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特開2024-120819ボイラにおける排ガス排出を制御及び監視する燃焼方法
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  • 特開-ボイラにおける排ガス排出を制御及び監視する燃焼方法 図1
  • 特開-ボイラにおける排ガス排出を制御及び監視する燃焼方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120819
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】ボイラにおける排ガス排出を制御及び監視する燃焼方法
(51)【国際特許分類】
   F23C 99/00 20060101AFI20240829BHJP
   F23N 5/00 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
F23C99/00 332
F23N5/00 J
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094524
(22)【出願日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】112107121
(32)【優先日】2023-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】523218418
【氏名又は名称】泰鋒染化工業股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】邱 灯松
(72)【発明者】
【氏名】洪 文承
(72)【発明者】
【氏名】黄 聖信
【テーマコード(参考)】
3K003
3K065
【Fターム(参考)】
3K003EA07
3K003FA05
3K003FA07
3K003FB08
3K003GA04
3K065TA01
3K065TA04
3K065TB01
3K065TB12
3K065TB13
3K065TC01
3K065TD01
3K065TD04
3K065TF05
3K065TN11
3K065TN13
(57)【要約】
【課題】ボイラにおける排ガス排出を制御及び監視する燃焼方法を提供する。
【解決手段】ボイラにおける排ガス排出を制御及び監視する燃焼方法は、ボイラ内に液体燃料を供給し、該液体燃料を大気圧下で燃焼させるステップと、該ボイラ内の第1燃焼温度を測定するとともに、該ボイラにおける第1排ガスの初期濃度を監視するステップと、助燃剤を該ボイラにバッチで添加するとともに、該ボイラにおける第1排ガスの、該初期濃度よりも小さい排出濃度を監視するステップと、上述したステップを繰り返して、該ボイラから第2排ガスを生成するまで該ボイラを監視し、該ボイラ内の温度を第2燃焼温度として測定するとともに、第2排ガスの生成を防止するように、該助燃剤の添加量を低下させるステップと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボイラ内に液体燃料を供給し、該液体燃料を大気圧下で燃焼させて該ボイラの蒸気圧力を3Kg/cmにするステップS10と、
該ボイラ内の第1燃焼温度を測定するとともに、該ボイラにおける第1排ガスの初期濃度を監視するステップS20と、
助燃剤を該ボイラにバッチで添加するとともに、該ボイラにおける第1排ガスの、該初期濃度よりも小さい排出濃度を監視し、該ボイラの蒸気圧力を3~5Kg/cmに維持するステップS30と、
ステップS20~ステップS30を繰り返して、該ボイラから第2排ガスを生成するまで該ボイラを監視し、該ボイラ内の温度を第2燃焼温度として測定するとともに、第2排ガスの生成を防止するように、該助燃剤の添加速度を臨界速度まで低下させるステップS40と、を含むボイラにおける排ガス排出を制御及び監視する燃焼方法。
【請求項2】
該助燃剤は水蒸気である請求項1に記載のボイラにおける排ガス排出を制御及び監視する燃焼方法。
【請求項3】
