(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120826
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】契約システム、契約方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 9/32 20060101AFI20240829BHJP
G06Q 20/40 20120101ALN20240829BHJP
【FI】
H04L9/32 200A
G06Q20/40 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023110970
(22)【出願日】2023-07-05
(31)【優先権主張番号】P 2023027838
(32)【優先日】2023-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】523070872
【氏名又は名称】今井 健太
(71)【出願人】
【識別番号】523068558
【氏名又は名称】今井 康太
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】今井 健太
(72)【発明者】
【氏名】今井 康太
【テーマコード(参考)】
5L020
5L055
【Fターム(参考)】
5L020AA72
5L055AA72
(57)【要約】
【課題】当事者間の取引において、その契約内容を少なくとも当事者以外には秘匿化しつつ、保証する。
【解決手段】サーバ100は、ランダムな文字列を用いて、債務者側端末200の電話番号を検証し、暗号化した債務者側端末200の電話番号を保持する。また、サーバ100は、債務者側端末200が生成した契約文書に対して債務者側端末200が作成した債務者側契約文書ハッシュ値と、債務者側端末200から債権者側端末300に送信された契約文書に対して債権者側端末300が作成した債務者側契約文書ハッシュ値とを用いて、契約文書を検証し、両者が一致した場合に、債務者側契約文書ハッシュ値あるいは債権者側契約文書ハッシュ値を保持する。債権者側端末300は、サーバ100が電話番号の暗号化に用いた暗号鍵と債務者側端末から受信した前記契約文書とを保持する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運営者が管理するサーバと、個人としての債務者が所持する債務者側端末と、個人としての債権者が所持する債権者側端末と、を備え、
前記サーバは、
ランダムな文字列を生成する文字列生成部と、
前記債務者側端末に電話回線を介して前記ランダムな文字列を送信し、前記債権者側端末に暗号鍵を送信するサーバ側送信部と、
前記債務者側端末からの文字列および前記債務者側端末において作成され、前記債権者側端末に送信された契約文書の債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側端末から送信された債権者側契約文書ハッシュ値とを受信するサーバ側受信部と、
前記債務者側端末に送信した前記ランダムな文字列とサーバ側受信部が受信した前記文字列とが一致するか否かを判定して、前記債務者側端末の電話番号を検証する電話番号検証部と、
前記暗号鍵を生成する暗号鍵生成部と、
該生成された前記暗号鍵を用いて、前記電話番号検証部において検証された前記債務者側端末の電話番号を暗号化する暗号化部と、
情報を保存するサーバ側記憶部と、
該暗号化された前記債務者側端末の電話番号のみを前記サーバ側記憶部に保存し、前記暗号鍵および前記債務者側端末の電話番号を破棄する処理を実行するサーバ側情報処置部と、
前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致するか否かを判定して、前記契約文書を検証し、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致すると判定した場合に、前記債務者側契約文書ハッシュ値あるいは前記債権者側契約文書ハッシュ値を前記サーバ側記憶部に保存させる契約文書検証部と、
を備え、
前記債務者側端末は、
前記契約文書を作成する契約文書作成部と、
該作成された前記契約文書の前記債務者側契約文書ハッシュ値を生成する債務者側ハッシュ値生成部と、
前記サーバから前記ランダムな文字列を受信する債務者側受信部と、
前記サーバに前記サーバから受信した前記ランダムな文字列と前記債務者側契約文書ハッシュ値とを送信し、前記債権者側端末に前記契約文書を送信する債務者側送信部と、
を備え、
前記債権者側端末は、
情報を保存する債権者側記憶部と、
前記サーバから前記暗号鍵を受信し、前記債務者側端末から前記契約文書を受信する債権者側受信部と、
前記サーバから受信した前記暗号鍵と前記債務者側端末から受信した前記契約文書とを前記債権者側記憶部に保存する債権者側情報処置部と、
該保存されている前記契約文書の前記債権者側契約文書ハッシュ値を生成する債権者側ハッシュ値生成部と、
前記サーバに前記債権者側契約文書ハッシュ値を送信する債権者側送信部と、
を備えたことを特徴とする契約システム。
【請求項2】
運営者が管理するサーバと、信頼足り得ない債務者が所持する債務者側端末と、信頼足り得る債権者が所持する債権者側端末と、を備え、
前記サーバは、
ランダムな文字列を生成する文字列生成部と、
前記債務者側端末に前記ランダムな文字列を送信するサーバ側送信部と、
前記債務者側端末において作成された債務者側電話番号ハッシュ値と前記債権者側端末において作成された債権者側電話番号ハッシュ値と前記債権者側端末からの前記文字列と、前記債務者側端末において作成され、前記債権者側端末に送信された契約文書の債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側端末から送信された債権者側契約文書ハッシュ値とを受信するサーバ側受信部と、
前記サーバ側送信部が前記債務者側端末に送信した前記ランダムな文字列と前記債権者側端末から送信された前記文字列とが一致するか否かを判定するとともに、前記債務者側端末から受信した前記債務者側電話番号ハッシュ値と前記債権者側端末から受信した前記債権者側電話番号ハッシュ値とが一致するか否かを判定し、前記債務者側端末の電話番号を検証する電話番号検証部と、
情報を保存するサーバ側記憶部と、
債務者側契約文書ハッシュ値と債権者側契約文書ハッシュ値とが一致するか否かを判定して、前記契約文書を検証し、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致すると判定した場合に、前記債務者側契約文書ハッシュ値あるいは前記債権者側契約文書ハッシュ値を前記サーバ側記憶部に保存させる契約文書検証部と、
を備え、
前記債務者側端末は、
前記契約文書を作成する契約文書作成部と、
自端末の電話番号に対する前記債務者側電話番号ハッシュ値および該作成された前記契約文書の前記債務者側契約文書ハッシュ値を生成する債務者側ハッシュ値生成部と、
前記サーバから前記ランダムな文字列を受信する債務者側受信部と、
前記サーバに前記債務者側電話番号ハッシュ値を送信し、前記債権者側端末に電話回線を介して前記ランダムな文字列を送信するとともに、前記契約文書を送信する債務者側送信部と、
を備え、
前記債権者側端末は、
前記債務者側端末から前記ランダムな文字列と前記契約文書とを受信する債権者側受信部と、
前記債務者側端末の前記電話番号を抽出する抽出部と、
情報を保存する債権者側記憶部と、
該抽出された前記債務者側端末の電話番号情報と前記契約文書とを前記債権者側記憶部に保存させる債権者側情報処置部と、
該抽出した前記債務者側端末の電話番号に対する前記債権者側電話番号ハッシュ値および前記契約文書に対する前記債権者側契約文書ハッシュ値を生成する債権者側ハッシュ値生成部と、
前記サーバに前記債務者側端末から受信した前記ランダムな文字列と前記債権者側電話番号ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値を送信する債権者側送信部と、
を備えたことを特徴とする契約システム。
【請求項3】
運営者が管理するサーバと、個人としての債務者が所持する債務者側端末と、個人としての債権者が所持する債権者側端末と、を備え、
前記サーバは、
前記債権者側端末に暗号鍵を送信するサーバ側送信部と、
前記債務者側端末からの署名された個人情報および前記債務者側端末において作成され、前記債権者側端末に送信された契約文書の債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側端末から送信された債権者側契約文書ハッシュ値とを受信するサーバ側受信部と、
前記サーバ側受信部が受信した前記署名された個人情報を検証する個人情報検証部と、
前記暗号鍵を生成する暗号鍵生成部と、
該生成された前記暗号鍵を用いて、前記個人情報検証部において検証された前記署名された個人情報を暗号化する暗号化部と、
情報を保存するサーバ側記憶部と、
前記暗号鍵および該暗号化された前記署名された個人情報を破棄する処理を実行するサーバ側情報処置部と、
前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致するか否かを判定して、前記契約文書を検証し、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致すると判定した場合に、前記債務者側契約文書ハッシュ値あるいは前記債権者側契約文書ハッシュ値を前記サーバ側記憶部に保存させる契約文書検証部と、
を備え、
前記債務者側端末は、
前記契約文書を作成する契約文書作成部と、
該作成された前記契約文書の前記債務者側契約文書ハッシュ値を生成する債務者側ハッシュ値生成部と、
前記サーバに前記債務者側契約文書ハッシュ値および署名された個人情報を送信し、前記債権者側端末に前記契約文書を送信する債務者側送信部と、
を備え、
前記債権者側端末は、
情報を保存する債権者側記憶部と、
前記サーバから前記暗号鍵を受信し、前記債務者側端末から前記契約文書を受信する債権者側受信部と、
前記サーバから受信した前記暗号鍵と前記債務者側端末から受信した前記契約文書とを前記債権者側記憶部に保存する債権者側情報処置部と、
該保存されている前記契約文書の前記債権者側契約文書ハッシュ値を生成する債権者側ハッシュ値生成部と、
前記サーバに前記債権者側契約文書ハッシュ値を送信する債権者側送信部と、
を備えたことを特徴とする契約システム。
【請求項4】
運営者が管理するサーバと、信頼足り得ない債務者が所持する債務者側端末と、信頼足り得る債権者が所持する債権者側端末と、を備え、
前記サーバは、
前記債務者側端末において作成された債務者側個人情報ハッシュ値と前記債権者側端末において作成された債権者側個人情報ハッシュ値と、前記債務者側端末において作成され、前記債権者側端末に送信された契約文書の債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側端末から送信された債権者側契約文書ハッシュ値とを受信するサーバ側受信部と、
前記債務者側端末から受信した前記債務者側個人情報ハッシュ値と前記債権者側端末から受信した前記債権者側個人情報ハッシュ値とが一致するか否かを判定し、債務者の署名がされた個人情報を検証する個人情報検証部と、
情報を保存するサーバ側記憶部と、
債務者側契約文書ハッシュ値と債権者側契約文書ハッシュ値とが一致するか否かを判定して、前記契約文書を検証し、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致すると判定した場合に、前記債務者側契約文書ハッシュ値あるいは前記債権者側契約文書ハッシュ値を前記サーバ側記憶部に保存させる契約文書検証部と、
を備え、
前記債務者側端末は、
前記契約文書を作成する契約文書作成部と、
前記債務者の署名がされた個人情報に対する前記債務者側個人情報ハッシュ値および該作成された前記契約文書の前記債務者側契約文書ハッシュ値を生成する債務者側ハッシュ値生成部と、
前記サーバに前記債務者側個人情報ハッシュ値と前記債務者側契約文書ハッシュ値とを送信するとともに、前記債権者側端末に、債務者の署名された個人情報と前記契約文書とを送信する債務者側送信部と、
を備え、
前記債権者側端末は、
前記債務者側端末から前記債務者の署名された個人情報と前記契約文書を受信する債権者側受信部と、
情報を保存する債権者側記憶部と、
前記債務者の署名された個人情報と前記契約文書とを前記債権者側記憶部に保存させる債権者側情報処置部と、
前記債務者の署名された個人情報に対する前記債権者側個人情報ハッシュ値および前記契約文書に対する前記債権者側契約文書ハッシュ値を生成する債権者側ハッシュ値生成部と、
前記サーバに前記債権者側個人情報ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値を送信する債権者側送信部と、
を備えたことを特徴とする契約システム。
【請求項5】
前記債務者側ハッシュ値生成部と前記債権者側ハッシュ値生成部とは、同じ複数のハッシュ関数を用いて、前記債務者側契約文書ハッシュ値あるいは前記債権者側契約文書ハッシュ値を生成することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の契約システム。
【請求項6】
前記サーバは、前記サーバ側受信部を介して前記契約文書の債務者側契約文書ハッシュ値を受信した時間情報を前記サーバ側記憶部に保存することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の契約システム。
【請求項7】
文字列生成部とサーバ側送信部とサーバ側受信部と電話番号検証部と暗号鍵生成部と暗号化部とサーバ側記憶部と情報処置部と契約文書検証部とを含む運営者が管理するサーバと、契約文書作成部と債務者側ハッシュ値生成部と債務者側受信部と債務者側送信部と含む個人としての債務者が所持する債務者側端末と、債権者側記憶部と債権者側受信部と債権者側情報処置部と債権者側ハッシュ値生成部と債権者側送信部とを含む個人としての債権者が所持する債権者側端末と、を備えた契約システムにおける契約方法であって、
前記サーバの前記文字列生成部が、ランダムな文字列を生成する第1の工程と、
前記サーバの前記サーバ側送信部が、前記債務者側端末に電話回線を介して前記ランダムな文字列を送信する第2の工程と、
前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記サーバに前記サーバから受信した前記ランダムな文字列を送信する第3の工程と、
前記サーバの前記電話番号検証部が、前記債務者側端末に送信した前記ランダムな文字列とサーバ側受信部が受信した前記文字列とが一致するか否かを判定して、前記債務者側端末の電話番号を検証する第4の工程と、
前記サーバの前記暗号鍵生成部が、暗号鍵を生成する第5の工程と、
前記サーバの前記暗号化部が、第5の工程において生成された前記暗号鍵を用いて、第4の工程において検証された前記債務者側端末の電話番号を暗号化する第6の工程と、
前記サーバの前記サーバ側送信部が、前記債権者側端末に暗号鍵を送信する第7の工程と、
前記サーバの前記情報処置部が、第6の工程において暗号化された前記債務者側端末の電話番号のみを前記サーバ側記憶部に保存し、前記暗号鍵および前記債務者側端末の電話番号を破棄する処理を実行する第8の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側情報処置部が、前記サーバから受信した前記暗号鍵を前記債権者側記憶部に保存する第9の工程と、
前記債務者側端末の前記契約文書作成部が、契約文書を作成する第10の工程と、
前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記債権者側端末に前記契約文書を送信する第11の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側情報処置部が、前記債務者側端末から受信した前記契約文書を前記債権者側記憶部に保存する第12の工程と、
前記債務者側端末の前記債務者側ハッシュ値生成部が、第10の工程において作成された前記契約文書の債務者側契約文書ハッシュ値を生成する第13の工程と、
前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記債務者側契約文書ハッシュ値を前記サーバに送信する第14の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側ハッシュ値生成部が、第12の工程において保存された前記契約文書の債権者側契約文書ハッシュ値を生成する第15の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側送信部が、前記サーバに前記債権者側契約文書ハッシュ値を送信する第16の工程と、
前記サーバの前記契約文書検証部が、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致するか否かを判定して、前記契約文書を検証し、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致すると判定した場合に、前記債務者側契約文書ハッシュ値あるいは前記債権者側契約文書ハッシュ値を前記サーバ側記憶部に保存させる第17の工程と、
を備えたことを特徴とする契約方法。
【請求項8】
文字列生成部とサーバ側送信部とサーバ側受信部と電話番号検証部とサーバ側記憶部と契約文書検証部とを含む運営者が管理するサーバと、契約文書作成部と債務者側ハッシュ値生成部と債務者側受信部と債務者側送信部とを含む信頼足り得ない債務者が所持する債務者側端末と、債権者側受信部と抽出部と債権者側記憶部と債権者側情報処置部と債権者側ハッシュ値生成部と債権者側記憶部と債権者側送信部とを含む信頼足り得る債権者が所持する債権者側端末と、を備えた契約システムにおける契約方法であって、
前記サーバの前記文字列生成部が、ランダムな文字列を生成する第1の工程と、
前記サーバの前記サーバ側送信部が、前記債務者側端末に前記ランダムな文字列を送信する第2の工程と、
前記債務者側端末の前記債務者側ハッシュ値生成部が、自端末の電話番号に対する債務者側電話番号ハッシュ値を生成する第3の工程と、
前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記サーバに前記債務者側電話番号ハッシュ値を送信する第4の工程と、
