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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012084
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】発光素子
(51)【国際特許分類】
   H10K 59/122 20230101AFI20240118BHJP
   H10K 50/86 20230101ALI20240118BHJP
   H10K 50/11 20230101ALI20240118BHJP
   H10K 71/12 20230101ALI20240118BHJP
   H10K 71/16 20230101ALI20240118BHJP
   H10K 77/10 20230101ALI20240118BHJP
   H10K 50/81 20230101ALI20240118BHJP
   H10K 85/60 20230101ALI20240118BHJP
   H10K 102/10 20230101ALN20240118BHJP
【FI】
H10K59/122
H10K50/86
H10K50/11
H10K71/12
H10K71/16
H10K77/10
H10K50/81
H10K85/60
H10K102:10
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081807
(22)【出願日】2023-05-17
(31)【優先権主張番号】202210835479.5
(32)【優先日】2022-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523171733
【氏名又は名称】タイチョウ グァンユー テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】チェン フェイ-シオウ
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ リー-チェン
(72)【発明者】
【氏名】シュー クオ-チェン
【テーマコード(参考)】
3K107
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC32
3K107CC33
3K107DD11
3K107DD21
3K107DD26
3K107DD39
3K107DD46X
3K107DD46Y
3K107DD46Z
3K107DD53
3K107DD58
3K107DD71
3K107DD74
3K107DD88
3K107DD89
3K107DD97
3K107EE27
3K107FF15
3K107GG03
3K107GG04
3K107GG05
3K107GG06
(57)【要約】
【課題】 発光素子を提供することを課題とする。
【解決手段】 発光素子であって、発光素子は、基板と、遮光層と、被覆層と、複数のバンプとを備える。遮光層は、基板の上にある。被覆層は、遮光層の上にある。複数のバンプは、基板の上に配置され、複数のバンプのうちの2つの隣り合うバンプ間に有機発光材料を含む有機発光ユニットが各々設けられる。遮光層の縁部は、複数のバンプのうちの1つの縁部と位置合わせされない。有機発光ユニットは、第1発光ユニットと、第2発光ユニットとを備える。第1発光ユニット及び第2発光ユニットは、それぞれ有機材料を含む積層有機発光層を有する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の上にある遮光層と、
前記遮光層の上にある被覆層と、
複数のバンプであって、前記基板の上に配置され、複数のバンプのうちの2つの隣り合うバンプ間に有機発光材料を含む有機発光ユニットが各々設けられ、複数のバンプのうちの1つの縁部が前記遮光層の縁部と位置合わせされない複数のバンプと
を備えた発光素子であって、
前記有機発光ユニットは、第1発光ユニットと、第2発光ユニットとを備え、前記第1発光ユニット及び前記第2発光ユニットはそれぞれ有機材料を含む積層有機発光層を有する発光素子。
【請求項2】
前記有機発光材料は、共鳴構造を有する分子構造を含み、スピロ-トリアリールアミン、ビストリアリールアミン及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記第1発光ユニット及び前記第2発光ユニットは、各々有効発光領域を有し、そのサイズが前記第1発光ユニットと前記第2発光ユニットの下にあるアノードによって画定され、前記第1発光ユニットと前記第2発光ユニットは、各々発光する時暗い領域と明るい領域を有し、前記第1発光ユニットと前記第2発光ユニットの暗い領域の総面積は前記第1発光ユニットと前記第2発光ユニットの前記有効発光領域の総面積の50%未満である請求項1に記載の発光素子。
【請求項4】
前記遮光層は、前記被覆層によって、前記被覆層の上に設けられた導電層から電気的に絶縁される請求項1に記載の発光素子。
【請求項5】
前記積層有機発光層は、
キャリア注入層と、
キャリア輸送層と、
有機発射層と、
有機キャリア輸送層と
を含む請求項1に記載の発光素子。
【請求項6】
前記複数のバンプは、感光性材料を含む請求項1に記載の発光素子。
【請求項7】
前記基板は、透明材料を含む請求項1に記載の発光素子。
【請求項8】
基板と、
前記基板の上にある複数の遮光層と、
前記基板の上にあり、前記複数の遮光層を覆う被覆層と、
前記被覆層の上にある導電層と、
前記導電層の一部の上に配置された複数のバンプと、
前記複数のバンプのうちの2つの隣り合うバンプ間に有機材料を含む有機発光ユニットと
を備えた発光素子であって、
前記複数のバンプは、縦方向において、前記複数の遮光層のうちの1つの縁部と偏差が生じる縁部を各々有する発光素子。
【請求項9】
横方向において前記遮光層の面積は、前記複数のバンプ内の各々の面積より大きい請求項8に記載の発光素子。
【請求項10】
前記導電層は、ITO(酸化インジウムスズ)、IZO(酸化インジウム亜鉛)又はIGZO(インジウムガリウム亜鉛酸化物)を含む透明導電膜を備える請求項8に記載の発光素子。
【請求項11】
前記導電層は、アノード電極を含む請求項8に記載の発光素子。
【請求項12】
複数のバンプのうちの2つの隣り合うバンプの各縁部間の距離は、前記複数の遮光層における2つの遮光層間の距離より大きい請求項8に記載の発光素子。
【請求項13】
