(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121025
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】方法、情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 50/30 20180101AFI20240830BHJP
G16Y 10/60 20200101ALI20240830BHJP
【FI】
G16H50/30
G16Y10/60
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021112560
(22)【出願日】2021-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】520147647
【氏名又は名称】株式会社Be-A Japan
(74)【代理人】
【識別番号】100138221
【弁理士】
【氏名又は名称】影山 剛士
(72)【発明者】
【氏名】高橋 くみ
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】生理の管理をより簡易かつ効率的に実行できること。
【解決手段】本開示による方法は、プロセッサが、吸水ショーツに付された識別部に基づく識別処理により、前記吸水ショーツの着用に係る情報を取得することと、前記着用に係る情報の取得に基づいて、前記吸水ショーツの使用者の生理の管理に係る情報に、前記吸水ショーツの着用のタイミングに係る情報を紐付けて出力することと、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサが、
吸水ショーツに付された識別部に基づく識別処理により、前記吸水ショーツの着用に係る情報を取得することと、
前記着用に係る情報の取得に基づいて、前記吸水ショーツの使用者の生理の管理に係る情報に、前記吸水ショーツの着用のタイミングに係る情報を紐付けて出力することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記着用に係る情報の取得に基づいて、前記使用者による前記吸水ショーツの使用回数に関する情報をさらに出力する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記着用に係る情報は、前記吸水ショーツの種類に関する情報を含み、
前記吸水ショーツの種類に関する情報と、前記使用者による前記吸水ショーツの使用回数に関する情報に基づいて、前記吸水ショーツの使用状況に関する情報をさらに出力する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記吸水ショーツの使用状況に関する情報は、前記吸水ショーツの交換および/または購入に関する情報を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記生理の管理に係る情報は、生理のスケジュールに関する情報を含み、
前記着用に係る情報の取得に基づいて、前記着用のタイミングを前記使用者の生理のタイミングとして、前記生理のスケジュールに関する情報に紐づける、請求項1~4に記載の方法。
【請求項6】
前記生理のスケジュールに関する情報に基づいて、前記使用者の生理の周期を推定し、当該周期に係る情報に基づいて前記使用者の所定の行動に関する情報を出力する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記使用者の所定の行動に関する情報は、前記使用者による前記吸水ショーツの着用の有無に関する情報および前記使用者の身体的活動の推奨に関する情報の少なくともいずれかを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
複数の使用者の前記生理の管理に係る情報に基づいて、一の使用者と共通するステータスにある少なくとも一の他の使用者に関する情報を出力する、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記識別部は、前記吸水ショーツに付されるタグを含み、
前記吸水ショーツを使用する使用者が端末を用いて前記タグを読み込むことにより得られる識別処理により、前記吸水ショーツの着用に係る情報を取得する、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記識別部は、前記吸水ショーツに付され、所定のセンサを有するデバイスを含み、
前記所定のセンサにより得られるセンサ情報に基づく識別処理により、前記吸水ショーツの着用に係る情報を取得する、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記デバイスは、前記吸水ショーツに縫いこまれ、前記所定のセンサにより少なくとも水分を検出するデバイスであり、
