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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012094
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】表示制御装置
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/06 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
B25J13/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091826
(22)【出願日】2023-06-02
(62)【分割の表示】P 2022112303の分割
【原出願日】2022-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】306022513
【氏名又は名称】日鉄エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【弁理士】
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100217249
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 耕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221279
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健吾
(74)【代理人】
【識別番号】100207686
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 恭宏
(74)【代理人】
【識別番号】100224812
【弁理士】
【氏名又は名称】井口 翔太
(72)【発明者】
【氏名】村上 健太
(72)【発明者】
【氏名】川口 秀喜
(72)【発明者】
【氏名】甲原 匠
(72)【発明者】
【氏名】中尾 泰三
(72)【発明者】
【氏名】富岡 修一
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707BS12
3C707HS27
3C707HT20
3C707JU03
3C707KS34
3C707KW03
3C707KX07
(57)【要約】
【課題】対象から受ける外力に関する情報の取得を効率的にすることができる表示制御装置を提供する。
【解決手段】対象に向かって移動可能な器具が対象から受けた外力に関する外力情報を表示部222に表示させる表示制御手段223gを備え、表示制御手段223gは、器具が対象から受ける反力の大きさを示す円を、表示部222に表示させる表示制御装置223とする。または、対象に向かって移動可能な器具が対象から受けた外力に関する外力情報を表示部222に表示させる表示制御手段223gを備え、表示制御手段223gは、具が移動する距離の変化に応じて大きさが変化する円を、表示部222に表示させる表示制御装置223とする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象に向かって移動可能な器具が前記対象から受けた外力に関する外力情報を表示部に表示させる表示制御手段
を備え、
前記表示制御手段は、前記器具が前記対象から受ける反力の大きさを示す円を、前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記器具が前記対象から受ける反力の方向を示す矢印を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
対象に向かって移動可能な器具が前記対象から受けた外力に関する外力情報を表示部に表示させる表示制御手段
を備え、
前記表示制御手段は、前記器具が移動する距離の変化に応じて大きさが変化する円を、前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする表示制御装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記器具が移動する方向を示す矢印を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記表示部に表示される前記矢印の向きがユーザによって変更される場合、前記器具が移動する方向を変更する変更手段、
を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の表示制御装置。
【請求項6】
対象に向かって移動可能な器具が前記対象から受けた外力に関する外力情報を表示部に表示させる表示制御手段
を備え、
前記表示制御手段は、
前記器具が前記対象から受ける反力の大きさを示す円である第1円と、
前記器具が移動する距離を示す円である第2円と、
を前記表示部にともに表示させ、
前記第1円と前記第2円とは同心円である、
ことを特徴とする表示制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人がロボットを遠隔操作して作業を行うために、作業対象の形状等を表示する手段が用いられる。
特許文献1では、変形センサが外力を受けた位置を検出部によって検出して表示するシステムが開示されている。特許文献2では、実加工情報を加工位置と関連付けて表示する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-286747号公報