前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記債権者側端末に電話回線を介して前記ランダムな文字列を送信する第5の工程と、
前記債権者側端末の前記抽出部が、前記債務者側端末の前記電話番号を抽出する第6の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側情報処置部が、第6の工程において抽出された前記債務者側端末の電話番号を前記債権者側記憶部に保存する第7の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側ハッシュ値生成部が、該抽出した前記債務者側端末の電話番号に対する債権者側電話番号ハッシュ値を生成する第8の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側送信部が、前記サーバに前記債務者側端末から受信した前記ランダムな文字列と前記債権者側電話番号ハッシュ値とを送信する第9の工程と、
前記サーバの前記サーバ側受信部が、前記債権者側端末において作成された前記債権者側電話番号ハッシュ値と前記債権者側端末からの前記文字列とを受信する第10の工程と、
前記サーバの前記電話番号検証部が、前記サーバ側送信部が前記債務者側端末に送信した前記ランダムな文字列と前記債権者側端末から送信された前記文字列とが一致するか否か、を判定するとともに、前記債務者側端末から受信した前記債務者側電話番号ハッシュ値と前記債権者側端末から受信した前記債権者側電話番号ハッシュ値とが一致するか否かを判定し、前記債務者側端末の電話番号を検証する第11の工程と、
前記債務者側端末の前記契約文書作成部が契約文書を作成する第12の工程と、
前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記債権者側端末に前記契約文書を送信する第13の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側情報処置部が、前記債務者側端末から受信した前記契約文書を前記債権者側記憶部に保存する第14の工程と、
前記債務者側端末の前記債務者側ハッシュ値生成部が、第12の工程において作成された前記契約文書の債務者側契約文書ハッシュ値を生成する第15の工程と、
前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記債務者側契約文書ハッシュ値を前記サーバに送信する第16の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側ハッシュ値生成部が、第14の工程において保存された前記契約文書の債権者側契約文書ハッシュ値を生成する第17の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側送信部が、前記サーバに前記債権者側契約文書ハッシュ値を送信する第18の工程と、
前記サーバの前記契約文書検証部が、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致するか否かを判定して、前記契約文書を検証し、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致すると判定した場合に、前記債務者側契約文書ハッシュ値あるいは前記債権者側契約文書ハッシュ値を前記サーバ側記憶部に保存させる第19の工程と、
を備えたことを特徴とする契約方法。
【請求項9】
サーバ側送信部とサーバ側受信部と個人情報検証部と暗号鍵生成部と暗号化部とサーバ側記憶部とサーバ側情報処置部と契約文書検証部とを含む運営者が管理するサーバと、契約文書作成部と債務者側ハッシュ値生成部と債務者側送信部と含む個人としての債務者が所持する債務者側端末と、債権者側記憶部と債権者側受信部と債権者側情報処置部と債権者側ハッシュ値生成部と債権者側送信部とを含む個人としての債権者が所持する債権者側端末と、を備えた契約システムにおける契約方法であって、
前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記サーバに、債務者の署名がされた個人情報を送信する第1の工程と、
前記サーバの前記個人情報検証部が、署名された前記個人情報を検証する第2の工程と、
前記サーバの前記暗号鍵生成部が、暗号鍵を生成する第3の工程と、
前記サーバの前記暗号化部が、第3の工程において生成された前記暗号鍵を用いて、第2の工程において検証された前記債務者の署名がされた個人情報を暗号化する第4の工程と、
前記サーバの前記サーバ側送信部が、前記債権者側端末に前記第3の工程において生成された暗号鍵を送信する第5の工程と、
前記サーバの前記サーバ側情報処置部が、前記暗号鍵および第4の工程において暗号化された前記債務者の署名がされた個人情報を破棄する処理を実行する第6の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側情報処置部が、前記サーバから受信した前記暗号鍵を前記債権者側記憶部に保存する第7の工程と、
前記債務者側端末の前記契約文書作成部が、契約文書を作成する第8の工程と、
前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記債権者側端末に前記契約文書を送信する第9の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側情報処置部が、前記債務者側端末から受信した前記契約文書を前記債権者側記憶部に保存する第10の工程と、
前記債務者側端末の前記債務者側ハッシュ値生成部が、第8の工程において作成された前記契約文書の債務者側契約文書ハッシュ値を生成する第11の工程と、
前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記債務者側契約文書ハッシュ値を前記サーバに送信する第12の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側ハッシュ値生成部が、第10の工程において保存された前記契約文書の債権者側契約文書ハッシュ値を生成する第13の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側送信部が、前記サーバに前記債権者側契約文書ハッシュ値を送信する第14の工程と、
前記サーバの前記契約文書検証部が、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致するか否かを判定して、前記契約文書を検証し、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致すると判定した場合に、前記債務者側契約文書ハッシュ値あるいは前記債権者側契約文書ハッシュ値を前記サーバ側記憶部に保存させる第15の工程と、
を備えたことを特徴とする契約方法。
【請求項10】
サーバ側受信部と個人情報検証部とサーバ側記憶部と契約文書検証部とを含む運営者が管理するサーバと、契約文書作成部と債務者側ハッシュ値生成部と債務者側送信部と含む信頼足り得ない債務者が所持する債務者側端末と、債権者側受信部と債権者側記憶部と債権者側情報処置部と債権者側ハッシュ値生成部と債権者側送信部とを含む信頼足り得る債権者が所持する債権者側端末と、を備えた契約システムにおける契約方法であって、
前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、債務者の署名がされた個人情報を前記債権者側端末に送信する第1の工程と、
前記債務者側端末の前記債務者側ハッシュ値生成部が、前記債務者の署名がされた個人情報に対する債務者側個人情報ハッシュ値を生成する第2の工程と、
前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記サーバに前記債務者側個人情報ハッシュ値を送信する第3の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側情報処置部が、第1の工程において受信した前記債務者の署名がされた個人情報を前記債権者側記憶部に保存する第4の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側ハッシュ値生成部が、前記第4の工程において保存された前記債務者の署名がされた個人情報に対する債権者側個人情報ハッシュ値を生成する第5の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側送信部が、前記サーバに前記債権者側個人情報ハッシュ値を送信する第6の工程と、
前記サーバの前記個人情報検証部が、前記債務者側端末から受信した前記債務者側個人情報ハッシュ値と前記債権者側端末から受信した前記債権者側個人情報ハッシュ値とが一致するか否かを判定し、債務者の署名がされた個人情報を検証する第7の工程と、
前記債務者側端末の前記契約文書作成部が契約文書を作成する第8の工程と、
前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記債権者側端末に前記契約文書を送信する第9の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側情報処置部が、前記債務者側端末から受信した前記契約文書を前記債権者側記憶部に保存する第10の工程と、
前記債務者側端末の前記債務者側ハッシュ値生成部が、第11の工程において作成された前記契約文書の債務者側契約文書ハッシュ値を生成する第11の工程と、
前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記債務者側契約文書ハッシュ値を前記サーバに送信する第12の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側ハッシュ値生成部が、第10の工程において保存された前記契約文書の債権者側契約文書ハッシュ値を生成する第13の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側送信部が、前記サーバに前記債権者側契約文書ハッシュ値を送信する第14の工程と、
前記サーバの前記契約文書検証部が、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致するか否かを判定して、前記契約文書を検証し、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致すると判定した場合に、前記債務者側契約文書ハッシュ値あるいは前記債権者側契約文書ハッシュ値を前記サーバ側記憶部に保存させる第15の工程と、
を備えたことを特徴とする契約方法。
【請求項11】
文字列生成部とサーバ側送信部とサーバ側受信部と電話番号検証部と暗号鍵生成部と暗号化部とサーバ側記憶部と情報処置部と契約文書検証部とを含む運営者が管理するサーバと、契約文書作成部と債務者側ハッシュ値生成部と債務者側受信部と債務者側送信部と含む個人としての債務者が所持する債務者側端末と、債権者側記憶部と債権者側受信部と債権者側情報処置部と債権者側ハッシュ値生成部と債権者側送信部とを含む個人としての債権者が所持する債権者側端末と、を備えた契約システムにおける契約方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記サーバの前記文字列生成部が、ランダムな文字列を生成する第1の工程と、
前記サーバの前記サーバ側送信部が、前記債務者側端末に電話回線を介して前記ランダムな文字列を送信する第2の工程と、
前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記サーバに前記サーバから受信した前記ランダムな文字列を送信する第3の工程と、
前記サーバの前記電話番号検証部が、前記債務者側端末に送信した前記ランダムな文字列とサーバ側受信部が受信した前記文字列とが一致するか否かを判定して、前記債務者側端末の電話番号を検証する第4の工程と、
前記サーバの前記暗号鍵生成部が、暗号鍵を生成する第5の工程と、
前記サーバの前記暗号化部が、第5の工程において生成された前記暗号鍵を用いて、第4の工程において検証された前記債務者側端末の電話番号を暗号化する第6の工程と、
前記サーバの前記サーバ側送信部が、前記債権者側端末に暗号鍵を送信する第7の工程と、
前記サーバの前記情報処置部が、第6の工程において暗号化された前記債務者側端末の電話番号のみを前記サーバ側記憶部に保存し、前記暗号鍵および前記債務者側端末の電話番号を破棄する処理を実行する第8の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側情報処置部が、前記サーバから受信した前記暗号鍵を前記債権者側記憶部に保存する第9の工程と、
前記債務者側端末の前記契約文書作成部が、契約文書を作成する第10の工程と、
前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記債権者側端末に前記契約文書を送信する第11の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側情報処置部が、前記債務者側端末から受信した前記契約文書を前記債権者側記憶部に保存する第12の工程と、
前記債務者側端末の前記債務者側ハッシュ値生成部が、第10の工程において作成された前記契約文書の債務者側契約文書ハッシュ値を生成する第13の工程と、
前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記債務者側契約文書ハッシュ値を前記サーバに送信する第14の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側ハッシュ値生成部が、第12の工程において保存された前記契約文書の債権者側契約文書ハッシュ値を生成する第15の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側送信部が、前記サーバに債権者側契約文書ハッシュ値を送信する第16の工程と、
前記サーバの前記契約文書検証部が、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致するか否かを判定して、前記契約文書を検証し、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致すると判定した場合に、前記債務者側契約文書ハッシュ値あるいは前記債権者側契約文書ハッシュ値を前記サーバ側記憶部に保存させる第17の工程と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項12】
文字列生成部とサーバ側送信部とサーバ側受信部と電話番号検証部とサーバ側記憶部と契約文書検証部とを含む運営者が管理するサーバと、契約文書作成部と債務者側ハッシュ値生成部と債務者側受信部と債務者側送信部とを含む信頼足り得ない債務者が所持する債務者側端末と、債権者側受信部と抽出部と債権者側記憶部と債権者側情報処置部と債権者側ハッシュ値生成部と債権者側記憶部と債権者側送信部とを含む信頼足り得る債権者が所持する債権者側端末と、を備えた契約システムにおける契約方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記サーバの前記文字列生成部が、ランダムな文字列を生成する第1の工程と、
前記サーバの前記サーバ側送信部が、前記債務者側端末に前記ランダムな文字列を送信する第2の工程と、
前記債務者側端末の前記債務者側ハッシュ値生成部が、自端末の電話番号に対する債務者側電話番号ハッシュ値を生成する第3の工程と、
前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記サーバに前記債務者側電話番号ハッシュ値を送信する第4の工程と、
前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記債権者側端末に電話回線を介して前記ランダムな文字列を送信する第5の工程と、
前記債権者側端末の前記抽出部が、前記債務者側端末の前記電話番号を抽出する第6の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側情報処置部が、第6の工程において抽出された前記債務者側端末の電話番号を前記債権者側記憶部に保存する第7の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側ハッシュ値生成部が、該抽出した前記債務者側端末の電話番号に対する債権者側電話番号ハッシュ値を生成する第8の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側送信部が、前記サーバに前記債務者側端末から受信した前記ランダムな文字列と前記債権者側電話番号ハッシュ値とを送信する第9の工程と、
前記サーバの前記サーバ側受信部が、前記債権者側端末において作成された前記債権者側電話番号ハッシュ値と前記債権者側端末からの前記文字列とを受信する第10の工程と、
前記サーバの前記電話番号検証部が、前記サーバ側送信部が前記債務者側端末に送信した前記ランダムな文字列と前記債権者側端末から送信された前記文字列とが一致するか否か、を判定するとともに、前記債務者側端末から受信した前記債務者側電話番号ハッシュ値と前記債権者側端末から受信した前記債権者側電話番号ハッシュ値とが一致するか否かを判定し、前記債務者側端末の電話番号を検証する第11の工程と、
前記債務者側端末の前記契約文書作成部が契約文書を作成する第12の工程と、
前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記債権者側端末に前記契約文書を送信する第13の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側情報処置部が、前記債務者側端末から受信した前記契約文書を前記債権者側記憶部に保存する第14の工程と、
前記債務者側端末の前記債務者側ハッシュ値生成部が、第12の工程において作成された前記契約文書の債務者側契約文書ハッシュ値を生成する第15の工程と、
