(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121039
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/12 20230101AFI20240830BHJP
【FI】
G06Q40/12 410
G06Q40/12 420
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027887
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河野 真理
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 弘悦
(72)【発明者】
【氏名】本田 裕丈
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB64
5L055BB64
(57)【要約】
【課題】インボイス制度に対応した伝票を容易に作成できるようにする。
【解決手段】情報処理装置1は、商品又は役務を取引対象とする取引の伝票を作成するための情報処理装置であって、取引対象の取引先に対応させて、伝票に記載する取引対象の合計金額の種類を税込又は税抜のいずれか一方に設定する第1設定部(CPU10)と、第1設定部により設定された合計金額の種類の合計金額を含む伝票を作成する作成部(CPU10)と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品又は役務を取引対象とする取引の伝票を作成するための情報処理装置であって、
前記取引対象の取引先に対応させて、伝票に記載する前記取引対象の合計金額の種類を税込又は税抜のいずれか一方に設定する第1設定部と、
前記第1設定部により設定された前記合計金額の種類の合計金額を含む前記伝票を作成する作成部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記取引対象に対応させて、前記伝票に記載する前記取引対象の金額の種類を税込又は税抜のいずれか一方に設定する第2設定部と、
前記伝票において前記取引対象の税込金額及び税抜金額を混在させて記載するか否か示す混在情報を設定する第3設定部と、を備え、
前記作成部は、前記第2設定部により設定された前記金額の種類と、前記第3設定部により設定された前記混在情報と、に基づいて、前記第1設定部により設定された前記合計金額の種類の合計金額を含む前記伝票を作成する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2設定部は、前記伝票に記載する前記取引対象の金額の種類と、前記取引対象の識別情報とを対応付ける請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
ユーザにより入力された前記取引対象に対応する前記第2設定部により設定された金額の種類が前記第1設定部により設定された前記合計金額の種類と一致しているか否かを判定する判定部と、
前記第3設定部により前記伝票において前記取引対象の税込金額及び税抜金額を混在させて記載しないことが設定されており、前記判定部により前記取引対象に対応する金額の種類が前記合計金額の種類に一致していないと判定された場合に、前記第1設定部により設定されていない方の種類の前記取引対象の金額の入力を受け付ける受付部と、を備える請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記作成部は、前記受付部により受け付けた前記取引対象の金額を、前記第1設定部により設定された前記合計金額の種類と一致する金額に換算する請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記作成部は、前記第3設定部により前記伝票において前記取引対象の税込金額及び税抜金額を混在させて記載することが設定されている場合、ユーザにより入力された前記取引対象に対応する前記第2設定部により設定された種類の金額を、前記第1設定部により設定された前記合計金額の種類と一致する金額に換算して、前記合計金額を算出する請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記伝票の種別として、見積書、注文書、納品書、請求書及び領収書のうち、少なくとも1種を含む請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
商品又は役務を取引対象とする取引の伝票を作成するための情報処理方法であって、
前記取引対象の取引先に対応させて、伝票に記載する前記取引対象の合計金額の種類を税込又は税抜のいずれか一方に設定する第1設定ステップと、
前記第1設定ステップにより設定された前記合計金額の種類の合計金額を含む前記伝票を作成する作成ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項9】
商品又は役務を取引対象とする取引の伝票を作成するための情報処理装置に設けられたコンピュータを、
前記取引対象の取引先に対応させて、伝票に記載する前記取引対象の合計金額の種類を税込又は税抜のいずれか一方に設定する第1設定部、
前記第1設定部により設定された前記合計金額の種類の合計金額を含む前記伝票を作成する作成部、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
日本では、所定の条件を満たす場合に消費税の仕入税額控除を可能とするインボイス制度の導入が予定されている。インボイス制度において仕入税額控除を受けるためには、適格請求書登録事業者が発行した請求書(伝票)に税率ごとに消費税額が記載されていなければならない。当該条件を満たす請求書が適格請求書である。
【0003】
また、適格請求書には、税抜金額を記載した商品と税込金額を記載した商品が混在する場合、いずれかに統一した税率ごとの合計金額及び消費税額を記載するという要件がある。
【0004】
請求書を管理する装置としては、例えば、特許文献1に、請求書を受け取った事業者が、請求書に適切な消費税額が記載されているか否かを判別できるようにする請求書管理装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、請求書を受け取った後における発明であり、また、インボイス制度の導入前では請求書において上記要件はなかったため、上記要件を満たす請求書を容易に作成できないという問題がある。
【0007】
この発明の目的は、インボイス制度に対応した伝票を容易に作成できる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
商品又は役務を取引対象とする取引の伝票を作成するための情報処理装置であって、
前記取引対象の取引先に対応させて、伝票に記載する前記取引対象の合計金額の種類を税込又は税抜のいずれか一方に設定する第1設定部と、
前記第1設定部により設定された前記合計金額の種類の合計金額を含む前記伝票を作成する作成部と、