【特許文献2】特開平11-224116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人が立ち入れない場所(例えば、溶融炉内)にロボットを配置して、前記ロボットを遠隔操作することで作業を行うことがある。ユーザが作業対象を直接目視できない場合において、例えば、ロボットが作業対象から受けた外力によって、作業対象の形状を把握したい旨などの要望がある。しかしながら、この種の要望があったとしても、前記従来のシステム等によっては、作業対象から受ける外力に関する情報の取得に課題がある。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、対象から受ける外力に関する情報の取得を効率的にすることができる表示制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
<1>本発明の態様1に係る表示制御装置は、対象に向かって移動可能な器具が前記対象から受けた外力に関する外力情報を表示部に表示させる表示制御手段を備え、前記表示制御手段は、前記器具が前記対象から受ける反力の大きさを示す円、または前記器具が移動する距離の変化に応じて大きさが変化する円を、前記表示部に表示させることを特徴とする。
なお、前記表示制御手段は、前記器具が前記対象から受ける反力の大きさを示す円である第1円と、前記器具が移動する距離を示す円である第2円と、を前記表示部にともに表示させ、前記第1円と前記第2円とは同心円であることを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、対象から受ける外力に関する情報の取得を効率的にすることができる表示制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る制御システムの制御対象の構成例である。
図2図1に示すアタッチメント周辺の拡大図である。
図3】本実施形態の制御システムのシステム構成図である。
図4】本発明に係る表示制御装置のブロック図である。
図5】本発明に係る表示部である。
図6】ツール先端とワーク零点との位置関係を示す画像の例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る表示制御装置223を説明する。本発明に係る表示制御装置223は、図1に示すように、例えば、制御システム200に用いられる。制御システム200は、制御対象100を制御する際に用いられる。表示制御装置223の説明にあたり、まず、制御対象100及び制御システム200について説明する。
【0010】
(制御対象100)
図1に示すように、制御システム200は、制御対象100を制御する。制御対象100は、例えば、対象に向かって器具Rを移動可能とする。本実施形態において、対象は、耐火物Mと、耐火物Mに付着する付着物と、を含む。耐火物Mは、例えば、溶融炉の内壁である。付着物は、例えば、耐火物Mの内壁に堆積したスラグである。器具Rは、棒状の部材である。制御対象100は、棒状の器具Rを操作し、器具Rを付着物に物理的に接触させることで除去する。以下、本実施形態について上述の用途を例に挙げて説明する。
【0011】
制御対象100は、装置本体10と、アタッチメント20と、を備える。
装置本体10は、アタッチメント20(後述する)及び器具Rを、耐火物Mの付近まで移動させる。図2に示すように、装置本体10は、ベース11と、アーム12と、関節13と、ハンド14と、を備える。
【0012】
ベース11は、装置本体10において作業現場に設置される部位である。ベース11にはアーム12の一方の端が接続されている。
アーム12は、一方の端がベース11に接続され、他方の端が関節13に接続される。
関節13は、アーム12とハンド14とを接続する。
ハンド14は、関節13を介してアーム12と接続されている。また、ハンド14にはアタッチメント20が接続されている。これにより、アタッチメント20に6自由度を付与する。
【0013】
装置本体10には、例えば、公知の6軸垂直多関節ロボットが好適に用いられる。本実施形態において、装置本体10は、ハンド14によって、アタッチメント20及び器具Rを第1方向D1及び第2方向D2に移動させる。なお、第1方向D1は、装置本体10のハンド14から耐火物Mの内部に堆積した付着物へ接近する直線方向をいう。第2方向D2は、第1方向D1の反対の方向をいう。
【0014】
アタッチメント20は、装置本体10のハンド14に取り付けられている。図2に示すように、アタッチメント20は、基台部21と、可動部22と、力覚センサ23と、グリッパ24と、駆動部25と、を備える。
アタッチメント20において、可動部22は、基台部21に設けられたサーボモータによって、第1方向D1及び第2方向D2に移動する。以下において、上述の可動部22の移動方向について、特に軸方向と呼称することがある。
【0015】
基台部21は、アタッチメント20における装置本体10のハンド14に取り付けられる部位である。可動部22は、基台部21に取り付けられ、軸方向に移動する。力覚センサ23は、可動部22に設けられたセンサである、力覚センサ23は、例えば、可動部22に負荷された軸方向の圧力を感知する。上述の構成により、力覚センサ23は、例えば、器具Rが付着物に接触することで発生する反力を感知する。
【0016】
グリッパ24は、可動部22に設けられた力覚センサ23に接するように設けられている。グリッパ24は、例えば、制御システム200によって操作する器具Rをアタッチメント20に取り付けるために把持する部位である。器具Rに生じた反力は、このグリッパ24を介して力覚センサ23に伝達される。
【0017】
駆動部25は、軸方向において可動部22と基台部21との距離を変化させる。本実施形態において、駆動部25は、例えば、ボールねじをサーボモータによって回転させることで、可動部22と基台部21との距離を変化させる。アタッチメント20の移動機構の移動速度は、装置本体10の移動速度よりも速い。具体的には、ハンド14から見た器具Rの第1方向D1への移動速度は、ベース11から見たハンド14の第1方向D1への移動速度よりも速い。あるいは、本構成と同等の移動速度を確保できれば、駆動部25には、例えば、油圧シリンダが用いられていてもよい。
