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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012096
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】半導体素子
(51)【国際特許分類】
   H10B 12/00 20230101AFI20240118BHJP
【FI】
H10B12/00 671A
H10B12/00 661
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091886
(22)【出願日】2023-06-02
(31)【優先権主張番号】10-2022-0086789
(32)【優先日】2022-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】李 相昊
(72)【発明者】
【氏名】鄭 文泳
(72)【発明者】
【氏名】盧 亨俊
【テーマコード(参考)】
5F083
【Fターム(参考)】
5F083AD01
5F083AD03
5F083AD21
5F083GA09
5F083JA02
5F083JA05
5F083JA19
5F083JA35
5F083JA36
5F083JA39
5F083JA40
5F083JA56
5F083MA06
5F083MA17
5F083PR03
(57)【要約】
【課題】高集積化が可能な、又は、電気的特性が向上した半導体素子を提供する。
【解決手段】例示的な実施形態による半導体素子は、第1ソース/ドレイン領域、第1ソース/ドレイン領域よりも高いレベルの第2ソース/ドレイン領域、及び第1及び第2ソース/ドレイン領域の間の垂直チャネル領域を含む垂直パターンと、垂直パターンの第1側面と向かい合うゲート構造物と、垂直パターンの第1側面に対向する第2側面と向かい合うバックゲート構造物と、を含み、ート構造物は、垂直パターンの第1側面上のゲート電極と、垂直パターンとゲート電極との間に配置された部分を含むゲート誘電層と、を含み、バックゲート構造物は、垂直パターンの第2側面上のバックゲート電極と、垂直パターンとバックゲート電極との間に配置された部分を含む誘電体構造物と、を含み、誘電体構造物はエアギャップ(air gap)を含む、半導体素子。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ソース/ドレイン領域、前記第1ソース/ドレイン領域よりも高いレベルの第2ソース/ドレイン領域、及び前記第1及び第2ソース/ドレイン領域の間の垂直チャネル領域を含む垂直パターンと、
前記垂直パターンの第1側面と向かい合うフロントゲート構造物と、
前記垂直パターンの前記第1側面に対向する第2側面と向かい合うバックゲート構造物と、を含み、
前記フロントゲート構造物は、
前記垂直パターンの前記第1側面上のゲート電極と、
前記垂直パターンと前記ゲート電極との間に配置された少なくとも一部分を含むゲート誘電層と、を含み、
前記バックゲート構造物は、
前記垂直パターンの前記第2側面上のバックゲート電極と、
前記垂直パターンと前記バックゲート電極との間に配置された部分を含む誘電体構造物と、を含み、
前記誘電体構造物は内部にエアギャップ(air gap)を含む、半導体素子。
【請求項2】
前記誘電体構造物は、前記エアギャップの少なくとも一側を定義する第1スペーサをさらに含む、請求項1に記載の半導体素子。
【請求項3】
前記第1スペーサは、前記ゲート誘電層とは異なる物質を含む、請求項2に記載の半導体素子。
【請求項4】
前記ゲート誘電層は、SiO、HfO、HfSiO、HfSiON、HfTaO、HfTiO、HfZrO、ZrO、又はAlの少なくとも一つを含む、請求項3に記載の半導体素子。
【請求項5】
前記第1スペーサは、SiO、SiN、SiOC、SiON、SiCN、SiOCN、SiOCH、又はSiOFの少なくとも一つを含む、請求項2に記載の半導体素子。
【請求項6】
前記第1スペーサは、前記エアギャップ及び前記垂直パターンの間に配置される垂直延長部、及び前記垂直延長部の上端から前記バックゲート電極に向かって延長される水平延長部を含み、
前記水平延長部は前記バックゲート電極と接触する、請求項2に記載の半導体素子。
【請求項7】
前記誘電体構造物は、前記エアギャップと前記バックゲート電極との間に配置され、前記第1スペーサの水平延長部と接触する第2スペーサをさらに含む、請求項6に記載の半導体素子。
【請求項8】
前記エアギャップの幅は前記第1スペーサの厚さよりも大きく、
前記エアギャップの前記幅は前記エアギャップの両側(sides)間の距離である、請求項2に記載の半導体素子。
【請求項9】
前記バックゲート構造物は前記バックゲート電極及び前記誘電体構造物上に配置される第1補助構造物をさらに含み、
前記垂直パターンは前記誘電体構造物の側面に沿って前記第1補助構造物の側面上に延長される部分を有する、請求項1に記載の半導体素子。
【請求項10】
前記フロントゲート構造物は前記ゲート電極上のゲートキャッピング層をさらに含み、
前記第1補助構造物の下面は前記ゲートキャッピング層の下面と実質的に同一であるか、又は、それよりも低いレベルに位置する、請求項9に記載の半導体素子。
【請求項11】
前記バックゲート構造物は前記バックゲート電極の下方に配置される第2補助構造物をさらに含み、
前記第2補助構造物は前記エアギャップの下面を定義する、請求項1に記載の半導体素子。
【請求項12】
前記第2補助構造物は、
前記バックゲート電極の下面及び前記エアギャップの前記下面を覆いながら、前記垂直パターンの側面に沿って下方に延長される第1層と、
前記第1層の内部を埋める第2層と、を含む、請求項11に記載の半導体素子。
【請求項13】
前記第2補助構造物の上面は前記バックゲート電極と接触する第1面、及び前記エアギャップを定義し、前記第1面よりも高いレベルに位置する第2面を有する、請求項11に記載の半導体素子。
【請求項14】
前記ゲート電極の下面は前記第2補助構造物の上面よりも低いレベルに位置する、請求項11に記載の半導体素子。
【請求項15】
前記垂直パターンの前記第1ソース/ドレイン領域の上面は前記エアギャップの下端と同一であるか、又は、それよりも低いレベルに位置する、請求項1に記載の半導体素子。
【請求項16】
前記垂直パターンの前記第2ソース/ドレイン領域の下面は前記エアギャップの上端と同一であるか、又は、それよりも高いレベルに位置する、請求項1に記載の半導体素子。
【請求項17】
第1水平方向に延長されるビットライン構造物と、
前記ビットライン構造物上に配置され、互いに離隔された第1垂直パターン及び第2垂直パターンと、
前記ビットライン構造物上で、前記第1水平方向に交差する第2水平方向に延長される第1ゲート構造物と、
前記ビットライン構造物上で、前記第1ゲート構造物と平行になるように前記第2水平方向に延長される第2ゲート構造物と、
前記第1及び第2ゲート構造物の間のバックゲート構造物と、を含むが、
前記第1垂直パターンは、
前記ビットライン構造物と電気的に連結される第1ソース/ドレイン領域と、
前記第1ソース/ドレイン領域よりも高いレベルの第2ソース/ドレイン領域と、
前記第1及び第2ソース/ドレイン領域の間の第1垂直チャネル領域と、を含み、
前記第1垂直チャネル領域は前記第1及び第2ゲート構造物の間に配置され、
前記第2垂直パターンは、
前記ビットライン構造物と電気的に連結される第3ソース/ドレイン領域と、
前記第3ソース/ドレイン領域よりも高いレベルの第4ソース/ドレイン領域と、
前記第3及び第4ソース/ドレイン領域の間の第2垂直チャネル領域と、を含み、
前記バックゲート構造物は、
前記第1及び第2垂直パターンの間に配置されるバックゲート電極と、
第1エアギャップを定義する前記バックゲート電極と前記第1垂直パターンとの間の第1空間と、
第2エアギャップを定義する前記バックゲート電極と前記第2垂直パターンとの間の第2空間と、を含む、半導体素子。
【請求項18】
前記第1ゲート構造物は、
前記第2水平方向に延長される第1ゲート電極と、
前記第1ゲート電極と前記第1及び第2垂直パターンとの間の第1ゲート誘電層と、を含み、
前記第2ゲート構造物は、
前記第2水平方向に延長される第2ゲート電極と、
前記第2ゲート電極と前記第1及び第2垂直パターンとの間の第2ゲート誘電層と、を含み、
前記ビットライン構造物の上面と垂直な垂直方向において、前記第1及び第2ゲート誘電層のそれぞれの長さは前記第1エアギャップの長さよりも長い、請求項17に記載の半導体素子。
【請求項19】
前記第1及び第2垂直パターンのそれぞれは前記ビットライン構造物上の複数の垂直パターンを含み、
前記第1及び第2垂直パターンは前記バックゲート構造物の一側に沿って前記第2水平方向に互いに離隔して配置される、請求項18に記載の半導体素子。
【請求項20】
前記第1及び第2のゲート誘電層は前記複数の垂直パターンの一側面から延長されて前記バックゲート構造物と接触する、請求項19に記載の半導体素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子に関する。
【背景技術】
【0002】
電子産業の発展及びユーザーのニーズに応じて、電子機器は更に小型化及び高性能化されている。これによって、電子機器に使用される半導体素子に対しても高集積化及び高性能化が要求されている。高性能の半導体素子を製造するために、隣接した導電構造物の間を離隔させるのに最適化されたスペーサ構造物を形成するための技術が要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の実施形態による技術的課題の一つは、高集積化が可能な、又は、電気的特性が向上した半導体素子を提供することである。サイズ及び集積度に関する半導体産業のニーズに応えるために、本発明は隣接した導電性構造物の間の間隔のためのスペーサ構造物を形成することを含む。一部の実現において、スペーサ構造物内で、バックゲート電極と垂直チャネル領域との間の誘電層は低い誘電定数(『low-κ』)を有するエアギャップを含むことができ、これによって、電気的特性の向上とともに、高集積度を達成することができる。一部の実現において、垂直チャネルトランジスター(VCT)構造物の総シーケンスは、エアギャップを有する一つ以上の層を有する誘電体構造物と結合して電気的特性を改善することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
