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  • 特開-ステアリング装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120752
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】ステアリング装置
(51)【国際特許分類】
   B62D 1/06 20060101AFI20240829BHJP
【FI】
B62D1/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027782
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 優樹
(72)【発明者】
【氏名】長倉 寿典
【テーマコード(参考)】
3D030
【Fターム(参考)】
3D030DB13
3D030DB16
(57)【要約】
【課題】ステアリングにおいて変速機のシフトレンジを変更すると共に乗員による把持を検出する。
【解決手段】ステアリング12では、リム部12Bの下検出部22により変速機34のシフトレンジが変更されると共に、リム部12Bの左検出部16、右検出部18及び下検出部22により乗員によるリム部12Bの把持が検出される。このため、変速機34のシフトレンジを変更できるのみならず、乗員によるリム部12Bの把持を検出できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作されて車両が操舵されるステアリングと、
前記ステアリングに設けられ、乗員による把持を検出する把持検出部と、
前記ステアリングに設けられ、乗員による接触を検出して車両の変速機のシフトレンジが変更されるシフト検出部と、
車両の速度が所定速度未満でありかつ車両のブレーキが操作される際に全部の前記シフトレンジに変更可能にすると共に、車両の速度が所定速度以上である際及び前記ブレーキが操作されない際に全部又は一部の前記シフトレンジに変更不能にする制御部と、
を備えるステアリング装置。
【請求項2】
操作されて車両が操舵されるステアリングと、
前記ステアリングに設けられ、乗員による把持を検出する把持検出部と、
前記ステアリングに設けられ、乗員による接触を検出して車両の変速機のシフトレンジが変更されるシフト検出部と、
前記ステアリングに設けられ、前記シフトレンジを表示する表示部と、
前記表示部が全部のシフトレンジを表示する際に前記シフトレンジを変更可能にすると共に、前記表示部が全部のシフトレンジを表示しない際に前記シフトレンジを変更不能にする制御部と、
を備えるステアリング装置。
【請求項3】
操作されて車両が操舵されるステアリングと、
前記ステアリングに設けられ、乗員による把持を検出する把持検出部と、
前記ステアリングに設けられ、乗員による接触を検出して車両の変速機のシフトレンジが変更されるシフト検出部と、
前記ステアリングに設けられ、前記シフトレンジを表示する表示部と、
前記表示部が全部の前記シフトレンジを表示する際に前記シフトレンジを変更可能にすると共に、前記表示部が一部の前記シフトレンジを表示する際に乗員による複数回接触又はスライド接触を前記シフト検出部が検出して前記シフトレンジを変更可能にする制御部と、
を備えるステアリング装置。
【請求項4】
前記表示部が前記シフト検出部の表側に配置される請求項2又は請求項3記載のステアリング装置。
【請求項5】
前記シフト検出部の周囲に前記把持検出部が配置される請求項1~請求項3の何れか1項記載のステアリング装置。
【請求項6】
前記ステアリングに設けられ、乗員が把持すると共に、前記シフト検出部が設けられる把持部を備える請求項1~請求項3の何れか1項記載のステアリング装置。
【請求項7】
前記把持部に前記シフト検出部が突出されて設けられる請求項6記載のステアリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗員による接触を検出して車両の変速機のシフトレンジが変更されるステアリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載のステアリングホイールでは、乗員による接触を接触検出フィルムが検出して、車両の変速機のシフトレンジが変更される。
【0003】
ここで、このようなステアリングホイールでは、変速機のシフトレンジを変更できるのみならず、乗員による把持を検出できるのが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2020/083544号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、ステアリングにおいて、変速機のシフトレンジを変更できるのみならず、乗員による把持を検出できるステアリング装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様のステアリング装置は、操作されて車両が操舵されるステアリングと、前記ステアリングに設けられ、乗員による把持を検出する把持検出部と、前記ステアリングに設けられ、乗員による接触を検出して車両の変速機のシフトレンジが変更されるシフト検出部と、車両の速度が所定速度未満でありかつ車両のブレーキが操作される際に全部の前記シフトレンジに変更可能にすると共に、車両の速度が所定速度以上である際及び前記ブレーキが操作されない際に全部又は一部の前記シフトレンジに変更不能にする制御部と、を備える。
