(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120889
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】給湯システム、給湯システムにおけるタンク容量の決定方法
(51)【国際特許分類】
F24H 1/18 20220101AFI20240829BHJP
F24H 1/00 20220101ALI20240829BHJP
F24H 4/02 20220101ALI20240829BHJP
【FI】
F24H1/18 A
F24H1/00 A
F24H4/02 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024025833
(22)【出願日】2024-02-22
(31)【優先権主張番号】P 2023027628
(32)【優先日】2023-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】光藤 公一
(72)【発明者】
【氏名】益満 孝久
(72)【発明者】
【氏名】坂井 康弘
(72)【発明者】
【氏名】花井 悠哉
(72)【発明者】
【氏名】横山 武司
【テーマコード(参考)】
3L122
【Fターム(参考)】
3L122AA02
3L122AA13
3L122AA23
3L122AA54
3L122AA63
3L122AB22
3L122BA12
3L122BA14
3L122BA44
3L122BB12
3L122EA09
3L122FA02
(57)【要約】
【課題】使用者に不便をかけることなくタンク及びヒートポンプを小型化できるハイブリッド式の給湯システムを提供する。
【解決手段】給湯システムSは、湯水を貯留するタンク1と、タンク1内の湯水を加熱するヒートポンプ2と、供給された湯水を燃料ガスの燃焼熱により加熱する給湯器3と、を備え、タンク1内の湯水に水道水を混合して複数の使用箇所に供給するタンク使用モードと、タンク1から供給された湯水を給湯器3により加熱した後、複数の使用箇所に供給する給湯使用モードとを実行可能である。そして、タンク1の容量を、20Lとしている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
湯水を貯留するタンクと、
前記タンク内の湯水を加熱するヒートポンプと、
供給された湯水を燃料ガスの燃焼熱により加熱する給湯器と、を備え、
前記タンク内の湯水に水道水を混合して、浴槽を含む複数の使用箇所に供給するタンク使用モードと、
前記タンクから供給された湯水又は水道水を前記給湯器により加熱した後、前記複数の使用箇所に供給する給湯使用モードとを実行可能であり、
前記タンク使用モードは、前記浴槽への湯張りが想定される所定の第1の時間帯を除いた所定の第2の時間帯で少なくとも実行可能な給湯システムであって、
代表的と考えられる一般家庭の一日における湯水の使用状況に基づいて、前記第2の時間帯を、前後に1時間以上湯水の使用がないと想定される複数の時間帯にさらに細分化したときに、細分化したそれぞれの時間帯のうち、最も多く使用される湯の量を目標水量とし、
65~75℃の湯水と、冬季に供給される水道水とを混合したと仮定したときに、40℃の前記目標水量の混合湯水を生成できる湯水の量を第1基準容量とし、
前記水道水を前記タンクに貯留して、前記ヒートポンプの1.5~2.0kwの出力で加熱したと仮定したときに、一時間で65~75℃の目標温度にまで温度が上昇する水道水の量を第2基準容量として、
前記タンクの容量が、前記第1基準容量以上で、且つ前記第2基準容量以下に設定されていることを特徴とする給湯システム。
【請求項2】
前記第1基準容量は17.73Lであり、前記第2基準容量は29.96Lであることを特徴とする請求項1に記載の給湯システム。
【請求項3】
前記第1基準容量は19.28Lであり、前記第2基準容量は25.52Lであることを特徴とする請求項2に記載の給湯システム。
【請求項4】
前記第1基準容量は、前記目標水量を34.16Lとして、前記目標水量を40℃で出湯するために、水道水の入水温度と前記タンク内の湯水の温度との関係に基づいて導き出した必要湯量であり、
前記第2基準容量は、前記第2の時間帯において湯水が使用されない所定の不使用時間以内で前記タンク内の水道水を前記ヒートポンプによって所定温度に沸かし上げることができる容量であり、水道水の入水温度と前記ヒートポンプの出力との関係に基づいて導き出したものであることを特徴とする請求項1に記載の給湯システム。
【請求項5】
湯水を貯留するタンクと、
前記タンク内の湯水を加熱するヒートポンプと、
供給された湯水を燃料ガスの燃焼熱により加熱する給湯器と、を備え、
前記タンク内の湯水に水道水を混合して、浴槽を含む複数の使用箇所に供給するタンク使用モードと、