該液体燃料を100~120リットル/時間の速度で供給し、該臨界速度は、20キログラム/時間以上40キログラム/時間未満の速度で該助燃剤を供給する請求項1に記載のボイラにおける排ガス排出を制御及び監視する燃焼方法。
【請求項4】
ステップS30において該助燃剤を該ボイラにバッチで添加するステップは、25℃を1つの段階として該助燃剤をバッチに分けて添加するとともに、該第1燃焼温度及び対応する第1排ガスの濃度を同期測定することをさらに含む請求項1に記載のボイラにおける排ガス排出を制御及び監視する燃焼方法。
【請求項5】
ステップS40において、該助燃剤の添加を停止した後、ステップS20~ステップS30を繰り返して、該ボイラ内の温度を第1燃焼温度と第2燃焼温度との間に維持する請求項1に記載のボイラにおける排ガス排出を制御及び監視する燃焼方法。
【請求項6】
該第1燃焼温度は530℃~634℃の範囲である請求項1に記載のボイラにおける排ガス排出を制御及び監視する燃焼方法。
【請求項7】
該第2燃焼温度は530℃未満である請求項1に記載のボイラにおける排ガス排出を制御及び監視する燃焼方法。
【請求項8】
該液体燃料は低硫黄燃料油である請求項1に記載のボイラにおける排ガス排出を制御及び監視する燃焼方法。
【請求項9】
該低硫黄燃料油はパーム油を含む燃料油である請求項8に記載のボイラにおける排ガス排出を制御及び監視する燃焼方法。
【請求項10】
該第1排ガスは窒素酸化物(NO)であり、該第2排ガスは一酸化炭素(CO)である請求項1に記載のボイラにおける排ガス排出を制御及び監視する燃焼方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボイラ燃焼の分野に関し、特にボイラにおける排ガス排出を制御及び監視する燃焼方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ボイラは、主に燃料を燃焼させる過程により、燃料における化学エネルギーを熱エネルギーに安定して連続して変換し、この熱エネルギーを利用して水や熱媒体を加熱し、乾燥や加熱の熱源、又は動力源とする。
【0003】
しかし、ボイラの使用は、工場運営の便宜をはかるが、環境問題の発生も伴う。例えば、燃料の燃焼時にボイラから排出される硫黄酸化物(SO)、窒素酸化物(NO)、一酸化炭素(CO)及び二酸化炭素(CO)などの排ガスは、環境を深刻に汚染し、温室効果を高めて地球温暖化に繋がり、燃焼後に生成される微小粒子状物質(PM2.5)は、空気の質を低下させ、同時に人体の健康を害する。最も早い方法は、排ガスの出口に布袋を被せ、できるだけ燃焼後に排出される微小粒子及び排ガスを吸着する。しかし、環境保護の要求の下で、窒素酸化物の排出要求はますます厳しくなり、布袋を用いて排ガスを吸着するこの方法は、現在の環境保護法規制に適合することができなくなる。
【0004】
したがって、環境保護法規制に適合して、排ガスをより低く排出する燃焼方法の開発が重要な課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、これに鑑みて、ボイラにおける排ガス排出を制御及び監視する燃焼方法を提供し、本発明者らは、ボイラ内に助燃剤を徐々に導入することにより(例えば、ボイラ内温度を25℃低下させることを1つの段階とする)、ボイラの燃焼により生成される排ガスを段階的に低減させることができ、即ち、NO濃度を低減させることができ、ボイラへの助燃剤の添加量を制御することにより、同時に一酸化炭素(CO)の生成を防止することができることを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の問題点を解消するために、
ボイラ内に液体燃料を供給し、該液体燃料を大気圧下で燃焼させて該ボイラの蒸気圧力を3Kg/cmにするステップS10と、
該ボイラ内の第1燃焼温度を測定するとともに、該ボイラにおける第1排ガスの初期濃度を監視するステップS20と、
助燃剤を該ボイラにバッチで添加するとともに、該ボイラにおける第1排ガスの、該初期濃度よりも小さい排出濃度を監視し、該ボイラの蒸気圧力を3~5Kg/cmに維持するステップS30と、
