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特開2024-120788カウンタエジェクタ制御装置、カウンタエジェクタ、および、製函機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120788
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】カウンタエジェクタ制御装置、カウンタエジェクタ、および、製函機
(51)【国際特許分類】
   B65B 57/00 20060101AFI20240829BHJP
   B31B 50/04 20170101ALI20240829BHJP
【FI】
B65B57/00 A
B31B50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027848
(22)【出願日】2023-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000139931
【氏名又は名称】株式会社ISOWA
(74)【代理人】
【識別番号】100109195
【弁理士】
【氏名又は名称】武藤 勝典
(72)【発明者】
【氏名】太田 洋
(72)【発明者】
【氏名】安田 純也
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 翔一
【テーマコード(参考)】
3E075
【Fターム(参考)】
3E075AA03
3E075BA01
3E075CA01
3E075DA01
3E075DA15
3E075FA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】異常な段ボールシートを含むバッチでも、正常な段ボールシートがオーダ指定シート枚数となるようにバッチの積み重ねシート枚数を確実に設定する。
【解決手段】シート枚数記憶部は所定数のバッチについて積重シート枚数を記憶する。バッチ決定部は検査装置により検査される段ボールシートが含まれるバッチを決定する。算出部は、決定されるバッチの積重シート枚数が、決定されるバッチに含まれる異常な段ボールシートのシート枚数とオーダ指定シート枚数とを加算したシート枚数となるように、積重シート枚数を算出する。記憶制御部は、決定されるバッチについて算出される積重シート枚数をシート枚数記憶部に記憶させる。記憶制御部は、1番目バッチが形成される度に、2番目以降の新たな所定数のバッチについて積重シート枚数がシート枚数記憶部に記憶されるようにシート枚数記憶部の記憶内容を更新する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷、溝切り、折り曲げ、および糊付けなどの種々の加工を段ボールシートに順次施す複数の加工装置と、加工された段ボールシートを積み重ねて多数のバッチを順次連続して形成するカウンタエジェクタと、各段ボールシートに施される加工が正常か、または、異常かを検査する少なくとも1つの検査装置と、を含む製函機において、
連続して形成される多数のバッチのうちで形成順が先になる所定数のバッチについて、各バッチを形成するために積み重ねられる段ボールシートの積重シート枚数をそれぞれ記憶するシート枚数記憶部と、
所定数のバッチのうちで、検査装置により検査される段ボールシートが含まれるバッチを決定するバッチ決定部と、
バッチ決定部により決定されるバッチの積重シート枚数が、その決定されるバッチに含まれる異常な段ボールシートのシート枚数とオーダに従って指定されるオーダ指定シート枚数とを加算したシート枚数となるように、検査装置の検査結果に従って積重シート枚数を算出する算出部と、
バッチ決定部により決定されるバッチについて、算出部により算出される積重シート枚数をシート枚数記憶部に記憶させる記憶制御部と、
シート枚数記憶部に記憶される積重シート枚数に従って、カウンタエジェクタにバッチ形成動作を実行させるバッチ形成制御部と、を備え、
記憶制御部は、所定数のバッチのうちで形成順が最も先になる1番目のバッチがカウンタエジェクタにより形成される度に、2番目以降の所定数のバッチを新たな所定数のバッチとして、その新たな所定数のバッチについて積重シート枚数がシート枚数記憶部に記憶されるようにシート枚数記憶部の記憶内容を更新するカウンタエジェクタ制御装置。
【請求項2】
算出部は、
バッチ決定部により決定されるバッチについて、検査装置により正常と検査される段ボールシートのシート枚数がオーダ指定シート枚数に達するまでの間に、検査装置により異常と検査される段ボールシートのシート枚数を計数する計数部と、
計数部により計数される異常な段ボールシートのシート枚数と、オーダ指定シート枚数とを加算する加算部と、を含み、
算出部は、加算部により加算された結果のシート枚数を、積重シート枚数として算出する請求項1に記載のカウンタエジェクタ制御装置。
【請求項3】
シート枚数記憶部は、所定数のバッチにそれぞれ対応する所定数のシート枚数記憶領域を有し、
バッチ決定部は、所定数のシート枚数記憶領域のうちで、積重シート枚数が記憶されていないシート枚数記憶領域を決定し、積重シート枚数が記憶されていないシート枚数記憶領域に対応するバッチのうちで形成順が最も先となるバッチを、検査装置により検査される段ボールシートが含まれるバッチとして決定する請求項2に記載のカウンタエジェクタ制御装置。
【請求項4】
連続して搬送される多数の段ボールシートのうちで、段ボールシートが供給されるカウンタエジェクタの入口と検査装置との間に位置する各段ボールシートについて、検査装置が検査する検査結果を段ボールシートの搬送順に記憶する多数の検査記憶領域を有し、その多数の検査記憶領域の中に、検査装置に対応する検査記憶領域を含む検査記憶部と、
検査装置により段ボールシートが異常と検査される場合に、検査装置に対応する検査記憶部の検査記憶領域に、異常を表す内容を記憶する検査管理部とを、更に備え、
バッチ決定部は、検査装置により段ボールシートが異常であると検査される場合に、所定数のバッチのうちで、異常であると検査される段ボールシートが含まれるバッチを決定し、
記憶制御部は、所定数のバッチについて、オーダ指定シート枚数をシート枚数記憶部にそれぞれ予め記憶させ、各段ボールシートがカウンタエジェクタに向けて供給される度に、検査記憶部の多数の検査記憶領域の記憶内容を更新し、
算出部は、検査管理部により異常を表す内容が検査記憶部の検査記憶領域に記憶される場合に、バッチ決定部により決定されるバッチについて、シート枚数記憶部に記憶される積重シート枚数に1を加算して新たな積重シート枚数を算出する請求項1に記載のカウンタエジェクタ制御装置。
【請求項5】
シート枚数記憶部は、所定数のバッチにそれぞれ対応する所定数のシート枚数記憶領域を有し、
バッチ決定部は、所定数のバッチのうちで形成順が最も先となる1番目のバッチについてカウンタエジェクタにまだ供給されていない段ボールシートのシート枚数と、カウンタエジェクタの入口と検査装置との間に存在することができる段ボールシートのシート枚数と、2番目以降のバッチについてシート枚数記憶領域に記憶されるシート枚数とに基いて、検査装置により検査される段ボールシートが含まれるバッチを決定する請求項4に記載のカウンタエジェクタ制御装置。
【請求項6】
連続して搬送される多数の段ボールシートの各段ボールシートについて検査装置が検査する検査結果を記憶する検査記憶部と、
カウンタエジェクタにより形成される各バッチについて、検査記憶部の記憶内容に従って、各バッチを形成する各段ボールシートの検査結果を段ボールシートの搬送順に表示装置に表示させる表示制御部と、を備える請求項1に記載のカウンタエジェクタ制御装置。
【請求項7】
印刷、溝切り、折り曲げ、および糊付けなどの種々の加工を段ボールシートに順次施す複数の加工装置と、加工された段ボールシートを積み重ねて多数のバッチを順次連続して形成するカウンタエジェクタと、各段ボールシートに施される加工が正常か、または、異常かを検査するために、段ボールシートの搬送方向において異なる位置に配置される複数の検査装置と、を含む製函機において、
連続して搬送される多数の段ボールシートの各段ボールシートについて複数の検査装置がそれぞれ検査する検査結果を記憶する検査記憶部と、
連続して形成される多数のバッチのうちで形成順が先になる所定数のバッチについて、各バッチを形成するために積み重ねられる段ボールシートの積重シート枚数をそれぞれ記憶するシート枚数記憶部と、
所定数のバッチのうちのバッチであって、複数の検査装置のうちで搬送方向において少なくとも最も下流側に配置される検査装置により検査される段ボールシートが含まれるバッチを決定するバッチ決定部と、
バッチ決定部により決定されるバッチの積重シート枚数が、その決定されるバッチに含まれる異常な段ボールシートのシート枚数とオーダに従って指定されるオーダ指定シート枚数とを加算したシート枚数となるように、検査記憶部の記憶内容に従って積重シート枚数を算出する算出部と、
バッチ決定部により決定されるバッチについて、算出部により算出される積重シート枚数をシート枚数記憶部に記憶させる記憶制御部と、
シート枚数記憶部に記憶される積重シート枚数に従って、カウンタエジェクタにバッチ形成動作を実行させるバッチ形成制御部と、を備え、
記憶制御部は、所定数のバッチのうちで形成順が最も先になる1番目のバッチがカウンタエジェクタにより形成される度に、2番目以降の所定数のバッチを新たな所定数のバッチとして、その新たな所定数のバッチについて積重シート枚数がシート枚数記憶部に記憶されるようにシート枚数記憶部の記憶内容を更新するカウンタエジェクタ制御装置。
【請求項8】
検査記憶部は、
連続して搬送される多数の段ボールシートの各段ボールシートについて複数の検査装置がそれぞれ検査する複数の検査結果を個別に記憶する複数の個別検査記憶部と、
検査纏め記憶部と、を含み、
複数の個別検査記憶部に記憶される複数の検査結果に従って、連続して搬送される多数の段ボールシートの各段ボールシートが正常であるか、または、各段ボールシートについて少なくとも1つの異常が発生しているのかを決定する検査決定部を、更に備え、
検査纏め記憶部は、連続して搬送される多数の段ボールシートの各段ボールシートについて、検査決定部の決定結果を記憶し、
算出部は、検査纏め記憶部の記憶内容に従って積重シート枚数を算出する請求項7に記載のカウンタエジェクタ制御装置。
【請求項9】
複数の個別検査記憶部は、複数の検査装置にそれぞれ対応しており、
複数の検査装置のうちで搬送方向において最も上流側に配置される検査装置に対応する個別検査記憶部は、最も上流側に配置される検査装置と、最も下流側に配置される検査装置との間に存在することができる段ボールシートのシート枚数以上の多数の検査記憶領域を有し、
最も上流側に配置される検査装置に対応する個別検査記憶部は、最も上流側に配置される検査装置により検査される各段ボールシートについて、多数の検査記憶領域の各検査記憶領域に検査結果を段ボールシートの搬送順に記憶する請求項8に記載のカウンタエジェクタ制御装置。
【請求項10】
カウンタエジェクタにより形成される各バッチについて、検査纏め記憶部の記憶内容に従って、各バッチを形成する各段ボールシートの検査結果を段ボールシートの搬送順に表示装置に表示させる表示制御部を備える請求項8に記載のカウンタエジェクタ制御装置。
【請求項11】
バッチ決定部は、複数の検査装置の各検査装置により段ボールシートが異常であると検査される場合に、異常であると検査される段ボールシートが含まれるバッチを決定し、
検査記憶部は、連続して搬送される多数の段ボールシートのうちで、複数の検査装置のうちで最も上流側に配置される検査装置と、段ボールシートが供給されるカウンタエジェクタの入口との間に位置する各段ボールシートについて、複数の検査装置が検査する検査結果を、段ボールシートの搬送順に記憶する多数の検査記憶領域を有し、その多数の検査記憶領域の中に、複数の検査装置にそれぞれ対応する複数の特定の検査記憶領域を含み、
記憶制御部は、所定数のバッチについて、オーダ指定シート枚数をシート枚数記憶部にそれぞれ予め記憶させ、各段ボールシートがカウンタエジェクタに向けて供給される度に、検査記憶部の多数の検査記憶領域の記憶内容を更新し、
複数の検査装置の各検査装置により段ボールシートが異常と検査される場合に、段ボールシートが異常と検査する検査装置に対応する特定の検査記憶領域に、すでに異常を表す内容が記憶されているか、または、正常を表す内容が記憶されているかを決定し、正常を表す内容が記憶されている場合に異常を表す内容に書き換え、すでに異常を表す内容が記憶されている場合に記憶内容を維持する検査管理部を、更に備え、
算出部は、検査記憶部の検査記憶領域が検査管理部により正常を表す内容から異常を表す内容に書き換えられる場合に、バッチ決定部により決定されるバッチについて、シート枚数記憶部に記憶されている積重シート枚数に1を加算して新たな積重シート枚数を算出する請求項7に記載のカウンタエジェクタ制御装置。
【請求項12】
カウンタエジェクタにより形成される各バッチについて、検査記憶部の多数の検査記憶領域の記憶内容に従って、各バッチを形成する各段ボールシートの検査結果を段ボールシートの搬送順に表示装置に表示させる表示制御部を備える請求項11に記載のカウンタエジェクタ制御装置。
【請求項13】
連続して形成される多数のバッチのうちで形成順が先になるバッチの所定数は、複数の検査装置のうちで搬送方向において少なくとも最も下流側に配置される検査装置と、段ボールシートが供給されるカウンタエジェクタの入口との間に存在することができる段ボールシートのシート枚数と、オーダ指定シート枚数とに基いて、決定される請求項7に記載のカウンタエジェクタ制御装置。
【請求項14】
算出部により算出される積重シート枚数が予め定められる上限シート枚数を超える場合に、記憶制御部は、所定数のバッチのうちで、バッチ決定部により決定されるバッチと、形成順がその決定されるバッチより後になるバッチとについて、シート枚数記憶部に記憶される積重シート枚数を、上限シート枚数以下のシート枚数に変更する請求項7に記載のカウンタエジェクタ制御装置。
【請求項15】
印刷、溝切り、折り曲げ、および糊付けなどの種々の加工を段ボールシートに順次施す複数の加工装置と、各段ボールシートに施される加工が正常か、または、異常かを検査する少なくとも1つの検査装置と、を含む製函機において、
加工された段ボールシートが順次供給され、積み重ねられるホッパ部と、
ホッパ部の内部に積み重ねられる段ボールシートを分離してバッチを形成するために昇降運動を行う主レッジと、
所定の搬送方向と同じ方向に向かう所定の送出方向にバッチを送出するために、ホッパ部より下方に配置され、昇降変位可能な上部コンベア部と、所定の昇降コンベア位置に位置決めされる上部コンベア部との間でバッチを保持する下部コンベア部とを含む送出コンベアと、
バッチが載置され、そのバッチをホッパ部から送出コンベアまで運搬するために昇降運動を行うテーブルであって、所定の昇降テーブル位置にて、主レッジまたは主レッジと連動する連動部材との間でバッチを保持するテーブルを含むエレベータと、
主レッジ、テーブル、および上部コンベア部をそれぞれ昇降させる昇降駆動部と、
昇降駆動部を制御する駆動制御部と、
連続して形成される多数のバッチのうちで形成順が先になる所定数のバッチについて、各バッチを形成するために積み重ねられる段ボールシートの積重シート枚数をそれぞれ記憶するシート枚数記憶部と、
所定数のバッチのうちで、検査装置により検査される段ボールシートが含まれるバッチを決定するバッチ決定部と、
バッチ決定部により決定されるバッチの積重シート枚数が、その決定されるバッチに含まれる異常な段ボールシートのシート枚数とオーダに従って指定されるオーダ指定シート枚数とを加算したシート枚数となるように、検査装置の検査結果に従って積重シート枚数を算出する算出部と、
バッチ決定部により決定されるバッチについて、算出部により算出される積重シート枚数をシート枚数記憶部に記憶させる記憶制御部と、
シート枚数記憶部に記憶される積重シート枚数に従って、カウンタエジェクタにバッチ形成動作を実行させるバッチ形成制御部と、を備え、
記憶制御部は、所定数のバッチのうちで形成順が最も先になる1番目のバッチがカウンタエジェクタにより形成される度に、2番目以降の所定数のバッチを新たな所定数のバッチとして、その新たな所定数のバッチについて積重シート枚数がシート枚数記憶部に記憶されるようにシート枚数記憶部の記憶内容を更新し、
駆動制御部は、シート枚数記憶部に記憶される積重シート枚数に従って定められる所定の昇降コンベア位置に上部コンベア部が位置決めされ、シート枚数記憶部に記憶される積重シート枚数に従って定められる所定の昇降テーブル位置にテーブルが位置決めされるように、昇降駆動部を制御するカウンタエジェクタ。
【請求項16】
主レッジは、ホッパ部より下方に定められる所定の昇降レッジ位置まで下降する場合に、所定の昇降レッジ位置にて、下部コンベア部との間でバッチを保持し、
駆動制御部は、シート枚数記憶部に記憶される積重シート枚数に従って定められる所定の昇降レッジ位置に主レッジが位置決めされるように、昇降駆動部を制御する請求項15に記載のカウンタエジェクタ。
【請求項17】
段ボールシートを順次供給し、所定の搬送方向に搬送する搬送装置と、印刷、溝切り、折り曲げ、および糊付けなどの種々の加工を段ボールシートに順次施す複数の加工装置と、加工された段ボールシートを積み重ねて多数のバッチを順次連続して形成するカウンタエジェクタと、各段ボールシートに施される加工が正常か、または、異常かを検査する少なくとも1つの検査装置と、を含む製函機において、
連続して形成される多数のバッチのうちで形成順が先になる所定数のバッチについて、各バッチを形成するために積み重ねられる段ボールシートの積重シート枚数をそれぞれ記憶するシート枚数記憶部と、
所定数のバッチのうちで、検査装置により検査される段ボールシートが含まれるバッチを決定するバッチ決定部と、
バッチ決定部により決定されるバッチの積重シート枚数が、その決定されるバッチに含まれる異常な段ボールシートのシート枚数とオーダに従って指定されるオーダ指定シート枚数とを加算したシート枚数となるように、検査装置の検査結果に従って積重シート枚数を算出する算出部と、
バッチ決定部により決定されるバッチについて、算出部により算出される積重シート枚数をシート枚数記憶部に記憶させる記憶制御部と、
シート枚数記憶部に記憶される積重シート枚数に従って、カウンタエジェクタにバッチ形成動作を実行させるバッチ形成制御部と、を備え、
記憶制御部は、所定数のバッチのうちで形成順が最も先になる1番目のバッチがカウンタエジェクタにより形成される度に、2番目以降の所定数のバッチを新たな所定数のバッチとして、その新たな所定数のバッチについて積重シート枚数がシート枚数記憶部に記憶されるようにシート枚数記憶部の記憶内容を更新する製函機。
【請求項18】
算出部により算出される積重シート枚数が予め定められる上限シート枚数を超える場合に、搬送装置の動作を停止させる搬送制御部を備える請求項17に記載の製函機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷不良、糊付不良、または、折り曲げ不良などの加工不良が存在する異常な段ボールシートと正常な段ボールシートとを積み重ねてバッチを形成するカウンタエジェクタに関し、詳細には、異常な段ボールシートを含むバッチの中の正常な段ボールシートがオーダに応じた所定枚数となるようにバッチを形成するカウンタエジェクタに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷、罫線入れ、溝切り、折り曲げ、および、糊付けなどの一連の加工を、段ボールシートに順次実行する製函機は、よく知られている。一連の加工が実行された段ボールシートを積み重ねてバッチを形成するカウンタエジェクタが、製函機に備えられる。糊付不良などの加工不良の発生を検査する検査装置が、段ボールシートの供給方向においてカウンタエジェクタの上流側に配置される。たとえば、糊付不良を検出する検査装置は、特許文献1に開示される。また、折り曲げ不良を検出する検査装置は、特許文献2に開示される。
【0003】
特許文献2には、異常な段ボールシートを含むバッチについては、段ボールシートの積重枚数を、オーダに応じた所定枚数よりも異常な段ボールシートの枚数分だけ多くしてバッチを形成する技術が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3363397号公報
【特許文献2】特許第4774350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に開示される技術により異常な段ボールシートを含むバッチを形成した後に、そのバッチから異常な段ボールシートを除去することにより、オーダに応じた所定枚数の正常な段ボールシートからなるバッチを形成することが容易になると考えられる。しかしながら、異常な段ボールシートの枚数がバッチごとに異なる状況において、異常な段ボールシートの枚数に応じて各バッチの段ボールシートの積重枚数を設定する動作と、その設定された段ボールシートの積重枚数に従ってバッチを形成する動作とを、どのように連携させて実行するのかについて、特許文献2には、具体的な構成は、全く開示されていない。たとえば、カウンタエジェクタが多数のバッチを連続して形成するために、先のバッチが形成されている間に、先のバッチに続く後続のバッチの積重枚数を、段ボールシートの加工不良の検出結果に応じて設定する具体的な構成は、特許文献2には、全く開示されていない。
【0006】
そこで、本発明は、バッチが異常な段ボールシートを含んで形成される場合でも、先のバッチの形成動作に支障を及ぼすことなく、各バッチの正常な段ボールシートがオーダ指定シート枚数となるように先のバッチに続く後続のバッチの積重シート枚数を確実に設定することができるカウンタエジェクタ制御装置、カウンタエジェクタ、および、製函機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の第1発明態様のカウンタエジェクタ制御装置は、印刷、溝切り、折り曲げ、および糊付けなどの種々の加工を段ボールシートに順次施す複数の加工装置と、加工された段ボールシートを積み重ねて多数のバッチを順次連続して形成するカウンタエジェクタと、各段ボールシートに施される加工が正常か、または、異常かを検査する少なくとも1つの検査装置と、を含む製函機において、連続して形成される多数のバッチのうちで形成順が先になる所定数のバッチについて、各バッチを形成するために積み重ねられる段ボールシートの積重シート枚数をそれぞれ記憶するシート枚数記憶部と、所定数のバッチのうちで、検査装置により検査される段ボールシートが含まれるバッチを決定するバッチ決定部と、バッチ決定部により決定されるバッチの積重シート枚数が、その決定されるバッチに含まれる異常な段ボールシートのシート枚数とオーダに従って指定されるオーダ指定シート枚数とを加算したシート枚数となるように、検査装置の検査結果に従って積重シート枚数を算出する算出部と、バッチ決定部により決定されるバッチについて、算出部により算出される積重シート枚数をシート枚数記憶部に記憶させる記憶制御部と、シート枚数記憶部に記憶される積重シート枚数に従って、カウンタエジェクタにバッチ形成動作を実行させるバッチ形成制御部と、を備える。第1発明態様では、記憶制御部は、所定数のバッチのうちで形成順が最も先になる1番目のバッチがカウンタエジェクタにより形成される度に、2番目以降の所定数のバッチを新たな所定数のバッチとして、その新たな所定数のバッチについて積重シート枚数がシート枚数記憶部に記憶されるようにシート枚数記憶部の記憶内容を更新する。
【0008】
本発明態様では、「形成順が先になる所定数のバッチ」について、「所定数」は、一定の固定値であってもよいし、オーダに従って変化する数値であってもよい。また、「所定数」は、製函機の構成および仕様などに応じて定められる数値であれば、たとえば、段ボールシートが供給されるカウンタエジェクタの入口と段ボールシートが送出される給紙ユニットの出口との間に存在することができる段ボールシートのシート枚数を基に定められる数値であってもよいし、カウンタエジェクタの入口に最も近い検査装置の配置位置とカウンタエジェクタの入口との間に存在することができる段ボールシートのシート枚数を基に定められる数値であってもよい。
【0009】
本発明態様では、検査装置は、製函機において段ボールシートに施される加工に関して少なくとも1つの種類の異常を検査する構成であれば、検査装置の構成および数は限定されない。たとえば、1つの検査装置が、2種類以上の異常を検査する構成であってもよいし、各検査装置が1つの種類の異常を個別に検査する構成であってもよい。
【0010】
本発明態様では、検査装置は、各段ボールシートに施される加工が正常か、または、異常かを検査する構成であれば、種々の構成で具現化される。たとえば、検査装置は、段ボールシートの加工状況を検出するイメージセンサなどの検出部と、その検出部の検出結果に画像処理などの処理を行い、その処理結果と基準情報とを比較して良否の判断を行う処理部とを備える構成で具現化される。この処理部を備える構成である場合には、検査装置の処理部は、カウンタエジェクタの動作を制御する制御装置の一部の構成で、または、複数の加工装置を総合的に管理する管理装置の一部の構成で具現化されてもよい。
【0011】
本発明態様では、バッチ決定部は、検査装置により検査される段ボールシートが含まれるバッチを決定する構成であれば、種々の構成で具現化される。たとえば、検査装置が各段ボールシートを検査する度に、各段ボールシートが含まれるバッチを決定する構成であってもよいし、検査装置が異常な段ボールシートを検査する場合に、その異常な段ボールシートが含まれるバッチを決定する構成であってもよい。または、バッチ決定部は、検査装置が検査する正常な段ボールシートのシート枚数がオーダ指定シート枚数に達した時点で、検査装置が正常と検査した段ボールシートが含まれるバッチを決定する構成であってもよい。
【0012】
本発明態様では、算出部は、バッチ決定部により決定されるバッチの積重シート枚数が、その決定されるバッチに含まれる異常な段ボールシートのシート枚数とオーダ指定シート枚数とを加算したシート枚数となるように、検査装置の検査結果に従って積重シート枚数を算出する構成であれば、種々の構成で具現化される。たとえば、算出部は、検査装置が検査する正常な段ボールシートのシート枚数と、異常な段ボールシートのシート枚数とをそれぞれ計数し、その計数した正常な段ボールシートのシート枚数がオーダ指定シート枚数に達した時点において、計数した正常な段ボールシートのシート枚数、またはオーダ指定シート枚数と、計数した異常な段ボールシートのシート枚数とを加算する構成であってもよい。または、算出部は、検査装置が異常な段ボールシートを検査する度に、その異常な段ボールシートが含まれるバッチについて、予め記憶されるオーダ指定シート枚数に、または、1を加算した先回の加算結果に、1を加算する構成であってもよい。
【0013】
本発明態様では、「1番目のバッチがカウンタエジェクタにより形成される」状態は、1番目のバッチを形成する全ての段ボールシートが確定する状態であればよい。たとえば、1番目のバッチを形成する最後の段ボールシートがカウンタエジェクタに供給される状態であってもよいし、カウンタエジェクタの主レッジが1番目のバッチの最後の段ボールシートと2番目のバッチの最初の段ボールシートとを仕切る状態であってもよい。
