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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120759
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】練習器具
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/00 20060101AFI20240829BHJP
【FI】
A63B69/00 509
A63B69/00 504A
A63B69/00 508
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027790
(22)【出願日】2023-02-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2023年2月3日~ 東京都世田谷区 にて公開
(71)【出願人】
【識別番号】000010054
【氏名又は名称】岐阜プラスチック工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川島 昭洋
(57)【要約】
【課題】横並びに複数配置した際に、頭部間に生じる隙間を、適宜塞ぐことができる練習器具を提供する。
【解決手段】練習器具1は、縦長の壁材2と、壁材2を覆うカバー材3と、を備える。壁材2は、胴部20と、胴部20の上方に位置し、胴部20よりも横方向に短い頭部21と、を有する。カバー材3は、胴部20を覆う第一カバー部3aと、頭部21を覆う第一位置とそれ以外の第二位置との間で移動可能な第二カバー部3bと、を有する。第二カバー部3bは、頭部21よりも前記横方向に長い。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦長の壁材と、
前記壁材を覆うカバー材と、を備え、
前記壁材は、
胴部と、前記胴部の上方に位置し、前記胴部よりも横方向に短い頭部と、を有し、
前記カバー材は、
前記胴部を覆う第一カバー部と、前記頭部を覆う第一位置とそれ以外の第二位置との間で移動可能な第二カバー部と、を有し、
前記第二カバー部は、前記頭部よりも前記横方向に長い、
練習器具。
【請求項2】
前記第二位置は、前記胴部を覆う位置である、
請求項1に記載の練習器具。
【請求項3】
前記第二カバー部は、
前記第一位置にあるときに前記頭部を片側から覆う第一部分と、前記第一位置にあるときに前記頭部を前記片側とは反対側から覆う第二部分とを一体に有する、
請求項1又は2に記載の練習器具。
【請求項4】
前記第一部分と前記第二部分には、互いに連結可能な連結部が設けられている、
請求項3に記載の練習器具。
【請求項5】
前記第一カバー部と、前記第二位置にあるときの前記第二カバー部とは、上端同士が連続しており、
前記第一カバー部と前記第二カバー部には、前記第二カバー部が前記第二位置にあるときに互いに連結可能な第一連結部と第二連結部が設けられている、
請求項2に記載の練習器具。
【請求項6】
前記第一カバー部と前記第二カバー部とは、前記横方向における長さが同じである、
請求項5に記載の練習器具。
【請求項7】
前記第二カバー部は、前記第一カバー部とは別体である、
請求項1に記載の練習器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、練習器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、サッカーなどの練習において練習相手と見立てて用いられるスポーツ練習具が記載されている。このスポーツ練習具は、人間に近い形状となるように設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-164449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載のスポーツ練習具を、横並びに複数配置すると、隣り合う2つのスポーツ練習器具の頭部間に隙間が生じる。練習内容によっては上記の隙間が不要な場合があるものの、特許文献1に記載のスポーツ練習具では、上記の隙間を塞ぐことができない。
【0005】