ステップS20~ステップS30を繰り返して、該ボイラから第2排ガスを生成するまで該ボイラを監視し、該ボイラ内の温度を第2燃焼温度として測定するとともに、第2排ガスの生成を防止するように、該助燃剤の添加速度を臨界速度まで低下させるステップS40と、を含むボイラにおける排ガス排出を制御及び監視する燃焼方法を提供する。
【0007】
本発明の一実施例において、該助燃剤は水蒸気である。
【0008】
本発明の一実施例において、該液体燃料を100~120リットル/時間の速度で供給し、該臨界速度は、20キログラム/時間以上40キログラム/時間未満の速度で該助燃剤を供給する。
【0009】
本発明の一実施例において、ステップS30において該助燃剤を該ボイラにバッチで添加するステップは、25℃を1つの段階として該助燃剤をバッチに分けて添加するとともに、該第1燃焼温度及び対応する第1排ガスの濃度を同期測定することをさらに含む。
【0010】
本発明の一実施例において、ステップS40において、該助燃剤の添加を停止した後、ステップS20~ステップS30を繰り返して、該ボイラ内の温度を第1燃焼温度と第2燃焼温度との間に維持する。
【0011】
本発明の一実施例において、該第1燃焼温度は530℃~634℃の範囲である。
【0012】
本発明の一実施例において、該第2燃焼温度は530℃未満である。
【0013】
本発明の一実施例において、該液体燃料は低硫黄燃料油である。
【0014】
本発明の一実施例において、該低硫黄燃料油はパーム油を含む燃料油である。
【0015】
本発明の一実施例において、該第1排ガスは窒素酸化物(NO)であり、該第2排ガスは一酸化炭素(CO)である。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るボイラにおける排ガス排出を制御及び監視する燃焼方法は、助燃剤をボイラ内にバッチで添加するとともに、助燃剤の添加量、ボイラ内温度及び排ガス排出量の三者の間の関係を監視し、助燃剤がボイラの燃焼によって生成される排ガスを確実に徐々に低下させ、排出されるNO濃度を低下させるとともに、ボイラへの助燃剤の添加量を制御し、即ちボイラ内で一酸化炭素(CO)を生成すると、ボイラ内に導入される助燃剤の量を低減し、一酸化炭素(CO)の生成を防止する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は本発明の一実施例によるボイラにおける排ガス排出を制御及び監視する燃焼方法のステップを示すフローチャートである。
図2図2は本発明の方法により得られたボイラ温度と窒素酸化物(NO)濃度と対応関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の技術的内容及び詳細な説明については、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1に示すように、本発明の一実施例によるボイラにおける排ガス排出を制御及び監視する燃焼方法のステップを示すフローチャートである。図1に示すように、本発明の燃焼方法は、ボイラ内の燃焼使用に適用され、
ボイラ内に液体燃料を供給し、該液体燃料を大気圧下で燃焼させて該ボイラの蒸気圧力を3Kg/cmにするステップS10と、
該ボイラ内の第1燃焼温度を測定するとともに、該ボイラにおける第1排ガスの初期濃度を監視するステップS20と、
助燃剤を該ボイラにバッチで添加するとともに、該ボイラにおける第1排ガスの、該初期濃度よりも小さい排出濃度を監視し、該ボイラの蒸気圧力を3~5Kg/cmに維持するステップS30と、
ステップS20~ステップS30を繰り返して、該ボイラから第2排ガスを生成するまで該ボイラを監視し、該ボイラ内の温度を第2燃焼温度として測定するとともに、第2排ガスの生成を防止するように、該助燃剤の添加速度を臨界速度まで低下させるステップS40と、を含む。
【0020】
本発明の一実施例において、本発明の該液体燃料は低硫黄燃料油であり、該助燃剤は水蒸気である。好ましくは、該低硫黄燃料油は、パーム油などの植物性油脂を含む燃料油である。
【0021】
様々な実施例において、該ボイラの蒸気圧力が3~5Kg/cmで、該ボイラは、媒体を加熱するとともに、該ボイラの排ガスを測定する。一実施例において、該媒体は水である。
【0022】
