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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120979
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】現像カートリッジ
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/18 20060101AFI20240829BHJP
【FI】
G03G21/18 121
G03G21/18 167
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024107163
(22)【出願日】2024-07-03
(62)【分割の表示】P 2023166042の分割
【原出願日】2020-01-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135013
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 隆美
(72)【発明者】
【氏名】板橋 奈緒
(57)【要約】
【課題】現像カートリッジにおいて、部品点数を低減できる構造を提供する。
【解決手段】この現像カートリッジは、現像電極60B、第1レバー110B、およびホルダ120Bを備える。ホルダ120Bは、第1レバー110Bが、第3方向における一方側から他方側へ抜けるのを止める。第1レバー110Bは、現像電極60Bの第3方向における一方側から他方側への回動を停止させる。このため、第1レバー110Bおよびホルダ120Bとは別に、現像電極60Bの第3方向における一方側から他方側への回動を停止させるための部品を設ける必要がない。したがって、現像カートリッジの部品点数を低減できる。
【選択図】図15

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像カートリッジであって、
第1方向に延びる現像ローラシャフトを有する現像ローラと、
現像剤を収容可能なケーシングであって、前記第1方向に対して交差する第2方向の一端に前記現像ローラが位置するケーシングと、
前記現像ローラシャフトと電気的に接続される第1端部と、前記第1端部よりも前記現像ローラシャフトから離れた第2端部とを有し、前記ケーシングおよび前記現像ローラと共に移動可能な現像電極であって、前記第2端部は、前記第1端部よりも、前記ケーシングの前記一端から前記第2方向に離れている現像電極であって、前記現像ローラシャフトについて回動可能な現像電極と、
前記ケーシングに対して移動可能な第1レバーと、
前記ケーシングに対して前記第1レバーを移動可能に保持するホルダと、
を備え、
前記ホルダは、前記第1レバーを保持した状態において、前記第1レバーが前記ホルダから、前記第1方向および前記第2方向に対して交差する第3方向における一方側から他方側へ抜けるのを止め、
前記第1レバーは、前記現像電極の前記第3方向における一方側から他方側への回動を停止させることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項2】
請求項1に記載の現像カートリッジであって、
前記ホルダは、前記第1レバーの前記第1方向および前記第2方向に対して交差する第3方向における一方側から他方側への移動を停止させることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項3】
請求項2に記載の現像カートリッジであって、
前記第1レバーは、
一端部と、
前記一端部から前記第3方向における他方側へ離れた他端部と、
を有し、
前記一端部は、
前記第1方向に突出する第1凸部
を有し、
前記ホルダは、前記第1凸部に接触することにより、前記第1レバーの前記第3方向における一方側から他方側への移動を停止させることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項4】
請求項3に記載の現像カートリッジであって、
前記現像電極は、
前記第1端部と前記第2端部との間において前記第3方向に延びる第1孔であって、前記第1レバーの前記他端部が挿入される第1孔
を有し、
前記他端部は、前記現像電極に接触することにより、前記現像電極の前記第3方向における一方側から他方側への回動を停止させることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項5】
請求項4に記載の現像カートリッジであって、
前記現像電極は、
前記第1孔の内部に位置するレバー受け部
を有し、
前記第1レバーは、
前記他端部から前記第1方向に突出する第2凸部
を有し、
前記第2凸部は、前記レバー受け部に接触することにより、前記現像電極の前記第3方向における一方側から他方側への回動を停止させることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の現像カートリッジであって、
前記ケーシングは、
前記第1方向に延びるケーシング突起
を有し、
前記ケーシング突起は、前記現像電極の前記第3方向における他方側から一方側への回動を停止させることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項7】
請求項6に記載の現像カートリッジであって、
前記現像電極は、
前記第1方向に延びる電極突起
を有し、
前記ケーシング突起は、前記電極突起に接触することにより、前記現像電極の前記第3方向における他方側から一方側への回動を停止させることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の現像カートリッジであって、
前記現像ローラシャフトは、外周面に円環状の係合溝を有し、
前記現像電極は、
前記現像ローラシャフトが挿入される第1挿入孔と、
前記第1挿入孔の周縁部の一部から前記係合溝へ向けて突出する壁部と、
を有し、
前記現像電極に係合した前記第1レバーが、前記ホルダに保持された場合、前記壁部が前記係合溝に挿入されることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の現像カートリッジであって、
前記現像電極は、前記第1方向における前記現像ローラシャフトの一端部に装着され、
前記現像カートリッジは、
前記第1方向における前記現像ローラシャフトの他端部に装着される軸受であって、前記現像ローラシャフトの他端部が挿入される第2挿入孔を有する第3端部と、前記第3端部よりも前記現像ローラシャフトから離れた第4端部とを有し、前記ケーシングおよび前記現像ローラと共に移動可能な軸受
をさらに備えることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項10】
請求項9に記載の現像カートリッジであって、
前記軸受は、
前記第3端部と前記第4端部との間において前記第1方向に延びる第2孔と、
前記第2孔の内部に位置する爪受け部と、
を有し、
前記ケーシングは、
前記第1方向に延びる爪部であって、先端が前記第1方向に対して交差する方向に突出して、前記爪受け部に係合する爪部
を有することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項11】
請求項10に記載の現像カートリッジであって、
前記軸受は、前記現像ローラシャフトについて回動可能であり、
前記爪部は、前記軸受に接触することにより、前記軸受の回動を停止させることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項12】
請求項9から請求項11のいずれか一項に記載の現像カートリッジであって、
前記現像カートリッジは、感光体ドラムを有するドラムカートリッジのために使われ、
前記ドラムカートリッジは、前記第1方向に延びる軸について回転可能な離間レバーを有し、
前記軸受は、
前記ケーシングから離れる方向へ向けて突出する被押圧突起であって、前記離間レバーに接触可能な被押圧突起
を有することを特徴とする、現像カートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、現像カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザプリンタ、LEDプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置が知られている。画像形成装置には、現像カートリッジが用いられる。現像カートリッジは、現像剤を供給するための現像ローラを有する。従来の画像形成装置については、例えば、特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1の現像カートリッジは、ドラムカートリッジに対して装着される。ドラムカートリッジは、感光体ドラムを有する。ドラムカートリッジに現像カートリッジが装着されると、感光体ドラムと現像ローラとが接触する。そして、現像カートリッジが装着されたドラムカートリッジが、画像形成装置に装着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-54058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現像カートリッジは、感光体ドラムに対して現像ローラを位置決めするための部材を有する。また、現像カートリッジは、現像ローラのシャフトへバイアス電圧を供給するための現像電極を有する。また、現像カートリッジは、感光体ドラムから現像ローラを離間させるときに、押圧力を受ける部材を有する。しかしながら、現像ローラを位置決めするための部材と、現像ローラのシャフトへバイアス電圧を供給する現像電極と、離間時に押圧力を受ける部材とを、別々に設けると、現像カートリッジの部品点数が多くなる。
【0006】
本開示の目的は、現像カートリッジにおいて、部品点数を低減できる構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の第1開示は、現像カートリッジであって、第1方向に延びる現像ローラシャフトを有する現像ローラと、現像剤を収容可能なケーシングであって、前記第1方向に対して交差する第2方向の一端に前記現像ローラが位置するケーシングと、前記現像ローラシャフトと電気的に接続される第1端部と、前記第1端部よりも前記現像ローラシャフトから離れた第2端部とを有し、前記ケーシングおよび前記現像ローラと共に移動可能な現像電極であって、前記第2端部は、前記第1端部よりも、前記ケーシングの前記一端から前記第2方向に離れている現像電極であって、前記現像ローラシャフトについて回動可能な現像電極と、前記ケーシングに対して移動可能な第1レバーと、前記ケーシングに対して前記第1レバーを移動可能に保持するホルダと、を備え、前記ホルダは、前記第1レバーを保持した状態において、前記第1レバーが前記ホルダから、前記第1方向および前記第2方向に対して交差する第3方向における一方側から他方側へ抜けるのを止め、前記第1レバーは、前記現像電極の前記第3方向における一方側から他方側への回動を停止させることを特徴とする。
【0008】
本願の第2開示は、第1開示の現像カートリッジであって、前記ホルダは、前記第1レバーの前記第1方向および前記第2方向に対して交差する第3方向における一方側から他方側への移動を停止させることを特徴とする。
【0009】
本願の第3開示は、第2開示の現像カートリッジであって、前記第1レバーは、一端部と、前記一端部から前記第3方向における他方側へ離れた他端部と、を有し、前記一端部は、前記第1方向に突出する第1凸部を有し、前記ホルダは、前記第1凸部に接触することにより、前記第1レバーの前記第3方向における一方側から他方側への移動を停止させることを特徴とする。
【0010】
本願の第4開示は、第3開示の現像カートリッジであって、前記現像電極は、前記第1端部と前記第2端部との間において前記第3方向に延びる第1孔であって、前記第1レバーの前記他端部が挿入される第1孔を有し、前記他端部は、前記現像電極に接触することにより、前記現像電極の前記第3方向における一方側から他方側への回動を停止させることを特徴とする。
【0011】
本願の第5開示は、第4開示の現像カートリッジであって、前記現像電極は、前記第1孔の内部に位置するレバー受け部を有し、前記第1レバーは、前記他端部から前記第1方向に突出する第2凸部を有し、前記第2凸部は、前記レバー受け部に接触することにより、前記現像電極の前記第3方向における一方側から他方側への回動を停止させることを特徴とする。
【0012】
本願の第6開示は、第1開示から第5開示のいずれか一開示の現像カートリッジであって、前記ケーシングは、前記第1方向に延びるケーシング突起を有し、前記ケーシング突起は、前記現像電極の前記第3方向における他方側から一方側への回動を停止させることを特徴とする。
