特開 2024-120873 コネクタ端子およびコネクタ

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024120873

(43)【公開日】2024-09-05

(54)【発明の名称】コネクタ端子およびコネクタ

(51)【国際特許分類】

   H01R 13/187 20060101AFI20240829BHJP

   H01R 13/42 20060101ALI20240829BHJP

【ＦＩ】

H01R13/187 B

H01R13/42 H

【審査請求】未請求

【請求項の数】15

【出願形態】ＯＬ

【外国語出願】

(21)【出願番号】P 2024023316

(22)【出願日】2024-02-20

(31)【優先権主張番号】202320306859.X

(32)【優先日】2023-02-24

(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN

(71)【出願人】

【識別番号】521498818

【氏名又は名称】シバス エレクトロニクス （シアメン） カンパニー リミテッド

(71)【出願人】

【識別番号】508079120

【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス （シャンハイ） カンパニー リミテッド

(74)【代理人】

【識別番号】100100077

【弁理士】

【氏名又は名称】大場 充

(74)【代理人】

【識別番号】100136010

【弁理士】

【氏名又は名称】堀川 美夕紀

(74)【代理人】

【識別番号】100203046

【弁理士】

【氏名又は名称】山下 聖子

(74)【代理人】

【識別番号】100229736

【弁理士】

【氏名又は名称】大場 剛

(72)【発明者】

【氏名】チィアン ユァン

(72)【発明者】

【氏名】リチィアン ジーノ ヤオ

(72)【発明者】

【氏名】ヨン クリス ワン

(72)【発明者】

【氏名】レェイ ワン

(72)【発明者】

【氏名】レェンヂォン アンディ リィン

【テーマコード（参考）】

5E087

【Ｆターム（参考）】

5E087EE02

5E087FF07

5E087GG16

5E087MM05

5E087RR29

(57)【要約】      （修正有）

【課題】コネクタの構成要素の数が低減し、コネクタの製造コストが低減、組み立て効率が向上するコネクタを提供する。
【解決手段】コネクタ端子は、中空の円筒部１０を有する端子本体１と、端子本体の円筒部に外装された端子シース２とを備える。外方に傾斜し、コネクタ端子をコネクタハウジングにロックするためにコネクタハウジングと係合するように用いられる弾性ロック片２２が、端子シースの周壁に形成される。
【選択図】図２

【特許請求の範囲】

【請求項1】

中空の円筒部（１０）を有する端子本体（１）と、
前記端子本体（１）の前記円筒部（１０）に外装された端子シース（２）と
を備えるコネクタ端子であって、
外方に傾斜し、前記コネクタ端子をコネクタハウジングにロックするために前記コネクタハウジングと係合するように用いられる弾性ロック片（２２）が、前記端子シース（２）の周壁に形成されている、
コネクタ端子。

【請求項2】

複数の弾性ロック片（２２）が、前記端子シース（２）の前記周壁に形成され、前記複数の弾性ロック片（２２）は、前記端子シース（２）の周方向において互いに離隔する、
請求項１に記載のコネクタ端子。

【請求項3】

複数の突出部（１１）が、前記円筒部（１０）の周壁に形成され、前記複数の突出部（１１）は、前記円筒部（１０）の周方向において互いに離隔し、
複数の接続孔（２１）が、前記端子シース（２）の前記周壁に形成され、前記複数の突出部（１１）は、前記端子シース（２）を前記円筒部（１０）に固定するために、それぞれ前記複数の接続孔（２１）に接続される、
請求項１に記載のコネクタ端子。

【請求項4】

前記円筒部（１０）は、前記円筒部（１０）の軸方向において反対側にある前端部および後端部を有し、前記円筒部（１０）の前記前端部は、挿入される相手側端子との電気的接触に用いられる、
請求項３に記載のコネクタ端子。

【請求項5】

前記端子本体（１）は、
前記円筒部（１０）の前記後端部に接続され、ケーブルとの電気的接続のために前記ケーブルに圧着されるように構成されている圧着部（１５）
をさらに備える、
請求項４に記載のコネクタ端子。