例示的な実施形態による半導体素子は、第1ソース/ドレイン領域、上記第1ソース/ドレイン領域よりも高いレベルの第2ソース/ドレイン領域、及び上記第1及び第2ソース/ドレイン領域の間の垂直チャネル領域を含む垂直パターンと;上記垂直パターンの第1側面と向かい合うゲート構造物と;上記垂直パターンの上記第1側面に対向する第2側面と向かい合うバックゲート構造物と;を含み、上記ゲート構造物は、上記垂直パターンの上記第1側面上のゲート電極と;上記垂直パターンと上記ゲート電極との間に配置された部分を含むゲート誘電層と;を含み、上記バックゲート構造物は、上記垂直パターンの上記第2側面上のバックゲート電極と;上記垂直パターンと上記バックゲート電極との間に配置された部分を含む誘電体構造物と;を含み、上記誘電体構造物はエアギャップ(air gap)を含むことができる。
【0005】
例示的な実施形態による半導体素子は、第1水平方向に延長されるビットライン構造物と;上記ビットライン構造物上に配置され、互いに離隔された第1垂直パターン及び第2垂直パターンと;上記ビットライン構造物上で、上記第1水平方向に交差する第2水平方向に延長される第1ゲート構造物と;上記ビットライン構造物上で、第1ゲート構造物と平行になるように上記第2水平方向に延長される第2ゲート構造物と;上記第1及び第2ゲート構造物の間のバックゲート構造物と;を含むが、上記第1垂直パターンは、上記ビットライン構造物と電気的に連結される第1ソース/ドレイン領域、上記第1ソース/ドレイン領域よりも高いレベルの第2ソース/ドレイン領域、及び上記第1及び第2ソース/ドレイン領域の間の垂直チャネル領域を含み、上記第1垂直パターンの上記垂直チャネル領域は上記第1及び第2ゲート構造物の間に配置され、第2垂直パターンは、上記ビットライン構造物と電気的に連結される第3ソース/ドレイン領域と、上記第3ソース/ドレイン領域よりも高いレベルの第4ソース/ドレイン領域と、上記第3及び第4ソース/ドレイン領域の間の第2垂直チャネル領域と、を含み、上記バックゲート構造物は、上記第1及び第2垂直パターンの間に配置されるバックゲート電極と、第1エアギャップを定義する上記バックゲート電極と上記第1垂直パターンとの間の第1空間と、第2エアギャップを定義する上記バックゲート電極と上記第2垂直パターンの間の第2空間と、を含むことができる。
【0006】
例示的な実施形態による半導体素子は、第1ソース/ドレイン領域、上記第1ソース/ドレイン領域よりも高いレベルの第2ソース/ドレイン領域、及び上記第1及び第2ソース/ドレイン領域の間の垂直チャネル領域を含む垂直パターンと、上記垂直パターンの第1側面と向かい合うゲート構造物と、上記垂直パターンの上記第1側面に対向する第2側面と向かい合うバックゲート構造物と、を含み、上記ゲート構造物は、上記垂直パターンの上記第1側面上のゲート電極と、上記垂直パターンと上記ゲート電極との間に配置された部分を含むゲート誘電層と、を含み、上記バックゲート構造物は、上記垂直パターンの上記第2側面上のバックゲート電極と、上記垂直パターンと上記バックゲート電極との間に配置された部分を含む誘電体構造物と、を含み、上記ゲート誘電層の垂直方向への第1長さは上記誘電体構造物の上記垂直方向への第2長さよりも長くなることができる。
【0007】
例示的な実施形態による半導体素子は、第1ソース/ドレイン領域、上記第1ソース/ドレイン領域よりも高いレベルの第2ソース/ドレイン領域、及び上記第1及び第2ソース/ドレイン領域の間の垂直チャネル領域を含む垂直パターンと、上記垂直パターンの第1側面と向かい合うゲート構造物と、上記垂直パターンの上記第1側面に対向する第2側面と向かい合うバックゲート構造物と、を含み、上記ゲート構造物は、上記垂直パターンの上記第1側面上のゲート電極と、上記垂直パターンと上記ゲート電極との間に配置された部分を含むゲート誘電層と、を含み、上記バックゲート構造物は、上記垂直パターンの上記第2側面上のバックゲート電極と、上記垂直パターンと上記バックゲート電極との間に配置された部分を含む誘電体構造物と、上記バックゲート電極及び上記誘電体構造物上の第1補助構造物と、上記バックゲート電極の下方の第2補助構造物と、を含み、上記誘電体構造物はエアギャップ(air gap)を含み、上記第1補助構造物は上記誘電体構造物の上面を定義し、上記第2補助構造物は上記エアギャップの下面を定義することができる。
【発明の効果】
【0008】
ゲート電極及び垂直チャネル領域の間のゲート誘電層とは異なる構造を有する誘電体構造物をバックゲート電極及び垂直チャネル領域の間に配置させることで、高集積化又は電気的特性の向上が達成された半導体素子を提供することができる。誘電体構造物は、ゲート誘電層よりも低誘電率の物質、例えば、エアギャップ(air gap)を含むことで垂直チャネル領域に対するバックゲート電極の制御能力を相対的に減少させることができる。これによって、垂直チャネル領域に対するゲート電極の制御能力を相対的に増加させるとともに高集積化された半導体素子を提供することができる。
【0009】
本発明の多様かつ有益な長所及び効果は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】例示的な実施形態による半導体素子の概略的な平面図である。
図2】例示的な実施形態による半導体素子の概略的な断面図である。
図3】例示的な実施形態による半導体素子の部分拡大断面図である。
図4a】例示的な実施形態による半導体素子の部分拡大断面図である。
図4b】例示的な実施形態による半導体素子の部分拡大断面図である。
図4c】例示的な実施形態による半導体素子の部分拡大断面図である。
図4d】例示的な実施形態による半導体素子の部分拡大断面図である。
図4e】例示的な実施形態による半導体素子の部分拡大断面図である。
図5】例示的な実施形態による半導体素子の概略的な断面図である。
図6】例示的な実施形態による半導体素子の概略的な断面図である。
図7】例示的な実施形態による半導体素子の概略的な断面図である。
図8a】例示的な実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための概略的な図面である。
図8b】例示的な実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための概略的な図面である。
図9】例示的な実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための概略的な図面である。
図10】例示的な実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための概略的な図面である。
図11】例示的な実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための概略的な図面である。
図12】例示的な実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための概略的な図面である。
図13】例示的な実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための概略的な図面である。
図14】例示的な実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための概略的な図面である。
図15a】例示的な実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための概略的な図面である。
図15b】例示的な実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための概略的な図面である。
図15c】例示的な実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための概略的な図面である。
図16a】例示的な実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための概略的な図面である。
図16b】例示的な実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための概略的な図面である。
図17a】例示的な実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための概略的な図面である。
図17b】例示的な実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための概略的な図面である。
図18a】例示的な実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための概略的な図面である。
図18b】例示的な実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための概略的な図面である。
図19a】例示的な実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための概略的な図面である。
図19b】例示的な実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための概略的な図面である。
図20a】例示的な実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための概略的な図面である。
