IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社吉野工業所の特許一覧

<>
  • 特開-吐出器 図1
  • 特開-吐出器 図2
  • 特開-吐出器 図3
  • 特開-吐出器 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120725
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】吐出器
(51)【国際特許分類】
   F04B 39/00 20060101AFI20240829BHJP
   B65D 47/34 20060101ALI20240829BHJP
   B05B 11/00 20230101ALI20240829BHJP
   B05B 11/10 20230101ALI20240829BHJP
   F04B 33/00 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
F04B39/00 A
B65D47/34 100
B05B11/00 101H
B05B11/00 101J
B05B11/00 101E
B05B11/00 103E
B05B11/00 103H
B05B11/10 101E
B05B11/10 101H
B05B11/10 101J
F04B33/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027735
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】前田 信也
【テーマコード(参考)】
3E084
3H003
3H076
【Fターム(参考)】
3E084AA04
3E084AA12
3E084AB01
3E084BA02
3E084CA01
3E084DA01
3E084DB12
3E084FB01
3E084GA04
3E084GB04
3E084KB06
3E084LD22
3E084LD26
3H003AA02
3H003AC02
3H003CB00
3H003CD03
3H076AA02
3H076AA32
3H076BB26
3H076CC09
3H076CC34
3H076CC35
(57)【要約】
【課題】大きな吐出量と安定した動作を実現し易い蓄圧式の吐出器を提供する。
【解決手段】吐出器1は、第1シリンダ2と、第1ピストン3と、第2シリンダ4と、第2ピストン5と、保持部材6と、内部流路7と、蓄圧部9と、外部操作により、保持部材6が第1ピストン3を伴って第1シリンダ2に対して前進した後に第1シリンダ2及び第2ピストン5を伴って第2シリンダ4に対する前進動作をし、その後、保持部材6が第1シリンダ2に対して後退した後に第1シリンダ2及び第2ピストン5を伴って第2シリンダ4に対する後退動作をするように、保持部材6を第1シリンダ2に接続する接続部10と、接続部10を介して第1シリンダ2及び第2ピストン5を後退させるために保持部材6に第2シリンダ4に対する後退動作のための付勢力を与える保持部材付勢部11とを有し、第2ピストン5のヤング率は、第1シリンダ2のヤング率よりも小さい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1シリンダと、
前記第1シリンダ上を摺動する第1ピストンと、
前記第1シリンダよりも断面積が大きい第2シリンダと、
前記第2シリンダ上を摺動する第2ピストンと、
外部操作によって、前記第1ピストン、前記第1シリンダ及び前記第2ピストンを伴って前記第2シリンダに対する進退動作をする保持部材と、
前記第1シリンダ、前記第1ピストン、前記第2シリンダ及び前記第2ピストンによって区画されるポンプ室を介して流体を前記保持部材の前記進退動作に応じて吐出する内部流路と、
前記第2シリンダに対する前記保持部材の前進動作によって前記ポンプ室の内部圧力を高めるために、前記第1ピストンを前記内部流路の開閉部を開く開位置から前記開閉部を閉じる閉位置へ移動させる付勢力を与える蓄圧部と、
前記外部操作により、前記保持部材が前記第1ピストンを伴って前記第1シリンダに対して前進した後に前記第1シリンダ及び前記第2ピストンを伴って前記第2シリンダに対する前記前進動作をし、その後、前記保持部材が前記第1シリンダに対して後退した後に前記第1シリンダ及び前記第2ピストンを伴って前記第2シリンダに対する後退動作をするように、前記保持部材を前記第1シリンダに接続する接続部と、
