取り付けた状態において、前記遮蔽片と前記車外側リップ部とでドアパネルが挟持される、請求項1に記載のウェザーストリップ。
【請求項3】
前記車両ドアへ取り付けた状態において、前記中辺部のうち前記突出リップ部が存在しない部位では、前記車両ドアの構成部材が配置されている、請求項1又は請求項2に記載のウェザーストリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両ドアの窓開口部へ昇降不能に取り付けられる固定窓板の外周を囲むように取り付けられる、環状のウェザーストリップに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両ドアの窓開口部には、昇降可能な昇降窓板(ウィンドガラス)と共に、昇降不能な固定窓板(パーティションガラス)も配設されることがある。この場合、固定窓板の全周を取り囲むように環状のウェザーストリップを取り付け、このウェザーストリップを車両ドアのドアパネル(窓枠)へ取り付けることで固定窓板が配設される。これにより、固定窓板とドアパネルとの隙間がウェザーストリップによってシールされる。
【0003】
このようなウェザーストリップとして、例えば下記特許文献1が開示されている。特許文献1のウェザーストリップは、互いに対向する車外側側壁部(取り付け基部14の車室外側W2の側壁14S2)及び車内側側壁部(取り付け基部14の車室内側W1の側壁14S1)と、両側壁部同士を連結する頂壁部(取り付け基部14の底壁14T)と、車外側側壁部の先端縁から車外側に向かって突出する車外側リップ部(車室外側リップ16)と、車内側側壁部の先端縁から車内側に向かって突出する車内側リップ部(車室内側リップ15)とを有する。また、頂壁部の外面が斜め下方を向く部位(特許文献1の
図3で示される後ろ側ウエザストリップ部11D)では、頂壁部の外面から突出する突出リップ部(シールリップ23)も有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種のウェザーストリップでは、車外側からドアパネルと車外側リップ部との間に雨水が浸入すると、基本的に車外側リップ部と車外側側壁部との間に形成された溝に沿って雨水が流れ、車外に排出されるよう想定されている。このとき、雨水の流下経路において頂壁部の外面に突出リップ部が形成されている場合は、突出リップ部もドアパネルに弾接していることで、車外側側壁部を超えるような多量の雨水が浸入したとしても、突出リップ部によって堰き止められることで、雨水が車内側へ浸入することが効果的に防止される。
【0006】
しかし、車両によっては突出リップ部を雨水の流下経路全体に形成できない場合もある。例えば、車両ドアの構成上、雨水の流下経路の一部に車両ドアの構成部材を配置せざるを得ない場合がある。この場合、突出リップ部が形成されている部位では雨水を堰き止められるが、雨水の流下経路の途中で突出リップ部が切れていると、その切れた部分(突出リップ部の端末)から雨水が車内側へ浸入してしまうおそれがある。
【0007】
そこで、本発明は上記課題を解決するものであって、雨水の流下経路の途中で突出リップ部が切れている場合でも、雨水の車内側への浸入を防止できる固定窓板用のウェザーストリップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのための手段として、本発明は次の手段を採る。
(1)車両ドアの窓開口部へ、昇降可能な昇降窓板と共に昇降不能に取り付けられる、固定窓板の外周を囲むように取り付けられるウェザーストリップであって、
前記昇降窓板側に配置される縦辺部と、前記縦辺部の上端部から車両前後方向に延びる上辺部と、前記縦辺部の下端部から車両前後方向に延びる下辺部と、前記昇降窓板と反対側で前記上辺部と前記下辺部との間に存在する中辺部と、を有する環状であり、
互いに対向する車外側側壁部及び車内側側壁部と、該両側壁部同士を連結する頂壁部と、前記車外側側壁部の先端縁から車外側に向かって突出する車外側リップ部と、前記頂壁部の外面から突出する突出リップ部と、を一体に有し、
前記突出リップ部は、前記上辺部から前記中辺部の中途部まで形成されており、
前記中辺部の中途部に存在する前記突出リップ部の端末部において、前記突出リップ部から前記車外側側壁部にかけて遮蔽片が車外側に向けて形成されている、ウェザーストリップ。