【0014】
本発明態様では、異常な段ボールシートが含まれるバッチであっても、正常な段ボールシートのシート枚数がオーダ指定シート枚数だけ必ず確保されるのであれば、バッチがカウンタエジェクタから送出された後に、異常な段ボールシートがバッチから除去される手段または工程が備えられてもよい。たとえば、熟練の作業者が、検査装置が異常と検査した段ボールシートをバッチから抜き出して目視検査する工程が備えられてもよい。検査装置が異常な段ボールシートと検査した場合でも、熟練の作業者が、その経験から、異常の程度が許容範囲内であると判断する場合がある。異常の程度が許容範囲内である場合には、一旦異常と検査された段ボールシートを廃棄することなく正常な段ボールシートとして使用することができる。
【0015】
本発明態様では、「カウンタエジェクタ制御装置」は、カウンタエジェクタ単体の動作のみを制御する専用の制御装置により構成されてもよいし、カウンタエジェクタと他の加工装置との動作を総合的に管理する管理装置の一部の構成を含んで構成されてもよい。「カウンタエジェクタ制御装置」が管理装置の一部の構成を含んで構成される場合には、バッチ決定部、算出部、および記憶制御部のうちの少なくとも1つの部分が、管理装置の一部の構成により具現化される。
【0016】
請求項2に記載の具体的態様では、算出部は、バッチ決定部により決定されるバッチについて、検査装置により正常と検査される段ボールシートのシート枚数がオーダ指定シート枚数に達するまでの間に、検査装置により異常と検査される段ボールシートのシート枚数を計数する計数部と、計数部により計数される異常な段ボールシートのシート枚数と、オーダ指定シート枚数とを加算する加算部と、を含み、算出部は、加算部により加算された結果のシート枚数を、積重シート枚数として算出する。
【0017】
本具体的態様では、「検査装置により正常と検査される段ボールシート」は、検査装置が1つのみ備えられる場合には、その検査装置により正常と検査される段ボールシートであり、検査装置が複数備えられる場合には、全ての検査装置により正常と検査される段ボールシートである。一方、「検査装置により異常と検査される段ボールシート」は、検査装置が1つのみ備えられる場合には、その検査装置により異常と検査される段ボールシートであり、検査装置が複数備えられる場合には、複数の検査装置の少なくとも1つの検査装置により異常と検査される段ボールシートである。
【0018】
請求項3に記載の具体的態様では、シート枚数記憶部は、所定数のバッチにそれぞれ対応する所定数のシート枚数記憶領域を有し、バッチ決定部は、所定数のシート枚数記憶領域のうちで、積重シート枚数が記憶されていないシート枚数記憶領域を決定し、積重シート枚数が記憶されていないシート枚数記憶領域に対応するバッチのうちで形成順が最も先となるバッチを、検査装置により検査される段ボールシートが含まれるバッチとして決定する。
【0019】
本具体的態様では、バッチ決定部について、積重シート枚数が記憶されていないシート枚数記憶領域を決定する構成は、種々の構成で具現化される。たとえば、積重シート枚数が記憶されていないシート枚数記憶領域を決定する構成は、積重シート枚数が記憶されているか否かを表すフラグを設定する構成であってもよいし、シート枚数記憶領域が積重シート枚数を記憶しているか否かを直接に検出する構成であってもよい。
【0020】
請求項4に記載の具体的態様は、連続して搬送される多数の段ボールシートのうちで、段ボールシートが供給されるカウンタエジェクタの入口と検査装置との間に位置する各段ボールシートについて、検査装置が検査する検査結果を段ボールシートの搬送順に記憶する多数の検査記憶領域を有し、その多数の検査記憶領域の中に、検査装置に対応する検査記憶領域を含む検査記憶部と、検査装置により段ボールシートが異常と検査される場合に、検査装置に対応する検査記憶部の検査記憶領域に、異常を表す内容を記憶する検査管理部とを、更に備える。本具体的態様では、バッチ決定部は、検査装置により段ボールシートが異常であると検査される場合に、所定数のバッチのうちで、異常であると検査される段ボールシートが含まれるバッチを決定し、記憶制御部は、所定数のバッチについて、オーダ指定シート枚数をシート枚数記憶部にそれぞれ予め記憶させ、各段ボールシートがカウンタエジェクタに向けて供給される度に、検査記憶部の多数の検査記憶領域の記憶内容を更新し、算出部は、検査管理部により異常を表す内容が検査記憶部の検査記憶領域に記憶される場合に、バッチ決定部により決定されるバッチについて、シート枚数記憶部に記憶される積重シート枚数に1を加算して新たな積重シート枚数を算出する。
【0021】
本具体的態様では、「所定数のバッチについて、オーダ指定シート枚数をシート枚数記憶部にそれぞれ予め記憶させ」について、「予め記憶させ」は、算出部が積重シート枚数を算出する動作を開始する前までに、オーダ指定シート枚数をシート枚数記憶部にそれぞれ記憶させることを意味する。
【0022】
本具体的態様では、「各段ボールシートがカウンタエジェクタに向けて供給される度に」について、「カウンタエジェクタに向けて供給される」状態は、段ボールシートがカウンタエジェクタの入口の直前の位置まで搬送される状態であってもよいし、段ボールシートが給紙ユニットの出口から送出される状態であってもよい。
【0023】
本具体的態様では、「検査装置が検査する検査結果を段ボールシートの搬送順に記憶する」状態は、多数の検査記憶領域にそれぞれ記憶される多数の検査結果の順番が、段ボールシートの搬送順に従って決定されるのであれば、多数の検査記憶領域が搬送順に配列される構成に限定されることはない。たとえば、各検査結果が順番を表す情報とともに各検査記憶領域に記憶される構成であれば、各検査結果は任意の記憶場所の検査記憶領域に記憶されてもよい。
【0024】
請求項5に記載の具体的態様では、シート枚数記憶部は、所定数のバッチにそれぞれ対応する所定数のシート枚数記憶領域を有し、バッチ決定部は、所定数のバッチのうちで形成順が最も先となる1番目のバッチについてカウンタエジェクタにまだ供給されていない段ボールシートのシート枚数と、カウンタエジェクタの入口と検査装置との間に存在することができる段ボールシートのシート枚数と、2番目以降のバッチについてシート枚数記憶領域に記憶されるシート枚数とに基いて、検査装置により検査される段ボールシートが含まれるバッチを決定する。
【0025】
本具体的態様では、バッチ決定部は、検査装置により検査される段ボールシートが含まれるバッチを決定するために、1番目のバッチについてカウンタエジェクタにまだ供給されていない段ボールシートのシート枚数と、カウンタエジェクタの入口と検査装置との間に存在することができる段ボールシートのシート枚数と、2番目以降のバッチについてシート枚数記憶領域に記憶されるシート枚数との少なくとも3つのシート枚数に基いて、バッチを決定する構成であれば、その他のシート枚数、または、シート枚数に関係する数値を追加して考慮してバッチを決定する構成であってもよい。たとえば、バッチ決定部は、検査記憶部において、検査結果がまだ記憶されていない検査記憶領域の数を追加して考慮してバッチを決定する構成であってもよい。
【0026】
請求項6に記載の具体的態様は、連続して搬送される多数の段ボールシートの各段ボールシートについて検査装置が検査する検査結果を記憶する検査記憶部と、カウンタエジェクタにより形成される各バッチについて、検査記憶部の記憶内容に従って、各バッチを形成する各段ボールシートの検査結果を段ボールシートの搬送順に表示装置に表示させる表示制御部と、を備える。
【0027】
請求項7に記載の第2発明態様のカウンタエジェクタ制御装置は、印刷、溝切り、折り曲げ、および糊付けなどの種々の加工を段ボールシートに順次施す複数の加工装置と、加工された段ボールシートを積み重ねて多数のバッチを順次連続して形成するカウンタエジェクタと、各段ボールシートに施される加工が正常か、または、異常かを検査するために、段ボールシートの搬送方向において異なる位置に配置される複数の検査装置と、を含む製函機において、連続して搬送される多数の段ボールシートの各段ボールシートについて複数の検査装置がそれぞれ検査する検査結果を記憶する検査記憶部と、連続して形成される多数のバッチのうちで形成順が先になる所定数のバッチについて、各バッチを形成するために積み重ねられる段ボールシートの積重シート枚数をそれぞれ記憶するシート枚数記憶部と、所定数のバッチのうちのバッチであって、複数の検査装置のうちで搬送方向において少なくとも最も下流側に配置される検査装置により検査される段ボールシートが含まれるバッチを決定するバッチ決定部と、バッチ決定部により決定されるバッチの積重シート枚数が、その決定されるバッチに含まれる異常な段ボールシートのシート枚数とオーダに従って指定されるオーダ指定シート枚数とを加算したシート枚数となるように、検査記憶部の記憶内容に従って積重シート枚数を算出する算出部と、バッチ決定部により決定されるバッチについて、算出部により算出される積重シート枚数をシート枚数記憶部に記憶させる記憶制御部と、シート枚数記憶部に記憶される積重シート枚数に従って、カウンタエジェクタにバッチ形成動作を実行させるバッチ形成制御部と、を備える。第2発明態様では、記憶制御部は、所定数のバッチのうちで形成順が最も先になる1番目のバッチがカウンタエジェクタにより形成される度に、2番目以降の所定数のバッチを新たな所定数のバッチとして、その新たな所定数のバッチについて積重シート枚数がシート枚数記憶部に記憶されるようにシート枚数記憶部の記憶内容を更新する。
【0028】
本発明態様では、バッチ決定部は、少なくとも最も下流側に配置される検査装置により検査される段ボールシートが含まれるバッチを決定する構成であれば、種々の構成により具現化される。たとえば、バッチ決定部は、複数の検査装置の各検査装置が各段ボールシートを検査する度に、その検査した段ボールシートが含まれるバッチを決定する構成であってもよいし、複数の検査装置の各検査装置が異常な段ボールシートを検査する度に、その検査した異常な段ボールシートが含まれるバッチを決定する構成であってもよい。または、最も下流側に配置される検査装置が段ボールシートを検査した後に、複数の検査装置の全ての検査装置により正常と検査された段ボールシートのシート枚数がオーダ指定シート枚数に達する場合に、バッチ決定部は、最も下流側に配置される検査装置が正常と検査した段ボールシートが含まれるバッチを決定する構成であってもよい。
【0029】
本発明態様では、検査記憶部は、複数の検査装置の複数の検査結果をそのまま個別に記憶する記憶部と、記憶された複数の検査結果が異なるか否かの判断処理を行った結果を纏めて記憶する記憶部とを備える構成であってもよい。または、検査記憶部は、上流側の検査装置の検査結果を一旦記憶するとともに、下流側の検査装置の検査結果に応じて、一旦記憶された内容が順次書き換えられる記憶部を備える構成であってもよい。
【0030】
請求項8に記載の具体的態様では、検査記憶部は、連続して搬送される多数の段ボールシートの各段ボールシートについて複数の検査装置がそれぞれ検査する複数の検査結果を個別に記憶する複数の個別検査記憶部と、検査纏め記憶部と、を含む。本具体的態様は、複数の個別検査記憶部に記憶される複数の検査結果に従って、連続して搬送される多数の段ボールシートの各段ボールシートが正常であるか、または、各段ボールシートについて少なくとも1つの異常が発生しているのかを決定する検査決定部を、更に備える。本具体的態様では、検査纏め記憶部は、連続して搬送される多数の段ボールシートの各段ボールシートについて、検査決定部の決定結果を記憶し、算出部は、検査纏め記憶部の記憶内容に従って積重シート枚数を算出する。
【0031】
本具体的態様では、検査決定部は、複数の検査結果に従って、各段ボールシートが正常であるか、または、各段ボールシートについて少なくとも1つの異常が発生しているのかを決定する構成であれば、種々の構成で具現化される。たとえば、検査決定部は、最も下流側に配置される検査装置が各段ボールシートを検査する度に、各段ボールシートについて正常であるか、または、異常が発生しているのかを決定する構成であってもよい。または、検査決定部は、最も下流側に配置される検査装置が複数の段ボールシートを検査した後に、その複数の段ボールシートの各段ボールシートについて正常であるか、または、異常が発生しているのかを決定する構成であってもよい。
【0032】
請求項9に記載の具体的態様では、複数の個別検査記憶部は、複数の検査装置にそれぞれ対応しており、複数の検査装置のうちで搬送方向において最も上流側に配置される検査装置に対応する個別検査記憶部は、最も上流側に配置される検査装置と、最も下流側に配置される検査装置との間に存在することができる段ボールシートのシート枚数以上の多数の検査記憶領域を有し、最も上流側に配置される検査装置に対応する個別検査記憶部は、最も上流側に配置される検査装置により検査される各段ボールシートについて、多数の検査記憶領域の各検査記憶領域に検査結果を段ボールシートの搬送順に記憶する。
【0033】
本具体的態様では、「多数の検査記憶領域の各検査記憶領域に検査結果を搬送順に記憶する」状態は、多数の検査記憶領域にそれぞれ記憶される多数の検査結果の順番が、段ボールシートの搬送順に従って決定することができるのであれば、多数の検査記憶領域が搬送順に配列される構成に限定されることはない。たとえば、各検査結果が順番を表す情報とともに各検査記憶領域に記憶される構成であれば、各検査結果は任意の記憶場所の検査記憶領域に記憶されてもよい。
【0034】
請求項10に記載の具体的態様は、カウンタエジェクタにより形成される各バッチについて、検査纏め記憶部の記憶内容に従って、各バッチを形成する各段ボールシートの検査結果を段ボールシートの搬送順に表示装置に表示させる表示制御部を備える。
【0035】
本具体的態様では、表示制御部は、カウンタエジェクタにより形成されたバッチを形成する各段ボールシートの検査結果を搬送順に表示する構成であれば、種々の構成で具現化される。たとえば、カウンタエジェクタの出口と結束機の入口との間に位置する複数のバッチの各バッチについて各段ボールシートの検査結果を搬送順に表示する構成であってもよい。または、表示制御部は、カウンタエジェクタにより形成されたバッチであって、カウンタエジェクタの出口から送出されたバッチと、まだ送出されていないバッチとついても、各段ボールシートの検査結果を搬送順に表示する構成であってもよい。
【0036】
請求項11に記載の具体的態様では、バッチ決定部は、複数の検査装置の各検査装置により段ボールシートが異常であると検査される場合に、異常であると検査される段ボールシートが含まれるバッチを決定し、検査記憶部は、連続して搬送される多数の段ボールシートのうちで、複数の検査装置のうちで最も上流側に配置される検査装置と、段ボールシートが供給されるカウンタエジェクタの入口との間に位置する各段ボールシートについて、複数の検査装置が検査する検査結果を、段ボールシートの搬送順に記憶する多数の検査記憶領域を有し、その多数の検査記憶領域の中に、複数の検査装置にそれぞれ対応する複数の特定の検査記憶領域を含み、記憶制御部は、所定数のバッチについて、オーダ指定シート枚数をシート枚数記憶部にそれぞれ予め記憶させ、各段ボールシートがカウンタエジェクタに向けて供給される度に、検査記憶部の多数の検査記憶領域の記憶内容を更新する。本具体的態様は、複数の検査装置の各検査装置により段ボールシートが異常と検査される場合に、段ボールシートが異常と検査する検査装置に対応する特定の検査記憶領域に、すでに異常を表す内容が記憶されているか、または、正常を表す内容が記憶されているかを決定し、正常を表す内容が記憶されている場合に異常を表す内容に書き換え、すでに異常を表す内容が記憶されている場合に記憶内容を維持する検査管理部を、更に備える。本具体的態様では、算出部は、検査記憶部の検査記憶領域が検査管理部により正常を表す内容から異常を表す内容に書き換えられる場合に、バッチ決定部により決定されるバッチについて、シート枚数記憶部に記憶されている積重シート枚数に1を加算して新たな積重シート枚数を算出する。
【0037】
本具体的態様では、「所定数のバッチについて、オーダ指定シート枚数をシート枚数記憶部にそれぞれ予め記憶させ」について、「予め記憶させ」は、算出部が積重シート枚数を算出する動作を開始する前までに、オーダ指定シート枚数をシート枚数記憶部にそれぞれ記憶させることを意味する。
【0038】
本具体的態様では、「各段ボールシートがカウンタエジェクタに向けて供給される度に」について、「カウンタエジェクタに向けて供給される」状態は、段ボールシートがカウンタエジェクタの入口の直前の位置まで搬送される状態であってもよいし、段ボールシートが給紙ユニットの出口から送出される状態であってもよい。
【0039】
本具体的態様では、「複数の検査装置が検査する検査結果を、段ボールシートの搬送順に記憶する」状態は、多数の検査記憶領域にそれぞれ記憶される多数の検査結果の順番が、段ボールシートの搬送順に従って決定することができるのであれば、多数の検査記憶領域が搬送順に配列される構成に限定されることはない。たとえば、各検査結果が順番を表す情報とともに各検査記憶領域に記憶される構成であれば、各検査結果は任意の記憶場所の検査記憶領域に記憶されてもよい。
【0040】
請求項12に記載の具体的態様は、カウンタエジェクタにより形成される各バッチについて、検査記憶部の多数の検査記憶領域の記憶内容に従って、各バッチを形成する各段ボールシートの検査結果を段ボールシートの搬送順に表示装置に表示させる表示制御部を備える。
【0041】
請求項13に記載の具体的態様では、連続して形成される多数のバッチのうちで形成順が先になるバッチの所定数は、複数の検査装置のうちで搬送方向において少なくとも最も下流側に配置される検査装置と、段ボールシートが供給されるカウンタエジェクタの入口との間に存在することができる段ボールシートのシート枚数と、オーダ指定シート枚数とに基いて、決定される。
【0042】
請求項14に記載の具体的態様では、算出部により算出される積重シート枚数が予め定められる上限シート枚数を超える場合に、記憶制御部は、所定数のバッチのうちで、バッチ決定部により決定されるバッチと、形成順がその決定されるバッチより後になるバッチとについて、シート枚数記憶部に記憶される積重シート枚数を、上限シート枚数以下のシート枚数に変更する。
【0043】
本具体的態様では、「上限シート枚数以下のシート枚数」は、カウンタエジェクタ内部で段ボールシートの紙詰まりなどの障害が生じないようなシート枚数に設定されるのであれば、特に限定されない。たとえば、「上限シート枚数以下のシート枚数」は、オーダ指定シート枚数に設定されてもよい。
【0044】
請求項15に記載の第3発明態様のカウンタエジェクタは、印刷、溝切り、折り曲げ、および糊付けなどの種々の加工を段ボールシートに順次施す複数の加工装置と、各段ボールシートに施される加工が正常か、または、異常かを検査する少なくとも1つの検査装置と、を含む製函機において、加工された段ボールシートが順次供給され、積み重ねられるホッパ部と、ホッパ部の内部に積み重ねられる段ボールシートを分離してバッチを形成するために昇降運動を行う主レッジと、所定の搬送方向と同じ方向に向かう所定の送出方向にバッチを送出するために、ホッパ部より下方に配置され、昇降変位可能な上部コンベア部と、所定の昇降コンベア位置に位置決めされる上部コンベア部との間でバッチを保持する下部コンベア部とを含む送出コンベアと、バッチが載置され、そのバッチをホッパ部から送出コンベアまで運搬するために昇降運動を行うテーブルであって、所定の昇降テーブル位置にて、主レッジまたは主レッジと連動する連動部材との間でバッチを保持するテーブルを含むエレベータと、主レッジ、テーブル、および上部コンベア部をそれぞれ昇降させる昇降駆動部と、昇降駆動部を制御する駆動制御部と、連続して形成される多数のバッチのうちで形成順が先になる所定数のバッチについて、各バッチを形成するために積み重ねられる段ボールシートの積重シート枚数をそれぞれ記憶するシート枚数記憶部と、所定数のバッチのうちで、検査装置により検査される段ボールシートが含まれるバッチを決定するバッチ決定部と、バッチ決定部により決定されるバッチの積重シート枚数が、その決定されるバッチに含まれる異常な段ボールシートのシート枚数とオーダに従って指定されるオーダ指定シート枚数とを加算したシート枚数となるように、検査装置の検査結果に従って積重シート枚数を算出する算出部と、バッチ決定部により決定されるバッチについて、算出部により算出される積重シート枚数をシート枚数記憶部に記憶させる記憶制御部と、シート枚数記憶部に記憶される積重シート枚数に従って、カウンタエジェクタにバッチ形成動作を実行させるバッチ形成制御部と、を備える。第3発明態様では、記憶制御部は、所定数のバッチのうちで形成順が最も先になる1番目のバッチがカウンタエジェクタにより形成される度に、2番目以降の所定数のバッチを新たな所定数のバッチとして、その新たな所定数のバッチについて積重シート枚数がシート枚数記憶部に記憶されるようにシート枚数記憶部の記憶内容を更新し、駆動制御部は、シート枚数記憶部に記憶される積重シート枚数に従って定められる所定の昇降コンベア位置に上部コンベア部が位置決めされ、シート枚数記憶部に記憶される積重シート枚数に従って定められる所定の昇降テーブル位置にテーブルが位置決めされるように、昇降駆動部を制御する。
【0045】
本発明態様では、主レッジが、バッチを仕切る機能と、テーブルとの間でバッチを保持する機能とを備える構成であってもよい。または、主レッジはバッチを仕切る機能のみを有し、主レッジと連動する連動部材が、バッチを下方に押圧してテーブルとの間でバッチを保持する機能を有する構成であってもよい。
【0046】
本発明態様では、「カウンタエジェクタ」は、バッチを形成する専用の装置単体により構成されてもよいし、製函機の複数の加工装置の動作を総合的に管理する管理装置の一部の構成を含んで構成されてもよい。「カウンタエジェクタ」が管理装置の一部の構成を含んで構成される場合には、バッチ決定部、算出部、および記憶制御部のうちの少なくとも1つの部分が、管理装置の一部の構成により具現化される。
【0047】
請求項16に記載の具体的態様では、主レッジは、ホッパ部より下方に定められる所定の昇降レッジ位置まで下降する場合に、所定の昇降レッジ位置にて、下部コンベア部との間でバッチを保持し、駆動制御部は、シート枚数記憶部に記憶される積重シート枚数に従って定められる所定の昇降レッジ位置に主レッジが位置決めされるように、昇降駆動部を制御する。
【0048】
請求項17に記載の第4発明態様の製函機は、段ボールシートを順次供給し、所定の搬送方向に搬送する搬送装置と、印刷、溝切り、折り曲げ、および糊付けなどの種々の加工を段ボールシートに順次施す複数の加工装置と、加工された段ボールシートを積み重ねて多数のバッチを順次連続して形成するカウンタエジェクタと、各段ボールシートに施される加工が正常か、または、異常かを検査する少なくとも1つの検査装置と、を含む製函機において、連続して形成される多数のバッチのうちで形成順が先になる所定数のバッチについて、各バッチを形成するために積み重ねられる段ボールシートの積重シート枚数をそれぞれ記憶するシート枚数記憶部と、所定数のバッチのうちで、検査装置により検査される段ボールシートが含まれるバッチを決定するバッチ決定部と、バッチ決定部により決定されるバッチの積重シート枚数が、その決定されるバッチに含まれる異常な段ボールシートのシート枚数とオーダに従って指定されるオーダ指定シート枚数とを加算したシート枚数となるように、検査装置の検査結果に従って積重シート枚数を算出する算出部と、バッチ決定部により決定されるバッチについて、算出部により算出される積重シート枚数をシート枚数記憶部に記憶させる記憶制御部と、シート枚数記憶部に記憶される積重シート枚数に従って、カウンタエジェクタにバッチ形成動作を実行させるバッチ形成制御部と、を備える。第4発明態様では、記憶制御部は、所定数のバッチのうちで形成順が最も先になる1番目のバッチがカウンタエジェクタにより形成される度に、2番目以降の所定数のバッチを新たな所定数のバッチとして、その新たな所定数のバッチについて積重シート枚数がシート枚数記憶部に記憶されるようにシート枚数記憶部の記憶内容を更新する。
【0049】
請求項18に記載の具体的態様は、算出部により算出される積重シート枚数が予め定められる上限シート枚数を超える場合に、搬送装置の動作を停止させる搬送制御部を備える。
【0050】
本具体的態様では、搬送装置は、段ボールシートを供給する給紙ユニットと、給紙ユニットから供給される段ボールシートをカウンタエジェクタに向けて搬送する搬送機構とを含んで構成される。搬送制御部は、搬送装置において、少なくとも給紙ユニットの給紙動作を停止させる構成であればよい。
【0051】
第2乃至第4発明態様は、第1発明態様、および、その具体的態様と同様に、種々の構成で具現化される。
【発明の効果】
【0052】
請求項1に記載の第1発明態様のカウンタエジェクタ制御装置では、シート枚数記憶部が、連続して形成される多数のバッチのうちで形成順が先になる所定数のバッチについて、各バッチを形成するために積み重ねられる段ボールシートの積重シート枚数をそれぞれ記憶する。バッチ決定部が、所定数のバッチのうちで、検査装置により検査される段ボールシートが含まれるバッチを決定する。算出部が、バッチ決定部により決定されるバッチの積重シート枚数が、その決定されるバッチに含まれる異常な段ボールシートのシート枚数とオーダに従って指定されるオーダ指定シート枚数とを加算したシート枚数となるように、検査装置の検査結果に従って積重シート枚数を算出する。記憶制御部が、バッチ決定部により決定されるバッチについて、算出部により算出される積重シート枚数をシート枚数記憶部に記憶させる。記憶制御部が、所定数のバッチのうちで形成順が最も先になる1番目のバッチがカウンタエジェクタにより形成される度に、2番目以降の所定数のバッチを新たな所定数のバッチとして、その新たな所定数のバッチについて積重シート枚数がシート枚数記憶部に記憶されるようにシート枚数記憶部の記憶内容を更新する。この結果、バッチが異常な段ボールシートを含んで形成される場合でも、先のバッチの形成動作に支障を及ぼすことなく、各バッチの正常な段ボールシートがオーダ指定シート枚数となるように先のバッチに続く後続のバッチの積重シート枚数を確実に設定することができる。
【0053】
請求項2に記載の具体的態様では、計数部は、バッチ決定部により決定されるバッチについて、検査装置により正常と検査される段ボールシートのシート枚数がオーダ指定シート枚数に達するまでの間に、検査装置により異常と検査される段ボールシートのシート枚数を計数する。加算部は、計数部により計数される異常な段ボールシートのシート枚数と、オーダ指定シート枚数とを加算する。算出部は、加算部により加算された結果のシート枚数を、積重シート枚数として算出する。この結果、バッチ決定部により決定されるバッチについて、正常な段ボールシートをオーダ指定シート枚数だけ確実に確保するとともに、その決定されるバッチに含まれる異常な段ボールシートのシート枚数を正確に計数することができる。
【0054】
請求項3に記載の具体的態様では、シート枚数記憶部は、所定数のバッチにそれぞれ対応する所定数のシート枚数記憶領域を有する。バッチ決定部は、所定数のシート枚数記憶領域のうちで、積重シート枚数が記憶されていないシート枚数記憶領域を決定し、積重シート枚数が記憶されていないシート枚数記憶領域に対応するバッチのうちで形成順が最も先となるバッチを、検査装置により検査される段ボールシートが含まれるバッチとして決定する。この結果、所定数のバッチのうちで、検査装置により検査される段ボールシートが含まれるバッチを正確に決定することができる。