前記識別処理は、前記デバイスの前記所定のセンサが所定の水分量を検出することにより前記使用者が着用したことを識別する処理である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記識別処理は、前記使用者を識別する使用者情報の認証結果に基づき、前記使用者が前記吸水ショーツを着用したことを識別する処理を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記吸水ショーツの使用者の生理の管理に係る情報に、吸水ショーツの着用のタイミングにおける環境情報を紐づけて出力する、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
吸水ショーツに付された識別部に基づく識別処理により、前記吸水ショーツの着用に係る情報を取得する取得部と、
前記着用に係る情報の取得に基づいて、前記吸水ショーツの使用者の生理の管理に係る情報に、前記吸水ショーツの着用のタイミングに係る情報を紐付けて出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
【請求項15】
コンピュータを、
吸水ショーツに付された識別部に基づく識別処理により、前記吸水ショーツの着用に係る情報を取得する取得部と、
前記着用に係る情報の取得に基づいて、前記吸水ショーツの使用者の生理の管理に係る情報に、前記吸水ショーツの着用のタイミングに係る情報を紐付けて出力する出力部と、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、方法、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
生理用品として従来は使い捨てだったナプキンに代わり、繰り返し洗濯して使用できる下着タイプの吸収ショーツの開発が進められている。例えば、特許文献1には、洗濯しやすい生理用の吸収ショーツに係る技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
生理の管理をより簡易かつ効率的に行われていることが求められている。
【0005】
そこで、本開示は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、生理の管理をより簡易かつ効率的に実行できることが可能な方法、情報処理装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によれば、プロセッサが、吸水ショーツに付された識別部に基づく識別処理により、前記吸水ショーツの着用に係る情報を取得することと、前記着用に係る情報の取得に基づいて、前記吸水ショーツの使用者の生理の管理に係る情報に、前記吸水ショーツの着用のタイミングに係る情報を紐付けて出力することと、を含む方法が提供される。
【0007】
また、本開示によれば、吸水ショーツに付された識別部に基づく識別処理により、前記吸水ショーツの着用に係る情報を取得する取得部と、前記着用に係る情報の取得に基づいて、前記吸水ショーツの使用者の生理の管理に係る情報に、前記吸水ショーツの着用のタイミングに係る情報を紐付けて出力する出力部と、を備える情報処理装置が提供される。
【0008】
また、本開示によれば、コンピュータを、吸水ショーツに付された識別部に基づく識別処理により、前記吸水ショーツの着用に係る情報を取得する取得部と、前記着用に係る情報の取得に基づいて、前記吸水ショーツの使用者の生理の管理に係る情報に、前記吸水ショーツの着用のタイミングに係る情報を紐付けて出力する出力部と、として機能させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、生理の管理をより簡易かつ効率的に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態に係る生理管理システム1の構成例を示す図である。
【
図2】同実施形態に係るサーバ10を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】同実施形態に係るサーバ10のソフトウェア構成例を示す図である。
【
図4】同実施形態に係る着用情報DB101の一例を示すテーブルである。
【
図5】同実施形態に係る生理情報DB102の一例を示すテーブルである。
【
図6】同実施形態に係るチェックイン処理を行うためにユーザ端末20に表示される画面の一例である。
【
図7】同実施形態に係るチェックイン処理後にユーザ端末20に表示される画面の一例である。
【
図8】同実施形態に係る生理に関する関連情報を取得するためにユーザ端末20に表示される画面の一例である。
【
図9】同実施形態に係る所定の行動に関する情報を提示するためにユーザ端末20に表示される画面の一例である。
【
図10】同実施形態に係る生理管理システム1における一連の制御に係るフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
