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特開2024-120762床面高さ計測ロボットシステム、および、床面高さ計測方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120762
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】床面高さ計測ロボットシステム、および、床面高さ計測方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 5/00 20060101AFI20240829BHJP
【FI】
G01C5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027793
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】504373093
【氏名又は名称】日立チャネルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】菊地 伸治
(57)【要約】
【課題】短時間で床面の高さを計測する。
【解決手段】床面高さ計測ロボットシステム1は、床面の上を走行する走行手段と、走行手段により自身を床面の上の所定位置へ走行させ、追尾型三次元計測器4の動作を制御する墨出しロボット制御部210と、位置が光学的に計測される計測ターゲット23の位置および高さを計測する追尾型三次元計測器4と、床面図面の座標における計測点情報に基づき、前記走行手段を用いて墨出しロボット2を計測点情報の座標に移動させるよう指示するロボット操作部と、追尾型三次元計測器4によって計測された計測ターゲット23の高さに基づいて、計測点情報の位置の床面の高さを算出する高さ算出部214とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面の上を走行する走行手段と、
前記走行手段によりロボットを前記床面の上の所定位置へ走行させるよう制御するロボット制御手段と、
前記ロボットの計測ターゲットの位置および高さを計測する三次元計測手段と、
床面図面の座標における計測点情報に基づき、前記走行手段を用いて前記ロボットを前記計測点情報の座標に移動させるよう指示するロボット操作手段と、
前記三次元計測手段によって計測された前記計測ターゲットの高さに基づいて、前記計測点情報の位置の床面の高さを算出する高さ算出手段と、
を備えることを特徴とする床面高さ計測ロボットシステム。
【請求項2】
前記高さ算出手段は、基準となる高さを計測した基準高さ情報、および、前記計測ターゲットの高さに基づき、前記計測点情報の位置での前記床面の高さを算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の床面高さ計測ロボットシステム。
【請求項3】
前記ロボットは、前記床面に印字する印字手段を更に備え、
前記ロボット制御手段は、各前記計測点情報の位置において、前記三次元計測手段が前記計測ターゲットを計測し、前記高さ算出手段が前記床面の高さを算出すると、前記印字手段により前記床面の高さ情報を前記床面に印字させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の床面高さ計測ロボットシステム。
【請求項4】
前記高さ算出手段が算出した前記床面の高さが所定範囲内であるか否かを判定する高さ判定手段を更に備え、
前記ロボット制御手段は、前記高さ判定手段により、前記床面の高さが所定範囲を逸脱していると判定したならば、その旨を印字させる、
ことを特徴とする請求項3に記載の床面高さ計測ロボットシステム。
【請求項5】
前記ロボット制御手段は、前記高さ判定手段により、前記床面の高さが所定範囲内であると判定したならば、前記床面の高さの情報を前記床面に印字させない、
ことを特徴とする請求項4に記載の床面高さ計測ロボットシステム。
【請求項6】
前記ロボット制御手段は、各前記計測点情報の位置に応じた墨出し情報を併せて前記床面に印字させる、
ことを特徴とする請求項3に記載の床面高さ計測ロボットシステム。
【請求項7】
前記ロボット制御手段は、前記床面の高さの情報を前記床面に印字させる、
ことを特徴とする請求項3に記載の床面高さ計測ロボットシステム。
【請求項8】
前記高さ算出手段は、前記計測点情報の位置の周囲の複数点における前記床面の高さに基づき、前記計測点情報の位置における前記床面の傾き情報を算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の床面高さ計測ロボットシステム。
【請求項9】
前記床面の高さの算出結果を画面に表示させる画面制御部、
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の床面高さ計測ロボットシステム。
【請求項10】
前記床面図面の座標における計測点情報は、予め決められている、
ことを特徴とする請求項1に記載の床面高さ計測ロボットシステム。
【請求項11】
前記床面図面の座標における計測点情報は、ユーザ操作で指定されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の床面高さ計測ロボットシステム。
【請求項12】
ロボットを床面の上の計測点へ走行させるステップと、
前記ロボットが前記計測点に位置しているときに三次元計測手段によって前記ロボットの計測ターゲットの高さを計測するステップと、
前記計測ターゲットの高さに基づいて、前記計測点の床面の高さを算出するステップと、
を備えることを特徴とする床面高さ計測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床面高さ計測ロボットシステム、および、床面高さ計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物の各フロアのコンクリート面の凹凸を明らかにするため、作業者は、所定間隔で床面の高さを計測する。
建設物は、コンクリート面が打設され、コンクリート面の上方に隙間を空けて床面が設置されて形成される。建設時の条件やコンクリートの水分変化、重量物の積載・搬送などによってコンクリート面にひずみが生じて数ミリオーダで凹凸し、不陸部が発生する。不陸部は床面の施工にあたり問題となるため、コンクリート面に対する不陸部の探査を行う必要がある。
【0003】
コンクリート面の不陸部を探査する方法としては、水平度を計測する装置でコンクリート面の不陸部を計測して、再び打設することにより床面を補修する方法が多く採用されている。特許文献1には、三次元計測手段によって計測された計測ターゲットの位置に基づいて床面の凹凸レベルを計測し、印字手段に凹凸レベルを表す凹凸レベル情報を床面に印字させる発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第7149903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されている発明は、床面を検知するセンサが上下方向に移動するため、計測時間が掛るという問題がある。そして、基準となる高さ(基準高さ:フロアレベルから所定値だけ高い高さ)を計測していないため、コンクリート面の高さが分からないという問題がある。
そこで、本発明は、短時間で床面の高さを計測することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した課題を解決するため、本発明の床面高さ計測ロボットシステムは、床面の上を走行する走行手段と、前記走行手段によりロボットを前記床面の上の所定位置へ走行させるよう制御するロボット制御手段と、前記ロボットの計測ターゲットの位置および高さを計測する三次元計測手段と、床面図面の座標における計測点情報に基づき、前記走行手段を用いて前記ロボットを前記計測点情報の座標に移動させるよう指示するロボット操作手段と、前記三次元計測手段によって計測された前記計測ターゲットの高さに基づいて、前記計測点情報の位置の床面の高さを算出する高さ算出手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の床面高さ計測方法は、ロボットを床面の上の計測点へ走行させるステップと、前記ロボットが前記計測点に位置しているときに三次元計測手段によって前記ロボットの計測ターゲットの高さを計測するステップと、前記計測ターゲットの高さに基づいて、前記計測点の床面の高さを算出するステップと、を備えることを特徴とする。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、短時間で床面の高さを計測することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】床面高さ計測ロボットシステムの機能構成を示す図である。
図2】墨出しロボットの概略を示す斜視図である。
図3】コントローラのブロック図である。
図4A】コントローラの動作を示すフローチャートである。
図4B】コントローラの動作を示すフローチャートである。
図5】コンクリート面の凹凸を示す図である。
図6】FL±0の高さの算出動作を示す図である。
図7】FL±0の高さの算出処理のフローチャートである。
図8】基準点におけるコンクリート面の高さの算出動作を示す図である。
図9】基準点におけるコンクリート面の高さの算出処理のフローチャートである。
図10】コンクリート面から墨出しロボットの計測ターゲットのプリズムまでの高さの算出動作を示す図である。
図11】基準点と墨出しロボットの相対的な高さの算出処理のフローチャートである。
図12】ロボットと各計測点との関係を示したマップである。
図13】実測値の計算方法を説明する図である。
図14】床面高さの計測と印字処理のフローチャートである。
