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特開2024-120757無端ベルト、転写ユニット、及び画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120757
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】無端ベルト、転写ユニット、及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/16 20060101AFI20240829BHJP
   F16C 13/00 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
G03G15/16
F16C13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027788
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】六反 実
(72)【発明者】
【氏名】林 聖悟
【テーマコード(参考)】
2H200
3J103
【Fターム(参考)】
2H200FA02
2H200FA07
2H200FA08
2H200FA09
2H200FA13
2H200FA18
2H200GA04
2H200GA06
2H200GA07
2H200GA09
2H200GA12
2H200GA23
2H200GA34
2H200JB10
2H200JB13
2H200JC04
2H200JC07
2H200JC09
2H200JC10
2H200JC12
2H200JC13
2H200JC15
2H200JC16
2H200JC17
2H200MA03
2H200MA04
2H200MA06
2H200MA08
2H200MA11
2H200MA14
2H200MA17
2H200MA20
2H200MB01
2H200MB04
2H200MC01
3J103AA02
3J103AA12
3J103AA24
3J103AA35
3J103AA41
3J103AA51
3J103AA72
3J103AA74
3J103AA85
3J103BA46
3J103CA02
3J103CA78
3J103FA05
3J103FA23
3J103GA02
3J103GA38
3J103GA57
3J103GA58
3J103GA60
3J103HA03
3J103HA04
3J103HA12
3J103HA15
3J103HA37
3J103HA48
(57)【要約】
【課題】リブ部材への粉塵付着量を低減しうる無端ベルトを提供する。
【解決手段】無端状のベルト基材と、前記ベルト基材の内周面の幅方向の少なくとも一端部に沿って周方向に設けられた帯状のリブ部材と、を有し、前記リブ部材が導電性を有する、無端ベルト。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端状のベルト基材と、前記ベルト基材の内周面の幅方向の少なくとも一端部に沿って周方向に設けられた帯状のリブ部材と、を有し、
前記リブ部材が導電性を有する、無端ベルト。
【請求項2】
前記ベルト基材の内周面と前記リブ部材とが接着層を介して接着されており、
前記接着層が導電性を有する、請求項1に記載の無端ベルト。
【請求項3】
前記リブ部材の体積抵抗率が1×1010LogΩ・cm以下である、請求項1に記載の無端ベルト。
【請求項4】
前記リブ部材の体積抵抗率が1×10LogΩ・cm以下である、請求項3に記載の無端ベルト。
【請求項5】
前記ベルト基材の体積抵抗率をρ1[LogΩ・cm]とし、前記リブ部材の体積抵抗率をρ2[LogΩ・cm]としたとき、ρ1≧ρ2の関係を満たす、請求項1に記載の無端ベルト。
【請求項6】
前記ベルト基材の体積抵抗率をρ1[LogΩ・cm]とし、前記リブ部材の体積抵抗率をρ2[LogΩ・cm]としたとき、ρ1>ρ2の関係を満たす、請求項5に記載の無端ベルト。
【請求項7】
前記リブ部材の体積抵抗率が1×10LogΩ・cm以下であり、且つ、前記ベルト基材の内周面と前記リブ部材とが接着層を介して接着されており、前記接着層が導電性を有する、請求項1に記載の無端ベルト。
【請求項8】
前記ベルト基材の体積抵抗率をρ1[LogΩ・cm]とし、前記リブ部材の体積抵抗率をρ2[LogΩ・cm]としたとき、ρ1>ρ2の関係を満たし、且つ、前記リブ部材の体積抵抗率が1×10LogΩ・cm以下である、請求項1に記載の無端ベルト。
【請求項9】
請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の無端ベルトと、
前記無端ベルトの前記リブ部材と接触して前記無端ベルトの幅方向の移動を抑制する少なくとも1つのロールを含み、前記無端ベルトを回転可能に支持する複数のロールと、
を備えた転写ユニット。
【請求項10】
電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
請求項9に記載の転写ユニットを有し、前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を、前記無端ベルトを介して記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
【請求項11】
プロセススピードが180mm/s以上である、請求項10に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無端ベルト、転写ユニット、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、「無端ベルトと、前記無端ベルトを張架する複数のロールとを備え、前記無端ベルトの内周面の少なくとも片側端に沿ってリブ部材が設けられ、
前記ロールの少なくとも1つのロールには、前記リブ部材の端部が接触してガイドされるガイド面を有した自由回転するガイド部が設けられ、前記リブ部材の表面に前記ガイド部との摩擦係数が0.1以下である低摩擦層が設けられたことを特徴とする画像形成装置用のベルト搬送装置」が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-109524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の課題は、無端状のベルト基材と、ベルト基材の内周面の幅方向の少なくとも一端部に沿って周方向に設けられた帯状のリブ部材と、を有し、リブ部材が絶縁性である場合に比べ、リブ部材への粉塵付着量を低減しうる無端ベルトを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための手段は、以下の態様を含む。
<1> 無端状のベルト基材と、前記ベルト基材の内周面の幅方向の少なくとも一端部に沿って周方向に設けられた帯状のリブ部材と、を有し、
前記リブ部材が導電性を有する、無端ベルト。
<2> 前記ベルト基材の内周面と前記リブ部材とが接着層を介して接着されており、
前記接着層が導電性を有する、<1>に記載の無端ベルト。
<3> 前記リブ部材の体積抵抗率が1×1010LogΩ・cm以下である、<1>又は<2>に記載の無端ベルト。