前記被覆層は、化学気相成長(CVD)、物理気相成長(PVD)及びスピン・オン・ガラス(SOG Spin coating)のいずれかにより、前記複数の遮光層の上に形成される請求項8に記載の発光素子。
【請求項14】
前記複数の遮光層のうちの1つは、単一の有機発光ユニットから発せられた光を透過させることができる十字形輪郭を有する凹部を備え得る請求項8に記載の発光素子。
【請求項15】
前記複数の遮光層のうちの1つは、複数の有機発光ユニットから発せられた光を透過させることができる十字形輪郭を有する凹部を備え得る請求項8に記載の発光素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光素子に関し、特に有機発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ディスプレイは、最もハイエンドな電子機器で広く使用されている。しかしながら、従来技術の限界により有機ELディスプレイ内の発光材料の発光効果を効果的に制御することができないことで、容易にハレーション及び光学的なクロストーク等の問題が発生し、有機ELディスプレイの光学効果は期待通りにいかなかった。従来技術では、上記の問題を改善するため偏光子を増設するが、ハレーションを効果的に除去することはできず、かつ偏光子の増設によりディスプレイの厚さを増加させ、コストが高くなる等の欠点を有する。本開示は、上述の課題を解決できる装置を提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、基板と、遮光層と、被覆層と、複数のバンプとを備えた発光素子を提供する。遮光層は、基板の上にある。被覆層は、遮光層の上にある。複数のバンプは、基板の上に配置され、複数のバンプのうちの2つの隣り合うバンプ間に有機発光材料を含む有機発光ユニットが各々設けられる。遮光層の縁部は、複数のバンプのうちの1つの縁部と位置合わせされない。有機発光ユニットは、第1発光ユニットと、第2発光ユニットとを備える。第1発光ユニット及び第2発光ユニットは、それぞれ有機材料を含む積層有機発光層を有する。
【0004】
いくつかの実施形態において、前記有機発光材料は、共鳴構造を有する分子構造を含み、スピロ-トリアリールアミン、ビストリアリールアミン及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0005】
いくつかの実施形態において、前記第1発光ユニット及び前記第2発光ユニットは、各々有効発光領域を有し、そのサイズが各発光ユニットの下にあるアノードによって画定され、各発光ユニットは発光する時暗い領域と明るい領域を有し、暗い領域の総面積は前記有効発光領域の50%未満である。
【0006】
いくつかの実施形態において、前記遮光層は、前記被覆層を介して前記被覆層に設けられた導電層から電気的に絶縁される。
【0007】
いくつかの実施形態において、前記積層有機発光層は、キャリア注入層と、キャリア輸送層と、有機発射層と、有機キャリア輸送層とを含む。
【0008】
いくつかの実施形態において、前記複数のバンプは、感光性材料を含む。
【0009】
いくつかの実施形態において、前記基板は、透明材料を含む。
【0010】
本発明は、基板と、複数の遮光層と、被覆層と、導電層と、複数のバンプとを備えた発光素子を提供する。複数の遮光層は、基板の上にある。被覆層は、基板の上にあり、複数の遮光層を覆う。導電層は、被覆層の上にある。複数のバンプは、導電層の一部に配置され、複数のバンプうちの2つの隣り合うバンプ間に有機材料を含む有機発光ユニットを有する。複数のバンプは、縦方向において、複数の遮光層のうちの1つの縁部と偏差が生じる縁部を各々有する。
【0011】
いくつかの実施形態において、横方向において前記遮光層の面積は、前記複数のバンプ内の各々の面積より大きい。
【0012】
いくつかの実施形態において、前記導電層は、ITO(酸化インジウムスズ)、IZO(酸化インジウム亜鉛)又はIGZO(インジウムガリウム亜鉛酸化物)を含む透明導電膜を備える。
【0013】
いくつかの実施形態において、前記導電層は、アノード電極を含む。
【0014】
いくつかの実施形態において、前記有機発光ユニットの前記2つの隣り合うバンプの各縁部間の距離は、前記複数の遮光層における2つの遮光層間の距離より大きい。
【0015】
いくつかの実施形態において、前記被覆層は、化学気相成長(CVD)、物理気相成長(PVD)及びスピン・オン・ガラス(SOG Spin coating)のいずれかにより、前記複数の遮光層の上に形成される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】発光素子の中間製品を示す上面図である。
図2図1内のA-A線に沿った断面図である。
図3A】一実施形態による発光素子製造の流れを示す概略図である。
図3B】一実施形態による発光素子製造の流れを示す概略図である。
図3C】一実施形態による発光素子製造の流れを示す概略図である。
図3D】一実施形態による発光素子製造の流れを示す概略図である。
図3E】一実施形態による発光素子製造の流れを示す概略図である。
図3F】一実施形態による発光素子製造の流れを示す概略図である。
図3G】一実施形態による発光素子製造の流れを示す概略図である。
図3H】一実施形態による発光素子製造の流れを示す概略図である。
図3I】一実施形態による発光素子製造の流れを示す概略図である。
図3J】一実施形態による発光素子製造の流れを示す概略図である。
図3K】一実施形態による発光素子製造の流れを示す概略図である。
図4A】一実施形態による遮光層を示す上面図である。
図4B】一実施形態による遮光層を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、発光素子10の中間製品を示す上面図である。発光素子10は、発光層20と、前記発光層20の上に位置する被覆層40とを備える。発光層20について、発光画素アレイを収容するための凹部アレイを提供するようにスペーサ21を設計できる。いくつかの実施形態において、スペーサ21は、感光性材料を含み得る。
【0018】
図2は、図1内のA-A線に沿った断面図であり、発光領域のみを示している。簡単にするため、ここで被覆層40を省略する。スペーサ21は、発光画素パターンを定義するため、複数のバンプ105を有する。凹部は、2つの隣り合うバンプ105間にあり、発光画素を収容するための空間を提供する。当業者は、断面図から観察すると、バンプ105が切り離されて示されているが、図1の上面図から観察すると、これらはスペーサ21の他の部分を介して互いに連結され得ることを理解すべきである。