図15】床面高さの計測と印字処理のフローチャートである。
図16】床面高さの計測と傾きの算出処理のフローチャートである。
図17】計測データの二次元コード化処理のフローチャートである。
図18】CSV形式の計測データを示す図である。
図19】二次元コードの表示画面を示す図である。
図20】床面高さメニュー選択画面を示す図である。
図21】基準高さ計測画面を示す図である。
図22】プリズム高さ計測画面を示す図である。
図23】ロボット高さ計測確認画面を示す図である。
図24】ロボット高さ計測中画面を示す図である。
図25】基準計測結果画面を示す図である。
図26】計測点選択画面を示す図である。
図27】計測点確認画面を示す図である。
図28】床面高さ計測中画面を示す図である。
図29】床面高さ計測結果画面を示す図である。
図30】床面高さ計測のモード遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以降、本発明を実施するための形態を、各図を参照して詳細に説明する。
建設現場では、一見平らに見える床面でも数mm単位で凹凸している場合がある。現状の現場運用では、現地作業員が測量機を用いて床面の凹凸(高さ)を計測しており、この計測をロボットが実施することで、現場作業の省人化/省力化を図る。
【0011】
ロボットで床面高さを計測し、凹凸の有無を判定するには、以下運用で作業を実施する必要がある。
【0012】
(1)事務所作業
図面の準備と作成を行う。具体的には、床面高さ計測点を記載した図面データを準備し、図面変換ソフトで変換する。
【0013】
(2)現場作業
(2-1)事前準備
床面高さ計測ロボットシステムは、基準高さの計測とロボットの高さの計測を行う。ここでロボットの高さとは、ロボットが設置された床面から、ロボットに設置された計測ターゲットまでの高さのことをいう。
現場には基準芯や既知点と同じように、現場にて基準となる高さである基準高さが決まっている。床面高さ計測ロボットシステムは、追尾型三次元計測器によって、位置が光学的に計測される計測ターゲットを用いて基準高さを計測する。これにより床面高さ計測ロボットシステムは、測量機座標系における基準高さを知ることができる。
また、ロボットのタイヤの摩耗度といった機体差により、ロボットの高さが機体によって異なる。そのため、床面高さ計測ロボットシステムは、床面に対する機体の計測ターゲットの高さ(ロボットの高さ)を計測/算出する。なお、機体差によるロボットの高さの偏差が無視し得るときには、ロボットの高さを固定値として床面の高さを算出してもよい。
【0014】
(2-2)床面高さ計測
床面高さ計測ロボットシステムは、ロボットを床面にて走行させて、図面上の計測点に対応する作業現場の位置で、ロボットに設置された計測ターゲットの高さを計測し、フロアレベルに対する床面の高さを算出する。算出した結果は二次元コード(例えば、QRコード(登録商標))で表示部に表示し、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の媒体を介さずに、データの抜き取りを可能にする。
【0015】
(3)事務所作業
計測結果を確認するため、二次元コードで読み取ったデータをメール等の手段を用いてパソコンにデータを送信して、表計算ソフトウェアなどで編集する。
以下、これらの作業を実現するための床面高さ計測ロボットシステム1について説明する。
【0016】
図1は、床面高さ計測ロボットシステム1の機能構成を示す図である。図2は、墨出しロボット2の概略を示す斜視図である。
本実施形態に開示される床面高さ計測ロボットシステム1は、追尾型三次元計測器4で計測された位置情報に基づいて作業現場を走行する墨出しロボット2と、墨出しロボット2のオペレータにより操作されるコントローラ3を備える。この墨出しロボット2は、床面の高さを計測するロボットでもある。
【0017】
図2に示すように、墨出しロボット2は、フレーム20、プリンタ22、プリンタ移動部212、墨出しロボット制御部210、走行駆動部211、車輪21F,21Rを備える。走行駆動部211は、車輪21Fを駆動することで、フレーム20を移動させる。つまり、フレーム20と、走行駆動部211と、車輪21F,21Rは、床面の上を走行する走行手段として機能する。
【0018】
プリンタ移動部212は、フレーム20に対してプリンタ22と計測ターゲット23を前後左右上下に移動可能とする。つまりプリンタ移動部212は、プリンタ22および計測ターゲット23を移動可能に支持する移動手段である。
プリンタ22は、印字ヘッドを有し、床面に対して墨出し印字を行う。つまり、プリンタ22は、床面に印字するための印字手段として機能する。墨出しロボット制御部210は、プリンタ22により、床面の凹凸に係る高さの情報、および、床面の高さが所定範囲を逸脱している旨を床面に印字させる。墨出しロボット制御部210は、床面の高さが所定範囲内ならば、床面の高さの情報を印字しなくてもよい。
更に、墨出しロボット制御部210は、プリンタ22とプリンタ移動部212と、走行駆動部211を制御する。
【0019】
計測ターゲット23は、その位置が追尾型三次元計測器4によって光学的に計測されるものであり、例えばプリズムとして構成される。計測ターゲット23は、プリンタ22の垂直上方に設置されている。したがって、計測ターゲット23の位置は、プリンタ22の印字位置を指し示す。
【0020】
図1に戻り説明を続ける。追尾型三次元計測器4は、例えば、自動追尾型の三次元計測手段かつ測量機であり、作業現場の基準芯または/および既知点、ならびに、墨出しロボット2の作業現場における位置および高さを計測して、その位置と高さの計測結果を墨出しロボット制御部210へ通知する。追尾型三次元計測器4は、測量機座標系における計測対象の位置および高さを計測する三次元計測手段である。
【0021】
コントローラ3は、墨出しロボット2の墨出しロボット制御部210と通信して、墨出しロボット制御部210に、床面高さ計測処理を指示するものである。
墨出しロボット制御部210は、通信部24を用いて、追尾型三次元計測器4およびコントローラ3との間で情報を送受信する。墨出しロボット制御部210は、不図示の記憶部に、床面の高さの計測点情報を記憶する。墨出しロボット制御部210は、墨出しロボット2に床面の上を走行させて各計測点の位置に移動させ、床面の各計測点の位置にて追尾型三次元計測器4に、墨出しロボット2に設置された計測ターゲット23の位置および高さを計測させる。高さ算出部214は、追尾型三次元計測器4により、墨出しロボット2が計測点に位置しているときに計測した、墨出しロボット2の計測ターゲット23の高さから、計測点において、フロアレベル(FL±0)から見たときの床面の高さを算出する。
高さ判定部215は、高さ算出部214が算出した床面の高さが合格であるか否かを判定する。墨出しロボット制御部210は、フロアレベル(FL±0)から見たときの床面の高さ情報を床面に印字させる。
【0022】
コントローラ3は、計測点情報作成部52が作成した計測点情報を現場管理サーバ53から取り込むと、編集可能情報を作業者が編集するための編集画面を表示する。コントローラ3は、編集画面における操作結果に基づきカスタマイズされた計測点情報を生成して、墨出しロボット制御部210へ送信する。
【0023】
本開示に係る床面高さ計測ロボットシステム1によれば、墨出しロボット2が床面の凹凸に係る高さ情報を計測して、その高さ情報を床面に印字させるため、床面の不陸計測を自動化できる。
【0024】
《コントローラ3》
コントローラ3について説明する。コントローラ3は、例えば、タブレット型パーソナルコンピュータ、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、デスクトップ型パーソナルコンピュータ、携帯電話(スマートフォンを含む。)、携帯情報端末、時計型ウェアラブル端末、眼鏡型ウェアラブル端末のように構成される。
【0025】
コントローラ3は、墨出しロボット2と双方向通信すると共に、追尾型三次元計測器4とも双方向通信する。コントローラ3は、計測点情報作成部52から計測点情報を取得し、取得した計測点情報をカスタマイズした計測点情報を墨出しロボット2へ送信する。計測点情報作成部52は、三次元CADデータを記憶するCADデータ記憶部51から取得した三次元CADデータに基づいて墨出し情報を作成する。墨出しロボット2は、カスタマイズされた計測点情報により計測点に移動すると共に、追尾型三次元計測器4で計測した床面の凹凸に係る高さの情報を、床面に印字する。
【0026】
コントローラ3は、例えば、プロセッサ31、RAM32、大容量記憶部33、タッチパネルディスプレイ34、通信部35を備えており、これら各回路部はバスで相互に通信可能に接続されている。
演算装置としてのプロセッサ31は、CPU(Central Processing Unit)に限らず、例えば、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などでもよい。また、コントローラ3は、複数の演算装置を備えてもよい。
【0027】
RAM32は、プロセッサ31により読み書きされるコンピュータプログラムおよびデータを記憶する。RAM32は、例えば、DRAM(Dynamic RAM)またはSRAM(Static RAM)などで構成される。
大容量記憶部33は、比較的大容量の記憶装置で構成されており、例えば、フラッシュメモリ、ハードディスク、磁気テープ、光ディスク、光磁気ディスクなどが使用される。
【0028】
タッチパネルディスプレイ34は、ディスプレイの上に透明なタッチパネルが積層されて構成されている。タッチパネルディスプレイ34は、各種情報を表示すると共に、作業者の操作情報を受け付ける。
【0029】