【0055】
請求項4に記載の具体的態様では、検査記憶部が、連続して搬送される多数の段ボールシートのうちで、段ボールシートが供給されるカウンタエジェクタの入口と検査装置との間に位置する各段ボールシートについて、検査装置が検査する検査結果を段ボールシートの搬送順に記憶する多数の検査記憶領域を有し、その多数の検査記憶領域の中に、検査装置に対応する検査記憶領域を含む。検査管理部が、検査装置により段ボールシートが異常と検査される場合に、検査装置に対応する検査記憶部の検査記憶領域に、異常を表す内容を記憶する。バッチ決定部が、検査装置により段ボールシートが異常であると検査される場合に、所定数のバッチのうちで、異常であると検査される段ボールシートが含まれるバッチを決定する。記憶制御部が、所定数のバッチについて、オーダ指定シート枚数をシート枚数記憶部にそれぞれ予め記憶させ、各段ボールシートがカウンタエジェクタに向けて供給される度に、検査記憶部の多数の検査記憶領域の記憶内容を更新する。算出部が、検査管理部により異常を表す内容が検査記憶部の検査記憶領域に記憶される場合に、バッチ決定部により決定されるバッチについて、シート枚数記憶部に記憶される積重シート枚数に1を加算して新たな積重シート枚数を算出する。この結果、多数の検査記憶領域が、カウンタエジェクタの入口と検査装置との間に位置する各段ボールシートについて、検査装置が検査する検査結果を段ボールシートの搬送順に記憶するとともに、記憶制御部が、各段ボールシートがカウンタエジェクタに向けて供給される度に、多数の検査記憶領域の記憶内容を更新することから、搬送されている各段ボールシートの検査結果を確実に搬送順に記憶して保持することができる。また、バッチ決定部は、更新される多数の検査記憶領域の記憶内容に従って、異常であると検査される段ボールシートが含まれるバッチを正確に決定することができる。
【0056】
請求項5に記載の具体的態様では、シート枚数記憶部が、所定数のバッチにそれぞれ対応する所定数のシート枚数記憶領域を有する。バッチ決定部が、所定数のバッチのうちで形成順が最も先となる1番目のバッチについてカウンタエジェクタにまだ供給されていない段ボールシートのシート枚数と、カウンタエジェクタの入口と検査装置との間に存在することができる段ボールシートのシート枚数と、2番目以降のバッチについてシート枚数記憶領域に記憶されるシート枚数とに基いて、検査装置により検査される段ボールシートが含まれるバッチを決定する。この結果、バッチ決定部は、検査装置により検査される段ボールシートが含まれるバッチを正確に決定することができる。
【0057】
請求項6に記載の具体的態様では、検査記憶部は、連続して搬送される多数の段ボールシートの各段ボールシートについて検査装置が検査する検査結果を記憶する。表示制御部は、カウンタエジェクタにより形成される各バッチについて、検査記憶部の記憶内容に従って、各バッチを形成する各段ボールシートの検査結果を段ボールシートの搬送順に表示装置に表示させる。この結果、作業者は、表示装置の表示内容に従って、各バッチに含まれる各段ボールシートの検査結果を正確に認識することができ、異常と検査された段ボールシートを容易に特定することができる。
【0058】
請求項7に記載の第2発明態様のカウンタエジェクタ制御装置は、検査記憶部が、連続して搬送される多数の段ボールシートの各段ボールシートについて複数の検査装置がそれぞれ検査する検査結果を記憶する。シート枚数記憶部が、連続して形成される多数のバッチのうちで形成順が先になる所定数のバッチについて、各バッチを形成するために積み重ねられる段ボールシートの積重シート枚数をそれぞれ記憶する。バッチ決定部が、所定数のバッチのうちのバッチであって、複数の検査装置のうちで搬送方向において少なくとも最も下流側に配置される検査装置により検査される段ボールシートが含まれるバッチを決定する。算出部が、バッチ決定部により決定されるバッチの積重シート枚数が、その決定されるバッチに含まれる異常な段ボールシートのシート枚数とオーダに従って指定されるオーダ指定シート枚数とを加算したシート枚数となるように、検査記憶部の記憶内容に従って積重シート枚数を算出する。記憶制御部が、バッチ決定部により決定されるバッチについて、算出部により算出される積重シート枚数をシート枚数記憶部に記憶させる。記憶制御部が、所定数のバッチのうちで形成順が最も先になる1番目のバッチがカウンタエジェクタにより形成される度に、2番目以降の所定数のバッチを新たな所定数のバッチとして、その新たな所定数のバッチについて積重シート枚数がシート枚数記憶部に記憶されるようにシート枚数記憶部の記憶内容を更新する。この結果、バッチが異常な段ボールシートを含んで形成される場合でも、先のバッチの形成動作に支障を及ぼすことなく、各バッチの正常な段ボールシートがオーダ指定シート枚数となるように先のバッチに続く後続のバッチの積重シート枚数を確実に設定することができる。また、最も下流側に配置される検査装置が段ボールシートを検査する時点において、最も下流側に配置される検査装置より下流側に位置する段ボールシートの検査結果が確定することから、バッチ決定部は、検査結果が確定した段ボールシートが含まれるバッチを決定することができる。更に、検査記憶部が、連続して搬送されている多数の段ボールシートの検査結果を確実に記憶することから、算出部は、確実に記憶された検査結果に従って積重シート枚数を正確に算出することができる。
【0059】
請求項8に記載の具体的態様では、検査記憶部が、連続して搬送される多数の段ボールシートの各段ボールシートについて複数の検査装置がそれぞれ検査する複数の検査結果を個別に記憶する複数の個別検査記憶部と、検査纏め記憶部と、を含む。検査決定部が、複数の個別検査記憶部に記憶される複数の検査結果に従って、連続して搬送される多数の段ボールシートの各段ボールシートが正常であるか、または、各段ボールシートについて少なくとも1つの異常が発生しているのかを決定する。検査纏め記憶部が、連続して搬送される多数の段ボールシートの各段ボールシートについて、検査決定部の決定結果を記憶する。算出部が、検査纏め記憶部の記憶内容に従って積重シート枚数を算出する。この結果、複数の個別検査記憶部は、連続して搬送されている多数の段ボールシートについて複数の検査装置がそれぞれ検査する複数の検査結果を確実に記憶することができる。確実に記憶される複数の検査結果に従って、検査決定部は、各段ボールシートが正常であるか、または、各段ボールシートについて少なくとも1つの異常が発生しているのかを正確に決定することができる。
【0060】
請求項9に記載の具体的態様では、複数の個別検査記憶部が、複数の検査装置にそれぞれ対応する。複数の検査装置のうちで搬送方向において最も上流側に配置される検査装置に対応する個別検査記憶部が、最も上流側に配置される検査装置と、最も下流側に配置される検査装置との間に存在することができる段ボールシートのシート枚数以上の多数の検査記憶領域を有する。最も上流側に配置される検査装置に対応する個別検査記憶部が、最も上流側に配置される検査装置により検査される各段ボールシートについて、多数の検査記憶領域の各検査記憶領域に検査結果を段ボールシートの搬送順に記憶する。この結果、最も上流側に配置される検査装置に対応する個別検査記憶部が、最も上流側に配置される検査装置と、最も下流側に配置される検査装置との間に存在することができる多数の段ボールシートについて、最も上流側に配置される検査装置が検査する多数の検査結果を確実に記憶することができる。
【0061】
請求項10に記載の具体的態様では、表示制御部が、カウンタエジェクタにより形成される各バッチについて、検査纏め記憶部の記憶内容に従って、各バッチを形成する各段ボールシートの検査結果を段ボールシートの搬送順に表示装置に表示させる。この結果、作業者は、表示装置の表示内容に従って、各バッチに含まれる各段ボールシートの検査結果を正確に認識することができ、異常と検査された段ボールシートを容易に特定することができる。
【0062】
請求項11に記載の具体的態様では、バッチ決定部が、複数の検査装置の各検査装置により段ボールシートが異常であると検査される場合に、異常であると検査される段ボールシートが含まれるバッチを決定する。検査記憶部が、連続して搬送される多数の段ボールシートのうちで、複数の検査装置のうちで最も上流側に配置される検査装置と、段ボールシートが供給されるカウンタエジェクタの入口との間に位置する各段ボールシートについて、複数の検査装置が検査する検査結果を、段ボールシートの搬送順に記憶する多数の検査記憶領域を有し、その多数の検査記憶領域の中に、複数の検査装置にそれぞれ対応する複数の特定の検査記憶領域を含む。記憶制御部が、所定数のバッチについて、オーダ指定シート枚数をシート枚数記憶部にそれぞれ予め記憶させ、各段ボールシートがカウンタエジェクタに向けて供給される度に、検査記憶部の多数の検査記憶領域の記憶内容を更新する。検査管理部が、複数の検査装置の各検査装置により段ボールシートが異常と検査される場合に、段ボールシートが異常と検査する検査装置に対応する特定の検査記憶領域に、すでに異常を表す内容が記憶されているか、または、正常を表す内容が記憶されているかを決定し、正常を表す内容が記憶されている場合に異常を表す内容に書き換え、すでに異常を表す内容が記憶されている場合に記憶内容を維持する。算出部が、検査記憶部の検査記憶領域が検査管理部により正常を表す内容から異常を表す内容に書き換えられる場合に、バッチ決定部により決定されるバッチについて、シート枚数記憶部に記憶されている積重シート枚数に1を加算して新たな積重シート枚数を算出する。この結果、多数の検査記憶領域が、最も上流側に配置される検査装置とカウンタエジェクタの入口との間に位置する各段ボールシートについて、複数の検査装置が検査する検査結果を段ボールシートの搬送順に記憶するとともに、記憶制御部が、各段ボールシートがカウンタエジェクタに向けて供給される度に、多数の検査記憶領域の記憶内容を更新することから、搬送されている各段ボールシートの検査結果を確実に搬送順に記憶して保持することができる。また、バッチ決定部は、更新される多数の検査記憶領域の記憶内容に従って、異常であると検査される段ボールシートが含まれるバッチを正確に決定することができる。
【0063】
請求項12に記載の具体的態様では、表示制御部が、カウンタエジェクタにより形成される各バッチについて、検査記憶部の多数の検査記憶領域の記憶内容に従って、各バッチを形成する各段ボールシートの検査結果を段ボールシートの搬送順に表示装置に表示させる。この結果、作業者は、表示装置の表示内容に従って、各バッチに含まれる各段ボールシートの検査結果を正確に認識することができ、異常と検査された段ボールシートを容易に特定することができる。
【0064】
請求項13に記載の具体的態様では、連続して形成される多数のバッチのうちで形成順が先になるバッチの所定数は、複数の検査装置のうちで搬送方向において少なくとも最も下流側に配置される検査装置と、段ボールシートが供給されるカウンタエジェクタの入口との間に存在することができる段ボールシートのシート枚数と、オーダ指定シート枚数とに基いて、決定される。この結果、所定数のバッチについて積重シート枚数をそれぞれ記憶するシート枚数記憶部の記憶領域を必要最低限の領域に抑えることができるとともに、記憶制御部の記憶制御を簡易にすることができる。
【0065】
請求項14に記載の具体的態様では、算出部により算出される積重シート枚数が予め定められる上限シート枚数を超える場合に、記憶制御部が、所定数のバッチのうちで、バッチ決定部により決定されるバッチと、形成順がその決定されるバッチより後になるバッチとについて、シート枚数記憶部に記憶される積重シート枚数を、上限シート枚数以下のシート枚数に変更する。バッチを形成する段ボールシートのシート枚数が上限シート枚数を超える場合は、多数の異常な段ボールシートがバッチに含まれ、製函機における加工に継続的に異常が発生している場合と考えられる。この結果、多数の異常な段ボールシートがバッチに含まれる場合に、シート枚数記憶部に記憶される積重シート枚数を上限シート枚数以下のシート枚数に変更することにより、カウンタエジェクタ内部での段ボールシートの紙詰まりなどの問題の発生を未然に防止することができる。
【0066】
請求項15に記載の第3発明態様のカウンタエジェクタでは、シート枚数記憶部が、連続して形成される多数のバッチのうちで形成順が先になる所定数のバッチについて、各バッチを形成するために積み重ねられる段ボールシートの積重シート枚数をそれぞれ記憶する。バッチ決定部が、所定数のバッチのうちで、検査装置により検査される段ボールシートが含まれるバッチを決定する。算出部が、バッチ決定部により決定されるバッチの積重シート枚数が、その決定されるバッチに含まれる異常な段ボールシートのシート枚数とオーダに従って指定されるオーダ指定シート枚数とを加算したシート枚数となるように、検査装置の検査結果に従って積重シート枚数を算出する。記憶制御部が、バッチ決定部により決定されるバッチについて、算出部により算出される積重シート枚数をシート枚数記憶部に記憶させる。記憶制御部が、所定数のバッチのうちで形成順が最も先になる1番目のバッチがカウンタエジェクタにより形成される度に、2番目以降の所定数のバッチを新たな所定数のバッチとして、その新たな所定数のバッチについて積重シート枚数がシート枚数記憶部に記憶されるようにシート枚数記憶部の記憶内容を更新する。駆動制御部が、シート枚数記憶部に記憶される積重シート枚数に従って定められる所定の昇降コンベア位置に上部コンベア部が位置決めされ、シート枚数記憶部に記憶される積重シート枚数に従って定められる所定の昇降テーブル位置にテーブルが位置決めされるように、昇降駆動部を制御する。この結果、バッチが異常な段ボールシートを含んで形成される場合でも、先のバッチの形成動作に支障を及ぼすことなく、各バッチの正常な段ボールシートがオーダ指定シート枚数となるように先のバッチに続く後続のバッチの積重シート枚数を確実に設定することができる。また、積重シート枚数に従って定められる所定の昇降コンベア位置に上部コンベア部が位置決めされ、積重シート枚数に従って定められる所定の昇降テーブル位置にテーブルが位置決めされることから、バッチが異常な段ボールシートを含んで形成される場合でも、各バッチを確実に形成することができる。
【0067】
請求項16に記載の具体的態様では、主レッジが、ホッパ部より下方に定められる所定の昇降レッジ位置まで下降する場合に、所定の昇降レッジ位置にて、下部コンベア部との間でバッチを保持する。駆動制御部が、シート枚数記憶部に記憶される積重シート枚数に従って定められる所定の昇降レッジ位置に主レッジが位置決めされるように、昇降駆動部を制御する。この結果、バッチが異常な段ボールシートを含んで形成され、バッチの積重シート枚数が変化する場合でも、主レッジは、下部コンベア部との間でバッチを確実に保持することができる。
【0068】
請求項17に記載の第4発明態様の製函機では、シート枚数記憶部が、連続して形成される多数のバッチのうちで形成順が先になる所定数のバッチについて、各バッチを形成するために積み重ねられる段ボールシートの積重シート枚数をそれぞれ記憶する。バッチ決定部が、所定数のバッチのうちで、検査装置により検査される段ボールシートが含まれるバッチを決定する。算出部が、バッチ決定部により決定されるバッチの積重シート枚数が、その決定されるバッチに含まれる異常な段ボールシートのシート枚数とオーダに従って指定されるオーダ指定シート枚数とを加算したシート枚数となるように、検査装置の検査結果に従って積重シート枚数を算出する。記憶制御部が、バッチ決定部により決定されるバッチについて、算出部により算出される積重シート枚数をシート枚数記憶部に記憶させる。記憶制御部が、所定数のバッチのうちで形成順が最も先になる1番目のバッチがカウンタエジェクタにより形成される度に、2番目以降の所定数のバッチを新たな所定数のバッチとして、その新たな所定数のバッチについて積重シート枚数がシート枚数記憶部に記憶されるようにシート枚数記憶部の記憶内容を更新する。この結果、バッチが異常な段ボールシートを含んで形成される場合でも、先のバッチの形成動作に支障を及ぼすことなく、各バッチの正常な段ボールシートがオーダ指定シート枚数となるように先のバッチに続く後続のバッチの積重シート枚数を確実に設定することができる。
【0069】
請求項18に記載の具体的態様では、搬送制御部が、算出部により算出される積重シート枚数が予め定められる上限シート枚数を超える場合に、搬送装置の動作を停止させる。バッチを形成する段ボールシートのシート枚数が上限シート枚数を超える場合は、多数の異常な段ボールシートがバッチに含まれ、製函機における加工に継続的に異常が発生している場合と考えられる。この結果、多数の異常な段ボールシートがバッチに含まれる場合に、搬送装置の動作を停止させることにより、段ボールシートの搬送を停止して無駄になる段ボールシートの発生を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
図1】本発明の第1実施形態である製函機1の全体構成を示す正面図である。
図2】カウンタエジェクタ6の全体構成を示す正面図である。
図3】上部コンベア67の詳細な構成を示す正面図である。
図4】製函機1の電気的構成を示すブロック図である。
図5】作業メモリ221の記憶内容を示す説明図である。
図6】作業メモリ221の検査メモリ部MA~MCおよび統合メモリ部MPと、3つの検査器EA~ECとの動作的関係を示す説明図である。
図7】電源投入後における初期設定管理を示すフローチャートである。
図8】オーダ生産開始後における結束枚数の設定管理を示すフローチャートである。
図9】オーダ生産開始後におけるバッチ形成順の決定管理を示すフローチャートである。
図10】表示部240の表示画面を示す説明図である。
図11】段ボールシートBSが積み重ねられてバッチBT1が形成される途中である状態を示す説明図である。
図12図12は、先のバッチBT1の形成が完了した後に、次のバッチBT2が形成される途中である状態を示す説明図である。
図13】先のバッチBT1が上流側下部コンベア66Aにより送出方向TDに搬送される状態を示す説明図である。
図14】先のバッチBT1がテーブル65Aの上面から送出された直後の状態を示す説明図である。
図15】先のバッチBT1が上流側下部コンベア66Aから送り出されて下流側下部コンベア66Bの右端部分に到達した状態を示す説明図である。
図16】先のバッチBT1が下流側下部コンベア66Bの左端部分から搬送コンベア7に送り出された直後の状態を示す説明図である。
図17】本発明の第2実施形態である製函機1の電気的構成における作業メモリ421の記憶内容を示す説明図である。
図18】3つの検査器EA~ECと、作業メモリ421の追跡メモリ部MS1およびシート順メモリ部MS2と、表示バッファメモリ部MHとの動作的関係を示す説明図である。
図19】電源投入後における初期設定管理を示すフローチャートである。
図20】オーダ生産開始後における結束枚数の設定管理を示すフローチャートである。
図21】オーダ生産開始後におけるバッチ形成順の決定管理を示すフローチャートである。
図22】オーダ生産開始後における追跡メモリ部MS1の記憶管理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0071】
<第1実施形態>
以下に、本発明の第1実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態である製函機1の全体構成を示す。図1において矢印で示される2つの方向を、互いに直交する上下方向、および左右方向として示し、図2以降の図面においても、同様に、各方向を示す。製函機1は、シート給紙装置2と、印刷装置3と、クリーザスロッタ4と、フォルダグルア5と、カウンタエジェクタ6と、搬送コンベア7と、結束機8とを備える。
【0072】
[製函機1の概略構成]
製函機1の概略構成について、図1を参照して説明する。シート給紙装置2は、テーブル20を備え、多数の段ボールシートSHがテーブル20上に積載される。シート給送装置2は、多数の給紙ローラと、昇降運動可能なグレイトと、一対のフィードロール21、22とを備える。グレイトが多数の給紙ローラより下降したときに、多数の給紙ローラが、多数の段ボールシートSHのうち最も下側にある段ボールシートSHに接触することで、段ボールシートSHを1枚ずつ両フィードロール21、22に送出する。両フィードロール21、22は、段ボールシートSHを1枚ずつ印刷装置3に給送する。両フィードロール21、22は、製函機1の主駆動モータに連結されて駆動される。
【0073】
印刷装置3は、2つの印刷ユニット30、31を備える。各印刷ユニットは、印刷シリンダと、異なる色のインキングロールとを備える。印刷装置3は、両印刷ユニット30、31により、段ボールシートSHに2色の印刷を施して、この印刷された段ボールシートSHをクリーザスロッタ4に供給する。クリーザスロッタ4は、罫線加工を施す罫線ロール40と、溝切り加工を施すスロッタ41とを備える。クリーザスロッタ4は、罫線ロール40およびスロッタ41により、段ボールシートSHに罫線および溝切り加工を施し、継ぎ代を形成し、これらの加工が施された段ボールシートSHをフォルダグルア5に供給する。
【0074】
フォルダグルア5は、段ボールシートSHを移動させながら、継ぎ代に糊を塗布し、罫線等に沿って折り曲げて接着する。フォルダグルア5は、段ボールシートSHの搬送方向に沿ってガイドレール50を備える。環状の搬送ベルト51が、ガイドレール50の上方に、循環移動可能に設けられる。糊付装置52、折り畳みバー53、および折り畳みベルト54が、ガイドレール50および搬送ベルト51に沿って配設される。フォルダグルア5は、罫線および継ぎ代が形成された段ボールシートSHを、ガイドレール50および搬送ベルト51により支持して移動させる。段ボールシートSHの移動中に、フォルダグルア5は、糊付装置52により継ぎ代に糊を塗布し、折り畳みバー53により段ボールシートSHを折り畳む。さらに、フォルダグルア5は、折り曲げられた段ボールシートSHを、折り畳みベルト54により折り畳み、継ぎ代を接着することで、折り畳まれた状態の箱状の段ボールシートBSを形成する。フォルダグルア5は、一対の出口ロール55A、55Bから、箱状の段ボールシートBSを、カウンタエジェクタ6に供給する。フォルダグルア5は、マーキングガン56を備える。マーキングガン56は、段ボールシートBSに所定のマークを印刷するために、インクを段ボールシートBSに噴射する。そのインクは、噴射から一定時間経過すると消える性質を有する。本実施形態では、段ボールシートの加工状況が異常な状況であると判断される場合に、マーキングガン56は不良品の段ボールシートBSにインクを噴射する。
【0075】
カウンタエジェクタ6は、フォルダグルア5から供給される箱状の段ボールシートBSを計数し、所定のシート枚数である結束枚数のバッチBTを形成し、下部コンベア66によりバッチBTを搬送コンベア7に向けて送出する。図1に示すカウンタエジェクタ6においては、1個のバッチBT1が、カウンタエジェクタ6により形成され、カウンタエジェクタ6の内部に滞留するバッチである。カウンタエジェクタ6の詳細な構成は後述する。搬送コンベア7は、複数のコンベアを含み、カウンタエジェクタ6から送出されるバッチBTを受け取り、そのバッチBTを結束機8に搬送する。本実施形態では、図1に示すように、搬送コンベア7は、2つのコンベアを含み、それらのコンベアの上に間隔をあけて4個のバッチBT21~BT24を載せることができる。結束機8は、搬送コンベア7により搬送されるバッチBTを束ねる。結束機8は、搬送される各バッチの結束枚数がオーダに従う結束枚数であるのか否かを検査してその検査結果を報知する機能を有する。
【0076】
[カウンタエジェクタ6の詳細な構成]
カウンタエジェクタ6の詳細な構成について、図2を参照して説明する。図2は、カウンタエジェクタ6の全体構成を示す。図2において、カウンタエジェクタ6は、前当板61と、矯正板62と、主レッジ63と、一対の補助レッジ64A、64Bと、エレベータ65と、下部コンベア66と、上部コンベア67とを備える。
【0077】
前当板61は、一対の出口ロール55A、55Bにより所定の搬送方向FDに搬送されて供給される段ボールシートBSの先端部に当接するように配置される。ネジ軸100が、左右方向に水平な状態でカウンタエジェクタ6のフレームにより回転可能に支持される。ネジ軸100は、前当板駆動モータ101の出力軸に連結される。前当板61は、ネジ軸100に螺合する。前当板61は、前当板駆動モータ101の回転方向および回転量に応じて、左右方向に変位する。前当板61は、矯正板62との間隔が、段ボールシートBSの搬送方向FDの寸法に応じた間隔となるように位置決めされる。
【0078】
矯正板62は、一対の出口ロール55A、55Bに近接して位置し、段ボールシートBSの後端部に当接するように配置される。段ボールシートBSは、前当板61および矯正板62などにより画定される収容空間を有するホッパ部の内部に積載される。矯正板62は、積載された段ボールシートBSのシート端部を整列させるために、公知の矯正運動を行う。
【0079】
主レッジ63は、L字形状を有し、水平延出部分63Aと、垂直起立部分63Bとを備える。駆動プーリ102および従動プーリ103が、カウンタエジェクタ6のフレームにより回転可能に支持される。レッジ駆動ベルト104が、駆動プーリ102と従動プーリ103との間に、左右方向に水平な状態で架設される。駆動プーリ102は、レッジ変位モータ105の出力軸に連結される。ガイドレール106が、レッジ駆動ベルト104に近接して、カウンタエジェクタ6のフレームにより水平に支持される。レッジ支持体107が、左右方向に移動可能にガイドレール106により支持される。レッジ支持体107は、レッジ駆動ベルト104に固定される。レッジ昇降モータ108が、レッジ支持体107上に固定される。ピニオン109が、レッジ昇降モータ108の出力軸に固定される。ラック110が、主レッジ63の垂直起立部分63Bに固定される。ラック110は、ピニオン109と噛み合う。主レッジ63の垂直起立部分63Bは、レッジ支持体107に設けられた支持機構により上下動可能に支持される。主レッジ63は、レッジ変位モータ105の回転方向および回転量に応じて、左右方向に位置決めされ、レッジ昇降モータ108の回転方向および回転量に応じて、上下方向に位置決めされる。
【0080】
補助レッジ64Aは、前当板61に対して左右方向に進退可能に配置される。補助レッジ64Bは、矯正板62に対して左右方向に進退可能に配置される。両補助レッジ64A、64Bは、互いに接近する方向に移動して段ボールシートBSの下面を支持し、互いに離れる方向に移動して段ボールシートBSをエレベータ65に引き渡す。両補助レッジ64A、64Bは、図4に示すレッジ駆動シリンダ111に公知の連結機構を介して連結され、レッジ駆動シリンダ111の作動により進退動作を行う。
【0081】