【0019】
発光素子10は、第1有機発光ユニット10aと、第2有機発光ユニット10bと、第3有機発光ユニット10cとを含む発光アレイを備える。有機発光ユニットは、本出願において発光画素と呼ばれることもある。いくつかの実施形態において、発光ユニット10aは、第1電極104と、バンプ105及び第1電極104の上にあるキャリア注入層106L1と、キャリア注入層106L1の上にあるキャリア輸送層106L2と、キャリア輸送層106L2の一部の上にある有機発射層106L3と、有機発射層106L3の上にある有機キャリア輸送層106L4とを備える。キャリア注入層106L1、キャリア輸送層106L2、有機発射層106L3,及び有機キャリア輸送層106L4は、総称されて積層有機発光層と呼ぶことができる。
【0020】
いくつかの実施形態において、キャリア注入層106L1は、第1電極104とキャリア輸送層106L2との間に配置される。発光ユニット10aは、有機材料を含み、この有機材料は異なる実施形態に従い発光ユニット10a内のキャリア輸送層、キャリア注入層又は有機発射層のうちのいずれか層に配置されることができる。この有機材料は、いくつかの実施形態において、特定の波長の吸収率は、50%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長の吸収率は60%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長の吸収率は70%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長の吸収率は80%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長の吸収率は90%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長の吸収率は95%以上である。
【0021】
いくつかの実施形態において、特定の波長は、400nm未満であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は350nm未満であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は300nmであり、いくつかの実施形態において、特定の波長は250nm未満であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は200nm未満であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は150nm未満であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は100nmである。
【0022】
基板100は、発光層20の下に位置する。いくつかの実施形態において、基板100は、薄膜トランジスタ(TFT)アレイを備え得る。いくつかの実施形態において、基板100は、基材(図示せず)と、誘電体層(図示せず)と、基材上又は基材内に設けられた1或は複数の回路(図示せず)とを備え得る。いくつかの実施形態において、基材は、透明基材である又は少なくとも部分的に透明である。いくつかの実施形態において、基材は、非可撓性基材であり、かつ基材の材料には玻璃、石英、低温ポリシリコン(low temperature poly-silicon、LTPS)又は他の適切な材料が含まれ得る。いくつかの実施形態において、基材は、可撓性基材であり、かつ基材の材料には透明エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、メタクリル酸メチル又は他の適切な材料が含まれ得る。誘電体層は、必要に応じて基材に設けられることができる。いくつかの実施形態において、誘電体層は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン又は他の適切な材料を含み得る。
【0023】
いくつかの実施形態において、回路は、相補型金属酸化膜半導体(Complementary metal-oxide-semiconductor、CMOS)回路、又は複数のトランジスタ及びトランジスタに近い複数のコンデンサを含み得、ここでトランジスタ及びコンデンサは誘電体層に形成される。いくつかの実施形態において、トランジスタは、薄膜トランジスタ(thin-film transistor、TFT)である。各トランジスタは、ソース/ドレイン領域(少なくとも1つのソース領域及びドレイン領域を含む)と、ソース/ドレイン領域間に介在するチャネル(channel)領域と、チャネル領域の上に設けられたゲート電極と、チャネル領域とゲート電極との間に介在するゲート絶縁体とを備える。トランジスタのチャネル領域は、半導体材料、例えばシリコン或いはIV族元素又はIII元素族及びV族元素から選択された他の元素で作られてもよい。
【0024】
複数の遮光層101は、基板100の上に形成される。複数の遮光層101は、基板100に接触される。複数の遮光層101は、互いに距離W1まで離れている。複数の遮光層101は、可視光の90%以上を吸収することができる。いくつかの実施形態において、遮光層101は、黒体材料を含み得る。いくつかの実施形態において、遮光層101は、1層の単一の材料を含む。いくつかの実施形態において、遮光層101は、複数の材料から形成された複合層を含む。いくつかの実施形態において、遮光層101は、有機材料を含む。いくつかの実施形態において、遮光層101は、無機材料を含む。
【0025】
被覆層102は、基板100の上に形成され、複数の遮光層101を覆う。被覆層102は、複数の遮光層101間の隙間内に形成される。被覆層102は、遮光層101の上面及び両側面を覆う。
【0026】
複数の第1電極104は、被覆層102の上に形成される。複数の第1電極104は、互いに分離されている。複数の第1電極104は、被覆層102に接触される。複数の第1電極104は、基板100と電気的に接続する。
【0027】
