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特開2024-120827エッチングクラッド工法が適用された異種接合スリーブの製造方法
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  • 特開-エッチングクラッド工法が適用された異種接合スリーブの製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120827
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】エッチングクラッド工法が適用された異種接合スリーブの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 43/16 20060101AFI20240829BHJP
   B23P 15/00 20060101ALI20240829BHJP
   B21C 37/00 20060101ALI20240829BHJP
   H01R 4/62 20060101ALN20240829BHJP
【FI】
H01R43/16
B23P15/00 Z
B21C37/00 B
H01R4/62 A
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023111176
(22)【出願日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】10-2023-0025033
(32)【優先日】2023-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】523258045
【氏名又は名称】シーエス テック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003801
【氏名又は名称】KEY弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ノ ジョンソク
【テーマコード(参考)】
5E063
【Fターム(参考)】
5E063GA02
5E063XA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】エッチングクラッド工法が適用された異種接合シートを利用したスリーブの製造方法を提供する。
【解決手段】方法は、原素材である第1ケーブル金属素材と第2ケーブル金属素材とを接合してコイルを形成する異種金属接合工程と、コイリングされている異種金属接合シートをアンコイルする素材準備工程と、第1ケーブル金属素材と第2ケーブル金属素材との張力を分離して一定張力を維持する張力制御工程と、金属接合シートの平坦度を確保するために表面形状を矯正する形状矯正工程と、結果物をNC、CNC、ミーリング装置を含んだ工作機械を使用して加工する切削工程と、加工部位のバリ除去と表面粗度改善のためにエッチングを実施するソフトエッチング工程と、異種金属接合シートを所定長さに切断する切断工程と、所定長さに切断された異種金属接合シートを利用してスリーブを形成するスリーブ形成工程とを含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)原素材である第1ケーブル金属素材と第2ケーブル金属素材とを接合してコイルを形成する異種金属接合工程と、
(b)コイリングされている異種金属接合シートをアンコイルする素材準備工程と、
(c)(b)工程の後、第1ケーブル金属素材と第2ケーブル金属素材との張力を分離して一定張力を維持する張力制御工程と、
(d)金属接合シートの平坦度を確保するために表面形状を矯正する形状矯正工程と、
(e)(c)工程の結果物をNC、CNC、ミーリング装置を含んだ工作機械を使用して加工する切削工程と、
(f)(e)工程の後、加工部位のバリ(burr)除去と表面粗度改善のためにエッチングを実施するソフトエッチング工程と、
(g)(f)工程の後、異種金属接合シートを所定長さに切断する切断工程と、
(h)(g)工程の後、所定長さに切断された異種金属接合シートを利用してスリーブを形成するスリーブ形成工程と、
を含む、エッチングクラッド工法が適用された異種接合シートを利用したスリーブの製造方法。
【請求項2】
(h)工程は、
所定長さに切断された異種金属接合シートの一端を上方にベンディングする第1次ベンディング段階と、
一端がベンディングされた異種金属接合シートの他端を上方または下方にベンディングする第2次ベンディング段階と、
第1次ベンディング段階及び第2次ベンディング段階の後、特定形状に形成された異種金属接合シートの両端にケーブルが挿入される挿入段階と、
ケーブルが挿入された特定形状の異種金属接合シートの外面を加圧して挿入されたケーブルを固定させる噛み合い段階と、