図1は、本開示の一実施形態に係る生理管理システム1の構成例を示す図である。図示するように、本実施形態に係る生理管理システム1は、クラウドサーバ10(以下、サーバ10と称する)と、ユーザ端末20と、下着30を備える。サーバ10と、ユーザ端末20とは、ネットワークNWを介して通信可能に接続されている。なお、本構成は一例であり、ある構成が他の構成を兼ね備えていたり、他の構成が含まれていたりしてもよい。また、本実施形態ではサーバ10が後述する主機能を有する構成であるが、かかる主機能の一部または全部はユーザ端末20が有する構成であってもよい。すなわち、生理管理システム1は、サーバ10またはユーザ端末20のいずれかのみで構成されていてもよいし、サーバ10とユーザ端末20とが共同で構成するものであってもよい。
【0013】
本実施形態においてネットワークNWはインターネットを想定している。ネットワークNWは、例えば、公衆電話回線網、携帯電話回線網、無線通信網、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0014】
サーバ10は、例えば、ユーザの生理の状況や体調、生理に関わるスケジュール等を管理し、またはかかる管理情報に基づきユーザに情報を出力する処理を行うためのコンピュータである。かかるサーバ10は、例えば、ユーザの生理情報に関する収集や収集したデータに基づくサービスを提供する組織により管理されてもよい。
【0015】
また、例えば、サーバ10は、ワークステーションまたはパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウドコンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0016】
ユーザ端末20は、例えば、自身の生理情報の管理等を行うユーザが使用する端末である。かかる端末は、ユーザにより操作され得る。例えば、ユーザ端末20は、スマートフォン、タブレットコンピュータまたはパーソナルコンピュータ等であり得る。
【0017】
下着30は、例えば女性用の生理用の吸水ショーツである。かかる吸水ショーツの構造および特性は、例えば特許第6725958号に開示されるものであってもよい。吸水ショーツは、使い捨てのものであってもよいし、繰り返し使用できるものであってもよい。
【0018】
下着30にはタグ31が付されている。タグ31は識別部の一例である。タグ31は、例えばRFIDやNFC(Near Field Communication)等に基づくタグであってよい。例えば、タグ31はユーザ端末20と通信可能に設けられ得る。具体的には、タグ31にユーザ端末20をかざすことで、タグ31のユーザ端末20による読み取りと識別処理が行われる。ここでいう識別処理とは、ユーザ端末20によりタグ31が付された下着30の識別に係る処理を意味する。ユーザ端末20によるタグ31の識別処理の結果は、サーバ10に送信され得る。
【0019】
なお、識別部の例は上述したタグ31に限定されない。例えば、下着30にセンサおよびデバイスが組み込まれている場合に、センサがユーザの下着30の着用等を検出した場合に、デバイスがユーザ端末20やサーバ10に対して、通信により上述した識別処理の結果を送信し得る。センサの種類は特に限定されず、ユーザと下着30との接触または非接触の検出や、ユーザから排出される体液等の検出など、ユーザによる下着30の着用を特定可能なものであればよい。例えば、かかるデバイスは、下着30に縫い込まれ、センサにより少なくとも水分を検出するデバイスであってもよい。この場合識別処理は、当該センサが所定の水分量を検出することにより、着用したことを特定するものであってもよい。なお、タグ31はQRコード(登録商標)など、画像認識により識別処理を可能とするものであってもよいが、プライバシー保護の観点から、画像認識以外の方法でタグ31の読み取りが可能な方式を用いることが好ましい。ただし、画像認識による識別処理は本技術の範疇に含まれ得る。
【0020】
また、識別処理は、使用者であるユーザを識別する使用者情報の認証結果に基づき、ユーザが下着30を着用したことを識別する処理であってもよい。使用者情報の認証は、例えば、初めて着用する下着30の識別処理の際にユーザの認証を行って下着30とユーザ情報とを紐づけておき、2回目以降において識別処理を行う際に、下着30のタグ31を読み取ったときに、ユーザ情報と紐づけられているユーザ端末20による読み取りでのみ識別処理が行われるよう、タグ31とユーザ情報との照会が行われることで実現され得る。これにより、下着30に関してユーザのみがユーザ情報にアクセスすることができ、セキュリティが向上し得る。また、かかる下着30を複数人で使用する場合は、かかる使用者情報の認証が行われてもよい。これにより、下着30が誰による使用なのかを識別することができる。
【0021】