通信部35は、例えば無線LAN(Local Area Network)などを用いて、墨出しロボット2、追尾型三次元計測器4、計測点情報作成部52、現場管理サーバ53との間で通信する装置である。無線に限らず、赤外線または音波を用いて情報を伝送してもよい。無線通信と有線通信のいずれかまたは両方を用いてもよい。
【0030】
《墨出しロボット2》
以下、墨出しロボット2について説明する。墨出しロボット2は、作業現場に配備されて、所定の墨出し位置に移動して墨出し印字を自動で行うロボットである。作業現場としては、例えば、ビル等の建設現場、道路等の土木現場等がある。
【0031】
墨出しロボット2は、作業者がコントローラ3に入力した操作指令にしたがって、追尾型三次元計測器4で計測された位置情報を利用して自律的に走行する。追尾型三次元計測器4で計測された墨出しロボット2の位置情報は、墨出しロボット2に送信される。墨出しロボット2は、予定された計測点に移動すると、追尾型三次元計測器4にて、墨出しロボット2に設置された計測ターゲット23の高さを計測し、計測点における床面の凹凸に係る高さの情報を算出し、床面の凹凸に係る高さの情報をプリンタ22により床面に印字する。
【0032】
墨出しロボット2は、フレーム20、車輪21F,21R、プリンタ22、計測ターゲット23、通信部24、操作ボタン25を備える。墨出しロボット2は更に、前方センサ26、バンパセンサ27F,27R、下方センサ28、墨出しロボット制御部210、走行駆動部211、プリンタ移動部212、計測ターゲット駆動部213、バッテリ(不図示)を備える。
【0033】
墨出しロボット制御部210は、計測点の位置情報を記憶し、墨出しロボット2を統括制御する装置である。墨出しロボット制御部210は、高さ算出部214と高さ判定部215を含んで構成される。
プリンタ22は、墨出しロボット制御部210の制御により、床面に印字する装置である。走行駆動部211は、墨出しロボット2を走行させて移動させる装置である。プリンタ移動部212は、フレーム20に設置されたプリンタ22を二次元方向あるいは三次元方向に移動させる装置である。
【0034】
計測ターゲット23は、墨出しロボット2に設置するほか、墨出しロボット2から取り外して使用することもできる。作業者は、基準高さを予め計測しておくため、計測ターゲット23を墨出しロボット2から取り外して所望位置と高さに置き、追尾型三次元計測器4によって、計測ターゲット23が置かれた所望位置とその高さを計測することもできる。なお、壁や床などを実測する場合にも、計測ターゲット23を墨出しロボット2から取り外して使用する。壁や床などの実測が終わったら、計測ターゲット23は、再び墨出しロボット2に設置される。
【0035】
墨出しロボット制御部210には、通常の計算機の機能を有する情報機器を使用することができる。すなわち、墨出しロボット制御部210は、記憶部と演算処理部を備える(いずれも不図示)。演算処理部は、通信部24を介してコントローラ3と通信可能に接続される。
【0036】
記憶部は、墨出しロボット2の全体の制御を行う制御プログラム、計測点情報、および動作に必要な情報を記憶する。演算処理部は、制御プログラムに従って、墨出しロボット2を計測点の位置まで移動させ、プリンタ22と計測ターゲット23の位置を計測点の位置に合わせた後で、墨出しロボット2に設置された計測ターゲット23の高さを計測し、計測点での床面の高さを算出する。演算処理部は更に、プリンタ22に床面の凹凸に係る高さ情報を床面に印字させる。
【0037】
プリンタ22の全体は、プリンタ移動部212により作業現場の平面上(床面上)を前後左右に移動する。すなわち、プリンタ22およびプリンタ移動部212は、全体としてXYプロッタのように動作する。XYプロッタ型のプリンタ22およびプリンタ移動部212に代えて、走行駆動部211に3軸アームロボットを搭載し、3軸アームロボットのアーム先端にプリントヘッドを取り付けてもよい。
【0038】
フレーム20には、下方に車輪21F,21Rが設けられている。走行駆動部211が車輪21F,21Rを駆動することで、墨出しロボット2が移動する。走行駆動部211は、前後の車輪21F,21Rのうちいずれか一方を駆動させる前輪駆動方式または後輪駆動方式であってもよく、車輪21F,21Rの全てを駆動させる四輪駆動方式であってもよい。走行駆動部211は、車輪21F,21Rに代えて、クローラを駆動するものであってもよい。
【0039】
操作ボタン25は、フレーム20に設けられており、作業者により必要に応じて手動操作される。操作ボタン25は、例えば、電源スイッチ、停止スイッチ(いずれも不図示)である。
【0040】
墨出しロボット2は、作業現場にて安全を確保するための前方センサ26と、バンパセンサ27F,27Rと、下方センサ28を備える。前方センサ26は、例えば、LiDAR(Light Detection And Ranging)などから構成されており、墨出しロボット2の進行方向にある物体を検知する。バンパセンサ27F,27Rは、フレーム20の前後に設けられたバンパ201に設けられ。バンパ201が物体に接触したことを検知する。図2では前側のバンパ201のみ図示している。下方センサ28は、作業現場の床面の凹凸および開口部などを検知する。墨出しロボット2は、図示したセンサ以外のセンサ、例えば、三次元カメラ、超音波センサ、放射温度計などを搭載してもよい。
【0041】
上述のように、プリンタ移動部212は、フレーム20上に配置されて、下方にプリンタ22が取り付けられている。プリンタ移動部212は、墨出しロボット制御部210による位置決め制御により、プリンタ22と計測ターゲット23を計測点の位置に移動させて位置決めする。本実施形態におけるプリンタ移動部212は、プリンタ22をXYの二次元方向(平面方向)に移動させると共に、Z方向(垂直方向)にも移動させることができる。このように移動可能な理由は、プリンタ22と計測ターゲット23を計測点に位置決めするためである。更に計測ターゲット駆動部213は、計測ターゲット23の位置を床面に対して常に所定の高さに保持させる。
【0042】
墨出しロボット制御部210は、計測点の情報と追尾型三次元計測器4で計測された墨出しロボット2の位置情報とに基づいて、墨出しロボット2を各計測点まで移動させて位置決めする。墨出しロボット2が計測点の位置に到達すると、墨出しロボット制御部210は、プリンタ移動部212により、プリンタ22を計測点に高精度に位置決めさせる。そして、追尾型三次元計測器4によって、墨出しロボット2に設置された計測ターゲット23の高さを計測し、高さ算出部214によってフロアレベルに対する床面の高さを算出する。その後、プリンタ22は、床面の凹凸に係る高さ情報を床面に印字する。高さ算出部214は、床面の高さを算出する高さ算出手段として機能する。
【0043】
上述の追尾型三次元計測器4は、墨出しロボット2に設置された計測ターゲット23をレーザ光で追尾する。追尾型三次元計測器4は、計測ターゲット23のプリズムからの反射光を利用して、三次元空間における、墨出しロボット2に設置された計測ターゲット23の位置と高さ、すなわち墨出しロボット2の位置と高さを計測する。
【0044】
追尾型三次元計測器4は、墨出しロボット2に設置された計測ターゲット23の位置と高さを計測することで、墨出しロボット2の位置と高さを精度よく計測する。追尾型三次元計測器4は、レーザ光を利用したもの限らず、墨出しロボット2の位置を計測できるものであればどのようなものでも使用できる。追尾型三次元計測器4により計測された墨出しロボット2の位置は、墨出しロボット2の計測点への移動制御(位置決め)に使用するために、墨出しロボット制御部210へ送信される。コントローラ3からの指令情報により、必要に応じてコントローラ3にも送信される。
【0045】
上述の通り、コントローラ3は、墨出しロボット2および追尾型三次元計測器4との間で情報を送受信して、墨出しロボット2および追尾型三次元計測器4の動作を制御するコンピュータ端末である。本実施例におけるコントローラ3は、墨出しロボット制御部210から受信した計測点の情報に基づき、コントローラ3側において作業者の操作により計測点の情報を編集する(カスタマイズする)機能を備えている。そのため、コントローラ3は、墨出しロボット制御部210との間で情報の送受信を行い、計測点の情報を墨出しロボット制御部210と共有可能である。コントローラ3は、計測点の情報と、カスタマイズのための「編集可能情報」とを取り込み、作業者が操作するための編集画面を表示する機能と、編集画面を利用して作業者が選択操作するための操作機能を備えている。
【0046】
《ロボット制御装置の構成》
以下、図3を参照して、本実施形態に係るコントローラ3の構成について説明する。図3は、コントローラ3のブロック図である。
【0047】
図3に示すように、コントローラ3は、動作を制御するプロセッサ31と、各種のプログラムとデータを記憶する大容量記憶部33と、外部装置と通信を行う通信部35と、入力手段と表示手段とを兼用するタッチパネルディスプレイ34とを有している。
プロセッサ31は、操作受付部31aと、読込部31bと、器械点設定部31cと、計測点設定部31dと、測量器操作部31eと、ロボット操作部31fと、走行範囲設定部31gと、順路設定部31hと、通信制御部31iと、画面制御部31jとを具現化する。
【0048】
操作受付部31aは、操作者による操作を受け付ける。
読込部31bは、外部装置から計測点データ332を読み込む。本実施形態では、計測点情報作成部52から計測点の情報を読み込む。
器械点設定部31cは、設計上の器械点の座標位置と実際の作業現場の器械点の座標位置とを一致させる処理を行う。
【0049】
計測点設定部31dは、任意の計測点に対して床面の凹凸に係る高さの計測を実行するように墨出しロボット2に設定する。この計測点の情報は、予め決められていてもよく、ユーザ操作にて指定されてもよい。
測量器操作部31eは、測量器である追尾型三次元計測器4を操作する。