を含む請求項1に記載のエッチングクラッド工法が適用された異種接合シートを利用したスリーブの製造方法。
【請求項3】
(e)工程は、
異種金属接合シートが引入される引入段階と、
引入された異種金属接合シートの位置を整列する位置整列段階と、
異種金属接合シートを吸着して位置を固定させる位置固定段階と、
工作機械を通じて異種金属接合シートの表面を切削する表面切削段階と、
表面切削パターンを検査して不良の有無を判別するパターン検査段階と、
切削された異種金属接合シートが引き出しされる引き出し段階と、
を含む請求項2に記載のエッチングクラッド工法が適用された異種接合シートを利用したスリーブの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エッチングクラッド工法が適用された異種接合シートを利用したスリーブ製造方法に関するものである。より詳細には、エッチングクラッド工法を利用し、成形性が優秀な異種金属スリーブを製造することができるエッチングクラッド工法が適用された異種接合スリーブの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スリーブは、電線または部品を覆うチューブを意味し、放熱型酸化物負極の基体金属として、通常的にニッケルを利用して製造され、断面は円、楕円、四角形などいろいろに形成されることができるし、活性物質を含んだものを活性スリーブと称する。
【0003】
現在一般的に使用されている電力供給は、地下に埋設される地中ケーブルと、電柱及び絶縁碍子を利用して空中に設置される架空ケーブルとでなされているし、このような配電ケーブルは、地中ケーブルと架空ケーブルとを連結させる立上ケーブルを含んで構成される。
【0004】
このような場合、電柱の絶縁碍子を通じて入って来る架空ケーブルは、たいていアルミニウム(Al)材質からなる線を合成樹脂で被覆させたものとなっており、これと連結される各種スイッチ類の引き出し線は、たいてい銅(Cu)材質からなる線を被覆させたものとなっている。
【0005】
前記のようにお互いに異なる材質からなる架空ケーブルと引き出しケーブルとを連結させるために、従来にはアルミニウム材質からなる管体内に銅材質からなる管を挿入する構造となっていた。
【0006】
このような構造は、異質的な金属の間の接続において、アルミニウム材質からなる管体と銅材質からなる管体との冶金的接合ではなく、お互いに接触だけなされているので、異質金属スリーブを通じて電流を通すと、銅材質とアルミニウム材質との間の連結部、すなわち、異種材質間の連結部位に電気的な腐食現象が発生するようになって電気事故が惹起される問題点がある。
【0007】
また、アルミニウム材質の管体と銅材質の管体との間に冶金的接合ではなく相互密着されていることで、この境界面で電気的な腐食現象が発生されて、ひいては水分、湿気、または異物が浸透すれば、イオン化電位が低いアルミニウム材質が溶解及び腐食されて接触抵抗を増加させて、接続部の温度上昇による電解腐食が加速化されて酸化被膜が形成されて、接触不良を引き起こして断線事故などを起こすなどの問題点が発生されている。
【0008】
したがって、前記問題点を解決するための新しい接続手段を利用した異種金属スリーブの製造方法の開発が必要な実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
韓国登録特許第10-1983273号公報(2019年5月29日公告)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前記のような問題点を改善するために案出されたものであり、従来の爆発溶接を通じて異種金属スリーブを製造するか、または一般的な溶接を通じて異種金属スリーブを製造する製造工程とは異なり、精密なパターンと表面粗度が改善されたエッチングクラッド工法を利用した異種金属スリーブの製造方法を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために案出された本発明によるエッチングクラッド工法を利用した異種金属スリーブの製造方法は、
(a)原素材である第1ケーブル金属素材と第2ケーブル金属素材とを接合してコイルを形成する異種金属接合工程と、
(b)コイリングされている異種金属接合シートをアンコイルする素材準備工程と、
(c)(b)工程の後、第1ケーブル金属素材と第2ケーブル金属素材との張力を分離して一定張力を維持する張力制御工程と、
(d)金属接合シートの平坦度を確保するために表面形状を矯正する形状矯正工程と、
(e)(c)工程の結果物をNC、CNC、ミーリング装置を含んだ工作機械を使用して加工する切削工程と、
(f)(e)工程の後、加工部位のバリ(burr)除去と表面粗度改善のためにエッチングを実施するソフトエッチング工程と、