前記接続部を介して前記第1シリンダ及び前記第2ピストンを後退させるために前記保持部材に前記第2シリンダに対する前記後退動作のための付勢力を与える保持部材付勢部とを有し、
前記第2ピストンのヤング率は、前記第1シリンダのヤング率よりも小さい、吐出器。
【請求項2】
前記第2シリンダに取り付けられる抜け止め部材を有し、
前記第1シリンダの前進側端部は、径方向外側に突出する突出部を有し、
前記突出部は、前記第2シリンダに対する前記保持部材の前記後退動作によって前記抜け止め部材に突き当たり、
前記第2ピストンは、前記第2シリンダ上を摺動する第2ピストン本体と、前記第2ピストン本体に連なり、前記第1シリンダの内周面に嵌合する嵌合部とを有する、請求項1に記載の吐出器。
【請求項3】
前記第2シリンダは、第2シリンダ本体と、前記第2シリンダ本体の前進側端部に連なる端部壁とを有し、
前記第2ピストンは、前記第2シリンダ上を摺動する第2ピストン本体と、前記第1シリンダの内周面に嵌合する嵌合部と、前記第2ピストン本体と前記嵌合部とを連ねる環状平板部と、前記環状平板部から前進側に突出し、前記第2シリンダに対する前記保持部材の前記前進動作によって前記第2シリンダの前記端部壁に突き当たる突き当て部とを有する、請求項1に記載の吐出器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は吐出器に関する。
【背景技術】
【0002】
第1シリンダと、第1シリンダ上を摺動する第1ピストンと、第1シリンダよりも断面積が大きい第2シリンダと、第2シリンダ上を摺動する第2ピストンと、外部操作によって、第1ピストン、第1シリンダ及び第2ピストンを伴って第2シリンダに対する進退動作をする保持部材と、第1シリンダ、第1ピストン、第2シリンダ及び第2ピストンによって区画されるポンプ室を介して流体を保持部材の進退動作に応じて吐出する内部流路と、保持部材の前進動作によってポンプ室の内部圧力を高めるために、第1ピストンを内部流路の開閉部を開く開位置から開閉部を閉じる閉位置へ移動させる付勢力を与える蓄圧部とを有する吐出器が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-66398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来の蓄圧式の吐出器は、大きな吐出(噴霧)量を得られるように設計しようとすると、シリンダのストロークが長くなると共に保持部材への操作が重くなる等の問題があった。この問題については、外部操作により、保持部材が第1ピストンを伴って第1シリンダに対して前進した後に第1シリンダ及び第2ピストンを伴って第2シリンダに対する前進動作をし、その後、保持部材が第1シリンダに対して後退した後に第1シリンダ及び第2ピストンを伴って第2シリンダに対する後退動作をするように、保持部材を第1シリンダに接続する接続部と、接続部を介して第1シリンダ及び第2ピストンを後退させるために保持部材に第2シリンダに対する後退動作のための付勢力を与える保持部材付勢部とを、吐出器にさらに設ける構成とすることで対処できる。しかしこれだけでは、流体の種類などによっては第2シリンダに対する第2ピストンの摺動抵抗が過大となり、動作不良を招く場合がある。
【0005】
そこで本発明の目的は、大きな吐出量と安定した動作を実現し易い蓄圧式の吐出器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は以下のとおりである。
【0007】
[1]
第1シリンダと、
前記第1シリンダ上を摺動する第1ピストンと、
前記第1シリンダよりも断面積が大きい第2シリンダと、
前記第2シリンダ上を摺動する第2ピストンと、
外部操作によって、前記第1ピストン、前記第1シリンダ及び前記第2ピストンを伴って前記第2シリンダに対する進退動作をする保持部材と、
前記第1シリンダ、前記第1ピストン、前記第2シリンダ及び前記第2ピストンによって区画されるポンプ室を介して流体を前記保持部材の前記進退動作に応じて吐出する内部流路と、
前記第2シリンダに対する前記保持部材の前進動作によって前記ポンプ室の内部圧力を高めるために、前記第1ピストンを前記内部流路の開閉部を開く開位置から前記開閉部を閉じる閉位置へ移動させる付勢力を与える蓄圧部と、