【0018】
上述のように、アタッチメント20は、ハンド14によって第1方向D1及び第2方向D2へ移動する。これに加えて、アタッチメント20の駆動部25によって、可動部22が第1方向D1及び第2方向D2へ往復移動する。また、アタッチメント20には、グリッパ24を介して器具Rが取り付けられる。この器具Rが、駆動部25によって第1方向D1及び第2方向D2に往復移動する。このように往復移動する器具Rの先端を付着物に接触させることで、耐火物Mの内部の付着物を除去する。なお、図1及び図2に示すように、器具Rのアタッチメント20側の端部と、耐火物M側の端部との間に保持部fを設けてもよい。これにより器具Rの中間部を保持することで、器具Rが円滑に往復移動することを担保してもよい。
【0019】
(制御システム200)
次に、図3及び図4を用いて、制御システム200について説明する。
制御システム200は、運転室210と、制御盤220と、を備えている。
まず、図3に示すように、作業現場に設置された制御システム200では、装置本体10が運転室210に設けられたロボット用制御盤211に接続されている。ロボット用制御盤211は、プログラミングペンダント212と、座標計算機213にそれぞれ接続されている。また、アタッチメント20及びロボット用制御盤211がユーザの操作する制御盤220に接続されている。
【0020】
制御盤220は、操作部221と、表示部222と、表示制御装置223と、を備える。本実施形態に係る制御システム200は、この操作部221をユーザが操作することによって入力される指令を受け付けることにより作動する。
表示部222は、ユーザが制御盤220を操作するとき、各要件を判断するための情報を把握するために用いられる。表示部222は、表示制御装置223から出力される各種情報を表示する。
【0021】
(表示制御装置223)
表示制御装置223は、表示部222の表示を制御する。表示制御装置223は、表示制御装置は、ユーザにより操作される操作部からの入力を取得可能である。また、表示制御装置223は、後述する第2経過時間情報を取得可能である。表示制御装置223は、制御対象100から伝達される情報を、適宜表示部222に表示させる。制御対象100から伝達される情報として、外力情報と、位置情報と、第1距離情報と、第2距離情報と、器具位置情報と、が挙げられる。
【0022】
外力情報は、器具Rが対象から受ける外力についての情報である。具体的には、外力情報は、例えば、制御対象100によって対象に向かって移動した器具Rが対象に接触した時、器具Rが対象から受ける反力についての情報である。器具Rが対象から外力を受けたか否かは、後述する第1判定手段223aによって判定される。
【0023】
位置情報は、器具Rが対象から外力を受けた時の、器具Rの位置に関する情報をいう。本実施形態において、器具Rの位置とは、特に器具Rの先端に対応する位置をいう。したがって、位置情報は、器具Rの先端が対象に接触した位置である。器具Rの位置は、後述する取得手段223bによって取得される。
【0024】
第1距離情報は、第1距離を示す情報である。第1距離とは、器具Rから耐火物Mまでの距離である。本実施形態において、第1距離は、特に器具Rの先端から耐火物Mまでの距離である。ここで、本実施形態において、耐火物M(溶融炉)と制御対象100のベース11との相対位置は一定である。また、耐火物Mの形状は一定である。このため、第1距離は、例えば、ベース11の中心を原点とした、制御対象100の出力する器具Rの先端の位置座標の情報と、耐火物Mの外表面の位置座標の情報と、を用いて計算することで算出可能である。
【0025】
第2距離情報は、第2距離を示す情報である。第2距離とは、器具Rから付着物までの距離である。本実施形態において、第2距離は、特に器具Rの先端から付着物までの距離である。第2距離は、例えば、制御対象100の出力する器具Rの先端の位置座標の情報と、後述する第1位置及び第2位置の位置座標の情報とを用いて計算することで算出可能である。
【0026】
器具位置情報は、器具Rの位置に関する情報をいう。本実施形態において、器具Rの位置とは、特に器具Rの先端に対応する位置をいう。器具Rの位置は、後述する取得手段223bによって取得される。器具位置情報は、器具Rが対象から外力を受けたかに関わらず、常に制御手段から出力される点で、位置情報と相違する。
【0027】
表示制御装置223は、図4に示すように、第1判定手段223aと、取得手段223bと、第2判定手段223cと、第3判定手段223dと、通知手段223eと、出力手段223fと、表示制御手段223gと、を備える。
第1判定手段223aは、器具Rが対象から外力を受けたか否かを判定する。第1判定手段223aは、前記判定に、例えば、アタッチメント20の力覚センサ23が感知する反力についての情報を用いる。第1判定手段223aは、前記反力の大きさに対して閾値を設けることで、器具Rが反力を受けたことを判定する。器具Rが反力を受けたと第1判定手段223aが判定した場合、その情報は、例えば、取得手段223bに伝達される。
【0028】
取得手段223bは、第1位置及び第2位置を取得する。
第1位置とは、器具Rが対象から外力を受けた位置である。つまり、取得手段223bは、器具Rが対象から外力を受けたと第1判定手段223aにより判定された時点の器具Rの位置情報を取得し、第1位置として処理する。上述のように、取得手段223bによって取得される器具Rの位置は、特に器具Rの先端に対応する位置である。つまり、第1位置は、器具Rの先端が対象に接触した際の、器具Rの先端の位置である。
【0029】
第2位置とは、器具Rが対象から新たな外力を受けた位置である。新たな外力とは、器具Rが、取得手段223bが第1位置を取得した時点よりも後に、対象から受ける外力をいう。取得手段223bは、器具Rが対象から新たな外力を受けたと第1判定手段223aにより判定された時点の器具Rの位置情報を取得し、第2位置として処理する。第1位置と同様に、第2位置は、器具Rの先端が対象に接触した際の、器具Rの先端の位置である。