【0007】
本発明の第2態様のステアリング装置は、操作されて車両が操舵されるステアリングと、前記ステアリングに設けられ、乗員による把持を検出する把持検出部と、前記ステアリングに設けられ、乗員による接触を検出して車両の変速機のシフトレンジが変更されるシフト検出部と、前記ステアリングに設けられ、前記シフトレンジを表示する表示部と、前記表示部が全部のシフトレンジを表示する際に前記シフトレンジを変更可能にすると共に、前記表示部が全部のシフトレンジを表示しない際に前記シフトレンジを変更不能にする制御部と、を備える。
【0008】
本発明の第3態様のステアリング装置は、操作されて車両が操舵されるステアリングと、前記ステアリングに設けられ、乗員による把持を検出する把持検出部と、前記ステアリングに設けられ、乗員による接触を検出して車両の変速機のシフトレンジが変更されるシフト検出部と、前記ステアリングに設けられ、前記シフトレンジを表示する表示部と、前記表示部が全部の前記シフトレンジを表示する際に前記シフトレンジを変更可能にすると共に、前記表示部が一部の前記シフトレンジを表示する際に乗員による複数回接触又はスライド接触を前記シフト検出部が検出して前記シフトレンジを変更可能にする制御部と、を備える。
【0009】
本発明の第4態様のステアリング装置は、本発明の第2態様又は第3態様のステアリング装置において、前記表示部が前記シフト検出部の表側に配置される。
【0010】
本発明の第5態様のステアリング装置は、本発明の第1態様~第4態様の何れか1つのステアリング装置において、前記シフト検出部の周囲に前記把持検出部が配置される。
【0011】
本発明の第6態様のステアリング装置は、本発明の第1態様~第5態様の何れか1つのステアリング装置において、前記ステアリングに設けられ、乗員が把持すると共に、前記シフト検出部が設けられる把持部を備える。
【0012】
本発明の第7態様のステアリング装置は、本発明の第1態様~第6態様の何れか1つのステアリング装置において、前記把持部に前記シフト検出部が突出されて設けられる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の第1態様のステアリング装置では、ステアリングが操作されて、車両が操舵される。また、乗員による接触をステアリングのシフト検出部が検出して、車両の変速機のシフトレンジが変更される。そして、制御部では、車両の速度が所定速度未満でありかつ車両のブレーキが操作される際に全部のシフトレンジに変更可能にすると共に、車両の速度が所定速度以上である際及び車両のブレーキが操作されない際に全部又は一部のシフトレンジに変更不能にする。
【0014】
ここで、乗員による把持をステアリングの把持検出部が検出する。このため、ステアリングにおいて、シフトレンジを変更できるのみならず、乗員による把持を検出できる。
【0015】
本発明の第2態様のステアリング装置では、ステアリングが操作されて、車両が操舵される。また、乗員による接触をステアリングのシフト検出部が検出して、車両の変速機のシフトレンジが変更される。さらに、ステアリングの表示部がシフトレンジを表示する。そして、制御部では、表示部が全部のシフトレンジを表示する際にシフトレンジを変更可能にすると共に、表示部が全部のシフトレンジを表示しない際にシフトレンジを変更不能にする。
【0016】
ここで、乗員による把持をステアリングの把持検出部が検出する。このため、ステアリングにおいて、シフトレンジを変更できるのみならず、乗員による把持を検出できる。
【0017】
本発明の第3態様のステアリング装置では、ステアリングが操作されて、車両が操舵される。また、乗員による接触をステアリングのシフト検出部が検出して、車両の変速機のシフトレンジが変更される。さらに、ステアリングの表示部がシフトレンジを表示する。そして、制御部では、表示部が全部のシフトレンジを表示する際にシフトレンジを変更可能にすると共に、表示部が一部のシフトレンジを表示する際に乗員による複数回接触又はスライド接触をシフト検出部が検出してシフトレンジを変更可能にする。
【0018】
ここで、乗員による把持をステアリングの把持検出部が検出する。このため、ステアリングにおいて、シフトレンジを変更できるのみならず、乗員による把持を検出できる。
【0019】
本発明の第4態様のステアリング装置では、表示部がシフト検出部の表側に配置される。このため、シフト検出部と表示部との設置面積を小さくできる。
【0020】
本発明の第5態様のステアリング装置では、シフト検出部の周囲に把持検出部が配置される。このため、シフト検出部の周囲に対する乗員による接触に基づき、乗員による把持を検出できる。