前記タンクから供給された湯水又は水道水を前記給湯器により加熱した後、前記複数の使用箇所に供給する給湯使用モードとを実行可能であり、
前記タンク使用モードは、前記浴槽への湯張りが想定される所定の第1の時間帯を除いた所定の第2の時間帯で少なくとも実行可能な給湯システムにおいて、前記タンクの容量を決定する方法であって、
代表的と考えられる一般家庭の一日における湯水の使用状況に基づいて、前記第2の時間帯を、前後に1時間以上湯水の使用がないと想定される複数の時間帯にさらに細分化したときに、細分化したそれぞれの時間帯のうち、最も多く使用される湯の量を目標水量とし、
65~75℃の湯水と、冬季に供給される水道水とを混合したと仮定したときに、40℃の前記目標水量の混合湯水を生成できる湯水の量を第1基準容量とし、
前記水道水を前記タンクに貯留して、前記ヒートポンプの1.5~2.0kwの出力で加熱したと仮定したときに、一時間で65~75℃の目標温度にまで温度が上昇する水道水の量を第2基準容量として、
前記タンクの容量を、前記第1基準容量以上で、且つ前記第2基準容量以下に設定することを特徴とする給湯システムにおけるタンク容量の決定方法。
【請求項6】
前記第1基準容量は17.73Lであり、前記第2基準容量は29.96Lであることを特徴とする請求項5に記載の給湯システムにおけるタンク容量の決定方法。
【請求項7】
前記第1基準容量は19.28Lであり、前記第2基準容量は25.52Lであることを特徴とする請求項6に記載の給湯システムにおけるタンク容量の決定方法。
【請求項8】
前記第1基準容量は、前記目標水量を34.16Lとして、前記目標水量を40℃で出湯するために、水道水の入水温度と前記タンク内の湯水の温度との関係に基づいて導き出した必要湯量であり、
前記第2基準容量は、前記第2の時間帯において湯水が使用されない所定の不使用時間以内で前記タンク内の水道水を前記ヒートポンプによって所定温度に沸かし上げることができる容量であり、水道水の入水温度と前記ヒートポンプの出力との関係に基づいて導き出したものであることを特徴とする請求項5に記載の給湯システムにおけるタンク容量の決定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バーナを備えて通水を加熱可能な給湯器と、ヒートポンプを備えて加熱された湯水を貯留するタンクとを併設したハイブリッド式の給湯システムと、当該給湯システムにおいてタンクの容量を決定する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ヒートポンプと、ヒートポンプで加熱された湯水を貯留するタンクとを備え、タンク内の湯を台所や浴室等に供給するヒートポンプ式の給湯システムが実用に供されている。
この給湯システムでは、湯の使用量が比較的少ない時間帯にヒートポンプを稼動させてタンク内の湯水を温めておき、給湯栓が開かれたり湯張り指令がされたりすると、タンクから湯を供給する。よって、浴槽に必要量の湯を供給するために、タンクを大量の湯が貯留できるサイズにする必要がある。
そこで、特許文献1には、ヒートポンプにより加熱される湯水を貯留するタンクの下流側の供給路に、給湯器であるバーナ加熱装置を設置して、タンクから供給される水の温度が給湯設定温度よりも低い場合や、湯張りの際にタンク内の湯量が少ない場合にバーナ加熱装置を作動させるようにしたハイブリッド式の給湯システムの発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のハイブリッド式の給湯システムでは、給湯器を補助熱源として使用することで、タンクの容量を比較的少なくしてタンクをある程度小型化できる。
しかし、それでも標準的と考えられる4人世帯での使い勝手を考慮すると小型化には限界があり、容量100L(リットル)のタンクが採用されている。この場合、湯張りのために100Lの湯を沸かし上げるためにはヒートポンプの出力も大きくする必要があってタンクと共に大型化し、建物と外構との間が狭い家屋や集合住宅への設置が難しくなっている。このため、ハイブリッド式の給湯システムでもさらなる小型化が要求されている。
【0005】
そこで、本開示は、使用者に不便をかけることなくタンク及びヒートポンプを小型化できるハイブリッド式の給湯システム及び、当該給湯システムにおけるタンク容量の決定方法を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、出願人はまず、JIS2075を参照して、代表的と考えられる4人世帯において、40℃の湯が一日でどのように使用されるかを分析した。
このJIS2075は、家庭用ガス・石油温水機器のモード効率測定法に関する規定であり、一般家庭における湯の使用実態を反映した標準使用モードを用いて温水機器の効率を測定する方法である。従って、JIS2075に開示された湯の使用実態を、代表的と考えられる4人世帯において40℃の湯が一日でどのように使用されるかを示す標準モデルとして使用することができる。