<4> 前記リブ部材の体積抵抗率が1×10LogΩ・cm以下である、<3>に記載の無端ベルト。
<5> 前記ベルト基材の体積抵抗率をρ1[LogΩ・cm]とし、前記リブ部材の体積抵抗率をρ2[LogΩ・cm]としたとき、ρ1≧ρ2の関係を満たす、<1>~<4>のいずれか1つに記載の無端ベルト。
<6> 前記ベルト基材の体積抵抗率をρ1[LogΩ・cm]とし、前記リブ部材の体積抵抗率をρ2[LogΩ・cm]としたとき、ρ1>ρ2の関係を満たす、<5>に記載の無端ベルト。
<7> 前記リブ部材の体積抵抗率が1×10LogΩ・cm以下であり、且つ、前記ベルト基材の内周面と前記リブ部材とが接着層を介して接着されており、前記接着層が導電性を有する、<1>~<6>のいずれか1つに記載の無端ベルト。
<8> 前記ベルト基材の体積抵抗率をρ1[LogΩ・cm]とし、前記リブ部材の体積抵抗率をρ2[LogΩ・cm]としたとき、ρ1>ρ2の関係を満たし、且つ、前記リブ部材の体積抵抗率が1×10LogΩ・cm以下である、<1>~<6>のいずれか1つに記載の無端ベルト。
【0006】
<9> <1>~<8>のいずれか1つに記載の無端ベルトと、
前記無端ベルトの前記リブ部材と接触して前記無端ベルトの幅方向の移動を抑制する少なくとも1つのロールを含み、前記無端ベルトを回転可能に支持する複数のロールと、
を備えた転写ユニット。
<10> 電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
<9>に記載の転写ユニットを有し、前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を、前記無端ベルトを介して記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
<11> プロセススピードが180mm/s以上である、<10>に記載の画像形成装置。
【発明の効果】
【0007】
<1>に係る発明によれば、無端状のベルト基材と、ベルト基材の内周面の幅方向の少なくとも一端部に沿って周方向に設けられた帯状のリブ部材と、を有し、リブ部材が絶縁性である場合に比べ、リブ部材への粉塵付着量を低減しうる無端ベルトが提供される。
<2>又は<7>に係る発明によれば、接着層が絶縁性である場合に比べ、リブ部材への粉塵付着量を低減しうる無端ベルトが提供される。
<3>、<4>、<7>、又は<8>に係る発明によれば、リブ部材の体積抵抗率が1×1010LogΩ・cm超である場合に比べ、リブ部材への粉塵付着量を低減しうる無端ベルトが提供される。
<5>、<6>、<7>、又は<8>に係る発明によれば、ρ1<ρ2を満たす場合に比べ、リブ部材への粉塵付着量を低減しうる無端ベルトが提供される。
<9>、<10>、又は<11>に係る発明によれば、無端状のベルト基材と、ベルト基材の内周面の幅方向の少なくとも一端部に沿って周方向に設けられた帯状のリブ部材と、を有し、リブ部材が絶縁性である場合に比べ、リブ部材への粉塵付着量を低減しうる無端ベルトを備えた転写ユニット、又は画像形成装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】無端ベルトにおけるベルト基材及びリブ部材の体積抵抗率を測定する測定装置の一例を示す模式図であって、(B)は平面図であり、(A)は(B)のA-A’断面図である。
図2】本開示に係る無端ベルトの構成の一例を示す部分断面図である。
図3図2に示す無端ベルトのCで示される部分断面を拡大して示す概略図である。
図4】本開示に係る転写ユニットの構成の一例を示す概略図である。
図5】本開示に係る転写ユニットの蛇行抑制部材ガイドの一例を示す部分断面図である。
図6】本開示に係る転写ユニットの蛇行抑制部材ガイドの他の例を示す部分断面図である。
図7】本開示に係る画像形成装置の構成の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一例である実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、実施形態の範囲を制限するものではない。
【0010】
本開示にて段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示にて記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示にて「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示にて、実施形態を図面を参照して説明する場合、当該実施形態の構成は図面に示された構成に限定されない。また、各図における部材の大きさは概念的なものであり、部材間の大きさの相対的な関係はこれに限定されない。さらに、機能・作用が共通する機能を有する部材には、全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明は省略する場合がある。
本開示にて、各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。本開示において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
【0011】
<無端ベルト>
本開示に係る無端ベルトは、無端状のベルト基材と、前記ベルト基材の内周面の幅方向の少なくとも一端部に沿って周方向に設けられた帯状のリブ部材と、を有し、前記リブ部材が導電性を有する、無端ベルトである。
ここで、本開示における「導電性」とは、20℃における体積抵抗率が1×1013Ωcm未満であることを意味する。つまり、本開示に係る無端ベルトにおけるリブ部材は、20℃における体積抵抗率が1×1013Ωcm未満である。本開示において、単に「体積抵抗率」と称している箇所は、いずれも、20℃における体積抵抗率とする。
なお、本開示における「絶縁性」とは、20℃における体積抵抗率が1×1013Ωcm以上であることを意味する。
【0012】
無端ベルトにおけるリブ部材は、無端ベルトを回転させるためのロールに接触し、無端ベルトの蛇行を抑制する機能を有する。このため、無端ベルトが回転する際、リブ部材とロールとがこすれてリブ部材が摩擦帯電し、トナー、紙粉等の粉塵が静電気により集塵されてしまうことがある。リブ部材に集塵された粉塵は、その量が多くなると熱や圧力により固着し、大きな塊(例えば、径が500μm以上の塊)となる。粉塵の塊が、無端ベルトにおけるベルト基材側に付着すると、例えば、無端ベルトが転写ベルトであれば、転写不良が発生してしまうこともある。
【0013】
本開示に係る無端ベルトは、上述のように、リブ部材が導電性を有する。このため、無端ベルトが回転する際、リブ部材とロールとがこすれてもリブ部材が帯電しにくくなり、その結果、リブ部材への粉塵付着量を低減しうる。
すなわち、本開示に係る無端ベルトは、上記構成を有することで、リブ部材への粉塵付着量を低減しうる。
【0014】
[好ましい態様]
本開示に係る無端ベルトは、ベルト基材の内周面とリブ部材とが接着層を介して接着されており、接着層が導電性を有することが好ましい。
このように、接着層が導電性を有することで、リブ部材への粉塵付着量をより低減しうる。