【0013】
本願の第7開示は、第6開示の現像カートリッジであって、前記現像電極は、前記第1方向に延びる電極突起を有し、前記ケーシング突起は、前記電極突起に接触することにより、前記現像電極の前記第3方向における他方側から一方側への回動を停止させることを特徴とする。
【0014】
本願の第8開示は、第1開示から第7開示のいずれか一開示の現像カートリッジであって、前記現像ローラシャフトは、外周面に円環状の係合溝を有し、前記現像電極は、前記現像ローラシャフトが挿入される第1挿入孔と、前記第1挿入孔の周縁部の一部から前記係合溝へ向けて突出する壁部と、を有し、前記現像電極に係合した前記第1レバーが、前記ホルダに保持された場合、前記壁部が前記係合溝に挿入されることを特徴とする。
【0015】
本願の第9開示は、第1開示から第8開示のいずれか一開示の現像カートリッジであって、前記現像電極は、前記第1方向における前記現像ローラシャフトの一端部に装着され、前記現像カートリッジは、前記第1方向における前記現像ローラシャフトの他端部に装着される軸受であって、前記現像ローラシャフトの他端部が挿入される第2挿入孔を有する第3端部と、前記第3端部よりも前記現像ローラシャフトから離れた第4端部とを有し、前記ケーシングおよび前記現像ローラと共に移動可能な軸受をさらに備えることを特徴とする。
【0016】
本願の第10開示は、第9開示の現像カートリッジであって、前記軸受は、前記第3端部と前記第4端部との間において前記第1方向に延びる第2孔と、前記第2孔の内部に位置する爪受け部と、を有し、前記ケーシングは、前記第1方向に延びる爪部であって、先端が前記第1方向に対して交差する方向に突出して、前記爪受け部に係合する爪部を有することを特徴とする。
【0017】
本願の第11開示は、第10開示の現像カートリッジであって、前記軸受は、前記現像ローラシャフトについて回動可能であり、前記爪部は、前記軸受に接触することにより、前記軸受の回動を停止させることを特徴とする。
【0018】
本願の第12開示は、第9開示から第11開示のいずれか一開示の現像カートリッジであって、前記現像カートリッジは、感光体ドラムを有するドラムカートリッジのために使われ、前記ドラムカートリッジは、前記第1方向に延びる軸について回転可能な離間レバーを有し、前記軸受は、前記ケーシングから離れる方向へ向けて突出する被押圧突起であって、前記離間レバーに接触可能な被押圧突起を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本願の第1開示~第12開示によれば、ホルダが、第1レバーの第3方向における一方側から他方側への移動を停止させる。また、第1レバーが、現像電極の第3方向における一方側から他方側への回動を停止させる。したがって、第1レバーおよびホルダとは別に、現像電極の第3方向における一方側から他方側への回動を停止させるための部品を設ける必要がない。したがって、現像カートリッジの部品点数を低減できる。
【0020】
また、本願の第8開示によれば、現像電極に係合した第1レバーがホルダに保持されていない状態では、第1挿入孔に現像ローラシャフトを挿入できる。一方、現像電極に係合した第1レバーがホルダに保持された状態では、壁部が係合溝に挿入される。したがって、現像カートリッジの製造時には、現像電極に現像ローラシャフトを挿入でき、現像カートリッジの使用時には、現像ローラシャフトからの現像電極の抜けを防止できる。
【0021】
また、本願の第10開示によれば、ケーシングから第1方向に延びる爪部により、軸受を保持する。これにより、現像ローラシャフトに係合溝を設けることなく、軸受を保持できる。
【0022】
また、本願の第11開示によれば、爪部とは別に、軸受の回動を停止させるための部品を設ける必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】現像カートリッジおよびドラムカートリッジの斜視図である。
図2】現像カートリッジの斜視図である。
図3】現像カートリッジの斜視図である。
図4】ケーシングの第1外表面の付近における現像カートリッジの分解斜視図である。
図5】ケーシングの第2外表面の付近における現像カートリッジの分解斜視図である。
図6】現像カートリッジがドラムカートリッジに装着されるときの様子を、第1方向の一方側から見た図である。
図7】現像カートリッジがドラムカートリッジに装着されるときの様子を、第1方向の一方側から見た図である。
図8】現像カートリッジがドラムカートリッジに装着されるときの様子を、第1方向の一方側から見た図である。
図9】現像カートリッジがドラムカートリッジに装着された状態における、現像カートリッジおよびドラムカートリッジの断面図である。
図10】離間動作時の現像カートリッジおよびドラムカートリッジの断面図である。
図11】ドラムカートリッジから現像カートリッジを取り外すときの、現像カートリッジおよびドラムカートリッジの断面図である。
図12】現像カートリッジおよびドラムカートリッジの斜視図である。
図13】現像カートリッジおよびドラムカートリッジの斜視図である。
図14】現像カートリッジおよびドラムカートリッジの斜視図である。
図15】ケーシングの第1外表面の付近における現像カートリッジの斜視図である。
図16】ケーシングの第1外表面の付近における現像カートリッジの分解斜視図である。
図17】ケーシングの第2外表面の付近における現像カートリッジの斜視図である。
図18】ケーシングの第2外表面の付近における現像カートリッジの分解斜視図である。
図19】第1軸受の断面と、第1レバーの側面とを示した図である。
図20】現像カートリッジに対して、第1軸受、第1レバー、およびホルダを取り付けるときの様子を示した図である。
図21】現像カートリッジに対して、第1軸受、第1レバー、およびホルダを取り付けるときの様子を示した図である。
図22】第2軸受の付近における現像カートリッジの部分断面図である。
図23】現像カートリッジがドラムカートリッジに装着されるときの様子を、第1方向の一方側から見た図である。
図24】現像カートリッジがドラムカートリッジに装着されるときの様子を、第1方向の一方側から見た図である。
図25】装着後の現像カートリッジおよびドラムカートリッジを、第1方向の一方側から見た図である。
図26】離間動作時の現像カートリッジおよびドラムカートリッジを、第1方向の一方側から見た図である。
図27】装着後の現像カートリッジおよびドラムカートリッジを、第1方向の他方側から見た図である。
図28】離間動作時の現像カートリッジおよびドラムカートリッジを、第1方向の他方側から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0025】
なお、以下では、現像カートリッジ1の現像ローラ30が延びる方向を「第1方向」と称する。また、現像カートリッジ1のアジテータ20と現像ローラ30とが並ぶ方向を「第2方向」と称する。第1方向と第2方向とは、互いに交差(好ましくは直交)する。
【0026】
<1.第1実施形態>
<1-1.現像カートリッジおよびドラムカートリッジの概要>
図1は、現像カートリッジ1およびドラムカートリッジ2の斜視図である。図1では、現像カートリッジ1が、ドラムカートリッジ2に装着された状態を示している。現像カートリッジ1およびドラムカートリッジ2は、電子写真方式の画像形成装置に使用される。画像形成装置は、例えば、レーザプリンタまたはLEDプリンタである。
【0027】
図1に示すように、現像カートリッジ1は、ドラムカートリッジ2と共に使用される。現像カートリッジ1は、ドラムカートリッジ2に対して装着可能である。現像カートリッジ1は、ドラムカートリッジ2に装着された状態で、画像形成装置に装着される。画像形成装置は、例えば4つの現像カートリッジ1を装着可能である。4つの現像カートリッジ1は、互いに異なる色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの各色)の現像剤(例えば、トナー)を収容する。画像形成装置は、現像カートリッジ1から供給される現像剤により、印刷用紙の記録面に画像を形成する。ただし、画像形成装置に装着可能な現像カートリッジ1の数は、1~3つであってもよく、5つ以上であってもよい。
【0028】
<1-2.現像カートリッジの構造>
図2および図3は、現像カートリッジ1の斜視図である。図4は、ケーシング10の第1外表面11の付近における現像カートリッジ1の分解斜視図である。図5は、ケーシング10の第2外表面12の付近における現像カートリッジ1の分解斜視図である。図1図5に示すように、現像カートリッジ1は、ケーシング10、アジテータ20、現像ローラ30、供給ローラ40、ギア部50、第1軸受60、第1レバー110、ホルダ120、第2軸受70、および第2レバー130を備える。
【0029】
ケーシング10は、現像剤を収容可能な筐体である。ケーシング10は、第1外表面11と第2外表面12とを有する。第1外表面11は、ケーシング10の第1方向の一端に位置する。第2外表面12は、ケーシング10の第1方向の他端に位置する。第1外表面11と第2外表面12とは、第1方向において互いに離れている。ケーシング10は、第1外表面11と第2外表面12との間で第1方向に延びるとともに、第2方向にも延びる。
【0030】
ケーシング10の内部には、収容室13が設けられている。現像剤は、収容室13内に収容される。また、ケーシング10は、開口14を有する。開口14は、第2方向におけるケーシング10の一端に位置する。ケーシング10の外部空間と、収容室13とは、開口14を介して連通する。なお、ケーシング10は、第2方向の他端の外表面に、ハンドルを有していてもよい。
【0031】
アジテータ20は、アジテータシャフト21と羽根22とを有する。アジテータシャフト21は、第1方向に沿って延びる。羽根22は、アジテータシャフト21からケーシング10の内表面へ向けて広がる。アジテータシャフト21の一部と、羽根22とは、ケーシング10の収容室13内に配置される。アジテータシャフト21の第1方向の端部には、ギア部50に含まれるアジテータギア(図示省略)が取り付けられる。アジテータシャフト21は、アジテータギアに対して、相対回転不能に固定される。アジテータギアが回転すると、アジテータシャフト21および羽根22は、第1方向に延びる回転軸について回転する。そして、羽根22の回転により、収容室13内の現像剤が撹拌される。
【0032】
現像ローラ30は、第1方向に延びる回転軸A1について回転可能なローラである。現像ローラ30は、ケーシング10の開口14に位置する。すなわち、現像ローラ30は、ケーシング10の第2方向の一端に位置する。現像ローラ30は、現像ローラ本体31と現像ローラシャフト32とを有する。現像ローラ本体31は、第1方向に延びる円筒状の部材である。現像ローラ本体31の材料には、例えば、弾性を有するゴムが用いられる。現像ローラシャフト32は、現像ローラ本体31を貫通して第1方向に延びる円柱状の部材である。現像ローラシャフト32は、導電性である。現像ローラシャフト32の材料には、金属または導電性を有する樹脂が用いられる。
【0033】
現像ローラ本体31は、現像ローラシャフト32に対して、相対回転不能に固定される。また、現像ローラシャフト32の第1方向の端部には、ギア部50に含まれる現像ローラギア51が取り付けられる。現像ローラシャフト32は、現像ローラギア51に対して、相対回転不能に固定される。したがって、現像ローラギア51が回転すると、現像ローラシャフト32も回転し、現像ローラシャフト32と共に現像ローラ本体31も回転する。
【0034】
なお、現像ローラシャフト32は、現像ローラ本体31を第1方向に貫通していなくてもよい。例えば、現像ローラシャフト32が、現像ローラ本体31の第1方向の両端から、第1方向にそれぞれ延びていてもよい。
【0035】
供給ローラ40は、第1方向に延びる回転軸について回転可能なローラである。供給ローラ40は、アジテータ20と現像ローラ30との間に位置する。供給ローラ40は、供給ローラ本体41と供給ローラシャフト42とを有する。供給ローラ本体41は、第1方向に延びる円筒状の部材である。供給ローラ本体41の材料には、例えば、弾性を有するゴムが用いられる。供給ローラシャフト42は、供給ローラ本体41を貫通して第1方向に延びる円柱状の部材である。
【0036】
供給ローラ本体41は、供給ローラシャフト42に対して、相対回転不能に固定される。また、供給ローラシャフト42の第1方向の端部には、ギア部50に含まれる供給ローラギア(図示省略)が取り付けられる。供給ローラシャフト42は、供給ローラギアに対して、相対回転不能に固定される。したがって、供給ローラギアが回転すると、供給ローラシャフト42も回転し、供給ローラシャフト42と共に供給ローラ本体41も回転する。