本実施形態に係る生理管理システム1の概要について説明する。ユーザは、例えば、生理のある日においてタグ31が付された下着30を着用する。その際に、ユーザはユーザ端末20をタグ31に近づけて識別処理を行う。そうすると、例えば、ユーザ端末20には、ユーザが下着30を着用したことを示す画面(もしくは着用したか否かを確認する画面)が表示され得る。また、例えば、かかる識別処理により、ユーザが下着30を着用したことが分かるため、サーバ10は、かかる識別処理の結果に基づいて、ユーザが生理の状態にあることを記録し得る。かかる記録は、後述する各種データベースにおいて、下着30の着用の履歴とともに、生理があったことを示すスケジュールのデータとして紐づけられる。これにより、下着30を着用しただけで、自動的に生理のスケジュールを記録することができる。以下、本実施形態の詳細について説明する。
【0022】
図2は、本実施形態に係るサーバ10を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。コンピュータは、少なくとも、制御部11、メモリ12、ストレージ13、通信部14および入出力部15等を備える。これらはバス16を通じて相互に電気的に接続される。
【0023】
制御部11は、サーバ10全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、及びアプリケーションの実行及び認証処理に必要な情報処理等を行う演算装置である。例えば制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、ストレージ13に格納されメモリ12に展開されたプログラム等を実行して各情報処理を実施する。
【0024】
メモリ12は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリまたはHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ12は、制御部11のワークエリア等として使用され、また、サーバ10の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、及び各種設定情報等を格納する。
【0025】
ストレージ13は、アプリケーション・プログラム等の各種プログラムを格納する。各処理に用いられるデータを格納したデータベースがストレージ13に構築されていてもよい。
【0026】
通信部14は、サーバ10をネットワークに接続する。通信部14は、例えば、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、Wi-Fi(Wireless Fidelity、登録商標)、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)、近距離または非接触通信等の方式で、外部機器と直接またはネットワークアクセスポイントを介して通信する。
【0027】
入出力部15は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等の情報入力機器、及びディスプレイ等の出力機器である。
【0028】
バス16は、上記各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号及び各種制御信号を伝達する。
【0029】
本実施形態に係るユーザ端末20を実現するコンピュータやスマートフォン等の端末のハードウェア構成は、
図2に示すサーバ10のハードウェア構成例と同様であるため、説明を省略する。
【0030】
図3は、本実施形態に係るサーバ10のソフトウェア構成例を示す図である。サーバ10は、着用情報DB101、生理情報DB102、着用情報取得部103、ユーザ情報管理部104、環境情報取得部105、推奨情報生成部106および出力部107を備える。着用情報取得部103、ユーザ情報管理部104、環境情報取得部105、推奨情報生成部106および出力部107は、制御部11がストレージ13に記憶されているプログラムをメモリ12に読み出して実行することにより実現され得る。また、着用情報DB101および生理情報DB102は、メモリ12およびストレージ13が提供する記憶領域の一部として実現され得る。なお、試験/推定DB106は、サーバ10以外の一または複数のサーバが提供する外部の記憶領域の一部として実現されてもよい。
【0031】
着用情報DB101は、タグ31の識別処理に基づいて、後述する着用情報取得部103が取得した着用情報を格納するデータベースである。
【0032】
図4は、本実施形態に係る着用情報DB101の一例を示すテーブルである。
図4に示す着用情報のテーブル1000は、チェックインNo.と、製品No.と、シリアルNo.と、識別時刻と、チェックイン回数との情報を含みうる。なお、着用情報としては、
図4に示した例以外の情報が含まれてもよい。
【0033】
