(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121034
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】作業用車両
(51)【国際特許分類】
E02F 9/00 20060101AFI20240830BHJP
H01M 50/244 20210101ALI20240830BHJP
B60R 16/04 20060101ALI20240830BHJP
【FI】
E02F9/00 C
H01M50/244 Z
B60R16/04 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027879
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】000150154
【氏名又は名称】株式会社竹内製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】弁理士法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】大山 飛鷹
(72)【発明者】
【氏名】丸山 翔太
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA12
5H040AS06
5H040AT06
5H040AY05
5H040CC32
(57)【要約】
【課題】バッテリパックの着脱が容易化された作業用車両を提供する。
【解決手段】車体3と、走行装置10と、油圧により作動する作業装置12、14と、走行装置10もしくは作業装置12、14の駆動源となる電動モータと、を備える作業用車両であって、車体3は、下部に強度部材であり且つ搭載機器の支持部材である本体フレーム18を備え、本体フレーム18は、底板となる大板68を有し、大板68は、後部に平面視において後方に向かって開口するように切欠かれた形状で、バッテリパック64を搬入・搬出する装置の支持部を当接させるための切欠き70が設けられており、バッテリパック64は、切欠き70の上方に配設されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、走行装置と、油圧により作動する作業装置と、前記走行装置もしくは前記作業装置の駆動源となる電動モータと、を備える作業用車両であって、
前記車体は、下部に強度部材であり且つ搭載機器の支持部材である本体フレームを備え、
前記本体フレームは、底板となる大板を有し、
前記大板は、後部に平面視において後方に向かって開口するように切欠かれた形状で、バッテリパックを搬入・搬出する装置の支持部を当接させるための切欠きを有し、
前記バッテリパックは、前記切欠きの上方に配設されていること
を特徴とする作業用車両。
【請求項2】
前記切欠きは、少なくとも前記バッテリパックの重心よりも前部が露出する形状に形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の作業用車両。
【請求項3】
前記バッテリパックの上方には、仕切板が設けられており、
前記仕切板の前記バッテリパックに対向する面には、前記仕切板のもう一方の面に設けられている電装部品を固定する固定部材を覆う保護板が設けられていること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の作業用車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧により作動する作業装置と、作業装置の駆動源となる電動モータと、電動モータに電力を供給するバッテリパックと、を備える作業用車両に関する。
【背景技術】
【0002】
作業用車両の例として、走行用のクローラもしくはタイヤが取付けられた下部体と、下部体の上に配設された上部体と、下部体もしくは上部体に取付けられて油圧により作動する作業装置を備える油圧ショベル、トラックローダ等が従来より知られている。
【0003】
昨今では、従来のエンジンに代えて電動モータによって駆動される作業用車両が開発されている(特許文献1:特許第7025226号公報参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記に例示される電動モータによって駆動される作業用車両は、上部体の後部にバッテリパックを搭載している。当該バッテリパックに関しては、その着脱に際し、クレーン設備や専用の吊具等を使用しなければならなかった。また、着脱を行う作業場所が限定されていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされ、バッテリパックの着脱が容易化された作業用車両を提供することを目的とする。