を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、インボイス制度に対応した伝票を容易に作成できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】情報処理装置の機能的構成を示すブロック図である。
【
図6】伝票入力処理の流れを示すフローチャートである。
【
図11】統一処理の流れを示すフローチャートである。
【
図16】混在処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに係る実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
<情報処理装置の構成>
図1は、本実施形態の情報処理装置1の機能的構成を示すブロック図である。
情報処理装置1は、商品に関する各種データを記憶し、所定の取引先との取引のための作業を含む複数の業務について、ユーザからの入力操作に応じてデータの集計や帳票の印刷といった所定の処理を実行する。当該業務とは、例えば、伝票処理業務である。
情報処理装置1は、例えば、店舗やオフィスに設置され、伝票を処理する。本実施形態において、伝票とは、見積書、注文書、納品書、請求書、領収書等の各種書類を含む。
情報処理装置1は、例えば、ノートPC(Personal Computer)、デスクトップPC、スマートフォン、タブレット型端末等であり、例えば、伝票処理業務を行う者が使用する。
【0013】
情報処理装置1は、CPU10(Central Processing Unit)と、RAM20(Random Access Memory)と、記憶部30と、操作部40と、表示部50と、通信部60と、バス70等を備える。情報処理装置1の各部は、バス70を介して接続されている。
【0014】
CPU10は、情報処理装置1の各部を制御する。
CPU10は、記憶部30に記憶されている各種プログラムを読み出してRAM20に展開し、当該プログラムに従って各種処理を実行する。
【0015】
RAM20は、例えば、揮発性のメモリであり、CPU10により読み出された各種のプログラムやデータを一時的に格納するワークエリアを有する。
【0016】
記憶部30は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等のデータの書き込み及び読み出しが可能な記憶装置を備える。記憶部30は、各種のプログラムやデータを含むファイル等を記憶する。
具体的には、記憶部30には、取引先テーブル31、商品単価テーブル32、及び伝票フォーマット33等が記憶されている。
【0017】
図2は、取引先テーブル31の内容例を示す図である。
取引先テーブル31は、キーコード、取引先名、及び合計金額表示設定の情報が取引先ごとに記憶されたテーブルである。
キーコードは、取引先を特定するために取引先ごとに定められている符号である。
取引先名は、取引先の名称である。
合計金額表示設定は、伝票における合計金額の表示に係る設定情報を示す。具体的には、合計金額表示設定が税込である場合、CPU10は、伝票における合計金額として税込みの合計金額を表示する。一方で、合計金額表示設定が税抜である場合、CPU10は、伝票における合計金額として税抜きの合計金額を表示する。
【0018】
図3は、商品単価テーブル32の内容例を示す図である。
商品単価テーブル32は、キーコード、商品名、税抜単価、税込単価、税率、及び税込税抜設定の情報が商品の種別ごとに記憶されたテーブルである。
キーコードは、商品を特定するために商品ごとに定められている符号である。
商品名は、商品の名称である。
税抜単価は、商品に対応付けられて定められている商品の税抜きの単価である。
税込単価は、商品に対応付けられて定められている商品の税込みの単価である。
税率は、商品に対応付けられて定められている商品の消費税率である。
税込税抜設定は、商品に対応付けて、伝票において当該商品の単価を税込単価で記載するか、または税抜単価で記載するかの初期設定である。CPU10は、商品を商品単価テーブル32に登録する際に、ユーザによる商品の種別ごとの税込税抜設定を受け付け、商品単価テーブル32に記憶する。
伝票において商品単価を税込単価で記載する場合、税込単価に商品の数量を乗じて得られる税込金額が記載される。一方、伝票において商品単価を税抜単価で記載する場合、税抜単価に商品の数量を乗じて得られる税抜金額が記載される。
つまり、CPU10は、商品に対応させて、伝票に記載する商品の金額の種類を税込又は税抜のいずれか一方に設定する。ここで、CPU10は、第2設定部として機能する。当該金額の種類とは、税込金額または税抜金額である。
【0019】
伝票フォーマット33は、統一フォーマット331及び混在フォーマット332を含む。
図4に、納品書としての統一フォーマット331の一例を示す。
図5に、納品書として混在フォーマット332の一例を示す。
なお、
図4、
図5に示す例は、伝票における合計金額として税込みの合計金額を表示する場合である。
【0020】
図4に示す例において、統一フォーマット331は、取引先情報欄331a、各種情報欄331b、明細欄331c、及び合計欄331kを備える。
図5に示す例において、混在フォーマット332は、取引先情報欄332a、各種情報欄332b、明細欄332c、及び合計欄332kを備える。
【0021】
統一フォーマット331の取引先情報欄331a、及び混在フォーマット332の取引先情報欄332aは、取引先のキーコード、取引先名、取引先の郵便番号、住所、電話番号、FAX番号等が表示される領域である。
当該取引先のキーコードは、取引先テーブル31におけるキーコードに対応する。
【0022】
各種情報欄331b、332bは、伝票日付、伝票番号、担当者、伝票の発行者名、発行者の郵便番号、住所、電話番号、FAX番号等が表示される領域である。
伝票日付は、伝票を発行する日付である。
伝票番号は、伝票を一意に識別する番号であり、例えば、各伝票に連番で割り当てられる。
担当者は、伝票を発行する担当者名である。
【0023】
統一フォーマット331の明細欄331cは、商品名331d、数量331e、統一単価331f、統一金額331g、税率331h、備考331i等が表示される領域である。
一方、混在フォーマット332の明細欄332cは、商品名332d、数量332e、混在単価332f、混在金額332g、税率332h、備考332i、税込/税抜表示332j等が表示される領域である。
【0024】
統一フォーマット331の商品名331d、及び混在フォーマット332の商品名332dは、それぞれの取引における商品の商品名であり、商品単価テーブル32における商品名に対応する。
統一フォーマット331の数量331e、及び混在フォーマット332の数量332eは、それぞれの取引における商品の数量である。
【0025】
統一フォーマット331の統一単価331fは、それぞれの取引における商品に対応付けられて定められている商品の税込みの単価であり、商品単価テーブル32における税込単価に対応する。
統一フォーマット331の統一金額331gは、統一単価331fに数量331eを乗じて得られる金額である。
【0026】