【0037】
なお、供給ローラシャフト42は、供給ローラ本体41を第1方向に貫通していなくてもよい。例えば、供給ローラシャフト42が、供給ローラ本体41の第1方向の両端から、第1方向にそれぞれ延びていてもよい。
【0038】
現像カートリッジ1が駆動力を受けると、ケーシング10内の収容室13から、供給ローラ40を介して、現像ローラ30の外周面に、現像剤が供給される。その際、供給ローラ40と現像ローラ30との間において、現像剤は摩擦帯電される。一方、現像ローラ30の現像ローラシャフト32には、バイアス電圧がかけられている。このため、現像ローラシャフト32と現像剤との間の静電気力によって、現像ローラ本体31の外周面に、現像剤が引き付けられる。
【0039】
また、現像カートリッジ1は、図示を省略した層厚規制ブレードを有する。層厚規制ブレードは、現像ローラ本体31の外周面に供給された現像剤を、一定の厚みに成形する。その後、現像ローラ本体31の外周面の現像剤は、ドラムカートリッジ2の後述する感光体ドラム92へ供給される。このとき、現像剤は、感光体ドラム92の外周面に形成された静電潜像に応じて、現像ローラ本体31から感光体ドラム92へ移動する。これにより、感光体ドラム92の外周面において、静電潜像が可視像化される。
【0040】
ギア部50は、ケーシング10の第2外表面12に位置する。図5に示すように、ギア部50は、上述したアジテータギア、現像ローラギア51、および供給ローラギアと、複数のアイドルギアと、カップリング52と、ギアカバー53とを有する。ギアカバー53は、ケーシング10と共に、現像カートリッジ1の筐体を構成する。ギアカバー53は、ケーシング10の第2外表面12に、例えばねじ止めで固定される。複数のギアの少なくとも一部は、第2外表面12とギアカバー53との間に位置する。
【0041】
ギアカバー53は、第1方向に突出する円筒状のカラー531を有する。カップリング52は、カラー531の内側に収容される。カップリング52は、第1方向に凹む係合部521を有する。係合部521は、ギアカバー53から露出する。ドラムカートリッジ2に装着された現像カートリッジ1が画像形成装置に装着されると、画像形成装置の駆動シャフトが、カップリング52の係合部521に接続される。そして、駆動シャフトの回転が、カップリング52を介して、アジテータギア、複数のアイドルギア、現像ローラギア51、および供給ローラギアに伝達される。
【0042】
なお、ギア部50に含まれる複数のギアは、歯の噛み合いによって回転力を伝達するものであってもよく、摩擦によって回転力を伝達するものであってもよい。
【0043】
第1軸受60は、ケーシング10の第1外表面11に位置する。第1軸受60は、現像ローラシャフト32の第1方向の一端部を回転可能に支持する。図4に示すように、第1軸受60は、第1端部61と第2端部62とを有する。第2端部62は、第1端部61よりも、現像ローラシャフト32から離れている。また、第2端部62は、第1端部61よりも、ケーシング10の第2方向の一端から、第2方向に離れている。第1軸受60は、第1端部61と第2端部62との間で、ケーシング10の第1外表面11に沿って延びる。
【0044】
第1軸受60は、第1アーム63と第2アーム64とを有する。第2アーム64は、第1アーム63よりも、現像ローラシャフト32から離れている。また、第2アーム64は、第1アーム63よりも、ケーシング10の第2方向の一端から、第2方向に離れている。第1アーム63は、上述した第1端部61を有する。第2アーム64は、上述した第2端部62を有する。第1アーム63は、ケーシング10の第1外表面11に沿って、例えば直線状に延びる。第2アーム64は、ケーシング10の第1外表面11に沿って、例えば直線状に延びる。ただし、第1アーム63は、第2アーム64に対して曲がっている。第1アーム63と第2アーム64とがなす角度は、鈍角である。
【0045】
本実施形態では、第1アーム63と第2アーム64とが、一体成形されている。しかしながら、第1アーム63と第2アーム64とは、別部品であってもよい。その場合、第1アーム63と第2アーム64とが、互いに固定されていればよい。
【0046】
第1軸受60は、第1挿入孔65を有する。第1挿入孔65は、第1軸受60の第1端部61において、第1方向に延びる。第1挿入孔65は、第1端部61を第1方向に貫通する貫通孔であってもよいし、第1端部61を貫通していなくてもよい。第1挿入孔65は、円筒状の内周面を有する。現像ローラシャフト32の第1方向の一端部は、第1挿入孔65に挿入される。これにより、現像ローラシャフト32の第1方向の一端部に、第1軸受60が装着される。そして、現像ローラシャフト32の第1方向の一端部が、第1方向に延びる回転軸A1について、回転可能に支持される。また、第1軸受60も、ケーシング10に対して、現像ローラシャフト32について回動可能である。具体的には、第1端部61に対して第2端部62が、回転軸A1について回動可能である。
【0047】
第1軸受60は、導電性の現像電極である。第1軸受60は、例えば、導電性樹脂から作られる。ただし、第1軸受60は、金属から作られていてもよい。第1軸受60の第1端部61は、現像ローラシャフト32の第1方向の一端部と接触する。したがって、第1軸受60の第1端部61は、現像ローラシャフト32と電気的に接続される。
【0048】
また、第1軸受60は第1孔67を有する。第1孔67は、第1端部61と第2端部62との間において、第2方向に延びる。また、第1孔67は、第1軸受60を、回転軸A1を中心とする回動方向に貫通する。ただし、第1孔67は、第1軸受60を貫通していなくてもよい。第1孔67には、後述する第1レバー110の他端部112が挿入される。
【0049】
第1レバー110は、ケーシング10の第1外表面11に位置する。図4に示すように、第1レバー110は、一端部111と、他端部112と、カム面113とを有する。一端部111は、第1方向および第2方向に対して交差する第3方向における、第1レバー110の一端に位置する。他端部112は、第3方向における第1レバー110の他端に位置する。カム面113は、第3方向において、一端部111と他端部112の間に位置する。また、第1レバー110の一端部111は、第1凸部114を有する。第1凸部114は、第1レバー110の一端部111から、第1方向に突出する。第1レバー110の他端部112は、第2凸部115を有する。第2凸部115は、第1レバー110の他端部112から、第1方向に突出する。
【0050】
第1レバー110は、ケーシング10に対して移動可能である。現像カートリッジ1がドラムカートリッジ2に装着された状態において、カム面113は、ドラムカートリッジ2の後述するドラムフレーム91に接触可能である。そして、第1レバー110は、カム面113を中心として、第1位置と第2位置との間で回動可能である。
【0051】
第1レバー110の他端部112は、第1軸受60の第1孔67に挿入される。そして、第1レバー110の他端部112は、第1軸受60の第1孔67の内面と連結している。具体的には、第1軸受60は、第1孔67の内面に係合面69(図11参照)を有する。そして、この係合面69と、第1レバー110の第2凸部115とが、第3方向に向かい合う。すなわち、第1レバー110の第2凸部115が、第1軸受60の係合面69に係合する。これにより、第1軸受60から第1レバー110が、第3方向の一方側へ抜けることが防止される。また、回転軸A1を中心とする第1軸受60の回動範囲が規制される。
【0052】
ホルダ120は、ケーシング10の第1外表面11に位置する。ホルダ120は、ケーシング10の第1外表面11に、例えばねじ止めで固定される。第1レバー110の一部分は、第1外表面11とホルダ120との間に位置する。第1レバー110の第1凸部114は、ホルダ120よりも第3方向の一方側に位置する。第1レバー110の第2凸部115は、ホルダ120よりも第3方向の他方側に位置する。第1凸部114とホルダ120とは、第3方向に向かい合う。これにより、ホルダ120から第1レバー110が、第3方向の他方側へ抜けることが防止される。すなわち、ホルダ120は、第1レバー110を、ケーシング10に対して移動可能に保持する。
【0053】
第2軸受70は、ケーシング10の第2外表面12に位置する。より具体的には、第2軸受70は、ギアカバー53の外表面に位置する。第1軸受60と第2軸受70とは、第1方向に重なる位置にある。第2軸受70は、現像ローラシャフト32の第1方向の他端部を回転可能に支持する。図5に示すように、第2軸受70は、第3端部71と第4端部72とを有する。第4端部72は、第3端部71よりも、現像ローラシャフト32から離れている。また、第4端部72は、第3端部71よりも、ケーシング10の第2方向の一端から、第2方向に離れている。第2軸受70は、第3端部71と第4端部72との間で、ケーシング10の第2外表面12に沿って延びる。
【0054】
第2軸受70は、第3アーム73と第4アーム74とを有する。第4アーム74は、第3アーム73よりも、現像ローラシャフト32から離れている。また、第4アーム74は、第3アーム73よりも、ケーシング10の第2方向の一端から、第2方向に離れている。第3アーム73は、上述した第3端部71を有する。第4アーム74は、上述した第4端部72を有する。第3アーム73は、ケーシング10の第2外表面12に沿って、例えば直線状に延びる。第4アーム74は、ケーシング10の第2外表面12に沿って、例えば直線状に延びる。ただし、第3アーム73は、第4アーム74に対して曲がっている。第3アーム73と第4アーム74とがなす角度は、鈍角である。
【0055】
本実施形態では、第3アーム73と第4アーム74とが、一体成形されている。しかしながら、第3アーム73と第4アーム74とは、別部品であってもよい。その場合、第3アーム73と第4アーム74とが、互いに固定されていればよい。
【0056】
第2軸受70は、第2挿入孔75を有する。第2挿入孔75は、第2軸受70の第3端部71において、第1方向に延びる。第2挿入孔75は、第3端部71を第1方向に貫通する貫通孔であってもよいし、第3端部71を貫通していなくてもよい。第2挿入孔75は、円筒状の内周面を有する。現像ローラシャフト32の第1方向の他端部は、第2挿入孔75に挿入される。これにより、現像ローラシャフト32の第1方向の他端部に、第2軸受70が装着される。そして、現像ローラシャフト32の第1方向の他端部が、第1方向に延びる回転軸A1について、回転可能に支持される。また、第2軸受70も、ケーシング10に対して、現像ローラシャフト32について回動可能である。具体的には、第3端部71に対して第4端部72が、回転軸A1について回動可能である。
【0057】
また、第2軸受70は第3孔77を有する。第3孔77は、第3端部71と第4端部72との間において、第2方向に延びる。また、第3孔77は、第2軸受70を、回転軸A1を中心とする回動方向に貫通する。ただし、第3孔77は、第2軸受70を貫通していなくてもよい。第3孔77には、後述する第2レバー130の他端部132が挿入される。第1軸受60の第1孔67と、第2軸受70の第3孔77とは、第1方向に重なる位置にある。
【0058】
第2レバー130は、ケーシング10の第2外表面12に位置する。より具体的には、第2軸受70は、ギアカバー53の外表面に位置する。図5に示すように、第2レバー130は、一端部131と、他端部132と、カム面133とを有する。一端部131は、第3方向における第2レバー130の一端に位置する。他端部132は、第3方向における第2レバー130の他端に位置する。カム面133は、第3方向において、一端部131と他端部132の間に位置する。また、第2レバー130の他端部132は、第3凸部135を有する。第3凸部135は、第2レバー130の他端部132から、第1方向に突出する。
【0059】
第1レバー110の一端部111と、第2レバー130の一端部131とは、第1方向に重なる位置にある。第1レバー110の他端部112と、第2レバー130の他端部132とは、第1方向に重なる位置にある。
【0060】
第2レバー130は、ケーシング10に対して移動可能である。現像カートリッジ1がドラムカートリッジ2に装着された状態において、カム面133は、ドラムカートリッジ2の後述するドラムフレーム91に接触可能である。そして、第2レバー130は、カム面133について、第3位置と第4位置との間で回動可能である。
【0061】
第2レバー130の他端部132は、第2軸受70の第3孔77に挿入される。そして、第2レバー130の他端部132は、第2軸受70の第3孔77の内面と連結している。具体的には、第2軸受70は、第3孔77の内面に係合面(図示省略)を有する。そして、この係合面と、第2レバー130の第3凸部135とが、第3方向に向かい合う。すなわち、第2レバー130の第3凸部135が、第2軸受70の係合面に係合する。これにより、第2軸受70から第2レバー130が、第3方向の一方側へ抜けることが防止される。また、回転軸A1を中心とする第2軸受70の回動範囲が規制される。