【0015】
本開示に係る無端ベルトにおいて、リブ部材の体積抵抗率は1×1010LogΩ・cm以下であることが好ましく、1×10LogΩ・cm以下であることがより好ましい。
このように、リブ部材の体積抵抗率を1×1010LogΩ・cm以下とすることで、リブ部材への粉塵付着量をより低減しうる。
【0016】
本開示に係る無端ベルトにおいて、ベルト基材の体積抵抗率をρ1[LogΩ・cm]とし、リブ部材の体積抵抗率をρ2[LogΩ・cm]としたとき、ρ1≧ρ2の関係を満たすことが好ましく、ρ1>ρ2の関係を満たすことがより好ましい。
このように、本開示に係る無端ベルトがρ1≧ρ2の関係を満たすことで、リブ部材への粉塵付着量をより低減しうる。
【0017】
本開示に係る無端ベルトは、リブ部材への粉塵付着量をさらに低減しうる観点から、リブ部材の体積抵抗率が1×10LogΩ・cm以下であり、且つ、ベルト基材の内周面とリブ部材とが接着層を介して接着されており、接着層が導電性を有する態様が好ましい。
本開示に係る無端ベルトは、リブ部材への粉塵付着量をさらに低減しうる観点から、ベルト基材の体積抵抗率をρ1[LogΩ・cm]とし、リブ部材の体積抵抗率をρ2[LogΩ・cm]としたとき、ρ1>ρ2の関係を満たし、且つ、リブ部材の体積抵抗率が1×10LogΩ・cm以下である態様が好ましい。
【0018】
無端ベルトのベルト基材及びリブ部材の体積抵抗率は、JIS K 6911又はJIS K 6271-1に準じて、図1に示す体積抵抗率測定装置500を用いて、測定する。詳細には、図1に示すように、体積抵抗率測定装置500は、円形電極520と、平板状の対向電極540と、を備えている。円形電極520は、円柱状電極部560と、該円柱状電極部560の外径より大きい内径を有し、且つ円柱状電極部560を一定の間隔をあけて囲む円筒状の円筒状電極部580と、を備えている。対向電極540は、測定対象物(ベルト基材又はリブ部材)510を介して円形電極520に向かい合うように配置される電極である。
【0019】
円形電極520としては、例えば、三菱アナリテック(株)製ハイレスターUPのURプローブ(二重リング電極構造のプローブ)等が挙げられる。また、対向電極540としては、例えば、SUS304製の平板状の電極(例えば、5mm厚、80mm×500mmの板状部材)が挙げられる。また、電流の測定装置としては、例えば、R8340Aデジタル超高抵抗/微小電流計((株)アドバンテスト社製)が挙げられる。
【0020】
体積抵抗率の測定時には、例えば、円形電極520における円柱状電極部560と、対向電極540と、の間に測定対象の無端ベルトである中間転写体50を挟み、荷重が19.6Nになるように重りを載せて測定対象物(ベルト基材又はリブ部材)510に一様な荷重がかかるようにする。そして、例えば、円形電極520に上記デジタル超高抵抗/微小電流計を電気的に接続し、測定条件を、チャージタイムを3sec、ディスチャージタイムを1sec、印加電圧を500Vとする。なお、このとき、20℃の環境下で測定を行う。
【0021】
この時、測定対象物(ベルト基材又はリブ部材)510の体積抵抗率ρv、測定対象物(ベルト基材又はリブ部材)510の厚さt(μm)、R8340Aデジタル超高抵抗/微小電流計の読み値をR、円形電極52の体積抵抗率補正係数をRCF(V)とする。なお、円形電極520として、三菱アナリテック(株)社製ハイレスターUPのURプローブを用いた場合には、ダイアインスツルメンツ社「抵抗率計シリーズ」カタログによれば、RCF(V)=2.011である。このため、測定対象物の体積抵抗率は、下記式(1)により算出される。
式(1):ρv[Ω・cm]=R×RCF(V)×(10000/t)=R×2.011×(10000/t)となる。
求められたρvの値の常用対数値を、ベルト基材の体積抵抗率ρ1及びリブ部材の体積抵抗率ρ2とする。
【0022】
なお、リブ部材が市販品を切り出して作製されたものである場合、その体積抵抗率ρ2は、カタログ値を採用してもよい。
【0023】
なお、接着層の体積抵抗率は、JIS K 7194:1994に従い測定すればよい。
また、接着剤が市販品である場合、リブ部材同様に、その体積抵抗率は、カタログ値を採用してもよい。
【0024】
以下、本開示に係る無端ベルトについて、図面を参照して、詳細に説明する。
図2に示す無端ベルト60は、無端状のベルト基材62と、ベルト基材62の内周面の幅方向の少なくとも一端部に沿って周方向に設けられた帯状のリブ部材50と、を有して構成されている。
また、図3に示すように、無端ベルト60は、ベルト基材62の内周面とリブ部材50とが接着層40を介して接着させている。なお、別の手段(例えば、熱融着等)にて、ベルト基材62の内周面にリブ部材50を固定することができれば、接着層40を省略することもできる。
【0025】
[ベルト基材]
ベルト基材は無端状に形成されていればよく、層構成等は特に限定されず、無端ベルトの用途に合わせた構成であればよい。ベルト基材は単層でもよいし、2層以上積層された構造でもよい。
【0026】
本開示において、ベルト基材は、基材層と、表面層と、を有することが好ましい。
ここで、表面層は、基材層の外周面に設けられることが好ましく、必要に応じて、基材層の内周面に設けられてもよい。
基材層の外周面に設けられた表面層は、無端ベルトの外周面を構成する。基材層の内周面に設けられた表面層は、無端ベルトの内周面を構成する。
【0027】
-基材層-
基材層は弾性材料を含有することが好ましい。
弾性材料としては、ゴム及び樹脂が挙げられる。
【0028】
ゴムとしては、例えば、クロロプレンゴム、エピクロロヒドリンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、ポリウレタン、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレン-ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム(NBR)、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、天然ゴム、これらの混合ゴムが挙げられる。
【0029】
樹脂としては、例えば、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニルサルホン、ポリサルフォン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、これらの混合樹脂が挙げられる。
【0030】
無端ベルトが転写ベルトである場合、画像の色抜け及び色点の発生をより抑制する観点から、弾性材料はゴムを含むことが好ましく、クロロプレンゴム及びエチレンプロピレンジエンゴムを含むことがより好ましい。
弾性材料がクロロプレンゴム及びエチレンプロピレンジエンゴムを含む場合、クロロプレンゴムの含有量と、エチレンプロピレンジエンゴムの含有量と、の比(クロロプレンゴムの含有量/エチレンプロピレンジエンゴムの含有量)は、質量基準で、1以上100以下であることが好ましく、3以上50以下であることがより好ましく、5以上20以下であることが更に好ましい。
【0031】
基材層は導電性粒子を含有することが好ましい。