前記外部操作により、前記保持部材が前記第1ピストンを伴って前記第1シリンダに対して前進した後に前記第1シリンダ及び前記第2ピストンを伴って前記第2シリンダに対する前記前進動作をし、その後、前記保持部材が前記第1シリンダに対して後退した後に前記第1シリンダ及び前記第2ピストンを伴って前記第2シリンダに対する後退動作をするように、前記保持部材を前記第1シリンダに接続する接続部と、
前記接続部を介して前記第1シリンダ及び前記第2ピストンを後退させるために前記保持部材に前記第2シリンダに対する前記後退動作のための付勢力を与える保持部材付勢部とを有し、
前記第2ピストンのヤング率は、前記第1シリンダのヤング率よりも小さい、吐出器。
【0008】
[2]
前記第2シリンダに取り付けられる抜け止め部材を有し、
前記第1シリンダの前進側端部は、径方向外側に突出する突出部を有し、
前記突出部は、前記第2シリンダに対する前記保持部材の前記後退動作によって前記抜け止め部材に突き当たり、
前記第2ピストンは、前記第2シリンダ上を摺動する第2ピストン本体と、前記第2ピストン本体に連なり、前記第1シリンダの内周面に嵌合する嵌合部とを有する、[1]に記載の吐出器。
【0009】
[3]
前記第2シリンダは、第2シリンダ本体と、前記第2シリンダ本体の前進側端部に連なる端部壁とを有し、
前記第2ピストンは、前記第2シリンダ上を摺動する第2ピストン本体と、前記第1シリンダの内周面に嵌合する嵌合部と、前記第2ピストン本体と前記嵌合部とを連ねる環状平板部と、前記環状平板部から前進側に突出し、前記第2シリンダに対する前記保持部材の前記前進動作によって前記第2シリンダの前記端部壁に突き当たる突き当て部とを有する、[1]又は[2]に記載の吐出器。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、大きな吐出量と安定した動作を実現し易い蓄圧式の吐出器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る吐出器を有する吐出容器を未使用状態で示す断面図である。
図2図1に示す吐出容器における保持部材の前進動作開始時の状態を示す断面図である。
図3図2に示す状態からさらに前進動作が進んだ状態を示す断面図である。
図4図3に示す状態からさらに前進動作が進んだ状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を例示説明する。
【0013】
図1図4に示すように、本発明の一実施形態において吐出器1は、第1シリンダ2と、第1シリンダ2上を摺動する第1ピストン3と、第1シリンダ2よりも断面積が大きい第2シリンダ4と、第2シリンダ4上を摺動する第2ピストン5と、外部操作によって、第1ピストン3、第1シリンダ2及び第2ピストン5を伴って第2シリンダ4に対する進退動作をする保持部材6と、第1シリンダ2、第1ピストン3、第2シリンダ4及び第2ピストン5によって区画されるポンプ室7aを介して流体8を保持部材6の進退動作に応じて吐出する内部流路7と、第2シリンダ4に対する保持部材6の前進動作によってポンプ室7aの内部圧力を高めるために、第1ピストン3を内部流路7の開閉部7bを開く開位置から開閉部7bを閉じる閉位置へ移動させる付勢力を与える蓄圧部9と、外部操作により、保持部材6が第1ピストン3を伴って第1シリンダ2に対して前進した後に第1シリンダ2及び第2ピストン5を伴って第2シリンダ4に対する前進動作をし、その後、保持部材6が第1シリンダ2に対して後退した後に第1シリンダ2及び第2ピストン5を伴って第2シリンダ4に対する後退動作をするように、保持部材6を第1シリンダ2に接続する接続部10と、接続部10を介して第1シリンダ2及び第2ピストン5を後退させるために保持部材6に第2シリンダ4に対する後退動作のための付勢力を与える保持部材付勢部11とを有し、第2ピストン5のヤング率は、第1シリンダ2のヤング率よりも小さい。
【0014】