チェックインNo.とは、ユーザ端末20によりタグ31を読み取ることで生じる識別処理(本明細書では、かかる一連のユーザの動作を含む処理をチェックインという)を識別する数字である。製品No.とは、タグ31が付された下着30がどの製品であるかを識別する数字である。シリアルNo.は、下着30の個体情報を識別する数字である。識別時刻は、識別処理が行われた時刻である。チェックイン回数とは、同一のシリアルNo.の下着30に対するチェックインの回数を示す数字である。チェックイン回数は、下着30の使用状況に関する情報の一例である。なお、下着30を複数のユーザにより使用している場合は、かかるチェックイン回数は、ユーザごとの使用回数であってもよいし、すべてのユーザによる使用回数であってもよい。すべてのユーザによる使用回数を管理することで、買い替え等の時期をより正確にレコメンドすることができる。
【0034】
かかるテーブル1000は、ユーザごとに紐づけて管理され得る。これにより、ユーザの過去のチェックインに関する情報(例えば、着用した下着の種類、下着の着用回数当)を管理することができる。
【0035】
生理情報DB102は、ユーザの生理に関する情報(生理情報)を管理するデータベースである。例えば、生理情報DB102は、生理情報として、ユーザの生理のスケジュールに関する情報であるスケジュール情報を格納する。
【0036】
図5は、本実施形態に係る生理情報DB102の一例を示すテーブルである。
図5に示すスケジュール情報のテーブル1010は、対象日と、生理の有無と、経血量と、体調と、服薬の有無との情報を含みうる。なお、スケジュール情報としては、
図5に示した例以外の情報が含まれてもよい。例えば、対象日の体温等の情報が含まれてもよい。
【0037】
対象日は、後述する生理の有無があったかどうかを判定する日付に関する情報である。対象日は、時系列に一日ずつ格納されていてもよい。生理の有無は、対象日において生理があったかどうかを示す情報である。経血量は、対象日において、経血の量の程度を示す情報である。経血の量を下着30に設けられたセンサ等により得ることができる場合は、経血の量の情報が含まれていてもよい。体調は、対象日における頭痛や吐き気等の生理に関連する症状等を示す情報である。服薬は、対象日において痛み止めやピル等を服薬したかどうかを示す情報である。服薬においては、服薬した薬の種類や量等の情報が含まれてもよい。
【0038】
着用情報取得部103は、下着30に付されたタグ31に基づく識別処理により、下着30の着用に係る情報(着用情報)を取得する機能を有する。識別処理は上述のように、例えば、ユーザがユーザ端末20をタグ31にかざすことでタグ31の情報がユーザ端末20に読み取られ、ユーザ端末20による識別処理の結果を着用情報取得部103が通信を介して取得し得る。
【0039】
このとき、例えば、識別処理が完了した場合に、ユーザ端末20には、「チェックインしますか?」のようにチェックイン処理をユーザに完了させるかどうかを示す画面が表示されてもよい。
図6は、本実施形態に係るチェックイン処理を行うためにユーザ端末20に表示される画面の一例である。
図6に示すように、画面1020には、識別処理が行われたときに、チェックイン処理を行うか否かをユーザに選択させるためのボタン1021と、チェックイン処理を行った(つまりタグ31が付された)下着30の情報を示すテキスト情報1022と、新品の購入や交換等のレコメンドを提示するテキスト情報1023とが含まれ得る。
【0040】
ユーザ端末20を操作するユーザは、例えば、チェックイン処理を行ったときにテキスト情報1022を見て、使いまわした下着30を着用するか、他の下着にするかを検討する可能性がある。そこでユーザが他の下着を着用しなおす場合には、ボタン1021の「NO」を選択して、チェックイン処理を中止することができる。また、新しい下着の購入を推奨された場合は、テキスト情報1023について操作をするだけで、簡単に購入の手続きを進めることができる。
【0041】
ユーザ情報管理部104は、着用情報に基づいて、下着30の使用者であるユーザの生理の管理に係る情報(生理情報)を管理する機能を有する。上例えば、ユーザ情報管理部104は、着用情報に基づいて、生理情報に下着30の着用のタイミングに係る情報を紐づける。着用のタイミングとは、上述した着用情報の識別時刻に対応する。生理情報は、他にも、ユーザの生理時の状況や、婦人科に関連する病気の現病歴、既往歴等の情報、普段から使用している薬や製品等の情報を含んでもよい。
【0042】
例えば、ユーザ情報管理部104は、かかる識別時刻をもとに、スケジュール情報の「対象日」に生理があったことを示す情報をスケジュール情報の「生理の有無」に記憶してもよい。つまり、ユーザ情報管理部104は、例えば2021年6月26日に下着30の着用があったことが識別されれば、「対象日」が2021年6月26日のときに、「生理の有無」の情報が「有」となるように、紐づけて記憶してもよい。なお、識別時刻が18時以降など、所定の時刻以降の時刻である場合は、識別時刻が示す日の次の日も生理があるものとして、ユーザ情報管理部104は記憶してもよい。このように、ユーザ情報管理部104は、下着30の着用のタイミングをユーザの生理のタイミングとして紐づけ得る。これにより、下着30の着用のチェックイン処理を行うだけで、自動的に生理のスケジュールを登録することができる。
