(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120820
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】導電コネクタ装置及び電気機器
(51)【国際特許分類】
H01R 39/00 20060101AFI20240829BHJP
H01R 39/12 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
H01R39/00 H
H01R39/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098480
(22)【出願日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】202310166878.1
(32)【優先日】2023-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522494950
【氏名又は名称】鄭州萬馬雲電子科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhengzhou Wanmayun Electronic Technology CO., Ltd.
(71)【出願人】
【識別番号】516114396
【氏名又は名称】鴻富錦精密電子(鄭州)有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】510283557
【氏名又は名称】富泰華工業(深▲セン▼)有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】500080546
【氏名又は名称】鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HON HAI PRECISION INDUSTRY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】66,Chung Shan Road,Tu-Cheng New Taipei,236(TW)
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲エン▼ 江騰
(72)【発明者】
【氏名】王 民悦
(57)【要約】 (修正有)
【課題】回転角度の制約を受けることなく、常に導電性を確保できる導電コネクタ装置及びこの導電コネクタ装置の提供。
【解決手段】本願は、導電コネクタ装置及び電気機器200を提供し、導電コネクタ装置は導電部材10と、第1ピンと、第2ピンとを備える。導電部材10は導電可能な環状領域が設けられる。第1ピンは、導電部材10と給電器に電気接続する。第2ピンは本体部と、弾性部と、スライド部とを含み、本体部は収容溝が設けられ、弾性部は収容溝内に位置し、弾性部の両端は、本体部及びスライド部にそれぞれ導電接続され、弾性部はスライド部が収容溝から部分的に張り出し、スライド部が収容溝から張り出した部分が環状領域に導電接触して前記環状領域に沿って摺動可能となるように、スライド部に突き当たっており、本体部は電気使用装置に電気接続するためのものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電可能な環状領域が設けられた導電部材と、
前記導電部材における環状領域に背向する側に電気接続され、給電器を電気接続するための第1ピンと、
本体部と、弾性部と、スライド部とを含む第2ピンとを備え、
前記本体部は収容溝が設けられ、前記弾性部は前記収容溝内に位置し、前記弾性部の両端は、前記本体部及び前記スライド部にそれぞれ導電接続され、
前記弾性部は、前記スライド部に突き当たって、前記スライド部が前記収容溝から部分的に張り出し、前記スライド部が前記収容溝から張り出した部分は、前記環状領域に導電接触して前記環状領域に沿って摺動可能となり、
前記本体部は、電気使用装置に電気接続するためのものであることを特徴とする、導電コネクタ装置。
【請求項2】
