(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120994
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】製袋充填方法
(51)【国際特許分類】
B65B 9/213 20120101AFI20240829BHJP
【FI】
B65B9/213
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024107362
(22)【出願日】2024-07-03
(62)【分割の表示】P 2020112934の分割
【原出願日】2020-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000104674
【氏名又は名称】キョーラク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】上杉 知宏
(72)【発明者】
【氏名】松永 伸二
(72)【発明者】
【氏名】木村 和人
(57)【要約】
【課題】膨らみやすく、張りを持たせやすい包装袋の製袋充填方法を提供する。
【解決手段】充填工程と、挟みこみ工程と、横シール工程と、切断工程を備える、製袋充填方法であって、前記充填工程では、樹脂フィルムの下側を閉塞させた下側横シール部を備える筒体内に内容物を充填し、前記挟みこみ工程では、1対のシャッター部材で前記筒体の上方を挟みこみ、鉛直方向における前記シャッター部材と前記筒体との相対的な位置を変化させることにより、前記筒体の前記内容物を収容する部分に張りを持たせ、前記横シール工程では、前記内容物が充填された部位よりも高い位置において前記筒体に対して横シールを行うことによって横シール部を形成し、前記切断工程では、前記横シール部を切断して上下に分割することによって下流側の包装袋の上側横シール部と、上流側の筒体の下側横シール部を形成する方法が提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填工程と、挟みこみ工程と、横シール工程と、切断工程を備える、製袋充填方法であって、
前記充填工程では、樹脂フィルムの下側を閉塞させた下側横シール部を備える筒体内に内容物を充填し、
前記挟みこみ工程では、1対のシャッター部材で前記筒体の上方を挟みこみ、鉛直方向における前記シャッター部材と前記筒体との相対的な位置を変化させることにより、前記筒体の前記内容物を収容する部分に張りを持たせ、
前記横シール工程では、前記内容物が充填された部位よりも高い位置において前記筒体に対して横シールを行うことによって横シール部を形成し、
前記切断工程では、前記横シール部を切断して上下に分割することによって下流側の包装袋の上側横シール部と、上流側の筒体の下側横シール部を形成し、
前記上側横シール部及び前記下側横シール部の内縁の両端には外側に向かって凸となる左湾曲部及び右湾曲部が設けられ、前記上側横シール部及び前記下側横シール部の左右方向の長さをWsとし、前記左湾曲部及び前記右湾曲部の左右方向の長さをWl,Wrとすると、Wr/Ws及びWl/Wsは、それぞれ、0.1~0.4であり、
前記左湾曲部及び右湾曲部の曲率半径をRl,Rrとすると、Rl及びRrは、それぞれ、35~60mmである、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装袋及び製袋充填方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、内容物を変質させる可能性のある加熱工程を行うことなく、充填物を保護するために必要な張りを筒状フィルムに持たせることができる包装袋の製袋充填方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、文献1のような形状のラミネートフィルム等を用いて製造した包装袋の場合、包装袋に張りを持たせたときに横シール部の近傍において包装袋が膨らみにくく、張りを持たせにくいため、改善の余地があった。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、膨らみやすく、張りを持たせやすい包装袋の製袋充填方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、充填工程と、挟みこみ工程と、横シール工程と、切断工程を備える、製袋充填方法であって、前記充填工程では、樹脂フィルムの下側を閉塞させた下側横シール部を備える筒体内に内容物を充填し、前記挟みこみ工程では、1対のシャッター部材で前記筒体の上方を挟みこみ、鉛直方向における前記シャッター部材と前記筒体との相対的な位置を変化させることにより、前記筒体の前記内容物を収容する部分に張りを持たせ、前記横シール工程では、前記内容物が充填された部位よりも高い位置において前記筒体に対して横シールを行うことによって横シール部を形成し、