すると、
図1に示すように、前後に60分以上湯水が使用されない時間を前後に有し、且つ浴室で湯水が使用されない(1)~(4)の4つの時間帯(第2の時間帯)と、浴室での湯水の使用が認められる(5)の時間帯(第1の時間帯)が存在していることが分かった。
なお、JIS2075には、自動保温付機器の場合の標準使用モード、手動保温なし機器(手動追いだきを実行)の場合の標準使用モード、追いだきを実行しない場合の標準使用モードが掲載されているが、各々追いだき以外の項目については使用量、間隔、流量等が共通している。また、下記で詳述するように(5)の時間帯においては、湯張だけで180Lの湯水を使用しており、追いだきでの使用量を考慮するまでもなく、タンク内の湯水を使いきることが明らかであるため、追いだきの項目については空白としている。
【0007】
そして、(1)~(4)の時間帯では、湯水の使用量が最大で34.16Lとなるのに対し、(5)の時間帯では、湯水の使用量が180Lとなる湯張動作が含まれることから、極端に湯水の使用量が増加していることが分かった。
このことから、出願人は、(5)の時間帯においては、補助熱源となる給湯器を主に使用し、(1)~(4)の時間帯においては、湯水を供給できる分だけヒートポンプのタンクの容量を確保すれば、タンク及び給湯システム全体の小型化が達成できると考えた。
但し、タンクの容量を小さくし過ぎると、(1)~(4)の時間帯での湯水の使用中に湯切れを起こし、使用者に不便をかけることになる。逆に、タンクの容量が大き過ぎると、(1)~(4)の時間帯で湯水を多く使用した場合、次の(5)の時間帯までに、満杯としたタンク内の湯水の温度が十分に上がらなくなるおそれがあり、やはり使用者に不便をかけることになる。
従って、タンクを小型化するにしても、容量の下限値と上限値とを適切に設定する必要がある。
【0008】
まず、タンクの容量の下限値(第1基準容量)の設定を検討する。
図1において、浴槽での湯水の使用がない(1)~(4)の時間帯では、各時間帯の前後に十分な間隔があり、(1)~(4)の時間帯内でタンク内の湯水を使い切ったとしても、次の時間帯になるまでタンク内の湯を沸かし上げることができると判断した。
よって、(1)~(4)の時間帯のうち、所定量の水道水をミキシングすることで、最も多く湯水が使用される時間帯で使用される湯量を作り出すことが可能な湯水の量を求めて、その量をタンクの容量の下限値とすれば、(1)~(4)の時間帯において必要な湯量を確保できると考えた。
具体的には、(1)~(4)の時間帯で最も多く使用される湯量は、(2)の時間帯の34.16Lである。これを目標水量とする。
そこで、
図2に示すように、タンク50内のA(℃)の湯水X(L)と、水温B(℃)の水道水Y(L)とをミキシングし、JIS2075に沿った40℃の湯水を34.16(L)出湯するためには、タンク内の湯量X及び水道水Yがどの程度必要かを、以下の式(1)(2)に基づいて算出した。なお、水の比重は全温度で一定と仮定して計算した。
X+Y=34.16 ・・(1)
A×X+B×Y=40×34.16 ・・(2)
結果、水道水と混合するのに必要なタンク内の湯量(必要湯量)を、入水温度とタンク内の湯水の温度(タンク温度)との関係ごとにまとめると、
図3の表の通りとなる。
【0009】
図3において、7.6℃は、東京都水道局発表の令和2年度の最低水温であり、16.8℃は、平均温度である。タンク温度の75℃は、サルモネラ菌の死滅温度である。通常の運用でタンク内の湯を保温する場合には、サルモネラ菌の死滅温度まで上昇させた後、それよりも低い温度で保温することが想定される。よって、
図3では、タンク温度が75℃よりも低い50℃~70℃の範囲の5℃刻みでそれぞれの必要湯量を算出すると共に、参考までにタンク温度が75℃及びそれより高い80℃の場合の必要湯量を算出している。
冬期においても湯水を過不足なく供給することを条件として、入水温度が7.6℃の場合に着目した。タンク温度を70℃に維持すると仮定すると、必要湯量は17.73Lとなっている。従って、タンクの第1基準容量は、17.73L以上とする必要があると考えられる。
【0010】
また、タンク温度を65℃に維持すると仮定した場合、必要湯量は19.28Lとなる。この場合、タンクの容量が大きくなるものの、湯温を70℃に維持する場合に比べてヒートポンプの運転頻度を抑えることができるメリットがある。
一方、必要湯量を17.73Lよりも小さな値とすると、入水温度が高い冬期以外においては十分な湯量となるものの、冬期においては、タンク温度を70℃よりも高い75℃や80℃に維持する必要があり、ヒートポンプの運転時間が長くなる。これはランニングコストを考慮すると好ましくない。