【0030】
ここで、取得手段223bは、例えば、位置情報の取得が最短4ミリ秒間隔で可能である。つまり、第1位置を取得する時点と、第2位置を取得する時点との間の時間は、最短で4ミリ秒である。言い換えれば、取得手段223bは、器具Rが対象から外力を受けている間、位置情報を4ミリ秒間隔で取得し続ける。以下、複数の位置情報について、時間差について特に言及する必要がある場合を除き、第1位置と第2位置との区別を省略する。
【0031】
本実施形態において、第1位置に対応する外力に関する情報は、第1外力情報I1として処理される。第1外力情報I1は、第1経過時間情報と、第2経過時間情報と、を含む。第1経過時間情報とは、第1経過時間を示す情報である。第2経過時間情報とは、第2経過時間を示す情報である。
なお、第1外力情報I1のうち最新の情報を、第2位置に対応する外力に関する情報である第2外力情報としてもよいが、本実施形態においては、第1外力情報I1として説明する。
【0032】
第1経過時間とは、例えば、操作部221がユーザにより操作されてから、すなわち、ユーザが制御システム200及び制御対象100を用いた作業を開始してから、器具Rが対象から外力を受けたと第1判定手段223aにより判定されるまでに経過した時間である。第1経過時間とは、器具Rが対象から外力を受けたと第1判定手段223aにより判定されてから経過した時間であってもよい。
【0033】
第2経過時間は、例えば、操作部221がユーザにより操作されてから経過した時間である。言い換えれば、ユーザが制御システム200及び制御対象100を用いた作業を開始してから経過した時間である。このとき、作業を開始した時点は、例えば、操作部221からの信号の入力を受け付けた時点である。
【0034】
第2判定手段223cは、第1経過時間の長さが所定時間を超えたか否かを判定する。第2判定手段223cは、第2経過時間の長さが所定時間を超えたか否かを判定してもよい。所定時間は、任意に決定可能である。前記所定時間は、例えば、作業を開始してから終了するまでの時間である。このとき、作業を終了した時点は、例えば、操作部221からの信号の入力を受け付けなくなった時点である。前記所定時間は、作業を開始してから一旦作業を終了し、次の作業を開始するまでの時間であってもよい。第2判定手段223cによる判定結果は、例えば、表示制御手段223gに伝達される(詳細は後述する)。
第3判定手段223dは、第1位置と第2位置とが同じ位置であるか否かを判定する。第3判定手段223dによる判定結果は、例えば、通知手段223eに伝達される。
【0035】
通知手段223eは、第1位置と第2位置とが同じ位置であると第3判定手段223dにより判定された場合に、第1位置と第2位置とが同じであることをユーザに通知する。ここで、第1位置と第2位置とが同じ位置であることは、第1位置を取得した時点と第2位置を取得した時点とで、対象の形状が変化していないことを意味する。したがって、通知手段223eによる通知によって、ユーザは、制御システム200及び制御対象100を用いた作業によって対象の形状が変化していないことを把握する。つまり、本実施形態においては、通知手段223eによる通知によって、ユーザは、耐火物Mに付着した付着物が除去できていないことを把握する。
通知手段223eによるユーザへの通知は、例えば、通知の内容を、文章、色、その他の方法で表示部222に視覚的に表示することによってされてもよいし、音を発することでされてもよいし、その他任意の方法でされてもよい。具体例としては、例えば、第1位置と第2位置とが同じ位置であると判定された場合に、表示部222において第1位置を表示している部位を点滅させる方法が挙げられる。
【0036】
出力手段223fは、器具Rが対象に向かって移動する理由を示す理由情報を出力する。つまり、ユーザが制御システム200及び制御対象100を用いた作業を行う際の、作業を行う理由を出力する。
出力手段223fが出力する理由情報は、例えば、輝度低下、確認、圧高解消、定時、指示、その他、である。
【0037】
輝度低下とは、対象、すなわち耐火物M(溶融炉)の燃焼温度が低く、輝度が通常よりも低いことを意味する。この原因として、耐火物Mに対する付着物の増加による燃焼効率の低下が挙げられる。これを解消するため、器具Rによって付着物を除去する際、輝度低下の理由を出力する。
【0038】
確認とは、付着物の状態(大きさ、硬さ等)を器具Rによって確認する際に出力される理由である。
圧高解消とは、対象、すなわち耐火物M(溶融炉)内の圧力が高いことを意味する。この原因として、付着物の増加によって耐火物Mの内部が詰まっていることが挙げられる。これを解消するため、器具Rによって付着物を除去する際、圧高解消の理由を出力する。
【0039】
定時とは、定期的に行われる、耐火物Mに付着した付着物の除去作業をする際に出力される理由である。
指示とは、例えば、ユーザが上位者等からの指示を受けて作業を行う際に出力される理由である。
その他とは、上記以外の理由によって作業を行う際に出力される理由である。
本実施形態において、上記各理由情報には、1から6の番号が順に割り当てられる。出力手段223fは、理由情報を割り当てられた数字として出力する。出力された数字は、表示部222に表示される。ユーザは、数字を目視することで、理由情報を把握する。
【0040】
表示制御手段223gは、表示部222を制御する。以下、表示制御手段223gによる制御の内容を具体的に説明する。
表示制御手段223gは、例えば、第1外力情報I1を表示部222に表示させる。表示制御手段223gは、取得手段223bにより取得された第1位置と、第1外力情報I1と、をそれぞれ互いに対応した状態で表示するよう、表示部222を制御する。
【0041】