導電性粒子としては、例えば、ケッチェンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;アルミニウム、ニッケル等の金属粒子;酸化インジウムスズ、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化イットリウム等の金属酸化物粒子;などが挙げられる。
無端ベルトが転写ベルトである場合、画像の色抜け及び色点の発生をより抑制する観点から、導電性粒子としては、カーボンブラックが好ましい。導電性粒子は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0032】
導電性粒子の平均一次粒径は、1nm以上150nm以下が好ましく、3nm以上100nm以下がより好ましく、5nm以上50nm以下が更に好ましい。
【0033】
導電性粒子の含有量は、基材層に含まれる弾性材料全体に対して、10質量%以上40質量%以下であることが好ましく、10質量%以上35質量%以下であることがより好ましく、15質量%以上30質量%以下であることが更に好ましい。
【0034】
基材層は、導電性粒子以外の導電剤を含有していてもよい。導電剤としては、例えば、チタン酸カリウム、塩化カリウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム等のイオン導電性物質;ポリアニリン、ポリエーテル、ポリピロール、ポリサルフォン、ポリアセチレン等のイオン導電性高分子;などが挙げられる。導電剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0035】
基材層は、酸化防止剤、架橋剤、難燃剤、着色剤、界面活性剤、分散剤、フィラー等の添加剤を含んでいてもよい。
【0036】
基材層の厚さは、400μm以上800μm以下が好ましく、420μm以上600μm以下がより好ましく、440μm以上500μm以下が更に好ましい。
【0037】
-表面層-
表面層は樹脂を含有することが好ましい。以下、表面層に含有される樹脂を「表面層樹脂」ともいう。
表面層樹脂は、フッ素樹脂を含むことが好ましい。
フッ素樹脂としては、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂、及びこれらの共重合体が挙げられる。
これらの中でも、無端ベルトが転写ベルトである場合、画像の色抜け及び色点の発生をより抑制する観点から、フッ素樹脂としては、4フッ化エチレン樹脂(PTFE:PolyTetraFluoroEthylene)が好ましい。
【0038】
表面層樹脂は、フッ素樹脂と共にウレタン樹脂を含むことが好ましい。
ウレタン樹脂(ポリウレタン又はウレタンゴムとも呼ばれる。)は一般的に、ポリイソシアネートとポリオールとを重合して合成される。ウレタン樹脂はハードセグメントとソフトセグメントとを有していることが好ましい。
【0039】
フッ素樹脂の含有量は、表面層に含まれる樹脂全体に対して、10質量%以上35質量%以下であることが好ましく、15質量%以上33質量%以下であることがより好ましく、20質量%以上30質量%以下であることが更に好ましい。
【0040】
フッ素樹脂の含有量を、表面層に含まれる樹脂全体に対して、10質量%以上とすることで、表面層に含まれるフッ素樹脂の含有量が、表面層の誘電体としての働きをより向上することができる量となる。
また、フッ素樹脂の含有量を、表面層に含まれる樹脂全体に対して、35質量%以下とすることで、表面層のクラック(ひび)耐性に必要な機械的強度を確保することが可能となる。
【0041】
表面層は、酸化防止剤、架橋剤、難燃剤、着色剤、フィラー等の添加剤を含んでいてもよい。
【0042】
表面層の厚さは、1μm以上15μm以下であることが好ましく、2μm以上12μm以下であることがより好ましく、3μm以上10μm以下であることが更に好ましい。
【0043】
表面層の厚さは、光学顕微鏡を用いて測定する。光学顕微鏡としては、例えば、キーエンス社製、品名デジタルマイクロスコープVHXが使用可能である。
表面層の厚さの測定手順は次の通りである。無端ベルトを厚さ方向に切断する。得られた断面を観測し、表面層の厚さを光学顕微鏡の撮影像により測定する。
【0044】
ベルト基材の体積抵抗率ρ1は、用途に応じて決定されればよく、例えば、1×10LogΩ・cm以上1×1012LogΩ・cm以下が挙げられる。本開示に係る無端ベルトが転写ベルトである場合には、ベルト基材の体積抵抗率ρ1は、1×10LogΩ・cm以上1×1011LogΩ・cm以下であることが好ましい。
【0045】
[リブ部材]
リブ部材は、ベルト基材の内周面の幅方向の少なくとも一端部に沿って周方向に設けられている。ベルト基材の端部におけるリブ部材の設置位置(ベルト基材の側縁からの距離)は、無端ベルトの用途、機能、適用する装置等に応じて設定すればよい。例えば、図3のように、リブ部材の幅方向の外側側面がベルト基材の幅方向端面より内側となるように設けられていてもよいし、リブ部材の幅方向の外側側面がベルト基材の幅方向端面と面一となるように接着されていてもよい。
【0046】
リブ部材はベルト基材の内周面の全周に亘り連続的に設けることが好ましいが、複数のリブ部材がベルト基材の周方向に沿って断続的に設けられてもよい。
また、ベルト基材の内周面の幅方向の一端部にリブ部材が設けられてもよいし、ベルト基材の内周面の幅方向両端部にリブ部材が設けられてもよい。
【0047】
リブ部材は、弾性材料及び導電剤を含有することが好ましい。
弾性材料としては、ゴム及び樹脂が挙げられる。
リブ部材に含有される弾性材料としては、既述の基材層に含有される弾性材料としてのゴム及び樹脂と同様のものが用いられる。
【0048】
リブ部材に含有される導電剤としては、既述の基材層に含有される導電性粒子、及び導電性粒子以外の導電剤と同様のものが用いられる。
【0049】
リブ部材における導電剤の含有量は、リブ部材の導電性に応じて決定されればよいが、例えば、リブ部材に含まれる弾性材料全体に対して、4質量%以上50質量%以下であることが好ましく、10質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。
【0050】
リブ部材としては、例えば、導電性ウレタンシート(タイガースポリマー(株)製「TR200-90E」、体積抵抗率ρ2:3.8×10LogΩ・cm)、導電性クロロプレンシート(タイガースポリマー(株)製「NEP-5」、体積抵抗率ρ2:8.6×10LogΩ・cm)、導電性クロロプレンシート(タイガースポリマー(株)製「CEP-2」、体積抵抗率ρ2:1.2×10LogΩ・cm)等を用いることもできる。
【0051】
リブ部材の幅(具体的には、図3における面50B-面50Dと間の距離)、厚み(図3における面50A-面50C間の距離)等は、無端ベルトの用途、使用条件等により選択すればよい。
リブ部材の幅は、例えば、蛇行抑制効果、耐久性等の点から、1mm以上10mm以下が好ましく、特に2mm以上8mm以下が好ましい。
また、リブ部材の厚みは、特に制限されないが、蛇行抑制効果、耐久性等の観点から、0.5mm以上5mm以下が好ましく、0.5mm以上3mm以下がより好ましい。