前記切断工程では、前記横シール部を切断して上下に分割することによって下流側の包装袋の上側横シール部と、上流側の筒体の下側横シール部を形成し、前記上側横シール部及び前記下側横シール部の内縁の両端には外側に向かって凸となる左湾曲部及び右湾曲部が設けられ、前記上側横シール部及び前記下側横シール部の左右方向の長さをWsとし、前記左湾曲部及び前記右湾曲部の左右方向の長さをWl,Wrとすると、Wr/Ws及びWl/Wsは、それぞれ、0.1~0.4であり、前記左湾曲部及び右湾曲部の曲率半径をRl,Rrとすると、Rl及びRrは、それぞれ、35~60mmである、方法が提供される。
【0007】
このような構成とすることにより、膨らみやすく、張りを持たせやすい包装袋を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】内容物が入っていない状態の包装袋1の平面図である。
【
図2】内容物が入った状態の包装袋1の斜視図である。
【
図5】製袋充填機100の横シール機116近傍の拡大図であり、横シール機116で横シール部11を形成している状態を示す。
【
図6】
図5の状態から、横シール機116が開き、横シール部11がプレス兼カッター118の位置に移動した後の状態を示す。
【
図7】
図6の状態から、プレス兼カッター118で横シール部11を挟持している状態を示す。
【
図8】
図7の状態から、プレス兼カッター118及びしごきロール115が開いた後の状態を示す。
【
図9】
図8の状態から、内容物Wをさらに投入した後にしごきロール115が閉じた後の状態を示す。
【
図10】
図9の状態から、密着部3aがシャッター部材123の位置に移動した後の状態を示す。
【
図11】
図10の状態から、シャッター部材123が筒体3を挟み込み、垂直方向下方へ移動した状態を示す。
【
図12】
図11の状態から、横シール機116で横シール部11を形成している状態を示す。
【
図13】
図12の状態から、プレス兼カッター118で横シール部11を挟持している状態を示す。
【
図14】
図13の状態から、プレス兼カッター118及びしごきロール115が開いた後の状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
【0010】
1.包装袋1
図1~
図3に示すように、本発明の一実施形態の包装袋1は、フィルム2に縦シール部7を形成して構成された筒体3と、上側横シール部4と、下側横シール部5を備える。包装袋1内には、通常、内容物が充填されているが、
図1では、便宜上、内容物が充填されていない状態の包装袋1を示している。内容物の例としては、フラワーペースト、ジャム、餡等の粘稠性食品が挙げられる。
【0011】
以下、
図1の上下左右を包装袋1の上下左右として説明を進める。具体的には、筒体3の軸方向が上下方向である。縦シール部7を手前側に配置したときの左右が包装袋1の左右である。また、縦シール部7側の面を前面とし、その対向する面を背面とする。
【0012】
包装袋1の左右方向の長さは、例えば、140~240mmであり、160~220mmが好ましい。この長さは、具体的には例えば、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。この値が小さすぎると、製袋充填の際に内容物が包装袋1の内面に付着してしまって充填しにくくなる場合がある。この問題は、内容物の粘稠性が高い場合に顕著である。[包装袋1の上下方向の長さ/包装袋1の左右方向の長さ]の値は、例えば、1.5~5であり、2~4が好ましい。この値は、具体的には例えば、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0013】
筒体3は、フィルム2を筒状に湾曲させてフィルム2の両端を重ね合わせた状態でヒートシールすることによって形成することができる。ヒートシールによって、縦シール部7が形成される。
【0014】
上側横シール部4及び下側横シール部5は、それぞれ、筒体3の上側及び下側を閉塞させるように設けられる。横シール部4,5は、それぞれ、筒体3の上端及び下端に沿って形成することが好ましい。横シール部4,5は、縦シール部7に直交するように形成することが好ましい。横シール部4,5は、それぞれ、筒体3をヒートシールすることによって形成することができる。
【0015】
横シール部4,5は、一例では、上下方向に並ぶ複数の線状シール部(