(g)(f)工程の後、異種金属接合シートを所定長さに切断する切断工程と、
(h)(g)工程の後、所定長さに切断された異種金属接合シートを利用してスリーブを形成するスリーブ形成工程と、を含む。
【0012】
また、(h)工程は、所定長さに切断された異種金属接合シートの一端を上方にベンディングする第1次ベンディング段階と、一端がベンディングされた異種金属接合シートの他端を上方または下方にベンディングする第2次ベンディング段階と、第1次ベンディング段階及び第2次ベンディング段階の後、特定形状に形成された異種金属接合シートの両端にケーブルが挿入される挿入段階と、ケーブルが挿入された特定形状の異種金属接合シートの外面を加圧して挿入されたケーブルを固定させる噛み合い段階と、を含む。
【0013】
また、(e)工程は、異種金属接合シートが引入される引入段階と、引入された異種金属接合シートの位置を整列する位置整列段階と、異種金属接合シートを吸着して位置を固定させる位置固定段階と、工作機械を通じて異種金属接合シートの表面を切削する表面切削段階と、表面切削パターンを検査して不良の有無を判別するパターン検査段階と、切削された異種金属接合シートが引き出しされる引き出し段階と、を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、異種金属スリーブを製造するにおいて、エッチングクラッド工法を利用して、一般的な溶接、爆発溶接などを通じてスリーブを製造する方法に比べて相対的に経済的であり、精密に加工が可能であり、優秀な表面粗度を有することができるスリーブを製造することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の望ましい実施例によるエッチングクラッド工法を利用した異種金属スリーブの製造方法の各工程の手順を示した流れ図である。
図2】本発明の望ましい実施例によるエッチングクラッド工法を利用した異種金属スリーブの製造方法の切削工程の手順を示した流れ図である。
図3】エッチングクラッド工法を利用した異種金属スリーブの製造方法のスリーブ形成工程の手順を示した流れ図である。
図4】本発明によって製造されたスリーブを示した図面である。
図5】本発明によって製造されたスリーブにケーブルが挿入されたことを示した図面である。
図6】本発明によって製造された特定の例示形状のスリーブを示した図面である。
図7】本発明によって製造された特定の例示形状のスリーブを示した図面である。
図8】本発明によって製造された特定の例示形状のスリーブを示した図面である。
図9】本発明によって製造された特定の例示形状のスリーブを示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の望ましい実施例を添付された図面を参照して詳しく説明する。まず、各図面の構成要素に参照符号を付け加えるにおいて、同一な構成要素に対してはたとえ他の図面上に表示されてもできるだけ同一な符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明を説明するにおいて、関連される公知構成または機能に対する具体的な説明が本発明の要旨を濁ごすことがあると判断される場合にはその詳細な説明は略する。また、以下で本発明の望ましい実施例を説明するが、本発明の技術的思想はこれに限定されるか、または制限されないで当業者によって変形されて多様に実施されることができることは勿論である。
【0017】
図1は、本発明の望ましい実施例によるエッチングクラッド工法を利用した異種金属スリーブの製造方法の各工程の手順を示した流れ図である。図2は本発明の望ましい実施例によるエッチングクラッド工法を利用した異種金属スリーブの製造方法の切削工程の手順を示した流れ図である。図3はエッチングクラッド工法を利用した異種金属スリーブの製造方法のスリーブ形成工程の手順を示した流れ図である。図4は本発明によって製造されたスリーブを示した図面である。図5は本発明によって製造されたスリーブにケーブルが挿入されたことを示した図面である。図6は本発明によって製造された特定の例示形状のスリーブを示した図面である。図7は本発明によって製造された特定の例示形状のスリーブを示した図面である。図8は本発明によって製造された特定の例示形状のスリーブを示した図面である。図9は本発明によって製造された特定の例示形状のスリーブを示した図面である。
【0018】
以下では、本発明の望ましい実施例によるエッチングクラッド工法を利用した異種金属スリーブの製造方法を説明する。
【0019】
本発明の望ましい実施例によるエッチングクラッド工法を利用した異種金属スリーブの製造方法は、図1を参照すれば、異種金属接合工程(S100)、素材準備工程(S200)、張力制御工程(S300)、形状矯正工程(S400)、切削工程(S500)、ソフトエッチング工程(S600)、切削工程(S700)、及びスリーブ形成工程(S800)を含んでなる。