【0052】
なお、図3に示すように、リブ部材50は、ベルトの軸方向に沿って切断した際の断面形状が長方形であるが、これに限定されず、リブ部材50と接触する支持ロールの形状、配置等に応じて適宜選択すればよい。リブ部材は、ベルトの軸方向に沿って切断した際の断面形状が、例えば、四角形以外の多角形状でもよいし、円形、楕円形等の曲面を有する形状でもよい。
【0053】
[接着層]
接着層としては、公知の接着剤、接着シート等を適用でき、具体的には、弾性接着剤、感熱性接着剤シート等を使用することができる。
【0054】
弾性接着剤としては、例えば、セメダイン(株)製のアクリル変性シリコンポリマーを主成分とする「スーパーXNo.8008」、セメダイン(株)製のアクリル変成特殊ポリマーを主成分とする導電性接着剤「SX-ECA48」、コニシ(株)製の特殊変成シリコンポリマーを主成分とする「サイフレックス100」などを挙げることができる。ベルト基材との接着強度よりセメダイン(株)製のアクリル変性シリコンポリマーを主成分とする「スーパーXNo.8008」がより好ましく用いられ、導電性を有する接着層を得る観点からは、セメダイン(株)製のアクリル変成特殊ポリマーを主成分とする導電性接着剤「SX-ECA48」がより好ましく用いられる。
【0055】
感熱性接着剤シートとしては、ベルト基材とリブ部材との接着性に優れたものであれば特に限定されず、例えば、アクリル系、シリコーン系、天然又は合成のゴム系、ウレタン系、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体等の合成樹脂系などの樹脂系材料を主材料とする接着剤シートを用いることができる。
【0056】
具体的には、東洋紡(株)製ポリエステル系接着剤シートGM-913、GM-920、ソニーケミカル(株)製ポリエステル系接着剤シートD3600などを挙げることができる。ベルト基材62との接着強度よりソニーケミカル(株)製ポリエステル系接着剤シートD3600、東洋紡(株)製ポリエステル系接着剤シートGM-920が好ましく用いられる。
【0057】
接着層の厚みは、0.01mm以上0.3mm以下が好ましく、より好ましくは0.02mm以上0.05mm以下である。接着層の厚みが0.01mm以上であれば均一性の高い接着強度が得られ易く、0.3mm以下であれば接着ムラによるリブ部材の位置ずれが抑制される。
【0058】
[無端ベルトの製造方法] 本開示に係る無端ベルトの製造方法としては、例えば、基材層となる管状部材を用意し、管状部材の外周面及び内周面の少なくともいずれか一方に表面層を形成してベルト基材を得た後、得られたベルト基材の所望の位置にリブ部材を接着する方法が挙げられる。
【0059】
基材層となる管状部材の製造方法は、例えば、弾性材料及び導電性粒子を含有する組成物を溶融し、ダイスからベルト状に押し出して固化させる押出成形;弾性材料及び導電性粒子を含有する組成物を溶融し、ベルト状の金型に入れて固化させる射出成形;弾性材料の前駆体又は単量体と導電性粒子とを含有する組成物を芯体に塗布し固化させる塗布成形;などが挙げられる。
【0060】
表面層の形成方法は、例えば、フッ素樹脂を含む樹脂を含有する液状組成物を管状部材の外周面及び内周面の少なくともいずれか一方に塗布し固化させる;フッ素樹脂以外の表面層樹脂の前駆体又は単量体とフッ素樹脂とを含有する液状組成物を管状部材の外周面又は内周面に塗布し固化させる;などが挙げられる。液状組成物を固化させるために、成分の種類に応じて、乾燥、加熱、電子線照射又は紫外線照射を行ってもよい。
【0061】
リブ部材の接着は、例えば、リブ部材のベルト基材への接着面(図3における接着面50A)に、接着剤を塗布するか又は接着シートを貼り付け、ベルト基材へと接着させる方法が挙げられる。
【0062】
<転写ユニット>
本開示に係る転写ユニットは、実施形態に係る無端ベルトと、前記無端ベルトの前記リブ部材と接触して前記無端ベルトの幅方向の移動を抑制する少なくとも1つのロールを含み、前記無端ベルトを回転可能に支持する複数のロールと、を備えている。
図4は、本開示に係る転写ユニットの構成の一例を示す概略構成図である。図5は、本開示に係る転写ユニットの構成の一例を示す部分断面図である。なお、図5に示す転写ユニット70では、ベルト基材62の両端部において内周面側にリブ部材50が設けられている。
【0063】
転写ユニット70は、本開示に係る無端ベルト60と、無端ベルト60の内周面と接触して設けられ、無端ベルト60を回転可能に支持するガイド付き支持ロール72と、を備えている。ガイド付き支持ロール72には、無端ベルト60のリブ部材50と接触して無端ベルト60の幅方向の移動を抑制する蛇行抑制部材ガイド76(規制部材)が設けられている。なお、図4に示す転写ユニットは、ガイド付き支持ロール72を3つ備えているが、少なくとも1つの支持ロールがガイド付き支持ロールである支持ロール72を1つ以上備えていれば特に数の制限はない。
【0064】
ガイド付き支持ロール72は、無端ベルト60の内周面に接触する支持ロール本体74と、支持ロール本体74の軸方向両端部に設けられる蛇行抑制部材ガイド76(規制部材)と、支持ロール本体74の軸方向両端面の中央部に連結され、蛇行抑制部材ガイド76を貫き当該軸方向外側に延在するシャフト78と、を備える。
【0065】
支持ロール本体74は、他の支持ロールと共に無端ベルト60内周面に接触し、張力を掛けつつ保持する機能を持つ。支持ロール本体74は、軸方向両端が開口した円筒状体74Aと、当該開口を塞ぐ蓋体74Bとで構成されている。支持ロール本体74の構成材料としては、例えば、アルミニウムが挙げられる。
【0066】
支持ロール本体74の外周面には、ベルト基材に負荷がかかったときにもベルトをスリップさせない目的で、高摩擦材料層74Cを設けている。高摩擦材料層74Cとしては、例えばポリウレタンの被覆層(5μm以上50μm以下、好ましくは25μm程度)が適用される。
【0067】
蛇行抑制部材ガイド76は、リブ部材50と接触して無端ベルト60の幅方向の移動を規制する部材である。蛇行抑制部材ガイド76は、例えば、小径部76Aと小径部76Aに対して支持ロール本体74側に設けられた大径部76Bとを有する。小径部76Aと大径部76Bとの間が円錐台状となって一体的に形成され、同軸に連結されて構成されている。そして、蛇行抑制部材ガイド76は、支持ロール本体74と同軸に、シャフト78により貫通されて設けられている。蛇行抑制部材ガイド76の構成材料としては、表面が滑らかで、摺動性の良好な樹脂材料を使用するのが好ましく、例えば、ポリアセタールが使用される。
【0068】
本実施形態では、図5に示すように蛇行抑制部材ガイド76の小径部76Aと大径部76Bとを連結する円錐台の部分に、リブ部材50の内側側面50B、及び、内側側面50Bと、接着面50Aとは反対側の面50Cとが交わる縁部が接触することで、無端ベルト60の軸方向の移動を規制している。本開示に係る無端ベルトにおけるリブ部材50は、導電性を有することから、図5に示すようにリブ部材50が蛇行抑制部材ガイド76と接触してもリブ部材50の摩擦帯電が抑えられ、リブ部材50に粉塵が付着することが抑制される。
【0069】