混在フォーマット332の混在単価332fは、それぞれの取引における商品に対応付けられて定められている商品の税込単価、または税抜単価である。当該税込単価、税抜単価は、それぞれ商品単価テーブル32における税込単価、税抜単価に対応する。
商品単価テーブル32の税込税抜設定が税込である商品の混在単価332fは、税込単価である。一方、商品単価テーブル32の税込税抜設定が税抜である商品の混在単価332fは、税抜単価である。
混在フォーマット332の混在金額332gは、混在単価332fに数量332eを乗じて得られる金額である。つまり、混在単価332fが税込単価である場合、混在金額332gは税込金額であり、混在単価332fが税抜単価である場合、混在金額332gは税抜金額である。
【0027】
統一フォーマット331の税率331h、及び混在フォーマット332の税率332hは、それぞれの取引における商品に対応付けられて定められている消費税率であり、商品単価テーブル32における税率に対応する。
【0028】
混在フォーマット332の税込/税抜表示332jは、混在単価332fが税込単価であるか又は税抜単価であるか、及び混在金額332gが税込金額であるか又は税抜金額であるかを示す。つまり、税込/税抜表示332jが税込である場合、混在単価332fは税込単価であり、混在金額332gは税込金額である。一方、税込/税抜表示332jが税抜である場合、混在単価332fは税抜単価であり、混在金額332gは税抜金額である。
【0029】
統一フォーマット331の合計欄331kは、税率331l、税率毎金額331m、税率毎消費税額331n、伝票消費税額331o、伝票合計金額331p、総合計金額331q等が表示される領域である。
【0030】
統一フォーマット331の合計欄331kでは、税率331lごとに、税率毎金額331m及び税率毎消費税額331nが表示される。
税率331lは、明細欄331cの税率331hに対応する税率である。
税率毎金額331mは、税率331lごとの統一金額331gの合計である。
税率毎消費税額331nは、税率331lごとの税率毎金額331mに対する消費税額である。
伝票消費税額331oは、税率毎消費税額331nの合計である。
伝票合計金額331pは、税率毎金額331mの合計である。
総合計金額331qは、
図4のように、伝票における合計金額として税込みの合計金額を表示する場合、伝票合計金額331pと同じ値である。
【0031】
混在フォーマット332の合計欄332kは、税率332l、税率毎金額332m、税率毎消費税額332n、伝票消費税額332o、伝票合計金額332p、総合計金額332q等が表示される領域である。
【0032】
混在フォーマット332の合計欄332kでは、税率332lごとに、税率毎金額332m及び税率毎消費税額332nが表示される。
税率332lは、明細欄332cの税率332hに対応する税率である。
【0033】
なお、混在単価332fとして、0(ゼロ)を入力することも可能である。
税率毎金額332mにおいて、混在単価332fが0ではなく、且つ税込単価であった場合は、混在単価332fに、数量332eを乗じて得られた税込金額を用いる。一方、混在単価332fが0ではなく、且つ税抜単価であった場合は、当該税抜単価を税込単価に換算した値に、数量332eを乗じて得られた税込金額を用いる。税率毎金額332mは、これら税込金額の税率332lごとの合計である。
また、税率毎金額332mにおいて、混在単価332fが0であり、且つ混在金額332gが税込金額であった場合はそのままの値を用いる。一方、混在単価332fが0であり、且つ混在金額332gが税抜金額であった場合は、当該税抜金額を税込金額に換算した値を用いる。税率毎金額332mは、これら税込金額の税率332lごとの合計である。
【0034】
税率毎消費税額332nは、税率332lごとの税率毎金額332mに対する消費税額である。
伝票消費税額332oは、税率毎消費税額332nの合計である。
伝票合計金額332pは、税率毎金額332mの合計である。
総合計金額332qは、
図5のように、伝票における合計金額として税込みの合計金額を表示する場合、伝票合計金額332pと同じ値である。
【0035】
なお、上述したように、
図4、
図5に示す例は、伝票における合計金額として税込みの合計金額を表示する場合の例である。以下では、統一フォーマット331において、伝票における合計金額として税抜きの合計金額を表示する場合を説明する。
この場合、統一フォーマット331では、統一単価331fとして税抜単価を表示する。当該税抜単価は、それぞれの取引における商品に対応付けられて定められている商品の税抜単価であり、商品単価テーブル32における税抜単価に対応する。
また、この場合、統一フォーマット331では、統一金額331gとして税抜金額を表示する。当該税抜金額は、上記税抜単価に数量331eを乗じて得られる金額である。
また、この場合、統一フォーマット331の税率毎金額331mは、税率331lごとの上記税抜金額の合計である。
また、この場合、統一フォーマット331の総合計金額331qは、伝票消費税額331oと伝票合計金額331pの合計である。
【0036】
次に、混在フォーマット332において、伝票における合計金額として税抜きの合計金額を表示する場合を説明する。
この場合、混在フォーマット332の税率毎金額332mにおいて、混在単価332fが0ではなく、且つ税抜単価であった場合は、混在単価332fに、数量332eを乗じて得られた税抜金額を用いる。一方、混在単価332fが0ではなく、且つ税込単価であった場合は、当該税込単価を税抜単価に換算した値に、数量332eを乗じて得られた税抜金額を用いる。税率毎金額332mは、これら税抜金額の税率332lごとの合計である。
また、税率毎金額332mにおいて、混在単価332fが0であり、且つ混在金額332gが税抜金額であった場合はそのままの値を用いる。一方、混在単価332fが0であり、且つ混在金額332gが税込金額であった場合は、当該税込金額を税抜金額に換算した値を用いる。税率毎金額332mは、これら税抜金額の税率332lごとの合計である。
【0037】
操作部40は、キーボード等のキー入力部と、マウス等のポインティングデバイスとを有する。操作部40は、ユーザ(オペレータ)からのキー操作入力及び位置操作入力を受け付け、その操作情報をCPU10に出力する。
【0038】
表示部50は、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等で構成される。表示部50は、CPU10から入力された制御信号に従って各種表示を行う。
【0039】
通信部60は、ネットワークカード等により構成され、通信ネットワーク(図示略)を介してサーバ等の各種機器に接続される。通信ネットワークは、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等とすることができる。
CPU10は、通信部60を介して、通信ネットワーク上の機器と通信が可能である。
また、本実施形態の情報処理装置1は、通信部60を介して外部の印刷装置(不図示)に接続されており、情報処理装置1で作成された各種の伝票等を当該印刷装置で印刷できる。
【0040】