【0007】
本発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
【0008】
車体と、走行装置と、油圧により作動する作業装置と、前記走行装置もしくは前記作業装置の駆動源となる電動モータと、を備える作業用車両であって、前記車体は、下部に強度部材であり且つ搭載機器の支持部材である本体フレームを備え、前記本体フレームは、底板となる大板を有し、前記大板は、後部に平面視において後方に向かって開口するように切欠かれた形状で、バッテリパックを搬入・搬出する装置の支持部を当接させるための切欠きを有し、前記バッテリパックは、前記切欠きの上方に配設されていることを要件とする。
【0009】
上記の構成によれば、車体後方からフォークリフト等の荷役運搬機械の支持部(フォークリフトにおいては、爪)を進入させてバッテリパックを搬入・搬出することができるため、バッテリパックの着脱に際し、クレーン設備や専用の吊具等を使用する必要がない。すなわち、バッテリパックの着脱が容易化された作業用車両を提供することができる。
【0010】
また、前記切欠きは、少なくとも前記バッテリパックの重心よりも前部が露出する形状に形成されていることが好ましい。
【0011】
また、前記バッテリパックの上方には、仕切板が設けられており、前記仕切板の前記バッテリパックに対向する面には、前記仕切板のもう一方の面に設けられている電装部品を固定する固定部材を覆う保護板が設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、バッテリパックの着脱が容易化された作業用車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る作業用車両の例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す作業用車両のバッテリパックの搭載状態を示す背面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す作業用車両のバッテリパックの搭載状態を示す底面図である。
【
図4】
図4は、
図1に示す作業用車両の本体フレームの斜視図である。
【
図5】
図5は、
図4に示す本体フレームの別方向からの斜視図である。
【
図6】
図6は、バッテリパックが本体フレームに取付けられている状態を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、
図2に示すVII-VII断面の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本実施形態に係る作業用車両1の例を示す概略図(左後部上方からの斜視図)である。なお、説明の便宜上、図中において矢印により上下、左右、前後の方向を示す場合がある。また、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
【0015】
はじめに、作業用車両1の全体構成について説明する。作業用車両1として、油圧ショベルを例に挙げて説明する。ただし、作業用車両1は、油圧ショベルに限定されるものではない。
【0016】
図1に示すように、作業用車両1は、車体として下部体2および下部体2の上に配設される上部体3を備えている(なお、下部体2と上部体3とが一体の構成であってもよい)。
【0017】
作業用車両1は、下部体2や上部体3に取付けられて油圧(所定圧力の作動油)により作動する作業装置12、14を備えている。下部体2は、走行を行う走行装置10を備えている。上部体3は、前部にオペレータが乗車して走行や作業の操作を行う操作装置が設けられた運転室16を備えている。上部体3の詳細構成については後述する。
【0018】
走行装置10の例として、左右に一対のクローラ(無限軌道)26を備えている。ただし、走行装置10は、クローラ26に限定されるものではない。他の例として、作業用車両1は、クローラ26に代えてタイヤを備える構成としてもよい(不図示)。クローラ26は、走行油圧モータ28によって駆動(走行)される。
【0019】
作業装置12の例として、排土板24を備えている。排土板24は、上下(前後成分を含む)に揺動可能に下部体2に取付けられている。排土板24は、油圧シリンダ(排土板シリンダ)32によって駆動される。ただし、作業装置12は、上記の構成に限定されるものではない。
【0020】