以上のことから、給湯システムの小型化を第1とする場合は、必要湯量を17.73L以上とするのが望ましく、さらにヒートポンプの運転頻度及び運転時間を抑えてエネルギー消費量を抑えることを考慮すると、第1基準容量は、19.28L以上とするのが望ましいと言える。
【0011】
次に、タンクの容量の上限値(第2基準容量)の設定ついて検討する。
タンク内の湯水を使い切り、タンク内が水道水と同じ温度の水で満たされたと仮定した場合、次に湯が使用される時間帯が来るまでにタンク内の水を十分な温度に沸かし上げることができれば、使用者に不便をかけることなく湯水の供給を行うことができる。
そこで、タンク内の湯水が水道水と同じ温度の水に置き換わった状態から、所定温度(65℃、75℃)まで沸き上げることができるタンク容積(L)を、下記の式(3)に基づいて算出した。
{タンク容積×(沸き上げ温度-入水温度)/(ヒータ能力×860)}×60=沸き上げ時間 ・・(3)
860は、ヒータの1.0kW当たりの定格消費電力(kcal/h)である。ヒータ能力(kW)は、給湯システムの小型化を図る趣旨から、一般に用いられている家庭用のヒートポンプユニット(加熱量4.5kW~7.2kW、三菱電機株式会社HP参照)よりも小出力の熱量(1.0kW、1.5kW、2.0kW、2.5kW)に設定している。
また、式(3)における60(分)の乗算は、
図1の表において、(1)~(4)の各時間帯の後で湯水が使用されない間隔(不使用時間)のうち、最短の間隔が時間帯(1)と(2)との間の4190秒(1時間9分50秒)であることから、それよりも短い60(分)を設定したものである。
【0012】
そして、60分で65℃まで沸かし上げることができる容量について、入水温度及びヒータの容量ごとに計算し、
図4の表にまとめた。また、60分で75℃まで沸かし上げることができる容量についても同様に計算し、
図5の表にまとめた。ヒータの出力は1.0Kwから0.5Kw刻みで4.0Kwまで変化している。
図4の表によれば、入水温度を前述の最低入水温度7.6℃とし、ヒータの出力を小出力である2.0kWとした場合、65℃まで沸かし上げることができる容量は、29.96Lとなっている。すなわち、小出力(2.0kW以下)のヒートポンプを採用して、次に湯水を使用する時間帯までに、タンク内の水道水を65℃に沸かし上げることを考慮すると、タンクの第2基準容量は29.96L以下とする必要がある。29.96L以上の容量とすると、60分ではタンク内の水道水を十分な温度まで沸かし上げることができないため、ヒートポンプを大出力のものにせざるを得ず、システム全体の小型化を図るのが難しくなるからである。
また、タンク内の湯水をサルモネラ菌の死滅温度75℃まで沸かし上げることを考慮すると、
図5の表のように、タンクの第2基準容量は、25.52L以下にすることが望ましい。この場合、60分以内でタンク内の水道水を75℃まで沸かし上げることができ、沸かし上げから滅菌までの時間1分を加味したとしても、余裕をもって次の時間帯までに必要な温度の湯水を準備できるからである。
【0013】
以上のことから、上記目的を達成するための本開示の第1の構成の給湯システムは、以下の構成となる。
湯水を貯留するタンクと、
タンク内の湯水を加熱するヒートポンプと、
供給された湯水を燃料ガスの燃焼熱により加熱する給湯器と、を備え、
タンク内の湯水に水道水を混合して、浴槽を含む複数の使用箇所に供給するタンク使用モードと、
タンクから供給された湯水又は水道水を給湯器により加熱した後、複数の使用箇所に供給する給湯使用モードとを実行可能であり、
タンク使用モードは、浴槽への湯張りが想定される所定の第1の時間帯を除いた所定の第2の時間帯で少なくとも実行可能な給湯システムであって、
代表的と考えられる一般家庭の一日における湯水の使用状況に基づいて、第2の時間帯を、前後に1時間以上湯水の使用がないと想定される複数の時間帯にさらに細分化したときに、細分化したそれぞれの時間帯のうち、最も多く使用される湯の量を目標水量とし、
65~75℃の湯水と、冬季に供給される水道水とを混合したと仮定したときに、40℃の目標水量の混合湯水を生成できる湯水の量を第1基準容量とし、
水道水をタンクに貯留して、ヒートポンプの1.5~2.0kwの出力で加熱したと仮定したときに、一時間で65~75℃の目標温度にまで温度が上昇する水道水の量を第2基準容量として、
タンクの容量が、第1基準容量以上で、且つ第2基準容量以下に設定されていることを特徴とする。
なお、第1の時間帯は、例えば上記(5)の時間帯を含んで設定され、第2の時間帯は、例えば上記(1)~(4)の時間帯を含んで設定される。
第1の構成の別の態様は、上記構成において、第1基準容量は17.73Lであり、第2基準容量は29.96Lであることを特徴とする。
第1の構成の別の態様は、上記構成において、第1基準容量は19.28Lであり、第2基準容量は25.52Lであることを特徴とする。
