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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121021
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】トイレ装置及び便座装置
(51)【国際特許分類】
   A47K 13/24 20060101AFI20240829BHJP
   E03D 9/00 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
A47K13/24
E03D9/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024108444
(22)【出願日】2024-07-04
(62)【分割の表示】P 2022158348の分割
【原出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】島田 光浩
(72)【発明者】
【氏名】福永 哲也
(72)【発明者】
【氏名】山中 勝美
(57)【要約】
【課題】画像センサが汚れることを抑制する。
【解決手段】トイレ装置1Aが、便鉢21の周囲で立設するリム22を備える便器2と、便器2の上方に配置される便座装置3と、便器2の便鉢21内を撮影する画像センサ32であって、便座装置3の底面においてリム22に対し上方向に離間した位置に設けられた画像センサ32と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
便鉢の周囲で立設するリムを備える便器と、
前記便器の上方に配置される便座装置と、
前記便器の便鉢内を撮影する画像センサであって、前記便座装置の底面において前記リムに対し上方向に離間した位置に設けられた画像センサと、
を備えることを特徴とするトイレ装置。
【請求項2】
前記便座装置の底面に凹部が形成されており、
前記凹部に前記画像センサが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のトイレ装置。
【請求項3】
前記画像センサのセンサ面は、前記便鉢内の水面を指向していることを特徴とする請求項2に記載のトイレ装置。
【請求項4】
前記凹部を構成する壁体のうち一の壁体は、前記一の壁体の上端が前記便鉢の内側に向かうように前記リムの上面に対して斜めに設けられており、
前記画像センサは前記一の壁体に取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載のトイレ装置。
【請求項5】
前記凹部を構成する壁体のうち前記一の壁体とは異なる他の壁体は、前記他の壁体の上端が前記便鉢の外側に向かうように前記リムの上面に対して斜めに設けられていることを特徴とする請求項4に記載のトイレ装置。
【請求項6】
前記便座装置の便座が前記便器に対して閉じられている場合において前記画像センサと前記リムの上面との間の距離は、前記便座において予め定められた撓み距離よりも長く設定されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のトイレ装置。
【請求項7】
便鉢の周囲で立設するリムを備える便器の上方に配置される便座装置であって、
底面に凹部が形成された便座と、
前記便器の便鉢内を撮影する画像センサであって、前記凹部において前記便座の内部の中心点より外側の位置に設けられた画像センサと、
を備えることを特徴とする便座装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレ装置及び便座装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、便器の便鉢内を撮影する画像センサを備えたトイレ装置が知られている。
【0003】
これに関して、特許文献1には、画像センサが、便座の底面において便鉢の上方に設けられることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-101783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のように、画像センサが便鉢の上方に設けられると、便鉢から飛散した尿が当って画像センサが汚れるという問題があった。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、画像センサが汚れることを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1態様に係るトイレ装置は、便鉢の周囲で立設するリムを備える便器と、便器の上方に配置される便座装置と、便器の便鉢内を撮影する画像センサであって、便座装置の底面においてリムに対し上方向に離間した位置に設けられた画像センサと、を備える。