図1の点線で示す部位)4a,5aで構成される。各線状シール部4a,5aは、横シール部4,5の左右方向に延びるように設けられる。複数の線状シール部4a,5aは、平行に配置されることが好ましい。線状シール部4a,5aを設けるピッチは、2~5mmであることが好ましい。このピッチは、具体的には例えば、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5mmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0016】
フィルム2は、熱収縮性フィルム(いわゆるシュリンクフィルム)を用いる。熱収縮性フィルムとは、たとえば延伸処理(一軸延伸または二軸延伸)を行うことで熱収縮性を備えた樹脂製のフィルムである。
【0017】
包装袋1の横シール部4,5に近い部位では、包装袋1が膨らみにくいために、包装袋1が扁平な形状になり、包装袋1の転がし搬送を阻害する。この傾向は、横シール部4,5の内縁の両端に、外側に向かって凸となる湾曲部が設けられていなかったり、湾曲部が設けられていても、その左右方向の長さが小さかったりする場合に特に顕著になる。
【0018】
そこで、本実施形態では、横シール部4,5の内縁の両端に外側に向かって凸となる左湾曲部4l,5l及び右湾曲部4r,5rを設けている。また、横シール部4,5の左右方向の長さをWsとし、左湾曲部4l,5l及び右湾曲部4r,5rの左右方向の長さをWl,Wrとすると、Wr/Ws及びWl/Wsを、それぞれ、0.1~0.4としている。このような湾曲部を形成することで、
図2に示すように、横シール部4,5の近傍においても包装袋1が膨らみやすくなり、その外形が略円柱になるので、包装袋1の転がし搬送がスムーズになる。WrとWlは同じであることが好ましいが、互いに異なっていてもよい。Wr/Ws及びWl/Wsは、具体的には例えば、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。Wsは、包装袋1の左右方向の長さと同様である。Wl,Wrは、例えば10~100mmであり、20~50mmが好ましい。Wl,Wrは、具体的には例えば、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100mmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0019】
また、左湾曲部4l,5l及び右湾曲部4r,5rは円弧状であることが好ましく、その曲率半径をRl,Rrとすると、Rl/Ws及びRr/Wsは、それぞれ、0.1~0.4であることが好ましい。Rl/Ws及びRr/Wsは、具体的には例えば、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。Rl,Rrは、例えば20~60mmであり、30~50mmが好ましい。Rl,Rrは、具体的には例えば、具体的には例えば、20、25、30、35、40、45、50、55、60mmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0020】
図3に示すように、フィルム2は、基材層2aとシーラント層2bを有する積層フィルムであることが好ましく、基材層2aとシーラント層2bの間に接着層2cを備えることがさらに好ましい。
【0021】
基材層2aは、包装袋1の外表面に露出するように配置され、シーラント層2bは、包装袋1の内表面に露出するように配置される。シーラント層2b同士がヒートシールされることによって、縦シール部7及び横シール部4,5が形成される。
【0022】
基材層2aは、強度に優れて高い耐衝撃性を有する素材により形成されている。基材層2aとしては、例えば、熱収縮性のポリアミド、ポリオレフィン、ポリエチレン等が用いられる。接着層2cは、基材層2aとシーラント層2bを互いに積層するように接着するための層であり、接着層2cとしては、例えば、ポリエチレン等が用いられる。
【0023】
基材層2aのポリアミドは、芳香族ポリアミドを含むものが好ましい。この場合、基材層2aがMD方向の直線カット性を有し、かつバリア性に優れるからである。芳香族ポリアミドとしては、特に制限はないが、キシリレンジアミンと炭素数が6~12のα,ω脂肪族ジカルボン酸とからなるポリアミド構成単位を分子鎖中に70モル%以上含有している樹脂等が使用できる。具体的には、ポリメタキシリレンアジパミド、ポリメタキシリレンピメラミド、ポリメタキシリレンアゼラミド、ポリパラキシリレンアゼラミド、ポリパラキシリレンデカナミドなどの単独重合体、メタキシリレン/パラキシリレンアジパミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンピメラミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンアゼラミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンセパカミド共重合体などの共重合体が挙げられるが、ポリメタキシリレンアジパミド(以下、「MXD6」という)が強度やガスバリア性等の基本特性に優れ、工業的にも比較的入手しやすい点から好ましい。