前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記債務者側契約文書ハッシュ値を前記サーバに送信する第16の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側ハッシュ値生成部が、第14の工程において保存された前記契約文書の債権者側契約文書ハッシュ値を生成する第17の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側送信部が、前記サーバに前記債権者側契約文書ハッシュ値を送信する第18の工程と、
前記サーバの前記契約文書検証部が、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致するか否かを判定して、前記契約文書を検証し、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致すると判定した場合に、前記債務者側契約文書ハッシュ値あるいは前記債権者側契約文書ハッシュ値を前記サーバ側記憶部に保存させる第19の工程と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項13】
サーバ側送信部とサーバ側受信部と個人情報検証部と暗号鍵生成部と暗号化部とサーバ側記憶部とサーバ側情報処置部と契約文書検証部とを含む運営者が管理するサーバと、契約文書作成部と債務者側ハッシュ値生成部と債務者側送信部と含む個人としての債務者が所持する債務者側端末と、債権者側記憶部と債権者側受信部と債権者側情報処置部と債権者側ハッシュ値生成部と債権者側送信部とを含む個人としての債権者が所持する債権者側端末と、を備えた契約システムにおける契約方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記サーバに債務者の署名がされた個人情報を送信する第1の工程と、
前記サーバの前記個人情報検証部が、署名された前記個人情報を検証する第2の工程と、
前記サーバの前記暗号鍵生成部が、暗号鍵を生成する第3の工程と、
前記サーバの前記暗号化部が、第3の工程において生成された前記暗号鍵を用いて、第2の工程において検証された前記債務者の署名がされた個人情報を暗号化する第4の工程と、
前記サーバの前記サーバ側送信部が、前記債権者側端末に前記第3の工程において生成された暗号鍵を送信する第5の工程と、
前記サーバの前記サーバ側情報処置部が、前記暗号鍵および第4の工程において暗号化された前記債務者の署名がされた個人情報を破棄する処理を実行する第6の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側情報処置部が、前記サーバから受信した前記暗号鍵を前記債権者側記憶部に保存する第7の工程と、
前記債務者側端末の前記契約文書作成部が、契約文書を作成する第8の工程と、
前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記債権者側端末に前記契約文書を送信する第9の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側情報処置部が、前記債務者側端末から受信した前記契約文書を前記債権者側記憶部に保存する第10の工程と、
前記債務者側端末の前記債務者側ハッシュ値生成部が、第8の工程において作成された前記契約文書の債務者側契約文書ハッシュ値を生成する第11の工程と、
前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記債務者側契約文書ハッシュ値を前記サーバに送信する第12の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側ハッシュ値生成部が、第10の工程において保存された前記契約文書の債権者側契約文書ハッシュ値を生成する第13の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側送信部が、前記サーバに前記債権者側契約文書ハッシュ値を送信する第14の工程と、
前記サーバの前記契約文書検証部が、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致するか否かを判定して、前記契約文書を検証し、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致すると判定した場合に、前記債務者側契約文書ハッシュ値あるいは前記債権者側契約文書ハッシュ値を前記サーバ側記憶部に保存させる第15の工程と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項14】
サーバ側受信部と個人情報検証部とサーバ側記憶部と契約文書検証部とを含む運営者が管理するサーバと、契約文書作成部と債務者側ハッシュ値生成部と債務者側送信部と含む信頼足り得ない債務者が所持する債務者側端末と、債権者側受信部と債権者側記憶部と債権者側情報処置部と債権者側ハッシュ値生成部と債権者側送信部とを含む信頼足り得る債権者が所持する債権者側端末と、を備えた契約システムにおける契約方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、債務者の署名がされた個人情報を前記債権者側端末に送信する第1の工程と、
前記債務者側端末の前記債務者側ハッシュ値生成部が、前記債務者の署名がされた個人情報に対する債務者側個人情報ハッシュ値を生成する第2の工程と、
前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記サーバに前記債務者側個人情報ハッシュ値を送信する第3の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側情報処置部が、第1の工程において受信した前記債務者の署名がされた個人情報を前記債権者側記憶部に保存する第4の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側ハッシュ値生成部が、前記第4の工程において保存された前記債務者の署名がされた個人情報に対する債権者側個人情報ハッシュ値を生成する第5の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側送信部が、前記サーバに前記債権者側個人情報ハッシュ値を送信する第6の工程と、
前記サーバの前記個人情報検証部が、前記債務者側端末から受信した前記債務者側個人情報ハッシュ値と前記債権者側端末から受信した前記債権者側個人情報ハッシュ値とが一致するか否かを判定し、債務者の署名がされた個人情報を検証する第7の工程と、
前記債務者側端末の前記契約文書作成部が契約文書を作成する第8の工程と、
前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記債権者側端末に前記契約文書を送信する第9の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側情報処置部が、前記債務者側端末から受信した前記契約文書を前記債権者側記憶部に保存する第10の工程と、
前記債務者側端末の前記債務者側ハッシュ値生成部が、第11の工程において作成された前記契約文書の債務者側契約文書ハッシュ値を生成する第11の工程と、
前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記債務者側契約文書ハッシュ値を前記サーバに送信する第12の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側ハッシュ値生成部が、第10の工程において保存された前記契約文書の債権者側契約文書ハッシュ値を生成する第13の工程と、
前記債権者側端末の前記債権者側送信部が、前記サーバに前記債権者側契約文書ハッシュ値を送信する第14の工程と、
前記サーバの前記契約文書検証部が、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致するか否かを判定して、前記契約文書を検証し、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致すると判定した場合に、前記債務者側契約文書ハッシュ値あるいは前記債権者側契約文書ハッシュ値を前記サーバ側記憶部に保存させる第15の工程と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、契約システム、契約方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、経済活動に付随して、当事者間において様々な商取引が行われている。
特に、ネットワーク技術の進展に伴って、インターネット上での電子商取引が活発化し、その利便性に起因して、こうした電子商取引が様々な分野において、大きな進展を遂げている。
【0003】
ところが、こうした電子商取引は、例えば、販売者と購入者とが実際に対面で、物品の売買等の取引を行う今までの商取引とは異なり、個人情報を秘匿化し、取引相手が見えないインターネット上で商品の注文、商品の受取、代金の支払い等を行うものである。
そのため、例えば、購入者が代金を振り込んだが商品が手元に届かない、商品を配送したが代金が振込まれない等の多くのトラブルが発生し、社会問題化している。
【0004】
上記のような問題を解決するために、販売者は、仲介業者の管理する電子商取引のウェブサイトに販売希望の商品を登録し、仲介業者は、販売者の販売希望商品を紹介する。ウェブサイトに紹介された商品を購入者が視て、購入者は、商品の購入の意思を仲介業者に表示しクレジットカードの口座番号、有効期限等を仲介業者に入力する。仲介業者はこれを確認して仮決済を行い、仮売上を決定した旨を販売者に連絡し、販売者は購入者に商品を発送する。購入者は発送された商品を確認後、商品購入意思を仲介業者に連絡し、仲介業者はこれを受けてカード会社に実決済を実施する。販売者は商品の代金を銀行振込みによって仲介業者から支払を受けるシステムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、
図13に示すように、実際の取引の前に、「約束メモ」を販売者および購入者の双方が作成し、仲介業者を介して相手方に送付した後、販売者および購入者の双方が「約束メモ」の内容に同意したことを確認する、一種の契約を行う処理を設けたシステムも開示されている(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】インターネット<URL:https://azkari.jp/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、仮に、販売者と購入者との間で、トラブルが生じた場合に、仲介業者が取引行為に関する販売者と購入者との間の契約を保証する仕組みを備えていない。
【0009】
一方で、非特許文献1に記載の技術は、上記の仕組みを備えているものの、「約束メモ」(契約内容が書かれたメモ)の全てに運営者側が目を通すと記載されているように、契約内容が少なくとも運営者には、露見してしまうことから、ユーザが当該システムを使用することを躊躇させてしまうという課題があった。
【0010】
また、非特許文献1に記載の技術では、契約内容が視認可能な状態で保管されていることから、例えば、データの漏洩が発生した場合には、取引の当事者の意思とは無関係に契約内容が不特定多数に知れ渡ってしまう虞があった。
【0011】
そこで、本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、当事者間の取引において、その契約内容を少なくとも当事者以外には秘匿化しつつ、契約内容を保証する契約システム、契約方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
形態1;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、運営者が管理するサーバと、個人としての債務者が所持する債務者側端末と、個人としての債権者が所持する債権者側端末と、を備え、前記サーバは、ランダムな文字列を生成する文字列生成部と、前記債務者側端末に電話回線を介して前記ランダムな文字列を送信し、前記債権者側端末に暗号鍵を送信するサーバ側送信部と、前記債務者側端末からの文字列および前記債務者側端末において作成され、前記債権者側端末に送信された契約文書の債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側端末から送信された債権者側契約文書ハッシュ値とを受信するサーバ側受信部と、前記債務者側端末に送信した前記ランダムな文字列とサーバ側受信部が受信した前記文字列とが一致するか否かを判定して、前記債務者側端末の電話番号を検証する電話番号検証部と、前記暗号鍵を生成する暗号鍵生成部と、該生成された前記暗号鍵を用いて、前記電話番号検証部において検証された前記債務者側端末の電話番号を暗号化する暗号化部と、情報を保存するサーバ側記憶部と、該暗号化された前記債務者側端末の電話番号のみを前記サーバ側記憶部に保存し、前記暗号鍵および前記債務者側端末の電話番号を破棄する処理を実行するサーバ側情報処置部と、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致するか否かを判定して、前記契約文書を検証し、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致すると判定した場合に、前記債務者側契約文書ハッシュ値あるいは前記債権者側契約文書ハッシュ値を前記サーバ側記憶部に保存させる契約文書検証部と、を備え、前記債務者側端末は、前記契約文書を作成する契約文書作成部と、該作成された前記契約文書の前記債務者側契約文書ハッシュ値を生成する債務者側ハッシュ値生成部と、前記サーバから前記ランダムな文字列を受信する債務者側受信部と、前記サーバに前記サーバから受信した前記ランダムな文字列と前記債務者側契約文書ハッシュ値とを送信し、前記債権者側端末に前記契約文書を送信する債務者側送信部と、を備え、前記債権者側端末は、情報を保存する債権者側記憶部と、前記サーバから前記暗号鍵を受信し、前記債務者側端末から前記契約文書を受信する債権者側受信部と、前記サーバから受信した前記暗号鍵と前記債務者側端末から受信した前記契約文書とを前記債権者側記憶部に保存する債権者側情報処置部と、該保存されている前記契約文書の前記債権者側契約文書ハッシュ値を生成する債権者側ハッシュ値生成部と、前記サーバに前記債権者側契約文書ハッシュ値を送信する債権者側送信部と、を備えたことを特徴とする契約システムを提案している。
【0013】
形態2;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、運営者が管理するサーバと、信頼足り得ない債務者が所持する債務者側端末と、信頼足り得る債権者が所持する債権者側端末と、を備え、前記サーバは、ランダムな文字列を生成する文字列生成部と、前記債務者側端末に前記ランダムな文字列を送信するサーバ側送信部と、前記債務者側端末において作成された債務者側電話番号ハッシュ値と前記債権者側端末において作成された債権者側電話番号ハッシュ値と前記債権者側端末からの前記文字列と、前記債務者側端末において作成され、前記債権者側端末に送信された契約文書の債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側端末から送信された債権者側契約文書ハッシュ値とを受信するサーバ側受信部と、前記サーバ側送信部が前記債務者側端末に送信した前記ランダムな文字列と前記債権者側端末から送信された前記文字列とが一致するか否かを判定するとともに、前記債務者側端末から受信した前記債務者側電話番号ハッシュ値と前記債権者側端末から受信した前記債権者側電話番号ハッシュ値とが一致するか否かを判定し、前記債務者側端末の電話番号を検証する電話番号検証部と、情報を保存するサーバ側記憶部と、債務者側契約文書ハッシュ値と債権者側契約文書ハッシュ値とが一致するか否かを判定して、前記契約文書を検証し、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致すると判定した場合に、前記債務者側契約文書ハッシュ値あるいは前記債権者側契約文書ハッシュ値を前記サーバ側記憶部に保存させる契約文書検証部と、を備え、前記債務者側端末は、前記契約文書を作成する契約文書作成部と、自端末の電話番号に対する前記債務者側電話番号ハッシュ値および該作成された前記契約文書の前記債務者側契約文書ハッシュ値を生成する債務者側ハッシュ値生成部と、前記サーバから前記ランダムな文字列を受信する債務者側受信部と、前記サーバに前記債務者側電話番号ハッシュ値を送信し、前記債権者側端末に電話回線を介して前記ランダムな文字列を送信するとともに、前記契約文書を送信する債務者側送信部と、を備え、前記債権者側端末は、前記債務者側端末から前記ランダムな文字列と前記契約文書とを受信する債権者側受信部と、前記債務者側端末の前記電話番号を抽出する抽出部と、情報を保存する債権者側記憶部と、該抽出された前記債務者側端末の電話番号情報と前記契約文書とを前記債権者側記憶部に保存させる債権者側情報処置部と、該抽出した前記債務者側端末の電話番号に対する前記債権者側電話番号ハッシュ値および前記契約文書に対する前記債権者側契約文書ハッシュ値を生成する債権者側ハッシュ値生成部と、前記サーバに前記債務者側端末から受信した前記ランダムな文字列と前記債権者側電話番号ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値を送信する債権者側送信部と、を備えたことを特徴とする契約システムを提案している。
【0014】