作業装置14の例として、ブーム42、アーム44、およびアタッチメント(本実施形態においては、バケット)46を備えている。ただし、アタッチメント46は、バケットに限定されるものではない。ブーム42は、上下(前後成分を含む)に揺動可能に上部体3に取付けられている。本実施形態においては、上部体3とブーム42との間にブームブラケット(不図示)が設けられている。ブームブラケットによって、ブーム42は上部体3に対して左右(前後成分を含む)に揺動可能となる。なお、ブームブラケットは省略されてもよい。アーム44は、上下(前後成分を含む)に揺動可能にブーム42に取付けられている。アタッチメント46は、上下(前後成分を含む)に揺動可能にアーム44に取付けられている。ブーム42は、油圧シリンダ(ブームシリンダ)52によって駆動される。アーム44は、油圧シリンダ(アームシリンダ)54によって駆動される。アタッチメント46は、油圧シリンダ(バケットシリンダ)56によって駆動される。ただし、作業装置14は、上記の構成に限定されるものではない。
【0021】
上記の走行油圧モータ28および各油圧シリンダの駆動を行うための駆動機構は、一例として駆動源により駆動される油圧ポンプ、制御バルブ等から構成されている(いずれも不図示)。オペレータが操作装置を操作することにより制御バルブを作動させて、油圧ポンプから送出される所定圧力の作動油を走行油圧モータ28および各油圧シリンダに供給する制御が行われる。これにより、走行装置10による走行、および作業装置12、14による作業を行うことができる。駆動機構を構成する油圧ポンプは、作業装置12、14や走行装置10の構成や負荷等に応じて、一個もしくは複数個が設けられる。
【0022】
本実施形態において、作業用車両1は、上記の駆動源として電動モータ(不図示)を備えている。駆動源を構成する電動モータは、上記の油圧ポンプの個数や定格出力等に応じて、一個もしくは複数個が設けられる。
【0023】
また、作業用車両1は、電動モータに電力を供給する車載充電器62を備えている。車載充電器62から出力される電力は、バッテリパック64、インバータ(不図示)を介して電動モータに供給される。バッテリパック64は、供給された電力を蓄える第1蓄電池(例えば、リチウムイオン蓄電池)、電動モータや蓄電池(第1蓄電池)への電力供給の制御を行う制御部等を備えている(いずれも不図示)。バッテリパック64には、第2蓄電池(例えば、鉛蓄電池)、各スイッチ(コントローラ)が接続されている(いずれも不図示)。
【0024】
本実施形態に係る作業用車両1における走行および作業のためのその他の機構については、公知の作業用車両(油圧ショベル)と同様であるため、詳細の説明を省略する。
【0025】
続いて、上部体3の構成について詳しく説明する。
図2は、作業用車両1のバッテリパック64の搭載状態を示す背面図である(バッテリカバー60およびカウンタウェイト20の図示を省略している)。
図3は、作業用車両1のバッテリパック64の搭載状態を示す底面図である(アンダーカバーの図示を省略している)。上部体3は、下部に本体フレーム18を備えている。本体フレーム18は、上部体3の強度部材であり且つ搭載機器の支持部材である。上部体3は、本体フレーム18に取付けられて電動モータに電力を供給するバッテリパック64を備えている。上部体3は、本体フレーム18に取付けられて車体の重量バランスを調節するカウンタウェイト20を備えている。
【0026】
図4および
図5に示すように、本体フレーム18は、所定形状に加工された板材や梁材等が溶接されて一体に形成されている。具体的に、本体フレーム18は、大板68、縦リブ72、74、横リブ76を備えている。
【0027】
大板68は、本体フレーム18の底板となる板材である。大板68は、後部に切欠き70を備えている。切欠き70は、平面視において後方に向かって開口するように形成されている。大板68は、切欠き70を遮蔽し、上部体3内部に砂塵が入り込むのを防止するアンダーカバー(不図示)を備えている。アンダーカバーは、固定部材(不図示)によって大板68の下面に取付けられている。大板68は、切欠き70を挟んで離間した左右の後端部に固縛ポイント(作業用車両1の搬送時や駐車時の流転を防止するための緊縛部材(不図示)を係止させる機構)78、79を備えている。固縛ポイント78、79の上には、固縛ポイント補強部材88、90が固着されている。縦リブ72、74は、大板68の前部を始点として、後方に向かって左右方向に間隔を空けながら切欠き70の左縁および右縁に沿って大板68上を前後方向に延びるように左右一対に立設されている。横リブ76は、縦リブ72、74と交差し、切欠き70の前縁に沿って大板68上を左右方向に延びるように立設されている。
【0028】
次に、バッテリパック64およびカウンタウェイト20の取付け構造について説明する。
【0029】
縦リブ72は、バッテリパック64の取付けを行う第1取付け台座80と、バッテリパック64およびカウンタウェイト20の取付けを行う第2取付け台座82と、を備えている。縦リブ74は、バッテリパック64、フロアフレーム(不図示)、および作動油タンク(不図示)の取付けを行う第3取付け台座84と、バッテリパック64、フロアフレーム、およびカウンタウェイト20の取付けを行う第4取付け台座86と、を備えている。