本発明の一実施例において、ステップS10では、該液体燃料を100~120リットル/時間の速度で供給し、ステップS30では、20キログラム/時間以上40キログラム/時間未満の速度で該助燃剤を供給し、即ち、上記の速度は臨界速度であり、後に詳述するように、該助燃剤の添加量を該臨界速度の範囲内に制御することにより、第2排ガスの生成を防止する。
【0023】
本発明の一実施例において、該第1燃焼温度は530℃~634℃の範囲であり、該第2燃焼温度は530℃未満である。
【0024】
本発明の一実施例において、該液体燃料は、該媒体を加熱する役割を果たすように燃焼させるために用いられるが、該助燃剤は、燃焼過程中の硫黄酸化物(SO)及び窒素酸化物(NO)の生成を低下させるために該ボイラ内の火炎温度を低下させるために用いられる。
【0025】
さらに、ステップS30において該助燃剤を該ボイラにバッチで添加するステップは、25℃を1つの段階として該助燃剤をバッチに分けて添加するとともに、該第1燃焼温度及び対応する第1排ガスの濃度を同期測定することをさらに含む。例えば、以下の表を参照すると、ボイラ内温度が609℃である場合に、助燃剤を20キログラム/時間の量でボイラに導入し、ボイラ内温度が584℃である場合に、助燃剤を25キログラム/時間の量でボイラに導入する。つまり、助燃剤を導入することで、ボイラ内温度を低下させ、温度が25℃単位で低下されることが監視されると、助燃剤の導入量を調整するとともに、助燃剤添加後のボイラ内の温度及び対応する排ガス(窒素酸化物(NO)及び一酸化炭素(CO)を含む)の排出量を同期監視し、以下の表1を参照して詳細に説明する。
【0026】
【表1】
【0027】
上記の表1とともに図1図2を参照すると、ステップS10において、ボイラ内の液体燃料が燃焼を開始した後、測定されるボイラ内の初期温度(即ち、第1燃焼温度)は634℃であり、助燃剤を添加する前に、測定される第1排ガス(即ち、窒素酸化物(NO))の濃度は64P.P.Mである(例えば、ステップS20)。燃焼が進行するにつれて、ステップS30のように、助燃剤を該ボイラにバッチで臨界速度で添加し、この実施例において、該臨界速度が20キログラム/時間であり、この時に、第1排ガス(即ち窒素酸化物(NO))の濃度が52P.P.Mまで低下されることが分かる。その後、ボイラ内の第1燃焼温度が25℃低下する度に1つの段階とし、助燃剤をバッチで添加して助燃剤の添加量を増加させ、ボイラ内の第1燃焼温度が25℃低下する度に、対応する窒素酸化物(NO)がそれとともに低下し、そして、ボイラ内では、硫黄酸化物(SO)又は一酸化炭素(CO)が生成されていないことが分かる。例えば、上の表を参照すると、ボイラ内温度が559℃である場合に、助燃剤を30キログラム/時間の量でボイラに導入し、ボイラ内温度が534℃である場合に、助燃剤を35キログラム/時間の量でボイラに導入する。
【0028】
好ましい実施例において、助燃剤の添加の臨界速度が38キログラム/時間になると、ボイラ内の第1燃焼温度も530℃まで徐々に低下し、排出される窒素酸化物(NO)は、初期の64P.P.Mから21P.P.Mまで低下され、低下幅が67%に達する。この実施例において、該臨界速度は該助燃剤を20キログラム/時間以上40キログラム/時間未満の速度で供給し、即ち該助燃剤の量を1時間当たりに20キログラム以上40キログラム未満の量で該ボイラに添加するように制御する。
【0029】
助燃剤の添加量が該臨界速度を超えて40キログラム/時間になると、ボイラ内の温度は529℃まで低下し、排出される窒素酸化物(NO)は20P.P.Mまで低下するが、この時に、該ボイラから第2排ガス(即ち、一酸化炭素(CO))が生成されると監視され、第2排ガスの濃度が5P.P.Mであり、この時点でボイラ内の温度は第2燃焼温度である。第2排ガスを生成すると、ボイラ内で不完全燃焼が発生したことを示し、ボイラ内温度を第2燃焼温度よりも高い温度に戻すように、助燃剤の添加を一時停止する必要がある。したがって、助燃剤の添加量を制御するとともに、助燃剤の異なる量に対応するボイラ内の対応温度を監視することにより、ボイラは、一酸化炭素(CO)及び硫黄酸化物(SO)の生成を伴うことなく、窒素酸化物(NO)の排出量を最小限に抑える所望の燃焼状態に達成することができる。
【0030】