【0021】
本発明の第6態様のステアリング装置では、ステアリングの把持部を乗員が把持する。
【0022】
ここで、把持部にシフト検出部が設けられる。このため、容易にシフトレンジを変更できる。
【0023】
本発明の第7態様のステアリング装置では、把持部にシフト検出部が突出されて設けられる。このため、不要にシフトレンジが変更されることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態におけるステアリングを示す車両後側から見た正面図である。
図2】本発明の実施形態におけるステアリングの表示パネル等を示す車両後側から見た正面図である。
図3】(A)及び(B)は、本発明の実施形態におけるステアリングの表示パネルを示す車両後側から見た正面図であり、(A)は、当該表示パネルが全部のシフト表示を表示する際を示し、(B)は、当該表示パネルがP表示及びN表示を表示する際を示している。
図4】(A)及び(B)は、本発明の実施形態におけるステアリングの表示パネルを示す車両後側から見た正面図であり、(A)は、当該表示パネルがN表示を表示する際を示し、(B)は、当該表示パネルがD表示を表示する際を示している。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1には、本発明の実施形態に係るステアリング装置10が適用されたステアリング12(ステアリングホイール)が車両後側から見た正面図にて示されている。なお、図面では、車両右側を矢印RHで示し、上側を矢印UPで示している。
【0026】
本実施形態におけるステアリング12は、車両後側において車両の運転席に対向されており、ステアリング12は、運転席に着座する乗員(運転者、接触者)の車両前側に配置されている。
【0027】
図1に示す如く、ステアリング12の中央部分には、中央部としてのボス部12Aが設けられており、ステアリング12の外周部分には、把持部(外周部)としての正面視略円環状のリム部12Bが設けられている。ボス部12Aとリム部12Bとの間には、接続部としてのスポーク部12Cが2個設けられており、スポーク部12Cは、ボス部12Aから車両左側及び車両右側に延出されて、リム部12Bと接続されている。
【0028】
ボス部12Aは、車両における支持部としての円柱状のステアリングシャフト14の車両後側端(上側端)に固定されており、ステアリングシャフト14は、リム部12Bと略同軸上に配置されている。ステアリング12は、ステアリングシャフト14に一体回転可能に支持されており、乗員がリム部12Bを把持してステアリング12を周方向に回転させることで、ステアリングシャフト14が中心軸線周りに回転されて、車両が操舵される。
【0029】
リム部12Bの車両左側部及び車両右側部の内周側部分には、それぞれ、把持検出部を構成する左検出部16及び右検出部18が設けられており、左検出部16及び右検出部18には、湾曲板状の意匠パネル20が設けられている。意匠パネル20は、表側面がリム部12Bの表側面を構成すると共に、絶縁性を有しており、左検出部16及び右検出部18における意匠パネル20の裏側面全体には、それぞれ、膜状の左電極16A及び右電極18Aが設けられている。
【0030】
リム部12Bの下部の内周側部分には、略三角柱状の下検出部22が設けられており、下検出部22は、左検出部16及び右検出部18と連続して配置されている。下検出部22は、上側に突出されており、下検出部22の車両左側面及び車両右側面は、上方へ向かうに従い下検出部22の左右方向内側へ向かう方向に傾斜されている。下検出部22の外周には、略三角柱形箱状の外パネル22Aが設けられており、外パネル22A内は、下側に開放されている。外パネル22Aの表側面は、リム部12Bの表側面を構成しており、外パネル22Aは、絶縁性を有している。
【0031】
外パネル22Aの車両後側壁の略全体は、表示部としての矩形板状の表示パネル24(例えば液晶パネル)が構成しており、表示パネル24には、シフト表示26として左側から右側へ向けてP表示26P、R表示26R、N表示26N及びD表示26Dをこの順番で表示可能にされている(図3(A)参照)。
【0032】
表示パネル24の裏側面には、シフト検出部としてのシフト電極28(図2参照)が設けられており、シフト電極28には、矩形膜状のP電極28P、R電極28R、N電極28N及びD電極28Dが設けられている。P電極28P、R電極28R、N電極28N及びD電極28Dは、左側から右側へ向けてこの順番で並べられており、P電極28P、R電極28R、N電極28N及びD電極28Dは、それぞれP表示26P、R表示26R、N表示26N及びD表示26Dに対向されている。また、表示パネル24の表側面のP電極28P、R電極28R、N電極28N及びD電極28Dに対向する部分は、それぞれシフト位置30としての矩形状のP位置30P、R位置30R、N位置30N及びD位置30Dにされている。
【0033】
外パネル22Aの裏側面には、シフト電極28の部分を除く略全体において、把持検出部を構成する膜状の下電極22Bが設けられており、下電極22Bとシフト電極28との間には、僅かな隙間が設けられている。
