(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121018
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】医用処理装置
(51)【国際特許分類】
A61B 8/14 20060101AFI20240829BHJP
【FI】
A61B8/14
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024108310
(22)【出願日】2024-07-04
(62)【分割の表示】P 2023145634の分割
【原出願日】2017-07-20
(31)【優先権主張番号】P 2016157543
(32)【優先日】2016-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】福田 省吾
(72)【発明者】
【氏名】米森 啓太
(57)【要約】
【課題】心臓における構造物の解析結果を、俯瞰的に示すこと。
【解決手段】実施形態に係る医用処理装置は、ボディマーク取得部と、解析結果取得部と、表示制御部とを有する。ボディマーク取得部は、心臓における左心室、左心房、右心室、右心房のうちの2以上の構造物の位置関係を模式的に示すボディマークを取得する。解析結果取得部は、被検体の心臓における前記2以上の構造物に関する医用画像または前記構造物を解析した解析結果を取得する。表示制御部は、前記医用画像により示される前記2以上の構造物の位置または解析された前記構造物の位置を識別する位置識別情報が付加された前記ボディマークを、前記医用画像または前記解析結果とともにディスプレイに表示させる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓における左心室、左心房、右心室、右心房のうちの2以上の構造物の位置関係を模式的に示すボディマークを取得するボディマーク取得部と、
被検体の心臓における前記2以上の構造物に関する医用画像または前記構造物を解析した解析結果を取得する取得部と、
前記医用画像により示される前記2以上の構造物の位置または解析された前記構造物の位置を識別する位置識別情報が付加された前記ボディマークを、前記医用画像または前記解析結果とともにディスプレイに表示させる表示制御部と、
具備する医用処理装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記心臓の断面画像を前記医用画像として取得し、
前記表示制御部は、前記断面画像により示される前記心臓の構造物の位置を識別する前記位置識別情報が付加された前記ボディマークを前記断面画像とともに前記ディスプレイに表示させる、
請求項1に記載の医用処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記心臓の複数の断面画像を前記医用画像として取得し、
前記表示制御部は、前記複数の断面画像によりそれぞれ示される前記心臓の構造物の位置を識別する複数の前記位置識別情報が付加された前記ボディマークを前記複数の断面画像とともに前記ディスプレイに表示させる、
請求項1に記載の医用処理装置。
【請求項4】
前記取得部は、心尖4腔断面像、心尖部左室長軸断面像および心尖部2腔断面画像を前記断面画像として取得する、
請求項3に記載の医用処理装置。
【請求項5】
前記取得部は、前記構造物に関する壁運動の解析結果を取得し、
前記表示制御部は、前記ボディマークを前記壁運動の解析結果とともに前記ディスプレイに表示させる、
請求項1に記載の医用処理装置。
【請求項6】
前記壁運動の解析結果は、前記構造物における解析パラメータの値に基づく時間変化曲線およびポーラマップの少なくとも一方である、
請求項5に記載の医用処理装置。
【請求項7】
前記解析結果は、前記医用画像から前記構造物の輪郭を抽出することで得られる、
請求項1に記載の医用処理装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記ボディマークを前記解析結果よりも小さく表示する、
請求項1に記載の医用処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、医用処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、心臓における複数の構造物(例えば、左心室と右心室)それぞれを対象として、機能解析を行ないたいという要求が高まっている。しかし、従来の心機能解析では、心臓における単一の構造物に注目し、その構造物に関する解析結果のみを表示することが一般的であった。つまり、心臓における複数の構造物それぞれに関する医用情報を表示する際のユーザビリティについては、十分な検討がなされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-006935号公報
【特許文献2】特開2009-077961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
目的は、心臓における構造物の解析結果を、俯瞰的に示すことにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る医用処理装置は、ボディマーク取得部と、解析結果取得部と、表示制御部とを有する。ボディマーク取得部は、心臓における左心室、左心房、右心室、右心房のうちの2以上の構造物の位置関係を模式的に示すボディマークを取得する。解析結果取得部は、被検体の心臓における前記2以上の構造物に関する医用画像または前記構造物を解析した解析結果を取得する。表示制御部は、前記医用画像により示される前記2以上の構造物の位置または解析された前記構造物の位置を識別する位置識別情報が付加された前記ボディマークを、前記医用画像または前記解析結果とともにディスプレイに表示させる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る超音波診断装置の構成を示すブロック構成図である。
【
図2】
図2は、本実施形態における各種機能に関する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、本実施形態におけるボディマークの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本実施形態におけるボディマークの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本実施形態において、医用情報およびボディマークの表示例を示す図である。
【
図6】
図6は、本実施形態の第1の変形例において、各種機能に関する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、本実施形態の第1の変形例におけるボディマークの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、本実施形態の第1の変形例において、医用情報およびボディマークの表示例を示す図である。
【
図9】
図9は、本実施形態の第2の変形例において、各種機能に関する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、本実施形態の第2の変形例において、複数の分割領域各々に配置された医用情報(3次元表示)とボディマークとの表示例を示す図である。
【
図11】
図11は、本実施形態の第2の変形例において、2腔の薬物負荷前後の比較のための解析結果のレイアウトとボディマークの配置との一例を示す図である。
【
図12】
図12は、本実施形態の第2の変形例において、複数の分割領域各々に配置された医用情報と、表示領域の中央部分に配置されたボディマークとの表示例を示す図である。
【
図13】
図13は、本実施形態の第2の変形例において、複数の分割領域各々に配置された医用情報と、表示領域の端部領域に配置されたボディマークとの表示例を示す図である。
【
図14】
図14は、本実施形態の第2の変形例において、複数の分割領域各々に配置された医用情報と、複数の分割領域各々に配置されたボディマークとの表示例を示す図である。
【
図15】
図15は、本実施形態の第2の変形例において、複数の分割領域各々に配置された医用情報と、複数の分割領域各々に配置されたボディマークとの表示例を示す図である。
【
図16】
図16は、本実施形態の第3の変形例において、一つの心腔に関する複数の断面画像と一つの3次元画像とともに、断面が重畳されたボディマークを表示した表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら本実施形態に係わる超音波診断装置を説明する。なお、以下の説明において、略同一の構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0008】
図1は、本実施形態に係る超音波診断装置1の構成を示すブロック構成図である。
図1に示すように、超音波診断装置1は、超音波プローブ11と、入力インタフェース回路(入力部)13と、ディスプレイ(表示部)15と、心電計17と、装置本体19とを有する。
【0009】
超音波プローブ11は、複数の圧電振動子、圧電振動子の超音波放射面側に設けられる整合層、圧電振動子の背面側に設けられるバッキング材等を有する。複数の圧電振動子各々は、後述する送受信回路23から供給される駆動信号に応答して超音波を発生する。超音波プローブ11は、例えば、互いに直交するアジマス方向およびエレベーション方向に沿って複数の圧電振動子を配列した2次元アレイプローブである。2次元アレイプローブは、例えば、2次元セクタプローブである。なお、超音波プローブ11は、3次元スキャンが可能な2次元アレイプローブに限定されず、メカニカル4次元プローブであってもよい。また、超音波プローブ11が2次元スキャン可能な1次元アレイプローブである場合、エレベーション方向に超音波プローブ11を揺動させる操作者の操作により、3次元的なエコー信号が取得される。
【0010】