ロボット操作部31fは、墨出しロボット2を操作するロボット操作手段である。ロボット操作部31fは、CAD図面(床面図面)の座標における計測点情報に基づき、走行駆動部211を用いて墨出しロボット2を計測点情報の座標に移動させるよう指示する操作手段である。計測点情報は、予め定められていてもよく、ユーザ操作で指定されてもよく、限定されない。
【0050】
走行範囲設定部31gは、墨出しロボット2の走行範囲を設定する。
順路設定部31hは、計測が設定された計測点に対して、例えばダイクストラ法などにより墨出しロボット2の走行順路を設定する。
通信制御部31iは、通信部35の動作を制御する。
【0051】
画面制御部31jは、表示画面を作成してタッチパネルディスプレイ34に表示させる。
【0052】
プロセッサ31を構成するはCPU(Central Processing Unit)、大容量記憶部33に予め格納されたロボット制御プログラム331を実行することにより、これらを実現する。
大容量記憶部33には、ロボット制御プログラム331が予め格納されている。また、大容量記憶部33には、例えば、計測点データ332や、墨出しロボット2の走行経路を指定する走行経路データ333が記憶される。
【0053】
《コントローラ3の動作》
以下、図4を参照して、コントローラ3の動作について説明する。図4は、コントローラ3の動作を示すフローチャートである。図4は、作業現場図面を含むCAD図面データから計測点データ332を作成する場合の動作を示している。
【0054】
計測点データ332の作成者は、例えば作業現場の施工主等から作業現場図面を含むCAD図面データを入手した場合に、CAD図面データを計測点情報作成部52に読み込ませ、CAD図面データに基づく計測点データ332を作成させる。コントローラ3の操作者は、計測点データ332をコントローラ3に読み込み、計測点データ332を用いて走行経路データ333を作成して、フロアレベルに対する床面の凹凸に係る高さの計測作業を実行する。図4Aは、その場合の計測点データ332の作成処理を示している。図4Bは、墨出しロボット2による計測作業の一例を示している。
【0055】
図4Aに示すように、計測点データ332の作成者は、計測点情報作成部52を操作して計測点データ332の作成を開始する。
このとき、まず、計測点情報作成部52は、操作者の操作に基づいて、CAD図面データの読み込みを行う(ステップS405)。
【0056】
次に、計測点情報作成部52は、操作者の操作に基づいて、基準芯と計測点の指定、自動取り込みを行う(ステップS410)。基準芯とは、建物を建築する際に基準となる線のことをいう。計測点とは、床面の高さを計測する点のことをいう。ここで操作者は、コントローラ3に表示されているCAD図面(床面図面)にて、基準芯と計測点を指定する。
【0057】
次に、計測点情報作成部52は、操作者の操作に基づいて、CAD図面(床面図面)上の各部名称や座標値の確認・編集処理を受け付ける(ステップS415)。CAD図面上の各部名称とは、基準芯や計測点などの名称のことをいう。ここで操作者は、コントローラ3に表示されているCAD図面にて、基準芯および計測点の名称を確認・編集し、基準芯および計測点の座標値を確認・編集する。
【0058】
次に、計測点情報作成部52は、操作者の操作に基づいて、所定のデータ形式の計測点データ332を現場管理サーバ53に出力して現場管理サーバ53に保存させ(ステップS420)、図4Aの処理を終了する。
【0059】
図4Bは、コントローラ3の動作を示すフローチャートである。
計測点データ332が現場管理サーバ53に保存された後、コントローラ3の操作者は、任意のタイミングで、コントローラ3を操作して墨出しロボット2による計測作業を開始する。
【0060】
このとき、まず、コントローラ3のプロセッサ31は、操作者の操作に基づいて、現場管理サーバ53からの計測点データ332の読み込みを行う(ステップS505)。計測点データ332は、大容量記憶部33に格納される。
次に、プロセッサ31は、操作者の操作に基づいて、既知点、基準芯の計測・座標変換処理を行う(ステップS510)。ここでプロセッサ31は、CAD図面座標系の既知点または/および基準芯の座標を、測量機の座標系に変換する。
【0061】
次に、プロセッサ31は、操作者の操作に基づいて、墨出しロボット2の走行範囲の指定を行う(ステップS515)。
次に、プロセッサ31は、操作者の操作に基づいて、自動的に墨出しロボット2の走行経路および順路を表すデータの作成を行う(ステップS520)。
【0062】
次に、プロセッサ31は、墨出しロボット2による計測処理が完了したら、計測したデータの登録処理を行い(ステップS525)、図4Bの処理を終了する。
このようなコントローラ3は、墨出しロボット2の走行経路および順路を表すデータの作成を自動的に行うことができるため、操作者の負担を軽減することができる。
【0063】
図5は、コンクリート面70の凹凸を示す図である。
コンクリート面70の高さを測る際、まず、建物が完成した時の床の高さとする設計上の高さがある。この設定上の床の高さは、フロアレベルであり、FL±0と表現する。この図5では、柱71にFL±0がマークされている。
【0064】
但し、FL±0は、建物が完成すると位置が判別できなくなる場合が多く、建物が完成した時の床の高さ(フロアレベル)に1000mmを加算したときのFL+1000が基準高さとして一般的に使用される。900mmを加算したときのFL+900が基準高さとして使用される場合もある。床面高さ計測ロボットシステム1は、測量機座標系における基準高さを計測したのち、フロアレベル(FL±0)を基準とした床面の各計測点の高さを計測して、その計測点の高さを記録する。図5の各計測点は、左から-99mm、-104mm、-98mm、-101mmの高さである。
【0065】
《基準高さ(FL+1000)計測》
作業現場には、基準芯や既知点と同じように、基準高さ(フロアレベルに対する高さが所定値:FL+1000)が決まっている。この基準高さから所定値(1000mm)を減算することで、FL±0の高さを計算する。
【0066】
図6は、FL±0の高さの算出動作を示す図である。
コンクリート面70の所定位置には、追尾型三次元計測器4が設置されている。そして、柱71には、FL+1000の基準高さに計測ターゲット23aが設置されている。コントローラ3は、追尾型三次元計測器4に、追尾型三次元計測器4と計測ターゲット23aとの相対的な高さHの計測を指示する。このとき追尾型三次元計測器4から、計測ターゲット23aの測量機座標系におけるXYZ座標がコントローラ3に送信される。測量機座標系は、追尾型三次元計測器4の位置を原点とした三次元座標系であり、Z軸は、鉛直上向きに設定されている。X軸は、紙面の手前側に設定されている。Y軸は、紙面の右側に設定されている。なお、以降で述べる「高さ」とは、特に基準を明記した場合を除き、測量機座標系におけるZ軸の値を指す。
コントローラ3のプロセッサ31が、計測された高さHから所定値H=1000mmを減算することで、測量機座標系におけるフロアレベル(FL±0)の高さを計算する。測量機座標系におけるフロアレベルの高さは、(H-H)で示される。高さHが950mmの場合に、フロアレベルは-50mmである。
【0067】
図7は、FL±0の高さの算出処理のフローチャートである。
最初、作業者は、柱71のFL+1000の高さに計測ターゲット23aを設置する(ステップS40)。FL+1000の高さとは、作業現場の基準となる高さであるため、基準高さとも呼ばれている。
コントローラ3のプロセッサ31は、追尾型三次元計測器4により、FL+1000の基準高さに設置された計測ターゲット23aを計測する(ステップS41)。
そしてプロセッサ31は、計測した計測ターゲット23aの高さHから所定値H=1000mmを減算して、FL±0の高さを計算し(ステップS42)、図6の処理を終了する。このとき、FL+1000の高さが複数計測されていた場合、プロセッサ31は、その平均値を計算する。なお、平均値に限定されず、プロセッサ31は、中央値または最頻値を計算してもよい。追尾型三次元計測器4の位置を変更した際は、FL+1000に設置された計測ターゲット23aの高さを再計測した後、FL±0の高さを再計算する必要がある。
【0068】
《墨出しロボット2の高さ計測》
墨出しロボット2の組立精度や経年劣化等の機体差により、墨出しロボット2の高さが変わる可能性がある。墨出しロボット2の高さとは、墨出しロボット2が設置された床面から墨出しロボット2に設置された計測ターゲット23のプリズムの中心までの幅のことをいう。
墨出しロボット2の高さを正確に計算するため、基準点72にて、コンクリート面70から墨出しロボット2に設置された計測ターゲット23のプリズムまでの高さHを計算する。
追尾型三次元計測器4で計測すると、測量機座標系における計測ターゲット23aのプリズムの中心の座標が計測できる。床面に設置された計測ターゲット23aのプリズムの中心の座標HP2から基準点72におけるコンクリート面の高さHを算出するには、計測ターゲット23aのプリズムが載置されている台座高さHを、計測ターゲット23aのプリズムの中心座標HP2から減算する必要がある。台座高さHは、計測ターゲット23aが設置された床面から、計測ターゲット23aのプリズムの中心までの幅のことをいう。そのため、コンクリート面70の基準点72に置かれた計測ターゲット23aのプリズムの中心の高さHP2を計測/計算したのち、コンクリート面70から墨出しロボット2に設置された計測ターゲット23のプリズムまでの高さHを計算する。
【0069】
図8は、基準点72におけるコンクリート面70の高さHの算出動作を示す図である。