エレベータ65は、テーブル65Aを備え、テーブル65Aの下部に支持棒65Bを備える。テーブル65Aは、製函機1が生産することが可能な最大寸法の段ボールシートを載置することができる大きさを有する。駆動プーリ112および従動プーリ113が、カウンタエジェクタ6のフレームにより回転可能に支持される。エレベータ駆動ベルト114が、駆動プーリ112と従動プーリ113との間に、左右方向に水平な状態で架設される。駆動プーリ112は、テーブル変位モータ115の出力軸に連結される。ガイドレール116が、エレベータ駆動ベルト114に近接して、カウンタエジェクタ6のフレームにより水平に支持される。エレベータ支持体117が、左右方向に移動可能にガイドレール116により支持される。エレベータ支持体117は、エレベータ駆動ベルト114に固定される。テーブル昇降モータ118が、エレベータ支持体117上に固定される。ピニオン119が、テーブル昇降モータ118の出力軸に固定される。ラック120が、エレベータ65の支持棒65Bに固定される。ラック120は、ピニオン119と噛み合う。エレベータ65の支持棒65Bは、エレベータ支持体117に設けられた支持機構により上下動可能に支持される。エレベータ65は、テーブル変位モータ115の回転方向および回転量に応じて、左右方向に位置決めされ、テーブル昇降モータ118の回転方向および回転量に応じて、上下方向に位置決めされる。
【0082】
[下部コンベア66および上部コンベア67の詳細な構成]
下部コンベア66および上部コンベア67の詳細な構成について、図2および図3を参照して説明する。図3は、上部コンベア67のみの詳細な構成を示す。下部コンベア66は、上流側下部コンベア66Aと、下流側下部コンベア66Bとを含む。上流側下部コンベア66Aは、駆動プ-リ121と、従動プーリ122と、コンベア駆動ベルト123と、上流側コンベア駆動モータ124とを備える。駆動プーリ121および従動プーリ122が、カウンタエジェクタ6のフレームにより回転可能に支持される。コンベア駆動ベルト123が、駆動プーリ121と従動プーリ122との間に、左右方向に水平な状態で架設される。駆動プーリ121は、上流側コンベア駆動モータ124の出力軸に連結される。下流側下部コンベア66Bは、駆動プ-リ125と、従動プーリ126と、コンベア駆動ベルト127と、下流側コンベア駆動モータ128とを備える。駆動プーリ125および従動プーリ126が、カウンタエジェクタ6のフレームにより回転可能に支持される。コンベア駆動ベルト127が、駆動プーリ125と従動プーリ126との間に、左右方向に水平な状態で架設される。駆動プーリ125は、下流側コンベア駆動モータ128の出力軸に連結される。
【0083】
上部コンベア67は、上流側上部コンベア67Aと、下流側上部コンベア67Bとを含む。上流側上部コンベア67Aは、上流側下部コンベア66Aの上方に間隔をあけて配置される。上流側上部コンベア67Aは、上流側下部コンベア66Aと対向する下面に、多数の回転自在のローラを備える。図3において、上流側コンベア昇降モータ129が、前当板61を支持するとともに左右方向に変位可能なフレームに固定される。駆動プーリ130が、上流側コンベア昇降モータ129の出力軸に固定される。連結ワイヤ131の上端部が、駆動プーリ130に固定されて駆動プーリ130に巻き付けられる。連結ワイヤ131の下端部が、上流側上部コンベア67Aの右端部に固定される。
【0084】
下流側上部コンベア67Bは、下流側下部コンベア66Bの上方に間隔をあけて配置される。下流側上部コンベア67Bは、下流側下部コンベア66Bと対向する下面に、多数の回転自在のローラを備える。図3において、下流側コンベア昇降モータ132が、カウンタエジェクタ6のフレームに固定される。駆動プーリ133が、下流側コンベア昇降モータ132の出力軸に固定される。上流側プーリ134が、下流側上部コンベア67Bの右端部に近接する位置に回転可能に配置され、下流側プーリ135が、下流側上部コンベア67Bの左端部に近接する位置に回転可能に配置される。連結ワイヤ136の一端部が、カウンタエジェクタ6のフレームに固定される。連結ワイヤ136の他端部が、駆動プーリ133に固定されて駆動プーリ133に巻き付けられる。連結ワイヤ136は、上流側プーリ134および下流側プーリ135を介して、駆動プーリ133とカウンタエジェクタ6のフレームとの間に張設される。
【0085】
図3において、上流側上部コンベア67Aの左方部分が、下流側上部コンベア67Bの右方部分から下流側上部コンベア67Bの内部に収納されるように、上流側上部コンベア67Aおよび下流側上部コンベア67Bは構成される。また、上流側上部コンベア67Aは、下流側上部コンベア67Bの右端部の周りに僅かな角度だけ上下方向に傾動するように、上流側上部コンベア67Aと下流側上部コンベア67Bとは、互いに組付けられる。上流側コンベア昇降モータ129と、下流側コンベア昇降モータ132とが、連結ワイヤ131、136を巻き取る方向または送り出す方向に、同時に回転する場合に、上流側上部コンベア67Aと、下流側上部コンベア67Bとは、両コンベア昇降モータ129、132の回転方向および回転量に応じて、同時に昇降されて位置決めされる。上流側コンベア昇降モータ129のみが、連結ワイヤ131を巻き取る方向または送り出す方向に回転する場合に、上流側上部コンベア67Aは、上流側コンベア昇降モータ129の回転方向および回転量に応じて、下流側上部コンベア67Bに対して上下方向に傾斜されて位置決めされる。
【0086】
上流側下部コンベア66A、および下流側下部コンバア66Bは、コンベア駆動モータ124、128の回転により、上流側上部コンベア67A、および下流側上部コンベア67Bとそれぞれ協働して、搬送コンベア7に向かってバッチBTを所定の送出方向TDに送り出す。所定の送出方向TDは、所定の搬送方向FDと平行であって、前当板61が矯正板62から離れる方向と同じ方向である。
【0087】
[検査器および検出器の詳細な構成]
製函機1に配置される種々の検査器および検出器について、図1および図2を参照して説明する。たとえば、段ボールシートの加工品質を検査するために使用される検査器として、印刷検査器EA、送り検査器EB、および糊付検査器ECが備えられる。カウンタエジェクタ6に供給される段ボールシートBS、およびカウンタエジェクタ6の内部で搬送されるバッチBTを検出するために使用される検出器として、シート検出器SD、上流側バッチ検出器BD1、下流側バッチ検出器BD2、および送出側バッチ検出器BD3が備えられる。
【0088】
印刷検査器EAは、印刷装置3とクリーザスロッタ4との間に配置される。印刷検査器EAは、印刷装置3により印刷される段ボールシートSHの印刷画像の品質を検査するために、その印刷画像を撮像するイメージセンサを含む。送り検査器EBは、クリーザスロッタ4の罫線ロール40とスロッタ41との間に配置される。送り検査器EBは、溝切り位置などの加工に影響する段ボールシートSHの送り誤差を検査するために、搬送される段ボールシートSHの先端部を検出する光学センサを含む。糊付検査器ECは、フォルダグルア5の糊付装置52のすぐ下流側に配置される。糊付検査器ECは、糊付装置52により塗布される糊の塗布状況を検査するために、段ボールシートSHの継ぎ代に塗布される糊の塗布状況を撮像するイメージセンサを含む。
【0089】
シート検出器SDは、一対の出口ロール55A、55Bのすぐ上流側の位置に配置される。シート検出器SDは、フォルダグルア5から搬送される段ボールシートBSの枚数を計数するために、一対の出口ロール55A、55Bに向かって搬送される段ボールシートBSの先端部を検出する光学センサを含む。図2において、上流側バッチ検出器BD1は、コンベア駆動ベルト123の上方側のベルト部分よりも下方の位置であって、左右方向においてテーブル65Aの左端部に近接する位置で、エレベータ65のフレームに配置される。上流側バッチ検出器BD1は、上下方向においては所定の固定位置に保持されるが、左右方向においてはテーブル65Aとともに移動可能である。上流側バッチ検出器BD1は、テーブル65AからバッチBTが左方に送り出されたことを検出するために、図2においてバッチBTの右端部の通過を検出する光学センサを含む。図2において、下流側バッチ検出器BD2は、コンベア駆動ベルト123の上方側のベルト部分よりも上方の位置であって駆動プーリ121に近接する位置に配置される。下流側バッチ検出器BD2は、上流側下部コンベア66Aにより搬送されるバッチBTの右端部の通過を検出する光学センサを含む。送出側バッチ検出器BD3は、コンベア駆動ベルト127の上方側のベルト部分よりも上方の位置であって従動プーリ126に近接する位置に配置される。送出側バッチ検出器BD3は、下流側下部コンベア66Bにより搬送されるバッチBTの左右両端部の通過を検出する光学センサを含む。
【0090】
[製函機1の電気的構成]
第1実施形態の製函機1の電気的構成について、図4を参照して説明する。図4は、製函機1の電気的構成を示すブロック図である。図4において、管理装置200は、連続する複数のオーダに従う製函機1の動作全体を管理する。管理装置200は、給紙制御部210、印刷制御部211、クリーザスロッタ制御部212、フォルダグルア制御部213、カウンタエジェクタ制御部214、および表示制御部215にそれぞれ接続され、これらの制御部に制御指令をそれぞれ送信する。管理装置200は、プログラムメモリ220、作業メモリ221、操作部222、印刷検査器EA、送り検査器EB、および糊付検査器ECにそれぞれ接続される。管理装置200は、1つのバッチBTの結束枚数を決定するために、そのバッチBTに含まれる良品と判断される段ボールシートBSの数を計数する良品カウンタ230と、そのバッチBTに含まれる不良品と判断される段ボールシートBSの数を計数する不良品カウンタ231とを内部に備える。
【0091】
給紙制御部210は、シート給紙装置2における給紙ローラの回転およびグレイトの昇降運動を制御し、管理装置200からの給紙開始指令に従って、シート給紙装置2に給紙動作を開始させ、管理装置200からの給紙停止指令に従って、シート給紙装置2に給紙動作を停止させる。給紙停止動作は、グレイトが給紙ローラより上昇した位置で、昇降運動を停止することにより実行される。給紙制御部210は、後述の印刷シリンダの1回転に相当する所定の1周期において予め定められる基準回転位相で、1枚の段ボールシートSHを供給する1回の給紙動作が開始されるように、シート給紙装置2の給紙タイミングを制御する。印刷制御部211は、印刷装置3における印刷ユニット30、31の各印刷ユニットの印刷シリンダの回転などの動作を制御する。クリーザスロッタ制御部212は、クリーザスロッタ4における罫線ロール40およびスロッタ41の回転を制御する。フォルダグルア制御部213は、フォルダグルア5における糊付装置52およびマーキングガン56の動作を含むフォルダグルア5の動作全体を制御し、不良品の段ボールシートを識別するために管理装置200からマーキング指令を受信すると、マーキングガン56を動作させる。なお、カウンタエジェクタ制御部214の詳細な構成については、後述する。
【0092】
表示制御部215は、表示部240の動作を制御し、段ボールシートBSの加工状況を表す情報と各種のタッチ操作ボタンとを表示部240に表示させる。表示制御部215は、編集メモリ241を内部に備え、管理装置200から受信する情報を編集して編集メモリ241に記憶させる。本実施形態では、表示編集メモリ241は、図1において、カウンタエジェクタ6によって形成済みのバッチであってカウンタエジェクタ6の内部に滞留するバッチBT1と、カウンタエジェクタ6から送出されたバッチBT21~BT24とについて、各バッチの段ボールシートBSの加工状況に関する情報を、バッチが形成された順番に記憶する。結束機8に供給されたバッチについては、段ボールシートBSの加工状況に関する情報は、表示編集メモリ241から削除される。タッチ操作ボタンとして、不良品の段ボールシートBSを含むバッチBTに関する情報を表示するためにタッチ操作される不良追跡ボタン、バッチBTを形成する段ボールシートBSの加工状況を確認したときにタッチ操作される確認ボタンなどが、表示部240に表示される。
【0093】
管理装置200は、製函機1においてシート給紙装置2からフォルダグルア5まで段ボールシートSHを搬送するために一対のフィードロール21、22などの多数の搬送ロールを含む搬送機構、搬送コンベア7、および結束機8をそれぞれ制御する図示しない制御部にも接続される。搬送機構は、製函機1の主駆動モータにより駆動される。
【0094】
プログラムメモリ220は、書き換え可能な不揮発性メモリから構成され、製函機1の動作全体を制御するメインルーチンプログラム、サブルーチンプログラム、連続する複数のオーダに関係する情報、および各種の設定値を記憶する。サブルーチンプログラムとして、後述する図7に示す電源投入後における初期設定管理に関するプログラム、図8に示すオーダ生産開始後における結束枚数の設定管理に関するプログラム、および、図9に示すオーダ生産開始後におけるバッチ形成順の決定管理に関するプログラムが、プログラムメモリ220にそれぞれ記憶される。設定値として、カウンタエジェクタ6が形成することが可能なバッチBTの結束枚数の上限枚数、下流側バッチ検出器BD2から下流側上部コンベア67Bの右端部までの距離に相当する所定のパルス数、および、後述する図6に示す位置P4から位置P5までの間に存在することができる段ボールシートのシート枚数などの設定値が、プログラムメモリ220にそれぞれ記憶される。オーダに関係する情報として、オーダ指定結束枚数などの情報が、プログラムメモリ220に記憶される。本実施形態では、上限枚数は、カウンタエジェクタ6が形成することが可能なバッチBTの最大の結束枚数から所定の余裕枚数を差し引いた枚数に設定される。
【0095】
作業メモリ221は、管理装置1の管理結果、3つの検査器EA~ECからの検査結果、および、操作部222からの操作情報を一時的に記憶する。作業メモリ221は、図5の(A)に示すように、多数のメモリ部を有する。多数のメモリ部のうちで検査に関係するメモリ部として、印刷検査メモリ部MA、送り検査メモリ部MB、糊付検査メモリ部MC、および、統合メモリ部MPが備えられる。多数のメモリ部のうちで、所定数であるN個のバッチに関係するメモリ部として、1番目バッチメモリ部MG1、2番目バッチメモリ部MG2、および、3番目バッチメモリ部MG3など、N個のバッチの各バッチに関係するメモリ部が備えられ、N番目のバッチに関係するメモリ部が、N番目バッチメモリ部MGNである。多数のメモリ部のうちで表示に関係するメモリ部として、表示バッファメモリ部MHが備えられる。なお、作業メモリ221の詳細な記憶内容については、後述する。
【0096】
操作部222は、製函機1の電源スイッチ、主モータスイッチ、および、連続給紙スイッチなどの操作スイッチと、操作パネルとを含む。主モータスイッチは、製函機1の主駆動モータの回転を開始させるために操作される。連続給紙スイッチは、連続する給紙動作をシート給紙装置2に開始させるために操作される。主モータスイッチがオン操作されるとともに、連続給紙スイッチがオン操作されることにより、オーダに従う生産動作が開始される。操作パネルは、プログラムメモリ220に記憶されるオーダに関係する情報、および、設定値などを変更するために操作される。
【0097】
[カウンタエジェクタ制御部214の詳細な構成]
カウンタエジェクタ制御部214の詳細な構成について、図4を参照して説明する。カウンタエジェクタ制御部214は、シート検出器SD、上流側バッチ検出器BD1、下流側バッチ検出器BD2、および、送出側バッチ検出器BD3にそれぞれ接続され、これらの検出器からの検出結果と、管理装置200からの制御指令とに従って、各種のモータの回転、およびエアシリンダの作動を制御する。各種のモータおよびエアシリンダとして、カウンタエジェクタ制御部214は、前当板駆動モータ101、レッジ変位モータ105、レッジ昇降モータ108、レッジ駆動シリンダ111、テーブル変位モータ115、テーブル昇降モータ118、上流側コンベア駆動モータ124、下流側コンベア駆動モータ128、上流側コンベア昇降モータ129、および、下流側コンベア昇降モータ132にそれぞれ接続される。本実施形態では、前当板駆動モータ101、レッジ変位モータ105、レッジ昇降モータ108、テーブル変位モータ115、テーブル昇降モータ118、上流側コンベア昇降モータ129、および、下流側コンベア昇降モータ132は、各モータの回転方向および回転量を表す回転検出信号を発生する回転検出器を内蔵する。各回転検出器からの回転検出信号は、カウンタエジェクタ制御部214に送信される。また、上流側コンベア駆動モータ124、および、下流側コンベア駆動モータ128は、各モータの回転量を表す回転パルス信号を発生する回転検出器を内蔵する。各回転検出器からの回転パルス信号は、カウンタエジェクタ制御部214に送信される。
【0098】
カウンタエジェクタ制御部214は、シートカウンタ250と、パルスカウンタ251とを内部に備える。シートカウンタ250は、各バッチBTを形成するために出口ロール55A、55Bによりカウンタエジェクタ6に供給される段ボールシートBSの枚数を計数する。カウンタエジェクタ制御部214は、段ボールシートBSの先端部を検出する検出信号をシート検出器SDから受信するときに、シートカウンタ250の計数内容であるシートカウント枚数に「1」を加算する。パルスカウンタ251は、上流側コンベア駆動モータ124が内蔵する回転検出器からのパルス信号を計数する。カウンタエジェクタ制御部214は、図2において下流側バッチ検出器BD2がバッチBTの右端部の通過を検出するときに、パルスカウンタ251に計数動作を開始させ、パルスカウンタ251の計数内容が設定値である所定のパルス数に達するときに、パルスカウンタ251に計数動作を停止させてパルスカウンタ251をリセットする。
【0099】
[作業メモリ221の詳細な記憶内容]
作業メモリ221の詳細な記憶内容について、図5および図6を参照して説明する。図5の(A)は、作業メモリ221の記憶内容全体を示し、図5の(B)は、バッチメモリ部MG1~MGN、および表示バッファメモリ部MHの具体的な記憶内容を示す。図6は、検査器EA~ECと、検査メモリ部MA~MC、および統合メモリ部MPとの動作的関係を示す。
【0100】
図5の(B)において、バッチメモリ部MG1~MGNは、所定数であるN個のバッチにそれぞれ対応して備えられ、バッチ形成順、結束枚数、シート順番、およびフラグを表す情報を記憶する。バッチ形成順の「1」は、カウンタエジェクタ6により現在形成されているバッチ、または、カウンタエジェクタ6により最初に形成される予定のバッチであり、1番目バッチを表す番号である。バッチ形成順の「2」は、1番目バッチの次に形成される予定のバッチであり、2番目バッチを表す番号である。バッチ形成順の「N」は、所定数のバッチのうちで、最後に形成される予定のバッチであり、N番目バッチを表す番号である。結束枚数は、各バッチを形成する段ボールシートBSの枚数であり、良品の段ボールシートBSの枚数と、不良品の段ボールシートBSの枚数との合計枚数を表す。たとえば、図5の(B)に示す具体例においては、オーダに従って指定されるバッチの結束枚数、すなわちオーダ指定結束枚数は、10枚を表す「10」に設定される。1番目バッチの結束枚数として、12枚を表す「12」の数値が記憶され、2番目バッチの結束枚数として、オーダ指定結束枚数と同じ枚数を表す「10」の数値が記憶され、3番目バッチの結束枚数として、0枚を表す「0」の数値が記憶される。結束枚数としての「0」の数値は、まだ結束枚数が決定されていない段階での数値である。1番目バッチの結束枚数として、「12」が記憶されているので、オーダ指定結束枚数より多い枚数である2枚は、不良品の段ボールシートBSの枚数である。
【0101】
図5の(B)に示すバッチメモリ部MG1~MGNのメモリ部の数、すなわち「N」の数値は、後述の位置P4から位置P5までの間に存在することができる段ボールシートのシート枚数を、オーダ指定結束枚数で割り算した結果の整数値に相当する数値に設定される。位置P4から位置P5までの間に存在することができる段ボールシートのシート枚数は、位置P4から位置P5までの距離を、各印刷ユニットの印刷シリンダの周長で割り算した結果の整数値に相当する数値である。
【0102】
図5の(B)において、シート順番は、各バッチを形成する複数の段ボールシートBSの各段ボールシートBSについて、良品であるのかまたは不良品であるのかを表す情報である。たとえば、1番目バッチを形成する12枚の段ボールシートBSについて、1番目バッチを形成する1番目の段ボールシートBSに関係する情報が、図5の(B)においてシート順番の欄の右端の1番目のマスに、数値「1」として記憶され、2番目の段ボールシートBSに関係する情報が、1番目のマスの左側の2番目のマスに、記憶される。シート順番の欄のマスの数は、カウンタエジェクタ6が形成することができるバッチBTの結束枚数の上限枚数に、所定の余裕枚数を加えた枚数に相当する数値に設定される。シート順番の欄において、数値「1」は、段ボールシートBSの加工状況が正常である良品であることを表し、数値「2」は、段ボールシートBSの加工状況が異常である不良品であることを表し、数値「0」は、段ボールシートBSの加工状況について決定されていないことを表す。フラグは、結束枚数の決定状況を表す情報である。フラグの数値「1」は、結束枚数が決定されたことを表し、「フラグ」の数値「0」は、結束枚数がまだ決定されていないことを表す。
【0103】
カウンタエジェクタ6が1番目バッチBTの形成を完了するときに、1番目バッチメモリ部MG1のシート順番の欄に記憶されている情報が、表示バッファメモリ部MHに転送されて記憶される。管理装置200は、1番目バッチBTの形成完了に同期して、表示バッファメモリ部MHから記憶内容を読み出して表示制御部215に送信する。表示制御部215は、送信された情報を表示編集メモリ241に書き込む。
【0104】
図6において、位置P1は、段ボールシートSHが送出されるシート給紙装置2の出口の位置を表す。位置P2~P4は、印刷検査器EA、送り検査器EB、および糊付検査器ECがそれぞれ配置される位置であって、各検査器が段ボールシートを検査する際にその段ボールシートの先端部、すなわち図1に示す段ボールシートの左端部が位置する位置をそれぞれ表す。位置P5は、シート検出器SDが配置される位置であって、段ボールシートBSが供給されるカウンタエジェクタ6の入口の位置を表す。位置P6は、カウンタエジェクタ6からバッチBTが送出される出口の位置、具体的には、図2において下流側下部コンベア66Bの左端部の位置を表す。
【0105】
図6において、印刷検査メモリ部MA、送り検査メモリ部MB、および糊付検査メモリ部MCは、印刷検査器EA、送り検査器EB、および糊付検査器ECにそれぞれ対応して備えられる。印刷検査メモリ部MA、送り検査メモリ部MB、および糊付検査メモリ部MCの各検査メモリ部は、図6に示すように、多数の検査記憶領域として、多数のマスを備える。図6において、マスに記憶される数値「1」は、判断結果が良品の段ボールシートSHであることを表し、マスに記憶される数値「2」は、判断結果が不良品の段ボールシートSHであることを表す。マスに記憶される数値「0」は、判断結果がまだ記憶されていないことを表す。
【0106】
管理装置200は、印刷検査器EAにより撮像された段ボールシートSHの印刷状態を表す印刷画像を所定の基準印刷画像と比較することにより、段ボールシートSHの印刷状態の良否を判断し、その判断結果を印刷検査メモリ部MAに記憶させる。所定の基準印刷画像は、オーダに関係する情報の一部として予め定められ、プログラムメモリ220に記憶される。管理装置200の判断結果は、印刷検査メモリ部MAの多数のマスのうちで、判断結果がまだ記憶されていないマスのうちで最も上方のマスに、記憶される。すなわち、印刷検査メモリ部MAは、管理装置200の判断結果を、その判断の順番に、上方のマスから記憶する。
【0107】
送り検査器EBが段ボールシートSHの先端部の通過を検出したときに、管理装置200は、印刷シリンダの1回転に相当する所定の1周期において、予め定められた基準回転位相を基準にして、送り検査器EBが段ボールシートSHの先端部の通過を実際に検出した検出回転位相を決定する。管理装置200は、検出回転位相と理想回転位相との位相差分を算出し、この位相差分と印刷シリンダの周長とに基いて送り誤差を算出する。管理装置200は、送り誤差が許容範囲内か否かを判断することにより、段ボールシートSHの搬送動作の良否を判断し、その判断結果を送り検査メモリ部MBに記憶させる。理想回転位相は、印刷シリンダの1回転に相当する所定の1周期において、送り検査器EBが段ボールシートSHの先端部の通過を検出する理想の回転位相として、基準回転位相を基準にして予め定められた回転位相であり、プログラムメモリ220に記憶される。送り誤差の許容範囲は、オーダに関連しない一定の範囲に予め定められ、プログラムメモリ220に記憶される。管理装置200の判断結果は、送り検査メモリ部MBの多数のマスのうちで、判断結果がまだ記憶されていないマスのうちで最も上方のマスに、記憶される。すなわち、送り検査メモリ部MBは、管理装置200の判断結果を、その判断の順番に、上方のマスから記憶する。
【0108】
管理装置200は、糊付検査器ECにより撮像された段ボールシートSHの糊付状態を示す糊付画像を所定の基準糊付画像と比較することにより、段ボールシートSHの糊付状態の良否を判断し、その判断結果を糊付検査メモリ部MCに記憶させる。所定の基準糊付画像は、オーダに関連する情報の一部として予め定められ、プログラムメモリ220に記憶される。管理装置200の判断結果は、糊付検査メモリ部MCの多数のマスのうちで、判断結果がまだ記憶されていないマスのうちで最も上方のマスに、記憶される。すなわち、糊付検査メモリ部MCは、管理装置200の判断結果を、その判断の順番に、上方のマスから記憶する。
【0109】
本実施形態では、印刷検査メモリ部MAのマスの数は、位置P1から位置P5までの距離を、各印刷ユニットの印刷シリンダの周長で割り算した結果の整数値に相当する数値である。送り検査メモリ部MBのマスの数、および糊付検査メモリ部MCのマスの数も、印刷検査メモリ部MAのマスの数と同じ数値に設定される。統合メモリ部MPのマスの数は、カウンタエジェクタ6が形成することができるバッチBTの結束枚数の上限枚数に、所定の余裕枚数を加えた枚数に相当する数値に設定される。
【0110】
管理装置200が、糊付検査器ECにより撮像された糊付画像に基いて、段ボールシートSHの糊付状態の良否を判断し、その判断結果を糊付検査メモリ部MCの最も上方のマスに記憶すると、3つの検査メモリ部MA~MCの最も上方のマスの全てに判断結果が記憶されたことになる。図6において、印刷検査メモリ部MAの最も上方のマスに、数値「1」が記憶され、送り検査メモリ部MCの最も上方のマスに、数値「1」が記憶され、糊付検査メモリ部MCの最も上方のマスに、数値「2」が記憶され、この記憶状態は、3つの検査メモリ部MA~MCの最も上方のマスの全てに判断結果が記憶された状態である。最も上方のマスの全てに判断結果が記憶された状態において、3つの検査メモリ部MA~MCの最も上方のマスのうちで、少なくとも1つのマスに数値「2」が記憶される場合には、管理装置200は、統合メモリ部MPの全てのマスに記憶される情報を1マス分だけ下方に移して記憶し直した後に、統合メモリ部MPの最も上方のマスに、数値「2」を書き込む。最も上方のマスの全てに判断結果が記憶された状態において、3つの検査メモリ部MA~MCの最も上方のマスの全てのマスに、数値「1」が記憶される場合には、管理装置200は、統合メモリ部MPの全てのマスに記憶される情報を1マス分だけ下方に移して記憶し直した後に、統合メモリ部MPの最も上方のマスに、数値「1」を書き込む。管理装置200は、統合メモリ部MPの最も上方のマスへの書き込みが完了すると、3つの検査メモリ部MA~MCの最も上方のマスに記憶される情報を消去し、3つの検査メモリ部MA~MCの各検査メモリ部の全てのマスに記憶される情報を1マス分だけ上方に移して記憶し直す。