形態3;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、運営者が管理するサーバと、個人としての債務者が所持する債務者側端末と、個人としての債権者が所持する債権者側端末と、を備え、前記サーバは、前記債権者側端末に暗号鍵を送信するサーバ側送信部と、前記債務者側端末からの署名された個人情報および前記債務者側端末において作成され、前記債権者側端末に送信された契約文書の債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側端末から送信された債権者側契約文書ハッシュ値とを受信するサーバ側受信部と、前記サーバ側受信部が受信した前記署名された個人情報を検証する個人情報検証部と、前記暗号鍵を生成する暗号鍵生成部と、該生成された前記暗号鍵を用いて、前記個人情報検証部において検証された前記署名された個人情報を暗号化する暗号化部と、情報を保存するサーバ側記憶部と、前記暗号鍵および該暗号化された前記署名された個人情報を破棄する処理を実行するサーバ側情報処置部と、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致するか否かを判定して、前記契約文書を検証し、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致すると判定した場合に、前記債務者側契約文書ハッシュ値あるいは前記債権者側契約文書ハッシュ値を前記サーバ側記憶部に保存させる契約文書検証部と、を備え、前記債務者側端末は、前記契約文書を作成する契約文書作成部と、該作成された前記契約文書の前記債務者側契約文書ハッシュ値を生成する債務者側ハッシュ値生成部と、前記サーバに前記債務者側契約文書ハッシュ値および署名された個人情報を送信し、前記債権者側端末に前記契約文書を送信する債務者側送信部と、を備え、前記債権者側端末は、情報を保存する債権者側記憶部と、前記サーバから前記暗号鍵を受信し、前記債務者側端末から前記契約文書を受信する債権者側受信部と、前記サーバから受信した前記暗号鍵と前記債務者側端末から受信した前記契約文書とを前記債権者側記憶部に保存する債権者側情報処置部と、該保存されている前記契約文書の前記債権者側契約文書ハッシュ値を生成する債権者側ハッシュ値生成部と、前記サーバに前記債権者側契約文書ハッシュ値を送信する債権者側送信部と、を備えたことを特徴とする契約システムを提案している。
【0015】
形態4;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、運営者が管理するサーバと、信頼足り得ない債務者が所持する債務者側端末と、信頼足り得る債権者が所持する債権者側端末と、を備え、前記サーバは、前記債務者側端末において作成された債務者側個人情報ハッシュ値と前記債権者側端末において作成された債権者側個人情報ハッシュ値と、前記債務者側端末において作成され、前記債権者側端末に送信された契約文書の債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側端末から送信された債権者側契約文書ハッシュ値とを受信するサーバ側受信部と、前記債務者側端末から受信した前記債務者側個人情報ハッシュ値と前記債権者側端末から受信した前記債権者側個人情報ハッシュ値とが一致するか否かを判定し、債務者の署名がされた個人情報を検証する個人情報検証部と、情報を保存するサーバ側記憶部と、債務者側契約文書ハッシュ値と債権者側契約文書ハッシュ値とが一致するか否かを判定して、前記契約文書を検証し、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致すると判定した場合に、前記債務者側契約文書ハッシュ値あるいは前記債権者側契約文書ハッシュ値を前記サーバ側記憶部に保存させる契約文書検証部と、を備え、前記債務者側端末は、前記契約文書を作成する契約文書作成部と、前記債務者の署名がされた個人情報に対する前記債務者側個人情報ハッシュ値および該作成された前記契約文書の前記債務者側契約文書ハッシュ値を生成する債務者側ハッシュ値生成部と、前記サーバに前記債務者側個人情報ハッシュ値と前記契約文書ハッシュ値とを送信するとともに、前記債権者側端末に、債務者の署名された個人情報と前記契約文書とを送信する債務者側送信部と、を備え、前記債権者側端末は、前記債務者側端末から前記債務者の署名された個人情報と前記契約文書を受信する債権者側受信部と、情報を保存する債権者側記憶部と、前記債務者の署名された個人情報と前記契約文書とを前記債権者側記憶部に保存させる債権者側情報処置部と、前記債務者の署名された個人情報に対する前記債権者側個人情報ハッシュ値および前記契約文書に対する前記債権者側契約文書ハッシュ値を生成する債権者側ハッシュ値生成部と、前記サーバに前記債権者側個人情報ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値を送信する債権者側送信部と、を備えたことを特徴とする契約システムを提案している。
【0016】
形態5;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、文字列生成部とサーバ側送信部とサーバ側受信部と電話番号検証部と暗号鍵生成部と暗号化部とサーバ側記憶部と情報処置部と契約文書検証部とを含む運営者が管理するサーバと、契約文書作成部と債務者側ハッシュ値生成部と債務者側受信部と債務者側送信部と含む個人としての債務者が所持する債務者側端末と、債権者側記憶部と債権者側受信部と債権者側情報処置部と債権者側ハッシュ値生成部と債権者側送信部とを含む個人としての債権者が所持する債権者側端末と、を備えた契約システムにおける契約方法であって、前記サーバの前記文字列生成部が、ランダムな文字列を生成する第1の工程と、前記サーバの前記サーバ側送信部が、前記債務者側端末に電話回線を介して前記ランダムな文字列を送信する第2の工程と、前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記サーバに前記サーバから受信した前記ランダムな文字列を送信する第3の工程と、前記サーバの前記電話番号検証部が、前記債務者側端末に送信した前記ランダムな文字列とサーバ側受信部が受信した前記文字列とが一致するか否かを判定して、前記債務者側端末の電話番号を検証する第4の工程と、前記サーバの前記暗号鍵生成部が、暗号鍵を生成する第5の工程と、前記サーバの前記暗号化部が、第5の工程において生成された前記暗号鍵を用いて、第4の工程において検証された前記債務者側端末の電話番号を暗号化する第6の工程と、前記サーバの前記サーバ側送信部が、前記債権者側端末に暗号鍵を送信する第7の工程と、前記サーバの前記情報処置部が、第6の工程において暗号化された前記債務者側端末の電話番号のみを前記サーバ側記憶部に保存し、前記暗号鍵および前記債務者側端末の電話番号を破棄する処理を実行する第8の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側情報処置部が、前記サーバから受信した前記暗号鍵を前記債権者側記憶部に保存する第9の工程と、前記債務者側端末の前記契約文書作成部が、契約文書を作成する第10の工程と、前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記債権者側端末に前記契約文書を送信する第11の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側情報処置部が、前記債務者側端末から受信した前記契約文書を前記債権者側記憶部に保存する第12の工程と、前記債務者側端末の前記債務者側ハッシュ値生成部が、第10の工程において作成された前記契約文書の債務者側契約文書ハッシュ値を生成する第13の工程と、前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記債務者側契約文書ハッシュ値を前記サーバに送信する第14の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側ハッシュ値生成部が、第12の工程において保存された前記契約文書の債権者側契約文書ハッシュ値を生成する第15の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側送信部が、前記サーバに前記債権者側契約文書ハッシュ値を送信する第16の工程と、前記サーバの前記契約文書検証部が、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致するか否かを判定して、前記契約文書を検証し、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致すると判定した場合に、前記債務者側契約文書ハッシュ値あるいは前記債権者側契約文書ハッシュ値を前記サーバ側記憶部に保存させる第17の工程と、を備えたことを特徴とする契約方法を提案している。
【0017】
形態6;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、文字列生成部とサーバ側送信部とサーバ側受信部と電話番号検証部とサーバ側記憶部と契約文書検証部とを含む運営者が管理するサーバと、契約文書作成部と債務者側ハッシュ値生成部と債務者側受信部と債務者側送信部とを含む信頼足り得ない債務者が所持する債務者側端末と、債権者側受信部と抽出部と債権者側記憶部と債権者側情報処置部と債権者側ハッシュ値生成部と債権者側記憶部と債権者側送信部とを含む信頼足り得る債権者が所持する債権者側端末と、を備えた契約システムにおける契約方法であって、前記サーバの前記文字列生成部が、ランダムな文字列を生成する第1の工程と、前記サーバの前記サーバ側送信部が、前記債務者側端末に前記ランダムな文字列を送信する第2の工程と、前記債務者側端末の前記債務者側ハッシュ値生成部が、自端末の電話番号に対する債務者側電話番号ハッシュ値を生成する第3の工程と、前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記サーバに前記債務者側電話番号ハッシュ値を送信する第4の工程と、前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記債権者側端末に電話回線を介して前記ランダムな文字列を送信する第5の工程と、前記債権者側端末の前記抽出部が、前記債務者側端末の前記電話番号を抽出する第6の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側情報処置部が、第6の工程において抽出された前記債務者側端末の電話番号を前記債権者側記憶部に保存する第7の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側ハッシュ値生成部が、該抽出した前記債務者側端末の電話番号に対する債権者側電話番号ハッシュ値を生成する第8の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側送信部が、前記サーバに前記債務者側端末から受信した前記ランダムな文字列と前記債権者側電話番号ハッシュ値とを送信する第9の工程と、前記サーバの前記サーバ側受信部が、前記債権者側端末において作成された前記債権者側電話番号ハッシュ値と前記債権者側端末からの前記文字列とを受信する第10の工程と、前記サーバの前記電話番号検証部が、前記サーバ側送信部が前記債務者側端末に送信した前記ランダムな文字列と前記債権者側端末から送信された前記文字列とが一致するか否か、を判定するとともに、前記債務者側端末から受信した前記債務者側電話番号ハッシュ値と前記債権者側端末から受信した前記債権者側電話番号ハッシュ値とが一致するか否かを判定し、前記債務者側端末の電話番号を検証する第11の工程と、前記債務者側端末の前記契約文書作成部が契約文書を作成する第12の工程と、前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記債権者側端末に前記契約文書を送信する第13の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側情報処置部が、前記債務者側端末から受信した前記契約文書を前記債権者側記憶部に保存する第14の工程と、前記債務者側端末の前記債務者側ハッシュ値生成部が、第12の工程において作成された前記契約文書の債務者側契約文書ハッシュ値を生成する第15の工程と、前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記債務者側契約文書ハッシュ値を前記サーバに送信する第16の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側ハッシュ値生成部が、第14の工程において保存された前記契約文書の債権者側契約文書ハッシュ値を生成する第17の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側送信部が、前記サーバに前記債権者側契約文書ハッシュ値を送信する第18の工程と、前記サーバの前記契約文書検証部が、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致するか否かを判定して、前記契約文書を検証し、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致すると判定した場合に、前記債務者側契約文書ハッシュ値あるいは前記債権者側契約文書ハッシュ値を前記サーバ側記憶部に保存させる第19の工程と、を備えたことを特徴とする契約方法を提案している。
【0018】
形態7;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、サーバ側送信部とサーバ側受信部と個人情報検証部と暗号鍵生成部と暗号化部とサーバ側記憶部とサーバ側情報処置部と契約文書検証部とを含む運営者が管理するサーバと、契約文書作成部と債務者側ハッシュ値生成部と債務者側送信部と含む個人としての債務者が所持する債務者側端末と、債権者側記憶部と債権者側受信部と債権者側情報処置部と債権者側ハッシュ値生成部と債権者側送信部とを含む個人としての債権者が所持する債権者側端末と、を備えた契約システムにおける契約方法であって、前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記サーバに、債務者の署名がされた個人情報を送信する第1の工程と、前記サーバの前記個人情報検証部が、署名された前記個人情報を検証する第2の工程と、前記サーバの前記暗号鍵生成部が、暗号鍵を生成する第3の工程と、前記サーバの前記暗号化部が、第3の工程において生成された前記暗号鍵を用いて、第2の工程において検証された前記債務者の署名がされた個人情報を暗号化する第4の工程と、前記サーバの前記サーバ側送信部が、前記債権者側端末に前記第3の工程において生成された暗号鍵を送信する第5の工程と、前記サーバの前記サーバ側情報処置部が、前記暗号鍵および第4の工程において暗号化された前記債務者の署名がされた個人情報を破棄する処理を実行する第6の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側情報処置部が、前記サーバから受信した前記暗号鍵を前記債権者側記憶部に保存する第7の工程と、前記債務者側端末の前記契約文書作成部が、契約文書を作成する第8の工程と、前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記債権者側端末に前記契約文書を送信する第9の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側情報処置部が、前記債務者側端末から受信した前記契約文書を前記債権者側記憶部に保存する第10の工程と、前記債務者側端末の前記債務者側ハッシュ値生成部が、第8の工程において作成された前記契約文書の債務者側契約文書ハッシュ値を生成する第11の工程と、前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記債務者側契約文書ハッシュ値を前記サーバに送信する第12の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側ハッシュ値生成部が、第10の工程において保存された前記契約文書の債権者側契約文書ハッシュ値を生成する第13の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側送信部が、前記サーバに前記債権者側契約文書ハッシュ値を送信する第14の工程と、前記サーバの前記契約文書検証部が、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致するか否かを判定して、前記契約文書を検証し、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致すると判定した場合に、前記債務者側契約文書ハッシュ値あるいは前記債権者側契約文書ハッシュ値を前記サーバ側記憶部に保存させる第15の工程と、を備えたことを特徴とする契約方法を提案している。
【0019】