前記導電部材は、導電可能な円心領域をさらに含み、前記円心領域は、前記環状領域の円心に位置し、前記スライド部は、前記円心領域に導電接触可能であることを特徴とする、請求項1に記載の導電コネクタ装置。
【請求項3】
前記導電部材は、導電可能な複数の弧状領域をさらに含み、前記複数の弧状領域は、前記環状領域と同心に配置され、かつ、前記複数の弧状領域の半径が同じであり、複数の弧状領域の間が絶縁されて配置されており、複数の前記第2ピンの前記スライド部は、それぞれ1つの前記弧状領域に導電接触可能であることを特徴とする、請求項1に記載の導電コネクタ装置。
【請求項4】
前記導電部材は、導電可能な複数の弧状領域をさらに含み、前記複数の弧状領域は、前記環状領域と同心に配置され、かつ、前記複数の弧状領域の半径が異なり、複数の弧状領域の間が絶縁されて配置されており、複数の前記第2ピンの前記スライド部は、それぞれ1つの前記弧状領域に導電接触可能であることを特徴とする、請求項1に記載の導電コネクタ装置。
【請求項5】
前記スライド部は球体であり、前記本体部は、前記収容溝の開口にストッパ部が設けられ、前記ストッパ部は前記収容溝の開口の径を前記スライド部の径よりも小さくし、前記スライド部を前記収容溝内に規制することを特徴とする、請求項1に記載の導電コネクタ装置。
【請求項6】
前記導電部材は、互いに導電接続されたリング体および折り曲げ部を含み、前記環状領域は、前記リング体の軸方向に沿った一方の側に設けられ、前記折り曲げ部は、前記リング体の前記環状領域に背向する側に位置し、前記第1ピンは、前記折り曲げ部に導電接触していることを特徴とする、請求項1に記載の導電コネクタ装置。
【請求項7】
前記第1ピンは、柱部と、前記柱部の先端に設けられたドーム部とを備え、前記折り曲げ部には、前記ドーム部を収容可能な凹溝が設けられていることを特徴とする、請求項6に記載の導電コネクタ装置。
【請求項8】
第1ケースと、第2ケースと、電源部と、機能部材及び請求項1乃至7のいずれかに記載の導電コネクタ装置を備え、前記電源部、前記導電部材及び前記第1ピンは、前記第1ケースに設けられ、前記環状領域は、前記第1ケースの外面に露出し、前記第2ピン及び前記機能部材は、前記第2ケースに設けられ、前記第1ケースと前記第2ケースとが取り付けられると、前記第2ピンが、前記リング状の領域に導電接触し、前記電源から前記機能部材に電源部を供給することを特徴とする、電気機器。
【請求項9】
前記電気機器は、第1回路基板および第2回路基板をさらに備え、前記第1回路基板は、前記第1ケース内に設けられ、前記第1ピン及び前記電源は、前記第1回路基板に電気的に接続され、前記第2回路基板は、前記第2ケース内に設けられ、前記第2ピン及び前記機能部材は、前記第2回路基板に電気的に接続され、前記第1基板は、前記電源の放電を制御し、前記第2基板は、前記機能部材のオン及びオフを制御することを特徴とする、請求項8に記載の電気機器。
【請求項10】
前記第1ケースおよび前記第2ケースは、いずれもネジを有し、前記ネジは、前記環状領域と同軸に設けられ、回転する前記第1ケース及び前記第2ケースは、前記ネジによって締結され、回転しながら前記スライド部が前記環状領域に沿ってスライド可能であり、前記スライド部は、前記弾性部の当接によって前記環状領域との当接を保持することを特徴とする、請求項8に記載の電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、導電コネクタ分野に関し、具体的には、導電コネクタ装置及び電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、家庭用のある電気機器では、通常、使用前に、多段式の構造を一体に組み立てて使用する必要がある。組み立ての態様は、例えば、挿着式取り付けやねじ込み式取り付けなどであり、組み立て後の多段式の構造間の通電を確保可能にすべきである。特に、ねじ込み式の取り付けの態様は、構造間の相対回転が必要であるため、回転中に回転角度の制約を受けずに通電が随時保証されることが難しいので、機器の信頼性に影響する。
【発明の概要】
【0003】
そこで、回転角度の制約を受けることなく、常に導電性を確保できる導電コネクタ装置及びこの導電コネクタ装置を有する電気機器を提供することを目的とし、電気機器の安定性を向上させることを目的とする。
