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特開2024-120806コンテナ並びにコンテナ構造物及びコンテナハウス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120806
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】コンテナ並びにコンテナ構造物及びコンテナハウス
(51)【国際特許分類】
   B65D 90/02 20190101AFI20240829BHJP
   B65D 88/12 20060101ALI20240829BHJP
   E04B 1/18 20060101ALI20240829BHJP
   E04H 1/02 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
B65D90/02 Z
B65D88/12 D
E04B1/18 A
E04H1/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027867
(22)【出願日】2023-02-26
(71)【出願人】
【識別番号】722003428
【氏名又は名称】株式会社英知
(72)【発明者】
【氏名】樋口 廷之
(72)【発明者】
【氏名】緑川 修
【テーマコード(参考)】
2E025
3E170
【Fターム(参考)】
2E025AA12
2E025AA13
3E170AA21
3E170AB30
3E170DA01
3E170DA06
3E170QA04
3E170SA01
3E170SA05
3E170VA16
3E170VA17
3E170VA20
3E170WE01
(57)【要約】
【課題】本発明は、耐久性及び強度に優れたコンテナ並びにコンテナ構造物及びコンテナハウスを提供する。
【解決手段】少なくとも第1の側壁を有するコンテナであって、前記第1の側壁以外に、さらに、前記第1の側壁に重なる第2の側壁を有し、前記第2の側壁がトラス状のフレームで形成され、前記トラス状が、例えば、直角三角形の形状で形成されているコンテナが種々のコンテナ構造物に適用可能であり、特にコンテナハウスなどに有用である。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1の側壁を有するコンテナであって、前記第1の側壁以外に、さらに、前記第1の側壁に重なる第2の側壁を有し、前記第2の側壁がトラス状のフレームで形成されていることを特徴とするコンテナ。
【請求項2】
内側が空洞の6面体で構成されている請求項1記載のコンテナ。
【請求項3】
前記トラス状が、直角三角形の形状で形成されている請求項1記載のコンテナ。
【請求項4】
前記フレームが、長尺状物と接合部材との組み合わせにより構成されている請求項1記載のコンテナ。
【請求項5】
前記長尺状物が、木材で構成されている請求項4記載のコンテナ。
【請求項6】
前記長尺状物が、金属で構成されている請求項4記載のコンテナ。
【請求項7】
前記第2の側壁を、前記第1の側壁の外壁とする請求項1記載のコンテナ。
【請求項8】
前記第2の側壁を、前記第1の側壁の内壁とする請求項1記載のコンテナ。
【請求項9】
コンテナを含むコンテナ構造物であって、前記コンテナが請求項1記載のコンテナであるコンテナ構造物。
【請求項10】
1または複数のコンテナが基礎または土台の上に設置されてなるコンテナハウスであって、前記コンテナが請求項1記載のコンテナであるコンテナハウス。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナ並びにコンテナ構造物及びコンテナハウスに関する。
【背景技術】
【0002】
陸上輸送用又は海上輸送用の略直方体の輸送用コンテナを地面に並置及び/又は積層させて店舗や住居などの目的に使用するコンテナハウスが知られている。
【0003】
近年においては、遮熱シートをコンテナハウスの屋根に取り付ける遮熱シート取り付け構造が、コンテナハウスの遮熱性を向上させていると記載されている。しかしながら、このようなコンテナハウスは、屋根部に遮熱シートを取り付けているだけであり、外気温による熱の影響を受けやすく、遮熱性がまだまだ満足のいくものではなかった。また、壁が鋼材一枚だけであるため、強度が不十分であり、生活音が外に漏れるといった防音性等に問題があった。そのため、耐久性、強度及び防音性を向上させる方策が待ち望まれていた(特許文献1)。
【0004】
また、貨物船舶用等のコンテナを利用したコンテナハウスが、コンテナ壁部とフレーム部材との結合に、棒状のスペーサを介して構成することで、前記フレーム部材の表面にパネルを取り付けることでパネルとの間に配線配管のための間隙を設けることができると記載されている。しかしながら、このようなコンテナハウスでは、耐久性及び強度がまだまだ満足のいくものではなく、スペーサの取り付け方が煩雑であり、使用する部材が多いため製造コストが高く、環境に負荷がかかるといった問題があった(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許5698957号公報