形態8;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、サーバ側受信部と個人情報検証部とサーバ側記憶部と契約文書検証部とを含む運営者が管理するサーバと、契約文書作成部と債務者側ハッシュ値生成部と債務者側送信部と含む信頼足り得ない債務者が所持する債務者側端末と、債権者側受信部と債権者側記憶部と債権者側情報処置部と債権者側ハッシュ値生成部と債権者側送信部とを含む信頼足り得る債権者が所持する債権者側端末と、を備えた契約システムにおける契約方法であって、前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、債務者の署名がされた個人情報を前記債権者側端末に送信する第1の工程と、前記債務者側端末の前記債務者側ハッシュ値生成部が、前記債務者の署名がされた個人情報に対する債務者側個人情報ハッシュ値を生成する第2の工程と、前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記サーバに前記債務者側個人情報ハッシュ値を送信する第3の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側情報処置部が、第1の工程において受信した前記債務者の署名がされた個人情報を前記債権者側記憶部に保存する第4の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側ハッシュ値生成部が、前記第4の工程において保存された前記債務者の署名がされた個人情報に対する債権者側個人情報ハッシュ値を生成する第5の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側送信部が、前記サーバに前記債権者側個人情報ハッシュ値を送信する第6の工程と、前記サーバの前記個人情報検証部が、前記債務者側端末から受信した前記債務者側個人情報ハッシュ値と前記債権者側端末から受信した前記債権者側個人情報ハッシュ値とが一致するか否かを判定し、債務者の署名がされた個人情報を検証する第7の工程と、前記債務者側端末の前記契約文書作成部が契約文書を作成する第8の工程と、前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記債権者側端末に前記契約文書を送信する第9の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側情報処置部が、前記債務者側端末から受信した前記契約文書を前記債権者側記憶部に保存する第10の工程と、前記債務者側端末の前記債務者側ハッシュ値生成部が、第11の工程において作成された前記契約文書の債務者側契約文書ハッシュ値を生成する第11の工程と、前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記債務者側契約文書ハッシュ値を前記サーバに送信する第12の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側ハッシュ値生成部が、第10の工程において保存された前記契約文書の債権者側契約文書ハッシュ値を生成する第13の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側送信部が、前記サーバに前記債権者側契約文書ハッシュ値を送信する第14の工程と、前記サーバの前記契約文書検証部が、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致するか否かを判定して、前記契約文書を検証し、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致すると判定した場合に、前記債務者側契約文書ハッシュ値あるいは前記債権者側契約文書ハッシュ値を前記サーバ側記憶部に保存させる第15の工程と、を備えたことを特徴とする契約方法を提案している。
【0020】
形態9;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、文字列生成部とサーバ側送信部とサーバ側受信部と電話番号検証部と暗号鍵生成部と暗号化部とサーバ側記憶部と情報処置部と契約文書検証部とを含む運営者が管理するサーバと、契約文書作成部と債務者側ハッシュ値生成部と債務者側受信部と債務者側送信部と含む個人としての債務者が所持する債務者側端末と、債権者側記憶部と債権者側受信部と債権者側情報処置部と債権者側ハッシュ値生成部と債権者側送信部とを含む個人としての債権者が所持する債権者側端末と、を備えた契約システムにおける契約方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記サーバの前記文字列生成部が、ランダムな文字列を生成する第1の工程と、前記サーバの前記サーバ側送信部が、前記債務者側端末に電話回線を介して前記ランダムな文字列を送信する第2の工程と、前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記サーバに前記サーバから受信した前記ランダムな文字列を送信する第3の工程と、前記サーバの前記電話番号検証部が、前記債務者側端末に送信した前記ランダムな文字列とサーバ側受信部が受信した前記文字列とが一致するか否かを判定して、前記債務者側端末の電話番号を検証する第4の工程と、前記サーバの前記暗号鍵生成部が、暗号鍵を生成する第5の工程と、前記サーバの前記暗号化部が、第5の工程において生成された前記暗号鍵を用いて、第4の工程において検証された前記債務者側端末の電話番号を暗号化する第6の工程と、前記サーバの前記サーバ側送信部が、前記債権者側端末に暗号鍵を送信する第7の工程と、前記サーバの前記情報処置部が、第6の工程において暗号化された前記債務者側端末の電話番号のみを前記サーバ側記憶部に保存し、前記暗号鍵および前記債務者側端末の電話番号を破棄する処理を実行する第8の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側情報処置部が、前記サーバから受信した前記暗号鍵を前記債権者側記憶部に保存する第9の工程と、前記債務者側端末の前記契約文書作成部が、契約文書を作成する第10の工程と、前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記債権者側端末に前記契約文書を送信する第11の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側情報処置部が、前記債務者側端末から受信した前記契約文書を前記債権者側記憶部に保存する第12の工程と、前記債務者側端末の前記債務者側ハッシュ値生成部が、第10の工程において作成された前記契約文書の債務者側契約文書ハッシュ値を生成する第13の工程と、前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記債務者側契約文書ハッシュ値を前記サーバに送信する第14の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側ハッシュ値生成部が、第12の工程において保存された前記契約文書の前記債権者側契約文書ハッシュ値を生成する第15の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側送信部が、前記サーバに債権者側契約文書ハッシュ値を送信する第16の工程と、前記サーバの前記契約文書検証部が、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致するか否かを判定して、前記契約文書を検証し、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致すると判定した場合に、前記債務者側契約文書ハッシュ値あるいは前記債権者側契約文書ハッシュ値を前記サーバ側記憶部に保存させる第17の工程と、をコンピュータに実行させるためのプログラムを提案している。
【0021】
形態10;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、文字列生成部とサーバ側送信部とサーバ側受信部と電話番号検証部とサーバ側記憶部と契約文書検証部とを含む運営者が管理するサーバと、契約文書作成部と債務者側ハッシュ値生成部と債務者側受信部と債務者側送信部とを含む信頼足り得ない債務者が所持する債務者側端末と、債権者側受信部と抽出部と債権者側記憶部と債権者側情報処置部と債権者側ハッシュ値生成部と債権者側記憶部と債権者側送信部とを含む信頼足り得る債権者が所持する債権者側端末と、を備えた契約システムにおける契約方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記サーバの前記文字列生成部が、ランダムな文字列を生成する第1の工程と、前記サーバの前記サーバ側送信部が、前記債務者側端末に前記ランダムな文字列を送信する第2の工程と、前記債務者側端末の前記債務者側ハッシュ値生成部が、自端末の電話番号に対する債務者側電話番号ハッシュ値を生成する第3の工程と、前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記サーバに前記債務者側電話番号ハッシュ値を送信する第4の工程と、前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記債権者側端末に電話回線を介して前記ランダムな文字列を送信する第5の工程と、前記債権者側端末の前記抽出部が、前記債務者側端末の前記電話番号を抽出する第6の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側情報処置部が、第6の工程において抽出された前記債務者側端末の電話番号を前記債権者側記憶部に保存する第7の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側ハッシュ値生成部が、該抽出した前記債務者側端末の電話番号に対する債権者側電話番号ハッシュ値を生成する第8の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側送信部が、前記サーバに前記債務者側端末から受信した前記ランダムな文字列と前記債権者側電話番号ハッシュ値とを送信する第9の工程と、前記サーバの前記サーバ側受信部が、前記債権者側端末において作成された前記債権者側電話番号ハッシュ値と前記債権者側端末からの前記文字列とを受信する第10の工程と、前記サーバの前記電話番号検証部が、前記サーバ側送信部が前記債務者側端末に送信した前記ランダムな文字列と前記債権者側端末から送信された前記文字列とが一致するか否か、を判定するとともに、前記債務者側端末から受信した前記債務者側電話番号ハッシュ値と前記債権者側端末から受信した前記債権者側電話番号ハッシュ値とが一致するか否かを判定し、前記債務者側端末の電話番号を検証する第11の工程と、前記債務者側端末の前記契約文書作成部が契約文書を作成する第12の工程と、前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記債権者側端末に前記契約文書を送信する第13の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側情報処置部が、前記債務者側端末から受信した前記契約文書を前記債権者側記憶部に保存する第14の工程と、前記債務者側端末の前記債務者側ハッシュ値生成部が、第12の工程において作成された前記契約文書の債務者側契約文書ハッシュ値を生成する第15の工程と、前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記債務者側契約文書ハッシュ値を前記サーバに送信する第16の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側ハッシュ値生成部が、第14の工程において保存された前記契約文書の債権者側契約文書ハッシュ値を生成する第17の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側送信部が、前記サーバに前記債権者側契約文書ハッシュ値を送信する第18の工程と、前記サーバの前記契約文書検証部が、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致するか否かを判定して、前記契約文書を検証し、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致すると判定した場合に、前記債務者側契約文書ハッシュ値あるいは前記債権者側契約文書ハッシュ値を前記サーバ側記憶部に保存させる第19の工程と、をコンピュータに実行させるためのプログラムを提案している。
【0022】
形態11;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、サーバ側送信部とサーバ側受信部と個人情報検証部と暗号鍵生成部と暗号化部とサーバ側記憶部とサーバ側情報処置部と契約文書検証部とを含む運営者が管理するサーバと、契約文書作成部と債務者側ハッシュ値生成部と債務者側送信部と含む個人としての債務者が所持する債務者側端末と、債権者側記憶部と債権者側受信部と債権者側情報処置部と債権者側ハッシュ値生成部と債権者側送信部とを含む個人としての債権者が所持する債権者側端末と、を備えた契約システムにおける契約方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記サーバに債務者の署名がされた個人情報を送信する第1の工程と、前記サーバの前記個人情報検証部が、署名された前記個人情報を検証する第2の工程と、前記サーバの前記暗号鍵生成部が、暗号鍵を生成する第3の工程と、前記サーバの前記暗号化部が、第3の工程において生成された前記暗号鍵を用いて、第2の工程において検証された前記債務者の署名がされた個人情報を暗号化する第4の工程と、前記サーバの前記サーバ側送信部が、前記債権者側端末に前記第3の工程において生成された暗号鍵を送信する第5の工程と、前記サーバの前記サーバ側情報処置部が、前記暗号鍵および第4の工程において暗号化された前記債務者の署名がされた個人情報を破棄する処理を実行する第6の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側情報処置部が、前記サーバから受信した前記暗号鍵を前記債権者側記憶部に保存する第7の工程と、前記債務者側端末の前記契約文書作成部が、契約文書を作成する第8の工程と、前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記債権者側端末に前記契約文書を送信する第9の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側情報処置部が、前記債務者側端末から受信した前記契約文書を前記債権者側記憶部に保存する第10の工程と、前記債務者側端末の前記債務者側ハッシュ値生成部が、第8の工程において作成された前記契約文書の債務者側契約文書ハッシュ値を生成する第11の工程と、前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記債務者側契約文書ハッシュ値を前記サーバに送信する第12の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側ハッシュ値生成部が、第10の工程において保存された前記契約文書の債権者側契約文書ハッシュ値を生成する第13の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側送信部が、前記サーバに前記債権者側契約文書ハッシュ値を送信する第14の工程と、前記サーバの前記契約文書検証部が、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致するか否かを判定して、前記契約文書を検証し、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致すると判定した場合に、前記債務者側契約文書ハッシュ値あるいは前記債権者側契約文書ハッシュ値を前記サーバ側記憶部に保存させる第15の工程と、をコンピュータに実行させるためのプログラムを提案している。
【0023】
形態12;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、サーバ側受信部と個人情報検証部とサーバ側記憶部と契約文書検証部とを含む運営者が管理するサーバと、契約文書作成部と債務者側ハッシュ値生成部と債務者側送信部と含む信頼足り得ない債務者が所持する債務者側端末と、債権者側受信部と債権者側記憶部と債権者側情報処置部と債権者側ハッシュ値生成部と債権者側送信部とを含む信頼足り得る債権者が所持する債権者側端末と、を備えた契約システムにおける契約方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、債務者の署名がされた個人情報を前記債権者側端末に送信する第1の工程と、前記債務者側端末の前記債務者側ハッシュ値生成部が、前記債務者の署名がされた個人情報に対する債務者側個人情報ハッシュ値を生成する第2の工程と、前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記サーバに前記債務者側個人情報ハッシュ値を送信する第3の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側情報処置部が、第1の工程において受信した前記債務者の署名がされた個人情報を前記債権者側記憶部に保存する第4の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側ハッシュ値生成部が、前記第4の工程において保存された前記債務者の署名がされた個人情報に対する債権者側個人情報ハッシュ値を生成する第5の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側送信部が、前記サーバに前記債権者側個人情報ハッシュ値を送信する第6の工程と、前記サーバの前記個人情報検証部が、前記債務者側端末から受信した前記債務者側個人情報ハッシュ値と前記債権者側端末から受信した前記債権者側個人情報ハッシュ値とが一致するか否かを判定し、債務者の署名がされた個人情報を検証する第7の工程と、前記債務者側端末の前記契約文書作成部が契約文書を作成する第8の工程と、前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記債権者側端末に前記契約文書を送信する第9の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側情報処置部が、前記債務者側端末から受信した前記契約文書を前記債権者側記憶部に保存する第10の工程と、前記債務者側端末の前記債務者側ハッシュ値生成部が、第11の工程において作成された前記契約文書の債務者側契約文書ハッシュ値を生成する第11の工程と、前記債務者側端末の前記債務者側送信部が、前記債務者側契約文書ハッシュ値を前記サーバに送信する第12の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側ハッシュ値生成部が、第10の工程において保存された前記契約文書の債権者側契約文書ハッシュ値を生成する第13の工程と、前記債権者側端末の前記債権者側送信部が、前記サーバに前記債権者側契約文書ハッシュ値を送信する第14の工程と、前記サーバの前記契約文書検証部が、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致するか否かを判定して、前記契約文書を検証し、前記債務者側契約文書ハッシュ値と前記債権者側契約文書ハッシュ値とが一致すると判定した場合に、前記債務者側契約文書ハッシュ値あるいは前記債権者側契約文書ハッシュ値を前記サーバ側記憶部に保存させる第15の工程と、をコンピュータに実行させるためのプログラムを提案している。
【発明の効果】
【0024】