図2に示すように、複数のバンプ105は、第1電極104の上面の一部に形成される。第1電極104の周囲領域は、バンプ105で覆われている。いくつかの実施形態において、第1電極104の縁角は、バンプ105によって完全に包囲されている。いくつかの実施形態において、第1電極104の側壁は、バンプ105と完全に接触している。いくつかの実施形態において、2つの第1電極104間の隙間における2つのバンプ105は、互いに分離されている。遮光層101は、被覆層102を介して、被覆層102に設けられた第1電極104から電気的に絶縁されている。
【0028】
本出願において、第1電極104は、アノードであり得る。発光ユニット10aの第1電極104は、有効発光領域の大きさを画定できる。いくつかの実施形態において、発光ユニット10aは、発光している時暗い領域及び明るい領域を有する。暗い領域の総面積は、有効発光領域の50%未満である。有効発光領域は、有効照明領域とも呼ぶことができる。
【0029】
いくつかの実施形態において、有効照明領域は、少なくとも10ミクロン未満の幅を有する。いくつかの実施形態において、有効照明領域は、3ミクロン~6ミクロン程度の幅を有する。いくつかの実施形態において、有効照明領域は、4ミクロン~6ミクロン程度の幅を有する。有効照明領域は、図1内の発光素子10の画素サイズを決定する。有効照明領域の大きさを10ミクロン以下に制御できるため、発光素子10の画素密度は、1000又は2000ppiを超えることができる。
【0030】
図2において、遮光層101は、厚さ101Tを有する。第1電極104は、厚さ104Tを有する。いくつかの実施形態において、遮光層101の厚さ101Tは、第1電極104の厚さ104Tより大きい。いくつかの実施形態において、遮光層101の厚さ101Tは、第1電極104の厚さ104Tに等しい。いくつかの実施形態において、遮光層101の厚さ101Tは、第1電極104の厚さ104Tより小さい。
【0031】
第1電極104は、1500Å~2700Å程度の全厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、第1電極104は、1800Å~2200Å程度の全厚さを有する。いくつかの実施形態において、第1電極104は、2000Å程度の全厚さを有する。第1電極104は、導電層であり得る。第1電極104は、ITO、IZO、IGZO、AlCu合金、AgMo合金、50Å~500Å程度のITO(又はIZO或いはIGZO)と500Å~2000Å程度の金属膜(Ag、Al、Mg、Au)及び50Å~1000Å程度のITO(又はIZO或いはIGZO)を含み得る。
【0032】
いくつかの実施形態において、電極104は、複合構造である。例えば電極104は、導電膜と、その上にある透明導電膜とを有する。導電膜は、透明導電膜と基板100との間に位置する。いくつかの実施形態において、導電膜は、アルミニウム、金、銀、銅等を含む。いくつかの実施形態において、透明導電膜は、包含インジウム、スズ、グラフェン、亜鉛、酸素等を含む。いくつかの実施形態において、電極104は、透明導電薄膜を含む。いくつかの実施形態において、電極104は、ITO(インジウムスズ酸化物)を含む。いくつかの実施形態において、電極104は、IZO(インジウム亜鉛酸化物)を含む。いくつかの実施形態において、電極104は、IGZO(インジウムガリウム亜鉛酸化物)を含む。いくつかの実施形態において、透明導電膜の粗さRa<10Åとなる。導電膜の厚さは、1500Å~3000Å程度の間であり得る。透明導電膜の厚さは、80Å~1000Å程度の間であり得る。
【0033】
いくつかの実施形態において、第1電極104は、少なくとも3つの異なるフィルムを有する。導電膜(例えばAl、Cu、Ag、Au等)は、2つの透明導電膜の間に挟入される。場合によっては、2つの透明導電膜のうちの1つは、ITOであり、一側は基板100と接触し、他側が導電膜と接触する。場合によっては、2つの透明導電膜のうちの1つは、ITOであり、一側は導電膜と接触し、他側がバンプ105又は発光材料と接触する。
【0034】
いくつかの実施形態において、各バンプ105は、基板100から離れて突出し、第1電極104の外周領域を覆う曲面を有する。バンプ105は、異なる形状であってもよい。いくつかの実施形態において、バンプ105は、曲面を有する。いくつかの実施形態において、バンプ105の形状は、台形である。いくつかの実施形態において、バンプ105の形状は、矩形である。バンプ105のパターンは、画素配置に基づいて設計され、パターン化されたバンプ105は、画素定義層(pixel defined layer、PDL)とも呼ばれる。バンプ105は、基板100の上に配置される。各バンプ105は、2つの隣り合う第1電極104間の隙間を埋める。各第1電極104は、バンプ105によって部分的に覆われている。バンプ105は、感光性材料を含み得る。図2では、横方向において複数の遮光層101の各々の面積は、バンプ105のうちの各々の面積より大きい。
【0035】
バンプ105のうちの1つは、第1電極104を覆う上面に縁部105aを有する。遮光層101は、第1電極104中心付近に縁部101aを有する。遮光層101の縁部101aは、バンプ105の縁部105aと位置合わせされない。バンプ105の縁部105aと遮光層の縁部101aは、縦方向における偏差dが生じる。偏差dの遮光層101 の幅に占める割合は、10%以上であり得る。偏差dの遮光層101の幅に占める割合は、20%以上であり得る。偏差dの遮光層101の幅に占める割合は、30%以上であり得る。偏差dの遮光層101に占める幅の割合は、40%以上であり得る。
【0036】
バンプ105’のうちの1つは、第1電極104を覆う上面に縁部105’aを有する。遮光層101’は、第1電極104中心付近に縁部101’aを有する。バンプ105’の縁部105’aと遮光層の縁部101’aとの間に偏差d’が生じる。偏差d’の遮光層101’の幅に占める割合は、10%以上であり得る。偏差d’の遮光層101’の幅に占める割合は、20%以上であり得る。偏差d’の遮光層101’の幅に占める割合は、30%以上であり得る。偏差d’の遮光層101’に占める幅の割合は、40%以上であり得る。いくつかの実施形態において、偏差dは、偏差d’に等しい。いくつかの実施形態において、偏差dは、偏差d’より大きい。いくつかの実施形態において、偏差dは、偏差d’より小さい。
【0037】