【0062】
図5に示すように、ギアカバー53は、第1方向に突出するギアカバー凸部532を有する。第2レバー130は、第2方向において、ギアカバー53のカラー531とギアカバー凸部532との間に位置する。これにより、第2レバー130の第2方向の移動が規制される。また、第2レバー130は、ギアカバー53のカラー531の外周面に沿って、円弧状に延びる。カラー531の一部分は、第3方向において、第2レバー130の一端部131と他端部132の間に位置する。これにより、第2レバー130の第3方向の移動が規制される。
【0063】
<1-3.ドラムカートリッジの構造>
図1に示すように、ドラムカートリッジ2は、ドラムフレーム91と、感光体ドラム92とを備える。現像カートリッジ1は、ドラムフレーム91に装着される。感光体ドラム92は、第1方向に延びる回転軸について回転可能な円筒状のドラムである。感光体ドラム92の外周面は、感光材料に被覆されている。感光体ドラム92は、第2方向におけるドラムフレーム91の一端に位置する。ドラムフレーム91に現像カートリッジ1が装着されると、現像ローラ30の外周面が、感光体ドラム92の外周面に接触する。
【0064】
図6図8は、現像カートリッジ1がドラムカートリッジ2に装着されるときの様子を、第1方向の一方側から見た図である。図9は、現像カートリッジ1がドラムカートリッジ2に装着された状態における、現像カートリッジ1およびドラムカートリッジ2の断面図である。なお、図9は、第1方向に直交し、かつ、第1軸受60および第1レバー110を通る断面を示している。
【0065】
図9に示すように、ドラムカートリッジ2は、第1ガイド面93および第2ガイド面94を有する。第1ガイド面93および第2ガイド面94は、ドラムフレーム91の第1方向の一端に位置する。また、第1ガイド面93と第2ガイド面94とは、感光体ドラム92の回転軸を中心とする回転方向に離れている。なお、ドラムカートリッジ2は、ドラムフレーム91の第1方向の他端にも、第1ガイド面93および第2ガイド面94と同様の、第3ガイド面(図示省略)および第4ガイド面(図示省略)を有する。
【0066】
また、図9に示すように、ドラムカートリッジ2は、第1押圧部材95と第1コイルばね96とを備える。第1押圧部材95および第1コイルばね96は、導電性である。第1押圧部材95は、例えば、導電性樹脂から作られる。第1コイルばね96は、例えば、金属から作られる。第1押圧部材95および第1コイルばね96は、ドラムフレーム91の第1方向の一端に位置する。第1コイルばね96は、第2方向に伸縮可能な弾性部材である。第1コイルばね96の第2方向の一端は、第1押圧部材95に接続される。第1コイルばね96の第2方向の他端は、ドラムフレーム91に接続される。現像カートリッジ1がドラムカートリッジ2に装着された場合、第1押圧部材95は、第1コイルばね96の弾性力により、第1軸受60の第2端部62を、感光体ドラム92へ向けて押圧する。
【0067】
また、ドラムカートリッジ2は、第2押圧部材(図示省略)および第2コイルばね(図示省略)を備える。第2押圧部材および第2コイルばねは、ドラムフレーム91の第1方向の他端に位置する。現像カートリッジ1がドラムカートリッジ2に装着された場合、第2押圧部材は、第2コイルばねの弾性力により、第2軸受70の第4端部72を、感光体ドラム92へ向けて押圧する。
【0068】
なお、ドラムカートリッジ2は、第1コイルばね96および第2コイルばねに代えて、他の種類の弾性部材を備えていてもよい。例えば、ドラムカートリッジ2は、トーションばねや板ばねなどのコイルばね以外のばねや、ゴムなどを、弾性部材として備えていてもよい。
【0069】
また、図6図9に示すように、ドラムカートリッジ2は、第1リリースレバー97を備える。第1リリースレバー97は、ドラムフレーム91の第1方向の一端に位置する。第1リリースレバー97は、第1方向に延びる軸について回動可能である。また、ドラムカートリッジ2は、第2リリースレバー(図示省略)を備える。第2リリースレバーは、ドラムフレーム91の第1方向の他端に位置する。第2リリースレバーは、第1方向に延びる回転軸について回動可能である。
【0070】
<1-4.現像カートリッジの装着動作について>
現像カートリッジ1がドラムカートリッジ2に装着されるときには、図6図9のように、現像ローラ30が、感光体ドラム92に接近するように、ドラムカートリッジ2に対して現像カートリッジ1が移動する。このとき、図6図9のように、第1軸受60の第2端部62が、第1リリースレバー97と接触し、第1リリースレバー97に沿って移動する。これに伴い、第1軸受60は、回転軸A1について回動する。同様に、第2軸受70の第3端部71が、第2リリースレバーと接触し、第2リリースレバーに沿って移動する。これに伴い、第2軸受70は、回転軸A1について回動する。
【0071】
このように、現像カートリッジ1がドラムカートリッジ2に装着されるときに、第1軸受60および第2軸受70が、現像ローラ30の回転軸A1について回動する。このため、ドラムフレーム91に対してケーシング10を回転させることなく、第1軸受60を、感光体ドラム92と第1押圧部材95との間へ配置するとともに、第2軸受70を、感光体ドラム92と第2押圧部材との間へ配置することができる。したがって、画像形成装置のユーザは、ケーシング10を回転させる動作を行うことなく、現像ローラ30を感光体ドラム92へ接近させることができる。
【0072】
感光体ドラム92と第1押圧部材95との間に第1軸受60が配置されると、第1押圧部材95は、第1軸受60の第2端部62に接触する。そして、第1コイルばね96の弾性力によって、第1押圧部材95が、第1軸受60の第2端部62を、感光体ドラム92へ向けて押圧する。そうすると、図9のように、第1軸受60の第1端部61が、第1ガイド面93に接触し、第1軸受60の他の部分が、第2ガイド面94に接触する。これにより、ドラムフレーム91に対する第1軸受60の位置が固定される。
【0073】
同様に、第2押圧部材は、第2軸受70の第4端部72を、感光体ドラム92へ向けて押圧する。そうすると、第2軸受70の第3端部71が、第3ガイド面に接触し、第2軸受70の他の部分が、第4ガイド面に接触する。これにより、ドラムフレーム91に対する第2軸受70の位置が固定される。
【0074】
また、ドラムフレーム91に対する第1軸受60および第2軸受70の位置が固定された状態で、第1押圧部材95が第1軸受60を押圧し、第2押圧部材が第2軸受70を押圧する。これにより、感光体ドラム92の外周面に、現像ローラ30の外周面が接触する。そして、感光体ドラム92に対して現像ローラ30が押し付けられる。
【0075】
このように、本実施形態では、第1軸受60が、第1端部61と第2端部62とを有し、かつ、第2端部62が第1端部61に対して回動可能である。また、第2軸受70が、第3端部71と第4端部72とを有し、かつ、第4端部72が第3端部71に対して回動可能である。このため、第1軸受60の第1端部61および第2端部62と、第2軸受70の第3端部71および第4端部72とを利用して、感光体ドラム92に対して現像ローラ30を位置決めできる。
【0076】
また、本実施形態では、現像カートリッジ1がドラムカートリッジ2に装着される場合に、第1軸受60および第2軸受70が、回転軸A1について回動する。また。ドラムカートリッジ2から現像カートリッジ1を取り外す場合にも、同様に、第1軸受60および第2軸受70が、回転軸A1について回動する。このため、ケーシング10を回転させることなく、第1軸受60および第2軸受70を回動させて、ドラムカートリッジ2に対する現像カートリッジ1の装着および取り外しの動作をスムーズに行うことができる。
【0077】
<1-5.電圧の供給について>
第1押圧部材95および第1コイルばね96は、導電性である。第1押圧部材95は、例えば、導電性樹脂から作られる。第1コイルばね96は、例えば、金属から作られる。また、ドラムカートリッジ2は、第1コイルばね96と電気的に接触する電極端子98を備える。図6図8に示すように、電極端子98は、ドラムフレーム91の外表面に露出する。また、既述の通り、現像ローラシャフト32および第1軸受60も、導電性である。このため、ドラムカートリッジ2に現像カートリッジ1が装着されて、第1押圧部材95が第1軸受60に接触した場合、電極端子98、第1コイルばね96、第1押圧部材95、第1軸受60、および現像ローラシャフト32が、互いに電気的に導通する。
【0078】
ドラムカートリッジ2に装着された状態の現像カートリッジ1が、画像形成装置に装着された場合、画像形成装置の電極端子と、ドラムカートリッジ2の電極端子98が接触する。そして、画像形成装置から電極端子98、第1コイルばね96、第1押圧部材95、および第1軸受60を介して、現像ローラシャフト32へ、バイアス電圧が供給される。その結果、バイアス電圧による静電気力で、現像ローラ本体31の外周面に現像剤が引き付けられる。
【0079】
このように、本実施形態では、ドラムカートリッジ2の第1押圧部材95を介して現像カートリッジ1の第1軸受60へ、バイアス電圧を供給する。このようにすれば、第1押圧部材95とは別に、第1軸受60へ電圧を供給するための導電性部品を設ける場合と比べて、ドラムカートリッジ2の部品点数を低減できる。したがって、ドラムカートリッジ2を小型化できる。
【0080】
また、本実施形態の第1軸受60は、(1)現像ローラシャフト32を回転可能に支持する軸受としての機能と、(2)ドラムカートリッジ2への現像カートリッジ1の装着時に、感光体ドラム92に対して現像ローラ30を位置決めする位置決め部材としての機能と、(3)現像ローラシャフト32へバイアス電圧を供給する現像電極としての機能と、の複数の機能を果たす。このため、これらの機能を別々の部材で実現する場合と比べて、現像カートリッジ1の部品点数を低減できるとともに、現像カートリッジ1を小型化できる。
【0081】
<1-6.離間動作について>
現像カートリッジ1は、ドラムカートリッジ2に装着された状態で画像形成装置に装着された後、画像形成装置から供給される駆動力により、離間動作を行うことが可能である。離間動作は、感光体ドラム92から現像ローラ30を、一時的に離間させる動作である。例えば、画像形成装置においてモノクロ印刷を行うときに、ブラック以外の各色の現像カートリッジ1が、離間動作を行う。ただし、ブラックの現像カートリッジ1が、離間動作を行う場合があってもよい。
【0082】
図9のように、現像カートリッジ1がドラムカートリッジ2に装着された場合、現像カートリッジ1は、現像ローラ30が感光体ドラム92に接触する接触位置に配置される。このときの第1レバー110の位置は、第1位置である。第1位置では、第1レバー110の他端部112が、第1軸受60の第1孔67の内面670から、離れている。したがって、第1レバー110の他端部112は、第1孔67の内面670を押圧しない。また、第1レバー110のカム面113は、ドラムフレーム91に接触している。また、このときの第2レバー130の位置は、第3位置である。第3位置では、第2レバー130の他端部132が、第2軸受70の第3孔77の内面から、離れている。したがって、第2レバー130の他端部132は、第2軸受70の第3孔77の内面を押圧しない。また、第2レバー130のカム面133は、ドラムフレーム91に接触している。
【0083】
図10は、離間動作時の現像カートリッジ1およびドラムカートリッジ2の断面図である。なお、図10は、第1方向に直交し、かつ、第1軸受60および第1レバー110を通る断面を示している。
【0084】
画像形成装置は、離間動作を行うときに、第1レバー110の一端部111に駆動力を与える。具体的には、画像形成装置は、図示を省略した駆動レバーを動作させる。そうすると、駆動レバーは、図10の破線矢印のように、第1レバー110の一端部111を押圧する。これにより、第1レバー110は、カム面113を中心として、第1位置から第2位置へ回動する。このとき、第1レバー110の他端部112は、感光体ドラム92から離れる方向に移動して、第1軸受60の第1孔67の内面670を押圧する。具体的には、第1レバー110の他端部112が、第1押圧部材95の押圧力に逆らって、第1軸受60の第2端部62を、現像ローラ30から離れる方向へ押圧する。その結果、第1レバー110の他端部112と共に、第1軸受60が、感光体ドラム92から離れる方向へ移動する。
【0085】