【0020】
また、以下では、第1ケーブル金属素材はアルミニウム、第2ケーブル金属素材は銅で例示して説明するが、第1ケーブル金属素材及び第2ケーブル金属素材には、アルミニウムと銅だけでなく、ステンレス、鉄鋼、非鉄金属を含む、ケーブルに使用可能な金属が含まれることができる。
【0021】
異種金属接合工程(S100)は、第1ケーブル金属素材である銅と第2ケーブル金属素材であるアルミニウムとを接合してコイルを形成し、表面加工工程、接合工程、熱処理工程、冷間圧延工程、酸処理工程、及びコイリング工程を含んでなる。
【0022】
表面加工工程は、原素材であるアルミニウムと銅の表面積を広げて、後加工工程である接合工程で円滑な接合がなされるようにするためにアルミニウムと銅の各接合表面をブラシでこそげて凹凸部を形成する。この時、表面加工工程は、投入された原資材に少なくとも一種類以上の形状で形成されたブラシを利用して接合表面をこそげることができる。
【0023】
接合工程は、銅素材がそれぞれ巻取された2個の回転するローラーの間にアルミニウムを位置させて接合部を通じて両側または片側の銅素材の間にアルミニウムが圧着されるようにして全体がローリングされることができるように接合する。接合工程は、回転する両銅素材が巻取されたローラー面に作用する圧力だけでアルミニウムと銅とを接合させる。
【0024】
本発明では、接合工程で圧延方式を利用してアルミニウムと銅とが接合されているシートを連続的に製造することができる。
【0025】
また、前記では第2ケーブル金属素材を基準として両側に同一の第1ケーブル金属素材が接合されるものとして実施例を説明したが、第2ケーブル金属素材を基準として相異なる材質の第1ケーブル金属素材が接合されることができるし、第2ケーブル金属素材の一側に第1ケーブル金属素材が接合されることもできるものであり、前記例示に限定されないで、多様な第2ケーブル金属素材及び第1ケーブル金属素材が接合されてシートが製造されることができる。
【0026】
例えば、銅とアルミニウム、またはニッケルと銅がそれぞれ接合されることができるし、銅-アルミニウム-ニッケルの順でそれぞれ接合されることもできて、銅-アルミニウム-ステンレスの順でそれぞれ接合されることもできる。
【0027】
熱処理工程は、接合工程で接合処理された結果物を熱処理部で熱処理した後、徐徐に冷却させる。
【0028】
特に、本工程である熱処理工程では接合工程で硬化された各原素材の組織を軟化させて硬度を下げて、後加工工程である圧延工程で加工性及び作業性を高めるようにする。また、必要によって条件を変更することができる。
【0029】
熱処理工程が遂行されれば、アルミニウムと銅を含む異種金属が接合される接合表面は、熱処理による原子の拡散によって接合力が上昇するようになる。その後、空隙の収縮、酸化被膜の破壊や分解が進行され、接触面が増加して接合界面の原子配列が結晶粒界の原子配列に近くなる。また、接触面が増加すれば、接合界面を横切る結晶粒の成長と再結晶を起こして、最初の接合界面が消失されて接合強度が高くなるようになる。
【0030】
圧延工程は、熱処理工程の後、あらかじめ設定された目標厚さに厚さを減少させるために圧延を実施する。より具体的には、圧延工程は、一定温度以下で回転する二つのローラーの間に熱処理された加工物を圧延部に通過させてあらかじめ設定された目標厚さに加圧する。この時、圧延ラインにあらかじめ設置された厚さ測定センサー(図示せず)を通じて厚さを測定して圧延処理する。
【0031】
この時、圧延工程の後、既設定された目標厚さが導出されない場合には、再熱処理工程がさらに行われることができる。
【0032】
酸処理工程は、圧延工程の結果物に酸を処理して表面の異物を除去する。
【0033】
コイリング工程では、表面加工工程、接合工程、熱処理工程、冷間圧延工程、及び酸処理工程を経て連続的に製造される異種金属接合シートはローラーにコイリングされることができる。
【0034】
素材準備工程(S200)では、ローラーにコイリングされている異種金属接合シートをアンコイルすることができるし、ローラーに巻かれていた異種金属接合シートが解ける時には一定な張力を有しながら解けるように、張力制御工程で一定張力を維持するようにする。
【0035】
張力制御工程(S300)では、ブライドルロールを利用して異種金属接合シートがブライドルロールを通過する間に異種金属接合シートに引張力を付与して一定な張力を維持しながらアンコイリングされることができるようにする。
【0036】
異種金属接合シートは、ブライドルロールとの接地力を高めるためにブライドルロールの間をS字形態で過ぎ通ることができるし、ブライドルロールによって張力が付与される。
【0037】