上記事情に鑑みて、本開示は、横並びに複数配置した際に、頭部間に生じる隙間を、適宜塞ぐことができる練習器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係る一態様の練習器具は、縦長の壁材と、前記壁材を覆うカバー材と、を備える。前記壁材は、胴部と、前記胴部の上方に位置し、前記胴部よりも横方向に短い頭部と、を有する。前記カバー材は、前記胴部を覆う第一カバー部と、前記頭部を覆う第一位置とそれ以外の第二位置との間で移動可能な第二カバー部と、を有する。前記第二カバー部は、前記頭部よりも前記横方向に長い。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る一態様の練習器具では、横並びに複数配置した際に、頭部間に生じる隙間を、適宜塞ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1Aは、本開示に係る一実施形態の練習器具を横並びに複数配置した一状態を示す正面図であり、図1Bは、同上の練習器具を横並びに複数配置した他の状態を示す正面図である。
図2図2は、同上の練習器具を示す正面図である。
図3図3は、同上の練習器具を示す側面図である。
図4図4は、同上の練習器具を示す背面図である。
図5図5A,Bは、同上の練習器具が備えるカバー材を、頭部に装着する様子を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(一実施形態)
1.概要
図1A及び図1Bに示す一実施形態の練習器具1は、縦長の壁材2と、壁材2を覆うカバー材3と、を備える。壁材2は、胴部20と、胴部20の上方に位置し、胴部20よりも横方向に短い頭部21と、を有する。カバー材3は、胴部20を覆う第一カバー部3aと、頭部21を覆う第一位置とそれ以外の第二位置との間で移動可能な第二カバー部3bと、を有する。第二カバー部3bは、頭部21よりも前記横方向に長い。
【0010】
上記構成を備える一実施形態の練習器具1では、頭部21よりも横方向に長い第二カバー部3bによって、頭部21を必要に応じて覆うことができる。そのため、一実施形態の練習器具1では、横並びに複数の練習器具1を配置した際に、隣り合う2つの練習器具1の頭部21間に生じる隙間を、第二カバー部3bによって適宜塞ぐことができる。
【0011】
2.詳細
続いて、図1Aから図5Bに示す本実施形態の練習器具1について、図面を参照しながら、更に詳しく説明する。
【0012】
練習器具1は、例えば、図1Aに示す使用例のように、横並びに複数配置されて、サッカー等のトレーニングで用いられる。本実施形態では、練習器具1は、壁材2と、カバー材3と、壁材2が取り付けられる基台4と、を備える。
【0013】
2-1.基台
図2図3及び図4に示すように、基台4は、壁材2を支える台である。基台4の上面40には、壁材2の下端部の取付部24を取り付け可能な取付凹部400が設けられている。基台4は、合成樹脂製であり、中空構造である。基台4は、例えば、ブロー成形又は射出成形によって形成される。
【0014】
基台4は、上面40と、上面40に対して嵌合可能な形状に設けられた下面41と、上面40の外周縁と下面41の外周縁とをつなぐ側面42を有する。側面42は、本実施形態では、平面視八角形状である。基台4は、別の基台4と上下方向に積み重ね可能である。
【0015】
基台4の側面42には、注ぎ口43と注ぎ口43を塞ぐキャップ44とが設けられている。基台4には、水や砂等からなる重りを、注ぎ口43を通じて内部へと入れることができる。
【0016】
2-2.壁材
図2図3及び図4に示すように、壁材2は、縦長の部材である。より詳しくは、壁材2は、起立姿勢の人型の部材である。以下では、人型の壁材2を正面から見た状態を基準として、身体の横方向(言い換えると幅方向)を左右方向とし、身体の厚み方向を前後方向とし、身体の長さ方向を上下方向として、各構成について説明する。
【0017】
壁材2は、合成樹脂製であり、中空構造である。壁材2は、例えば、ブロー成形又は射出成形によって形成される。
【0018】