入力インタフェース回路13は、操作者からの各種指示・命令・情報・選択・設定を本超音波診断装置1に取り込む。入力インタフェース回路13は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、および表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチパネルディスプレイ等によって実現される。入力インタフェース回路13は、操作者から受け取った入力操作を電気信号に変換する。なお、本明細書において入力インタフェース回路13は、マウス、キーボードなどの物理的な操作部品を備えるものだけに限らない。例えば、本超音波診断装置1とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、受け取った電気信号を装置本体19へ出力するような電気信号の処理回路も入力インタフェース回路13の例に含まれる。
【0011】
ディスプレイ15は、後述する画像生成回路29等により生成された各種画像を表示する。ディスプレイ15は、各種画像の表示を実現する表示回路を有する。また、ディスプレイ15は、操作者が各種設定要求を入力するためのグラフィカルユーザインタフェース(Graphics User Interface:GUI)を表示する。なお、複数のディスプレイが、本超音波診断装置1の装置本体19に接続されてもよい。
【0012】
心電計17は、通信インタフェース回路31を介して装置本体19に接続される。心電計17は、超音波スキャンされる被検体Pの生体信号として、被検体Pの心電波形(Electrocardiogram:ECG)を取得する。心電計17は、取得した心電波形を装置本体19に出力する。
【0013】
装置本体19は、送受信回路(送受信部)23と、Bモードデータ生成回路(Bモードデータ生成部)25と、ドプラデータ生成回路(ドプラデータ生成部)27と、画像生成回路(画像生成部)29と、通信インタフェース回路31と、記憶回路(記憶部)33と、制御回路(制御部)35と、処理回路(処理部)37とを有する。
【0014】
送受信回路23は、パルス発生器、送信遅延回路、パルサ回路を有し、超音波プローブ11における複数の圧電振動子各々に駆動信号を供給する。パルス発生器は、所定のレート周波数frHz(周期:1/fr秒)で、送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。送信遅延回路は、送信超音波をビーム状に収束し、かつ送信指向性を決定するために必要な遅延時間を、各レートパルスに与える。パルサ回路は、レートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ11の圧電振動子ごとに電圧パルスを駆動信号として印加する。これにより、超音波ビームが被検体Pに送信される。
【0015】
送受信回路23は、プリアンプ、アナログディジタル(Analog to digital(以下、A/Dと呼ぶ))変換器、受信遅延回路、加算器をさらに有し、各圧電振動子によって発生された受信エコー信号に基づいて、受信信号を発生する。プリアンプは、超音波プローブ11を介して取り込まれた被検体Pからのエコー信号をチャンネル毎に増幅する。A/D変換器は、増幅された受信エコー信号をディジタル信号に変換する。受信遅延回路は、ディジタル信号に変換された受信エコー信号に、受信指向性を決定するために必要な遅延時間を与える。加算器は、遅延時間が与えられた複数のエコー信号を加算する。この加算により、送受信回路23は、受信指向性に応じた方向からの反射成分を強調した受信信号を生成する。この送信指向性と受信指向性とにより超音波送受信の総合的な指向性が決定される。この総合的な指向性により、超音波ビーム(いわゆる「超音波走査線」)が決まる。
【0016】
Bモードデータ生成回路25は、包絡線検波器、対数変換器を有し、受信信号に基づいてBモードデータを生成する。包絡線検波器は、受信信号に対して包絡線検波を実行する。対数変換器は、包絡線検波された信号に対して対数変換を行い、包絡線検波された信号における弱い信号を相対的に強調する。Bモードデータ生成回路25は、対数変換器により強調された信号に基づいて、各走査線における深さごとの信号値(Bモードデータと称される)を生成する。Bモードデータ生成回路25は、2次元スキャンによる2次元Bモードデータまたは3次元スキャンによる受信信号に基づいて、3次元的なBモードデータに対応するボリュームデータを生成する。以下、説明を理解しやすくするために、ボリュームデータは、被検体Pにおける複数の心腔各々に対する3次元的な超音波スキャンにより、生成されるものとする。このとき、生成されたボリュームデータは、心臓における複数の構造物各々に対応する。構造物は、例えば、4腔を示す複数の心腔、複数の弁等である。以下、説明を理解しやすくするために、構造物は心腔であるものとする。4腔は、左心房(Left Atrium:LA)、左心室(Left Ventricular:LV)、右心房(Right Atrium:RA)右心室(Right Ventricular:RV)である。なお、ボリュームデータは、被検体Pにおける心臓の4腔に対する超音波スキャンにより、生成されてもよい。
【0017】
ドプラデータ生成回路27は、ミキサー、低域通過フィルタ(Low Pass Filter:以下、LPFと呼ぶ)等を有し、受信信号に基づいてドプラデータを生成する。ミキサーは、送信超音波の周波数f0を有する基準信号を受信信号に掛け合わせ、ドプラ偏移周波数fdの成分の信号と、(2f0+fd)の周波数成分を有する信号とを生成する。LPFは、ミキサーから出力された信号のうち、高い周波数成分(2f0+fd)の信号を取り除く。これにより、ドプラデータ生成回路27は、受信信号のうちドプラ偏移周波数fdの成分を有するドプラデータを生成する。
【0018】
画像生成回路29は、いずれも図示していないディジタルスキャンコンバータ(Digital Scan Converter:以下、DSCと呼ぶ)、画像メモリ等を有する。DSCは、Bモードデータおよびドプラデータからなる超音波スキャンの走査線信号列を、ビデオフォーマットの走査線信号列に変換する(スキャンコンバート)。画像生成回路29は、スキャンコンバートされたBモードデータおよびドプラデータに対して種々のパラメータの文字情報、メモリ等を合成し、画像データを生成する。画像データは表示用のデータであるのに対して、Bモードデータ、ボリュームデータおよびドプラデータは、生データ(Raw Data)とも呼ばれる。画像メモリは、フリーズ操作の入力直前の一連のフレームに対応する複数の画像データを保存する。画像メモリに記憶された複数の画像データは、超音波画像の動画表示(シネ表示)に用いられる。
【0019】
通信インタフェース回路31は、ネットワークを介して、医用画像保管装置などの外部装置と接続する。通信インタフェース回路31は、被検体Pのボリュームデータ等を、医用画像保管装置から受信し、記憶回路33に出力する。通信インタフェース回路31は、画像生成回路29、処理回路37等から出力された各種データを、外部装置へ転送する。
【0020】
記憶回路33は、各種メモリ、HDD(ハードディスクドライブ)、SSD(ソリッドステートドライブ)、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD-ROM、DVDなど)、半導体メモリなどにより構成される。記憶回路33は、超音波送受信に関するプログラム、制御回路35および処理回路37で実行される各種処理に対応するプログラムなどを記憶する。記憶回路33は、生データ、画像データ、処理回路37により生成・処理された各種医用情報を記憶する。
【0021】
制御回路35は、ハードウェア資源として、例えば、プロセッサとメモリを備える。制御回路35は、本超音波診断装置1の中枢として機能する。具体的には、制御回路35は、記憶回路33に記憶されている制御プログラムを読み出してメモリ上に展開し、展開された制御プログラムに従って超音波診断装置1の各種回路を制御する。
【0022】
処理回路37は、ハードウェア資源として、例えば、プロセッサとメモリを備える。具体的には、処理回路37は、記憶回路33に記憶されているプログラムを読み出してメモリ上に展開し、展開されたプログラムに従って各種機能を実現する。
【0023】
画像処理機能371を実現する処理回路37は、各種画像処理に対応する画像処理プログラムを実行する。具体的には、処理回路37は、ボリュームデータに対するレンダリング処理により、レンダリング画像を生成する。レンダリング画像は、サーフェスレンダリング画像やボリュームレンダリング画像などの3次元画像である。処理回路37は、ボリュームデータに対する断面変換(Multi planar reconstruction:MPR)処理により、2次元画像としてのMPR画像を生成する。なお、ボリュームデータが複数の心腔を有する場合、処理回路37は、閾値処理などの所定の手法により、ボリュームデータを、心腔各々のボリュームデータに分割する。このとき、処理回路37は、分割されたボリュームデータに基づいて、心腔各々の3次元画像を生成する。画像処理機能371を実現する処理回路37は、画像処理部に相当する。
【0024】
解析機能373を実現する処理回路37は、被検体Pの心臓における2以上の構造物を解析対象として、被検体Pに対するスキャンにより取得された時系列の画像データ(以下、医用画像群と呼ぶ)を解析する。ここで、スキャンは上述した超音波スキャンであり、医用画像群は、時系列に沿ったボリュームデータ、3次元画像のデータ、2次元画像のデータである。なお、本医用処理装置20が、X線コンピュータ断層撮影(computed tomography:CT)装置に搭載された場合、上記スキャンは、X線CTスキャンに対応する。また、本医用処理装置20が、磁気共鳴イメージング(magnetic resonance imaging:MRI)装置に搭載された場合、上記スキャンは、MRスキャンに対応する。処理回路37は、医用画像群を解析することにより、解析結果を取得する。具体的には、処理回路37は、心腔各々において所定の壁運動解析を医用画像群に適用することにより、心腔各々の壁運動を解析する。所定の壁運動解析とは、例えば、2次元的な壁運動追跡(Wall Motion Tracking:WMT)または3次元的なWMTであるが、これに限定されない。解析機能373に関する解析プログラムの実行により、処理回路37は、医用画像群のうち所定の心時相に対応する画像データ上に、心壁の内膜の輪郭を示す複数の構成点と心壁の外膜の輪郭を示す複数の構成点とを、初期輪郭として設定する。初期輪郭は、所定の画像処理により自動的に設定されてもよいし、入力インタフェース回路13を介した操作者の指示により設定されてもよい。また、初期輪郭は、入力インタフェース回路13を介した操作者の指示により、適宜調整可能である。次いで、解析機能373を実現する処理回路37は、初期輪郭が設定された画像データから時系列に沿って、医用画像群に含まれる他の画像データにおける構成点の位置を追跡する。