【0111】
図4に示す良品カウンタ230は、図6に示す統合メモリ部MPのマスのうちで、数値「1」が記憶されるマスの数を計数する。図4に示す不良品カウンタ231は、図6に示す統合メモリ部MPのマスのうちで、数値「2」が記憶されるマスの数を計数する。管理装置200は、良品カウンタ230の計数値がオーダ指定結束枚数に達した時点で、オーダ指定結束枚数と、不良品カウンタ231の計数値とを合計することにより、新たなバッチの結束枚数を算出する。管理装置200は、図5の(B)に示すバッチメモリ部MG1~MGNのフラグのうちで、フラグの数値が「0」であって、バッチ形成順が最も早いバッチ形成順を決定し、その決定したバッチ形成順のシート順番のマスに、統合メモリ部MPのマスに記憶される情報を順番に書き込む。たとえば、図5に示すバッチメモリ部MG1~MGNにおいて、フラグの数値が「0」であって、バッチ形成順が最も早いバッチ形成順は、3番目のバッチ形成順である。この3番目のバッチ形成順のシート順番の右端のマスから左方に向かって順番に配列されるマスに、図6に示す統合メモリ部MPに最初に記憶される1枚目の段ボールシートBSに関する情報から、統合メモリ部MPの最も上方のマスに記憶される最後の段ボールシートBSに関する情報までの情報が順番に書き込まれる。管理装置200は、統合メモリ部MPの全てのマスに記憶される情報をシート順番のマスに書き込んだ後に、統合メモリ部MPの全てのマスに記憶される情報をクリアし、数値「0」に設定する。
【0112】
[第1実施形態の製函機1の動作および作用]
第1実施形態の製函機1の動作および作用について、図7乃至図9を主に参照して説明する。プログラムメモリ220に記憶されるメインルーチンプログラムは、製函機1の電源スイッチがオン操作されることにより、開始される。プログラムメモリ220に記憶される各サブルーチンプログラムは、メインルーチンプログラムが実行開始された後に、所定の条件が成立したときに、開始される。図7に示す電源投入後における初期設定管理に関するサブルーチンプログラムは、メインルーチンプログラムの開始に伴って開始される。図8に示すオーダ生産開始後における結束枚数の設定管理、および、図9に示すオーダ生産開始後におけるバッチ形成順の決定管理に関するサブルーチンプログラムは、主モータスイッチがオン操作されるとともに、連続給紙スイッチがオン操作されるという条件が成立することにより、開始される。図7乃至図9に示す各ステップの処理は、コンピュータとして機能する管理装置200により実行される。
【0113】
(電源投入後における初期設定管理)
電源投入後における初期設定管理について、図7を参照して説明する。初期設定管理の実行が開始されると、3つの検査メモリ部MA~MCと、統合メモリ部MPとの記憶領域が、作業メモリ221の内部に設定される(SA1)。バッチメモリ部MG1~MGNの記憶領域が、作業メモリ221の内部に設定される(SA2)。バッチメモリ部の記憶領域を設定する際に、管理装置200は、位置P4から位置P5までの間に存在することができる段ボールシートのシート枚数を、オーダ指定結束枚数で割り算することにより、バッチメモリ部の個数である「N」の数値を算出する。表示バッファメモリ部MHの記憶領域が、作業メモリ221の内部に設定される(SA3)。
【0114】
良品カウンタ230の計数内容、および、不良品カウンタ231の計数内容が、数値「0」にクリアされる(SA4)。ステップSA4の実行後に、初期設定管理は終了して、処理はメインルーチンの処理に戻る。
【0115】
(オーダ生産開始後における結束枚数の設定管理)
オーダ生産開始後における結束枚数の設定管理について、図8を参照して説明する。結束枚数の設定管理の実行が開始されると、3つの検査器EA~ECのいずれかの検査器から検査結果が取得されたか否かが判断される(SB1)。検査結果が取得されていない場合(SB1:NO)、ステップSB1の判断が繰り返される。検査結果が取得された場合(SB1:YES)、ステップSB2が実行される。
【0116】
3つの検査器EA~ECのうちのどの検査器から検査結果が取得されたのかが判断される(SB2)。印刷検査器EAから検査結果が取得された場合(SB2:EA)、ステップSB3が実行される。送り検査器EBから検査結果が取得された場合(SB2:EB)、ステップSB4が実行される。糊付検査器ECから検査結果が取得された場合(SB2:EC)、ステップSB5が実行される。
【0117】
印刷検査器EAから取得された検査結果に基いて、段ボールシートSHの印刷状態の良否が判断される(SB3)。段ボールシートSHの印刷状態が正常である良品と判断された場合(SB3:YES)、ステップSB6が実行される。段ボールシートSHの印刷状態が異常である不良品と判断された場合(SB3:NO)、ステップSB7が実行される。
【0118】
印刷状態が正常である良品と判断された場合(SB3:YES)、良品情報である数値「1」が、印刷検査メモリ部MAの最も上方のマスに記憶される(SB6)。印刷状態が異常である不良品と判断された場合(SB3:NO)、不良品情報である数値「2」が、印刷検査メモリ部MAの最も上方のマスに記憶される(SB7)。ステップSB6またはステップSB7の実行後に、ステップSB8が実行される。
【0119】
オーダの生産が終了したのか否かが判断される(SB8)。各オーダに従って指定される段ボールシートBSの生産枚数と、オーダ指定結束枚数とに基いて決定される総数のバッチBTが、カウンタエジェクタ6により形成されるとともに、その総数のバッチBTのうちの最後のバッチBTが、カウンタエジェクタ6の下流側下部コンベア66Bから送出されたときに、管理装置200は、オーダの生産が終了したと判断する。オーダの生産が終了したと判断された場合(SB8:YES)、結束枚数の設定管理は終了し、処理はメインルーチンの処理に戻る。
【0120】
オーダの生産が終了していないと判断された場合(SB8:NO)、処理はステップSB1に戻る。通常、オーダの生産が開始された直後においては、シート給紙装置2から送出された段ボールシートSHは、送り検査器EB、および糊付検査器ECの配置位置には到達していないので、印刷検査器EAのみが複数枚の段ボールシートSHを連続して検査する。このため、SB1、SB3、SB6またはSB7、および、SB8のステップの処理が、繰り返し実行される。この繰り返しの実行により、図6に示す印刷検査メモリ部MAの最も上方の1番目のマスに、1枚目の段ボールシートSHの判断結果が記憶され、最も上方のマスの直ぐ下の2番目のマスに、2枚目の段ボールシートSHの判断結果が記憶され、この判断結果の記憶動作が、3枚目以降の段ボールシートSHについて繰り返される。
【0121】
シート給紙装置2から送出された1枚目の段ボールシートSHが送り検査器EBの配置位置に到達したときに、送り検査器EBから検査結果が取得されたと判断される(SB2:EB)。
【0122】
送り検査器EBから取得された検査結果に基いて、段ボールシートSHの送り状態の良否、すなわち、送り誤差が許容範囲内か否かが判断される(SB4)。段ボールシートSHの送り状態が正常である良品と判断された場合(SB4:YES)、ステップSB9が実行される。段ボールシートSHの送り状態が異常である不良品と判断された場合(SB4:NO)、ステップSB10が実行される。
【0123】
送り状態が正常である良品と判断された場合(SB4:YES)、良品情報である数値「1」が、送り検査メモリ部MBの最も上方のマスに記憶される(SB9)。送り状態が異常である不良品と判断された場合(SB4:NO)、不良品情報である数値「2」が、送り検査メモリ部MBの最も上方のマスに記憶される(SB10)。SB9またはSB10のステップの実行後に、ステップSB8が実行され、処理はステップSB1に戻る。このため、ステップSB1~SB10の処理が、繰り返し実行される。この繰り返しの実行により、印刷検査メモリ部MAへの記憶と同様に、図6に示す送り検査メモリ部MBの最も上方の1番目のマスに、1枚目の段ボールシートSHの判断結果が記憶され、最も上方のマスの直ぐ下の2番目のマスに、2枚目の段ボールシートSHの判断結果が記憶され、この判断結果の記憶動作が、3枚目以降の段ボールシートSHについて繰り返される。
【0124】
シート給紙装置2から送出された1枚目の段ボールシートSHが糊付検査器ECの配置位置に到達したときに、糊付検査器ECから検査結果が取得されたと判断される(SB2:EC)。
【0125】
糊付検査器ECから取得された検査結果に基いて、段ボールシートSHの糊付状態の良否が判断される(SB5)。段ボールシートSHの糊付状態が正常である良品と判断された場合(SB5:YES)、ステップSB11が実行される。段ボールシートSHの糊付状態が異常である不良品と判断された場合(SB5:NO)、ステップSB12が実行される。
【0126】
糊付状態が正常である良品と判断された場合(SB5:YES)、良品情報である数値「1」が、糊付検査メモリ部MCの最も上方のマスに記憶される(SB11)。糊付状態が異常である不良品と判断された場合(SB5:NO)、不良品情報である数値「2」が、糊付検査メモリ部MCの最も上方のマスに記憶される(SB12)。SB11またはSB12のステップの実行後に、ステップSB13が実行される。
【0127】
図6に示すように、3つの検査メモリ部MA~MCの最も上方のマスの全てに、数値「1」または数値「2」の判断結果が記憶されると、判断結果の統合が実行される(SB13)。具体的には、3つの検査メモリ部MA~MCの最も上方のマスに記憶される3つの判断結果のうちで、少なくとも1つの判断結果が数値「2」である場合には、統合された結果は、数値「2」となり、3つの判断結果の全てが数値「1」である場合には、統合された結果は、数値「1」となる。
【0128】
統合された結果が統合メモリ部MPに記憶されるように、統合メモリ部MPの記憶動作が制御される(SB14)。具体的には、統合された結果が統合メモリ部MPに記憶される前に、統合メモリ部MPの全てのマスに記憶される情報が、図6において、1マス分だけ下方に移されて記憶し直される。この記憶し直された時点で、統合メモリ部MPの最も上方のマスには、数値「0」が記憶される。次に、統合された結果が、統合メモリ部MPの最も上方のマスに記憶される。図6に示す具体例では、3つの検査メモリ部MA~MCの最も上方のマスには、数値「1」、数値「1」、および数値「2」が記憶されていることから、統合された結果は、数値「2」となる。この統合された結果である数値「2」が、情報が1マス分だけ下方に移されて記憶し直された統合メモリ部MPの最も上方のマスに書き込まれる。
【0129】
統合メモリ部MPの最も上方のマスへの書き込みが完了すると、3つの検査メモリ部MA~MCの記憶動作が制御される(SB15)。具体的には、3つの検査メモリ部MA~MCの最も上方のマスに記憶される情報が消去される。図6に示す具体例では、3つの検査メモリ部MA~MCの最も上方のマスに記憶される、数値「1」、数値「1」、および数値「2」が消去される。次に、3つの検査メモリ部MA~MCの各検査メモリ部の全てのマスに記憶される情報が、1マス分だけ上方に移されて記憶し直される。図6に示す具体例では、3つの検査メモリ部MA~MCの上方から2番目のマスに記憶される、数値「1」、数値「1」、および数値「0」が、最も上方のマスにそれぞれ移されて記憶し直される。3番目以降のマスに記憶される情報も、1マス分だけ上方のマスに移されて記憶し直される。
【0130】
統合メモリ部MPに記憶される良品情報である数値「1」が記憶されるマスの数が、良品カウンタ230により計数される(SB16)。
【0131】
良品カウンタ230の計数値が、現在実行されているオーダに従って定められるオーダ指定結束枚数と一致するのか否かが、判断される(SB17)。良品カウンタ230の計数値がオーダ指定結束枚数と一致する場合(SB17:YES)、ステップSB18が実行される。良品カウンタ230の計数値がオーダ指定結束枚数と一致しない場合(SB17:NO)、ステップSB8が実行される。
【0132】
良品カウンタ230の計数値がオーダ指定結束枚数と一致しない場合(SB17:NO)、オーダの生産が終了したのか否かが判断される(SB8)。オーダの生産が終了していない場合(SB8:NO)、ステップSB1~SB17が繰り返し実行される。ステップSB1~SB17が繰り返し実行されることにより、統合メモリ部MPの最も上方のマスには、最新の統合された結果が記憶され、より下方のマスほど、より古い統合された結果が記憶される。
【0133】
良品カウンタ230の計数値がオーダ指定結束枚数と一致する場合(SB17:YES)、統合メモリ部MPに記憶される不良品情報である数値「2」が記憶されるマスの数が、不良品カウンタ231により計数される(SB18)。
【0134】
オーダ指定結束枚数と、不良品カウンタ231の計数値とが合計され、新たに形成される予定のバッチの結束枚数として、算出される(SB19)。
【0135】
未確定でバッチ形成順の最も早いバッチが決定される(SB20)。オーダの生産が開始された直後においては、全てのバッチ形成順のバッチについて図5の(B)に示すフラグが数値「0」のままであるので、未確定でバッチ形成順の最も早いバッチは、バッチ形成順が「1」である1番目バッチに決定される。オーダの生産が進行した段階における図5に示す具体例では、フラグが数値「0」である未確定のバッチのうちで、バッチ形成順が最も早いバッチは、3番目バッチに決定される。
【0136】
決定されたバッチに関する結束枚数として、SB19において算出された結束枚数が記憶される。図5に示す具体例では、バッチ形成順が「3」である3番目バッチに関する結束枚数として、算出された結束枚数が記憶される。
【0137】
決定されたバッチに関するフラグが数値「0」から数値「1」にセットされる(SB22)。図5の(B)に示す具体例では、バッチ形成順が「3」である3番目バッチに関するフラグが数値「0」から数値「1」にセットされ、3番目バッチは確定されたバッチとなる。
【0138】
統合メモリ部MPの全てのマスの記憶内容が、決定されたバッチに関するシート順番の全てのマスにそれぞれ記憶される(SB23)。図5の(B)および図6に示す具体例では、決定されたバッチである3番目バッチについて図6に示す統合メモリ部MPに最初に記憶された統合された結果、すなわち、3番目バッチの1枚目の段ボールシートBSに関する統合された結果が、図5に示すシート順番において、3番目バッチのマスのうちの右端のマスに、書き込まれる。3番目バッチの2枚目の段ボールシートBSに関する統合された結果が、図5の(B)に示すシート順番において、3番目バッチのマスのうちの右端のマスの直ぐ左側のマスに、書き込まれる。同様に、3番目バッチの3枚目の段ボールシートBSから最後の段ボールシートBSまでの統合された結果が、図5の(B)に示すシート順番において、3番目バッチの左方に向かって配列されるマスに、順番に書き込まれる。図6に示す統合メモリ部MPの最も上方のマスに記憶される統合された結果は、3番目バッチの最後の段ボールシートBSに関する統合された結果である。
【0139】
ステップSB23の実行後に、統合メモリ部MPの全てのマスに記憶される情報がクリアされ、数値「0」に設定される(SB24)。
【0140】
ステップSB19において算出された算出結果が、結束枚数の上限枚数以下か否かが判断される(SB25)。算出結果が上限枚数以下である場合(SB25:YES)、ステップSB8が実行される。算出結果が上限枚数以下でない場合(SB25:NO)、ステップSB26が実行される。
【0141】
算出結果が上限枚数以下である場合(SB25:YES)、オーダの生産が終了したのか否かが判断される(SB8)。オーダの生産が終了していないと判断された場合(SB8:NO)、処理はステップSB1に戻り、ステップSB1~SB25が、繰り返し実行される。この繰り返し実行により、図5の(B)に示すバッチ形成順において、4番目以降のバッチについて、結束枚数、およびシート順番に関する情報が順次決定される。
【0142】
算出結果が上限枚数以下でない場合(SB25:NO)、シート給紙装置2の給紙動作が停止される(SB26)。具体的には、管理装置200が、給紙制御部210に給紙停止指令を送信してシート給紙装置2に給紙動作を停止させる。シート給紙装置2は、グレイトが給紙ローラより上昇した位置で、グレイトの昇降運動を停止する。この給紙動作の停止により、段ボールシートSHがシート給紙装置2から送出されなくなる。しかし、シート給紙装置2からすでに送出された段ボールシートSHは、搬送機構により継続して搬送されるとともに、所定の加工が施されるように、管理装置200は、搬送機構、印刷装置3、クリーザスロッタ4、フォルダグルア5、カウンタエジェクタ6、搬送コンベア7、および、結束機8を引き続き動作させる。シート給紙装置2から最後に供給された段ボールシートがカウンタエジェクタ6に供給された後に、搬送機構の搬送動作は停止される。
【0143】
算出結果が上限枚数以下でないと判断される前に、ステップSB20において最後に決定されたバッチと、この最後に決定されたバッチ以降に、ステップSB20において決定されるバッチとについて、図5の(B)に示す結束枚数が、オーダ指定結束枚数に設定される(SB27)。具体的には、最後に決定されたバッチ以降のバッチについて、図5の(B)に示す結束枚数として、オーダ指定結束枚数が記憶される。ステップSB27の実行後に、結束枚数の設定管理は終了し、処理はメインルーチンに戻る。
【0144】
本実施形態では、不良品の段ボールシートBSの枚数が多くなり結束枚数が上限枚数を超える場合には、ステップSB27の実行により、結束枚数がオーダ指定結束枚数に設定されることから、カウンタエジェクタ6の内部において、段ボールシートBSが詰まるなどの問題の発生を未然に防ぐことができる。算出結果が上限枚数以下でないと判断された場合(SB25:NO)には、最後に決定されたバッチ以降のバッチについて、図5の(B)に示すシート順番、およびフラグとして、情報が書き込まれることはなく、数値「0」のままの記憶内容が維持される。また、カウンタエジェクタ6に供給された段ボールシートBSが、オーダ指定結束枚数、または、オーダ指定結束枚数には足りない結束枚数のバッチBTとして形成されて下流側下部コンベア66Bから送出された後に、製函機1の動作は停止される。
【0145】
(オーダ生産開始後におけるバッチ形成順の決定管理)
オーダ生産開始後におけるバッチ形成順の決定管理について、図9を参照して説明する。バッチ形成順の決定管理の実行が開始されると、図4に示すシートカウンタ250がクリアされ、計数値が数値「0」に設定される(SC1)。
【0146】
シート検出器SDが段ボールシートBSの先端部を検出したか否かが判断される(SC2)。段ボールシートBSの先端部が検出された場合(SC2:YES)、ステップSC3が実行される。段ボールシートBSの先端部が検出されない場合(SC2:NO)、ステップSC2の判断が再度実行される。
【0147】
段ボールシートBSの先端部が検出された場合(SC2:YES)、シートカウンタ250の計数値であるシートカウント枚数に、数値「1」が加算される(SC3)。
【0148】
シートカウント枚数が、図5の(B)に示すバッチ形成順が「1」である1番目バッチの結束枚数に達したのか否かが判断される(SC4)。シートカウント枚数が1番目バッチの結束枚数に達した場合(SC4:YES)、ステップSC5が実行される。シートカウント枚数が1番目バッチの結束枚数に達しない場合(SC4:NO)、ステップSC10が実行される。
【0149】
シートカウント枚数が1番目バッチの結束枚数に達しない場合(SC4:NO)、ステップSB8と同様に、オーダの生産が終了したのか否かが判断される(SC10)。オーダの生産が終了したと判断された場合(SC10:YES)、ステップSC11が実行される。オーダの生産が終了したと判断されない場合(SC10:NO)、処理はステップSC2に戻り、SC2~SC4、およびSC10のステップが繰り返し実行される。SC2~SC4、およびSC10のステップが繰り返し実行されている間に、カウンタエジェクタ6は、1番目バッチを形成する。図5の(B)に示す具体例では、バッチ形成順が「1」である1番目バッチとして、結束枚数が12枚であるバッチであって、オーダ指定枚数である10枚の良品の段ボールシートBSと2枚の不良品の段ボールシートBSとを含むバッチが形成される。カウンタエジェクタ6が複数のバッチを連続して形成する詳細なバッチ形成動作については、後述する。
【0150】
シートカウント枚数が1番目バッチの結束枚数に達した場合(SC4:YES)、シートカウンタ250がクリアされ、計数値が数値「0」に設定される(SC5)。
【0151】
SC5のステップの実行後に、バッチ形成信号が取得されたか否かが判断される(SC6)。カウンタエジェクタ制御部214は、主レッジ63が1番目バッチの最後の段ボールシートBSと2番目バッチの1枚目の段ボールシートBSとを区切るために、バッチ形成信号を発生して主レッジ63の動作を開始させるとともに、そのバッチ形成信号を管理装置200に送信する。管理装置200がバッチ形成信号を受信したときに、バッチ形成信号が取得されたと判断される。バッチ形成信号が取得されたと判断された場合(SC6:YES)、ステップSC7が実行される。バッチ形成信号が取得されたと判断されない場合(SC6:NO)、ステップSC6の判断が再度実行される。
【0152】
バッチ形成信号が取得されたと判断された場合(SC6:YES)、図5の(B)に示す1番目バッチのシート順番の記憶内容が、表示バッファメモリ部MHに書き込まれる(SC7)。図5の(B)に示す具体例では、1番目バッチのシート順番の全てのマスに記憶される記憶内容である「1・・2・・1210・・0」が、表示バッファメモリ部MHの右端のマスから左方に向かって順番に書き込まれる。後述のSC9のステップにおいて1番目バッチに繰り上げられたバッチの形成が完了する前に、管理装置200は、表示バッファメモリ部MHに書き込まれた情報を読み出して表示制御部215に送信する。表示制御部215は、送信された情報を表示編集メモリ241に書き込み、表示編集メモリ241の記憶内容に従って表示部240の表示内容を制御する。なお、表示部240が表示する各種の加工状況を表す情報と操作画面との詳細な表示内容については、後述する。
【0153】
図5の(B)に示す1番目バッチに関する情報、すなわち、結束枚数、シート順番、および、フラグが、クリアされ、数値「0」に設定される(SC8)。
【0154】
2番目バッチ以降のバッチに関する情報、すなわち、結束枚数、シート順番、および、フラグが、1つ前のバッチ形成順に相当する記憶領域に繰上げて書き込まれる(SC9)。図5の(B)に示す具体例では、2番目バッチに関する結束枚数である数値「10」、シート順番の全てのマスに記憶される記憶内容である「1・・10・・0」、および、フラグである数値「1」が、バッチ形成順が「1」である1番目バッチの記憶領域に書き込まれる。3番目バッチ以降のバッチに関する情報も、同様に、1つ前のバッチ形成順に相当する記憶領域に繰上げて書き込まれる。
【0155】
シートカウント枚数が1番目バッチの結束枚数に達しない場合(SC4:NO)と同様に、ステップSC9の実行後に、オーダの生産が終了したのか否かが判断される(SC10)。オーダの生産が終了したと判断された場合(SC10:YES)、ステップSC11が実行される。
【0156】
オーダの生産が終了したと判断された場合(SC10:YES)、メモリ部がクリアされる(SC11)。具体的には、作業メモリ221の内部に備えられる3つの検査メモリ部MA~MC、統合メモリ部MP、N個のバッチメモリ部MG1~MGN、および、表示バッファメモリ部MHの記憶内容が、クリアされ、数値「0」に設定される。また、SC11のステップの実行とともに、シートカウンタSDの計数値も、クリアされ、数値「0」に設定される。ステップSC11の実行後に、バッチ形成順の決定管理は終了し、処理はメインルーチンに戻る。
【0157】
(表示部240の表示内容および表示動作)
表示部240の表示内容および表示動作について、図10を参照して説明する。図10の(A)は、カウンタエジェクタ6から送出されたバッチのうちで、不良品の段ボールシートBSを含むバッチ、すなわち不良バッチであって、作業者が段ボールシートBSの加工状況をまだ確認していない未確認バッチのうちで最も先に形成されたバッチに関する情報を表示する「不良バッチ追跡」に関する表示画面を示す。図10の(B)は、カウンタエジェクタ6から送出されたバッチのうちで、より後に送出された3つの不良バッチを表示する「不良追跡履歴」に関する表示画面を示す。
【0158】
表示部240は、表示制御部215の制御により、所定の表示項目を表示する初期表示画面と、図10の(A)に示す表示画面と、図10の(B)に示す表示画面とを、切り換えて表示することができる。初期表示画面は、不良品の段ボールシートBSを含むバッチBTに関する情報を表示するためにタッチ操作される不良追跡ボタンを表示する。作業者が、初期表示画面において不良追跡ボタンをタッチ操作すると、表示部240の表示画面は、初期表示画面から、図10の(A)に示す「不良バッチ追跡」に関する表示画面に切り換えられる。図10の(A)に示す表示画面は、「履歴」と表示される履歴ボタン300と、「確認」と表示される確認ボタン301と、「閉じる」と表示される閉ボタン302とをそれぞれ表示する。作業者が、図10の(A)に示す表示画面において履歴ボタン30をタッチ操作すると、表示部240の表示画面は、図10の(A)に示す表示画面から、図10の(B)に示す「不良追跡履歴」に関する表示画面に切り換えられる。図10の(B)に示す表示画面は、「閉じる」と表示される閉ボタン320を表示する。作業者が、図10の(B)に示す表示画面において閉ボタン320をタッチ操作すると、図10の(B)に示す表示画面は、図10の(A)に示す表示画面に切り換えられる。作業者が、図10の(A)に示す表示画面において閉ボタン302をタッチ操作すると、図10の(A)に示す表示画面は、初期表示画面に切り換えられる。
【0159】
図10の(A)に示す表示画面は、表示領域AR11~AR16を有する。表示領域AR11は、作業者がまだ加工状況を確認していない未確認バッチであって不良バッチであるバッチのうちで、最も先に形成された未確認バッチについて、結束枚数の上限枚数の段ボールシートBSの加工状況を表示する領域である。図10の(A)に示す具体例では、上限枚数に相当する20枚の段ボールシートBSに関する加工状況が、下方から、番号「1」~番号「20」が付された区分領域にそれぞれ表示される。番号「9」の段ボールシートBSに関する加工状況は、不良品を表す加工状況であり、斜線を付して表示される。番号「1」~番号「20」の各番号は、バッチ内の各段ボールシートBSの順番を表し、番号「1」は、1番目の段ボールシートBSを表す。図10の(A)に示す具体例では、オーダ指定結束枚数が10枚に設定され、不良品の段ボールシートBSが1枚である場合に、11枚の段ボールシートBSの加工状況が表示され、表示画面に現在表示されている表示中バッチについて12枚目以降の段ボールシートは存在しないので、番号「12」~番号「20」の区分領域には、加工状況は表示されない。