張力制御工程(S300)の後、形状矯正工程(S400)では、レベラーを通じて異種金属接合シートを平坦化させ、ブライドルロールとレベラーによって順次に異種金属接合シートが平坦化される。
【0038】
レベラーには複数個のローラーが具備されているし、複数個のローラーは互いに平行に配置され、上部ローラーと下部ローラーが交互に配置されているし、上部ローラーは異種金属接合シートの上側面と接触することができるし、下部ローラーは異種金属接合シートの下側面と接触することができる。
【0039】
すなわち、上部ローラー相互間には所定の離隔距離が形成されているし、上部ローラー相互間の離隔されている位置の下方に下部ローラーが位置する。
【0040】
また、下部ローラー相互間にも所定の離隔距離が形成されているし、下部ローラー相互間の離隔されている位置の上方に上部ローラーが位置する。
【0041】
レベラーを通過する間、異種金属接合シートは、上部ローラーと下部ローラーによって上方及び下方に交互に力を受けるようになる。
【0042】
異種金属接合シートは、レベラーの複数個の上部ローラーと複数個の下部ローラーとの間を通り過ぎながら、上部ローラー及び下部ローラーが交互に配置されていることによって、上方及び下方に交互に力を受けて脈動的に変わる曲げ応力を受けて平坦化されることができる。
【0043】
ブライドルロールによって張力が発生された後にレベラーによって平坦化をするようになれば、残留応力発生を最小化することができるし、平坦度効果を上昇させることができる。
【0044】
切削工程(S500)は、レベラーを通じた形状矯正工程(S400)の後に遂行し、切削工程(S500)は、図2を参照すれば、引入段階(S510)、位置整列段階(S520)、位置固定段階(S530)、表面切削段階(S540)、パターン検査段階(S550)、及び引き出し段階(S560)を含んでなる。
【0045】
引入段階(S510)では、異種金属接合シートがNC、CNC、ミーリングマシンを含んだ工作機械に投入される前に、効果的な切削のために停止区間が生成されることができる。
【0046】
より詳細には、異種金属接合シート引入区間に上方及び下方に昇降運動ができる第1昇降ローラーが具備されているし、第1昇降ローラーの後方には上部ローラー及び下部ローラーが対応されるように位置する引入ローラーが位置していて、第1昇降ローラーは異種金属接合シートの進行速度と等しい速度で等速垂直往復運動ができて、第1昇降ローラーの等速垂直往復運動で異種金属接合シートの停止区間を生成することができるし、引入ローラーでは上部ローラーと下部ローラーが異種金属接合シートに上方及び下方に同時に力を加える。
【0047】
すなわち、異種金属シートは、引入区間に引入されるまでは連続して工程が遂行されて引入されるようになるが、引入区間に具備されている第1昇降ローラーによって第1昇降ローラーが下方運動する時には引き出しされないで上方運動する時には引入される速度の2倍の速度で引き出しされて切削工程及びソフトエッチング工程を効率的に遂行するように停止区間が作られるようになる。
【0048】
位置整列段階(S520)では、異種金属シートが位置整列装置を通過しながら左右位置及び上下位置が整列されるようになる。
【0049】
より詳細には、位置整列段階(S520)を遂行する位置整列装置は、両側で下部パネル及び上部パネルが垂直連結部と結合されている‘
’形態のガイドが具備されていて、ガイドの下部パネルには複数個の真空吸入通孔が形成されているし、異種金属接合シートは位置整列装置を通過する時にガイドによって左右位置が整列され、ガイドの下部パネルに形成されている真空吸入通孔で異種金属接合シート下側面を吸着して上下位置が整列されるようになる。
【0050】
位置固定段階(S530)では、NC、CNC、ミーリングマシンを含んだ工作機械のテーブルに異種金属接合シートが真空吸着によって位置が固定されるようになる。
【0051】
より詳細には、工作機械テーブルには複数個の通孔が形成されていて、複数個の通孔は真空吸入装置と結合されていて、異種金属接合シートの切削工程を遂行する間にテーブルに形成されている通孔で異種金属接合シートを真空吸着して切削工程を遂行する間に異種金属接合シートを動かさないように固定することができる。
【0052】
表面切削段階(S540)では、位置整列工程の後に異種金属接合シートのコイルの一部表面を目的に合うように切削する。
【0053】
表面切削段階(S540)では、NC、CNC、ミーリングマシンを含んだ工作機械のエンドミルカッターまたは工作ビットなどを利用して、一定の主軸回転速度、送り速度、及び切削深さの条件下で異種金属接合シート表面に対して切削加工を実施する。
【0054】