本発明の1またはそれ以上の実施形態によれば、当事者間の取引において、その契約内容を少なくとも当事者以外には秘匿化しつつ、契約内容を保証することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る契約システムの構成を示す図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係るサーバの構成を示す図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る債務者側端末の構成を示す図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る債権者側端末の構成を示す図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係る契約システムの処理を示す図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態に係る契約システムの作用を説明するための図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態に係る契約システムの構成を示す図である。
【
図8】本発明の第2の実施形態に係るサーバの構成を示す図である。
【
図9】本発明の第2の実施形態に係る債務者側端末の構成を示す図である。
【
図10】本発明の第2の実施形態に係る債権者側端末の構成を示す図である。
【
図11】本発明の第2の実施形態に係る契約システムの処理を示す図である。
【
図12】本発明の第2の実施形態に係る契約システムの作用を説明するための図である。
【
図13】本発明の第3の実施形態に係る契約システムの構成を示す図である。
【
図14】本発明の第3の実施形態に係るサーバの構成を示す図である。
【
図15】本発明の第3の実施形態に係る契約システムの処理を示す図である。
【
図16】本発明の第4の実施形態に係る契約システムの構成を示す図である。
【
図17】本発明の第4の実施形態に係るサーバの構成を示す図である。
【
図18】本発明の第4の実施形態に係る債務者側端末の構成を示す図である。
【
図19】本発明の第4の実施形態に係る債権者側端末の構成を示す図である。
【
図20】本発明の第4の実施形態に係る契約システムの処理を示す図である。
【
図21】従来例に係るシステムの処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
<実施形態>
以下、
図1から
図20を用いて、本実施形態に係る契約システム1について説明する。
【0027】
<第1の実施形態>
図1から
図6を用いて、本実施形態に係る契約システム1について説明する。
【0028】
<契約システム1の構成>
図1に示すように、本実施形態に係る契約システム1は、サーバ100と、債務者側端末200と、債権者側端末300と、を含んで構成されている。
なお、サーバ100と債務者側端末200との間、サーバ100と債権者側端末300との間、債務者側端末200と債権者側端末300との間では、TCPコネクションが確立されているものとする。
また、仮に途中で、コネクションが切断されてしまった場合、それまでのプロセスを無効とするものとする。
通信形態は、TCPコネクションに限らず、通信の機密性・連続性が保たれる通信方法であればよい。
また、「電話回線で」という注釈がないかぎり、これ以降の通信は全てこのコネクションを用いて行うものとする。
【0029】
サーバ100は、運営者の管理によるものであり、本実施形態においては、債務者と債権者との間で交わされた契約内容を保証する役割を果たすものである。
なお、サーバ100の詳細については、後述する。
【0030】
債務者側端末200は、個人としての債務者が所持する携帯端末であり、例えば、スマートフォン等を例示することができる。
なお、債務者側端末200の詳細については、後述する。
【0031】
債権者側端末300は、個人としての債権者が所持する端末であり、例えば、パーソナルコンピューター、タブレット、スマートフォン等を例示することができる。
なお、債権者側端末300の詳細については、後述する。
【0032】
<サーバ100の構成>
図2に示すように、本実施形態に係るサーバ100は、文字列生成部110と、サーバ側送信部120と、サーバ側受信部130と、電話番号検証部140と、暗号鍵生成部150と、暗号化部160と、サーバ側記憶部170と、サーバ側情報処置部180と、契約文書検証部190と、を含んで構成されている。
【0033】
文字列生成部110は、ランダムな文字列を生成する。
文字列生成部110において生成されたランダムな文字列は、電話回線を介して、サーバ側送信部120により、債務者側端末200に送信される。
【0034】
電話番号検証部140は、サーバ側送信部120から電話回線を介して、債務者側端末200に送信したランダムな文字列と債務者側端末200からサーバ側受信部130が受信した文字列とが一致するか否かを判定して、債務者側端末200の電話番号を検証する。
電話番号検証部140により検証され、サーバ100が予め知りうる債務者側端末200の電話番号は、後述する暗号化部160に出力される。
【0035】
暗号鍵生成部150は、暗号鍵を生成する。
暗号鍵生成部150において生成された暗号鍵は、暗号化部160に出力される。
暗号鍵生成部150において生成された暗号鍵は、サーバ側送信部120を介して債権者側端末300に送信される。
【0036】
暗号化部160は、暗号鍵生成部150において生成された暗号鍵を用いて、電話番号検証部140において検証された債務者側端末200の電話番号を暗号化する。
暗号化部160において暗号化された電話番号は、サーバ側情報処置部180によりサーバ側記憶部170に保存される。
サーバ側情報処置部180は、暗号鍵生成部150において生成された暗号鍵および債務者側端末の電話番号を破棄する処理を実行する。
【0037】
契約文書検証部190は、サーバ側受信部130により受信した債務者側契約文書ハッシュ値と債権者側契約文書ハッシュ値とが一致するか否かを判定して、契約文書を検証する。
契約文書検証部190は、債務者側契約文書ハッシュ値と債権者側契約文書ハッシュ値とが一致すると判定した場合に、債務者側契約文書ハッシュ値あるいは債権者側契約文書ハッシュ値をサーバ側記憶部170に保存させる。
なお、契約文書検証部190は、サーバ側受信部130により債務者側契約文書ハッシュ値を受信した時間情報を含めてサーバ側記憶部170に保存させることが好ましい。
【0038】
<債務者側端末200の構成>
図3に示すように、本実施形態に係る債務者側端末200は、契約文書作成部210と、債務者側ハッシュ値生成部220と、債務者側受信部230と、債務者側記憶部240と、債務者側送信部250と、を含んで構成されている。
【0039】
契約文書作成部210は、契約文書を作成する。
契約文書作成部210において作成された契約文書は、債務者側送信部250により債権者側端末300に送信される。
契約文書作成部210が作成する契約文書の形式は、テキストファイルやドキュメントあるいは書面を撮像した撮像データ等であってもよい。
【0040】
債務者側ハッシュ値生成部220は、契約文書作成部210において作成された契約文書に対する債務者側契約文書ハッシュ値を生成する。
債務者側ハッシュ値生成部220において生成された債務者側契約文書ハッシュ値は、債務者側送信部250を介してサーバ100に送信される。
ハッシュ値を生成するハッシュ関数については、後述する債権者側ハッシュ値生成部340と同じ複数のハッシュ関数を用いて、作成することが好ましい。
【0041】
債務者側記憶部240は、サーバ100から受信したランダムな文字列を一時的に保存ずる。
債務者側記憶部240に保存されたランダムな文字列は、債務者側送信部250を介してサーバ100に送信される。
【0042】
<債権者側端末300の構成>
図4に示すように、本実施形態に係る債権者側端末300は、債権者側記憶部310と、債権者側受信部320と、債権者側情報処置部330と、債権者側ハッシュ値生成部340と、債権者側送信部350と、を含んで構成されている。
【0043】
債権者側情報処置部330は、サーバ100から受信した暗号鍵と債務者側端末200から受信した契約文書とを債権者側記憶部310に保存する。
【0044】
債権者側ハッシュ値生成部340は、債権者側記憶部310に保存されている契約文書の債権者側契約文書ハッシュ値を生成する。
債権者側ハッシュ値生成部340において生成された債権者側契約文書ハッシュ値は、債権者側送信部350を介してサーバ100に送信される。
ハッシュ値を生成するハッシュ関数については、債務者側ハッシュ値生成部220と同じ複数のハッシュ関数を用いて、作成することが好ましい。
【0045】
<契約システム1の処理>
図6を用いて、本実施形態に係る契約システム1の処理について説明する。
【0046】
サーバ100の文字列生成部110は、ランダムな文字列を生成する(ステップS101)。
【0047】
サーバ100のサーバ側送信部120は、債務者側端末200に電話回線を介してランダムな文字列を送信する(ステップS102)。
【0048】
債務者側端末200の債務者側送信部250は、サーバ100にサーバ100から受信したランダムな文字列を送信する(ステップS103)。
【0049】
サーバ100の電話番号検証部140は、債務者側端末200に送信したランダムな文字列とサーバ側受信部130が受信した文字列とが一致するか否かを判定して、債務者側端末200の電話番号を検証する(ステップS104)。
【0050】
サーバ100の暗号鍵生成部150は、暗号鍵を生成する(ステップS105)。
【0051】
サーバ100の暗号化部160は、ステップS105において生成された暗号鍵を用いて、ステップS104において検証された債務者側端末200の電話番号を暗号化する(ステップS106)。
【0052】
サーバ100のサーバ側送信部120は、債権者側端末300に暗号鍵を送信する(ステップS107)。
【0053】
サーバ100のサーバ側情報処置部180は、ステップS106において暗号化された債務者側端末200の電話番号のみをサーバ側記憶部170に保存し、暗号鍵および債務者側端末の電話番号を破棄する処理を実行する(ステップS108)。
【0054】
債権者側端末300の債権者側情報処置部330は、サーバ100から受信した暗号鍵を債権者側記憶部310に保存する(ステップS109)。
【0055】
債務者側端末200の契約文書作成部210は、契約文書を作成する(ステップS110)。
【0056】
債務者側端末200の債務者側送信部250は、債権者側端末300に契約文書を送信する(ステップS111)。
【0057】
債権者側端末300の債権者側情報処置部330は、債務者側端末200から受信した契約文書を債権者側記憶部310に保存する(ステップS112)。
【0058】
債務者側端末200の債務者側ハッシュ値生成部220は、ステップS110において作成された契約文書の債務者側契約文書ハッシュ値を生成する(ステップS113)。
【0059】
債務者側端末200の債務者側送信部250は、債務者側契約文書ハッシュ値をサーバ100に送信する(ステップS114)。
【0060】
債権者側端末300の債権者側ハッシュ値生成部340は、ステップS112において保存された契約文書の債権者側契約文書ハッシュ値を生成する(ステップS115)。
【0061】
債権者側端末300の債権者側送信部350は、サーバ100に債権者側契約文書ハッシュ値を送信する(ステップS116)。
【0062】
サーバ100の契約文書検証部190は、債務者側契約文書ハッシュ値と債権者側契約文書ハッシュ値とが一致するか否かを判定して、契約文書を検証する。
サーバ100の契約文書検証部190は、債務者側契約文書ハッシュ値と債権者側契約文書ハッシュ値とが一致すると判定した場合に、債務者側契約文書ハッシュ値あるいは債権者側契約文書ハッシュ値をサーバ側記憶部170に保存させて、処理を終了する(ステップS117)。
【0063】
<作用・効果>
以上、説明したように、本実施形態に係る契約システム1は、債権者と債務者との間で、債務不履行等の争いが生じた場合に、運営者(サーバ100)が、訴訟の場で、証人の役割を果たすものである。
具体的には、
図6に示すように、債権者側端末300が保管しているデータ、具体的には、契約時にサーバ100から送信されてきた暗号鍵と債務者側端末200から送信されてきた契約文書を裁判所に提出する(ステップS121)。
一方で、サーバ100は、保管しているデータ、具体的には、サーバ100が作成した暗号化された債務者側端末200の電話番号と契約文書の検証の際に、一致していると確認したハッシュ値を裁判所に提出する(ステップS122)。
裁判所は、債権者側端末300から提出されたデータおよびサーバ100から提出されたデータに基づいて、債務者が債権者に契約文書を送信した事実および契約文書を送信した債務者の電話番号を把握することができる。
したがって、本実施形態に係る契約システム1を用いることによって、当事者間の取引において、その契約内容および個人情報を秘匿化しつつ、契約内容を保証することができる。
【0064】
本実施形態に係る契約システム1では、サーバ100の文字列生成部110が、ランダムな文字列を生成し、サーバ100のサーバ側送信部120が、債務者側端末200に電話回線を介してランダムな文字列を送信する。
債務者側端末200の債務者側送信部250は、サーバ100にサーバ100から受信した文字列を送信し、サーバ100の電話番号検証部140は、債務者側端末200に送信したランダムな文字列とサーバ側受信部130が受信した文字列とが一致するか否かを判定して、債務者側端末200の電話番号を検証する。
つまり、サーバ100のサーバ側送信部120は、例えば、SMS(Short Message Service)を用いて、ランダムな文字列を送信し、サーバ100の電話番号検証部140は、債務者側端末200の債務者側送信部250から送り返されてきた文字列とサーバ100のサーバ側送信部120が債務者側端末200に送信したランダムな文字列とが一致するか否かを判定して、債務者側端末200の電話番号を検証する。
そのため、上記の処理を実行することにより、債務者側端末200の電話番号が債務者を特定し得るものなかのか否かを正確に検証することができる。
また、上記処理は、サーバ100と債務者側端末200との間で行われるやり取りであることから、債務者側端末200の電話番号が債権者に漏洩することはないため、個人情報の秘匿化を担保することができる。
【0065】
また、本実施形態に係る契約システム1では、サーバ100の暗号鍵生成部150が生成した暗号鍵を用いて、サーバ100において検証された債務者側端末200の電話番号を暗号化する。
サーバ100のサーバ側送信部120は、債権者側端末300に暗号鍵を送信し、サーバ100のサーバ側情報処置部180は、暗号化された債務者側端末200の電話番号のみをサーバ側記憶部170に保存し、暗号鍵および債務者側端末の電話番号を破棄する処理を実行する。
つまり、サーバ100は、債務者側端末200の電話番号を暗号化し、この暗号化された電話番号のみを保存し、暗号鍵および債務者側端末の電話番号を破棄する。
そのため、サーバ100が外部からの攻撃を受けた場合であっても、個人情報の秘匿化を強固に担保することができる。
【0066】
本実施形態に係る契約システム1では、債務者側端末200の契約文書作成部210が契約文書を作成する。
債務者側端末200は、債権者側端末300に契約文書を送信する。
債務者側端末200は、受信した契約文書を債権者側記憶部310に保存する。
債務者側端末200の債務者側ハッシュ値生成部220は、作成された契約文書の債務者側契約文書ハッシュ値を生成する。
債務者側端末200は、債務者側契約文書ハッシュ値をサーバ100に送信する。
債権者側端末300の債権者側ハッシュ値生成部340は、保存された契約文書の債権者側契約文書ハッシュ値を生成する。
債権者側端末300は、サーバ100に債権者側契約文書ハッシュ値を送信する。
サーバ100の契約文書検証部190は、債務者側契約文書ハッシュ値と債権者側契約文書ハッシュ値とが一致するか否かを判定して、契約文書を検証する。
サーバ100の契約文書検証部190は、債務者側契約文書ハッシュ値と債権者側契約文書ハッシュ値とが一致すると判定した場合に、債務者側契約文書ハッシュ値あるいは債権者側契約文書ハッシュ値をサーバ側記憶部170に保存させる。
つまり、上記の一連の流れにおいて、サーバ100に契約文書が渡ることが一度もない。
そのため、債務者と債権者に「サーバ100(運営者)に自分たちの契約内容を盗み見ているのではないか」との疑いを持たれることがない。
加えて、サーバ100に契約文書そのものが保管されていないため、サーバ100が、外部からの攻撃を受けた場合であっても、契約内容や個人情報が外部に漏洩されることを防止することができる。
また、本実施形態に係る契約システム1では、ハッシュ値などの検証を全てサーバ100側が行う仕組みになっている。
そのため、例えば、不正に改変されたアプリ等によって、検証結果が歪められることを防止することが期待できる。
また、本実施形態に係る契約システム1では、サーバ100が保存するデータは、債務者側契約文書ハッシュ値あるいは債権者側契約文書ハッシュ値のいずれか一方と、暗号化された電話番号である。
つまり、サーバ100が保存するデータは、極めて少ない。
そのため、小型のサーバ100でも十分に機能することから、システムのコストダウンを図ることもできる。
【0067】
また、本実施形態に係る契約システム1において、債務者側ハッシュ値生成部220と債権者側ハッシュ値生成部340とは、同じ複数のハッシュ関数を用いて、債務者側契約文書ハッシュ値あるいは債権者側契約文書ハッシュ値を生成する。
つまり、ハッシュ関数を1つに特定し、そのハッシュ関数に脆弱性が発見されたときには、セキュリティ上の問題が生じる可能性が生じる。
そのため、複数のハッシュ関数を用いて、並列的に、ハッシュ値を生成することにより、例えば、複数のハッシュ関数の中に脆弱性が認められるハッシュ関数があっても、セキュリティを確保することができる。
【0068】
また、本実施形態に係る契約システム1において、サーバ100は、サーバ側受信部130を介して契約文書の債務者側契約文書ハッシュ値を受信した時間情報をサーバ側記憶部170に保存する。
そのため、サーバ100が裁判所に契約文書が作成された時間情報を提示することによって、取引の開始前に、債務者と債権者とが合意した契約がなされていたことを証明することができる。
【0069】