表示制御手段223gは、第1経過時間情報が判別可能なように、第1外力情報I1を表示部222に表示させる。具体的には、表示制御手段223gは、例えば、第1外力情報I1を、第1経過時間の長さに対応する第1色で、表示部222に表示させる。表示部222に第1色で表示された第1外力情報I1は、時間の経過に伴って第2色、第3色と変化させてもよい。
第1色、第2色、第3色は、それぞれ任意の色を適宜選択可能である。例えば、第1色を濃い色とし、時間の経過に合わせて色が薄くなるように第2色及び第3色を選択することが好ましい。
【0042】
表示制御手段223gは、第1経過時間の長さが所定時間を超えたと第2判定手段223cにより判定された場合に、表示部222に表示されている第1外力情報I1を表示部222から消去させる。
表示制御手段223gは、第2経過時間の長さが所定時間を超えたと第2判定手段223cにより判定された場合に、表示部222に表示されている第1外力情報I1を表示部222から消去させてもよい。
【0043】
表示制御手段223gは、第1距離情報と、第2距離情報と、を表示部222に表示させる。このとき、第1距離情報及び第2距離情報は、例えば、第1距離及び第2距離の関係を視覚的に把握できるようにすることが好ましい。例えば、長さの異なる図形を2つ表示させ、前記図形の長さの比率を、第1距離と第2距離との比率に対応させて表示させることが好ましい。
【0044】
表示制御手段223gは、器具位置情報を表示部222に表示させる。具体的には、表示制御手段223gは、器具位置情報を、例えば、上述の第1色で表示部222に表示させる。表示部222に第1色で表示された器具位置情報は、時間の経過に伴って上述の第2色、第3色と変化させてもよい。
【0045】
(表示部222の表示内容について)
次に、図5を用いて、表示部222の表示内容について説明する。表示部222は、表示制御手段223gによって制御された結果を、以下に説明するように表示する。
図5に示すように、表示部222は、水平反力表示部222aと、鉛直反力表示部222bと、垂直反力表示部222cと、上垂直表示部222dと、下垂直表示部222eと、位置表示部222fと、距離表示部222gと、理由表示部222hと、数値表示部222iと、を備える。なお、以下において、反力とは、棒状の部材である器具Rの軸上に加わる外力をいう。すなわち、反力とは、器具Rを用いた作業中において、器具Rに付加される反力をいう。
【0046】
水平反力表示部222aは、水平反力画像を表示する部位である。水平反力画像は、水平方向に沿って見た対象を示す画像である。水平反力画像には、図5に示すように、耐火物Mの形状が定常的に表示されていることが好ましい。また、水平反力画像は、例えば、耐火物Mにおける、特に器具Rが接触可能な範囲を示すことが好ましい。かつ、耐火物Mに対する器具Rの位置が目視可能に示されることが好ましい。この時、耐火物Mの長さ、すなわち、水平反力画像における紙面左右方向の寸法の縮尺は、部位ごとに適宜変更してもよい。これにより、特に耐火物Mにおける付着物が付着しやすい領域が拡大して表示されるようにしてもよい。
表示制御手段223gは、第1外力情報I1を、水平反力画像における位置であって取得手段223bに取得された第1位置に対応する位置に、表示するよう、表示部222を制御する。
【0047】
鉛直反力表示部222bは、鉛直反力画像を表示する部位である。鉛直反力画像は、鉛直方向に沿って見た対象を示す画像である。鉛直反力画像には、図5に示すように、耐火物Mの形状が定常的に表示されていることが好ましい。また、鉛直反力画像は、例えば、耐火物Mと付着物との位置関係が目視可能に示されることが好ましい。ここで、鉛直反力画像においては、器具Rの位置が示される重要性が低い。このため、鉛直反力画像は、耐火物Mの長さの縮尺を部位ごとで変更しないようにすることが好ましい。
表示制御手段223gは、第1外力情報I1を、鉛直反力画像における位置であって取得手段223bに取得された第1位置に対応する位置に、表示するよう、表示部222を制御する。
【0048】
垂直反力表示部222cは、垂直反力画像を表示する部位である。垂直反力画像は、水平方向及び鉛直方向の両方に垂直な方向に沿って見た対象を示す画像である。本実施形態において、垂直反力画像は、器具Rの位置する側から対象を見た視点を示す画像である。垂直反力画像には、図5に示すように、耐火物Mの形状が定常的に表示されていることが好ましい。また、垂直反力画像は、例えば、耐火物Mと付着物との位置関係が目視可能に示されることが好ましい。ここで、垂直反力画像においては、器具Rの位置が示される重要性が低い。このため、垂直反力画像は、耐火物Mの長さの縮尺を部位ごとで変更しないようにすることが好ましい。
表示制御手段223gは、第1外力情報I1を、垂直反力画像における位置であって取得手段223bに取得された第1位置に対応する位置に、表示するよう、表示部222を制御する。
【0049】
上述したように、取得手段223bは、器具Rが対象から外力を受けている間、位置情報を4ミリ秒間隔で取得し続ける。結果として、図5に示すように、水平反力画像、鉛直反力画像、及び垂直反力画像において、第1外力情報I1が、第1位置に対応する位置に、複数の点として表示される。これにより、ユーザは、前記複数の点の集合を、付着物の形状として把握することができる。また、上述したように、複数の点は、例えば、時間の経過に伴って色が変化する。更に、複数の点のうち、所定時間を超えたものは、水平画像から消去される。これにより、ユーザは、複数の点の集合の形状の変化を、付着物の形状の変化として把握することができる。
【0050】
上垂直表示部222d及び下垂直表示部222eは、垂直画像を表示する部位である。垂直画像は、水平方向及び鉛直方向の両方に垂直な方向に沿って見た耐火物Mを示す画像である。本実施形態において、垂直画像は、器具Rの位置する側から耐火物Mを見た視点を示す画像である。垂直画像には、図5に示すように、耐火物Mの形状が定常的に表示されていることが好ましい。
【0051】