壁材2は、胴部20と、胴部20の上方に位置し、胴部20よりも横方向(左右方向)に短い頭部21と、を有する。壁材2は更に、頭部21と胴部20の間に位置する首部22と、胴部20の下方に位置する脚部23と、脚部23の下方に位置する取付部24と、を有する。頭部21、首部22、胴部20、脚部23、及び取付部24は、この順に、上から下へと並んで、互いに一体である。
【0019】
頭部21、首部22、胴部20、及び脚部23は、人の頭、首、胴体、及び両脚にそれぞれ対応する部分である。なお、壁材2は、人の両腕に対応する一対の長い部分を有していない。
【0020】
頭部21は、本実施形態では、正面視円形状の中空の円板である。頭部21は、前後方向に沿った厚みを有する。首部22は、本実施形態では、上下方向に延びた筒状である。首部22は、頭部21の下端部と連続している。
【0021】
胴部20は、人の両腕の付け根に対応する部分において、左右方向の寸法が最大となっている。胴部20の左右方向の最大寸法L1は、頭部21の左右方向の最大寸法L2よりも長い。胴部20は、下側の部分ほど前後方向に長い。胴部20は、中空構造であり、胴部20の上端部に首部22が連続している。
【0022】
脚部23は、下側の部分ほど前後方向に長い。脚部23の左右方向の中央部(つまり両脚の間に対応する部分)には、前後方向に貫通した貫通孔230が設けられている。脚部23は、中空構造であり、胴部20の下端部に連続している。
【0023】
本実施形態では、頭部21と首部22の上下長さの合計は、胴部20と脚部23の上下長さの合計の5分の3以下である。
【0024】
取付部24は、中空の円柱状である。取付部24の外周面には、基台4の上面40の取付凹部400に嵌合するリング状の複数の嵌合部240が設けられている。本実施形態では、一番下の嵌合部240が、取付凹部400に嵌まり込むことで、基台4に対して壁材2が安定的に取り付けられる。
【0025】
2-3.カバー材
図2図3及び図4に示すように、カバー材3は、壁材2に取り付けられて、壁材2を覆って保護する部材である。カバー材3は、壁材2に着脱可能に取り付けられる。カバー材3は、ボールが当たるなどしても破れにくい材料で形成されており、例えば合成樹脂製のシートで形成されている。カバー材3は、例えば、1枚のシートを加工して形成される。
【0026】
シートの材料は、例えば、塩化ビニール又はターポリンである。なお、シートの材料は、上記以外であってもよい。シートは、例えば、外周部を折り返して縫うなどして、破れにくくしたものが好ましい。また、シートは、長方形状であることが好ましく、この場合、原反からの切り取り効率を向上させることができる。また、シートは、比重が1g/cm以上であることが好ましく、この場合、カバー材3を装着した壁材2が重くなって強風でも倒れにくくなる。シートは、平坦にできるため、汚れても水洗いが簡単に行える。また、シートの色を変えれば、敵味方を分ける等の仕分けが可能となる。
【0027】
カバー材3は、胴部20を覆う第一カバー部3aと、頭部21を覆う第一位置(図1A参照)とそれ以外の第二位置との間で移動可能な第二カバー部3bと、を有する。第二カバー部3bは、図1Aに示すように、頭部21よりも横方向(つまり左右方向)に長い。第二位置は、本実施形態では、図3に示すように、胴部20を覆う位置である。以下では、第二カバー部3bは、第二位置にある状態について説明する。
【0028】
第一カバー部3aと第二カバー部3bのそれぞれは、本実施形態では、矩形状(より詳しくは長方形状)のシートである。第一カバー部3aと第二カバー部3bは、同大同形である。
【0029】
第一カバー部3aと第二カバー部3bは、上下方向の長さが同じである。第一カバー部3aと第二カバー部3bは、壁材2の胴部20と脚部23と取付部24の上部(基台4よりも上方の部分)を覆うことが可能な上下長さに設けられている。第一カバー部3aと第二カバー部3bとは、横方向(つまり左右方向)における長さが同じである。第一カバー部3aと第二カバー部3bのそれぞれの左右方向の長さは、壁材2の左右方向の長さよりも長く、基台4の左右方向の長さと略同じである。
【0030】
第一カバー部3aと第二カバー部3b(第二位置にあるときの第二カバー部3b)とは、上端同士が連続している。第一カバー部3aと第二カバー部3bの連続部分には、頭部21を通すことが可能な孔36が設けられている。第一カバー部3aは、胴部20を厚み方向の片側(本実施形態では前側)から覆い、第二カバー部3bは、胴部20を厚み方向のもう片側(本実施形態では後側)から覆う。