図2において、複数の遮光層101と101’との間の距離はW1で、2つの隣り合うバンプ105及び105’のそれぞれ縁部105aと105’aとの間の距離はW2である。偏差d及びd’があるため、2つの隣り合うバンプ105及び105’のそれぞれ縁部105aと105’aとの間の距離W2は、複数の遮光層の101と101’との間の距離W1より大きい。図2において、2つの隣り合うバンプ105及び105’のそれぞれ縁部105aと105’aとの間の距離W2は、複数の遮光層101のうちの二者101と101’間の距離W1と偏差d及び偏差d’の和であり得る。2つの隣り合うバンプ105及び105’のそれぞれ縁部105aと105’aとの間の距離W2は、有効発光領域の面積を画定する。複数の遮光層101と101’との間の距離W1がW2より小さいため、複数の遮光層101及び101’は、第1電極104から発せられた光を制御できることで、パターンの結像効果を改善する。
【0038】
なお、遮光層101は、基板100から上方へ向けて進行する周囲光を遮ることができるため、周囲光と発光ユニット10aから発らせる光との間の光学的なクロストーク(cross talk)を低減することができる。すなわち、遮光層101は、基板100から上方に向けて進行する周囲光の90%以上を吸収することができるため、周囲光と発光ユニット10aから発せられる光との間の光学的なクロストークを低減することができる。
【0039】
いくつかの実施形態において、特定の波長に対するバンプ105の吸収率は、50%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対するバンプ105の吸収率は、60%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対するバンプ105の吸収率は、70%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対するバンプ105の吸収率は、80%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対するバンプ105の吸収率は、90%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対するバンプ105の吸収率は95%以上である。いくつかの実施形態において、特定の波長は、400nm未満であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、350nm未満であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、300nm未満であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、250nm未満であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、200nm未満であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、150nm未満であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、100nm未満である。
【0040】
キャリア注入層106L1は、被覆層102、バンプ105及び第1電極104の露出面に設けられる。キャリア注入層106L1は、バンプ105及び第1電極104の露出面を連続的に覆っている。いくつかの実施形態において、各第1電極104の露出面は、1つの発光ユニット10aの有効発光領域に用いられるよう構成される。任意選択的に、キャリア注入層106L1は、バンプ105と接触する。いくつかの実施形態において、キャリア注入層106L1は、第1電極104と接触する。いくつかの実施形態において、キャリア注入層106L1は、有機体である。いくつかの実施形態において、キャリア注入層106L1は、正孔注入を行うように構成される。いくつかの実施形態において、キャリア注入層106L1は、正孔注入層である。いくつかの実施形態において、キャリア注入層106L1は、80Å~500Å程度の厚さを有し得る。
【0041】
キャリア輸送層106L2は、被覆層102、バンプ105及び第1電極104の露出面に設けられる。キャリア輸送層106L2は、キャリア注入層106L1の上に設けられ、キャリア注入層106L1を完全に覆う。キャリア注入層106L1は、キャリア輸送層106L2の下に設けられる。キャリア輸送層106L2は、キャリア注入層106L1を連続的に覆っている。キャリア輸送層106L2は、複数のバンプ105及び複数の第1電極104を覆う。任意選択的に、キャリア輸送層106L2は、キャリア注入層106L1と接触する。いくつかの実施形態において、キャリア輸送層106L2は、有機体である。いくつかの実施形態において、キャリア輸送層106L2は、正孔輸送を行うように構成される。いくつかの実施形態において、キャリア輸送層106L2は、第1正孔輸送層である。いくつかの実施形態において、キャリア注入層106L1は、80Å~500Å程度の厚さを有する。
【0042】
有機発射層106L3は、被覆層102、バンプ105及び第1電極104的露出面に設けられる。有機発射層106L3は、キャリア輸送層106L2の上に設けられ、キャリア輸送層106L2を完全に覆う。キャリア輸送層106L2は、有機発射層106L3の下に設けられる。有機発射層106L3は、キャリア輸送層106L2を連続的に覆う。有機発射層106L3は、複数のバンプ105及び複数の第1電極104を覆う。任意選択的に、有機発射層106L3は、キャリア輸送層106L2と接触する。有機発射層106L3は、第1の色を発光するように構成される。
【0043】
いくつかの実施形態において、特定の波長に対する有機発射層106L3の吸収率は、50%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する有機発射層106L3の吸収率は、60%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する有機発射層106L3の吸収率は、70%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する有機発射層106L3の吸収率は、80%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する有機発射層106L3の吸収率は、90%以上であり、いくつかの実施形態において、特定の波長に対する有機発射層106L3の吸収率は95%以上である。いくつかの実施形態において、特定の波長は、400nm未満であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、350nm未満であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、300nm未満であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、250nm未満であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、200nm未満であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、150nm未満であり、いくつかの実施形態において、特定の波長は、100nm未満である。