【0043】
図7は、本実施形態に係るチェックイン処理後にユーザ端末20に表示される画面の一例である。
図7に示す画面1030は、生理のスケジュールに係るカレンダー1031と、テキスト情報1032を含みうる。チェックイン処理が完了すると、ユーザ情報管理部104は、上述の通り、識別時刻に基づいて生理の対象日を特定し得る。特定された生理日は、カレンダー1031に反映され得る。
【0044】
また、ユーザ情報管理部104は、ユーザ端末20等から生理に関する関連情報を取得し、生理情報に紐づけてもよい。かかる関連情報は、例えばユーザ端末20に入力画面を表示させ、かかる入力画面にユーザが入力することで取得されてもよい。
【0045】
図8は、本実施形態に係る生理に関する関連情報を取得するためにユーザ端末20に表示される画面の一例である。かかる画面1040は、例えば、
図7に示したカレンダーにおいて、対象日である日付をタップした場合等に表示され得る。
図8に示す画面1040は、気象情報を示すテキスト1041と、対象日の体温を入力させるボックス1042と、対象日の出血の状況を選択させるボタン1043と、対象日の体調を選択させるボタン1044とを含みうる。ユーザは、例えば、ユーザ端末20に表示された画面1040に対して、適宜情報を入力することができる。また、例えば、体温や出血の有無、量および状態等については、他の体温計や下着30に備えられたデバイス等から得られた情報であってもよい。入力された情報は、関連情報としてユーザ情報管理部104により取得され、ユーザ情報管理部104が生理情報として、チェックインの日付に基づいて特定される対象日と生理の有無の情報とに紐づけて記憶する。
【0046】
環境情報取得部105は、環境情報を取得する機能を有する。環境情報は、例えば、気象情報やその他外部の情報を含みうる。外部の情報は、例えば、株価等の市況の情報や、交通情報等であり得る。取得した情報は、例えばユーザの生理情報に紐づけられたり、
図8で示したような画面1040のテキスト1041に表示されうる。かかる環境情報は、例えば、ユーザの生理の状況と気象等の環境との相関を分析するために用いられ得る。
【0047】
推奨情報生成部106は、生理情報(特にスケジュール情報)に基づいて、ユーザの生理の周期を推定し、当該周期に係る情報に基づいてユーザの所定の行動に関する情報を生成する。所定の行動に関する情報とは、例えば、下着30の着用の有無に関する情報を含む。具体的には、推定された生理の周期に含まれる日において下着30の着用情報がなかった場合に、推奨情報生成部106は、下着30を着用することを推奨する情報を生成し得る。また、この場合、推奨情報生成部106は、生理が終わったか否かを確認するための情報を生成してもよい。
【0048】
図9は、本実施形態に係る所定の行動に関する情報を提示するためにユーザ端末20に表示される画面の一例である。
図9に示す画面1050は、
図7に示す画面1030と同様に、カレンダー1051と、推奨情報生成部106により生成される情報を含むテキスト1052を含みうる。
図9に示す例では、2021年6月27日にチェックインがなかった(つまり着用情報が得られなかった)場合に、推奨情報生成部106は、チェックインがなかったことを示すテキスト1052を表示し得る。このとき、チェックインがなかったことの理由についてユーザに提示する文章が付されてもよい。例えば、チェックインがなかったのは下着30の穿き忘れだったのか、それともユーザの生理が終了したのかを問うようなテキストが表示されてもよい。かかるテキストに対してはユーザの選択による回答が可能なように、画面1050の表示が制御されてもよい。
【0049】
また、所定の行動に関する情報は、ユーザの身体的活動の推奨に関する情報を含んでもよい。ユーザの身体的活動の推奨に関する情報は、例えば、生理周期に基づくダイエットに適した期間に関する情報や、生理周期に基づく妊娠の確率が向上する期間(例えば排卵日等)に関する情報等であり得る。推奨情報生成部106がかかる情報を生成し、ユーザに対して出力することで、生理周期を考慮してより効果的な行動を促すことができる。また、上記の所定の行動については、その行動を実施したことを示す情報がユーザにより入力されたり、入力された情報がサーバ10やユーザ端末20に記憶されてもよい。かかる実施をしたことを示す情報は、
図9等に示したカレンダー上に表示されてもよい。
【0050】
なお、推奨情報生成部106は、例えば、過去のユーザの生理の対象日の分布や、他のユーザの生理の対象日の分布等に基づいて、生理の周期を推定してもよい。他のユーザを参照する場合は、例えば、ユーザの年齢や誕生日、体質や既往歴、現病歴等の属性の情報を考慮してもよい。
【0051】
出力部107は、上述したユーザ情報管理部104、環境情報取得部105および推奨情報生成部106が取得したり生成した情報(例えば着用情報、生理情報、スケジュール情報等)を出力する機能を有しうる。出力部107は、例えば、上述した情報を、ユーザ端末20や、外部のサーバ等に出力し得る。出力部107は、例えば、