また、画像形成装置は、離間動作を行うときに、第2レバー130の一端部131に駆動力を与える。具体的には、画像形成装置は、図示を省略した他の駆動レバーを動作させる。そうすると、駆動レバーは、第2レバー130の一端部131を押圧する。これにより、第2レバー130は、カム面133を中心として、第3位置から第4位置へ回動する。このとき、第2レバー130の他端部132は、感光体ドラム92から離れる方向に移動して、第2軸受70の第3孔77の内面を押圧する。具体的には、第2レバー130の他端部132が、第2押圧部材の押圧力に逆らって、第2軸受70の第4端部72を、現像ローラ30から離れる方向へ押圧する。その結果、第2レバー130の他端部132と共に、第2軸受70が、感光体ドラム92から離れる方向へ移動する。
【0086】
これにより、第1軸受60および第2軸受70と共に、ケーシング10および現像ローラ30が、感光体ドラム92から離れる方向へ移動する。その結果、感光体ドラム92の外周面から、現像ローラ30の外周面が離れる。すなわち、現像カートリッジ1が、ドラムカートリッジ2に対して、上述した接触位置から離間位置へ移動する。
【0087】
このように、本実施形態では、第1レバー110の一端部111が、画像形成装置の駆動レバーから受ける力に応じて、第1レバー110の他端部112が、第1軸受60の第1孔67の内面670を押圧する。これにより、現像カートリッジ1を接触位置から離間位置へ移動させるための力を加えることができる。すなわち、力点として機能する一端部111と、作用点として機能する他端部112と、支点として機能するカム面113と、を有する第1レバー110により、画像形成装置から供給される駆動力を、第1軸受60へ伝達できる。
【0088】
また、第2レバー130の一端部131が、画像形成装置の駆動レバーから受ける力に応じて、第2レバー130の他端部132が、第2軸受70の第3孔77の内面を押圧する。これにより、現像カートリッジ1を接触位置から離間位置へ移動させるための力を加えることができる。すなわち、力点として機能する一端部131と、作用点として機能する他端部132と、支点として機能するカム面133と、を有する第2レバー130により、画像形成装置から供給される駆動力を、第2軸受70へ伝達できる。
【0089】
つまり、画像形成装置から供給される駆動力が、ドラムカートリッジ2を介することなく、現像カートリッジ1の第1軸受60および第2軸受70に伝達される。このようにすれば、ドラムカートリッジ2に、駆動力を中継する部品を設ける必要がない。このため、ドラムカートリッジ2の部品点数を低減できる。したがって、ドラムカートリッジ2を小型化できる。
【0090】
また、この現像カートリッジ1では、第1レバー110の一端部111が、第1方向に突出する第1凸部114を有する。このため、第1凸部114が無い場合よりも、第1レバー110の一端部111の表面積が広い。したがって、離間動作時に、画像形成装置の駆動レバーが、第1レバー110の一端部111を、安定して押圧することができる。これにより、画像形成装置の離間動作が安定する。なお、第1レバー110と同様に、第2レバー130の一端部131も、第1方向に突出する凸部を有していてもよい。
【0091】
また、この現像カートリッジ1では、離間動作時に、現像ローラシャフト32を支持する第1軸受60および第2軸受70が、押圧力を受ける。このため、第1軸受60および第2軸受70とは別に、離間動作時に押圧力を受ける部材を設ける場合よりも、現像カートリッジ1の部品点数を低減できる。したがって、現像カートリッジ1を小型化できる。
【0092】
また、第1軸受60は、回転軸A1について回動可能である。このため、第1レバー110は、第1軸受60の第1孔67の内面670を、最適な向きに押圧できる。同様に、第2軸受70も、回転軸A1について回動可能である。このため、第2レバー130は、第2軸受70の第3孔77の内面を、最適な向きに押圧できる。
【0093】
また、現像カートリッジ1が接触位置から離間位置へ移動するときに、第1軸受60は、第2ガイド面94に沿って移動する。また、第2軸受70は、第4ガイド面に沿って移動する。これにより、第1レバー110は、回転軸A1を中心とする第1軸受60の位置を維持しながら、第1軸受60を押圧できる。また、第2レバー130は、回転軸A1を中心とする第2軸受70の位置を維持しながら、第2軸受70を押圧できる。
【0094】
<1-7.現像カートリッジの取り外し動作について>
図11は、ドラムカートリッジ2から現像カートリッジ1を取り外すときの、現像カートリッジ1およびドラムカートリッジ2の断面図である。なお、図11は、第1方向に直交し、かつ、第1軸受60および第1レバー110を通る断面を示している。
【0095】
ドラムカートリッジ2から現像カートリッジ1を取り外すときには、ユーザにより、第1リリースレバー97および第2リリースレバーが押圧される。これにより、第1リリースレバー97および第2リリースレバーが、第1方向に延びる軸について回動する。そうすると、第1リリースレバー97が、第1レバー110を、第3方向の一方側へ押圧する。また、第2リリースレバーが、第2レバー130を、第3方向の一方側へ押圧する。さらに、第1レバー110の他端部112が、第1軸受60の係合面69に接触して、係合面69を、第3方向の一方側へ押圧する。また、第2レバー130の他端部132が、第2軸受70の係合面に接触して、係合面79を、第3方向の一方側へ押圧する。
【0096】
これにより、感光体ドラム92と第1押圧部材95との間から、第3方向の一方側へ、第1軸受60が抜ける。また、感光体ドラム92と第2押圧部材との間から、第3方向の一方側へ、第2軸受70が抜ける。その結果、ドラムカートリッジ2から、現像カートリッジ1を取り外すことができる。
【0097】
<2.第2実施形態>
<2-1.現像カートリッジおよびドラムカートリッジの概要>
図12図14は、現像カートリッジ1Bおよびドラムカートリッジ2Bの斜視図である。図12では、現像カートリッジ1Bが、ドラムカートリッジ2Bに装着された状態を示している。図13および図14では、現像カートリッジ1Bが、ドラムカートリッジ2Bに装着されていない状態を示している。現像カートリッジ1Bおよびドラムカートリッジ2Bは、電子写真方式の画像形成装置に使用される。画像形成装置は、例えば、レーザプリンタまたはLEDプリンタである。
【0098】
図12図14に示すように、現像カートリッジ1Bは、ドラムカートリッジ2Bと共に使用される。現像カートリッジ1Bは、ドラムカートリッジ2Bに対して装着可能である。現像カートリッジ1Bは、ドラムカートリッジ2Bに装着された状態で、画像形成装置に装着される。画像形成装置は、例えば4つの現像カートリッジ1Bを装着可能である。4つの現像カートリッジ1Bは、互いに異なる色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの各色)の現像剤(例えば、トナー)を収容する。画像形成装置は、現像カートリッジ1Bから供給される現像剤により、印刷用紙の記録面に画像を形成する。ただし、画像形成装置に装着可能な現像カートリッジ1Bの数は、1~3つであってもよく、5つ以上であってもよい。
【0099】
<2-2.現像カートリッジの構造>
図15は、ケーシング10Bの第1外表面11Bの付近における現像カートリッジ1Bの斜視図である。図16は、ケーシング10Bの第1外表面11Bの付近における現像カートリッジ1Bの分解斜視図である。図17は、ケーシング10Bの第2外表面12Bの付近における現像カートリッジ1Bの斜視図である。図18は、ケーシング10Bの第2外表面12Bの付近における現像カートリッジ1Bの分解斜視図である。
【0100】
図12図18に示すように、現像カートリッジ1Bは、ケーシング10B、アジテータ20B、現像ローラ30B、ギア部50B、第1軸受60B、第1レバー110B、ホルダ120B、および第2軸受70Bを備える。
【0101】
ケーシング10Bは、現像剤を収容可能な筐体である。ケーシング10Bは、第1外表面11Bと第2外表面12Bとを有する。第1外表面11Bは、ケーシング10Bの第1方向の一端に位置する。第2外表面12Bは、ケーシング10Bの第1方向の他端に位置する。第1外表面11Bと第2外表面12Bとは、第1方向において互いに離れている。ケーシング10Bは、第1外表面11Bと第2外表面12Bとの間で第1方向に延びるとともに、第2方向にも延びる。
【0102】
ケーシング10Bの内部には、収容室13Bが設けられている。現像剤は、収容室13B内に収容される。また、ケーシング10Bは、開口14Bを有する。開口14Bは、第2方向におけるケーシング10Bの一端に位置する。ケーシング10Bの外部空間と、収容室13Bとは、開口14Bを介して連通する。なお、ケーシング10Bは、第2方向の他端の外表面に、ハンドルを有していてもよい。
【0103】
アジテータ20Bは、アジテータシャフト21Bと羽根22Bとを有する。アジテータシャフト21Bは、第1方向に沿って延びる。羽根22Bは、アジテータシャフト21Bからケーシング10Bの内表面へ向けて広がる。アジテータシャフト21Bの一部と、羽根22Bとは、ケーシング10Bの収容室13B内に配置される。アジテータシャフト21Bの第1方向の端部には、ギア部50Bに含まれるアジテータギア(図示省略)が取り付けられる。アジテータシャフト21Bは、アジテータギアに対して、相対回転不能に固定される。アジテータギアが回転すると、アジテータシャフト21Bおよび羽根22Bは、第1方向に延びる回転軸について回転する。そして、羽根22Bの回転により、収容室13B内の現像剤が撹拌される。
【0104】
現像ローラ30Bは、第1方向に延びる回転軸A1について回転可能なローラである。現像ローラ30Bは、ケーシング10Bの開口14Bに位置する。すなわち、現像ローラ30Bは、ケーシング10Bの第2方向の一端に位置する。現像ローラ30Bは、現像ローラ本体31Bと現像ローラシャフト32Bとを有する。現像ローラ本体31Bは、第1方向に延びる円筒状の部材である。現像ローラ本体31Bの材料には、例えば、弾性を有するゴムが用いられる。現像ローラシャフト32Bは、現像ローラ本体31Bを貫通して第1方向に延びる円柱状の部材である。現像ローラシャフト32Bは、導電性である。現像ローラシャフト32Bの材料には、金属または導電性を有する樹脂が用いられる。
【0105】
現像ローラ本体31Bは、現像ローラシャフト32Bに対して、相対回転不能に固定される。また、現像ローラシャフト32Bの第1方向の端部には、ギア部50Bに含まれる現像ローラギア51Bが取り付けられる。現像ローラシャフト32Bは、現像ローラギア51Bに対して、相対回転不能に固定される。したがって、現像ローラギア51Bが回転すると、現像ローラシャフト32Bも回転し、現像ローラシャフト32Bと共に現像ローラ本体31Bも回転する。
【0106】
なお、現像ローラシャフト32Bは、現像ローラ本体31Bを第1方向に貫通していなくてもよい。例えば、現像ローラシャフト32Bが、現像ローラ本体31Bの第1方向の両端から、第1方向にそれぞれ延びていてもよい。
【0107】
また、現像カートリッジ1は、図示を省略した供給ローラを有する。供給ローラは、第1方向に延びる回転軸について回転可能なローラである。供給ローラは、アジテータ20Bと現像ローラ30Bとの間に位置する。供給ローラは、供給ローラ本体と供給ローラシャフトとを有する。供給ローラ本体は、第1方向に延びる円筒状の部材である。供給ローラ本体の材料には、例えば、弾性を有するゴムが用いられる。供給ローラシャフトは、供給ローラ本体を貫通して第1方向に延びる円柱状の部材である。
【0108】
供給ローラ本体は、供給ローラシャフトに対して、相対回転不能に固定される。また、供給ローラシャフトの第1方向の端部には、ギア部50に含まれる供給ローラギア(図示省略)が取り付けられる。供給ローラシャフトは、供給ローラギアに対して、相対回転不能に固定される。したがって、供給ローラギアが回転すると、供給ローラシャフトも回転し、供給ローラシャフトと共に供給ローラ本体も回転する。
【0109】
なお、供給ローラシャフトは、供給ローラ本体を第1方向に貫通していなくてもよい。例えば、供給ローラシャフトが、供給ローラ本体の第1方向の両端から、第1方向にそれぞれ延びていてもよい。
【0110】
現像カートリッジ1Bが駆動力を受けると、ケーシング10B内の収容室13Bから、供給ローラを介して、現像ローラ30Bの外周面に、現像剤が供給される。その際、供給ローラと現像ローラ30Bとの間において、現像剤は摩擦帯電される。一方、現像ローラ30Bの現像ローラシャフト32Bには、バイアス電圧がかけられている。このため、現像ローラシャフト32Bと現像剤との間の静電気力によって、現像ローラ本体31Bの外周面に、現像剤が引き付けられる。
【0111】