【0044】
いくつかの実施形態において、キャリア輸送層106L2及び有機発射層106L3のうちの少なくとも1つは、有機材料を含む。前記有機材料は、共鳴構造を有する分子構造を含み得る。前記有機材料は、スピロ-トリアリールアミン、ビストリアリールアミン及びこれらの組み合わせからなる群から選択されることができる。いくつかの実施形態において、キャリア輸送層106L2及び有機発射層106L3のうちの少なくとも1つは、スピロ-トリアリールアミンを含む。いくつかの実施形態において、キャリア輸送層106L2及び有機発射層106L3のうちの少なくとも1つは、ビストリアリールアミンを含む。いくつかの実施形態において、キャリア輸送層106L2及び有機発射層106L3は、同じ材料を含む。いくつかの実施形態において、キャリア輸送層106L2は、
【化1】
を含み、有機発射層106L3は
【化2】
を含む。いくつかの実施形態において、キャリア輸送層106L2は、
【化3】
を含み、有機発射層106L3は
【化4】
を含む。
【0045】
有機キャリア輸送層106L4は、被覆層102、バンプ105及び第1電極104の露出面に設けられる。有機キャリア輸送層106L4は、有機発射層106L3の上に設けられ、有機発射層106L3を完全に覆う。有機発射層106L3は、有機キャリア輸送層106L4の下に設けられる。有機キャリア輸送層106L4は、有機発射層106L3を連続的に覆う。有機キャリア輸送層106L4は、複数のバンプ105及び複数の第1電極104を覆う。任意選択的に、有機キャリア輸送層106L4は、有機発射層106L3と接触する。
【0046】
第2電極106Dは、被覆層102、バンプ105及び第1電極104の露出面に設けられる。第2電極106Dは、有機キャリア輸送層106L4の上に位置し、有機キャリア輸送層106L4を完全に覆う。場合によっては、第2電極106Dは、各発光画素の有効発光領域のみを覆うようにパターン化される。場合によっては、第2電極106Dは、有機キャリア輸送層106L4と接触する。
【0047】
第2電極106Dは、80Å~500Å程度の厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、第2電極106Dは、80Å~150Å程度の厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、第2電極106Dは、150Å~200Å程度の厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、第2電極106Dは、200Å~300Åの厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、第2電極106Dは、300Å~400Å程度の厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、第2電極106Dは、400Å~500Åの厚さを有し得る。
【0048】
本出願において、第2電極106Dは、カソードであってもよい。第2電極106Dは、例えばAg、Mg等の金属材料であり得る。いくつかの実施形態において、第2電極106Dは、ITO(酸化インジウムスズ)又はIZO(酸化インジウム亜鉛)を含む。
【0049】
いくつかの実施形態において、第2電極106Dは、複合構造である。例えば第2電極106Dは、導電膜と、その上の透明導電膜とを有する。導電膜は、透明導電膜と有機キャリア輸送層106L4との間に位置する。いくつかの実施形態において、導電膜は、アルミニウム、金、銀、銅、マグネシウム、モリブデン等を含む。いくつかの実施形態において、透明導電膜は、インジウム、スズ、グラフェン、亜鉛、酸素等を含む。いくつかの実施形態において、透明導電膜は、ITO(インジウムスズ酸化物)である。いくつかの実施形態において、透明導電膜は、IZO(インジウム亜鉛酸化物)である。いくつかの実施形態において、透明導電膜は、導電膜と有機キャリア輸送層106L4との間に位置する。
【0050】
図2において、発光素子10は、基板100と、基板100上の複数のバンプ105と、バンプ105によって分離された複数の発光ユニットとを含む。
【0051】
これらの発光ユニットは、第1発光ユニット10aと、第2発光ユニット10bと、第3発光ユニット10cとを含む。いくつかの実施形態において、第1発光ユニット10a、第2発光ユニット10b及び第3発光ユニット10cは、互いに隣り合う。いくつかの実施形態において、第2発光ユニット10b及び第3発光ユニット10cは、第1発光ユニット10aと類似する構造を有する。なお、第1発光ユニット10a、第2発光ユニット10b及び第3発光ユニット10cは類似の特徴を有するように図示されているが、これは例示に過ぎず、これらの実施形態を限定するものではない。第1発光ユニット10a、第2発光ユニット10b及び第3発光ユニット10cは、所望の機能要件を満たすため、類似の構造又は異なる構造を有し得る。
【0052】
第1発光ユニット10a、第2発光ユニット10b及び第3発光ユニット10cは、少なくとも積層有機発光層の厚さが互いに異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、第1発光ユニット10aは、緑色光を発し、第2発光ユニット10bは赤色光を発し、第3発光ユニット10cは青色光を発する。
【0053】