【0031】
第一カバー部3aと第二カバー部3bには、第二カバー部3bが第二位置にあるときに互いに連結可能な第一連結部34と第二連結部35が設けられている。
【0032】
本実施形態では、第一カバー部3aの表側の面(つまり前面)の上下方向の中央部の左右の端部に、第一連結部34が設けられている。第一連結部34は、左右方向に延びた(つまり横向きの)帯状の面ファスナーである。
【0033】
同様に、第二カバー部3bの表側の面(つまり後面)の上下方向の中央部の左右の端部に、第二連結部35が設けられている。第二連結部35は、左右方向に延びた(つまり横向きの)帯状の面ファスナーである。第一連結部34と第二連結部35とは、上下方向においてほぼ同じ位置に配置されている。連結部34,35は、後述する連結部32,33よりも面積が大きい。
【0034】
第一連結部34と第二連結部35は、本実施形態では、連結部材5を介して連結されている。連結部材5は、帯状の面ファスナーである。連結部材5の長手方向の一端部が第一連結部34に連結され、連結部材5の長手方向の他端部が第二連結部35に連結されることで、第一連結部34と第二連結部35とは連結される。
【0035】
第二カバー部3bは、本実施形態では、頭部21を覆う第一位置(図1A参照)と、胴部20を覆う第二位置(図1B図3図4参照)との間で移動可能である。第二カバー部3bは、第一位置にあるときに頭部21を片側から覆う第一部分30と、頭部21を前記片側とは反対側から覆う第二部分31とを一体に有する。
【0036】
第一部分30は、第二カバー部3bの上下方向の半部であり、第二部分31は、第二カバー部3bの上下方向の残りの半部である。第一部分30は、第二位置にあるときの第二カバー部3bの上半部である。第一部分30の上下方向の長さは、壁材2の首部22と頭部21の上下長さの合計とほぼ同じである。
【0037】
第二部分31は、第二位置にあるときの第二カバー部3bの下半部である。なお、ここで、上半部と下半部とは、正確に上下方向の半分という意味ではない。上半部と下半部とは、上下方向の長さが同じとは限らない。本実施形態では、図1Aに示すように、第二部分31は、第一部分30よりも上下方向に短い。
【0038】
図1A及び図4に示すように、第一部分30と第二部分31には、互いに連結可能な連結部32,33が設けられている。第二カバー部3bが第二位置にある状態において、第一部分30の表側の面(後面)の左右の端部に、連結部32が設けられ、第二部分31の表側の面(後面)の左右の端部に、連結部33が設けられている。連結部32,33は、本実施形態では、互いに連結可能な面ファスナーである。この面ファスナーは、上下方向に延びた帯状に設けられている。
【0039】
図1A図5A及び図5Bに示すように、連結部32,33は、第一位置に第二カバー部3bがあるときに、互いに重なることが可能な位置に配置されている。連結部32,33は、第二連結部35を中心に同距離に配置されている。連結部32、33は、第二カバー部3bが第一位置にあるとき、第二カバー部3bの内側にあり、第二カバー部3bが第二位置にあるとき、第二カバー部3bの外側に位置する。
【0040】
なお、連結部32,33は、連結部34,35と同様に、他の連結部材を介して、連結されてもよい。この場合、連結部32,33は、第二カバー部3bが第一位置にあるとき、第二カバー部3bの外側にあり、第二カバー部3bが第二位置にあるとき、第二カバー部3bの内側に位置してもよい。
【0041】
第二カバー部3bが第一位置にあるとき、第一部分30は、頭部21及び首部22を後側から覆い、第二部分31は、頭部21の上部を前側から覆う。第二カバー部3bが第一位置にあるとき、第一部分30の連結部32と第二部分31の連結部33とは、連結される。これにより、第一部分30と第二部分31とは、左右の端部同士が連結されて、袋状となる。第一位置にあるときの第二カバー部3bは、折り返し形状となっている。このとき、左右の第二連結部35は、頭部21の上に重なる。
【0042】
第一部分30は、頭部21及び首部22とその左右の空間とを、後側から覆う。これにより、第一部分30は、頭部21及び首部22の左右に生じる隙間を塞ぐことができる。
【0043】