表面切削段階(S540)では、エンドミルカッターまたは工作ビットをチャックに挿入して分当たり回転速度を適正値で指定して、工作機械テーブルに固定されているガイドに沿って異種金属接合シートを投入し、投入された異種金属接合シート上部の不必要な部分を切削し、この時、下部ミーリングが必要な場合、同一の方法で下部を切削することができるし、加工経路に沿ってスピンドルが異種金属接合シートに対して移動するか、または異種金属接合シートがスピンドルに対して移動することができる。切削工程の間、スピンドルはスピンドル軸を中心に回転し、加工経路に沿ってスピンドルの回転速度及び/または位相位置が制御され、加工経路は線形平行経路を含む。
【0055】
加工経路は並んで配列された直線状の平行経路を含み、スピンドルの位相位置は加工経路に沿って隣接した経路で同一か、または実質的に同一である。
【0056】
同一の位相位置のために、表面切削段階によって表面に生成されるパターンが隣接した経路で同一であり、よって均一に加工された表面の溝が生成される。
【0057】
パターン検査段階(S550)では表面切削段階を経た異種金属接合シートは、作業者が肉眼で特定パターンに切削されたか、またはパターン自動検査装置を通じて特定パターンに切削されたかどうかを判別することができる。
【0058】
より詳細には、異種金属接合シートは、銅、アルミニウムなど彩度、照度を含んだ色相の相異なる金属が接合されるので、パターン自動検査装置に具備されているビジョンセンサーは、このような色相情報を利用し、設定されたパターンで表面切削がまともになされたかどうか、切削不良の有無を自動で判別することができる。
【0059】
すなわち、パターン自動検査装置には表面切削段階で切削されなければならない切削パターンが保存されているし、ビジョンセンサーを通じてセンシングされた切削パターンと保存されている切削パターンを比較演算して、不良の有無を自動で判別することができる。
【0060】
また、パターン検査段階(S550)では3Dセンサーを使用して特定パターンで切削がなされているかの如何を判別することができる。
【0061】
切削工程(S500)の後、加工部位のバリ(burr)除去と表面粗度改善のためにソフトエッチング工程(S600)を実施する。
【0062】
通常的に、表面切削加工は荒削り加工、中削り加工、仕上げ削り加工の順で行われるようになるが、荒削り加工は、荒く加工して、形を整えて行く段階で実施し、中削り加工は、荒削り加工の後に加工変形、熱処理変形などの変形が寸法に影響を与えないように余裕を残して加工をして、仕上げ削り加工で正確な寸法で精緻に加工をするようになる。
【0063】
本願発明では、切削工程で荒削り加工をした後、中削り加工、仕上げ削り加工を行わないで、ソフトエッチングを進行してソフトエッチングを通じて表面を精緻に加工するようになる。
【0064】
ソフトエッチング装置の引き出し部には第2昇降ローラーが具備されていて、第1昇降ローラーが上方運動をする場合、第2昇降ローラーが等しい速度で下方運動をし、第1昇降ローラーが下方運動をする場合、第2昇降ローラーは上方運動をし、ソフトエッチング装置の引き出し部では異種金属接合シートが連続的に引き出しされる。
【0065】
より詳しくは、第1昇降ローラーが下方運動をして異種金属接合シートが停止しても第2昇降ローラーは上方運動をして異種金属接合シートが継続的に引き出しされることができるようにするし、第1昇降ローラーが上方運動をして異種金属接合シートが引入される速度の2倍の速度で移動しても第2昇降ローラーが下方運動をして引入される速度と等しい速度で引き出しされることができるようにする。
【0066】
すなわち、切削工程の引入区間に具備されている第1昇降ローラー及びエッチング装置の引き出し区間に具備されている第2昇降ローラーがそれぞれ上方運動及び下方運動をしながら第1昇降ローラーと第2昇降ローラーとの間では切削工程及びソフトエッチング工程が円滑になされるように停止区間が作られるが、第2昇降ローラー以後には再び停止区間なしに第1昇降ローラーに引入される速度と等しい速度で連続的に移動して引き出しされる。
【0067】
連続的に移動している素材を表面切削加工及びソフトエッチング加工する場合には、不良が発生する危険があって、効果的に切削加工及びソフトエッチング加工ができないが、本願発明は、第1昇降ローラー及び第2昇降ローラーを具備していて、第1昇降ローラーと第2昇降ローラーとの間では停止区間が形成され、素材が止められている状態で表面切削加工及びソフトエッチング加工を遂行することができて、不良発生危険が著しく低く、効果的に表面切削加工及びソフトエッチング加工を遂行することができるという長所がある。
【0068】
前記素材準備工程(S200)、張力制御工程(S300)、形状矯正工程(S400)、切削工程(S500)、及びソフトエッチング工程(S600)を含んだ本発明の複数の工程は連続的に遂行され、それぞれ同時に遂行されて最終的に完成される特定パターンの異種金属接合シートは連続的に生産されることができる。