【0024】
シーラント層2bは、ヒートシール性に優れた樹脂で形成可能である。シーラント層2bとしては、例えば、直鎖状低密度ポリエチレンで形成することができる。シーラント層2bを構成するフィルムとしては、MD方向の直線カット性を有するものが好ましい。
【0025】
また、基材層2aとシーラント層2bの少なくとも一方が直線カット性を有することが好ましい。シーラント層2bの厚さは、基材層2aの厚さの2倍以上であることが好ましく、フィルム2全体の厚さの半分以上であることが好ましい。
【0026】
フィルム2は、厚さ10μm~20μm、例えば15μmの基材層2aと、厚さ10μm~30μm、例えば20μmの接着層2cと、厚さ30μm~50μm、例えば40μmのシーラント層2bを積層して形成することができ、フィルム2として、通常は50μm~100μmの厚さを有する。
【0027】
また、基材層2aとシーラント層2bとは、接着層2cにより互いに積層するように接着されているが、例えば、接着層2cとしてポリエチレンを使用し、押し出しラミネート法を用いて基材層2aとシーラント層2bとを互いに接着することができる。また、接着層2cとしてポリエチレン以外の材料を使用し、ドライラミネート法を用いて基材層2aとシーラント層2bとを互いに接着することもできる。あるいは、接着層2cを用いない融着を利用することもできる。このようにして、基材層2a、接着層2c、シーラント層2bから形成されるフィルム2は、高い強度、耐衝撃性、密封性、防気性等を有している。
【0028】
2.製袋充填方法
次に、
図4~
図14を用いて、フィルム2を用いた製袋充填方法について説明する。この方法は、縦型の製袋充填機100を用いて実施可能である。
【0029】
<S1:フィルム湾曲工程>
図4に示すように、ロール状原反Fから繰り出されたフィルム2は、複数の繰り出しロール120、121を経てフォーマ112に導かれる。ロール状原反Fからフォーマ112までの経路途中にはセンサ119が配されており、フィルム2に長さ方向において一定間隔で印刷されたレジマークを検知して、製袋充填機100の軌道上に一定の長さのフィルム2を一定の時間間隔で送り出せるようになっている。フィルム2は、フォーマ112を通過する間に筒状に湾曲されて、湾曲した先端の両側縁部がオーバーラップした形態となる。オーバーラップした部分には重ね合わせ部が形成される。
【0030】
なお、フォーマ112の手前の位置で、フィルム2に印字を行う印字工程を備えてもよい。この印字は、包装袋1の前面(縦シール部7側の面)となる領域に行うことが好ましい。この場合、後述する切断工程でコンベア130上に落下した包装袋1を、縦シール部7が上側になるようにした状態で搬送する際に、印字が適切になされているかどうかを確認することができる。
【0031】
<S2:縦シール工程>
次に、フィルム2の重ね合わせ部を縦シール機113にてヒートシールし、縦シール部7を形成する。縦シール機113は、一対のシールロールを備え、フィルム2が一定の時間間隔で移動するタイミングに合わせて、フィルム2の重ね合わせ部を一対のシールロールで挟持しながら一対のシールロールを互いに逆方向に回転させることでフィルム2を送り出しながらヒートシールを行う。フィルム2に縦シール部7を形成することによって、筒体3が形成される。その後、送りロール114を回転させることで、筒体3を所定の長さだけ下流に移動させる。
【0032】
<S3:横シール工程>
図5に示すように、筒体3の所定位置を横シール機116にてヒートシールし、横シール部11を形成する。横シール部11は、下流側の包装袋1の上側横シール部4と上流側の筒体3の下側横シール部5が繋がって構成されており、後述する切断工程において上下に分割される。横シール機116は、一対のシールバー116aを備え、上記所定位置を一対のシールバー116aで所定時間挟持することでヒートシールを行う。
【0033】
シールバー116aは、一例では、
図1の左右方向に延びる凸条と凹条が上下方向に交互に並ぶ形状を有する。この場合、凸条が押圧された部位において、線状シール部(
図1の点線で示す部位)4a,5aが形成される。
【0034】
<S4:切断工程>
次に、