【0004】
本願の一実施例は、導電部材と、第1ピンと、第2ピンとを備える導電コネクタ装置を提供する。導電部材は導電可能な環状領域が設けられる。第1ピンは前記導電部材の環状領域に背向する側に電気接続され、給電器を電気接続するためのものである。第2ピンは本体部と、弾性部と、スライド部とを含み、本体部は収容溝が設けられ、弾性部は収容溝内に位置し、弾性部の両端は、本体部及びスライド部にそれぞれ導電接続され、弾性部はスライド部が収容溝から部分的に張り出し、スライド部が収容溝から張り出した部分が環状領域に導電接触して前記環状領域に沿って摺動可能となるように、スライド部に突き当たっており、本体部は電気使用装置に電気接続するためのものである。
【0005】
本出願の導電コネクタ装置は、弾性部をスライド部に突き当てることで、スライド部の収容溝から出た部分を常に環状領域に導電接触させるとともに、環状領域の形状特徴によって回転中にスライド部が環状領域に沿って摺動できるようにし、さらに回転角度に制限されることなく常に導電を保ち、導電の安定性を向上させたものである。
【0006】
いくつかの態様において、導電部材は、環状領域の円中心に位置する導電可能な円心領域をさらに含み、スライド部は、円心領域に導電接触可能である。
【0007】
いくつかの態様において、導電部材は、導電可能な複数の弧状領域をさらに含み、複数の弧状領域は、環状領域と同心に配置され、かつ、複数の弧状領域の半径が同じであり、複数の弧状領域の間が絶縁されて配置されており、複数の前記第2ピンの前記スライド部は、それぞれ、1つの前記弧状領域に導電接触可能である。
【0008】
いくつかの態様において、導電部材は、導電可能な複数の弧状領域をさらに含み、複数の弧状領域は、環状領域と同心に配置され、かつ、複数の弧状領域の半径が異なり、複数の弧状領域の間が絶縁されて配置されており、複数の第2ピンのスライド部は、それぞれ、1つの弧状領域に導電接触可能である。
【0009】
いくつかの態様において、スライド部は球体であり、本体部は、収容溝の開口にストッパ部が設けられ、ストッパ部は収容溝の開口の径をスライド部の径よりも小さくし、スライド部を収容溝内に規制する。
【0010】
いくつかの態様において、導電部材は、互いに導電接続されたリング体および折り曲げ部を含み、環状領域は、リング体の軸方向に沿った一方の側に設けられ、折り曲げ部は、リング体の環状領域に背向する側に位置し、第1ピンは、折り曲げ部に導電接触している。
【0011】
いくつかの態様において、第1ピンは、柱部と、柱部の先端に設けられたドーム部とを備え、折り曲げ部には、ドーム部を収容可能な凹溝が設けられている。
【0012】
本願の一実施例は電気機器を提供し、第1ケースと、第2ケースと、電源と、機能部材及び上述の実施例のいずれかに記載の導電コネクタ装置を備え、電源、導電部材及び第1ピンは、第1ケースに設けられ、環状領域は、第1ケースの外面に露出し、第2ピン及び機能部材は、第2ケースに設けられ、第1ケースと第2ケースとが取り付けられると、第2ピンが、リング状の領域に導電接触し、電源から機能部材に電源を供給する。
【0013】
本願の電気機器は、上述の導電コネクタ装置により、回転角度の制約を受けることなく、常に導電を保証する目的を実現し、ひいては使用安定性を向上させる。
【0014】
いくつかの態様において、電気機器は、第1回路基板および第2回路基板をさらに備え、第1回路基板は、第1ケース内に設けられ、第1ピン及び電源は、第1回路基板に電気的に接続され、第2回路基板は、第2ケース内に設けられ、第2ピン及び機能部材は、第2回路基板に電気的に接続され、第1基板は、電源の放電を制御し、第2基板は、機能部材のオン及びオフを制御する。
【0015】
いくつかの態様において、第1ケースおよび第2ケースは、いずれもネジを有し、ネジは、環状領域と同軸に設けられ、回転する第1ケース及び第2ケースは、ネジによって締結され、回転しながらスライド部が環状領域に沿ってスライド可能であり、スライド部は、弾性部の当接によって環状領域との当接を保持する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本出願の一実施例における電気機器の斜視図である。