図20b】例示的な実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための概略的な図面である。
図21a】例示的な実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための概略的な図面である。
図21b】例示的な実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための概略的な図面である。
図22a】例示的な実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための概略的な図面である。
図22b】例示的な実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための概略的な図面である。
図23】例示的な実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための概略的な図面である。
図24】例示的な実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための概略的な図面である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下において、『上部』、『中間』、及び『下部』などの用語は、他の用語、例えば、『第1』、『第2』、及び『第3』などの用語に代わって明細書の構成要素を説明するために使用されてもよい。『第1』、『第2』、及び『第3』などの用語は多様な構成要素を説明するために使用されることができるが、これらの構成要素は上記用語によって限定されるものではなく、『第1構成要素』は『第2構成要素』と名付けられることができる。
【0012】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施形態について次のように説明する。
【0013】
図1は、例示的な実施形態による半導体素子の概略的な平面図である。図1は、エアギャップ132_AG(図2を参照)が配置される領域に対する平面部分を含んで図示する。
【0014】
図2は、例示的な実施形態による半導体素子の概略的な断面図である。図2は、図1の切断線I-I’に沿った断面を図示する。
【0015】
図3は、例示的な実施形態による半導体素子の部分拡大断面図である。図3は、図2の‘A’領域を拡大して図示する。
【0016】
図1から図3を参照すると、半導体素子100は、下部絶縁層101、下部絶縁層101上で第1水平方向、例えば、X方向に延長されるビットライン構造物110、下部絶縁層101、及びビットライン構造物110上で互いに離隔して第2水平方向、例えば、Y方向に延長されるライン構造物120、上記下部絶縁層101及びビットライン構造物110上でライン構造物120の側面を覆う中間絶縁層103、中間絶縁層103上の上部絶縁層107、上部絶縁層107上の情報保存構造物180、及び上部絶縁層107を貫通してライン構造物102と情報保存構造物180を連結するコンタクトパターン170を含むことができる。
【0017】
例示的な実施形態において、ライン構造物120は、第1水平方向Xに互いに離隔して平行に延長される第1ライン構造物120_1及び第2ライン構造物120_2を含むことができる。
【0018】
ライン構造物120のそれぞれは、バックゲート構造物130、バックゲート構造物130の両側で第2水平方向Yに沿って断続的に延長される垂直パターン140、及び垂直パターン140の少なくとも一側に配置されるフロントゲート構造物160を含むことができる。垂直パターン140のそれぞれは、第1ソース/ドレイン領域140SD1、第1ソース/ドレイン領域140SD1よりも高いレベルの第2ソース/ドレイン領域140SD2、及び第1及び第2ソース/ドレイン領域140SD1、140SD2の間の垂直チャネル領域140VCを含むことができる。
【0019】
半導体素子100は、垂直パターン140、垂直パターン140と電気的に連結されるビットライン構造物110、及び垂直パターン140の少なくとも一側に配置されるフロントゲート構造物160から構成される垂直型トランジスター(Vertical Channel Transistor)を含むことができる。
【0020】
半導体素子100は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)のセルアレイ(cell array)に適用されることができるが、これに限定されるものではない。
【0021】
下部絶縁層101は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物(SiON)、又はシリコン炭窒化物(SiCN)などのような絶縁性物質を含むことができる。
【0022】
例示的な実施形態において、下部絶縁層101は、順に積層された第1から第4下部絶縁層101a、101b、101c、101dを含むことができる。第1下部絶縁層101aは他の構造物と接着するための接着層とすることができ、第4下部絶縁層101dはビットライン構造物110の下面を覆う絶縁層とすることができる。但し、実施形態によって、下部絶縁層101の層数及び物質は多様に変更されることができる。
【0023】
ビットライン構造物110は、下部絶縁層101上で第1水平方向Xに延長されることができる。例示的な実施形態において、ビットライン構造物110は下部絶縁層101内に埋め込まれることができる。例えば、第4下部絶縁層101dはビットライン構造物110の下部面及び側面を覆うことができる。
【0024】
ビットライン構造物110は、垂直パターン140と電気的に連結されることができる。例えば、ビットライン構造物110は垂直パターン140の第1ソース/ドレイン領域140SD1と接触して電気的に連結されることができる。
【0025】
ビットライン構造物110は複数とすることができ、複数のビットライン構造物110は上記第1水平方向と垂直な方向に互いに離隔して平行に延長されることができる。
【0026】
ビットライン構造物110は、ドープされたポリシリコン、金属、導電性金属窒化物、金属-半導体化合物、導電性金属酸化物、導電性グラフェン(graphene)、炭素ナノチューブ(carbon nanotube)、又はこれらの組み合わせを含むことができる。例えば、上記下部導電性ライン39及び上記下部コンタクト構造物36の少なくとも一つは、ドープされたポリシリコン、Al、Cu、Ti、Ta、Ru、W、Mo、Pt、Ni、Co、TiN、TaN、WN、NbN、TiAl、TiAlN、TiSi、TiSiN、TaSi、TaSiN、RuTiN、NiSi、CoSi、IrO、RuO、グラフェン(graphene)、炭素ナノチューブ(carbon nanotube)、又はこれらの組み合わせから構成されることができる。例示的な実施形態において、ビットライン構造物110は、下部絶縁層101上に順に積層された第1から第3導電パターン110a、110b、110cを含むことができる。第1導電パターン110aは、例えば、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、及びアルミニウム(Al)のような金属物質を含むことができ、第2導電パターン110bは、例えば、チタン窒化物(TiN)などの金属窒化物又はチタンシリサイド(TiSi)などのシリサイド物質を含むことができ、第3導電パターン110cは、多結晶シリコンのような半導体物質を含むことができる。第3導電パターン110cは不純物がドーピングされた層とすることができる。但し、実施形態によって、ビットライン構造物110をなす層の物質、層数、及び厚さは多様に変更されることができる。
【0027】
垂直パターン140のそれぞれは、ビットライン構造物110と接触する第1ソース/ドレイン領域140SD1、コンタクトパターン170と連結される第2ソース/ドレイン領域140SD2、及び第1及び第2ソース/ドレイン領域140SD1、140SD2の間の垂直チャネル領域140VCを含むことができる。
【0028】
例示的な実施形態において、第1及び第2ソース/ドレイン領域140SD1、140SD2は第1導電型とすることができ、垂直チャネル領域140VCは上記第1導電型とは異なる第2導電型を有するか、又は、ドーピングされない真性領域とすることができる。例えば、第1導電型はN型の導電型とすることができ、第2導電型はP型の導電型とすることができる。
【0029】
例示的な実施形態において、垂直パターン140は、単結晶半導体物質を含むことができる。上記単結晶半導体物質は、IV族半導体、III-V族化合物半導体、又はII-VI族化合物半導体を含むことができ、例えば、シリコン、シリコンカーバイド、ゲルマニウム、又はシリコン-ゲルマニウムの少なくとも一つを含む単結晶半導体とすることができる。但し、実施形態によって、垂直パターン140は、多結晶半導体物質、IGZO(Indium Gallium Zinc Oxide)などの酸化物半導体物質、又はMoSなどの2次元物質のうち少なくとも一つを含んでもよい。
【0030】
垂直パターン140は、第2水平方向Yに互いに離隔して配列される第1垂直パターン140_1、及び第2水平方向に互いに離隔して配列され、第1水平方向Xで第1垂直パターン140_1と離隔された第2垂直パターン140_2を含むことができる。第1垂直パターン140_1はバックゲート構造物130の一側に配置され、第2垂直パターン140_1はバックゲート構造物130の上記一側に対向する他側に配置されることができる。
【0031】
バックゲート構造物130は、下部絶縁層101上でビットライン構造物110の上部面を交差して第2水平方向Yに延長されることができる。
【0032】
バックゲート構造物130は、第2水平方向に延長されるバックゲート電極135、バックゲート電極135の両側に配置される誘電体構造物132、バックゲート電極135上の第1補助構造物136、及びバックゲート電極135の下方の第2補助構造物137を含むことができる。