図6や
図8に示したようなユーザに操作させる画面や、
図7や
図9に示したようなカレンダーの画面等の表示をユーザ端末20に出力させる機能を有し得る。また、出力部107は、上記情報に関連する情報をユーザ端末20に出力してもよい。例えば、ユーザが生理中である期間においては、体調や健康に関するアドバイスや応援メッセージ、インターネット上で公開されている関連情報等の情報を、ユーザ端末20に出力してもよい。当該情報は、例えばサーバ10等においてテキスト情報や画像情報として格納され得る。
【0052】
また、出力部107は、外部のサーバ等に上記の情報を出力しうる。外部のサーバとは、例えば、医療機関、行政機関、研究機関、保険会社、学校、一般企業、スポーツ関連企業など、利用者の生理に関する情報を利用し、または利用者の健康や体調を管理するための個人や組織等が使用するために、上記情報を格納し得るサーバであり得る。また、出力部107は、他のアプリケーションに対して、上記情報をAPI(Application Programming Interface)等を介して提供してもよい。他のアプリケーションは、例えば、生理や更年期等を対象とした健康管理アプリや、ジムなどのスポーツ関連のアプリや、美容アプリや、カレンダー等のアプリ等であり得る。また、出力部107は、腕時計型デバイスなど、他のデバイス等に上記の情報を出力してもよい。
【0053】
また、出力部107は、複数のユーザの生理の管理に係る情報に基づいて、一のユーザと共通するステータスにある少なくとも一の他のユーザに関する情報を出力してもよい。例えば、生理管理システム1においてSNS(Social Networking Service)が提供される場合において、同様のステータス(例えば、ユーザと生理期間が重なっていたり、ユーザの生理中の体調と同様の体調を示している)他のユーザの情報等を、出力してもよい。具体的には、他のユーザが対象日における生理や体調の状況についてテキストを入力して公開した場合に、同様のステータスにある一のユーザに対して、該テキストに係る情報を出力し得る。これにより、同じような境遇にあるユーザ同士で、情報交換したり、連帯を感じることができる。
【0054】
図10は、同実施形態に係る生理管理システム1における一連の制御に係るフローチャート図である。以下、チェックイン処理とカレンダーへの反映処理の一例について説明する。
【0055】
まず、ユーザは、下着30の着用の際に、ユーザ端末20を用いて下着30に付されているタグ31(識別部)を読み取る(ステップS101)。タグ31を読み取ると、ユーザ端末20において、識別処理を行うかどうか(下着30を着用するかどうか)の確認画面が表示される(ステップS103)。かかる処理は、タグ31を読み取った際にユーザ端末20において動作するアプリケーション(ウェブサーバを介するものも含む)により行われるものでありうる。
【0056】
次に、着用情報取得部103は、識別処理により、下着30の着用の情報を取得し、ユーザ情報管理部104は、識別処理を行った識別時刻に対応する日(チェックイン日)を着用情報として記録する(ステップS105)。かかるチェックイン日は、生理のあった日として記録され得る。そして、出力部107は、チェックイン日が記録されたことを、カレンダーにて表示し得る(ステップS107)。
【0057】
以上説明したように、本実施形態に係る生理管理システム1によれば、生理用の下着30に付されたタグ31を読み取ることで、ユーザの生理のタイミングを自動的に記録することができる。これにより、ユーザは生理用の下着を利用しながら、生理の管理を効率的かつ簡便に行うことができる。また、かかる生理管理システム1によれば、下着30の使用回数等を管理することができ、下着30の購入や交換などの最適な時期を把握することができる。これにより、ユーザは生理用下着にかかるコストを押さえつつ、快適に利用することができる。
【0058】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0059】
本明細書において説明した装置は、単独の装置として実現されてもよく、一部または全部がネットワークで接続された複数の装置(例えばクラウドサーバ)等により実現されてもよい。例えば、サーバ10の制御部11およびストレージ13は、互いにネットワークで接続された異なるサーバにより実現されてもよい。
【0060】
本明細書において説明した装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。本実施形態に係るサーバ10の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、PC等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【0061】