【0025】
解析機能373を実現する処理回路37は、上記追跡の結果に基づいて、心腔の壁運動に関する各種解析パラメータの値を計算する。解析パラメータは、例えば、長軸ストレイン(Longitudinal Strain)等の各種ストレイン、心腔の内膜側壁厚増加率(radial strain)などの所定の閾値への到達時間(以下、ピーク到達時間と呼ぶ)、心機能を示す各種パラメータの統計値などである。処理回路37は、解析パラメータの値に応じた色相がマッピングされ、セグメント化されたサーフェスレンダリング画像、MPR画像、ポーラーマップ等を生成する。セグメントとは、アメリカ心エコー図学会やアメリカ心臓協会が推奨する心壁の部分領域である。処理回路37は、これらマッピングにより生成された画像を、心腔各々の壁運動の解析結果として取得する。また、処理回路37は、複数のセグメント各々における解析パラメータの値の時間変化を示すグラフ等を、解析結果として生成してもよい。解析対象の構造物が弁の場合、解析結果は、弁の運動に関する解析結果となる。処理回路37は、生成した解析結果を記憶回路33に記憶させる。なお、解析パラメータの値の取得は、上記手法に限定されず、他の解析手法により取得されてもよい。解析機能373を実現する処理回路37は、解析部に相当する。
【0026】
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(graphics processing unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Comlex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。
【0027】
プロセッサは、記憶回路33に保存されたプログラムを読み出して実行することで、各種機能を実現する。なお、記憶回路33に各種プログラムを保存する代わりに、制御回路35または処理回路37におけるプロセッサの回路内に、各種プログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、プロセッサは、回路内に組み込まれた各種プログラムを読み出して実行することで、各種機能を実現する。
【0028】
以上、本実施形態における超音波診断装置1の全体構成について説明した。本超音波診断装置における各種機能を医用処理装置で実現する場合には、医用処理装置20は、
図1において、点線の枠内の構成要素を有する。かかる構成のもと、本実施形態の超音波診断装置1および医用処理装置20は、以下に説明するボディマーク取得機能375および表示制御機能377により、心臓における複数の構造物の医用情報を俯瞰して表示させることができるように構成されている。医用情報は、処理回路37により生成された各種解析結果、画像生成回路29により生成された各種レンダリング画像、心臓の基準断面の画像等を有する。以下、ボディマーク取得機能375について説明し、次いで、表示制御機能377について説明する。
【0029】
ボディマーク取得機能375を実現する処理回路37は、心臓における複数の構造物の位置関係を模式的に示すボディマークを取得する。このボディマークは、例えば、医用情報(解析結果)の表示において、異なる被検体に亘って共通して使用される。ボディマークにおける複数の構造物は、例えば、心内膜により規定される4腔のモデル、および心臓全体の外壁のモデルを有する。医用情報が複数の弁(例えば、僧帽弁、三尖弁、大動脈弁、肺動脈弁)各々に関する解析結果を有する場合、ボディマークは、弁に対応するモデルを有する。また、医用情報が心臓の外側の構造物に関する解析結果を有する場合、ボディマークにおける複数の構造物は、心臓の外側の複数の構造物に対応するモデルを有する。心臓の外側の構造物とは、例えば、冠動脈、肺動脈、肺静脈、大動脈、大静脈などである。また、ボディマークにおける心腔のモデルは、心内膜の代わりに、心外膜、心筋中層、心筋、或いは心内膜と心外膜と心筋中層とのうち少なくとも二つ以上の組み合わせにより規定されてもよい。なお、処理回路37は、時系列に沿った複数のボディマークを取得してもよい。このとき、複数のボディマーク各々には、例えば、心時相に関する情報が付帯される。ボディマーク取得機能375を実現する処理回路37は、ボディマーク取得部に相当する。
【0030】
なお、ボディマークにおける複数の構造物は、解析対象外の構造物を含んでいてもよい。このとき、ボディマーク取得機能375を実現する処理回路37は、解析対象の構造物に対応する領域の表示態様が解析対象外の構造物に対応する領域の表示態様と異なるボディマークを取得する。このボディマークは、例えば、解析対象に対応する領域を強調表示させるボディマークである。なお、このボディマークは、解析対象外の領域を半透明にしたボディマーク、または解析対象の領域に対して解析対象外の領域の色相を薄くしたボディマークであってもよい。
【0031】
表示制御機能377を実現する処理回路37は、被検体Pに対するスキャンの結果に基づく、心臓における複数の構造物それぞれの医用情報とともに、取得したボディマークをディスプレイ15に表示させる。なお、処理回路37は、医用情報とボディマークとを、心時相を一致させて時系列に沿ってディスプレイ15に動画表示させてもよい。表示制御機能377を実現する処理回路37は、表示制御部に相当する。
【0032】
例えば、複数の構造物は、2以上の構造物を含む。表示制御機能377を実現する処理回路37は、取得したボディマークを、2以上の構造物の解析結果とともに、ディスプレイ15に表示させる。具体的には、処理回路37は、被検体Pの心臓における2以上の構造物の解析結果を、ディスプレイ15におけるそれぞれ個別の表示領域に表示させる。より詳細には、2以上の構造物は、第1の構造物と第2の構造物とを含む。具体的には、2以上の構造物は、左心室、左心房、右心室、右心房、僧帽弁、三尖弁、大動脈弁、肺動脈弁のうち2以上を含む。このとき、ボディマークは、第1の構造物に対応する第1領域と第2の構造物に対応する第2領域を含む。ディスプレイ15に表示されたボディマークにおける第1領域と第2領域の相対的な位置関係は、ディスプレイ15に表示された第1の構造物の第1の解析結果と第2の構造物の第2の解析結果の配置に対応する。
【0033】
以下、本実施形態に係る各種機能に関する処理について、
図2のフローチャートを用いて詳細に説明する。
図2におけるステップSa3の処理は、解析機能373に関する処理である。
図2におけるステップSa4の処理は、ボディマーク取得機能375に関する処理である。
図2におけるステップSa5の処理は、表示制御機能377に関する処理である。
【0034】
操作者は、入力インタフェース回路13を介して、解析対象の構造物の名称(例えば、心腔名、弁名など)を入力する(ステップSa1)。解析対象の構造物の名称は、例えば、解析機能373における初期輪郭の設定、画像データから心腔の初期輪郭の抽出等に利用される。また、解析対象の構造物の名称は、例えば、ボディマーク取得機能375におけるボディマークデータの選択および加工に用いられる。なお、収集された画像データにおいて、自動形状認識等により解析対象の心腔が自動的に特定される場合、ステップSa1の処理は不要となる。
【0035】
解析対象の心腔を含む時系列に沿った画像データが、スキャンにより収集される(ステップSa2)。具体的には、複数の心腔各々に対する1心拍以上の期間に亘る超音波の送受信により、時系列に沿った画像データが生成される。なお、画像データは、記憶回路33または医用画像保管装置から読み出されてもよい。3次元的なWMTを実行する場合、画像データは、ボリュームデータに対応する3次元的な画像データとなる。なお、本実施形態において、ボリュームデータは、解析機能373による解析結果として得られる3次元的な画像データを指す場合がある。この3次元的な画像データには、解析パラメータの値に対応する色相が、解析部分に対応するボクセルごとに割り当てられている。この時、解析結果を示す3次元的な画像データに対するレンダリングにより、解析結果の3次元画像が生成される。また、解析結果を示す3次元的な画像データに対する画像処理により、解析結果のポーラーマップが生成される。解析機能373の実行に先立って、患者ID、心腔の種類、画像態様、解析パラメータ名などが、設定される。心腔の種類とは、解析対象の心腔名である。画像態様とは、解析パラメータの値に応じた色相がマッピングされる画像の種別であり、例えばサーフェスレンダリング画像、MPR画像、ポーラーマップ等である。
【0036】
時系列に沿った画像データが解析され、解析結果が取得される(ステップSa3)。具体的には、解析機能373を実現する処理回路37は、時系列に沿った画像データのうち拡張末期などの所定の心時相の画像において、初期輪郭を示す複数の構成点を設定する。次いで、処理回路37は、医用画像群において複数の構成点を追跡し、設定された解析パラメータの値が計算される。処理回路37は、設定された画像態様と計算された解析パラメータの値とに基づいて、心腔の壁運動の解析結果を医用情報として取得する。
【0037】
入力された心腔の名称に対応するボディマークが取得される(ステップSa4)。具体的には、ボディマーク取得機能375を実現する処理回路37は、記憶回路33または不図示の医用画像保管装置からボディマークのデータを読み出す。ボディマークのデータは、例えば、2次元的なボディマークデータである。なお、心臓における一つの構造物の位置を心臓全体に対して描出したボディマークが構造物ごとのボディマークのデータとして記憶回路33に複数記憶されている場合、すなわち複数の構造物に対応する複数のボディマークがボディマークのデータとして記憶回路33に記憶されている場合、処理回路37は、複数のボディマークから心腔の名称に対応するボディマークを選択する。ボディマークのデータは、実測データを用いずに生成された心臓の解剖図譜(アトラス)に対応し、典型的な心臓の構造を示すデータである。なお、ボディマークのデータは、複数の被検体各々の心臓の実測データに対する統計処理により予め生成されていてもよいし、処理回路37によるこの統計処理の実行により生成されてもよい。この場合、複数の被検体は健常であることが好ましい。
【0038】