また、現像カートリッジ1Bは、図示を省略した層厚規制ブレードを有する。層厚規制ブレードは、現像ローラ本体31Bの外周面に供給された現像剤を、一定の厚みに成形する。その後、現像ローラ本体31Bの外周面の現像剤は、ドラムカートリッジ2Bの後述する感光体ドラム92Bへ供給される。このとき、現像剤は、感光体ドラム92Bの外周面に形成された静電潜像に応じて、現像ローラ本体31Bから感光体ドラム92Bへ移動する。これにより、感光体ドラム92Bの外周面において、静電潜像が可視像化される。
【0112】
ギア部50Bは、ケーシング10Bの第2外表面12Bに位置する。図5に示すように、ギア部50Bは、上述したアジテータギア、現像ローラギア51B、および供給ローラギアと、複数のアイドルギアと、カップリング52Bと、ギアカバー53Bとを有する。ギアカバー53Bは、ケーシング10Bと共に、現像カートリッジ1Bの筐体を構成する。ギアカバー53Bは、ケーシング10Bの第2外表面12Bに、例えばねじ止めで固定される。複数のギアの少なくとも一部は、第2外表面12Bとギアカバー53Bとの間に位置する。
【0113】
ギアカバー53Bは、第1方向に突出する円筒状のカラー531Bを有する。カップリング52Bは、カラー531Bの内側に収容される。カップリング52Bは、第1方向に凹む係合部521Bを有する。係合部521Bは、ギアカバー53Bから露出する。ドラムカートリッジ2Bに装着された現像カートリッジ1Bが画像形成装置に装着されると、画像形成装置の駆動シャフトが、カップリング52Bの係合部521Bに接続される。そして、駆動シャフトの回転が、カップリング52Bを介して、アジテータギア、複数のアイドルギア、現像ローラギア51B、および供給ローラギアに伝達される。
【0114】
なお、ギア部50Bに含まれる複数のギアは、歯の噛み合いによって回転力を伝達するものであってもよく、摩擦によって回転力を伝達するものであってもよい。
【0115】
第1軸受60Bは、ケーシング10Bの第1外表面11Bに位置する。第1軸受60Bは、現像ローラシャフト32Bの第1方向の一端部を回転可能に支持する。図15および図16に示すように、第1軸受60Bは、第1端部61Bと第2端部62Bとを有する。第2端部62Bは、第1端部61Bよりも、現像ローラシャフト32Bから離れている。また、第2端部62Bは、第1端部61Bよりも、ケーシング10Bの第2方向の一端から、第2方向に離れている。第1軸受60Bは、第1端部61Bと第2端部62Bとの間で、ケーシング10Bの第1外表面11Bに沿って延びる。
【0116】
第1軸受60Bは、第1アーム63Bと第2アーム64Bとを有する。第2アーム64Bは、第1アーム63Bよりも、現像ローラシャフト32Bから離れている。また、第2アーム64Bは、第1アーム63Bよりも、ケーシング10Bの第2方向の一端から、第2方向に離れている。第1アーム63Bは、上述した第1端部61Bを有する。第2アーム64Bは、上述した第2端部62Bを有する。第1アーム63Bは、ケーシング10Bの第1外表面11Bに沿って、例えば直線状に延びる。第2アーム64Bは、ケーシング10Bの第1外表面11Bに沿って、例えば直線状に延びる。ただし、第1アーム63Bは、第2アーム64Bに対して曲がっている。第1アーム63Bと第2アーム64Bとがなす角度は、鈍角である。
【0117】
本実施形態では、第1アーム63Bと第2アーム64Bとが、一体成形されている。しかしながら、第1アーム63Bと第2アーム64Bとは、別部品であってもよい。その場合、第1アーム63Bと第2アーム64Bとが、互いに固定されていればよい。
【0118】
第1軸受60Bは、第1挿入孔65Bを有する。第1挿入孔65Bは、第1軸受60Bの第1端部61Bにおいて、第1方向に延びる。第1挿入孔65Bは、第1端部61Bを第1方向に貫通する貫通孔であってもよいし、第1端部61Bを貫通していなくてもよい。現像ローラシャフト32Bの第1方向の一端部は、第1挿入孔65Bに挿入される。これにより、現像ローラシャフト32Bの第1方向の一端部に、第1軸受60Bが装着される。そして、現像ローラシャフト32Bの第1方向の一端部が、第1方向に延びる回転軸A1について、回転可能に支持される。また、第1軸受60Bも、ケーシング10Bに対して、現像ローラシャフト32Bについて回動可能である。具体的には、第1端部61Bに対して第2端部62Bが、回転軸A1について回動可能である。
【0119】
第1軸受60Bは、導電性の現像電極である。第1軸受60Bは、例えば、導電性樹脂から作られる。ただし、第1軸受60Bは、金属から作られていてもよい。第1軸受60Bの第1端部61Bは、現像ローラシャフト32Bの第1方向の一端部と接触する。したがって、第1軸受60Bの第1端部61Bは、現像ローラシャフト32Bと電気的に接続される。
【0120】
また、第1軸受60Bは第1孔67Bを有する。第1孔67Bは、第1端部61Bと第2端部62Bとの間に位置する。また、第1孔67Bは、第1軸受60Bを、回転軸A1を中心とする回動方向に貫通する。すなわち、第1孔67Bは、第1方向および第2方向に対して交差する第3方向に延びる。ただし、第1孔67Bは、第1軸受60Bを貫通していなくてもよい。第1孔67Bには、後述する第1レバー110Bの他端部112Bが挿入される。
【0121】
第1レバー110Bは、ケーシング10Bの第1外表面11Bに位置する。図16に示すように、第1レバー110Bは、一端部111Bと、他端部112Bと、カム面113Bとを有する。一端部111Bは、第1方向および第2方向に対して交差する第3方向における、第1レバー110Bの一端に位置する。他端部112Bは、第3方向における第1レバー110Bの他端に位置する。すなわち、他端部112Bは、一端部111Bから、第3方向における他方側へ離れている。カム面113Bは、第3方向において、一端部111Bと他端部112Bの間に位置する。また、第1レバー110Bの一端部111Bは、第1凸部114Bを有する。第1凸部114Bは、第1レバー110Bの一端部111Bから、第1方向に突出する。第1レバー110Bの他端部112Bは、第2凸部115Bを有する。第2凸部115Bは、第1レバー110Bの他端部112Bから、第1方向に突出する。
【0122】
第1レバー110Bは、ケーシング10Bに対して移動可能である。現像カートリッジ1Bがドラムカートリッジ2Bに装着された状態において、カム面113Bは、ドラムカートリッジ2Bの後述するドラムフレーム91Bに接触可能である。そして、第1レバー110Bは、カム面113Bを中心として、第1位置と第2位置との間で回動可能である。
【0123】
ホルダ120Bは、ケーシング10Bの第1外表面11Bに位置する。ホルダ120Bは、ケーシング10Bの第1外表面11Bに、例えばねじ止めで固定される。第1レバー110Bの一部分は、第1外表面11Bとホルダ120Bとの間に位置する。第1レバー110Bの第1凸部114Bは、ホルダ120Bよりも第3方向の一方側に位置する。第1レバー110Bの第2凸部115Bは、ホルダ120Bよりも第3方向の他方側に位置する。第1凸部114Bとホルダ120Bとは、第3方向に向かい合う。これにより、ホルダ120Bから第1レバー110Bが、第3方向における一方側から他方側へ抜けるのが止められる。すなわち、ホルダ120Bは、第1レバー110Bを、ケーシング10Bに対して移動可能に保持する。
【0124】
図19は、第1軸受60Bの断面と、第1レバー110Bの側面とを示した図である。図19に破線矢印で示したように、第1レバー110Bの他端部112Bは、第1軸受60Bの第1孔67Bに挿入される。また、第1軸受60Bは、レバー受け部68Bを有する。レバー受け部68Bは、第1孔67Bの内部に位置する。レバー受け部68Bは、第3方向の他方側へ向けて開いたU字状である。第1レバー110Bの第2凸部115Bは、レバー受け部68Bに挿入される。これにより、第1レバー110Bの他端部112Bが、第1軸受60Bに係合する。また、第1軸受60Bから第1レバー110Bが、第3方向の一方側へ抜けることが防止される。
【0125】
図19に示すように、第1軸受60Bは、第1挿入孔65Bの周縁部に、円弧状の壁部651Bを有する。壁部651Bは、第1挿入孔65Bの周縁部のうち、第2方向の他方側の一部分から、第2方向の一方側へ向けて突出する。一方、図16に示すように、現像ローラシャフト32Bは、外周面に円環状の係合溝321Bを有する。係合溝321Bは、ケーシング10Bの第1外表面11Bよりも、第1方向の一方側に位置する。壁部651Bは、係合溝321Bへ向けて突出する。
【0126】
図20および図21は、現像カートリッジ1Bに対して、第1軸受60B、第1レバー110B、およびホルダ120Bを取り付けるときの様子を示した図である。
【0127】
現像カートリッジ1Bに対して、第1軸受60B、第1レバー110B、およびホルダ120Bを取り付けるときには、まず、第1レバー110Bの第2凸部115Bを、第1軸受60Bのレバー受け部68Bに挿入する。これにより、第1軸受60Bに、第1レバー110Bの他端部112Bを係合させる。次に、図20のように、第1軸受60Bの第1挿入孔65Bに、現像ローラシャフト32Bを挿入する。続いて、第1軸受60Bおよび第1レバー110Bを、回転軸A1について、第3方向の一方側へ回動させる。その後、図21のように、ホルダ120Bをケーシング10Bの第1外表面11Bに固定する。これにより、第1レバー110Bがホルダ120Bに保持される。
【0128】
このように、第1軸受60Bに係合した第1レバー110Bが、ホルダ120に保持された場合、第1軸受60Bの壁部651Bは、現像ローラシャフト32Bの係合溝321Bに挿入される。これにより、現像ローラシャフト32Bから第1軸受60Bが、第1方向の一方側へ抜けることが防止される。
【0129】
第1軸受60Bが、回転軸A1について第3方向の一方側から他方側へ回動した場合、第1軸受60Bのレバー受け部68Bと共に、第1レバー110Bも、第3方向の一方側から他方側へ移動する。ただし、第1レバー110Bの第1凸部114Bが、ホルダ120Bに接触することにより、第1レバー110Bの第3方向における一方側から他方側への移動が停止する。また、第1レバー110Bの移動が停止すると、第1レバー110Bの他端部112Bの第2凸部115Bに、第1軸受60Bのレバー受け部68Bが接触することにより、第1軸受60Bの第3方向における一方側から他方側への回動も停止する。その結果、第1軸受60Bの第3方向における他方側への回動範囲が制限される。
【0130】
このように、本実施形態の現像カートリッジ1Bでは、ホルダ120Bが、第1レバー110Bの第3方向における一方側から他方側への抜けを止める。そして、第1レバー110Bが、第1軸受60Bの第3方向における一方側から他方側への回動を停止させる。このため、第1レバー110Bおよびホルダ120Bとは別に、第1軸受60Bの第3方向における一方側から他方側への回動を停止させるための部品を設ける必要がない。したがって、現像カートリッジ1Bの部品点数を低減できる。
【0131】
また、図16および図20に示すように、ケーシング10Bは、ケーシング突起15Bを有する。ケーシング突起15Bは、ケーシング10Bの第1外表面11Bから、第1方向の一方側へ向けて延びる。一方、図20および図21に破線で示したように、第1軸受60Bは、電極突起601Bを有する。電極突起601Bは、第1軸受60Bからケーシング10の第1外表面11Bへ向けて、第1方向に延びる。
【0132】
第1軸受60Bが、回転軸A1について第3方向の他方側から一方側へ回動した場合、電極突起601Bは、ケーシング突起15Bに接触する。これにより、第1軸受60Bの第3方向における他方側から一方側への回動が停止する。このように、本実施形態の現像カートリッジ1Bでは、ケーシング10Bのケーシング突起15Bが、第1軸受60Bの第3方向における他方側から一方側への回動を停止させる。このため、ケーシング10Bとは別に、第1軸受60Bの第3方向における他方側から一方側への回動を停止させるための部品を設ける必要がない。したがって、現像カートリッジ1Bの部品点数を低減できる。
【0133】
第2軸受70Bは、ケーシング10Bの第2外表面12Bに位置する。より具体的には、第2軸受70Bは、ギアカバー53Bの外表面に位置する。第1軸受60Bと第2軸受70Bとは、第1方向に重なる位置にある。第2軸受70Bは、現像ローラシャフト32Bの第1方向の他端部を回転可能に支持する。図17および図18に示すように、第2軸受70Bは、第3端部71Bと第4端部72Bとを有する。第4端部72Bは、第3端部71Bよりも、現像ローラシャフト32Bから離れている。また、第4端部72Bは、第3端部71Bよりも、ケーシング10Bの第2方向の一端から、第2方向に離れている。第2軸受70Bは、第3端部71Bと第4端部72Bとの間で、ケーシング10Bの第2外表面12Bに沿って延びる。
【0134】