カバー材3を構成するシートの厚さは、連結部32,33,34,35を構成する面ファスナーの厚さより薄くすることが好ましい。この場合、カバー材3が折り畳みやすくて、コンパクトに収納しやすい。
【0044】
3.練習器具の利用方法
続いて、上述した本実施形態の練習器具1の利用方法について説明する。
【0045】
本実施形態の練習器具1は、例えば、図1Bに示すように、横並びに複数配置される。隣り合う2つの練習器具1は、一方の練習器具1の基台4の側面42と他方の練習器具1の基台4の側面42とが突き合わさるように、配置される。2つの練習器具1は、頭部21が同じ方向を向くように、設置される。
【0046】
図1Bに示す設置状態では、2つの練習器具1のそれぞれは、カバー材3の第一カバー部3aが、壁材2の胴部20、脚部23、及び取付部24のそれぞれを前側から覆う。そして、第二位置にある第二カバー部3bが、壁材2の胴部20、脚部23、及び取付部24のそれぞれを後側から覆う。
【0047】
2つのカバー材3の第一カバー部3aの隣接する側の第一連結部34同士は、連結部材5を介して連結される。また、2つのカバー材3の第二カバー部3bの隣接する側の第二連結部35同士は、連結部材5を介して連結される。2つのカバー材3の隣接する側とは反対側の端部では、第一連結部34と第二連結部35とが連結部材5を介して連結される。
【0048】
これにより、一方の練習器具1の胴部20、脚部23及び取付部24と、他方の練習器具1の胴部20、脚部23及び取付部24との間の隙間は、2つのカバー材3によって塞がれる。なお、一方の練習器具1の頭部21及び首部22と、他方の練習器具1の頭部21及び首部22との間の隙間は、2つのカバー材3によって覆われておらず、開放されている。
【0049】
また、本実施形態の練習器具1は、図1Aに示すように、横並びに複数配置される。図1Aに示す設置状態では、2つの練習器具1のそれぞれでは、カバー材3の第一カバー部3aが、壁材2の胴部20、脚部23、及び取付部24のそれぞれを前側から覆う。2つのカバー材3の第一カバー部3aは、連結部材5を介して連結される。2つの練習器具1のそれぞれでは、壁材2の胴部20、脚部23、及び取付部24のそれぞれが、第二カバー部3bによって覆われておらず、後側に対して露出している。
【0050】
2つの練習器具1のそれぞれでは、第二カバー部3bが、折り返し状態で第一位置に配置されて、第一部分30が、壁材2の頭部21及び首部22を後側から覆い、第二部分31が、頭部21の上部を前側から覆う。図1A及び図5Bに示すように、第二カバー部3bの第一部分30と第二部分31とは、連結部32,33が互いに連結されて、袋状となり、頭部21及び首部22とその左右の空間を覆う。これにより、2つの練習器具1の頭部21間に生じる隙間が、2つの練習器具1の第二カバー部3bによってほぼ又は完全に塞がれる。また、2つの練習器具1の胴部20、脚部23及び取付部24の間に生じる隙間は、2つの練習器具1の第一カバー部3aによってほぼ又は完全に塞がれる。
【0051】
4.作用効果
以上説明した本実施形態の練習器具1では、図1A及び図1Bに示すように、横並びに複数配置した際に、隣り合う2つの練習器具1の頭部21間の隙間を、カバー材3の第二カバー部3bによって適宜塞ぐことができる。そのため、本実施形態の練習器具1では、練習内容に応じて、隣り合う2つの練習器具1の頭部21間の隙間を、適宜塞ぐことができる。
【0052】
例えば、本実施形態の練習器具1をサッカーの練習器具として用いた場合、図1Aに示すように、隣り合う2つの練習器具1の頭部21間の隙間を、第一位置にある第二カバー部3bによって塞いだ状態では、ゴールキーパーの練習に有効である。詳しくは、複数の練習器具1を挟んでゴールキーパーとは反対側に位置するキッカーのボールの出方がゴールキーパーから見えにくくなり、ゴールキーパーは、瞬発力等の向上の練習を行うことができる。
【0053】
また、図1Bに示すように、隣り合う2つの練習器具1の頭部21間の隙間を、開放した状態では、キッカーがより実践に近い形でフリーキック等の練習を行うことができる。
【0054】
また、本実施形態の練習器具1では、第一位置にある第二カバー部3bは、第一部分30と第二部分31とで頭部21を前後方向の両側から覆うことができるため、ボールが第二カバー部3bに当たっても、第二カバー部3bが頭部21から外れにくい。