このとき、計測ターゲット23aは、コンクリート面70の基準点72に置かれている。計測ターゲット23aは、台座の上にプリズムが載置されて構成されている。台座高さHは、コンクリート面70から計測ターゲット23aのプリズムの中心までの高さであり、固定値である。高さHP2は、追尾型三次元計測器4による測量機座標系の計測ターゲット23aのプリズムの中心の高さであり、追尾型三次元計測器4による計測値である。基準点72におけるコンクリート面の高さHは、測量機座標系の高さであり、計測値である高さHP2から、固定値である台座高さHを減算したものである。
台座高さHが20mm、高さHP2が-79mmのとき、基準点72におけるコンクリート面の高さHは-99mmとして算出できる。
【0070】
図9は、基準点72におけるにおけるコンクリート面の高さHの算出処理のフローチャートである。
最初、作業者は、コンクリート面70の基準点72に計測ターゲット23aを設置する(ステップS60)。ここで基準点72とは、コンクリート面70の高さ計測の基準となる所定位置の点のことをいう。
【0071】
次に、プロセッサ31は、追尾型三次元計測器4により、基準点72に設置された計測ターゲット23aの高さHP2を計測する(ステップS61)。計測ターゲット23aの高さHP2は、測量機座標系の高さである。
【0072】
そしてプロセッサ31は、計測した計測ターゲット23aのプリズムの中心位置の高さHP2から台座高さHを減算して、基準点におけるにおけるコンクリート面高さHを計算し(ステップS62)、図9の処理を終了する。台座高さHは、製品仕様などで決まっている既定値である。このとき、現場の建物の揺れなども考慮して、基準点72に設置された計測ターゲット23aの高さHP2が複数計測されていた場合、プロセッサ31は、それらの平均値を算出する。なお、それらの平均値に限定されず、プロセッサ31は、計測ターゲット23aの高さHP2を複数計測し、その中央値または最頻値を計算してもよい。
【0073】
図10は、コンクリート面70から墨出しロボット2の計測ターゲット23のプリズムまでの高さHの算出動作を示す図である。
墨出しロボット2を基準点72に移動させると、追尾型三次元計測器4により、墨出しロボット2の計測ターゲット23のプリズムの高さHR2が計測できる。基準点72におけるコンクリート面の高さHは、図9のフローチャートにて算出済である。そして、高さHR2から高さHを減算すると、コンクリート面70から墨出しロボット2の計測ターゲット23のプリズムまでの高さHが算出可能である。
測量機座標系における、墨出しロボット2の計測ターゲット23のプリズムの高さHR2が-29mm、測量機座標系における基準点72におけるコンクリート面の高さHが-149mmのとき、墨出しロボット2の計測ターゲット23のプリズムの高さHは+120mmとして算出される。なお、作業現場に粉塵や石、水たまりなどがあり、計測に適さない環境の場合は、墨出しロボット2の高さの設計上の理論値を用いてもよく、前回の計測値を用いてもよい。
【0074】
図11は、基準点72と墨出しロボット2の相対的な高さの算出処理のフローチャートである。
最初、プロセッサ31は、基準点72上に墨出しロボット2を移動させる(ステップS70)。そして、プロセッサ31は、墨出しロボット2の計測ターゲット23のプリズムの高さHR2を計測する(ステップS71)。高さHR2は、墨出しロボット2の高さである。
プロセッサ31は、基準点72における床面(コンクリート面)の高さHと、墨出しロボット2の計測ターゲット23のプリズムの高さHR2との差分により、コンクリート面70から墨出しロボット2の計測ターゲット23のプリズムまでの高さHを計算すると(ステップS72)、図11の処理を終了する。墨出しロボット2の高さを都度計測することで、正確な高さが取得可能である。
【0075】
プロセッサ31は、基準高さの計測データとロボット高さの計測データを、図面データに記録する。図面データの更新タイミングおよび対象データを以下に示す。
【0076】
(1)基準高さ計測
床面高さ計測ロボットシステム1は、基準高さの計測に成功したら、基準高さ指定値と、基準高さ計測値と、基準高さ補正値を更新する。基準高さ指定値は、フロアレベルからみた基準高さ、例えば1000mmである。基準高さ計測値は、測量機座標系における基準高さの計測値である。床面高さ計測ロボットシステム1は更に、基準高さ計測値と台座計測値とロボット計測値が計測済みならば、床面高さの実測値を更新する。なお、同じ図面データでも柱などの障害物により、追尾型三次元計測器4の位置を移動する場合がある。この場合は、測量機座標系の高さが変更となる可能性が高く、更新済の床面高さ実測値を更新せず、保持してもよい。
【0077】
(2)床面高さ計測
床面高さ計測ロボットシステム1は、基準点72において床上に設置されたプリズム高さの計測に成功したら、図面データの床面高さを更新する。なお、計測に成功したらプログラム内部で床面高さを保持しておき、ロボット高さ計測が成功した後に図面データを更新してもよい。
【0078】
(3)ロボット高さ計測
床面高さ計測ロボットシステム1は、床面に対するロボット高さの計測に成功したら、図面データまたはプログラム内部で保持していた台座高さ計測値を用いて、ロボット高さ計測値を更新する。
【0079】
図12は、墨出しロボット2と各計測点との関係を示したマップである。
この図12には、コンクリート面70を上方視した二次元のマップが示されている。コンクリート面70には、各計測点73が配置され、その近傍に墨出しロボット2が位置している。この墨出しロボット2が各計測点73を巡回しながら、各計測点73におけるフロアレベル(FL±0)に対するコンクリート面70の高さを計測する。これらの計測点は、CAD図面データ上にて作成され、CAD図面座標系から測量機座標系に変換される。
【0080】
図13は、実測値の計算方法を説明する図である。
高さHは、測量機座標系におけるフロアレベル(FL±0)の高さである。高さHR2は、測量機座標系における墨出しロボット2の計測ターゲット23の高さである。ロボット高さHは、基準点72において計測/算出したコンクリート面70に対する墨出しロボット2の計測ターゲット23の高さである。高さHは、フロアレベル(FL±0)に対するコンクリート面70の高さであり、コンクリート面70の高さの実測値である。実測値である高さHは、以下の式(1)で算出可能である。

=(HR2-H)-H … (1)
【0081】
ここで高さHが-50mm、高さHR2が-29mm、高さHが+120mmのとき、実測値である高さHは-99mmである。なお、建設現場では、柱などの障害物を避けるため、追尾型三次元計測器4の位置を変更して計測する場合がある。この場合、追尾型三次元計測器4の位置を変更すると、測量機座標系の原点の高さが変更される。そのため、追尾型三次元計測器4の位置を変更する前の高さの各値と、変更した後の高さの各値を混同して計算すると、正しい計測結果が得られない。追尾型三次元計測器4の位置の変更後の各値で、追尾型三次元計測器4の位置の変更前の各値を更新してはならない。但し、高さHは、墨出しロボット2の計測ターゲット23の高さであり、短い間で値が大きく変化することは考えにくい。そのため、追尾型三次元計測器4の位置の変更前と変更後で、墨出しロボット2の計測ターゲット23の高さHに同じ値を用いても計測結果に及ぼす影響は小さい。
【0082】
《ロボット動作》
計測点付近に石などがあった場合、計測結果に誤差が出てしまう。そのため、床面高さの計測点では、以下のようなパターンで複数の計測点にて床面の高さを計測し、複数の計測値の中間値、平均値、または最小値を、その計測点の床面の高さとする。これにより計測誤差を減らすことができる。
【0083】
(1)目標座標と手前の2点で高さの計測を行う。各計測点の距離は、例えば墨出しロボット2の車輪の4分の1周であり、小さな石を乗り越えられる程度の距離である。各計測点の距離は、墨出しロボット2の車輪の半径と、現場にて想定される障害物(石など)の大きさに基づいて決定するとよい。
【0084】
(2)墨出しロボット2は、図面上の任意の現在位置から各計測点73の近傍、例えば墨出しロボット2の車輪の4分の1周までで移動する。この移動後の位置を、計測開始位置の第1計測点、最初の計測点と目標座標との中間を第2計測点、目標座標を第3計測点とする。
【0085】
(3)墨出しロボット2の現在位置から目標座標までの距離が最低移動距離設定未満の場合、現在位置のみの1点の高さの計測とする。
【0086】
(4)墨出しロボット2の現在位置から目標座標までの距離が最低移動距離設定以上だが、中継点を設けると最低移動距離を満たせなくなる場合、墨出しロボット2の現在位置を第1計測点、目標座標を第2計測点とし、高さを2点計測とする。
高さを3点計測した場合、高さ計測値は、全ての計測値の平均値でもよいし、中央値でもよい。高さを2点計測した場合、高さ計測値は、全ての計測値の平均値でもよいし、1点目の高さ計測値または2点目の高さ計測値のどちらかでもよい。
【0087】
図14は、床面高さの計測と印字処理のフローチャートである。
なお、床面高さの計測と印字処理を開始する前に、基準高さ(FL+1000)の測定は完了しているものとする。
ステップS10にて、ロボット操作部31fは、移動対象の計測点についてS15までの処理を繰り返す。
【0088】
ロボット操作部31fは、墨出しロボット制御部210に指示して、墨出しロボット2を計測点まで移動させる(ステップS11)。墨出しロボット制御部210は、追尾型三次元計測器4を用いて、墨出しロボット2の計測ターゲット23の高さを計測する(ステップS12)。そして、高さ算出部214は、フロアレベル(FL±0)に対するコンクリート面70の計測点での高さを算出する(ステップS13)。
【0089】
高さ判定部215は、計測したコンクリート面70の計測点の高さが合格であるか否かを判定する(ステップS14)。ここで高さが合格とは、高さが所定範囲内に収まっていることをいう。高さ判定部215は、計測したコンクリート面70の計測点の高さが合格ならば、ステップS16に進み、不合格ならばステップS15にて、墨出しロボット2に不合格の旨を印字させると、ステップS16に進む。