ボディマーク取得機能375を実現する処理回路37は、ボディマークのデータにおいて、医用情報における解析対象の構造物(例えば、心腔)に対応する部分領域の表示態様を、他の構造物の表示態様と異ならせる。具体的には、処理回路37は、ボディマークのデータにおいて心腔の名称に対応する領域を強調することにより、ボディマークを取得する。例えば、医用情報が左心室に関する解析結果を有する場合、処理回路37は、ボディマークのデータにおける左心室の領域に対して、ハイライト、カラー、ハッチングなどの強調表示に関する情報を割り当てる。これにより、処理回路37は、解析対象の領域を強調して表示させたボディマークを取得する。すなわち、処理回路37は、心臓における複数の構造物の位置関係を模式的に示し、心臓における少なくとも一つの構造物に対応する領域の表示態様が心臓における他の構造物に対応する領域の表示態様と異なるボディマークを取得する。なお、上記強調表示は必須ではなく、構造物の位置を容易に操作者が視認できれば、どのような表示態様であってもよい。
【0039】
なお、ボディマークのデータは、複数の構造物の3次元的な位置関係を模式的に示す3次元的なボディマーク(3次元ボディマーク)のデータ(以下、3次元ボディマークデータと呼ぶ)であってもよい。3次元ボディマークデータは、典型的な心臓の構造を模式的に示すボリュームデータに相当する。このとき、ボディマーク取得機能375を実現する処理回路37は、例えば、所定のレンダリング条件で、3次元ボディマークデータに対してレンダリング処理を実行し、かつ上記割り当てにより3次元的なボディマークを取得する。すなわち、処理回路37は、心臓における複数の構造物の3次元的な位置関係を模式的に示すボディマークを取得する。
【0040】
図3および
図4は、ボディマークの一例を示す図である。
図3におけるボディマークは、正面から見た心臓全体に対する4腔の位置関係を模式的に示している。言い換えると、
図3におけるボディマークは、正面から見た心臓の外壁と4腔の位置関係を模式的に示している。
図4におけるボディマークは、正面から見た心臓全体に対する左心室の位置を模式的に示している。言い換えると、
図4におけるボディマークは、正面から見た心臓の外壁と左心室の位置関係を模式的に示している。
図3および
図4に示すように、本実施形態におけるボディマークは、心臓全体に対する複数の構造物の位置関係を模式的に示す模式図に対応する。
【0041】
表示制御機能377を実現する処理回路37は、ステップSa3で取得した医用情報とステップSa4で取得したボディマークとを、ディスプレイ15に表示させる(ステップSa5)。具体的には、処理回路37は、医用情報とボディマークとをディスプレイ15の表示領域に配置させるためのレイアウトを、記憶回路33から読み出す。このレイアウトは、ディスプレイ15の表示領域における複数の分割領域への医用情報とボディマークとの配置を示す。複数の分割領域各々は、上述した個別の表示領域に対応する。次いで、処理回路37は、読み出したレイアウトに従って医用情報とボディマークとを配列させ、ディスプレイ15に表示させる。例えば、医用情報が左心室などの単一の心腔に関する複数の解析結果を有する場合、処理回路37は、ボディマークにおける左心室に対応する領域を強調表示して、複数の解析結果とともにディスプレイ15に表示させる。このとき、ボディマークにおける他の構造物(左心房、右心室、右心房等)は、非強調表示となる、なお、処理回路37は、ボディマークにおいて、他の構造物を非表示としてもよい。
【0042】
図5は、複数の分割領域各々に配置された医用情報およびボディマークの表示例を示す図である。
図5に示す分割領域5-1には、解析パラメータの値に対応する色相がマッピングされた、左心室(LV)の3次元画像(解析結果5LV)が、心臓を正面から見た状態で動画表示される(3次元表示)。
図5に示す分割領域5-2には、解析パラメータの値に対応する色相がマッピングされた左心室(LV)のポーラーマップ(解析結果5PL)が、動画表示される(ポーラーマップ表示)。
図5に示す分割領域5-3には、左心室(LV)の解析パラメータの値の時間変化曲線を示すグラフ5GPが、表示される(時間変化曲線表示)。
図5に示す分割領域5-4には、取得されたボディマーク5BMが、心臓を正面から見た向きで表示される。また、
図5における医用情報は全て左心室に関する解析結果であるため、ボディマーク5BMにおける左心室に対応する領域は、例えば、ハッチングのように強調表示される。
【0043】
図5に示す3次元表示は、解析結果を示す3次元的な画像データに対するレンダリング処理により生成されてもよいし、レンダリング画像に解析パラメータの値に対応する色相をマッピングすることにより生成されてもよい。また、
図5に示すポーラーマップ表示は、解析結果を示す3次元的な画像データに対する画像処理により生成されてもよいし、ポーラーマップに解析パラメータの値に対応する色相をマッピングすることにより生成されてもよい。また、
図5に示す医用情報である解析結果5LVおよび解析結果5PLは、心時相に従って動画表示される。このとき、ボディマーク5BMは、表示された医用情報の心時相と一致させて、動画表示されてもよい。
【0044】
以上に述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態における超音波診断装置1および医用処理装置20によれば、心臓における複数の構造物の位置関係を模式的に示すボディマークを、被検体Pに対するスキャンの結果に基づく心臓における複数の構造物それぞれの医用情報とともに、ディスプレイ15に表示させることができる。すなわち、本実施形態によれば、心臓における複数の構造物の位置関係を模式的に示すボディマークを取得し、被検体Pの心臓における2以上の構造物を解析対象として、被検体Pに対するスキャンにより取得された画像データを解析し、ボディマークを、2以上の構造物の解析結果とともに、ディスプレイに表示させることができる。また、本実施形態によれば、被検体Pの心臓における構造物を解析対象として、被検体Pに対するスキャンにより取得された画像データを解析することができる。このとき、心臓における少なくとも1つの構造物に対応する領域の表示態様が、心臓における他の構造物に対応する領域の表示態様と異なるボディマークが取得され、取得されたボディマークを、被検体Pに対するスキャンの結果に基づく少なくとも1つの構造物に関する医用情報とともに、ディスプレイ15に表示させることができる。また、本実施形態によれば、時系列に沿った複数のボディマークを取得し、医用情報の心時相と対応するように取得したボディマークを表示することができる。
【0045】
以上のことから、本実施形態によれば、心臓における構造物の医用情報(解析結果)を俯瞰的に示すボディマークを、構造物に関する医用情報(解析結果)とともに表示させることができる。これにより、操作者は、構造物に対する機能解析の解析結果を、俯瞰的に把握することができる。加えて、心肥大などの病気により被検体Pの心臓が変形している場合であっても、操作者は、心臓全体に対する解析結果に関する構造物の位置を、容易に把握することができる。また、時系列に沿った解析結果を示す3次元画像(レンダリング画像)とともにボディマークが動画表示されることで、例えば、ボディマークの模式的な形状とレンダリング画像との比較を時相ごとに行うことができる。これらのことから、本実施形態によれば、例えば、俯瞰的に心機能解析を実行することができるため、心臓の複数の構造物に関する医用情報を同時に表示する際のユーザビリティが向上し、その結果診断効率を向上させることができる。
【0046】
(第1の変形例)
上述の実施形態との相違は、3次元表示される医用情報における解析結果の向き(姿勢)に応じてボディマークを取得し、取得したボディマークを医用情報とともにディスプレイ15に表示させることにある。
【0047】
画像処理機能371を実現する処理回路37は、解析結果として取得されたボリュームデータのレンダリング画像を生成する。レンダリング画像において用いられたレンダリング条件は、ボディマーク取得機能375の実行時において用いられる。
【0048】
ボディマーク取得機能375を実現する処理回路37は、レンダリング画像を生成するために用いたレンダリング条件に応じたボディマークを取得する。具体的は、ボリュームデータと3次元ボディマークデータとを位置合わせする。すなわち、処理回路37は、ボリュームデータにおける構造物の位置と3次元ボディマークデータにおける構造物の位置とに基づいて、3次元ボディマークデータをボリュームデータに対応付ける。次いで、処理回路37は、対応付けられた3次元ボディマークデータをレンダリング条件に従ってレンダリングすることにより、3次元ボディマークをボディマークとして取得する。すなわち、処理回路37は、位置合わせ後の3次元ボディマークデータを、レンダリング条件に応じた条件でレンダリングすることによりボディマーク(3次元ボディマーク)を取得する。なお、処理回路37は、記憶回路33に予め記憶された複数の3次元ボディマークから、レンダリング条件に対応する3次元ボディマークを選択してもよい。このとき、複数の3次元ボディマークは、レンダリング条件における複数の視線方向に対応する。複数の3次元ボディマークは、例えば、心臓の正面側から見た3次元ボディマークおよび心臓の背面側から見た3次元ボディマークの2種類の3次元ボディマークである。
【0049】
以下、本変形例に係る各種機能に関する処理について、
図6のフローチャートを用いて詳細に説明する。
図6におけるステップSb3の処理は、画像処理機能371に関する処理である。
図6におけるステップSb4の処理は、解析機能373に関する処理である。
図6におけるステップSb5乃至Sb7の処理は、ボディマーク取得機能375に関する処理である。
図6におけるステップSb8の処理は、表示制御機能377に関する処理である。
【0050】
操作者は、入力インタフェース回路13を介して、解析対象の構造物の名称およびレンダリング条件(視点、視線など)を入力する(ステップSb1)。
【0051】
解析対象の心腔を含む時系列に沿ったボリュームデータが、スキャンにより収集される(ステップSb2)。具体的には、複数の心腔各々に対する1心拍以上の期間に亘る超音波の送受信により、時系列に沿ったボリュームデータが生成される。なお、ボリュームデータは、記憶回路33または医用画像保管装置から読み出されてもよい。
【0052】
ボリュームデータとレンダリング条件とを用いて、レンダリング画像が生成される(ステップSb3)。なお、レンダリング画像の生成は、解析結果に対する視線方向の変更、例えば解析結果を示すレンダリング画像の回転操作に応答して、実行されてもよい。