【0008】
この構成によれば、便鉢の上方に画像センサが設けられる場合に比べて便鉢と画像センサとの間の距離が長くなるので、便鉢から飛散した尿が画像センサに当たることを抑制でき、もって画像センサが汚れることを抑制できる。
【0009】
また、本発明の第2態様に係るトイレ装置では、便座装置の底面に凹部が形成されており、凹部に画像センサが設けられている。
【0010】
この構成によれば、仮に便座装置の上面に尿が落ちて便座の底面に回り込んだ場合でも、凹部に画像センサが設けられているため、重力の関係で尿が凹部にまで回り込むことはなく、もって画像センサが汚れることを一層抑制できる。
【0011】
また、本発明の第3態様に係るトイレ装置では、画像センサのセンサ面は、便鉢内の水面を指向している。
【0012】
この構成によれば、水面に落下した大便を撮影することができる。
【0013】
また、本発明の第4態様に係るトイレ装置では、凹部を構成する壁体のうち一の壁体は、当該一の壁体の上端が便鉢の内側に向かうようにリムの上面に対して斜めに設けられており、画像センサは一の壁体に取り付けられている。
【0014】
この構成によれば、画像センサが一の壁体に取り付けられるため、画像センサの向きを調整しなくても画像センサのセンサ面は便鉢内の水面を指向するようになり、水面に落下した大便を撮影することができる。
【0015】
また、本発明の第5態様に係るトイレ装置では、凹部を構成する壁体のうち一の壁体とは異なる他の壁体は、当該他の壁体の上端が便鉢の外側に向かうようにリムの上面に対して斜めに設けられている。
【0016】
この構成によれば、他の壁体の上端が便鉢の内側に向かうようにリムの上面に対して斜めに設けられている場合に比べて、他の壁体が画像センサの撮影範囲を妨げになることを抑制できる。
【0017】
また、本発明の第6態様に係るトイレ装置では、便座装置の便座が便器に対して閉じられている場合において画像センサとリムの上面との間の距離は、便座において予め定められた撓み距離よりも長く設定されている。
【0018】
この構成によれば、使用者が便座に着座して便座が撓んだ場合でも、画像センサがリムの上面に衝突することを抑制できる。
【0019】
また、本発明の第7態様に係る便座装置は、便鉢の周囲で立設するリムを備える便器の上方に配置される便座装置であって、底面に凹部が形成された便座と、便器の便鉢内を撮影する画像センサであって、凹部において便座の内部の中心点より外側の位置に設けられた画像センサと、を備える。
【0020】
この構成によれば、便座装置が便器に配置されると、便座の底面においてリムに対し上方向に離間した位置に画像センサが設けられるようになる。この結果、便鉢の上方に画像センサが設けられる場合に比べて便鉢と画像センサとの間の距離が長くなるので、便鉢から飛散した尿が画像センサに当たることを抑制でき、もって画像センサが汚れることを抑制できる。また、仮に便座の上面に尿が落ちて本体部の底面に回り込んだ場合でも、凹部に画像センサが設けられているため、重力の関係で尿が凹部にまで回り込むことはなく、もって画像センサが汚れることを一層抑制できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、画像センサが汚れることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係るトイレ装置が設置されたトイレルームを示す斜視図である。
図2図2は、図1のII-II断面を示す断面図である。
図3図3は、トイレ装置において使用者が便座に着座する前後の断面図の様子を示す図である。
図4図4は、本発明の第2実施形態に係るトイレ装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0024】
[第1実施形態]
まず、図1から図3を参照しながら、本発明の第1実施形態に係るトイレ装置1Aについて説明する。図1は、トイレ装置1Aが設置されたトイレルームRを示す斜視図であり、図2は、図1のII-II断面を示す断面図であり、図3は、トイレ装置1Aにおいて使用者が便座に着座する前後の断面図の様子を示す図である。
【0025】
<全体構成>
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係るトイレ装置1Aは、便器2と、便座装置3と、を備える。
【0026】
便器2は、トイレルームRの床面F上に設置されている。便器2は、大便器であり、使用者の便を受ける便鉢21と、便鉢21の周囲で立設するリム22と、を有している。例えば、トイレルームRに設けられた洗浄操作部(不図示)が使用者により操作されると、便鉢21に洗浄水が供給され、便鉢21の洗浄及び便鉢21からの便の排出が行われる。なお、以下の説明では、後述する便座31に着座した使用者から見て前方を「前」、後方を「後」、左方を「左」、右方を「右」という。また、鉛直方向上方を「上」、鉛直方向下方を「下」という。