<変形例1>
本実施形態においては、債務者側端末200の契約文書作成部210が契約文書を作成する例を示したが、サーバ100は、事前に、契約の内容に応じた契約文書の雛型を債務者側端末200に提示することが好ましい。
契約文書は、当事者がその契約内容を履行したか否かが明確に分かるように、法的要件を満たし、必要事項が記載されている必要がある。
そのため、サーバ100が、例えば、売買契約であれば、債務者ならびに債権者の情報ならびに売買金額ならびに売買金額の振込日等の必要事項を入力すれば、法的に問題のない契約文書を作成できるような契約文書の雛型を提示することによって、訴訟手続きを円滑に進めることができる。
【0070】
<変形例2>
本実施形態において、債務者側端末200は、契約文書作成部210において作成された契約文書をそのまま債権者側端末300に送信する例を示したが、契約文書を暗号化して債務者側端末200が債権者側端末300に送信するようにしてもよい。
契約文書を暗号化して債務者側端末200が債権者側端末300に送信することにより、通信の秘匿性を担保することができる。
【0071】
<変形例3>
本実施形態においては、債務者と債権者との間の債務不履行を例示して説明を行ったが、例えば、一方で、AがBに日本円を送金するという契約があり、他方で、この契約に対して、BがAに仮想通貨を送金するという契約があるような、二者が一方では、債務者であり、他方では、債権者であるような場合には、契約ごとに、AとBとの立場を入れ替えることにより、本システムを利用することができる。
【0072】
<第2の実施形態>
図7から
図12を用いて、本実施形態に係る契約システム1Aについて説明する。
【0073】
<契約システム1Aの構成>
図7に示すように、本実施形態に係る契約システム1Aは、サーバ100Aと、債務者側端末200Aと、債権者側端末300Aと、を含んで構成されている。
本実施形態においては、信頼足り得ない個人としての債務者と債務者が債権者としてある程度の信頼を寄せる企業との取引契約を例示して説明する。
【0074】
サーバ100Aは、運営者の管理によるものであり、信頼足り得ない個人としての債務者と債務者がある程度の信頼を寄せる企業としての債権者との間で交わされた契約内容を保証する役割を果たすものである。
なお、サーバ100Aの詳細については、後述する。
【0075】
債務者側端末200Aは、信頼足り得ない個人としての債務者が所持する端末であり、例えば、スマートフォン等を例示することができる。
なお、債務者側端末200Aの詳細については、後述する。
【0076】
債権者側端末300Aは、債務者がある程度の信頼を寄せる企業としての債権者が所持する端末であり、例えば、パーソナルコンピューター、タブレット、スマートフォン等を例示することができる。
なお、債権者側端末300の詳細については、後述する。
【0077】
<サーバ100Aの構成>
図8に示すように、本実施形態に係るサーバ100は、文字列生成部110と、サーバ側送信部120Aと、サーバ側受信部130Aと、電話番号検証部140Aと、サーバ側記憶部170Aと、契約文書検証部190Aと、を含んで構成されている。
なお、第1の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同様の機能を有することから、その詳細な説明は、省略する。
【0078】
電話番号検証部140Aは、サーバ側送信部120Aが債務者側端末200に送信したランダムな文字列と債権者側端末300から送信された文字列とが一致するか否かを判定する。
電話番号検証部140Aは、債務者側端末200から受信した債務者側電話番号ハッシュ値と債権者側端末300から受信した債権者側電話番号ハッシュ値とが一致するか否かを判定し、債務者側端末200の電話番号を検証する。
【0079】
契約文書検証部190Aは、債務者側契約文書ハッシュ値と債権者側契約文書ハッシュ値とが一致するか否かを判定して、契約文書を検証する。
契約文書検証部190Aは、債務者側契約文書ハッシュ値と債権者側契約文書ハッシュ値とが一致すると判定した場合に、債務者側契約文書ハッシュ値あるいは債権者側契約文書ハッシュ値をサーバ側記憶部170Aに保存させる。
【0080】
<債務者側端末200Aの構成>
図9に示すように、本実施形態に係る債務者側端末200Aは、契約文書作成部210と、債務者側ハッシュ値生成部220Aと、債務者側受信部230Aと、債務者側記憶部240と、債務者側送信部250Aと、を含んで構成されている。
なお、第1の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同様の機能を有することから、その詳細な説明は、省略する。
【0081】
債務者側ハッシュ値生成部220Aは、自端末の電話番号に対する債務者側電話番号ハッシュ値および契約文書作成部210において作成された契約文書の債務者側契約文書ハッシュ値を生成する。
債務者側ハッシュ値生成部220Aにおいて生成された債務者側電話番号ハッシュ値および債務者側契約文書ハッシュ値は、債務者側送信部250Aを介してサーバ100に送信される。
【0082】
<債権者側端末300Aの構成>
図10に示すように、本実施形態に係る債権者側端末300Aは、債権者側記憶部310Aと、債権者側受信部320Aと、債権者側情報処置部330Aと、債権者側ハッシュ値生成部340Aと、債権者側送信部350Aと、抽出部360と、を含んで構成されている。
なお、第1の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同様の機能を有することから、その詳細な説明は、省略する。
【0083】
債権者側情報処置部330Aは、後述する抽出部360において抽出された債務者の電話番号と債務者側端末200Aから受信した契約文書とを債権者側記憶部310Aに保存する。
【0084】
債権者側ハッシュ値生成部340Aは、抽出部360において抽出された債務者側端末200Aの電話番号に対する債権者側電話番号ハッシュ値および債務者側端末200Aから債権者側受信部320Aを介して、受信した契約文書に対する債権者側契約文書ハッシュ値を生成する。
債権者側ハッシュ値生成部340Aにおいて生成された債権者側電話番号ハッシュ値および債権者側契約文書ハッシュ値は、債権者側送信部350Aを介してサーバ100Aに送信される。
【0085】
抽出部360は、債権者側受信部320Aにおいて電話回線を介して受信した情報から債務者側端末200Aの電話番号を抽出する。
抽出部360において、抽出された債務者側端末200Aの電話番号は、債権者側情報処置部330Aにより、債権者側記憶部310Aに保存される。
【0086】
<契約システム1Aの処理>
図11を用いて、本実施形態に係る契約システム1Aの処理について説明する。
【0087】
サーバ100の文字列生成部110は、ランダムな文字列を生成する(ステップS201)。
【0088】
サーバ100のサーバ側送信部120Aは、債務者側端末200Aにランダムな文字列を送信する(ステップS202)。
【0089】
債務者側端末200Aの債務者側ハッシュ値生成部220Aは、自端末の電話番号に対する債務者側電話番号ハッシュ値を生成する(ステップS203)。
【0090】
債務者側端末200Aの債務者側送信部250Aは、サーバ100Aに債務者側電話番号ハッシュ値を送信する(ステップS204)。
【0091】
債務者側端末200Aの債務者側送信部250Aは、債権者側端末300Aに電話回線を介してランダムな文字列を送信する(ステップS205)。
【0092】
債権者側端末300Aの抽出部360は、債権者側受信部320Aにおいて電話回線を介して受信した情報から債務者側端末200Aの電話番号を抽出する(ステップS206)。
【0093】
債権者側端末300Aの債権者側情報処置部330Aは、ステップS206において抽出された債務者側端末200Aの電話番号を債権者側記憶部310Aに保存する(ステップS207)。
【0094】
債権者側端末300Aの債権者側ハッシュ値生成部340Aは、抽出部360において抽出された債務者側端末200Aの電話番号に対する債権者側電話番号ハッシュ値を生成する(ステップS208)。
【0095】
債権者側端末300Aの債権者側送信部350Aは、サーバ100Aに債務者側端末200Aから受信したランダムな文字列と債権者側電話番号ハッシュ値とを送信する(ステップS209)。
【0096】
サーバ100Aの電話番号検証部140Aは、サーバ側送信部120Aが債務者側端末200Aに送信したランダムな文字列と債権者側端末300Aから送信された文字列とが一致するか否かを判定するとともに、債務者側端末200Aから受信した債務者側電話番号ハッシュ値と債権者側端末300Aから受信した債権者側電話番号ハッシュ値とが一致するか否かを判定し、債務者側端末200Aの電話番号を検証する(ステップS210)。
【0097】
債務者側端末200Aの契約文書作成部210は、契約文書を作成する(ステップS211)。
【0098】
債務者側端末200Aの債務者側送信部250Aは、債権者側端末300Aに契約文書を送信する(ステップS212)。
【0099】
債権者側端末300Aの債権者側情報処置部330Aは、債務者側端末200Aから受信した契約文書を債権者側記憶部310Aに保存する(ステップS213)。
【0100】
債務者側端末200Aの債務者側ハッシュ値生成部220Aは、ステップS211において作成された契約文書の債務者側契約文書ハッシュ値を生成する(ステップS214)。
【0101】
債務者側端末200Aの債務者側送信部250Aは、債務者側契約文書ハッシュ値をサーバ100Aに送信する(ステップS215)。
【0102】
債権者側端末300Aの債権者側ハッシュ値生成部340Aは、ステップS213において保存された契約文書の債権者側契約文書ハッシュ値を生成する(ステップS216)。
【0103】
債権者側端末300Aの債権者側送信部350Aは、サーバ100Aに債権者側契約文書ハッシュ値を送信する(ステップS217)。
【0104】
サーバ100Aの契約文書検証部190Aは、債務者側契約文書ハッシュ値と債権者側契約文書ハッシュ値とが一致するか否かを判定して、契約文書を検証し、債務者側契約文書ハッシュ値と債権者側契約文書ハッシュ値とが一致すると判定した場合に、債務者側契約文書ハッシュ値あるいは債権者側契約文書ハッシュ値をサーバ側記憶部170Aに保存させ、処理を終了する(ステップS218)。
【0105】
<作用・効果>
以上、説明したように、本実施形態に係る契約システム1Aは、信頼足り得ない個人としての債権者と債務者が債権者としてある程度の信頼を寄せる企業としての債務者との間で、債務不履行等の争いが生じた場合に、運営者(サーバ100A)が、訴訟の場で、証人の役割を果たすものである。
具体的には、
図12に示すように、債権者側端末300Aが保管しているデータ、具体的には、債務者の電話番号と契約時に債務者側端末200Aから送信されてきた契約文書を裁判所に提出する(ステップS221)。
サーバ100Aは、保管しているデータ、具体的には、債務者側端末200Aから送信されてきた債務者側端末200Aの電話番号のハッシュ値と契約文書の検証の際に、一致していると確認した契約文書のハッシュ値を裁判所に提出する(ステップS222)。
裁判所は、債権者側端末300から提出されたデータおよびサーバ100から提出されたデータに基づいて、債務者が債権者に契約文書を送信した事実および契約文書を送信した債務者の電話番号を把握することができる。
したがって、本実施形態に係る契約システム1Aを用いることによって、当事者間の取引において、その契約内容を少なくとも当事者以外には秘匿化しつつ、その契約内容を保証することができる。
【0106】
本実施形態に係る契約システム1Aでは、サーバ100Aの文字列生成部110が、ランダムな文字列を生成する。
サーバ100Aのサーバ側送信部120Aは、債務者側端末200Aにランダムな文字列を送信する。
債務者側端末200Aの債務者側ハッシュ値生成部220Aは、自端末の電話番号に対する債務者側電話番号ハッシュ値を生成する。
債務者側送信部250Aは、サーバ100Aに債務者側電話番号ハッシュ値を送信する。
債務者側端末200Aの債務者側送信部250Aは、債権者側端末300Aに電話回線を介してランダムな文字列を送信する。
債権者側端末300Aの抽出部360は、債務者側端末200Aの電話番号を抽出する。
債権者側端末300Aの債権者側ハッシュ値生成部340Aは、抽出部360において抽出された債務者側端末200Aの電話番号に対する債権者側電話番号ハッシュ値を生成する。
債権者側送信部350は、サーバ100Aに債務者側端末200Aから受信したランダムな文字列と債権者側電話番号ハッシュ値とを送信する。
そして、サーバ100Aの電話番号検証部140Aは、サーバ側送信部120Aが債務者側端末200Aに送信したランダムな文字列と債権者側端末300Aから送信された文字列とが一致するか否かを判定する。
サーバ100Aの電話番号検証部140Aは、債務者側端末200Aから受信した債務者側電話番号ハッシュ値と債権者側端末300Aから受信した債権者側電話番号ハッシュ値とが一致するか否かを判定し、債務者側端末200Aの電話番号を検証する。
そのため、上記の処理を実行することにより、債務者側端末200Aの電話番号が債務者を特定し得るものなかのか否かを正確に検証することができる。
【0107】
本実施形態に係る契約システム1Aでは、債務者側端末200Aの契約文書作成部210が契約文書を作成する。
債務者側端末200Aは、債権者側端末300Aに契約文書を送信する。
債権者側端末300Aは、受信した契約文書を債権者側記憶部310Aに保存する。
債務者側端末200Aの債務者側ハッシュ値生成部220Aは、作成された契約文書の債務者側契約文書ハッシュ値を生成する。
債権者側端末300Aは、債務者側契約文書ハッシュ値をサーバ100Aに送信する。
債権者側端末300Aの債権者側ハッシュ値生成部340Aは、保存された契約文書の債権者側契約文書ハッシュ値を生成する。
債権者側端末300Aは、サーバ100Aに債権者側契約文書ハッシュ値を送信する。
そして、サーバ100Aの契約文書検証部190Aは、債務者側契約文書ハッシュ値と債権者側契約文書ハッシュ値とが一致するか否かを判定して、契約文書を検証する。
サーバ100Aの契約文書検証部190Aは、債務者側契約文書ハッシュ値と債権者側契約文書ハッシュ値とが一致すると判定した場合に、債務者側契約文書ハッシュ値あるいは債権者側契約文書ハッシュ値をサーバ側記憶部170に保存させる。
つまり、上記の一連の流れにおいて、サーバ100Aに契約文書が渡ることが一度もない。
そのため、債務者と債権者に「サーバ100A(運営者)に自分たちの契約内容を盗み見ているのではないか」との疑いを持たれることがない。
サーバ100Aに契約文書そのものが保管されていないため、サーバ100Aが、外部からの攻撃を受けた場合であっても、契約内容や個人情報が外部に漏洩されることを防止することができる。
本実施形態に係る契約システム1Aでは、ハッシュ値などの検証を全てサーバ100A側が行う仕組みになっている。
そのため、例えば、不正に改変されたアプリ等によって、検証結果が歪められることを防止することが期待できる。
本実施形態に係る契約システム1Aでは、サーバ100Aが保存するデータは、債務者側電話番号ハッシュ値あるいは債権者側電話番号ハッシュ値のいずれか一方と、債務者側契約文書ハッシュ値あるいは債権者側契約文書ハッシュ値の何れか一方である。
つまり、サーバ100Aが保存するデータは、極めて少ない。
そのため、小型のサーバ100Aでも十分に機能することから、システムのコストダウンを図ることもできる。
【0108】
<変形例4>
本実施形態においては、信頼足り得ない個人としての債務者と債務者が債権者としてある程度の信頼を寄せる企業との取引契約を例示して説明した。
しかし、信頼度が上記と同程度であれば、債務者が企業であってもよいし、債権者が個人あるいは政府機関であってもよい。
【0109】
<変形例5>
本実施形態においては、債務者側および債権者側で、単に、債務者側端末200Aの電話番号のハッシュ値を作成することを例示した。
しかし、債務者側端末200Aと債権者側端末300Aとにおいて、例えば、同じソルトを用いてハッシュ化を実行し、債権者側端末300Aが、ソルトを含めて、ハッシュ値を保管することが好ましい。
つまり、電話番号のパターンは、ある程度有限であるため、単純に電話番号のハッシュ値を作成しただけでは、債務者側端末200Aの電話番号がサーバに露見する虞もある。
そのため、例えば、ソルトを用いることにより、サーバに債務者側端末200Aの電話番号が露見する可能性を低減することができる。
【0110】
<変形例6>
第1の実施形態においては、文字列生成部110において生成されたランダムな文字列は、電話回線を介して、サーバ側送信部120により、債務者側端末200に送信されるとし、債務者側記憶部240に保存されたランダムな文字列は、債務者側送信部250を介してサーバ100に送信される、つまり、債務者側記憶部240に保存されたランダムな文字列は、債務者側送信部250を介してTCPコネクションによりサーバ100に送信されるとした。
しかし、文字列生成部110において生成されたランダムな文字列をTCPコネクションにより、サーバ側送信部120から債務者側端末200に送信されるようにし、債務者側記憶部240に保存されたランダムな文字列については、電話回線を介して、債務者側送信部250からサーバ100に送信されるようにしてもよい。
【0111】
<第3の実施形態>
図13から
図15を用いて、本実施形態に係る契約システム1Bについて説明する。
【0112】
<契約システム1Bの構成>
図13に示すように、本実施形態に係る契約システム1Bは、サーバ100Bと、債務者側端末200Bと、債権者側端末300Bと、を含んで構成されている。
なお、第1の実施形態および第2の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同様の機能を有することから、その詳細な説明は、省略する。
【0113】
サーバ100Bは、運営者の管理によるものであり、本実施形態においては、債務者と債権者との間で交わされた契約内容を保証する役割を果たすものである。
なお、サーバ100Bの詳細については、後述する。
【0114】
債務者側端末200Bは、個人としての債務者が所持する端末であり、例えば、スマートフォン等を例示することができる。