なお、図5に示す形態では、蛇行抑制部材ガイド76は、支持ロール本体74の軸方向両端部側に配置されているが、リブ部材50がベルト基材62の軸方向片端部のみに設けられている場合は、支持ロール本体74の軸方向両端部のうち、無端ベルト60のリブ部材50が設けられた側の端部側に蛇行抑制部材ガイド76が設けられていればよい。
【0070】
ガイド付き支持ロール72は、例えば、テンションロール、ステアリングロール、アイドルロール、駆動ロール、バックアップロール等として、転写ユニットに配置される。これらのロールは、用途に応じて設けられる。なお、本開示に係る転写ユニットには、例えば図4に示すように複数本の支持ロールが配されるが、全てのロールが前記構成のガイド付き支持ロールである必要ななく、少なくとも1つの支持ロールに蛇行抑制部材ガイド76を備えていればよい。
【0071】
また、蛇行抑制部材ガイド76は、前記構成に限られず、例えば、リブ部材50が挿入される溝や切り欠きを周方向に沿って設けた円柱又は円筒部材で構成してもよい。例えば、図6に示すように、リブ部材50が挿入される溝部86Aを備えた蛇行抑制部材ガイド86を採用してもよい。このように蛇行抑制部材ガイド86の溝部86Aにリブ部材50が挿入されている場合、リブ部材50の内側側面50Bと外側側面50Dが蛇行抑制部材ガイド86の溝部86Aの内壁に接触するが、リブ部材50が導電性を有することから、図6に示すようにリブ部材50が蛇行抑制部材ガイド86の溝部86Aと接触しても、リブ部材50の摩擦帯電が抑えられ、リブ部材50に粉塵が付着することが抑制される。
【0072】
<画像形成装置>
次に、本開示に係る画像形成装置について説明する。
本開示に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、本開示に係る転写ユニットを有し、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を、無端ベルトを介して記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備えて構成されている。
なお、本開示に係る画像形成装置は、プロセススピードが180mm/s以上である、高速機であることが好ましい。このような高速機であっても、本開示に係る画像形成装置の転写ベルトとして適用された本開示に係る無端ベルトは、そのリブ部材の摩擦帯電が効果的に抑制されることから、リブ部材への粉塵付着量を低減しうる。また、これにより、リブ部材への粉塵の付着に起因する転写不良の発生をも抑制しうる。
【0073】
本開示に係る画像形成装置は、例えば、現像装置内に単色のトナーのみを収容するモノカラー画像形成装置でもよいし、トナーの色が互いに異なる複数の現像装置を備え、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体であるベルト基材に順次一次転写して色が異なるトナー像を重ね合わせてカラー画像を形成するカラー画像形成装置でもよい。
【0074】
以下に、本開示に係る画像形成装置の一例として、色が異なるトナー像を重ねてカラー画像を形成する画像形成装置について説明する。
【0075】
図7は、本開示に係る画像形成装置の一例の構成を概略的に示している。図7に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kを備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに特定距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置本体に対して脱着するプロセスカートリッジであってもよい。
【0076】
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての本開示に係る無端ベルトを用いた中間転写ベルト20が配置されている。中間転写ベルト20は、図7における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ロール22及び中間転写ベルト20内面に接する支持ロール24に巻回されて設けられ、第1ユニット10Yから第4ユニット10Kに向う方向に走行(回転)するように、画像形成装置用の転写ユニットを構成している。
駆動ロール22及び支持ロール24には、それぞれ前記蛇行抑制部材ガイド76が設けられている。
また、支持ロール24は、図示しないバネ等により駆動ロール22から離れる方向に付勢されており、両者に巻回された中間転写ベルト20に特定の張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ロール22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収容されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが供給される。
【0077】
上述した第1乃至第4ユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1ユニット10Yについて代表して説明する。尚、第1ユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2乃至第4ユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
【0078】
第1ユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を特定の電位に帯電させる帯電ロール2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yによって露光して静電荷像を形成する露光装置3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段)4Y、現像したトナー像を中間転写ベルト20上に転写する1次転写ロール5Y(1次転写手段)、及び1次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを、クリーニングブレードにて除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段)6Yが順に配設されている。
尚、1次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ロールに印加する転写バイアスを可変する。各1次転写ロール5Y、5M、5C、5Kにもそれぞれ前記蛇行抑制部材ガイド76が設けられている。
【0079】
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が-600V以上-800V以下程度の電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば、20℃における体積抵抗率:1×10Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
【0080】
静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