【0027】
便座装置3は、便器2の上部に取り付けられている。この便座装置3は、本体30と、便座31と、画像センサ32と、ノズル33と、便蓋34と、を備えている。これら本体30と便座31とで便座装置3の「本体部30A」を構成する。なお、便座装置3は、便器2に対して着脱可能に取り付けられてもよいし、便器2と一体となるように取り付けられてもよい。
【0028】
本体30は、画像センサ32やノズル33を制御する不図示の制御装置を備えている。
【0029】
便座31は、便器2の上方に配置される。この便座31は、使用者が排便の際に着座する部材であり、その着座面31Aにより使用者の臀部を支持する。便座31は環状を呈し、その中央部には開口31Bが形成されている。開口31Bは、便座31がリム22上に載置されているとき、便鉢21を開放する。便座31の後端部は本体30に対して軸支されており、これにより、便座31は、リム22上に載置される姿勢と、リム22から離れて便鉢21を大きく開放する姿勢との間で回動可能とされている。
【0030】
画像センサ32は、便器2の便鉢21内を撮影するセンサである。
【0031】
ノズル33は、使用者の局部の洗浄に用いられる。ノズル33は、電動モータ(不図示)により本体30から便鉢21内に進退可能に構成されている。ノズル33が便鉢21内に位置しているときに電磁バルブ(不図示)が開かれることにより、ノズル33は、使用者の局部に向けて水を吐出する。
【0032】
便蓋34は、その後端部が本体30に対して軸支され、便座31を覆う姿勢と、便座31を開放する姿勢との間で回動可能に構成されている。
【0033】
<便座31の詳細>
次に、図2を用いて便座31の詳細について説明する。
【0034】
図2に示すように、便座31は、底板310と、天板311と、を有している。底板310及び天板311はいずれも樹脂材料で形成されている。底板310の内周縁310Aと天板311の内周縁311Aとが溶着され、底板310の外周縁310Bと天板311の外周縁311Bとが溶着されることにより、底板310及び天板311が接合されて便座31を構成している。底板310及び天板311の中央部は互いに間隔を空けて配置されており、これにより、便座31の内部に空隙31Cが形成されている。便座31は、この他にも、底板310の上面に立設されたリブと天板311の下面に立設されたリブとを溶着して接合するもの等、種々の形態を採用し得る。
【0035】
天板311は、曲面である着座面31Aを上方に向けるように配置される。
【0036】
便座31が便器2のリム22上に載置されているとき、底板310は、その一部がリム22の上面22Aと上下方向に対向するとともに、他部が便鉢21の上方に位置するように配置される。これら一部と他部に渡って上方向に凹状の壁体部、すなわち凹部312が設けられている。凹部312は、複数の壁体で構成されている。例えば、凹部312は、一の壁体312Aと、当該一の壁体312Aとは異なる他の壁体312Bと、を含んで構成される。
【0037】
一の壁体312A及び他の壁体312Bは、いずれも底板310と一体的に形成されている。一の壁体312Aには、その上端が便鉢21の内側に向かうようにリム22の上面22Aに対して斜めに設けられている。他の壁体312Bは、その上端が便鉢21の外側に向かうようにリム22の上面22Aに対して斜めに設けられている。これら一の壁体312A及び他の壁体312Bは、それぞれ下端から上端にかけて互いに接近するように延在し、上端において互いに接続されている。これにより、一の壁体312A及び他の壁体312Bには、便座31の外部と連通する凹部312が区画形成されている。
【0038】
また、一の壁体312Aの下端には、凹部312の一部を遮蔽するように、便座31の内側に向かって突出する遮蔽部材313が接続されている。これにより、遮蔽部材313の先端と、当該先端と対向する底板310との間には開口314が形成されている。
【0039】
以上の構成において、画像センサ32は、便座31の底面となる底板310においてリム22の上面22Aに対して上方向に離間した位置であってリム22の内縁部より外側の位置に設けられている。具体的には、画像センサ32は凹部312の内部に設けられている。より具体的には、画像センサ32は凹部312から外部に突出しないように、一の壁体312Aに脱着自在に取り付けられている。さらに具体的には、画像センサ32は一の壁体312Aと他の壁体312Bの双方に当接するように取り付けられ、凹部312において便座31の内部(空隙31C)の中心点Cより外側の位置に設けられる。これにより、画像センサ32のセンサ面32Aは、便鉢21内の水面(不図示)を指向し、開口314を介して画角θ1の範囲に存在する物体を撮影し得る。特に、画像センサ32の画角θ1の中心線Lは、一の壁体312Aと直交し、水面を指向する。
【0040】