なお、本実施形態では、情報処理装置1の記憶部30に、取引先テーブル31、商品単価テーブル32、及び伝票フォーマット33が記憶されているが、これに限らない。上記のデータやプログラムの一部又は全部を外部のサーバ等に記憶させておき、情報処理装置1がサーバ等から通信部60を介して必要な情報を取得して動作するようにしてもよい。
【0041】
<情報処理装置の動作>
次に、情報処理装置1の動作について説明する。
情報処理装置1のCPU10は、伝票処理業務において、
図6に示す伝票入力処理を実行する。
【0042】
<伝票入力処理>
まず、CPU10は、表示部50に、伝票処理業務を行うためのメニュー画面(図示省略)を表示する。当該メニュー画面には、複数のメニューが表示されており、そのうちの一部が統一フォーマット331または混在フォーマット332を選択するメニューである。
CPU10は、操作部40を介したユーザによる当該メニュー画面上のメニューの選択入力を受け付けることにより、伝票フォーマット33の選択入力を受け付ける。そして、CPU10は、ユーザにより選択された伝票フォーマット33を表示する表示画面51を表示部50に表示する(ステップS1)。
具体的には、取引先が伝票の明細欄における商品の単価について、税込単価のみ、または税抜単価のみで表示することを希望している場合、ユーザは統一フォーマット331を選択する。
一方、取引先が伝票の明細欄における商品の単価について、税込単価と税抜単価とを混在させて表示することを希望している場合、ユーザは混在フォーマット332を選択する。
ステップS1を実施することにより、CPU10は、ユーザによる伝票フォーマット33の選択入力に応じて、伝票において商品の税込金額及び税抜金額を混在させて記載するか否か示す混在情報を設定する。ここで、CPU10は第3設定部として機能する。
【0043】
図7~
図10に表示画面51の例を示す。
表示画面51では、外部の印刷装置により印刷される納品書等の伝票と同様の配置でデータの入力欄(取引先情報、各種情報、商品名、数量、単価、金額等)が設けられている。ユーザは、表示画面51の各入力欄を選択して直接データを入力することができる。
【0044】
次に、CPU10は、表示画面51において、操作部40を介したユーザによる取引先情報の入力を受け付ける。そして、CPU10は、入力を受け付けた取引先情報を伝票フォーマット33の取引先情報欄に表示する(ステップS2)。
【0045】
図7、
図8に、ステップS1で統一フォーマット331が選択された場合の例を示す。なお、
図7に示す例は、後述するステップS3で取得する合計金額表示設定が税込である場合である。また、
図8に示す例は、後述するステップS3で取得する合計金額表示設定が税抜である場合である。
図7、
図8に示すように、ステップS1においてユーザにより統一フォーマット331が選択された場合、CPU10は、ユーザにより入力された取引先情報を取引先情報欄331aに表示する。
【0046】
図9、
図10に、ステップS1で混在フォーマット332が選択された場合の例を示す。なお、
図9に示す例は、ステップS3で取得する合計金額表示設定が税込である場合である。また、
図10に示す例は、ステップS3で取得する合計金額表示設定が税抜である場合である。
図9、
図10に示すように、ステップS1においてユーザにより混在フォーマット332が選択された場合、CPU10は、ユーザにより入力された取引先情報を取引先情報欄332aに表示する。
【0047】
ステップS2において、CPU10は、取引先情報として、例えば、取引先のキーコード、取引先名、取引先の郵便番号、住所、電話番号、FAX番号等の入力を受け付ける。
なお、記憶部30は、取引先のキーコードに、取引先名、取引先の郵便番号、住所、電話番号、FAX番号等を対応付けて記憶していてもよい。この場合、ステップS2において、CPU10は、ユーザによる取引先のキーコードの入力を受け付ける。そして、CPU10は、当該取引先のキーコードに基づいて記憶部30から取引先名、取引先の郵便番号、住所、電話番号、FAX番号等の情報を取得してもよい。
【0048】
次に、CPU10は、ステップS2で受け付けた取引先のキーコードに基づいて合計金額表示設定の情報を、取引先テーブル31から取得する(ステップS3)。
つまり、CPU10は、商品の取引先に対応させて、伝票に記載する商品の合計金額の種類を税込又は税抜のいずれか一方に設定する。ここで、CPU10は第1設定部として機能する。当該ステップS3が第1設定ステップである。
【0049】
ステップS3において、合計金額表示設定が税込である場合、CPU10は、
図7に示すように、統一金額331gの項目名において、「金額(税込税抜統一)」の表記のうちの「税抜」部分に二重線を表示することで「税抜」を消し込む。また、CPU10は、伝票合計金額331pの項目名において、「税込税抜合計金額」の表記のうちの「税抜」部分に二重線を表示することで「税抜」を消し込む。または、CPU10は、
図9に示すように、伝票合計金額332pの項目名において、「税込税抜合計金額」の表記のうちの「税抜」部分に二重線を表示することで「税抜」を消し込む。
一方、合計金額表示設定が税抜である場合、CPU10は、
図8に示すように、統一金額331gの項目名において、「金額(税込税抜統一)」の表記のうちの「税込」部分に二重線を表示することで「税込」を消し込む。また、CPU10は、伝票合計金額331pの項目名において、「税込税抜合計金額」の表記のうちの「税込」部分に二重線を表示することで「税込」を消し込む。または、CPU10は、
図10に示すように、伝票合計金額332pの項目名において、「税込税抜合計金額」の表記のうちの「税込」部分に二重線を表示することで「税込」を消し込む。なお、二重線とは異なる記号(例えば、アスタリスク)により「税抜」または「税込」を消し込むようにしてもよい。
【0050】
次に、CPU10は、表示画面51において、操作部40を介したユーザによる各種情報の入力を受け付ける。そして、CPU10は、入力を受け付けた各種情報を伝票フォーマット33の各種情報欄に表示する(ステップS4)。
つまり、
図7、
図8に示すように、CPU10は、ユーザにより入力された各種情報を各種情報欄331bに表示する。または、
図9、
図10に示すように、CPU10は、ユーザにより入力された各種情報を各種情報欄332bに表示する。
【0051】
ステップS4において、CPU10は、各種情報として、例えば、伝票日付、伝票番号、担当者、伝票の発行者名、発行者の郵便番号、住所、電話番号、FAX番号等の入力を受け付ける。
【0052】
次に、CPU10は、表示画面51において、操作部40を介したユーザによる商品の商品名及び数量の入力を受け付ける。そして、CPU10は、入力を受け付けた商品名、数量を伝票フォーマット33の商品名、数量の欄に表示する(ステップS5)。
つまり、
図7、
図8に示すように、CPU10は、ユーザにより入力された商品名を商品名331dとして表示し、ユーザにより入力された数量を数量331eとして表示する。または、
図9、
図10に示すように、CPU10は、ユーザにより入力された商品名を商品名332dとして表示し、ユーザにより入力された数量を数量332eとして表示する。