なお、債務者側端末200Bの詳細については、後述する。
【0115】
債権者側端末300Bは、個人としての債権者が所持する端末であり、例えば、パーソナルコンピューター、タブレット、スマートフォン等を例示することができる。
なお、債権者側端末300Bの詳細については、後述する。
【0116】
<サーバ100Bの構成>
図14に示すように、本実施形態に係るサーバ100Bは、サーバ側送信部120Bと、サーバ側受信部130Bと、個人情報検証部191と、暗号鍵生成部150と、暗号化部160Bと、サーバ側記憶部170Bと、サーバ側情報処置部180Bと、契約文書検証部190と、を含んで構成されている。
なお、第1の実施形態および第2の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同様の機能を有することから、その詳細な説明は、省略する。
【0117】
サーバ側送信部120Bは、債権者側端末300Bに暗号鍵を送信する。
【0118】
サーバ側受信部130Bは、債務者側端末200Bからの署名された個人情報および債務者側端末200Bにおいて作成され、債権者側端末300Bに送信された契約文書の債務者側契約文書ハッシュ値と債権者側端末300Bから送信された債権者側契約文書ハッシュ値とを受信する。
【0119】
個人情報検証部191は、サーバ側受信部130Bが受信した署名された個人情報を検証する。
個人情報検証部191は、例えば、署名された個人情報としての基本4情報(氏名、生年月日、性別、住所)について、管理当局に問い合わせを行うことにより、個人情報を検証する。
個人情報検証部191により検証された署名された個人情報は、後述する暗号化部160Bに出力される。
【0120】
暗号化部160Bは、暗号鍵生成部150において生成された暗号鍵を用いて、個人情報検証部191において検証された債務者により署名された個人情報を暗号化する。
暗号化部160Bにおいて暗号化された個人情報は、サーバ側情報処置部180Bによりサーバ側記憶部170Bに保存される。
また、サーバ側情報処置部180は、暗号鍵生成部150において生成された暗号鍵および個人情報を破棄する処理を実行する。
【0121】
<契約システム1Bの処理>
図15を用いて、本実施形態に係る契約システム1Bの処理について説明する。
【0122】
債務者側端末200Bの債務者側送信部250Bは、サーバ100に債務者により署名された個人情報を送信する(ステップS103A)。
【0123】
サーバ100Bの個人情報検証部191は、サーバ側受信部130Bが受信した署名された個人情報を検証する(ステップS104A)。
【0124】
サーバ100Bの暗号鍵生成部150は、暗号鍵を生成する(ステップS105)。
【0125】
サーバ100の暗号化部160Bは、ステップS105において生成された暗号鍵を用いて、ステップS104Aにおいて検証された債務者により署名された個人情報を暗号化する(ステップS106A)。
【0126】
サーバ100のサーバ側送信部120Bは、債権者側端末300Bに暗号鍵を送信する(ステップS107)。
【0127】
サーバ100のサーバ側情報処置部180Bは、ステップS106において暗号化された署名された個人情報のみをサーバ側記憶部170Bに保存し、暗号鍵および署名された個人情報を破棄する処理を実行する(ステップS108A)。
【0128】
債権者側端末300Bの債権者側情報処置部330は、サーバ100Bから受信した暗号鍵を債権者側記憶部310に保存する(ステップS109)。
【0129】
債務者側端末200Bの契約文書作成部210は、契約文書を作成する(ステップS110)。
【0130】
債務者側端末200Bの債務者側送信部250は、債権者側端末300Bに契約文書を送信する(ステップS111)。
【0131】
債権者側端末300Bの債権者側情報処置部330は、債務者側端末200Bから受信した契約文書を債権者側記憶部310に保存する(ステップS112)。
【0132】
債務者側端末200Bの債務者側ハッシュ値生成部220は、ステップS110において作成された契約文書の債務者側契約文書ハッシュ値を生成する(ステップS113)。
【0133】
債務者側端末200Bの債務者側送信部250は、債務者側契約文書ハッシュ値をサーバ100に送信する(ステップS114)。
【0134】
債権者側端末300Bの債権者側ハッシュ値生成部340は、ステップS112において保存された契約文書の債権者側契約文書ハッシュ値を生成する(ステップS115)。
【0135】
債権者側端末300Bの債権者側送信部350は、サーバ100Bに債権者側契約文書ハッシュ値を送信する(ステップS116)。
【0136】
サーバ100Bの契約文書検証部190は、債務者側契約文書ハッシュ値と債権者側契約文書ハッシュ値とが一致するか否かを判定して、契約文書を検証し、債務者側契約文書ハッシュ値と債権者側契約文書ハッシュ値とが一致すると判定した場合に、債務者側契約文書ハッシュ値あるいは債権者側契約文書ハッシュ値をサーバ側記憶部170に保存させて、処理を終了する(ステップS117)。
【0137】
<作用・効果>
以上、説明したように、本実施形態に係る契約システム1Bは、債権者と債務者との間で、債務不履行等の争いが生じた場合に、運営者(サーバ100B)が、訴訟の場で、証人の役割を果たすものである。
具体的には、
図6に示すように、債権者側端末300Bが保管しているデータ、具体的には、契約時にサーバ100Bから送信されてきた暗号鍵と債務者側端末200Bから送信されてきた契約文書を裁判所に提出する(ステップS121)。
サーバ100Bは、保管しているデータ、具体的には、サーバ100Bが作成した暗号化された債務者側端末200Bの署名された個人情報と契約文書の検証の際に、一致していると確認したハッシュ値を裁判所に提出する(ステップS122)。
裁判所は、債権者側端末300Bから提出されたデータおよびサーバ100Bから提出されたデータに基づいて、債務者が債権者に契約文書を送信した事実および契約文書を送信した債務者の署名された個人情報を把握することができる。
したがって、本実施形態に係る契約システム1Bを用いることによって、当事者間の取引において、その契約内容および個人情報を秘匿化しつつ、契約内容を保証することができる。
【0138】
<変形例7>
本実施形態においては、債務者側端末200Bの契約文書作成部210が契約文書を作成する例を示した。
しかし、サーバ100Bは、事前に、契約の内容に応じた契約文書の雛型を債務者側端末200Bに提示することが好ましい。
契約文書は、当事者がその契約内容を履行したか否かが明確に分かるように、法的要件を満たし、必要事項が記載されている必要がある。
そのため、サーバ100Bが、例えば、売買契約であれば、債務者ならびに債権者の情報ならびに売買金額ならびに売買金額の振込日等の必要事項を入力すれば、法的に問題のない契約文書を作成できるような契約文書の雛型を提示することによって、訴訟手続きを円滑に進めることができる。
【0139】
<変形例8>
本実施形態において、債務者側端末200Bは、契約文書作成部210において作成された契約文書をそのまま債権者側端末300Bに送信する例を示した。
しかし、契約文書を暗号化して債務者側端末200Bが債権者側端末300Bに送信するようにしてもよい。
契約文書を暗号化して債務者側端末200Bが債権者側端末300Bに送信することにより、通信の秘匿性を担保することができる。
【0140】
<変形例9>
本実施形態においては、債務者と債権者との間の債務不履行を例示して説明を行った。
しかし、例えば、一方で、AがBに日本円を送金するという契約があり、他方で、この契約に対して、BがAに仮想通貨を送金するという契約があるような、二者が一方では、債務者であり、他方では、債権者であるような場合には、契約ごとに、AとBとの立場を入れ替えることにより、本システムを利用することができる。
【0141】
<第4の実施形態>
図16から
図20を用いて、本実施形態に係る契約システム1Cについて説明する。
【0142】
<契約システム1Cの構成>
図16に示すように、本実施形態に係る契約システム1Cは、サーバ100Cと、債務者側端末200Cと、債権者側端末300Cと、を含んで構成されている。
本実施形態においては、信頼足り得ない個人としての債務者と債務者が債権者としてある程度の信頼を寄せる企業との取引契約を例示して説明する。
【0143】
<サーバ100Cの構成>
図17に示すように、本実施形態に係るサーバ100Cは、サーバ側送信部120と、サーバ側受信部130Cと、個人情報検証部191Cと、サーバ側記憶部170と、契約文書検証部190と、を含んで構成されている。
なお、第1の実施形態から第3の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同様の機能を有することから、その詳細な説明は、省略する。
【0144】
サーバ側受信部130Cは、債務者側端末200Cにおいて作成された債務者側個人情報ハッシュ値と債権者側端末300Cにおいて作成された債権者側個人情報ハッシュ値と、債務者側端末200Cにおいて作成され、債権者側端末300Cに送信された契約文書の債務者側契約文書ハッシュ値と債権者側端末300Cから送信された債権者側契約文書ハッシュ値とを受信する。
【0145】
個人情報検証部191Cは、債務者側端末から受信した債務者側個人情報ハッシュ値と債権者側端末から受信した債権者側個人情報ハッシュ値とが一致するか否かを判定し、債務者の署名がされた個人情報を検証する。
【0146】
<債務者側端末200Cの構成>
図18に示すように、本実施形態に係る債務者側端末200Cは、契約文書作成部210と、債務者側ハッシュ値生成部220Cと、債務者側受信部230Aと、債務者側記憶部240と、債務者側送信部250Cと、を含んで構成されている。
なお、第1の実施形態から第3の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同様の機能を有することから、その詳細な説明は、省略する。
【0147】
債務者側ハッシュ値生成部220Cは、債務者の署名がされた個人情報に対する債務者側個人情報ハッシュ値および該作成された契約文書の債務者側契約文書ハッシュ値を生成する。
債務者側ハッシュ値生成部220Cにおいて生成された債務者側個人情報ハッシュ値および債務者側契約文書ハッシュ値は、債務者側送信部250Cを介してサーバ100Cに送信される。
【0148】
債務者側送信部250Cは、サーバ100Cに債務者側個人情報ハッシュ値と契約文書ハッシュ値とを送信するとともに、債権者側端末300Cに、債務者の署名された個人情報と契約文書とを送信する。
【0149】
<債権者側端末300Cの構成>
図19に示すように、本実施形態に係る債権者側端末300Cは、債権者側記憶部310Aと、債権者側受信部320Cと、債権者側情報処置部330Cと、債権者側ハッシュ値生成部340Cと、債権者側送信部350Cと、を含んで構成されている。
なお、第1の実施形態から第3の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同様の機能を有することから、その詳細な説明は、省略する。
【0150】
債権者側受信部320Cは、債務者側端末200Cから債務者の署名された個人情報と契約文書とを受信する。
【0151】
債権者側情報処置部330Cは、債務者の署名された個人情報と契約文書とを債権者側記憶部310Aに保存させる。
【0152】
債権者側ハッシュ値生成部340Cは、債務者の署名された個人情報に対する債権者側個人情報ハッシュ値および契約文書に対する債権者側契約文書ハッシュ値を生成する。
【0153】
債権者側送信部350Cは、サーバ100Cに債権者側個人情報ハッシュ値と債権者側契約文書ハッシュ値を送信する。
【0154】
<契約システム1Cの処理>
図20を用いて、本実施形態に係る契約システム1Cの処理について説明する。
【0155】
債務者側端末200Cの債務者側ハッシュ値生成部220Cは、債務者の署名がされた個人情報に対する債務者側個人情報ハッシュ値を生成する(ステップS203A)。
【0156】
債務者側端末200Aの債務者側送信部250Cは、サーバ100Cに債務者側個人情報ハッシュ値を送信する(ステップS204A)。
【0157】
債務者側端末200Aの債務者側送信部250Cは、債権者側端末300Cに、債務者の署名された個人情報を送信する(ステップS205A)。
【0158】
債権者側情報処置部330Cは、債務者の署名された個人情報を債権者側記憶部310Aに保存させる(ステップS207A)。
【0159】
債権者側ハッシュ値生成部340Cは、債務者の署名された個人情報に対する債権者側個人情報ハッシュ値を生成する(ステップS208A)。
【0160】
債権者側送信部350Cは、サーバ100Cに債権者側個人情報ハッシュ値を送信する(ステップS209A)。
【0161】
サーバ100Cの個人情報検証部191Cは、債務者側端末から受信した債務者側個人情報ハッシュ値と債権者側端末300Cから受信した債権者側個人情報ハッシュ値とが一致するか否かを判定し、債務者の署名がされた個人情報を検証する(ステップS210A)。
【0162】
債務者側端末200Cの契約文書作成部210は、契約文書を作成する(ステップS211)。
【0163】
債務者側端末200Cの債務者側送信部250Cは、債権者側端末300Cに契約文書を送信する(ステップS212)。
【0164】
債権者側端末300Cの債権者側情報処置部330Cは、債務者側端末200Cから受信した契約文書を債権者側記憶部310Aに保存する(ステップS213)。
【0165】
債務者側端末200Cの債務者側ハッシュ値生成部220Cは、ステップS211において作成された契約文書の債務者側契約文書ハッシュ値を生成する(ステップS214)。
【0166】
債務者側端末200Cの債務者側送信部250Cは、債務者側契約文書ハッシュ値をサーバ100Aに送信する(ステップS215)。
【0167】
債権者側端末300Cの債権者側ハッシュ値生成部340Cは、ステップS213において保存された契約文書の債権者側契約文書ハッシュ値を生成する(ステップS216)。
【0168】
債権者側端末300Cの債権者側送信部350Cは、サーバ100Cに債権者側契約文書ハッシュ値を送信する(ステップS217)。
【0169】
サーバ100Cの契約文書検証部190は、債務者側契約文書ハッシュ値と債権者側契約文書ハッシュ値とが一致するか否かを判定して、契約文書を検証し、債務者側契約文書ハッシュ値と債権者側契約文書ハッシュ値とが一致すると判定した場合に、債務者側契約文書ハッシュ値あるいは債権者側契約文書ハッシュ値をサーバ側記憶部170Aに保存させ、処理を終了する(ステップS218)。
【0170】
<作用・効果>
以上、説明したように、本実施形態に係る契約システム1Cは、信頼足り得ない個人としての債権者と債務者が債権者としてある程度の信頼を寄せる企業としての債務者との間で、債務不履行等の争いが生じた場合に、運営者(サーバ100C)が、訴訟の場で、証人の役割を果たすものである。
具体的には、
図12に示すように、債権者側端末300Cが保管しているデータ、具体的には、債務者の個人情報と契約時に債務者側端末200Aから送信されてきた契約文書を裁判所に提出する(ステップS221)。
サーバ100Cは、保管しているデータ、具体的には、債務者側端末200Cから送信されてきた債務者により署名された個人情報のハッシュ値と契約文書の検証の際に、一致していると確認した契約文書のハッシュ値を裁判所に提出する(ステップS222)。
裁判所は、債権者側端末300Cから提出されたデータおよびサーバ100Cから提出されたデータに基づいて、債務者が債権者に契約文書を送信した事実および契約文書を送信した債務者の電話番号を把握することができる。
したがって、本実施形態に係る契約システム1Cを用いることによって、当事者間の取引において、その契約内容を少なくとも当事者以外には秘匿化しつつ、その契約内容を保証することができる。
【0171】
<変形例10>
本実施形態においては、信頼足り得ない個人としての債務者と債務者が債権者としてある程度の信頼を寄せる企業との取引契約を例示して説明した。
しかし、信頼度が上記と同程度であれば、債務者が企業であってもよいし、債権者が個人あるいは政府機関であってもよい。
【0172】
<変形例11>
本実施形態においては、債務者側および債権者側で債務者側端末200Aの電話番号のハッシュ値を作成することを例示した。
しかし、債務者側端末200Aと債権者側端末300Aとにおいて、例えば、同じソルトを用いてハッシュ化を実行し、債権者側端末300Aが、ソルトを含めて、ハッシュ値を保管することが好ましい。
つまり、電話番号のパターンは、ある程度有限であるため、単純に電話番号のハッシュ値を作成しただけでは、債務者側端末200Aの電話番号がサーバに露見する虞もある。
そのため、例えば、ソルトを用いることにより、サーバに債務者側端末200Aの電話番号が露見する可能性を低減することができる。
【0173】
なお、サーバ100、100A、債務者側端末200、200A、債権者側端末300、300Aの処理をコンピュータシステムが読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムをサーバ100、100A、債務者側端末200、200A、債権者側端末300、300Aに読み込ませ、実行することによって本発明の契約システム1、1Aを実現することができる。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
【0174】
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0175】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0176】
以上、この発明の実施形態について、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0177】
1;契約システム
1A;契約システム
1B;契約システム
1C;契約システム
100;サーバ
100A;サーバ
100B;サーバ
100C;サーバ
200;債務者側端末
200A;債務者側端末
200B;債務者側端末
200C;債務者側端末
300;債権者側端末
300A;債権者側端末
300B;債権者側端末
300C;債権者側端末