【請求項6】

前記弾性ロック片（２２）は、前記端子シース（２）の前端部と後端部との間の前記周壁に配置され、前記端子シース（２）の外側および前記後端部に向かって斜めに延びる、
請求項４に記載のコネクタ端子。

【請求項7】

前記突出部（１１）は、前記円筒部（１０）の前記後端部の周壁に形成され、かつ
前記接続孔（２１）は、前記端子シース（２）の前記後端部の周壁に形成されている、
請求項４に記載のコネクタ端子。

【請求項8】

複数の軸方向溝（１２）が、前記円筒部（１０）の前記周壁に形成され、前記複数の軸方向溝（１２）は、前記円筒部（１０）の前記周方向において互いに離隔し、前記円筒部（１０）の前記周壁を複数の弾性カンチレバー（１３）に分割するように、前記円筒部（１０）の前端面まで軸方向に延び、
前記複数の弾性カンチレバー（１３）は、前記円筒部（１０）の前記前端部における開口部から挿入される前記相手側端子との電気的接触に用いられる、
請求項７に記載のコネクタ端子。

【請求項9】

複数の補助弾性カンチレバー（２３）が、前記端子シース（２）の前端部の前記周壁に形成され、前記複数の補助弾性カンチレバー（２３）は、前記端子シース（２）の周方向において互いに離隔し、
前記端子シース（２）の前記複数の補助弾性カンチレバー（２３）は、前記複数の弾性カンチレバー（１３）に補助接触力を提供するために、それぞれ前記円筒部（１０）の前記複数の弾性カンチレバー（１３）に接するように構成されている、
請求項８に記載のコネクタ端子。

【請求項10】

前記複数の補助弾性カンチレバー（２３）は、前記端子シース（２）の内部および前記前端部に向かって斜めに延びる、
請求項９に記載のコネクタ端子。

【請求項11】

溝（１４）が、前記複数の弾性カンチレバー（１３）の自由端部の外面に形成され、前記溝（１４）は、第１の側部（１４ａ）、および前記第１の側部（１４ａ）とは反対側の第２の側部（１４ｂ）を有し、
前記第１の側部（１４ａ）は、前記円筒部（１０）の径方向に沿って延び、前記第２の側部（１４ｂ）は、前記円筒部（１０）の前記径方向に対して斜めに延び、
前記第１の側部（１４ａ）は、前記補助弾性カンチレバー（２３）を配置するために、前記補助弾性カンチレバー（２３）の前記自由端部に当接するように用いられる、
請求項１０に記載のコネクタ端子。

【請求項12】

内方に巻き込まれた傾斜フランジ部（２４）が、前記端子シース（２）の前端部に形成され、
前記傾斜フランジ部（２４）は、前記端子本体（１）の前記円筒部（１０）の前記前端部に前記相手側端子が挿入されるように前記相手側端子を案内するために用いられる、
請求項８に記載のコネクタ端子。

【請求項13】

位置決めリブ（２５）が、前記端子シース（２）の前記周壁の内面に形成され、前記位置決めリブ（２５）は、前記端子シース（２）の軸方向に沿って延び、
前記端子シース（２）における前記位置決めリブ（２５）は、前記端子シース（２）を前記周方向において位置決めするために、前記円筒部（１０）における前記軸方向溝（１２）と嵌合する、
請求項８に記載のコネクタ端子。

【請求項14】

前記端子本体（１）および前記端子シース（２）の各々は、一体のスタンピング部品である、
請求項１から１３のいずれか一項に記載のコネクタ端子。

【請求項15】

ハウジングと、
前記ハウジングに設置される、請求項１から１４のいずれか一項に記載の前記コネクタ端子と
を備えるコネクタであって、
前記コネクタ端子の前記弾性ロック片（２２）は、前記コネクタ端子を前記ハウジングにロックするために、前記ハウジングと係合する、
コネクタ。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

関連出願の相互参照
本出願は、中国国家知識産権局において２０２３年２月２４日に出願された中国特許出願第ＣＮ２０２３２０３０６８５９．Ｘ号の利益を主張し、その全開示が本明細書に参照により組み込まれる。