(2)前記車両ドアへ取り付けた状態において、前記遮蔽片と前記車外側リップ部とでドアパネルが挟持される、(1)に記載のウェザーストリップ。
(3)前記車両ドアへ取り付けた状態において、前記中辺部のうち前記突出リップ部が存在しない部位では、前記車両ドアの構成部材が配置されている、(1)又は(2)に記載のウェザーストリップ。
【発明の効果】
【0009】
(1)の手段では、突出リップ部が前記上辺部から前記中辺部の中途部までしか形成されていない。すなわち、雨水の流下経路の途中で突出リップ部が切れている。そこで、この突出リップ部が切れた端末部において、前記突出リップ部から前記車外側側壁部にかけて遮蔽片を車外側に向けて形成している。これにより、本来突出リップ部によって堰き止められるべき雨水を遮蔽片によって堰き止め、本来の雨水流下経路、すなわち車外側側壁部と車外側リップ部との間の溝に流下させることで、雨水が車内側へ浸入することを防止できる。
【0010】
(2)の手段によれば、遮蔽片と車外側リップ部とでドアパネルを挟持することで、ウェザーストリップのがたつきを防止できる。
【0011】
(3)の手段によれば、突出リップ部と車両ドアの構成部材との間に隙間があったとしても、遮蔽片により雨水の車内側への浸入を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】車両ドアの固定窓板周辺の要部拡大正面図である。
【
図4】突出リップ部端末周辺の要部拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の代表的な実施形態を例に挙げて具体的に説明する。
図1に示すように、自動車など車両の車両ドア1には、金属製のドアパネル2の一部に窓開口部3が形成されており、当該窓開口部3には透明ガラスからなる窓板が配されている。窓板としては、窓開口部3内を昇降可能に配された昇降窓板4と共に、昇降不能に固定された固定窓板5が配されている。
図1には車両ドア1としてリアドアを例示しており、リアドアでは昇降窓板4の車両後方側に固定窓板5が固定されている。
【0014】
昇降窓板4が配される部分における窓開口部3の上縁と縦縁には、それぞれ連続した略直線状の長尺部材であるガラスランチャンネル6が配設されており、固定窓板5はウェザーストリップ10を介して固定されている。ガラスランチャンネル6は、合成樹脂、ゴム、又は熱可塑性エラストマー等の弾性ポリマー材料で押出成形された押出成形品である。昇降窓板4と固定窓板5との間は、金属製のディビジョンバー7で区切られている。
図3などに示されるように、ドアパネル2は、車外側のアウタドアパネル2oと車内側のインナドアパネル2i等によって構成されている。
【0015】
図1及び
図2に示すように、ウェザーストリップ10は固定窓板5の全周を囲むように環状となっており、昇降窓板4側に配置される縦辺部10vと、縦辺部10vの上端部から車両前後方向に延びる上辺部10uと、縦辺部10vの下端部から車両前後方向に延びる下辺部10dと、昇降窓板4と反対側で上辺部10uと下辺部10dとの間に存在する中辺部10sとを有する。本実施形態の固定窓板5は、略三角形となっている。これに合わせて、本実施形態のウェザーストリップ10も、全体として略三角形となっている。詳しくは、縦辺部10vは直線状であり、上辺部10u及び下辺部10dは、それぞれ車両後方側へやや斜め下方及び斜め上方に延在している。中辺部10sは、上辺部10u及び下辺部10dから角度を変えて連続し、中間部で屈曲したく字状となっている。縦辺部10vはディビジョンバー7に嵌合され、上辺部10u、下辺部10d、及び中辺部10sは窓開口部3の内周縁のドアパネル2に嵌合される。すなわち、上辺部10u、下辺部10d、及び中辺部10sはドアパネル2に向かい合っている。
【0016】
ウェザーストリップ10は、弾性を有する合成樹脂(例えばポリ塩化ビニル樹脂等)、ゴム、熱可塑性エラストマー等の弾性ポリマー材料で射出成形された射出成形品である。そのうえで、ドアパネル2に臨む上辺部10u、下辺部10d、及び中辺部10sでは、