【
図3】本出願の一実施例における導電コネクタ装置の斜視図である。
【
図4】本出願の他の実施例における導電コネクタ装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本出願の実施例の図面と共に、本出願の実施例における技術案を説明する。説明する実施形態は、本出願のいくつかの実施形態に過ぎず、全ての実施形態ではないことは言うまでもない。
【0018】
なお、ある要素がもう1つの要素に「固定された」と称される場合、それは直接に前記もう1つの要素に存在してもよいし、他の要素を介して前記もう1つの要素に固定されてもよい。1つの要素がもう1つの要素に「接続される」と考えられる場合、それは前記もう1つの要素に直接に接続されてもよいし、他の要素を介して前記もう1つの要素に接続されてもよい。ある要素がもう1つの要素に「設けられる」と考えられる場合、それは前記もう1つの要素に直接に設けられてもよいし、他の要素を介して前記もう1つの要素に設けられてもよい。本明細書で使用される用語「垂直」、「水平」、「左」、「右」及び類似する表現は、説明の目的だけに使用される。
【0019】
本願の一実施例は、導電部材と、第1ピンと、第2ピンとを備える導電コネクタ装置を提供する。導電部材は導電可能な環状領域が設けられる。第1ピンは前記導電部材の環状領域に背向する側に電気接続され、給電器を電気接続するためのものである。第2ピンは本体部と、弾性部と、スライド部とを含み、本体部は収容溝が設けられ、弾性部は収容溝内に位置し、弾性部の両端は、本体部及びスライド部にそれぞれ導電接続され、弾性部はスライド部が収容溝から部分的に張り出し、スライド部が収容溝から張り出した部分が環状領域に導電接触して前記環状領域に沿って摺動可能となるように、スライド部に突き当たっており、本体部は電気使用装置に電気接続するためのものである。
【0020】
本出願の導電コネクタ装置は、弾性部をスライド部に突き当てることで、スライド部の収容溝から出た部分を常に環状領域に導電接触させるとともに、環状領域の形状特徴によって回転中にスライド部が環状領域に沿って摺動できるようにし、さらに回転角度に制限されることなく常に導電を保ち、導電の安定性を向上させたものである。
【0021】
以下、上記の図面を参考して本出願のいくつかの実施形態について詳細に説明する。実施形態および実施形態の特徴は、お互いに矛盾しない場合、組み合わせることができることに留意されたい。
【0022】
図1~
図4を参照して、本願の一実施例は、導電部材10と、第1ピン20と、第2ピン30とを備える導電コネクタ装置100を提供する。導電部材10の一方側には導電可能な環状領域11を有し、環状領域11は一つの円心に沿って周回して設けられている。第1ピン20は、導電部材10が環状領域11に背向する側に電気接続されている。第1ピン20は、給電器を電気接続するためのものである。第2ピン30は、本体部31と、弾性部32と、スライド部33とを含む。本体部31には、収容溝311が設けられている。弾性部32は、収容溝311内に位置する。弾性部32の両端は、それぞれ、本体部31及びスライド部33に電気接続されている。スライド部33は、収容溝311の開口に位置する。弾性部32は、スライド部33が収容溝311から部分的に張り出し、スライド部33が収容溝311から張り出した部分が環状領域11に導電接触して環状領域11に沿って摺動可能となるように、スライド部33に突き当たっている。本体部31は、電気使用装置に電気接続するためのものである。
【0023】
使用時に、導電部材10及び第1ピン20が共に第2ピン30に対して環状領域11の軸線まわりに回動すると、環状領域11が円環状を呈していることで、第2ピン30のスライド部33が環状領域11に常に電気接触でき、ひいては回転角度の制約を受けずに常に導電を保つ役割を果たし、導電の安定性が向上する。
【0024】