また、便座31が便器2に対して閉じられている場合において画像センサ32とリム22の上面22Aとの間の距離は、便座31において予め定められた撓み距離よりも長く設定されている。具体的には、図3(A)及び図3(B)に示すように、使用者Pが便座31の着座面31Aに着座すると、便座31の中央部ほど下方向Dに向かって撓んでいくものの、着座前の画像センサ32とリム22の上面22Aとの間の距離H1は、その最大撓み距離H2よりも長く設定されている。ここで、最大撓み距離H2は、例えば、体重が60kgの使用者Pが着座面31Aに着座したときの便座31における最も内側の部分の撓み量と定義することができる。
【0041】
<作用効果>
以上、第1実施形態に係るトイレ装置1Aは、便鉢21の周囲で立設するリム22を備える便器2と、便器2の上方に配置される便座装置3と、便器2の便鉢21内を撮影する画像センサ32であって、便座装置3、特に便座31の底面においてリム22に対し上方向に離間した位置に設けられた画像センサ32と、を備える。
【0042】
この構成によれば、便鉢21の上方に画像センサ32が設けられる場合に比べて便鉢21と画像センサ32との間の距離が長くなるので、便鉢21から飛散した尿が画像センサ32に当たることを抑制でき、もって画像センサ32が汚れることを抑制できる。
また、この構成によれば、画像センサ32が便座装置3の内部に設けられる場合に比べて、便座装置3を分解する必要がなく、画像センサ32の点検が容易となる。
また、図3(A)及び図3(B)に示すように、使用者Pが着座面31Aに着座すると、便座31の中央部ほど下方向Dに向かって撓んでいくため、便鉢21の上方に画像センサ32が設けられる場合に比べてリム22の上方に画像センサ32が設けられる方が、画像センサ32の画角θ1の中心線Lの角度のズレを抑制できる。すなわち、リム22の上方に画像センサ32が設けられる方が、便座31が撓む前の中心線Lの角度θ2と便座31が撓んだ後の中心線Lの角度θ3との差分を小さくできる。
【0043】
また、トイレ装置1Aでは、便座装置3の底面に凹部312が形成されており、凹部312に画像センサ32が設けられている。
【0044】
この構成によれば、仮に便座装置3の上面に尿が落ちて便座装置3の底面に回り込んだ場合でも、凹部312に画像センサ32が設けられているため、重力の関係で尿が凹部312にまで回り込むことはなく、もって画像センサ32が汚れることを一層抑制できる。また、凹部312から画像センサ32が突出しないので、便座装置3の便座31が撓んでも画像センサ32がリム22に接触し、当該画像センサ32が故障することを抑制できる。
【0045】
また、トイレ装置1Aでは、画像センサ32のセンサ面32Aは、便鉢21内の水面を指向している。
【0046】
この構成によれば、水面に落下した大便を撮影することができる。
【0047】
また、トイレ装置1Aでは、凹部312を構成する壁体のうち一の壁体312Aは、当該一の壁体312Aの上端が便鉢21の内側に向かうようにリム22の上面に対して斜めに設けられており、画像センサ32は一の壁体312Aに取り付けられている。
【0048】
この構成によれば、画像センサ32が一の壁体312Aに取り付けられるため、画像センサ32の向きを調整しなくても画像センサ32のセンサ面32Aは便鉢21内の水面を指向するようになり、水面に落下した大便を撮影することができる。
【0049】
また、トイレ装置1Aでは、凹部312を構成する壁体のうち一の壁体312Aとは異なる他の壁体312Bは、当該他の壁体312Bの上端が便鉢21の外側に向かうようにリム22の上面に対して斜めに設けられている。
【0050】
この構成によれば、他の壁体312Bの上端が便鉢21の内側に向かうようにリム22の上面に対して斜めに設けられている場合に比べて、他の壁体312Bが画像センサ32の撮影範囲を妨げになることを抑制できる。
【0051】
また、トイレ装置1Aでは、便座装置3の便座31が便器2に対して閉じられている場合において画像センサ32とリム22の上面22Aとの間の距離は、便座31において予め定められた撓み距離よりも長く設定されている。
【0052】
この構成によれば、使用者Pが便座31に着座して便座31が撓んだ場合でも、画像センサ32がリム22の上面22Aに衝突することを抑制できる。
【0053】
また、本発明の第7態様に係る便座装置は、便鉢21の周囲で立設するリム22を備える便器2の上方に配置される便座装置3であって、底面に凹部312が形成された便座31と、便器2の便鉢21内を撮影する画像センサ32であって、凹部312において便座31の内部の中心点より外側の位置に設けられた画像センサ32と、を備える。
【0054】