【0030】
一例として、第1取付け台座80は、前部が横リブ76の後面に当接した状態で、縦リブ72の凸部72aから右方に延び、さらにその端部から下方(大板68)に向かって略直角に折れ曲がって延びる正面視略L字状のプレートである。第1取付け台座80は、上面に一箇所の取付け孔(ネジ孔)80aを有している。ただし、第1取付け台座80は、この構成に限定されるものではない。
【0031】
一例として、第2取付け台座82は、縦リブ72の凸部72bから後方に延び、さらにその端部から縦リブ72の後端に沿って略直角に折れ曲がって延びる側面視略L字状のプレートである。第2取付け台座82は、固縛ポイント補強部材88の前部に交差して大板68に取付けられている。第2取付け台座82は、上面に一箇所の取付け孔(ネジ孔)82aを有している。また、第2取付け台座82は、カウンタウェイト20を取付けるための第1カウンタウェイト取付け部92を備えている。第1カウンタウェイト取付け部92は、一箇所の取付け孔(ネジ孔)92aを有している。ただし、第2取付け台座82は、この構成に限定されるものではない。
【0032】
一例として、第3取付け台座84は、縦リブ74の凸部74aから左前方に延びて横リブ76を跨ぎ、さらにその端部から下方(大板68)に向かって略直角に折れ曲がって延びる正面視略L字状のプレートである。第3取付け台座84は、上面に、バッテリパック64を取付ける一箇所の取付け孔(ネジ孔)84aと、フロアフレームおよび作動油タンクを取付ける三箇所の取付け孔(ネジ孔)84b、84c、84dと、を有している。ただし、第3取付け台座84は、この構成に限定されるものではない。
【0033】
一例として、第4取付け台座86は、縦リブ74の凸部74bに取付けられている上プレート86Aと、上プレート86Aを下から支持する平面視略L字状の下プレート86Bと、を備えている。第4取付け台座86は、固縛ポイント補強部材90の前部に交差して大板68に取付けられている。第4取付け台座86(上プレート86A)は、上面に、バッテリパック64を取付ける一箇所の取付け孔(ネジ孔)86aと、フロアフレームを取付ける二箇所の取付け孔(ネジ孔)86b、86cを有している。また、第4取付け台座86は、カウンタウェイト20を取付けるための第2カウンタウェイト取付け部94を備えている。第2カウンタウェイト取付け部94は、一箇所の取付け孔(ネジ孔)94aを有している。ただし、第4取付け台座86は、この構成に限定されるものではない。
【0034】
バッテリパック64は、左右両側面から突出するブラケット64Aを備えている。バッテリパック64は、当該ブラケット64Aが上記した取付け台座80(取付け孔80a)、82(取付け孔82a)、84(取付け孔84a)、86(取付け孔86a)に対して防振用のゴムマウント100と固定部材102とによって固定されることにより、縦リブ72、74(本体フレーム18)に取付けられている。
図6は、第2取付け台座82にバッテリパック64が固定されている状態を示している。取付け台座80、82、84、86は、溶接によって縦リブ72、74に強固に固定されているため、大型で重量のあるバッテリパック64を支持することができる。
【0035】
本体フレーム18に取付けられたバッテリパック64は、切欠き70の上方に位置している。これにより、車体後方からフォークリフト等の荷役運搬装置の支持部(フォークリフトにおいては、爪)を進入させてバッテリパック64を搬入・搬出することができるため、クレーン設備や専用の吊具等を使用する必要がない。すなわち、バッテリパック64の着脱の容易化を図ることができる。また、バッテリパック64は、大板68に対して浮いた状態で縦リブ72、74に支持されているため、走行中や作業中の振動をゴムマウント100が吸収し、バッテリパック64へ伝わる振動を抑制することができる。
【0036】
また、
図3に示すように、切欠き70は、底面視において少なくともバッテリパック64における重心よりも前部となる位置が露出するように形成されている。これにより、フォークリフトによるバッテリパック64の持上げ動作が可能となる。
【0037】
カウンタウェイト20は、上記したカウンタウェイト取付け部92(取付け孔92a)、94(取付け孔94a)に対して固定部材(一例として、ボルト)104によって固定されることにより、縦リブ72、74(本体フレーム18)に取付けられている。また、カウンタウェイト20は、大板68に設けられた第3カウンタウェイト取付け部96(取付け孔96a)と、第4カウンタウェイト取付け部98(取付け孔98a)と、に対して固定部材104によって固定されることにより、大板68(本体フレーム18)に取付けられている。