【0002】

本発明は、コネクタ端子、およびコネクタ端子を備えるコネクタに関する。

【背景技術】

【0003】

ヘビーデューティコネクタ（heavy duty connector）は、通常、ハウジング、端子、および弾性ロック片（ｅｌａｓｔｉｃ ｌｏｃｋｉｎｇ ｐｉｅｃｅ）を含む。端子は、ハウジングに挿入される。先行技術においては、径方向フランジが、スタンピングにより端子本体（ｔｅｒｍｉｎａｌ ｂｏｄｙ）の周壁（ｃｉｒｃｕｍｆｅｒｅｎｔｉａｌ ｗａｌｌ）に形成される。弾性ロック片は、ハウジングに固定され、端子をハウジングにロックするために端子の径方向フランジに押し付けられ、それにより、端子がハウジングから抜け出ることを効果的に防止する。

【0004】

しかしながら、先行技術においては、径方向フランジの円を端子本体の周壁にパンチングする必要があることに起因して、端子の径方向フランジの肉厚が比較的薄く、これにより端子の導電性に深刻な影響が及ぶ。加えて、径方向フランジの円をスタンピングするときに、端子本体の周壁に破れが生じやすく、これにより端子の製造の困難さが増大する。

【0005】

加えて、先行技術においては、端子における弾性カンチレバー（ｅｌａｓｔｉｃ ｃａｎｔｉｌｅｖｅｒ）に補助接触力を提供するために、ばねコイル（ｓｐｒｉｎｇ ｃｏｉｌ）を端子に設置する必要がある。したがって、先行技術においては、別個の弾性ロック片およびばねコイルを設ける必要がある。これは、コネクタ端子およびコネクタの複雑な構造、低い製造効率、および高いコストをもたらす。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0006】

本発明は、上記の難点のうちの少なくとも１つの側面を克服または軽減するためになされたものである。

【課題を解決するための手段】

【0007】

本発明の一態様によれば、コネクタ端子が提供される。コネクタ端子は、中空円筒部を有する端子本体と、端子本体の円筒部（ｃｙｌｉｎｄｒｉｃａｌ ｐａｒｔ）に外装された端子シース（ｔｅｒｍｉｎａｌ ｓｈｅａｔｈ）とを備える。外方に傾斜し、コネクタ端子をコネクタハウジングにロックするためにコネクタハウジングと係合するように用いられる弾性ロック片が、端子シースの周壁に形成される。

【0008】

本発明の例示的実施形態によれば、複数の弾性ロック片が、端子シースの周壁に形成され、複数の弾性ロック片は、端子シースの周方向において互いに離隔する。

【0009】

本発明の別の例示的実施形態によれば、複数の突出部が、円筒部の周壁に形成され、複数の突出部は、円筒部の周方向において互いに離隔し、複数の接続孔が、端子シースの周壁に形成され、複数の突出部は、端子シースを円筒部に固定するために、それぞれ複数の接続孔に接続される。

【0010】

本発明の別の例示的実施形態によれば、円筒部は、その軸方向において反対側にある前端部および後端部を有し、円筒部の前端部は、挿入される相手側端子との電気的接触に用いられる。

【0011】

本発明の別の例示的実施形態によれば、端子本体は、円筒部の後端部に接続され、ケーブルとの電気的接続のためにケーブルに圧着されるように構成される圧着部をさらに備える。

【0012】

本発明の別の例示的実施形態によれば、弾性ロック片は、端子シースの前端部と後端部との間の周壁に配置され、端子シースの外側および後端部に向かって斜めに延びる。

【0013】

本発明の別の例示的実施形態によれば、突出部は円筒部の後端部の周壁に形成され、かつ接続孔は端子シースの後端部の周壁に形成される。

【0014】

本発明の別の例示的実施形態によれば、複数の軸方向溝（ａｘｉａｌ ｇｒｏｏｖｅ）が、円筒部の周壁に形成され、複数の軸方向溝は、円筒部の周方向において互いに離隔し、円筒部の周壁を複数の弾性カンチレバーに分割するように、円筒部の前端面まで軸方向に延び、複数の弾性カンチレバーは、円筒部の前端部における開口部から挿入される相手側端子との電気的接触に用いられる。