【0160】
表示領域AR12は、現在実行されているオーダに従って設定されるオーダ指定結束枚数を、2桁の数値で表示する領域である。図10の(A)に示す具体例では、10枚のオーダ指定結束枚数を表す数値「10」が表示される。表示領域AR13は、カウンタエジェクタ6の下流側下部コンベア66Bから不良バッチが送出される場合、すなわち、図1に示すバッチBT1が不良バッチであって、下流側下部コンベア66Bから送出される場合、ランプ表示部303の点灯により、不良バッチの送出を報知する領域である。表示領域AR14は、カウンタエジェクタ6から送出されたバッチのうちで、より後に送出された3個の不良バッチであって未確認バッチであるバッチの総数を、1桁の数値で表示する領域である。図10の(A)に示す具体例では、未確認バッチであって不良バッチであるバッチの個数を表す数値「2」が表示される。表示領域AR15は、段ボールシートBSの加工状況に関する情報が表示領域AR11に現在表示されている表示中バッチの位置を、1桁の数値で表示する領域である。具体的には、表示中バッチが、カウンタエジェクタ6の下流側下部コンベア66Bから送出された直後のバッチである現行バッチ、すなわち、図1に示すバッチBT24から、何個のバッチだけ前に位置するのかを表す1桁の数値が、表示される。図10の(A)に示す具体例では、表示領域AR15に数値「3」が表示されることから、現行バッチであるバッチBT24から3個のバッチだけ前に位置するバッチBT21が、表示領域AR11に現在表示されている表示中バッチである。表示領域AR16は、表示領域AR11に現在表示されている表示中バッチに含まれる不良品の段ボールシートBSの枚数である不良枚数を、2桁の数値で表示する領域である。図10の(A)に示す具体例では、表示中バッチについて、番号「9」の1枚の段ボールシートBSのみが不良品であるので、表示領域AR16には、1枚を表す数値「01」が表示される。図10の(A)に示す表示画面において、作業者が、表示中バッチについて加工状況を確認して確認ボタン301をタッチ操作すると、表示領域AR11は、不良バッチであって未確認バッチであるバッチのうちで、最も先に形成された新たな未確認バッチについて段ボールシートBSの加工状況に関する情報を表示する。初期表示画面における不良追跡ボタン、または、図10の(A)に示す表示画面における確認ボタン301がタッチ操作された時点で、カウンタエジェクタ6から送出されたバッチのうちで、不良バッチであって未確認バッチが存在しない場合、表示領域AR11は、「未確認不良なし」とのメッセージを表示する。
【0161】
作業者が、図10の(A)に示す表示画面において履歴ボタン300をタッチ操作すると、表示部240の表示画面は、図10の(A)に示す表示画面から、図10の(B)に示す表示画面に切り換えられる。図10の(B)に示す表示画面は、表示領域AR21~AR23と、表示領域AR31~AR33と、表示領域AR41~AR43とを有する。表示領域AR21~AR23は、カウンタエジェクタ6から送出されたバッチのうちで、より後に送出された3個の不良バッチについて、表示領域AR11の表示内容と同様の内容をそれぞれ表示する領域である。たとえば、図1において、カウンタエジェクタ6から送出されたバッチBT21~BT24のうちで、3個のバッチBT21、BT22、BT24が不良バッチである場合、図10の(B)に示す具体例では、表示領域AR21がバッチBT21についての加工状況を表示し、表示領域AR22がバッチBT22についての加工状況を表示し、表示領域AR23がバッチBT24についての加工状況を表示する。
【0162】
表示領域AR31~AR33は、表示領域AR21~AR23にそれぞれ対応して配置される。表示領域AR31~AR33の各表示領域は、表示領域AR21~AR23のうちで対応する表示領域に加工状況が表示されるバッチが、現行バッチから何個のバッチだけ前に位置するのかを、1桁の数値で表示する。図10の(B)に示す具体例では、表示領域AR23に対応する表示領域AR33は、数値「0」を表示する。この数値「0」は、加工状況が表示領域AR23に表示されるバッチが現行バッチから前に存在するバッチではなく、現行バッチであることを表す。表示領域AR41~AR43は、表示領域AR21~AR23にそれぞれ対応して配置される。表示領域AR41~AR43の各表示領域は、表示領域AR21~AR23のうちで対応する表示領域に加工状況が表示されるバッチが、未確認バッチであるのか、または、確認済みバッチであるのかを、表示する。図10の(B)に示す表示画面において、作業者が表示領域AR21に表示される加工状況を確認した後に、「未確認」と表示される表示領域AR41をタッチすると、表示領域AR41は、「未確認」から「確認済み」に表示状態を変化させる。
【0163】
(カウンタエジェクタ6のバッチ形成動作)
カウンタエジェクタ6のバッチ形成動作について、図11乃至図16を参照して説明する。先のバッチBT1の結束枚数がオーダ指定結束枚数と同じ枚数である10枚に設定され、次のバッチBT2の結束枚数が2枚の不良品の段ボールシートBSを含む12枚に設定される場合を一例として、バッチ形成動作について説明する。図11は、段ボールシートBSが積み重ねられてバッチBT1が形成される途中である状態を示す。図12は、先のバッチBT1の形成が完了した後に、次のバッチBT2が形成される途中である状態を示す。図13は、先のバッチBT1が上流側下部コンベア66Aにより送出方向TDに搬送される状態を示す。図14は、先のバッチBT1がテーブル65Aの上面から送出された直後の状態を示す。図15は、先のバッチBT1が上流側下部コンベア66Aから送り出されて下流側下部コンベア66Bの右端部分に到達した状態を示す。図16は、先のバッチBT1が下流側下部コンベア66Bの左端部分から搬送コンベア7に送り出された直後の状態を示す。
【0164】
図11に示す先のバッチBT1が形成される場合、先のバッチBT1の結束枚数は、図5の(B)に示す1番目バッチメモリ部MG1に記憶される結束枚数となる。先のバッチBT1の形成動作が開始される前に、上流側上部コンベア67Aと上流側下部コンベア66Aとの間の間隔、および、下流側上部コンベア67Bと下流側下部コンベア66Bとの間の間隔が、先のバッチBT1の結束枚数である10枚に相当する間隔となるように、カウンタエジェクタ制御部214は、先のバッチBT1の結束枚数に従って上流側コンベア昇降モータ129および下流側コンベア昇降モータ132の駆動を制御し、上流側下部コンベア66Aに対して上流側上部コンベア67Aの高さ位置を、先のバッチBT1の結束枚数に応じた所定の昇降コンベア位置VU1に調整するとともに、下流側下部コンベア66Bに対して下流側上部コンベア67Bの高さ位置を、先のバッチBT1の結束枚数に応じた所定の昇降コンベア位置VU2に調整する。図11に示す状態は、先のバッチBTの10枚目の段ボールシートBSがカウンタエジェクタ6に供給された直後の状態である。主レッジ63は、先のバッチBTと次のバッチBTとを仕切るために、最も上方のレッジ位置VM1で、ホッパ部の内部に進入している。テーブル65Aは、最も上方のテーブル位置VT1に位置決めされている。本実施形態では、先のバッチBT1について、所定の昇降コンベア位置VU1、所定の昇降コンベア位置VU2、後述の所定の昇降テーブル位置VTX、および、後述の所定の昇降レッジ位置VM2は、先のバッチBT1の結束枚数が確定された段階で、先のバッチBT1の形成動作が開始される前に、カウンタエジェクタ制御部214により、先のバッチBT1の結束枚数に基いて事前に算出される。また、本実施形態では、次のバッチBT2について、所定の昇降コンベア位置VU1、所定の昇降コンベア位置VU2、後述の所定の昇降テーブル位置VTX、および、後述の所定の昇降レッジ位置VM2は、図9に示すステップSC9において2番目バッチ以降のバッチ形成順が繰り上げられた段階で、次のバッチBT2の形成動作が開始される前に、カウンタエジェクタ制御部214により、次のバッチBT2の結束枚数に基いて事前に算出される。
【0165】
図12に示すように、主レッジ63が、両補助レッジ64A、64Bの配置位置まで下降するとともに、テーブル65Aも、先のバッチBTを載置した状態で下降する。主レッジ63が両補助レッジ64A、64Bの配置位置まで下降した時点で、先のバッチBTが、主レッジ63の下面とテーブル65Aの上面との間で、所定の押圧力で挟み込まれるように、カウンタエジェクタ制御部214は、先のバッチBT1の結束枚数に従ってテーブル昇降モータ118の駆動を制御し、テープル65Aの高さ位置を所定の昇降テーブル位置VTXに調整する。
【0166】
図13に示すように、主レッジ63およびテーブル65Aは、先のバッチBT1を挟み込んだ状態で下降する。テーブル65Aの上面が上流側下部コンベア66Aの上方コンベア部分よりも下方の位置であって、最も下方のテーブル位置VT2まで下降して停止した時点で、主レッジ63も下降を停止する。主レッジ63が停止した状態で、先のバッチBT1が、上流側下部コンベア66Aの上方コンベア部分と主レッジ63の下面との間で、所定の押圧力で挟み込まれるように、カウンタエジェクタ制御部214は、先のバッチBT1の結束枚数に従ってレッジ昇降モータ108の駆動を制御し、主レッジ63の下面の高さ位置を所定の昇降レッジ位置VM2に調整する。カウンタエジェクタ制御部214は、レッジ変位モータ105の駆動を制御し、主レッジ63の位置を所定の昇降レッジ位置VM2に維持しながら、主レッジ63を左方に移動させる。
【0167】
図14に示すように、先のバッチBT1がテーブル65Aの上面から左方に搬送され、先のバッチBT1の大部分が上流側上部コンベア67Aの配置位置まで搬送された場合に、カウンタエジェクタ制御部214は、レッジ変位モータ105の駆動を停止するとともに、レッジ昇降モータ108の駆動を制御し、所定の昇降レッジ位置VM2から最も上方のレッジ位置VM1に向けて主レッジ63を上昇させる。先のバッチBT1が上流側下部コンベア66Aにより搬送され、先のバッチBT1の右端部がテーブル65Aの左端部から離れた場合に、上流側バッチ検出器BD1は、先のバッチBT1の右端部の通過を検出し、検出信号をカウンタエジェクタ制御部214に送信する。カウンタエジェクタ制御部214は、上流側バッチ検出器BD1から検出信号を受信すると、テーブル昇降モータ118の駆動を制御し、最も下方のテーブル位置VT2から最も上方のテーブル位置VT1に向けてテーブル65Aを上昇させる。
【0168】
先のバッチBT1の左端部が下流側バッチ検出器BD2まで搬送された場合に、下流側バッチ検出器BD2は、先のバッチBT1の左端部の通過を検出し、検出信号をカウンタエジェクタ制御部214に送信する。カウンタエジェクタ制御部214は、下流側バッチ検出器BD2から検出信号を受信すると、上流側コンベア駆動モータ124が内蔵する回転検出器からのパルス信号をパルスカウンタ251に計数させる。
【0169】
図15に示すように、先のバッチBT1が上流側下部コンベア66Aから下流側下部コンベア66Bに移動して下流側下部コンベア66Bと下流側上部コンベア67Bとの間に挟み込まれる状態になった場合に、パルスカウンタ251の計数内容は、所定のパルス数に達する。カウンタエジェクタ制御部214は、先のバッチBT1が両コンベア66B、67Bの間に搬送されたことを、パルスカウンタ251の計数内容が所定のパルス数に達したことにより、判断する。パルスカウンタ251の計数内容が所定のパルス数に達した場合、上流側下部コンベア66Aと上流側上部コンベア67Aとの間の間隔が次のバッチBT2の結束枚数である12枚に相当する間隔となるように、カウンタエジェクタ制御部214は、次のバッチBT2の結束枚数に従って上流側コンベア昇降モータ129の駆動を制御し、上流側下部コンベア66Aに対して上流側上部コンベア67Aの右端部の高さ位置を、次のバッチBT2の結束枚数に応じた所定の昇降コンベア位置VU1に調整する。下流側下部コンベア66Bに対する下流側上部コンベア67Bの高さ位置は、先のバッチBT1の結束枚数に応じた所定の昇降コンベア位置VU2に維持される。上流側コンベア昇降モータ129の駆動により、上流側上部コンベア67Aの右端部のみが上昇し、上流側上部コンベア67Aは右上に傾いた状態になる。
【0170】
図15において、先のバッチBT1が下流側下部コンベア66Bと下流側上部コンベア67Bとの間から搬送コンベア7に送出される直前に、送出側バッチ検出器BD3は、先のバッチBT1の左端部の到着を検出し、到着検出信号をカウンタエジェクタ制御部214に送信する。その後、送出側バッチ検出器BD3は、先のバッチBT1の右端部の通過を検出し、通過検出信号をカウンタエジェクタ制御部214に送信する。カウンタエジェクタ制御部214は、先のバッチBT1の到着検出信号、および先のバッチBT1の通過検出信号を、管理装置200を介して表示制御部215に送信する。
【0171】
図16に示すように、先のバッチBT1が下流側下部コンベア66Bと下流側上部コンベア67Bとの間から搬送コンベア7に送出された場合、下流側下部コンベア66Bと下流側上部コンベア67Bとの間の間隔が次のバッチBT2の結束枚数である12枚に相当する間隔となるように、カウンタエジェクタ制御部214は、送出側バッチ検出器BD3からの通過検出信号に応答して、次のバッチBT2の結束枚数に従って下流側コンベア昇降モータ132の駆動を制御する動作を開始し、下流側下部コンベア66Bに対して下流側上部コンベア67Bの全部分の高さ位置を、次のバッチBT2の結束枚数に応じた所定の昇降コンベア位置VU2に調整する。
【0172】
下流側下部コンベア66Bと下流側上部コンベア67Bとの間から搬送コンベア7に送出されるバッチが不良バッチである場合に、表示制御部215は、図10の(A)に示す表示画面が表示される状態において、カウンタエジェクタ制御部214から送信されたバッチの到着検出信号に応答して、表示領域AR13のランプ表示部303を点灯させ、カウンタエジェクタ6から不良バッチが送出されることを作業者に報知する。また、下流側下部コンベア66Bと下流側上部コンベア67Bとの間から搬送コンベア7に送出されるバッチが不良バッチである場合に、表示制御部215は、図10の(A)に示す表示画面が表示される状態において、カウンタエジェクタ制御部214から送信されたバッチの通過検出信号に応答して、表示領域AR14の「未確認不良バッチ数」を「1」だけ増加させる。更に、下流側下部コンベア66Bと下流側上部コンベア67Bとの間から搬送コンベア7に送出されるバッチが不良バッチである場合に、表示制御部215は、図10の(B)に示す表示画面が表示される状態において、カウンタエジェクタ制御部214から送信されたバッチの通過検出信号に応答して、図10の(B)に示す表示画面の表示内容を変更する。具体的には、表示制御部215は、表示領域AR22、AR42に表示されている情報が表示領域AR21、AR41にそれぞれ表示され、表示領域AR23、AR43に表示されている情報が表示領域AR22、AR42にそれぞれ表示され、表示領域AR32、AR33に表示される数値が「1」だけ増加されてそれぞれ表示されるように、表示内容を変更する。同時に、表示制御部215は、カウンタエジェクタ制御部214から送信された最新の不良バッチの各段ボールシートBSの加工状況が表示領域AR23に表示され、現行バッチである最新の不良バッチの位置が表示領域AR33に数値「0」として表示され、「未確認」を表す情報が表示領域AR43に表示されるように、表示内容を変更する。
【0173】
以上説明したバッチ形成動作は、次のバッチBT2の結束枚数が先のバッチBT1の結束枚数より多い場合におけるバッチ形成動作であり、上流側コンベア昇降モータ129の駆動により、上流側上部コンベア67Aの右端部のみが上昇し、上流側上部コンベア67Aは右上に傾いた状態になる。次のバッチBT2の結束枚数が先のバッチBT1の結束枚数より少ない場合にも、以上説明したバッチ形成動作と同様のバッチ形成動作が実行されるが、図15に示す状態においては、上流側コンベア昇降モータ129の駆動により、上流側上部コンベア67Aの右端部のみが下降し、上流側上部コンベア67Aは右下に傾いた状態になる。
【0174】
[第1実施形態の効果]
本実施形態では、3つの検査器EA~ECの検査結果に基いて判断される段ボールシートの加工状態を表す判断結果がステップSB13において統合され、統合メモリ部MPに記憶される。判断結果が記憶される統合メモリ部MPのマスのうちで、良品カウンタ230は、良品の段ボールシートを表す数値「1」を記憶するマスの数を計数する。不良品カウンタ231は、良品カウンタ230の計数値がオーダ指定結束枚数に達した時点において、不良品の段ボールシートを表す数値「2」を記憶する統合メモリ部MPのマスの数を計数する。カウンタエジェクタ6により形成される予定のバッチの結束枚数は、ステップSB19において、オーダ指定結束枚数と不良品カウンタ231の計数値とを合計することにより算出される。この結果、カウンタエジェクタ6により形成される予定のバッチは、オータ指定結束枚数の良品の段ボールシートを確実に含むことができる。
【0175】
本実施形態では、1番目バッチメモリ部MG1に記憶される結束枚数の段ボールシートBSがカウンタエジェクタ6に供給され、1番目バッチがカウンタエジェクタ6により形成される場合に、カウンタエジェクタ制御部214はバッチ形成信号を管理装置200に送信する。管理装置200がバッチ形成信号を受信した場合(SC6:YES)、ステップSC9において、2番目バッチ以降のバッチに関する情報、すなわち、結束枚数、シート順番、および、フラグが、1つ前のバッチ形成順に相当する記憶領域に繰上げて書き込まれる。この結果、バッチメモリ部MG1~MGNの記憶内容の更新が、カウンタエジェクタ6のバッチ形成に同期して実行されることから、カウンタエジェクタ6のバッチ形成に支障を起こすことなく、カウンタエジェクタ6が形成する予定のバッチの結束枚数を確実に決定することができる。
【0176】
本実施形態では、製函機1は、複数種類の加工状況を検査するために複数の検査器、すなわち3つの検査器EA~ECを備える。3つの検査器EA~ECの検査結果に基いて段ボールシートの加工状況が判断された判断結果は、ステップSB13において統合される。その統合された結果は、ステップSB14において、統合メモリ部MPに記憶される。カウンタエジェクタ6が形成する予定のバッチの結束枚数は、ステップSB19において、統合メモリ部MPの記憶内容に従って算出される。この結果、複数種類の加工状況を検査する場合であっても、カウンタエジェクタ6が形成する予定のバッチの結束枚数を確実に決定することができる。
【0177】
本実施形態では、統合メモリ部MPの記憶内容に従って算出される結束枚数が上限枚数以下でない場合(SB25:NO)、ステップSB26において給紙動作の停止が指令され、ステップSB27において、結束枚数が上限枚数以下でないバッチと、そのバッチ以降のバッチについて結束枚数がオーダ指定結束枚数に設定される。この結果、カウンタエジェクタ6において段ボールシートが詰まるなどの問題を未然に防止するとともに、結束枚数が上限枚数以下でないバッチより後のバッチにおいて不良品の段ボールシートが発生しなければ、オーダ指定結束枚数のバッチを形成することができる。
【0178】
本実施形態では、カウンタエジェクタ6の下流側下部コンベア66Bから送出されるバッチが不良バッチである場合、図10の(A)および図10の(B)に示すように、不良バッチを形成する段ボールシートBSの全ての段ボールシートの加工状況が、実際に形成されるバッチの段ボールシートBSの積み重ね順に従って、その積み重ね順を表す番号とともに順番に表示される。特に、不良品の段ボールシートBSの加工状況は、良品の段ボールシートBSの加工状況と区別される状態で表示される。この結果、作業者は、図10の(A)および図10の(B)に示す表示画面を見て、不良品の段ボールシートBSの積み重ね位置を容易に理解することができ、下流側下部コンベア66Bから送出された不良バッチから、不良品の段ボールシートBSを迅速に抜き出すことができる。また、本実施形態では、マーキングガン56が不良品の段ボールシートBSにインクを噴射する構成であることから、作業者は、噴射されたインクの有無を手掛かりに、不良品の段ボールシートBSの積み重ね位置を容易に見付けることができる。
【0179】
本実施形態では、表示部240の初期表示画面において、作業者が不良追跡ボタンをタッチ操作すると、図10の(A)に示す表示画面が表示される。図10の(A)に示す表示画面において、表示領域AR11は、未確認バッチであって不良バッチであるバッチのうちで、最も先に形成された不良バッチについて各段ボールシートBSの加工状況を優先的に表示する。この結果、作業者は、最も先に形成された不良バッチの確認を忘れることを未然に防止することができる。また、本実施形態では、図10の(A)に示す表示画面において、作業者が履歴ボタン300をタッチ操作すると、図10の(B)に示す表示画面が表示される。図10の(B)に示す表示画面において、表示領域AR21~AR23は、カウンタエジェクタ6から送出された不良バッチのうちで、より後に形成された3個の不良バッチについて各段ボールシートBSの加工状況を、バッチの形成順に左方から配列して同時に表示する。この結果、作業者は、不良品の段ボールシートBSの発生状況を経時的に理解することができ、不良品発生原因を究明するための参考にすることができる。
【0180】
本実施形態では、カウンタエジェクタ制御部214は、1番目バッチに対応する1番目バッチメモリ部MG1、または、後述する第2実施形態における1番目バッチメモリ部MK1に記憶される結束枚数に従って、上流側コンベア昇降モータ129、下流側コンベア昇降モータ132、テーブル昇降モータ118、およびレッジ昇降モータ108の駆動をそれぞれ制御し、所定の昇降コンベア位置VU1、所定の昇降コンベア位置VU2、所定の昇降テーブル位置VTX、および、所定の昇降レッジ位置VM2をそれぞれ調整する。この結果、各バッチの結束枚数が変更されても、カウンタエジェクタ6の内部でバッチBTが形成されて搬送される間に、バッチBTを潰すことなく最適な糊付状態となる押圧力で、主レッジ63、テーブル65A、上部コンベア67、および下部コンベア66は、バッチBTを押圧することができる。
【0181】
本実施形態では、図15に示すように、先のバッチBT1が下流側上部コンベア67Bと下流側下部コンベア66Bとの間で搬送されている間に、上流側上部コンベア67Aは、次のバッチBT2の結束枚数に従う所定の昇降テーブル位置VU1に向かって上昇を開始するように、カウンタエジェクタ制御部214は、上流側コンベア昇降モータ129の駆動を制御する。この結果、上流側上部コンベア67Aを、次のバッチBT2の結束枚数に従う所定の昇降テーブル位置VU1に迅速に上昇させることができ、上流側下部コンベア66Aにより搬送される次のバッチBT2の左端部が、上流側上部コンベア67Aの右端部に衝突することを回避することができる。また、先のバッチBT1が下流側上部コンベア67Bと下流側下部コンベア66Bとの間から送出された後に、カウンタエジェクタ制御部214は、下流側コンベア昇降モータ132の駆動を制御し、次のバッチBT2の結束枚数に従う所定の昇降テーブル位置VU2に向かって、下流側上部コンベア67Bを安定した状態で迅速に上昇させることができる。
【0182】
本実施形態では、次のバッチBT2について、所定の昇降コンベア位置VU1、所定の昇降コンベア位置VU2、所定の昇降テーブル位置VTX、および、所定の昇降レッジ位置VM2は、図9に示すステップSC9において2番目バッチ以降のバッチ形成順が繰り上げられた段階で、次のバッチBT2の形成動作が開始される前に、カウンタエジェクタ制御部214により、次のバッチBT2の結束枚数に基いて事前に算出される。この結果、次のバッチBT2の形成が開始されてから所定の昇降コンベア位置VU1などの各位置が算出される構成に比べて、各位置の算出処理を確実に実行することができ、次のバッチBT2の形成動作を確実に実行することができる。
【0183】
3つの検査器EA~ECの各検査器の配置位置は、各検査器が検査する加工装置の配置位置に応じて決定される。各検査器が検査する加工装置とカウンタエジェクタの入口との位置関係が常に一定の固定関係であれば、各検査メモリ部のマスの数は、各検査メモリ部と対応する各検査器と最も下流側の検査器との間の距離、たとえば、印刷検査器EAの配置位置P2と最も下流側の糊付検査器ECの配置位置P4との間の距離を、各印刷ユニットの印刷シリンダの周長で割り算した結果の整数値に相当する数値に固定して設定される構成であってもよい。しかし、各検査メモリ部のマスの数が固定して設定される構成では、製函機1において加工装置の配置位置が変更される度に、各検査メモリ部のマスの数を変更する必要があり、製函機1における加工装置の配置変更、または各検査器が検査する検査対象の変更などに、自由に対応することが困難になる。そこで、本実施形態では、3つの検査メモリ部MA~MCの各検査メモリ部のマスの数は、図6に示す位置P1から位置P5までの距離を、各印刷ユニットの印刷シリンダの周長で割り算した結果の整数値に相当する数値に設定される。この結果、製函機1における加工装置の配置変更、各検査器が検査する検査対象の変更、および検査器の数の変更などに、大幅な電気的構成の変更なしに容易に対応することができる。
【0184】
本実施形態では、図5に示すバッチメモリ部MG1~MGNのメモリ部の数、すなわち「N」の数値は、位置P4から位置P5までの間に存在することができる段ボールシートのシート枚数を、オーダ指定結束枚数で割り算した結果の整数値に相当する数値に設定される。この結果、作業メモリ221において全てのバッチメモリ部MG1~MGNが占める記憶領域を可能な限り小さくすることができるとともに、管理装置200が作業メモリ221に対して実行する情報の書き込みおよび読み出しという記憶制御処理を可能な限り簡易にすることができる。
【0185】
<第2実施形態>
以下に、本発明の第2実施形態について、図面を参照して説明する。第2実施形態は、図1乃至図3に示す製函機1の機械的構成において第1実施形態と同じ構成を有するが、図4に示す製函機1の電気的構成において第1実施形態と相違することから、その相違する電気的構成のみについて、図面を参照して説明する。第1実施形態と同じ構成を有する第2実施形態の機械的構成および電気的構成の各部分については、第1実施形態と同じ番号および記号を使用して説明する。第2実施形態の電気的構成は、図4に示す良品カウンタ230および不良品カウンタ231を備えない構成であり、第1実施形態と異なる記憶内容を記憶するプログラムメモリ420、および作業メモリ421を備える。
【0186】
プログラムメモリ420は、書き換え可能な不揮発性メモリから構成され、製函機1の動作全体を制御するメインルーチンプログラム、サブルーチンプログラム、連続する複数のオーダに関係する情報、および各種の設定値を記憶する。サブルーチンプログラムとして、後述する図19に示す電源投入後における初期設定管理に関するプログラム、図20に示すオーダ生産開始後における結束枚数の設定管理に関するプログラム、図21に示すオーダ生産開始後におけるバッチ形成順の決定管理に関するプログラム、および、図22に示すオーダ生産開始後における追跡メモリ部MS1の記憶管理に関するプログラムが、プログラムメモリ420にそれぞれ記憶される。設定値として、カウンタエジェクタ6が形成することが可能なバッチBTの結束枚数の上限枚数、下流側バッチ検出器BD2から下流側上部コンベア67Bの右端部までの距離に相当する所定のパルス数、および、後述する図18に示す位置P2から位置P5までの間、位置P3から位置P5までの間、および、位置P4から位置P5までの間にそれぞれ存在することができる段ボールシートのシート枚数YA、YB、YCなどの設定値が、プログラムメモリ420にそれぞれ記憶される。オーダに関係する情報として、オーダ指定結束枚数などの情報が、プログラムメモリ420に記憶される。