第2軸受70Bは、第3アーム73Bと第4アーム74Bとを有する。第4アーム74Bは、第3アーム73Bよりも、現像ローラシャフト32Bから離れている。また、第4アーム74Bは、第3アーム73Bよりも、ケーシング10Bの第2方向の一端から、第2方向に離れている。第3アーム73Bは、上述した第3端部71Bを有する。第4アーム74Bは、上述した第4端部72Bを有する。第3アーム73Bは、ケーシング10の第2外表面12Bに沿って、例えば直線状に延びる。第4アーム74Bは、ケーシング10Bの第2外表面12Bに沿って、例えば直線状に延びる。ただし、第3アーム73Bは、第4アーム74Bに対して曲がっている。第3アーム73Bと第4アーム74Bとがなす角度は、鈍角である。
【0135】
本実施形態では、第3アーム73Bと第4アーム74Bとが、一体成形されている。しかしながら、第3アーム73Bと第4アーム74Bとは、別部品であってもよい。その場合、第3アーム73Bと第4アーム74Bとが、互いに固定されていればよい。
【0136】
図22は、第2軸受70Bの付近における現像カートリッジ1Bの部分断面図である。図17図18、および図22に示すように、第2軸受70Bは、第2挿入孔75Bを有する。第2挿入孔75Bは、第2軸受70Bの第3端部71Bにおいて、第1方向に延びる。第2挿入孔75Bは、第3端部71Bを第1方向に貫通する貫通孔であってもよいし、第3端部71Bを貫通していなくてもよい。第2挿入孔75Bは、円筒状の内周面を有する。現像ローラシャフト32Bの第1方向の他端部は、第2挿入孔75Bに挿入される。そして、現像ローラシャフト32Bの第1方向の他端部が、第1方向に延びる回転軸A1について、回転可能に支持される。また、第2軸受70Bも、ケーシング10Bに対して、現像ローラシャフト32Bについて回動可能である。具体的には、第3端部71Bに対して第4端部72Bが、回転軸A1について回動可能である。
【0137】
また、第2軸受70Bは第2孔78Bを有する。第2孔78Bは、第3端部71Bと第4端部72Bとの間において、第1方向に延びる。また、第2孔78Bは、第2軸受70Bを、第1方向に貫通する。ただし、第2孔78Bは、第2軸受70Bを貫通していなくてもよい。
【0138】
また、図22に示すように、第2軸受70Bは、爪受け部781Bを有する。爪受け部781Bは、第2孔78Bの内部に位置する。一方、ケーシング10Bは、2つの爪部16Bを有する。爪部16Bは、ケーシング10Bの第2外表面12Bから、第1方向の他方側へ向けて延びる。本実施形態では、ケーシングの一部として機能するギアカバー53Bの外表面から、2つの爪部16Bが延びている。
【0139】
爪部16Bの先端部161Bは、第2孔78Bの内部に位置する。爪部16Bの先端部161Bは、第1方向に対して交差する方向に突出して、爪受け部781Bの第1方向における他方側の面に係合する。これにより、ギアカバー53Bに対して第2軸受70Bが保持される。また、第2軸受70Bが第1方向の他方側へ抜けることが防止される。このようにすれば、現像ローラシャフト32Bの第2挿入孔75Bに挿入される部分に、第2軸受70Bの抜けを防止するための係合溝を設ける必要はない。
【0140】
第2軸受70Bが、回転軸A1について第3方向の一方側から他方側へ回動した場合、第2軸受70Bの第2孔78Bよりも第3方向の一方側の部分が、爪部16Bに接触する。これにより、第2軸受70Bの第3方向における一方側から他方側への回動が停止する。また、第2軸受70Bが、回転軸A1について第3方向の他方側から一方側へ回動した場合、第2軸受70Bの第2孔78Bよりも第3方向の他方側の部分が、爪部16Bに接触する。これにより、第2軸受70Bの第3方向における他方側から一方側への回動が停止する。
【0141】
このように、本実施形態の現像カートリッジ1Bでは、爪部16Bが、第2軸受70Bの回動を停止させる。このため、爪部16Bとは別に、第2軸受70Bの回動を停止させるための部品を設ける必要がない。したがって、現像カートリッジ1Bの部品点数を低減できる。
【0142】
また、図17および図18に示すように、第2軸受70Bは、被押圧突起701Bを有する。被押圧突起701Bは、第2軸受70Bの第1方向における他方側の面から、第1方向の他方側へ向けて突出する。すなわち、被押圧突起701Bは、ケーシング10Bから離れる方向へ向けて突出する。被押圧突起701Bは、後述する離間動作を行う場合に、ドラムカートリッジ2Bの後述する離間レバー97Bと接触可能である。
【0143】
<2-3.ドラムカートリッジの構造>
図12図14に示すように、ドラムカートリッジ2Bは、ドラムフレーム91Bと、感光体ドラム92Bとを備える。現像カートリッジ1Bは、ドラムフレーム91Bに装着される。感光体ドラム92Bは、第1方向に延びる回転軸について回転可能な円筒状のドラムである。感光体ドラム92Bの外周面は、感光材料に被覆されている。感光体ドラム92Bは、第2方向におけるドラムフレーム91Bの一端に位置する。ドラムフレーム91Bに現像カートリッジ1Bが装着されると、現像ローラ30Bの外周面が、感光体ドラム92Bの外周面に接触する。
【0144】
図23および図24は、現像カートリッジ1Bがドラムカートリッジ2Bに装着されるときの様子を、第1方向の一方側から見た図である。図25は、装着後の現像カートリッジ1Bおよびドラムカートリッジ2Bを、第1方向の一方側から見た図である。図26は、後述する離間動作時の現像カートリッジ1Bおよびドラムカートリッジ2Bを、第1方向の一方側から見た図である。図27は、装着後の現像カートリッジ1Bおよびドラムカートリッジ2Bを、第1方向の他方側から見た図である。図28は、後述する離間動作時の現像カートリッジ1Bおよびドラムカートリッジ2Bを、第1方向の他方側から見た図である。
【0145】
図23図25に示すように、ドラムカートリッジ2Bは、第1ガイド面93Bおよび第2ガイド面94Bを有する。第1ガイド面93Bおよび第2ガイド面94Bは、ドラムフレーム91Bの第1方向の一端に位置する。また、第1ガイド面93Bと第2ガイド面94Bとは、感光体ドラム92Bの回転軸を中心とする回転方向に離れている。
【0146】
また、図23図26に示すように、ドラムカートリッジ2Bは、第1押圧部材95Bと第1コイルばね96Bとを備える。第1押圧部材95Bおよび第1コイルばね96Bは、導電性である。第1押圧部材95Bは、例えば、導電性樹脂から作られる。第1コイルばね96Bは、例えば、金属から作られる。第1押圧部材95Bおよび第1コイルばね96Bは、ドラムフレーム91Bの第1方向の一端に位置する。第1コイルばね96Bは、第2方向に伸縮可能な弾性部材である。第1コイルばね96Bの第2方向の一端は、第1押圧部材95Bに接続される。第1コイルばね96Bの第2方向の他端は、ドラムフレーム91Bに接続される。現像カートリッジ1Bがドラムカートリッジ2Bに装着された場合、第1押圧部材95Bは、第1コイルばね96Bの弾性力により、第1軸受60Bの第2端部62Bを、感光体ドラム92Bへ向けて押圧する。
【0147】
図27図28に示すように、ドラムカートリッジ2Bは、第3ガイド面931Bおよび第4ガイド面941Bを有する。第3ガイド面931Bおよび第4ガイド面941Bは、ドラムフレーム91Bの第1方向の他端に位置する。また、第3ガイド面931Bと第4ガイド面941Bとは、感光体ドラム92Bの回転軸を中心とする回転方向に離れている。
【0148】
また、図27図28に示すように、ドラムカートリッジ2Bは、第2押圧部材951Bと第2コイルばね961Bとを備える。第2押圧部材951Bおよび第2コイルばね961Bは、ドラムフレーム91Bの第1方向の他端に位置する。第2コイルばね961Bは、第2方向に伸縮可能な弾性部材である。第2コイルばね961Bの第2方向の一端は、第2押圧部材951Bに接続される。第2コイルばね961Bの第2方向の他端は、ドラムフレーム91Bに接続される。現像カートリッジ1Bがドラムカートリッジ2Bに装着された場合、第2押圧部材951Bは、第2コイルばね961Bの弾性力により、第2軸受70Bの第4端部72Bを、感光体ドラム92Bへ向けて押圧する。
【0149】
なお、ドラムカートリッジ2Bは、第1コイルばね96Bおよび第2コイルばね961Bに代えて、他の種類の弾性部材を備えていてもよい。例えば、ドラムカートリッジ2Bは、トーションばねや板ばねなどのコイルばね以外のばねや、ゴムなどを、弾性部材として備えていてもよい。
【0150】
また、図27図28に示すように、ドラムカートリッジ2Bは、離間レバー97Bを備える。離間レバー97Bは、ドラムフレーム91Bの第1方向の他端に位置する。離間レバー97Bは、第1方向に延びる回転軸について回転可能である。また、離間レバー97Bは、第1レバーアーム971Bと、第2レバーアーム972Bとを有する。現像カートリッジ1Bがドラムカートリッジ2Bに装着された場合、第2レバーアーム972Bは、第2軸受70の被押圧突起701Bと、第2方向に向かい合う。
【0151】
<2-4.現像カートリッジの装着動作について>
現像カートリッジ1Bがドラムカートリッジ2Bに装着されるときには、図23図25のように、現像ローラ30Bが、感光体ドラム92Bに接近するように、ドラムカートリッジ2Bに対して現像カートリッジ1Bが移動する。このとき、第1軸受60Bは、ドラムフレーム91Bの形状に応じて、回転軸A1について回動する。同様に、第2軸受70Bも、ドラムフレーム91Bの形状に応じて、回転軸A1について回動する。
【0152】
このように、現像カートリッジ1Bがドラムカートリッジ2Bに装着されるときに、第1軸受60Bおよび第2軸受70Bが、現像ローラ30Bの回転軸A1について回動する。このため、ドラムフレーム91Bに対してケーシング10Bを大きく回転させることなく、第1軸受60Bを、感光体ドラム92Bと第1押圧部材95Bとの間へ配置するとともに、第2軸受70Bを、感光体ドラム92Bと第2押圧部材951Bとの間へ配置することができる。したがって、画像形成装置のユーザは、ケーシング10Bを大きく回転させる動作を行うことなく、現像ローラ30Bを感光体ドラム92Bへ接近させることができる。
【0153】
感光体ドラム92Bと第1押圧部材95Bとの間に第1軸受60Bが配置されると、第1押圧部材95Bは、第1軸受60Bの第2端部62Bに接触する。そして、第1コイルばね96Bの弾性力によって、第1押圧部材95Bが、第1軸受60Bの第2端部62Bを、感光体ドラム92Bへ向けて押圧する。そうすると、図25のように、第1軸受60Bの第1端部61Bが、第1ガイド面93Bに接触し、第1軸受60Bの他の部分が、第2ガイド面94Bに接触する。これにより、ドラムフレーム91Bに対する第1軸受60Bの位置が固定される。
【0154】
同様に、第2押圧部材951Bは、第2軸受70Bの第4端部72Bを、感光体ドラム92Bへ向けて押圧する。そうすると、図27のように、第2軸受70Bの第3端部71Bが、第3ガイド面931Bに接触し、第2軸受70Bの他の部分が、第4ガイド面941Bに接触する。これにより、ドラムフレーム91Bに対する第2軸受70Bの位置が固定される。
【0155】
また、ドラムフレーム91に対する第1軸受60Bおよび第2軸受70Bの位置が固定された状態で、第1押圧部材95Bが第1軸受60Bを押圧し、第2押圧部材951Bが第2軸受70Bを押圧する。これにより、感光体ドラム92Bの外周面に、現像ローラ30Bの外周面が接触する。そして、感光体ドラム92Bに対して現像ローラ30Bが押し付けられる。
【0156】
このように、本実施形態では、第1軸受60Bが、第1端部61Bと第2端部62Bとを有し、かつ、第2端部62Bが第1端部61Bに対して回動可能である。また、第2軸受70Bが、第3端部71Bと第4端部72Bとを有し、かつ、第4端部72Bが第3端部71Bに対して回動可能である。このため、第1軸受60Bの第1端部61Bおよび第2端部62Bと、第2軸受70Bの第3端部71Bおよび第4端部72Bとを利用して、感光体ドラム92Bに対して現像ローラ30Bを位置決めできる。
【0157】
また、本実施形態では、現像カートリッジ1Bがドラムカートリッジ2Bに装着される場合に、第1軸受60Bおよび第2軸受70Bが、回転軸A1について回動する。また。ドラムカートリッジ2Bから現像カートリッジ1Bを取り外す場合にも、同様に、第1軸受60Bおよび第2軸受70Bが、回転軸A1について回動する。このため、ケーシング10Bを回転させることなく、第1軸受60Bおよび第2軸受70Bを回動させて、ドラムカートリッジ2Bに対する現像カートリッジ1Bの装着および取り外しの動作をスムーズに行うことができる。
【0158】
<2-5.電圧の供給について>