【0033】
バックゲート電極135は、垂直パターン140のそれぞれの垂直チャネル領域140VC内にトラップされるチャージ(charges)を除去する役割を果たすことができる。垂直チャネル領域140VCはフローティングボディとすることができ、バックゲート電極135は垂直チャネル領域140VCのフローティングボディ効果(floating body effect)による半導体素子100の性能劣化を防止又は最小化するためにフローティングされた垂直チャネル領域140VCを補うための構造物とすることができる。
【0034】
バックゲート電極135は、ドープされたポリシリコン、金属、導電性金属窒化物、金属-半導体化合物、導電性金属酸化物、グラフェン(graphene)、炭素ナノチューブ(carbon nanotube)、又はこれらの組み合わせを含むことができる。例えば、バックゲート電極135は、ドープされたポリシリコン、Al、Cu、Ti、Ta、Ru、W、Mo、Pt、Ni、Co、TiN、TaN、WN、NbN、TiAl、TiAlN、TiAlC、TaAlC、TiSi、TiSiN、TaSi、TaSiN、RuTiN、NiSi、CoSi、IrO、RuO、グラフェン(graphene)、炭素ナノチューブ(carbon nanotube)、又はこれらの組み合わせから構成されることができるが、これに限定されるものではない。バックゲート電極135は、前述した物質の単一層又は多重層で形成されることができる。
【0035】
例示的な実施形態において、バックゲート電極135は、ゲート電極165と同じ物質で形成されることができるが、これに限定されず、他の物質を含んでもよい。
【0036】
誘電体構造物132は、下部絶縁層101上でバックゲート電極135の両側に沿って第2水平方向Yに延長されることができる。
【0037】
例示的な実施形態において、誘電体構造物132は、バックゲート電極135の一側に配置される第1誘電体構造物132_1、及びバックゲート電極135の上記一側に対向する他側に配置される第2誘電体構造物132_2を含むことができる。第1誘電体構造物132_1はバックゲート電極135と第1垂直パターン140_1との間に配置される部分を含み、第2誘電体構造物132_2はバックゲート電極135と第2垂直パターン140_2との間に配置される部分を含むことができる。
【0038】
誘電体構造物132は、バックゲート電極135と垂直パターン140との間に配置されてバックゲート電極135と垂直パターン140を離隔させることができる。
【0039】
誘電体構造物132は、ゲート誘電層162とは異なる物質を含むことができる。誘電体構造物132はゲート誘電層162よりも低誘電率の物質を含むことができる。
【0040】
例示的な実施形態において、誘電体構造物132のそれぞれは、エアギャップ(air gap)132_AG及び第1スペーサ132_S1を含むことができる。
【0041】
エアギャップ132_AGは、垂直チャネル領域140VC及びバックゲート電極135の間で垂直方向Zに延長されることができる。バックゲート電極135と垂直パターン140との間の空間はエアギャップ132_AGと定義されることができる。例えば、第1誘電体構造物132_1内で第1スペーサ132_S1、バックゲート電極135、及び第1層137aから取り囲まれた第1空間は第1エアギャップ132_AGを定義することができる。第2誘電体構造物132_2内で第1スペーサ132_S1、バックゲート電極135、及び第1層137aから取り囲まれた第2空間は第2エアギャップ132_AGを定義することができる。バックゲート構造物130がエアギャップ132_AGを含むことで、(より高い誘電定数を有する)他のゲート誘電層162とは異なり、垂直チャネル領域140VC及びバックゲート電極135の間の距離を相対的に短くすることができるとともに、さらに厚い他のゲート誘電層162を使用して同じ量の誘電体遮蔽を依然として達成することができる。垂直チャネル領域140VCとバックゲート電極135との間の距離が短くなることで、高集積化とともにバックゲート電極135による半導体素子100の特性劣化を防止することができる。例えば、上記特性劣化は、バックゲート電極135と垂直チャネル領域140VCとの間の距離が短くなるにつれて、垂直チャネル領域140VCに対するゲート電極165の制御能力が減少することを意味することができ、バックゲート電極135と垂直チャネル領域140VCとの間の犠牲キャパシタンスの増加を意味することができる。エアギャップ132_AGは、ゲート誘電層162よりも低誘電率を有する層であるため、相対的に薄い厚さを有しながらもゲート電極165の安定性は劣化させないことができる。これによって、高集積化とともに電気的特性が向上した半導体素子100が提供されることができる。
【0042】
例示的な実施形態において、垂直パターン140のそれぞれの第1ソース/ドレイン領域140SD1の上面は、エアギャップ132_AGの下面と同一であるか、又は、それよりも低いレベルに位置することができる。
【0043】
例示的な実施形態において、垂直パターン140のそれぞれの第2ソース/ドレイン領域140SD2の下面は、エアギャップ132_AGの上面と同一であるか、又は、それよりも高いレベルに位置することができる。
【0044】
第1スペーサ132_S1は、エアギャップ132_AGの少なくとも一面を限定して、エアギャップ132_AGの少なくとも一面、例えば、一側面及び上面を定義することができる。エアギャップ132_AGの上記一側面に対向する他側面はバックゲート電極135によって定義されることができる。
【0045】
例示的な実施形態において、第1スペーサ132_S1は、エアギャップ132_AG及び垂直パターン140の間で延長される垂直延長部132_S1v、及び垂直延長部132_S1vの上端からバックゲート電極135に向かって延長される水平延長部132_S1hを含むことができる。水平延長部132_S1hはバックゲート電極135と接触することができる。
【0046】
第1スペーサ132_S1は、ゲート誘電層162とは異なる物質を含むことができる。第1スペーサ132_S1は、SiO、SiN、SiOC、SiON、SiCN、SiOCN、SiOCH、又はSiOFの少なくとも一つを含むことができる。
【0047】
例示的な実施形態において、第1スペーサ132_S1の厚さはエアギャップ132_AGの厚さ又はゲート誘電層162の厚さよりも薄いことがあるが、これに限定されない。
【0048】
第1補助構造物136は、バックゲート電極135及び誘電体構造物132上に配置されることができる。第1補助構造物136は、上部絶縁層107と誘電体構造物132との間に配置されて上部絶縁層107と誘電体構造物132を物理的に離隔させることができる。第1補助構造物136は誘電体構造物132のそれぞれの上面を定義することができる。第1補助構造物136の上面はゲート誘電層162の上面と実質的に同じレベルに位置することができる。
【0049】
垂直パターン140は、第1誘電体構造物132_1及び第2誘電体構造物132_2の側面に沿って第1補助構造物136の側面上に延長される部分を含むことができる。第1誘電体構造物132_1及び第2誘電体構造物132_2の上記側面と第1補助構造物136の上記側面とは、実質的に共面をなすことができる。
【0050】
第1補助構造物136は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、又はシリコン炭窒化物のような絶縁性構造物を含むことができる。
【0051】
第2補助構造物137は、バックゲート電極135の下方に配置されることができる。第2補助構造物137は、ビットライン構造物110及びバックゲート電極135の間に配置されることができる。
【0052】
第2補助構造物137はエアギャップ132_AGの下面を定義することができる。第2補助構造物137の上面はバックゲート電極135の下面と接触する第1面及びエアギャップ132_AGの下面と接触する第2面を含むことができる。
【0053】
例示的な実施形態において、第1スペーサ132_S1は、第2補助構造物137と垂直パターン140との間に延長されることができるが、これに限定されない。
【0054】
例示的な実施形態において、第2補助構造物137は、バックゲート電極135の下面及びエアギャップ132_AGの下面を覆いながら、垂直パターン140の側面に沿って下方に延長される第1層137a、及び第1層137aとビットライン構造物110との間又は第1層137aと下部絶縁層101との間を埋める第2層137bを含むことができる。第1層137aはコンフォーマル(conformal)な厚さを有することができる。第2補助構造物137の第1及び第2層137a、137bは絶縁性物質とすることができる。第1層137a及び第2層137bは互いに異なる絶縁物質を含むことができる。例えば、第1層137aはSiN、SiBN、及びSiCNの少なくとも一つであり、第2層137bはSiOxとすることができる。第2補助構造物137は、第1層137a及び第2層137bを含むことで、エアギャップ132_AGの空間を相対的にさらに広く確保するようにエアギャップ132_AGの下面を定義することができる。但し、実施形態によって、第2補助構造物137をなす物質の種類、層数、及び厚さは多様に変更されることができる。
【0055】
フロントゲート構造物160は、バックゲート構造物130の両側で第2水平方向Yに延長されることができる。フロントゲート構造物160は、第1水平方向Xに互いに離隔して平行に延長されることができる。
【0056】
フロントゲート構造物160は、第2水平方向Yに延長されながら第1垂直パターン140_1の少なくとも一側を取り囲む第1フロントゲート構造物160_1、及び第1フロントゲート構造物160_1と第1水平方向Xに離隔されて第2水平方向Yに延長されながら第2垂直パターン140_2の少なくとも一側を取り囲む第2フロントゲート構造物160_2を含むことができる。