【0069】
連続的に生産された異種金属接合シートは、移送ローラーを通じてリニアカッティング装置に移送され、移送ローラーによって移送される異種金属接合シートは、位置整列装置を通過しながら左右位置及び上下位置が整列されてリニアカッティング装置に投入されるようになる。
【0070】
より詳細には、位置整列装置は、両側で下部パネル及び上部パネルが垂直連結部と結合されている‘
’形態のガイドが具備されていて、ガイドの下部パネルには複数個の真空吸入通孔が形成されているし、異種金属接合シートは位置整列装置を通過する時にガイドによって左右位置が整列され、ガイドの下部パネルに形成されている真空吸入通孔で異種金属接合シートの下側面を吸着して上下位置が整列されるようになる。
【0071】
異種金属接合シートの位置が整列された後、切断工程(S700)を遂行するようになるが、切断工程(S700)では、リニアカッティング装置を利用して連続的に生産された異種金属接合シートをシートの形状に切断する。
【0072】
より詳細には、リニアカッティング装置は、リニア運動部、切断部、及び吸着部を含んで構成され、位置整列装置を経て位置が整列された異種金属接合シートは、真空吸入通孔が具備された吸着部によって吸着された状態で、リニア運動部と結合された切断部がリニア運動部によって一定な速度で上下往復運動をしながら切断部が下方運動をする時に異種金属接合シートを切断するようになる。
【0073】
本発明では、切断時に位置が整列された後、真空吸入通孔が具備された吸着部によって吸着固定された状態で切断をするので、正確な位置で切断がなされて不良発生の憂慮を最小化することができるし、刃が形成されている切断部がリニア運動部によって等速上下往復運動をして、一定な長さに異種金属接合シートを切断することができる。
【0074】
また、スリーブに挿入されるケーブルの太さによって段差が必要であることもあって、段差なしに切削工程の結果として銅が切削除去されて露出されたアルミニウムと銅との段差を調節するために金属シートに圧力を加えて段差を調節するプレス工程がさらに含まれることができる。
【0075】
本発明によって製造されるエッチングクラッド工法が適用された異種接合シートを利用したスリーブは、アルミニウムと銅との段差を要する製品にも使用されることができるが、アルミニウムと銅との段差を要する製品に使用される場合、プレス工程なしに段差を維持して生産されることができるし、段差を不必要とするか、または小さな段差が要求される製品に使用される場合、プレス工程を通じて段差を調節することができる。
【0076】
切断工程(S700)を通じて切断された異種金属接合シートは、スリーブ形成工程(S800)でスリーブの形状に成形されるが、スリーブ形成工程は、図3を参照すれば、第1次ベンディング段階(S810)、第2次ベンディング段階(S820)、挿入段階(S830)、及び噛み合い段階(S840)を含んでなることができる。
【0077】
第1次ベンディング段階(S810)は、切断工程(S700)で所定の長さに切断された異種金属接合シートの一端を上方にベンディングして、第1次ベンディング段階(S810)でのベンディング方向は異種金属境界の垂直方向である。
【0078】
図4を参照すれば、第2次ベンディング段階(S820)では、第1次ベンディング段階(S810)を通じて一端がベンディングされた異種金属接合シートの他端をベンディングして異種金属接合シートを特定形状に形成させる。
【0079】
図6を参照すれば、第1次ベンディング段階(S810)では異種金属接合シートの両末端を曲線形にベンディングして、第2次ベンディング段階(S820)で異種金属接合シートの中央部を曲線形にベンディングして円柱形状のスリーブを形成させることができるし、図9を参照すれば、第1次ベンディング段階(S810)で異種金属接合シートの一端を上方に曲線ベンディングして、第2次ベンディング段階(S820)では異種金属接合シートの他端を下方に曲線ベンディングしてS字形態のスリーブを形成させることができるし、図8を参照すれば、第1次ベンディング段階(S810)では両末端を直角形態にベンディングして、第2ベンディング段階(S820)では両末端で所定距離が離隔された両端を直角形態にベンディングしてスリーブを形成させることができる。
【0080】
前記スリーブの形態は、例示的なもので、図6乃至図8を参照すれば、第1次ベンディング段階(S810)及び第2次ベンディング段階(S820)で異種金属接合シートをベンディングする方式によってスリーブの形態を異にして形成させることができる。
【0081】
また、特定形状にベンディングされた異種金属接合シートは、特定形状の長さ方向の中央部に異種金属境界が位置することができる。
【0082】