【特許文献2】特許4980669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、耐久性及び強度に優れたコンテナ並びにコンテナ構造物及びコンテナハウスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、少なくとも第1の側壁を有するコンテナであって、前記第1の側壁以外に、さらに、前記第1の側壁に重なる第2の側壁を有し、前記第2の側壁がトラス状のフレームで形成されていることを特徴とするコンテナが耐久性及び強度において優れており、更に、通気性及び居住性に優れていることを見出し、このようなコンテナが上記した従来の問題を一挙に解決できるものであることを見出した。
また、本発明者らは、上記知見を得た後、さらに検討を重ねて、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
[1] 少なくとも第1の側壁を有するコンテナであって、前記第1の側壁以外に、さらに、前記第1の側壁に重なる第2の側壁を有し、前記第2の側壁がトラス状のフレームで形成されていることを特徴とするコンテナ。
[2] 内側が空洞の6面体で構成されている前記[1]記載のコンテナ。
[3] 前記トラス状が、直角三角形の形状で形成されている前記[1]記載のコンテナ。
[4] 前記フレームが、長尺状物と接合部材との組み合わせにより構成されている前記[1]記載のコンテナ。
[5] 前記長尺状物が、木材で構成されている前記[4]記載のコンテナ。
[6] 前記長尺状物が、金属で構成されている前記[4]記載のコンテナ。
[7] 前記第2の側壁を、前記第1の側壁の外壁とする前記[1]記載のコンテナ。
[8] 前記第2の側壁を、前記第1の側壁の内壁とする前記[1]記載のコンテナ。
[9] コンテナを含むコンテナ構造物であって、前記コンテナが前記[1]記載のコンテナであるコンテナ構造物。
[10] 1または複数のコンテナが基礎または土台の上に設置されてなるコンテナハウスであって、前記コンテナが前記[1]記載のコンテナであるコンテナハウス。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、耐久性及び強度に優れたコンテナ並びにコンテナ構造物及びコンテナハウスを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明においてコンテナハウス用フレームの好適な態様の一例を模式的に示す図である。
図2】本発明においてコンテナハウス用フレームを用いたコンテナハウスの好適な態様の一例を模式的に示す図である。
図3】本発明においてコンテナハウス用フレームを用いたコンテナハウスの好適な態様の一例を模式的に示す図である。
図4】本発明においてコンテナハウスの第2の側壁を外壁材として用いたコンテナハウスの側壁の断面図の好適な態様の一例を模式的に示す図である。
図5】本発明においてコンテナハウスの第2の側壁を内壁材として用いたコンテナハウスの側壁の断面図の好適な態様の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のコンテナハウス用フレームは、少なくとも第1の側壁を有するコンテナであって、前記第1の側壁以外に、さらに、前記第1の側壁に重なる第2の側壁を有し、前記第2の側壁がトラス状のフレームで形成されていることを特長とする。
【0012】
本発明におけるコンテナの前記第1の側壁は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、公知の側壁であってよい。本発明においてコンテナ本体は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、公知のコンテナであってよく、水平方向の断面形状が円又は楕円である略円筒状でもよく、水平方向の断面形状が多角形又は角が丸まった多角形である略多角筒状でもよい。多角形としては、角が3つの三角形、角が4つの四角形、角が5つの五角形、角が6つの六角形などが挙げられるが、四角形が好ましく、長方形又は正方形がより好ましく、内側が空洞の6面体で構成されているのがより好ましい。また、前記トラス状が、直角三角形の形状で形成されているのが好ましい。前記フレームは、長尺状物と接合部材との組み合わせにより構成されているのが好ましい。また、前記トラス状は前記接合部材を2個以上、前記長尺状物を3個以上用いられるのがより好ましい。なお、本発明においては、前記トラス状の具体的な形状が前記コンテナの種類等、地球の自転や重力に応じて適宜設定されるのが好ましく、例えば、前記トラス状の斜辺が前記コンテナの中心に対して左上から右下へ伸びているのが好ましい。このような好ましい範囲によれば、耐久性及び強度により優れ、かつ、より自然に調和したコンテナとすることができる。
【0013】
前記長尺状物の種類としては、特に限定されないが、本発明においては、前記長尺状物が木材から構成されているのが好ましく、また、金属から構成されているのも好ましい。
前記木材は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、例えば、角材、廃材又は間伐材などの公知の木材であってよい。前記金属は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、例えば、アルミニウム又はSUS等の金属であってよい。また、前記長尺状物の長さは特に限定されないが、20cmから2mであるのが好ましい。