なお、ステップS5において、CPU10は、ユーザによる商品のキーコードの入力を受け付け、当該キーコードに基づいて商品単価テーブル32から商品名を取得してもよい。
【0053】
次に、CPU10は、ステップS5でユーザにより入力された商品名に基づいて、当該商品の税率を商品単価テーブル32から取得し、伝票フォーマット33の税率の欄に表示する(ステップS6)。
つまり、
図7、
図8に示すように、CPU10は、取得した商品の税率を税率331hとして表示する。または、
図9、
図10に示すように、CPU10は、取得した商品の税率を税率332hとして表示する。
なお、ステップS6において、CPU10は、ユーザによる商品の税率の入力を受け付け、入力された税率を伝票フォーマット33の税率の欄に表示してもよい。
【0054】
次に、CPU10は、操作部40を介したユーザの操作により、表示画面51内の統一単価331fの入力欄または混在単価332fの入力欄に、カーソルが移されると、ステップS1でユーザにより選択された伝票フォーマット33は、混在フォーマット332であるか否かを判断する(ステップS7)。
ステップS1で選択された伝票フォーマット33が混在フォーマット332でない場合(ステップS7;NO)、つまり、ステップS1で統一フォーマット331が選択された場合である。この場合、CPU10は、
図11に示す統一処理を実行する(ステップS8)。
【0055】
<統一処理>
CPU10は、ステップS3で取得した合計金額表示設定が税込であるか否かを判断する(ステップA1)。
ステップS3で取得した合計金額表示設定が税込である場合(ステップA1;YES)、CPU10は、ステップS5においてユーザにより入力された商品は、商品単価テーブル32の税込税抜設定において、商品単価を税込単価で記載することが初期設定されているか否かを判断する(ステップA2)。
つまり、CPU10は、ステップS5においてユーザにより入力された商品に対応する、第2設定部として設定した金額の種類が、第1設定部として設定した合計金額の種類と一致しているか否かを判定する。ここで、CPU10は判定部として機能する。
【0056】
ステップS5において入力された商品が税込税抜設定において商品単価を税込単価で記載することが初期設定されている場合(ステップA2;YES)、CPU10は、当該ステップS5において入力された商品の税込単価を商品単価テーブル32から取得し、
図7に示す統一単価331fとして表示する(ステップA3)。なお、ステップA3において表示された統一単価331fは、ユーザにより変更可能に構成されている。
そして、CPU10は、統一単価331fに数量331eを乗算して税込金額を算出する(ステップA4)。
そして、CPU10は、ステップA4で算出した税込金額を
図7に示す統一金額331gとして表示し(ステップA5)、本処理をステップA20に移行する。
【0057】
一方、ステップS5において入力された商品が税込税抜設定において商品単価を税抜単価で記載することが初期設定されている場合(ステップA2;NO)、CPU10は、
図12に示す税抜単価入力画面52を表示画面51上に表示する。そしてCPU10は、税抜単価入力画面52においてユーザによる税抜単価の入力を受け付ける(ステップA6)。
つまり、CPU10が、第3設定部として伝票において商品の税込金額及び税抜金額を混在させて記載しないことを設定した場合、つまり、ステップS1で統一フォーマット331が選択された場合である。この場合であって、CPU10が、ステップS5において入力された商品に対応する、第2設定部として設定した金額の種類が合計金額の種類に一致していないと判定部として判定した場合に、CPU10は、第1設定部として設定していない方の種類の商品の金額の入力を受け付ける。ここで、CPU10は受付部として機能する。
【0058】
図12に示す例において、CPU10は、税抜単価入力画面52の税抜単価欄52aにおいてユーザによる税抜単価の入力を受け付ける。
なお、本実施形態では、CPU10は、ステップS5でユーザにより入力された商品に対応する、税込税抜設定により初期設定された商品単価を税抜単価欄52aに表示する。ここで、ステップS5でユーザにより入力された商品は、税込税抜設定において商品単価を税抜単価で記載することが初期設定されているため、CPU10は、税抜単価を税抜単価欄52aに表示する。
ユーザは、税抜単価欄52aに表示された値が、ユーザが望む税抜単価であるかを確認する。税抜単価欄52aに表示された値が、ユーザが望む税抜単価でない場合、ユーザは、望む税抜単価を税抜単価欄52aに入力する。
【0059】
次に、CPU10は、ステップA6においてユーザにより税抜単価欄52aに「0」が入力されたか否かを判断する(ステップA7)。
ユーザにより税抜単価欄52aに「0」が入力されなかった場合(ステップA7;NO)、CPU10は、税抜単価欄52aに入力された税抜単価、及びステップS6で取得した商品の税率に基づいて税込単価を算出する。そして、CPU10は、算出した税込単価を税抜単価入力画面52の税込単価欄52bに表示する(ステップA8)。
つまり、作成部としてのCPU10は、受付部として受け付けた商品の金額を、第1設定部として設定した合計金額の種類と一致する金額に換算する。
そして、CPU10は、本処理をステップA3に移行する。この場合、ステップA3において、CPU10は、当該ステップA8で算出した税込単価を
図7に示す統一単価331fとして表示する。
【0060】
一方、ユーザにより税抜単価欄52aに「0」が入力された場合(ステップA7;YES)、CPU10は、
図13に示す税抜金額入力画面53を表示画面51上に表示する。そしてCPU10は、税抜金額入力画面53においてユーザによる税抜金額の入力を受け付ける(ステップA9)。
【0061】
図13に示す例において、CPU10は、税抜金額入力画面53の税抜金額欄53aにおいてユーザによる税抜金額の入力を受け付ける。
なお、CPU10は、ステップS5でユーザにより入力された商品に対応する、税込税抜設定により初期設定された商品単価に数量331eを乗算した値を税抜金額欄53aに表示させてもよい。ここで、ステップS5でユーザにより入力された商品は、税込税抜設定において商品単価を税抜単価で記載することが初期設定されているため、CPU10は、税抜金額を税抜金額欄53aに表示する。
ユーザは、税抜金額欄53aに表示された値が、ユーザが望む税抜金額であるかを確認する。税抜金額欄53aに表示された値が、ユーザが望む税抜金額でない場合、ユーザは、望む税抜金額を税抜金額欄53aに入力する。
【0062】
次に、CPU10は、税抜金額欄53aに入力された税抜金額、及びステップS6で取得した商品の税率に基づいて税込金額を算出する。そして、CPU10は、算出した税込金額を税抜金額入力画面53の税込金額欄53bに表示し(ステップA10)、本処理をステップA5に移行する。
この場合、ステップA5において、CPU10は、当該ステップA10で算出した税込金額を
図7に示す統一金額331gとして表示する。
なお、この場合、CPU10は、ステップA10で算出した税込金額及び数量331eに基づいて税込単価を算出して、当該税込単価を
図7に示す統一単価331fとして表示してもよいし、統一単価331fは空欄としてもよい。
【0063】