【0015】

本発明の別の例示的実施形態によれば、複数の補助弾性カンチレバー（ａｕｘｉｌｉａｒｙ ｅｌａｓｔｉｃ ｃａｎｔｉｌｅｖｅｒ）が、端子シースの前端部の周壁に形成され、複数の補助弾性カンチレバーは、端子シースの周方向において互いに離隔し、端子シースの複数の補助弾性カンチレバーは、複数の弾性カンチレバーに補助接触力を提供するために、それぞれ円筒部の複数の弾性カンチレバーに接する。

【0016】

本発明の別の例示的実施形態によれば、複数の補助弾性カンチレバーは、端子シースの内部および前端部に向かって斜めに延びる。

【0017】

本発明の別の例示的実施形態によれば、溝が、複数の弾性カンチレバーの自由端部の外面に形成され、溝は、第１の側部（ｆｉｒｓｔ ｓｉｄｅ）、および第１の側部とは反対側の第２の側部（ｓｅｃｏｎｄ ｓｉｄｅ）を有し、第１の側部は、円筒部の径方向に沿って延び、第２の側部は、円筒部の径方向に対して斜めに延び、第１の側部は、補助弾性カンチレバーを配置するために、補助弾性カンチレバーの自由端部に当接するように用いられる。

【0018】

本発明の別の例示的実施形態によれば、内方に巻き込まれた傾斜フランジ部（ｏｂｌｉｑｕｅ ｆｌａｎｇｉｎｇ ｐａｒｔ）が、端子シースの前端部に形成される。傾斜フランジ部は、端子本体の円筒部の前端部に相手側端子が挿入されるように相手側端子を案内するために用いられる。

【0019】

本発明の別の例示的実施形態によれば、位置決めリブが、端子シースの周壁の内面に形成され、位置決めリブは、端子シースの軸方向に沿って延び、端子シースにおける位置決めリブは、端子シースを周方向において位置決めするために、円筒部における軸方向溝と嵌合する。

【0020】

本発明の別の例示的実施形態によれば、端子本体および端子シースの各々は、一体のスタンピング部品である。

【0021】

本発明の別の態様によれば、コネクタが提供される。コネクタは、ハウジングと、ハウジングに設置される上記のコネクタ端子とを備える。コネクタ端子の弾性ロック片は、コネクタ端子をハウジングにロックするために、ハウジングと係合する。

【0022】

本発明の上述の例示的実施形態においては、端子をコネクタハウジングにロックするための端子シースにおける弾性ロック片の形成に起因して、弾性ロック片を別個に設ける必要がなく、それにより、コネクタの構成要素の数が低減し、コネクタの製造コストが低減し、コネクタの組み立て効率が向上する。

【0023】

加えて、本発明に係る上述の例示的実施形態においては、弾性ロック片が端子シースに一体化されるので、弾性ロック片を支持するために径方向フランジの円を端子本体の周壁に形成する必要がなく、それにより、端子の製造の困難さが低減し、端子シースがコネクタ端子の導電性を向上させることができる。

【0024】

加えて、本発明に係るいくつかの例示的実施形態においては、端子シースが補助弾性カンチレバーとも一体化されるので、ばねコイルを端子本体の弾性カンチレバーに設置する必要がなく、それにより、コネクタの構成要素の数がさらに低減し、コネクタの組み立て効率が向上する。

【0025】

本発明の上記および他の特徴が、添付の図面を参照してその例示的実施形態を詳細に説明することによって、より明らかとなるであろう。

【図面の簡単な説明】

【0026】

【図1】本発明の例示的実施形態に係るコネクタ端子の説明斜視図である。

【図2】本発明の例示的実施形態に係るコネクタ端子の説明分解図である。

【図3】本発明の例示的実施形態に係るコネクタ端子の軸方向断面図である。

【図4】本発明の例示的実施形態に係るコネクタ端子の端子本体の説明斜視図である。

【図5】本発明の例示的実施形態に係るコネクタ端子の端子シースの説明斜視図である。

【発明を実施するための形態】

【0027】

添付の図面を参照して、本開示の例示的実施形態を以下で詳細に説明する。図面において、同様の参照符号は同様の要素を指す。しかしながら、本開示は、多数の異なる形態で実施されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全なものとなるように提供されており、本開示の概念を当業者に十分に伝達するであろう。