【0053】
ボリュームデータとレンダリング画像とを用いて、解析対象の心腔の医用情報が取得される(ステップSb4)。
【0054】
解析対象の心腔に関する3次元ボディマークデータが、取得される(ステップSb5)。なお、心臓における一つの構造物の位置を心臓全体に対して描出した3次元ボディマークが構造物ごとの3次元ボディマークデータとして記憶回路33に複数記憶されている場合、処理回路37は、複数の3次元ボディマークから心腔の名称に対応する3次元ボディマークを選択する。ステップSb5の処理に続いて、取得された3次元ボディマークにおいて心腔の名称に対応する領域に、強調表示に関する情報がマッピングされる。なお、後述するレンダリング処理後に、3次元ボディマークにおける対象心腔の領域に対して、強調表示に関する情報がマッピングされてもよい。
【0055】
ボリュームデータにおける心腔の位置と3次元ボディマークデータにおける心腔の位置とに基づいて、3次元ボディマークデータがボリュームデータに対応付けられる(ステップSb6)。具体的には、ボディマーク取得機能375を実現する処理回路37は、解析対象の心腔(以下、対象心腔と呼ぶ)を有する3次元ボディマークデータを、記憶回路33から読み出す。次いで、処理回路37は、3次元ボディマークデータにおける対象心腔をボリュームデータにおける対象心腔に対応付ける。この対応付けは、例えば、3次元ボディマークデータにおける対象心腔とボリュームデータにおける対象心腔との位置合わせに相当する。具体的には、処理回路37による対応付けは、例えば、3次元ボディマークデータにおける対象心腔の領域を示す複数の座標を、ボリュームデータにおける対象心腔の領域を示す複数の座標に対応付けることである。これにより、3次元ボディマークデータにおける対象心腔の姿勢が、ボリュームデータにおける対象心腔の姿勢に対応付けられる。
【0056】
位置合わせされた3次元ボディマークデータをレンダリング条件に従ってレンダリングすることにより、3次元ボディマークが生成される(ステップSb7)。このレンダリング処理により、ボディマーク取得機能375を実現する処理回路37は、3次元ボディマークをボディマークとして取得する。例えば、左心室の3次元画像に解析パラメータの値に対応する色相をマッピングした解析結果が、背面から見た状態で動画表示される場合、レンダリング条件における視点は、心臓の背面側に設定される。
図7は、心臓の背面側に視点が設定された場合のボディマークの一例を示す図である。言い換えると、
図7におけるボディマークは、背面から見た心臓の外壁と4腔の位置関係を模式的に示している。
図7と
図3との相違は、ボディマークの向き(姿勢)が、被検体Pの正面側と背面側とで異なることにある。なお、ステップSb7の処理の代わりに、記憶回路33に予め記憶された複数の3次元ボディマークからレンダリング条件に対応する3次元ボディマークが選択されてもよい。
【0057】
3次元ボディマークと医用情報とが、ディスプレイ15に表示される(ステップSb8)。
図8は、複数の分割領域各々に配置された医用情報およびボディマークの表示例を示す図である。
図8に示す分割領域8-1には、解析パラメータの値に対応する色相がマッピングされた、左心室(LV)の3次元画像(解析結果8LV)が、被検体Pを背面から見た状態で動画表示される(3次元表示)。
図8に示す分割領域8-2には、
図5の解析結果5PLに対応する解析結果8PLが、動画表示される(ポーラーマップ表示)。
図8に示す分割領域8-3には、
図5のグラフ5GPに対応するグラフ8GPが、表示される(時間変化曲線表示)。
図8に示す分割領域8-4には、取得されたボディマーク8BMが、解析結果8LVにおける3次元画像の向きと同じ向きで表示される。すなわち、
図8における解析結果8LVは被検体Pを背面から見た状態であるため、ボディマーク8BMは、
図8に示すように、背面から見た心臓全体に対する4腔の位置関係を模式的に示している。また、
図8の表示例における医用情報は全て左心室に関する解析結果であるため、ボディマーク8BMにおける左心室に対応する領域は、例えば、ハッチングのように強調表示される。
【0058】
図8に示す解析結果8LVに対する回転操作の入力は、レンダリング条件における視線方向および視点が変更されることに対応する。このため、解析結果8LVに対する回転操作の入力を契機として、ステップSb3、ステップSb4、ステップSb7、ステップSb8の各処理が繰り返される。これにより、3次元表示における解析結果の回転に応じて、3次元ボディマークも回転して表示される。すなわち、医用情報における3次元画像の向きに連動して、ボディマーク8BMは、回転して表示される。
【0059】
以上に述べた構成によれば、以下のような効果を得ることができる。
本変形例における超音波診断装置1および医用処理装置20によれば、解析結果として取得されたボリュームデータに対するレンダリング処理によりレンダリング画像を生成し、このレンダリング処理におけるレンダリング条件に応じたボディマークを取得することができる。具体的には、解析結果として取得されたボリュームデータと3次元ボディマークデータを位置合わせし、位置合わせ後の3次元ボディマークデータを、このレンダリング条件に応じた条件でレンダリングすることによりボディマークを取得することができる。これにより、3次元表示された解析結果の向き(姿勢)と、ボディマークの向き(姿勢)とを対応付けて表示することができる。
【0060】
以上のことから、本変形例によれば、操作者は、3次元表示における視線方向に応じて、構造物に対する機能解析の解析結果をより俯瞰的に、かつ直感的に把握することができる。このため、本変形例によれば、俯瞰的に心機能解析を実行することができるため、心臓の複数の構造物に関する医用情報を同時に表示する際のユーザビリティが向上し、その結果診断効率を向上させることができる。
【0061】
(第2の変形例)
上述の実施形態との相違は、複数の構造物をそれぞれ強調した複数のボディマーク各々を、複数の構造物各々の3次元表示の医用情報とともに表示させることにある。
【0062】
ボディマーク取得機能375を実現する処理回路37は、ボディマークデータと医用情報とに基づいて、複数の構造物をそれぞれ強調した複数のボディマークを取得する。具体的には、処理回路37は、複数の構造物を有するボディマークデータを、記憶回路33から読み出す。処理回路37は、読み出したボディマークデータと医用情報とに基づいて、複数の構造物をそれぞれ異なる表示態様で表す複数のボディマークを生成する。異なる表示態様とは、例えば、ボディマークにおける複数の構造物を、医用情報に応じて強調させる強調表示などである。
【0063】
表示制御機能377を実現する処理回路37は、取得したボディマークを、被検体Pに対するスキャンの結果に基づく構造物各々の医用情報とともに、ディスプレイ15に表示させる。
【0064】
以下、本変形例に係る各種機能に関する処理について、
図9のフローチャートを用いて詳細に説明する。
図9におけるステップSc2、Sc3の処理は、解析機能373に関する処理である。
図9におけるステップSc4の処理は、ボディマーク取得機能375に関する処理である。
図9におけるステップSc5乃至Sc6の処理は、表示制御機能377に関する処理である。
【0065】
被検体Pの心臓に対するスキャンにより、複数の心腔を含む時系列に沿った画像データが、一度に収集される(ステップSc1)。
【0066】
次いで、入力インタフェース回路13を介して、複数の心腔各々の領域が画像データに対して指定される。これにより、画像データにおける複数の心腔の領域が特定される(ステップSc2)。なお、収集された画像データにおける複数の心腔が自動形状認識等により自動的に特定される場合、入力インタフェース回路13を介した複数の心腔各々の領域の指定は不要となる。
【0067】
時系列に沿った画像データを解析することにより、複数の心腔に対応する複数の解析結果各々が医用情報として取得される(ステップSc3)。複数の構造物各々は、例えば、第1の構造物および第2の構造物である。例えば、解析機能373を実現する処理回路37は、被検体Pの心臓における第1の構造物を解析対象として、被検体Pに対するスキャンにより取得された画像データを解析する。また、処理回路37は、被検体Pの心臓における第2の構造物を解析対象として、被検体Pに対するスキャンにより取得された画像データを解析する。このとき、取得される医用情報は、第1の構造物に関する第1医用情報(第1の解析結果等)、および第2の構造物に関する第2医用情報(第2の解析結果等)である。第1医用情報および第2医用情報は、3次元表示の解析結果を有する。なお、ステップSc2とステップSc3とは、解析対象の構造物ごと、例えば心腔ごとに繰り返されてもよい。また、ステップSc1において構造物ごとに画像データを収集する場合、ステップSc1乃至Sc3の処理が構造物ごとに繰り返される。
【0068】
複数の心腔を含むボディマークが取得される(ステップSc4)。例えば、ボディマーク取得機能375を実現する処理回路37は、第1の構造物と心臓における第2の構造物の位置関係を模式的に示し、第1の構造物に対応する領域の表示態様が第2の構造物に対応する領域の表示態様と異なる第1ボディマークを取得する。また、処理回路37は、第1の構造物と心臓における第2の構造物の位置関係を模式的に示し、第1の構造物に対応する領域の表示態様が第2の構造物に対応する領域の表示態様と異なる第2ボディマークを取得する。なお、ディスプレイ15に表示された心臓における第1の構造物に関する医用情報の選択に応じて、処理回路37は、第1の構造物に対応する領域の表示態様が心臓における第2の構造物に対応する領域の表示態様と異なるボディマークを取得してもよい。具体的には、ボディマーク取得機能375を実現する処理回路37は、医用情報における構造物を強調表示した複数のボディマークを生成する。複数のボディマーク各々は、医用情報における構造物に対応する領域をそれぞれ強調表示した表示態様を有する。処理回路37は、ボディマークの向きを、3次元表示の医用情報の向きに対応付ける。なお、処理回路37は、複数の構造物の領域を表示可能な一つのボディマークを取得してもよい。このとき、ボディマークは、例えば、第1の構造物に対応する第1領域と第2の構造物に対応する第2領域とを含む。
【0069】