また、本明細書においてフローチャート図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【0062】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0063】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(項目1)
プロセッサが、
吸水ショーツに付された識別部に基づく識別処理により、前記吸水ショーツの着用に係る情報を取得することと、
前記着用に係る情報の取得に基づいて、前記吸水ショーツの使用者の生理の管理に係る情報に、前記吸水ショーツの着用のタイミングに係る情報を紐付けて出力することと、
を含む方法。
(項目2)
前記着用に係る情報の取得に基づいて、前記使用者による前記吸水ショーツの使用回数に関する情報をさらに出力する、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記着用に係る情報は、前記吸水ショーツの種類に関する情報を含み、
前記吸水ショーツの種類に関する情報と、前記使用者による前記吸水ショーツの使用回数に関する情報に基づいて、前記吸水ショーツの使用状況に関する情報をさらに出力する、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記吸水ショーツの使用状況に関する情報は、前記吸水ショーツの交換および/または購入に関する情報を含む、項目3に記載の方法。
(項目5)
前記生理の管理に係る情報は、生理のスケジュールに関する情報を含み、
前記着用に係る情報の取得に基づいて、前記着用のタイミングを前記使用者の生理のタイミングとして、前記生理のスケジュールに関する情報に紐づける、項目1~4に記載の方法。
(項目6)
前記生理のスケジュールに関する情報に基づいて、前記使用者の生理の周期を推定し、当該周期に係る情報に基づいて前記使用者の所定の行動に関する情報を出力する、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記使用者の所定の行動に関する情報は、前記使用者による前記吸水ショーツの着用の有無に関する情報および前記使用者の身体的活動の推奨に関する情報の少なくともいずれかを含む、項目6に記載の方法。
(項目8)
複数の使用者の前記生理の管理に係る情報に基づいて、一の使用者と共通するステータスにある少なくとも一の他の使用者に関する情報を出力する、項目1~7のいずれか1項に記載の方法。
(項目9)
前記識別部は、前記吸水ショーツに付されるタグを含み、
前記吸水ショーツを使用する使用者が端末を用いて前記タグを読み込むことにより得られる識別処理により、前記吸水ショーツの着用に係る情報を取得する、項目1~8のいずれか1項に記載の方法。
(項目10)
前記識別部は、前記吸水ショーツに付され、所定のセンサを有するデバイスを含み、
前記所定のセンサにより得られるセンサ情報に基づく識別処理により、前記吸水ショーツの着用に係る情報を取得する、項目1~9のいずれか1項に記載の方法。
(項目11)
前記デバイスは、前記吸水ショーツに縫いこまれ、前記所定のセンサにより少なくとも水分を検出するデバイスであり、
前記識別処理は、前記デバイスの前記所定のセンサが所定の水分量を検出することにより前記使用者が着用したことを識別する処理である、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記識別処理は、前記使用者を識別する使用者情報の認証結果に基づき、前記使用者が前記吸水ショーツを着用したことを識別する処理を含む、項目1~11のいずれか1項に記載の方法。
(項目13)
前記吸水ショーツの使用者の生理の管理に係る情報に、吸水ショーツの着用のタイミングにおける環境情報を紐づけて出力する、項目1~12のいずれか1項に記載の方法。
(項目14)
吸水ショーツに付された識別部に基づく識別処理により、前記吸水ショーツの着用に係る情報を取得する取得部と、
前記着用に係る情報の取得に基づいて、前記吸水ショーツの使用者の生理の管理に係る情報に、前記吸水ショーツの着用のタイミングに係る情報を紐付けて出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
(項目15)
コンピュータを、
吸水ショーツに付された識別部に基づく識別処理により、前記吸水ショーツの着用に係る情報を取得する取得部と、
前記着用に係る情報の取得に基づいて、前記吸水ショーツの使用者の生理の管理に係る情報に、前記吸水ショーツの着用のタイミングに係る情報を紐付けて出力する出力部と、
として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0064】
1 生理管理システム
10 サーバ
20 ユーザ端末
30 下着(吸水ショーツ)
31 タグ(識別部)
101 着用情報DB
102 生理情報DB
103 着用情報取得部
104 ユーザ情報管理部
105 環境情報取得部
106 推奨情報生成部
107 出力部