第1押圧部材95Bおよび第1コイルばね96Bは、導電性である。第1押圧部材95Bは、例えば、導電性樹脂から作られる。第1コイルばね96Bは、例えば、金属から作られる。また、ドラムカートリッジ2Bは、第1コイルばね96Bと電気的に接触する電極端子98Bを備える。図12および図13に示すように、電極端子98Bは、ドラムフレーム91Bの外表面に露出する。また、既述の通り、現像ローラシャフト32Bおよび第1軸受60Bも、導電性である。このため、ドラムカートリッジ2Bに現像カートリッジ1Bが装着されて、第1押圧部材95Bが第1軸受60Bに接触した場合、電極端子98B、第1コイルばね96B、第1押圧部材95B、第1軸受60B、および現像ローラシャフト32Bが、互いに電気的に導通する。
【0159】
ドラムカートリッジ2Bに装着された状態の現像カートリッジ1Bが、画像形成装置に装着された場合、画像形成装置の電極端子と、ドラムカートリッジ2Bの電極端子98Bが接触する。そして、画像形成装置から電極端子98B、第1コイルばね96B、第1押圧部材95B、および第1軸受60Bを介して、現像ローラシャフト32Bへ、バイアス電圧が供給される。その結果、バイアス電圧による静電気力で、現像ローラ本体31Bの外周面に現像剤が引き付けられる。
【0160】
このように、本実施形態では、ドラムカートリッジ2Bの第1押圧部材95Bを介して現像カートリッジ1Bの第1軸受60Bへ、バイアス電圧を供給する。このようにすれば、第1押圧部材95Bとは別に、第1軸受60Bへ電圧を供給するための導電性部品を設ける場合と比べて、ドラムカートリッジ2Bの部品点数を低減できる。したがって、ドラムカートリッジ2Bを小型化できる。
【0161】
また、本実施形態の第1軸受60Bは、(1)現像ローラシャフト32Bを回転可能に支持する軸受としての機能と、(2)ドラムカートリッジ2Bへの現像カートリッジ1Bの装着時に、感光体ドラム92Bに対して現像ローラ30Bを位置決めする位置決め部材としての機能と、(3)現像ローラシャフト32Bへバイアス電圧を供給する現像電極としての機能と、の複数の機能を果たす。このため、これらの機能を別々の部材で実現する場合と比べて、現像カートリッジ1Bの部品点数を低減できるとともに、現像カートリッジ1Bを小型化できる。
【0162】
<2-6.離間動作について>
現像カートリッジ1Bは、ドラムカートリッジ2Bに装着された状態で画像形成装置に装着された後、画像形成装置から供給される駆動力により、離間動作を行うことが可能である。離間動作は、感光体ドラム92Bから現像ローラ30Bを、一時的に離間させる動作である。例えば、画像形成装置においてモノクロ印刷を行うときに、ブラック以外の各色の現像カートリッジ1Bが、離間動作を行う。ただし、ブラックの現像カートリッジ1が、離間動作を行う場合があってもよい。
【0163】
図25および図27のように、現像カートリッジ1Bがドラムカートリッジ2Bに装着された場合、現像カートリッジ1Bは、現像ローラ30Bが感光体ドラム92Bに接触する接触位置に配置される。このときの第1レバー110Bの位置は、第1位置である。第1位置では、第1レバー110Bの第2凸部115Bが、第1軸受60Bのレバー受け部68Bの内面から、離れている。したがって、第1レバー110Bの第2凸部115Bは、レバー受け部68Bの内面を押圧しない。また、第1レバー110Bのカム面113Bは、ドラムフレーム91Bに接触している。また、このときの離間レバー97Bの位置は、第3位置である。第3位置では、離間レバー97Bの第2レバーアーム972Bが、第2軸受70Bの被押圧突起701Bから、離れている。したがって、離間レバー97Bの第2レバーアーム972Bは、第2軸受70Bの被押圧突起701Bを押圧しない。
【0164】
画像形成装置は、離間動作を行うときに、第1レバー110Bの一端部111Bに駆動力を与える。具体的には、画像形成装置は、図示を省略した駆動レバーを動作させる。そうすると、駆動レバーは、図26の破線矢印のように、第1レバー110Bの一端部111Bを押圧する。これにより、第1レバー110Bは、カム面113Bを中心として、第1位置から第2位置へ回動する。このとき、第1レバー110Bの他端部112Bは、感光体ドラム92Bから離れる方向に移動して、第1軸受60Bのレバー受け部68Bの内面を押圧する。具体的には、第1レバー110Bの他端部112Bが、第1押圧部材95Bの押圧力に逆らって、第1軸受60Bの第2端部62Bを、現像ローラ30Bから離れる方向へ押圧する。その結果、第1レバー110Bの他端部112Bと共に、第1軸受60Bが、感光体ドラム92Bから離れる方向へ移動する。
【0165】
また、画像形成装置は、離間動作を行うときに、離間レバー97Bの第1レバーアーム971Bに駆動力を与える。具体的には、画像形成装置は、図示を省略した他の駆動レバーを動作させる。そうすると、駆動レバーは、図28の破線矢印のように、第1レバーアーム971Bを押圧する。これにより、離間レバー97Bは、第1方向に延びる回転軸について、第3位置から第4位置へ回動する。このとき、離間レバー97Bの第2レバーアーム972Bは、感光体ドラム92Bから離れる方向に移動して、第2軸受70Bの被押圧突起701Bを押圧する。具体的には、第2レバーアーム972Bが、第2押圧部材951Bの押圧力に逆らって、第2軸受70Bの第4端部72Bを、現像ローラ30Bから離れる方向へ押圧する。その結果、第2レバーアーム972Bと共に、第2軸受70Bが、感光体ドラム92Bから離れる方向へ移動する。
【0166】
これにより、第1軸受60Bおよび第2軸受70Bと共に、ケーシング10Bおよび現像ローラ30Bが、感光体ドラム92Bから離れる方向へ移動する。その結果、感光体ドラム92Bの外周面から、現像ローラ30Bの外周面が離れる。すなわち、現像カートリッジ1Bが、ドラムカートリッジ2Bに対して、上述した接触位置から離間位置へ移動する。
【0167】
このように、本実施形態では、第1レバー110Bの一端部111Bが、画像形成装置の駆動レバーから受ける力に応じて、第1レバー110Bの他端部112Bが、第1軸受60Bのレバー受け部68Bの内面を押圧する。これにより、現像カートリッジ1Bを接触位置から離間位置へ移動させるための力を加えることができる。すなわち、力点として機能する一端部111Bと、作用点として機能する他端部112Bと、支点として機能するカム面113Bと、を有する第1レバー110Bにより、画像形成装置から供給される駆動力を、第1軸受60Bへ伝達できる。
【0168】
つまり、画像形成装置から供給される駆動力が、ドラムカートリッジ2Bを介することなく、現像カートリッジ1Bの第1軸受60Bに伝達される。このようにすれば、第1方向におけるドラムカートリッジ2Bの一端部には、駆動力を中継する部品を設ける必要がない。このため、ドラムカートリッジ2Bの部品点数を低減できる。したがって、ドラムカートリッジ2Bを小型化できる。
【0169】
また、この現像カートリッジ1Bでは、第1レバー110Bの一端部111Bが、第1方向に突出する第1凸部114Bを有する。このため、第1凸部114Bが無い場合よりも、第1レバー110Bの一端部111Bの表面積が広い。したがって、離間動作時に、画像形成装置の駆動レバーが、第1レバー110Bの一端部111Bを、安定して押圧することができる。これにより、画像形成装置の離間動作が安定する。
【0170】
また、この現像カートリッジ1Bでは、離間動作時に、現像ローラシャフト32Bを支持する第1軸受60Bおよび第2軸受70Bが、押圧力を受ける。このため、第1軸受60Bおよび第2軸受70Bとは別に、離間動作時に押圧力を受ける部材を設ける場合よりも、現像カートリッジ1Bの部品点数を低減できる。したがって、現像カートリッジ1Bを小型化できる。
【0171】
また、第1軸受60Bは、回転軸A1について回動可能である。このため、第1レバー110Bは、第1軸受60Bのレバー受け部68Bの内面を、最適な向きに押圧できる。
【0172】
また、現像カートリッジ1Bが接触位置から離間位置へ移動するときに、第1軸受60Bは、第2ガイド面94Bに沿って移動する。これにより、第1レバー110Bは、回転軸A1を中心とする第1軸受60Bの位置を維持しながら、第1軸受60Bを押圧できる。また、現像カートリッジ1Bが接触位置から離間位置へ移動するときに、第2軸受70Bは、第4ガイド面941Bに沿って移動する。これにより、離間レバー97Bは、回転軸A1を中心とする第2軸受70Bの位置を維持しながら、第2軸受70Bを押圧できる。
【0173】
<3.変形例>
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は上記の実施形態に限定されるものではない。以下では、種々の変形例について、上記の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0174】
上記の実施形態では、現像カートリッジ1は、第1軸受と第2軸受とを備えていた。そして、第1軸受と第2軸受とが、いずれもケーシング10に対して回動可能であった。しかしながら、第2軸受は、ケーシング10に対して回動不能であってもよい。また、現像カートリッジ1は、第2軸受を備えていなくてもよい。その場合、第1軸受が、ケーシング10の第1方向の両端のいずれかに配置されていればよい。
【0175】
上記の実施形態では、現像カートリッジ1は、1つの感光体ドラム92を有するドラムカートリッジ2に対して装着されるものであった。しかしながら、現像カートリッジ1は、複数の感光体ドラム92を有するドラムカートリッジに対して装着されるものであってもよい。
【0176】
また、現像カートリッジ1の細部の形状については、本願の各図に示された形状と相違していてもよい。また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0177】
1,1B 現像カートリッジ
2,2B ドラムカートリッジ
10,10B ケーシング
15B ケーシング突起
16B 爪部
20,20B アジテータ
30,30B 現像ローラ
40 供給ローラ
50,50B ギア部
60,60B 第1軸受
70,70B 第2軸受
91,91B ドラムフレーム
92,92B 感光体ドラム
110,110B 第1レバー
120,120B ホルダ
A1 回転軸

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
【手続補正書】
【提出日】2024-07-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像カートリッジであって、
第1方向に延びる現像ローラシャフトを有する現像ローラと、
現像剤を収容可能なケーシングであって、前記第1方向に対して交差する第2方向の一端に前記現像ローラが位置するケーシングと、
前記現像ローラシャフトと電気的に接続され、前記ケーシングおよび前記現像ローラと共に移動可能な現像電極
前記ケーシングに対して移動可能な第1レバーと、
前記ケーシングに対して前記第1レバーを移動可能に保持するホルダと、
を備え、
前記ホルダは、前記第1レバーを保持した状態において、前記第1レバーが前記ホルダから抜けるのを止めことを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項2】
請求項に記載の現像カートリッジであって、
前記現像電極は、前記第1方向における前記現像ローラシャフトの一端部に装着され、
前記現像カートリッジは、
前記第1方向における前記現像ローラシャフトの他端部に装着される軸受であって、前記現像ローラシャフトの他端部が挿入される第2挿入孔を有する第端部と、前記第端部よりも前記現像ローラシャフトから離れた第端部とを有し、前記ケーシングおよび前記現像ローラと共に移動可能な軸受
をさらに備えることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項3】
請求項に記載の現像カートリッジであって、
前記軸受は、
前記第端部と前記第端部との間において前記第1方向に延びる第2孔と、
前記第2孔の内部に位置する爪受け部と、
を有し、
前記ケーシングは、
前記第1方向に延びる爪部であって、先端が前記第1方向に対して交差する方向に突出して、前記爪受け部に係合する爪部
を有することを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項4】
請求項に記載の現像カートリッジであって、
前記軸受は、前記現像ローラシャフトについて回動可能であり、
前記爪部は、前記軸受に接触することにより、前記軸受の回動を停止させることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項5】
請求項から請求項のいずれか一項に記載の現像カートリッジであって、
前記現像カートリッジは、感光体ドラムを有するドラムカートリッジのために使われ、
前記ドラムカートリッジは、前記第1方向に延びる軸について回転可能な離間レバーを有し、
前記軸受は、
前記ケーシングから離れる方向へ向けて突出する被押圧突起であって、前記離間レバーに接触可能な被押圧突起
を有することを特徴とする、現像カートリッジ。