上記構成によれば、外部操作により、まず、保持部材6が第1ピストン3を伴って第1シリンダ2に対して前進するので、ポンプ室7aの内部圧力を高め、その結果、蓄圧部9の付勢力に抗して第1ピストン3を閉位置から開位置へ移動させて、高められたポンプ室7aの内部圧力により、流体8を勢い良く外部へ吐出させることができる。そして、さらに外部操作を継続することにより、保持部材6が第1シリンダ2及び第2ピストン5を伴って第2シリンダ4に対する前進動作をするので、高められたポンプ室7aの内部圧力によって第1ピストン3を開位置に保持して、流体8の勢い良い吐出を継続させることができる。そして、外部操作の解除により、保持部材付勢部11の付勢力によって保持部材6に第2シリンダ4に対する後退動作をさせて、初期位置に復帰させつつ、その際のポンプ室7aの内部圧力の低下により、上流側からポンプ室7aの内部へ流体8を吸い込むことができる。このように、上記構成によれば、外部操作時にまず断面積が小さい側の第1シリンダ2及び第1ピストン3による蓄圧が行われるので、軽い操作で最初から勢いの良い流体8の吐出を実現できる。また、その後の吐出は断面積が大きい側の第2シリンダ4及び第2ピストン5が利用されるので、大きな吐出量を得られるように設計した場合でもシリンダのストロークが長くなることを抑制できる。流体8は例えば液体である。
【0015】
また上記構成によれば、第2ピストン5のヤング率が第1シリンダ2のヤング率よりも小さいので、第2ピストン5の柔軟性を確保しつつ第1シリンダ2の剛性を確保し易くできる。したがって、第2シリンダ4に対する第2ピストン5の摺動抵抗を抑制し易くでき、しかも、保持部材6が保持部材付勢部11からの付勢力を受けることで接続部10において第1シリンダ2から外れることがないように、第1シリンダ2の剛性を十分に確保し易くできる。
【0016】
したがって上記構成によれば、大きな吐出量と安定した動作を実現し易い蓄圧式の吐出器1を実現できる。
【0017】
吐出器1は、第2シリンダ4に取り付けられる抜け止め部材12を有し、第1シリンダ2の前進側端部は、径方向外側に突出する突出部2aを有し、突出部2aは、第2シリンダ4に対する保持部材6の後退動作によって抜け止め部材12に突き当たり、第2ピストン5は、第2シリンダ4上を摺動する第2ピストン本体5aと、第2ピストン本体5aに連なり、第1シリンダ2の内周面に嵌合する嵌合部5bとを有する。上記構成によれば、第2ピストン5を第1シリンダ2に嵌合部5bを介した嵌合によって第1シリンダ2に取り付けることができる。また上記構成によれば、保持部材6が第2シリンダ4に対する後退動作の限界位置に達した時、つまり後退動作終了時に、第1シリンダ2の突出部2aが抜け止め部材12に突き当たるので、後退動作終了時に第2ピストン5が第1シリンダ2から外れることを抑制できる。この効果を高めるために、後退動作終了時に第2ピストン5(特に第2ピストン本体5a)が抜け止め部材12に接触しない構成としてもよい。突出部2aは例えばフランジ状をなす。嵌合部5bは例えば、軸線Oを中心とする第1シリンダ2と同軸の筒状をなす。抜け止め部材12は例えば、第2シリンダ4と同軸の環状をなす。第2シリンダ4は、図示するように第1シリンダ2と同軸に設けることが好ましい。
【0018】
第2シリンダ4は、第2シリンダ本体4aと、第2シリンダ本体4aの前進側端部に連なる端部壁4bとを有し、第2ピストン5は、第2シリンダ4上を摺動する第2ピストン本体5aと、第1シリンダ2の内周面に嵌合する嵌合部5bと、第2ピストン本体5aと嵌合部5bとを連ねる環状平板部5cと、環状平板部5cから前進側に突出し、第2シリンダ4に対する保持部材6の前進動作によって第2シリンダ4の端部壁4bに突き当たる突き当て部5dとを有する。上記構成によれば、保持部材6が第2シリンダ4に対する前進動作の限界位置に達した時、つまり前進動作終了時に、第2ピストン5の突き当て部5dが第2シリンダ4の端部壁4bに突き当たるので、後退動作終了時に第2ピストン本体5aが第2シリンダ4の端部壁4bに突き当たって変形することを抑制できる。この効果を高めるために、後退動作終了時に第2ピストン本体5aが第2シリンダ4の端部壁4bに接触しない構成としてもよい。突き当て部5dは本実施形態では、筒状の嵌合部5bと同軸の間欠の筒状となっているが、間欠部を有さない筒状など、他の形状でもよい。
【0019】
第1シリンダ2は例えば、ポリプロピレン又はHDPE(High-density polyethylene:高密度ポリエチレン)によって形成され、第2ピストン5は例えば、LDPE(Low Density Polyethylene:低密度ポリエチレン)又はLLDPE(Linear Low Density Polyethylene:直鎖状低密度ポリエチレン)によって形成される。上記構成によれば、安定した動作を特に実現し易くできる。