この構成によれば、便座装置3が便器2に配置されると、便座31の底面においてリム22に対し上方向に離間した位置に画像センサ32が設けられるようになる。この結果、便鉢21の上方に画像センサ32が設けられる場合に比べて便鉢21と画像センサ32との間の距離が長くなるので、便鉢21から飛散した尿が画像センサ32に当たることを抑制でき、もって画像センサ32が汚れることを抑制できる。また、仮に便座31の上面に尿が落ちて便座31の底面に回り込んだ場合でも、凹部312に画像センサ32が設けられているため、重力の関係で尿が凹部312にまで回り込むことはなく、もって画像センサ32が汚れることを一層抑制できる。
【0055】
[第2実施形態]
次に、図4を参照しながら、本発明の第2実施形態に係るトイレ装置1Bについて説明する。図4は、第2実施形態に係るトイレ装置1Bの断面図である。
【0056】
図4に示すように、トイレ装置1Bでは、第1実施形態のトイレ装置1Aに比べて便座31から凹部312が省略されている。代わりに、トイレ装置1Bの便座31は、脚部316と、取付台318と、を備えている。
【0057】
脚部316は、便座31の底板310において取付台318よりも外側に設けられている。ここで、脚部316の上下方向の長さは、取付台318や画像センサ32の上下方向の長さよりも長い。
【0058】
取付台318は、底板310においてリム22の上方の位置に設けられており、底板310から便鉢21内に向かって斜め下方向に突出している。この取付台318には画像センサ32が取り付けられている。これにより、画像センサ32は、便座31の底面においてリム22に対し上方向に離間した位置に設けられ、画像センサ32のセンサ面32Aは、便鉢21内の水面を指向するようになる。
【0059】
以上、第2実施形態に係るトイレ装置1Bでは、第1実施形態と同様、便鉢21の上方に画像センサ32が設けられる場合に比べて便鉢21と画像センサ32との間の距離が長くなるので、便鉢21から飛散した尿が画像センサ32に当たることを抑制でき、もって画像センサ32が汚れることを抑制できる。また、便座31に新たに凹部312を形成する必要がないので、既製品の便座31にも画像センサ32を取り付けることができる。この際、取付台318を省略し、画像センサ32を便座31の底面に直接取り付けてもよい。また、脚部316を設けることにより、便座31を閉じたときに画像センサ32がリム22に衝突することを防止できる。また、画像センサ32の外側に脚部316が設けられていることにより、画像センサ32を使用者Pの視界から遮蔽することで、使用者Pへの心理的影響を抑えることができる。
【0060】
[変形例]
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記実施形態に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
【0061】
例えば、第1実施形態では、一の壁体312Aは、当該一の壁体312Aの上端が便鉢21の内側に向かうようにリム22の上面に対して斜めに設けられる場合を説明したが、リム22の上面に対して鉛直方向に設けられてもよい。同様に、他の壁体312Bも、リム22の上面に対して鉛直方向に設けられてもよい。
【0062】
また、第1実施形態では、画像センサ32が一の壁体312Aに設けられる場合を説明したが、凹部312を構成する別の壁体、例えば他の壁体312Bに設けられてもよい。
【0063】
また、凹部312は、底板310の一部と他部に渡って設けられる場合を説明したが、底板310の他部にのみ設けられてもよい。
【0064】
また、第1実施形態及び第2実施形態では、画像センサ32は便座31に設けられる場合を説明したが、便座装置3の本体30に設けられてもよい。言い換えれば、画像センサ32は便座装置3の本体部30Aの底面に設けられてもよい。この場合、第1実施形態で説明した凹部312は本体部30Aの底面に形成されることになる。ただし、画像センサ32が便座31の底面に設けられる方が、本体30の底面に設けられる場合に比べて、便座31が開け閉めできることから、容易に画像センサ32に手が届き、画像センサ32の清掃性の向上と交換性の向上を図ることができる。逆に、画像センサ32が本体30の底面に設けられる方が、便座31の底面に設けられる場合に比べて、使用者Pが便座31に着座しても本体30が撓むことはなく又は撓んだとしてもその撓み量は少なく、もって画像センサ32の画角θ1がずれることを抑制できる。
【0065】
また、第1実施形態では説明を省略したが、便座31の空隙31Cには着座面31Aを温める加熱部としてのヒータが設けられてもよい。これにより、画像センサ32のセンサ面32Aにも熱が伝わるようになり、センサ面32Aに付着した水滴を蒸発させることができる。水滴を蒸発させる観点からは、ヒータの直下等、ヒータの付近の底面に画像センサ32が設けられることが好ましい。
【符号の説明】
【0066】
1A、1B…トイレ装置、2…便器、3…便座装置、21…便鉢、22…リム、31…便座、32…画像センサ、312:凹部、312A:一の壁体、312B:他の壁体

図1
図2
図3
図4