このようにして感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って特定の現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
【0081】
現像装置4Y内には、例えば、イエロートナーが収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー像が形成された感光体1Yは、引続き特定速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー像が特定の1次転写位置へ搬送される。
【0082】
感光体1Y上のイエロートナー像が1次転写位置へ搬送されると、1次転写ロール5Yに特定の1次転写バイアスが印加され、感光体1Yから1次転写ロール5Yに向う静電気力がトナー像に作用され、感光体1Y上のトナー像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(-)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μA程度に制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
【0083】
また、第2ユニット10M以降の1次転写ロール5M、5C、5Kに印加される1次転写バイアスも、第1ユニットに準じて制御されている。
こうして、第1ユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4ユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
【0084】
第1乃至第4ユニットを通して4色のトナー像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト20内面に接する支持ロール24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された2次転写ロール(2次転写手段)26とから構成された2次転写部へと至る。一方、記録媒体Pが供給機構を介して2次転写ロール26と中間転写ベルト20とが圧接されている隙間に特定のタイミングで給紙され、特定の2次転写バイアスが支持ロール24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(-)と同極性の(-)極性であり、中間転写ベルト20から記録媒体Pに向う静電気力がトナー像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー像が記録媒体P上に転写される。尚、この際の2次転写バイアスは2次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
【0085】
この後、記録媒体Pは定着装置(定着手段)28へと送り込まれトナー像が加熱され、色重ねしたトナー像が溶融されて、記録媒体P上へ定着される。カラー画像の定着が完了した記録媒体Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
【0086】
なお、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介して複数のトナー像を重ねて記録媒体Pに転写する構成となっているが、本開示に係る画像形成装置はこれに限定されない。例えば、感光体の表面に形成した単色のトナー像を、中間転写ベルト20を介して記録媒体に転写する方式の画像形成装置でもよい。
【実施例0087】
以下、実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
【0088】
[無端ベルトの作製]
以下のようにして、各例の無端ベルトを得た。
【0089】
<実施例1>
(基材層の作製)
弾性材料であるクロロプレンゴム及び導電性粒子であるカーボンブラックの混合物(混合物全体に対するカーボンブラックの含有量は25質量%)85部と、弾性材料であるエチレンプロピレンジエンゴム15部と、を混合してなる組成物を、混練押し出し機で押出成形し、成形物を得た。成形物を熱風乾燥し、直径(外径)40mm、厚さ450μmの管状部材を得た。管状部材を長さ355mmに切断し、基材層とした。
【0090】
(表面層の作製)
フッ素樹脂である4フッ化エチレン樹脂を含有するウレタン樹脂(ボンデライトT862A、ヘンケルジャパン社製)に対して、硬化剤(ロックタイトWH-1、ヘンケルジャパン社製)を1質量%添加し、水で希釈することで塗布液を調製した(塗布液全体に対する4フッ化エチレン樹脂の含有量は20質量%とした。)。
基材層の中心軸を水平方向とした状態で、基材層を回転させながら基材層の外周面に塗布液を散布した。次いで、150℃かつ35分間の熱風乾燥を行い、基材層の外周面に表面層を形成した。
基材層の内周面にも同様にして塗布液を散布し、同様の熱風乾燥を行い、基材層の内周面に表面層を形成した。
基材層の外周面及び内周面に形成された表面層の厚さはいずれも6μmとした。
上記手順でベルト基材1を得た。ベルト基材1の体積抵抗率は、3.2×1010LogΩ・cmである。
【0091】
(リブ部材の接着)
体積抵抗率が3.8×10[LogΩ・cm]の導電性ウレタンシート(タイガースポリマー(株)製「TR200-90E」)を、厚み1.0mm、幅5.0mm、長さ122.5mmの短冊状にし、これをリブ部材1とした。短冊状のリブ部材1を2本用い、接着剤1としてセメダイン製「スーパーX No.8008」を塗布し、接着剤の塗布面をベルト基材1の内周面の両端部に圧接し、リブ部材1をベルト基材1に接着した。
なお、セメダイン製「スーパーX No.8008」の体積抵抗率は5.7×1014LogΩ・cmであり、導電性を有していないものであった。
以上のようにして、無端ベルト1を得た
【0092】
<実施例2>
接着剤1を、接着剤2(体積抵抗率が4.9×10-3LogΩ・cmであるセメダイン製「SX-ECA48」)に代えた以外は、実施例1と同様にして、無端ベルト2を得た。
【0093】
<実施例3>
リブ部材1として用いた導電性ウレタンシートを、体積抵抗率が8.6×10LogΩ・cmの導電性クロロプレンシート(タイガースポリマー(株)製「NEP-5」)に代えたリブ部材2を用いた以外は、実施例2と同様にして無端ベルト3を得た。
【0094】
<実施例4>
リブ部材1として用いた導電性ウレタンシートを、体積抵抗率が1.2×10LogΩ・cmの導電性クロロプレンシート(タイガースポリマー(株)製「CEP-2」)に代えたリブ部材3を用いた以外は、実施例2と同様にして無端ベルト4を得た。
【0095】
<実施例5>
実施例1で用いた基材層形成用の組成物を用い、実施例1の基材層を形成する方法と同様の方法で、厚さ1mm、幅40mm、長さ130mmのシート状の成形物を作製した。得られたシート状の成形物を、厚み1.0mm、幅5.0mm、長さ122.5mmの短冊状にし、これをリブ部材4(体積抵抗率:3.2×1010LogΩ・cm)とした。
リブ部材1として用いた導電性ウレタンシートを、得られたリブ部材4に代えた以外は、実施例2と同様にして無端ベルト5を得た。
【0096】
<実施例6>