上述の垂直反力画像には、第1外力情報I1が表示される。これに対し、垂直画像には、器具位置情報が表示される点で、垂直反力画像と相違する。
ここで、本実施形態において、図5の水平画像に示すように、器具Rは、耐火物Mに対して、上段Uと下段Dから接近可能である。これに対応し、垂直画像は、上垂直画像と、下垂直画像と、に分類される。以下、これらを区別しない場合に、垂直画像と呼称する。
【0052】
上垂直画像には、器具Rが上段Uから耐火物Mに接近した場合に、器具位置情報が表示される。上垂直画像は、上垂直表示部222dに表示される。
下垂直画像には、器具Rが下段Dから耐火物Mに接近した場合に、器具位置情報が表示される。下垂直画像は、下垂直表示部222eに表示される。
表示制御手段223gは、器具位置情報を、垂直画像における位置であって器具Rの位置に対応する位置に、表示するよう、表示部222を制御する。
【0053】
上述したように、器具位置情報は、器具Rが対象から外力を受けたかに関わらず、常に制御手段から出力される。結果として、図5に示すように、垂直画像において、器具位置情報が、複数の点として表示される。これにより、ユーザは、前記複数の点の集合を、器具Rの先端の軌跡として把握することができる。つまり、ユーザは、垂直画像によって、耐火物Mに対して器具Rをまんべんなく移動させたかを確認することができる。
ここで、上述したように、本実施形態において、器具Rは、耐火物Mに付着した付着物を除去するために用いられる。したがって、ユーザは、垂直画像によって、付着物の見落としがないかを確認することができる。
【0054】
位置表示部222fは、位置画像を表示する部位である。位置画像は、水平方向及び鉛直方向の両方に垂直な方向に沿って見た耐火物Mを示す画像である。本実施形態において、位置画像は、器具Rの位置する側から耐火物Mを見た視点を示す画像である。
上述の垂直画像には、器具位置情報が、耐火物Mの位置を基準に表示される。これに対し、位置画像には、器具位置情報が、器具Rの先端を基準に表示される点で、垂直画像と相違する。すなわち、図5に示すように、位置画像においては、中心に器具Rの先端が1つの点として表示される、そして、器具Rの移動に伴い、複数の線で描画された耐火物Mが移動するように表示される。これにより、ユーザは、作業中において最新の器具位置情報を把握する。
また、垂直画像には、器具位置情報が、器具Rの先端の軌跡として表示されるのに対し、位置画像には、常に最新の器具位置情報のみが表示される点で、垂直画像と相違する。
【0055】
距離表示部222gは、距離画像を表示する部位である。距離画像は、第1距離情報及び第2距離情報を表示する画像である。距離画像は、第1距離及び第2距離の関係を視覚的に把握できるようにすることが好ましい。距離画像には、図5に示すように、耐火物Mの形状が可変的に表示されていることが好ましい。表示制御手段223gは、以下のように表示部222を制御する。
【0056】
例えば、耐火物Mを、距離画像における左端から任意の位置まで、任意の色で表示する。これに対し、器具Rを、距離画像における右端から、耐火物Mと異なる色で表示する。
この時の距離画像における、耐火物Mの右端と器具Rの左端との間の距離が、第1距離である。また、器具Rの先端と耐火物Mとの間に、取得手段223bが取得した第1位置がある場合は、距離画像において、耐火物Mの右端と第1位置との間を、耐火物M及び器具Rと異なる色で表示する。この時の距離画像における、第1位置と器具Rの左端との間の距離が、第2距離である。
これにより、ユーザは、耐火物Mの右端と第1位置との間の領域に付着物があると把握できる。距離画像に表示される第1位置は、器具Rが新たな外力を受けた場合は適宜更新されることが好ましい。
【0057】
理由表示部222hは、理由情報を表示する部位である。上述のように、理由情報は、数字により出力される。表示制御手段223gは、出力手段223fにより出力される理由情報とともに、第1外力情報I1を表示するよう、表示部222を制御する。
例えば、図5に示すように、理由表示部222hは、出力手段223fにより出力された数字をハイライトすることで、ユーザが理由情報を把握できるようにする。これに加えて、例えば、理由情報を文字によって表示してもよい。
【0058】
数値表示部222iは、本実施形態に係る作業において必要な各種情報を数値として表示する。前記各種情報とは、例えば、器具Rの先端の位置座標、第1距離及び第2距離の数値、力覚センサ23が測定した外力の数値、器具Rの角度、その他数値である。表示制御手段223gは、上述の各数値を表示するように、表示部222を制御する。
【0059】
図5に係る表示部222よって示される各情報に加えて、図6に示す画像によって、下記情報も表示されることが好ましい。なお、図6に示す画像は、図5において示される表示部222と別の画像である。
図6は、ワーク零点に対するツール先端の位置と、ツール先端に作用する反力の方向及び量と、ツール先端が動作する方向及び量と、を視覚的に表示する画像を示すものである。
【0060】
本実施形態において、ワーク零点は、例えば、溶融炉である耐火物Mの炉口である。ワーク零点は、図6に示すように、3本の直線の交点によって示される。ワーク零点は、前記3本の直線それぞれの中点となるように表示される。
本実施形態において、ツール先端は、例えば、器具Rの先端である。ツール先端は、図6に示すように、3本の直線の交点によって示される。ツール先端は、前記3本の直線それぞれの端部となるように表示される。
【0061】
図6に示す画像において、ツール先端に作用する反力の方向、及び、ツール先端が動作する方向は、それぞれ矢印の向きで示される。
図6に示す画像において、ツール先端に作用する反力の量(すなわち、反力の大きさ)、及び、ツール先端が動作する量(すなわち、距離)は、上述の矢印の先端が接する円の大きさで示される。
【0062】
本実施形態において、ユーザは、図6に示す画像を用いてアタッチメント20の動作を制御することが可能であることが好ましい。例えば、図6に示す画像において、ツール先端が動作する方向を示す矢印の向きをユーザがマウス等で変更することで、アタッチメント20が移動する方向を変更可能であることが好ましい。