【0057】
フロントゲート構造物160のそれぞれは、ゲート誘電層162、ゲート電極165、及びゲートキャッピング層166を含むことができる。第1フロントゲート構造物160_1は、第1ゲート誘電層162_1、第1ゲート電極165_1、及び第1ゲートキャッピング層166_1を含むことができ、第2フロントゲート構造物160_2は、第2ゲート誘電層162_2、第2ゲート電極165_2、及び第2ゲートキャッピング層166_2を含むことができる。
【0058】
ゲート誘電層162は、下部絶縁層101上でゲート電極165及び垂直パターン140の間に配置されることができる。
【0059】
例示的な実施形態において、ゲート誘電層162は、バックゲート構造物130の側面及びバックゲート構造物の側面上に配置された垂直パターン140の側面をコンフォーマルに覆うように配置されることができる。例示的な実施形態において、第1ゲート誘電層162_1は、バックゲート構造物130の一側面及びバックゲート構造物130の側面上で突出した第1垂直パターン140_1の側面を覆うように配置されることができる。
【0060】
例示的な実施形態において、ゲート誘電層162は垂直パターン140と垂直方向Zで実質的に同じ長さを持つことができる。例えば、ゲート誘電層162は、ビットライン構造物110の上面と接触する下面、及び上部絶縁層107の下面と接触する上面を有することができ、ゲート誘電層162の長さはゲート誘電層162の上記下面及び上記上面の間の距離を意味することができる。
【0061】
垂直方向Zにおいて、ゲート誘電層162の長さ及び/又は垂直パターン140の長さは、エアギャップ132_AGの長さよりも長いことがある。
【0062】
ゲート誘電層162は、シリコン酸化物及び高誘電体(high-k dielectric)の少なくとも一つを含むことができる。上記高誘電体は金属酸化物又は金属酸化窒化物を含むことができる。例えば、上記高誘電体は、HfO、HfSiO、HfSiON、HfTaO、HfTiO、HfZrO、ZrO、Al、又はこれらの組み合わせから構成されることができるが、これに限定されるものではない。ゲート誘電層162は、前述した物質の単一層又は多重層で形成されることができる。
【0063】
ゲート電極165は、下部絶縁層101上でゲート誘電層162の少なくとも一側上に配置されることができる。ゲート電極165はゲート誘電層162によって垂直パターン140と離隔されることができる。例示的な実施形態において、第1ゲート電極165_1は、第1ゲート誘電層162_1によって第1垂直パターン140_1と離隔されることができる。
【0064】
例示的な実施形態において、ゲート電極165は、第1水平方向Xに第1幅を有する部分及び上記第1幅よりも大きい第2幅を有する部分を相互に含み、第2水平方向Yに延長されることができる。これは、バックゲート構造物130の側面上で断続的に延長される垂直パターン140、及びこれをコンフォーマルに覆うゲート誘電層162による構造とすることができる。即ち、ゲート電極165は、第2水平方向(Y方向)に延長される一側面、及び上記一側面に対向しながらゲート誘電層162に接する他側面を含むことで、上記第1幅及び上記第2幅を有する部分が相互に繰り返されることができる。
【0065】
実施形態によって、ゲート電極165は、垂直パターン140の三面を取り囲むように配置されてもよい。
【0066】
ゲート電極165は、垂直方向Zでのゲート誘電層162の長さ又は垂直パターン140のそれぞれの長さよりも短い長さを有することができる。ゲート電極165は下部絶縁層103から離隔され、中間絶縁層103は下部絶縁層101とゲート電極165との間の空間を埋めることができる。また、ゲート電極165は上部絶縁層107から離隔され、ゲートキャッピング層166は上部絶縁層107及びゲート電極165の間に配置されることができる。これは、垂直方向Zと垂直な水平方向において、ゲート電極165と第1及び第2ソース/ドレイン領域140SD1、140SD2とが重ならないようにするためである。
【0067】
ゲート電極165は、ドープされたポリシリコン、金属、導電性金属窒化物、金属-半導体化合物、導電性金属酸化物、導電性グラフェン(graphene)、炭素ナノチューブ(carbon nanotube)、又はこれらの組み合わせを含むことができる。例えば、ゲート電極165は、ドープされたポリシリコン、Al、Cu、Ti、Ta、Ru、W、Mo、Pt、Ni、Co、TiN、TaN、WN、NbN、TiAl、TiAlN、TiSi、TiSiN、TaSi、TaSiN、RuTiN、NiSi、CoSi、IrO、RuO、グラフェン(graphene)、炭素ナノチューブ(carbon nanotube)、又はこれらの組み合わせから構成されることができるが、これに限定されるものではない。ゲート電極165は、前述した物質の単一層又は多重層を含むことができる。
【0068】
ゲートキャッピング層166は、ゲート電極165上に配置されることができる。ゲートキャッピング層166は、ゲート誘電層162の少なくとも一側に沿って延長されるように配置されることができる。例示的な実施形態において、ゲートキャッピング層166はゲート電極165と垂直方向(Z方向)に完全に重なることができる。例示的な実施形態において、第1ゲートキャッピング層166_1は、第1ゲート電極165_1上で第1ゲート誘電層162_1の少なくとも一側に沿って延長されることができる。
【0069】
ゲートキャッピング層166は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物(SiON)、又はシリコン炭窒化物(SiCN)などのような絶縁性物質を含むことができる。例示的な実施形態において、ゲートキャッピング層166は、中間絶縁層103とは異なる物質を含むことができる。ゲートキャッピング層166は、例えば、シリコン窒化物を含むことができる。
【0070】
図3を参照すると、第1垂直パターン140_1のそれぞれは、第1側面140S1、及び第1側面140S1に対向する第2側面140S2を有することができる。第1フロントゲート構造物160_1は第1側面140S1と向かい合い、バックゲート構造物130は第2側面140S2と向かい合うことができる。第1ゲート電極165_1は第1側面140S1上に配置され、第1ゲート誘電層162_1は第1垂直パターン140_1と第1ゲート電極165_1との間に配置される部分を含むことができる。バックゲート電極135は第2側面140S2上に配置され、第1誘電体構造物132_1は第1垂直パターン140_1とバックゲート電極135との間に配置される部分を含むことができる。第1誘電体構造物132_1は、第1垂直パターン140_1の第2側面140S2、及び第2側面140S2と向かい合うバックゲート電極135の側面とそれぞれ接触することができる。
【0071】
第2垂直パターン140_2のそれぞれは、第3側面140S3及び第3側面140S3に対向する第4側面140S4を有することができる。第2フロントゲート構造物160_2は第3側面140S3と向かい合い、バックゲート構造物130は第4側面140S4と向かい合うことができる。第2ゲート電極165_2は第3側面140S3上に配置され、第2ゲート誘電層162_2は第2垂直パターン140_2と第2ゲート電極165_2との間に配置される部分を含むことができる。バックゲート電極135は第4側面140S4上に配置され、第2誘電体構造物132_2は第2垂直パターン140_2とバックゲート電極135との間に配置される部分を含むことができる。第2誘電体構造物132_2は、第2垂直パターン140_2の第4側面140S4、及び第4側面140S4と向かい合うバックゲート電極135の側面とそれぞれ接触することができる。
【0072】
中間絶縁層103は、ビットライン構造物110及び下部絶縁層101の上面とともにライン構造物120の側面を覆うことができる。中間絶縁層103は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物(SiON)、又はシリコン炭窒化物(SiCN)などのような絶縁性物質を含むことができる。
【0073】
上部絶縁層107は、ライン構造物120及び中間絶縁層103上でライン構造物120の上面及び中間絶縁層103の上面を覆うことができる。上部絶縁層107は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物(SiON)、又はシリコン炭窒化物(SiCN)などのような絶縁性物質を含むことができる。
【0074】
例示的な実施形態において、上部絶縁層107は順に積層される第1から第3上部絶縁層107a、107b、107cを含むことができる。例えば、第2上部絶縁層107bはシリコン酸化物を含み、第3上部絶縁層107cはシリコン窒化物を含むことができる。但し、上部絶縁層107の層数及び物質の種類はこれに限定されず、多様に変更されることができる。
【0075】
コンタクトパターン170は、上部絶縁層107を貫通し、垂直パターン140と接触して垂直パターン140と電気的に連結されることができる。コンタクトパターン170は、垂直パターン140の第2ソース/ドレイン領域140SD2と接触することができる。コンタクトパターン170は、垂直パターン140と情報保存構造物180を電気的に連結させることができる。
【0076】
コンタクトパターン170の下面は、垂直パターン140及びゲート誘電層162と接触するように図示されているが、実施形態によって、コンタクトパターン170の上記下面はゲートキャッピング層166及び/又は第1補助構造物136と接触することもできる。
【0077】