【0038】
なお、カウンタウェイト20は、カウンタウェイト取付け部92、94、96の三箇所に対しては、上方から固定部材104が貫入されて固定されている。カウンタウェイト20は、カウンタウェイト取付け部98の一箇所に対しては、下方から固定部材104が貫入されて固定されている。従来の作業用車両においては、カウンタウェイトは、上方から複数箇所(例えば、二箇所)が固定され、下方から複数箇所(例えば、二箇所)が固定されている。これに対して、本実施形態のように、下方からの固定を一箇所に限定することで、下方の取付け部にアクセスする手間を省略することができる。
【0039】
ところで、
図7および
図8に示すように、作業用車両1は、バッテリパック64の上方に仕切板106を備えている。仕切板106の上面には、電装部品(本実施形態においては、DC-DCコンバータ等)66が配設されている。電装部品66は、複数の固定部材(一例として、ボルトおよびナット)108によって仕切板106に固定されており、仕切板106の下面(すなわち、バッテリパック64に対向する面)には、固定部材108が突出している状態である。仕切板106の下面には、これらの突出した固定部材108を覆う二個の保護板110が前後に離間して配設されている。一例として、保護板110は、左右方向に延びるプレートであり、側面視において下方に突出する突出部110aを有している。突出部110aの断面形状は、上底が下底よりも長く、上方に広がった台形状である。保護板110は、突出部110aに固定部材108を収容するようにして仕切板106の下面に配設されている。これにより、バッテリパック64をフォークリフトにより搬入・搬出する際、バッテリパック64を持上げ過ぎた場合に、バッテリパック64の上面が保護板110(突出部110aの下底)に当接する。したがって、バッテリパック64を固定部材108に接触させて損傷するおそれがない。ただし、保護板110の構成および配設位置は、これらに限定されるものではない。なお、保護板110は、仕切板106の補強部材を兼用している。
【0040】
ここで、作業用車両1からバッテリパック64取外す動作を説明する。先ず、右サイドカバー58に対して左右(前後成分を含む)に回動可能に蝶着されているバッテリカバー60を開口する。次に、カウンタウェイト20を本体フレーム18(カウンタウェイト取付け部92、94、96、98)に固定している複数の固定部材104を取外し、カウンタウェイト20を取外す。また、アンダーカバーを本体フレーム18(大板68)に固定している複数の固定部材を取外し、アンダーカバーを取外す。なお、カウンタウェイト20およびアンダーカバーを取外す先後は問わない。次に、バッテリパック64に装着されている電装コネクタを取外す。次に、バッテリパック64を本体フレーム18(取付け台座80、82、84、86)に固定している複数のゴムマウント100および複数の固定部材102を取外す。次に、車体後部から上部体3および下部体2の間にフォークリフトの爪を進入させ、切欠き70の下方に位置させる。その状態で爪を上昇させることで、バッテリパック64の下面に爪が当接し、さらに爪を上昇させることで、バッテリパック64がフォークリフトによって持上げられた状態となる。その状態のまま、フォークリフトを車体から後方へ移動させることで、作業用車両1からバッテリパック64を取外すことができる。なお、作業用車両1にバッテリパック64を取付ける際は、これらの動作を逆の順序で行えばよい。
【0041】
このように、本実施形態における作業用車両1は、カウンタウェイト20、アンダーカバー、およびバッテリパック64を本体フレーム18に固定する固定部材を取外し(取付け)、バッテリパック64をフォークリフトで搬出(搬入)するだけでバッテリパック64を着脱することができる。
【0042】
以上説明した通り、本発明によれば、バッテリパックの着脱が容易化された作業用車両を提供することができる。
【0043】
作業用車両1として、フォークリフトによってバッテリパック64の着脱(搬入・搬出)が可能な作業用車両を例に上げたが、従来どおりクレーン設備や専用の吊具を使用してバッテリパックを着脱することも当然可能である。
【0044】
本発明は、上記の例(油圧ショベル)に限定されるものではない。本発明は、その他の作業用車両(例えば、トラックローダ、キャリア等)に対して同様に適用できる。
【符号の説明】
【0045】
1 作業用車両
2 下部体
3 上部体
10 走行装置
12、14 作業装置
18 本体フレーム
20 カウンタウェイト
64 バッテリパック
68 大板
70 切欠き
72、74 縦リブ
76 横リブ
80、82、84、86 取付け台座
92、94、96、98 カウンタウェイト取付け部
106 仕切板
110 保護板