引き続き表2、表3及び表4を参照して、以下の実施例1~2において、本発明の燃焼方法を採用して、低圧用オイルポンプ及び燃焼機を含む6トン横型煙管ボイラを用いて実施例1~2の燃料油を燃焼させる時に、携帯型検出器で測定される排ガス処理装置(例えば洗浄塔)で処理されていない排ガス中の汚染物質データがそれぞれ示される。
【0031】
使用する装置の型番は、以下のとおりである。
1.6トン横型煙管ボイラ:隆全ボイラ製。
2.オイルポンプ:合永興機械廠製。
3.携帯型検出器:フランスKIMO製(型番:KGAZ310)。
使用する燃料組成物の成分は、以下のとおりである。
1.特殊な低硫黄燃料油:台湾中油股▲分▼有限公司から購入する。
2.工業用低硫黄燃料油:環宇国際エネルギー股▲分▼有限公司(オイル番号:UNI-65527864)から購入する。
実施例1
【0032】
本実施例において、上記の6トン横型煙管ボイラを用いて図1に示される燃焼方法を実行するとともに、上記の特殊な低硫黄燃料油を液体燃料として供給し、該液体燃料を110リットル/時間の速度で供給し、該助燃剤を30キログラム/時間の速度で供給し、上記の携帯型検出器により測定された下記の表2の大気汚染物質データを得る。
【0033】
【表2】
実施例2
【0034】
本実施例において、上記の6トン横型煙管ボイラを用いて図1に示される燃焼方法を実行するとともに、上記の工業用低硫黄燃料油を液体燃料として供給し、該液体燃料を110リットル/時間の速度で供給し、該助燃剤を30キログラム/時間の速度で供給し、上記の携帯型検出器により測定された下記の表3の大気汚染物質データを得る。
【0035】
【表3】
【0036】
上記の表2~表3の排ガス排出のデータからわかるように、本発明の燃焼方法は、燃焼後の硫黄酸化物(SO)及び窒素酸化物(NO)などの大気汚染物質の生成を低減でき、排ガス中の硫黄酸化物(SO)及び窒素酸化物(NO)などの測定データは、行政院環境保護署によって公表された最新のボイラ大気汚染物質排出標準に適合するように、排ガス排出を低減するのに適する燃焼方法を提供する。これにより、従来のボイラの操作方法で発生する大気汚染物質及び微小粒子状物質の排出標準超過という問題を解決し、燃焼後の排ガスの排出量の低減を達成することができる。
【0037】
また、本発明に係る燃焼方法は、既存のボイラの使用に適し、新たな設備を追加して構築する必要はなく、既存のボイラを変更する必要はないため、ボイラシステムを天然ガスのような燃えやすく、爆発しやすく、引火点の低い新型燃料を採用する時に、発生する新しいパイプライン又は貯槽の構築に発生する可能性のある使用不注意、天然ガスの漏れなどの余分な労働安全問題を防止し、さらに工場に新設ボイラ又は既存ボイラを使用するときに、排ガス排出を低減する安全で便利で経済的な燃焼方法を提供する。
【0038】
以上のようにして、本発明に係るボイラにおける排ガス排出を制御及び監視する燃焼方法は、本発明者らは、助燃剤をボイラ内にバッチで添加するとともに、助燃剤の添加量、ボイラ内温度及び排ガス排出量の三者の間の関係を監視し、助燃剤がボイラの燃焼によって生成される排ガスを確実に徐々に低下させ、排出されるNO濃度を低下させるとともに、ボイラへの助燃剤の添加量を制御し、即ちボイラ内で一酸化炭素(CO)を生成すると、ボイラ内に導入される助燃剤の量を低減して、同時に一酸化炭素(CO)の生成を防止することができることを見出した。したがって、ボイラへの助燃剤の添加量を制御するとともに、助燃剤の異なる量に対応するボイラ内の対応温度を監視することにより、ボイラは、一酸化炭素(CO)及び硫黄酸化物(SO)の生成を伴うことなく、窒素酸化物(NO)の排出量を最小限に抑える所望の燃焼状態に達成することができる。
【0039】
当業者であれば、本発明の精神から逸脱することなく、本発明の実施形態に基づいて様々な変更を行うことができることを理解するであろう。したがって、記載された実施態様は、本発明を限定するためのものではなく、添付の特許請求の範囲の定義の下で、本発明の精神及び範囲内でなされる変更をカバーすることを意図することは明らかである。
【符号の説明】
【0040】
S10:ステップ
S20:ステップ
S30:ステップ
S40:ステップ
図1
図2