コンタクトパターン170は、導電性物質、例えば、ドーピングされた単結晶シリコン、ドーピングされた多結晶シリコン、金属、導電性金属窒化物、金属-半導体化合物、導電性金属酸化物、導電性グラフェン(graphene)、炭素ナノチューブ(carbon nanotube)、又はこれらの組み合わせを含むことができる。例示的な実施形態において、コンタクトパターン170は、順に積層された第1から第4コンタクト層170a、170b、170c、170dを含むことができる。例えば、第1コンタクト層170aはドーピングされた単結晶シリコンを含み、第2コンタクト層170bはドーピングされた多結晶シリコンを含み、第3コンタクト層170cはシリサイド物質を含み、第4コンタクト層170dは金属を含むことができる。但し、実施形態によって、コンタクトパターン170の層数及び物質の種類は多様に変更されることができる。
【0078】
情報保存構造物180は、コンタクトパターン170と電気的に連結される第1電極182、第1電極182を覆う第2電極186、及び第1電極182及び第2電極186の間の誘電体層184を含むことができる。
【0079】
例示的な実施形態において、情報保存構造物180は、DRAMで情報を保存するキャパシタとすることができる。例えば、情報保存構造物180の誘電体層184はDRAMのキャパシタ誘電体層とすることができ、誘電体層184は高誘電体、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0080】
実施形態によって、情報保存構造物180は、DRAMとは異なるメモリの情報を保存する構造物とすることができる。例えば、情報保存構造物180の誘電体層184は強誘電体メモリ(FeRAM)のキャパシタ誘電体層とすることができる。この場合、誘電体層184は分極状態を利用してデータを記録することができる強誘電体層とすることができる。さらに、上記強誘電体層は、他の実施形態において、誘電体層184はシリコン酸化物又は高誘電体(high-k dielectric)の少なくとも一つを含む下部誘電体層、及び上記下部誘電体層上に配置される強誘電体層を含んでもよい。
【0081】
以下では、図4aから図7を参照して、上述した実施形態の構成要素の多様な変形例について説明する。以下で説明する上述した実施形態の構成要素の多様な変形例は、変形される構成要素又は代替される構成要素を中心に説明する。また、以下で説明する変形又は代替が可能な構成要素は、以下の図面を参照して説明するが、変形又は代替が可能な構成要素は互いに組み合わせられるか、又は前述した構成要素と組み合わせられて、本発明の実施形態による半導体素子を構成することができる。
【0082】
図4aから図4eは、例示的な実施形態による半導体素子の部分拡大断面図である。図4aから図4eは、図2の‘A’領域に対応する領域を拡大して図示する。
【0083】
図4aを参照すると、半導体素子100aにおいて、第2補助構造物137の上面は、バックゲート電極135の下面と接触する第1面137_US1、及びエアギャップ132_AGの下面と接触する第2面137_US2を含むことができる。エアギャップ132_AGの下面は第2面137_US2によって定義されることができる。第2面137_US2は第1面137_US1よりも高いレベルに位置することができる。これは、第2補助構造物137の第1層137aがバックゲート電極135及び第1スペーサ132_S1の間に一部延長されて第2面137_US2を形成することができるためである。これによって、第1層137aは、バックゲート電極135の下面から側面の一部を覆うように延長されることができる。
【0084】
図4bを参照すると、半導体素子100bにおいて、ゲート誘電層162の第1厚さt1は誘電体構造物132bのそれぞれの第2厚さt2よりも大きいことがある。
【0085】
第1スペーサ132_S1bの厚さ及びエアギャップ132_AGbの厚さの合計は、ゲート誘電層162の厚さよりも小さいことがある。
【0086】
誘電体構造物132bがゲート誘電層162に比べて低誘電率のエアギャップ132_AGbを含むことで、ちょうど第1厚さt1とゲート誘電層162の誘電率を有するものと同じ量の誘電体遮蔽を達成しながらも、第1厚さt1よりも小さい厚さで誘電体構造物132bを形成することができ、高集積化された半導体素子100bが提供されることができる。
【0087】
図4cを参照すると、半導体素子100cは、図3とは異なるゲート電極165構造を有することができる。
【0088】
ゲート電極165の下面165_LSは、バックゲート電極135の下面135_LSよりも低いレベルに位置することができる。この場合、ゲート電極165の下面165_LSは、第2補助構造物137の上面よりも高いレベルに位置することができる。例示的な実施形態において、ゲート電極165の上面とバックゲート電極135の上面とは実質的に同じレベルに位置することができるが、これに限定されるものではない。
【0089】
垂直方向Zで、ゲート電極165の長さはバックゲート電極135の長さよりも長いことがある。これによって、垂直チャネル領域140VCに対するゲート電極165の制御能力を向上させることができる。
【0090】
図4dを参照すると、半導体素子100dは図3とは異なるゲート電極165構造を有することができる。
【0091】
ゲート電極165の上面165_USは、バックゲート電極135の上面135_USよりも高いレベルに位置することができる。例示的な実施形態において、ゲート電極165の下面とバックゲート電極135の下面とは実質的に同じレベルに位置することができるが、これに限定されるものではない。
【0092】
垂直方向Zで、ゲート電極165の長さはバックゲート電極135の長さよりも長いことがある。これによって、垂直チャネル領域140VCに対するゲート電極165の安定性を向上させることができる。
【0093】
第1補助構造物136の上面とゲートキャッピング層166の上面とは実質的に同じレベルに位置するが、第1補助構造物136の下面は、ゲートキャッピング層166の下面よりも低いレベルに位置することができる。ゲートキャッピング層166及び第1補助構造物136は、別途の工程によって形成されることで、互いに異なるレベルの下面を有することができる。
【0094】
図4eを参照すると、半導体素子100eは、図3とは異なるバックゲート電極135e構造を有することができる。
【0095】
バックゲート電極135eの上端部は、第1補助構造物136の下面の一部を貫通して第1補助構造物136内に延長されることができる。これは、バックゲート電極135eに対応するコンタクトホール形成工程で第1補助構造物136の一部をリセスしたためである。これによって、バックゲート電極135eの上面は、誘電体構造物132の上面よりも高いレベルに位置することができる。
【0096】
図5は、例示的な実施形態による半導体素子の概略的な断面図である。図5は、図1の切断線I-I’に沿った断面に対応する領域を図示する。
【0097】
図5を参照すると、半導体素子200は、図2の半導体素子100とは異なるライン構造物220を含むことができる。
【0098】
ライン構造物220のそれぞれは、バックゲート構造物230、バックゲート構造物230の両側で第2水平方向Yに沿って断続的に延長される垂直パターン140、及びバックゲート構造物230の両側で垂直パターン140の少なくとも一側に沿って延長されるフロントゲート構造物160を含むことができる。
【0099】
バックゲート構造物230は、バックゲート電極235の両側に配置される誘電体構造物232を含むことができる。
【0100】
誘電体構造物232のそれぞれは、エアギャップ232_AG、第1スペーサ232_S1、及び第2スペーサ232_S2を含むことができる。エアギャップ232_AG及び第1スペーサ232_S1は、図2での説明と同じか又は類似した特徴を有することができる。
【0101】
第2スペーサ232_S2は、エアギャップ232_AG及びバックゲート電極235の間に配置されてエアギャップ232_AGの一側を定義することができる。第2スペーサ232_S2は、バックゲート電極235の側面に沿って延長されてバックゲート電極の上面を覆うことができる。第2スペーサ232_S2は、第1スペーサ232_S1の水平延長部と接触することができる。
【0102】
第2スペーサ232_S2は、SiO、SiN、SiOC、SiON、SiCN、SiOCN、SiOCH、又はSiOFの少なくとも一つを含むことができる。第2スペーサ232_S2は、第1スペーサ232_S1と同じ物質を含むことができるが、これに限定されず、互いに異なる絶縁物質を含んでもよい。
【0103】
例示的な実施形態において、第2スペーサ232_S2は、第1スペーサ232_S1と実質的に同じ厚さを有することができるが、これに限定されない。
【0104】
図6は、例示的な実施形態による半導体素子の概略的な断面図である。図6は、図1の切断線I-I’に沿った断面に対応する領域を図示する。
【0105】
図6を参照すると、半導体素子300は、図2の半導体素子100とは異なるライン構造物320を含むことができる。
【0106】
ライン構造物320のそれぞれは、バックゲート構造物330、バックゲート構造物330の両側で第2水平方向Yに沿って断続的に延長される垂直パターン140、及びバックゲート構造物330の両側で垂直パターン140の少なくとも一側に沿って延長されるフロントゲート構造物160を含むことができる。
【0107】
バックゲート構造物330は、バックゲート電極335の両側に配置される誘電体構造物332を含むことができる。
【0108】
誘電体構造物332のそれぞれは、エアギャップ232_AG及び第3スペーサ232_S32を含むことができる。
【0109】
第2スペーサ232_S2は、エアギャップ232_AG及びバックゲート電極235の間に配置されてエアギャップ232_AGの一側を定義することができる。第2スペーサ232_S2は、バックゲート電極235の側面に沿って延長されてバックゲート電極の上面を覆うことができる。第2スペーサ232_S2は、第1スペーサ232_S1の水平延長部と接触することができる。
【0110】