【0034】
上記の左電極16A、右電極18A、下電極22B、表示パネル24、シフト電極28のP電極28P、R電極28R、N電極28N及びD電極28Dは、それぞれ制御部としての制御装置32に電気的に接続されている。制御装置32には、CPU、ROM、RAM、不揮発性のメモリ(ストレージ)等がバスによって接続されたマイクロコンピュータが設けられており、制御装置32では、CPUがROM及びストレージに記憶されたプログラムを読出してRAMに展開しながら実行することで、各種の機能が実現される。
【0035】
制御装置32には、車両の変速機34(自動変速機)が電気的に接続されており、制御装置32の制御により、変速機34のシフトレンジがPレンジ(パークレンジ)、Rレンジ(リバースレンジ)、Nレンジ(ニュートラルレンジ)及びDレンジ(ドライブレンジ)に変更可能にされている。また、表示パネル24のP表示26P、R表示26R、N表示26N及びD表示26Dは、それぞれPレンジ、Rレンジ、Nレンジ及びDレンジを表示している。
【0036】
制御装置32には、車両のブレーキ36が電気的に接続されており、ブレーキ36が操作されて、車両が制動される。制御装置32には、車両の速度検出部38が電気的に接続されており、速度検出部38は、車両の速度を検出する。
【0037】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0038】
以上の構成のステアリング12では、乗員の手がリム部12Bの車両左側を把持して、左検出部16の左電極16Aと乗員の手との間の静電容量と下検出部22の下電極22Bと乗員の手との間の静電容量との合計が把持閾値以上である場合に、制御装置32において、乗員の手によるリム部12Bの車両左側の把持が検出される。さらに、乗員の手がリム部12Bの車両右側を把持して、右検出部18の右電極18Aと乗員の手との間の静電容量と下検出部22の下電極22Bと乗員の手との間の静電容量との合計が把持閾値以上である場合に、制御装置32において、乗員の手によるリム部12Bの車両右側の把持が検出される。
【0039】
また、乗員の手指がリム部12Bの下検出部22(表示パネル24)のP位置30P、R位置30R、N位置30N又はD位置30D(シフト位置30)に接触して、それぞれP電極28P、R電極28R、N電極28N又はD電極28D(シフト電極28)と乗員の手指との間の静電容量がシフト閾値以上である場合には、それぞれ、制御装置32においてP位置30P、R位置30R、N位置30N又はD位置30Dが操作されたと判断されて、後述の如く制御装置32の制御により変速機34のシフトレンジがPレンジ、Rレンジ、Nレンジ又はDレンジに変更可能にされる。
【0040】
車両の速度(速度検出部38の検出速度)が所定速度(例えば3km/時)未満であると共に、ブレーキ36が操作された場合には、制御装置32の制御により表示パネル24にP表示26P、R表示26R、N表示26N及びD表示26D(シフト表示26)が表示される(図3(A)参照)。そして、P位置30P、R位置30R、N位置30N又はD位置30Dが操作されて、それぞれ制御装置32の制御により変速機34のシフトレンジがPレンジ、Rレンジ、Nレンジ又はDレンジに変更される。
【0041】
変速機34のシフトレンジがRレンジ、Nレンジ又はDレンジである際において、車両の速度が所定速度未満であると共に、ブレーキ36が操作されない場合には、制御装置32の制御により表示パネル24にP表示26P及びN表示26Nが表示される(図3(B)参照)。そして、P位置30P又はN位置30Nが操作されて、それぞれ制御装置32の制御により変速機34のシフトレンジがPレンジ又はNレンジに変更される。
【0042】
変速機34のシフトレンジがPレンジである際において、ブレーキ36が操作されない場合には、制御装置32の制御により表示パネル24にシフト表示26が表示されない。そして、シフト位置30が操作されても、制御装置32の制御により変速機34のシフトレンジが変更されない。
【0043】
変速機34のシフトレンジがRレンジ又はDレンジである際において、車両の速度が所定速度以上である場合には、制御装置32の制御により表示パネル24にN表示26Nが表示される(図4(A)参照)。そして、N位置30Nが所定時間内に複数回(例えば2回)操作されて、制御装置32の制御により変速機34のシフトレンジがNレンジに変更される。
【0044】
変速機34のシフトレンジがNレンジである際において、車両の速度が所定速度以上である場合には、制御装置32の制御により表示パネル24にD表示26Dが表示される(図4(B)参照)。そして、D位置30Dが所定時間内に複数回(例えば2回)操作されて、制御装置32の制御により変速機34のシフトレンジがDレンジに変更される。
【0045】