【0187】
[作業メモリ421の詳細な記憶内容]
作業メモリ421の詳細な記憶内容について、図17および図18を参照して説明する。図17の(A)は、作業メモリ421の記憶内容全体を示し、図17の(B)は、バッチメモリ部MK1~MKNの具体的な記憶内容を示す。図18は、3つの検査器EA~ECと、追跡メモリ部MS1およびシート順メモリ部MS2と、表示バッファメモリ部MHとの動作的関係を示す。作業メモリ421は、管理装置1の管理結果、3つの検査器EA~ECからの検査結果、および、操作部222からの操作情報を一時的に記憶する。作業メモリ421は、図17の(A)に示すように、多数のメモリ部を有する。多数のメモリ部のうちで検査に関係するメモリ部として、追跡メモリ部MS1、およびシート順メモリ部MS2が備えられる。多数のメモリ部のうちで、所定数であるN個のバッチに関係するメモリ部として、1番目バッチメモリ部MK1、2番目バッチメモリ部MK2、および、3番目バッチメモリ部MK3など、N個のバッチの各バッチに関係するメモリ部が備えられ、N番目のバッチに関係するメモリ部が、N番目バッチメモリ部MKNである。多数のメモリ部のうちで表示に関係するメモリ部として、表示バッファメモリ部MHが備えられる。
【0188】
図17の(B)において、バッチメモリ部MK1~MKNは、所定数であるN個のバッチにそれぞれ対応して備えられ、バッチ形成順、および結束枚数を表す情報を記憶する。バッチ形成順の「1」は、カウンタエジェクタ6により現在形成されているバッチ、または、カウンタエジェクタ6により最初に形成される予定のバッチであり、1番目バッチを表す番号である。バッチ形成順の「2」は、1番目バッチの次に形成される予定のバッチであり、2番目バッチを表す番号である。バッチ形成順の「N」は、所定数のバッチのうちで、最後に形成される予定のバッチであり、N番目バッチを表す番号である。結束枚数は、各バッチを形成する段ボールシートBSの枚数であり、良品の段ボールシートBSの枚数と、不良品の段ボールシートBSの枚数との合計枚数を表す。たとえば、図17の(B)に示す具体例では、オーダに従って指定されるバッチの結束枚数、すなわちオーダ指定結束枚数は、10枚を表す「10」に設定される。1番目バッチの結束枚数として、12枚を表す「12」の数値が記憶され、2番目バッチの結束枚数として、オーダ指定結束枚数と同じ枚数を表す「10」の数値が記憶され、3番目バッチの結束枚数として、11枚を表す「11」の数値が記憶される。1番目バッチの結束枚数として、「12」が記憶されているので、オーダ指定結束枚数より多い枚数である2枚は、不良品の段ボールシートBSの枚数である。
【0189】
図17の(B)に示すバッチメモリ部MK1~MKNのメモリ部の数、すなわち「N」の数値は、図18に示す位置P4から位置P5までの間に存在することができる段ボールシートのシート枚数を、オーダ指定結束枚数で割り算した結果の整数値に相当する数値に設定される。位置P4から位置P5までの間に存在することができる段ボールシートのシート枚数は、位置P4から位置P5までの距離を、各印刷ユニットの印刷シリンダの周長で割り算した結果の整数値に相当する数値である。
【0190】
図17の(B)および図18において、バッチ形成順として表される「XA」は、印刷検査器EAが検査する段ボールシートが含まれるバッチが形成される順番を表す。バッチ形成順として表される「XB」は、送り検査器EBが検査する段ボールシートが含まれるバッチが形成される順番を表す。バッチ形成順として表される「XC」は、糊付検査器ECが検査する段ボールシートが含まれるバッチが形成される順番を表す。図18において、バッチ形成順として表される「1」は、現在形成中のバッチ、または、形成が予定されている1番目バッチが形成される順番を表す。バッチ形成順として表される「N」は、形成が予定されているN番目バッチが形成される順番を表す。バッチ形成順XA~XCは、3つの検査器EA~ECにそれぞれ対応し、各段ボールシートBSがカウンタエジェクタ6に供給される度に、管理装置200によりそれぞれ決定される。
【0191】
図18に示す位置P1~P6は、図6に示す位置P1~P6と同じ位置を表す。追跡メモリ部MS1は、多数の検査記憶領域として、多数のマスを備える。図18において、マスに記憶される数値「1」は、判断結果が良品の段ボールシートSHであることを表し、マスに記憶される数値「2」は、判断結果が不良品の段ボールシートSHであることを表す。マスに記憶される数値「0」は、判断結果がまだ記憶されていないことを表す。追跡メモリ部MS1のマスの数は、位置P1から位置5までの間の距離を、印刷シリンダの周長で割り算した結果の整数値に相当する数値であり、位置P1から位置P5までの間に存在することができる段ボールシートの枚数に相当する数値に設定される。
【0192】
図18において、追跡メモリ部MS1の最も左端のマスは、カウンタエジェクタ6の入口に供給される段ボールシートであって、カウンタエジェクタ6の入口に位置する段ボールシートに対応するマスである。追跡メモリ部MS1の最も右端のマスは、シート給紙装置2の出口から送出された段ボールシートであって、シート給紙装置2の出口に位置する段ボールシートに対応するマスである。追跡メモリ部MS1のマスのうちで、(YC+1)と示されるマスは、糊付検査器ECに対応するマスであって、最も左端のマスに対応する段ボールシートを1枚目の段ボールシートとした場合に、(YC+1)枚目の段ボールシートに対応する(YC+1)番目のマスである。追跡メモリ部MS1のマスのうちで、(YB+1)と示されるマスは、送り検査器EBに対応するマスであって、最も左端のマスに対応する段ボールシートを1枚目の段ボールシートとした場合に、(YB+1)枚目の段ボールシートに対応する(YB+1)番目のマスである。追跡メモリ部MS1のマスのうちで、(YA+1)と示されるマスは、印刷検査器EAに対応するマスであって、最も左端のマスに対応する段ボールシートを1枚目の段ボールシートとした場合に、(YA+1)枚目の段ボールシートに対応する(YA+1)番目のマスである。なお、「YA」、「YB」、および「YC」は、図18に示す位置P2から位置P5までの間、位置P3から位置P5までの間、および、位置P4から位置P5までの間にそれぞれ存在することができる段ボールシートのシート枚数をそれぞれ表す。
【0193】
図18において、シート順メモリ部MS2、および、表示バッファメモリ部MHは、多数の記憶領域として、多数のマスを備える。シート順メモリ部MS2のマスの数は、カウンタエジェクタ6が形成することができるバッチBTの結束枚数の上限枚数に、所定の余裕枚数を加えた枚数に相当する数値に設定される。表示バッファメモリ部MHのマスの数は、シート順メモリ部MS2のマスの数と同じ数値に設定される。印刷シリンダの1回転に相当する所定の1周期において予め定められる基準回転位相で、シート給紙装置2から1枚の段ボールシートSHが送出される度に、シート順メモリ部MS2の各マスに記憶される情報は、1つのマス分だけ左方に移動して繰り下がり、記憶し直される。シート順メモリ部MS2の繰り下がり記憶により、シート順メモリ部MS2の最も左端のマスに記憶される情報は、削除される。シート順メモリ部MS2の繰り下がり記憶の後に、追跡メモリ部MS1の各マスに記憶される情報は、1つのマス分だけ左方に移動して繰り下がり、記憶し直される。追跡メモリ部MS1の繰り下がり記憶の前に追跡メモリ部MS1の最も左端のマスに記憶される情報は、追跡メモリ部MS1の繰り下がり記憶に同期して、繰り下げられた状態のシート順メモリ部MS2の最も右端のマスに記憶し直される。シート給紙装置2から1枚の段ボールシートSHが送出される度に、繰り下げられた状態の追跡メモリ部MS1の最も右端のマスに、良品の段ボールシートを表す数値「1」が書き込まれる。
【0194】
図17の(B)に示す1番目バッチメモリ部MK1に記憶される結束枚数が12枚の1番目バッチBTの形成がカウンタエジェクタ6により完了されるときに、シート順メモリ部MS2の各マスに記憶される情報が、表示バッファメモリ部MHの各マスに転送されて記憶される。管理装置200は、1番目バッチBTの形成完了に同期して、表示バッファメモリ部MHから記憶内容を読み出して表示制御部215に送信する。表示制御部215は、送信された情報を表示編集メモリ241に書き込む。図18に示す表示バッファメモリ部MHの最も右端のマスに記憶される情報は、1番目バッチBTの最後の段ボールシートBSの加工状況を表す情報であり、表示バッファメモリ部MHの最も右端のマスから左方に向かって12番目のマスに記憶される情報が、1番目バッチBTの1番目の段ボールシートBSの加工状況を表す情報である。表示制御部215は、図5の(B)に示すシート順番の各マスに記憶される情報の並び順、すなわち、図5の(B)において、シート順番の右端のマスから1番目の段ボールシートBSの加工状況が記憶される並び順に、表示バッファメモリ部MHから送信された情報を変換して表示編集メモリ241に書き込む。
【0195】
[第2実施形態の製函機1の動作および作用]
第2実施形態の製函機1の動作および作用について、図19乃至図22を主に参照して説明する。プログラムメモリ420に記憶されるメインルーチンプログラムは、製函機1の電源スイッチがオン操作されることにより、開始される。プログラムメモリ420に記憶される各サブルーチンプログラムは、メインルーチンプログラムが実行開始された後に、所定の条件が成立したときに、開始される。図19に示す電源投入後における初期設定管理に関するサブルーチンプログラムは、メインルーチンプログラムの開始に伴って開始される。図20に示すオーダ生産開始後における結束枚数の設定管理、図21に示すオーダ生産開始後におけるバッチ形成順の決定管理、および、図22に示すオーダ生産開始後における追跡メモリ部MS1の記憶管理に関するサブルーチンプログラムは、主モータスイッチがオン操作されるとともに、連続給紙スイッチがオン操作されるという条件が成立することにより、開始される。図19乃至図22に示す各ステップの処理は、コンピュータとして機能する管理装置200により実行される。第2実施形態の製函機1の動作および作用について、表示部240の表示動作、およびカウンタエジェクタ6のバッチ形成動作は、第1実施形態と同様に実行されるので、それらの動作の説明を省略する。
【0196】
(電源投入後における初期設定管理)
電源投入後における初期設定管理について、図19を参照して説明する。初期設定管理の実行が開始されると、追跡メモリ部MS1と、シート順メモリ部MS2との記憶領域が、作業メモリ421の内部に設定される(SD1)。バッチメモリ部MK1~MKNの記憶領域が、作業メモリ421の内部に設定される(SD2)。バッチメモリ部の記憶領域を設定する際に、管理装置200は、位置P4から位置P5までの間に存在することができる段ボールシートのシート枚数を、オーダ指定結束枚数で割り算することにより、バッチメモリ部の個数である「N」の数値を算出する。表示バッファメモリ部MHの記憶領域が、作業メモリ421の内部に設定される(SD3)。ステップSD4の実行後に、初期設定管理は終了して、処理はメインルーチンに戻る。
【0197】
(オーダ生産開始後における結束枚数の設定管理)
オーダ生産開始後における結束枚数の設定管理について、図20を参照して説明する。結束枚数の設定管理の実行が開始されると、オーダ指定結束枚数が、バッチメモリ部MK1~MKNの全てのバッチメモリ部に、結束枚数として設定される(SE1)。
【0198】
シート検出器SDが段ボールシートBSの先端部を検出したか否かが判断される(SE2)。段ボールシートBSの先端部が検出された場合(SE2:YES)、ステップSE3が実行される。段ボールシートBSの先端部が検出されない場合(SE2:NO)、ステップSE2の判断が再度実行される。
【0199】
シートカウント枚数がシートカウンタ250から取得される(SE3)。ステップSE3の実行後に、バッチ形成順XA~XCがそれぞれ決定される(SE4)。バッチ形成順XA~XCの各バッチ形成順は、同じ決定方法で決定されるので、バッチ形成順XAを例にして、バッチ形成順の決定方法を説明する。バッチ形成順XAは、下記の不等式(1)および不等式(2)をそれぞれ満足する「XA」を求めることにより、決定される。
不等式(1):
(1番目バッチに入る残り枚数)+(2番目バッチの結束枚数)+・・・+(「XA-1」番目バッチの結束枚数)<(YA+1)-(追跡メモリ部MS1の数値「0」のマス数)
不等式(2):
(1番目バッチに入る残り枚数)+(2番目バッチの結束枚数)+・・・+(「XA」番目バッチの結束枚数)≧(YA+1)-(追跡メモリ部MS1の数値「0」のマス数)
【0200】
オーダ生産開始の直後においては、印刷検査器EAを通過する段ボールシートの枚数が少ない場合であって、下記の不等式(3)を満足する場合には、「XA」は、1番目バッチを表す順番「1」に決定される。
不等式(3):
(1番目バッチに入る残り枚数)>(YA+1)-(追跡メモリ部MS1の数値「0」のマス数)
【0201】
バッチ形成順XB、XCも、バッチ形成順XAと同様に、不等式(1)および不等式(2)をそれぞれ満足する「XB」および「XC」を求めることにより、決定される。また、オーダ生産開始の直後において、送り検査器EBおよび糊付検査器ECを通過する段ボールシートの枚数が少ない場合であって、不等式(3)を満足する場合には、「XB」および「XC」は、1番目バッチを表す順番「1」に決定される。不等式(1)~(3)において、(1番目バッチに入る残り枚数)は、1番目バッチの結束枚数の段ボールシートのうちで、カウンタエジェクタ6にまだ供給されていない段ボールシートの枚数を意味し、1番目バッチの結束枚数からシートカウント枚数を差し引くことにより求められる。
【0202】
3つの検査器EA~ECのいずれかの検査器からの検査結果に基いて、不良品の段ボールシートであると判断される不良品情報が取得されたか否かが判断される(SE5)。不良品情報が取得されていない場合(SE5:NO)、処理がステップSE2に戻って実行される。不良品情報が取得された場合(SE5:YES)、ステップSE6が実行される。
【0203】
3つの検査器EA~ECのうちのどの検査器から検査結果が取得されたのかが判断される(SE6)。印刷検査器EAから検査結果が取得された場合(SE6:EA)、ステップSE7が実行される。送り検査器EBから検査結果が取得された場合(SE6:EB)、ステップSE8が実行される。糊付検査器ECから検査結果が取得された場合(SE6:EC)、ステップSE9が実行される。
【0204】
不良品情報と判断される検査結果が印刷検査器EAから取得された場合(SE6:EA)、(YA+1)番目メモリエリアに記憶される数値「1」が数値「2」に書き換えられる(SE7)。図18に示す具体例では、追跡メモリ部MS1の(YA+1)番目のマスに記憶される良品情報を表す数値「1」が、不良品情報を表す数値「2」に書き換えられる。
【0205】
ステップSE7の実行後に、XA番目バッチの結束枚数に数値「1」が加算される(SE10)。図17の(B)に示す具体例では、XA番目バッチに対応するバッチメモリ部に記憶される10枚の結束枚数を表す数値「10」に、数値「1」が加算され、算出結果が数値「11」となる。
【0206】
ステップSE10における算出結果が、XA番目バッチに対応するバッチメモリ部に記憶される(SE11)。図17の(B)に示す具体例では、11枚の結束枚数を表す算出結果「11」が、XA番目バッチに対応するバッチメモリ部に記憶される。
【0207】
ステップSE10における算出結果が、結束枚数の上限枚数以下であるのか否かが判断される(SE12)。算出結果が上限枚数以下と判断される場合(SE12:YES)、ステップSE27が実行される。算出結果が上限枚数以下と判断されない場合(SE12:NO)、ステップSE13が実行される。
【0208】
算出結果が上限枚数以下と判断されない場合(SE12:NO)、給紙動作の停止が指令される(SE13)。具体的には、管理装置200は、給紙停止指令を給紙制御部210に送信する。給紙制御部210は、管理装置200からの給紙停止指令に従って、シート給紙装置2に給紙動作を停止させる。給紙停止動作は、グレイトが給紙ローラより上昇した位置で、昇降運動を停止することにより実行される。シート給紙装置2の給紙動作は停止されるが、搬送機構による搬送動作は継続され、製函機1の内部に残留する段ボールシートは、カウンタエジェクタ6に向けて引き続き搬送される。シート給紙装置2から最後に供給された段ボールシートがカウンタエジェクタ6に供給された後に、搬送機構の搬送動作は停止される。
【0209】
XA番目バッチと、XA番目以降のバッチとについて、結束枚数がオーダ指定結束枚数に設定される(SE14)。具体的には、オーダ指定結束枚数が、XA番目バッチからN番目バッチまでの各バッチに対応するバッチメモリ部に、結束枚数としてそれぞれ設定される。印刷検査器EAからの検査結果に基いて、印刷状態が異常である不良品と判断される場合(SE6:EA)であって、結束枚数が上限枚数を超える場合(SE12:NO)には、印刷状態が異常である不良品である段ボールシートが多数発生しているので、カウンタエジェクタ6において紙詰まりなどの問題の発生を未然に防止するために、XA番目バッチと、XA番目以降のバッチとについて、結束枚数が強制的にオーダ指定結束枚数に設定される。ステップSE14の実行後に、結束枚数の設定管理は終了し、処理はメインルーチンに戻る。
【0210】
不良品情報と判断される検査結果が送り検査器EBから取得された場合(SE6:EB)、(YB+1)番目メモリエリアに数値「1」が記憶されているのか否かが判断される(SE8)。(YB+1)番目メモリエリアに数値「1」が記憶されていると判断されない場合(SE8:NO)、ステップSE27が実行される。(YB+1)番目メモリエリアに数値「1」が記憶されていると判断される場合(SE8:YES)、ステップSE15が実行される。
【0211】
(YB+1)番目メモリエリアに数値「1」が記憶されると判断される場合(SE8:YES)、(YB+1)番目メモリエリアに記憶される数値「1」が数値「2」に書き換えられる(SE15)。具体的には、追跡メモリ部MS1の(YB+1)番目のマスに記憶される良品情報を表す数値「1」が、不良品情報を表す数値「2」に書き換えられる。
【0212】
ステップSE15の実行後に、XB番目バッチの結束枚数に数値「1」が加算される(SE16)。図17の(B)に示す具体例では、XB番目バッチに対応するバッチメモリ部に記憶される10枚の結束枚数を表す数値「10」に、数値「1」が加算される。
【0213】
ステップSE16における算出結果が、XB番目バッチに対応するバッチメモリ部に記憶される(SE17)。図17の(B)に示す具体例では、11枚の結束枚数を表す算出結果「11」が、XB番目バッチに対応するバッチメモリ部に記憶される。
【0214】
ステップSE16における算出結果が、結束枚数の上限枚数以下であるのか否かが判断される(SE18)。算出結果が上限枚数以下と判断される場合(SE18:YES)、ステップSE27が実行される。算出結果が上限枚数以下と判断されない場合(SE18:NO)、ステップSE18が実行される。
【0215】
算出結果が上限枚数以下と判断されない場合(SE18:NO)、ステップSE13と同様に、給紙動作の停止が指令される(SE19)。具体的には、管理装置200は、給紙停止指令を給紙制御部210に送信し、給紙制御部210は、管理装置200からの給紙停止指令に従って、シート給紙装置2に給紙動作を停止させる。
【0216】
XB番目バッチと、XB番目以降のバッチとについて、結束枚数がオーダ指定結束枚数に設定される(SE20)。具体的には、オーダ指定結束枚数が、XB番目バッチからN番目バッチまでの各バッチに対応するバッチメモリ部に、結束枚数としてそれぞれ設定される。送り検査器EBからの検査結果に基いて、送り状態が異常である不良品と判断される場合(SE6:EB)であって、結束枚数が上限枚数を超える場合(SE18:NO)には、送り状態が異常である不良品である段ボールシートが多数発生しているので、カウンタエジェクタ6において紙詰まりなどの問題の発生を未然に防止するために、XB番目バッチと、XB番目以降のバッチとについて、結束枚数が強制的にオーダ指定結束枚数に設定される。ステップSE20の実行後に、結束枚数の設定管理は終了し、処理はメインルーチンに戻る。
【0217】
不良品情報と判断される検査結果が糊付検査器ECから取得された場合(SE6:EC)、(YC+1)番目メモリエリアに数値「1」が記憶されているのか否かが判断される(SE9)。(YC+1)番目メモリエリアに数値「1」が記憶されていると判断されない場合(SE9:NO)、ステップSE27が実行される。(YC+1)番目メモリエリアに数値「1」が記憶されていると判断される場合(SE9:YES)、ステップSE21が実行される。
【0218】
(YC+1)番目メモリエリアに数値「1」が記憶されていると判断される場合(SE9:YES)、(YC+1)番目メモリエリアに記憶される数値「1」が数値「2」に書き換えられる(SE21)。具体的には、追跡メモリ部MS1の(YC+1)番目のマスに記憶される良品情報を表す数値「1」が、不良品情報を表す数値「2」に書き換えられる。
【0219】
ステップSE21の実行後に、XC番目バッチの結束枚数に数値「1」が加算される(SE22)。図17の(B)に示す具体例では、XC番目バッチに対応するバッチメモリ部に記憶される10枚の結束枚数を表す数値「10」に、数値「1」が加算される。
【0220】
ステップSE22における算出結果が、XC番目バッチに対応するバッチメモリ部に記憶される(SE23)。図17の(B)に示す具体例では、11枚の結束枚数を表す算出結果「11」が、XC番目バッチに対応するバッチメモリ部に記憶される。
【0221】
ステップSE22における算出結果が、結束枚数の上限枚数以下であるのか否かが判断される(SE24)。算出結果が上限枚数以下と判断される場合(SE24:YES)、ステップSE27が実行される。算出結果が上限枚数以下と判断されない場合(SE24:NO)、ステップSE25が実行される。
【0222】
算出結果が上限枚数以下と判断されない場合(SE24:NO)、ステップSE13と同様に、給紙動作の停止が指令される(SE25)。具体的には、管理装置200は、給紙停止指令を給紙制御部210に送信し、給紙制御部210は、管理装置200からの給紙停止指令に従って、シート給紙装置2に給紙動作を停止させる。
【0223】
XC番目バッチと、XC番目以降のバッチとについて、結束枚数がオーダ指定結束枚数に設定される(SE26)。具体的には、オーダ指定結束枚数が、XC番目バッチからN番目バッチまでの各バッチに対応するバッチメモリ部に、結束枚数としてそれぞれ設定される。糊付検査器ECからの検査結果に基いて、糊付状態が異常である不良品と判断される場合(SE6:EC)であって、結束枚数が上限枚数を超える場合(SE24:NO)には、糊付状態が異常である不良品である段ボールシートが多数発生しているので、カウンタエジェクタ6において紙詰まりなどの問題の発生を未然に防止するために、XC番目バッチと、XC番目以降のバッチとについて、結束枚数が強制的にオーダ指定結束枚数に設定される。ステップSE26の実行後に、結束枚数の設定管理は終了し、処理はメインルーチンに戻る。
【0224】
ステップSE14、SE19、SE26のいずれかのステップの実行後において、カウンタエジェクタ6に供給された段ボールシートBSが、オーダ指定結束枚数、または、オーダ指定結束枚数には足りない結束枚数のバッチBTとして形成されて下流側下部コンベア66Bから送出された後に、製函機1の動作は停止される。
【0225】
算出結果が上限枚数以下と判断される場合(SE12、SE18、SE24:YES)、オーダの生産が終了したのか否かが判断される(SE27)。各オーダに従って指定される段ボールシートBSの生産枚数と、オーダ指定結束枚数とに基いて決定される総数のバッチBTが、カウンタエジェクタ6により形成されるとともに、その総数のバッチBTのうちの最後のバッチBTが、カウンタエジェクタ6の下流側下部コンベア66Bから送出されたときに、管理装置200は、オーダの生産が終了したと判断する。オーダの生産が終了したと判断された場合(SE27:YES)、結束枚数の設定管理は終了し、処理はメインルーチンの処理に戻る。
【0226】
オーダの生産が終了していないと判断された場合(SE27:NO)、処理はステップSE2に戻る。通常、オーダの生産が開始された直後においては、シート給紙装置2から最初に送出された1番目の段ボールシートSHは、送り検査器EB、および糊付検査器ECの配置位置には到達していないので、印刷検査器EAのみが複数枚の段ボールシートSHを連続して検査する。このため、SE2~SE7、SE10~SE12、およびSE27のステップの処理が、繰り返し実行される。この繰り返しの実行により、図18に示す追跡メモリ部MS1の(YA+1)番目のマスに、印刷検査器EAからの検査結果に基く印刷状態を表す情報が記憶される。具体的には、印刷検査器EAからの検査結果に基く印刷状態が異常である場合に、不良品情報を表す数値「2」が書き込まれ、印刷検査器EAからの検査結果に基く印刷状態が正常である場合に、良品情報を表す数値「1」がそのまま維持される。
【0227】
1番目の段ボールシートSHが送り検査器EBの配置位置に到達した後において、図18に示す追跡メモリ部MS1の(YB+1)番目のマスに、送り検査器EBからの検査結果に基く送り状態を表す情報が、印刷状態を表す情報と同様に、記憶される。1番目の段ボールシートSHが糊付検査器ECの配置位置に到達した後において、図18に示す追跡メモリ部MS1の(YC+1)番目のマスに、糊付検査器ECからの検査結果に基く糊付状態を表す情報が、印刷状態を表す情報と同様に、記憶される。
【0228】
(オーダ生産開始後におけるバッチ形成順の決定管理)
オーダ生産開始後におけるバッチ形成順の決定管理について、図21を参照して説明する。図21に示すステップSF1~SF11は、図9に示すステップSC1~SC11にそれぞれ対応する。図21に示すステップについては、図9に示すステップと相違するステップについてのみ詳細に説明する。
【0229】
ステップSF1~SF3が、ステップSC1~SC3と同様に実行される。ステップSF3の実行後に、シートカウント枚数が、図17の(B)に示すバッチ形成順が「1」である1番目バッチの結束枚数に達したのか否かが判断される(SF4)。シートカウント枚数が1番目バッチの結束枚数に達した場合(SF4:YES)、ステップSF5が実行される。シートカウント枚数が1番目バッチの結束枚数に達しない場合(SF4:NO)、ステップSF10が実行される。
【0230】