【0063】
図6に示す画像において、ツール先端に作用する反力の方向及び大きさを示す矢印及び円を示す色は、ツール先端が動作する方向及び量を示す矢印及び円を示す色と異なることが好ましい。このようにすることで、ユーザが視覚的に各情報を把握しやすくすることが好ましい。
【0064】
図6においては、ワーク零点を原点とする座標系(ワーク座標系)及び装置本体10のベース11を原点とする座標系(ワールド座標系)の両方が目視可能に表示されることが好ましい。図6におけるワーク座標系及びワールド座標系は、装置本体の関節座標によって算出されることが好ましい。すなわち、ワーク座標系及びワールド座標系それぞれにおけるワークの位置、ツール先端の位置は、装置本体におけるベースとアームとの相対角度及びアームとハンドとの相対角度とに基づいて適宜計算の上算出されることが好ましい。
【0065】
(ハードウェア構成)
運転室210に備えられたロボット用制御盤211、及び制御盤220はそれぞれ、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサとメモリとを備えるシステム制御装置を備え、プログラムを実行する。ロボット用制御盤211及び制御盤220はそれぞれ、プログラムの実行によって、上述の各機能を備える装置として機能する。
表示部222のハードウェア構成として、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の出力装置が挙げられる。上述の図5及び図6に示す画像は、1つのディスプレイによって示されてもよいし、個別のディスプレイによって示されてもよい。
【0066】
なお、制御システム200の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0067】
以上説明したように、本実施形態に係る表示制御装置223によれば、また、器具Rが対象から外力を受けたと第1判定手段223aにより判定される場合に、器具Rが対象から外力を受けた位置である第1位置を取得する取得手段223bを備える。言い換えれば、取得手段223bは、器具Rが対象から外力を受けた時に、器具Rの位置(第1位置)を取得する。これにより、器具Rの位置を常に取得し続ける態様と比較して、器具Rが対象から受ける外力や、外力を受けた位置に関する情報の取得をより効率的に行うことができる。
【0068】
また、取得手段223bにより取得された第1位置に対応する外力に関する第1外力情報I1を表示部222に表示させる表示制御手段223gを備える。言い換えれば、表示制御手段223gは、第1位置において器具Rが受けた外力に関する情報(第1外力情報I1)を表示部222に表示させる。これにより、ユーザは、第1外力情報I1を目視により効率的に把握することができる。
【0069】
また、第1外力情報I1は、操作部221がユーザにより操作されてから、器具Rが対象から外力を受けたと第1判定手段223aにより判定されるまでに経過した時間である第1経過時間を示す第1経過時間情報を含む。これにより、ユーザは、外力を受けた時間が操作中のどの時点のものであるかを把握しながら作業を行うことができる。
【0070】
また、表示制御手段223gは、第1経過時間情報が判別可能なように第1外力情報I1を表示部222に表示させる。これにより、ユーザは、表示部222に表示された第1外力情報I1が、具体的にどの時点のものであるかを、容易に把握することができる。したがって、ユーザは、時間の経過に伴う外力の変化をより具体的に把握することができる。
【0071】
また、表示制御手段223gは、第1外力情報I1を、第1経過時間の長さに対応する第1色で、表示部222に表示させる。これにより、ユーザは、時間の経過に伴う外力の変化を直感的に把握することができる。また、経過時間を別途表示することを不要とすることができる。よって、表示部222に表示させる情報量が損なわれることを防ぐことができる。
【0072】
また、表示制御手段223gは、第2経過時間の長さが所定時間を超えたと第2判定手段223cにより判定された場合に、表示部222に表示されている第1外力情報I1を表示部222から消去させる。これにより、表示部222に第1外力情報I1が蓄積されることで、ユーザにとって表示部222が見づらくなることを防ぐことができる。また、ユーザが、直近の第1外力情報I1を把握しやすくすることができる。
【0073】
また、表示制御手段223gは、表示部222のうち、取得手段223bにより取得された第1位置に相当する部分に、第1外力情報I1を表示するよう、表示部222を制御する。これにより、ユーザが、器具Rが外力を受けた位置と、その外力についての第1外力情報I1と、を視覚的に対応付けて把握しやすくすることができる。つまり、ユーザは、器具Rがどの位置にある時に対象から外力を受けたかを、視覚的に把握することができる。
【0074】
また、表示制御手段223gは、取得手段223bにより取得された第2位置に対応する外力に関する第2外力情報を表示部222に表示させる。これにより、器具Rが対象から外力を複数回受けたことを、ユーザが把握しやすくすることができる。また、例えば、表示部222のうち、第1位置に相当する部分に第1外力情報I1が表示され、第2位置に相当する部分に第2外力情報が表示されることで、表示部222において、対象が外力を受けた位置の領域が目視可能に形成される。これにより、ユーザが、対象の形状や大きさを視覚的に把握しやすくすることができる。
【0075】
また、第1位置と第2位置とが同じ位置であるか否かを判定する第3判定手段223dと、第1位置と第2位置とが同じ位置であると第3判定手段223dにより判定された場合に、第1位置と第2位置とが同じであることをユーザに通知する通知手段223eを更に備える。例えば、通知手段223eによって第1位置と第2位置とが同じであることを通知された場合は、対象の形状が変化していないことを意味する。これにより、対象の形状の変化をユーザが容易に把握しやすくすることができる。