図3等に示すように、ウェザーストリップ10は互いに対向する車外側側壁部11及び車内側側壁部12と、該両側壁部11,12同士を連結する頂壁部13と、車外側側壁部11の先端縁から車外側に向かって突出する車外側リップ部14と、車内側側壁部12の先端縁から車内側に向かって突出する車内側リップ部15とを有する。両側壁部11,12と頂壁部13で構成される部位は断面U字状であり、固定窓板5を車両ドア1へ固定する際は、この両側壁部11,12と頂壁部13で囲まれたU字空間内に固定窓板5を挿嵌する。
【0017】
車外側リップ部14は、車外側側壁部11から所定幅隔てた部位で上方に屈曲しており、先端縁は頂壁部13と略同じ高さまで至る。これにより、車外側側壁部11と車外側リップ部14との間には車外側溝Goが形成されている。車内側リップ部15も、車内側側壁部12から所定幅隔てた部位で上方に屈曲しており、先端縁は頂壁部13と略同じ高さまで至る。これにより、車内側側壁部12と車内側リップ部15との間にも車内側溝Giが形成されている。ウェザーストリップ10を車両ドア1へ取り付けた状態では、車外側溝Go内へアウタドアパネル2oが、車内側溝Gi内へインナドアパネル2iが、それぞれ入り込んでおり、車外側リップ部14及び車内側リップ部15の先端縁部が、それぞれアウタドアパネル2o及びインナドアパネル2iに弾接する。なお、ウェザーストリップ10を車両ドア1へ取り付けた状態において、アウタドアパネル2o及びインナドアパネル2iは、それぞれ車外側溝Go及び車内側溝Giの底面に接していない。これは、アウタドアパネル2oやインナドアパネル2iの寸法誤差や組み付け誤差があっても、ウェザーストリップ10を車両ドア1へ取り付けることができるようにするためである。
【0018】
また、
図2に示すように、上辺部10uから中辺部10sの中途部に至る部位では、頂壁部13の外面から突出する突出リップ部16が形成されている。
図3に示すように、突出リップ部16は、頂壁部13の外面から略直線状に突出しており、先端縁部は薄肉となって弾性変形し易くなっている。ウェザーストリップ10を車両ドア1へ取り付けた状態では、突出リップ部16の先端部もインナドアパネル2iに弾接する。
【0019】
また、
図4及び
図5に示すように、車外側溝Go内には車外側側壁部11の外面から車外側へ向けて補強用の車外側リブ17が形成されており、車内側溝Gi内には車内側側壁部12の外面から車内側へ向けて補強用の車内側リブ18が形成されている。車外側リブ17は、車外側側壁部11から車外側溝Go内の底面にかけて車外側溝Goの車内側略半分を占めており、ウェザーストリップ10を車両ドア1へ取り付けた状態において、車外側リブ17と車外側リップ部14とでアウタドアパネル2oが挟持される。車内側リブ18は、車内側側壁部12から車内側溝Gi内の底面にかけて車内側溝Giの車外側略半分を占めており、ウェザーストリップ10を車両ドア1へ取り付けた状態において、車内側リブ18と車内側リップ部15とでインナドアパネル2iが挟持される。車外側リブ17及び車内側リブ18は、それぞれ車外側溝Go及び車内側溝Giに沿って複数個並設されるが、その並設間隔や並設個数は車両に応じて適宜増減すればよい。
【0020】
また、
図6に示すように、中辺部10sの中途部に存在する突出リップ部16の端末には、突出リップ部16から車外側側壁部11、車外側溝Go内の底面にかけて遮蔽片19が車外側に向けて形成され、車外側溝Goの車内側略半分を占めている。遮蔽片19も、ウェザーストリップ10を車両ドア1へ取り付けた状態において、遮蔽片19と車外側リップ部14とでアウタドアパネル2oが挟持される。このように、車外側リブ17、車内側リブ18、及び遮蔽片19と車外側リップ部14及び車内側リップ部15とでそれぞれドアパネル2が挟持されることで、ウェザーストリップ10を車両ドア1へガタ付きなく固定できる。
【0021】
一方、
図2に示すように、本実施形態の車両では、ウェザーストリップ10の下辺部10dから中辺部10sの中途部に至る範囲の外方には、車両ドア1を構成するドアパネル2の一部として、補強用の補強パネル2sが配されている。そのため、当該補強パネル2sが配されている部位には突出リップ部16が形成されておらず、代わりに、
図7に示すように頂壁部13から膨出形成した凸部20が形成されている。ウェザーストリップ10を車両ドア1へ取り付ける際は、凸部20を補強パネル2sへ当接させることで、位置決めできる。なお、
図2に示すように、ウェザーストリップ10や補強パネル2sの製造誤差ないし組み付けバラつき等に対応させるため、遮蔽片19と補強パネル2sとの間には若干の隙間Yを設けている。