【0055】
また、本実施形態の練習器具1では、第一位置にある第二カバー部3bは、第一部分30と第二部分31とが連結部32,33を介して連結されるため、第二カバー部3bが頭部21から更に外れにくい。
【0056】
また、本実施形態の練習器具1では、第二カバー部3bが第一カバー部3aと同幅である。そのため、複数の練習器具1を横並びに配置した際に、隣り合う2つの練習器具1のカバー材3の第一カバー部3a間と、第一位置にある第二カバー部3b間に、隙間が生じることを抑制できる。
【0057】
また、本実施形態の練習器具1では、複数の練習器具1を横並びに配置した際に、隣り合う2つの練習器具1の胴部20間の隙間を、カバー材3の第一カバー部3aによって塞ぐことができる。そのため、本実施形態の練習器具1では、練習内容に応じて、隣り合う2つの練習器具1の胴部20間の隙間も、適宜塞ぐことができる。なお、隣り合う2つの練習器具1の胴部20間に隙間を設ける場合には、各練習器具1の壁材2からカバー材3を取り外せばよい。
【0058】
また、本実施形態の練習器具1では、隣り合う2つの練習器具1は、2つのカバー材3の第一カバー部3aの隣接する第一連結部34同士を連結部材5で連結することができる。そのため、本実施形態の練習器具1では、ボールが各カバー材3に当たっても、2つのカバー材3間に隙間が生じにくい。
【0059】
また、本実施形態の練習器具1では、第二カバー部3bは、頭部21を覆う第一位置と、胴部20を覆う第二位置との間で移動可能なため、第二位置にあるときの第二カバー部3bが練習器具1の使用の邪魔になりにくい。
【0060】
また、本実施形態のカバー材3では、連結部32,33を縦長に設けることで、壁材2に装着したカバー材3にボールが当たった際に、衝撃力を逃がしやすい。
【0061】
また、本実施形態のカバー材3では、第一位置にあるときの第二カバー部3bを袋状にして、頭部21の半分以上を覆うことができるため、強風でも頭部21から外れにくい。
【0062】
また、本実施形態の練習器具1では、袋状にした第二カバー部3bで壁材2の頭部21を覆うため、頭部21を胴部20よりも幅が小さく、かつ標準的な人の頭の大きさよりも小さく形成することも可能である。そのため、壁材2の成形に必要な樹脂量を抑えることができるうえ、壁材2を成形する金型を小さくできて、壁材2の製造コストを抑えることができる。また、頭部21が小さいと、壁材2の重心が低くなるため、壁材2を倒れにくくすることができる。
【0063】
また、本実施形態の練習器具1では、壁材2の頭部21と首部22の上下長さの合計が、壁材2の胴部20と脚部23の上下長さの合計の5分の3以下であるため、第二カバー部3bによって頭部21を半分以上覆うことができる。
【0064】
また、本実施形態の練習器具1では、第一位置にある袋状の第二カバー部3bの上端部の左右の端部に、横向きの面ファスナー(つまり第二連結部35)があるため、袋状の第二カバー部3bの左右の角部分の剛性が上がっている。そのため、本実施形態の練習器具1では、第一位置にある袋状の第二カバー部3bが風を受けても、矩形の袋状を維持して、第一部分30と第二部分31の間に隙間が生じにくい。
【0065】
また、本実施形態の練習器具1では、第一位置にある袋状の第二カバー部3bには、縦向きに面ファスナー(連結部32,33)が設けられていて剛性が向上しているため、袋の形状を保持しやすい。
【0066】
また、本実施形態の練習器具1では、第一位置にある袋状の第二カバー部3bでは、第二連結部35と連結部32,33が、正面視略L字状に配置される。そのため、袋状の第二カバー部3bの上端部の左右の角が折れにくく、第一部分30と第二部分31の間に隙間が生じにくい。
【0067】
また、本実施形態の練習器具1では、第一位置にある袋状の第二カバー部3bは、頭部21の中心よりも上側において、連結部32,33が連結するため、袋状の第二カバー部3bの上端部の左右の角の剛性をあげることができる。
【0068】
5.変形例
続いて、上述した一実施形態の練習器具1の変形例について説明する。以下に説明する各変形例は適宜組み合わせ可能である。
【0069】