第1の構成の別の態様は、上記構成において、第1基準容量は、目標水量を34.16Lとして、目標水量を40℃で出湯するために、水道水の入水温度とタンク内の湯水の温度との関係に基づいて導き出した必要湯量であり、
第2基準容量は、第2の時間帯において湯水が使用されない所定の不使用時間以内でタンク内の水道水をヒートポンプによって所定温度に沸かし上げることができる容量であり、水道水の入水温度とヒートポンプの出力との関係に基づいて導き出したものであることを特徴とする。
【0014】
そして、上記目的を達成するための本開示の第2の構成の給湯システムにおけるタンク容量の決定方法は、以下の構成となる。
湯水を貯留するタンクと、
タンク内の湯水を加熱するヒートポンプと、
供給された湯水を燃料ガスの燃焼熱により加熱する給湯器と、を備え、
タンク内の湯水に水道水を混合して、浴槽を含む複数の使用箇所に供給するタンク使用モードと、
タンクから供給された湯水又は水道水を給湯器により加熱した後、複数の使用箇所に供給する給湯使用モードとを実行可能であり、
タンク使用モードは、浴槽への湯張りが想定される所定の第1の時間帯を除いた所定の第2の時間帯で少なくとも実行可能な給湯システムにおいて、タンクの容量を決定する方法であって、
代表的と考えられる一般家庭の一日における湯水の使用状況に基づいて、第2の時間帯を、前後に1時間以上湯水の使用がないと想定される複数の時間帯にさらに細分化したときに、細分化したそれぞれの時間帯のうち、最も多く使用される湯の量を目標水量とし、
65~75℃の湯水と、冬季に供給される水道水とを混合したと仮定したときに、40℃の目標水量の混合湯水を生成できる湯水の量を第1基準容量とし、
水道水をタンクに貯留して、ヒートポンプの1.5~2.0kwの出力で加熱したと仮定したときに、一時間で65~75℃の目標温度にまで温度が上昇する水道水の量を第2基準容量として、
タンクの容量を、第1基準容量以上で、且つ第2基準容量以下に設定することを特徴とする。
第2の構成の別の態様は、上記構成において、第1基準容量は17.73Lであり、第2基準容量は29.96Lであることを特徴とする。
第2の構成の別の態様は、上記構成において、第1基準容量は19.28Lであり、第2基準容量は25.52Lであることを特徴とする。
第2の構成の別の態様は、上記構成において、第1基準容量は、目標水量を34.16Lとして、目標水量を40℃で出湯するために、水道水の入水温度とタンク内の湯水の温度との関係に基づいて導き出した必要湯量であり、
第2基準容量は、第2の時間帯において湯水が使用されない所定の不使用時間以内でタンク内の水道水をヒートポンプによって所定温度に沸かし上げることができる容量であり、水道水の入水温度とヒートポンプの出力との関係に基づいて導き出したものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、タンクの容量を第1基準容量以上で且つ第2基準容量以下に設定しているので、タンク及びヒートポンプを小型化することができる。よって、給湯システム全体のコンパクト化が達成でき、省スペースで設置可能となる。
特に、タンク使用モードは、浴槽への湯張りが想定される第1の時間帯を除いた第2の時間帯で少なくとも実行可能としているので、タンク内の湯水を比較的使用量が少ない湯張り以外の時間帯でのみ使用でき、タンクの容量を可及的に少なくできると共に、容量を少なくしても湯切れが生じるおそれが少なくなる。よって、使用者に不便をかけることがなくなる。
本開示の別の態様によれば、上記効果に加えて、第1基準容量が17.73Lとなるので、タンク及びヒートポンプの一層の小型化に繋がる。
本開示の別の態様によれば、上記効果に加えて、第1基準容量を19.28Lとすることで、タンク内の保温温度を65℃まで下げたとしても、上記(2)の時間帯に必要な量の湯を供給することができる。よって、ヒートポンプの作動頻度を抑えてランニングコストを低減させることができる。
また、第2基準容量を25.52L以下とすることで、ヒートポンプの出力を例えば2.0kWと小さくした場合でも、60分でタンク内の湯をサルモネラ菌の死滅温度である75℃まで上昇させることができ、衛生面での担保が容易となる。
本開示の別の態様によれば、上記効果に加えて、第1基準容量を、第2の時間帯における目標水量である34.16Lを40℃で出湯するために、水道水の入水温度とタンク内の湯水の温度との関係に基づいて導き出した必要湯量とし、第2基準容量を、第2の時間帯において湯水が使用されない所定の不使用時間以内でタンク内の水道水をヒートポンプによって所定温度に沸かし上げることができる容量として、水道水の入水温度とヒートポンプの出力との関係に基づいて導き出したものとしているので、水道水の温度が最低温度(7.6℃)となる厳しい条件の下でも、40℃の混合湯を上記(2)の時間帯の使用量である34.16L提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】代表的と考えられる4人世帯における給湯等の開始時間、出湯量等を表した表である。