【0028】

以下の詳細な説明においては、説明の目的で、多数の具体的な詳細事項が、開示の実施形態の完全な理解をもたらすために記載されている。しかしながら、１つまたは複数の実施形態がこれらの具体的な詳細事項なしで実施されてもよいことは明らかであろう。他の例において、図面を簡略化するために、周知の構造および装置は模式的に示されている。

【0029】

本発明の一般概念によれば、コネクタ端子が提供される。コネクタ端子は、中空円筒部を有する端子本体と、端子本体の円筒部に外装された端子シースとを備える。外方に傾斜し、コネクタ端子をコネクタハウジングにロックするためにコネクタハウジングと係合するように用いられる弾性ロック片が、端子シースの周壁に形成される。

【0030】

本発明の別の一般概念によれば、コネクタが提供される。コネクタは、ハウジングと、ハウジングに設置される上記のコネクタ端子とを備える。コネクタ端子の弾性ロック片は、コネクタ端子をハウジングにロックするために、ハウジングと係合する。

【0031】

図１は、本発明の例示的実施形態に係るコネクタ端子の説明斜視図を示す。図２は、本発明の例示的実施形態に係るコネクタ端子の説明分解図を示す。図３は、本発明の例示的実施形態に係るコネクタ端子の軸方向断面図を示す。

【0032】

図１～図３に示すように、本発明の例示的実施形態においては、コネクタ端子が開示される。コネクタ端子は、端子本体１および端子シース２を主に含む。端子本体１は、中空円筒部１０を有する。端子シース２は、端子本体１の円筒部１０に設置される。外方に傾斜し、コネクタ端子をコネクタハウジングにロックするためにコネクタハウジングと係合するように用いられる弾性ロック片２２が、端子シース２の周壁に形成される。

【0033】

図４は、本発明の例示的実施形態に係るコネクタ端子の端子本体１の説明斜視図を示す。図５は、本発明の例示的実施形態に係るコネクタ端子の端子シース２の説明斜視図を示す。

【0034】

図１～図５に示すように、例示の実施形態において、複数の弾性ロック片２２が、端子シース２の周壁に形成され、複数の弾性ロック片２２は、端子シース２の周方向において互いに離隔する。

【0035】

図１～図５に示すように、例示の実施形態において、複数の突出部１１が、端子本体１の円筒部１０の周壁に形成され、複数の突出部１１は、円筒部１０の周方向において互いに離隔する。複数の接続孔２１が、端子シース２の周壁に形成され、複数の突出部１１は、端子シース２を円筒部１０に固定するために、それぞれ複数の接続孔２１に接続される。

【0036】

図１～図５に示すように、例示の実施形態において、円筒部１０は、その軸方向において反対側にある前端部および後端部を有し、円筒部１０の前端部は、挿入される相手側コネクタの相手側端子（不図示）との電気的接触に用いられる。

【0037】

図１～図５に示すように、例示の実施形態において、端子本体１はまた、圧着部１５を含む。圧着部１５は、円筒部１０の後端部に接続され、ケーブルとの電気的接続のためにケーブルに圧着されるように構成される。

【0038】

図１～図５に示すように、例示の実施形態において、弾性ロック片２２は、端子シース２の前端部と後端部との間の周壁に配置され、端子シース２の外側および後端部に向かって斜めに延びる。

【0039】

図１～図５に示すように、例示の実施形態において、突出部１１は円筒部１０の後端部の周壁に形成され、かつ接続孔２１は端子シース２の後端部の周壁に形成される。

【0040】

図１～図５に示すように、例示の実施形態において、複数の軸方向溝１２が円筒部１０の周壁に形成され、複数の軸方向溝１２は、円筒部１０の周方向において互いに離隔し、円筒部１０の周壁を複数の弾性カンチレバー１３に分割するように、円筒部１０の前端面まで軸方向に延びる。複数の弾性カンチレバー１３は、円筒部１０の前端部における開口部から挿入される相手側端子との電気的接触に用いられる。