第2スペーサ232_S2は、SiO、SiN、SiOC、SiON、SiCN、SiOCN、SiOCH、又はSiOFの少なくとも一つを含むことができる。第2スペーサ232_S2は、第1スペーサ232_S1と同じ物質を含むことができるが、これに限定されず、互いに異なる絶縁物質を含んでもよい。
【0111】
例示的な実施形態において、第2スペーサ232_S2は、第1スペーサ232_S1と実質的に同じ厚さを有することができるが、これに限定されない。
【0112】
図7は、例示的な実施形態による半導体素子の概略的な断面図である。図7は、図1の切断線I-I’に沿った断面に対応する領域を図示する。
【0113】
図7を参照すると、半導体素子420は、図2の半導体素子100とは異なるライン構造物420を含むことができる。
【0114】
図8aから図21bは、例示的な実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための概略的な図面である。
【0115】
図8a、図15a、図16a、図17a、図18a、図19a、図20a、及び図21aは、半導体素子の製造方法を説明するための平面図であり、図8b、図9図10図11図12図13図14図15b、図16b、図17b、図18b、図19b、図20b、及び図21bは、図1の切断線I-I’に沿った断面に対応する領域を図示する断面図であり、図15cは、図15aの切断線II-II’に沿った断面に対応する領域を図示する断面図である。
【0116】
図8a及び図8bを参照すると、半導体基板10内にバックゲートトレンチBGTを形成し、バックゲートトレンチBGT内に第1補助構造物136’を形成することができる。
【0117】
半導体基板10は、SOI(Silicon On Insulator)基板とすることができる。半導体基板10は、下部半導体層11、絶縁層12、及び上部半導体層13を含むことができる。例えば、上・下部半導体層11、13は単結晶シリコンを含むことができる。
【0118】
第1及び第2マスクM1、M2を用いたエッチング工程を行うことで上部半導体層13を貫通して絶縁層12を露出させるバックゲートトレンチBGTを形成することができる。例示的な実施形態において、上記エッチング工程によって絶縁層12の一部は除去されることができる。バックゲートトレンチBGTは、第2水平方向Yに延長されるライン形態で形成されることができる。
【0119】
次に、バックゲートトレンチBGTの内部に第1補助構造物136’をなす絶縁物質を蒸着し、平坦化工程を行った後、上記絶縁物質をバックゲートトレンチBGT内の一定の高さだけリセスするエッチバック工程を行うことで、第1補助構造物136’を形成することができる。上記絶縁物質は、例えば、シリコン窒化物とすることができる。第1補助構造物136’は、後続の工程によって形成される誘電体構造物132(図2を参照)の上面を定義する構造物とすることができる。
【0120】
図9を参照すると、第1スペーサ132_S1’及び垂直犠牲層118’をバックゲートトレンチBGTの側壁上に形成することができる。
【0121】
第1補助構造物136’の上面及びバックゲートトレンチBGTの側壁をコンフォーマルに覆うように、第1スペーサ132_S1’をなす第1物質層と、垂直犠牲層118’をなす第2物質層とを順に蒸着することができる。上記第1物質層は、例えば、SiOCを含むことができ、上記第2物質層は、例えば、SiOxを含むことができる。次に、上記第1物質層及び上記第2物質層に対して異方性エッチング工程を行うことで、バックゲートトレンチBGTの両側壁を覆う第1スペーサ132_S1’及び垂直犠牲層118’を形成することができる。垂直犠牲層118’は、後続の工程によってエアギャップ132_AGが形成される領域を含むことができる。上記異方性エッチング工程によって第1補助構造物136’の上面の一部が露出することができる。
【0122】
本段階において、第1補助構造物136’の一部が同時に除去される場合、後続の工程によって図4eの半導体素子100eが提供されることができる。
【0123】
図10を参照すると、バックゲート電極135を形成することができる。
【0124】
導電性物質を蒸着してバックゲートトレンチBGTの内部を埋め、平坦化工程を行った後、エッチバック工程を行うことでバックゲート電極135を形成することができる。上記導電性物質は、例えば、TiNを含むことができる。上記エッチバック工程は、第1マスクM1に対して第2マスクM2及び上記導電性物質を含む層を選択的に除去する工程とすることができる。上記エッチバック工程によってバックゲート電極135の高さが調整されることができる。
【0125】
例示的な実施形態において、上記エッチバック工程が行われる場合、第1スペーサ132_S1’及び垂直犠牲層118’の上端の一部が同時に除去されることができる。
【0126】
図11を参照すると、垂直犠牲層118’を除去することで開口部OPを形成することができる。
【0127】
第1スペーサ132_S1’及びバックゲート電極135に対して垂直犠牲層118’を選択的に除去するエッチング工程を行うことで開口部OPを形成することができる。開口部OPのそれぞれは、第1スペーサ132_S1’及びバックゲート電極135によって定義されるライン形態の開口部とすることができる。
【0128】
図12を参照すると、エアギャップ132_AG及び第2予備補助構造物137’を形成することができる。
【0129】
開口部OP及びバックゲート電極135上でバックゲートトレンチBGTの内部をコンフォーマルに覆う第1層137a’、及び第1層137a’を覆う第2層137b’を順に蒸着し、平坦化工程を行うことで第2予備補助構造物137’を形成することができる。第1層137a’及び第2層137b’は、互いに異なる絶縁物質を含むことができる。例えば、第1層137a’はSiN、SiBN、及びSiCNの少なくとも一つを含み、第2層137b’はSiOxを含むことができる。第2予備補助構造物137’によって閉空間を有するようになる開口部OPは、エアギャップ132_AGをなすことができる。エアギャップ132_AGは第1層137a’によって上面が定義されることができる。
【0130】
本段階において、第1層137a’の一部が開口部OP内に延長されるように形成され、後続の工程が行われることによって図4aの半導体素子100aが形成されることができる。
【0131】
図13を参照すると、第1マスクM1を除去することで犠牲スペーサ119を形成することができる。
【0132】
第2予備補助構造物137’に対して選択的に第1マスクM1を除去することで上部半導体層13を露出させるようにできる。これによって、第2予備補助構造物137’の側面の一部を露出させることができる。実施形態によって、第1マスクM1を除去する工程で、上部半導体層13の上部の一部も同時に除去されてもよい。
【0133】
次に、犠牲スペーサ119をなす物質を蒸着し、異方性エッチング工程を行うことで、上部半導体層13上で第2予備補助構造物137’の側面上に配置される犠牲スペーサ119を形成することができる。犠牲スペーサ119は、上部半導体層13の上面と接触することができる。犠牲スペーサ119は、後続の工程によって垂直パターン140(図2を参照)を形成するためのマスク層とすることができる。犠牲スペーサ119は、絶縁物質を含むことができ、上記絶縁物質は、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0134】
図14を参照すると、第2予備補助構造物137’及び犠牲スペーサ119をエッチングマスクとして用いて上部半導体層13をパターニングすることで、垂直導電層141を形成することができる。
【0135】
上記パターニングによって上部半導体層13をエッチングすることで、予備バックゲート構造物130’の両側面上で第2水平方向Yに延長される垂直導電層141を形成することができる。例示的な実施形態において、上記パターニングによって上部半導体層13と同時に絶縁層12の一部も所定の深さだけ除去されることができるが、これに限定されない。
【0136】
垂直導電層141は、垂直方向Zで犠牲スペーサ119と重なるように配置されることができる。これによって、垂直導電層141は、犠牲スペーサ119の第1水平方向Xでの幅と実質的に同じ幅を有することができる。
【0137】
図15a、図15b、及び図15cを参照すると、第3マスクM3を用いて垂直導電層141の一部を除去することで、垂直パターン140’を形成することができる。
【0138】
予備バックゲート構造物130’の上部に沿って第1水平方向Xに延長され、互いに第2水平方向Yに離隔して平行に延長される第3マスクM3を形成することができる。第3マスクM3は、例えば、SOHを含むことができる。
【0139】
第3マスクM3をエッチングマスクとして用いて第3マスクM3と垂直方向Zに重ならない領域の垂直導電層141部分を除去することで、垂直パターン140’を形成することができる。これによって、垂直パターン140’は、予備バックゲート構造物130’の両側面上で第2水平方向Yに断続的に延長されるパターン形態を有することができる。
【0140】
図16a及び図16bを参照すると、第3マスクM3を除去し、第4マスクM4を用いて犠牲スペーサ119及び第2予備補助構造物137’の上端の一部を除去することで、第2補助構造物137を形成することができる。
【0141】
第4マスクM4は、絶縁層12上で予備バックゲート構造物130’、垂直パターン140’、及び犠牲スペーサ119を覆う絶縁物質層を形成した後、エッチバック工程によって犠牲スペーサ119の下面と実質的に同じレベルの上面を有するように上記絶縁物質層の一部を除去することで形成されることができる。上記絶縁物質層は、例えば、SOHとすることができる。これによって、犠牲スペーサ119の上面及び側面を露出させることができる。
【0142】