いくつかの実施形態において、発光ユニット10a、10b、10cは、少なくとも3つの異なる群に分けられるように構成され、各群が他の群とは異なる色を発する。各積層有機発光層の厚さは、対応する発光ユニット10a、10b、10cによって表示される色に関連し得る。いくつかの実施形態において、異なる色を発するように構成された他の発光ユニットと比較して、第1発光ユニット10aは緑色光を発し、第1発光ユニット10aの積層有機発光層は最小厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、異なる色を発するように構成された他の発光ユニットと比較して、第2発光ユニット10bは赤色光を発し、かつ第2発光ユニット10b内の積層有機発光層の厚さは、第1発光ユニット10a内の積層有機発光層の厚さと第3発光ユニット10c内の積層有機発光層の厚さとの間にある。いくつかの実施形態において、異なる色を発するように構成された他の発光ユニットと比較して、第3発光ユニット10cは青色光を発し、かつ第3発光ユニット10cの積層有機発光層は、最大厚さを有し得る。第1発光ユニット10a、第2発光ユニット10b及び第3発光ユニット10cの積層有機発光層は、例えば気相成長、液体噴射又はインクジェット印刷の各種処理を介して形成することができる。
【0054】
いくつかの実施形態において、第1、第2及び第3発光ユニット10a、10b、10cは、少なくとも第1、第2及び第3発光ユニット10a、10b、10cのキャリア輸送層の厚さの違いにおいて互いに異なり得る。
【0055】
いくつかの実施形態において、発光ユニット10a、10b、10cは、少なくとも3つの異なる群に分けられるように構成され、各群が他の群とは異なる色を発する。キャリア輸送層の厚さは、対応する発光ユニット10aによって表示される色に関連し得る。いくつかの実施形態において、異なる色を発するように構成された他の発光ユニットと比較して、第1発光ユニット10aは緑色光を発し、第1発光ユニット10aのキャリア輸送層は最小厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、異なる色を発するように構成された他の発光ユニットと比較して、第2発光ユニット10bは赤色光を発し、かつ第2発光ユニット10b内のキャリア輸送層の厚さは、第1発光ユニット10a内のキャリア輸送層の厚さと第3発光ユニット10c内のキャリア輸送層の厚さとの間にある。いくつかの実施形態において、異なる色を発するように構成された他の発光ユニットと比較して、第3発光ユニット10cは青色光を発し、かつ第3発光ユニット10cのキャリア輸送層は、最大厚さを有し得る。
【0056】
図3A図3Kは、一実施形態による発光素子の製造方法を示す。
【0057】
図3Aにおいて、基板100を用意する。
【0058】
図3Bにおいて、基板100に複数の遮光層101を設ける。各遮光層101は、基板の同じ側に配置される。各遮光層101は互いに分離されている。
【0059】
図3Cにおいて、各遮光層101に被覆層102を設ける。被覆層102は、複数の遮光層101の各々上面及び2つの側面を包囲する。被覆層102は、基板100に接触される。被覆層102は、化学気相成長(CVD)、物理気相成長(PVD)及びスピン・オン・ガラス(SOG Spin coating)のいずれかにより、複数の遮光層101の上に形成される。
【0060】
図3Dにおいて、被覆層102に複数の第1電極104を設ける。各第1電極104は、基板100に電気的に接続されるように配置される。画素の配列を考慮して第1電極104のアレイパターンを設計する。
【0061】
図3Eにおいて、第1電極104に感光層105Lを設ける。いくつかの実施形態において、感光層105Lを第1電極104及び被覆層102にコーティングする。感光層105Lは、隣り合う第1電極104間の隙間を埋める。感光層105Lを所定の温度に加熱した後、指定された波長で露光させる。感光層105Lは、可視光の90%以上を吸収することができる。露光後、感光層105Lを溶液に浸潤させて現象する。
【0062】
図3Fに示すように、感光層105Lの一部を除去し、残りの部分は隣り合う第1電極104間の隙間を部分的に覆う。この断面図において、残った感光層105Lは複数のバンプ105を形成し、各バンプ105が第1電極104の上面の一部に形成され、第1電極104の一方の側面を覆う。バンプ105は、各第1電極104を部分的に覆う。
【0063】
バンプ105は、異なる形状に形成されてもよい。図3Fにおいて、バンプ105は曲面を有する。いくつかの実施形態において、バンプ105の形状は、台形である。バンプ105を形成した後、バンプ105及び第1電極104の露出面を洗浄するため、洗浄操作を実行し得る。一実施形態において、洗浄操作の間、脱イオン水を30℃~80℃の間の温度に加熱する。脱イオン水の温度が所定の温度まで上昇した後、脱イオン水をバンプ105及び第1電極104の露出面に導く。
【0064】
いくつかの実施形態において、洗浄操作の間に超音波を使用する。超音波を洗浄剤(例えば水又はイソプロピルアルコール(IPA)等)に導入する。いくつかの実施形態において、二酸化炭素を洗浄剤に導入する。洗浄操作の後、加熱操作によって洗浄剤を露出面から除去する。加熱操作の間、基板100及びバンプ105を80℃~110℃の間の温度に加熱し得る。いくつかの実施形態において、加熱しながら残留洗浄剤を除去することを助けため、圧縮空気を露出面に導く。
【0065】
加熱操作の後、O2、N2、又はArプラズマで露出面を処理できる。プラズマは、露出面を粗くするために用いられる。いくつかの実施形態において、露出面の表面状態を調整するため、オゾンを使用する。
【0066】
図3Gに示すように、バンプ105、被覆層102の露出面の一部、及び第1電極104の露出面にキャリア注入層106L1を設ける。キャリア注入層106L1は、露出面に沿って連続的にライニング(lining)する。より具体的に各第1電極104の露出面は、発光ユニット(すなわち、画素)の有効発光面積として構成される。この実施形態において、全ての発光ユニットは、キャリア注入層106L1を使用する。いくつかの実施形態において、キャリア注入層106L1は、正孔注入に用いられる。いくつかの実施形態において、キャリア注入層106L1は、電子注入に用いられる。キャリア注入層106L1は、複数のバンプ105及び第1電極104の露出面を連続的に覆う。任意選択的に、キャリア注入層106L1は、バンプ105と接触する。一実施形態において、キャリア注入層106L1は、第1電極104と接触する。いくつかの実施形態において、キャリア注入層106L1は、有機物である。
【0067】