ここで、上述の如く、リム部12Bの下検出部22により変速機34のシフトレンジが変更されると共に、リム部12Bの左検出部16、右検出部18及び下検出部22により乗員によるリム部12Bの把持が検出される。このため、ステアリング12において、変速機34のシフトレンジを変更できるのみならず、乗員によるリム部12Bの把持を検出できる。
【0046】
また、車両の速度が所定速度未満であると共に、ブレーキ36が操作された際には、変速機34が全部のシフトレンジに変更可能にされる。さらに、車両の速度が所定速度以上である際及びブレーキ36が操作されない際には、変速機34が全部又は一部のシフトレンジに変更不能にされる。このため、変速機34のシフトレンジを適切に変更できる。
【0047】
さらに、表示パネル24に全部のシフト表示26が表示される際には、変速機34のシフトレンジが変更可能にされる。さらに、表示パネル24に全部のシフト表示26が表示されない際には、変速機34のシフトレンジが変更不能にされる。このため、変速機34のシフトレンジの変更が可能か否かを容易に認識できる。
【0048】
しかも、車両の速度が所定速度以上である場合であって表示パネル24に一部のシフト表示26が表示される際には、乗員によるシフト位置30への所定時間内での複数回接触(操作)により、変速機34のシフトレンジが変更される。このため、変速機34のシフトレンジが不要に変更されることを抑制できる。
【0049】
また、表示パネル24がシフト電極28の表側に配置されている。このため、シフト電極28と表示パネル24との設置面積を小さくできる。しかも、シフト電極28の表側に対応するシフト表示26が表示されるため、シフト電極28及びシフト位置30の位置を容易に認識できる。
【0050】
さらに、下検出部22では、シフト電極28の周囲に下電極22Bが配置されている。このため、シフト電極28の周囲に対する乗員の手の接触に基づき、乗員によるリム部12Bの把持を検出できる。
【0051】
また、リム部12Bにシフト電極28が設けられている。このため、リム部12Bを把持する乗員の手の指によりシフト位置30に接触でき、変速機34のシフトレンジを容易に変更できる。
【0052】
さらに、リム部12Bに下検出部22が突出されて設けられており、下検出部22にシフト電極28が設けられている。このため、乗員の手指がシフト位置30に不要に接触することを抑制でき、不要に変速機34のシフトレンジが変更されることを抑制できる。
【0053】
なお、本実施形態では、車両の速度が所定速度以上である際に、乗員の手指によるシフト位置30への所定時間内での複数回接触により変速機34のシフトレンジが変更される。しかしながら、車両の速度が所定速度以上である際に、乗員の手指によるシフト位置30へのスライド接触(例えばフリック操作)により変速機34のシフトレンジが変更されてもよい。
【0054】
さらに、本実施形態では、車両の速度が所定速度以上である際に、変速機34が一部のシフトレンジに変更不能にされる。しかしながら、車両の速度が所定速度以上である際に、変速機34が全部のシフトレンジに変更不能にされてもよい。
【0055】
また、本実施形態では、シフト電極28のP電極28P、R電極28R、N電極28N及びD電極28Dが分離されて設けられる。しかしながら、シフト電極28のP電極28P、R電極28R、N電極28N及びD電極28Dが連結されて設けられてもよい。この場合、乗員の手指によるシフト位置30へのスライド接触(例えばフリック操作)により変速機34のシフトレンジが変更されてもよい。
【0056】
さらに、本実施形態では、左検出部16の左電極16Aと乗員の手との間の静電容量と下検出部22の下電極22Bと乗員の手との間の静電容量との合計、及び、右検出部18の右電極18Aと乗員の手との間の静電容量と下検出部22の下電極22Bと乗員の手との間の静電容量との合計に基づき、乗員の手によるリム部12Bの把持が検出される。しかしながら、左検出部16の左電極16Aと乗員の手との間の静電容量と下検出部22の下電極22B及びシフト電極28と乗員の手との間の静電容量との合計、及び、右検出部18の右電極18Aと乗員の手との間の静電容量と下検出部22の下電極22B及びシフト電極28と乗員の手との間の静電容量との合計に基づき、乗員の手によるリム部12Bの把持が検出されてもよい。
【0057】
また、本実施形態では、ステアリング12のリム部12B下部にシフト電極28及び表示パネル24が設けられる。しかしながら、ステアリング12のリム部12B下部以外の部分にシフト電極28及び表示パネル24が設けられてもよい。
【0058】
さらに、本実施形態では、シフト電極28の表側に表示パネル24が設けられる。しかしながら、シフト電極28の表側に表示パネル24が設けられずに、シフト電極28と表示パネル24とが別々の位置に設けられてもよい。
【符号の説明】
【0059】
10・・・ステアリング装置、12・・・ステアリング、12B・・・リム部(把持部)、16A・・・左電極(把持検出部)、18A・・・右電極(把持検出部)、22B・・・下電極(把持検出部)、24・・・表示パネル(表示部)、28・・・シフト電極(シフト検出部)、32・・・制御装置(制御部)、34・・・変速機、36・・・ブレーキ
図1
図2
図3
図4