【0090】
ステップS16にて、ロボット操作部31fは、移動対象の全ての計測点について処理を繰り返したか否かを判定する。ロボット操作部31fは、未だ処理していない計測点があれば、次の計測点を対象としてステップS10に戻る。ロボット操作部31fは、計測点を全て処理したならば、図14の処理を終了する。
なお、図14のロボットが主体として実行する各処理は、プロセッサ31が主体として実行してもよく、限定されない。また、ロボット操作部31fが実行する計測点のループ処理は、墨出しロボット制御部210が自律的に実行してもよく、限定されない。
【0091】
図15は、床面高さの計測と印字処理のフローチャートである。
床面高さ計測ロボットシステム1は、この処理にて、計測点に代えて墨点のデータに基づいて墨出しロボット2により、墨点への墨出し情報を印字すると共に、床面高さの計測を行う。
ステップS20にて、ロボット操作部31fは、移動対象の墨点についてS28までの処理を繰り返す。
【0092】
ロボット操作部31fは、墨出しロボット制御部210に指示して、墨出しロボット2を墨点まで移動させる(ステップS21)。墨出しロボット制御部210は、追尾型三次元計測器4を用いて、墨出し情報を床面に印字し(ステップS22)、墨出しロボット2の計測ターゲット23の高さを計測する(ステップS23)。そして、高さ算出部214は、フロアレベル(FL±0)に対するコンクリート面70の計測点での高さを算出する(ステップS24)。
【0093】
高さ判定部215は、計測したコンクリート面70の計測点の高さが合格であるか否かを判定する(ステップS25)。ここで高さが合格とは、高さが所定範囲内(例えば-98mmから-102mmの範囲内)に収まっていることをいう。高さ判定部215は、計測したコンクリート面70の計測点の高さが合格ならば(Yes)、合格の旨を床面に印字して(ステップS26)、ステップS28に進む。高さ判定部215は、計測したコンクリート面70の計測点の高さが不合格ならば(No)、ステップS26にて不合格の旨を床面に印字すると、ステップS28に進む。なお、墨出し情報の印字と重ねて合格の旨または不合格の旨を印字すると文字が重なってしまうため、ステップS26およびステップS27にて、高さ判定部215は、印字しなくてもよい。
【0094】
ステップS28にて、ロボット操作部31fは、移動対象の全ての墨点について処理を繰り返したか否かを判定する。ロボット操作部31fは、未だ処理していない墨点があれば、次の墨点を対象としてステップS20に戻る。ロボット操作部31fは、墨点を全て処理したならば、図15の処理を終了する。
【0095】
墨出しロボット制御部210は、各計測点情報の位置において、追尾型三次元計測器4が墨出しロボット2の計測ターゲット23を計測し、高さ算出部214が算出した床面の高さが所定範囲を逸脱していたならば、その旨を印字させる。墨出しロボット制御部210は更に、各計測点情報の位置において、追尾型三次元計測器4が墨出しロボット2の計測ターゲット23を計測し、高さ算出部214が算出した床面の高さが所定範囲内ならば、その旨を印字させない。
【0096】
なお、図15の墨出しロボット制御部210が主体として実行する各処理は、プロセッサ31が主体として実行してもよく、限定されない。また、ロボット操作部31fが実行する計測点のループ処理は、墨出しロボット制御部210が自律的に実行してもよく、限定されない。
【0097】
《計測点での傾きの計測》
計測点の周囲の4点を計測することで、計測点での傾きを計算することも可能であり、傾き方向(例えば、右上が何ミリメートル下がっているなど)を印字することも可能である。なお、計測点の周囲の4点に限定されず、2点以上の複数点を計測して計測点の傾きを計算してもよく、限定されない。
格子状の各計測点の高さを計測するとフロア全体での傾きを計測することも可能だが、4点計測することで全点計測する前に、ある任意の点で、その位置の傾きを計測することも可能である。また、4点の高さを計測して傾いていることを把握できた場合に、4点の平均値、中央値、最頻値を選択することも可能となる。
【0098】
図16は、床面高さの計測と傾きの算出処理のフローチャートである。
ステップS30にて、ロボット操作部31fは、移動対象の計測点についてS36までの処理を繰り返す。
【0099】
ロボット操作部31fは、墨出しロボット制御部210に指示して、墨出しロボット2を計測点まで移動する(ステップS31)。墨出しロボット制御部210は、追尾型三次元計測器4を用いて、計測点周囲の4点で、墨出しロボット2の計測ターゲット23のプリズムの高さを計測する(ステップS32)。次に高さ算出部214は、床面の高さを計測点周囲の4点で算出する(ステップS33)。
【0100】
高さ算出部214は、ステップS33にて算出したコンクリート面70の4点の床面高さから傾き情報を算出する(ステップS34)。墨出しロボット制御部210は、床面高さの平均値と傾きを印字して(ステップS35)、ステップS36に進む。
【0101】
ステップS36にて、ロボット操作部31fは、移動対象の全ての計測点について処理を繰り返したか否かを判定する。ロボット操作部31fは、未だ処理していない計測点があれば、次の計測点を対象としてステップS30に戻る。ロボット操作部31fは、計測点を全て処理したならば、図16の処理を終了する。
なお、図16のロボットが主体として実行する各処理は、プロセッサ31が主体として実行してもよく、限定されない。また、ロボット操作部31fが実行する計測点のループ処理は、墨出しロボット制御部210が自律的に実行してもよく、限定されない。
【0102】
墨出しロボット制御部210が計測した実測値のデータは、コントローラ3に送信される。そして、コントローラ3がQRコード(登録商標)などの二次元コードでタッチパネルディスプレイ34に表示し、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の媒体を介さずに、ユーザのコンピュータシステムに読み込んで編集することを可能とする。以下の想定運用を実現できるよう、二次元コードを生成して表示する。
【0103】
図17は、計測データの二次元コード化処理のフローチャートである。
QRコードの表示が指示されると、プロセッサ31は以下の処理を開始する。プロセッサ31は、図面データから計測データを取得する(ステップS70)。そして、プロセッサ31は、計測データからCSV(Comma Separated Values)形式のデータを生成する(ステップS71)。プロセッサ31は、CSV形式のデータから二次元コードをエンコードして(ステップS72)、二次元コードを保存すると(ステップS73)、図17の処理を終了する。なお、二次元コードの保存と表示は、計測点の数によっては複数回実施される。
【0104】
図18は、CSV形式の計測データを示す図である。
CSV形式の計測データは、Noと、X座標と、Y座標と、実測値(床面高さ)とがカンマで区切られて各行に記載されて構成される。この計測データは、画面制御部31jによってタッチパネルディスプレイ34に表示される。
【0105】
図19は、計測データ画面81を示す図である。この計測データ画面81は、コントローラ3のタッチパネルディスプレイ34に表示されている。
計測データ画面81には、二次元コード811と終了ボタン812が表示されている。この計測データ画面81は、画面制御部31jによってタッチパネルディスプレイ34に表示される。二次元コード811には、各計測点における床面の高さ情報がエンコードされている。この二次元コード811を作業者の端末で撮影してデコードすることで、計測データを作業者の端末などに読み込ませることが可能である。
【0106】
図20は、床面高さメニュー選択画面61を示す図である。この床面高さメニュー選択画面61は、コントローラ3のタッチパネルディスプレイ34に表示されている。
床面高さメニュー選択画面61には、マップ619が表示され、ガイダンスとして「基準高さ計測、およびプリズム高さ計測後に床面高さ計測を実施してください。」が表示されている。このマップ619には、各計測点などが表示されている。
【0107】
床面高さメニュー選択画面61には、基準高さ計測ボタン611、プリズム高さ計測ボタン612、「床面高さ計測(全点計測)」ボタン613、「床面高さ計測(指定点計測)」ボタン614、計測結果確認ボタン615、「メニューに戻る」ボタン616が表示されている。
【0108】
基準高さ計測ボタン611がタップされると、コントローラ3のタッチパネルディスプレイ34は、図21の基準高さ計測画面62に切り替わる。
プリズム高さ計測ボタン612がタップされると、コントローラ3のタッチパネルディスプレイ34は、図22のプリズム高さ計測画面63に切り替わる。
「床面高さ計測(全点計測)」ボタン613がタップされると、コントローラ3のタッチパネルディスプレイ34は、図28の床面高さ計測中画面69に切り替わる。
「床面高さ計測(指定点計測)」ボタン614がタップされると、コントローラ3のタッチパネルディスプレイ34は、図26の計測点選択画面67に切り替わる。
計測結果確認ボタン615がタップされると、コントローラ3のタッチパネルディスプレイ34は、不図示の計測確認画面に切り替わる。
【0109】
「メニューに戻る」ボタン616がタップされると、コントローラ3のタッチパネルディスプレイ34は、この床面高さメニュー選択画面61を呼び出す前の不図示のメニュー画面に切り替わる。
【0110】
図21は、基準高さ計測画面62を示す図である。この基準高さ計測画面62は、コントローラ3のタッチパネルディスプレイ34に表示されている。