次に、エッチバック工程を行って上記第4マスクM4の上面レベルまで犠牲スペーサ119及び第2予備補助構造物137’の一部を除去することで、垂直パターン140’の上面を露出させることができる。
【0143】
図17a及び図17bを参照すると、予備ゲート誘電層162’及び予備ゲート電極165’を形成することができる。
【0144】
絶縁層12の上面及び垂直パターン140’の側面をコンフォーマルに覆う予備ゲート誘電層162’及び予備ゲート電極165’を順に蒸着し、予備ゲート電極165’を選択的に除去することで、予備ゲート電極165’の上面が垂直パターン140’よりも低くなるように調整することができる。予備ゲート電極165’の上面が第2補助構造物137の下面と実質的に同じレベルに位置するように図示されているが、予備ゲート電極165’の上面の高さは実施形態によって多様に調整されることができる。
【0145】
図18a及び図18bを参照すると、中間絶縁層103、ビットライン構造物110、及び下部絶縁層101を順に形成することができる。
【0146】
絶縁物質を蒸着した後、エッチバック工程を行って上記絶縁物質及び予備ゲート誘電層162’の一部を除去することで、中間絶縁層103を形成することができる。中間絶縁層103は、隣接した予備ゲート電極165’の間の空間を埋めることができる。
【0147】
中間絶縁層103上に複数の導電性物質層を順に蒸着し、パターニング工程を行うことで、第1水平方向Xに延長されるビットライン構造物110を形成することができる。ビットライン構造物110をなす物質及び層数は、図示されたものに限定されず、多様に変更されることができる。
【0148】
ビットライン構造物110及び中間絶縁層103上に下部絶縁層101を形成することができる。下部絶縁層101において最下部絶縁層である第4下部絶縁層101dは、ビットライン構造物110の上面及び側面を覆うことができ、下部絶縁層101において最上部絶縁層である第1下部絶縁層101aは、他の構造物と接着するための接着層とすることができる。
【0149】
図19a及び図19bを参照すると、基板10を反転させてバックグラインディング工程を行うことで、バックゲート構造物130、垂直パターン140、及びゲート誘電層162を形成し、ゲート電極165及びゲートキャッピング層166を形成することができる。
【0150】
半導体基板10を反転させて下部半導体層11及び絶縁層12とともに第1予備補助構造物136’、予備垂直パターン140’、予備ゲート誘電層162’の一部を除去するバックグラインディング工程を行うことで、バックゲート構造物130、垂直パターン140、及びゲート誘電層162を形成することができる。
【0151】
次に、予備ゲート電極165’を選択的に除去して予備ゲート電極165’の上面の高さを下げることでゲート電極165を形成し、上記予備ゲート電極165’が除去された領域内に絶縁物質、例えば、シリコン窒化物を埋めることでゲートキャッピング層166を形成することができる。これによって、ゲート誘電層162、ゲート電極165、及びゲートキャッピング層166を含むフロントゲート構造物160が形成されることができる。
【0152】
図20a及び図20bを参照すると、上部絶縁層107を形成し、上部絶縁層107を貫通して垂直パターン140の上面を露出させるコンタクトホール170hを形成することができる。
【0153】
バックゲート構造物130、フロントゲート構造物160、垂直パターン140、及び中間絶縁層103を覆う上部絶縁層107を形成することができる。上部絶縁層107は、第1から第3上部絶縁層107a、107b、107cを含むことができるが、上部絶縁層107の層数はこれに限定されない。
【0154】
次に、垂直パターン140の上面を露出させるコンタクトホール170hを形成することができる。平面において、コンタクトホール170hは円形とすることができるが、これに限定されず、多角形、楕円形などの多様な形態に変更されることができる。
【0155】
図21a及び図21bを参照すると、コンタクトホール170h内にコンタクトパターン170を形成することができる。
【0156】
例示的な実施形態において、露出した垂直パターン140からエピタキシー工程を行って平坦化工程を行うことで第1コンタクト層170aを形成し、第1コンタクト層170a上に第2から第4コンタクト層170b、170c、170dを形成することでそれぞれのコンタクトパターン170を形成することができる。上記エピタキシー工程において、不純物がともに注入された第1コンタクト層170aはドーピングされた半導体層とすることができる。また、上記不純物は、上記エピタキシー工程又は後続の工程での拡散などによって垂直パターン140に移動し、第2ソース/ドレイン領域140SD2(図3を参照)を形成することができる。
【0157】
但し、コンタクトパターン170を製造する方法及びコンタクトパターン170をなす層数及び物質は、これとは異なり、多様に変更されることができる。
【0158】
次に、図2及び図3を参照すると、上部絶縁層107上にコンタクトパターン170と電気的に連結される第1電極182を含む情報保存構造物180を形成することができる。
【0159】
図22aから図24は、例示的な実施形態による半導体素子の製造方法について説明するための概略的な図面である。
【0160】
図22aは、半導体素子の製造方法を説明するための平面図であり、図22b、図23、及び図24は、図1の切断線I-I’に沿った断面に対応する領域を図示する断面図である。
【0161】
図22a及び図22bを参照すると、半導体基板10内にバックゲートトレンチBGTを形成し、バックゲートトレンチBGT内に第1補助構造物236’を形成し、バックゲートトレンチBGTの側壁上に第1予備スペーサ232_S1’及び垂直犠牲層218’を形成し、第2予備スペーサ232_S2’を形成することができる。
【0162】
図8aから図9での説明と同じか又は類似するように、第1予備スペーサ232_S1’及び垂直犠牲層218’を形成した後,垂直犠牲層218’の側面及び露出した第1補助構造物236’の上面をコンフォーマルに覆う第2予備スペーサ232_S2’を形成することができる。第2予備スペーサ232_S2’は、第1予備スペーサ232_S1’と同じ物質、例えば、SiOCを含むことができるが、これに限定されない。
【0163】
図23を参照すると、バックゲート電極235を形成することができる。
【0164】
図10での説明と類似するように、導電性物質を蒸着してバックゲートトレンチBGTの内部を埋めた後、平坦化工程及びエッチバック工程を行うことでバックゲート電極を形成することができる。
【0165】
上記平坦化工程及び上記エッチバック工程によって垂直犠牲層218’の上面を露出させることができる。
【0166】
図24を参照すると、エアギャップ232_AG及び第2補助構造物237’を形成することができる。
【0167】
露出した垂直犠牲層218’の上面から垂直犠牲層218’を除去し、絶縁物質、例えば、シリコン酸化物を蒸着することで第2補助構造物237’を形成することができる。第2補助構造物237’によって垂直犠牲層218’が除去された領域の上面が覆われて閉空間が形成され、これはエアギャップ232_AGをなすことができる。即ち、第2補助構造物237’はエアギャップ232_AGの上面を定義することができる。
【0168】
第1及び第2予備スペーサ232_S1’、232_S2’の間の距離又は垂直犠牲層218’の厚さが相対的に小さいことから、単一層として第2補助構造物237’を形成するように図示されているが、図12での説明と類似するように、第2補助構造物237’を二重層或いは多重層構造として形成してもよい。
【0169】
次に、図13から図21b、及び図2での説明と類似するように後続の工程を行うことで、図5の半導体素子200が形成されることができる。
【0170】
上述したように、ゲート電極と垂直チャネル領域との間のゲート誘電体構造物とは異なる構造を有する誘電体構造物が、バックゲート電極と垂直チャネル領域との間に配置されることで、半導体装置は高集積化又は向上した電気的特性を提供することができる。上記誘電体構造物は、ゲート誘電層の誘電率よりも低誘電率を有する物質、例えば、エアギャップを含むことができることから、垂直チャネル領域に対するバックゲート電極の制御能力を相対的に減少させることができ、バックゲート電極と垂直チャネル領域との間の犠牲キャパシタンスを防止又は減少させることができる。したがって、垂直チャネル領域に対するゲート電極の安定性を相対的に増加させるとともに高集積化された半導体素子を提供することができる。
【0171】
本発明は、上述した実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって限定される。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で、当技術分野の通常の知識を有する者によって様々な形態の置換、変形及び変更、実施形態の組み合わせが可能であり、これも本発明の範囲に属するといえる。
【符号の説明】
【0172】
100:半導体素子
101:下部絶縁層
103:中間絶縁層
107:上部絶縁層
110:ビットライン構造物
130:バックゲート構造物
132:誘電体構造物
132_AG:エアギャップ
140:垂直パターン
140VC:垂直チャネル領域
135:バックゲート電極
136、137:第1及び第2補助構造物
160:ゲート構造物
162:ゲート誘電層
165:ゲート電極
170:コンタクトパターン
180:情報保存構造物
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図5
図6
図7
図8a
図8b
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15a
図15b
図15c
図16a
図16b
図17a
図17b
図18a
図18b
図19a
図19b
図20a
図20b
図21a
図21b
図22a
図22b
図23
図24