カバー材3は、胴部20を覆う第一カバー部3aと、頭部21を覆う第一位置とそれ以外の第二位置との間で移動可能な第二カバー部3bと、を有し、第二カバー部3bが、頭部21よりも横方向に長いものであればよく、上述した構造に限定されない。
【0070】
例えば、第一カバー部3aは、胴部20を前後方向の両側から覆うものであってもよく、第二カバー部3bは、第一カバー部3aの一部に第一位置と第二位置との間で移動可能に取り付けられたものであってもよい。このとき、第二位置は、第一カバー部3aの上から胴部20を覆う位置であってもよいし、これ以外の位置であってもよい。
【0071】
また、第二カバー部3bは、第一カバー部3aとは別体であってもよい。例えば、第二カバー部3bは、頭部21に被さる袋状に設けられたものであってもよい。第二カバー部3bは、第一カバー部3aとは分離していてもよい。この場合、第二位置は、例えば、壁材2から離れた位置であってもよい。
【0072】
また、第二カバー部3bが移動可能な第二位置は、胴部20を覆う位置に限定されない。
【0073】
また、第一連結部34と第二連結部35は、互いに連結可能な構造であればよく、上述した構造に限定されない。例えば、第一連結部34と第二連結部35は、連結部材5を介さずに直接連結される構造であってもよいし、また、面ファスナー以外の連結可能な構造であってもよい。
【0074】
また、第一カバー部3aと第二カバー部3bには、第一連結部34と第二連結部35が設けられなくてもよい。
【0075】
また、第二カバー部3bは、頭部21を覆うことが可能な構造であればよく、例えば、頭部21を片側からのみ覆う構造であってもよい。この場合、第二カバー部3bと頭部21には、互いに連結可能な連結部が設けられてもよい。
【0076】
また、第一カバー部3aと第二カバー部3bとは、横方向(詳しくは左右方向)の長さが互いに異なってもよい。
【0077】
また、第一カバー部3aと胴部20には、互いに連結可能な連結部が設けられてもよい。また、同様に、第二カバー部3bと胴部20には、互いに連結可能な連結部が設けられてもよい。
【0078】
また、カバー材3は、壁材2の胴部20を前側から覆う部分が、第二カバー部3bであり、壁材2の胴部20を後側から覆う部分が、第一カバー部3aであってもよい。この場合、壁材2の頭部21を覆う袋形状の向きは、前後逆となる。
【0079】
また、第一カバー部3aには、第二カバー部3bと同様に、連結部33,34を設けてもよく、第一カバー部3aにも、頭部21を覆う機能を持たせてもよい。
【0080】
また、第二カバー部3bの連結部32,33は、縦向き(縦長)に限らず、横向き(横長)であってもよい。また、カバー部3a,3bの連結部34,35は、横向き(横長)に限らず、縦向き(縦長)であってもよい。
【0081】
また、本実施形態の練習器具1は、サッカーの練習に限らず、ラグビー、バスケットボール等の他の競技の練習に用いてもよい。
【0082】
(まとめ)
以上説明した一実施形態及びその変形例のように、第一態様の練習器具1は、下記の構成を具備する。
【0083】
すなわち、第一態様の練習器具1は、縦長の壁材2と、壁材2を覆うカバー材3と、を備える。壁材2は、胴部20と、胴部20の上方に位置し、胴部20よりも横方向に短い頭部21と、を有する。カバー材3は、胴部20を覆う第一カバー部3aと、頭部21を覆う第一位置とそれ以外の第二位置との間で移動可能な第二カバー部3bと、を有する。第二カバー部3bは、頭部21よりも前記横方向に長い。
【0084】
上記構成を備える第一態様の練習器具1では、頭部21よりも横方向に長い第二カバー部3bによって、頭部21を必要に応じて覆うことができる。そのため、第一態様の練習器具1では、横並びに複数配置した際に、隣り合う2つの練習器具1の頭部21間に生じる隙間を、第二カバー部3bによって適宜塞ぐことができる。
【0085】
また、上述した一実施形態及びその変形例のように、第二態様の練習器具1は、第一態様の練習器具1の構成に加えて、下記の構成を付加的に具備する。
【0086】
すなわち、第二態様の練習器具1では、第二位置は、胴部20を覆う位置である。
【0087】
上記構成を備える第二態様の練習器具1では、第一カバー部3aと第二位置にあるときの第二カバー部3bとで壁材2の胴部20を覆って、壁材2を保護することができる。また、第二態様の練習器具1では、第二位置にある第二カバー部3bは、胴部20を覆う位置に配置されるため、練習器具1の使用の妨げとなりにくい。