【0014】
前記接合部材は、前記長尺状物同士を螺合により接合するための螺合部を1つ以上具備しているのが好ましい。前記接合部材の螺合部の位置及び大きさは、特に限定されないが、本発明においては、前記接合部材の端部近傍の位置に前記螺合部が設けられているのが好ましい。また、前記接合部材は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されないが、ガセットプレートと治具との組み合わせであるのが好ましい。前記ガセットプレートは、公知のガセットプレートであってよい。また、前記治具は、例えば、釘、ボルト及びナットなどの公知の治具であってよく、治具の数等は本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、適宜設定されてよい。前記接合部材は公知の接合部材が用いられ得る。
【0015】
また、本発明において、前記第2の側壁を、前記第1の側壁の外壁とするのが好ましく、また、前記第2の側壁を、前記第1の側壁の内壁とするのも好ましい。前記外壁として用いる場合、コンテナの特性及び強度をより容易に向上させることができる。また、前記内壁として用いる場合。コンテナの輸送機能を損なわずに耐久性及び強度をより向上させることができる。前記第2の側壁は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、公知の手段を用いて形成されてよい。このような好ましい範囲によれば、コンテナの耐久性及び強度をより向上させることができる。
【0016】
本発明において、前記コンテナは前記長尺状物及び前記接合部材などを用いて、常法に従い、製造されてよい。また、前記コンテナは、常法に従い、コンテナハウス等のコンテナ構造物に用いることが可能である。前記コンテナを、前記コンテナ構造物に用いた場合には、コンテナ構造物又はコンテナハウスの耐久性及び強度をより向上させることができる。
【実施例0017】
以下、図面を用いて、本発明の好適な態様をより具体的に説明するが、本発明はこれら具体例に限定されるものではない。
【0018】
図1は、コンテナハウス用フレームの好適な態様の一例を模式的に示す。図1のコンテナハウス用フレーム1は、柱(フレーム)2、梁(フレーム)3、桁(フレーム)4及び支持体(フレーム)5からなっている。これらの構成によりコンテナハウスに適用した際に、コンテナハウス全体の耐久性、耐震性及び強度を向上させることができる。
【0019】
図2は、本発明においてコンテナハウス用フレームを用いたコンテナハウスの好適な態様の一例を模式的に示す。図2のコンテナハウス用フレーム1とコンテナハウス10との組み合わせは、柱(フレーム)2、梁(フレーム)3、桁(フレーム)4、支持体(フレーム)5、ドア50及び窓60からなっている。コンテナハウス10の隔壁を内壁として、コンテナ10の外周に前記内壁に対応するように外壁としてコンテナハウス用フレーム1を用いている。このような構成によりコンテナハウス全体の耐久性、耐震性及び強度を向上させている。
【0020】
図3は、本発明においてコンテナハウス用フレームを用いたコンテナハウスの好適な態様の一例を模式的に示す。図3のコンテナハウス用フレーム1を用いたコンテナハウス10との組み合わせは、柱(フレーム)2、梁(フレーム)3、桁(フレーム)4、支持体(フレーム)5、ドア50及び窓60からなっている。コンテナハウス10の隔壁を外壁として、前記外壁に対応する内壁をコンテナハウス用フレームとして適用している。また、これらの構成によりコンテナハウス全体の耐久性、耐震性及び強度を向上させている。
【0021】
図4は、本発明においてコンテナハウスの第2の側壁を外壁材として用いたコンテナハウスの側壁の断面図の好適な態様の一例を模式的に示す。図4は、コンテナハウスの第1の側壁11、コンテナハウスの第2の側壁12及び断熱性パネル100からなっている。このような好ましい範囲によれば、コンテナの特性及び強度をより向上させることができ、断熱性及び防音性をより向上させることができる。
【0022】
図5は、本発明においてコンテナハウスの第2の側壁を内壁材として用いたコンテナハウスの側壁の断面図の好適な態様の一例を模式的に示す。図5は、コンテナハウスの第1の側壁11、コンテナハウスの第2の側壁12及び断熱性パネル100からなっている。このような好ましい範囲によれば、コンテナの輸送機能を損なわずに耐久性及び強度をより向上させることができ、断熱性及び防音性をより向上させることができる。また、第2の側壁12がトラス構造となっているため、断熱性パネル100のメンテナンスがより容易になる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明のコンテナは、種々のコンテナ構造物に適用可能であり、特にコンテナハウスなどに有用である。
【符号の説明】
【0024】
1 コンテナハウス用フレーム
2 柱(フレーム)
3 梁(フレーム)
4 桁(フレーム)
5 支持体(フレーム)
10 コンテナハウス
11 コンテナハウスの第1の側壁
12 コンテナハウスの第2の側壁
50 ドア
60 窓
100 断熱性パネル

図1
図2
図3
図4
図5