また、ステップS3で取得した合計金額表示設定が税抜である場合(ステップA1;NO)、CPU10は、ステップS5においてユーザにより入力された商品は、商品単価テーブル32の税込税抜設定において、商品単価を税抜単価で記載することが初期設定されているか否かを判断する(ステップA11)。
つまり、判定部としてのCPU10は、ステップS5においてユーザにより入力された商品に対応する、第2設定部として設定した金額の種類が、第1設定部として設定した合計金額の種類と一致しているか否かを判定する。
【0064】
ステップS5において入力された商品が税込税抜設定において商品単価を税抜単価で記載することが初期設定されている場合(ステップA11;YES)、CPU10は、当該ステップS5において入力された商品の税抜単価を商品単価テーブル32から取得し、
図8に示す統一単価331fとして表示する(ステップA12)。なお、ステップA12において表示された統一単価331fは、ユーザにより変更可能に構成されている。
そして、CPU10は、統一単価331fに数量331eを乗算して税抜金額を算出する(ステップA13)。
そして、CPU10は、ステップA13で算出した税抜金額を
図8に示す統一金額331gとして表示し(ステップA14)、本処理をステップA20に移行する。
【0065】
一方、ステップS5において入力された商品が税込税抜設定において商品単価を税込単価で記載することが初期設定されている場合(ステップA11;NO)、CPU10は、
図14に示す税込単価入力画面54を表示画面51上に表示する。そしてCPU10は、税込単価入力画面54においてユーザによる税込単価の入力を受け付ける(ステップA15)。
つまり、CPU10が、第3設定部として伝票において商品の税込金額及び税抜金額を混在させて記載しないことを設定した場合、つまり、ステップS1で統一フォーマット331が選択された場合である。この場合であって、CPU10が、ステップS5において入力された商品に対応する、第2設定部として設定した金額の種類が合計金額の種類に一致していないと判定部として判定した場合に、受付部としてのCPU10は、第1設定部として設定していない方の種類の商品の金額の入力を受け付ける。
【0066】
図14に示す例において、CPU10は、税込単価入力画面54の税込単価欄54aにおいてユーザによる税込単価の入力を受け付ける。
なお、本実施形態では、CPU10は、ステップS5でユーザにより入力された商品に対応する、税込税抜設定により初期設定された商品単価を税込単価欄54aに表示する。ここで、ステップS5でユーザにより入力された商品は、税込税抜設定において商品単価を税込単価で記載することが初期設定されているため、CPU10は、税込単価を税込単価欄54aに表示する。
ユーザは、税込単価欄54aに表示された値が、ユーザが望む税込単価であるかを確認する。税込単価欄54aに表示された値が、ユーザが望む税込単価でない場合、ユーザは、望む税込単価を税込単価欄54aに入力する。
【0067】
次に、CPU10は、ステップA15においてユーザにより税込単価欄54aに「0」が入力されたか否かを判断する(ステップA16)。
ユーザにより税込単価欄54aに「0」が入力されなかった場合(ステップA16;NO)、CPU10は、税込単価欄54aに入力された税込単価、及びステップS6で取得した商品の税率に基づいて税抜単価を算出する。そして、CPU10は、算出した税抜単価を税込単価入力画面54の税抜単価欄54bに表示する(ステップA17)。
つまり、作成部としてのCPU10は、受付部として受け付けた商品の金額を、第1設定部として設定した合計金額の種類と一致する金額に換算する。
そして、CPU10は、本処理をステップA12に移行する。この場合、ステップA12において、CPU10は、当該ステップA17で算出した税抜単価を
図8に示す統一単価331fとして表示する。
【0068】
一方、ユーザにより税込単価欄54aに「0」が入力された場合(ステップA16;YES)、CPU10は、
図15に示す税込金額入力画面55を表示画面51上に表示する。そしてCPU10は、税込金額入力画面55においてユーザによる税込金額の入力を受け付ける(ステップA18)。
【0069】
図15に示す例において、CPU10は、税込金額入力画面55の税込金額欄55aにおいてユーザによる税込金額の入力を受け付ける。
なお、CPU10は、ステップS5でユーザにより入力された商品に対応する、税込税抜設定により初期設定された商品単価に数量331eを乗算した値を税込金額欄55aに表示させてもよい。ここで、ステップS5でユーザにより入力された商品は、税込税抜設定において商品単価を税込単価で記載することが初期設定されているため、CPU10は、税込金額を税込金額欄55aに表示する。
ユーザは、税込金額欄55aに表示された値が、ユーザが望む税込金額であるかを確認する。税込金額欄55aに表示された値が、ユーザが望む税込金額でない場合、ユーザは、望む税込金額を税込金額欄55aに入力する。
【0070】
次に、CPU10は、税込金額欄55aに入力された税込金額、及びステップS6で取得した商品の税率に基づいて税抜金額を算出する。そして、CPU10は、算出した税抜金額を税込金額入力画面55の税抜金額欄55bに表示し(ステップA19)、ステップA14に移行する。
この場合、ステップA14において、CPU10は、当該ステップA19で算出した税抜金額を
図8に示す統一金額331gとして表示する。
なお、この場合、CPU10は、ステップA19で算出した税抜金額及び数量331eに基づいて税抜単価を算出して、当該税抜単価を
図8に示す統一単価331fとして表示してもよいし、統一単価331fは空欄としてもよい。
【0071】
ステップA20において、CPU10は、明細欄331cの税率331hの税率を
図7または
図8に示す税率331lとして表示する。
次に、CPU10は、税率331lごとに、統一金額331gを合計した値を
図7または
図8に示す税率毎金額331mとして表示する(ステップA21)。
【0072】
なお、
図7、
図8に示す例において、明細欄331cに税率が10%である商品のみを表示しているが、これに限らない。
例えば、明細欄331cに税率が10%である商品及び税率が8%である商品を混在させて表示してもよい。この場合、ステップA20において、CPU10は、税率331lとして、税率10%及び税率8%を表示する。そして、ステップA21において、CPU10は、税率が10%である商品の統一金額331gを合計した値を税率毎金額331mとして表示し、税率が8%である商品の統一金額331gを合計した値を税率毎金額331mとして表示する。
【0073】
次に、CPU10は、税率331lごとに、税率毎金額331mに対する消費税額を算出し、
図7または
図8に示す税率毎消費税額331nとして表示する(ステップA22)。
ステップA22において、CPU10は、税率331l及び税率毎金額331mに基づいて消費税額を算出する。
【0074】
次に、CPU10は、税率331lごとに算出した税率毎消費税額331nを合計した値を
図7または
図8に示す伝票消費税額331oとして表示する(ステップA23)。