図6に示すように、送りロール114をさらに回転させることで、横シール部11をプレス兼カッター118の位置に移動させる。プレス兼カッター118は、一対のバー118aを備える。
【0035】
次に、
図7に示すように、プレス兼カッター118を閉じて横シール部11を挟圧して冷却するとともに、カッター刃(不図示)で横シール部11を切断して上下に分割することによって、下流側の切断片Uの上側横シール部と、上流側の筒体3の下側横シール部5を形成する。切断片Uは、横シール部11を切断すると、コンベア130上へ落下する。
【0036】
<S5:充填工程>
次に、
図8に示すように、しごきロール115を開くと、以前の工程でホッパ111から投入されてしごきロール115の上側に溜まっている内容物Wがしごきロール115の下側に落下する。筒体3には下側横シール部5が形成されているので、落下した内容物Wは、筒体3内に充填される。筒体3の周囲には、1対のシャッター部材123が配置されている。シャッター部材123は、水平方向および垂直方向に移動可能に構成されている。
【0037】
内容物Wをさらに筒体3内に投入し、筒体3内の内容物Wがセンサ122の位置にまで到達すると、
図9に示すように、しごきロール115を閉じることによって、内容物Wをしごきロール115の上側部分と下側部分に分断する。しごきロール115の下側部分の内容物が包装袋1の一袋分の内容物である。また、しごきロール115を閉じることによって筒体3に密着部3aが形成され、密着部3aと下側横シール部5の間に内容物が収容された部分である袋部3bが形成される。
【0038】
<S6:送り工程>
次に、しごきロール115を閉じたまま、送りロール114を回転させることで、
図10に示すように、密着部3aをシャッター部材123の位置にまで移動させる。
【0039】
<S7:挟み込み工程>
次に、
図11に示すように、シャッター部材123を水平方向に移動させて筒体上方の密着部3aを挟みこみ、さらに、シャッター部材123を鉛直方向下方へ移動させる(
図11における矢印参照)ことで、袋部3bに対して張りを持たせることができる。ここで、シャッター部材123は、横シール機116よりも下方まで移動させることが好ましい。このようにすることで、袋部3bに持たせた張りを維持したまま、横シールを行うことが可能となる。
【0040】
その後、
図12に示すように、シャッター部材123を袋部3bの上方に維持したまま横シール工程(S3)を実施することで、内容物Wが充填された部位(袋部3b)よりも高い位置(密着部3a)において、袋部3bに張りを持たせたまま横シール部11を形成することができ、包装袋1が形成される。
【0041】
そして、
図13に示すように、シャッター部材123をもとの位置に戻し、後続の切断工程(S4)を行う。これにより、
図14に示すように、包装袋1がコンベア130上へ落下する。
【0042】
このようにして、S3~S7の工程を繰り返すことによって、内容物Wが充填された包装袋1を連続的に製造することができる。なお、本実施形態における包装袋1の製造において、熱処理工程は行わない。
【0043】
以上のようにして、本実施形態における製袋充填方法では、熱収縮フィルムで構成される筒体3に対して上述した挟みこみ工程を行うことによって包装袋1に必要な張りを持たせている。このようにすることで、非熱収縮性のラミネートフィルムに比べて、ピンホールなどが発生しにくいより高い強度を備える包装袋を製造することが可能となる。
【0044】
3.他の実施形態
上記実施形態では、シャッター部材123を鉛直方向下方へ移動させているが、この態様に限定されることはない。例えば、シャッター部材123が筒体3を挟みこんだ状態で、筒体3を鉛直方向上方へ移動させることにより、筒体3に張りを持たせてもよい。このように、筒体3を挟みこんだシャッター部材123と筒体3との鉛直方向における相対的な位置を変化させることにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0045】
1 :包装袋
2 :フィルム
2a :基材層
2b :シーラント層
2c :接着層
3 :筒体
3a :密着部
3b :袋部
4 :横シール部
4a :線状シール部
4l :左湾曲部
4r :右湾曲部
5 :横シール部
5a :線状シール部
5l :左湾曲部
5r :右湾曲部
7 :縦シール部
11 :横シール部
100 :製袋充填機
111 :ホッパ
112 :フォーマ
113 :縦シール機
114 :送りロール
115 :ロール
116 :横シール機
116a :シールバー
118 :プレス兼カッター
118a :バー
119 :センサ
120 :繰り出しロール
121 :繰り出しロール
122 :センサ
123 :シャッター部材
130 :コンベア