【
図2】タンク内の湯水と水道水とをミキシングして所定温度の湯を出湯する模式図である。
【
図3】水道水と混合するのに必要なタンク内の湯量(必要湯量)を、入水温とタンク内の湯水の温度(タンク温度)との関係ごとにまとめた表である。
【
図4】60分で65℃まで沸かし上げることができる容量について、入水温度及びヒータ容量ごとに計算してまとめた表である。
【
図5】60分で75℃まで沸かし上げることができる容量について、入水温度及びヒータ容量ごとに計算してまとめた表である。
【
図7】給湯システムにおける給湯制御のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本開示の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図6は、給湯システムの一例を示す概略図である。給湯システムSは、湯水を貯留するタンク1と、タンク1内の湯水を加熱するヒートポンプ2と、供給された湯水を燃料ガスの燃焼熱により加熱する給湯器3と、コントローラ4と、リモコン5とを備えている。
ここでのタンク1の容量は、前述のタンク容量の決定方法に基づいて20Lが選択されている。ヒートポンプ2は、蒸発器、圧縮器、熱交換器等を備え、熱媒体と通水との熱交換で通水を加熱する公知の熱源で、出力は2.0kWとなっている。タンク1には、給水管6が接続されている。給水管6には、外部の水道管が接続されている。
【0018】
タンク1の上部とヒートポンプ2の出口との間には、タンク往き管7が接続されている。タンク1の下部とヒートポンプ2の入口との間には、タンク戻り管8が接続されている。タンク往き管7とタンク戻り管8とにより、ヒートポンプ2とタンク1との間を湯水が循環する循環路9が形成される。タンク戻り管8には、ポンプ10と、タンク戻り管8内の湯水の温度を検出するための戻り温度サーミスタ11とが設けられている。タンク1の上部には、後述する給湯器3の給湯熱交換器23に接続される中継管12が接続されている。中継管12には、中継管12内を流れる湯水の温度を検出するための中継温度サーミスタ13と、中継管12内を流れる湯水の流量を検出するための流量センサ14とが設けられている。
リモコン5によってヒートポンプ2による保温運転が指示されると、コントローラ4は、ヒートポンプ2及びポンプ10を稼働させる。すると、タンク1内の湯水が循環路9を循環し、ヒートポンプ2を通過する際に加熱される。タンク1内の湯水は、一旦高温(例えば75℃)まで加熱された後、戻り温度サーミスタ11の検出温度に基づいて、ヒートポンプ2がON/OFF制御されることで所定の保温温度(例えば65℃)に維持される。
【0019】
給湯器3は、給湯加熱部20と風呂加熱部21とを備えている。給湯加熱部20は、給湯バーナ22と給湯熱交換器23とを有している。風呂加熱部21は、風呂バーナ24と風呂熱交換器25とを有している。
給湯加熱部20において、給湯熱交換器23の入口には、中継管12が接続されている。給湯熱交換器23の出口には、出湯管26が接続されている。出湯管26には、出湯温度を検出するための出湯温度サーミスタ27が設けられている。出湯管26には、複数の給湯栓29が設けられる外部配管28が接続されている。給湯栓29は、洗面所、台所、浴室内に設けられている。
中継管12と出湯管26との間には、給湯熱交換器23をバイパスするバイパス管30が接続されている。中継管12とバイパス管30との接続部には、中継管12から流れる湯水を給湯熱交換器23側と出湯管26側との何れかに切り替え可能な切替電磁弁31が設けられている。
【0020】
出湯管26と給水管6との間には、ミキシング管32が接続されている。ミキシング管32には、給水管6からミキシング管32に流れる水量を制御可能な水量制御弁33が設けられている。
給湯バーナ22及び風呂バーナ24への燃料ガスの供給を行うガス管34は、給湯加熱部20側の給湯分岐管35と、風呂加熱部21側の風呂分岐管36とに分岐している。給湯分岐管35が給湯バーナ22へ燃料ガスを供給し、風呂分岐管36が風呂バーナ24へ燃料ガスを供給する。給湯分岐管35に給湯ガス切替弁37が設けられて、風呂分岐管36に風呂ガス切替弁38が設けられている。分岐前のガス管34には、上流側から元電磁弁39、比例制御弁40が設けられている。
【0021】
風呂加熱部21において、風呂熱交換器25の入口と外部の浴槽41との間には、風呂戻り管42が接続されている。風呂戻り管42には、循環ポンプ43及び風呂温度サーミスタ44が設けられている。風呂熱交換器25の出口と浴槽41との間には、風呂往き管45が接続されている。風呂戻り管42と風呂往き管45とにより、風呂熱交換器25と浴槽41との間を湯水が循環する追い焚き循環路46が形成されている。