【0022】
上述のように、ウェザーストリップ10を車両ドア1へ取り付けた状態では、車外側リップ部14がアウタドアパネル2oに弾接していることで、基本的には雨水等の水分が車外からウェザーストリップ10内へ浸入することはない。しかし、ウェザーストリップ10やアウタドアパネル2oの製造誤差、組み付け誤差、劣化、又は損傷等により、車外側リップ部14とアウタドアパネル2oとの間に隙間が生じている場合がある。このような隙間がウェザーストリップ10の上辺部10uや中辺部10sの上半分領域において生じていると、隙間の下方に車外側溝Goが存在しているので、当該隙間から雨水がウェザーストリップ10内へ浸入し得る。また、ウェザーストリップ10とガラスランチャンネル6との間(
図1のX)の隙間から雨水が浸入する場合もある。しかし、浸入した雨水が比較的少量であれば、車外側溝Go内を流下していき、中辺部10sの下半分ないし下辺部10d領域において車外へ排出される。なお、車外側リップ部14とアウタドアパネル2oとの間の隙間が、中辺部10sの下半分ないし下辺部10d領域において生じているとしても、車外側溝Goは隙間よりも上方に存在しているので、隙間から雨水が浸入することは殆どない。
【0023】
一方、車外側溝Goの深さを超える程の多量の雨水が浸入したとしても、雨水の流下経路となる上辺部10u及び中辺部10sの上半分領域には、ドアパネル2と弾接する突出リップ部16が形成されている。そのため、車外側溝Goから雨水が溢れるとしても、車内側へは突出リップ部16によって堰き止められる。なお、雨水が車外側溝Goから車外側へ溢れるとしても、その場合は車外へ排出されるだけなので問題ない。
【0024】
しかし、本実施形態では、突出リップ部16が雨水の流下経路の途中で切れている。すなわち、突出リップ部16が上辺部10uから中辺部10sの中途部までしか形成されていない。これでは、車外側溝Goから溢れた雨水が、突出リップ部16の端末(切れた部分)から車内側へ浸入し得る。そこで、突出リップ部16の端末に遮蔽片19を形成している。これにより、車外側溝Goから溢れて突出リップ部16を伝って流下してきた雨水は遮蔽片19に衝突して車外側溝Go内へ戻されることで、突出リップ部16の端末から雨水が車内側へ浸入することが防止ないし低減される。なお、
図2に示すように、車外側溝Goに戻された雨水は中辺部10sの屈曲した部分Zまで流下して、すなわち、中辺部10sのうち車外側溝Goの開口が斜め上を向いている範囲を流下して、車外へ排出される。
【0025】
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、これに限られることは無く、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。例えば、車両ドアとしてはフロントドアを挙げることもできる。フロントドアでは、窓開口部内において固定窓板は昇降窓板の車両前方側に固定されており、ウェザーストリップの中辺部は車両前方側の辺になる。
【0026】
ウェザーストリップの中辺部としては、中間部で屈曲したく字状に限らず、直線状、湾曲状、又は多段階で屈曲した形状のものも挙げられる。上辺部及び下辺部は、略水平に車両前後方向へ延在していてもよい。ウェザーストリップの環状外形としては、矩形、台形、半円形、半楕円形、又は六角形等とすることもできる。
【0027】
本発明において雨水の流下経路とは、ウェザーストリップの上辺部から中辺部に至る範囲のうち、車外側溝の開口が真上から真横を向いている範囲を言う。
【0028】
遮蔽片は、突出リップ部の端末のみならず、突出リップ部の端末から若干上流側の端末部に形成して、遮蔽片の下流側に突出リップ部が多少延在していてもよい。
【符号の説明】
【0029】
1 車両ドア
2 ドアパネル
2o アウタドアパネル
2i インナドアパネル
2s 補強パネル
3 窓開口部
4 昇降窓板
5 固定窓板
10 ウェザーストリップ
10v 縦辺部
10u 上辺部
10d 下辺部
10s 中辺部
11 車外側側壁部
12 車内側側壁部
13 頂壁部
14 車外側リップ部
15 車内側リップ部
16 突出リップ部
17 車外側リブ
18 車内側リブ
19 遮蔽片
20 凸部
Go 車外側溝
Gi 車内側溝