シートカウント枚数が1番目バッチの結束枚数に達した場合(SF4:YES)、ステップSF5、SF6が、ステップSC5、SC6と同様に実行される。ステップSF6で、バッチ形成信号が取得されたと判断された場合(SF6:YES)、図18に示すシート順メモリ部MS2の記憶内容が、表示バッファメモリ部MHに書き込まれる(SF7)。図18に示す具体例では、シート順メモリ部MS2の全てのマスに記憶される記憶内容である「11121・・1210・・0」が、表示バッファメモリ部MHの右端のマスから左方に向かって順番に書き込まれる。後述のSF9のステップにおいて1番目バッチに繰り上げられたバッチの形成が完了する前に、管理装置200は、表示バッファメモリ部MHに書き込まれた情報を読み出して表示制御部215に送信する。表示制御部215は、送信された情報を表示編集メモリ241に書き込み、表示編集メモリ241の記憶内容に従って表示部240の表示内容を制御する。
【0231】
図17の(B)に示す1番目バッチに関する情報、すなわち、1番目バッチメモリ部MK1に記憶される結束枚数が、クリアされ、数値「0」に設定される(SF8)。
【0232】
2番目バッチ以降のバッチに関する情報、すなわち、バッチメモリ部MK2~MKNに記憶される結束枚数が、1つ前のバッチ形成順に相当する記憶領域に繰上げて書き込まれる(SF9)。図17の(B)に示す具体例では、2番目バッチに関する結束枚数である数値「10」が、バッチ形成順が「1」である1番目バッチの記憶領域に書き込まれる。3番目バッチ以降のバッチに関する情報も、同様に、1つ前のバッチ形成順に相当する記憶領域に繰上げて書き込まれる。繰上げ書き込みが終了した後に、オーダ指定結束枚数である数値「10」が、N番目バッチメモリ部MKNに、結束枚数として書き込まれる。
【0233】
シートカウント枚数が1番目バッチの結束枚数に達しない場合(SF4:NO)と同様に、ステップSF9の実行後に、オーダの生産が終了したのか否かが判断される(SF10)。オーダの生産が終了したと判断された場合(SF10:YES)、ステップSF11が実行される。
【0234】
オーダの生産が終了したと判断された場合(SF10:YES)、メモリ部がクリアされる(SF11)。具体的には、作業メモリ421の内部に備えられる追跡メモリ部MS1、シート順メモリ部MS2、N個のバッチメモリ部MK1~MKN、および、表示バッファメモリ部MHの記憶内容が、クリアされ、数値「0」に設定される。また、ステップSF11の実行とともに、シートカウンタSDの計数値も、クリアされ、数値「0」に設定される。ステップSF11の実行後に、バッチ形成順の決定管理は終了し、処理はメインルーチンに戻る。
【0235】
(オーダ生産開始後における追跡メモリ部MS1の記憶管理)
オーダ生産開始後における追跡メモリ部MS1の記憶管理について、図22を参照して説明する。追跡メモリ部MS1の記憶管理の実行が開始されると、1周期分の給紙信号が取得されたのか否かが判断される(SG1)。1周期分の給紙信号が取得されないと判断される場合(SG1:NO)、ステップSG1の判断が再度実行される。1周期分の給紙信号が取得されたと判断される場合(SG1:YES)、ステップSG2が実行される。給紙制御部210は、印刷シリンダの1回転に相当する所定の1周期において予め定められる基準回転位相で、1枚の段ボールシートSHを供給する1回の給紙動作が開始されるように、シート給紙装置2の給紙タイミングを制御する。この給紙タイミングを制御するために、給紙制御部210は、シート給紙装置2における1枚の段ボールシートの給紙タイミングを決定する1周期分の給紙信号を発生し、管理装置200に送信する。管理装置200が1周期分の給紙信号を受信したときに、1周期分の給紙信号が取得されたと判断される。
【0236】
1周期分の給紙信号が取得されたと判断される場合(SG1:YES)、シート順メモリ部MS2の記憶内容が繰り下げられる(SG2)。具体的には、図18に示すシート順メモリ部MS2の右端のマスから順番に各マスに記憶される情報が、1マス分だけ左方に移されて繰り下げられ、記憶し直される。この繰り下げに伴い、シート順メモリ部MS2の最も左端のマスに記憶される情報は削除され、シート順メモリ部MS2の最も右端のマスに、数値「0」が書き込まれる。
【0237】
追跡メモリ部MS1の最下位メモリエリアの内容が、シート順メモリ部MS2の最上位メモリエリアに記憶される(SG3)。図18に示す具体例では、追跡メモリ部MS1の最下位メモリエリアである追跡メモリ部MS1の最も左端のマスに記憶される数値「1」が、シート順メモリ部MS2の最上位メモリエリアであるシート順メモリ部MS2の最も右端のマスに書き込まれる。
【0238】
追跡メモリ部MS1の内容が繰り下げられる(SG4)。図18に示す具体例では、追跡メモリ部MS1の右端のマスから各マスに記憶される情報が、1マス分だけ左方に移されて繰り下げられ、記憶し直される。追跡メモリ部MS1の最も左端のマスに記憶される情報は、シート順メモリ部MS2の最も右端のマスにすでに書き込まれているので、削除される。
【0239】
追跡メモリ部MS1の最上位メモリエリアに良品情報が記憶される(SG4)。図18に示す具体例では、良品情報を表す数値「1」が、追跡メモリ部MS1の最上位メモリエリアである追跡メモリ部MS1の最も右端のマスに、書き込まれる。
【0240】
ステップSG5の実行後に、オーダの生産が終了したのか否かが判断される(SG6)。オーダの生産が終了したと判断されない場合(SG6:NO)、処理はステップSG1に戻って実行される。オーダの生産が終了したと判断された場合(SG6:YES)、追跡メモリ部MS1の記憶管理は終了し、処理はメインルーチンに戻る。
【0241】
[第2実施形態の効果]
本実施形態では、ステップSE1において、オーダ指定結束枚数が、バッチメモリ部MK1~MKNにそれぞれ設定される。3つの検査器EA~ECのいずれかの検査器の検査結果に基いて段ボールシートが不良品であると判断され、不良品情報が取得された場合(SE5:YES)、3つの検査器EA~ECが検査する段ボールシートが含まれるXA番目バッチ、XB番目バッチ、およびXC番目バッチのいずれかのバッチについてバッチメモリ部に記憶される結束枚数に、不良品の枚数として数値「1」が加算される(SE10、SE16、SE22)。この結果、カウンタエジェクタ6により形成される予定のバッチは、不良品の枚数とともに、良品のオータ指定結束枚数の段ボールシートを確実に含むことができる。
【0242】
本実施形態では、1番目バッチメモリ部MK1に記憶される結束枚数の段ボールシートBSがカウンタエジェクタ6に供給され、1番目バッチがカウンタエジェクタ6により形成される場合に、カウンタエジェクタ制御部214はバッチ形成信号を管理装置200に送信する。管理装置200がバッチ形成信号を受信した場合(SF6:YES)、ステップSF9において、2番目バッチ以降のバッチに関する情報、すなわち、結束枚数、シート順番、および、フラグが、1つ前のバッチ形成順に相当する記憶領域に繰上げて書き込まれる。この結果、バッチメモリ部MK1~MKNの記憶内容の更新が、カウンタエジェクタ6のバッチ形成に同期して実行されることから、カウンタエジェクタ6のバッチ形成に支障を起こすことなく、カウンタエジェクタ6が形成する予定のバッチの結束枚数を確実に決定することができる。
【0243】
本実施形態では、製函機1は、複数種類の加工状況を検査するために複数の検査器、すなわち3つの検査器EA~ECを備える。3つの検査器EA~ECの検査結果に基いて段ボールシートの加工状況が判断された判断結果は、ステップSE7、SE15、SE21において、3つの検査器EA~ECにそれぞれ対応する追跡メモリ部MS1の(YA+1)番目のマス、(YB+1)番目のマス、および(YC+1)番目のマスにそれぞれ記憶される。ステップSE10、SE16、SE22において、3つの検査器EA~ECがそれぞれ検査する段ボールシートが含まれるXA番目バッチ、XB番目バッチ、およびXC番目バッチの結束枚数に、不良品の枚数として数値「1」がそれぞれ加算される。この結果、複数種類の加工状況を検査する場合であっても、カウンタエジェクタ6が形成する予定のバッチの結束枚数を確実に決定することができる。
【0244】
本実施形態では、XA番目バッチ、XB番目バッチ、およびXC番目バッチにそれぞれ対応するバッチメモリ部のいずれかのバッチメモリ部の記憶内容に従って算出される結束枚数が上限枚数以下でない場合(SE12、SE18、SE24:NO)、ステップSE13、SE19、SE25において給紙動作の停止が指令され、ステップSE14、SE20、SE26において、結束枚数が上限枚数以下でないバッチと、そのバッチ以降のバッチとについて結束枚数がオーダ指定結束枚数に設定される。この結果、カウンタエジェクタ6において段ボールシートが詰まるなどの問題を未然に防止するとともに、結束枚数が上限枚数以下でないバッチより後のバッチにおいて不良品の段ボールシートが発生しなければ、オーダ指定結束枚数のバッチを形成することができる。
【0245】
本実施形態では、第1実施形態と同じ機械的構成または電気的構成を備える構成部分については、第1実施形態と同じ作用効果が発揮される。たとえば、カウンタエジェクタ制御部214による上部コンベア67、テーブル65A、および主レッジ63の位置調整動作、および、表示制御部215による表示部240の表示動作についての作用効果は、第1実施形態と同様に発揮される。カウンタエジェクタ制御部214による位置調整動作においては、本実施形態では、次のバッチBT2について、所定の昇降コンベア位置VU1、所定の昇降コンベア位置VU2、所定の昇降テーブル位置VTX、および、所定の昇降レッジ位置VM2は、図21に示すステップSF9において2番目バッチ以降のバッチ形成順が繰り上げられた段階で、次のバッチBT2の形成動作が開始される前に、カウンタエジェクタ制御部214により、次のバッチBT2の結束枚数に基いて事前に算出される。
【0246】
<構成の対応関係>
製函機1、およびカウンタエジェクタ6は、本発明の製函機、およびカウンタエジェクタの一例である。管理装置200とカウンタエジェクタ制御部214と表示制御部215との組み合わせは、本発明のカウンタエジェクタ制御装置の一例である。印刷装置3、クリーザスロッタ4、およびフォルダグルア5は、本発明の複数の加工装置の一例である。検査器EA~ECとステップSB2~SB5またはステップSE5、SE6との組み合わせは、本発明の検査装置の一例である。バッチメモリ部MG1~MGN、またはバッチメモリ部MK1~MKNは、本発明のシート枚数記憶部の一例である。ステップSB20、またはステップSE4は、本発明のバッチ決定部の一例である。良品カウンタ230と不良品カウンタ231とステップSB18、SB19との組み合わせ、またはステップSE1、SE10、SE16、SE22は、本発明の算出部の一例である。ステップSB21、SC9、またはステップSE11、SE17、SE23、SF9は、本発明の記憶制御部の一例である。カウンタエジェクタ制御部214は、本発明のバッチ形成制御部の一例である。表示制御部215、および表示部240は、本発明の表示制御部、および表示装置の一例である。前当板61と矯正板62との間に画定される空間部分は、本発明のホッパ部の一例である。主レッジ63は、本発明の主レッジの一例である。エレベータ65、およびテーブル65Aは、本発明のエレベータ、およびテーブルの一例である。下部コンベア66、上部コンベア67、および、両コンベア66、67の組み合わせは、本発明の下部コンベア、上部コンベア、および送出コンベアの一例である。レッジ昇降モータ108、テーブル昇降モータ118、上流側コンベア昇降モータ129、および下流側コンベア昇降モータ132は、本発明の昇降駆動部の一例であり、カウンタエジェクタ制御部214は、本発明の駆動制御部の一例である。一対のフィードロール21、22などの多数の搬送ロールを含む搬送機構と、シート給紙装置2との組み合わせは、本発明の搬送装置の一例である。管理装置200と、給紙制御部210と、一対のフィードロール21、22などの多数の搬送ロールを含む搬送機構の動作を制御する制御部との組み合わせは、本発明の搬送制御部の一例である。結束枚数、および、オーダ指定結束枚数は、本発明の積重シート枚数、および、オーダ指定シート枚数に相当する。
【0247】
第1実施形態における不良品カウンタ231とステップSB18との組み合わせは、本発明の計数部の一例である。第1実施形態におけるステップSB19は、本発明の加算部の一例である。第1実施形態において結束枚数が記憶されるバッチメモリ部MG1~MGNの記憶領域は、本発明の所定数のシート枚数記憶領域の一例である。第1実施形態における検査メモリ部MA~MCは、本発明の検査記憶部の一例であり、本発明の複数の個別検査記憶部の一例である。第1実施形態における統合メモリ部MPは、本発明の検査纏め記憶部の一例である。第1実施形態におけるステップSB13は、本発明の検査決定部の一例である。第1実施形態における印刷検査メモリ部MAは、本発明の「最も上流側に配置された検査装置に対応する個別検査記憶部」の一例であり、図6に示す印刷検査メモリ部MAの多数のマスは、本発明の多数の検査記憶領域の一例である。
【0248】
第2実施形態における追跡メモリ部MS1は、本発明の検査記憶部の一例であり、図18に示す追跡メモリ部MS1の多数のマスは、本発明の多数の検査記憶領域の一例である。第2実施形態におけるステップSE7、SE15、SE21は、本発明の検査管理部の一例である。第2実施形態において結束枚数が記憶されるバッチメモリ部MK1~MKNの記憶領域は、本発明の所定数のシート枚数記憶領域の一例である。第2実施形態における追跡メモリ部MS1の(YA+1)番目のマス、(YB+1)番目のマス、および(YC+1)番目のマスは、本発明の「複数の検査装置にそれぞれ対応する複数の特定の検査記憶領域」の一例である。
【0249】
<変形例>
本発明は、第1および第2実施形態に限定されることはなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。以下にその変形の一例を述べる。
【0250】
(1)第1および第2実施形態では、3つの検査器EA~ECが備えられるが、1つの検査器のみが備えられる構成であってもよい。たとえば、製函機において段ボールシートを加工するために最も重要な加工の状況、または、異常発生頻度の最も高い加工の状況を検査する検査器のみを備える構成であってもよい。1つの検査器のみが備えられる構成である場合、第1実施形態では、3つの検査メモリ部MA~MCが削除され、1つの検査器の検査結果に基いて判断された良品情報または不良品情報が統合メモリ部MPに相当する1つのメモリ部に直接に書き込まれる構成であってもよい。第2実施形態では、追跡メモリ部MS1のマスのうちで、左端のマスを1番目のマスとした場合に、カウンタエジェクタ6の入口の位置P5と1つの検査器の配置位置との間に存在することができる段ボールシートの数YDに数値「1」を加えた数値に相当する(YD+1)番目のマスに、1つの検査器の検査結果に基いて判断された良品情報または不良品情報が書き込まれる構成であってもよい。
【0251】
(2)第1実施形態では、管理装置200が、図7乃至図9に示すサブルーチンプログラムを実行し、第2実施形態では、管理装置200が、図19乃至図22に示すサブルーチンプログラムを実行する構成である。また、管理装置200に接続される表示制御部240が、図10の(A)、(B)に示す表示画面を表示する構成である。しかし、結束枚数の設定管理などの制御処理、および表示制御処理を実行する制御構成は、両実施形態の構成に限定されず、他の構成であってもよい。たとえば、カウンタエジェクタ制御部214が、バッチ形成制御処理の外に、結束枚数の設定管理などの制御処理、および表示制御処理の全てを実行する構成であってもよい。この変形例では、カウンタエジェクタ制御部214が、本発明のカウンタエジェクタ制御装置の一例である。
【0252】
(3)第1および第2実施形態では、シートカウンタ250の計数値が1番目バッチの結束枚数に達した時点で、1番目バッチメモリ部MG1、MK1の記憶内容がクリアされ(SC8、SF8)、2番目バッチメモリ部MG2、MK2以降のバッチメモリ部の記憶内容が繰り上げられる(SC9、SF9)。バッチメモリ部の記憶内容を更新する記憶制御処理は、両実施形態の記憶制御処理に限定されない。たとえば、カウンタエジェクタ6が現在形成しているバッチの形成が完了する度に、バッチメモリ部の記憶内容のクリアと繰り上げとを実行する代わりに、バッチの形成が完了する度に、バッチメモリ部を指定する指定位置を、カウンタエジェクタ6が次に形成するバッチの結束枚数を記憶するバッチメモリ部を指定する指定位置に変更し、カウンタエジェクタ6が複数のバッチを形成した時点で、形成された複数のバッチの結束枚数を記憶するバッチメモリ部、すなわち、指定位置より前に存在するバッチメモリ部の記憶内容を一度にクリアする構成であってもよい。また、バッチメモリ部の記憶内容のクリアと繰り上げとを実行する構成は、先のバッチに対応するバッチメモリ部の記憶内容に次のバッチに対応するバッチメモリ部の記憶内容を上書きする構成であってもよい。
【0253】
(4)第1本実施形態では、統合メモリ部MPに記憶される良品情報の計数値がオーダ指定結束枚数に達する場合(SB17:YES)、ステップSB17において、統合メモリ部MPに記憶される不良品情報が計数される。ステップSB19において、バッチの結束枚数は、オーダ指定結束枚数に不良品情報の計数値を加算することにより、算出される。結束枚数の算出構成は、第1実施形態の算出構成に限定されず、種々の構成により具現化される。たとえば、第1実施形態において、各段ボールシートの加工状況を表す情報が統合メモリ部MPに書き込まれる度に、加工状況を表す情報が書き込まれた統合メモリ部MPのマスの数を計数する第1計数手段と、良品情報が書き込まれた統合メモリ部MPのマスの数を計数する第2計数手段とを備え、第2計数手段の計数値がオーダ指定結束枚数に達する場合に、第1計数手段の計数値をバッチの結束枚数とするとともに、両計数手段の計数値をクリアする構成であってもよい。この変形例では、第1計数手段が、本発明の算出部の一例である。
【0254】
(5)第2実施形態では、3つの検査器EA~ECの各検査器の検査結果に基いて不良品情報が取得される度に(SE5:YES)、ステップSE10、SE16、SE22において、各検査器により検査された段ボールシートが含まれるバッチについて設定された結束枚数に数値「1」を加算することにより、バッチの結束枚数が算出される。結束枚数の算出構成は、第2実施形態の算出構成に限定されず、種々の構成により具現化される。たとえば、第2実施形態において、ステップSE10、SE11、SE16~SE20、SE22~SE26の処理に代わって、追跡メモリ部MS1のYC番目のマスに記憶される情報が不良品情報であると判断される度に、YC番目の段ボールシートが含まれるバッチについて設定された結束枚数に数値「1」を加算することにより、バッチの結束枚数を算出する構成であってもよい。この変形例では、YC番目の段ボールシートが含まれるバッチについて設定された結束枚数に数値「1」を加算する手段が、本発明の算出部の一例である。この変形例では、バッチメモリ部の数Nは、図18に示す位置P5と位置P4との間に存在することができる段ボールシートの数YCを、各印刷ユニットの印刷シリンダの周長で割り算した結果の整数値に相当する数値に設定される。
【0255】
(6)第1実施形態では、3つの検査器EA~ECの配置位置の変更が製函機1の電気的構成の大幅な変更を要することなく容易に実行されるように、3つの検査メモリ部MA~MCの各検査メモリ部のマスの数は、位置P1から位置P5までの距離を、各印刷ユニットの印刷シリンダの周長で割り算した結果の整数値に相当する数値に設定されるが、マスの数の設定方法は、第1実施形態の設定方法に限定されない。たとえば、製函機1において最も上流側に配置される加工装置の入口の位置と、カウンタエジェクタより上流側であって最も下流側に配置される加工装置の出口の位置との間の距離を、印刷シリンダの周長で割り算した結果の整数値に相当する数値に、各検査メモリ部のマスの数が設定されてもよい。また、3つの検査器EA~ECの配置位置の変更を考慮しなければ、検査メモリ部MAのマスの数は、図6に示す位置P2と位置P4との間の距離を、印刷シリンダの周長で割り算した結果の整数値に相当する数値に設定され、検査メモリ部MBのマスの数は、図6に示す位置P3と位置P4との間の距離を、印刷シリンダの周長で割り算した結果の整数値に相当する数値に設定され、検査メモリ部MCのマスの数は、数値「1」に設定されてもよい。
【0256】
(7)第2実施形態では、追跡メモリ部MS1のマスの数は、位置P1から位置5までの間の距離を、印刷シリンダの周長で割り算した結果の整数値に相当する数値に設定されるが、マスの数の設定方法は、第2実施形態の設定方法に限定されない。たとえば、追跡メモリ部MS1のマスの数は、位置P2から位置5までの間の距離を、印刷シリンダの周長で割り算した結果の整数値に相当する数値に数値「1」を足した数値(YA+1)に設定されてもよい。この変形例では、オーダの生産が開始された直後において、図18に示す位置P1から位置P2までの距離を印刷シリンダの周長で割り算した結果の整数値に相当するシート枚数の段ボールシートがシート給紙装置2から供給された時点から、印刷検査器EAの検査結果に基く良品情報または不良品情報が追跡メモリ部MS1の(YA+1)番目のマスに書き込まれる。
【0257】
(8)第1実施形態では、図5に示すバッチメモリ部MG1~MGNのバッチメモリ部の数、すなわち「N」の数値は、位置P4から位置P5までの間に存在することができる段ボールシートのシート枚数を、オーダ指定結束枚数で割り算した結果の整数値に相当する数値に設定されるが、この設定方法に限定されない。たとえば、「N」の数値は、位置P1から位置P5までの間に存在することができる段ボールシートのシート枚数を、オーダ指定結束枚数で割り算した結果の整数値に相当する数値に設定されてもよい。位置P1から位置P5までの間に存在することができる段ボールシートのシート枚数は、位置P1から位置P5までの距離を、印刷シリンダの周長で割り算した結果の整数値に相当する数値である。または、「N」の数値は、位置P4から位置P5までの間に存在することができる段ボールシートのシート枚数を、カウンタエジェクタ6により形成されるバッチBTの下限結束枚数で割り算した結果の整数値に相当する数値に設定されてもよい。
【0258】
(9)第1実施形態では、ステップSB19において、バッチの結束枚数が算出されて確定した後に、ステップSB20において、その算出された結束枚数が設定されるバッチが、所定数であるN個のバッチのうちで、未確定でバッチ形成順の最も早いバッチに決定されるが、バッチの決定構成は、第1実施形態のバッチの決定構成に限定されない。たとえば、所定数のバッチとして、2個のバッチが予め設定され、1番目バッチメモリ部と2番目バッチメモリ部とが備えられる。カウンタエジェクタ6により1番目バッチが形成されている間に、統合メモリ部MPに記憶される良品情報の数がオーダ指定結束枚数に達した場合(SB17:YES)、ステップSB19において算出された結束枚数が、ステップSB20に代わって、2番目バッチの結束枚数として2番目バッチメモリ部に記憶される。カウンタエジェクタ6により1番目バッチが形成されている間に、2番目バッチの結束枚数が2番目バッチメモリ部に記憶され、その後に、統合メモリ部MPに記憶される良品情報の数がオーダ指定結束枚数に達した場合(SB17:YES)、ステップSB19において算出された結束枚数は、ステップSC9の処理のように、2番目バッチが1番目バッチに繰り上げられるまで、一時的に記憶保持され、繰り上げが完了した段階で、一時的に記憶保持された結束枚数が2番目バッチの結束枚数として2番目バッチメモリ部に記憶される構成であってもよい。この変形例では、算出された結束枚数が2番目バッチメモリ部に記憶される条件、たとえば、結束枚数が2番目バッチメモリ部に記憶されているのか否かの条件、およひ、バッチの繰り上げが完了したか否かの条件などを決定する手段が、本発明のバッチ決定部の一例である。
【0259】
(10)第2実施形態では、ステップSE4において、3つの検査器EA~ECの各検査器により検査された段ボールシートが含まれるXA番目バッチ、XB番目バッチ、およびXC番目バッチが決定される。その後、3つの検査器EA~ECの各検査器の検査結果に基いて不良品情報が取得される度に(SE5:YES)、ステップSE10、SE16、SE22において、決定されたXA番目バッチ、XB番目バッチ、およびXC番目バッチの結束枚数に数値「1」が加算される構成であり、各バッチの結束枚数が確定する前に、XA番目バッチ、XB番目バッチ、およびXC番目バッチが決定される構成である。バッチ決定構成は、第2実施形態のバッチ決定構成に限定されず、種々の構成で具現化される。たとえば、バッチの所定数である数値「N」は、図18に示す位置P5と位置P4との間の距離を印刷シリンダの周長で割り算した結果の整数値に相当する数値を、オーダ指定結束枚数で割り算した結果の整数値に相当する数値に設定される。N個のバッチメモリ部が備えられる。カウンタエジェクタ6により1番目バッチが形成されている間に、ステップ、SE4、SE10、SE11、SE16~SE20、SE22~SE26の処理に代わって、追跡メモリ部MS1のYC番目のマスに記憶される情報が不良品情報であると判断される度に、YC番目の段ボールシートが含まれるバッチについて設定された結束枚数に数値「1」を加算する。この変形例では、YC番目の段ボールシートが含まれるバッチを決定する手段が、本発明のバッチ決定部の一例である。
【0260】
(11)第1および第2実施形態では、図13に示すように、先のバッチBT1は、主レッジ63の下面と上流側下部コンベア66Aとの間で挟み込まれる構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、先のバッチBT1が、主レッジ63と連動して昇降する別体の連動部材の下面と上流側下部コンベア66Aとの間で挟み込まれる構成であってもよい。この変形例では、先のバッチBT1が、連動部材の下面と上流側下部コンベア66Aとの間で挟み込まれる場合、連動部材の高さ位置は、先のバッチBT1の結束枚数に従って調整される。
【0261】
(12)第1および第2実施形態では、図3に示すように、上流側上部コンベア67Aの左方部分と下流側上部コンベア67Bの右方部分とは、互いに傾動可能に組付けられる構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、上流側上部コンベア67Aの左端部と下流側上部コンベア67Bの右端部とは連結されず、両上部コンベア67A、67Bは、独立して昇降可能に構成されてもよい。または、両上部コンベア67A、67Bは、1つのコンベアとして一体的に構成されてもよい。
【符号の説明】
【0262】
1 製函機
6 カウンタエジェクタ
61 前当板
62 矯正板
63 主レッジ
65 エレベータ
65A テーブル
66 下部コンベア
67 上部コンベア
108 レッジ昇降モータ
118 テーブル昇降モータ
129、132 コンベア昇降モータ
200 管理装置
214 カウンタエジェクタ制御部
215 表示制御部
221 作業メモリ
240 表示部
SH、BS 段ボールシート
BT1、BT2、BT21~BT24 バッチ
EA~EC 検査器
MA~MC 検査メモリ部
MP 統合メモリ部
MG1~MGN、MK1~MKN バッチメモリ部
MS1 追跡メモリ部
MS2 シート順メモリ部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図22