図3Hに示すように、バンプ105、被覆層102の露出面の一部、及び第1電極104の露出面にキャリア輸送層106L2を設ける。キャリア注入層106L1は、キャリア輸送層106L2の下に設けられる。キャリア輸送層106L2は、キャリア注入層106L1に沿って連続的にライニングする。この実施形態において、全ての発光ユニットは、キャリア輸送層106L2を使用する。いくつかの実施形態において、キャリア輸送層106L2は、正孔注入に用いられる。いくつかの実施形態において、キャリア輸送層106L2は、電子注入に用いられる。キャリア輸送層106L2は、複数のバンプ105及び第1電極104の上を連続的に覆う。任意選択的に、キャリア輸送層106L2は、キャリア注入層106L1と接触する。いくつかの実施形態において、キャリア輸送層106L2は、有機物である。
【0068】
図3Iにおいて、有機発射層106L3は、バンプ105、被覆層102の露出面の一部、及び第1電極104の露出面に設けられる。有機発射層106L3は、キャリア輸送層106L2を覆う。有機発射層106L3は、露出したキャリア輸送層106L2を完全に覆う。有機発射層106L3は、第1の色を発光するよう構成される。
【0069】
図3Jに示すように、有機発射層106L3に有機キャリア輸送層106L4を設ける。有機キャリア輸送層106L4は、正孔又は電子輸送層であり得る。いくつかの実施形態において、有機キャリア輸送層106L4及びキャリア輸送層106L2は、それぞれ相反する原子価状態で構成される。
【0070】
図3Kにおいて、有機キャリア輸送層106L4に第2電極106Dを設ける。第2電極106Dは、有機キャリア輸送層106L4を覆う。
【0071】
第2電極106Dは、金属材料、例えばAg、Mg等であり得る。いくつかの実施形態において、第2電極106Dは、ITO(酸化インジウムスズ)又はIZO(酸化インジウム亜鉛)を含む。いくつかの実施形態において、断面図から見て各発光ユニット(すなわち、画素)は、独立した第2電極106Dを有する。
【0072】
図3A図3Kに示す操作を繰り返して異なる色の発光ユニットを形成することができる。
【0073】
図3Kに示すように、発光ユニットによって生成された光L1は、基板に向けて外側に出射することができ、外光L2は発光ユニットに向けて進行する成分を有する。外光L2が発光ユニットに入射した後、発光ユニット内の様々な構成要素により、異なる反射光L2rが生成される。反射光L2rは、発光ユニットによって生成された光L1と干渉するため、ハレーション及び光学的なクロストーク等の問題を引き起こし、有機ELディスプレイの光学効果は期待通りにいかない。本開示の遮光層101によれば、適切な構成(例えば上述のように周囲光を遮蔽できるものを用いる)を経て、外光L2、及び光L1に対する反射光L2rの干渉を大幅に低減することができることで、ハレーション及び光学的なクロストーク等の問題を解決し、発光ユニットのコントラストを向上させることができる。
【0074】
図4Aを参照すると、いくつかの実施形態において、遮光層101は、上面の角度から見て十字形輪郭を有する凹部400(図2に示めるW1部分に対応し得る)を有し得る。十字形輪郭400は、発光ユニット(例えば10a、10b又は10c)から発せられた光を透過させることができる。いくつかの実施形態において、十字形輪郭400は、単一の発光ユニットから発せられた光を透過させることができる。いくつかの実施形態において、十字形輪郭400は、複数の発光ユニットから発せられた光を透過させることができる。
【0075】
図4Bを参照すると、いくつかの実施形態において、遮光層101は、第1凹部402と、第2凹部404、406、408、410とを含む。第1凹部402は、十字形輪郭を有し、第2凹部404、406、408、410は第1凹部402の四隅に位置し、L字形輪郭を有することで、第1凹部402と第2凹部404、406、408、410とが共にレチクルパターンを形成する。レチクルパターンは、発光ユニット(例えば10a、10b又は10c)から発せられた光を透過させることができる。いくつかの実施形態において、第1凹部402は、単一の発光ユニットの有効発光面積と重なり、単一の発光ユニットから発せられた光を透過させることができる。いくつかの実施形態において、第1凹部402は、複数の発光ユニットの有効発光面積と重なり、複数の発光ユニットから発せられた光を透過させることができる。いくつかの実施形態において、第2凹部404、406、408、410の各々は、単一の発光ユニットの有効発光面積と重なり、各々は単一の発光ユニットから発せられた光を透過させることができる。いくつかの実施形態において、第2凹部404、406、408、410の各々は、複数の発光ユニットの有効発光面積と重なり、複数の発光ユニットから発せられた光を透過させることができる。
【0076】
いくつかの実施形態において、第1凹部402及び第2凹部404、406、408、410は、単一の発光ユニットの有効な発光面積と重なり、単一の発光ユニットから発せられた光を透過させることができる。いくつかの実施形態において、第1凹部402及び第2凹部404、406、408、410は、複数の発光ユニットの有効発光面積と重なり、複数の発光ユニットから発せられた光を透過させることができる。
【0077】
本出願は、実際のニーズに応じてパターン化されて所望の形状に調整できる。
【0078】
前述の概要は、いくつかの実施形態の特徴を概説したため、当業者が本開示の各態様をよりよく理解できる。本開示に基づいて他の製造工程及び構造を設計又は潤色して容易に本出願に記載された実施形態と同じ目的を達成し、及び/又は同じ利点を達成できることは当業者には明白になるであろう。当業者はまた、この均等な構造が本開示の精神及び範囲から逸脱せず、多種多様な変化、置換及び代替を行うことができるが、本開示の精神及び範囲に収まることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0079】
100 基板
10 発光素子
10a 発光ユニット
10b 発光ユニット
10c 発光ユニット
101 遮光層
101’ 遮光層
101a 縁部
101’a 縁部
101T 厚さ
102 被覆層
104 第1電極
104T 厚さ
105 バンプ
105’ バンプ
105a 縁部
105’a 縁部
106L1 キャリア注入層
106L2 キャリア輸送層
106L3 有機発射層
106L4 有機キャリア輸送層
106D 第2電極
d 偏差
d’ 偏差
W1 距離
W2 距離
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図3J
図3K
図4A
図4B