次に、CPU10は、税率331lごとに算出した税率毎金額331mを合計した値を
図7または
図8に示す伝票合計金額331pとして表示する(ステップA24)。
次に、CPU10は、ステップS3で取得した合計金額表示設定が税込である場合、伝票合計金額331pとして表示した値を、
図7に示す総合計金額331qとして表示する。一方、CPU10は、ステップS3で取得した合計金額表示設定が税抜である場合、伝票消費税額331oと伝票合計金額331pを合計した値を、
図8に示す総合計金額331qとして表示し(ステップA25)、本処理を終了する。
【0075】
図6に戻り、ステップS1で選択された伝票フォーマット33が混在フォーマット332である場合(ステップS7;YES)、CPU10は、
図16に示す混在処理を実行する(ステップS9)。
【0076】
<混在処理>
CPU10は、ステップS5においてユーザにより入力された商品に対応する、税込税抜設定により初期設定された商品単価を、
図9または
図10に示す混在単価332fとして表示する(ステップB1)。
次に、CPU10は、ステップB1において表示した商品単価は、税込単価であるか、または税抜単価であるかを、
図9または
図10に示す税込/税抜表示332jに表示する(ステップB2)。
【0077】
次に、CPU10は、混在単価332fに数量331eを乗算して税込金額または税抜金額を算出して、
図9または
図10に示す混在金額332gとして表示する(ステップB3)。
つまり、CPU10は、混在単価332fとして税込単価を表示した場合、税込金額を算出して、算出した税込金額を混在金額332gとして表示する。
また、CPU10は、混在単価332fとして税抜単価を表示した場合、税抜金額を算出して、算出した税抜金額を混在金額332gとして表示する。
【0078】
次に、CPU10は、ステップS3で取得した合計金額表示設定が税込であって、且つステップB3において表示した混在金額332gは、税抜金額であるか否かを判断する(ステップB4)。
合計金額表示設定が税込であって、且つ混在金額332gが税抜金額である場合(ステップB4;YES)、CPU10は、ステップB3において算出した税抜金額、及びステップS6で取得した商品の税率に基づいて税込金額を算出する。そして、CPU10は、算出した税込金額を、
図9に示すように備考332iに表示し(ステップB5)、ステップB8に移行する。なお、算出した税込金額を備考332iに表示するステップB5の処理を省略してもよい。
【0079】
一方、合計金額表示設定が税込であって、且つ混在金額332gが税抜金額である場合に該当しない場合(ステップB4;NO)、CPU10は、ステップS3で取得した合計金額表示設定が税抜であって、且つ混在金額332gが税込金額であるか否かを判断する(ステップB6)。
合計金額表示設定が税抜であって、且つ混在金額332gが税込金額である場合(ステップB6;YES)、CPU10は、ステップB3において算出した税込金額、及びステップS6で取得した商品の税率に基づいて税抜金額を算出する。そして、CPU10は、算出した税抜金額を、
図10に示すように備考332iに表示し(ステップB7)、本処理をステップB8に移行する。なお、算出した税抜金額を備考332iに表示するステップB5の処理を省略してもよい。
また、合計金額表示設定が税抜であって、且つ混在金額332gが税込金額である場合に該当しない場合(ステップB6;NO)、CPU10は、本処理をステップB8に移行する。
【0080】
ステップB8において、CPU10は、明細欄332cの税率332hの税率を
図9または
図10に示す税率332lとして表示する。
【0081】
次に、CPU10は、税率332lごとに、
図9または
図10に示す税率毎金額332mを算出して表示する(ステップB9)。
具体的には、
図9に示すように合計金額表示設定が税込である場合、CPU10は、明細欄332cに表示した商品の税込金額を合計した値を税率毎金額332mとする。
図9に示す例において、商品名「商品01」の税込金額は、混在金額332gの11000円であり、商品名「商品02」の税込金額は、備考332iに記載された13200円である。したがって、CPU10は、これらを合計して、税率毎金額332mを24200円と算出する。
【0082】
一方、
図10に示すように合計金額表示設定が税抜である場合、CPU10は、明細欄332cに表示した商品の税抜金額を合計した値を税率毎金額332mとする。
図10に示す例において、商品名「商品01」の税抜金額は、備考332iに記載された10000円であり、商品名「商品02」の税抜金額は、混在金額332gの12000円である。したがって、CPU10は、これらを合計して、税率毎金額332mを22000円と算出する。
【0083】
つまり、作成部としてのCPU10は、第3設定部として伝票において商品の税込金額及び税抜金額を混在させて記載することを設定した場合、ユーザにより入力された商品に対応する、第2設定部として設定した種類の金額を、第1設定部として設定した合計金額の種類と一致する金額に換算して、伝票の合計金額を算出する。
【0084】
なお、
図9、
図10に示す例においては、明細欄331cに税率が10%である商品のみを表示しているが、これに限らない。
図7、
図8と同様に、明細欄332cに税率が10%である商品及び税率が8%である商品を混在させて表示してもよい。
【0085】
次に、CPU10は、税率332lごとに、税率毎金額332mに対する消費税額を算出し、
図9または
図10に示す税率毎消費税額332nとして表示する(ステップB10)。
ステップB10において、CPU10は、税率332l及び税率毎金額332mに基づいて消費税額を算出する。
【0086】
次に、CPU10は、税率332lごとに算出した税率毎消費税額332nを合計した値を
図9または
図10に示す伝票消費税額332oとして表示する(ステップB11)。
次に、CPU10は、税率332lごとに算出した税率毎金額332mを合計した値を
図9または
図10に示す伝票合計金額332pとして表示する(ステップB12)。
次に、CPU10は、ステップS3で取得した合計金額表示設定が税込である場合、伝票合計金額332pとして表示した値を、
図9に示す総合計金額332qとして表示する。一方、CPU10は、ステップS3で取得した合計金額表示設定が税抜である場合、伝票消費税額332oと伝票合計金額332pを合計した値を、
図10に示す総合計金額332qとして表示し(ステップB13)、本処理を終了する。
【0087】
CPU10は、上記ステップS7~S9を実行することにより、第1設定部として設定した合計金額の種類の合計金額を含む伝票を作成する。ここで、CPU10は作成部として機能する。当該ステップS7~S9が作成ステップである。
【0088】
図6に戻り、CPU10は、操作部40を介したユーザによる商品入力完了の指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS10)。
商品入力完了の指示を受け付けた場合(ステップS10;YES)、CPU10は、本処理を終了する。
一方、商品入力完了の指示を受け付けていない場合(ステップS10;NO)、CPU10は、本処理をステップS5に移行し、次の商品について商品名及び数量の入力を受け付ける。