基準高さ計測画面62には、計測ガイダンス629が表示され、ガイダンスとして「プリズムを柱の基準高さ(FL+1000)に当てた後、測量機をプリズムの方向に向け「計測」を押してください。計測した後、「計測確認に進む」を押してください。」が表示されている。
基準高さ計測画面62には、+100ボタン621、-100ボタン622、計測結果テーブル623が表示されている。基準高さ計測画面62には更に、左旋回ボタン6241と、右旋回ボタン6242と、サーチボタン6243と、計測ボタン6244と、選択行削除ボタン6245と、全削除ボタン6246と、戻るボタン625と、計測確認ボタン626とが表示されている。
【0111】
+100ボタン621と-100ボタン622は、高さ(FL)の値を調整するボタンである。+100ボタン621がタップされると、高さが100だけ加算される。-100ボタン622がタップされると、高さが100だけ減算される。
左旋回ボタン6241がタップされると、追尾型三次元計測器4が左に旋回する。
右旋回ボタン6242がタップされると、追尾型三次元計測器4が右に旋回する。
サーチボタン6243がタップされると、追尾型三次元計測器4により計測ターゲット23aのプリズム位置が探索される。計測ボタン6244がタップされると、追尾型三次元計測器4により、基準高さ(FL+1000)に設置された計測ターゲット23aのプリズム位置の計測が行われる。追尾型三次元計測器4が計測した計測ターゲット23aのプリズム位置は、計測結果テーブル623に表示される。
【0112】
計測結果テーブル623は、基準高さの計測結果を表示するテーブルである。計測結果テーブル623の何れかの行がタップされると、その行の計測結果が選択される。その状態にて、選択行削除ボタン6245がタップされると、選択された計測結果が削除される。
全削除ボタン6246がタップされると、基準高さの計測結果が全て削除される。
【0113】
戻るボタン625がタップされると、コントローラ3のタッチパネルディスプレイ34は、この基準高さ計測画面62を呼び出す前の画面に切り替わる。計測確認ボタン626がタップされると、コントローラ3のタッチパネルディスプレイ34は、図25の基準計測結果画面66に切り替わる。
【0114】
図22は、プリズム高さ計測画面63を示す図である。このプリズム高さ計測画面63は、コントローラ3のタッチパネルディスプレイ34に表示されている。
プリズム高さ計測画面63には、計測ガイダンス639が表示され、ガイダンスとして「基準点にプリズムを設置した後、測量機をプリズムの方向に向け「計測」を押してください。計測後、ロボットにプリズムを設置し、「ロボット高さ計測へ進む」ボタンを押してください。」が表示されている。
プリズム高さ計測画面63には、計測結果テーブル631と、左旋回ボタン6341と、右旋回ボタン6342と、サーチボタン6343と、計測ボタン6344と、選択行削除ボタン6345と、全削除ボタン6346と、戻るボタン635と、ロボット高さ計測ボタン636とが表示されている。
【0115】
左旋回ボタン6341がタップされると、追尾型三次元計測器4が左に旋回する。
右旋回ボタン6342がタップされると、追尾型三次元計測器4が右に旋回する。
サーチボタン6343がタップされると、追尾型三次元計測器4により計測ターゲット23aのプリズム位置が探索される。計測ボタン6344がタップされると、追尾型三次元計測器4により、計測ターゲット23aのプリズム位置の計測が行われる。追尾型三次元計測器4が計測した計測ターゲット23aのプリズム位置は、計測結果テーブル633に表示される。
【0116】
計測結果テーブル633は、プリズム高さの計測結果を表示するテーブルである。計測結果テーブル633の何れかの行がタップされると、その行の計測結果が選択される。その状態にて、選択行削除ボタン6345がタップされると、選択された計測結果が削除される。
全削除ボタン6346がタップされると、基準高さの計測結果が全て削除される。
【0117】
戻るボタン635がタップされると、コントローラ3のタッチパネルディスプレイ34は、このプリズム高さ計測画面63を呼び出す前の画面に切り替わる。ロボット高さ計測ボタン636がタップされると、コントローラ3のタッチパネルディスプレイ34は、図23のロボット高さ計測確認画面64に切り替わる。
【0118】
図23は、ロボット高さ計測確認画面64を示す図である。このロボット高さ計測確認画面64は、コントローラ3のタッチパネルディスプレイ34に表示されている。
ロボット高さ計測確認画面64には、マップ649が表示され、ガイダンスとして「プリズムをロボットの上に戻し、「ロボット走行」ボタンを押してください。」が表示されている。
ロボット高さ計測確認画面64には、プリズム高さ計測画面63で計測した基準点のプリズム位置テーブル642と、左旋回ボタン6411と、右旋回ボタン6412と、サーチボタン6413と、戻るボタン643と、ロボット走行ボタン644とが表示されている。
【0119】
左旋回ボタン6411がタップされると、追尾型三次元計測器4が左に旋回する。
右旋回ボタン6412がタップされると、追尾型三次元計測器4が右に旋回する。
サーチボタン6413がタップされると、追尾型三次元計測器4により計測ターゲット23のプリズム位置が探索される。
【0120】
基準点のプリズム位置テーブル642は、プリズム高さ計測画面63で計測された基準点の座標を表示するテーブルである。
【0121】
戻るボタン643がタップされると、コントローラ3のタッチパネルディスプレイ34は、このロボット高さ計測確認画面64を呼び出す前の画面に切り替わる。ロボット走行ボタン644がタップされると、ロボットが走行を開始すると共に、コントローラ3のタッチパネルディスプレイ34は、図24のロボット高さ計測中画面65に切り替わる。
【0122】
図24は、ロボット高さ計測中画面65を示す図である。このロボット高さ計測中画面65は、コントローラ3のタッチパネルディスプレイ34に表示されている。
ロボット高さ計測中画面65には、マップ659が表示され、ガイダンスとして「ロボット高さ計測中です。しばらくお待ちください。」と、残り時間の目安とが表示されている。
ロボット高さ計測中画面65には、ロボット状態ラベル651と、基準点の座標および中継する中継点の座標を示した経路テーブル652と、中断ボタン653とが表示されている。
ロボット状態ラベル651は、例えばロボット走行中や計測中などのロボットの動作状態が表示されている。経路テーブル652には、基準点までに経由する位置が表示されている。中断ボタン653がタップされると、墨出しロボット2は、走行または計測を中断する。基準点の計測が終了すると、図25の基準計測結果画面66に切り替わる。
【0123】
図25は、基準計測結果画面66を示す図である。この基準計測結果画面66は、コントローラ3のタッチパネルディスプレイ34に表示されている。
基準計測結果画面66には、マップ669が表示され、ガイダンスとして「計測値と参考値を比較し、計測値を変更しない場合は、「決定」を押してください。変更する場合は、基準高さ計測、プリズム高さ計測を再度実施してください。」が表示されている。
【0124】
基準計測結果画面66には、計測結果テーブル661と、基準高さ計測ボタン663と、プリズム高さ計測ボタン664と、決定ボタン665と、戻るボタン662とが表示されている。
【0125】
計測結果テーブル661には、基準高さの設定値とプリズム高さの計測結果が表示されている。
基準高さ計測ボタン663がタップされると、図21の基準高さ計測画面62に遷移して、基準高さが再計測される。プリズム高さ計測ボタン664がタップされると、図22のプリズム高さ計測画面63に切り替わり、プリズムの高さが再計測される。
【0126】
決定ボタン665がタップされると、計測結果を決定したのち、コントローラ3のタッチパネルディスプレイ34は、図20の床面高さメニュー選択画面61に切り替わる。戻るボタン662がタップされると、この基準計測結果画面66に切り替わる前の画面に切り替わる。
【0127】
図26は、計測点選択画面67を示す図である。この計測点選択画面67は、コントローラ3のタッチパネルディスプレイ34に表示されている。
計測点選択画面67には、マップ679が表示され、ガイダンスとして「床面高さ計測点を一覧から選択し、「選択終了」を押してください。」が表示されている。
【0128】
計測点選択画面67には、クリアボタン671と、フィルタ条件設定ボタン672と、計測点テーブル673と、全選択解除ボタン674と、戻るボタン676と、選択終了ボタン675とが表示されている。
【0129】
クリアボタン671がタップされると、選択したフィルタ条件がクリアされる。フィルタ条件設定ボタン672がタップされると、フィルタ条件の設定ダイアログが呼び出される。これにより、計測点テーブル673に表示する計測点のフィルタ条件を適宜設定することが可能となる。
【0130】
計測点テーブル673は、計測点を表示するテーブルである。
全選択解除ボタン674がタップされると、選択中の計測点が解除される。戻るボタン676がタップされると、コントローラ3のタッチパネルディスプレイ34は、この計測点選択画面67に切り替わる前の画面に切り替わる。選択終了ボタン675がタップされると、コントローラ3のタッチパネルディスプレイ34は、計測点の選択が終了して図27の計測点確認画面68に切り替わる。
【0131】
図27は、計測点確認画面68を示す図である。この計測点確認画面68は、コントローラ3のタッチパネルディスプレイ34に表示されている。
計測点確認画面68には、マップ689が表示され、ガイダンスとして「計測する点を確認し、問題無ければ「計測」を押してください。」が表示されている。
【0132】
計測点確認画面68には、左旋回ボタン6811と、右旋回ボタン6812と、サーチボタン6813と、計測点テーブル682と、作業時間予測ボタン683と、経路優先ラジオボタン684と、指定順序優先ラジオボタン685と、戻るボタン686と、計測ボタン687とが表示されている。