医用情報における構造物の種別(心腔名、弁名)等に基づいて、ディスプレイの表示領域における複数の解析結果のレイアウトを決定する(ステップSc5)。解析結果のレイアウトは、例えば、どの解析結果を表示領域のどの位置にどれくらいの大きさで配置させるのかを示すひな形に相当する。具体的には、表示制御機能377を実現する処理回路37は、医用情報における解析パラメータ、構造物の種別(または構造物の解剖学的位置関係)、ストレスエコーのフェーズ、治療経過等に基づいて、レイアウトを決定する。例えば、4腔各々についての医用情報をディスプレイ15の表示領域に表示させる場合、レイアウトは、表示領域の左上の分割領域には右心房の解析結果が配置され、表示領域の左下の分割領域には右心室の解析結果が配置され、表示領域の右上の分割領域には左心房の解析結果が配置され、表示領域の右下の分割領域には左心室の解析結果が配置されるレイアウトとなる。また、例えば、右心室および左心室に対するストレスエコーについての医用情報をディスプレイ15の表示領域に表示させる場合、レイアウトは、表示領域の左上の分割領域には右心室に関する安静時の解析結果が配置され、表示領域の左下の分割領域には右心室に関する負荷時の解析結果が配置され、表示領域の右上の分割領域には左心室に関する安静時の解析結果が配置され、表示領域の右下の分割領域には左心室に関する負荷時の解析結果が配置されるレイアウトとなる。上記レイアウトの説明は、一例であり、これに拘泥されない。
【0070】
決定されたレイアウトに従って、解析結果とボディマークとが表示される(ステップSc6)。表示制御機能377を実現する処理回路37は、第1の構造物の解析結果とともに第1ボディマークをディスプレイ15に表示させる。具体的には、処理回路37は、第1の構造物に関する第1医用情報の表示領域に第1ボディマークを表示させ、第2の構造物に関する第2医用情報の表示領域に第2ボディマークを表示させる。なお、ボディマークが第1の構造物に対応する第1領域と第2の構造物に対応する第2領域とを含む場合、処理回路37は、このボディマークを、第1の構造物に関する第1医用情報、および第2の構造物に関する第2医用情報とともに、ディスプレイ15に表示させる。このとき、ディスプレイ15に表示されたボディマークにおける第1領域と前2領域との相対的な位置関係は、ディスプレイ15に表示された第1医用情報と第2医用情報との配列(配置)に対応する。具体的には、表示制御機能377を実現する処理回路37は、ディスプレイ15の表示領域における医用情報の表示領域(分割領域)にボディマークをさらに表示させ、ボディマークにおいて医用情報に関する構造物の領域を強調して表示させる。また、処理回路37は、ディスプレイ15に表示された医用情報が操作者により選択されると、ボディマークにおいて、選択された医用情報に関する構造物の領域を強調して表示させる。例えば、ディスプレイ15に表示された心臓における第1の構造物に関する医用情報の選択に応じて、処理回路37は、第1の構造物に対応する領域の表示態様が心臓における第2の構造物に対応する領域の表示態様と異なるボディマークを、ディスプレイ15に表示させる。なお、処理回路37は、レンダリング条件におけるレンダリング方向に基づいて、医用情報に対応するボディマークの表示位置を決定してもよい。以下、本変形例における各種表示例について説明する。
【0071】
図10は、複数の分割領域各々に配置された医用情報(3次元表示)と、複数の分割領域各々に配置されたボディマークとの表示例を示す図である。
図10における医用情報は、一つの心腔に対する単一の解析結果を有する。
図10における複数の解析結果10RA、10LA、10RV、10LVは、同期して動画表示される。
図10において複数のボディマーク10RABM、10LABM、10RVBM、10LVBM各々は、分割領域の左下の端部に配置されているが、これに限定されない。ボディマークの配置の他の表示例については後程説明する。
【0072】
図10に示す分割領域10-1には、解析結果10RAとボディマーク10RABMとが表示される。解析結果10RAは、解析パラメータの値に対応する色相がマッピングされた、右心房(RA)の3次元画像である。ボディマーク10RABMは、正面から見た心臓全体に対する4腔の位置関係を模式的に示し、右心房に対応する領域をハイライトで示している。
図10に示す分割領域10-2には、解析結果10LAとボディマーク10LABMとが表示される。解析結果10LAは、解析パラメータの値に対応する色相がマッピングされた、左心房(LA)の3次元画像である。ボディマーク10LABMは、正面から見た心臓全体に対する4腔の位置関係を模式的に示し、左心房に対応する領域をハイライトで示している。
図10に示す分割領域10-3には、解析結果10RVとボディマーク10RVBMとが表示される。解析結果10RVは、解析パラメータの値に対応する色相がマッピングされた、右心室(RV)の3次元画像である。ボディマーク10RVBMは、正面から見た心臓全体に対する4腔の位置関係を模式的に示し、右心室に対応する領域をハイライトで示している。
図10に示す分割領域10-4には、解析結果10LVとボディマーク10LVBMとが表示される。解析結果10LVは、解析パラメータの値に対応する色相がマッピングされた、左心室(LV)の3次元画像である。ボディマーク10LVBMは、正面から見た心臓全体に対する4腔の位置関係を模式的に示し、左心室に対応する領域をハイライトで示している。
【0073】
図11は、2つの心腔(右心室RVと左心室LV)において、ストレスエコーのフェーズ(薬物負荷の前後)の比較のための解析結果のレイアウトとボディマークの配置との一例を示す図である。
図10との相違は、1つの心腔に対して複数の解析結果を表示することにある。
図11における複数の解析結果は、ストレスエコーにおける安静時の解析結果と負荷時の解析結果との2種類である。
【0074】
図11に示す分割領域11-1には、解析結果11RVReと解析結果11RVStとボディマーク11RVBMとが配置される。分割領域11-1の上段に配置される解析結果11RVReは、右心室RVに関する安静時の解析結果(RV:Rest)を示している。分割領域11-1の下段に配置される解析結果11RVStは、右心室RVに関する負荷時の解析結果(RV:Stress)を示している。ボディマーク11RVBMは、正面から見た心臓全体に対する4腔の位置関係を模式的に示し、右心室に対応する領域をハイライトで示している。
図11に示す分割領域11-2には、解析結果11LVReと解析結果11LVStとボディマーク11LVBMとが配置される。分割領域11-2の上段に配置される解析結果11LVReは、左心室LVに関する安静時の解析結果(LV:Rest)を示している。分割領域11-2の下段に配置される解析結果11LVStは、左心室LVに関する負荷時の解析結果(LV:Stress)を示している。ボディマーク11LVBMは、正面から見た心臓全体に対する4腔の位置関係を模式的に示し、左心室に対応する領域をハイライトで示している。
【0075】
図12は、複数の分割領域各々に配置された医用情報(3次元表示)と、表示領域の中央部分に配置されたボディマークとの表示例を示す図である。
図12の分割領域12-1における解析結果12RA、分割領域12-2における解析結果12LA、分割領域12-3における解析結果12RV、分割領域12-4における解析結果12LVは、
図10における複数の解析結果10RA、10LA、10RV、10LVに対応する。
図12と
図10との相違は、ボディマークの表示位置である。
図12におけるボディマーク12BMは、ディスプレイの表示領域の略中央部分に配置される。
図12の点線で示すように、ボディマーク12BMの向き(姿勢)は、複数の解析結果のレイアウト(並び)に対応する。解析結果に対する入力操作(3次元画像の回転等)を契機として、ボディマーク12BMにおいて、入力操作された解析結果における心腔の領域の表示態様が変更されてもよい。表示態様の変更とは、例えば上述した強調表示である。
図12において、解析結果12RVに対する入力操作により、ボディマーク12BMの右心室の領域が強調表示されている。
【0076】
図13は、複数の分割領域各々に配置された医用情報(3次元表示)と、表示領域の端部領域に配置されたボディマークとの表示例を示す図である。
図13の分割領域13-1における解析結果13RA、分割領域13-2における解析結果13LA、分割領域13-3における解析結果13RV、分割領域13-4における解析結果13LVは、
図10における複数の解析結果10RA、10LA、10RV、10LVに対応する。
図13と
図10との相違は、ボディマークの表示位置である。ボディマーク13BMは、ディスプレイの表示領域の端部領域13-5に配置される。なお、端部領域は、ディスプレイ15の表示領域の角近傍に限定されず、表示領域の任意の位置に設定可能である。
図13の点線で示すように、ボディマーク13BMの向き(姿勢)は、複数の解析結果のレイアウト(並び)に対応する。解析結果に対する入力操作(3次元画像の回転等)を契機として、ボディマーク13BMにおいて、入力操作された解析結果における心腔の領域の表示態様が変更されてもよい。
【0077】
図14は、複数の分割領域各々に配置された医用情報(3次元表示)と、複数の分割領域各々に配置されたボディマークとの表示例を示す図である。
図14の分割領域14-1における解析結果14RA、分割領域14-2における解析結果14LA、分割領域14-3における解析結果14RVは、
図10における複数の解析結果10RA、10LA、10RVに対応する。分割領域14-4における解析結果14LVは、
図8における解析結果8LVに対応する。また、
図14の分割領域14-1におけるボディマーク14RABM、分割領域14-2におけるボディマーク14LABM、分割領域14-3におけるボディマーク14RVBMは、
図10における複数のボディマーク10RABM、10LABM、10RVBMに対応する。分割領域14-4におけるボディマーク14LVBMは、
図8におけるボディマーク8BMに対応する。
図14と
図10との相違は、解析結果14LVとボディマーク14LVBMとが心臓の背面側から見た状態で表示されていることにある。
図14の表示例は、ステップSc4の処理において、第1の変形例におけるステップSb6およびSb7の処理が実行されることにより実現される。
【0078】
図15は、複数の分割領域各々に配置された医用情報(3次元表示)と、複数の分割領域各々に配置されたボディマークとの表示例を示す図である。
図15の分割領域15-1における解析結果15RA、分割領域15-2における解析結果15LA、分割領域15-4における解析結果15LVは、