【0089】
なお、上記実施形態において、所定の取引先との取引業務における業務対象は、商品に限定されない。業務対象は役務でもよい。
【0090】
<効果>
以上のように、上記実施形態の情報処理装置1は、商品又は役務を取引対象とする取引の伝票を作成するための情報処理装置であって、取引対象の取引先に対応させて、伝票に記載する取引対象の合計金額の種類を税込又は税抜のいずれか一方に設定する第1設定部(CPU10)と、第1設定部により設定された合計金額の種類の合計金額を含む伝票を作成する作成部(CPU10)と、を備える。
これによれば、税込又は税抜のいずれかに統一した税率ごとの合計金額を含む伝票を作成することができる。すなわち、インボイス制度に対応した伝票を容易に作成できる。
【0091】
また、上記実施形態の情報処理装置1は、取引対象に対応させて、伝票に記載する取引対象の金額の種類を税込又は税抜のいずれか一方に設定する第2設定部(CPU10)と、伝票において取引対象の税込金額及び税抜金額を混在させて記載するか否か示す混在情報を設定する第3設定部(CPU10)と、を備え、作成部(CPU10)は、第2設定部により設定された金額の種類と、第3設定部により設定された混在情報と、に基づいて、第1設定部(CPU10)により設定された合計金額の種類の合計金額を含む前記伝票を作成する。
これによれば、伝票において税抜金額を記載した取引対象と税込金額を記載した取引対象が混在する場合においても、税込又は税抜のいずれかに統一した税率ごとの合計金額を含む伝票を作成することができる。
【0092】
また、上記実施形態の情報処理装置1において、第2設定部(CPU10)は、伝票に記載する取引対象の金額の種類と、取引対象の識別情報(商品名、キーコード等)とを対応付ける。
これによれば、ユーザにより入力された取引対象の税込税抜設定が、税込又は税抜であるかを容易に判定できる。
【0093】
また、上記実施形態の情報処理装置1は、ユーザにより入力された取引対象の金額の種類が第1設定部(CPU10)により設定された合計金額の種類と一致しているか否かを判定する判定部(CPU10)と、第3設定部(CPU10)により伝票において取引対象の税込金額及び税抜金額を混在させて記載しないことが設定されており、判定部により取引対象に対応する金額の種類が合計金額の種類に一致していないと判定された場合に、第1設定部により設定されていない方の種類の取引対象の金額の入力を受け付ける受付部(CPU10)と、を備える。
これは、伝票において取引対象の金額を税込または税抜に統一して記載する場合である。
この場合であって、取引対象の金額を税込に統一して記載することが設定されている場合に、税込税抜設定として税抜単価で記載することが初期設定された取引対象の税込単価を伝票に入力できる。また、取引対象の金額を税抜に統一して記載することが設定されている場合に、税込税抜設定として税込単価で記載することが初期設定された取引対象の税抜単価を伝票に入力できる。
【0094】
また、上記実施形態の情報処理装置1において、作成部(CPU10)は、受付部(CPU10)により受け付けた取引対象の金額を、第1設定部(CPU10)により設定された合計金額の種類と一致する金額に換算する。
これによれば、取引対象の金額を税込に統一して記載することが設定されている場合に、税抜の金額を換算して税込の金額を算出できる。また、取引対象の金額を税抜に統一して記載することが設定されている場合に、税込の金額を換算して税抜の金額を算出できる。
【0095】
また、上記実施形態の情報処理装置1において、作成部(CPU10)は、第3設定部(CPU10)により伝票において取引対象の税込金額及び税抜金額を混在させて記載することが設定されている場合、ユーザにより入力された取引対象に対応する第2設定部(CPU10)により設定された種類の金額を、第1設定部(CPU10)により設定された合計金額の種類と一致する金額に換算して、合計金額を算出する。
これによれば、伝票において取引対象の税込金額及び税抜金額を混在させて記載する場合においても、税込又は税抜のいずれかに統一した合計金額を記載することができる。
【0096】
また、上記実施形態の情報処理装置1において、伝票の種別として、見積書、注文書、納品書、請求書及び領収書のうち、少なくとも1種を含む。
これによれば、インボイス制度に対応した見積書、注文書、納品書、請求書及び領収書を容易に作成できる。
【0097】
また、上記実施形態に係る情報処理方法は、商品又は役務を取引対象とする取引の伝票を作成するための情報処理方法であって、取引対象の取引先に対応させて、伝票に記載する取引対象の合計金額の種類を税込又は税抜のいずれか一方に設定する第1設定ステップ(ステップS3)と、第1設定ステップにより設定された合計金額の種類の合計金額を含む伝票を作成する作成ステップ(ステップS7~S9)と、を含む。
これによれば、税込又は税抜のいずれかに統一した税率ごとの合計金額を含む伝票を作成することができる。すなわち、インボイス制度に対応した伝票を容易に作成できる。
【0098】
また、上記実施形態に係るプログラムは、商品又は役務を取引対象とする取引の伝票を作成するための情報処理装置1に設けられたコンピュータとしてのCPU10を、取引対象の取引先に対応させて、伝票に記載する取引対象の合計金額の種類を税込又は税抜のいずれか一方に設定する第1設定部、第1設定部により設定された合計金額の種類の合計金額を含む伝票を作成する作成部として機能させる。
これによれば、税込又は税抜のいずれかに統一した税率ごとの合計金額を含む伝票を作成することができる。すなわち、インボイス制度に対応した伝票を容易に作成できる。
【0099】
以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として記憶部30のHDD、SSDを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリや、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0100】
なお、上記実施形態における記述は、本発明に係る情報処理装置、情報処理方法及びプログラムの一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、所定の取引先との取引のための作業を含む業務を例に挙げて説明したが、これ以外の任意の業務について本発明を適用してもよい。
【0101】
また、上記実施形態における情報処理装置1の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0102】
1 情報処理装置
10 CPU(コンピュータ、第1設定部、第2設定部、第3設定部、作成部、判定部、受付部)
20 RAM
30 記憶部
31 取引先テーブル
32 商品単価テーブル
33 伝票フォーマット
331 統一フォーマット
332 混在フォーマット
40 操作部
50 表示部
51 表示画面
52 税抜単価入力画面
53 税抜金額入力画面
54 税込単価入力画面
55 税込金額入力画面
60 通信部
100 情報処理システム