実施例1で用いた基材層形成用の組成物中のカーボンブラックの含有量を20質量%に変えたものを用いた以外は実施例5と同様にして、リブ部材5(体積抵抗率:6.6×1010LogΩ・cm)を得た。
リブ部材1として用いた導電性ウレタンシートを、得られたリブ部材5に代えた以外は、実施例2と同様にして無端ベルト6を得た。
【0097】
<実施例7>
基材層形成用の組成物中のカーボンブラックの含有量を35質量%に変えた以外は実施例1と同様にして、ベルト基材2(体積抵抗率:2.7×1010LogΩ・cm)を得た。
ベルト基材1を、得られたベルト基材2に代えた以外は、実施例2と同様にして無端ベルト7を得た。
【0098】
<比較例1>
リブ部材1として用いた導電性ウレタンシートを、体積抵抗率が5.5×1013LogΩ・cmの絶縁性ウレタンシート(タイガースポリマー製「TR200-90」)に代えて得られたリブ部材6を用いた以外は、実施例1と同様にして無端ベルト8を得た。
【0099】
<評価>
各例で得た無端ベルトをApeosPro C810(富士フイルムビジネスイノベーション社)に二次転写ベルトとして取り付け、10℃、15%の環境で濃度YMCK各色25%のベタ画像をA4用紙で100,000枚出力した後、無端ベルトのリブ部材へのトナー等の粉塵の付着を目視にて観察し、以下の基準に沿って評価した。
なお、画像出力の際のプロセススピードは、364mm/sであった。
【0100】
-評価基準-
G1:リブ部材において粉塵の付着がほとんどない。
G2:リブ部材において極軽微に粉塵に付着が見られる。
G3:リブ部材において軽微に粉塵に付着が見られる。
G4:リブ部材において粉塵の付着が見られるものの、塊状ではない(許容レベル)。
G5:塊状(径500μm以上の塊)の粉塵が見られる。
【0101】
【表1】
【0102】
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
(((1))) 無端状のベルト基材と、前記ベルト基材の内周面の幅方向の少なくとも一端部に沿って周方向に設けられた帯状のリブ部材と、を有し、
前記リブ部材が導電性を有する、無端ベルト。
(((2))) 前記ベルト基材の内周面と前記リブ部材とが接着層を介して接着されており、
前記接着層が導電性を有する、(((1)))に記載の無端ベルト。
(((3))) 前記リブ部材の体積抵抗率が1×1010LogΩ・cm以下である、(((1)))又は(((2)))に記載の無端ベルト。
(((4))) 前記リブ部材の体積抵抗率が1×10LogΩ・cm以下である、(((3)))に記載の無端ベルト。
(((5))) 前記ベルト基材の体積抵抗率をρ1[LogΩ・cm]とし、前記リブ部材の体積抵抗率をρ2[LogΩ・cm]としたとき、ρ1≧ρ2の関係を満たす、(((1)))~(((4)))のいずれか1つに記載の無端ベルト。
(((6))) 前記ベルト基材の体積抵抗率をρ1[LogΩ・cm]とし、前記リブ部材の体積抵抗率をρ2[LogΩ・cm]としたとき、ρ1>ρ2の関係を満たす、(((5)))に記載の無端ベルト。
(((7))) 前記リブ部材の体積抵抗率が1×10LogΩ・cm以下であり、且つ、前記ベルト基材の内周面と前記リブ部材とが接着層を介して接着されており、前記接着層が導電性を有する、(((1)))~(((6)))のいずれか1つに記載の無端ベルト。
(((8))) 前記ベルト基材の体積抵抗率をρ1[LogΩ・cm]とし、前記リブ部材の体積抵抗率をρ2[LogΩ・cm]としたとき、ρ1>ρ2の関係を満たし、且つ、前記リブ部材の体積抵抗率が1×10LogΩ・cm以下である、(((1)))~(((6)))のいずれか1つに記載の無端ベルト。
【0103】
(((9))) (((1)))~(((8)))のいずれか1つに記載の無端ベルトと、
前記無端ベルトの前記リブ部材と接触して前記無端ベルトの幅方向の移動を抑制する少なくとも1つのロールを含み、前記無端ベルトを回転可能に支持する複数のロールと、
を備えた転写ユニット。
(((10))) 電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
(((9)))に記載の転写ユニットを有し、前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を、前記無端ベルトを介して記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
(((11))) プロセススピードが180mm/s以上である、(((10)))に記載の画像形成装置。
【0104】
(((1)))に係る発明によれば、無端状のベルト基材と、ベルト基材の内周面の幅方向の少なくとも一端部に沿って周方向に設けられた帯状のリブ部材と、を有し、リブ部材が絶縁性である場合に比べ、リブ部材への粉塵付着量を低減しうる無端ベルトが提供される。
(((2)))又は(((7)))に係る発明によれば、接着層が絶縁性である場合に比べ、リブ部材への粉塵付着量を低減しうる無端ベルトが提供される。
(((3)))、(((4)))、(((7)))、又は(((8)))に係る発明によれば、リブ部材の体積抵抗率が1×1010LogΩ・cm超である場合に比べ、リブ部材への粉塵付着量を低減しうる無端ベルトが提供される。
(((5)))、(((6)))、(((7)))、又は(((8)))に係る発明によれば、ρ1<ρ2を満たす場合に比べ、リブ部材への粉塵付着量を低減しうる無端ベルトが提供される。
(((9)))、(((10)))、又は(((11)))に係る発明によれば、無端状のベルト基材と、ベルト基材の内周面の幅方向の少なくとも一端部に沿って周方向に設けられた帯状のリブ部材と、を有し、リブ部材が絶縁性である場合に比べ、リブ部材への粉塵付着量を低減しうる無端ベルトを備えた転写ユニット、又は画像形成装置が提供される。
【符号の説明】
【0105】
1Y、1M、1C、1K 電子写真感光体
2Y、2M、2C、2K 帯電ロール(帯電手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
3 露光装置(静電潜像形成手段の一例)
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 1次転写ロール(転写手段の一部)
6Y、6M、6C、6K クリーニング装置
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(無端ベルトの一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 2次転写ロール(転写手段の一部)
30 中間転写体クリーニング装置
50 リブ部材
50A 接着面
50B,50C,50D 接着面以外の長手方向の面
60 無端ベルト
62 ベルト基材
70 転写ユニット
72 支持ロール
74 支持ロール本体
76 蛇行抑制部材ガイド
78 シャフト
86 蛇行抑制部材ガイド
500 体積抵抗率測定装置
510 測定対象物(ベルト基材又はリブ部材)
520 円形電極
540 対向電極
560 円柱状電極部
580 円筒状電極部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7