風呂戻り管42と出湯管26との間には、落とし込み管47が接続されている。落とし込み管47には、落とし込み電磁弁48及び落とし込み流量センサ49が設けられている。
【0022】
コントローラ4は、CPU及びCPUに接続されたメモリを含んで構成され、各サーミスタ及び各センサ、各弁と電気的に接続されている。コントローラ4は、リモコン5で設定される運転指令及び設定温度と、各サーミスタ及び各センサから得られる情報とに基づいて、CPUに接続されたメモリを含む非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたプログラムに従って、タンク1内の湯水の保温運転、給湯栓29から湯を出湯する給湯運転、浴槽41に湯張りする湯張り運転、浴槽41内の湯水を追い焚きする追い焚き運転を実行する。
但し、各運転は、
図1で示した湯の使用時間に基づいて、タンク1内の湯水に水道水を混合して湯水の供給を行うタンク使用モードと、タンク1から供給された湯水又は水道水を給湯器3により加熱して湯水の供給を行う給湯使用モードとを時間帯ごとに使い分けするようになっている。以下、コントローラ4による給湯システムSの給湯制御を、
図7のフローチャートに基づいて説明する。
【0023】
まず、ステップ(以下、単に「S」と表記する。)1で、給湯栓29が開栓されて流量センサ14による通水が確認されると、コントローラ4は、S2で、現在の時間帯が、
図1の(1)~(4)の時間帯を含む午前0時から午後7時までの時間帯であるか否かを判別する。
現在の時間帯が午前0時から午後7時までの時間帯であれば、S3で、循環路9において、戻り温度サーミスタ11の検出温度が保温温度以上であるか否かを判別する。
ここで保温温度以上が確認されれば、S4で、タンク使用モードを実行する。すなわち、コントローラ4は、バイパス管30の切替電磁弁31を制御して中継管12の流路をバイパス管30側に切り替える。すると、給水管6からタンク1内に水道水が供給されてタンク1内の湯水が中継管12からバイパス管30を通って出湯管26に流れ、給湯栓29から出湯される。コントローラ4は、中継温度サーミスタ13から得られる湯の温度が、リモコン5で設定される設定温度よりも高い場合、ミキシング管32の水量制御弁33を所定開度に制御して給水管6からの水をミキシング管32へ流し、出湯管26内の湯に混合して設定温度に調整する。
【0024】
一方、S2の判別で、現在の時間帯が、
図1の(1)~(4)の時間帯を含む午前0時から午後7時までの時間帯でない場合、すなわち、
図1の(5)の時間帯を含む午後7時から午前0時までの時間帯である場合、また、S3の判別で、循環路9において戻り温度サーミスタ11の検出温度が保温温度を下回っている場合、コントローラ4は、S5で、給湯使用モードを実行する。すなわち、バイパス管30の切替電磁弁31を制御して中継管12の流路を給湯熱交換器23側に切り替えて、ガス管34の元電磁弁39、給湯ガス切替弁37を開弁させ、比例制御弁40を所定開度で開弁させて、給湯バーナ22へ燃料ガスを供給する。そして、イグナイタを作動させて給湯バーナ22に点火する。すると、給水管6からタンク1内に水道水が供給されてタンク1内の湯水が中継管12から給湯熱交換器23を通る。よって、湯水が燃焼排気との熱交換で加熱されて出湯管26に流れ、給湯栓29から出湯される。
S4のタンク使用モード、S5の給湯使用モードの何れの場合も、S6で給湯栓29の閉栓による通水が停止したことを確認すると、コントローラ4は、S7で、現在の使用モードを終了(給湯使用モードでは給湯バーナ22を消火させる)してS1へ戻る。
午後7時から午前0時までの時間帯は、本開示の第1の時間帯の一例であり、午前0時から午後7時までの時間帯は、本開示の第2の時間帯の一例である。
【0025】
S1で給湯栓29の開栓による通水が確認されず、S8でリモコン5によって湯張り指令がなされると、コントローラ4は、S9で給湯使用モードを実行する。すなわち、バイパス管30の切替電磁弁31を制御して中継管12の流路を給湯熱交換器23側に切り替えて、ガス管34の元電磁弁39、給湯ガス切替弁37を開弁させ、比例制御弁40を所定開度で開弁させて、給湯バーナ22へ燃料ガスを供給する。そして、イグナイタを作動させて給湯バーナ22に点火する。よって、湯水が燃焼排気との熱交換で加熱されて出湯管26に流れる。
次に、コントローラ4は、S10で、落とし込み管47の落とし込み電磁弁48を開弁させて浴槽41への落とし込みを開始する。よって、給湯熱交換器23を通過して加熱された湯が出湯管26から落とし込み管47に流れ、風呂戻り管42から浴槽41に供給される。
【0026】