【0088】
また、上述した一実施形態及びその変形例のように、第三態様の練習器具1は、第一又は第二態様の構成に加えて、下記の構成を付加的に具備する。
【0089】
すなわち、第三態様の練習器具1では、第二カバー部3bは、第一位置にあるときに頭部21を片側から覆う第一部分30と、第一位置にあるときに頭部21を前記片側とは反対側から覆う第二部分31とを一体に有する。
【0090】
上記構成を備える第三態様の練習器具1では、隣り合う2つの練習器具1の頭部21間に生じる隙間を、第一部分30と第二部分31が重なって二重となった第二カバー部3bによってしっかりと塞ぐことができる。また、第三態様の練習器具1では、第一位置にあるときの第二カバー部3bによって頭部21を両側から覆うことができるため、頭部21から外れにくい。
【0091】
また、上述した一実施形態及びその変形例のように、第四態様の練習器具1は、第三態様の構成に加えて、下記の構成を付加的に具備する。
【0092】
すなわち、第四態様の練習器具1では、第一部分30と第二部分31には、互いに連結可能な連結部32,33が設けられている。
【0093】
上記構成を備える第四態様の練習器具1では、第一部分30と第二部分31を連結部32,33を介して互いに連結することができるため、頭部21から第二カバー部3bが更に外れにくい。
【0094】
また、上述した一実施形態及びその変形例のように、第五態様の練習器具1は、第二から第四のいずれか1つの態様の構成に加えて、下記の構成を付加的に具備する。
【0095】
すなわち、第五態様の練習器具1では、第一カバー部3aと第二位置にあるときの第二カバー部3bとは、上端同士が連続している。第一カバー部3aと第二カバー部3bには、第二カバー部3bが第二位置にあるときに互いに連結可能な第一連結部34と第二連結部35が設けられている。
【0096】
上記構成を備える第五態様の練習器具1では、第一カバー部3aと第二位置にあるときの第二カバー部3bとを連結部34,35を介して互いに連結することができるため、胴部20から第一カバー部3aと第二カバー部3bが外れにくい。
【0097】
また、上述した一実施形態及びその変形例のように、第六態様の練習器具1は、第五態様の構成に加えて、下記の構成を付加的に具備する。
【0098】
すなわち、第六態様の練習器具1では、第一カバー部3aと第二カバー部3bとは、前記横方向における長さが同じである。
【0099】
上記構成を備える第六態様の練習器具1では、壁材2の胴部20と頭部21を第一カバー部3aと第二カバー部3bで同じ幅だけ覆うことができる。そのため、第六態様の練習器具1では、横並びに複数配置した際に、隣り合う2つの練習器具1のカバー材3の第一カバー部3a間と、第二カバー部3b間に、隙間が生じにくい。また、第六態様の練習器具1では、第一カバー部3aと第二カバー部3bとが同幅であるため、第一カバー部3aと第二カバー部3bとを有するカバー材3を製造しやすい。
【0100】
また、上述した一実施形態の変形例のように、第七態様の練習器具1は、第一態様の構成に加えて、下記の構成を付加的に具備する。
【0101】
すなわち、第七態様の練習器具1では、第二カバー部3bは、第一カバー部3aとは別体である。
【0102】
上記構成を備える第七態様の練習器具1では、第一カバー部3aとは別体の第二カバー部3bによって、壁材2の頭部21を適宜覆うことができる。また、第七態様の練習器具1では、例えば、第二カバー部3bを第一カバー部3aよりも強度の強い材料で形成できるため、頭部21の周囲をしっかりと塞ぐことができる。
【0103】
以上、本開示を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本開示は上記の実施形態に限定されるものではなく、本開示の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0104】
1 練習器具
2 壁材
20 胴部
21 頭部
3 カバー材
3a 第一カバー部
3b 第二カバー部
30 第一部分
31 第二部分
32 連結部
33 連結部
34 第一連結部
35 第二連結部
図1
図2
図3
図4
図5