また、第1ベンディング段階(S810)及びベンディング段階(S820)で形成された特定形状の異種金属接合シートの異種金属境界は、特定形状の内周面に位置して外周面には異種金属境界なしに単一素材からなることができる。
【0083】
挿入段階(S830)では、第1次ベンディング段階及び第2次ベンディング段階の後、特定形状に形成された異種金属接合シートの両端にケーブルが挿入される。
【0084】
例えば、特定形状が円柱形状で形成された時、円柱形状の異種金属接合シートの外周面は銅単一素材からなり、内周面は銅とアルミニウムからなっていると仮定したら、内周面が銅である方向には銅素材のケーブルが挿入されることができるし、内周面がアルミニウムである方向にはアルミニウム素材のケーブルが挿入されることができる。
【0085】
噛み合い段階(S840)では、ケーブルが挿入された特定形状の異種金属接合シートの外面を加圧して挿入されたケーブルを固定させることができる。
【0086】
異種金属スリーブを製造する場合、必要によって、第2次ベンディング段階(S820)まで遂行して特定形状の異種金属接合シートを製造し、挿入段階(S830)及び噛み合い段階(S840)は作業現場でなされることができる。
【0087】
以上の説明は本発明の技術思想を例示的に説明したことに過ぎないものとして、本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者なら本発明の本質的な特性から脱しない範囲内で多様な修正、変更及び置き換えが可能であろう。よって、本発明に開示された実施例及び添付された図面は本発明の技術思想を限定するためではなく説明するためのものであり、このような実施例及び添付された図面によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は下の請求範囲によって解釈されなければならないし、それと同等な範囲内にあるすべての技術思想は本発明の権利範囲に含まれることで解釈されなければならないであろう。
【符号の説明】
【0088】
S100 異種金属接合工程
S200 素材準備工程
S300 張力制御工程
S400 形状矯正工程
S500 切削工程
S600 ソフトエッチング工程
S700 切断工程
S800 スリーブ形成工程
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-08-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)原素材である第1ケーブル金属素材と第2ケーブル金属素材とを接合してコイルを形成する異種金属接合工程と、
(b)コイリングされている異種金属接合シートをアンコイルする素材準備工程と、
(c)(b)工程の後、第1ケーブル金属素材と第2ケーブル金属素材張力を一定に維持する張力制御工程と、
(d)異種金属接合シートの平坦度を確保するために表面形状を矯正する形状矯正工程と、
(e)()工程の結果物をNC、CNC、ミーリング装置を含んだ工作機械を使用して表面を切削加工する切削工程と、
(f)(e)工程の後、加工部位のバリ(burr)除去と表面粗度改善のためにエッチングを実施するソフトエッチング工程と、
(g)(f)工程の後、異種金属接合シートを所定長さに切断する切断工程と、
(h)(g)工程の後、所定長さに切断された異種金属接合シートを利用してスリーブを形成するスリーブ形成工程と、
を含み、
前記スリーブの異種金属接合シートの一方の表面に、第1ケーブル金属素材と第2ケーブル金属素材との異種金属境界が切削工程によって形成されている、
エッチングクラッド工法が適用された異種金属接合シートを利用したスリーブの製造方法。
【請求項2】
(h)工程は、
所定長さに切断された異種金属接合シートの一端を上方にベンディングする第1次ベンディング段階と、
一端がベンディングされた異種金属接合シートの他端を上方または下方にベンディングする第2次ベンディング段階と、
第1次ベンディング段階及び第2次ベンディング段階の後、特定形状に形成された異種金属接合シートの両端にケーブルが挿入される挿入段階と、
ケーブルが挿入された特定形状の異種金属接合シートの外面を加圧して挿入されたケーブルを固定させる噛み合い段階と、
を含む請求項1に記載のエッチングクラッド工法が適用された異種金属接合シートを利用したスリーブの製造方法。
【請求項3】
(e)工程は、
異種金属接合シートが引入される引入段階と、
引入された異種金属接合シートの位置を整列する位置整列段階と、
異種金属接合シートを吸着して位置を固定させる位置固定段階と、
工作機械を通じて異種金属接合シートの表面を切削する表面切削段階と、
表面切削パターンを検査して不良の有無を判別するパターン検査段階と、
切削された異種金属接合シートが引き出しされる引き出し段階と、
を含む請求項2に記載のエッチングクラッド工法が適用された異種金属接合シートを利用したスリーブの製造方法。