コントローラ4は、S11で、落とし込み流量センサ49から得られる流量が、予め設定された設定湯量に到達したことを確認すると、S12で落とし込み電磁弁48を閉弁させて給湯バーナ22の燃焼を停止させ、給湯使用モードを終了する。
湯張り後は、S13で、浴槽41内の湯の保温を行う。すなわち、風呂温度サーミスタ44によって湯温を監視し、湯温が設定された湯張り温度から下回ると、循環ポンプ43を作動させると共に、風呂ガス切替弁38を開弁して風呂バーナ24に点火し、浴槽41内の湯を追い焚き循環路46で循環させて追い焚きを行う。S14で、リモコン5で湯張り指令が解除されると、S1へ戻る。
【0027】
上記形態の給湯システムSは、湯水を貯留するタンク1と、タンク1内の湯水を加熱するヒートポンプ2と、供給された湯水を燃料ガスの燃焼熱により加熱する給湯器3と、を備え、タンク1内の湯水に水道水を混合して複数の使用箇所に供給するタンク使用モードと、タンク1から供給された湯水を給湯器3により加熱した後、複数の使用箇所に供給する給湯使用モードとを実行可能である。
そして、タンク1の容量を、前述したタンク容量の決定方法に基づいて、第1基準容量以上で、且つ第2基準容量以下となる20Lに設定しているので、タンク1及びヒートポンプ2を小型化することができる。よって、給湯システムS全体のコンパクト化が達成でき、省スペースで設置可能となる。
【0028】
特に、タンク使用モードは、浴槽41への湯張りが想定される上記(5)の時間帯を含む午後7時から午前0時までの第1の時間帯を除いた第2の時間帯での実行を前提としているので、タンク1内の湯水を比較的使用量が少ない湯張り以外の時間帯でのみ使用でき、タンク1の容量を可及的に少なくできると共に、容量を少なくしても湯切れが生じるおそれが少なくなる。よって、使用者に不便をかけることがなくなる。
ヒートポンプ2の出力は、2.0kWで足りるので、ヒートポンプ2も小型化でき、給湯システムS全体の一層のコンパクト化に繋がる。
【0029】
以下、本開示の変更例について説明する。
タンクの容量は、上記形態の20Lに限らず、上述した通り、容量を17.73L~29.96Lの間、好ましくは19.28L~25.52Lの間で適宜設定してもよい。
上記形態では、中継管と出湯管との間にバイパス管を接続して、タンク内の湯水を使用するタンク使用モードの際は、中継管からバイパス管に湯水を流すようにしているが、バイパス管をなくして、タンク使用モードの際は、中継管から給湯熱交換器に湯水を流すようにしてもよい。
給湯器の熱交換器は、顕熱を回収する一次熱交換器と、潜熱を回収する二次熱交換器とを併設したものであってもよい。
上記形態の給湯器は、風呂加熱部を備えているが、風呂加熱部がなく、落とし込み管で湯張りのみ行えるものであってもよい。
【0030】
第1、第2の時間帯は、固定ではなく、例えばリモコンの設定操作等によって適宜変更可能である。第1、第2の時間帯は、給湯システムを設置する気候や環境等に応じて設定すればよい。
一般家庭の湯水の使用状況は、上記形態のようにJIS規格に基づく想定に限らず、米国規格等の外国の一般規格に基づいて想定するものであってもよい。
タンク使用モードは、上記形態のように第2の時間帯でのみ実行する場合に限らず、タンク内の湯水の残量に余裕があれば、例えば浴槽への足し湯に使用する等、少量且つ短時間であれば第1の時間帯で実行してもよい。
また、コントローラが、一週間や十日間、一ヶ月等の一定期間で湯水の使用箇所ごとの使用量を記憶し、記憶した一定期間内の使用量に基づいて、タンク使用モード及び給湯使用モードを実行する第1、第2の時間帯を変更するようにしてもよい。具体的には、例えば一定期間内の使用量の平均値や積算値が所定の閾値を超えたタイミングで第2の時間帯を第1の時間帯に変更したり、逆に一定期間内の使用量の平均値や積算値が所定の閾値を下回ったタイミングで第1の時間帯を第2の時間帯に変更したりすることが考えられる。
よって、第1の時間帯と第2の時間帯とは、上記(1)~(4)を含む時間帯と上記(5)を含む時間帯とのように2つに区分される場合に限らず、3つ以上の時間帯に区分されてタンク使用モード及び給湯使用モードが交互に実行されるような場合もあり得る。
【符号の説明】
【0031】
S・・給湯システム、1・・タンク、2・・ヒートポンプ、3・・給湯器、4・・コントローラ、5・・リモコン、6・・給水管、7・・タンク往き管、8・・タンク戻り管、9・・循環路、10・・ポンプ、12・・中継管、20・・給湯加熱部、21・・風呂加熱部、22・・給湯バーナ、23・・給湯熱交換器、24・・風呂バーナ、25・・風呂熱交換器、26・・出湯管、29・・給湯栓、30・・バイパス管、31・・切替電磁弁、32・・ミキシング管、33・・水量制御弁、34・・ガス管、35・・給湯分岐管、36・・風呂分岐管、41・・浴槽、42・・風呂戻り管、45・・風呂往き管、46・・追い焚き循環路、47・・落とし込み管。