【0020】
保持部材6は、外部操作としての押し下げ操作を受けることで内部流路7を通して流体8を吐出するノズルヘッド6aを有する。上記構成によれば、大きな吐出量でも操作が容易なノズルヘッド型の蓄圧式吐出器1を実現できる。吐出器1は、図1に示すように、必要に応じてノズルヘッド6aを覆うためのオーバーキャップ13を有する構成としてもよいし、オーバーキャップ13を有さない構成としてもよい。
【0021】
保持部材6は、ステム6bと、ステム6bの内周面に取り付けられるピストンガイド6cとを有し、第1ピストン3は、前進側と後退側とに移動できるようにステム6bとピストンガイド6cとによって保持され、内部流路7の開閉部7bは、第1ピストン3の着座部3aとピストンガイド6cの被着座部6c1とによって形成され、蓄圧部9は、第1ピストン3の着座部3aをピストンガイド6cの被着座部6c1に向けて付勢する第1圧縮ばね9aを有する。上記構成によれば、蓄圧部9の構造を簡単化できる。
【0022】
保持部材6は、ステム6bの外周面に連なり且つ前進側と後退側とに移動できるように第1シリンダ2を保持するシリンダ保持部6dを有し、接続部10はシリンダ保持部6dを有し、保持部材付勢部11は第2圧縮ばね11aを有し、第2圧縮ばね11aの伸縮方向の第1端部は第1シリンダ2保持部によって受けられ、第2圧縮ばね11aの伸縮方向の第2端部は抜け止め部材12によって受けられる。上記構成によれば、接続部10及び保持部材付勢部11の構造を簡単化できる。
【0023】
第2シリンダ4は、第2シリンダ本体4aの後退側端部から径方向外側に伸びるフランジ部4cを有し、抜け止め部材12は、フランジ部4cの後退側の面(上面)に接触する第1接触部12aと、第2シリンダ本体4aの内周面の後退側端部に接触する第2接触部12bと、抜け止め部材12に対する第1シリンダ2の前進と後退とを許容するように第1シリンダ2の外周面に接触する第3接触部12cとを有する。上記構成によれば、抜け止め部材12の安定した配置と、抜け止め部材12による第1シリンダ2の案内機能を実現できる。
【0024】
第2シリンダ4の端部壁4bは、ポンプ室7aの内部に流体8を吸い込むための吸い込み口14を有し、吸い込み口14には逆流を抑制する逆流抑制部15が設けられる。上記構成によれば、吐出器1の構造を簡単化できる。逆流抑制部15は図示のように玉状の弁体15aで形成してもよいし、その他の弁体15aで形成してもよい。
【0025】
内部流路7の下流側端部を形成する吐出口7cは、流体8を霧状に吐出(噴霧)できる。上記構成によれば、大きな噴霧量と安定した動作を実現し易い蓄圧式の吐出器1を実現できる。
【0026】
本実施形態において吐出容器16は、吐出器1と容器本体17とを有し、容器本体17は口部17a、胴部17b、底部をこの順に連ねて有し、内部に流体8を収容し、吐出器1は、第2シリンダ4が口部17aに保持されるように口部17aに装着される装着部18を有し、外部操作により、容器本体17の内部の流体8を内部流路7を通して吐出する。上記構成によれば、大きな噴霧量と安定した動作を実現し易い蓄圧式の吐出容器16を実現できる。
【0027】
本発明は前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【符号の説明】
【0028】
1 吐出器
2 第1シリンダ
2a 突出部
3 第1ピストン
3a 着座部
4 第2シリンダ
4a 第2シリンダ本体
4b 端部壁
4c フランジ部
5 第2ピストン
5a 第2ピストン本体
5b 嵌合部
5c 環状平板部
5d 突き当て部
6 保持部材
6a ノズルヘッド
6b ステム
6c ピストンガイド
6c1 被着座部
6d シリンダ保持部
7 内部流路
7a ポンプ室
7b 開閉部
7c 吐出口
8 流体
9 蓄圧部
9a 第1圧縮ばね
10 接続部
11 保持部材付勢部
11a 第2圧縮ばね
12 抜け止め部材
12a 第1接触部
12b 第2接触部
12c 第3接触部
13 オーバーキャップ
14 吸い込み口
15 逆流抑制部
15a 弁体
16 吐出容器
17 容器本体
17a 口部
17b 胴部
18 装着部
O 軸線
図1
図2
図3
図4