いくつかの態様において、導電部材10は、環状領域11の円中心に位置する導電可能な円心領域12をさらに含む。円心領域12には、軸方向の一方側に他方の第2ピン30が対応して設けられており、当該第2ピン30のスライド部33は、円心領域12に電気接触可能となっている。導電部材10及び第1ピン20が共に第2ピン30に対して円心領域12(つまり環状領域11)の軸線まわりに回動すると、この第2ピン30のスライド部33は、同様に常に中心領域12に導電接触可能であり、同様に回転角度の制約を受けずに常に導電を保つ役割を果たし、導電の安定性が向上する。
【0025】
いくつかの態様において、導電部材10は、環状領域11と同心状に配設され、半径が等しい導電可能な複数の弧状領域13をさらに有している。複数の弧状領域13の間は絶縁離間して設けられている。それぞれの弧状領域13には、軸方向の一方側に沿って1つの第2ピン30が設けられており、それぞれの第2ピン30のスライド部33は、それぞれ対応する弧状領域13に導電接触可能となっている。導電部材10及び第1ピン20が共に第2ピン30に対して弧状領域13(つまり環状領域11)の軸線まわりに回動すると、回動の角度範囲が弧状領域13の弧度範囲内であれば、同様に、それぞれの第2ピン30のスライド部33は、対応する弧状領域13と常に導電接触できる。そのため、ある程度は回転角度の制約を受けずに常に導電を保つ役割を果たし、導電の安定性が向上する。
【0026】
或いは、他の幾つかの実施形態では、複数の弧状領域13が環状領域11と同心状に配設され、複数の弧状領域13間が絶縁分離されて配設されている。ただし、複数の弧状領域13の半径は同一でなくてもよく、さらに回動の角度範囲が弧状領域13の弧の範囲を超えたときには、第2ピン30は、非対応の弧状領域13に導電接触を生じることを回避され、誤った導電接触を招いて生じ得る短絡等の不具合が回避される。
【0027】
幾つかの実施例では、スライド部33は球体であり、本体部31は、収容溝311の開口にストッパ部34が設けられる。ストッパ部34は、収容溝311の開口における径をスライド部33の径よりも小さくして、スライド部33を収容溝311内に規制し、スライド部33が収容溝311から離脱することは回避される。スライド部33は球体であり、接触中は転がり接触となり、環状領域11との擦れ合いを低減して、電気的安定を保ちつつ、導電コネクタ装置100の寿命を向上させる。他の幾つかの実施例では、スライド部33は半球状であってもよく、スライド部33の底部と導電部材10との接触が点接触であればよく、ひいては、スライド部33が導電部材10上を容易に摺動できるようにしてもよい。弾性部32は、一例として、ばねである。
【0028】
いくつかの態様において、導電部材10は、互いに導電接続されたリング体10a及び折り曲げ部10bを含む。環状領域11はリング体10aの軸方向の一方側に設けられ、折り曲げ部10bはリング体10aが環状領域11に背向する側に位置している。折り曲げ部10bに第1ピン20が導電接触することにより、第1ピン20と導電部材10との接触がより安定し、導電安定性が向上する。
【0029】
さらに、第1ピン20は、柱部21と、柱部21の先端に設けられたドーム部22とを備える。折り曲げ部10bには、ドーム部22を収容可能な凹溝(図示せず)が設けられ、第1ピン20と導電部材10との間の位置決めがなされることにより、導電安定性がより向上する。
【0030】
いくつかの態様において、導電部材10は、それ自体1つの硬質回路基板であってもよく、環状領域11、中心領域12及び弧状領域13はいずれも硬質回路基板の一方の面に設けられ、第1ピン20は硬質回路基板の他方の面に挿着されて、第1ピン20と環状領域11、円心領域12及び弧状領域13との間の導電連通を図りつつ、加工生産性を向上させることができる。第1ピン20及び第2ピン30の数は、それぞれ1つのみであってもよいし、複数あってもよいことが理解される。
【0031】
本願一実施例では、第1ケース210、第2ケース220、電源230、機能部材240及び導電コネクタ装置100を含む電気機器200も提供する。電源230、導電部材10及び第1ピン20は、第1ケース210に設けられ、このうち、環状領域11、円心領域12及び弧状領域13が第1ケース210の外面に露出している。複数の第2ピン30及び機能部材240は、第2ケース220内に設けられている。第1ケース210と第2ケース220が取り付けられると、それぞれの第2ピン30が、対応する環状領域11、円心領域12および弧状領域13に導電接触し、電源230が導電コネクタ装置100を介して機能部材240に給電する。