【0041】

図１～図５に示すように、例示の実施形態において、複数の補助弾性カンチレバー２３が、端子シース２の前端部の周壁に形成され、複数の補助弾性カンチレバー２３は、端子シース２の周方向において互いに離隔する。端子シース２の複数の補助弾性カンチレバー２３は、複数の弾性カンチレバー１３に補助接触力を提供するために、それぞれ円筒部１０の複数の弾性カンチレバー１３に当接する。これにより、弾性カンチレバー１３と相手側端子との間の電気的接触力を増大させることができ、弾性カンチレバー１３と相手側端子との間の高信頼な電気的接触を確保することができる。

【0042】

図１～図５に示すように、例示の実施形態において、複数の補助弾性カンチレバー２３は、端子シース２の内部および前端部に向かって斜めに延びる。

【0043】

図１～図５に示すように、例示の実施形態において、溝１４が、複数の弾性カンチレバー１３の自由端部の外面に形成される。溝１４は、第１の側部１４ａ、および第１の側部１４ａとは反対側の第２の側部１４ｂを有する。第１の側部１４ａは、円筒部１０の径方向に沿って延び、一方で第２の側部１４ｂは、円筒部１０の径方向に対して斜めに延びる。第１の側部１４ａは、補助弾性カンチレバー２３を位置決めするために補助弾性カンチレバー２３の自由端部に当接するように用いられる。例示の実施形態において、溝１４の深さは浅く、第２の側部１４ｂは円筒部１０の径方向に対して斜めに延びるため、これが弾性カンチレバー１３の導電性に著しい影響を及ぼすことはない。

【0044】

図１～図５に示すように、例示の実施形態において、内方に巻き込まれた傾斜フランジ部２４が、端子シース２の前端部に形成される。傾斜フランジ部２４は、端子本体１の円筒部１０の前端部に相手側端子が挿入されるように相手側端子を案内するために用いられる。

【0045】

図１～図５に示すように、例示の実施形態において、位置決めリブ２５が、端子シース２の周壁の内面に形成され、位置決めリブ２５は、端子シース２の軸方向に沿って延びる。端子シース２における位置決めリブ２５は、端子シース２を周方向において位置決めするために、円筒部１０における軸方向溝１２と嵌合する。

【0046】

図１～図５に示すように、例示の実施形態において、端子本体１および端子シース２の各々は、一体のスタンピング部品である。これにより、製造効率を向上させ、生産コストを低減することができる。

【0047】

図１～図５に示すように、本発明の別の例示的実施形態においては、コネクタも開示される。コネクタは、ハウジング（不図示）と、ハウジングに設置される上記のコネクタ端子とを主に含む。コネクタ端子の弾性ロック片２２は、コネクタ端子をハウジングにロックするために、ハウジングと係合する。

【0048】

上記の実施形態は例示的なものであり、限定的ではないことを、当業者には理解されたい。例えば、当業者であれば、構成上または原理上矛盾することなく、上記の実施形態に多くの修正を加えることができ、異なる実施形態に記載する様々な特徴を互いに自由に組み合わせることができる。

【0049】

いくつかの例示的な実施形態について図示および説明したが、本開示の原理および精神から逸脱することなく、これらの実施形態に様々な変更または修正を加えることができることが、当業者には理解されよう。本開示の範囲は、特許請求の範囲およびその均等物により定義される。

【0050】

本明細書で用いられるように、単数形で記載され、「１つの（ａ）」または「１つの（ａｎ）」という語で始まる要素は、特に明記しない限り、この要素またはステップの複数形を除外しないものとして理解されるべきである。さらに、本開示の「一実施形態」に対する参照は、記載した特徴も組み込んだ追加の実施形態の存在を除外するものと解釈されることを意図してはいない。さらに、特に断りのない限り、特定の特性を有する要素または複数の要素を「備える（ｃｏｍｐｒｉｓｉｎｇ）」、または「有する（ｈａｖｉｎｇ）」実施形態は、その特性を有さない追加のこのような要素を含んでもよい。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【外国語明細書】