図14における解析結果14RA、14LA、14LVに対応する。分割領域15-3における解析結果15RVは、解析パラメータの値に対応する色相がマッピングされた、右心室(RV)の3次元画像を被検体Pの背面から見た状態を示している。また、
図15の分割領域15-1におけるボディマーク15RABM、分割領域15-2におけるボディマーク15LABM、分割領域15-4におけるボディマーク15LVBMは、
図14における複数のボディマーク14RABM、14LABM、14LVBMに対応する。分割領域15-3におけるボディマーク15RVBMは、解析結果15RVにおける3次元画像の向きと同じ向きで表示される。
図15と
図14との相違は、解析結果15RVとボディマーク15RVBMとが心臓の背面側から見た状態で表示され、複数の分割領域各々におけるボディマークの表示位置が解析結果における3次元画像の姿勢(正面像または背面像)に応じて異なることにある。
図15の表示例は、ステップSc4の処理において、第1の変形例におけるステップSb6およびSb7の処理が実行されることにより実現される。加えて、ステップSc6の処理において、3次元ボディマークデータに対するレンダリング方向に基づいて、分割領域におけるボディマークの表示位置が決定される。
図15の表示例では、心臓を正面側から見たボディマークは分割領域の右側に表示され、心臓を背面側から見たボディマークは分割領域の左側に表示される。
【0079】
以上に述べた構成によれば、以下のような効果を得ることができる。
本変形例における超音波診断装置1および医用処理装置20によれば、ボディマークにおいて医用情報に関する構造物の領域を医用情報に応じて異なる表示態様で表示させることができる。また、本変形例によれば、レンダリング条件におけるレンダリング方向に基づいて、医用情報に対応するボディマークの表示位置を決定することができる。加えて、本変形例によれば、ディスプレイ15に表示された医用情報が操作者により選択されると、選択された医用情報に関する構造物の領域の表示態様が他の構造物の領域における表示態様と異なるボディマークを取得することができる。例えば、構造物が第1の構造物および第2の構造物であって、医用情報が第1の構造物に関する第1医用情報と第2の構造物に関する第2医用情報とである場合、第1の構造物に対応する第1領域と第2の構造物に対応する第2領域とをボディマークに含めることができ、ボディマークにおける第1領域と第2領域との相対的な位置関係を、ディスプレイ15の表示領域における第1医用情報と第2医用情報との配列(レイアウト)に対応づけて表示することができる。このとき、第1医用情報の選択に応じて、第1の構造物に対応する領域の表示態様を第2の構造物に対応する領域の表示態様と異ならせたボディマークを、ディスプレイ15に表示させることができる。
【0080】
これらのことから、本変形例によれば、複数の構造物各々の医用画像を、医用情報に関する構造物の領域を強調させたボディマークとともに表示することができる。例えば、一つの心腔の解析結果に対して、この心腔に対応する領域をハイライトさせた一つのボディマークを取得して表示することができる。また、複数の心腔に対応する複数の解析結果に対してこれら複数の心腔を有する一つのボディマークを取得して表示することができる。このとき、複数の解析結果のレイアウトに応じた向き(姿勢)でボディマークを表示することができる。加えて、複数の解析結果における3次元画像の向き、すなわちレンダリング方向に応じて分割領域におけるボディマークの位置を変更して、取得したボディマークを表示することができる。
【0081】
以上のことから、本変形例によれば、心臓における複数の構造物を俯瞰的に示すボディマークを、医用画像における3次元画像の向きまたは医用情報のレイアウトに対応させて、複数の構造物各々に関する医用情報とともに表示させることができる。これにより、操作者は、複数の構造物に対する複数の解析結果を俯瞰的に把握することができる。加えて、心肥大などの病気により被検体Pの心臓が変形している場合であっても、操作者は、心臓全体に対する複数の解析結果に関する複数の構造物の位置を、容易に把握することができる。これらのことから、本実施形態によれば、俯瞰的に心機能解析を実行することができるため、心臓の複数の構造物に関する医用情報を同時に表示する際のユーザビリティが向上し、その結果診断効率を向上させることができる。
【0082】
(第3の変形例)
上述の実施形態との相違は、医用情報が心臓の断面を示す断面画像を有する場合、ボディマーク(例えば3次元ボディマーク)に断面の位置を示す断面マークを重畳して表示させることにある。
【0083】
画像処理機能371を実現する処理回路37は、ボリュームデータに対するMPR処理により、心臓の複数の断面に対応する複数の断面画像を生成する。複数の断面は、心臓に対する任意の断面である。以下、説明を理解しやすくするために、複数の断面は、心臓の基準断面として説明する。このとき、複数の断面画像は、例えば、心尖4腔断面像(LV 2D 4chView)、心尖部左室長軸断面像(LV 2D 3chView)、心尖部2腔断面画像(LV 2D 2chView)となる。なお、複数の断面画像各々には、解析パラメータの値に応じた色相がマッピングされてもよい。
【0084】
表示制御機能377を実現する処理回路37は、ボリュームデータに対する基準断面の位置に基づいて、ボディマークに基準断面の位置を示す断面マークを重畳させる。処理回路37は、複数の断面画像を、少なくとも一つの断面マークが重畳されたボディマークとともに表示する。
【0085】
図16は、一つの心腔(左心室LV)において、複数の断面画像と一つの3次元画像とともに、断面マークが重畳されたボディマークを表示した表示例を示す図である。
図16における分割領域16-1には心尖4腔断面像(LV:4Ch)が表示され、分割領域16-2には心尖部2腔断面画像(LV:2Ch)が表示され、分割領域16-3には心尖部左室長軸断面像(LV:3Ch)が表示され、分割領域16-4には左心室の3次元画像(LV:3D表示)が表示され、分割領域16-5にはボディマーク16BMが表示される。ボディマーク16BMには、心尖4腔断面像に対応する断面マーク16-4chと、心尖部2腔断面画像に対応する断面マーク16-2chと、心尖部左室長軸断面像に対応する断面マーク16-3chとが重畳して表示される。
【0086】
また、本変形例の応用例として、複数の構造物として少なくとも一つの心腔と少なくとも一つの弁が適用されてもよい。このとき、複数の構造物は、例えば、左心室、僧帽弁、左心房などである。また、これらの構造物に関する画像には、それぞれの構造物に関する解析パラメータの値に応じた色相がマッピングされてもよい。また、これらの画像は、構造物に関する断面画像でもよいし、3次元画像であってもよい。
【0087】
以上に述べた構成によれば、以下のような効果を得ることができる。
本変形例における超音波診断装置1および医用処理装置20によれば、医用情報が心臓の断面を示す断面画像を有する場合、ボディマークに断面マークを重畳して表示させることができる。これにより、本変形例によれば、心臓における複数の構造物および医用情報に関する断面を俯瞰的に示すボディマークを、複数または単一の構造物各々に関する医用情報とともに表示させることができる。このため、操作者は、複数の構造物に対する複数の解析結果を俯瞰的に把握し、且つ俯瞰的に心機能解析を実行することができるため、心臓の複数の構造物に関する医用情報を同時に表示する際のユーザビリティが向上し、その結果診断効率を向上させることができる。
【0088】
(第4の変形例)
上述の実施形態および各種変形例との相違は、画像データの解析前においてボディマークをディスプレイ15に表示し、解析前に表示されたボディマークにおける構造物に対する選択指示に応答して画像データを解析し、選択指示により選択された構造物に関する解析結果を生成することにある。
【0089】
ボディマーク取得機能375を実現する処理回路37は、解析機能373による画像データの解析前、または被検体Pに対するスキャン前に、記憶回路33または画像保管装置からボディマークのデータを読み出す。読み出されるボディマークは、解析対象の構造物に対する選択指示が入力可能なボディマークであって、例えば、
図3または
図4に示すボディマークである。このとき、ボディマークにおける複数の構造物各々の名称についての情報が、ボディマークのデータに付帯される。
【0090】
表示制御機能377を実現する処理回路37は、読み出されたボディマークをディスプレイ15に表示させる。解析前に表示されたボディマークにおいて入力インタフェース回路13を介して解析対象の構造物の選択指示が操作者により入力されると、処理回路37は、選択された構造物に対応する名称を、解析対象として特定する。
【0091】
解析機能373を実現する処理回路37は、特定された解析対象に対応する画像データを解析する。すなわち、処理回路37は、解析前に表示されたボディマークにおける複数の構造物に対する選択指示に応答して画像データを解析し、選択指示により選択された構造物に関する解析結果を生成する。
【0092】
本変形例に係る上記処理は、例えば、
図2におけるステップSa1、
図6におけるステップSb1において実行される。
【0093】
以上に述べた構成によれば、以下のような効果を得ることができる。
本変形例における超音波診断装置1および医用処理装置20によれば、画像データの解析前においてボディマークをディスプレイ15に表示し、解析前に表示されたボディマークにおける構造物に対する選択指示に応答して画像データを解析し、選択指示により選択された構造物に関する解析結果を生成することができる。すなわち、本変形例によれば、心機能解析の実行前において、解析対象の構造物を選択するためのユーザインタフェースとして、ボディマークを用いることができる。これにより、本変形例によれば、解析対象の心腔名の入力時において、例えば、心腔名の一覧をプルダウン形式で表示させるための入力および表示された心腔名の一覧から解析対象の心腔名の選択指示の入力という2回の入力を、ボディマークにおける構造物の選択指示という一つの操作に集約することができる。このため、心機能解析における解析対象に関する入力時において、ユーザビリティが向上し、診断効率を向上させることができる。
【0094】
(第5の変形例)