【0032】
例示の例としては、電気機器200が多段式に組み込まれた電動歯ブラシであっても良いし、機能部材240が振動装置であっても良い。第1ケース210及び第2ケース220は、それぞれ電動歯ブラシの2段構成となっており、第1ケース210及び第2ケース220は、組み立て時や使用時に相対回動する場合がある。導電コネクタ装置100は、電源230と機能部材240との導電の安定性を向上させるために、回転角度の制約を受けることなく、常に導電を保証する役割を担うことができる。他の実施例において、電気機器200は、他の電気機器、例えば電気かみそりやその他の電動工具等であってもよい。
【0033】
いくつかの態様において、使用機器200は、第1回路基板250および第2回路基板260をさらに備える。第1回路基板250は第1ケース210内に設けられており、第1ピン20及び電源230は、第1回路基板250に電気的に接続されている。第2回路基板260は、第2ケース220内に設けられている。第2ピン30及び機能部材240は、第2回路基板260に電気的に接続されている。第1回路基板250は、電源230の放電を制御し、第2回路基板260は、機能素子240の起動およびオフを制御してもよい。
【0034】
幾つかの実施例では、第1ケース210及び第2ケース220は、いずれもネジを有し、ネジが環状領域11と同軸に設けられている。回転する第1ケース210及び第2ケース220は、ネジによって締結され、回転しつつ、第2ピン30ごとのスライド部33は、対応する環状領域11、円心領域12及び弧状領域13に沿ってスライド可能である。またスライド部33は、弾性部32の突き当たりにおいて、常に環状領域11、円心領域12及び弧状領域13との接触を保つことができ、ひいては導電効果が保障され、第1のケース210及び第2のケース220の組み立ての容易性も向上する。
【0035】
また幾つかの実施形態では、第1ケース210及び第2ケース220は、差し込みによって組み付けられてもよい。導電コネクタ装置100は、第1ケース210及び第2ケース220を任意の相対角度で挿着するや、一定の角度範囲で挿着することができ、さらに回転角度の制約を受けることなく常に導電を保つ役割を果たし、第1ケース210および第2ケース220の組み立ての容易性を向上させる。
【0036】
幾つかの実施形態では、第2ケース220は、導電部材10に対応するストッパ板221を有し、ストッパ板221には、複数の貫通孔222が設けられる。各貫通孔222は、1つのスライド部33を収容するためのものである。それぞれのスライド部33の本体部31から離れた端部は導電部材10に接触するように1つの貫通孔222から突出している。ストッパ板221は、貫通孔222によって第2ピン30をストッパ及び位置決めの役割を果たし、第2ピン30と導電部材10とが互いに擦れ合う過程においてガタツキや破断等が生じることを回避する。
【0037】
以上より、電気機器200では、回転角度の制約を受けることなく、常に導電を保証する目的を導電コネクタ装置100によって実現し、さらに使用安定性を向上させ、組み付けの容易性も向上する。
【0038】
また、以上の実施形態は、本出願を説明するためにのみ限定されるものではなく、本出願の実質的な精神の範囲内であれば本出願の開示範囲内に入るものである、と当業者が認識すべきである。
【符号の説明】
【0039】
100 導電コネクタ装置
10 導電部材
10a リング体
10b 折り曲げ部
11 環状領域
12 円心領域
13 弧状領域
20 第1ピン
21 柱部
22 ドーム部
30 第2ピン
31 本体部
311 収容溝
32 弾性部
33 スライド部
34 ストッパ部
200 電気機器
210 第1ケース
220 第2ケース
221 ストッパ板
222 貫通孔
230 電源
240 機能部材
250 第1回路基板
260 第2回路基板