【0133】
左旋回ボタン6811がタップされると、追尾型三次元計測器4が左に旋回する。
右旋回ボタン6812がタップされると、追尾型三次元計測器4が右に旋回する。
サーチボタン6813がタップされると、追尾型三次元計測器4により計測ターゲット23のプリズム位置が探索される。
【0134】
計測点テーブル682は、計測点を表示するテーブルである。
作業時間予測ボタン683がタップされると、床面高さの計測に係る作業時間の予測値が算出される。経路優先ラジオボタン684と指定順序優先ラジオボタン685は、墨出しロボット2の経路を指示するためのものである。経路優先ラジオボタン684が選択されると、指定順序に依らずに最適な経路が算出される。指定順序優先ラジオボタン685が選択されると、指定順序に依る経路が算出される。
【0135】
戻るボタン686がタップされると、コントローラ3のタッチパネルディスプレイ34は、この計測点確認画面68に切り替わる前の画面に切り替わる。計測ボタン687がタップされると、コントローラ3のタッチパネルディスプレイ34は、床面高さ計測中画面69に切り替わり、床面高さ計測ロボットシステム1は、床面の高さの計測を開始する。
【0136】
図28は、床面高さ計測中画面69を示す図である。この床面高さ計測中画面69は、コントローラ3のタッチパネルディスプレイ34に表示されている。
床面高さ計測中画面69には、マップ699が表示され、ガイダンスとして「床面高さ計測中です。しばらくお待ちください。」と、残り時間の目安とが表示されている。
【0137】
床面高さ計測中画面69には、ロボット状態ラベル691と、計測点テーブル692と、中断ボタン693とが表示されている。
ロボット状態ラベル691には、例えばロボット走行中や計測中などの墨出しロボット2の動作状態が表示されている。
【0138】
計測点テーブル692は、計測結果を表示するテーブルである。
中断ボタン693をタップすると、計測が中断されて、コントローラ3のタッチパネルディスプレイ34は、図29の床面高さ計測結果画面60に切り替わる。指定された計測点の計測が完了すると、コントローラ3のタッチパネルディスプレイ34は、図29の床面高さ計測結果画面60に切り替わる。
【0139】
図29は、床面高さ計測結果画面60を示す図である。この床面高さ計測結果画面60は、コントローラ3のタッチパネルディスプレイ34に表示されている。
床面高さ計測結果画面60には、マップ609が表示され、ガイダンスとして「床面高さ計測が完了しました。一覧より、結果を確認してください。計測データを取り出すには「二次元コード表示」を押して、二次元コードを読み取ってください。」が表示されている。
【0140】
床面高さ計測結果画面60には、計測結果テーブル601と、二次元コード表示ボタン602と、確認ボタン603とが表示されている。
計測結果テーブル601は、計測結果を表示するテーブルである。高さが所定範囲外の計測点は、テーブルの背景および/または文字色を変更し、強調してもよい。
二次元コード表示ボタン602をタップすると、コントローラ3のタッチパネルディスプレイ34は、計測結果がエンコードされた二次元コードを表示する画面に切り替わる。確認ボタン603をタップすると、コントローラ3のタッチパネルディスプレイ34は、図20の床面高さメニュー選択画面61に切り替わる。
【0141】
図30は、床面高さ計測のモード遷移図である。
最初、床面高さ計測ロボットシステム1は、床面高さメニュー選択モードM10に遷移する。このとき、コントローラ3は、図20の床面高さメニュー選択画面61を表示する。
床面高さ計測ロボットシステム1は、床面高さメニュー選択モードM1にて、図20の基準高さ計測ボタン611がタップされると、基準高さ計測モードM11に遷移する。
床面高さ計測ロボットシステム1は、床面高さメニュー選択モードM1にて、図20のプリズム高さ計測ボタン612がタップされると、プリズム高さ計測モードM12に遷移する。
【0142】
床面高さ計測ロボットシステム1は、床面高さメニュー選択モードM1にて、図20の「床面高さ計測(全点計測)」ボタン613がタップされると、全計測点計測モードM16に遷移したのち、計測点確認モードM17に遷移する。
床面高さ計測ロボットシステム1は、床面高さメニュー選択モードM1にて、図20の「床面高さ計測(指定点計測)」ボタン614がタップされると、指定計測点計測モードM18に遷移したのち、計測点選択モードM19に遷移する。
床面高さ計測ロボットシステム1は、床面高さメニュー選択モードM1にて、図20の計測結果確認ボタン615がタップされると、床面高さ計測結果モードM21に遷移する。
【0143】
床面高さ計測ロボットシステム1は、基準高さ計測モードM11にて、コントローラ3に図21の基準高さ計測画面62を表示する。床面高さ計測ロボットシステム1は、図21の計測確認ボタン626がタップされると、基準計測結果モードM15に遷移する。
【0144】
床面高さ計測ロボットシステム1は、プリズム高さ計測モードM12にて、コントローラ3に図22のプリズム高さ計測画面63を表示する。床面高さ計測ロボットシステム1は、図22のロボット高さ計測ボタン636がタップされると、ロボット高さ計測確認モードM13に遷移する。
【0145】
床面高さ計測ロボットシステム1は、ロボット高さ計測確認モードM13にて、コントローラ3に図23のロボット高さ計測確認画面64を表示する。床面高さ計測ロボットシステム1は、図23のロボット走行ボタン644がタップされると、ロボット高さ計測中モードM14に遷移する。
【0146】
床面高さ計測ロボットシステム1は、ロボット高さ計測中モードM14にて、コントローラ3に図24のロボット高さ計測中画面65を表示する。床面高さ計測ロボットシステム1は、ロボット高さの計測が終了すると、基準計測結果モードM15に遷移する。
【0147】
床面高さ計測ロボットシステム1は、基準計測結果モードM15にて、コントローラ3に図25の基準計測結果画面66を表示する。床面高さ計測ロボットシステム1は、図25の決定ボタン665がタップされると、床面高さメニュー選択モードM10に遷移する。
【0148】
床面高さ計測ロボットシステム1は、計測点選択モードM19にて、コントローラ3に図26の計測点選択画面67を表示する。床面高さ計測ロボットシステム1は、図26の選択終了ボタン675がタップされると、計測点確認モードM17に遷移する。
【0149】
床面高さ計測ロボットシステム1は、計測点確認モードM17にて、コントローラ3に図27の計測点確認画面68を表示する。床面高さ計測ロボットシステム1は、図27の計測ボタン687がタップされると、床面高さ計測中モードM20に遷移する。
【0150】
床面高さ計測ロボットシステム1は、床面高さ計測中モードM20にて、コントローラ3に図28の床面高さ計測中画面69を表示する。床面高さ計測ロボットシステム1は、計測が終了すると、床面高さ計測結果モードM21に遷移する。
【0151】
床面高さ計測ロボットシステム1は、床面高さ計測結果モードM21にて、コントローラ3に図29の床面高さ計測結果画面60を表示する。床面高さ計測ロボットシステム1は、図29の確認ボタン603がタップされると、床面高さメニュー選択モードM10に遷移する。
【0152】
(変形例)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば上記した実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
【0153】
上記の各構成、機能、処理部、処理手段などは、それらの一部または全部を、例えば集積回路などのハードウェアで実現してもよい。上記の各構成、機能などは、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈して実行することにより、ソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイルなどの情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)などの記録装置、または、フラッシュメモリカード、DVD(Digital Versatile Disk)などの記録媒体に置くことができる。
【0154】
各実施形態に於いて、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0155】
1 床面高さ計測ロボットシステム
2 墨出しロボット (ロボット)
20 フレーム
201 バンパ
210 墨出しロボット制御部 (ロボット制御手段)
211 走行駆動部
212 プリンタ移動部
213 計測ターゲット駆動部
214 高さ算出部 (高さ算出手段)
215 高さ判定部 (高さ判定手段)
21F 車輪
21R 車輪
22 プリンタ
23 計測ターゲット
24 通信部
25 操作ボタン
26 前方センサ
27F バンパセンサ
27R バンパセンサ
28 下方センサ
3 コントローラ
31 プロセッサ
32 RAM
33 大容量記憶部
34 タッチパネルディスプレイ
35 通信部
31a 操作受付部
31b 読込部
31c 器械点設定部
31d 計測点設定部
31e 測量器操作部
31f ロボット操作部 (ロボット操作手段)
31g 走行範囲設定部
31h 順路設定部
31i 通信制御部
31j 画面制御部
331 ロボット制御プログラム
332 計測点データ
333 走行経路データ
4 追尾型三次元計測器 (三次元計測手段:測量機)
51 CADデータ記憶部
52 計測点情報作成部
53 現場管理サーバ
70 コンクリート面
71 柱
72 基準点
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30