上述の実施形態および各種変形例との相違は、解析結果とともにディスプレイ15に表示されたボディマークにおいて解析結果に関する構造物とは異なる構造物が選択された場合、異なる構造物に関する解析結果をボディマークとともにディスプレイ15に表示することにある。本変形例に係るボディマークは、ボディマークにおける構造物に対する選択指示が入力可能なボディマークである。このとき、ボディマークのデータには、複数の構造物各々の名称についての情報が付帯される。
【0095】
入力インタフェース回路13は、解析結果とともにディスプレイ15に表示されたボディマークにおける複数の構造物において、操作者の指示により、ディスプレイ15に表示された解析結果に関する構造物とは異なる構造物を選択する。
【0096】
表示制御機能377を実現する処理回路37は、選択された異なる構造物に関する解析結果を、ボディマークとともにディスプレイ15に表示させる。具体的には、処理回路37は、選択された構造物に対応する構造物の名称を特定する。処理回路37は、特定された名称を用いて、選択された構造物の解析結果を記憶回路33から読み出す。処理回路37は、読み出した解析結果をボディマークとともにディスプレイ15に表示させる。
【0097】
本変形例に係る上記処理は、例えば、
図2におけるステップSa5の処理の後、
図6におけるステップSb8の処理の後、および
図6におけるステップSc8の処理の後にそれぞれ実行可能である。例えば、
図5、
図8、
図11、および
図16に示すボディマークにおいて右心室の位置に対して選択指示が入力されると、右心室に関する解析結果がボディマークとともにディスプレイ15に表示される。
【0098】
本変形例に対する応用例として、解析結果とともにディスプレイ15に表示されたボディマークにおいて解析結果に関する構造物が指定された場合、指定された構造物に関する画像データが再解析され、画像データの再解析により生成された解析結果がボディマークとともにディスプレイ15に表示されてもよい。
【0099】
具体的には、入力インタフェース回路13は、解析結果とともにディスプレイ15に表示されたボディマークにおいて、操作者の指示により、解析結果に関する構造物を指定する。解析機能373を実現する処理回路37は、指定された構造物に関する画像データを再解析する。例えば、処理回路37は、初期輪郭の再設定などにより複数の心腔各々のボリュームデータに対して壁運動解析を再度実行する。表示制御機能377を実現する処理回路37は、画像データの再解析により生成された解析結果を、ボディマークとともにディスプレイ15に表示させる。
【0100】
以上に述べた構成によれば、以下のような効果を得ることができる。
本変形例における超音波診断装置1および医用処理装置20によれば、解析結果とともにディスプレイ15に表示されたボディマークにおいて解析結果に関する構造物とは異なる構造物が選択された場合、異なる構造物に関する解析結果をボディマークとともにディスプレイ15に表示することができる。すなわち、本変形例によれば、解析結果とともにディスプレイ15に表示されたボディマークを、異なる構造物の解析結果を表示させるためのユーザインタフェースとして用いることができる。
【0101】
また、本変形例の応用例によれば、解析結果とともにディスプレイ15に表示されたボディマークにおいて解析結果に関する構造物が指定された場合、指定された構造物に関する画像データを再解析し、画像データの再解析により生成された解析結果を、ボディマークとともにディスプレイ15に表示させることができる。すなわち、本変形例の応用例によれば、解析結果とともにディスプレイ15に表示されたボディマークを、再解析を実行するためのユーザインタフェースとして用いることができる。
【0102】
以上のことから、本変形例によれば、ボディマークをユーザインタフェースとして用いることにより、解析結果の表示の切替に関する構造物を俯瞰的に選択することができ、また再解析の実行に関する構造物を俯瞰的に指定することができるため、ユーザビリティが向上し、診断効率を向上させることができる。
【0103】
また、本実施形態の変形例として、本超音波診断装置1の構成を医用処理装置20で実現する場合には、
図2に示すフローチャートにおけるステップSa2の処理は、「記憶回路33または画像保管装置から時系列に沿った画像データの読み出し」となる。また、
図6に示すフローチャートにおけるステップSb2の処理は、「記憶回路33または画像保管装置から、解析対象の心腔を含む時系列に沿ったボリュームデータの読み出し」となる。加えて、
図9に示すフローチャートにおけるステップSc1の処理は、「記憶回路33または画像保管装置から、複数の心腔を含む時系列に沿った画像データの読み出し」となる。また、上述した画像データ、ボリュームデータ等は、X線コンピュータ断層撮影装置、磁気共鳴イメージング装置などの他のモダリティにより収集された画像であってもよい。加えて、解析結果は、他のモダリティ等により実施された解析結果であってもよい。
【0104】
加えて、本実施形態における画像処理機能371、解析機能373、ボディマーク取得機能375、表示制御機能377は、当該機能を実行するプログラム(医用処理プログラム)をワークステーション等のコンピュータにインストールし、これらをメモリ上で展開することによっても実現することができる。このとき、医用処理プログラムは、コンピュータに、心臓における複数の構造物の位置関係と心臓の全体に対する構造物の位置とのうち少なくとも一方を模式的に示すボディマークを取得し、ボディマークを、被検体Pに対するスキャンの結果に基づく構造物各々の医用情報とともに、ディスプレイに表示すること、を実現させる。すなわち、医用処理プログラムの実行により、心臓における複数の構造物の位置関係を模式的に示すボディマークを取得し、被検体Pの前記心臓における2以上の構造物を解析対象として、被検体Pに対するスキャンにより取得された画像データを解析し、取得されたボディマークを2以上の構造物の解析結果とともに、ディスプレイに表示する医用処理方法が実現される。また、コンピュータに当該手法を実行させることのできるプログラムは、磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどの各種可搬型記憶媒体に格納して頒布することも可能である。
【0105】
以上述べた実施形態および少なくとも一つの変形例等の超音波診断装置1および医用処理装置20によれば、心臓における構造物の医用情報を俯瞰的に示すことができ、心臓の複数の構造物に関する医用情報を同時に表示する際のユーザビリティを向上させることが可能となる。
【0106】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0107】
1…超音波診断装置、11…超音波プローブ、13…入力インタフェース回路、15…ディスプレイ、17…心電計、19…装置本体、20…医用処理装置、23…送受信回路、25…Bモードデータ生成回路、27…ドプラデータ生成回路、29…画像生成回路、31…通信インタフェース回路、33…記憶回路、35…制御回路、37…処理回路、371…画像処理機能、373…解析機能、375…ボディマーク取得機能、377…表示制御機能。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の心臓における、左心室、左心房、右心室、右心房、僧帽弁、三尖弁、大動脈弁、肺動脈弁のうちの2以上の構造物を解析した解析結果を含む医用画像を取得する医用画像取得部と、
解析された前記2以上の構造物の位置関係を模式的に示すボディマークを取得するボディマーク取得部と、
前記ボディマークと前記医用画像とをディスプレイに表示させる表示制御部と、
を具備する医用処理装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、解析された前記2以上の構造物の解剖学的位置関係に基づくレイアウトによって前記解析結果を含む医用画像を前記ディスプレイに表示させる、
請求項1に記載の医用処理装置。
【請求項3】
前記解析結果は、前記被検体に対するスキャンにより取得されたボリュームデータのレンダリング画像であり、
前記ボディマークは、前記レンダリング画像を作成するために用いたレンダリング条件に基づいて作成される、
請求項1に記載の医用処理装置。
【請求項4】
前記ボディマークは、前記2以上の構造物に含まれる第1の構造物に対応する第1の領域と、第2の構造物に対応する第2の領域を有し、
前記表示制御部は、前記第1の領域と前記第2の領域を互いに異なる態様で表示する、
請求項1に記載の医用処理装置。
【請求項5】
前記医用画像取得部は、前記構造物に関する壁運動の解析結果を取得し、
前記表示制御部は、前記壁運動の解析結果を含む医用画像を前記ディスプレイに表示させる、
請求項1に記載の医用処理装置。
【請求項6】
前記壁運動の解析結果は、前記構造物における解析パラメータの値に基づく時間変化曲線およびポーラマップの少なくとも一方である、
請求項5に記載の医用処理装置。
【請求項7】
前記医用画像取得部は、前記構造物に関する弁の運動の解析結果を取得し、
前記表示制御部は、前記弁の運動の解析結果を含む医用画像を前記ディスプレイに表示させる、
請求項1に記載の医用処理装置。
【請求項8】
前記医用画像取得部は、被検体に対するスキャンにより得られた超音波画像に含まれる前記2以上の構造物の輪郭を前記解析結果とし、当該輪郭を含む前記超音波画像を前記医用画像として取得する、
請求項1に記載の医用処理装置。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記ボディマークを前記解析結果よりも小さく表示する、
請求項1に記載の医用処理装置。
【請求項10】
解析対象として前記2以上の構造物を設定する操作を受け付ける操作部を備え、
前記医用画像取得部は、前記操作が受け付けられたことに応じて、前記解析対象として設定された前記2以上の構造物の解析を行い、
前記表示制御部は、前記構造物を解析した解析結果を含む前記医用画像を前記ディスプレイに表示させる、
請求項1に記載の医用処理装置。
【請求項11】
前記操作部は、前記ディスプレイに表示された前記ボディマークにおいて前記解析対象の構造物を設定する操作を受け付ける、
請求項10に記載の医用処理装置。
【請求項12】
被検体の心臓における、左心室、左心房、右心室、右心房、僧帽弁、三尖弁、大動脈弁、肺動脈弁のうちの2以上の構造物を解析した解析結果を含む医用画像を取得し、
解析された前記2以上の構造物の位置関係を模式的に示すボディマークを取得し、
前記ボディマークと前記医用画像とをディスプレイに表示させる、
医用処理方法。