【0076】
また、対象は、耐火物Mと、耐火物Mに付着する付着物と、を含む。表示制御手段223gは、器具Rから耐火物Mまでの距離を示す第1距離情報と、器具Rから付着物までの距離を示す第2距離情報と、を表示部222に表示させる。これにより、例えば、器具Rから耐火物Mまでの距離と、器具Rから付着物までの距離との差を、耐火物Mに付着した付着物の大きさと捉えることができる。これにより、器具Rが外力を受けている対象が、耐火物M又は付着物のいずれであるかを、ユーザが容易に把握できるようにすることができる。したがって、例えば、耐火物Mに付着物が付着しているか否かを、ユーザが容易に把握しやすくすることができる。
【0077】
また、表示制御手段223gは、水平方向に沿って見た対象を示す水平画像とともに、第1外力情報I1を、水平画像における位置であって取得手段223bに取得された第1位置に対応する位置に、表示するよう、表示部222を制御する。これにより、表示部222によって、対象を水平方向から見た場合における具体的な形状を視覚的に把握することができる。
【0078】
また、表示制御手段223gは、鉛直方向に沿って見た対象を示す鉛直画像とともに、第1外力情報I1を、鉛直画像における位置であって取得手段223bに取得された第1位置に対応する位置に、表示するよう、表示部222を制御する。これにより、表示部222によって、対象を鉛直方向から見た場合における具体的な形状を視覚的に把握することができる。
【0079】
また、表示制御手段223gは、垂直反力画像とともに、第1外力情報I1を、垂直反力画像における位置であって取得手段223bに取得された第1位置に対応する位置に、表示するよう、表示部222を制御する。これにより、表示部222によって、対象を垂直方向から見た場合における具体的な形状を視覚的に把握することができる。
【0080】
また、表示制御手段223gは、水平方向及び鉛直方向の両方に垂直な方向に沿って見た対象を示す垂直画像とともに、器具Rの位置を示す器具位置情報を、垂直画像における位置であって器具Rの位置に対応する位置に、表示するよう、表示部222を制御する。これにより、作業中における器具Rの位置を、ユーザが容易に把握することができる。また、例えば、垂直画像において、器具位置情報が時間の経過とともに蓄積するように表示されることで、器具Rの軌跡をユーザが容易に把握しやすくすることができる。
【0081】
また、表示制御手段223gは、出力手段223fにより出力される理由情報とともに、第1外力情報I1を表示するよう、表示部222を制御する。これにより、ユーザは、器具Rを対象に向かわせる作業を行う際、的確に理由を把握しつつ作業を行うことができる。ユーザが作業の理由を把握することで、例えば、作業の理由と、器具Rが受ける反力の特徴との間に相関が取れないことを、異常と感知することができる。
また、例えば、理由情報及び第1外力情報I1を、時間の経過とともに対応させて記録することで、器具Rを対象に向かわせる作業の履歴として適宜管理することができる。
【0082】
また、第1位置は、器具Rの先端に対応する位置である。これにより、器具Rの先端がどの位置にある場合において外力を受けたかを管理することができる。よって、対象の形状をより正確に把握することができる。
【0083】
また、第1外力情報I1は、操作部221がユーザにより操作されてから経過した時間である第2経過時間を示す第2経過時間情報を含む。これにより、ユーザは、操作部221を操作している時間を把握しながら作業を行うことができる。
【0084】
また、第1外力情報I1は、器具Rが対象から外力を受けたと第1判定手段223aにより判定されてから経過した時間である第1経過時間を示す第1経過時間情報を含む。これにより、ユーザは、時間の経過に伴い、最新の外力についての情報と、過去の時点の外力についての情報を、効率的に把握することができる。したがって、ユーザは、時間の経過に伴う外力の変化を把握することができる。
【0085】
また、表示制御手段223gは、第1経過時間の長さが所定時間を超えたと第2判定手段223cにより判定された場合に、表示部222に表示されている第1外力情報I1を表示部222から消去させる。つまり、時間が十分に経過した第1外力情報I1を、表示部222から順次消去する。これにより、表示部222に第1外力情報I1が蓄積されることで、ユーザにとって表示部222が見づらくなることを防ぐことができる。また、ユーザが、直近の第1外力情報I1を把握しやすくすることができる。
【0086】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、本実施形態では、表示制御手段223gは、例えば、第1外力情報I1を、第1経過時間の長さに対応する第1色で、表示部222に表示させる。として説明したが、これに限らない。例えば、時間の経過に伴って、第1外力情報I1を示す図形が変化するようにしてもよい。また、時間の経過に伴って、第1外力情報I1を示す図形が点滅するようにしてもよい。
【0087】
上述の各画像において、器具Rの先端が耐火物Mに接触した場合と、付着物に接触した場合とで、第1外力情報I1を表示する色を分けて表示してもよい。
上述の各画像において、第1外力情報I1は、時間の経過に関わらず、例えば、ユーザによるリセット指示等によって表示部222から一括消去されてもよい。
【0088】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0089】
221 操作部
222 表示部
223 表示制御装置
223a 第1判定手段
223b 取得手段
223c 第2判定手段
223d 第3判定手段
223e 通知手段
223f 出力手段
223g 表示制御手段
I1 第1外力情報
M 耐火物
R 器具
図1
図2
図3
図4
図5
図6